IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クライオポート,インコーポレーテッドの特許一覧

特表2022-537407データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル
<>
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図1A
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図1B
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図2
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図3
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図4
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図5
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図6
  • 特表-データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220818BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575997
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 US2020038231
(87)【国際公開番号】W WO2020257347
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】16/446,123
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520244016
【氏名又は名称】クライオポート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ボーリンガー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】リー,ベン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
電子輸送ラベルのための方法、システム、デバイス、および/または装置。電子輸送ラベルは、複数の電子画像ファイルを電子デバイスから得るように構成された通信デバイスを含む。電子輸送ラベルは、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントを有するタッチ・スクリーン・ディスプレイを含む。1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントは、複数の電子画像ファイル間で切り替え、輸送用コンテナへのアクセスを開始するように構成される。電子輸送ラベルは、プロセッサを含む。このプロセッサは、第1電子画像ファイルを複数の電子画像ファイルから得るように構成される。このプロセッサは、輸送道程の複数の区間の内第1区間中に、第1電子画像ファイルをレンダリングするように構成される。このプロセッサは、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントが選択されたときに、複数の電子画像ファイルまたは輸送用コンテナから第2電子画像ファイルにアクセスするように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送用コンテナの電子輸送ラベルであって、
電子デバイス上に格納されており、輸送道程を形成する複数の区間と関連付けられた輸送情報を表す複数の電子画像ファイルを、前記電子デバイスから得るように構成された通信デバイスと、
前記複数の電子画像ファイル間で切り替え、前記輸送用コンテナへのアクセスを開始するように構成された1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントを有するタッチ・スクリーン・ディスプレイと、
前記通信デバイスおよび前記タッチ・スクリーン・ディスプレイに接続結合されたプロセッサと、
を備え、前記プロセッサが、
前記電子デバイスから、前記通信デバイスを使用して、前記電子デバイス上に格納されている前記複数の電子画像ファイルからの第1電子画像ファイルを得て、
前記輸送道程の第1区間中に、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に前記第1電子画像ファイルをレンダリングし、
前記1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントが選択されたとき、前記複数の電子画像ファイルまたは前記輸送用コンテナから第2電子画像ファイルにアクセスする、
ように構成される、輸送用コンテナの電子輸送ラベル。
【請求項2】
請求項1記載の電子輸送ラベルにおいて、前記プロセッサが、
前記輸送用コンテナ内部の温度を含む温度監視データを得て、
前記タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に、前記輸送用コンテナ内部の温度を表示する、
ように構成される、電子輸送ラベル。
【請求項3】
請求項1記載の電子輸送ラベルであって、更に、
前記1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントの選択の順序を記憶するように構成されたメモリを備え、前記1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントが前記順序で選択されたとき、前記輸送用コンテナにアクセスする、電子輸送ラベル。
【請求項4】
請求項1記載の電子輸送ラベルにおいて、前記1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントが複数のボタンを含み、各ボタンが異なる識別子を有し、前記プロセッサが、
前記複数のボタンの内1つ以上のボタンが前記順序で押されたとき、前記輸送用コンテナにアクセスする、電子輸送ラベル。
【請求項5】
請求項1記載の電子輸送ラベルにおいて、前記通信デバイスが、前記輸送用コンテナの現在地を受信するように構成され、前記プロセッサが、
前記輸送用コンテナの現在地が、前記輸送道程の第1区間と関連付けられた第1目的地から閾値距離よりも離れているとき、前記第2電子画像ファイルにアクセスするように構成される、電子輸送ラベル。
【請求項6】
請求項1記載の電子輸送ラベルにおいて、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイが、電源によって給電され、前記電源が故障した場合でも、前記第1電子画像ファイルを視覚的に表示するように構成される、電子輸送ラベル。
【請求項7】
請求項1記載の電子輸送ラベルであって、更に、
非反射可撓性プラスチック・カバーを備え、前記非反射可撓性プラスチック・カバーが、当該非反射可撓性プラスチック・カバーの直下にある前記複数の画像ファイルを、前記電子デバイスのレーザによって読み取ることを可能にするように構成される、電子輸送ラベル。
【請求項8】
輸送用コンテナの輸送を管理するシステムであって、
複数の区間を有する輸送道程を監視するウェブ・ポータルと、
前記ウェブ・ポータルと通信し、前記輸送道程の複数の区間と関連付けられた複数の電子画像ファイルを格納する電子デバイスと、
電子輸送ラベルと、
を備え、
前記電子輸送ラベルが、
前記電子デバイスから、輸送情報を表す複数の電子画像ファイルを得るように構成された通信デバイスと、
前記複数の電子画像ファイル間で切り替え、前記輸送用コンテナへのアクセスを付与するように構成された1つ以上のボタンを有するタッチ・スクリーン・ディスプレイと、
前記通信デバイスおよび前記タッチ・スクリーン・ディスプレイに結合されたプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサが、
前記電子デバイスから、前記通信デバイスを使用して、前記複数の電子画像ファイルから第1電子画像ファイルを得て、
前記輸送道程の第1区間中に、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に前記第1電子画像ファイルをレンダリングし、
前記1つ以上のボタンが押されたとき、前記複数の電子画像ファイルまたは前記輸送用コンテナから第2電子画像ファイルにアクセスする、
ように構成される、システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムにおいて、前記通信デバイスがワイヤレスで前記電子デバイスと通信する、システム。
【請求項10】
請求項8記載のシステムにおいて、前記電子デバイスが、前記電子輸送ラベルに、前記輸送道程の1つ以上の区間中に、前記電子デバイスによって得られた少なくとも1つの情報を表示させる、システム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの情報が、前記輸送用コンテナ内の内部温度である、システム。
【請求項12】
請求項8記載のシステムにおいて、前記プロセッサが、前記輸送道程の区間上にあることに基づいて、前記電子デバイスから、電子画像ファイルの表示を誘起する信号を得るように構成される、システム。
【請求項13】
