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特表2022-537434内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルおよびセンサ付きガイドワイヤ、ならびにそれらを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルおよびセンサ付きガイドワイヤ、ならびにそれらを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0538 20210101AFI20220818BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 1/273 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20220818BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
A61B5/0538
A61M25/14 510
A61B1/018 515
A61B1/273
A61B1/01 512
A61B17/94
A61B5/06
A61B1/00 552
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576152
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-02-19
(86)【国際出願番号】 IL2020050674
(87)【国際公開番号】W WO2020255132
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/863,941
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598025706
【氏名又は名称】イッスム・リサーチ・デベロプメント・カムパニー・オブ・ザ・ヘブリュー・ユニバシティー・オブ・エルサレム リミテッド
【住所又は居所原語表記】Hi Tech Park, The Edmond J. Safra Campus, The Hebrew University of Jerusalem, Givat Ram, P.O.Box 39135, 9139002 Jerusalem, Israel
(71)【出願人】
【識別番号】514263687
【氏名又は名称】ハダシット メディカル リサーチ サービシズ アンド ディベラップメント リミテッド
【住所又は居所原語表記】Jerusalem BioPark, Hadassah Ein Kerem Medical Center, P.O.B. 12000 Jerusalem, 9112001 Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシェ、 ムハンマド
(72)【発明者】
【氏名】カーライレー、 アベッド
(72)【発明者】
【氏名】プロトキン、 エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】ナミアス、 ヤーコフ
(72)【発明者】
【氏名】ミンツ、 ヤーブ
(72)【発明者】
【氏名】フライド、 エルチャナン
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C160MM43
4C160NN02
4C160NN21
4C161AA01
4C161AA06
4C161GG15
4C267AA02
4C267AA05
4C267BB09
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB43
4C267CC22
4C267GG42
4C267HH08
(57)【要約】
【要約】
カテーテルおよび/またはガイドワイヤの遠位端の位置を決定するように構成された複数のポートおよびセンサ、ならびにガイドワイヤを所望の管路位置に向けるように構成された任意選択的な1つ以上の磁性曲げ補助具を有する内視鏡逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルシステムを提供する。さらに、磁性端部および任意選択的なセンサ素子を有するガイドワイヤが提供される。ERCP処置においてカテーテルおよび/またはガイドワイヤを使用する方法も提供される。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルであって、
多数の内部管腔を含む細長いカテーテル本体を含み、
前記管腔は細長いカテーテル本体の近位端から、当該近位端とは反対側の細長いカテーテル本体の遠位端まで延在し、前記遠位端は対象者の総胆管(CBD)または膵管内に配置されるように構成され、
前記管腔は、
少なくとも1つのセンサ管腔であって、前記管腔内に、当該管腔の近位端から当該管腔の遠位端まで延在する1つ以上の感知プローブを有し、前記1つ以上のプローブは、カテーテルの遠位端において、電気インピーダンス、抵抗、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を感知または測定するように構成された、少なくとも1つのセンサ管腔と、
カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有し、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第1の管腔と、
第2の管腔であって、当該第2の管腔を通るガイドワイヤの通過を可能にするように構成され、当該第2の管腔の遠位端の開口部が前記第1の管腔の開口部に対して近位に位置し、当該第2の管腔を通過するガイドワイヤが、前記第1の管腔を通過するガイドワイヤとは異なる体内位置に位置決めされることを可能にする、第2の管腔とを備えた、
カテーテル。
【請求項2】
前記1つ以上の感知プローブが、電流を通過させるように構成された導電性材料を含む、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルの近位端に位置するセンサシステムが、前記プローブを介して、前記カテーテルの遠位端が位置する体腔内の抵抗および/またはインピーダンスおよび/または導電率を決定し、前記身体領域内の導電度を評価するように構成された、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルの遠位端で決定される前記電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率値は、前記対象者の総胆管または膵管における前記カテーテルの遠位端の位置を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルの遠位端で測定される前記抵抗率および/またはインピーダンス値が高いほど、および/または前記導電率値が低いほど、前記カテーテルの遠位端が前記総胆管内に位置することを示す、請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルの遠位端で決定される電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率および/または電気信号値は、胆管または膵管内の炎症状態を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記電気信号は、筋肉または神経活動を示す、請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記電気信号は、筋電図測定を可能にするように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルは、内視鏡を通過するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記内視鏡が十二指腸内視鏡である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記カテーテルは、前記十二指腸内視鏡、前記ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または前記対象者のファーター膨大部に挿入される大きさである、請求項1~10のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記内視鏡は、その遠位端において、前記内視鏡の外周または内部空洞に磁性カフまたは磁性領域を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記カテーテルが、前記カテーテルの本体上の磁性領域を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記磁性領域が電磁石を含む、請求項12~13のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記電磁石の作動は、前記処置の間、ユーザによって制御される、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記カテーテルは、生体適合性で可撓性の材料で作られている、請求項1~15のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項17】
少なくとも2つのセンサ管腔を備え、前記少なくとも2つのセンサ管腔は、当該管腔の近位端から管腔の遠位端まで延在する感知プローブを当該管腔内にそれぞれ有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記第2の管腔の遠位端は、前記カテーテルの遠位端の近位側領域に配置される、請求項1~17のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記対象者の体内の前記第2の管腔の前記遠位端の前記開口の位置は、前記カテーテルまたは前記カテーテルの前記遠位端の少なくとも一部を回転させることによって制御される、請求項1~18のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記第2の管腔は前記第2の管腔を通過するガイドワイヤを所望の位置に導くのを補助するように構成され、前記第2の管腔の遠位開口部に近接して位置する障害物であって、隆起部、前記管腔の形状の歪み、ブリッジ、またはそれらの組合せから選択される障害物を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項21】
