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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】呼吸装置のためのファンユニット
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20220818BHJP
   F04D 29/30 20060101ALI20220818BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
F04D29/44 P
F04D29/44 G
F04D29/30 C
A61M16/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576166
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2020025230
(87)【国際公開番号】W WO2020253983
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】102019116718.3
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517191714
【氏名又は名称】レーヴェンシュタイン メディカル テクノロジー エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ガーラック,アンゲラ
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB44
3H130AB47
3H130AC18
3H130BA14B
3H130BA14C
3H130BA64B
3H130BA64C
3H130BA66B
3H130BA66C
3H130BA68B
3H130BA68C
3H130CA03
3H130CB01
3H130CB14
3H130EA07B
3H130EA08B
3H130EB01B
3H130EB02B
3H130EB05B
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(2)の吸込側への流体の流入のための入口流路(4)を形成する吸引管口(3、21、23、24)と、ハウジング(2)の吐出側からの流体の流出のための出口流路(6)を形成する吐出管口(5)を有するハウジング(2)と、回転によって吸引管口(3、21、23、24)を介して流体を吸い込んで入口流路(4)を通してハウジング(2)に送り込み、また、流体を吐出管口(5)を介して吐出し、出口流路(6)を通してハウジング(2)から送り出すように設計及び構成されている、ハウジング(2)内に回転可能に支承されたファンホイール(7)とを備える、呼吸装置のためのファンユニット(1、20)であって、吸引管口(3、21、23、24)は、入口流路(4)に向いた入口流路呼び径(D)を決定する内面に、少なくとも1つの流れガイド要素(10、22、25、26)を有し、流れガイド要素によって、入口流路呼び径(D)から逸脱する入口流路内径(D)が規定される、ファンユニットに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)の吸込側への流体の流入のための入口流路(4)を形成する吸引管口(3、21、23、24)と、ハウジング(2)の吐出側からの流体の流出のための出口流路(6)を形成する吐出管口(5)とを有するハウジング(2)と、
回転によって前記吸引管口(3、21、23、24)を介して前記流体を吸い込んで前記入口流路(4)を通して前記ハウジング(2)に送り込み、また、前記流体を前記吐出管口(5)を介して吐出し、前記出口流路(6)を通して前記ハウジング(2)から送り出すように設計及び構成されている、前記ハウジング(2)内に回転可能に支承されたファンホイール(7)と
を備える呼吸装置のためのファンユニットであって、
前記吸引管口(3、21、23、24)は、前記入口流路(4)に向いた入口流路呼び径(D)を決定する内面に、少なくとも1つの流れガイド要素(10、22、25、26)を有し、前記流れガイド要素によって、前記入口流路呼び径(D)から少なくとも部分的に逸脱する入口流路内径(D)が規定される、ファンユニット。
【請求項2】
前記入口流路呼び径Dに対する前記入口流路内径Dの直径比が1.05~1.6、好ましくは1.1~1.4、特に好ましくは1.2~1.3であることを特徴とする、請求項1に記載のファンユニット。
【請求項3】
前記流れガイド要素(10、25、26)は、前記内面に設けられた溝であり、前記溝は、前記入口流路内径(D)を前記入口流路呼び径(D)に比べて大きくすることを特徴とする、請求項1に記載のファンユニット。
【請求項4】
前記流れガイド要素(22)は、前記内面から突出するリブであり、前記リブは、前記入口流路内径(D)を前記入口流路呼び径(D)に比べて小さくすることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のファンユニット。
【請求項5】
