(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(54)【発明の名称】生物学的流体処理システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220818BHJP
A61M 1/02 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
A61L2/10
A61M1/02 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576320
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 US2020039011
(87)【国際公開番号】W WO2020263759
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500031766
【氏名又は名称】シーラス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャーチ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アイソン, ロイド
(72)【発明者】
【氏名】スターン, マーク
【テーマコード(参考)】
4C058
4C077
【Fターム(参考)】
4C058AA22
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD14
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK23
4C058KK46
4C077AA12
4C077BB10
4C077CC04
4C077GG03
4C077KK09
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、生物学的流体を処理するためのシステム、方法、及び装置である。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、処理と、プラットフォームと、光源アレイと、ディスプレイと、を含む。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムはスキャナーを含む。生物学的流体処理システムは、生物学的流体を受容するように構成された処理チャンバーと、処理チャンバー内に配置された生物学的流体を保持するように構成されたプラットフォームと、処理チャンバー内の生物学的流体を照射するように配置された光源アレイと、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するために構成されたディスプレイと、を含む。生物学的流体処理システムは、第1の生物学的流体、第2の生物学的流体、または第1の生物学的流体と第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーを含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的流体処理システムであって、
第1の生物学的流体を受容するように構成された第1の処理チャンバーと、
第2の生物学的流体を受容するように構成された第2の処理チャンバーと、
前記第1の生物学的流体を保持し、かつ前記第1の処理チャンバー内に配置されるように構成された第1のプラットフォームと、
前記第2の生物学的流体を保持し、かつ前記第2の処理チャンバー内に配置されるように構成された第2のプラットフォームと、
前記第1の処理チャンバー内の前記第1の生物学的流体を照射するように配置された第1の光源アレイ、及び前記第2の処理チャンバー内の前記第2の生物学的流体を照射するように配置された第2の光源アレイと、
ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサーと、
前記1つ以上のプロセッサーによって実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサーに、前記第1の光源アレイからの照射による前記第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または前記第2の光源アレイからの照射による前記第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)オブジェクトを含むGUIを、前記ディスプレイ上での表示のために提供することを含む方法を実施させる命令を含むメモリーと、
を備える、前記生物学的流体処理システム。
【請求項2】
前記第1の光源アレイ及び前記第2の光源アレイが、前記第1の生物学的流体及び前記第2の生物学的流体を、それぞれ紫外線光で照射するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光源アレイの各々が、約315nm~約350nmの前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光源アレイの各々が、約330nm~約350nmの前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記光源アレイの各々が、約340nm~約350nmの前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記光源アレイの各々が、345nm±5nmの範囲内の前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記光源アレイの各々が、約315nm~約335nmの前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源アレイの各々に対して、前記それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える、請求項2~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の光源アレイとは反対方向を向き、前記第1の処理チャンバー内の前記第1の生物学的流体を照射するように配置された第3の光源アレイと、
前記第2の光源アレイとは反対方向を向き、前記第2の処理チャンバー内の前記第2の生物学的流体を照射するように配置された第4の光源アレイと、をさらに備え、
前記方法が、前記第3の光源アレイからの照射による前記第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または前記第4の光源アレイからの照射による前記第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)オブジェクトを含むGUIを、前記ディスプレイ上での表示のために提供することをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3及び第4の光源アレイの各々が、約315nm~約350nmの前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第3及び第4の光源アレイの各々に対して、前記それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記光源アレイの各々は、各々が発光ダイオードである1つ以上の光源を備え、
前記光源アレイの各々に対して、前記それぞれの紫外線光が、前記それぞれの1つ以上の光源によって放出される、請求項2~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のプラットフォームが、前記第1の生物学的流体を前記第1の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能であり、前記第2のプラットフォームが、前記第2の生物学的流体を前記第2の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能である、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
ハウジングをさらに備え、
前記ハウジングが、前記第1の処理チャンバー、前記第2の処理チャンバー、前記第1のプラットフォーム、前記第2のプラットフォーム、前記第1の光源アレイ、前記第2の光源アレイ、前記ディスプレイ、前記1つ以上のプロセッサー、及び前記メモリーを収容するように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の生物学的流体、前記第2の生物学的流体、または前記第1の生物学的流体と前記第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーをさらに備える、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記スキャナーが、バーコードスキャナー、QRコード(登録商標)スキャナー、及びRFIDスキャナーを含む群のうちの1つである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記識別情報が、前記第1の生物学的流体または前記第2の生物学的流体を格納するための容器上、または前記第1の生物学的流体または前記第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のバーコードまたはQRコード(登録商標)の可視形態にあり、
前記方法が、前記スキャナーによって、前記第1の生物学的流体または前記第2の生物学的流体を格納するための前記容器上、または前記複式容器アセンブリの前記1つ以上の容器のうちの前記少なくとも1つの上の前記バーコードまたは前記QRコード(登録商標)を取得することをさらに含む、請求項15または請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記スキャナーは、前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための前記容器が前記第1のプラットフォームもしくは前記第2のプラットフォーム上に配置されたときに、前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための容器上の、または前記複式容器アセンブリの前記1つ以上の容器が前記第1のプラットフォームもしくは前記第2のプラットフォーム上に配置されたときに、前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの前記1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上の可視形態の前記識別情報を取得するように構成されている、請求項15~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記識別情報が、前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための容器上、または前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリのうちの1つ以上の容器上の可視形態の、あるいは前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための前記容器上、または前記第1の生物学的流体もしくは前記第2の生物学的流体を格納するための前記複式容器アセンブリの前記1つ以上の容器上のタグから送信可能な形態で伝達される識別情報の複数のセットであり、
前記スキャナーが、マルチスキャン操作において前記識別情報の複数のセットを取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである、請求項15~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記スキャナーが、前記ハウジング内の固定位置に一体化されるかまたは埋め込まれ、かつ前記1つ以上のプロセッサーに連結されている、請求項15~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記スキャナーが、前記第1の処理チャンバー、前記第2の処理チャンバー、または前記第1の処理チャンバーと前記第2の処理チャンバーとの両方の内側に位置付けられている、請求項15~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記スキャナーが、前記第1の処理チャンバーの第1の開口部または前記第2の処理チャンバーの第2の開口部に位置付けられている、請求項15~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記スキャナーが、前記第1の処理チャンバー及び前記第2の処理チャンバーの外部に位置付けられている、請求項15~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記スキャナーが、前記1つ以上のプロセッサーに無線で連結されたハンドヘルドスキャナーである、請求項15~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記スキャナーが、前記1つ以上のプロセッサーに有線接続によって連結されたハンドヘルドスキャナーである、請求項15~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の処理チャンバー及び前記第2の処理チャンバーは、前記第1の生物学的流体及び前記第2の生物学的流体が、前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに同じ平面内にあるように、水平に配設されている、請求項1~25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1の処理チャンバー及び前記第2の処理チャンバーは、前記第1の生物学的流体及び前記第2の生物学的流体が、前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに並列の平面内にあるように、垂直に配設されている、請求項1~25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、前記第1のパネルが、前記閉位置において前記第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、前記第1のパネルが、前記開位置において前記第1の処理チャンバーへの前記第1の開口部を覆わず、前記第1のパネルの外部が、突出ハンドル及び凹部ハンドルを含む群のうちの1つ以上を含む、請求項1~27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、前記第1のパネルが、前記閉位置において前記第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、前記第1のパネルが、前記開位置において前記第1の処理チャンバーへの前記第1の開口部を覆わず、前記第1のパネルの前記外部全体が、いずれのハンドルも欠いている、請求項1~27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のパネルが、前記閉位置に留まるように係止されるように構成されており、かつ入力に応答して係止解除されるように構成されている、請求項28~29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のプラットフォームが、前記第1のパネルを備える、請求項28~30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1のプラットフォームが、
外側領域であって、
閉位置と開位置との間で移動可能な前記第1のパネルであって、前記外側領域は、前記第1のパネルが前記閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、前記第1のパネルと、
第1の支持構造体と、を備える、前記外側領域と、
前記外側領域が固定位置にある期間中に前記第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、
前記外側領域の前記第1の支持構造体が、前記内側領域を構造的に支持している、
請求項28~31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記外側領域が、動きを生成するように構成されたモーターを備え、前記内側領域が、前記モーターによって生成された前記動きに基づいて前記第1の生物学的流体を撹拌するように構成されている、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記モーターは、前記第1の生物学的流体が前記第1のプラットフォームによって保持される場所の右側または左側の位置に位置付けられている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記モーターは、前記第1の生物学的流体が前記第1のプラットフォームによって保持される場所の前側または後側の位置に位置付けられている、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記第2のプラットフォームが、
閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネルであって、前記第2のパネルが、前記閉位置において前記第2の処理チャンバーへの第2の開口部を覆い、前記第2のパネルが、前記開位置において前記第2の処理チャンバーへの前記第2の開口部を覆わない、前記第2のパネルと、
外側領域であって、
閉位置と開位置との間で移動可能な前記第2のパネルであって、前記外側領域が、前記第2のパネルが前記閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、前記第2のパネルと、
第2の支持構造体と、を備える前記外側領域と、
前記外側領域が固定位置にある期間中に前記第2の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、
前記出力領域の前記第2の支持構造体が、前記内側領域を構造的に支持している、
請求項32~35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームが、各々、第1の区画及び第2の区画を備え、前記第1及び第2の区画が、それぞれのプラットフォームの前記生物学的流体を格納する複式容器アセンブリを保持するように構成されており、