ERCPカテーテルが括約筋切開カテーテルである、請求項1~20のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記第1および/または第2の管腔は、1つ以上の適切な医療器具および/または物質の通過を可能にするように構成された、請求項1~21のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記1つ以上の適切な医療器具および/または物質が、ステントシステム、細胞診シース、拡張器バルーン、ステント抽出器、ミニスコープ、造影剤、薬剤、またはそれらの任意の組合せから選択される、請求項22に記載のカテーテル。
【請求項24】
その近位領域が、ガイドワイヤ、医療器具および/または物質を操作、挿入、および/または動かすための1つ以上のハンドルまたはポートを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項25】
前記ガイドワイヤは、可撓性の生体適合性材料を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項26】
前記ガイドワイヤは、その遠位端に磁性チップをさらに備える、請求項1~25のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記ガイドワイヤの前記磁性チップは、前記ガイドワイヤの前記遠位端を曲げるかまたは変形させることを可能にし、前記ガイドワイヤを前記総胆管に導くかまたは誘導することを補助するように構成された、請求項26に記載のカテーテル。
【請求項28】
ERCPを必要とする対象者においてERCPを実行するための、請求項1~27のいずれか一項に記載のカテーテルの位置決め方法であって、
ガイドワイヤを、請求項1~27のいずれか一項に記載のカテーテルの第1の管腔を通して挿入し、カテーテルの遠位端から突出させるステップであって、前記カテーテルを、内視鏡を通して、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、対象者のファーター膨大部に挿入するステップと、
カテーテルの外端部が位置する体腔における導電率、抵抗率、インピーダンスおよび/または電気信号のうちの1つ以上を検知、測定および/または決定するステップと、
カテーテル端部が膵管または総胆管内にあるかどうかを導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスに基づいて決定するステップと、
カテーテル端部が膵管内にある場合、カテーテルの第2の管腔を通してガイドワイヤを挿入し、第2の管腔を通して挿入されたガイドワイヤの遠位端が総胆管内に配置されるようにするステップと、を含む方法。
【請求項29】
前記カテーテルの前記プローブに電流を通すことをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
カテーテルの遠位端が位置する体腔内の抵抗および/またはインピーダンスおよび/または導電率を決定するステップが、カテーテルの近位端に位置するセンサシステム、またはカテーテルおよび/またはガイドワイヤが接続される外部制御ユニットを使用して実行される、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記カテーテルの遠位端で測定される抵抗率および/またはインピーダンス値が高いほど、および/または導電率値が低いほど、前記カテーテルの遠位端が胆管内に位置することを示す、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
1つ以上の医療器具または物質をカテーテルの管腔を通して内部体腔に挿入することをさらに含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ガイドワイヤ、1つ以上の医療器具および/または前記胆管内の物質を操作するおよび/または動かすことをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
磁性チップを含むガイドワイヤの遠位端を総胆管に向かって曲げるために、外部磁力を加えることをさらに含む、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)処置において使用するためのガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤは非磁性材料で作製されるか、または非磁性材料でコーティングされ、ガイドワイヤの遠位端に磁性領域を有し、前記ガイドワイヤは可撓性であり、前記ガイドワイヤは十二指腸内視鏡を通って、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部に挿入されるように構成され、ガイドワイヤの磁性チップはガイドワイヤの遠位端を介して、対象者の総胆管の方向に曲げることができ、ガイドワイヤの遠位端の屈曲は外部磁力によって影響される、ガイドワイヤ。
【請求項36】
前記遠位端の前記磁性領域は、磁性または強磁性材料で作られるか、または磁性または強磁性材料でコーティングされる、請求項35に記載のガイドワイヤ。
【請求項37】
前記ガイドワイヤはカテーテルの管腔内で前記内視鏡を通過するように構成され、前記カテーテルは前記内視鏡の管腔内を通過する、請求項35~36のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項38】
前記外部磁力は前記対象者の身体の外部に配置された、または前記カテーテルの内部に配置された、および/または前記内視鏡の上に配置された、および/または前記内視鏡の内部に配置された電磁石によって提供される、請求項35~37のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項39】
前記電磁石の位置および/または方向および/または強度が、前記磁力を前記総胆管の方向に向けることで、前記対象者の体内に位置する前記ガイドワイヤの遠位端を前記総胆管の方向に屈曲させるように制御される、請求項38に記載のガイドワイヤ。
【請求項40】
前記外部磁力は、前記内視鏡の遠位端において、前記外周に、または前記内視鏡の内部管腔内に配置された磁性領域/磁性カフによって提供される、請求項39に記載のガイドワイヤ。
【請求項41】
前記ガイドワイヤの遠位端が位置する身体領域において、電気抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または導電率および/または電気信号を感知、測定および/または検出するように構成された、1つ以上のセンサ素子/プローブをさらに備える、請求項35~40のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項42】
前記センサ素子は、電流を通すように構成された導電性材料を備える、請求項41に記載のガイドワイヤ。
【請求項43】
前記センサ素子は、前記ガイドワイヤの遠位端または前記ガイドワイヤの遠位端の側面に配置される、請求項41~42のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項44】
前記センサ素子は、前記ガイドワイヤの外部長さまたは内部長さに沿って、同軸に、または互いに平行に配置された、請求項41~42のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項45】
ERCP処置を実施するために、対象者の総胆管内に請求項35~44のいずれか一項に記載のガイドワイヤを方向づける方法であって、
ガイドワイヤを内視鏡および/またはカテーテルを通して、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部に挿入するステップと、
磁力を加えることで、ガイドワイヤの可撓性遠位端を総胆管の方向に曲げるステップとを含む、方法。
【請求項46】
前記外部磁力は、前記対象者の身体の外部に配置された電磁石によって及ぼされる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記磁力は、前記カテーテルおよび/または前記内視鏡の磁性領域によって提供される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記磁性領域が、内視鏡の管腔の外面および/または内視鏡の管腔内にある、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記内視鏡の前記磁性領域および/または前記カテーテルの前記磁性領域は、磁性または強磁性材料で作製されるか、または磁性または強磁性材料でコーティングされる、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記ガイドワイヤの遠位端が位置する身体領域における前記電気抵抗率、インピーダンス、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を検出、測定、および/または決定するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルであって、
細長いカテーテル本体と、
対象者の総胆管(CBD)または膵管内に配置されるように構成された遠位端と、
細長いカテーテル本体の近位端からそれに対向する細長いカテーテル本体の遠位端まで延在する多数の内部管腔とを備え、
前記管腔が、少なくとも、
カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有し、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第1の管腔と、
第2の管腔であって、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成され、当該第2の管腔の遠位端の開口部は、前記第1の管腔の開口部に対して近位に配置され、当該第2の管腔を通過するガイドワイヤが前記第1の管腔を通過するガイドワイヤとは異なる体内位置に配置されることを可能にする、第2の管腔と、
細長いカテーテル本体上および/またはカテーテル本体内に配置され、カテーテルの遠位端において、電気インピーダンス、抵抗、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を感知または測定するように構成された、1つ以上の感知プローブと、を備えた、カテーテル。
【請求項52】
前記感知プローブのうちの1つ以上が、前記カテーテル本体の近位端から前記カテーテル本体の遠位端まで延在する、請求項51に記載のカテーテル。
【請求項53】
前記感知プローブのうちの1つ以上が、1つ以上のセンサ管腔内に配置され、前記1つ以上のセンサ管腔が前記細長いカテーテル本体の近位端から前記細長いカテーテル本体の遠位端まで延在する、請求項51~52のうちの一項に記載のカテーテル。
【請求項54】
前記感知プローブのうちの1つ以上が、前記カテーテル本体の外周上に配置される、請求項51~53のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項55】
