IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ターンズ・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】FGFR4を阻害するための化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220818BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 15/14 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20220818BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
C07D471/04 112Z
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61P1/16
A61P1/00
A61P15/14
A61P17/00
A61P1/18
A61K45/00
A61P43/00 121
A61K31/47
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K31/44
A61K31/506
A61K31/444
A61K31/4375
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576063
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020038541
(87)【国際公開番号】W WO2020257527
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/864,883
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521083599
【氏名又は名称】ターンズ・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TERNS PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】シュー,インジー
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ,エフ アンソニー
【テーマコード(参考)】
4C065
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065BB09
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH09
4C065JJ01
4C065KK04
4C065LL01
4C065PP09
4C065PP12
4C065PP14
4C065PP15
4C084AA19
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA66
4C084ZA75
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZB26
4C084ZC75
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086BC28
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
FGFR4を阻害する化合物、その組成物、それらの製造方法、FGFR4によって媒介される癌などの障害を処置するための方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
【化2】
は、5員または6員のアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、それらはそれぞれ1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよく;
Lは、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、
【化3】
であり;
Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、
但し、
【化4】
が5員のヘテロアリーレンであるとき、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンであり;
nは0~5であり;
Vは、CH、O、またはCH(OH)であり;
Wは、CH、CHCH、または結合であり;
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロ環からなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよく;
は、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;
はH、C-Cアルキル、-C(O)(C-Cアルキル)、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または-S(O)(C-Cアルキル)であるか;または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよく;
はそれぞれ独立に:
ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシルであり;
他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成し;または
同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成し;
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;そして
は、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式中、
【化5】
が、フェニレンまたは1~3個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロアリーレンであり、該フェニレンまたはヘテロアリーレンがそれぞれ1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式中、
【化6】
が、
【化7】
であり、それぞれ1~2個のClまたは-CH基で置換されていてもよい、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Lが-OCH-である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Lが-CHO-である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Lが-CHCH-である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Lが、
【化8】
である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Lが、
【化9】
である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Yは、存在する場合、それぞれ独立してハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい、-O(C-Cアルキル)である、請求項1~8のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Yは、それぞれ独立にF、Cl、またはCl、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Yはそれぞれ独立にF、Clまたは-OCHである、請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
nが1~5である、請求項1~11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
nが4である、請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
VがCHである、請求項1~13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Vが、OまたはCH(OH)である、請求項1~13のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
WがCHである、請求項1~15のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Wが、CHCHまたは結合である、請求項1~15のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、該ヘテロ環またはヘテロアリールはN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、該ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにNおよびOからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む4~5員のヘテロ環からなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい、請求項1~17のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
は、H、Cl、-CH、ヒドロキシル、-CN、-NH、-CF、-CHOH、シクロヘキシル、-CHNR、-CH(CH)NR、-OCH、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される、1~2個のヘテロ原子を含み、該ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい、請求項18に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
がHである、請求項19に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
が-CHNRである、請求項19に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
は、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)(C-Cアルキル)、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または、-S(O)(C-Cアルキル)であるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、該ヘテロ環が1~5個のR基で置換されていてもよい、請求項19または21に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
は、H、-CH、-CF、-CHOH、または(CHN-CH-であり;Rは、H、-CH、-CF、-CHOH、-C(O)(CH)、-C(O)CHOH、-C(O)CHOCH、-C(O)CHN(CH、または-S(O)CHであるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、NおよびOからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、該ヘテロ環が1~5個のR基で置換されていてもよい、請求項22に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化10】
を形成し、環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合、Hと結合している、請求項21~23のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
はそれぞれ、存在する場合、独立に:ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシル;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になってN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している、請求項22~24のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
はそれぞれ独立に:Cl、F、-CN、-CH、-N(CH、-C(O)CH、またはヒドロキシルである;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している、請求項25に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
がそれぞれ-CHである、請求項26に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している、請求項26に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである、請求項1~28のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
は、H、-CH、またはシクロプロピルである、請求項29に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
がHである、請求項30に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
が、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである、請求項1~31のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
が、H、Cl、-CH、-CF、または-CHOHである、請求項32に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
が、Hまたは-CHである、請求項33に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
表1に記載の化合物から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
請求項1~35のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項37】
治療有効量の請求項1~35のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、または請求項36に記載の医薬組成物の治療有効量を患者に投与することを含む、それを必要とする患者の癌を治療する方法。
【請求項38】
癌が、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道、または膵臓の癌である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
癌が肝臓から発生したものか、または肝臓へと拡大したものである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
癌が肝細胞癌(HCC)である、請求項37~39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
1個以上のさらなる医薬を投与することをさらに含む、請求項37~40にいずれかに記載の方法。
【請求項42】
1個以上のさらなる医薬が、カボザンチニブ-S-マレート、ペムブロリズマブ、レンバチニブメシル酸塩、ソラフェニブトシル酸塩、ニボルマブ、ラムシルマブ、およびレゴラフェニブからなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国仮出願第62/864,883号(出願日:2019年6月21日)の優先権を主張するものである。
【0002】
分野
本開示は、一般に、FGFR4を阻害するための化合物および組成物、それらの製造方法、および癌の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
線維芽細胞成長因子(FGF)は、成長、組織修復、組織リモデリング、創傷治癒、細胞増殖、細胞移動および分化、造血、血管新生、および腫瘍形成に重要であることが知られているポリペプチドのファミリーである。多くのFGFは、受容体タンパク質チロシンキナーゼ(RPTK)ファミリーの細胞表面受容体のグループであるFGF受容体(FGFR)を介して作用する。これまで、FGFR1、FGFR2、FGFR3、およびFGFR4の4つのFGFRが同定されている。
【0004】
FGFRの異常は、多くの癌に関連している。FGFR4および/またはFGFR4リガンドFGF19は、乳癌、子宮癌、神経膠芽細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌、および結腸直腸癌を含む他の種類の癌に関与している(Jaakkola, et al., Int. J. Cancer, 1993; 54(3):378-382; Masica, et al., Cancer Res 2011; 71(13):4550-4561; Feng, et al., Cancer Res, 2013, 73(8):2551-2562; Crose, et al., Clin Cancer Res, 2012, 18(14):3780-3790; Ye, et al., Ann Surg Oncol, 2010, 17(12):3354-61; Fawder, et al., PNAS, 2013, 110(30):12426-12431; Turkington et al, Cell Death & Disease, 2014, 5: e1046)が、FGFR4は特に肝臓癌において重要な役割を果たすことが報告されている(French, et al., PLoS One, 2012, 7(5): e36713)。したがって、FGFR4の阻害剤として機能する治療薬は、肝細胞癌(HCC)などの肝臓癌を含む特定の癌を治療に有望である。
【0005】
汎FGFR阻害剤は、高リン血症を含む、いくつかの用量制限毒性を有する(Chae, et al., Oncotarget, 2017; 8(9):16052-16074)。高リン血症は、主にFGFR1またはFGFR1とFGFR4の組み合わせを介したFGF23シグナル伝達の遮断によって引き起こされる(Gattineni, et al., Am J Physiol Renal Physiol., 2009; 297(2): F282-F291; Gattineni, et al., Am J Physiol Renal Physiol., 2014; 306: F351-F358)。したがって、FGFR1を阻害しない選択的FGFR4阻害剤は、汎FGFR阻害剤またはFGFR1/FGFR4二重阻害剤よりも優れた安全性プロファイルを有するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書では、FGFR4を阻害し、FGFR4によって媒介される障害を処置するのに有用な化合物および組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、式(I):
【化1】
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する
[式中、
【化2】
は、5員または6員のアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、それらはそれぞれ1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよく;
Lは、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、
【化3】
であり;
Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、
但し、
【化4】
が5員のヘテロアリーレンであるとき、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンであり;
nは0~5であり;
Vは、CH、O、またはCH(OH)であり;
Wは、CH、CHCH、または結合であり;
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロ環からなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよく;
は、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;
はH、C-Cアルキル、-C(O)(C-Cアルキル)、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または-S(O)(C-Cアルキル)であるか;または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよく;
はそれぞれ独立に:
ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシルであり;
他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成し;または
同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成し;
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;そして
は、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである]。
【0008】
いくつかの実施形態では、
【化5】
は、フェニレンまたは1~3個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロアリーレンであり、フェニレンまたはヘテロアリーレンはそれぞれ1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、
【化6】
は、
【化7】
であり、それぞれ1~2個のClまたは-CH基で置換されていてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CHO-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CHCH-である。いくつかの実施形態では、Lは、
【化8】
である。いくつかの実施形態では、Lは、
【化9】
である。
【0010】
いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してハロであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい、-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、またはCl、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Clまたは-OCHである。
【0011】
いくつかの実施形態では、nは1~5である。いくつかの実施形態では、nは4である。
【0012】
いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Vは、OまたはCH(OH)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHCHまたは結合である。
【0014】
いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールはN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにNおよびOからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む4~5員のヘテロ環からなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、Cl、-CH、ヒドロキシル、-CN、-NH、-CF、-CHOH、シクロヘキシル、-CHNR、-CH(CH)NR、-OCH、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される、1~2個のヘテロ原子を含み、およびヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHNRである。
【0015】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)(C-Cアルキル)、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または、-S(O)(C-Cアルキル)であるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、-CH、-CF、-CHOH、または(CHN-CH-であり;Rは、H、-CH、-CF、-CHOH、-C(O)(CH)、-C(O)CHOH、-C(O)CHOCH、-C(O)CHN(CH、または-S(O)CHであるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、NおよびOからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化10】
を形成し、ここで環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合はHと結合している。
【0016】
いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ、存在する場合、独立に:ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシル;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になってN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立に:Cl、F、-CN、-CH、-N(CH、-C(O)CH、またはヒドロキシルである;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。
【0017】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、H、-CH、またはシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0018】
いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、H、Cl、-CH、-CF、または-CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHである。
【0019】
さらに、表1の化合物から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩も本明細書で提供される。
【0020】
別の態様では、本明細書で開示される任意の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0021】
さらなる態様では、治療有効量の本明細書に開示される任意の化合物またはその薬学的に許容される塩、または本明細書に開示される医薬組成物の治療有効量を個体に投与することを含む、それを必要とする個体の癌を治療する方法が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態において、癌は、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道、または膵臓の癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓から発生したものか、または肝臓へと拡大したものである。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌(HCC)である。いくつかの実施形態では、本方法は、1個以上のさらなる医薬を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、1個以上のさらなる医薬は、カボザンチニブ-S-マレート、ペムブロリズマブ、レンバチニブメシル酸塩、ソラフェニブトシル酸塩、ニボルマブ、ラムシルマブ、およびレゴラフェニブからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な記載