前記第1のプラットフォームの前記第1の区画が、第1の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、前記第1の容器が、前記第1の生物学的流体を格納し、前記第1の区画は、前記第1のプラットフォームが前記第1の処理チャンバー内に配置されたときに、前記第1の光源アレイが前記第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、
前記第1のプラットフォームの前記第2の区画が、前記第1の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、前記1つ以上の追加の容器が、前記第1の生物学的流体を格納せず、前記第2の区画は、前記第1のプラットフォームが前記第1の処理チャンバー内に配置されたときに、前記第1の光源アレイが前記1つ以上の追加の容器を照射するように構成されないように配置されており、
前記第2のプラットフォームの前記第1の区画が、第2の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、前記第1の容器が、前記第2の生物学的流体を格納し、前記第1の区画は、前記第2のプラットフォームが前記第2の処理チャンバー内に配置されたときに、前記第2の光源アレイが前記第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、
前記第2のプラットフォームの前記第2の区画が、前記第2の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、前記1つ以上の追加の容器が、前記第2の生物学的流体を格納せず、前記第2の区画は、前記第2のプラットフォームが前記第2の処理チャンバー内に配置されたときに、前記第2の光源アレイが前記1つ以上の追加の容器を照射するように構成されないように配置されている、
請求項1~36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
前記ディスプレイが、前記複数のGUIオブジェクトを含む前記GUIを表示するように構成されたタッチスクリーンであり、前記GUIオブジェクトが、前記タッチスクリーン上のタッチ入力に応答する、請求項1~37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
前記方法が、
GUIオブジェクトの選択に関連付けられている入力を受け取ることと、
前記入力を受け取ることに応答して、生物学的流体処理操作を実施することと、をさらに含む、請求項1~38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記方法が、
前記第1の生物学的流体を1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射することをさらに含み、
前記第1の生物学的流体が、病原体不活性化化合物と混合され、
1)前記1つ以上の第1の光源の各々が、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出するか、または
2)前記1つ以上の第1の光源の各々が、発光ダイオード(LED)であり、
前記第1の生物学的流体を照射することが、前記第1の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる、請求項1~39のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
前記方法が、
前記第2の生物学的流体を1つ以上の第2の光源のセットによって放出される紫外線光で照射することをさらに含み、
前記第2の生物学的流体が、病原体不活性化化合物と混合され、
1)前記1つ以上の第2の光源の各々が、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出するか、または
2)前記1つ以上の第2の光源の各々が、発光ダイオード(LED)であり、
前記第2の生物学的流体を照射することが、前記第2の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームの各々が、前記第1及び第2の生物学的流体をそれぞれ、最大約1500mLの容積容量を各々有する第1の可撓性容器及び第2の可撓性容器にそれぞれ保持するように構成されている、請求項1~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記システムが、前記第1の処理チャンバーの温度を調整または設定するように構成された加熱及び/または冷却ユニットを備え、前記方法が、
前記第1の生物学的流体の前記温度を、前記第1の光源アレイからの照射による前記第1の生物学的流体の処理中に2℃以内に維持するように、前記加熱/冷却ユニットを制御することをさらに含む、請求項1~42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記方法が、
前記第1の生物学的流体の前記温度を、前記第1の光源アレイからの照射による前記第1の生物学的流体の処理中に2℃以内に維持するように、前記システムを制御することをさらに含む、請求項1~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記ハウジングが30~45cmの範囲内の最大水平幅を有する、請求項14~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記システムが、前記ハウジングの左側と右側との両方に20cm以下の空きスペースが存在するように、目標動作スペース内で動作するように構成されている、請求項14~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1の光源アレイ、前記第2の光源アレイ、及び前記1つ以上のプロセッサーのうちの1つ以上へのアクセスを提供するように構成された1つ以上の前側アクセスパネルをさらに備える、請求項1~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
生物学的流体を処理する方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体を提供することと、
前記生物学的流体を、請求項1~47のいずれか1項に記載のシステムを用いて、前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で照射することと、を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月22日に出願された米国仮特許出願第62/865,207号、2019年7月1日に出願された米国仮特許出願第62/869,544号、及び2020年3月6日に出願された米国仮特許出願第62/986,593号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、生物学的流体と光化学物質との混合物を含む生物学的流体を、光で処理するためのシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的流体を光で処理するためのシステム及び方法は周知である。たとえば、米国特許第7,459,695号、同第6,986,867号、及び同第5,593,823号は、生物学的流体を光で処理して、生物学的流体中の病原体を不活性化するためのシステムについて記載している。光は、生物学的流体中の病原体を、特に病原体の光化学的不活性化によって不活性化するのに有効な選択された波長範囲内で放出される。生物学的流体を光で処理するための他のシステム及び方法としては、たとえば、米国特許第6,843,961号、同第7,829,867号、同第9,320,817号、及び同第8,778,263号、ならびにSchlenke, 2014, Transfus.Med. Hemother. 41:309-325に記載されているシステム及び方法を含むことができる。
【0004】
たとえば、血小板及び血漿成分ならびにそれらの誘導体を含む血液製剤の場合、血液製剤を受容する個体が感染する危険性を最小限にするために、血液製剤が確実に病原体を含まないようにすることが重要である。血液中の病原体の存在に関する試験は、試験が利用可能な病原体及びアッセイの感度によって制限される。病原体の試験の代替法または補助として、様々な化合物(たとえば、化学物質、光化学物質)に基づく不活性化方法を使用して、病原体を不活性化して輸血感染の危険性を低減するための方法(たとえば、Schlenke et al., Transfus Med Hemother, 2014, 41, 309-325及びProwse, Vox Sanguinis, 2013, 104, 183-199に開示されるようなもの)が、当該技術分野において公知である。血液製剤を処理するためのソラレン及び紫外線光に基づく光化学的病原体不活性化システムとしては、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood System(Cerus Corporation)が含まれ、これは、使い捨てのプロセシングセット及び紫外線照射デバイス(INT-100)を利用している。血漿または血小板などの血液製剤は、プロセシングセット内でソラレン、アモトサレンと混合され、次いで紫外線A光で照射された後、プロセシングセットの化合物吸着デバイス(CAD)部分で残留アモトサレン及びその光産物が除去される。処理される血液製剤の種類、及びそれらの血液製剤の特定の特性、たとえば、例として、体積及び血小板数に応じて、複数の異なる使い捨てプロセシングセットを使用することができる。異なる照射要件は、同じ照射デバイス内の複数のプロセシングセットを処理する能力を制限し、それによって血液採取センターの効率に影響を与える可能性がある。また以前の照射器システムは、水平方向に幅広く、1つの水平層のみの処理チャンバーに制限される場合もある。
【0005】
本明細書に記載される血液製剤などの生物学的流体を処理するための以前のシステム及び方法は、一般に、申し分なく行われていたが、生物学的流体のより高いスループット処理、オペレーターによる使用の容易さ、及び/または処理されているシステム及び/または生物学的流体に影響を与える可能性のあるユーザーのオペレーターエラーの事例の低減のための様々な有利な利点を提供し得る、複数の処理チャンバー及び設計上の特徴を含む、本明細書に開示されているシステム及び方法を含む、改良されたシステム及び方法を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示されるのは、生物学的流体を処理するためのシステム、方法、及び装置である。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、生物学的流体を受容するように構成された処理チャンバーと、処理チャンバー内に配置された生物学的流体を保持するように構成されたプラットフォームと、処理チャンバー内の生物学的流体を照射するように配置された光源アレイと、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するために構成されたディスプレイと、を含む。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、第1の生物学的流体、第2の生物学的流体、または第1の生物学的流体と第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、第1の生物学的流体を受容するように構成された第1の処理チャンバーと、第2の生物学的流体を受容するように構成された第2の処理チャンバーと、第1の生物学的流体を保持し、かつ第1の処理チャンバー内に配置されるように構成された第1のプラットフォームと、第2の生物学的流体を保持し、かつ第2の処理チャンバー内に配置されるように構成された第2のプラットフォームと、第1の処理チャンバー内の第1の生物学的流体を照射するように配置された第1の光源アレイ、及び第2の処理チャンバー内の第2の生物学的流体を照射するように配置された第2の光源アレイと、ディスプレイと、1つ以上のプロセッサーと、1つ以上のプロセッサーによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサーに、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または第2の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のGUIオブジェクトを含むGUIを、ディスプレイ上での表示のために提供することを含む方法を実施させる命令を含むメモリーと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の光源アレイ及び第2の光源アレイは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体を、それぞれ紫外線光で照射するように構成されている。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々は、約315nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々は、約330nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、光源アレイのそれぞれは、約340nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを含む。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々は、345+5nmの範囲内のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々は、約315nm~約335nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々は、アレイの第2のピーク波長を有する紫外線を放出するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。
【0009】
いくつかの実施形態では、光源アレイの各々に対して、それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、1つ以上の光源を備える。いくつかの実施形態では、光源アレイの各々に対して、それぞれの第2の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、1つ以上の光源を備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源アレイとは反対の方向に面し、かつ第1の処理チャンバー内の第1の生物学的流体を照射するように配置された第3の光源アレイと、第2の光源アレイとは反対の方向に面し、かつ第2の処理チャンバー内の第2の生物学的流体を照射するように配置された第4の光源アレイと、をさらに備え、方法は、第3の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または第4の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)オブジェクトを含むGUIを、ディスプレイ上での表示のために提供することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約315nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約330nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約340nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、345+5nmの範囲内のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約315nm~約335nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々は、アレイの第2のピーク波長を有する紫外線を放出するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々に対して、それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える。いくつかの実施形態では、第3及び第4の光源アレイの各々に対して、それぞれの第2の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、光源アレイ(たとえば、第1のアレイ、第2のアレイ、第3のアレイ、第4のアレイ)の各々は、1つ以上の光源を備え、その各々は、発光ダイオードであり、光源アレイの各々に対して、それぞれの紫外線光は、それぞれの1つ以上の光源によって放出される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のプラットフォームは、第1の生物学的流体を第1の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能であり、第2のプラットフォームは、第2の生物学的流体を第2の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の処理チャンバー、第2の処理チャンバー、第1のプラットフォーム、第2のプラットフォーム、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、ディスプレイ、1つ以上のプロセッサー、及びメモリーを収容するように構成されたハウジングをさらに備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の生物学的流体、第2の生物学的流体、または第1の生物学的流体と第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーをさらに備える。いくつかの実施形態では、スキャナーは、バーコードスキャナー、QRコード(登録商標)スキャナー、及びRFIDスキャナーを含む群のうちの1つである。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上、または第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のRFIDタグの電波の送信可能な形態で伝達され、方法は、スキャナーによって、容器上のRFIDタグから電波で伝達された識別情報を取得することをさらに含む。