前記感知プローブのうちの1つ以上が、前記カテーテルの遠位端に配置される、請求項51~54のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項56】
1つ以上の感知プローブが、カテーテルの遠位端の先端部に配置される、請求項51~55のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項57】
前記1つ以上の感知プローブが、電流を通過させるように構成された導電性材料を含む、請求項51~56のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項58】
前記カテーテルの近位端に位置するセンサシステムは、前記プローブを介して、前記カテーテルの遠位端が位置する体腔内の抵抗および/またはインピーダンスおよび/または導電率を決定し、前記身体領域内の導電度を評価するように構成された、請求項51~57のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項59】
前記カテーテルの遠位端で決定された前記電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率値は、前記対象者の総胆管または膵管における前記カテーテルの遠位端の位置を示す、請求項51~58のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項60】
前記カテーテルは、内視鏡を通過するように構成された、請求項51~59のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項61】
前記内視鏡が、その遠位端に、前記内視鏡の外周または内部空洞に磁性カフまたは磁性領域を備える、請求項60に記載のカテーテル。
【請求項62】
前記カテーテルが、前記カテーテルの本体上に磁性領域を含む、請求項51~61のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項63】
前記磁性領域は電磁石を含み、前記電磁石の作動は、処置中にユーザによって制御される、請求項51~62のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項64】
前記第2の管腔の遠位端は、前記カテーテルの遠位端の近位側領域に配置された、請求項51~63のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項65】
対象者の体内の第2の管腔の遠位端の開口部の位置は、カテーテルまたはカテーテルの遠位端の少なくとも一部を回転させることによって制御される、請求項51~64のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項66】
前記第2の管腔は、前記第2の管腔を通過するガイドワイヤを所望の位置に導くことを補助するように構成された、前記第2の管腔の遠位開口部に近接して位置する障害物であって、隆起部、前記管腔の変形、ブリッジ、またはそれらの組合せから選択される障害物を含む、請求項51~65のいずれか一項に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、改善されたカテーテルシステムに関し、特に、複数のポートおよびセンサ素子を有する、改善された内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルおよびガイドワイヤ、ならびにそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は、胆膵系の様々な病態に対する診断的および治療的処置である。
【0003】
ERCPは、胆嚢内に形成され総胆管を閉塞する胆石、感染症、急性膵炎、慢性膵炎、胆管や膵管の外傷や手術の合併症、膵仮性嚢胞、胆管の腫瘍や癌、膵臓の腫瘍や癌、その他の症状などにより、胆管や膵管が狭窄や閉塞した場合に行われる。
【0004】
この処置では、上部消化管から十二指腸第2部(小腸の近位部)まで内視鏡を挿入する。内視鏡が十二指腸に入ると、カテーテルは、内視鏡の作業チャネルを通過し、それを通って延伸する。ガイドワイヤは、カテーテルを通って、オディ括約筋を通って総胆管(CBD)内に通される。時には、オディ括約筋への切開を行うこともある。カテーテルは、ガイドワイヤの上部でCBD内に通され、ガイドワイヤが除去され、胆管を可視化するために放射線不透過性色素がカテーテルを通して注入される。
【0005】
ERCPは、外科的治療よりも有益と考えられているが、処置の結果として膵炎を含む様々な重篤な合併症が起こりうる。これらの合併症のいくつかは、とりわけ、膵管への造影剤の注入、膵管内へのガイドワイヤの挿入または他の機械的操作、それによる膵管の損傷、および結石による膵管の処置後閉塞に起因し得る。
【0006】
したがって、膵臓付近の機械的操作を低減し、膵臓内に多量の造影剤を注入することをできるだけ回避することによって、より安全なERCP処置を可能にするための改善された装置及び方法が、当技術分野で必要とされている。これは、造影剤注入の前に、CBD内のカテーテルおよび/またはガイドワイヤの正確な位置を確認し、正確なカニューレ挿入を達成するための機械的操作を少なくする方法を提供することによって達成され得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示の態様は、そのいくつかの実施形態によれば、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を実施するための改善されたカテーテルおよびガイドワイヤに関する。より具体的には、限定はしないが、本開示のいくつかの実施形態によると、本開示の態様は、管腔の内容物間の導電率および抵抗率の差異に基づいて、カテーテルの遠位端が胆管または膵管に位置するかどうかを検出または決定するために、内部体腔における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または電気信号を検出/測定/感知するように構成された管腔プローブ(センサ)を含む、複数の管腔を有するカテーテルに関する。
【0008】
本開示の態様は、そのいくつかの実施形態によれば、さらに、ガイドワイヤの遠位端(先端部、チップ)を総胆管(CBD)内に向けるのを助けることができる、磁性および/または強磁性チップ(先端部)を有するガイドワイヤに関する。いくつかの実施形態では、磁力(対象者の体外に配置された電磁石によって、および/または、ガイドワイヤが通される内視鏡の遠位部に配置された電磁石によって、および/または、ガイドワイヤが通されるカテーテルの遠位部に配置された電磁石によって、及ぼされる磁力)は、ガイドワイヤの先端を、膵管ではなくCBDに向けられるように曲げるのを助ける。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、内部体腔における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスを検出/測定/感知し、ガイドワイヤの遠位端が胆管または膵管内に位置するかどうかを、2つの管の間の導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスの差異に基づいて検出または決定し、ならびに任意選択で管内の炎症状態を識別するように構成された1つ以上のセンサ素子をさらに含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、本明細書で提供される改善された内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルシステムおよび/またはガイドワイヤ、ならびにそれらを使用する方法は、有利には、ERCP処置に伴うリスクを最小限に抑え、その合併症および副作用(例えば、ERCP後膵炎(PEP)、ならびに任意選択で、出血、腸穴、および感染)を低減することを可能にする。いくつかの実施形態では、改善された装置及び方法は、好ましくは膵管への造影剤の不注意な注入を伴うことなく、ERCP処置の実施を可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、本明細書で提供される装置(カテーテルおよび/またはガイドワイヤ)および方法は、誤った配置が検出された場合にガイドワイヤを胆管内に有利に導くことを可能にすることによって、膵管内への機械的操作および望ましくない色素注入を回避することができる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、本明細書で提供される装置及び方法は、(膵管ではなく)CBD内に挿入される可能性がより高い磁気的に付勢されたガイドワイヤ、管内への正しい/正しくない挿入を検出することができるカテーテルおよび/またはガイドワイヤを提供できること、および/または位置の変更が必要とされる場合、同じカテーテルがガイドワイヤを正しい管(すなわち、CBD)内に導くことができること、の1つ以上において有利である。
【0012】
したがって、いくつかの実施形態の一態様によれば、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルが提供される。ERCPカテーテルは、多数の内部管腔を有する細長いカテーテル本体を含む。管腔は、細長いカテーテル本体の近位端から、それと反対側の細長いカテーテル本体の遠位端まで延在する。遠位端は、対象者の総胆管(CBD)または膵管内に配置されるように構成される。管腔は、当該管腔内に、管腔の近位端から管腔の遠位端まで延在する1つ以上の感知プローブを有する(または有するように構成される)1つ以上のセンサ管腔を含む。前記1つ以上のプローブは、カテーテルの遠位端において、電気インピーダンス、抵抗、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を感知または測定するように構成される。管腔は、カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有する第1の管腔をさらに含む。前記第1の管腔は、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成される。管腔は、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第2の管腔をさらに含む。前記第2の管腔の遠位端の開口部は、第1の管腔の開口部に対して近位位置に配置され、それによって、第1の管腔を通過するガイドワイヤと比較して、第2の管腔を通過するガイドワイヤが異なる体内位置に配置されることを可能にする。
【0013】