前記内面の円周にわたって複数の流れガイド要素(10、22、25、26)が等間隔に割り振って配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項6】
少なくとも1つの流れガイド要素が端面22aを有し、前記端面22aは、流入する流体に向いた側で丸みを帯びていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項7】
少なくとも1つの流れガイド要素が2つの端面を有し、前記流入する流体に向いた側の端面22aは、丸みを帯びるか、又は角張り、前記流入する流体から反対側の端面は、丸みを帯びるか、又は角張ることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項8】
少なくとも1つの流れガイド要素は、対称の翼型プロファイルを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項9】
少なくとも1つの流れガイド要素は、湾曲した翼として形成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項10】
少なくとも1つの流れガイド要素は、軸方向長さに沿ってノッチを備えて形成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項11】
少なくとも1つの流れガイド要素は、前記流れガイド要素における貫通部/穴を備えて形成され、それにより1つの流路から次の流路への交換流が生じることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項12】
少なくとも1つの流れガイド要素は、前記流体の流れ方向に(又はその逆に)先細りになることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項13】
少なくとも1つの流れガイド要素が幅B、すなわち前記吸引管口3または前記吸引管口の内面の接線方向に延在する部分を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項14】
少なくとも1つの流れガイド要素は、前記幅Bの形状の幅Bを有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項15】
少なくとも1つの流れガイド要素は、0.4mm~2.2mmの範囲内の幅Bを有することを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項16】
前記リブ(22)は、半径方向に、前記吸引管口(21)の中心軸(9)まで延在し、そこで互いに接触することを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項17】
前記流れガイド要素(10、22、25、26)は、その長手延在方向において、前記吸引管口(3、21、23、24)の前記中心軸(9)に対して平行に延在することを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項18】
前記流れガイド要素(10、22、25、26)は、その長手延在方向において、前記吸引管口(3、21、23、24)の前記中心軸(9)に対して角度をなして斜めに延在することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項19】
前記角度が0°より大きく45°以下であることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項20】
前記入口流路内径(D)と前記入口流路呼び径(D)との比は、0.6~1.4、好ましくは0.7~1.3、さらに好ましくは0.8~1.25であることを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項21】
前記ファンユニット(1、20)がラジアルファンユニットであることを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項22】
前記ファンホイール(7)が複数のブレード要素(29)を有し、前記ブレード要素(29)はそれぞれ、少なくとも部分的に、前記ブレード要素(29)の少なくとも1つの軸方向長辺側(30)に少なくとも部分的に延びるウィングレット(31)を備えていることを特徴とする、請求項1から21のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項23】
前記ウィングレット(31)は、前記ファンホイール(7)の円周の1°~20°にわたって延在する部分を有することを特徴とする、請求項1から22のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項24】
前記ウィングレット(31)の前記延在する部分は、前記ファンホイール(7)の半径方向内側から前記ファンホイール(7)の半径方向外側へ増加することを特徴とする、請求項1から23のいずれか1項に記載のファンユニット。
【請求項25】