定義
本書で使用されるように、特に明記されていない限り、以下の定義が適用される。さらに、本明細書で用いられる用語または記号が以下に記載されるように定義されていない場合、それは当技術分野においてその通常の意味を有するものとする。
【0024】
「含む」とは、組成物および方法が記載された要素を含むが、他のものを排除しないことを意味することを意図している。組成物および方法を定義するために使用される場合、「から本質的になる」とは、組み合わせにとって本質的な意義のある他の要素を排除することを意味するものとする。例えば、本明細書で定義される要素から本質的になる組成物は、特許請求される発明の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を及ぼさない他の要素を排除しない。「からなる」とは、例えば、記載されている他の成分の微量を超える量や実質的な方法のステップを排除することを意味するものとする。これらの移行句のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。したがって、本明細書で「含む」と記載される態様および実施形態には、「からなる」および「から本質的になる」実施形態が含まれると理解される。
【0025】
化合物または組成物の「有効量」または用量は、化合物またはその薬学的に許容される塩、または本明細書の開示に基づいて所望の意図された結果をもたらす組成物の有効量を指す。有効量は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって、例えば、これらに限定されないが、LD50(集団の50%致死量)およびED50(集団の50%で治療的に有効な用量)を測定することによって決定することができる。
【0026】
本明細書で用いられる「賦形剤」という用語は、有効成分として本発明の化合物を含む錠剤などの、薬物または医薬品の製造に使用し得る不活性な物質を意味する。結合剤、崩壊剤、コーティング、圧縮/カプセル化助剤、クリームまたはローション、潤滑剤、非経口投与用の溶液、チュアブル錠の材料、甘味料または香料、懸濁剤/ゲル化剤、または湿式造粒剤として使用される物質を含むがこれらに限定されない様々な物質が賦形剤という用語に含まれ得る。結合剤としては、例えば、カーボポール、ポビドン、キサンタンガムなどが;コーティングとしては、例えば、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ジェランガム、マルトデキストリン、腸溶コーティングなどが;圧縮/カプセル化助剤としては、例えば、炭酸カルシウム、デキストロース、フルクトースdc(dc=「直接圧縮可能」)、ハニーdc、ラクトース(無水物または一水和物;場合によりアスパルテーム、セルロース、または微結晶性セルロースと組み合わせて)、デンプンdc、スクロースが;崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、ジェランガム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが;クリームまたはローションとしては、例えば、マルトデキストリン、カラギーナンなどが;潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが;チュアブル錠の材料としては、例えば、デキストロース、フルクトースdc、ラクトース(一水和物、場合によりアスパルテームまたはセルロースと組み合わせて)などが;懸濁剤/ゲル化剤としては、例えば、カラギーナン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンガムなどが;甘味料としては、例えば、アスパルテーム、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースdcなどが;湿式造粒剤としては、例えば、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶性セルロースなどが挙げられる。
【0027】
「個体」は哺乳動物を指し、ヒトおよびヒト以外の哺乳動物を含む。個体の例としては、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、およびヒトが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体はヒトを指す。
【0028】
「薬学的に許容される」とは、好ましくはインビボで、より好ましくはヒトへの投与に安全で無毒である。
【0029】
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容される塩を指す。本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容される塩として投与することができる。
【0030】
「塩」とは、酸と塩基の間で形成されるイオン性化合物を指す。本明細書で提供される化合物が酸性官能基を含む場合、そのような塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で用いられるアンモニウム塩としては、プロトン化窒素塩基およびアルキル化窒素塩基を含む塩が含まれる。薬学的に許容される塩に有用な例示的で非限定的なカチオンとしては、天然に存在するアミノ酸に基づくNa、K、Rb、Cs、NH4、Ca、Ba、イミダゾリウム、およびアンモニウムカチオンが挙げられる。本明細書で用いられる化合物が塩基性官能基を含む場合、そのような塩としては、カルボン酸およびスルホン酸などの有機酸の塩、ならびにハロゲン化水素、硫酸、リン酸などの鉱酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩に有用な例示的かつ非限定的なアニオンとしては、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、塩化物、硫酸塩、重硫酸塩、モノ、ジおよびトリリン酸塩、メシレート、トシレートなどのものが挙げられる。
【0031】
化合物または組成物の「治療有効量」または用量は、個体の症状の軽減または抑制または生存の延長をもたらす化合物または組成物の量を指す。結果が得られるには、化合物または組成物の複数回投与を必要とする場合がある。いくつかの変形例では、所望の治療結果は、投与された化合物の1つまたは複数の代謝産物によるものである。
【0032】
本明細書で用いられる場合、「処置」または「処置する」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために有益なまたは望ましい結果には、以下の1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない:疾患または障害に起因する1つまたは複数の症状の減少、疾患または障害の程度の減少、疾患または障害の安定化(例えば、疾患または障害の悪化を予防または遅延させる)、疾患または障害の発生または再発の遅延、疾患または障害の進行の遅延または進行速度の減少、疾患または障害の状態の改善、疾患または障害の寛解(部分的であるかどうかにかかわらず)または合計)疾患または障害の、疾患または障害の処置に必要な1つまたは複数の他の薬物の用量の減少、疾患または障害の処置に使用される他の薬物の効果の増強、疾患または障害の進行の遅延、生活の質の向上、および/または個体の生存期間の延長。「処置」には、その疾患または障害の病理学的結果の軽減も含まれる。本発明の方法は、処置のこれらの態様のいずれか1つまたは複数を企図している。
【0033】
化合物の「アイソトポマー」は、化合物の1つまたは複数の原子がそれらの同じ原子の同位体で置き換えられている化合物である。例えば、HがDまたはTに置き換えられた場合、または12Cが11Cに置き換えられた場合、または14Nが15Nに置き換えられた場合がある。例えば、これに限定されないが、Dに置き換えると、代謝率が低下し、半減期が長くなる場合がある。HをTに置き換えると、結合試験に有用な可能性のある放射性リガンドが得られ得る。12Cを短寿命の同位体11Cに置き換えると、陽電子放出断層撮影(PET)スキャンに有用な配位子が得られ得る。14Nを15Nに置き換えると、15N NMR分光法で検出/監視できる化合物が得られ得る。例えば、-CHCH3を含む化合物のアイソトポマーは、-CHCH3の代わりに-CDCDを含む化合物である。
【0034】
元素の特定の同位体が式で示されない限り、本開示は、例えば、化合物の重水素化誘導体(ここで、HはH、すなわち、D)などの、本明細書に開示される化合物のすべてのアイソトポログを含む。アイソトポログは、構造内の任意またはすべての位置に同位体置換を有し得る、または、構造内の任意またはすべての位置に天然存在比で存在する原子を有し得る。
【0035】
「立体異性体」は、1つまたは複数の立体中心のキラリティー、または炭素-炭素または炭素-窒素二重結合のシスまたはトランス配置に関連する、構成原子の立体形成性(stereogenicity)が異なる化合物を指す。立体異性体には、エナンチオマーとジアステレオマーが含まれる。
【0036】
「互変異性体」は、エノールケトおよびイミンエナミン互変異性体などのプロトンの位置が異なる化合物の別形態、またはピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、テトラゾールなどの環のNH部分と=N部分の両方に結合した環原子を含むヘテロアリール基の互変異性形態を指す。
【0037】
「アルキル」は、1~12個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語には、例として、メチル(CH3-)、エチル(CH3CH-)、n-プロピル(CH3CHCH-)、イソプロピル((CH3CH-)、n-ブチル(CH3CHCHCH-)、イソブチル((CH3CHCH-)、sec-ブチル((CH3)(CH3CH)CH-)、t-ブチル((CH3C-)、n-ペンチル(CH3CHCHCHCH-)、およびネオペンチル((CH3CCH-)が挙げられる。Cアルキルとは、x個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0038】
「アルケニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~4個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個のビニル(>C=C<)不飽和部位を有する直鎖または分岐鎖の一価ヒドロカルビル基を指す。このような基の例としては、例えば、ビニル、アリル、および-3-エン-1-イルが挙げられる。この用語には、シスおよびトランス異性体またはこれらの異性体の混合物が含まれる。Cアルケニルは、x個の炭素原子を有するアルケニル基を指す。
【0039】
「アルキニル」は、2~6個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を有し、アセチレン(-C≡C-)不飽和の少なくとも1つ、好ましくは1~2個の部位を有する直鎖または分岐鎖の一価ヒドロカルビル基を指す。このようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(-C≡CH)、およびプロパルギル(-CHC≡CH)が挙げられる。Cアルキニルは、x個の炭素原子を有するアルキニル基を指す。
【0040】
「アミノ」とは、NH2で示される基を指す。
【0041】
「アリール」または「Ar」は、単環(例えば、フェニル(Ph))の、または縮合する環が芳香環である(例えば、ナフタリルまたはアントリル)もしくは芳香環でない(但し、結合点は芳香環の炭素原子上にある)(例えば、2-ベンゾオキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン-7-イルなど)複数の縮合した環を有する6~14炭素原子の一価の芳香族炭素環式基を指す。好ましいアリール基としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0042】
「アリーレン」は、単一の環、または芳香族であってもそうでなくてもよいが結合点が芳香族の炭素原子上にある複数の縮合環を有する、6~14炭素原子の二価の芳香族炭素環基を指す。アリーレン基の一例はフェニレンである。
【0043】
「カルボニル」は、-C(=O)-と等価な二価基-C(O)-を指す。
【0044】
「シアノ」は-C≡Nで示される基を指す。
【0045】
「シクロアルキル」は、3~10個の炭素原子、好ましくは3~8個の炭素原子、より好ましくは3~6個の炭素原子の、単一または縮合、架橋およびスピロ環系を含む複数の環を有する飽和または不飽和の非芳香族環状アルキル基を指す。Cシクロアルキルとは、x個の環炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。適当なシクロアルキル基の例としては、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロオクチルが挙げられる。1つまたは複数の環はアリール、ヘテロアリール、またはヘテロ環でもよいが、結合点は、非芳香族の非ヘテロ環飽和炭素環式環を介する。
【0046】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
【0047】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0048】
「ヘテロアリール」とは、環内に1~10個の炭素原子と、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を有する芳香族基を指す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジニルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得、ここで、縮合環は、芳香族であるおよび/またはヘテロ原子を含む場合とそうでない場合もあるが、但し、結合点は芳香族ヘテロアリール基の原子を介する。一実施形態では、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、場合により酸化されて、Nオキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分となっている。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジニル、ピロリル、チオフェニル、およびフラニルなどの5または6員のヘテロアリールが挙げられる。他の好ましいヘテロアリールとしては、インドリル、キノリニル、キノロニル、イソキノリニル、およびイソキノロニルなどの9または10員のヘテロアリールが挙げられる。
【0049】
「ヘテロアリーレン」は、1から10個の炭素原子、および環内の酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を有する二価の芳香族基を指す。ヘテロアリーレン基は、単一の環または複数の縮合環を有し、該縮合環は芳香族であってもそうでなくてもよく、および/またはヘテロ原子を含むが、結合点が芳香族ヘテロアリーレン基の原子を介する。一実施形態では、ヘテロアリーレン基の窒素および/または硫黄環原子は、場合により酸化されて、Nオキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分をとなっている。ヘテロアリーレン基の一例はピリジニレンである。
【0050】
「ヘテロ環」または「ヘテロシクロアルキル」は、1~10個の環炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、より好ましくは1個~6個の炭素原子と、窒素、硫黄、または酸素からなる群から選択される1~4個の環ヘテロ原子、好ましくは1~3個のヘテロ原子、より好ましくは1~2個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に飽和しているが芳香族ではない基を指す。Cヘテロシクロアルキルとは、環ヘテロ原子を含むx個の環原子を有するヘテロシクロアルキル基をいう。ヘテロ環は、縮合、架橋およびスピロ環系を含む、単環または複数の縮合環を含む。縮合環系では、1つまたは複数の環がシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであってよいが、但し、結合点は非芳香族環を介する。一実施形態では、ヘテロ環基の窒素および/または硫黄原子は、場合により酸化され、Nオキシド、スルフィニル、スルホニル部分となっている。
【0051】
ヘテロ環およびヘテロアリールの例としては、アゼチジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ジヒドロインドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリニル、キノリニル、フタラジニル、ナフチルピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナントロリニル、イソチアゾリル、フェナジニル、イソキサゾリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、フタルイミヂル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェニル、チアゾリル、チアゾリジニル、チオフェニル、ベンゾ[b]チオフェニル、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ばれる)、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、およびテトラヒドロフラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
「ニトロ」は、-NOで示される基を指す。
【0053】
「オキソ」は、原子(=O)または(-O)を指す。
【0054】
「スピロ環系」とは、両方の環に共通の単一の環炭素原子を有する二環式環系を指す。
【0055】
「ビニル」は、エチレンから誘導される不飽和炭化水素ラジカル-CH=CHを指す。
【0056】
本明細書全体で使用される「~されていてもよい」という用語は、以下に記載する事象または状況が存在する可能性があるが必ずしも存在するわけではないことを意味し、本明細書の記載は、その事象または状況が存在する場合としない場合を含む。例えば、「ヘテロ環基がハロゲンで置換されていてもよい」とは、ヘテロ環基がハロゲンで置換され得るが、必ずしも置換されている必要はないことを意味し、本明細書の記載は、ヘテロ環基がハロゲンで置換されている場合と、ヘテロ環基がハロゲンで置換されている場合を含む。
【0057】
特に明記しない限り、本明細書で明示的に定義されていない置換基の命名は、官能基の末端部分から結合点に向かって隣接する官能基に名前を付けることによってなされる。例えば、置換基「アルコキシカルボニルアルキル」は、(アルコキシ)-C(O)-(アルキル)-で示される基を指す。
【0058】
「置換されていてもよい」という用語は、特に明記しない限り、基が非置換であるか、またはその基について記載された置換基の1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個)で置換されていることを意味し、置換基は同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、置換されていてもよい基は非置換である。一実施形態では、置換されていてもよい基は、1個の置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよい基は、2個の置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよい基は、3個の置換基を有する。別の実施形態において、置換されていてもよい基は、4個の置換基を有する。いくつかの実施形態において、置換されていてもよい基は、1~2個、1~3個、1~4個、または1~5個の置換基を有する。複数の置換基が存在する場合、特に明記しない限り、各置換基は独立して選択される。例えば、-N(C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)基上の各(C1-C3アルキル)置換基は、-N(CH3)(CHCH3)のような基になるように、互いに独立して選択することができる。
【0059】
本明細書の開示に加えて、「置換された」という用語は、特定の基またはラジカルを修飾するために使用される場合、特定の基またはラジカルの1つまたは複数の水素原子がそれぞれ、互いに独立して、本明細書で定義した同一のまたは異なる置換基に置き換わることも意味し得る。いくつかの実施形態では、置換される基は、1個、2個、3個、または4個の置換基、1個、2個、または3個の置換基、1個または2個の置換基、または1個の置換基を有する。
【0060】
置換基は、他に示されない限り、指定された基またはラジカル上の任意の化学的に可能な位置に結合することができる。したがって、-C-Cアルキル-OHは、例えば、-CHCHOHおよび-CH(OH)CHを含む。
【0061】
上記の定義は、許容されない置換パターン(例えば、4個のフルオロ基で置換されたメチル)を含むことを意図していないことは理解される。そのような許容されない置換パターンは、当業者によく知られている。
【0062】
明確にするために、別の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ると理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別のまたは任意の適当なサブコンビネーションで提供され得る。選択肢を有する化学基に関連する実施形態のすべての組み合わせは、本発明によって具体的に包含され、そのような組み合わせが安定な化合物(すなわち、生物学的活性について単離、特性の評価、および試験することができる化合物)である化合物を包含する範囲で、すべての組み合わせが個別に明示的に開示されているものとして、本明細書に開示される。さらに、そのような選択肢を説明する実施形態に列挙された化学基のすべてのサブコンビネーションもまた、本発明によって具体的に包含され、化学基のそのようなサブコンビネーションのそれぞれが本明細書で個別に明示的に開示されているものとして本明細書に開示される。
【0063】
化合物
一態様では、式(I):
【化11】
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する
[式中、
【化12】
は5員または6員のアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、それらはそれぞれ1~4個のハロゲンまたはC1-C6アルキル基で置換されていてもよく;
Lは、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、
【化13】
であり;
Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、
但し、
【化14】
が5員のヘテロアリーレンであるとき、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンであり;
nは0~5であり;
Vは、CH、O、またはCH(OH)であり;
Wは、CH、CHCH、または結合であり;
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロ環からなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよく;
は、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;
はH、C-Cアルキル、-C(O)(C-Cアルキル)、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または-S(O)(C-Cアルキル)であるか;または
およびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよく;
はそれぞれ独立に:
ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシルであり;
他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成し;または
同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成し;
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;そして
は、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである]。
【0064】
いくつかの実施形態では、
【化15】
(即ち、環A部分)は、5員または6員のアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、それらはそれぞれ1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は、フェニレンまたは1~3個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロアリーレンであり、フェニレンまたはヘテロアリーレンはそれぞれ1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は、それぞれ1~2個のClまたは-CH基で置換されていてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、環A部分は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のClまたは-CH基で置換されていてもよいフェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のフェニレンである。
【0066】
いくつかの実施形態では、環A部分は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロアリーレンは、N、O、およびSからなる群から選択される、1個、2個または3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロアリーレン1個、2個または3個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、環A部分は、ピロリレン、ピラゾリレン、イミダゾリレン、トリアゾリレン、ピリジニレン、ピリダジニレン、ピリミジニレン、ピラジニレン、またはトリアジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、ピラゾリレン、ピリジニレン、またはピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、
【化16】
である。いくつかの実施形態では、環A部分は、本明細書に記載された任意の変更を含む、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、本明細書に記載された任意の変更を含む、1~2個のClまたは-CH基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、本明細書に記載された任意の変更を含む、非置換の5員または6員のヘテロアリーレンである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、
【化17】