いくつかの実施形態では、感知プローブは電流を通過させるように構成された導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの近位端に配置されるか、またはカテーテルに接続されるセンサシステムは、カテーテルの遠位端が配置される体腔内の抵抗および/または導電率および/またはインピーダンスを、前記プローブを介して決定し、前記身体領域内の導電度を評価するように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端で決定された電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率値が、胆管内または膵管内にあるカテーテルの遠位端の位置を示す。いくつかの実施形態では、抵抗率および/またはインピーダンス値が高いほど、および/またはカテーテルの遠位端で測定される導電率値が低いほど、カテーテルの遠位端が胆管内に位置することを示す。
【0014】
いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端で決定された電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率および/または電気信号値が、胆管内または膵管内の炎症状態を示す。
【0015】
いくつかの実施形態では、電気信号が筋肉または神経の活動を示す。いくつかの実施形態によれば、電気信号は、筋電図測定を可能にするように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、カテーテルが内視鏡を通過するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、内視鏡が十二指腸内視鏡(十二指腸鏡)であってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、十二指腸内視鏡を介し、ファーター乳頭およびオディ括約筋を通過し、対象者のファーター膨大部に入るような大きさであってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、内視鏡は、当該内視鏡の外周または内部空洞に、好ましくはその遠位端に、電磁または磁性カフ/領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、磁性領域が胃腸管内に位置する。いくつかの実施形態では、磁性領域は、医療提供者によって、例えば、遠隔で(すなわち、身体の外部で)制御され得る電磁石を含む。例えば、電磁石は、例えば、胆管などの管腔に入った後にオフにされてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、カテーテルが生体適合性および/または可撓性材料から作製されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、カテーテルが管腔内に、管腔の近位端から管腔の遠位端まで延びる感知プローブをそれぞれ有する(有するように構成された)少なくとも2つのセンサ管腔を含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2の管腔の遠位端が、カテーテルの遠位端の近位側領域に配置される。さらなる実施形態では、対象者体内の第2の管腔の遠位端の開口部の位置が、カテーテルまたはカテーテルの遠位端の少なくとも一部を回転させることによって制御される。いくつかの実施形態では、第2の管腔が、隆起、管腔の形状の歪み、ブリッジ、またはそれらの組合せから選択され、第2の管腔の遠位開口部に近接して配置され、第2の管腔を通過するガイドワイヤを所望の位置に導くのを助けるように構成された障害物を含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルは括約筋切開カテーテル(オディ括約筋の切開を可能にする機構を有する)であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルが、カテーテルの本体上に磁性領域をさらに含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2の管腔が、1つ以上の適切な医療器具および/または物質の通過を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の適切な医療器具および/または物質は、ステントシステム、細胞診シース、拡張器バルーン、ステント抽出器、ミニスコープ、造影剤、薬剤、またはそれらの任意の組合せから選択されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルの近位領域は、ガイドワイヤ、医療器具、および/または物質を操作、挿入、および/または動かすための1つ以上のハンドルまたはポートを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテルと共に使用するためのガイドワイヤが、可撓性の生体適合性材料を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤが、その遠位端に磁性チップをさらに含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの磁性チップが、ガイドワイヤの遠位端を曲げるかまたは変形させることを可能にし、ガイドワイヤを胆管に導くかまたは誘導するのを補助するように構成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルが提供される。このERCPカテーテルは、対象者の総胆管(CBD)または膵管内に配置されるように構成された遠位端と、細長いカテーテル本体の近位端からそれと反対側の細長いカテーテル本体の遠位端まで延びる多数の内部管腔と、を有する細長いカテーテル本体を備える。前記管腔は、少なくとも、カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有し、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第1の管腔と、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第2の管腔と、を備える。前記第2の管腔の遠位端の開口は、第1の管腔の開口に対して近位位置に配置され、それによって、第2の管腔を通過するガイドワイヤが第1の管腔を通過するガイドワイヤとは異なる体内位置に配置されることを可能にする。前記管腔は、細長いカテーテル本体上および/またはカテーテル本体内に配置された1つ以上の感知プローブをさらに備える。前記1つ以上の感知プローブは、カテーテルの遠位端において、電気インピーダンス、抵抗、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を感知または測定するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の感知プローブは、カテーテル本体の近位端からカテーテル本体の遠位端まで延在する。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、感知プローブのうちの1つ以上が、1つ以上の内部センサ管腔内に配置されてもよく、前記1つ以上の内部センサ管腔は、細長いカテーテル本体の近位端から細長いカテーテル本体の遠位端まで延在する。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の感知プローブは、カテーテル本体の外周上に配置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の感知プローブは、カテーテルの遠位端上または遠位端に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の感知プローブは、カテーテルの遠位端の先端に配置される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルおよび/またはガイドワイヤの遠位端の位置を決定するための、および/または位置決めするための、ERCPを必要とする対象者においてERCPを実行するための方法が提供される。この方法は、(i)カテーテルの第1の管腔を通してガイドワイヤを挿入し、カテーテルの遠位端から突出させるステップであって、前記カテーテルが内視鏡を通して、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部の中に挿入されるステップと、(ii)カテーテルおよび/またはガイドワイヤの外端が位置する体腔における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または電気信号(電気活動)を感知、測定および/または決定するステップと、(iii)カテーテルおよび/またはガイドワイヤ端が膵管または胆管内にあるかどうかを、導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスに基づいて決定するステップと、(iv)カテーテルおよび/またはガイドワイヤ先端が膵管内にある場合、第2の管腔を通して挿入されるガイドワイヤの遠位端が胆管内に位置するように、カテーテルの第2の管腔を通してガイドワイヤを挿入するステップと、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、この方法は、カテーテルおよび/またはガイドワイヤのプローブに電流を通すことをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルおよび/またはガイドワイヤの遠位端が位置する体腔内の抵抗および/またはインピーダンスおよび/または導電率を決定することを含んでもよく、カテーテルおよび/またはガイドワイヤの近位端に位置するセンサシステム、またはカテーテルおよび/またはガイドワイヤが接続される外部制御ユニットを使用して実行される。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端で測定される抵抗率および/またはインピーダンス値が高いほど、および/または導電率値が低いほど、カテーテルの遠位端が胆管内に位置することを示す。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の測定値に基づいて、管の炎症状態を判定することを含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、方法は、カテーテルの管腔を通して内部体腔内に1つ以上の医療器具または物質を挿入するステップをさらに含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤ、1つ以上の医療器具、および/または胆管内の物質を操作および/または動かすことをさらに含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、この方法は、磁性および/または強磁性チップを備えるガイドワイヤの遠位端を胆管に向かって曲げるために、外部磁力を印加することをさらに含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、ERCP処置で使用するためのガイドワイヤが提供される。前記ガイドワイヤは、非磁性材料で作られるか、または非磁性材料でコーティングされ、ガイドワイヤの遠位端に磁性領域を有し、前記遠位端は可撓性であり、前記ガイドワイヤは十二指腸内視鏡を通って、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通って、および/または対象者のファーター膨大部内に進むように構成され、ガイドワイヤの磁性チップはガイドワイヤの遠位端を介して、対象者の胆管の方向に曲げることができ、ガイドワイヤの遠位端の曲がりは外部磁力によって影響される。