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上のバーコードまたはQRコード(登録商標)の可視形態にあり、方法は、スキャナーによって、容器上のバーコードまたはQRコード(登録商標)を取得することをさらに含む。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器の少なくとも1つの上のバーコードまたはQRコード(登録商標)の可視形態にあり、方法は、スキャナーによって、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のバーコードまたはQRコード(登録商標)を取得することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スキャナーは、容器が第1のプラットフォームまたは第2のプラットフォームに配置されたときに、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上、または第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のRFIDタグから電波形態で伝達された識別情報を取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上の可視形態の識別情報を、容器が第1のプラットフォームまたは第2のプラットフォーム上に配置されたときに取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上の可視形態の識別情報を、1つ以上の容器が第1のプラットフォームまたは第2のプラットフォーム上に配置されたときに取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上の可視形態の識別情報の複数のセットであり、スキャナーは、マルチスキャン操作において識別情報の複数のセット(たとえば、識別情報の複数のセットの各々、識別情報の複数のセットのすべて)を取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器上の可視形態の識別情報の複数のセットであり、スキャナーは、マルチスキャン操作において識別情報の複数のセット(たとえば、識別情報の複数のセットの各々、識別情報の複数のセットのすべて)を取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器(たとえば、単一の容器)上のタグから送信可能な形態で伝達される識別情報の複数のセットであり、スキャナーは、マルチスキャン操作において識別情報の複数のセット(たとえば、識別情報の複数のセットの各々、識別情報の複数のセットのすべて)を取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである。いくつかの実施形態では、識別情報は、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器上のタグから送信可能な形態で伝達される識別情報の複数のセットであり、スキャナーは、マルチスキャン操作で識別情報の複数のセット(たとえば、識別情報の複数のセットの各々、識別情報の複数のセットのすべて)を取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである。
【0017】
いくつかの実施形態では、スキャナーは、ハウジング内の固定位置に一体化されるかまたは埋め込まれ、かつ1つ以上のプロセッサーに連結されている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、第1の処理チャンバー、第2の処理チャンバー、または第1の処理チャンバーと第2の処理チャンバーとの両方の内側に位置付けられている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、第1の処理チャンバーの第1の開口部または第2の処理チャンバーの第2の開口部に位置付けられている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーの外部に位置付けられている。いくつかの実施形態では、スキャナーは、1つ以上のプロセッサーに無線で連結されたハンドヘルドスキャナーである。いくつかの実施形態では、スキャナーは、1つ以上のプロセッサーに有線接続で連結されたハンドヘルドスキャナーである。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに同じ平面内にあるように、水平に配設されている。いくつかの実施形態では、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに並列の平面内にあるように、垂直に配設されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムは、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、第1のパネルは、閉位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、第1のパネルは、開位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わず、第1のパネルの外部は、突出ハンドル及び凹部ハンドルを含む群のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、システムは、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、第1のパネルは、閉位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、第1のパネルは、開位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わず、第1のパネルの外部全体は、いずれのハンドルも欠いている。いくつかの実施形態では、第1のパネルは、閉位置に留まるように係止されるように構成され、かつ入力に応答して係止解除されるように構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザー入力、たとえば、例として、パネルを係止解除するための、タッチスクリーン上のユーザーの手動入力(たとえば、タッチまたはホバー)、ユーザーの音声コマンド(たとえば、マイクロフォンによって検出される)、またはユーザーの視覚的動き(たとえば、手の動きまたはジェスチャー、スワイプ動作内のオブジェクト)である。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のプラットフォームは、第1のパネルを備える。いくつかの実施形態では、第1のプラットフォームは、外側領域であって、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルであって、外側領域が第1のパネルが閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている第1のパネル、及び第1の支持構造体を備える、外側領域と、外側領域が固定位置にある期間中に第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、外側領域の第1の支持構造体は、内側領域を構造的に支持している。いくつかの実施形態では、第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された第1のプラットフォームの内側領域は、内側領域アセンブリであって、第1の生物学的流体を格納する容器を保持するように構成された1つ以上の取り外し可能な内部領域部分と、1つ以上の取り外し可能な内部領域部分を構造的に支持し、かつ1つ以上の取り外し可能な内部領域部分によって保持される第1の生物学的流体を撹拌するように移動可能である内部領域支持構造体と、を備える、内側領域アセンブリを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、外側領域は、動きを生成するように構成されたモーターを備え、内側領域は、モーターによって生成された動きに基づいて第1の生物学的流体を撹拌するように構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、オフセット、速度、加速、及び減速などの、第1の生物学的流体を撹拌するための内部領域の移動の1つ以上の態様を制御する(たとえば、調整可能に制御する)ように構成されている。いくつかの実施形態では、モーターは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォームによって保持される場所の右側または左側の位置に位置付けられている。いくつかの実施形態では、モーターは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォームによって保持される場所の前側または後側の位置に位置付けられている。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2のプラットフォームは、閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネルであって、第2のパネルが、閉位置において第2の処理チャンバーへの第2の開口部を覆い、第2のパネルが、開位置において第2の処理チャンバーへの第2の開口部を覆わない、第2のパネルと、外側領域であって、閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネルであって、外側領域が第2のパネルが閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、第2のパネル、及び第2の支持構造体を備える、外側領域と、外側領域が固定位置にある期間中に第2の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、出力領域の第2の支持構造体が、内側領域を構造的に支持している。いくつかの実施形態では、第2の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された第2のプラットフォームの内側領域は、内側領域アセンブリであって、第2の生物学的流体を格納する容器を保持するように構成された1つ以上の取り外し可能な内部領域部分と、1つ以上の取り外し可能な内部領域部分を構造的に支持し、かつ1つ以上の取り外し可能な内部領域部分によって保持される第2の生物学的流体を撹拌するように移動可能である内部領域支持構造体と、を備える、内側領域アセンブリを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームは、各々、第1の区画及び第2の区画を備え、第1及び第2の区画は、それぞれのプラットフォームの生物学的流体を格納する複式容器アセンブリを保持するように構成されており、第1のプラットフォームの第1の区画は、第1の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、第1の容器は、第1の生物学的流体を格納し、第1のプラットフォームが第1の処理チャンバー内に配置されたときに、第1の光源アレイが第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、第1のプラットフォームの第2の区画は、第1の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、1つ以上の追加の容器は、第1の生物学的流体を格納せず、第2の区画は、第1のプラットフォームが第1の処理チャンバー内に配置されたときに、第1の光源アレイが1つ以上の追加の容器を照射するように構成されておらず、第2のプラットフォームの第1の区画は、第2の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、第1の容器は、第2の生物学的流体を格納し、第2のプラットフォームが第2の処理チャンバー内に位置付けられたときに、第2の光源アレイが第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、第2のプラットフォームの第2の区画は、第2の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、1つ以上の追加の容器は、第2の生物学的流体を格納せず、第2の区画は、第2のプラットフォームが第2の処理チャンバー内に配置されたときに、第2の光源アレイが1つ以上の追加の容器を照射するように構成されないように配置されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、複数のGUIオブジェクトを含むGUIを表示するように構成されたタッチスクリーンであり、GUIオブジェクトは、タッチスクリーン上のタッチ入力に応答する。いくつかの実施形態では、方法は、GUIオブジェクトの選択に関連付けられている入力を受け取ることと、入力を受け取ることに応答して、生物学的流体処理操作を実施することと、をさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム)は、1つ以上の生物学的流体の第1の生物学的流体を、1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光)で照射することを含む1つ以上の生物学的流体を処理する方法を実施し得、第1の生物学的流体は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合され、1)1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または2)1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、第1の生物学的流体を照射することは、第1の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。いくつかの実施形態では、1つ以上の生物学的流体を処理する方法は、1つ以上の生物学的流体の第2の生物学的流体を、1つ以上の第2の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、約315nm~約350nmの第2のピーク波長を有する紫外線光)で照射することをさらに含み得、第2の生物学的流体は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合され、1)1つ以上の第2の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または2)1つ以上の第2の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、第2の生物学的流体を照射することは、第2の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームの各々は、第1及び第2の生物学的流体をそれぞれ、最大約3000mLの容積容量を各々有する第1の可撓性容器及び第2の可撓性容器内にそれぞれ保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームの各々は、第1及び第2の生物学的流体をそれぞれ、最大約1500mLの容積容量を各々有する第1の可撓性容器及び第2の可撓性容器内にそれぞれ保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームの各々は、第1及び第2の生物学的流体をそれぞれ、最大約1000mLの容積容量を各々有する第1の可撓性容器及び第2の可撓性容器にそれぞれ保持するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の処理チャンバーの温度を調整または設定するように構成された加熱及び/または冷却ユニットを備え、方法は、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理中に、第1の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するように、加熱/冷却ユニットを制御することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理中に、第1の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するように、システムを制御することをさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、第2の処理チャンバーの温度を調整または設定するように構成された加熱及び/または冷却ユニットを備え、方法は、第2の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理中に、第2の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するように、加熱/冷却ユニットを制御することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理中に、第2の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するように、システムを制御することをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、30~45cmの範囲内の最大水平幅を有する。いくつかの実施形態では、システムは、ハウジングの左側及び右側の両方に20cm以下の空きスペースが存在するように、目標動作スペース内で動作するように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、及び/または1つ以上のプロセッサーのうちの1つ以上へのアクセスを提供するように構成された1つ以上のアクセスパネルをさらに備える。いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、及び/または1つ以上のプロセッサーのうちの1つ以上へのアクセスを提供するように構成された1つ以上の前側アクセスパネルをさらに備える。いくつかの実施形態では、システムは、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、及び/または1つ以上のプロセッサーのうちの1つ以上へのアクセスを提供するように構成された1つ以上の側面アクセスパネルをさらに備える。