請求項8記載のシステムにおいて、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイが、電源によって給電され、前記電源が故障した場合でも、前記第1電子画像ファイルを視覚的に表示するように構成される、システム。
【請求項14】
請求項8記載のシステムにおいて、前記電子デバイスが、前記輸送用コンテナの位置を判定するように構成され、前記プロセッサが、前記輸送用コンテナの位置が前記輸送道程の第1区間と関連付けられた位置から閾値距離だけ離れているとき、前記輸送道程の第2区間中に、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に第2電子画像ファイルをレンダリングするように構成される、システム。
【請求項15】
請求項8記載のシステムにおいて、前記電子輸送ラベルが、非反射可撓性プラスチック・カバーを有し、前記非反射可撓性プラスチック・カバーが、当該非反射可撓性プラスチック・カバーの直下にある前記複数の画像ファイルを、前記電子デバイスのレーザによって読み取ることを可能にするように構成される、システム。
【請求項16】
請求項8記載のシステムにおいて、前記タッチ・スクリーン・ディスプレイが、電源によって給電され、前記電源が故障した場合でも、前記第1画像ファイルを視覚的に表示するように構成される、システム。
【請求項17】
輸送用コンテナの輸送を管理するシステムであって、
輸送道程を監視するウェブ・ポータルであって、前記輸送道程が当該輸送道程を形成する複数の区間を有する、ウェブ・ポータルと、
前記ウェブ・ポータルと通信し、前記輸送道程の複数の区間と関連付けられた複数の電子画像ファイルを格納する電子デバイスと、
電子輸送ラベルと、
を備え、
前記電子輸送ラベルが、
前記電子デバイスから、前記電子デバイス上に格納されている前記複数の電子画像ファイルを得る通信デバイスと、
前記通信デバイスに接続されたプロセッサであって、
前記電子デバイスから、前記通信デバイスを使用して、前記電子デバイス上に格納されている前記複数の電子画像ファイルから第1電子画像ファイルを得て、
前記輸送道程の第1区間中に、前記第1電子画像ファイルをレンダリングする、
ように構成される、プロセッサと、
前記レンダリングされた第1電子画像ファイルを視覚的に表示するディスプレイであって、前記ディスプレイに給電する電源が故障した場合でも、前記レンダリングされた第1電子画像ファイルが、前記電子デバイスのレーザによって読み取られる、ディスプレイと、
を有する、輸送用コンテナの輸送を管理するシステム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、前記電子デバイスが、前記電子輸送ラベルに近接して前記輸送用コンテナに添付され、
前記電子デバイスまたは輸送用コンテナの位置を判定し、
前記輸送道程の第1区間の目的地周囲にあるジオフェンスを判定し、
前記目的地および前記電子デバイスまたは輸送用コンテナの位置に基づいて、前記電子デバイスが、前記輸送道程の第1区間の目的地周囲にあるジオフェンスから出たと判定し、
前記電子輸送ラベルに、前記複数の電子画像ファイルの内第2電子画像ファイルに変更するように指示するために、第2電子画像ファイルまたは信号を前記電子輸送ラベルに供給する、
ように構成される、システム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムにおいて、前記電子輸送ラベルが、
前記電子デバイスが前記ジオフェンスから出たときに、前記第2電子画像ファイルまたは信号を受信し、
前記第2電子画像を表示する、
ように構成される、システム。
【請求項20】
請求項17記載のシステムにおいて、前記ディスプレイが複数のユーザ・インターフェース・エレメントを有し、前記プロセッサが、
前記複数のユーザ・インターフェース・エレメントから、複数の選択を、順序付けられた配列として受け、前記順序付けられた配列が、記憶されている前記複数のユーザ・インターフェース・エレメントの選択の配列と一致した場合、
前記順序付けられた配列および前記記憶されている配列の一致に応答して、前記輸送用コンテナにアクセスし、
前記ディスプレイ上に、前記輸送用コンテナの積載および荷下指示書を出力する、
ように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は、“DIGITAL SMART LABEL FOR SHIPPER WITH DATA LOGGER”(データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル)と題し、2019年6月19日に出願された米国特許出願第16/446,123号の優先権および権利を主張する。米国特許出願第16/446,123号は、DIGITAL SMART LABEL FOR SHIPPER WITH DATA LOGGER”(データ・ロガーを用いた荷送人用ディジタル・スマート・ラベル)と題し、2015年1月5日に出願された米国特許出願第14/589,768号の一部継続出願であり、米国特許出願第14/589,768号は、2014年1月7日に出願された米国仮特許出願第61/924,399号の優先権および権利を主張する。これらの特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
[0003] 本明細書は、電子出荷ラベルを使用して輸送用コンテナを輸送するためのシステム、デバイス、装置、または方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0005] 本発明は、生細胞生体素材、ワクチン、組織等を含む種々の資材の極低温輸送用包装システムと共に使用するのに特に適しており、このような包装システムを使用して資材の輸送(shipment)制御を行うように構成される(adapted)。現在における温度制御資材の輸送には、大抵の場合、物流の支援を必要とする多数の工程を要し、そのためにコストが嵩み、過失の危険性が高まり、輸送中に温度制御資材を損傷するおそれがある。デュワー(dewar)に伴う問題のため、多くの温度制御資材を輸送するにはドライ・アイスを使用することが、今日の慣例となっている。ドライ・アイスは1~2日の限定した保持時間しかもたないので、輸送距離または輸送時間がそれよりも長いと、パッケージを「再冷却」(re-iced)しなければならず、大抵の場合、下請け業者を巻き込む基幹施設上の問題や、包装に伴う複数の介入が発生する。また、ドライ・アイスを使用すると、荷送人(shipper)は、ドライ・アイスを調達するだけでなく、ドライ・アイスおよび温度制御資材を保持するための箱も調達しなければならない。一旦この調達が完了したなら、試料(sample)を包装しなければならない。次に、試料の集荷(pick/up)および移動を調整しなければ(orchestrate)ならず、更に国際輸送における再冷却工程の一元化(re-icing logistics)を管理しなければならない。輸送プロセスの一部として、誰か(somebody)が輸送を管理し、今どこにあるか、到着したか、到着したときその温度は大丈夫だったかというような質問をしなければならない。この手法には多くの欠点があり、顧客が複数の場所における作業、複数の工程を取り纏め(coordinate)なければならないこと、介入が過失の危険性を高めること、国際的な調達および資材の扱いが複雑になる可能性があることが含まれる。これらは全て、信頼性の低下(unreliability)を招くおそれがある。
【0004】
[0006] 輸送プロセスにおける第1工程は、1箇所以上の顧客出荷地点(origin point)から1箇所以上の顧客目的地まで1つ以上の輸送を顧客が開始することである。その最も単純な形態では、顧客は1箇所の顧客出荷地点から1箇所の顧客目的地まで1つのパッケージを輸送するという単独指示(order)を出すことができる。例えば、顧客は、患者の試料を検査機関に輸送しようとしている臨床現場としてもよい。指示を出すとき、顧客は、本人自身の身分を明らかにし、顧客の出荷地点(例えば、患者の試料が得られ、貯蔵されて、輸送を待っている場所)、および患者の試料を送ろうとしている研究所の場所を特定する。
【0005】
[0007] 顧客が指示を出すと、顧客から特定の情報が得られる。この情報は、輸送されるもの、輸送される資材の量、輸送される場所(資材を輸送しなければならない場所が1箇所よりも多い場合もあるので)、資材の輸送準備が整う日時、輸送中に常時資材を維持しなければならない容認温度範囲、および税関または他の規制に従わなければならないこともあり得る他の情報を含むことができる。指示プロセスの間、ソフトウェアが、この指示を遂行するのに必要とされるあらゆる輸送用コンテナが、要求された輸送日時に入手可能であることを確認する(insure)ためにチェックし、顧客の指示を遂行するためそして いずれの輸送用コンテナも再利用できるようにこれらを転用現場に返送するために必要とされる全ての輸送を管理するプロセスを開始する。
【0006】
[0008] 一旦顧客の指示が確認され、顧客の指示を遂行するための輸送用コンテナの入手可能性が確認されたなら、この指示を遂行するために必要な工程を開始する。これらの工程は、全ての必要な輸送区間の道程(itinerary)を準備して輸送区間(shipment leg)毎に輸送指示を出す工程と、顧客の指示を遂行する(fill)ために必要とされるあらゆる輸送用コンテナを準備する工程と、顧客の出荷地点にそれを輸送し、輸送プロセス全体を追跡する工程とに、大きく分けることができる。
【0007】