である。いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CHO-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CHCH-である。いくつかの実施形態では、Lは、
【化18】
である。いくつかの実施形態では、Lは、
【化19】
である。
【0068】
いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してF、Cl、またはCl、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してF、Cl、または-OCHである。
【0069】
いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してハロ(例えば、F、ClまたはBr、またはI)であるか、またはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)(例えば、-O(メチル)、-O(エチル)、-O(n-プロピル)、または-O(イソプロピル))である。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してF、Cl、またはCl、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)(例えば、-O(メチル)または-O(エチル))である。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してF、Cl、またはCl、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)(例えば、-O(メチル)または-O(エチル))である。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してFまたは-OCHである。いくつかの実施形態では、存在する場合Yは、それぞれ独立してClまたは-OCHである。
【0070】
いくつかの実施形態では、nは0~5である。いくつかの実施形態では、nは、0、1、2、3、4、または5である。いくつかの実施形態では、nは1~5である。いくつかの実施形態では、nは0である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、nは5である。いくつかの実施形態では、nは2~4ある。いくつかの実施形態では、nは2~5である。いくつかの実施形態では、nは3~5である。
【0071】
いくつかの実施形態では、
【化20】
で示される部分は、
【化21】
[式中、Y、Y、Y、Y、Yは独立して水素、ハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、
但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、(i)Y、Y、Y、Y、またはYの少なくとも1つがハロゲン、または(ii)Y、Y、Y、Y、Yがそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立して水素またはハロゲンであり;Y、Y、Yは独立して水素、ハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、
但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、(i)Y、Y、Y、Y、またはYの少なくとも1つがハロゲン、または(ii)Y、Y、Y、Y、Yがそれぞれ水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にハロゲンであり;Y、Y、Yは独立して水素、ハロゲン、または、ハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にハロゲンであり;YおよびYは独立して水素、ハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にハロゲンであり;YおよびYは独立に非置換の-O(C-Cアルキル)であり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYはそれぞれFであり;YおよびYはそれぞれ-OCHであり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にClまたはFであり;YおよびYはそれぞれ-OCHであり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYはそれぞれClであり;YおよびYはそれぞれ-OCHであり;Yは水素である。
【0072】
いくつかの実施形態では、Vは、CH、O、またはCH(OH)である。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Vは、Oである。いくつかの実施形態では、Vは、CH(OH)である。
【0073】
いくつかの実施形態では、Wは、CH、CHCH、または結合である。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHCHである。いくつかの実施形態では、Wは、結合である。
【0074】
いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロ環からなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、C-Cシクロアルキル、-CHNR、-CH(CH)NR、-O(C-Cアルキル)、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロ環またはヘテロアリールはN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにNおよびOからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む4~5員のヘテロ環からなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、Cl、-CH、ヒドロキシル、-CN、-NH、-CF、-CHOH、シクロヘキシル、-CHNR、-CH(CH)NR、-OCH、-CHCOH、-C(O)H、または5員または6員のヘテロ環またはヘテロアリールであり、ここで該ヘテロ環またはヘテロアリールは、N、O、およびSからなる群から選択される、1~2個のヘテロ原子を含み、ヘテロ環またはヘテロアリールはそれぞれ、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHNRである。
【0075】
いくつかの実施形態では、Rは、H、ヒドロキシル、-CN、-NH、-CHCOH、または-C(O)Hである。
【0076】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、F、Cl、Br、またはIである。いくつかの実施形態では、Rは、FまたはClである。いくつかの実施形態では、RはFである。いくつかの実施形態では、RはClである。
【0077】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0078】
いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~7個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~5個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Cハロアルキル1~3個のハロゲン原子を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はF、Cl、およびBrからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてFである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてClである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClの組み合わせである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHF、-CHF、-CF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CFCl、-CFCl、または-CHFClである。いくつかの実施形態では、Rは-CFである。
【0079】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル-OH(例えば、メチル-OH、エチル-OH、n-プロピル-OH、またはイソプロピル-OH)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOH、-CHCHOH、-CH(OH)CH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH、-CH(CH)CHOH、または-C(CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOHである。
【0080】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロプロピルである。
【0081】
いくつかの実施形態では、Rは、-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは、-O(C-Cアルキル)(例えば、-O(メチル)、-O(エチル)、-O(n-プロピル)、または-O(イソプロピル))である。いくつかの実施形態では、Rは-OCHである。
【0082】
いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ環であり、ここで該ヘテロ環は、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロ環からなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と2個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子と1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と2個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子と2個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の酸素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、
【化22】
[式中、ヘテロ環のヘテロ原子は、更に置換されていない場合はHと結合している]である。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)、C-Cハロアルキル(例えば、ハロメチル、ハロエチル、ハロ-n-プロピル、またはハロイソプロピル)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにNおよびOからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む4~5員のヘテロ環(例えば、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル)からなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、-CH,-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロ環である。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む非置換の5員または6員のヘテロ環である。
【0083】
いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、N、O、およびSからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個、2個または3個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と2個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子と1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と1個の酸素原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と2個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子と2個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、2個の酸素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の酸素原子と1個の硫黄原子を含む5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)、C-Cハロアルキル(例えば、ハロメチル、ハロエチル、ハロ-n-プロピル、またはハロイソプロピル)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキソ、ならびにNおよびOからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む4~5員のヘテロ環(例えば、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル)からなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から選択される1~3個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、-CH、-CF、Cl、F、ヒドロキシル、-CN、-NH、オキセタニル、およびオキソからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書に記載された任意の変更を含む、非置換の5員または6員のヘテロアリールである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Rは、-CHNRまたは-CH(CH)NRであり、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり、RはH、C-Cアルキル、-C(O)(C-Cアルキル)、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または-S(O)(C-Cアルキル)であるか、または、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよく、Rはそれぞれ独立に:ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシル;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成し;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rは、-CHNRである。いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)であり;Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-C(O)(C-Cアルキル)、-C(O)CHOH、-C(O)CHO(C-Cアルキル)、-C(O)CHN(C-Cアルキル)、または-S(O)(C-Cアルキル)であるかであるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、H、-CH、-CF、-CHOH、または(CHN-CH-であり;Rは、H、-CH、-CF、-CHOH、-C(O)(CH)、-C(O)CHOH、-C(O)CHOCH、-C(O)CHN(CH、または-S(O)CHであるか;またはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になってNおよびOからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化23】
を形成し、ここで環の4位の窒素は、Rで置換されていない場合はHと結合している。
【0085】
いくつかの実施形態では、Rは、-CHNRまたは-CH(CH)NRである。
【0086】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、または(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。
【0087】
いくつかの実施形態では、Rは、Hである。
【0088】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0089】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~7個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~5個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むCハロアルキルである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子は、F、Cl、およびBrからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子は、FおよびClからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてFである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてClである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClの組み合わせである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHF、-CHF、-CF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CFCl、-CFCl、または-CHFClである。いくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0090】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル-OH(例えば、メチル-OH、エチル-OH、n-プロピル-OH、またはイソプロピル-OH)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOH、-CHCHOH、-CH(OH)CH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH、-CH(CH)CHOH、または-C(CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOHである。
【0091】
いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(Cアルキル)N-(C-Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、(C-Cアルキル)N-(Cアルキレン)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHCH-N(CHCH、-CHCH-N(CHCH)CH、-CHCH-N(CH、-CH-N(CHCH、-CH-N(CHCH)CH、または-CH-N(CHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CH-N(CHである。
【0092】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0093】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0094】
いくつかの実施形態では、Rは-C(O)(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)(C-Cアルキル)(例えば、-C(O)CH、-C(O)CHCH、-C(O)CHCHCH、または-C(O)CH(CH)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHである。
【0095】
いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~7個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~5個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはCハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~3個のハロゲン原子を含むCハロアルキルである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はF、Cl、およびBrからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてFである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてClである。である。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClの組み合わせである。いくつかの実施形態では、Rは-CHF、-CHF、-CF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CFCl、-CFCl、または-CHFClである。いくつかの実施形態では、Rは-CFである。
【0096】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル-OH(例えば、メチル-OH、エチル-OH、n-プロピル-OH、またはイソプロピル-OH)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHOH、-CHCHOH、-CH(OH)CH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH、-CH(CH)CHOH、または-C(CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHOHである。
【0097】
いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHOHである。
【0098】
いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHO(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHO(C-Cアルキル)(例えば、-C(O)CHOCH、-C(O)CHOCHCH、-C(O)CHOCHCHCH、または-C(O)CHOCH(CH)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHOCHである。
【0099】
いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHN(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHN(C-Cアルキル)(例えば、-C(O)CHN(CH、-C(O)CHN(CHCH、-C(O)CHN(CHCHCH、-C(O)CHN(CH(CH、-C(O)CHN(CH)CHCH、-C(O)CHN(CH)CHCHCH、-C(O)CHN(CH)CH(CH、-C(O)CHN(CHCH)CHCHCH、-C(O)CHN(CHCH)CH(CH、または-C(O)CHN(CHCHCH)CH(CH)である。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHN(CHである。
【0100】
いくつかの実施形態では、Rは-S(O)(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは-S(O)(C-Cアルキル)(例えば、-S(O)CH、-S(O)CHCH、-S(O)CHCHCH、または-S(O)CH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-S(O)CHである。
【0101】
いくつかの実施形態では、Rは、HおよびRはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、HおよびRはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは、HおよびRは-CHである。
【0102】
いくつかの実施形態では、RはHおよびRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHおよびRは、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、RはHおよびRは-CHである。
【0103】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれぞれHである。
【0104】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になってN、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、NおよびOからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は2個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、1個の窒素原子と1個の酸素原子を含む。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、1個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、5個のR基で置換されている。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、4個のR基で置換されている。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、3個のR基で置換されている。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、2個のR基で置換されている。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、1個のR基で置換されている。いくつかの実施形態では、5員または6員のヘテロ環は、非置換である。
【0105】
いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、5員のヘテロ環
(例えば、
【化24】
式中、該ヘテロ環のヘテロ原子は、Rで置換されていない場合はHと結合している)を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、6員のヘテロ環
(例えば、
【化25】
式中、該ヘテロ環のヘテロ原子は、Rで置換されていない場合はHと結合している)を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化26】
を形成し、ここで環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合はHと結合ししている。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換の
【化27】
を形成する。いくつかの実施形態では、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR基で置換された