【0030】
別の態様では、本開示は、生物学的流体を処理する方法であって、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム、以下で開示されるシステム)を用いて、生物学的流体中の病原体(たとえば、生物学的流体中に存在する場合)を不活性化するのに十分な期間及び強度で、生物学的流体を照射することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合した生物学的流体を提供することと、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム)を用いて、生物学的流体中の病原体(たとえば、生物学的流体中に存在する場合)を不活性化するのに十分な期間及び強度で生物学的流体を照射することと、を含む、生物学的流体を処理する方法を提供する。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、紫外線A、紫外線B、紫外線C、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光)で照射され、1)1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または 2)1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)である。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約330nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約340nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約345+5nmの範囲内の第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源セットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約315nm~約335nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源セットによって放出される紫外線光、及び第2のピーク波長を有する1つ以上の第2の光源のセットからの紫外線光で照射され、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。いくつかの実施形態では、照射の期間及び強度は、約0.5J/cm2以上(たとえば、約0.5J/cm2~約50J/cm2)の生物学的流体を照射する紫外線光の総線量を提供する。いくつかの実施形態では、強度は、1~1000mW/cm2の間(たとえば、1~100mW/cm2の間)である。いくつかの実施形態では、期間は、1秒間~2時間の間(たとえば、1分間~60分間の間)である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、血液製剤(たとえば、血小板、血漿)である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図2A】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図2B】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図2C】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図3A】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図3B】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4A】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4B】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4C】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4D】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4E】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4F】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4G】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4H】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4I】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4J】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4K】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図4L】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図5】生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【
図6】生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【
図7】生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図を示す。
【
図8】本開示の一実施形態によるコンピューティングデバイスの例である。
【
図9A】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図9B】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図9C】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図9D】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図9E】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図9F】生物学的流体を処理するための例示的なシステムを示す。
【
図10】生物学的流体を処理するための隣接する例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明は、当業者が、様々な実施形態を作製および使用するのを可能にするために提示される。具体的なシステム、デバイス、方法、および適用の説明は、実施例として提供されるにすぎない。本明細書に記載される実施例に対する様々な改変が、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義される一般的な原理は、様々な実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施例及び用途に適用することができる。したがって、様々な実施形態は、本明細書に記載され示される実施例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲に一致する範囲が与えられるべきである。
【0033】
本明細書に開示されるのは、生物学的流体を処理するためのシステム、方法、及び装置である。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、生物学的流体を受容するように構成された処理チャンバーと、処理チャンバー内に配置された生物学的流体を保持するように構成されたプラットフォームと、処理チャンバー内の生物学的流体を照射するように配置された光源アレイと、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するために構成されたディスプレイと、を含む。いくつかの実施形態では、生物学的流体処理システムは、第1の生物学的流体、第2の生物学的流体、または第1の生物学的流体と第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーを含む。
【0034】
生物学的流体、たとえば、例として、血液および血液製剤は、感染したドナー、またはプロセシングの際の病原体の導入に起因して、混入病原体を含有している場合がある。そのため、そのような生物学的流体を、混入病原体の危険性を低減する処理プロセス(たとえば、病原体不活性化、病原体低減)に供することが望ましい場合がある。理想的には、そのようなプロセスは、生物学的流体に存在する可能性のある広範な病原体(たとえば、ウイルス、細菌、寄生虫)の不活性化をもたらす。処理プロセスはまた、生物学的流体中に存在している可能性のある他の望ましくない物質、たとえば、例として、細胞(たとえば、白血球)及び核酸も不活性化することができる。有利なことに、本開示は、生物学的流体及び光化学物質の混合物を含む生物学的流体を、光で処理するための改善されたシステム、方法、及び装置を提供する。
【0035】
図1は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム100を示している。本明細書で使用される場合、「生物学的流体」は、生物(たとえば、ヒト、動物、植物、微生物)において見出されるか、もしくはそれに由来する任意の流体、または生物において見出されるか、それから単離されるか、もしくはそれに由来する1つ以上の成分(たとえば、生物剤)を、その合成(たとえば、組換え)バージョンを含め、含んでいる、任意の流体を指す。生物学的流体としては、血液及び血液製剤、ワクチン、細胞(たとえば、初代細胞、細胞株、細胞培養物)、天然及び組換えのペプチドまたはタンパク質(たとえば、治療薬、抗体)、細菌培養物、ウイルス懸濁液などを含むことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「血液製剤」は、血液(たとえば、全血)、または血液の成分もしくは由来物、たとえば、例として、赤血球、白血球、血小板、血漿、もしくはこれらの成分(たとえば、凝固因子、アルブミン、フィブリノーゲン)、クリオプレシピテート及び脱クリオ(たとえば、クリオ低減)血漿、または血液から分離されたそのような成分のうちの1つ以上の組み合わせを指す。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、非生物学的流体、たとえば、例として、生理食塩水、緩衝溶液、栄養液、血小板添加剤溶液(PAS)、及び/または抗凝血溶剤溶液を含むがこれらに限定されない、生理学的溶液(たとえば、希釈溶液)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的流体が生物学的流体処理システムのチャンバー内に配置される(たとえば、生物学的流体がプラットフォーム上に配置された処理バッグなどの容器内にある)とき、生物学的流体は、指定された強度で所定の期間、ある特定のスペクトルプロファイルを有する光(たとえば、可視光、紫外線光)によって照射される。
【0036】
システム100は、電源スイッチ110と、ディスプレイ120と、スキャナー130と、プラットフォーム140と、プラットフォーム150と、を含む。
図1のシステム100は記載された要素を含むが、システム100の例は、本開示の範囲から逸脱することなく、記載された要素または追加の要素の異なる組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、システム100は、有線または無線接続を介して、コンピューティングデバイス(たとえば、コンピューター、モバイルデバイス)(図示せず)に連結することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、電源スイッチ110への入力に応答して、電力がシステム100に提供される。たとえば、電源スイッチ110は、機械的なボタンであり得る。システム100がオフであるとき、電源スイッチ110の押下に応答して、電力がシステム100に提供される(たとえば、システム100がオンになる)。システム100がオンであるとき、電源スイッチ110の押下に応答して、システム100への電力提供が停止する(たとえば、システム100がオフになる)。いくつかの例では、処理中、システム100はオンのままであり、電源スイッチの押下に応答してオフにならない。
【0038】
別の例として、電源スイッチ110は、タッチ入力を用いて(たとえば、電源スイッチ上にユーザーの指を置くことによって)作動させることができる容量性スイッチであり得る。さらに別の例として、電源スイッチは、2つ以上の状態を有するボタンであり得る。電源スイッチが第1の位置にある(たとえば、押されていない、第1の側に切り替えられている)とき、電源スイッチは「オフ」状態になり得る。電源スイッチが第2の位置にある(たとえば、押されている、第2の側に切り替えられている)とき、電源スイッチは「オン」状態になり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ120はタッチスクリーンである。たとえば、ディスプレイ120は、容量性タッチスクリーンまたは抵抗性タッチスクリーンであり得る。いくつかの例では、ディスプレイ120は、システム100を操作するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、スキャナー130からの入力を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、GUI上の入力を受け取るように構成されている。たとえば、GUI上に表示される複数のGUIオブジェクトのうちの1つのGUIオブジェクトは、タッチスクリーン上にユーザーの手動入力(たとえば、タッチ入力またはホバー入力)を提供することによって選択され得る。入力を受け取ることに応答して、システム100は、選択されたGUIオブジェクトに関連付けられている操作を実施することができる。たとえば、GUIオブジェクトは、生物学的流体処理の開始に関連付けられてもよく、GUIオブジェクトを選択する入力を受け取ることに応答して、システム100は、生物学的流体を処理するためのプロセスを開始する。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、GUI上のユーザーオペレーターへの命令(たとえば、オペレーター命令)を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、スキャナー130からユーザーオペレーターへの入力を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、音声入力(たとえば、1つ以上のマイクロフォン)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって視覚的形態(コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシング(たとえば、音声からテキストへの変換)された音からの入力をディスプレイ120上に表示するように構成され、その形態は、ユーザーが、入力コマンド、たとえば、例として、1つ以上のマイクロフォン(たとえば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって、ユーザーが入力コマンドとして認識できるディスプレイ120上のコマンドテキストに変換される、ユーザーの音声コマンドとして認識できるものである。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、動きセンサー(たとえば、1つ以上のカメラ)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって視覚的形態(コマンドテキスト、コマンドコード、コマンドアイコン、コマンドグラフィック)にプロセシングされる(たとえば、動きからテキストへの変換、動きからグラフィックへの変換)ユーザーの視覚的動き(たとえば、手の動きまたはジェスチャー、スワイプする動きにおけるオブジェクト)からの入力をディスプレイ120に表示するように構成されており、その形態は、ユーザーが、入力コマンド、たとえば、例として、1つ以上のカメラ(たとえば、システム100の内部、外部、及び外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって、ユーザーが入力コマンドとして認識できるディスプレイ120上の視覚的コマンドテキストまたは視覚的グラフィックに変換される、ユーザーの手のジェスチャー(たとえば、スワイプする動きにおける手)として認識できるものである。1つのディスプレイ120が
図1に示されているが、システム100は、いくつかの例では、複数のディスプレイを含むことができる。
【0040】
タッチスクリーンを入力構成要素及び/またはスキャナー130からの入力として使用することによって、システム100のユーザーインターフェースを単純化することができる。たとえば、タッチスクリーンを使用すると、タッチスクリーンを使用して同様に実施され得る機能に対応する物理的なボタンの必要性を低減することができる。システム100を使用する生物学的流体処理は、単純化されたユーザーインターフェースを使用することにより、より効率的にすることができる。
【0041】