[0009] 必要な輸送の道程を作成することにより、計画した輸送時間と突き合わせて、輸送用コンテナの進展を追跡および監視することが可能になり、輸送用コンテナ内にある試料チェンバが所望の最高温度未満の温度または容認可能な温度範囲内に引き続き保持されている間に、輸送用コンテナが顧客の目的地に到着することを確保する。これが特に重要なのは、極低温剤が充填された輸送用コンテナの有効期間(lifespan)は限られており、その後では、極低温剤はその試料チェンバをその所望の最高温度未満の温度に維持できなくなる(cease)からである。輸送用コンテナが顧客の出荷地点に到着する前に道程が作成されるので、輸送区間毎に必要な時間を短縮することができ、種々の輸送の効率を最大に高めることによって、極低温剤の限られた有効期間を極力伸ばすことができる。
【0008】
[0010] 例えば、一旦顧客の指示がなされ、顧客の出荷地点、顧客の資材が輸送の準備が整う日時が分かったなら、輸送用コンテナへのその極低温剤(液体窒素または気化窒素)の充填を適時に行うことができるので、このような充填は、輸送用コンテナが荷送人によって輸送のために集荷される時刻にできるだけ近づけて、そして顧客の資材の輸送準備ができる日時にできるだけ近づけて行われる。輸送用コンテナが顧客の出荷地点に到着するときには、顧客は既に輸送用コンテナの予測到着時刻を知っており、顧客の温度制御資材を輸送用コンテナの試料チェンバ内に装填し、次いで次の輸送区間のために、装填された輸送用コンテナを荷送人に返す準備ができている。この場合も、このような作業(activity)の時刻は既に計算され予期されているので、荷送人のところに集荷に伺う(picking up the shipper)指示は既に出されており(そして検証されている)、一旦装填された輸送用コンテナが顧客の出荷地点において集荷されたなら、残されているのは、初期道程の一部として計算された、この輸送区間に対する指示にしたがって、顧客の目的地まで輸送を行うだけである。あるいは、荷送人のところに集荷に伺う指示は、一旦顧客の出荷地点への配送が確認されてから出すこともできる。
【0009】
[0011] 種々の輸送区間がスケジュールにしたがって進めば、顧客の指示が受け入れられたときに作られた初期道程にしたがって顧客の温度制御資材を顧客の目的地まで配達するにあたって何も問題はないはずである。また、事前計画が道程に組み込まれているために、輸送イベント間における中断時間は最短に抑えられる。これが意味するのは、スケジュール通りに行かないことがあっても、過失に対する余裕が大きくなるということである。つまり、輸送コンテナの顧客の出荷地点への配達とその集荷の間に1日以上待つのではなく、双方のイベントの間において、試料チェンバに装填するための時間量を適切にすれば、おそらく双方のイベントを同じ日に行うことができる。
【0010】
[0012] 種々の輸送区間を最も効率的に進めるためには、顧客の出荷地点への初期輸送区間を注意深く制御する。理想的には、既に注記したように、輸送用コンテナに極低温剤を装填する時刻と、輸送用コンテナが顧客の出荷地点に到着する時刻との間における遅延を最小量にして、輸送用コンテナが顧客の出荷地点に配送されるように、この初期輸送区間は適時に進められる。加えて、各輸送区間において使用するラベルを予め印刷することによって、追加の輸送ラベルに記入する必要がないように、そして輸送ラベル上における輸送情報の正しくない入力によって過失を輸送プロセスに混入させることができないように、以後の輸送区間を簡素化し、高速化し、その精度を確保するために措置を講じることができる。
【0011】
[0013] 2010年11月25日に公開された米国特許出願公開2010-0299278-A1に示された1つの輸送包装システム(shipping packing system)では、初期輸送用コンテナ内に追加の輸送用カートンが含まれる。追加の輸送用カートンには、追加の輸送区間毎に予め印刷された輸送ラベルが入っており、一度に1つの輸送ラベル(次の輸送区間のための)だけが見えるように、カートンのフラップ(flap)を折り曲げることができる。この特許出願公開をここで引用したことにより、その開示内容全体が本願にも含まれるものとする。こうして、輸送用コンテナがその当初の処理現場を離れるとき、デュワーが輸送箱の内部に収容され、この箱の中で発泡包装材によって支持される。この箱の一方のフラップは、顧客の出荷地点から顧客の目的地までの輸送区間についての輸送ラベルを含み(contain)、この箱の他方のフラップは、顧客の目的地から再処理施設までの戻り輸送区間についての輸送ラベルを含む。一方、この輸送箱は、次に第2の外側輸送箱内に収容される(included)。この第2の外側輸送箱は、輸送用コンテナをその本来の処理現場から顧客の出荷地点に輸送するために使用される。輸送用コンテナが顧客の出荷地点に到着に到着すると、開梱されて外側の箱が除去され、試料は試料チェンバ内に挿入され、次いで内側の箱が再度密封され、顧客の目的地を示すラベルを付けて、輸送の準備が完了する。この輸送用コンテナが顧客の目的地に到着すると、開梱され、試料が取り出され、次いで再度密封されて、再処理設備への輸送を示すラベルが付けられる。
【0012】
[0014] 輸送用コンテナを追跡することにより、輸送プロセスにおいて問題が生じたときに、それを特定することが可能になり、必要であれば、このような問題を解決するための措置を講ずることができる。この意味では、輸送用コンテナの位置の追跡は、輸送コンテナおよびその試料チェンバの「健全性」(health)を、少なくとも1つの予め選択された判断基準にしたがって測定するために使用することができる。
【0013】
[0015] 例えば、顧客の指示に対する道程が、輸送用コンテナを顧客の出荷地点に所与の日の午前10時までに配達しなければならず、次いで同じ日の午後3時に同じ場所において集荷されなければならないことを規定するが、何らかの理由のために、輸送用コンテナが同じ日に集荷されないと仮定する。集荷の時刻が過ぎ、集荷の確認がなく、輸送用コンテナが顧客の出荷地点に位置するままであるとして追跡されたとき、後の日時において顧客の出荷地点での輸送用コンテナの集荷のために、新たな指示を出すことができる。指示道程(order itinerary)における後続の輸送区間はいずれも、利用可能な輸送情報にアクセスすることができるソフトウェア道程プログラムによって、同時に自動的に調節することができる。新たな指示は、自動的に出すことができ、または道程からの逸脱に対する理由を調査した後に出すことができ、遅延は輸送に悪影響を及ぼさず、顧客の注文に対する新たな道程時間枠内に納まると判断される。ここで、この新たな指示が、最初の指示と同様に、同じ事態に陥った、即ち、再度、予定していた集荷時刻に輸送用コンテナが集荷されていないと仮定する。また、遅延が繰り返された結果、輸送用コンテナ内にある極低温剤には十分な有効期間が残されておらず、試料チェンバの温度がその所望の最高温度未満であり続けることを保証できないために、試料に悪影響を及ぼすことなく、顧客の指示に対する輸送を新たな道程時間枠内で行うことができないという結論に達したと仮定する。この時点において、遅延が原因で生じた問題に対処するには、3つの選択肢がある。遅延が原因で生じた問題に対処するための3つの選択肢には、以下が含まれる。(i)指示を全て取り消す。これは、試料チェンバにおける過熱によって輸送中に温度制御輸送を失うよりはましであろう。(ii)新たな極低温剤を輸送用コンテナに追加する、および/または(iii)交換用の輸送用コンテナを顧客の出荷地点に供給し、この交換用の輸送用コンテナの有効期間と結び付けた改訂道程の下で、顧客の指示を遂行する(fill)ために使用する。どの代替案を選択しても、遅延が輸送中における温度制御資材の損傷に至ることはない。何故なら、このような資材は、顧客の目的地までの輸送中にこのような資材の温度を所望の最大温度未満に維持することができない輸送用コンテナに入れられて、顧客の出荷地点を離れることはないからである。
【0014】
[0016] 顧客の出荷地点における集荷の遅延以外にも、顧客の出荷地点における集荷後の輸送中に、他の遅延が起こるおそれもある。例えば、輸送用コンテナが不適当な目的地に荷送人によって輸送される、または規制当局によって他の場所に迂回されるおそれもあり、あるいは予測できない状況、税関当局、または何らかの他の規制当局によって遅延が生ずるおそれもある。所与の時点における輸送用コンテナの場所を知ることによって、遅延を検出できる限り、必要であれば、このような遅延に対処するためにしかるべき措置を講ずることができる。例えば、輸送用コンテナが誤った方向に送られたまたは迂回された場合、輸送コンテナが今位置する地点から正しい目的地までの新たな輸送区間に対して、指示を出すことができる。あるいは、遅延が顧客の出荷地点において発生したという以前のシナリオにおいて注記したように、有効期間が長い交換用の輸送用コンテナに温度制御資材を移すことができ、過剰温度が原因で生ずる損傷を受けずに温度制御資材を顧客の目的地に到着させることができるように、輸送コンテナに新たな極低温剤を追加させる構成を採用することもでき、もしくは遅延のために(例えば、通関するために待っている)輸送用コンテナが位置する場所に新たな輸送用コンテナを配送することもできる。
【0015】
[0017] 輸送プロセスの肝要な要素は、輸送用コンテナの位置を追跡する能力である。このような位置追跡により、集荷および配送の検証が可能になり、どこで輸送用コンテナが遅れたか、またはどこに誤って送られたかまたは迂回されたおそれがあるか特定する。このような追跡は、輸送中の輸送用コンテナによって特定されるワイヤレス位置センサの使用によって行われる。このセンサは、輸送用コンテナおよび顧客の指示によって一意に特定され、その位置が検出されるに連れて、コンピュータ追跡ソフトウェアによって容易に追跡することができる。輸送プロセスの一部または全部の間センサの位置を連続的に監視することもできるが、輸送プロセスの主要地点間で監視されていれば、必ずしも連続的に監視しなくてもよい。