【0040】
いくつかの実施形態では、遠位端の磁性領域は、磁性または強磁性材料から作製されるか、または磁性または強磁性材料でコーティングされる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、カテーテルの管腔内で内視鏡を通すように構成されてもよく、前記カテーテルは内視鏡の管腔内を通過する。
【0042】
いくつかの実施形態では、外部磁力は、対象者の身体外に配置された、またはカテーテルの内部に、および/または内視鏡の上に、および/または内視鏡の内部に配置された電磁石によって及ぼされてもよい。いくつかの実施形態では、電磁石の位置および/または方向および/または強度は、例えば、磁力を胆管の方向に向けるように制御され、それによって、対象者の体内に位置するガイドワイヤの遠位端を胆管の方向に曲げる。いくつかの実施形態では、外磁力は、内視鏡の遠位端において、内視鏡の外周または管腔内に配置された磁性領域/磁性カフによって及ぼされる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位端が位置する身体領域における電気抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または導電率を感知、測定および/または検出するように構成された1つ以上のセンサ素子/プローブをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ素子は、電流を通すように構成された導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、センサ素子(センサ)は、ガイドワイヤの遠位端に、またはガイドワイヤの遠位端の側部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ素子(センサ)は、ガイドワイヤの外部長さまたは内部長さに沿って、同軸に、または互いに平行に配置されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、ERCP処置を実施するために、ガイドワイヤを対象者の胆管内に向ける方法が提供される。この方法は、ガイドワイヤを内視鏡および/またはカテーテルを通して、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部内に挿入するステップと、磁力を印加して、ガイドワイヤの可撓性遠位端を胆管の方向に屈曲させるステップとを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、外部磁力は、対象者の身体外に配置された電磁石によって及ぼされてもよい。いくつかの実施形態では、磁力は、カテーテルおよび/または内視鏡の磁性領域によって及ぼされてもよい。いくつかの実施形態では、磁性領域は、内視鏡の管腔の外面上および/または内視鏡の管腔内にあってもよい。いくつかの実施形態では、内視鏡の磁性領域が磁性材料または強磁性材料で作製されてもよく、またはそれらでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの磁性領域が磁性材料または強磁性材料で作製されてもよく、またはそれらでコーティングされてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、方法は、ガイドワイヤの遠位端が位置する身体領域における電気抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または導電率および/または電気活動を検出、測定および/または決定するステップをさらに含むことができる。
【0047】
本開示の特定の実施形態は、上記の利点のいくつか、全て、またはいずれも含み得る。1つ以上の他の技術的利点は本明細書に含まれる図面、説明、および特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、特定の利点が上に列挙されたが、様々な実施形態は列挙された利点のすべてまたはいくつかを含んでもよいし、全く含まなくてもよい。
【0048】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」は文脈が別段の明確な指示をしない限り、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して本明細書に記載される。説明は図面と共に、いくつかの実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図面は説明のためのものであり、本開示の基本的な理解のために必要である以上に、実施形態の構造的詳細をより詳細に示す意図はない。明確にするために、図に示されるいくつかの物体は、縮尺通りではない。
図1図1は、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの斜視図を概略的に示す。
図2A図2Aは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端の斜視側面図を概略的に示す。
図2B図2Bは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端の拡大斜視図を概略的に示す。
図2C図2Cは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端の断面の斜視上面図を概略的に示す。
図A図3Aは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの斜視側面図を概略的に示す。
図3B図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端およびガイドワイヤの拡大斜視図を概略的に示す。
図3C図3Cは、いくつかの例示的な実施形態による、ガイドワイヤを有するカテーテルの遠位端の斜視図を概略的に示す。
図4A図4Aは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端および管腔スイッチング機構の斜視拡大図を概略的に示す。
図4B図4Bは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端および管腔スイッチング機構の斜視拡大図を概略的に示す。
図5A図5Aは、いくつかの例示的な実施形態による、磁性端部を有するガイドワイヤの斜視図を概略的に示す。
図5B図5Bは、いくつかの例示的な実施形態による、内視鏡の遠位端と、磁性端部を有するガイドワイヤとの拡大斜視図を概略的に示す。
図6A図6Aは、いくつかの例示的な実施形態による、対象者の胆管領域内のカテーテルおよびガイドワイヤの遠位端を概略的に示す。
図6B図6Bは、いくつかの例示的な実施形態による、対象者の膵管領域内のカテーテルおよびガイドワイヤの遠位端を概略的に示す。
図6C図6Cは、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの遠位端と、カテーテルの第2の管腔を介して対象者の胆管領域内に挿入されたガイドワイヤとを概略的に示す。
図7図7Aは、いくつかの例示的な実施形態による、センサ装置を有するガイドワイヤの遠位端の斜視図を概略的に示す。
図8図8は、電気センサを用いることによって決定される様々な流体の抵抗値を示す棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書の開示の原理、使用、および実装は、添付の説明および図面を参照してより良く理解され得る。本明細書の説明および図面を精査すると、当業者は、過度の努力または実験なしに本明細書の教示を実施することができるであろう。図面において、同じ参照番号は、全体を通して同じ部分を指す。
【0051】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による、カテーテルの斜視図を概略的に示す図1を参照する。図1に示されるように、カテーテル2は、遠位端(体腔内に配置されるように構成される)および近位端(対象体の外部に位置する)を有する。カテーテルは、近位端から遠位端までカテーテルの内部本体に沿って延びるいくつかの管腔を含むことができる。管腔は、近位端(管腔8A~8B)から遠位端(管腔8Bの端部が開口部18Bとして示される)まで延在するセンサ管腔を含み、センサ管腔を通って延びるプローブ/センサを有する。プローブ/センサは、カテーテルの近位端が位置する領域における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスを検出/測定/感知することができる。カテーテルは、カテーテルの遠位端の先端(15)に開口部(14)を有する第1の管腔(12)をさらに含むことができる。カテーテルは、カテーテルの遠位端の側部領域に開口部(16)を有する第2の管腔(10)を含むことができる。
【0052】
ここで、いくつかの実施形態による、カテーテルの遠位端の斜視側面図を概略的に示す図2Aを参照する。図2Aに示されるように、カテーテル(20)の遠位端(21)は、第1の管腔の先端(24)に開口部(26)を有する。遠位端の側部領域には、第2の管腔の開口部(22)が配置される。さらに、それぞれの管腔の開口部(28A~B)を通って突出するセンサ29A~Bの先端(端部)が示されている。
【0053】
ここで、いくつかの実施形態による、カテーテルの遠位端の拡大斜視図を概略的に示す図2Bを参照する。図2Bの拡大図に示されているのは、カテーテルの遠位端(30)と、カテーテルの遠位端の先端(34)に位置する第1の管腔(36)の開口部である。さらに、第2の管腔の開口部(32)およびプローブ/センサ(39A~B)の端部が示されている。いくつかの実施形態では、第2の管腔の端部は、第2の管腔を通過するガイドワイヤの先端の屈曲を可能にするように構成されたブリッジ、バンプ、歪み、または障害物を有する。
【0054】