電源スイッチ110及びディスプレイ120は、ユーザー入力を受け取るように構成され得るシステム100の要素として記載されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、他の要素または入力手段をシステム100に含めることができる。たとえば、システム100は、方向入力キー、マウスパッド、またはディスプレイ120上に表示されたGUIを操作するように構成されたスクロールホイールを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム100は、音声入力(たとえば、1つ以上のマイクロフォン)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって言語形態(たとえば、コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシングされる(たとえば、音声からテキストへの変換)音からのユーザーの入力を受け取るように構成されており、その形態は、システム100が、入力コマンド、たとえば、例として、1つ以上のマイクロフォン(たとえば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって、システム100が入力コマンドとして認識できるコマンドテキストに変換される、ユーザーの音声コマンドとして認識できるものである。いくつかの実施形態では、システム100は、動きセンサー(たとえば、1つ以上のカメラ)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって言語形態(たとえば、コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシングされる(たとえば、動きからテキストへの変換)ユーザーの視覚的動き、(たとえば、手の動きまたはジェスチャー、スワイプする動きにおけるオブジェクト)からの入力を受け取るように構成されており、その形態、たとえば、例として、ユーザーの手のジェスチャー(たとえば、スワイプする動きにおける手)は、1つ以上のカメラ(たとえば、システム100の内部、外部、及び外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つ以上のプロセッサーによって、システム100が入力コマンドとして認識できるコマンドテキストに変換される。代替または追加として、システム100は、たとえば、例として、システム100のために実装された1つ以上のセンサーから、ユーザー入力以外の入力を受け取るように構成されてもよい。(たとえば、処理チャンバー内に)実装され得る様々なセンサーの非限定的な例としては、処理チャンバーの様々な部分における光強度及び/または1つ以上の生物学的流体の様々な部分に入射する光強度を測定するように構成された1つ以上の光センサー、1つ以上の空気流センサー、処理チャンバーの温度及び/または1つ以上の生物学的流体の温度を測定するための1つ以上の熱センサー、1つ以上の生物学的流体の存在及び/または種類を検出するための1つ以上のセンサー(たとえば、圧力センサー、光再帰反射センサー、光透過センサー、ラベルリーダー、スキャナー、バーコードスキャナー、RFIDセンサーなど)、生物学的流体の特性(たとえば、透過性)を検出するための1つ以上のセンサー(たとえば、光学センサー、分光センサー)、生物学的流体中の光化学化合物を検出するための1つ以上のセンサー(たとえば、蛍光分光分析)、ならびに1つ以上の生物学的流体の一部分(たとえば、様々な部分)の流体の深さを検出するように配置された1つ以上のセンサー(たとえば、超音波センサー)が含まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、システム100は、システム100のために実装された1つ以上のスキャナーからの入力を受け取るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スキャナー130は、生物学的流体に関連する情報を取得するように構成されている。いくつかの例では、スキャナー130は、処理される生物学的流体に関連する識別情報を取得するように構成されてもよい。たとえば、生物学的流体は、容器(たとえば、血液適合性バッグ、処理バッグ)(図示せず)に保存されてもよく、その容器または複式容器アセンブリ(たとえば、使い捨て流体プロセシングセット)内の他の容器は、可視形態(たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)など)及び/または送信可能な形態(たとえば、電子識別子、無線周波数識別(RFID))などの、何らかの形態の識別情報を含むタグもしくはラベルまたは指定された領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、識別情報は、生物学的パラメーターまたは他のパラメーター(たとえば、提供ID、製品コード、セットコード、ロット番号、生物学的流体の種類、生物学的流体の体積、生物学的流体の内容物、たとえば、血小板数または濃度)、及び治療パラメーターなどの、生物学的流体に関する情報を表すことができる。いくつかの実施形態では、生物学的パラメーターまたは他のパラメーターは、任意選択で、1つ以上のセンサーからの入力及び/またはユーザー入力と組み合わせて処理パラメーターを決定してもよい。いくつかの例では、識別情報の複数のセットを取得することができる。たとえば、識別情報の複数のセットは、生物学的流体に関連付けられている(たとえば、生物学的流体を格納するか、またはこれを格納する複式容器アセンブリの一部である)1つ以上のそれぞれの容器上に位置付けることができ、識別情報のセットは、スキャナー130によってそれぞれの容器から取得することができる。いくつかの実施形態では、スキャナーは、マルチスキャンスキャナー(たとえば、マルチスキャン機能を備えたカメラ、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(たとえば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したカメラ、マルチスキャン機能を備えたハンドヘルドスキャナー、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(たとえば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したハンドヘルドスキャナー、マルチスキャン機能を備えたラベルリーダー、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(たとえば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したラベルリーダーとすることができ、これらは、1つ以上の容器に配置された、識別情報の複数のセット(たとえば、複数のバーコード、複数のQRコード(登録商標)、複数のラベル、英数字テキスト及び/または記号の異なる文字列または構成の光学的文字認識(OCR)、画像認識など)を順次または実質的に同時に捕捉する(たとえば、取得する)、たとえば、例として、「バッチ」モードで識別情報の複数のセットを捕捉する(たとえば、識別情報の複数のセットを取得するマルチスキャン操作を、命令する、トリガーする、または他の方法で開始する単一のユーザー入力または単一のデバイス入力に応答して)ように構成されている。単一のマルチスキャン操作は、順次または実質的に同時に(たとえば、同時に)、識別情報の複数のセットを捕捉することができる(たとえば、単一の操作において、カメラは、生物学的製品の複数のパラメーター、たとえば、例として、提供ID、製品コード、セットコード、ロット番号、生物学的流体の種類、生物学的流体の体積、生物学的流体の内容物を示す1つ以上のラベルの1つ以上の画像を捕捉することができ、単一の操作において、マルチスキャナーは、上記の複数のパラメーターを示す1つ以上のラベルのうちの1つ以上のスキャンを実施することができる)。いくつかの実施形態では、マルチスキャナーまたはシステム100は、マルチスキャン操作において捕捉された、捕捉された識別情報の複数のセットを認識する(たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)、英数字テキスト、及び/または記号、画像を認識(及び/または解読))する(及び/またはマルチスキャナーもしくはシステム100によって認識される別の形態に変換する)ように構成されている。識別情報の複数のセット(たとえば、捕捉された画像(複数可)、実施されたスキャン(複数可))を捕捉した後、マルチスキャナーは、それらを、認識された(及び/または変換された)形態(たとえば、システム100がすでに認識できる言語形態、たとえばパラメーターデータとして)、または認識されない形態(たとえば、捕捉された画像(複数可)、実施されたスキャン(複数可))で、(たとえば、有線または無線接続を介して)システム100に伝達または通信することができる。認識されない形態である場合、システム100は、捕捉された識別情報の複数のセットを認識される形態にプロセシングすることができる。システム100は、処理される生物学的流体に関連付けられている処理チャンバーのGUIを表示するときに、ディスプレイ120のGUIの対応するフィールド(たとえば、自動入力情報フィールド)に識別情報の複数のセットを割り当てることができる。したがって、マルチスキャン操作は、便利で効率的で時間を節約できる自動入力技術を介して、生物学的流体のすべてまたはほとんどのパラメーターデータの複数の特定のデータフィールドへのデータ入力を提供することができる。たとえば、マルチスキャン操作では、ユーザーは、特定の順序で提示され得る識別情報の複数のセットを捕捉するために、特定の順序で複数のスキャンを実施する必要がない(たとえば、GUI上でユーザーに提示される特定のデータフィールドの視覚的順序で、容器上の各ラベルに対してスキャンを実施する必要がない)。
【0043】
いくつかの実施形態では、スキャナー130は、システム100内の固定位置(たとえば、システム100のハウジング内)に一体化されるかまたは埋め込まれている。いくつかの実施形態では、識別情報は、スキャナー130の視野に入ることができ、スキャナー130は、情報が視野内にあるときに識別情報を取得することができる。たとえば、ユーザーは、バーコードを備えた生物学的流体処理容器(たとえば、バッグ)をスキャナー130に向けて保持することができ、スキャナー130は、バーコードを画像捕捉するか、スキャンするか、または読み取ることができ、取得されたバーコードに基づいて、システム100は、生物学的流体製品に関する情報を決定することができる。いくつかの実施形態では、識別情報は、スキャナー130の検出範囲に入ることができ、スキャナー130は、情報が検出範囲内にあるときに識別情報を取得することができる。たとえば、ユーザーは、RFIDタグを備えた生物学的流体処理バッグをスキャナー130の近くに保持することができ、スキャナー130は、RFIDタグを検出することができ、検出されたRFIDタグから取得された情報に基づいて、システム100は、生物学的流体製品に関する情報を決定することができる。
【0044】
スキャナー130は、
図1においてシステム100の外部に位置付けられているものとして示されているが、スキャナー130は、システム100の異なる位置に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、スキャナー130は、システム100の内側に位置付けられている。たとえば、スキャナー130は、システム100の処理チャンバーの上部または処理チャンバーの開口部に位置付けられてもよい。スキャナー130は、生物学的流体がプラットフォーム上及び/またはチャンバー内に置かれた後、生物学的流体に関連する情報を取得することができる。
【0045】
いくつかの例では、スキャナー130は、システム100に連結されたデバイスに含まれてもよい。たとえば、スキャナー130は、システム100に連結されたハンドヘルドスキャナー(たとえば、バーコードスキャナー、QRコード(登録商標)スキャナー)に含まれてもよい。いくつかの例では、ハンドヘルドスキャナーは、有線接続を介してシステム100に連結する。いくつかの例では、ハンドヘルドスキャナーは、無線接続を介してシステム100に連結する。
【0046】
1つのスキャナー130が
図1に示されているが、システム100は、複数のスキャナー130を含むことができる。たとえば、システム100は、複数の処理チャンバーを含むことができ、各処理チャンバーは、対応するスキャナー(たとえば、内部スキャナー)を有してもよい。別の例として、システム100は、複数のプラットフォームを含むことができ、各プラットフォームは、それぞれのプラットフォームの開口部の近くまたは開口部に位置付けられた対応するスキャナー(たとえば、外部スキャナー)を有してもよい。プラットフォームが開口部を通って移動すると、生物学的流体を格納する容器(たとえば、処理バッグ)がそれぞれのスキャナーの視野を横切ることができ、生物学的流体に関連付けられている情報が、容器または関連する複式容器アセンブリの容器上の可視形態で、それぞれのスキャナーによって取得され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム140(たとえば、トレイ、ウェル、プレート、ステージ)は、処理中に生物学的流体を(たとえば、生物学的流体を格納する容器内で)保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、処理チャンバーの内部と外部との間を移動可能である(たとえば、摺動可能に移動可能であり、処理チャンバーの内側から処理チャンバーの外側(たとえば、処理チャンバーの部分的に外)と並進するように構成されている)。いくつかの実施形態では、システム100は、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネル180をさらに備え、第1のパネル180は、閉位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、第1のパネル180は、開位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わない。いくつかの実施形態では、第1のパネルは、ハンドル(たとえば、突出ハンドル、凹部ハンドル)を有することができる。ハンドルを使用すると、ユーザーは第1のパネルを手動で開閉して、チャンバーの中または外に生物学的流体を載せたり降ろしたりすることができる。いくつかの例では、第1のパネルの外部は、凹状のハンドルとして機能する開口部または切り欠きを含むことができる。いくつかの例では、ハンドルを第1のパネルの外部に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のパネルは、プラットフォーム140に取り付けられるか、それと一体化されるか、または一緒に形成される(たとえば、引き出し構成において)。いくつかの実施形態では、第1のパネル180は、プラットフォーム140とは別個の構造体であり(たとえば、第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、また覆わない別個のヒンジ式ドア)、プラットフォーム140は、第1のパネル180とは別個に第1の処理チャンバーの中及び外に摺動することができる。
【0048】
いくつかの例では、プラットフォーム及び/または第1のパネルを、処理中に閉位置に留まるように係止することができる。システム100は、第1のパネルを係止して閉位置に留まらせることによって、処理中にユーザーがプラットフォーム140の内容物に早々にアクセスすること(たとえば、第1の処理チャンバーにアクセスすること)を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、第1のパネルは、ピン(たとえば、ソレノイド及びピン)または磁気係止機構によって係止することができる。システム100は、ユーザーが、第1のパネルを係止解除することによって、処理の前後にプラットフォーム140の内容物にアクセスすること(たとえば、生物学的流体をプラットフォーム140に載せること、生物学的流体をプラットフォーム140から降ろすこと)、または入力(たとえば、GUI上の入力、ラッチを開くための入力、ボタンスイッチへの入力)の後にアクセスすることを可能にすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1のパネルの外部は、外部の表面が連続的であるように、実質的に平滑であり得る。たとえば、システム100の外部(たとえば、外部ハウジング)上の第1のパネルの表面は、平坦であり得る。別の例として、システム100の外部の第1のパネルの表面は、連続的に平滑であり得、すなわち、システム100の外部の第1のパネルの表面は、いずれの開口部、切り欠き、もしくは隙間などを欠いているか、またはいずれの開口部、切り欠き、もしくは隙間などは、ユーザーが第1のパネルを指で引っ張ることを防ぐように十分に小さくなっている。そのような十分に小さい開口部、切り欠き、または隙間などは、第1のパネルに空気通気口を提供し得る。さらに別の例として、第1のパネルの外部(たとえば、表面)全体は、いずれのハンドルまたは突出部材なども欠いている。さらなる例として、
図1に示されるように、第1のパネルの端部と隣接する構造体(複数可)との間で、ユーザーが第1のパネルを指(複数可)で引っ張ること(たとえば、第1のパネルの縁部の側面での摩擦による引っ張りを防ぐこと、第1のパネルの縁部の後側での引っ掛けによる引っ張りを防ぐこと)を防ぐように、開口部、切り欠き、または隙間などが十分に小さくなっている場合、第1のパネルの端部は、閉位置にあるときに、隣接する構造体(たとえば、隣接するパネル(複数可)、隣接する外部ハウジングのフレームなど)と同一平面または実質的に同一平面であってもよい。いくつかの実施形態では、外部の連続した表面は、ユーザーが手動の取り扱いによって第1のパネルを早々に(たとえば、生物学的流体が処理されているときに)開くこと、またはハンドルを無理に引っ張ることによってシステムを不用意に損傷することを防ぐ。第1のパネルが早々に開かれると、処理されている生物学的流体が損傷するか、または生物学的流体が適切に処理されない可能性がある。ユーザーが係止された第1のパネルのハンドルを無理に引っ張ると、ハンドルが損傷することがあり、移動機構(たとえば、トラック、レール)が損傷することがあり、係止部が損傷することがある。
【0050】
図1に示されるように、プラットフォーム150の構造体は、垂直軸を中心としたプラットフォーム140の構造体を対称的に反映している。いくつかの実施形態では、プラットフォーム150は、サイズ、形状、または向きがプラットフォーム140と実質的に同様である。図示されるように、プラットフォーム140及び150は、第1のプラットフォーム上及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が同一平面内にあるように、水平に配設されている。上述したように、第1のパネル180はプラットフォーム140に関連付けられてもよいので、第2のパネル190はプラットフォーム150に関連付けられてもよい。第1のパネル180に関する上記の教示はまた、第2のパネル190にも適用することができる。
【0051】