前記ファンホイール(7)は、軸方向の一方側にのみ少なくとも1つのディスク(32)を備え、前記ディスク(32)は、前記ファンホイール(7)の、前記ウィングレット(31)を備えた側の軸方向の反対側に配置されていることを特徴とする、請求項1から24のいずれか1項に記載のファンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸装置のためのファンユニット、特に、ハウジングと、ハウジング内で回転可能に支承され、回転によって入口流路を通して流体を吸込み可能であり、続いてハウジングの出口流路を通して再び吐出可能なファンホイールと、を有するファンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特に自力呼吸が不十分であるか、又は中断された人の呼吸のための、呼吸装置のためのこの種のファンユニットは、様々な実施形態で知られている。例えば、欧州特許出願公開第2947328A1号明細書は、電気モータと、電気モータによって駆動されるファンホイールと、ファンホイール及び電気モータを収容するハウジングとを備えるファンユニットを記載する。公知のファンユニットは、自由吸込み式(freiansaugend)ファンユニットであり、すなわち、このファンユニットは吸引側に吸引管口を有さず、呼吸気体は、吸引側でファンユニットと接続されたホースを介して吸い込まれない。この自由吸込み式ファンユニットは、例えば呼吸装置の送風機ボックスに収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2947328A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このことを背景として、本発明は、改善された動作性能を有し、かつ自由吸込みファンユニット、さらには非自由吸込みファンユニットに関連する呼吸装置のためのファンユニットを提供するという課題にもとづいている。特に、吸引側でファンホイールによってハウジングに吸い込まれる流体、例えば呼吸気体は、吐出側で、予め定められた圧力でハウジングから再び流出できるべきであり、ファンユニットの流出圧が、ファンホイールの回転数が同じ場合に、呼吸装置のための従来のファンユニットの流出圧と比べて高い値に達するべきであり、若しくはファンユニットの回転数が、ファンユニットの同じ流出圧で、従来のファンユニットと比べて低減可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1の特徴を有するファンユニットにより解決される。本発明の他の、特に有利な実施形態を従属請求項が開示する。
【0006】
請求項に個々に記載された特徴を任意に、技術的に有意義な仕方で互いに組み合わせることができ、本発明のさらなる実施形態を示すことに留意されたい。以下の説明は、さらに、特に図との関連で本発明を特徴付けるとともに明確にする。
【0007】
本発明によれば、例えば自力呼吸が不十分であるか、又は中断された人の呼吸のための呼吸装置のためファンユニットは、吸引管口を有するハウジングを備え、吸引管口は、ハウジングへの流体、例えば呼吸気体の吸引側の流入のための入口流路を形成する。ハウジングは、吐出管口をさらに有し、この吐出管口は、ハウジングの吐出側からの流体の流出のための出口流路を形成する。さらに、本発明によるファンユニットは、ハウジング内で回転可能に支承されたファンホイールを有する。ファンホイールは、回転によって吸引管口を介して流体を吸い込み、入口流路を通してハウジングに送り込み、続いて流体を吐出管口を介して再び吐出し、及び出口流路を通してハウジングから再び送り出すように形成及び配置されている。ファンホイールの回転は、例えばモータにより、好ましくは電気モータにより、もたらすことができるが、これに限定されない。ファンホイールの回転を手動で駆動することも同じく考えられる。
【0008】
吸引管口は、入口流路に向いた内面を有する。換言すると、吸引管口の内面は、入口流路を半径方向外方に画定する。したがって、吸引管口の内面によって入口呼び径が決まる。本発明によれば、吸引管口は、その内面に、入口流路呼び径から逸脱する入口流路内径を規定する少なくとも1つの流れガイド要素を有する。本発明の意味における逸脱するとは、吸引管口の製造にもとづく許容誤差範囲に属するのではなく、むしろ意図的な行為の結果である2つの流路径間の大きさの相違と解されるべきである。したがって、吸引管口の製造のために規定される、従来の製造公差内の上記の2つの流路径の製造にもとづく大きさの偏差は、本発明の意味における入口流路呼び径と入口流路内径との間の大きさの相違を理由付けるのに適していない。
【0009】
したがって、従来の吸引管口の平滑かつ平坦な内面とは対照的に、本発明によるファンユニットの吸引管口は、平坦な内面を有していない。むしろ、本発明による吸引管口の内面は、少なくとも1つの流れガイド要素によって構造化され、それによって吸い込まれた流体、例えばガス若しくは呼吸気体の流れに対して、流れガイド要素の輪郭に応じて影響を及ぼすことができ、すなわち制御可能である。流れガイド要素を備えていない、吸引管口の内面の入口流路呼び径を決定する領域は、引き続き平滑かつ平坦に形成することができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0010】