【化28】
を形成する。
【0106】
いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立に:ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシル;2個のR基はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rは、存在する場合、それぞれ独立に:ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルキル-OH、-N(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、またはヒドロキシル;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立に:Cl、F、-CN、-CH、-N(CH、-C(O)CH、またはヒドロキシル;他のRおよび炭素原子またはそれらが結合している原子と一緒になってN、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する;または同一の環原子に結合する他のRと一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。
【0107】
いくつかの実施形態では、Rはハロゲンである。いくつかの実施形態では、RはF、Cl、またはBrである。いくつかの実施形態では、RはFまたはClである。いくつかの実施形態では、RはFである。いくつかの実施形態では、RはClである。
【0108】
いくつかの実施形態では、Rは-CNである。
【0109】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0110】
いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~7個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~5個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはCハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはCハロアルキル1~3個のハロゲン原子を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はF、Cl、およびBrからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてFである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてClである。である。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClの組み合わせである。いくつかの実施形態では、Rは-CHF、-CHF、-CF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CFCl、-CFCl、または-CHFClである。いくつかの実施形態では、Rは-CFである。
【0111】
いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキル-OH(例えば、メチル-OH、エチル-OH、n-プロピル-OH、またはイソプロピル-OH)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHOH、-CHCHOH、-CH(OH)CH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH、-CH(CH)CHOH、または-C(CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは-CHOHである。
【0112】
いくつかの実施形態では、Rは-N(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは、-N(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは-N(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは、-N(CH、-N(CHCH、-N(CHCHCH、-N(CH(CH、-N(CH)CHCH、-N(CH)CHCHCH、-N(CH)CH(CH、-N(CHCH)CHCHCH、-N(CHCH)CH(CH、または-N(CHCHCH)CH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-N(CHである。
【0113】
いくつかの実施形態では、Rは-C(O)(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは、-C(O)(C-Cアルキル)(例えば、-C(O)CH、-C(O)CHCH、-C(O)CHCHCH、または-C(O)CH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは-C(O)CHである。
【0114】
いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシルである。
【0115】
いくつかの実施形態では、2個のR基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、N、O、およびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含むスピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環を形成する。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、N、O、およびSからなる群から選択される1~2個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は2個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、2個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の窒素原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、2個の硫黄原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の硫黄原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の窒素原子と1個の酸素原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の窒素原子と1個の硫黄原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環は、1個の酸素原子と1個の硫黄原子を含む。いくつかの実施形態では、スピロまたは縮合した4~6員のヘテロ環である。
【0116】
いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。
【0117】
いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基がC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基がC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。
【0118】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、H、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、H、-CH、またはシクロプロピルである。
【0119】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0120】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0121】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0122】
いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、H、Cl、-CH、-CF、または-CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHである。
【0123】
いくつかの実施形態では、RはHである。
【0124】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、F、Cl、Br、またはIである。いくつかの実施形態では、Rは、Fである。いくつかの実施形態では、Rは、Clである。
【0125】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピル)である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0126】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~7個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~5個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個のハロゲン原子を含むC-Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Cハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、Cハロアルキル1~3個のハロゲン原子を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はF、Cl、およびBrからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてFである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はすべてClである。いくつかの実施形態では、ハロゲン原子はFおよびClの組み合わせである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHF、-CHF、-CF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CFCl、-CFCl、または-CHFClである。いくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0127】
いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル-OHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキル-OH(例えば、メチル-OH、エチル-OH、n-プロピル-OH、またはイソプロピル-OH)である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOH、-CHCHOH、-CH(OH)CH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH、-CH(CH)CHOH、または-C(CHOHである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHOHである。
【0128】
いくつかの実施形態では、式(I-a):
【化29】
[式中、環A部分、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は2個の窒素原子を含む非置換の5員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピラゾリレン、ピリジニレン、またはピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、
【化30】
であり、それぞれ非置換である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になってN、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1個のさらなる窒素原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1~5個のR基で置換されていてもよいピペラジニルを形成する。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化31】
を形成し、ここで環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合はHと結合している。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0129】
いくつかの実施形態では、式(I-b):
【化32】
[式中、環A部分、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む5員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0130】
いくつかの実施形態では、式(I-c):
【化33】
[式中、環A部分、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0131】
いくつかの実施形態では、式(I-d):
【化34】
[式中、環A部分、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0132】
いくつかの実施形態では、式(I-e):
【化35】
[式中、環A部分、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンであり、ここで該ヘテロアリーレンは、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の2個の窒素原子を含む6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0133】
いくつかの実施形態では、式(II):
【化36】
[式中、L、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、
【化37】
(即ち、環A部分)は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニレンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい1,3-フェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の1,3-フェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい1,4-フェニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換の1,4-フェニレンである。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(II-a):
【化38】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0135】
いくつかの実施形態では、式(II-b):
【化39】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0136】
いくつかの実施形態では、本化合物は式(II-c):
【化40】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0137】
いくつかの実施形態では、式(II-d):
【化41】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0138】
いくつかの実施形態では、式(II-e):
【化42】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(II)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0139】
いくつかの実施形態では、式(III):
【化43】
[式中、L、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、
【化44】
(即ち、環A部分)は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい5員のヘテロアリーレンであり、但し、少なくとも1個のYは、存在する場合、ハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピラゾリレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピラゾリレン(例えば、非置換の3,5-ピラゾリレン)である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0140】
いくつかの実施形態では、式(III-a):
【化45】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、但し、nが1~5であるとき、少なくとも1個のYはハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0141】
いくつかの実施形態では、式(III-b):
【化46】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、但し、nが1~5であるとき、少なくとも1個のYはハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0142】
いくつかの実施形態では、式(III-c):
【化47】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、但し、nが1~5であるとき、少なくとも1個のYはハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0143】
いくつかの実施形態では、式(III-d):
【化48】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、但し、nが1~5であるとき、少なくとも1個のYはハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0144】
いくつかの実施形態では、式(III-e):
【化49】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(III)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、但し、nが1~5であるとき、少なくとも1個のYはハロゲンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0145】
いくつかの実施形態では、式(IV):
【化50】
[式中、
L、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、
【化51】
(即ち、環A部分)は1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい6員のヘテロアリーレンである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピリジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピリジニレン(例えば、非置換の2,5-ピリジニレン)である。いくつかの実施形態では、環A部分は1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は非置換のピリミジニレン(例えば、非置換の2,5-ピリミジニレン)である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0146】
いくつかの実施形態では、式(IV-a):
【化52】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0147】
いくつかの実施形態では、式(IV-b):
【化53】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0148】
いくつかの実施形態では、式(IV-c):
【化54】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0149】
いくつかの実施形態では、式(IV-d):
【化55】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、および環A部分は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0150】
いくつかの実施形態では、式(IV-e):
【化56】
[式中、Y、n、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり、環A部分は、式(IV)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはHである。
【0151】
いくつかの実施形態では、式(V):
【化57】
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する
[式中、環A部分、L、Y、n、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりである]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、ピラゾリレン、ピリジニレン、またはピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、
【化58】
であり、それぞれ非置換である。いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-、-CHCH-、
【化59】
である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にハロゲンであるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Yはそれぞれ独立にF、Cl、または-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがFであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、nは4であり、2個のYがClであり、2個のY基が-OCHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1個のさらなる窒素原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1~5個のR基で置換されていてもよいピペラジニルを形成する。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、
【化60】
を形成し、ここで環の4位の窒素は、Rで置換されていない場合はHと結合している。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0152】
いくつかの実施形態では、式(VI):
【化61】
[式中、環A部分、L、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり;
およびYは独立して水素またはハロゲンであり;Y、Y、Yは独立して水素、ハロゲン、であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、(i)Y、Y、Y、Y、またはYの少なくとも1つがハロゲンである、または(ii)Y、Y、Y、Yであり、Yがそれぞれ水素である]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にハロゲンであり;YおよびYは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にFまたはClであり;YおよびYは独立に非置換の-O(C-Cアルキル)であり;Yは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYはそれぞれFであり;YおよびYはそれぞれ-OCH;およびYは水素である。いくつかの実施形態では、YおよびYはそれぞれClであり;YおよびYはそれぞれ-OCH;およびYは水素である。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピラゾリレン、ピリジニレン、またはピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、
【化62】
であり、それぞれ非置換である。いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-、-CHCH-、
【化63】
である。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1個のさらなる窒素原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1~5個のR基で置換されていてもよいピペラジニルを形成する。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化64】
を形成し、ここで環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合、Hに結合している。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはH、またはRはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0153】
いくつかの実施形態では、式(VI-A):
【化65】
[式中、環A部分、L、V、W、R、R、およびRは、式(I)の化合物の任意の実施形態または変形について本明細書で定義したとおりであり;
およびYは独立して水素またはハロゲンであり;YおよびYは独立して水素、ハロゲン、またはハロゲン、ヒドロキシル、-CNおよび-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)であり、但し、環A部分が5員のヘテロアリーレンであるとき、(i)Y、Y、Y、またはYの少なくとも1つがハロゲンである、または(ii)Y、Y、Yであり、Yがそれぞれ水素である]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にハロゲンであり、YおよびYは独立に、ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~5個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、YおよびYは独立にFまたはClであり、YおよびYは独立に非置換の-O(C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、YおよびYはそれぞれFであり、YおよびYはそれぞれ-OCHである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい、5員または6員のヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、1~2個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよいピラゾリレン、ピリジニレン、またはピリミジニレンである。いくつかの実施形態では、環A部分は、
【化66】
であり、それぞれ非置換である。いくつかの実施形態では、Lは、-OCH-、-CHCH-、
【化67】