ここで、いくつかの実施形態による、カテーテルの遠位端の断面の斜視上面図を概略的に示す図2Cを参照する。カテーテルの遠位端(40)の上面図は、第1の中央管腔(44)の開口部、センサ管腔(48A~48B)の開口部、および第2の側部管腔の開口部を示す。
【0055】
ここで、いくつかの実施形態による、カテーテルおよびカテーテルの第1の管腔の遠位端から突出するガイドワイヤの斜視側面図を概略的に示す図3Aを参照する。図3Aに示されるように、カテーテル100は近位端(104)および遠位端(102)を有する細長い本体を有し、これは、対象者の体内に配置されるように構成される。カテーテルは、カテーテルの近位端から遠位端まで延びるいくつかの管腔を含む。カテーテルの近位端には、ガイドワイヤ(110’)の近位端が示されており、その遠位端(110)はカテーテルの第1の管腔の遠位端から突出している。さらに、カテーテルの近位端にはプローブ/センサ(106A’-B’)の近位端が示されており、その遠位端(106A-B)はカテーテルのセンサ管腔の遠位端から突出している。さらに、カテーテルの第2の管腔の端部(108)が示されており、この端部はカテーテルの遠位端の側面に位置し、カテーテルの先端の近位にあることが好ましい。第2の管腔の端部は、そこを通って突出するガイドワイヤまたは他の適切な医療器具を屈曲させまたは案内することを可能にするために、隆起または変形を含んでもよい。
【0056】
ここで、一部の実施形態にしたがい、カテーテルの遠位端と、第2ルーメンの遠位端から突き抜けたガイドワイヤとの斜視近接図を模式的に描写した図3Bを参照する。図3Bに示すように、カテーテル(150)の遠位端は、遠位端の先端(154)に位置する第1の管腔の開口部(156)を有する。第1の管腔は、空の(すなわち、そこを通って突出するガイドワイヤを有さない)状態で示されている。第2の管腔は、ガイドワイヤ(152)の遠位端が第2の管腔の開口部(160)から突出するように、それを通って挿入されるガイドワイヤを有する。さらに、遠位端には、センサ/プローブ(158A~B)の端部(先端)が示されている。
【0057】
ここで図3Cを参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルの第1の管腔の遠位端から突出する第1のガイドワイヤと、カテーテルの第2の管腔の遠位端から突出する第2のガイドワイヤとを有するカテーテルの斜視側面図が概略的に示されている。図3Cに示されるように、カテーテル(200)の遠位端(202)には、カテーテルの第1の管腔の遠位端から突出するガイドワイヤ(210)の遠位端が示される。さらに、カテーテルの第2の管腔から突出する第2のガイドワイヤ(212)の遠位端が示されている。図3Cに示すように、第2のガイドワイヤ(212)は、第1のガイドワイヤと比較して異なる方向に向けられる/方向づけられる。いくつかの実施形態では、第2のガイドワイヤの方向づけ/屈曲は、障害物、屈曲、隆起、ブリッジ、または任意の他の障害部材(部材214として示される)によって達成することができる。障害部材は、任意の適切な生体適合性材料、磁性材料から作製されてもよく、または磁性材料もしくは強磁性材料でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、障害部材がカテーテル本体と一体的に形成されてもよく、またはカテーテル本体に取り付けられ、配置され、または載置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のガイドワイヤの方向づけ/屈曲が、以下でさらに詳述するように、ガイドワイヤの遠位端に配置または形成された磁性チップによって達成されてもよい。図3Cには、センサ206A~Bの遠方端も示されている。
【0058】
ここで、いくつかの実施形態による、カテーテルの遠位端および管腔スイッチング機構の斜視拡大図を概略的に示す図4Aを参照する。図4Aに示されるように、カテーテル250の遠位端は、そこから突出するガイドワイヤ(252)を有する、第1の管腔(254)の開口部を含む。第2の管腔(256)の開口部もさらに示されている。図4Aの右側パネルには、先端部の断面のクローズアップ図が示されている。第1の管腔(254)の開口部を含むカテーテル(250)の遠位端を示す図4Bを参照する。そこを通って突出するガイドワイヤ(260)を有する第2の管腔(256)の開口部も示されている。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルは、任意の適切な生体適合性材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルが少なくとも部分的に可撓性であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、カテーテルは括約筋切開刀として機能し得るカテーテルであってもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルは括約筋切開術カテーテルである。
【0061】
いくつかの実施形態では、プローブ/センサが電流を通すように構成された導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プローブが任意の適切な金属から作製されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの近位端に位置するセンサシステムは、プローブを介して、カテーテルの遠位端が位置する体腔内の抵抗および/または導電率および/またはインピーダンスを決定し、前記体領域内の導電度を評価するように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端で決定された電気抵抗および/または導電率および/またはインピーダンス値は、総胆管または膵管におけるカテーテルの遠位端の位置を示す。いくつかの例示的な実施形態では、本明細書で以下に例示されるように、カテーテルの遠位端で測定される抵抗率および/またはインピーダンス値が高いほど、および/または導電率値が低いほど、カテーテルの遠位端が胆管内に位置することを示す。いくつかの例示的な実施形態では、約400オームメートル(Ωm)を超える、約500(Ωm)を超える、約550(Ωm)を超える、約600(Ωm)を超える、約700(Ωm)を超える抵抗値は、胆管領域を示す。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの近位端に位置するセンサシステムは、例えば、筋線維の電気信号または電気活動を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、センサシステムは、プローブを介して、カテーテルの遠位端が位置する体腔内のEMG活動を決定するように構成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルシステムは、管内の炎症または炎症状態を検出または識別または認識するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、炎症状態の識別は、少なくとも部分的には電気抵抗及び/又は導電率及び/又はインピーダンス及び/又は電気活動の測定に基づくことができる。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される管腔プローブ(センサ)は、導電率、抵抗率、インピーダンス、および/または電気信号のうちの1つ以上を検出/測定/検知/決定するように構成されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される管腔プローブ(センサ)は、内部体腔における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または電気信号のうちの1つ以上を検出/測定/感知/決定するように構成されてもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルは、十二指腸内視鏡などの内視鏡を通過するように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテルは、十二指腸内視鏡を通って、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通って、および/または対象者のファーター膨大部に挿入されるように、サイズ設定/構成される。各可能性は、別個の実施形態である。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルは、1つ以上の追加の内部管腔をさらに含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルは、カテーテルの本体長に沿った磁性部分または領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルの磁性部分が磁性材料または強磁性材料で作製されてもよく、またはそれでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、磁性部分が電磁石であってもよく、または電磁石を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電磁石が断続的に動作してもよい(すなわち、随意にオンまたはオフにされてもよい)。いくつかの実施形態では、電磁石の動作は、例えば、カテーテルシステムを操作する医療提供者によって外部から制御されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの管腔のいずれか(第1/第2および/または任意の追加の管腔を含む)は、1つ以上の適切な医療器具および/または物質の通過を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の適切な医療器具および/または物質は、ステントシステム、括約筋切開刀、細胞診シース、拡張バルーン、ステント抽出装置、ミニスコープ、造影剤、薬剤、またはそれらの任意の組合せから選択される。各可能性は、別個の実施形態である。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの近位領域は、ガイドワイヤ、医療器具、および/または物質を操作、挿入、および/または動かすための1つ以上のハンドルまたはポートを含むことができる。
【0072】
ここで、いくつかの例示的な実施形態による、磁性端部を有するガイドワイヤの斜視図を概略的に示す図5Aを参照する。図5Aに示されるように、ガイドワイヤ(300)は、近位端(3026)および遠位端(302)を有する細長い本体を有する。ガイドワイヤは、その遠位端に、磁性チップ/磁性領域(304)を含んでもよい。ガイドワイヤの磁性チップは、ガイドワイヤの遠位端が対象者の総胆管の方向に曲がることを可能にするように構成される。
【0073】