図1において2つのプラットフォームがシステム100の一部であるものとして示されているが、システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、プラットフォーム140またはプラットフォーム150と実質的に同様である1つのプラットフォームまたは3つ以上のプラットフォームを含むことができる。一般に、システム100~700に関連付けられている図示されたプラットフォーム及び処理チャンバーの数は例示的なものであり、システム100~700の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、プラットフォーム、処理チャンバー、及びそれらの関連要素(たとえば、スキャナー、光アレイ、区画)の異なる数及び組み合わせを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、システムは、1つのプラットフォームのみを備えた1つのチャンバーのみを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、2つ以上のプラットフォームを備えた1つのチャンバーのみを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、各々が1つのプラットフォームのみを備えた2つのチャンバーを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、各々が2つ以上のプラットフォームを備えた2つのチャンバーを含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、プラットフォームは、第1の区画と、第1の区画とは別個の第2の区画と、を備える。いくつかの実施形態では、第1の区画は、生物学的流体を格納する容器(たとえば、複式容器アセンブリの容器)を照射のための位置に保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の区画は、生物学的流体を格納しない容器(たとえば、複式容器アセンブリの容器)を照射のためではない位置に保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、少なくとも第1の生物学的流体を備えた第1の容器と、第2の生物学的流体を備えた第2の容器とを別個に保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、照射に使用される光のピーク波長の100nm以内の波長(たとえば、75nm、50nm、40nm、30nm、20nm)の光に対して透明である(たとえば、実質的に透明であり、95%超透明であり、90%超透明であり、80%超透明であり、80%超透明である)。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、紫外線光(たとえば、UV-A、UV-B、及び/またはUV-C)に対して透明である(たとえば、実質的に透明であり、95%超透明であり、90%超透明であり、80%超透明であり、80%超透明である)
【0053】
図2Aは、生物学的流体を処理するための例示的なシステム200を示している。いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、システム200は、システム100と実質的に同様である。電源スイッチ210は、電源スイッチ110に対応することができる。ディスプレイ220はディスプレイ120に対応することができる。プラットフォーム240及び250は、プラットフォーム140及び150にそれぞれ対応することができる。パネル280及び290は、パネル180及び190にそれぞれ対応することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、システム200は、外部スキャナー230を含む。いくつかの実施形態では、システム200の固定位置に一体化されるかまたは埋め込まれたスキャナーに加えて、外部スキャナー230が存在する。図示されるように、外部スキャナー230は、他の要素を収容するハウジングの外部にあり、システム200のプロセッサーに動作可能に連結することができる。いくつかの実施形態では、外部スキャナー230は、ハンドヘルドスキャナーである。外部スキャナー230は、
図2Aに無線接続で示されているが、外部スキャナー230は、有線接続を使用して動作可能に連結することができる。
【0055】
図2Aに示されるように、プラットフォーム240及び250は、
図1において閉位置にあるプラットフォーム140及び150とは対照的に、開位置において引き出し構成にある。プラットフォーム240とプラットフォーム250との両方が、
図2Aにおいて引き出し構成で開いているものとして図示されているが、引き出し構成にある一方のプラットフォームが一度に開くこともできる(たとえば、他の一方は閉じたままである)。
【0056】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム240及び250に関連付けられている第1のパネル280及び第2のパネル290は、いずれのハンドルも欠いている。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、開く方向と反対の力を適用することによって開くことができる(たとえば、パネルの外部を押して、パネルを開くために解放するプッシュラッチに係合させる)。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、パネルを作動させるために(たとえば、ヒンジ式ドアとして、引き出し構成のプラットフォームの一部として)、機械的構成要素(たとえば、モーター、サーボ)を使用して開くことができる。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザーが、パネルを開くことによって(たとえば、ばね機構によって)プラットフォームの内容物にアクセスすることを可能にし、ユーザーが、プラットフォームをさらに手動で摺動して引き出すことを可能にすることができる。たとえば、処理手順が開始または完了しているという決定に従って、システムは、1つ以上の生物学的流体容器(たとえば、処理バッグ)を載せたり降ろしたりするための処理に対応する1つ以上のパネルを機械的に開くことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、プラットフォームは、本明細書に記載される区画と実質的に同様の区画260を含む。
図2Aは、1つの区画が可視であるようにプラットフォームを示している(たとえば、開位置にある引き出し構成のプラットフォームの場合)が、システム200のプラットフォームの各々は、適用の範囲から逸脱することなく、任意の数の区画を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、パネルはハンドルを含むことができる。
図2Bは、プラットフォーム250に関連付けられているパネルを、パネルに物理的に連結された突出ハンドル270を有するものとして示している。
図2Cは、プラットフォーム250に関連付けられているパネルを、パネルの一部である凹状のハンドル270を有するものとして示している。いくつかの実施形態では、ハンドルの有無にかかわらず、
図2A~
図2Cに示されるように、パネルは、隣接する構造体(たとえば、隣接するパネル(複数可)、隣接する外部ハウジングのフレームなど)と同一平面または実質的に同一平面であり得る。
【0059】
図3Aは、生物学的流体を処理するための例示的なシステム300を示している。いくつかの実施形態では、システム300は、システム100と実質的に同様であるが、処理チャンバー及びプラットフォームが垂直に配設されているという違いがある。電源スイッチ310は、電源スイッチ110に対応することができる。ディスプレイ320は、ディスプレイ120に対応することができる。スキャナー330は、スキャナー130に対応することができる。プラットフォーム140及び150が水平に配設されたシステム100とは対照的に、プラットフォーム340及び350は、第1のプラットフォーム上及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が並列の平面上にあるように、垂直に配設されている。また、パネル180及び190が水平に配設されているシステム300とは対照的に、パネル380及び390は垂直に配設されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、システム300は、空気通気口を含むことができる。
図3Bは、空気通気口385及び395をそれぞれ備えたパネル380及び390を示している。この空気通気口385及び395は、1つ以上の空気入口(たとえば、空気取り入れ口)を提供することができ、それを通して、たとえば、冷却もしくは熱放散、または他の温度制御機能を提供するために、空気をシステム300に引き込むことができる。この空気通気口385及び395は、1つ以上の空気出口を提供することができ、それを通して、たとえば、冷却もしくは熱放散または他の温度制御機能を提供するために、空気をシステム300から排出することができる。たとえば、システム300内の1つ以上のファンの動作によって、空気をシステム300に引き込み、及び/またはシステム300から排出することができる。この空気通気口385及び395は、通気孔(たとえば、円形通気孔)として示されているが、これに限定されず、任意の変化形または変化形の組み合わせ、たとえば、水平通気口、垂直通気口、格子、楕円形通気孔、長方形もしくは正方形通気孔、多角形通気孔、またはそれらの任意の組み合わせなどとして具体化することができる。この空気通気口385及び395は、パネルの領域の大部分を占めるものとして示されているが、これに限定されず、任意の変化形または変化形の組み合わせ、たとえば、パネルの領域のすべてを占めるもの、パネルの領域の一部を占めるもの、別個の水平方向の通気ストリップ、別個の垂直方向の通気ストリップ、円形または楕円形通気ストリップ、長方形または正方形通気ストリップ、多角形通気ストリップ、またはそれらの任意の組み合わせなどとして具体化することができる。この空気通気口385及び395は、パネルの位置に限定されるものではないが、他の位置(たとえば、パネルの追加または代替えとして)、たとえば、例として、ハウジングの一部として、ハウジングの前側またはその近く(たとえば、パネルの上、下、または隣)に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、空気通気口の有無にかかわらず、
図3A~
図3Bに示されるように、パネルは、隣接する構造体(たとえば、隣接するパネル(複数可)、隣接する外部ハウジングのフレームなど)と同一平面または実質的に同一平面であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、システム300は、1つ以上のアクセスパネル(たとえば、前側アクセスパネル、側面アクセスパネル、上側アクセスパネル)を含んでもよく、それらを通して、保守またはサービス担当者がアクセスし、次いでシステム300の内部構成要素または構造体の保守またはサービスを実施することができる。
図3Bは、外部ハウジングの側面に位置付けられた、システム300の例示的な側面アクセスパネル302を示している。側面アクセスパネル302は、任意の方法で、たとえば、垂直ヒンジ(たとえば、側面アクセスパネル302の後側垂直縁部に位置付けられている)、水平ヒンジ(たとえば、側面アクセスパネル##の上部または下部に位置付けられている)、留め具(たとえば、側面アクセスパネルを所定の位置に保持するねじ)などで開くことができる。側面アクセスパネル302は、
図3Bに示される2本の水平線の間の領域を包含するものとして示されているが、これに限定されず、任意の変化形または変化形の組み合わせなど、たとえば、外部ハウジングの側面全体を包含するもの、外部ハウジングの側面の一部分を包含するもの、複数の側面アクセスパネル(たとえば、各処理チャンバーに1つ)を包含するものなどとして具体化することができ
【0062】
図4Aは、生物学的流体を処理するための例示的なシステム400を示している。いくつかの実施形態では、システム400は、
図3に示されるように、システム300と実質的に同様である。電源スイッチ410は、電源スイッチ310に対応することができる。ディスプレイ420は、ディスプレイ320に対応することができる。スキャナー430は、スキャナー330に対応することができる。プラットフォーム440及び450は、プラットフォーム340及び350にそれぞれ対応することができる。パネル480及び490は、パネル380及び390にそれぞれ対応することができます。
【0063】
図示されるように、プラットフォーム440は、
図3においてプラットフォーム340が閉位置にあるのとは対照的に、
図4Aの開位置において引き出し構成にある。
図4Aにおいて、1つのプラットフォームが引き出し構成で開いているものとして示されているが、引き出し構成の両方のプラットフォームが同時に開くことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム440及び450に関連付けられている第1のパネル480及び第2のパネル490は、いずれのハンドルも欠いている。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、開く方向と反対の力を適用することによって開くことができる(たとえば、パネルの外部を押して、パネルを開くために解放するプッシュラッチに係合させる)。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、パネルを作動させるために(たとえば、ヒンジ式ドアとして、引き出し構成のプラットフォームの一部として)、機械的構成要素(たとえば、モーター、サーボ)を使用して開くことができる。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザーが、パネルを開くことによって(たとえば、ばね機構によって)プラットフォームの内容物にアクセスすることを可能にし、ユーザーが、プラットフォームをさらに手動で摺動して引き出すことを可能にすることができる。たとえば、処理手順が開始または完了しているという決定に従って、システムは、1つ以上の生物学的流体容器(たとえば、処理バッグ)を載せたり降ろしたりするための処理に対応する1つ以上のパネルを機械的に開くことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、プラットフォームは、本明細書に記載される区画と実質的に同様の区画460A及び460Bを含む。
図4Aは、2つの区画を有するものとしてプラットフォームを示しているが、システム400内のプラットフォームの各々は、適用の範囲から逸脱することなく、任意の数の区画を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、パネルはハンドルを含むことができる。
図4Bは、プラットフォーム440に関連付けられているパネルを、パネルに物理的に連結された突出ハンドル470を有するものとして示している。
図4Cは、プラットフォーム440に関連付けられているパネルを、パネルの一部である凹型ハンドル470を有するものとして示している。いくつかの実施形態では、ハンドルの有無にかかわらず、
図4A~
図4Cに示されるように、パネルは、隣接する構造体(たとえば、隣接するパネル(複数可)、隣接する外部ハウジングのフレームなど)と同一平面または実質的に同一平面であり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、システム400は、照射による生物学的流体の処理中に生物学的流体を撹拌するための撹拌機能を提供することができる。撹拌は、たとえば、生物学的流体中の化合物(たとえば、光化学化合物、病原体不活性化化合物)の混合を提供することによって、または生物学的流体の成分(たとえば、血小板、細胞)を懸濁状態に維持することによって、処理を促進することができる。システム400は、
図4A~
図4Iの構造要素を介して撹拌機能を提供することができる。たとえば、第1のプラットフォーム440は、外側領域及び内側領域を含み得る。外側領域は、たとえば、外側領域が外側レールまたはトラック462を介して第1の(上部)処理チャンバーの中及び外に摺動可能に移動するときに、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネル480を備え得る。閉位置において、第1のパネル480は、第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆う。開位置において、第1のパネル480は、第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わない。外側領域はまた、内側領域を構造的に支持する第1の支持構造体を含み得、たとえば、外側領域は、内側領域の区画460A及び460Bを構造的に支持する内側レールまたはトラック464を含み得る。
図4Aにおいて、区画460A及び460Bの側壁の突出構造体は、内側レールに適合することができ、いくつかの実施形態では、区画460A及び460Bの縁部が内側レール及び外側レール上にリップを形成する。内側領域は、外側領域が固定位置にある期間中に、第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成されてもよい。たとえば、システム400は、区画460A及び/または460B内の第1の生物学的流体を照射している間、第1のパネル480を含む外側領域は、閉位置に固定され得るが、内側領域は、第1の生物学的流体を撹拌するために移動し得る。第1のパネル480と外側レール462とは両方とも、外側領域の構造体の一部であり得るが、第1のパネル480は、区画460A及び460Bに取り付けられなくてもよい。第1のパネル480が第1のプラットフォーム440の外側領域の構造体の一部である場合、第1のパネル480は、外側領域構造体と(たとえば、1つの単一に形成された部品に)一体化されるか、または外側領域構造体に(たとえば、別個に形成された部品として)取り付けられてもよい。
【0068】