である。いくつかの実施形態では、Vは、CHである。いくつかの実施形態では、Wは、CHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hまたは-CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、N、N-オキシド、O、およびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子またはヘテロ原子含有部分を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1個のさらなる窒素原子を含んでいてもよい6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって1~5個のR基で置換されていてもよいピペラジニルを形成する。いくつかの実施形態では、Rは、CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって
【化68】
を形成し、ここで該環の4位の窒素原子は、Rで置換されていない場合はHと結合している。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成している。いくつかの実施形態では、同じ環原子に結合した2個のR基が一緒になってオキソ基を形成し、1個のさらなるR基が-CHである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、HまたはRは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、RはHである。いくつかの実施形態では、Rは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0154】
一態様では、以下の構造的特徴のいずれか1つ以上を有する、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩が提供される:
(I)環A部分は:
(i)1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい5員のヘテロアリーレン;または
(ii)1~4個のハロゲンまたはC-Cアルキル基で置換されていてもよい6員のヘテロアリーレン;
(II)Lは:
(iii)-OCH-;
(iv)-CHCH-;
(v)
【化69】
(vi)
【化70】
(III)Vは、CH
(IV)Wは、CH
(V)nは4;
(VI)Yはそれぞれ独立に:
(vii)ハロゲン;または
(viii)ハロゲン、ヒドロキシル、-CN、および-NHからなる群から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよい-O(C-Cアルキル);
(VII)Rは:
(ix)H;または
(x)-CHNRであって、RおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、NおよびOからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい5員または6員のヘテロ環を形成し、ここで該ヘテロ環は1~5個のR基で置換されていてもよい;
(VIII)Rはそれぞれ独立に:
(xi)C-Cアルキル;または
(xii)同じ環原子に結合した別のR基と一緒になってオキソ基を形成する;
(IX)RはH;および
(X)Rは:
(xiii)H;または
(xiv)C-Cアルキル;
但し、(I)(i)であるとき、(VI)(vii)である。一例では、(I)である。一例では、(II)である。一例では、(III)である。一例では、(IV)である。一例では、(V)である。一例では、(VI)である。一例では、(VII)である。一例では、(I)、(II)、(III)、(VI)、(V)、(VI)、(VII)、(VII)、(IX)、および(X)である。一例では、(I)、(II)、(III)、(VI)、(V)、(VI)、(VII)、(IX)、および(X)である。一例では、(i)、(iii)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiii)である。一例では、(ii)、(iii)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiii)である。一例では、(ii)、(iii)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(x)、(xi)、(xii)、(IX)、および(xiii)である。一例では、(ii)、(iii)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiv)である。一例では、(ii)、(iv)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiii)である。一例では、(ii)、(v)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiii)である。一例では、(ii)、(vi)、(III)、(IV)、(V)、(vii)、(viii)、(ix)、(IX)、および(xiii)である。
【0155】
本明細書の記載において、部分のすべての説明、変形例、実施形態または態様は、記載のそれぞれおよびすべての組み合わせが具体的に且つ個別に列挙されているかのように、他の部分のすべての説明、変形例、実施形態または態様と組み合わせることができることは理解される。例えば、式(I)の環A部分に関して本明細書に記載されるすべての説明、変形例、実施形態または態様は、すべての組み合わせが具体的かつ個別に列挙されているかのように、L、Y、n、V、W、R、R、R、R、R、およびRのすべての説明、変形例、実施形態または態様と組み合わせることができる。
式(I)のすべての説明、変形、実施形態または態様は、適用可能であれば、本明細書に記載される他の式にも同等に適用され、すべての説明、変形、実施形態または態様が、すべての式について個別に列挙されているかのように等しく説明されることも理解される。例えば、式(I)のすべての説明、変形、実施形態または態様は、適用可能であれば、本明細書に詳述される任意の式(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c),(I-d)、(I-e)、(II)、(II-a)、(II-b)、(II-c)、(II-d)、(II-e)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)、(IV)、(IV-a)、(IV-b)、(IV-c),(IV-d)、(IV-e)、(V)、(VI)、および(VI-a))にも等しく適用され、すべての式について、すべての説明、実施形態、実施形態、または態様が別々に個別に列挙されているかのように、等しく説明されている。
【0156】
いくつかの実施形態において、表1の化合物から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。表1に記載されている特定の化合物は、特定の立体異性体として、および/または非立体化学形態として提示されているが、表1の化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を含む、任意またはすべての立体化学形態、ならびに任意の互変異性体または任意の他の形態が本明細書に記載されていると理解される。
【表1-1】
【表1-2】
【0157】
薬学的に許容される塩などの、本明細書で言及される化合物の塩も提供される。本開示はまた、任意のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を含む任意またはすべての立体化学形態、ならびに任意の互変異性体または記載された化合物の他の形態を含む。即ち、ある化合物について、特定のエナンチオマー形態またはジアステレオマー形態などの特定の立体化学形態が所与の化合物について示されていれば、その化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を含む任意またはすべての立体化学形態、および任意の互変異性体または他の形態が本明細書に記載されていると理解される。本明細書に記載の任意の化合物の互変異性形態が存在し得る場合、互変異性形態の1つまたはいくつかのみが明示的に示され得るとしても、すべての互変異性形態が意図される。具体的に示されている互変異性型は、溶液中で、または本明細書に記載の方法に従って使用される場合において、主要な形態であってもそうでなくてもよい。
【0158】
本開示はまた、本明細書に記載の化合物の、同位体で標識された形態および/または同位体が豊富に存在する形態を意図している。本明細書の化合物は、そのような化合物を構成する1つまたは複数の原子についての非天然の割合での原子同位体を含み得る。いくつかの実施形態では、化合物は、1つまたは複数の原子の一部が同じ元素の同位体で置き換えられている、本明細書に記載の式(I)の同位体標識化合物またはその変形例などのように、同位体標識されている。本明細書に記載の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、塩素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、32P、35S、18F、36Clが挙げられる。特定の同位体標識化合物(例えば、Hや14C)は、化合物または基質組織の分布を試験するのに有用である。重水素(H)などのより重い同位体を組み込むと、代謝安定性の向上、例えばin vivo半減期の増加、または必要な投与量の減少をもたらす特定の治療上の利点が得られるため、好ましい場合がある。本明細書に記載の同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られている標準的な方法および技術によって、または対応する非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を使用する、実施例に記載した手順と同様の手順によって調製することができる。
【0159】
本明細書に記載される化合物またはその塩の溶媒和物もまた企図される。溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的量の溶媒を含み、しばしば結晶化の過程で形成される。溶媒が水である場合は水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にアルコレートが形成される。
【0160】
本明細書に詳述される化合物は、一態様では、精製された形態であり得、精製された形態の化合物を含む組成物は、本明細書に詳述される。実質的に純粋な化合物の組成物など、本明細書に詳述される化合物またはその塩を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に詳述されるような化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。特に明記しない限り、「実質的に純粋」とは、不純物が35%以下の組成物を意味し、不純物は、組成物の大部分を含む化合物またはその塩以外の化合物を意味する。いくつかの実施形態では、組成物は、含まれる不純物が25%以下、20%以下、15%以下、10%以下または5%以下である、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供される。いくつかの実施形態では、含まれる不純物が、3%以下、2%以下、1%以下または0.5%以下、またはそれ以下である、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供される。
【0161】
適当な容器内に、本明細書に記載の化合物、またはその塩または溶媒和物を含む製品が提供される。容器は、バイアル、ジャー、アンプル、充填済みシリンジ、ivバッグなどである。
【0162】
いくつかの実施形態において、本明細書に詳述される化合物は、経口で生物学的利用可能である。いくつかの実施形態において、本明細書に詳述される化合物は、非経口(例えば、静脈内)投与用に製剤化される。
【0163】
本明細書に記載の1つまたはいくつかの化合物は、本明細書に開示される1つまたは複数の化合物を、当技術分野で知られている薬理学的に許容される担体と組み合わせることによって、医薬品の調製に使用することができる。投薬の治療形態に応じて、担体は様々な形態であり得る。一変形例では、医薬品の製造は、本明細書に開示される方法のいずれか、例えば肝臓癌の治療、で使用するためのものである。
【0164】
医薬組成物および製剤
本明細書に記載のプロドラッグ化合物のいずれも、薬学的に許容される組成物として製剤化することができる。
【0165】
本明細書に詳述される任意の化合物の医薬組成物が本開示に含まれる。即ち、本開示は、本明細書に詳述される化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を包含する。一態様では、薬学的に許容される塩は、無機酸または有機酸で形成された塩などの酸付加塩である。医薬組成物は、経口、頬側、非経口、経鼻、局所または直腸投与に適した形態、または吸入による投与に適した形態をとることができる。
【0166】
本明細書に詳述される化合物は、一態様では精製された形態であり得、精製された形態の化合物を含む組成物は、本明細書に詳述される。実質的に純粋な化合物の組成物など、本明細書に詳述される化合物またはその塩を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に詳述されるような化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。
【0167】
一変形例では、本明細書の化合物は、個体への投与のために調製される合成化合物である。別の変形例では、実質的に純粋な形態の化合物を含む組成物が提供される。別の変形例では、本開示は、本明細書に詳述される化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を包含する。別の変形例では、化合物を投与する方法が提供される。精製された形態、医薬組成物、および化合物を投与する方法は、本明細書に詳述される任意の化合物またはその形態に適している。
【0168】
本明細書に詳述される化合物またはその薬学的に許容される塩は、口腔、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、頬または直腸)、非経口(例えば、筋肉内、皮下または静脈内)、局所または経皮送達形態を含む任意の利用可能な送達経路のために製剤化され得る。化合物またはその塩は、適当な賦形剤と共に製剤化して、例えば以下のものが挙げられるがこれらに限定されない送達形態に製剤化することができる:錠剤、カプレット、カプセル(硬質ゼラチンカプセルまたは軟質弾性ゼラチンカプセルなど)、カシェ、トローチ、ロゼンジ、ガム、分散剤、坐剤、軟膏、カタプラズマ(湿布)、ペースト、粉末、ドレッシング、クリーム、溶液、パッチ、エアロゾル(例えば、鼻スプレーまたは吸入剤)、ゲル、懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョン)、溶液およびエリキシル。
【0169】
本明細書に詳述される化合物またはその薬学的に許容される塩は、化合物またはその塩を薬学的に許容される担体と組み合わせることにより、医薬製剤などの製剤の調製に使用することができる。その系の治療形態(例えば、経皮パッチ vs 経口錠剤)に応じて、担体は様々な形態であり得る。さらに、製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、染料、調整剤、および浸透圧を調整するための塩、緩衝剤、コーティング剤または酸化防止剤を含み得る。化合物を含む製剤はまた、価値のある治療特性を有する他の物質を含み得る。医薬製剤は、既知の薬学的方法によって調製することができる。適当な製剤は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 20th ed. (2000)に記載されている。
【0170】
本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩は、錠剤、コーティング錠、硬質または軟質シェル、エマルジョンまたは懸濁液中のゲルカプセルなどの一般に許容される経口組成物の形態で投与することができる。そのような組成物の調製に使用できる担体の例としては、ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などである。軟質シェルを有するゲルカプセルに許容される担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体および液体のポリオールなどである。さらに、製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、染料、調整剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤、コーティング剤または酸化防止剤を含み得る。
【0171】
本明細書に記載の化合物はいずれも、記載する任意の剤形で錠剤中に製剤化することができ、例えば、本明細書に記載の化合物またはその塩は、10mgの錠剤として製剤化することができる。
【0172】
本明細書に記載される化合物を含有する組成物もまた記載される。一変形例では、組成物は、化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。別の変形例では、実質的に純粋な化合物の組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒトまたは動物用医薬品として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の方法に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の疾患または障害の処置に使用するためのものである。
【0173】
本明細書に記載される化合物および1つまたは複数のさらなる医薬の同時投与のために製剤化された組成物も記載される。同時投与は、同時または任意の順序で順次に行うことができる。本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数のさらなる医薬との同時投与のために、同一の剤形(例えば、1個の錠剤または1つのiv)または別個の剤形(例えば、2個の別個の錠剤、2つの別個のiv、または1個の錠剤と1つのiv)で製剤化され得る。さらに、同時投与は、例えば、1)同じ送達経路(例えば、錠剤またはiv)を介した同時送達、2)同じ日に、同じ経路または異なる送達経路を介した連続送達、または3)同じ経路または異なる送達経路を介して異なる日に送達してもよい。
【0174】
使用方法
本明細書に記載される、化合物、および本明細書に記載されるいずれかの式で示される化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物などの、本明細書に詳述される化合物および組成物は、本明細書に記載される投与および処置の方法に使用される。化合物および組成物はまた、スクリーニング目的および/または品質管理アッセイを実施するために化合物または組成物を細胞に投与するインビトロ法などのインビトロ法にも使用することができる。
【0175】
本明細書において、本明細書に記載の化合物またはいずれかの実施形態、その変形例、または態様、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、それを必要とする個体の疾患または障害を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩、または組成物は、本明細書に記載の投与量および/または投与方法に従って個体に投与される。
【0176】
いくつかの実施形態では、有効量の本開示の化合物または組成物を細胞または個体に投与することを含む、細胞またはそれを必要とする個体においてFGFR4を阻害する方法を提供する。いくつかの変形例では、本明細書で提供される化合物は、FGFR1よりもFGFR4の阻害に選択的である。したがって、いくつかの実施形態では、有効量の本開示の化合物または組成物を細胞または個体に投与することを含む、細胞またはそれを必要とする個体において、FGFR1と比較して、FGFR4を選択的に阻害する方法を提供する。
【0177】
いくつかの実施形態では、治療を必要とする個体に、有効量の、式(I)、または式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(II)、(II-a)、(II-b)、(II-c)、(II-d)、(II-e)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)、(IV)、(IV-a)、(IV-b)、(IV-c)、(IV-d)、(IV-e)、(V)、(VI)、または(VI-a)などの、任意の関連式で示される化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、FGFR4活性によって媒介される状態を治療するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、状態は、肝臓癌などの癌である。
【0178】
いくつかの実施形態では、それを必要とする個体に、有効量の、式(I)または式(Ia)、(Ib)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(II)、(II-a)、(II-b)、(II-c)、(II-d)、(II-e)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)、(IV)、(IV-a)、(IV-b)、(IV-c)、(IV-d)、(IV-e)、(V)、(VI)、または(VI-a)などの任意の関連式で示される化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、癌を治療するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌は、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道または膵臓の癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肝臓から発生したか、または肝臓へと拡大した癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌(HCC)である。
【0179】
一態様では、本明細書は、治療有効量の化合物または組成物を個体に投与することを含む、FGFR4活性の調節によって、個体における癌の病状および/または症候が防止される、阻害される又は改善される、癌を処置する方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、治療有効量の化合物または組成物を個体に投与することを含む、FGFR4活性の調節によって、個体における癌の病状および/または症候が防止される、癌を処置する方法を提供する。本明細書は、治療有効量の化合物または組成物を個体に投与することを含む、FGFR4活性の調節によって、個体における癌の病状および/または症候が阻害される、癌を処置する方法を提供する。一実施形態では、本明細書は、治療有効量の化合物または組成物を個体に投与することを含む、FGFR4活性の調節によって、個体における癌の病状および/または症候が改善される、癌を処置する方法を提供する。
【0180】
別の態様では、本明細書は、癌を発症するリスクのある個体(ヒトなど)におけるチミジル酸合成酵素活性によって媒介される癌の発症および/または進行を遅らせる方法を提供する。進行の遅延は、個体または個体が癌を発症しない場合の予防を含み得ると理解される。
【0181】
一態様では、本明細書は、本明細書に記載される治療有効量の化合物または組成物を個体に投与することを含む、それを必要とする個体における癌の発症および/または進行を遅らせる方法である。いくつかの実施形態において、癌は、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道、または膵臓の癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肝臓から発生したか、または肝臓へと拡大した癌である。一態様では、本明細書は、治療有効量の本明細書に記載される化合物または組成物を個体に投与することを含む、それを必要とする個体における肝臓癌の発症および/または進行を遅らせる方法を提供する。一変形例では、本明細書は、治療有効量の本明細書に記載される化合物または組成物を個体に投与することを含む、それを必要とする個体の肝臓で発生した癌の発症および/または進行を遅らせる方法を提供する。一変形例では、本明細書は、治療有効量の本明細書に記載される化合物または組成物を個体に投与することを含む、それを必要とする個体の肝臓へと拡大した癌の発症および/または進行を遅らせる方法を提供する。一態様では、本明細書は、治療有効量の本明細書に記載される化合物または組成物を個体に投与することを含む、それを必要とする個体における肝細胞癌(HCC)の発症および/または進行を遅らせる方法を提供する。
【0182】
一態様では、本明細書は、治療に使用するための式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書は、癌の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩またはそのような化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道、または膵臓の癌の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩またはそのような化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、肝細胞癌(HCC)の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩またはそのような化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0183】
別の実施形態では、癌の治療のための医薬の製造における使用のための、式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。別の実施形態では、肝臓、結腸直腸、肛門、乳房、胃腸、皮膚、胃、食道、または膵臓癌の治療のための医薬の製造における使用のための、式(I)の化合物またはその任意の変形物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、医薬は、肝臓癌の治療のためのものである。いくつかの実施形態では、医薬は、肝臓から発生したか、または肝臓へと拡大した癌の治療のためのものである。いくつかの実施形態では、医薬は、肝細胞癌(HCC)の治療のためのものである。
【0184】
いくつかの実施形態では、個体または患者は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、患者は霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、または齧歯動物である。いくつかの実施形態では、患者は霊長類である。いくつかの実施形態では、患者はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒトは、少なくとも18歳、少なくとも21歳、少なくとも30歳、少なくとも50歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、少なくとも75歳、少なくとも80歳または少なくとも85歳のいずれかである。いくつかの実施形態では、ヒトは子供である。いくつかの実施形態において、ヒトは、約21歳以下、約18歳以下、約15歳以下、約10歳以下、約5歳以下、約4歳以下、約3歳以下、約2歳以下、または約1歳以下である。