【0016】
[0018] 輸送用コンテナが顧客の目的地に配達された後、再処理センタに戻され、ここで再利用のために状態を整えることができる。そして、所与の顧客の指示と関連付けられた道程内にこの戻り区間が含まれることが望ましく、荷送人によるこの戻り区間が最初の顧客の指示と関連付けて予約されること(そして、必要であれば、道程が修正されたときには修正されること)が望ましく、そして再処理センタへの返送のために、予め印刷されたラベルが輸送用コンテナと共に含まれることが望ましい。輸送用コンテナの再処理は、埋め立てごみ処理(landfill)の無駄を極力抑え、輸送プロセス全体のコストを低減するのに役立つ。加えて、輸送用コンテナ内に格納されたデータ・ログが再処理の一部としてダウンロードされるときに、検証および説明責任をし易くすることができる。
【0017】
[0019] 輸送用コンテナの位置追跡によって、輸送の進展をコンピュータによってリアル・タイムに文書化し監視することが可能になるので、輸送プロセスにおいて発生したあらゆる遅延の理由を確定し、必要であれば、このような遅延に関連する責任の所在を明確にする(allocate)メカニズムも提供する。
【0018】
[0020] 以上で説明した方法は、荷送人の情報技術(FedEx(登録商法)のような情報技術)に統合されたソフトウェアを有するウェブ・ポータルを使用して、運搬(transit)の間輸送用コンテナを追跡する初期段階またはフェーズ1段階と見なすこともでき、輸送用コンテナ技術と輸送方法(shipping methodology)との組み合わせが協働して、温度制御資材の荷送人が両端間輸送を簡略化し、凍結輸送の信頼性を向上させ、現在の輸送方法に代わる「グリーン」な代替方法を実施するのを補助し、全てが総コストを低減して行われる解決策を提供する。
【0019】
[0021] 以上の方式の中核は、荷送人の輸送航路(journey)全体の複数の区間において、荷送人がどこを進んでいるか精度高く特定する能力と、必要であれば、運搬中に指示を変更することが必要になったときには、途中で輸送道程を変更する能力である。輸送計画に対して全体的な物流を提案する(provide)会社が、運送(transportation)の今後の区間について前もって輸送文書の全てを提供するはずなので、指示に対する変更はいずれも、顧客(client)または顧客の荷受人が現在の文書を破棄し(remove)、ポータルまたは顧客サービスによって送られた電子メールから新たな文書を印刷し、それをパッケージに貼り付けることが必要となる。加えて、パッケージは、3つ以上の異なる運送区間のための輸送ラベルを貼り付ける場所ができるように、2つの箱で供給する必要がある。
【0020】
[0022] しがたって、現在の輸送用コンテナの輸送方法に伴う紙の無駄を低減することが必要であり、更には配送プロセス全体にわたってリアル・タイムで輸送用コンテナを追跡および監視することができる機能(ability)が求められている。
【発明の概要】
【0021】
[0023] 一般的には、本明細書において記載する主題の1つの態様は、電子輸送ラベルにおいて具現化される。この電子輸送ラベルは通信デバイスを含む。通信デバイスは、電子デバイスから、その電子デバイス上に格納されている複数の電子画像ファイルを得るように構成される。複数の電子画像ファイルは、輸送道程を形成する複数の区間に関連する輸送情報を表す。電子輸送ラベルは、タッチ・スクリーン・ディスプレイを含む。このタッチ・スクリーン・ディスプレイは、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントを有し、これらのユーザ・インターフェース・エレメントは、複数の電子画像ファイル間で切り替え、輸送用コンテナへのアクセスを開始するように構成される。電子輸送ラベルは、プロセッサを含む。このプロセッサは、通信デバイスおよびタッチ・スクリーン・ディスプレイに結合されている。このプロセッサは、電子デバイスから、そして通信デバイスを使用して、電子デバイス上に格納されている複数の電子画像ファイルから第1電子画像ファイルを得るように構成される。このプロセッサは、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に、第1電子画像ファイルを、輸送道程の複数の区間の内第1区間の間レンダリングするように構成される。このプロセッサは、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントが選択されたとき、複数の電子画像ファイルまたは輸送用コンテナから第2電子画像ファイルにアクセスするように構成される。
【0022】
[0024] これらおよびその他の実施形態は、随意に、以下の特徴の内1つ以上を含んでもよい。プロセッサは、輸送用コンテナ内の温度を含む温度監視データを得るように構成されてもよい。プロセッサは、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に、輸送用コンテナ内部の温度を表示するように構成されてもよい。電子輸送ラベルは、メモリを含んでもよい。このメモリは、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントの選択の順序を記憶し、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントがその順序で選択されたときに、輸送用コンテナにアクセスするように構成することができる。
【0023】
[0025] 1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントは、複数のボタンを含んでもよい。各ボタンは異なる識別子を有することができる。プロセッサは、1つ以上のボタンが順次押されたとき、輸送用コンテナにアクセスするように構成されてもよい。通信デバイスは、輸送用コンテナの現在の位置を受信するように構成されてもよい。プロセッサは、コンテナの現在の位置が、輸送道程の第1区間と関連付けられた第1目的地位置(destination location)から閾値距離よりも離れている(greater)とき、第2電子画像ファイルにアクセスするように構成されてもよい。タッチ・スクリーン・ディスプレイは、電源によって給電され、電源が落ちた場合でも、第1電子画像ファイルを視覚的に表示するように構成することができる。電子輸送ラベルは、電子デバイスのレーザによって読み取られる、非反射可撓性プラスチック・カバーを含んでもよい。
【0024】
[0026] 他の態様では、本主題は、輸送用コンテナの輸送を管理するシステムにおいて具現化される。このシステムは、複数の区間を有する輸送道程を監視するウェブ・ポータルを含む。このシステムは、ウェブ・ポータルと通信する電子デバイスを含む。この電子デバイスは、輸送道程の複数の区間と関連付けられた複数の電子画像ファイルを格納する。このシステムは、電子輸送ラベルを含む。この電子輸送ラベルは、通信デバイスを含む。この通信デバイスは、電子デバイスから複数の電子画像ファイルを得るように構成される。複数の電子画像ファイルは、輸送情報を表す。このシステムは、タッチ・スクリーン・ディスプレイを含む。このタッチ・スクリーン・ディスプレイは、1つ以上のボタンを含む。1つ以上のボタンは、複数の電子画像ファイル間で切り替え、輸送用コンテナへのアクセスを付与するように構成される。電子輸送ラベルは、プロセッサを含む。このプロセッサは、通信デバイスおよびタッチ・スクリーン・ディスプレイに結合されている。このプロセッサは、電子デバイスから、そして通信デバイスを使用して、第1電子画像ファイルを得るように構成される。このプロセッサは、輸送道程の第1区間中、タッチ・スクリーン・ディスプレイ上に、第1電子画像ファイルをレンダリングするように構成される。このプロセッサは、1つ以上のボタンが押されたとき、第2電子画像ファイルまたは輸送用コンテナにアクセスするように構成される。
【0025】
[0027] 他の態様では、本主題は、輸送用コンテナの輸送を管理するシステムにおいて具現化される。このシステムは、輸送道程を監視するウェブ・ポータルを含む。輸送道程は、この輸送道程を形成する複数の区間を有する。このシステムは、電子デバイスを含む。この電子デバイスは、ウェブ・ポータルと通信する。電子デバイスは、輸送道程の複数の区間と関連付けられた複数の電子画像ファイルを格納する。このシステムは、電子輸送ラベルを含む。この電子輸送ラベルは、電子デバイス上に格納されている複数電子画像ファイルをこの電子デバイスから得るために、通信デバイスを有する。電子輸送ラベルは、通信デバイスに接続されたプロセッサを含む。このプロセッサは、電子デバイスから、そして通信デバイスを使用して、電子デバイス上に格納されている複数の電子画像ファイルから、第1電子画像ファイルを得るように構成される。プロセッサは、輸送道程の第1区間の間、第1電子画像ファイルをレンダリングするように構成される。電子輸送ラベルは、レンダリングされた第1電子画像ファイルを視覚的に表示するディスプレイを有し、第1電子画像ファイルは、ディスプレイに給電する電源が落ちても、電子デバイスのレーザによって読み取られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
[0028] 本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。図面に示す構成部品(component part)は、必ずしも同じ拡縮率で描かれているとは限らず、本発明の重要な特徴を目立たせる(better illustrate)ために誇張される場合もある。