内側領域の移動は、1つ以上のモーターまたはサーボによって生成される動きに基づいていてもよい。たとえば、外側領域は、動きを生成するように構成された1つ以上の電気モーターを備えてもよい。内側領域は、区画460A及び/または460B内の第1の生物学的流体を、この生成された動きに基づいて撹拌するように構成されてもよい。システム400は、内側領域の動きの1つ以上の態様、たとえば、オフセット(すなわち、撹拌中の往復(線形、前後方向など)運動のストローク長)、速度、加速、及び減速を制御する(たとえば、調整可能に制御する)ように構成されてもよい。内側領域の動きは、前方及び後方(たとえば、外側領域の内側レールに沿って)であってもよく、または他の方向への動きを包含してもよい。いくつかの実施形態では、システム400は、較正(たとえば、光源アレイの較正)の目的でその位置を変化させるように、内側領域の動きを制御するように構成されてもよい。
【0069】
1つ以上のモーターまたはサーボは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォーム440によって保持されるべき場所の前側または後側の位置に位置付けられてもよい。たとえば、電気モーターは、第1のパネル480と区画460Bとの間の区画460Bの前の位置にあってもよい。別の例として、電気モーターは、システム400内の区画460Aの後側の位置にあってもよい。さらに別の例として、電気モーターは、第1のパネル480と区画460Bとの間の区画460Bの前の位置にあってもよく、一方、別の電気モーターは、システム400内の区画460Aの後側の位置にあってもよい。
【0070】
図4D~
図4Fは、1つ以上のモーターまたはサーボが、第1の生物学的流体が第1のプラットフォーム440によって保持されるべき場所の前側または後側の位置に位置付けられてもよい別の実施形態を示している。この実施形態では、第1のプラットフォーム440の外側領域は、内側領域(たとえば、内側領域の区画の縁部)と接触する内側レールまたはトラック464を介して内側領域を構造的に支持する第1の支持構造体を備え、縁部の上の、下の、及び/または縁部に隣接する構造的支持を提供する。この実施形態では、1つ以上のモーターまたはサーボ466、468は、区画の前側(たとえば、第1のパネル480の裏側、第1のパネル480内など)及び/または区画の後側(たとえば、区画460Aの後側の位置にある第1のプラットフォーム440の外側領域)に位置付けられてもよい。
図4D~
図4Fは、この実施形態を、撹拌または較正中に内側領域が異なる位置にある状態で示している。
図4Dは、撹拌中に内側領域が第1のパネル480の近くにまたはそれに隣接して配置されたときの位置を示している。
図4Eは、撹拌中に、内側領域が第1のパネル480から離れる方向に内側レールに沿って後方に移動して中間位置になったときの位置を示している。
図4Eは、撹拌中に、内側領域が第1のパネル480から離れる方向に内側レールに沿ってさらに後方に移動して最後部位置に移動したときの位置を示している。撹拌または較正中に、外側領域は位置が固定されていてもよいが、内側領域は、前方及び後方に
図4D~
図4Fに示される位置を通って移動し得る。
【0071】
1つ以上のモーターまたはサーボは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォーム440によって保持される場所の右側または左側の位置に位置付けられ得る。たとえば、電気モーターは、右外側レールと区画460A(または460B)との間の区画460A(または460B)の右側の位置にあり得る。別の例として、電気モーターは、左外側レールと区画460A(または460B)との間の区画460A(または460B)の左側の位置にあり得る。さらに別の例として、電気モーターは、右外側レールと区画460A(または460B)との間の区画460A(または460B)の右側の位置にあってもよく、一方、別の電気モーターは、左外側レールと区画460A(または460B)との間の区画460A(または460B)の左側の位置にあり得る。
【0072】
図4G~
図4Iは、1つ以上のモーターまたはサーボ465が、第1の生物学的流体が第1のプラットフォーム440によって保持されるべき場所の左側の位置に位置付けられてもよい別の実施形態を示している。この実施形態では、第1のプラットフォーム440の外側領域は、内側領域(たとえば、内側領域の区画の縁部)と接触する内側レールまたはトラック464を介して内側領域を構造的に支持する第1の支持構造体を備え、縁部の上の、下の、及び/または縁部に隣接する構造的支持を提供する。内側領域の区画の左側で、外側領域は、1つ以上のモーターまたはサーボを収容する比較的広い構造体を備える。
図4G~
図4Iは、この実施形態を、撹拌または較正中に内側領域が異なる位置にある状態で示している。
図4Gは、撹拌中に内側領域が第1のパネル480の近くにまたはそれに隣接して配置されたときの位置を示している。
図4Hは、撹拌中に、内側領域が第1のパネル480から離れる方向に内側レールに沿って後方に移動して中間位置になったときの位置を示している。
図4Iは、撹拌中に、内側領域が第1のパネル480から離れる方向に内側レールに沿ってさらに後方に移動して最後部位置に移動したときの位置を示している。撹拌または較正中に、外側領域は位置が固定されたままであってもよいが、内側領域は、前方及び後方に
図4G~
図4Iに示される位置を通って移動し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、システム400は、照射による生物学的流体の処理中に生物学的流体を撹拌するための撹拌機能を、第2のプラットフォーム450を介して提供することができる。第2のプラットフォーム450は、第1のプラットフォーム440の撹拌機能に関する上記の教示と同様の教示を実施することができる。たとえば、第2のプラットフォーム450は、外側領域及び内側領域を含み得る。外側領域は、たとえば、外側領域が外側レールを介して第2の(下部)処理チャンバーの中及び外に摺動可能に移動するときに、閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネル490を備え得る。閉位置において、第2のパネル490は、システム400への第2の開口部、すなわち、第2の処理チャンバーへの開口部を覆っている。開位置において、第2のパネル490は、第2の開口部、すなわち、第2の処理チャンバーへの開口部を覆っていない。外側領域はまた、内側領域を構造的に支持する第2の支持構造体を含み得、たとえば、外側領域は、内側領域の区画を構造的に支持する内側レールまたはトラックを備え得る。内側領域は、外側領域が固定位置にある期間中に第2の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成されてもよい。たとえば、システム400が内側領域の区画内の第2の生物学的流体を照射する間、第2のパネル490を含む外側領域は閉位置に固定されてもよいが、内側領域は、第2の生物学的流体を撹拌するために移動していてもよい。第2のパネル490と第2のプラットフォーム450の外側レールは両方とも、第2のプラットフォーム450の外側領域の構造体の一部であり得るが、第2のパネル490は、内側領域の区画に取り付けられなくてもよい。第2のパネル490が第2のプラットフォーム450の外側領域の構造体の一部である場合、第2のパネル490は、外側領域構造体と(たとえば、1つの単一に形成された部品に)一体化されるか、または外側領域構造体に(たとえば、別個に形成された部品として)取り付けられてもよい。第2のプラットフォーム450の外側領域は、動きを生成し、それによって内側領域の動きを提供するように構成された1つ以上の電気モーターまたはサーボを備え得る。いくつかの実施形態では、システム400は、較正(たとえば、光源アレイの較正)の目的でその位置を変化させるように、第2のプラットフォーム450の内側領域の動きを制御するように構成されてもよい。
【0074】
図4Jは、システム400の内部の側面図を示している。上部にあるこの側面図は、ディスプレイ420(たとえば、タッチスクリーン)ならびに制御回路及び/またはコンピューターシステムを含む上側ステージを示している。下に移動すると、第1のプラットフォーム440の上に位置付けられ、かつそれに面している第1の光源アレイ406があり、第1のプラットフォーム440上に配置された第1の生物学的流体を照射するように、第1の処理チャンバー内で光を下に照らすように配向された光源を備える。下に移動すると、第1のプラットフォーム440の上に位置付けられて、それに面する第2の光源アレイ408があり、第1のプラットフォーム440上に配置された第1の生物学的流体を照射するように、第1の処理チャンバー内で光を上に照らすように配向された光源を備える。下に移動すると、第2のプラットフォーム450の上に位置付けられて、それに面する第3の光源アレイ416があり、第2のプラットフォーム450上に配置された第2の生物学的流体を照射するように、第2の処理チャンバー内で光を下に照らすように配向された光源を備える。下部には、第2のプラットフォーム450の下に位置付けられて、それに面する第4の光源アレイ418があり、第2のプラットフォーム450上に配置された第2の生物学的流体を照射するように、第2の処理チャンバー内で光を上に照らすように配向された光源を備える。照射がプラットフォームの下から来るいくつかの実施形態では、そのプラットフォームの下部(たとえば、生物学的流体(複数可))のためのその区画の下部)は、照射がそのプラットフォームの生物学的流体(複数可)に到達することができるように、その照射に対して透明であってもよい。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、照射に使用される光のピーク波長の100nm(たとえば、75nm、50nm、40nm、30nm、20nm)以内の波長を有する光に対して透明である(たとえば、全体的または部分的に透明であり、少なくとも85%透明であり、生物学的流体を処理するために十分に透明であり、所望の処理結果を達成するために十分に透明である)。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、紫外線光(たとえば、UV-A、UV-B、及び/またはUV-C)に対して透明である(たとえば、全体的または部分的に透明であり、少なくとも85%透明であり、生物学的流体を処理するために十分に透明であり、所望の処理結果を達成するために十分に透明である)。
【0075】
電気モーター(複数可)またはサーボ(複数可)に電力を提供し、及び/またはこれを制御するための電気配線は、外側領域の内側にまたはそれに沿って、たとえば、内側レールの内側、または(内部または外部)側壁に沿って、または外側領域の上面もしくは下面に位置付けられてもよい。プラットフォームの区画の外側(たとえば、プラットフォームの内側領域の外側)の電気配線のためのそのような位置は、区画に上または下から光を照らす光源アレイからの照射を遮ることを回避する。
【0076】
いくつかの実施形態では、システム400の1つ以上のプラットフォームは各々、
図4Kに示されるように、1つ以上の取り外し可能な内側領域部分を提供する内側領域アセンブリ461を含み得る。内側領域アセンブリ461は、1つ以上の取り外し可能な部分463(たとえば、トレイ、ウェル、プレート、ステージなどの形態で)及び1つ以上の取り外し可能な部分463を受容するための内側領域のクレードル467部分を含み得る。取り外し可能な部分463は、本明細書で提供される光源アレイ(たとえば、紫外線光、UV-A、UV-B、及び/またはUV-C)、たとえば、ガラス、Plexiglas(登録商標)(たとえば、Plexiglas(登録商標)G-UVT)によって放出される光(たとえば、光のピーク波長)に対して、全体的または部分的に透明である(たとえば、少なくとも85%透明であり、生物学的流体を処理するために十分に透明であり、所望の処理結果を達成するために十分に透明である)材料で作製された区画床469を備えた後部区画460Aを含み得る。区画床469自体は、交換可能及び/または清掃可能であるように、後側区画460Aから取り外し可能であり得る。後側区画469は、容器の上及び/または下からの照射のために1つ以上の位置に1つ以上の生物学的流体を格納する1つ以上の容器を保持するように構成され得る。前側区画460Bは、1つ以上の他の容器を保持するように構成され得るが、照射のための位置にはない。前側区画及び後側区画の容器はすべて、複式容器アセンブリの一部である場合があり得る。クレードル467は、1つ以上の取り外し可能な部分463を安定した位置及び望ましい方向に位置合わせして保持することができる。クレードル467は、プラットフォームの外側領域によって、たとえば、例として、プラットフォームの外側領域に含まれる内側レールまたはトラック464に、またはその中に支持することができる。1つ以上のモーターまたはサーボ468は、プラットフォーム(たとえば、プラットフォームの外側領域)にまたはその上に装着され、後側区画##の後側に位置付けられてもよい。1つ以上のモーターまたはサーボ468は、クレードル467に物理的に連結されてもよく、クレードル467を前後に(たとえば、プラットフォームの外側領域の内側レールまたはトラック464に沿って)移動させて、プラットフォーム上で保持された生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)を撹拌してもよい。1つ以上のモーターまたはサーボ468は、任意の好適な撹拌設計(たとえば、1つ以上のモーターまたはサーボがクレードルに取り付けられた親ねじを移動させる親ねじ設計、1つ以上のモーターまたはサーボがクレードルに取り付けられた1つ以上のトラックに係合し、これを移動させる1つ以上のギア(たとえば、歯を備えたギア)を回転させる1つ以上のベルトを移動させるベルト駆動設計)の一部であってもよく、制御回路に電気的に接続された電気配線からの制御信号に基づいて動作してもよい。いくつかの実施形態では、撹拌速度は、調整可能であってもよい(たとえば、異なる処理の間に異なる速度を有するように調整され、単一の処理の間に異なる速度を有するように調整され、所定の速度計画に基づいて調整され、リアルタイムでのユーザーの入力に基づいてリアルタイムで動的に調整される)、そのような制御回路は、制御回路のソフトウェア及び/またはハードウェアとして実装された制御プログラムに基づいて、1つ以上のモーターまたはサーボ468を制御し得る。外側レールまたはトラック462は、プラットフォームの外側領域の構造体の一部であってもよく、外側領域は、外側レールまたはトラック462を介して、プラットフォームの処理チャンバーの中及び外に摺動可能に移動し得る。プラットフォームのセンサーとしては、たとえば、プラットフォームが閉位置にあるか、及び/または係止/ラッチされているか否かを検知するためのプラットフォーム位置/係止/ラッチセンサー、内側レールまたはトラック464に沿ったクレードルの位置を検知するためのクレードル位置センサー、1つ以上の取り外し可能な内側領域部分がクレードル内にあるか否かを検知するための取り外し可能な内側領域部分センサー、1つ以上の位置(たとえば、後側区画460Aの位置、前側区画460Bの位置、1つ以上のモーターまたはサーボ468の位置(複数可))においてプラットフォームの温度またはプラットフォーム上で保持されている生物学的流体の温度を検知するための温度センサー(複数可)、プラットフォーム上で保持されている生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)の存在及び/または重量を検知するためのセンサー(複数可)などが含まれる。
【0077】
図4Lは、
図4Kに示されるプラットフォームの後面斜視図を示している。この後面斜視図では、プラットフォームの前側パネルの裏側が示されている。前側パネルの内側で、前側パネルは、流入する空気を濾過することができる空気フィルター474を含み得る、フィルター区画472を含み得る。フィルター区画472は、空気フィルター474を交換可能及び/または掃除可能にすることができるようにアクセス可能であり得る。
図4Lは、プラットフォーム(たとえば、プラットフォームの外側領域)にまたはその上に装着され、かつ後側区画460Aの後方に位置付けられた1つ以上のモーターまたはサーボ468を示している。1つ以上のモーターまたはサーボ468は、内側領域のクレードル467に(たとえば、親ねじによって、ベルト及びギアならびにトラックによって)物理的に連結され、クレードル467を前後に(たとえば、プラットフォームの外側領域の内側レールまたはトラック464に沿って)移動させて、後側区画460Aにあるときに生物学的流体を撹拌してもよい。
図4Lは、プラットフォームの外側領域の構造体に物理的に連結されたプラットフォーム係止アセンブリ476を示している。プラットフォーム係止アセンブリが係止解除状態にあるときに、前側パネルは開かれてもよく、外側領域は、外側レールまたはトラック462を介して、処理チャンバーの中及び外に摺動可能に移動することができる。プラットフォーム係止アセンブリが係止状態にあるとき、プラットフォーム係止アセンブリは係止機構と係合して、前側パネルが開いて外側領域が移動可能になることを防ぐ。いくつかの実施形態では、係止機構は、モーターベース(たとえば、外側領域または前側パネルに物理的に連結されたモーター/サーボを係止して、外側領域が移動できないようにする)、ラッチベース(たとえば、剛性部材(たとえば、ラッチまたはピンもしくはフック)を移動させて、外側領域または前側パネルに物理的に連結された受容構造体(たとえば、スロットまたは孔もしくは溝)に係合させて、外側領域が移動できないようにする)、磁気ベース(たとえば、電磁石(複数可)を係合して、プラットフォームの外側領域の構造体及びシステム100の固定構造体を一緒に磁気的に保持する(電磁石は、プラットフォームの外側領域の構造体またはシステム100の固定構造体またはその両方に位置付けられていてもよい))などであり得る。
図4Lは、プラットフォームの外側領域の外側レールまたはトラック462を支持することができる固定構造体によって支持された、プラットフォームの横側面(たとえば、プラットフォームの外側領域の横側面)を示している。
【0078】
システムは、
図1~
図4Lにおいて、水平または垂直に配設されたプラットフォームを有するものとして示されているが、示されたプラットフォームの配設は限定的なものではない。たとえば、4つの処理チャンバーのプラットフォーム及び/または4つのプラットフォームシステムは、2行2列のアレイに配設され得る。
【0079】
上記の
図1~
図4L及び下記の
図9A~
図9Fにおいて、一般に、システムフォームファクタ、ユーザーインターフェース要素、ハウジング構成、及び処理チャンバー構成に関する教示を対象としている。
図1~
図4L及び
図9A~
図9Fのすべてのシステムは、照射によって生物学的流体を処理することができる。
図1~
図4L及び
図9A~
図9Fのシステムでは、それらの照射機能(たとえば、光源アレイ、光源チャネル、ピーク波長、光強度、光の種類、スペクトルバンド幅)に関するさらなる詳細は、