【0185】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数のさらなる医薬を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、放射線を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数のさらなる医薬および放射線を投与することをさらに含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、本方法は、白金ベースの薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、オキサリプラチンまたはシスプラチンを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、トポイソメラーゼI阻害剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、イリノテカンを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、マイトマイシンおよび/またはメトトレキサートを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、マイトマイシンを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、メトトレキサートを投与することをさらに含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、本方法は、タキサンを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タキサンおよび白金ベースの薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ドセタキセルまたはパクリタキセルを投与することをさらに含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、本方法は、肝臓癌の処置に有用な1つまたは複数のさらなる薬剤(例えば、Vallanueva, A. (2019) N. Engl. J. Med., 380:1450-62に開示の)を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、カボザンチニブ-S-マレート、ペムブロリズマブ、レンバチニブメシル酸塩、ソラフェニブトシル酸塩、ニボルマブ、レゴラフェニブ、またはそれらの組み合わせである1つまたは複数のさらなる薬剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、カボザンチニブ-S-マレートを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ペムブロリズマブを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、レンバチニブメシル酸塩を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ソラフェニブトシル酸塩を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、ニボルマブを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、レゴラフェニブを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ラムシルマブを投与することをさらに含む。
【0189】
投与量と投与方法
個体(ヒトなど)に投与される、本明細書に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物もしくは塩の用量は、具体的な化合物またはその塩、投与方法、および特定の癌(処置中のがんの種類やステージなど)によって異なる。いくつかの実施形態において、化合物、またはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物もしくは塩の量は、治療上有効な量である。
【0190】
本明細書に記載される化合物またはその塩は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、経口および経皮を含む様々な経路を介して患者に投与され得る。
【0191】
本化合物の有効量は、一態様では、約0.01~約100mg/kgの間の用量であり得る。本開示の化合物の有効量または用量は、例えば、投与の形態もしくは経路または薬物送達、薬物動態、処置する疾患の重症度と経過、対象者の健康状態、コンディションおよび体重などの常套的な要因を考慮に入れて、モデリング、用量漸増、または臨床試験などの常套法によって確認することができる。例示的な用量としては、1日あたり約0.7mg~7g、または1日あたり約7mg~350mg、または1日あたり約350mg~1.75g、または1日あたり約1.75~7gの範囲である。
【0192】
本明細書に記載される任意の方法は、一態様では、有効量の本明細書に記載される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、溶媒和物もしくは塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を個体に投与することを含み得る。
【0193】
本明細書に記載される化合物または組成物は、効果的な投薬レジメンに従って、所望の時間または期間、例えば、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6か月、または少なくとも約12か月以上、場合によっては、その個体の生涯にわたって投与し得る。一変形例では、本化合物は、毎日または断続的なスケジュールで投与される。本化合物は、ある期間にわたって継続的に(例えば、少なくとも1日1回)個体に投与することができる。投薬頻度はまた、1日1回未満、例えば、約1週間に1回の投薬でもよい。投薬頻度は、1日1回より多く、例えば、1日2回または3回でもよい。投薬頻度はまた、「休薬期間」を含めて断続的であってもよい(例えば、7日間の1日1回の投薬に続き7日間の無投薬の14日間を、例えば約2ヶ月、約4ヶ月、約2ヶ月、約6ヶ月以上にわたって繰り返す)。投与頻度のいずれも、本明細書に記載の任意の化合物を本明細書に記載の任意の投与量で用いることができる。
【0194】
製品およびキット
本開示はさらに、本明細書に記載の化合物またはその塩、本明細書に記載の組成物、または本明細書に記載の1つまたは複数の単位投与量を適当なパッケージング内に含む製品を提供する。特定の実施形態では、製品は、本明細書に記載の任意の方法に使用するためのものである。適当なパッケージングは当技術分野で知られており、例えば、バイアル、ベッセル、アンプル、ボトル、ジャー、フレキシブルなパッケージングなどが挙げられる。製品は、さらに滅菌および/または密封することができる。
【0195】
本開示はさらに、本明細書に記載の1つまたは複数の化合物または本明細書に記載の化合物を含む組成物を含む、本開示の方法を実施するためのキットを提供する。キットには、本明細書に開示される任意の化合物を用いることができる。一変形例では、キットには、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が用いられる。キットは、本明細書に記載の任意の1つまたは複数の用途に使用することができ、したがって、本明細書に記載の任意の疾患、例えば肝臓、結腸直腸、肛門、乳房胃腸、皮膚、胃、食道および膵臓の癌を含む癌、の処置のための説明書を含むことができる。いくつかの実施形態において、癌は、肝臓から発生した癌であるか、または肝臓へと拡大した癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肝細胞癌(HCC)である。
【0196】
キットは、場合により、1つまたは複数のさらなる医薬を含む容器をさらに含み、このキットは、有効量の1つまたは複数のさらなる医薬で対象を処置するための添付文書上または添付文書内の説明書をさらに含む。1つまたは複数のさらなる医薬は、カボザンチニブ-S-マレート、ペムブロリズマブ、レンバチニブメシル酸塩、ソラフェニブトシル酸塩、ニボルマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、またはそれらの組み合わせであり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩であり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、ペムブロリズマブであり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、レンバチニブメシル酸塩であり得るであり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、ソラフェニブトシル酸塩であり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、ニボルマブであり得る。1つまたは複数のさらなる医薬は、レゴラフェニブであり得る。いくつかの実施形態では、本方法は、ラムシルマブを投与することをさらに含む。
【0197】
キットは通常、適当なパッケージを含んでなる。キットは、本明細書に記載の任意の化合物を含む1つまたは複数の容器を含んでなる。各コンポーネント(複数のコンポーネントがある場合)は、別々の容器に入れるか、交差反応性と貯蔵寿命が許す限り、いくつかのコンポーネントを1つの容器中に組み合わせて入れることができる。
【0198】
キットは、単位剤形、バルクパッケージ(例えば、複数回投与のパッケージ)、またはサブユニット投与であり得る。例えば、ある特定の十分な用量の本明細書に開示される化合物および/または本明細書に詳述される疾患に有用なさらなる薬学的に活性な化合物を含むキットを提供して、例えば1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3か月、4か月、5か月、7か月、8か月、9か月またはそれ以上の長期間、個体の効果的な処置を提供することができる。キットには、複数の単位用量の化合物と使用説明書を含んでいてもよく、薬局(病院の薬局や調剤薬局など)での保管と使用に十分な量でパッケージ化されていてもよい。
【0199】
キットは、場合により、本開示の方法のコンポーネントの使用に関する説明書一式、通常は記載された説明書(電子記憶媒体(例えば、磁気ディスクまたは光ディスク)も許容される)を含み得る。キットに含まれている説明書には、通常、コンポーネントと個体へのその投与に関する情報が含まれている。
【0200】
一般的合成法
本開示の化合物は、以下に一般的に記載されるようないくつかの製法によって、より具体的には以下の実施例(以下の実施例に記載されるスキームなど)によって調製することができる。以下の製法の説明において、示された式中に使用される記号は、本明細書の式に関連して上に記載した基を表すと理解されたい。
【0201】
以下の製造例に記載されている中間体は、エステルなどの、多数の窒素、ヒドロキシおよび酸保護基を含み得る。保護基は、特定の反応条件や実行される具体的な変換に応じて、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。保護および脱保護の条件は当業者によく知られており、文献に記載されている。例えば、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, (T. Greene and P. Wuts, eds., 2d ed. 1991)を参照。
【0202】
以下のスキームでは、明確化のため、立体化学中心は特定せず、特定の置換基を削除しているが、スキームの教示を限定することを意図したものではない。さらに、個々の異性体、エナンチオマー、およびジアステレオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって、本発明の化合物の合成において任意の都合のよい時点で当技術分野の通常の技術の1つによって分離または分割することができる(例えば、J. Jacques, et al., "Enantiomers, Racemates, and Resolutions", John Wiley and Sons, Inc., 1981, and E.L. Eliel and S.H. Wilen, "Stereochemistry of Organic Compounds", Wiley-Interscience, 1994を参照)。
【0203】
本発明の化合物またはその塩は、当技術分野で知られている様々な手順によって調製することができ、そのいくつかを以下の実施例に示す。記載された経路のそれぞれについての具体的な合成工程は、本発明の化合物またはその塩を調製するために、種々の方法で組み合わせることができる。各工程の生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、トリチュレーションおよび結晶化を含む当技術分野で周知の慣用法によって回収することができる。試薬および出発物質は、当業者が容易に入手可能である。それ以外のものは、既知の構造的に類似した化合物の合成および任意の新規の手順を含む以下の実施例に記載される手順に類似する有機およびヘテロ環化学の標準的な技術によって製造し得る。
【0204】
式(I)化合物は、スキーム1(式中、環A部分、L、Y、n、V、W、R、R、およびRは式(I)について定義したとおりであるか、または本明細書に詳述される任意の適用可能な変形である)に従って調製することができる。
【化71】
【0205】
一般式IAのアミンを炭酸ジフェニルでアシル化すると、一般式IBのカルバメートが得られ、これを一般式ICのアミンと反応させて、一般式IDのカルバミドを得ることができる。その後のアセタール基の除去による脱保護により、式(I)の化合物が得られる。
【0206】
一般式IAの化合物は、スキーム2(式中、V、W、R、R、およびRは、は式(I)について定義したとおりであるか、または本明細書に詳述される任意の適用可能な変形であり、Xはハロゲン(例えば、Cl、Br、またはI)である)に従って調製することができる。
【化72】
【0207】
一般式IEの化合物のハロゲン化により、一般式IFの化合物が得られる。一般式IFの化合物のホルミル化により、一般式IGの化合物が得られ、これをさらに反応させて一般式IAの化合物が得られる。
【0208】
一般式IC-1の化合物は、スキーム3(式中、環A部分、Y、およびnは式(I)について定義したとおりであるか、または本明細書に詳述される任意の適用可能な変形であり、RはC-Cアルキル;Xは、Cl、Br、I、OMs、OTs、または他の適切な脱離基;およびXは、BrまたはIである)に従って調製することができる。
【化73】
【0209】
一般式IHのカルボン酸のエステル化により、一般式IH-aの化合物が得られ、これを還元し一般式IJのアルコールが得られる。あるいは、一般式IHのカルボン酸を、一般式IJのアルコールに直接還元することができる。一般式IJのアルコールは、一般式IKのハロゲン化アルキルに変換することができ、これは、一般式IMのアルコールとの求核置換反応により、一般式INのエーテルが得られる。一般式IC-1の化合物は、一般式INの化合物から調製することができる。あるいは、一般式IJのアルコールと一般式ILのアルコールとの間の脱水反応により、一般式IC-1の化合物が得られる。
【0210】
一般式IC-2、IC-3、またはIC-4の化合物は、スキーム4(式中、環A部分、Y、およびnは、式(I)について定義したとおりであるか、または本明細書に詳述される任意の適用可能な変形である)に従って調製することができる。
【化74】
【0211】
一般式IOのアニリンの芳香族置換により、一般式IPのヨードベンゼンが得られ、これをアルキニル化して一般式IQの化合物が得られる。その後の一般式IQの化合物の脱保護により、一般式IRのアリールアセチレンが得られる。一般式IRの末端アルキンと一般式ISのハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールとのカップリングにより、一般式IC-2のエチンが得られる。一般式IC-2の化合物は、水素化を受けて一般式IC-3のエタンを生成し、さらに水素化して式IC-4のエタンを得ることができる。
【実施例
【0212】
本開示は単なる例示として記載するものであり、一部分の組み合わせと配置における多くの変更が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができると理解される。
【0213】
記載した実施例における化学反応は、本明細書に開示される多くの他の化合物を調製するために容易に適合させることができ、本開示の化合物を調製するための代替方法は、本開示の範囲内であるとみなされる。例えば、本開示よる例示されていない化合物の合成は、当業者に明らかな改変によって、例えば、記載されたもの以外の当業者に知られている他の適切な試薬を利用することによって、干渉する基を適切に保護することによって、または反応条件、試薬、および出発物質の常套的な変更を行うことによって首尾よく実行することができる。あるいは、本明細書に開示されるかまたは当技術分野で知られている他の反応は、本開示の他の化合物を調製するために適用可能であると認識される。
【0214】
実施例で使用される略語として、下記のものが挙げられる:DCM:ジクロロメタン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノールまたはエチルアルコール;H NMR:プロトン核磁気共鳴;LCMS:液体クロマトグラフィー-質量分析;LiHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド;MeOH:メタノールまたはメチルアルコール;Py:ピリジン;THF:テトラヒドロフラン;およびTLC:薄層クロマトグラフィー。
【0215】
実施例S1:N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化75】
2-(ジメトキシメチル)-1,8-ナフチリジン(1a)の合成
EtOH(15mL)およびHO(2.2mL)中の2-アミノニコチンアルデヒド(1g、8.19mmol)および1,1-ジメトキシプロパン-2-オン(1.26g、10.64mmol)の混合物に、N下、6℃でNaOH(5M、2.13mL)の溶液を一度に加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。TLC(PE:EA=0:1、R=0.49)は、反応物が完全に消費され、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残留物をEtOAc(50mL)に溶解し、HO(20mL*3)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して1aを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 9.14 (dd、J =1.9、4.3 Hz、1H)、8.29-8.16 (m、2H)、7.80 (d、J =8.4 Hz、1H)、7.52 (dd、J =4.3、8.0 Hz、1H)、5.49 (s、1H)、3.58-3.50 (m、6H).
【0216】
7-(ジメトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン(1b)の合成
エタノール(15mL)中の2-(ジメトキシメチル)-1,8-ナフチリジン(1a)(1.4g、6.86mmol)の溶液に、N下、でPtO(53.85mg、237.13umol)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした。混合物をH(15psi)下、20℃で16時間撹拌した。TLC(EtOAc、R=0.4)は、1aが完全に消費され、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO、EtOAc)で精製して1bを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 7.17 (d、J =7.3 Hz、1H)、6.71 (d、J =7.3 Hz、1H)、5.11 (s、1H)、3.44-3.39 (m、2H)、3.38 (s、6H)、2.73 (t、J =6.3 Hz、2H)、1.98-1.85 (m、2H).
【0217】
フェニル7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(1c)の合成
THF(5mL)中の7-(ジメトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン(1b)(180mg、864.32μmol)と炭酸ジフェニル(370.30mg、1.73mmol)の混合物にLiHMDS(1M、1.21mL)を、N下、-15℃で滴下した。混合物を-15℃で30分間撹拌した。TLC(EtOAc、R=0.8)は、1bが完全に消費され、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物をNHCl水溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(15mL*3)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル10:1から5:1)で精製して1cを得た。
1H NMR (400MHz、DMSO-d6)δ 7.65 (d、J =7.7 Hz、1H)、7.47-7.33 (m、2H)、7.29-7.16 (m、4H)、5.21-5.12 (m、1H)、3.89-3.76 (m、2H)、3.30-3.21 (m、6H)、2.82 (t、J =6.5 Hz、2H)、2.08-1.85 (m、2H).
【0218】
メチル2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ安息香酸(1d)の合成
DCM(5mL)中の2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ安息香酸(400mg、1.83mmol)の溶液に、DMF(13.40mg、183.36umol)および(COCl)(349.09mg、2.75mmol)を、N下、0℃で一度に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。次に、MeOH(791.80mg、24.71mmol)を滴加した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、R=0.6)は、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル1:0から10:1)で精製して1dを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 6.74 (t、J =7.9 Hz、1H)、3.97 (s、3H)、3.90 (s、6H).
【0219】
(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)メタノール(1e)の合成
THF(5mL)中の2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ安息香酸メチル(1d)(380mg、1.64mmol)の溶液に、N下、0℃で、LiBH(106.96mg、4.91mmol)を一度に加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、R=0.4)は、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl溶液(1mL)でクエンチした。混合物を真空下で濃縮し、EtOAc(20mL)に溶解した。混合物をHO(10mL*2)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル10:1から4:1)で精製して1eを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 6.63 (t、J =8.2 Hz、1H)、4.81 (d、J =6.6 Hz、2H)、3.89 (s、6H).
【0220】
3-(ブロモメチル)-2,4-ジフルオロ-1,5-ジメトキシベンゼン(1f)の合成
THF(3mL)中の(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)メタノール(1e)(310mg、1.52mmol)の混合物に、ピリジン(6.01mg、75.92μmol)、次にPBr(411.00mg、1.52mmol)を、N下、30℃で滴加した。混合物を30℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、R=0.8)は、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物を冷水でクエンチし、EtOAc(20mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をprep-TLC(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=2:1)で精製して1fを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 6.63 (t、J =8.2 Hz、1H)、4.54 (t、J =1.4 Hz、2H)、3.89 (s、6H).
【0221】
2-クロロ-5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン(1g)の合成
DMF(2mL)中の2-クロロピリミジン-5-オール(73.31mg、561.66μmol)の混合物に、KCO(194.06mg、1.40mmol)を0℃で一度に加え、次に3-(ブロモメチル)-2,4-ジフルオロ-1,5-ジメトキシベンゼン(1f)(150mg、561.66μmol)を加えた。混合物を25℃に加熱し、12時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、R=0.7)は、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物をEtOAc(30mL)に注ぎ、HO(10mL*3)およびブライン(10mL)で洗浄した後、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をprep-TLC(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で精製して、1g(150mg、473.65μmol、84.33%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 8.38 (s、2H)、6.71 (t、J =8.2 Hz、1H)、5.25 (t、J =1.4 Hz、2H)、3.91 (s、6H).
【0222】
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-アミン(1h)の合成
NH.HO(10mL、28%)中の2-クロロ-5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン(1g)(150mg、473.65μmol)の溶液を、密封されたチューブ内で120℃にて24時間攪拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、R=0.4)は、1つの新しいスポットが形成されたことを示した。混合物をHOでクエンチし、EtOAc(30mL*4)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をprep-TLC(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)で精製して1hを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ 8.11 (s、2H)、6.68 (t、J =8.1 Hz、1H)、5.12 (s、1H)、5.24-4.97 (m、1H)、4.82 (s、2H)、3.99-3.79 (m、6H).