図1A】本発明の態様による電子輸送ラベル例を示す。
図1B】本発明の態様による、図1Aの電子輸送ラベルのブロック図である。
図2】本発明の態様による輸送および物流システム例のブロック図を示す。
図3】本発明の態様にしたがって、輸送用コンテナ上の施錠機構を制御する、図1の輸送および物流システムの電子輸送ラベルのディスプレイ上のキーパッドを示す。
図4】本発明の態様にしたがって、図2の輸送および物流システムの電子デバイスを使用して、電子画像を得て電子輸送ラベルに供給するプロセス例の流れ図である。
図5】本発明の態様にしたがって、図2の輸送および物流システムの電子輸送ラベル上に輸送情報を表示するプロセス例の流れ図である。
図6】本発明の態様にしたがって、図2の輸送および物流システムの電子輸送ラベル100を通じて輸送用コンテナにアクセスするプロセス例の流れ図である。
図7】本発明の態様による、図2の輸送および物流システムのウェブ・ポータルについて、全体的なウェブ・ポータル・アーキテクチャ例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0037] 本明細書において開示するのは、電子輸送ラベルを使用して輸送用コンテナを運送する(transport)ためのシステム、デバイス、および/または方法である。電子輸送ラベルは、運送業者に関係なく、いずれの種類の輸送ラベル構成(即ち、バー・コード、フォーマット、要求される運送業者特定情報等)であっても、それに合わせてリアル・タイムの表示を提供する。この輸送ラベルは、荷送人上の1箇所以上の部位(location)に貼り付けられる。変更が必要となり、その結果、輸送ラベルを変更しなければならなくなったとき、ウェブ・ポータルが新たな情報を電子輸送ラベルに送り、スマート・データ・ロガーまたは別個の電子デバイスのような、荷送人が携行する電子デバイスを経由して、表示を変更する。スマート・データ・ロガーまたは別個の電子デバイスからラベルへの何らかの形式の通信(Wi-Fi、セルラのような通信、または何らかの他の形式の非接触通信)によって、出発地点、目的地、積載物、および運送業者を全て変更することができる。これによって、紙の使用を減らす。現在では、平均で、各国際輸送には8.5”×11”の用紙を15ページ使用し、国内輸送では6ページを使用する。
【0028】
[0038] 他の利点および優位性には、輸送用コンテナが輸送道程の他の輸送区間に移ったときには、ウェブ・ポータルからの通信がなくても自動的に、輸送用ラベルを自動的に変更できることが含まれる。例えば、一旦輸送道程の1つの輸送区間が完了したなら、電子輸送ラベルは自動的に画像を切り替えて、次の輸送区間と関連付けられた次の輸送ラベルを示すことができる。このように、輸送道程に変更が生じたときまたは次の輸送区間のために、出発地点と目的地との間において、手続き書類(paperwork)を差し替えるための取り纏めは不要である。現在、顧客は、完了した輸送区間から手続き書類を引き出し、次いで輸送道程の新たな区間が表示された(presented with)異なるフラップで、箱を閉じなければならない。これは、しばしば混乱を招き、顧客が製品を輸送する宛先(address)を間違える結果となる可能性がある。
【0029】
[0039] 加えて、電子輸送ラベルは、商業送り状、危険有害性宣言シート(hazardous declaration sheet)、原産地証明書、およびその他の輸送関連文書を含む、他の電子画像を表示することもできる。また、電子デバイスのステータスも表示することができ、現在の内部温度のような、センサ情報を提供することができる。また、電子輸送ラベルは、収集したセンサ・データの履歴および統計も表示することができる。また、パッケージをどのように積むかおよび降ろすかについての命令も表示することができる。他の画像へのアクセスは、電子輸送ラベル上に印刷されたボタンを押すことによって種々の画面画像を切り替えることによって得ることができる。
【0030】
[0040] 更にまた、電子輸送ラベルは、電子インク(e-インク)の使用のような、多数のフェール・セーフも有することができる。電子インクは、電子輸送ラベル上の電子画像が、停電時であっても、存続することを可能にする。
【0031】
[0041] 図1Aは、電子輸送ラベル100を示し、図1Bは、電子輸送ラベル100のブロック図を示す。電子輸送ラベル100は、薄膜輸送ラベルでもよく、運送業者に関係なくあらゆる種類の輸送ラベル構成(shipping label configuration)(即ち、バー・コード、フォーマット、要求される運送業者特定情報等)を表示することができる。
【0032】
[0042] 電子輸送ラベル100は、幅が約8.5”、高さが5.5”の寸法である薄膜輸送ラベルでもよい。電子輸送ラベル100は、人間またはバーコード・スキャナによって読み取ることができる。電子輸送ラベル100は、外装箱の外側に装着することができ、これは通常の印刷された輸送ラベルが箱上に貼られるところである。電子輸送ラベル100は、薄い可撓性のプラスチック・シートで作られてもよく、保護用の透明で可撓性のあるプラスチック・カバーを有してもよい。このプラスチック・カバーは、反射せず、レーザ・スキャナに電子輸送ラベル100を読み取らせる。
【0033】
[0043] 電子輸送ラベル100は、メモリ102、1つ以上のプロセッサ104、ユーザ・インターフェース106、および/または通信デバイス108を含む。電子輸送ラベル100は、1つ以上のセンサ110および/または電源112も有することができる。メモリ102は、ネットワーク206を通じて電子デバイス202から得られた1つ以上の電子画像ファイルを格納することができる。メモリ102は、1つ以上のプロセッサ104に結合され、1つ以上のプロセッサ104が実行する命令を格納することができる。メモリ102は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)あるいは他の揮発性メモリまたは不揮発性メモリの内1つ以上を含んでもよい。メモリ102は、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ディスク・ドライブ、ハイブリッド・ディスク・ドライブ、または他の適したデータ・ストレージのような、非一時的メモリもしくはデータ記憶デバイスでもよく、更に、機械読み取り可能命令も格納することができる。機械読み取り可能命令は、1つ以上のプロセッサ104によってロードし実行することができる。更に、メモリ102は、電子輸送ラベル100を添付することができる輸送用コンテナの運送および/または輸送と関連付けられた電子画像ファイルを格納するために使用することができる。
【0034】
[0044] 1つ以上のプロセッサ104は、1つのプロセッサまたは複数のプロセッサとして実装されてもよい。1つ以上のプロセッサ104は、メモリ102、ユーザ・インターフェース106、通信デバイス108、1つ以上のセンサ110、および/または電源112に電気的に結合することができる。1つ以上のプロセッサ104は、輸送用コンテナの運送または輸送の間に電子画像ファイルを引き出し、電子画像ファイルを表示するために特別に設計されたコントローラまたはマイクロコントローラであってもよい。1つ以上の電子画像ファイルは、空輸証書、輸送先住所、発送者住所、温度データを含む電子デバイス202からのセンサ・データ、バー・コード、および/または輸送道程の各区間についての他の輸送情報を含むことができる。
【0035】
[0045] 電子輸送ラベル100は、通信デバイス108を有することができる。通信デバイス108は、ネットワーク・アクセス・デバイスでもよい。通信デバイス108は、Wi-Fiユニット、Bluetooth(登録商標)ユニット、無線周波数識別(RFID)タグまたはリーダ、もしくはセルラ・ネットワーク(3G、4G、または5Gのようなセルラ・ネットワーク)にアクセスするためのセルラ・ネットワーク・ユニットの内1つ以上のような、通信ポートまたはチャネルを含むことができる。通信デバイス108は、データを電子デバイス202および/または施錠機構220に送信すること、ならびにデータを電子デバイス202および/または施錠機構220から受信することができる。例えば、1つ以上のプロセッサ104は、電子デバイス202と通信して、複数の電子画像ファイルおよび/またはセンサ・データをネットワーク206を通じて得ることができる。図2は、更に、通信デバイス108を使用して、複数の電子画像ファイルおよび/またはセンサ・データを得るために、電子輸送ラベルが通信することができる異なるコンポーネントについて記載する。
【0036】
[0046] 電子輸送ラベル100は、ユーザ・インターフェース106を含む。電子輸送ラベル100は、輸送情報、センサ・データ、通知、および/またはユーザ・インターフェース106についての他の情報を表示することができる。ユーザ・インターフェース106は、入力/出力デバイスを含むこともできる。入力/出力デバイスは、ユーザ・インターフェース・エレメント、ボタン、ダイアル、マイクロフォン、キーボード、またはタッチ・スクリーンからユーザ入力を受ける。ユーザ・インターフェース106は、ディスプレイ116、スピーカ、オーディオおよび/またはビジュアル・インディケータ、タッチ・スクリーン・ディスプレイ、またはリフレッシュ可能な点字ディスプレイのような、出力デバイスを有することもできる。
【0037】