特に、入口流路呼び径を局所的に変化させるために少なくとも1つの流れガイド要素を設けるだけで、ファンホイールによって吸い込まれる流体の圧力上昇を達成することができる。このことはまた、従来のファンユニットと比べて変わらない本発明によるファンユニットのファンホイールの回転数で、吐出側から流出する流体の圧力の上昇を可能にする。これに代えて、従来のファンユニットと比べて変わらない、吐出管口の出口流路における流体圧で、本発明によるファンユニットにおけるファンホイールの回転数を低減することもできる。これによって、本発明によるファンユニットの動作効率を改善することができ、回転数を低減することによって、ファンホイールの静音性を高めることができ、振動、例えばファンホイール軸受における機械的摩耗、及びファンユニットの騒音発生を低減することができる。
【0011】
本発明によるファンユニットは、吸引管口が吸引側に設けられるという点で自由吸込み式のファンユニットではなく、この吸引管口は、細長く延在して入口流路を形成することによってハウジング自体から区切られ、かつ例えばハウジングの本来の外輪郭から突出し得るか、若しくは外輪郭から外へ突き出す。むしろ、吸引管口をホースと接続することができ、このホースを介して流体が入口流路に吸い込まれる。
【0012】
本明細書中に開示されるファンユニットのハウジングは、実質的に閉じたハウジングユニットであり、このハウジングユニットがファンホイールを取り囲み、それにより本明細書中に記載されるように、流体流、すなわちファンユニットの吸引側での流体の吸込みと、ファンユニットの吐出側での流体の、特に吸引側より高い流体圧での吐出をファンホイールの回転によって生成できるようになっている。これに加えて、ハウジング内には、企図される限りで、ファンホイールを駆動するモータ、例えば電動駆動モータを収容することもできる。しかしこれは必ずしも必要ではない。
【0013】
入口流路の横断面は、例えば円形や楕円などの丸い形状を有することができる。横断面は、例えば矩形、正方形、台形、一般に多角形などの角張った形状を有することもできる。
【0014】
本発明の有利な一実施形態では、流れガイド要素は、吸引管口の内面から突出するリブ(本明細書中ではフィン、ウェブ、薄板などとも呼ばれる)である。換言すると、リブは、内面から半径方向内方に入口流路内に突出する。したがって、リブは、このリブによって局所的に規定された入口流路内径を、リブを備えていない内面の領域によって規定される入口流路呼び径よりも小さくする。この場合、入口流路内径は、入口流路内に最も大きく突出するリブの端面と、直径上で向かい側に位置して入口流路を画定する境界面との間の距離によって規定される。この境界面は、入口流路呼び径を決定する吸引管口の内面であるが、この境界面は、上述のリブの直径上で向かい側にある別の流れガイド要素の面でもあり得る。
【0015】
本発明の別の有利な一実施形態では、流れガイド要素は、吸引管口の内面に設けられた溝である。したがって、半径方向外方に内面に設けられた凹部である溝は、入口流路内径を、溝を備えていない内面の領域により規定された入口流路呼び径よりも局所的に大きくする。この場合、入口流路内径は、半径方向でさらに外側に位置する溝底と、直径上で向かい側に位置して入口流路を画定する境界面との間の半径方向の距離によって規定されている。この境界面は、入口流路呼び径を決定する吸引管口の内面であるが、この境界面は、上述の溝の直径上で向かい側にある別の流れガイド要素の面でもあり得る。
【0016】
溝又はリブとして形成された流れガイド要素は、流路内径を入口流路呼び径よりも局所的に小さくするか、若しくは大きくすることにより、入口流路において流体流に様々に、かつ的確に影響を及ぼすこと、特に圧力上昇を可能にする。溝として形成される流れガイド要素は、リブとして形成された流れガイド要素よりも流体流の圧力特性曲線に大きい影響を及ぼすことがわかった。
【0017】
別の有利な実施形態では、複数の流れガイド要素が、等間隔で、すなわち互いに同じ距離で、吸引管口の内面の円周にわたって割り振って配置されている。全部が内面の円周に割り振って配置される流れガイド要素の数によって、入口流路において流体流、したがって流体圧、特に圧力上昇にさらに的確に影響を及ぼすことができる。
【0018】
本発明のさらに別の有利な一実施形態は、吸引管口の内面に円周にわたって割り振って配置される複数のリブを流れガイド要素として設けた場合、これらのリブは、半径方向で、吸引管口の中心軸(本明細書中で対称軸とも呼ばれる)まで延在し、そこで互いに接触することを企図する。リブを、入口流路におけるその接触点で物質的に互いに接続することができるが、これは必ずしも必要ではない。換言すると、リブは、吸引管口の横断面で見て、入口流路を半径方向に完全に横断する少なくとも1つのウェブ(直径上に配置され、かつ互いに接触する2つのリブの場合)、又は星形配置(3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の割り振って配置されたリブの場合)を形成する。リブが中心軸上で互いに接触するこの実施形態では、これらのリブによって決定される、入口流路呼び径と比べて小さくされた入口流路内径が絶対最小値、すなわちゼロの値をとることに留意されたい。
【0019】