ここで、いくつかの実施形態による、内視鏡の遠位端および磁性端部を有するガイドワイヤの拡大斜視図を概略的に示す図5Bを参照する。図5Bに、ガイドワイヤ(350)が突出する開口部364を有する内視鏡(36)の遠位端を示す。ガイドワイヤは、その遠位端(352)に磁性チップ/領域(354)を有する。さらに、内視鏡の外周に配置された磁性カフ263が示されている。磁性カフは、図5Bに示すように、ガイドワイヤの磁性端部を引き付け、ガイドワイヤの遠位端を曲げることができる磁力を及ぼすことができる。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、ガイドワイヤは、非磁性材料から作製されてもよく、または非磁性材料でコーティングされてもよく、ガイドワイヤの遠位端に磁性領域を有しても良い。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端が可撓性であってもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの本体は、実質的に剛性または硬質である。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの本体は実質的に可撓性である。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは十二指腸内視鏡を通って進むように構成される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤはカテーテル管腔を通って進むように構成される(カテーテルが内視鏡を通されてもよい)。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、内視鏡を通って、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部に入るように構成される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端の磁性領域が磁性材料または強磁性材料から作製されてもよく、または磁性材料または強磁性材料でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、対象者の身体の外部に配置された、またはカテーテルおよび/または内視鏡の内部に配置された、および/または内視鏡の内部に配置された電磁石によって外部磁力を及ぼしてもよい。いくつかの実施形態によれば、電磁石の位置方向および/または強度は、磁力を対象者の胆管の方向に向け、それによって、対象者の体内に位置するガイドワイヤの遠位端を胆管の方向に曲げるように制御されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、ガイドワイヤは、導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または電気信号/電気活動を感知/検出/測定するように構成された1つ以上のセンサ/プローブを含むことができる。一部の実施形態では、センサは電気センサである。いくつかの実施形態では、電気センサがガイドワイヤの先端に、またはワイヤの遠位端の側面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性プローブ/センサ/ワイヤ/ケーブル/電極がガイドワイヤに沿って、同軸に(一方が他方の周りにあり、それらの間が絶縁されている)、または互いに平行に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤがさらに、親水性コーティングなどの所望の特性を提供する異なる材料で少なくとも部分的にコーティングされてもよい。
【0076】
ここで、いくつかの実施形態による、対象者の胆管領域内のカテーテルおよびガイドワイヤの遠位端を概略的に示す図6Aを参照する。図6Aに示されるように、カテーテル402は、内視鏡420を介して、カテーテルの第1の管腔から突出するガイドワイヤ(404)に案内されて、胆管(406)内に突出し、案内される。膵管(400)も図示されている。内視鏡はその遠位領域に磁性カフ(412)を含んでもよく、これはガイドワイヤの磁性端部を胆管に向ける/引き付けることを補助し得る。
【0077】
ここで、いくつかの実施形態による、対象者の膵管領域内のカテーテルおよびガイドワイヤの遠位端を概略的に示す図6Bを参照する。図6Bに示されるように、内視鏡(420)を介して、カテーテル(402’)はカテーテルの第1の管腔から突出するガイドワイヤ(404’)に案内されて、膵管(400)内に突出し、案内される。胆管(406)も図示されている。内視鏡は、磁性カフ(412)をその遠位領域に含むことができ、磁力を加えると、ガイドワイヤの磁性端部を方向づけ/引き寄せることを補助する。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの第2の管腔を介して、対象者の胆管領域内に挿入されたカテーテルおよびガイドワイヤの遠位端を模式的に示す図6Cを参照する。図6Cに示されるように、内視鏡(420)を介して、カテーテル(402”)が突出する。カテーテルはガイドワイヤ遠位端が胆管(406)内に位置するように、カテーテルの第2の管腔を通って突出するガイドワイヤ(416)を有する。膵管(400)も図示されている。内視鏡は磁性カフ(412)をその遠位領域に含むことができ、磁力を加えると、ガイドワイヤの磁性端部を胆管に向かって方向づけ/引き寄せることを補助する。
【0079】
いくつかの実施形態では、カテーテル(およびガイドワイヤ)が(例えば、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を介して、および/または対象者のファーター膨大部内に、内視鏡を通過することによって)体腔内に挿入される場合、カテーテルの遠位端(またはいくつかの実施形態ではガイドワイヤ上に位置する)のプローブを使用して、遠位領域における導電率/抵抗率/インピーダンス/活動を感知/測定/検出/決定することができる。測定に基づいて、カテーテル(および/またはガイドワイヤ)の遠位端が(図6Aに示すように)胆管内に配置されていると判定された場合、胆管内のさらなる手順を継続することができる。測定値に基づいて、カテーテル(および/またはガイドワイヤ)の遠位端がむしろ膵管内に配置されていると判定された場合(図6Bに示すように)、カテーテル(またはガイドワイヤ)を総胆管(CBD)に向け直すまで、さらなる処置は開始されない。これは、(図6Cに示すように)第2のガイドワイヤを胆管内に配置するべく付勢されるように、カテーテルの第2の管腔を通して第2のガイドワイヤを挿入することによって行うことができる。あるいは、いくつかの実施形態では、第1のガイドワイヤを胆管内に配置するべく付勢されるように、カテーテルの第2の管腔内に引き入れられ、配置される。
【0080】
ここで、いくつかの実施形態による、センサ配置を有するガイドワイヤの遠位端の斜視図を概略的に示す図7A~Eを参照する。図7Aは、互いに平行に配置され、互いがガイドワイヤの異なる領域に沿って通過するセンサ(502A~B)を有するガイドワイヤ500の端部を示す。センサ(502Aおよび502B)は、並列に配置され、電流の通過を可能にするように絶縁される。センサは、ガイドワイヤの外周または内周に沿って延びることができる。絶縁体(504)はセンサの一部であり、および/またはセンサ間にある。いくつかの実施形態では、センサは電極である。さらに図示されているのは、磁石(506)であり、ガイドワイヤの先端部を曲げるのを補助するように構成されている(上記で詳述したように)。ガイドワイヤは、ガイドワイヤの操作を補助するために、さらに外部からコーティング(コーティング508)されてもよい。図7Bは、互いに平行に配置され、互いがガイドワイヤの異なる領域に沿って通過するセンサ(522A~B)を有するガイドワイヤ520の端部を示す。センサ(522Aおよび522B)は並列に配置され、電流の通過を可能にするように、絶縁される。絶縁体(524)はセンサの一部、および/またはセンサ間にある。いくつかの実施形態では、センサは電極である。さらに図示されているのは、磁石(526)であり、ガイドワイヤの先端部を曲げるのを補助するように構成されている(上述したように)。ガイドワイヤは、ガイドワイヤの操作を補助するために、さらに外部からコーティングされてもよい(コーティング528)。図7Cは、互いに同軸上に配置され、ガイドワイヤの異なる領域に沿って互いに通過するセンサ(522A~B)を有するガイドワイヤ520の端部を示す。センサ(532Aおよび532B)は、同軸設計で配置され、電流の通過を可能にするように絶縁される。絶縁体(534)はセンサの一部、および/またはセンサ間にある。いくつかの実施形態では、センサは電極である。さらに図示されているのは、磁石(536)であり、ガイドワイヤの先端部を曲げるのを補助するように構成されている(上述したように)。ガイドワイヤは、ガイドワイヤの操作を補助するために、さらに外部からコーティング(コーティング538)されてもよい。図7Dは、互いに平行に配置され、互いがガイドワイヤの異なる領域に沿って通過するセンサ(542A~B)を有するガイドワイヤ540の端部の上面図を示す。センサ(542Aおよび542B)は並列に配置され、電流の通過を可能にするように、絶縁される。絶縁体(544)はセンサの一部であり、および/またはセンサ間にある。いくつかの実施形態では、センサは電極である。さらに、ガイドワイヤの遠位端の先端部に磁石(546)が示されており、これは、(上記で詳述したように)ガイドワイヤの先端部を曲げるのを補助するように構成されている。図7Eは、互いに平行に配置され、互いがガイドワイヤの異なる領域に沿って通過するセンサ(552A~B)を有するガイドワイヤ550の斜視側面図を示す。センサ(542Aおよび542B)は並列に配置され、電流の通過を可能にするように、絶縁される。絶縁体(544)はセンサの一部であり、および/またはセンサ間にある。いくつかの実施形態では、センサは電極である。さらに、ガイドワイヤの先端部(560)の先端部に磁石(546)が示されており、これは、ガイドワイヤの先端部の屈曲を補助するように構成されている(上記で詳述したように)。ガイドワイヤはさらに、外部からコーティングされてもよい(コーティング528)。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの遠位端の位置を決定および/または位置決めするための方法であって、ERCPを必要とする対象においてERCPを実行するための方法が提供される。この方法は、以下のステップのうちの1つ以上を含む:
ガイドワイヤの遠位端がカテーテルの遠位端から突出するように、ガイドワイヤをカテーテルの第1の管腔を通して挿入するステップ。カテーテルは、内視鏡を通して、ファーター乳頭および/またはオディ括約筋を通して、および/または対象者のファーター膨大部に挿入される。