【0223】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(1i)の合成
-78℃に冷却したTHF(2mL)中の5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-アミン(1h)(0.025g、84.10μmol)の溶液に、-78℃でLiHMDS(1M、168.20μL)、続いて-78℃でフェニル7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(1c)(30.38mg、92.51μmol)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。残留物を水(2mL)に注いだ。水相を酢酸エチル(5mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(2mL*2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=0:1、R=0.5)により精製して、1iを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C25H27F2N5O6)として MS 532.2、MS 実測値 MS 532.1.
【0224】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例1)の合成
HCl(1mL)およびHO(1mL)中のN-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(1i)(30mg、56.44μmol)の溶液を80℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空中で濃縮して、実施例1の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C23H21F2N5O5)として MS 486.4、MS 実測値 MS 486.1;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6)δ ppm 13.41 (s、1 H)9.92 (s、1 H)8.53 (s、2 H)7.91 (d、J =7.5 Hz、1 H)7.64 (d、J =7.5 Hz、1 H)7.09 (t、J =8.5 Hz、1 H)5.28 (s、2 H)3.95 (d、J =5.5 Hz、2 H)3.88 (s、6 H)2.94 (t、J =6.0 Hz、2 H)1.94 (s、2 H).
【0225】
実施例S2:N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化76】

2-ブロモ-5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン(2a)の合成
DMF(2mL)中の6-ブロモピリジン-3-オール(65.15mg、374.44μmol)の溶液に、KCO(129.38mg、936.09μmol)を加えた。混合物を0℃に冷却した後、3-(ブロモメチル)-2,4-ジフルオロ-1,5-ジメトキシベンゼン(1f)(0.1g、374.44μmol)を0℃で加えた。次に混合物を25℃で12時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。残留物を氷水(5mL)に注ぎ、5分間撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキを真空中で濃縮して2aを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ ppm 8.15 (d、J =3.1 Hz、1 H)7.39 (d、J =8.7 Hz、1 H)7.21 (dd、J =8.7、3.2 Hz、1 H)6.69 (t、J =8.1 Hz、1 H)5.18 (t、J =1.4 Hz、2 H)3.87-3.94 (s、6 H).
【0226】
tert-ブチル(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(2b)の合成
ジオキサン(1mL)中の2-ブロモ-5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン(2a)(50mg、138.83μmol)およびtert-ブチルカルバメート(16.26mg、138.83μmol)の溶液に、t-BuONa(40.03mg、416.49μmol)、Pd(dba)(12.71mg、13.88μmol)およびキサントホス(24.10mg、41.65μmol)を、N下で添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。残留物を水(2mL)に注いだ。水相を酢酸エチル(2mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1mL*1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Xtimate C18 150*25mm*5um;移動相:[水(10mM NHHCO)-ACN];B%:25%-55%、10分)で精製して2bを得た。
1H NMR (400MHz、CDCl3)δ ppm 8.01 (d、J =2.8 Hz、1 H)7.87 (d、J =9.0 Hz、1 H)7.53 (s、1 H)7.35 (dd、J =9.1、2.9 Hz、1 H)6.67 (t、J =8.1 Hz、1 H)5.15 (s、2 H)3.84-3.95 (m、6 H)1.53 (s、9 H).
【0227】
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-アミン(2c)の合成
HCl/EtOAc(2mL、4M)中のtert-ブチル(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)カルバメート(2b)(50mg、126.14μmol)の溶液を25℃で12時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して2cを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C14H14F2N2O3)として MS 297.1、MS 実測値 MS 297.2.
【0228】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(2d)の合成
THF(1mL)中の5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-アミン(2c)(20mg、60.11μmol)の溶液に、LiHMDS(1M、120.22μL)およびフェニル7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(1c)(19.74mg、60.11μmol)を-78℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。残留物を水(2mL)に注いだ。水相を酢酸エチル(5mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(2mL*2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=0/1、R=0.5)により精製して、2dを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C26H28F2N4O6)として MS 531.2、MS 実測値 MS 531.1.
【0229】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例2)の合成
O(1mL)およびHCl(1mL)中のN-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(2d)(0.01g、18.85μmol)の溶液を70℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:HUAPU C8 Extreme BDS 150*30*5u;移動相:[水(0.04%HCl)-ACN];B%:30%-60%、11分)で精製して実施例2の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C25H27F2N5O6)として MS 485.3、MS 実測値 MS 485.2;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6)δ ppm 9.97 (s、1 H)8.13 (s、1 H)8.03 (d、J =9.2 Hz、1 H)7.92 (d、J =7.8 Hz、1 H)7.66 (d、J =7.6 Hz、1 H)7.58 (dd、J =9.0、2.8 Hz、1 H)7.09 (t、J =8.4 Hz、1 H)5.19 (s、2 H)3.98-4.03 (m、2 H)3.89 (s、6 H)2.97 (d、J =6.2 Hz、3 H)1.96 (s、2 H).
【0230】
実施例S3:N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン-1)-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化77】

エチル2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)アセテート(3b)の合成
THF(30mL)中のtert-ブチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバメート(3g、17.22mmol)およびTEA(5.23g、51.65mmol、7.19mL)の混合物に、2-ブロモ酢酸エチル(2.88g、17.22mmol、1.90mL)を0℃で加えた。反応混合物を20℃で18時間撹拌すると白色固体が沈殿した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(15mL*2)で抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)で精製して、3bを得た。
1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =5.18 (br s、1H)、4.19 (q、J =7.3 Hz、2H)、3.27 (s、2H)、3.21 (br d、J =5.9 Hz、2H)、2.63 (t、J =5.9 Hz、2H)、2.38 (s、3H)、1.45 (s、9H)、1.29 (t、J =7.1 Hz、3H)
【0231】
エチル2-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)アセテート塩酸塩(3c)の合成
HCl/EtOAc(4M、20mL)中のエチル2-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)アセテート(3b)(3.8g、14.60mmol)の溶液を25℃で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して3cを得た。
1H NMR (400MHz、DMSO-d6)δ =8.44 (br s、3H)、4.23 (q、J =6.8 Hz、4H)、3.43 (br s、2H)、3.25 (br s、1H)、2.88 (br s、3H)、1.26 (t、J =7.3 Hz、3H)
【0232】
6-ブロモ-7-(ジメトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン(3d)の合成
CHCN(20mL)中の7-(ジメトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン(2g、9.60mmol)の溶液に、25℃でNBS(1.71g、9.60mmol)を加え、30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機相をブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=10:1から1:1)で精製して3dを得た。
1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =5.56 (s、1H)、5.11 (br s、1H)、3.46 (s、6H)、3.43-3.36 (m、2H)、2.71 (br t、J =6.1 Hz、2H)、1.88 (quin、J =5.9 Hz、2H)
【0233】
2-(ジメトキシメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-カルバルデヒド(3e)の合成
MeLi(1M、8.36mL)を、-65~-70℃でTHF(20mL)中の6-ブロモ-7-(ジメトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロフラン-1,8-ナフチリジン(3d)(2g、6.96mmol)の溶液に滴加した。反応液をこの温度で5分間撹拌した後、n-BuLi(2.5M、6.13mL)を滴加し、得られた混合物をさらに15分間撹拌し、THF(15mL)を加えた。ゆっくりと25℃に温め、30分間撹拌した後、DMF(2.04g、27.86mmol、2.14mL)を滴加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(15mL)でクエンチした。反応混合物を5分間撹拌し、酢酸エチル(30mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)で精製した後、カラムクロマトグラフィー(SiO、ジクロロメタン:メタノール=1:0~100:1)で再精製して3eを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C12H16N2O3)として m/z 237.1、LCMS 実測値 m/z、237.1;1H NMR (400MHz、chloroform-d)δ =10.25 (s、1H)、7.69 (s、1H)、5.49 (s、1H)、5.38 (s、1H)、3.42 (br d、J =2.9 Hz、2H)、3.39 (s、6H)、2.69 (br t、J =6.1 Hz、2H)、1.91-1.79 (m、2H)
【0234】
1-((2-(ジメトキシメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-イル)メチル)-4-メチルピペラジン-2-オン(3f)の合成
2-(ジメトキシメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-3-カルバルデヒド(3e)(500mg、2.12mmol)、エチル2-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)酢酸塩酸塩(3c)(541.08mg、2.75mmol)およびTEA(1.07g、10.58mmol、1.47mL)を1,2-ジクロロエタン(2mL)に溶解し、混合物を1時間撹拌した。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(493.37mg、2.33mmol)を混合物に加え、混合物を25℃で6時間撹拌した。さらにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(493.37mg、2.33mmol)を加え、混合物をさらに48時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機相をブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=1:1~0:1、次にジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、Prep-TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1、R=0.36)で再精製して3fを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C17H26N4O3)として m/z 335.2、LCMS 実測値 m/z、335.2;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =7.09 (s、1H)、5.19 (s、1H)、4.96 (br s、1H)、4.71 (s、2H)、3.41 (s、6H)、3.40-3.36 (m、2H)、3.21 (t、J =5.6 Hz、2H)、3.18 (s、2H)、2.69 (br t、J =6.1 Hz、2H)、2.58 (t、J =5.6 Hz、2H)、2.33 (s、3H)、1.89 (td、J =6.0、11.5 Hz、2H)
【0235】
フェニル7-(ジメトキシメチル)-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(3a)の合成
THF(5mL)中の1-((2-(ジメトキシメチル)-5,6,7,8-テトラヒドロフラン-1,8-ナフチリジン-3-イル)メチル)-4-メチルピペラジン-2-オン(3f)(280mg、837.29μmol)および炭酸ジフェニル(269.04mg、1.26mmol)の溶液に、LiHMDS(1M、1.67mL)を、N下、-15℃で滴加し、3時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)に滴加した。混合物を酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(中性条件、カラム:Welch Xtimate C18 250*50mm*10 um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:25%-55%、10分)で精製し3aを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C24H30N4O5)として m/z 455.2、LCMS 実測値 m/z、455.2;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =7.43 (s、1H)、7.41-7.33 (m、2H)、7.22 (m、3H)、5.23 (s、1H)、4.89 (s、2H)、4.01-3.89 (m、2H)、3.39 (s、6H)、3.28 (br t、J =5.4 Hz、2H)、3.22 (s、2H)、2.82 (br t、J =6.6 Hz、2H)、2.62 (br t、J =5.4 Hz、2H)、2.36 (s、3H)、2.09-1.97 (m、2H)
【0236】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン)-1-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(3g)の合成
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-アミン(1h)(43.16mg、145.21μmol)のTHF(1mL)溶液に、LiHMDS(1M、290.42μL)を0℃で滴加した。次に、THF(1mL)に溶解したフェニル7-(ジメトキシメチル)-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(3a)(60mg、132.01μmol)を0℃で混合物に滴加し、混合物を4時間撹拌した。反応混合物を加えてNHCl水溶液(5mL)を飽和させ、混合物をジクロロメタン(10mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(中性条件、カラム:Waters Xbridge BEH C18 100*30mm*10um;移動相:水(10mM NH4HCO3)-ACN B%:30%-60%、10分)で精製して3gを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C31H37F2N7O7)として m/z 658.3、LCMS 実測値 m/z 658.2;
【0237】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン-1)-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例3)の合成
CHCN(2mL)中のN-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-6-((4-メチル-2-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(3g)(15mg、22.81μmol)にHCl水溶液(1M、0.5mL)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件;カラム:Welch Ultimate AQ-C18 150*30mm*5um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:10%-40%、12分)で精製し実施例3の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C29H31F2N7O6)として m/z 612.2、LCMS 実測値 m/z 612.3;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =13.71 (br s、1H)、10.18 (s、1H)、8.41 (s、2H)、7.65 (s、1H)、6.69 (br t、J =8.1 Hz、1H)、5.22 (s、2H)、5.13 (br s、2H)、4.25-3.98 (m、2H)、3.89 (s、6H)、3.84 (br s、2H)、3.71 (br s、2H)、3.43 (br s、2H)、2.94 (br t、J =6.1 Hz、2H)、2.91-2.91 (m、1H)、2.90 (s、2H)、2.01 (br s、2H)
【0238】
実施例S4:N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化78】

2-(ジメトキシメチル)-4-メチル-1,8-ナフチリジン(5a)の合成
1-(2-アミノピリジン-3-イル)エタノン(1g、7.34mmol)、EtOH(20mL)、HO(4mL)および1,1-ジメトキシプロパン-2-オン(2.17g、18.36)の溶液に、HO(4mL)中のNaOH(587.58mg、14.69mmol)を内部温度が10℃より低くなるような速度で加えた。混合物を25℃で48時間撹拌し、減圧下で濃縮してEtOHを除去した。残留物を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(15mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル:メタノール=1:0から10:1)で精製して5aを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C12H14N2O2)として m/z 219.1、LCMS 実測値 m/z 219.1;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =9.28-9.11 (m、1H)、8.40 (dd、J =2.0、8.3 Hz、1H)、7.63 (s、1H)、7.58-7.48 (m、1H)、5.43 (s、1H)、3.54 (s、6H)、2.76 (s、3H)
【0239】
7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン(5b)の合成
EtOH(20mL)中の2-(ジメトキシメチル)-4-メチル-1,8-ナフチリジン(5a)(1.2g、5.50mmol)の溶液に、N下でPtO(12.49mg、54.98μm)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした後、Hバルーン(15psi)下、25℃にて18時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、フィルターケーキをEtOH(10mL*3)ですすいだ。合わせた濾液を減圧下で濃縮して5bを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C12H18N2O2)として m/z 223.1、LCMS 実測値 m/z 223.1;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =6.62 (s、1H)、5.12 (s、1H)、4.89 (br s、1H)、3.63-3.50 (m、2H)、3.49-3.32 (m、6H)、2.64 (t、J =6.6 Hz、2H)、2.16 (s、3H)、1.99-1.88 (m、2H)