[0047] ユーザ・インターフェース106は、ディスプレイ116も有することができる。ディスプレイ116は、電子デバイス202から得られた1つ以上の電子画像ファイルから1つを表示するために使用することができる。電子画像ファイルは、例えば、輸送先住所、返送先住所、バー・コード、商業送り状、危険有害性宣言シート(hazardous declaration sheet)、原産地証明書、および/または積載および荷下指示書(instructions)を含むその他の輸送情報を示すことができる。ディスプレイ116は、1つ以上のセクション118a~118cに分割することもできる。1つ以上のセクション118a~118cは、電子輸送ラベル100が複数の電子画像ファイルを同時に表示することを可能にする。例えば、セクション118aのような1つのセクションには、電子輸送ラベル100が返送先住所を表示してもよく、そして他のセクションには、電子輸送ラベル100が積載/荷下指示書を表示してもよい。
【0038】
[0048] ユーザ・インターフェース106は、1つ以上のボタン114a、114bを含むことができる。ユーザ・インターフェース106が1つ以上のボタン114a、114bの内1つの選択を受けると、電子輸送ラベル100は、ディスプレイ116上において、異なる電子画像ファイルに切り替える(switch)、切り替える(toggle)、変更する、またそうでなければ異なる電子画像ファイルを表示することができる。1つ以上のボタン114a、114bは、ディスプレイ116に近接する物理ユーザ・インターフェース・エレメントおよび/またはタッチ・スクリーン・ディスプレイ上のように、ディスプレイ116上のユーザ・インターフェース・エレメントでもよい。電子輸送ラベル100は、複数のユーザ・インターフェース・エレメントを表示することもでき、これらを順次入力または選択すると、例えば図3に示すように、輸送用コンテナを施錠または解錠することができる。ディスプレイ116は、キーパッド302を表示することもできる。キーパッド302は、複数のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jを含むことができる。各ユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jは、キーパッド302上において数値を表すことができる。ユーザが1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメント304 a~304jを押下すると、ユーザ・インターフェース106は、入力された順列で、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jの1つ以上の選択を受けることができる。電子輸送ラベル100は、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jから選択された1つ以上が入力された順列を、記憶されている1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jのパスコード配列と比較することができる。パスコード配列は、既に構成されメモリ102に記憶されている。入力された順列がパスコード配列と一致した場合、電子輸送ラベルは、輸送用コンテナ上の施錠機構220に信号を送ることができ、輸送用コンテナが施錠状態にあるときには輸送用コンテナを解錠し、および/または輸送用コンテナが解錠状態にあるときには輸送用コンテナを施錠する。即ち、この信号は、施錠機構220の状態を施錠から解錠に、および/または解錠から施錠に切り替える。ある実施態様では、輸送用コンテナを施錠または解錠するために、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jの異なる配列を使用してもよい。キーパッドは、数値、文字、および/または双方の組み合わせを含む英数字キーパッドでよい。
【0039】
[0049] 電子輸送ラベル100は、1つ以上のセンサ110および/または電源112を有することができる。1つ以上のセンサ100は、輸送用コンテナ内部の温度を測定する温度センサ、周囲光を測定する光センサ、および/または輸送用コンテナ内部の環境状態を測定する他の環境センサとしてもよい。
【0040】
[0050] 電子輸送ラベル100は、薄膜輸送ラベルとしてもよく、電源112によって給電されてもよい。電源112は、電子輸送ラベル100内に含まれてもよく、または電子デバイス202上にあってもよい。電源112は、例えば、印刷バッテリ、または空輸中における安全を考慮した、他のリチウム・ベース以外の電源でもよい。電子輸送ラベルは、電子デバイス202上の電源112が故障した場合に、フェイル・セーフ・モードを有することができる。電子輸送ラベル100上の電源112が故障したとき、および/または電子デバイス202上の電源218が故障したときでも、ディスプレイ116は機能し続け、停電以前にディスプレイ116上に表示されていた最後の電子画像ファイルを、例えば、印刷バッテリの電力を使用して、表示し続けることができる。
【0041】
[0051] 図2は、輸送および物流システム200のブロック図を示す。輸送および物流システム200は、電子輸送ラベル100、スマート・データ・ロガーでもよい電子デバイス202、およびウェブ・ポータル204を含む。また、輸送および物流システム200は施錠機構220も含むことができる。施錠機構220は、荷送人施錠機構でもよく、輸送用コンテナ上に位置付けられ、輸送用コンテナを施錠する、解錠する、またそれ以外では、輸送用コンテナ内部にある有料荷重または内容物(content)貯蔵エリアへの出入り(access)を制御する。電子輸送ラベル100、電子デバイス202、施錠機構220、および/またはウェブ・ポータル204は、ネットワーク206を通じて接続することができる。ネットワーク206は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、セルラ・ネットワーク、インターネット、またはこれらの組み合わせでもよく、電子輸送ラベル100、電子デバイス202、施錠機構220、および/またはウェブ・ポータル204を含む、輸送および物流システム200の異なるコンポーネント間で、接続、結合、および/またはそうでなければ通信する。
【0042】
[0052] 電子輸送ラベル100は、例えば、図1Aにおいて先に示した。電子デバイス202は、スマート・データ・ロガーであってもよい。電子デバイス202は、輸送用コンテナ内に内蔵され、電子デバイス202が運送中に電子輸送ラベル100と通信状態であり続けるように、電子輸送ラベル100の近傍内に留まればよい。更にまた、電子デバイス202は、輸送道程の各区間を監視するウェブ・ポータル204と通信する。輸送道程の各区間は、出発地点および目的地を有するのはもっともである。輸送道程の1つの区間の目的地が、輸送道程の次の区間の出発地点となることもある。電子デバイス202は、周期的にまたはリアル・タイムで、ウェブ・ポータル204および/または電子輸送ラベル100を、センサ・データ、監視データ、および/または輸送情報によって更新することができる。
【0043】
[0053] 電子デバイス202は、メモリ208、1つ以上のプロセッサ210、通信デバイス212、および/またはセンサ214を含むことができる。電子デバイスは、ユーザ・インターフェース216および/または電源218を含むこともできる。メモリ208は、ウェブ・ポータル204から得られた輸送道程、および輸送道程の各区間と関連付けられた1つ以上の電子画像ファイルを格納することができる。更にまた、メモリ208は、1つ以上のプロセッサ210によって実行される命令も格納することができる。メモリ208は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)あるいは他の揮発性または不揮発性メモリの内1つ以上を含んでもよい。メモリ208は、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ディスク・ドライブ、ハイブリッド・ディスク・ドライブ、または他の適したデータ・ストレージのような、非一時的メモリまたはデータ記憶デバイスでもよく、更に、機械読み取り可能命令も格納することができる。機械読み取り可能命令は、1つ以上のプロセッサ210によってロードし実行することができる。
【0044】
[0054] ユーザ・インターフェース216は、ユーザ・インターフェース・エレメント、スキャナ、ボタン、ダイアル、マイクロフォン、またはキーボードからユーザ入力を受ける入力デバイスを含むこともできるが、ディスプレイ、スピーカ、オーディオおよび/またはビジュアル・インディケータ、タッチ・スクリーン・ディスプレイ、またはリフレッシュ可能な点字ディスプレイのような、出力デバイスを有さなくてもよい。代わりに、電子デバイス202は、電子輸送ラベル100を出力デバイスとして使用することができる。電源218は、電子デバイス202に給電するため、および/または電子輸送ラベル100に給電するために使用することができる。
【0045】
[0055] 1つ以上のプロセッサ210は、メモリ208、通信デバイス212、ユーザ・インターフェース216、電源218、および/またはセンサ214に結合することができる。1つ以上のプロセッサ210は、輸送道程および1つ以上の電子画像ファイルをウェブ・ポータル204から得て、通信デバイス212を使用して1つ以上の電子画像ファイルを電子輸送ラベル100に供給する、および/または電子輸送ラベル100および/またはウェブ・ポータル204に供給するためにセンサ・データを得るというような機能を実行することができる。電子デバイス202は、輸送用コンテナの温度データを得るための温度センサ、および/または電子デバイス202および/または輸送用コンテナの位置を判定するための汎地球測位システムのような、1つ以上のセンサ214を使用することができる。電子デバイス202のメモリ208、1つ以上のプロセッサ210、通信デバイス212、ユーザ・インターフェース216、1つ以上のセンサ214、および/または電源218は、それぞれ、電子輸送ラベル100のメモリ102、1つ以上のプロセッサ104、通信デバイス108、ユーザ・インターフェース106、1つ以上のセンサ110、および/または電源112と構造および/または機能が同様であってもよい。