本発明のさらに別の有利な一実施形態では、流れガイド要素は、その長手延在方向で吸引管口の中心軸に対して平行に延在する。換言すると、流れガイド要素は、その長手延在方向で、吸引管口の中心軸に対して軸平行に向けられている。これによって、流れガイド要素によりもたらされる圧力変化、特に吸引管口を流れる流体の圧力上昇を特に効果的に達成することができる。
【0020】
本発明の別の有利な一実施形態では、流れガイド要素は、その長手延在方向で、吸引管口の中心軸に対してある角度をなして斜めに延在し、したがって、すなわち中心軸に対して軸平行ではない。流れガイド要素の長手延在方向の傾斜角に応じて、この長手方向への延在によってもたらされる入口流路における圧力上昇を非常に正確に制御することができ、特に軸平行の配置と比べて望ましい仕方で的確に弱めることができる。
【0021】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、吸引管口若しくは入口流路の中心軸に対する流れガイド要素の長手延在方向の上述の角度若しくは傾斜角が、0°より大きく45°以下である。この実施形態での流れガイド要素の長手延在方向は、本発明の意味において、依然として主に吸引管口の中心軸の方向に延在すると解されるべきである。さらに、吸引管口の中心軸に対する傾斜角の定義に応じて、0°未満から-45°以上の角度範囲を上記の0°より大きく45°以下の角度範囲と同等とみなすことができると解されるべきである。
【0022】
本発明のさらに有利な一実施形態では、入口流路呼び径に対する入口流路内径の比が0.6~1.4、好ましくは0.7~1.3、さらに好ましくは0.75~1.25である。これらの比を用いて、吸引管口の入口流路に所望の圧力変化を最も効率的に達成できることがわかった。入口流路呼び径に対する入口流路内径の1未満の比は、少なくとも1つのリブ状/ウェブ状の流れガイド要素を設けることによって達成でき、入口流路呼び径に対する入口流路内径の1より大きい比は、少なくとも1つの溝状の流れガイド要素を設けることによって達成できると解されるべきである。
【0023】
一実施形態では、ファンユニットがラジアルファンユニットであることがさらに好ましく、すなわち流体は、ファンホイールによってその軸方向に吸い込まれ、その半径方向に吐出される。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態では、ファンユニットのファンホイールが複数のブレード要素を有し、ブレード要素はそれぞれ、少なくとも部分的に、ブレード要素の少なくとも1つの軸方向長辺側に少なくとも部分的に延びるウィングレットを備えている。
【0025】
その場合、本発明のいくつかの実施形態では、ウィングレットは、ファンホイールの円周の1°~20°にわたって延在する部分を有する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態では、ウィングレットの前記延在する部分は、ファンホイールの半径方向内側からファンホイールの半径方向外側へ増加する。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態では、ファンホイールは、軸方向の片側にのみ少なくとも1つのディスクを備え、ディスクは、ファンホイールの、ウィングレットを備えた側の軸方向の向かい側に配置されている。
【0028】
本発明の他の特徴及び利点は、以下に図面を参照しながら詳しく説明される、本発明の、限定すると解されるべきでない実施例の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明によるファンユニットの一実施形態の模式的分解図である。
図2図2は、図1のファンユニットの模式的部分斜視図である。
図3図3は、本発明によるファンユニットの別の実施形態の模式的部分斜視図である。
図4図4(a)は、図2のファンユニットの吸引管口の模式的詳細斜視図であり、図4(b)は、本発明によるファンユニットの別の実施形態の吸引管口の模式的詳細斜視図であり、図4(c)は、本発明によるファンユニットのさらに別の実施形態の吸引管口の模式的詳細斜視図である。
図5図5は、図2のファンユニットの吸引管口の模式的横断面図である。
図6図6は、図2のファンユニットと従来技術のファンユニットとの比較を示す圧力図である。
図7図7は、ファンユニットの一実施形態の模式的斜視図を示す。
図8図8は、ファンホイールの模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
異なった図において、機能に関して等価の部材には常に同じ参照符号が付され、したがってこれらの部材については、通常、一回のみ説明される。
【0031】