カテーテルの外端部が位置する体腔における導電率および/または抵抗率および/またはインピーダンスおよび/または電気的活動を検知、測定および/または決定するステップ。
カテーテル端部が膵管または胆管内にあるかどうかを、導電率または抵抗率に基づいて決定するステップ。
カテーテル端部が膵管内にある場合、第2の管腔を通して挿入されたガイドワイヤの遠位端部が胆管内に配置されるように、カテーテルの第2の管腔を通してガイドワイヤ(第2のガイドワイヤまたは同じガイドワイヤ)を挿入するステップ。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、以下のうちの1つ以上をさらに含んでもよい:
カテーテルのプローブに電流を流すステップ。
1つ以上の医療器具または物質をカテーテルの管腔を通して内部体腔に挿入するステップ。
ガイドワイヤ、1つ以上の医療器具および/または胆管内の物質を操作する、および/または動かすステップ。
任意選択的に、磁性チップを含むガイドワイヤの遠位端を胆管に向かって曲げるために外部磁力を加えるステップ。
【0083】
いくつかの実施形態では、カテーテルの第1の管腔および/または第2の管腔を通過するガイドワイヤは、同じガイドワイヤである(例えば、ガイドワイヤは第1の管腔から引き抜かれ、第2の管腔を通って再挿入されてもよい)。いくつかの実施形態では、第1のガイドワイヤが第1の管腔に挿入されるように構成され、第2のガイドワイヤは第2の管腔に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のガイドワイヤおよび第2のガイドワイヤがサイズ(直径、長さ)、タイプ、組成、および/または形状に関して、同一、類似、または異なるものであってもよい。各可能性は、別個の実施形態である。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、対象者のCBDまたは膵管(PD)内のカテーテルの遠位端の位置および/またはポジションを決定するように構成されたERCPカテーテルが提供される。カテーテルは、多数の内部管腔を含む細長いカテーテル本体を含む。管腔は、近位端からその反対側の遠位端まで延在する。遠位端は、胆道内に配置されるように構成される。管腔は以下を含む:
少なくとも2つのセンサ管腔であって、それぞれが管腔内に、前記管腔の近位端から前記管腔の遠位端まで延在する感知プローブを有し、前記プローブはカテーテルの遠位端における電気インピーダンスおよび/または抵抗および/または導電率を感知または測定するように構成された、少なくとも2つのセンサ管腔。
カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有し、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成された第1の管腔。
第2の管腔であって、当該第2の管腔を通るガイドワイヤの通過を可能にするように構成され、当該第2の管腔の遠位端の開口部が前記第1の管腔の開口部に対して近位位置に位置し、それによって、前記第2の管腔を通過するガイドワイヤが、前記第1の管腔を通過するガイドワイヤとは異なる体内位置に位置決めされることを可能にする、第2の管腔。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、細長いカテーテル本体を含む内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)カテーテルが提供される。細長いカテーテル本体は、多数の内部管腔を有する。前記管腔は、細長いカテーテル本体の近位端から、それに対向する細長いカテーテル本体の遠位端までの長さの少なくとも一部を通って延在する。前記遠位端は、対象者の総胆管(CBD)または膵管内に配置されるように構成される。前記管腔は、第1の管腔と第2の管腔とを含む。第1の管腔は、カテーテルの遠位端上の先端に開口部を有し、ガイドワイヤの通過を可能にするように構成される。第2の管腔は、当該第2の管腔を通るガイドワイヤの通過を可能にするように構成され、当該第2の管腔の遠位端の開口部は前記第1の管腔の開口部に対して近位位置に位置し、当該第2の管腔を通過するガイドワイヤが、前記第1の管腔を通過するガイドワイヤとは異なる体内位置に位置決めされることを可能にする。
【0086】
いくつかの実施形態では、ERCPカテーテルが管腔内に、管腔の近位端から管腔の遠位端まで少なくとも部分的に延びる感知プローブをそれぞれ有する1つ以上のセンサ管腔をさらに含むことができる。プローブは、カテーテルの遠位端で、電気インピーダンス、抵抗、導電率、および/または電気信号のうちの1つ以上を感知または測定するように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、導管に入るカテーテルの端部よりも遠位に配置される磁石(電磁石など)を有するカテーテルが提供される。磁石は、ガイドワイヤの先端部を鋭角(例えば、最大90度の範囲)に曲げることを可能にし、それによって、先端部がU字型に後方に折り曲げられ、正しい導管へのナビゲーションを補助する。いくつかの実施形態によれば、チップ(先端部)が管内に配置されると、第2の確認ステップが実行されて、チップが正しい管内にある(そして、この管への造影剤の望ましくない注入が重篤な膵炎につながり得るので、チップが膵管内には無い)ことを確認できる。これは、導電率/抵抗率によって、および/または電極プローブ/センサを使用するインピーダンス測定によって行うことができる。膵液は重炭酸緩衝液を含むので、比較的導電率が高い。胆汁塩は疎水性であるので、比較的導電率が低い。導電率の差異に基づいて、正しい管内の配置を測定することが可能である。いくつかの実施形態では、正しい管内にあることが確認された場合、処置を継続することができる。導電率測定値が、カテーテル先端が誤って膵管内にあることを示す場合に第2のガイドワイヤを挿入するための第2のポート(管腔)が、カテーテル内にある。誤った膵管は、誤って案内された第1のガイドワイヤによって既に塞がれているので、挿入された第2のガイドワイヤは胆管に入ることができる。
【0088】
本明細書中で使用される場合、用語「胆管(bile duct)」、「総胆管」、「CBD」および「胆管(biliary duct)」は、互換的に使用され得る。
【0089】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本開示の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される開示の様々な特徴は、開示の任意の他の説明される実施形態において、別々に、または任意の適切な組合せで、または適切なものとして提供されてもよい。実施形態の文脈で説明される特徴はそのように明示的に指定されない限り、その実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0090】
いくつかの実施形態による方法のステップを特定の順序で説明することができるが、本開示の方法は異なる順序で実行される説明されたステップのいくつかまたはすべてを含むことができる。本開示の方法は、記載されたステップのうちのいくつか、または記載されたステップのすべてを含み得る。開示された方法における特定のステップはそのように明示的に指定されない限り、その方法の必須のステップと見なされるべきではない。
【0091】
本開示はその特定の実施形態に関連して説明されるが、当業者に明らかな多数の代替、修正、および変形が存在し得ることは明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内にあるそのような代替形態、修正形態、および変形形態のすべてを包含する。本開示は、その適用において、本明細書に記載される部品および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。他の実施形態が実施されてもよく、実施形態は様々な方法で実行されてもよい。
【0092】
本明細書で使用される語法および用語は説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではない。この出願における引用または引用の特定は、そのような引用が開示の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈してはならない。セクションの見出しは、本明細書の理解を容易にするために本明細書で使用され、必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【0093】
本明細書で使用されるように、用語「約」は所与の(述べられた)値の近傍(およびそれを含む)の値の連続範囲内への量またはパラメータの値(例えば、部材の長さ)を指定するために使用され得る。いくつかの実施形態によれば、「約」は、所与の値の80%~120%であるようにパラメータの値を指定することができる。例えば、「部材の長さが約1mに等しい」という文は、「部材の長さが0.8mから1.2mの間である」という文に等しい。いくつかの実施形態によれば、「約」は、所与の値の90%~110%であるようにパラメータの値を指定することができる。いくつかの実施形態によれば、「約」は、所与の値の95%~105%であるようにパラメータの値を指定することができる。
【0094】
本出願の説明および特許請求の範囲において、「備える」、「含む」および「有する」という単語のそれぞれ、およびそれらの形成は、必ずしも、単語が関連付けられ得るリスト内のメンバに限定されない。
【実施例
【0095】
[実施例1:生理学的流体および他の流体の抵抗値の決定]
種々の生理学的流体および他の流体の電気特性の差異を決定するために、胆汁を含む種々の流体、ならびに膵臓環境を模倣する組成物(トリプシンなど)の抵抗率を、電気センサを使用して決定した。
【0096】
センサは、試験された液体に電流を流すために2つのプローブを使用し、次いで、抵抗またはインピーダンスを測定し、それから導電率を計算することができる。このタイプの測定は溶液中のイオンの濃度を評価する。これにより、溶液中のイオンが多いほど、導電率が高くなる。
【0097】
結果を示す図8において、Ovis aries(ヒツジ)胆汁と、膵液の代わりに用いたトリプシン溶液との間の抵抗率および導電率の差異が明確にみられる。
【0098】
いくつかの例示的な態様および実施形態を上記で論じてきたが、当業者にはそれらの特定の変形形態、置換形態、追加形態、および部分結合形態が理解されよう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および以下に導入される特許請求の範囲は、その真の精神および範囲内にあるようなすべてのそのような修正、置換、追加、および組合せを含むと解釈されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
【国際調査報告】