【0046】
[0056] ウェブ・ポータル204は、輸送道程を生成する、受信する、またそうでなければ得ることができる。ウェブ・ポータル204は、輸送道程の1つ以上の区間についての輸送データ集合を得て、この輸送データ集合を使用して輸送道程を形成することができる。一旦輸送道程が形成されたなら、ウェブ・ポータル204は、輸送道程の各区間と関連付けられた電子画像ファイルを生成し、電子輸送ラベル100上における表示のために、電子画像ファイルを電子デバイス202に供給することができる。更にまた、ウェブ・ポータル204は、センサ・データのようなデータを電子デバイス202から受信し、ユーザが輸送道程の各区間における移送(transit)中に輸送用コンテナを監視できるように、このデータをユーザに表示することができる。図7は、輸送道程を作成し、および/または移送中における輸送用コンテナの監視情報を表示する、ウェブ・ポータル204のウェブ・ポータル・アーキテクチャを示す。
【0047】
[0057] 図4は、電子画像を得て電子輸送ラベル100に供給するプロセス例400の流れ図である。1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のデータ処理装置、例えば、図2の輸送および物流システム200の電子デバイスの1つ以上のプロセッサ210をしかるべくプログラミングすると、プロセス400を実行する(implement)ことができる。
【0048】
[0058] 電子デバイス202は、複数の電子画像ファイルを受信する、得る、または生成する。これらの電子画像ファイルは、電子デバイス202内に格納することができる(402)。電子デバイス202は、ネットワーク206を通じて、輸送要求を入手することができる。この輸送要求は、ウェブ・ポータル204からの輸送道程を含む。荷送人は、ウェブ・ポータル204を使用して、輸送道程を生成することができる。ウェブ・ポータル204は、輸送道程および/または他の追加情報を含む輸送要求を受け、この輸送要求を電子デバイス202に供給することができる。輸送道程は、初期輸送データ集合から形成することができる。輸送データ集合は、住所、氏名、取扱指示書、または他の連絡先情報というような、発送元の情報、および住所、氏名、または他の指示書というような、荷受人(receiver)の情報を含むことができる。輸送データ集合は、経路情報(routing information)、バー・コード、空輸証書(air waybill)、荷下または積載指示書、輸送用コンテナの方位の方向の指示(indicator of the direction of orientation of the shipping container)を含む運送指示書、および/または他の取扱指示書というような他の追加情報を含むことができる。
【0049】
[0059] 輸送道程は、この輸送道程を形成する1つ以上の区間を含む。輸送道程の各区間には輸送データ集合と関連つけることができ、輸送データ集合は、バー・コード、空輸証書、あるいは、目的地住所および/または荷送人住所のような、輸送についての詳細情報を提供し、輸送を追跡することを可能にする、他の識別子というような、輸送情報を含む。1つ以上の電子画像を1つの輸送データ集合と関連付けることもできる。例えば、1つの電子画像が、輸送データ集合の内、バー・コードおよび/または空輸証書を示す部分集合を表示することもでき、他の電子画像が、輸送データ集合の内、取扱指示書を示す他の部分集合を表示することもできる。
【0050】
[0060] 電子デバイス202は、1つ以上の電子画像ファイルを電子輸送ラベル100に供給する(404)。電子デバイス202は、輸送道程の全ての区間と関連付けられた1つ以上の電子画像ファイルの全てを電子輸送ラベル100に供給し、電子デバイス202が電子輸送ラベル100と通信できない場合に、電子輸送ラベル100が電子画像ファイルをストレージに格納できるようにすることができる。ある実施態様では、電子デバイス202は、電子輸送ラベル100上におけるリソースの利用を極力抑えるために、輸送道程の現在の区間と関連付けられた電子画像ファイルだけを供給することもできる。電子画像ファイルは、情報の画像を、電子画像ファイルと関連付けられた輸送データ集合内に表示する。
【0051】
[0061] 電子デバイス202は、輸送道程の現在の区間と関連付けられた目的地住所周囲のジオフェンスを判定または計算することができる(406)。目的地住所周囲のジオフェンスとは、約1/2~1マイルというような、目的地住所から閾値距離以内にあるエリアとすればよい。ジオフェンスは、輸送道程の次の区間と関連付けられた次の電子画像ファイルによって電子輸送ラベル100を更新するように、電子デバイス202を作動させるために使用することができる。
【0052】
[0062] 電子デバイス202は、電子デバイス202および/または輸送用コンテナの位置を判定または検出することができる(408)。電子デバイス202は、汎地球測位システム(GPS)デバイスのような1つ以上のセンサ214を使用して、電子デバイス202の位置を判定することができる。電子デバイス202は、電子輸送ラベル100に近接して輸送用コンテナに添付することができるので、この位置は、輸送道程の区間の運送中における輸送用コンテナの位置も特定することができる。
【0053】
[0063] 電子デバイス202は、輸送用コンテナが輸送道程の次の区間において運送されているか否か判定することができる(410)。電子デバイスは、電子デバイス202が最初にジオフェンスに入り、目的地住所において停止し、続いてジオフェンスから出たときというように、電子デバイス202がジオフェンスから出たときに、輸送用コンテナが輸送道程の次の左側(next left)に運送されていると判定することができる。
【0054】
[0064] 最初に、電子デバイス202は、例えば、電子デバイス202の位置が目的地住所から閾値距離以内にあるときに、電子デバイス202がジオフェンス内に入ったと判定することができる。続いて、電子デバイス202は、例えば、電子デバイスの位置が目的地住所にある、目的地住所に近い、または目的地住所の近傍にあるときに、電子デバイス202は目的地住所を訪問したと判定することができる。最後に、電子デバイス202が目的地住所から閾値距離を超えた位置にあるときに、電子デバイスは、電子デバイス202がジオフェンスから出たと判定することができる。
【0055】
[0065] 電子デバイス202は、1つ以上のセンサ214を使用して、センサ・データを得ることができる(412)。例えば、電子デバイス202は、温度センサを使用して、輸送用コンテナ内部の温度を測定することができ、または湿度センサを使用して、輸送用コンテナ内部の湿度を測定することができる。電子デバイス202は、他の環境センサを使用して、他の環境要因を測定することもできる。他の例では、1つ以上のセンサ214が、輸送用コンテナの画像を撮影することができるカメラを含み、輸送用コンテナが改変または損傷されていないことを確認するようにしてもよい。
【0056】
[0066] 電子デバイス202は、他の電子画像ファイルを供給するか、または電子輸送ラベルに、次の電子画像ファイルに変更し、電子輸送ラベルの表示を更新するように通知する(414)。電子デバイス202は、電子デバイス202が輸送用コンテナがジオフェンスから出たと判定したことに応答して、他の電子画像ファイルを供給することができる。あるいは、電子デバイス202が、輸送データ集合をスキャンするというようにして、他の電子画像ファイルをユーザ入力から受けたまたは入手したときにも、他の電子画像ファイルを供給することができる。あるいは、例えば、電子デバイス202がジオフェンスから出たことをウェブ・ポータル204に通知したことに応答して、電子デバイス202が他の電子画像ファイルをウェブ・ポータル204から受信または入手したときにも、他の電子画像ファイルを供給することができる。
【0057】
[0067] 電子画像ファイルは、輸送道程の次の区間と関連付けることができ、この電子画像ファイルは、輸送道程の現在の区間と関連付けられた電子画像ファイルとは異なる輸送データ集合を示すことができる。ある実施態様では、電子デバイスが、センサ・データに基づいて生成された電子画像ファイルを供給する。電子画像ファイルは、輸送用コンテナの温度、湿度、または現在の状態の他の環境要因というような統計、あるいは輸送用コンテナの画像を示すことができる。電子デバイス202は、輸送用コンテナの次の区間と関連付けられることができる次の電子画像ファイルに切り替えるために、信号を電子輸送ラベル100に送る、言い換えると、送信することができる。
【0058】
[0068] また、電子デバイス202は、ウェブ・ポータル204を、センサ・データおよび/またはステータス、例えば、輸送用コンテナの位置によって更新することができる(416)。電子デバイス202は、ユーザが運搬中に輸送用コンテナのステータスを視認および監視できるように、輸送用コンテナの温度、湿度、または他の環境要因を含むセンサ・データ、および/または輸送用コンテナの画像をウェブ・ポータル204に供給することができる。