図1は、本発明によるファンユニット1の一実施形態の分解斜視図を示す。ファンユニット1は、特に好ましくは人の呼吸のための呼吸装置(詳しく図示せず)において使用することができる。図1に見て取れるように、図示されたファンユニット1は、吸引管口3を有するハウジング2を備え、吸引管口は、流体、特に呼吸気体のハウジング2への吸引側の流入のための入口流路4を形成する。さらに、ファンユニット1若しくはハウジング2は、ハウジング2の吐出側からの流体の流出のための出口流路6を形成する吐出管口5を有する。さらに、図1から、ファンユニット1が、ハウジング2内に回転可能に支承されたファンホイール7を有し、このファンホイールが、回転によって吸引管口3を介して流体を吸い込み、入口流路4を通してハウジング2に送り込み、続いて流体を、吐出管口5を介して再び吐出し、出口流路6を通してハウジングから送り出すことが見て取れる。このために、ファンホイール7は、実質的に完全にハウジング2内に収容されている。図1に示されるファンユニット1の実施形態では、回転は、駆動モータ8、特に電気モータ8によりもたらされるが、これは必ずしも必要ではない。これに加えて、電気モータ8は、同様に実質的に完全にハウジング2内に収容されるか、又は部分的にのみ、又は完全にハウジング2の外側に配置され、駆動するようにファンホイール7と接続される。図1からさらに見て取れるように、ファンユニット1はラジアルファンユニットであり、すなわちファンホイール7は、流体が吸引管口3を介してファンホイール7の軸方向に吸い込まれ、半径方向に吐出されるようにハウジング2内に配置されている。図1に示されたファンユニット1ではファンホイール7の軸方向がファンユニット1若しくは吸引管口3の中心軸9と一致するが、これに限定されるものではない。
【0032】
さらに、図1から、吸引管口3が、入口流路4に向いた、入口流路呼び径D図5を参照)を規定及び決定する内面に少なくとも1つの、ここでは複数の流れガイド要素10を有することが見て取れる。図1に示されるファンユニット1では、流れガイド要素10が溝として形成されている。流れガイド要素10若しくは溝10は、入口流路呼び径Dから逸脱する、すなわちここでは入口流路呼び径Dよりも大きい入口流路内径Dを規定する。複数の溝10は、図1に明確に見られるように、吸引管口3の内面の円周にわたって等間隔に割り振って配置されている。
【0033】
図2は、図1のハウジング2を備えるファンユニット1の部分斜視図を示す。
【0034】
図3は、図2のファンユニット1と比較するための、本発明によるファンユニット20の別の実施形態の部分斜視図を示す。図2のファンユニット1とは異なり、ファンユニット20の吸引管口21では、複数の流れガイド要素22が、吸引管口21の内面から突出するリブ22として形成されている。図3に示されるファンユニット20の実施形態では、全体としてそのようなリブ22が4つ示されているが、この数に限定されない。流れガイド要素22若しくはリブ22は、入口流路呼び径Dから逸脱する、すなわちこの例でのファンユニット20では、入口流路呼び径Dよりも小さい入口流路内径Dを規定する。(ここでは4つの)リブ22は、図3に明確に見られるように、吸引管口21の内面の円周にわたって等間隔に割り振って配置されている。ファンユニット20のリブ22が半径方向に吸引管口21の中心軸9まで延在せず、したがって、そこで互いに接触しないため、ファンユニット20のリブ22によって規定される入口流路内径Dはゼロより大きい。
【0035】
図4は、図2のファンユニット1の吸引管口3の詳細斜視図(a)を示し、さらに、本発明によるファンユニット(詳しく図示せず)の別の実施形態の吸引管口23の詳細斜視図(b)を示し、同様に詳しく図示されない本発明によるファンユニットのさらに別の実施形態の吸引管口24の詳細斜視図(c)を示す。吸引管口23及び24をそれぞれ有する、ここに図示されないファンユニットは、それぞれの吸引管口23若しくは24を除いて図1のファンユニット1と同じ構造とすることができる。
【0036】
図4(a)において、ファンユニット1の吸引管口3では、溝として形成された流れガイド要素10が、そのそれぞれの長手延在方向で、吸引管口3の中心軸9に対して平行に延在し、すなわち軸平行に延在することが明確に見て取れる。この実施形態は、入口流路4を流れる流体の可能な限り大きい圧力上昇に関して特に効率的であることがわかった。流れガイド要素は、そのそれぞれの長手延在方向に直線的に延びることができる。
【0037】
図4(b)からの吸引管口23も溝として形成された流れガイド要素25を有するが、これらの流れガイド要素は、その長手延在方向で、中心軸9に対して軸平行に延びず、吸引管口23の中心軸9に対してある角度で傾斜している。中心軸9の延在方向に対する溝25の傾斜角は、好ましくは0°より大きく(0°は軸平行の向きに相当)、45°以下である。流れガイド要素はそれぞれ、長手延在方向に曲がって、又は折れ曲がって延びることができる。流れガイド要素が曲がって、又は折れ曲がって延びることによって、流体に衝撃又は旋回を与えることができる。
【0038】
図4(c)における吸引管口24でもまた、溝として形成された流れガイド要素26が同様に中心軸9に対してある角度をなして斜めに向けられるが、図4(b)の吸引管口23の溝25と比較すると、正確に逆の方向に傾けられている。したがって、この実施形態では、好ましい傾斜角を0°未満から-45℃以上の角度として定義することができる。
【0039】