【0240】
フェニル7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(5c)の合成
THF(5mL)中の7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロフラン-1,8-ナフチリジン(5b)(300mg、1.35mmol)と炭酸ジフェニル(289.11mg、1.35mmol)の混合物に、N下、-25℃にてLiHMDS(1M、1.75mL)を滴加した。混合物を-25℃で4時間撹拌し、0℃に温め、飽和NHCl水溶液(5mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(中性条件;カラム:Waters Xbridge Prep OBD C18 150*40mm*10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:25%-55%、8分)で精製し5cを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C19H22N2O4)として m/z 343.2、LCMS 実測値 m/z 343.2;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =7.40-7.33 (m、2H)、7.27 (s、1H)、7.24 (s、1H)、7.22 (s、1H)、7.20 (s、1H)、5.25 (s、1H)、4.01-3.87 (m、2H)、3.39 (s、6H)、2.77 (t、J =6.6 Hz、2H)、2.30 (s、3H)、2.16-2.02 (m、2H)
【0241】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(5d)の合成
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-アミン(1h)(250mg、841.02μmol)のTHF(2mL)溶液に、LiHMDS(1M、1.68mL)0℃で加えた。次に、THF(4mL)中のフェニル7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキシレート(5c)(299.47mg、874.66μmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 250*50mm*10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:35%-75%、10分)で精製して5dを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C26H29F2N5O6)として m/z 546.2、LCMS 実測値 m/z 546.2;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =13.75 (s、1H)、8.40 (s、2H)、7.08 (s、1H)、6.68 (t、J =8.1 Hz、1H)、5.39 (s、1H)、5.21 (s、2H)、4.17-4.02 (m、2H)、3.89 (s、6H)、3.46 (s、6H)、2.73 (t、J =6.4 Hz、2H)、2.30 (s、3H)、2.05-1.96 (m、2H)
【0242】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例5)の合成
CHCN(1mL)中のN-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシベンジル)オキシ)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-5-メチル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(5d)(20mg、36.66μmol)の溶液にHCl水溶液(0.2mL、1M)を加え、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、実施例5の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C24H23F2N5O5)として m/z 500.2、LCMS 実測値 m/z 500.0;1H NMR (400MHz、DMSO-d6)δ =13.37 (s、1H)、9.91 (s、1H)、8.53 (s、2H)、7.60 (s、1H)、7.10 (br t、J =8.3 Hz、1H)、5.28 (s、2H)、3.98-3.94 (m、2H)、3.89 (s、6H)、2.84 (br t、J=6.4 Hz、2H)、2.38 (s、3H)、1.96 (br d、J =5.4 Hz、2H)
【0243】
実施例S5:N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェネチル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)の合成-カルボキサミド
【化79】
N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェネチル)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(6a)の合成
MeOH(2mL)およびTHF(2mL)中のN-[5-[2-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)エチニル]ピリミジン-2-イル]-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,8-ナフチリジン-1-カルボキサミド(8e)(80mg、152.24μmol)の溶液に、H下でPd/C(30mg、152.24μモル、純度10%)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした。混合物を、H(40psi)下、25℃で16時間撹拌し、濾過し、濾液を濃縮して6aを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C26H29F2N5O5)として m/z 530.2、LCMS 実測値 m/z 530.3
【0244】
N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェネチル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例6)の合成
N-[5-[2-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)エチル]ピリミジン-2-イル]-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,8-ナフチリジン-1-カルボキサミド(6a)(80mg、151.08μmol)、HCl水溶液(1M、1.60mL)、CHCN(8mL)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、25℃にて、N雰囲気下で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件:カラム:Nano-micro Kromasil C18 80*25mm 3um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:32%-52%、7分)で精製し実施例6の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C24H23F2N5O4)として m/z 484.2、LCMS 実測値 m/z 484.2;1H NMR (400 MHz、CHLOROFORM-d)δ =2.05 (br s、2 H)2.89 (br d、J =7.28 Hz、2 H)2.93-3.04 (m、4 H)3.85 (s、6 H)4.09-4.18 (m、2 H)6.52 (t、J =8.16 Hz、1 H)7.60-7.65 (m、1 H)7.67 (s、1 H)8.43 (s、2 H)10.11 (s、1 H)13.82 (br s、1 H)
【0245】
実施例S6:(E)-N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシスチリル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化80】

(E)-N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシスチリル)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(7a)および(Z)-N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシスチリル)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(7b)の合成
THF(10mL)中のN-[5-[2-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)エチニル]ピリミジン-2-イル]-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,8-ナフチリジン-1-カルボキサミド(8e)(100mg、190.29μmol)の溶液に、N下、25℃で、ジヨード亜鉛(121.48mg、380.59μmol)、Zn(37.33mg、570.88μmol)、Pd(PPhCl(26.71mg、38.06μmol)を添加した。混合物を脱気し、Hで3回パージし、H(15Psi)下、25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮してTHFを除去した。残留物を分取HPLC(中性条件:カラム:Waters Xbridge BEH C18 100*30mm*10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:35%-65%、10分]で精製し7aを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C26H27F2N5O5)として m/z 528.20、LCMS 実測値 m/z 528.2、1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =8.71 (s、2H)、7.46 (d、J =7.6 Hz、1H)、7.31-7.22 (m、1H)、7.11 (d、J =7.5 Hz、1H)、7.08-7.01 (m、1H)、6.52 (t、J =8.1 Hz、1H)、5.38 (s、1H)、4.11-4.00 (m、2H)、3.83 (s、6H)、3.42 (s、6H)、2.84-2.73 (m、2H)、1.98-1.81 (m、2H);7b.MS massの計算値 [M+H]+ (C26H27F2N5O5)として m/z 528.2、LCMS 実測値 m/z 528.2、1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =8.71 (s、2H)、7.46 (d、J =7.6 Hz、1H)、7.31-7.22 (m、1H)、7.11 (d、J =7.5 Hz、1H)、7.08-7.01 (m、1H)、6.52 (t、J =8.1 Hz、1H)、5.38 (s、1H)、4.11-4.00 (m、2H)、3.83 (s、6H)、3.42 (s、6H)、2.84-2.73 (m、2H)、1.98-1.81 (m、2H)
【0246】
(E)-N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシスチリル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例7)の合成
MeCN(2mL)中の(E)-N-(5-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシスチリル)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(7a)(10mg、18.96μmol)の溶液にHCl水溶液(1M、94.78μL)を加え、混合物を脱気し、Nで3回パージし、N雰囲気下、25℃で4時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件:カラム:Welch Ultimate AQ-C18 150*30mm*5um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:35%-65%、10分)で精製し実施例7の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C24H21F2N5O4)として m/z 482.2、LCMS 実測値 m/z 482.1;1H NMR (400MHz、CHLOROFORM-d)δ =14.08 (br s、1H)、10.13 (s、1H)、8.83 (br s、2H)、7.73-7.68 (m、1H)、7.67-7.63 (m、1H)、7.38-7.31 (m、1H)、7.20-7.13 (m、1H)、6.62 (t、J =7.9 Hz、1H)、4.17 (br s、2H)、3.91 (s、6H)、2.97 (br t、J =6.2 Hz、2H)、2.07-2.02 (m、2H)
【0247】
実施例S7:N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミドの合成
【化81】

2,4-ジフルオロ-3-ヨード-1,5-ジメトキシベンゼン(5a)の合成
HCl水溶液(6M、27mL)中の2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-アニリン(3g、15.86mmol)の溶液に、HO(6mL)中のNaNO(1.15g、16.65mmol)を0℃で15分かけて滴加した。15分後、得られたスラリーを、0℃で少量ずつ、HO(15mL)中のKI(10.53g、63.44mmol)の溶液に加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をHO(50mL)で洗浄し、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=10:1から5:1)により精製して、8aを得た。
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6)δ =3.89 (s、6 H)6.69 (t、J =7.94 Hz、1 H)
【0248】
((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)トリメチルシラン(8b)の合成
DMF(20mL)中の2,4-ジフルオロ-3-ヨード-1,5-ジメトキシベンゼン(8a)(3.3g、11.00mmol)、EtN(2.23g、22.00mmol、3.06mL)、CuI(418.93mg、2.20mmol)および(トリメチルシリル)アセチレン(21.61g、219.97mmol、30.47mL)、Pd(PPhCl(385.99mg、549.93μmol)を脱気し、Nで3回パージした。混合物を、密閉管内でN雰囲気下、40℃で16時間撹拌した。HO(80mL)を加えて反応混合物をクエンチした後、酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)で精製して8bを得た。
1H NMR (400 MHz、CHLOROFORM-d)δ =0.29 (s、9 H)3.87 (s、6 H)6.62 (t、J =8.01 Hz、1 H)
【0249】
3-エチニル-2,4-ジフルオロ-1,5-ジメトキシベンゼン(8c)の合成
MeOH(10mL)およびTHF(10mL)中の2-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)エチニル-トリメチルシラン(8b)(2.6g、9.62mmol)、CsF(1.46g、9.62mmol、354.59μL)を脱気し、Nで3回パージし、混合物をN雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 250*50mm*10 um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:40%-70%、20分)で精製して8cを得た。
1H NMR (400 MHz、CHLOROFORM-d)δ =3.53 (s、1 H)3.89 (s、6 H)6.66 (br t、J=8.01 Hz、1 H)
【0250】
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン-2-アミン(8d)の合成
DMF(10mL)中の3-エチニル-2,4-ジフルオロ-1,5-ジメトキシ-ベンゼン(8c)(500mg、2.52mmol)、5-ヨードピリミジン-2-アミン(557.61mg、2.52mmol)、CuI(48.05mg、252.31μmol)、Pd(PPh3)4(291.56mg、252.31μmol)およびDIPEA(326.10mg、2.52mmol、439.49μL)の混合物を脱気し、Nで3回パージした後、混合物をN雰囲気下、80℃で2時間攪拌した。HO(20mL)を加えて反応混合物をクエンチした後、酢酸エチル(20mL*5)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を酢酸エチル(15mL)中、25℃で20分間撹拌し、濾過した。フィルターケーキを真空乾燥して8dを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C14H11F2N3O2)として m/z 292.1、LCMS 実測値 m/z 292.1
【0251】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン-2-イル)-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(8e)の合成
5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン-2-アミン(8d)(500mg、1.72mmol)のTHF(10mL)溶液に、LiHMDS(1M、5.15mL)を0℃で加えた。添加後、混合物をこの温度で20分間撹拌した後、THF中(10mL)のフェニル7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,8-ナフチリジン-1-カルボキシレート(1c)(1.13g、3.43mmol)を0℃で滴加した。得られた混合物を25℃に温め、16時間撹拌した。飽和NHCl(50mL)を加えて反応混合物をクエンチした後、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=2:1~0:1)で精製して8eを得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C26H25F2N5O5)として m/z 526.2、LCMS 実測値 m/z 526.2;1H NMR (400 MHz、CHLOROFORM-d)δ =1.96-2.08 (m、2 H)2.87 (t、J =6.25 Hz、2 H)3.49 (s、6 H)3.91 (s、6 H)4.07-4.17 (m、2 H)5.44 (s、1 H)6.68 (t、J =8.00 Hz、1 H)7.20 (d、J =7.63 Hz、1 H)7.54 (d、J =7.63 Hz、1 H)8.80 (s、2 H)14.15 (s、1 H)
【0252】
N-(5-((2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン-2-イル)-7-ホルミル-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-カルボキサミド(実施例8)の合成
CHCN(5mL)中のN-[5-[2-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)エチニル]ピリミジン-2-イル]-7-(ジメトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,8-ナフチリジン-1-カルボキサミド(8e)(50mg、95.15μmol)の溶液にHCl水溶液(1M、1mL)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件:カラム:Welch Ultimate AQ-C18 150*30mm*5um;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:53%-83%、12分)で精製し、実施例8の化合物を得た。
MS massの計算値 [M+H]+ (C24H19F2N5O4)として m/z 480.1、LCMS 実測値 m/z 480.2;1H NMR (400 MHz、CHLOROFORM-d)δ =2.04-2.12 (m、2 H)2.97 (t、J =6.28 Hz、2 H)3.92 (s、6 H)4.15-4.21 (m、2 H)6.69 (t、J =8.05 Hz、1 H)7.62-7.66 (m、1 H)7.68-7.72 (m、1 H)8.81 (s、2 H)10.13 (s、1 H)14.08 (s、1 H)
【0253】
生物学的実験例
実験例B1.FGFR阻害アッセイ
FGFR1およびFGFR4を阻害する試験化合物の効力を測定した。FGFR1について、20μMの[KKKSPGEYVNIEFG]ペプチド基質を反応バッファー(20mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(pH7.5)、10mM MgCl、1mM エグタジン酸(EGTA)、0.02%BRIJ(登録商標)-35、0.02mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、0.1mM NaVO、2mM ジチオスレイトール(DTT)、および1%(DMSO)に添加した。FGFR4について、0.2mg/mLのポリ[Glu:Tyr](4:1)ペプチド基質を反応バッファー(20mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(pH7.5)、10mM MgCl、1mM エグタジン酸(EGTA)、0.02%BRIJ(登録商標)-35、0.02mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、0.1mM NaVO、2mM ジチオスレイトール(DTT)、および1%(DMSO))に添加した。次に、FGFR1またはFGFR4を基質溶液に加え、穏やかに混合した。
【0254】
試験化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで、epMotion(登録商標)5070ロボットピペッターを使用して、DMSOで3倍連続希釈した。0.00001Mから5.08053E-10Mまでの希釈した試験化合物を、対応する基質溶液に添加し、得られた基質/化合物溶液を室温で20分間インキュベートした。放射性ATP(33P-ATP)を各基質/化合物溶液に添加し、FGFR1またはFGFR4のキナーゼ活性の反応を開始し、室温で2時間インキュベートした(最終[ATP]10μM)。反応物をP81イオン交換紙にスポットし、洗浄して過剰な放射性標識ATPを除去し、放射性スポットの定量化によってキナーゼ活性を測定した。
【0255】
アッセイした各化合物について、決定したFGFR1およびFGFR4の50%最大阻害濃度(IC50)を表2に示す。実施例1および実施例2は、同じ化合物がFGFR1を阻害するよりも劇的に低い濃度でFGFR4を阻害している。
【表2】
【0256】
本明細書で言及される特許、特許出願および科学論文を含むすべての刊行物は、特許、特許出願、または科学論文を含む個々の刊行物が具体的かつ独立して示され参照により組み込まれるかのように、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0257】
上に記載した発明は、理解を明確にすることを目的として、説明および例示によりある程度詳細に記載したが、上記の教示に照らして、ある特定の軽微な変更や修正がなされることは当業者には明らかである。したがって、説明および例示は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】