【0059】
[0069] 図5は、電子輸送ラベル100上に輸送情報を表示するプロセス例500の流れ図である。1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のデータ処理装置、例えば、図2の輸送および物流システム200の電子輸送ラベル100の1つ以上のプロセッサ104をしかるべくプログラミングすると、プロセス500を実行することができる。
【0060】
[0070] 電子輸送ラベル100は、1つ以上の電子画像ファイルを得る(502)。電子輸送ラベル100は、1つ以上の電子画像ファイルを電子デバイス202または他の移動体デバイスから得ることができる。電子画像ファイルは、輸送道程の区間と関連づけられた輸送データ集合を含むことができる。電子輸送ラベルは、1つ以上の電子画像ファイルを得て、1つ以上の電子画像ファイルをメモリ102に格納することができる。1つ以上の電子画像ファイルを並べるとき、最初の電子画像が輸送道程の最初の区間と関連付けられ、後続の区間が輸送道程の異なる区間の順序に並べられるようにしてもよい。1つ以上の電子画像ファイルは、順番に並べられなくてもよく、代わりに電子画像ファイルが関連付けられた輸送道程の対応する区間を示す識別子を有すればよい。輸送用コンテナは輸送道程全域を回るので、電子輸送ラベル100はこの識別子を含む信号を受信することができ、これによって、この識別子と対応する電子画像ファイルの表示を誘起する。
【0061】
[0071] ある実施態様では、1つ以上の電子画像ファイルは、方位(orientation)、周囲温度、周囲圧力、周囲湿度、環境光、衝撃、または輸送用コンテナ内部における他の関連環境要因というようなセンサ・データ、あるいは荷下/積載指示書、警告ラベル、または送り状というような他の追加情報と関連付けることもできる。これらの電子画像ファイルも、同様に、1つ以上の電子画像ファイル間で順番に並べることもできる。
【0062】
[0072] 電子輸送ラベル100は、電子画像ファイルを表示する(504)。1つ以上の電子画像ファイルを輸送道程の各区間と関連付けることができる。輸送道程の区間と関連付けられた電子画像ファイルが複数ある場合、電子輸送ラベル100は、これら複数の電子画像ファイルを、ディスプレイ116の異なるセクションに表示することができる。ある実施態様では、電子画像ファイルを、センサ・データまたは他の輸送情報というような他の情報と関連付けることもできる。
【0063】
[0073] 電子輸送ラベル100は、1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントからユーザ選択を得ることができる(506)。1つ以上のユーザ・インターフェース・エレメントからのユーザ選択は、電子輸送ラベル100上にある物理ボタンの押下、および/または電子輸送ラベル100のタッチ・スクリーン・ディスプレイ上に表示されるユーザ・インターフェース・エレメントの押下でもよい。物理ボタンおよび/またはユーザ・インターフェース・エレメントを押下すると、順番に並べた複数の電子画像ファイル配列における次の電子画像ファイルに切り替えるように、電子輸送ラベル100に通知することができる。
【0064】
[0074] 電子輸送ラベル100は、信号または第2電子画像ファイルを得る(508)。電子輸送ラベル100は、電子デバイス202からこの信号または第2電子画像ファイルを得ることができ、ボタンの選択というようなユーザ入力によって起動(trigger)させても、または閾値時間量が経過した後というように、タイマによって起動させてもよい。信号は、電子輸送ラベル100に、電子デバイス202が輸送道程のある区間の目的地(destination location)の周囲にあるジオフェンスから出たこと、閾値量の時間が経過したこと、またはユーザが複数の電子画像ファイル間で切り替える(toggle through)ボタンを選択したことを示すことができる。電子輸送ラベル100が第2電子画像ファイルを受信すると、これは、電子デバイス202が輸送道程のある区間の目的地の周囲にあるジオフェンスから出たことを、電子輸送ラベル100に示すことができる。
【0065】
[0075] 電子輸送ラベル100は、第2電子画像ファイルを表示する(510)。電子輸送ラベル100が電子デバイス202から信号または第2電子画像ファイルを受信すると、電子輸送ラベル100は、応答して、第1電子画像ファイルを第2電子画像ファイルによって更新する。これによって、輸送道程の次の区間についての輸送データ集合、センサ・データ、および/または取扱/積載指示書というような他の輸送情報というような、第2電子画像ファイルにおける新たな情報で、電子輸送ラベル100の表示116を更新することができる。ある実施態様では、電子輸送ラベル100は、複数の電子画像ファイル間で切り替えるボタンの選択を受けたことに応答して、第2電子画像ファイルに切り替える。
【0066】
[0076] 電子輸送ラベル100が第2電子画像ファイルを表示し、第2電子画像ファイルが輸送道程のその区間についての輸送データを表示していないとき、電子輸送ラベル100は、約30秒というような閾値時間量の後、輸送道程のその区間についての輸送データ集合を示す電子画像ファイルに再度切り替えることができる。これによって、輸送道程の現在の区間についての輸送データ集合を示す電子画像ファイルが、運搬中に表示されることを確保する。
【0067】
[0077] 図6は、電子輸送ラベル100を通じて輸送用コンテナにアクセスするプロセス例600の流れ図である。1つ以上のコンピュータまたは1つ以上のデータ処理装置、例えば、図2の輸送および物流システム200の電子輸送ラベル100の1つ以上のプロセッサ104をしかるべくプログラミングすると、プロセス600を実行することができる。
【0068】
[0078] 電子輸送ラベル100は、キーパッド302を含むディスプレイ116上に電子画像ファイルを表示する(602)。キーパッド302は、複数のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jを有し、各ユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jは、接触に感応し、英数字値のような識別子と関連付けることができる。複数のユーザ・インターフェース・エレメント304 a~304jは、テンキーのように配列してもよく、従来のキーボードのように配列してもよく、または任意の他の配列にしてもよい。
【0069】
[0079] 電子輸送ラベル100は、複数のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jの内1つ以上の選択を、入力された順列として受ける(604)。ユーザが複数のユーザ・インターフェース・エレメント304a~304jの1つに触れたとき、押下したとき、またはそれ以外で相互作用したとき、電子輸送ラベル100は、入力された識別子の順列、および識別子が入力された順序を記憶する。
【0070】
[0080] 電子輸送ラベル100は、複数のインターフェース・エレメント304a~304jから選択された1つ以上が入力された順列を、パスコード配列と比較する(606)。パスコード配列とは、施錠機構の状態を切り替えて輸送用コンテナにアクセスするまたは施錠するために入力順列を認証する識別子を、ユーザが構成し順序付けた配列であり、予め構成または予め記憶されている配列である。
【0071】
[0081] 電子輸送ラベル100は、この比較に基づいて、輸送用コンテナを施錠する、解錠する、あるいは輸送用コンテナへのアクセスを許可または拒否するために、施錠機構の状態を切り替える(608)。選択の入力順列がパスコード配列と一致した場合、電子輸送ラベル100は、例えば、施錠機構220に信号を送ることによって、施錠機構220を解錠し、輸送用コンテナへのアクセスを許可する。ある実施態様では、選択の入力順列がパスコード配列と一致したとき、電子輸送ラベル100は、施錠機構220の状態を、例えば、施錠から解錠に、または解錠から施錠に切り替えることができる。選択の入力順列がパスコード配列と一致しない場合、電子輸送ラベルはディスプレイ116上に不一致(failure)通知を表示するか、または他の方法でユーザに通知することができる。
【0072】
[0082] 電子輸送ラベル100は、施錠機構220の状態が変化したとき、追加情報を表示することができる(610)。例えば、施錠機構220が施錠状態から解錠状態に切り替えられたとき、電子輸送ラベル100は、状態の切り替えに応答して、積載/荷下情報のような、追加情報を表示することができる。他の例では、施錠機構220が解錠状態から施錠状態に切り替えられたとき、電子輸送ラベル100は、次の目的地(destination location)、センサ・データ、または「取扱注意」通知のような、他の輸送情報を含む次の1組の輸送データを有する電子画像ファイルを表示することができる。
【0073】
[0083] 以上、本発明の方法/システムの例示的な実施形態について、実例形式で開示した。従って、明細書全体で採用した用語は、非限定的に読み取られて然るべきである。本明細書における教示に対する些細な変更が当業者には想起されるであろうが、本発明に対して保証される特許の範囲内に限定されることを意図するものは、本発明が貢献する技術分野に対する進歩の範囲に正当に該当するような実施形態全てであること、そしてその範囲は、添付した請求項およびその均等物を除いて、制約を受けないことは理解されよう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】