図5は、図2のファンユニット1の吸引管口3の横断面図を示す。図5において、吸引管口3の内面によって定義される入口流路呼び径Dが明確に見て取れる。内面に設けられた、溝の形の流れガイド要素10は、図2のファンユニット1の吸引管口10では入口流路呼び径Dよりも大きく、かつそれぞれの溝10の溝底11によって画定される入口流路内径Dを規定する。さらに、図5の横断面図において、流れガイド要素10のうちの1つの幅B、ここでは中空円筒状に形成された吸引管口3若しくはその内面の接線方向の広がり(延在する部分、Ausdehnung)が示されている。図示された実施形態では、流れガイド要素10の幅Bは溝10の溝幅Bである。流れガイド要素22の幅は、図3に示されるファンユニット20の場合、ウェブ幅又はリブ幅と解されることがわかる。したがって、流れ要素幅(Stroemungselementbreite)は、一般に、それぞれの吸引管口3、21、23若しくは24の接線方向の、それぞれの流れガイド要素10、22、25、26の延在方向を表す。
【0040】
ファンユニット1の軸平行に向けられた溝10の場合のように、流れガイド要素を溝として形成した場合、吸引管口3の内面の内周に沿って等間隔に割り振って配置された、全部で13個の軸平行の溝10がそれぞれ0.3~2.1mm、好ましくは0.5~1.5mm、例えば0.8~1.2mmの幅Bを備えているとき、流れガイド要素のない従来の吸引管口と比べて変わらないファンホイール7の回転数で、入口流路4における最大の圧力ゲイン若しくは圧力上昇を達成できることが判明した。本発明によれば、幅Bは、常に溝又はリブの数との関係でも適合される。本発明によれば、リブの全幅B(例えば1mmのリブが8個)と流入流路の自由直径との関係は、8mm対16mm、若しくは流入流路面積とリブによって占められる面積との比は好ましくは1.1~1.6、例えばさらに1.2~1.4の範囲内又は約1.2である。
【0041】
入口流路呼び径Dに対する入口流路内径Dの直径比は、1.05~1.6、好ましくは1.1~1.4、特に好ましくは1.2~1.3である。
【0042】
例えば、図3に示されるファンユニット20のように、流れガイド要素をリブとして形成した場合、吸引管口21の内面に沿って周方向に等間隔に割り振って配置された全部で8個のリブ22を有する入口流路4において最大の圧力ゲインを達成することができる。
一般に、リブ22は、考えられるあらゆる形状をとることができる。
リブの端面22aは、例えば、流入する流体に向いた側で丸みを帯びている。
リブは、流体の入口及び出口で角張る、及び/又は丸みを帯びることができる。
リブは、流体の入口から出口に向かって(又はその逆に)先細りになることができ、したがって幅Bの形状(Verlauf)を有することができる。
リブは、対称の翼型プロファイルを有することができる。
リブを、湾曲した翼として形成することができる。
リブを、軸方向の長さにわたってノッチを付けて形成することができる。
リブを、リブにおける貫通部/穴を備えて形成することができ、それにより1つのリブ流路から次のリブ流路への交換流が生じる。
【0043】
図6は、図2のファンユニット1と従来技術によるファンユニットとの比較を示す圧力図を示し、ファンユニット1は、上述した図5に示された、吸引管口3の内面に均等に割り振って配置された13個の軸平行の溝10を流れガイド要素として有する。
【0044】
圧力図の縦軸に沿って、ここに図示されない従来技術によるファンユニット、すなわち本発明の意味における流れガイド要素なしの吸引管口を有するファンユニットの最適な動作点に正規化された圧力Δp/Δpoptがプロットされ、横軸に沿って、従来技術によるファンユニットの最適な動作点に正規化された体積流量Q/Qoptがプロットされている。圧力図において、従来技術によるファンユニットの圧力曲線は、破線の曲線27で示され、本明細書に開示される本発明の実施形態によるファンユニット1の圧力曲線は実線の曲線28として示されている。
【0045】
図6において、Q/Qopt=1.0のときに、従来のファンユニット(曲線27)の最適な圧力Δp/Δpopt(同様に1.0に等しい)に達することが明確に見て取れる。これに対して本明細書に記載される本発明の実施例によるファンユニット1の曲線28は、同じ体積流量(=ファンホイール7の同じ回転数)で格段に高い圧力、したがって、Δp/Δpopt>1.0に達し、ここでは約Δp/Δpopt=1.1である。したがって、入口流路4に流れガイド要素10を設けるだけで、ファンホイール7の同じ回転数で流体の圧力上昇を達成することができる。
【0046】
本明細書に開示される本発明によるファンユニットは、本明細書に開示される実施形態に限定されず、本明細書中に記載されるファンユニットの特徴の技術的に有意義な他の組み合わせから生じる同じ機能の他の実施形態をも包含する。特に、本明細書で上述した、一般的な説明及び図の説明において述べた、及び/又は図にしか示されない特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ本明細書に明示的に示された組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなしに他の組み合わせ又は単独でも使用することができる。
【0047】
好ましい実施形態では、人、例えば自力呼吸が不十分であるか、又は中断された人の呼吸のための呼吸装置を動作させる本発明によるファンユニットは、流体、特に呼吸気体がファンユニットによって送られ、すなわち吸引側で吸い込まれ、吐出側で、予め定められた圧力で再び放出し、続いて呼吸装置を使用する人に供給されることにより使用される。
【0048】
図7は、例えば図3に示されるファンユニット20に対応して、流れガイド要素がリブとして形成された場合、吸引管口21の内面に沿って周方向に等間隔に割り振って配置された全部で2~30個のリブ22を有する入口流路4において最大圧力ゲインを得ることができることを示す。
一般に、リブ22は、考えられるあらゆる形状をとることができる。
リブの端面22aは、例えば、流入する流体に向いた側で丸みを帯びている。
リブは、流体の入口及び出口で角張る、及び/又は丸みを帯びることができる。
リブは、流体の入口から出口に向かって(又はその逆に)先細りになることができ、したがって幅Bの形状を有することができる。
リブは、対称の翼型プロファイルを有することができる。
リブを、湾曲した翼として形成することができる。
リブを、軸方向の長さにわたってノッチを付けて形成することができる。
リブを、リブにおける貫通部/穴を備えて形成することができ、それにより1つのリブ流路から次のリブ流路への交換流が生じる。
【0049】
図7の実施形態を溝に適用することもできる。
一般に、流れガイド要素は、考えられるあらゆる形状をとることができよう。
流れガイド要素の端面22aは、例えば、流入する流体に向いた側で丸みを帯びている。
流れガイド要素は、流体の入口及び出口で角張る、及び/又は丸みを帯びることができる。
流れガイド要素は、流体の入口から出口に向かって(又はその逆に)先細りになることができ、したがって幅Bの形状を有することができる。
流れガイド要素は、対称の翼型プロファイルを有することができる。
流れガイド要素を、湾曲した翼として形成することができる。
流れガイド要素を、軸方向の長さにわたってノッチを付けて形成することができる。
流れガイド要素を、流れガイド要素における貫通部/穴を備えて形成することができ、それにより1つの流路から次の流路への交換流が生じる。
【0050】
図8は、ファンホイール7の斜視図を示す。ファンホイール7は、ここでは複数のブレード要素29と、支持ディスク33として形成されたディスク32と、駆動シャフトと接続するためのハブ37とを備えている。ブレード要素29は、ここでは支持ディスク33に、及び好ましくはハブ37にも取り付けられ、例えばこれらと一体に接続されている。ファンホイール7を、ディスク32なしで、特に支持ディスク33なしで、例えば星形ファンホイールとして形成することもできる。
【0051】
ファンホイール7の好ましい回転方向は、ここに矢印で示されている。ブレード要素29は、吸引側38と吐出側39とを有する。ここに図示されるファンホイール7の回転方向では、吸引側38及び吐出側39が図示された配置となる。
【0052】
側方空間からの、及び吐出側39から吸引側38への、側方空間の方向若しくはアキシアル側の交換流を効果的に、かつ確実に防止するために、ファンホイール7はウィングレット31を備えている。ここでは各ブレード要素29がウィングレット31を備えている。ウィングレット31は、それぞれブレード要素29の軸方向の長辺側30に沿って延びる。ここに図示される本発明の実施形態では、ウィングレット31は、それぞれのブレード要素29の吸引側38の方向を指す。このようなファンホイール7の場合、有利な圧力増大のみならず著しい効率の向上を認めることができた。
【0053】
ここに示されるファンホイール7は、例えば、軸方向に吸い込まれ、かつ半径方向に吹き出されるようにファンユニット1に組み込まれている。その際、吸込み側は、ウィングレット31を有する軸方向側36にある。
【0054】
ここに示される実施形態では、ファンホイール7が、軸方向側34にのみディスク32を備えている。ここでは、支持ディスク33として形成されたディスク32は、ファンホイール7の、ウィングレット31を備えた軸方向側36の反対側に位置するファンホイール7の軸方向側34に配置されている。
【0055】
一発展形態として、詳しく示されないが、カバーディスク35として形成されたディスク32を設けることもできる。この場合、カバーディスク35を、支持ディスク33に加えて軸方向側36に配置すること、または支持ディスク33と置き換えることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ファンユニット
2 ハウジング
3 吸引管口
4 入口流路
5 吐出管口
6 出口流路
7 ファンホイール
8 駆動モータ
9 中心軸
10 流れガイド要素/溝
20 ファンユニット
21 吸引管口
22 流れガイド要素/リブ
23 吸引管口
24 吸引管口
25 流れガイド要素/溝
26 流れガイド要素/溝
27 従来技術によるファンユニットの圧力曲線
28 1の圧力曲線
29 ブレード要素
30 長辺側
31 ウィングレット
32 ディスク
33 支持ディスク
34 側
35 カバーディスク
36 側
37 ハブ
38 吸引側
39 吐出側
B 流れガイド要素の幅
入口流路内径
入口流路呼び径
Δp 圧力
Δpopt 従来技術によるファンユニットの最適な動作点での圧力
Q 体積流量
opt 従来技術によるファンユニットの最適な動作点での体積流量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】