図5~
図8及び下記の対応する開示を通じて提供される。
【0080】
図5は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム500の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム500は、
図1に示されているように、システム100と実質的に同様である。生物学的流体を処理するための例示的なシステム500は、1つ以上の生物学的流体510を受容するための第1の処理チャンバー502及び第2の処理チャンバー504と、1つ以上の生物学的流体510を照射する(たとえば、下に配置され、生物学的流体(複数可)に向かって上方を照射する)ように配置された光源アレイ506と、を含む。いくつかの実施形態では、光源アレイ506は、1つ以上の生物学的流体510を照射するように配置されたチャンバー502及び504内の唯一の光源を備え得る。
図7に関して以下に記載される他の実施形態では、複数の光源アレイは、チャンバー502及び504の様々な実施形態に配置された1つ以上の生物学的流体を照射するために使用され得る(たとえば、垂直に(互いの上及び下に)配置された2つの光源アレイ、
図7の1つ以上の生物学的流体を照射するために使用される各光源アレイ)。本明細書に記載されるように、「光源アレイ」は、任意の2次元または3次元の表面(たとえば、連続表面、非連続表面)上に配設された1つ以上の光源を意味する。
【0081】
1つ以上の光源チャネルが、本開示の光源アレイに含まれ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の光源チャネル508が、光源アレイ506に含まれる。特定の光源は特定の光源チャネルに属するものとして示されているが、光源の異なる組み合わせが異なる光源チャネルを形成し得ることが理解される。各光源チャネル508は、実質的に同じ波長(たとえば、ピーク波長、最大ピーク波長)を有する1つ以上の光源のセットであり得る。例示的なセットにおいて、1つの光源は、1つのピーク波長を有し得る。別の例示的なセットでは、2つの光源は、互いに同じピーク波長を有し得る。さらに別の例示的なセットでは、複数の光源の各々は、互いに異なるピーク波長を有し得る。さらなる例示的なセットでは、1つ以上の光源の第1のサブセットは、1つのピーク波長を有し得、1つ以上の光源の第2のサブセットは、異なるピーク波長を有し得る。複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべては、それぞれのピーク波長(たとえば、最大ピーク波長)を有し得、これは、すべてが光源チャネルの波長範囲内である(たとえば、1~20nm、1~10nmの範囲、たとえば、特定の波長を1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、またはそれを超えて、上回る及び/または下回る)。たとえば、いくつかの実施形態では、複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべてが、本開示に記載される範囲内、たとえば、例として、約315nm~約350nm(たとえば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm)のピーク波長を有し得る。光源チャネルにおいて、各光源は、望ましい特性(たとえば、ピーク波長、最大ピーク波長、スペクトルバンド幅)の光を提供する任意の光源であり得、これには、ソリッドステート照射(SSL)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、及びレーザーダイオードが含まれるが、これらに限定されない。光源アレイの光源チャネルは、直列回路、並列回路、または直列回路と並列回路との組み合わせで接続することができる。複数の光源を有する光源チャネルにおいて、それらの光源は、一緒にまたは別々に制御することができる。
【0082】
各光源チャネルは、1つ以上のピーク波長の光が生物学的流体の1つ以上の部分に適用される異なる強度で光を放出するように調整または設定する(たとえば、光の線量を調整する、エネルギーの線量を調整する)ことができる。たとえば、各光源チャネルは、最大強度(たとえば、100%)、または最大よりも低い強度(たとえば、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、またはそれより低い)で光を放出し得る。
【0083】
各光源チャネルは、様々な種類の光を放出し得る。たとえば、各光源チャネルは、紫外線光、紫外線A光、紫外線B光、紫外線C光、及び/または可視光を放出し得る。さらに、各光源チャネルは、様々なピーク波長の光を放出し得る。たとえば、放出されるピーク波長(複数可)は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)、または可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にあり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長(複数可)は、約240nm~約250nm、約245nm~約255nm、約250nm~約260nm、約255nm~約265nm、約260nm~約270nm、約265nm~約275nm、約270nm~約280nm、または約275nm~約285nmの間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長(複数可)は、約280nm~約290nm、約285nm~約295nm、約290nm~約300nm、約300nm~約310nm、約305nm~約315nm、または約310nm~約320nmの間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長(複数可)は、約315nm~約325nm、約320nm~約330nm、約325nm~約335nm、約330nm~約340nm、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約345nm~約355nm、約350nm~約360nm、約355nm~約365nm、約360nm~約370nm、約365nm~約375nm、約370nm~約380nm、約375nm~約385nm、約380nm~約390nm、約385nm~約395nm、約390nm~約400nmの間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約240nm、約245nm、約250nm、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、約300nm、約305nm、約310nm、約315nm、約320nm、約325nm、約330nm、約335nm、約340nm、約345nm、約350nm、約355nm、約360nm、約365nm、約370nm、約375nm、約380nm、約385nm、約390nm、約395nm、または約400nmであり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約255nm~約275nm(たとえば、約260nm~約270nmの間、約265nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約275nm~約295nm(たとえば、約280nm~約290nmの間、約285nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約300nm~約320nm(たとえば、約305nm~約315nmの間、約310nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約315nm~約335nm(たとえば、約320nm~約330nmの間、約325nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nmの間、約340nm~約350nmの間、約340nm、約345nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約355nm~約375nm(たとえば、約360nm~約370nmの間、約365nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、約375nm~約395nm(たとえば、約380nm~約390nmの間、約385nm)の間であり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、(1)紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)、及び(2)紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)または紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)にあり得る。いくつかの実施形態では、放出されるピーク波長は、紫外線Aスペクトル、約315nm~約350nm(たとえば、約320nm~約345nmの間、約315nm~約335nmの間、約330nm~約350nmの間、約340nm~約350nmの間)の間にあり得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、光源アレイのすべての光源チャネルは、ほぼ同じ(たとえば、変動範囲±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、±5nm、±6nm、±7nm、±8nm、±9nm、±10nm以内)ピーク波長(たとえば、最大ピーク波長)の光を放出し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、光源アレイのすべての光源チャネルは、325±10nm、330±10nm、335±10nm、340±10nm、325±5nm、330±5nm、335±5nm、340±5nm、345±5nm、345±4nm、345±3nm、または345±2nmのピーク波長の光を放出し得る。光源チャネルは、ある変動性範囲内の異なるピーク波長(たとえば、測定されるピーク波長)を有する複数の光源を含み得る。いくつかの実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均のピーク波長は、単一の光源チャネル内の特定の光源の特定のピーク波長と同じであり得る。他の実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均のピーク波長は、単一の光源チャネル内の各光源のすべての特定のピーク波長とは異なっていてもよい(たとえば、約1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、またはそれを上回って高いかまたは低い)。いくつかの実施形態では、いくつかの光源チャネルは、第1のピーク波長の光を放出し得、他の光源チャネルは、第2のピーク波長の光を放出し得る。第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る。たとえば、非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約315nm~約335nmの間、約330nm~約350nmの間、約340nm~約350nmの間)にあるピーク波長を有する光を放出し得、第2の光源チャネルは、紫外線Cスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約250nm~約260nmの間、約260nm~約270nmの間)または紫外線Bスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約305nm~約315nmの間)にあるピーク波長を有する光を放出し得る。別の非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約330nm~約350nmの間、約340nm~約350nmの間)にあるピーク波長を有する光を放出し得、第2の光源チャネルは、同様に紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約315nm~約335nmの間、約355nm~約375nmの間)にあるピーク波長を有する光を放出し得る。いくつかの実施形態では、第1のピーク波長は、第1の光源チャネルの1つ以上の光源の平均ピーク波長である。いくつかの実施形態では、光源アレイは、各々が第1、第2、及び第3のピーク波長の光をそれぞれ放出する、第1、第2、及び第3の光源チャネルを備え得る。いくつかの実施形態では、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る、及び/または第2のピーク波長は、第3のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る。あるいは、第1、第2、及び第3のピーク波長の各々は、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る。いくつかの実施形態では、光源アレイは、各々が第1、第2、第3、及び第4のピーク波長の光をそれぞれ放出する、第1、第2、第3、及び第4の光源チャネルを備え得る。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、及び第4のピーク波長のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つは、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る。あるいは、第1、第2、第3、及び第4のピーク波長の各々は、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれ以上、異なり得る。あるいは、第1のピーク波長は、第3のピーク波長とほぼ同じであってもよく(たとえば、変動範囲±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、±5nmでそれに等しくてもよく)、第2のピーク波長は、第4のピーク波長とほぼ同じであってもよく(たとえば、それに等しくてもよく)、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nm異なってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、各光源チャネルは、狭いスペクトルバンド幅を有する光を放出し得る。たとえば、各光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満であり得る。いくつかの実施形態では、各光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、ピーク波長よりも下10nm以内及び/または上10nm以内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い)。いくつかの実施形態では、各光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、1nmを超える、2nmを超える、3nmを超える、もしくは4nmを超える、またはそれ以上であり得る。他の例では、各光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、ピーク波長の10nm以内、9nm以内、8nm以内、7nm以内、6nm以内、5nm以内、4nm以内、または3nm以内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い;ピーク波長よりも下10nm以内、上10nm以内)。他の例では、各光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満のスペクトル幅内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い;ピーク波長よりも下10nm以内、上10nm以内)。市販入手可能なLED及びレーザーダイオードは、上記に考察されるピーク波長においてそのような狭いスペクトルバンド幅の照射を提供することができる光源の非限定的な例である。
【0086】
いくつかの実施形態では、発光のピーク波長、発光のスペクトルバンド幅、発光の期間、及び各光源チャネル508の発光の強度のうちの1つ以上を調整または設定することができる。
【0087】
これらの様々な光源チャネルパラメーターの調整は、処理チャンバー502及び504、光源アレイ506及び/またはコンピューターシステム524に動作可能に連結された(たとえば、通信可能に連結された)制御回路520によって実施することができる。本明細書で使用される場合、「動作可能に連結された」とは、2つ以上の構成要素が情報、制御命令、及び/または制御シグナルを交換することを可能にする、2つ以上の構成要素の間の任意の有線または無線接続を指す。以下により詳細に考察されるように、制御回路520は、コンピューターシステム524から制御命令及び/または制御シグナルを受信することができ、制御命令及び/または制御シグナルを処理チャンバー502及び504の様々な構成要素に送信して、チャンバー502及び504の様々な構成要素に関連付けられている様々なパラメーターを調整または設定することができる。チャンバーの処理パラメーターが、1つ以上の生物学的流体510の処理プロファイルに確実に従うように、チャンバー502及び504の様々なパラメーターの調整が望ましい場合がある。いくつかの例では、制御回路520及び/または制御回路520の機能は、コンピューターシステム524内に含まれ得ることが、認識されるはずである。いくつかの例では、制御回路520は、コンピューターシステム524及び/またはコンピューターシステム524の機能を含み得る。いくつかの例では、制御回路520は、処理チャンバー502及び504に構造的に取り付けられ得る(たとえば、外側、上部、及び/または処理チャンバー502及び504の底面に取り付けられる)。いくつかの例では、制御回路520は、処理チャンバー502及び504に構造的に一体化されてもよい(たとえば、処理チャンバー502及び504の内側に位置付けられるか、または処理チャンバー502及び504の構造体の一部を形成していてもよい)。
【0088】
コンピューターシステム524は、制御回路520及び/または本明細書で考察される様々なセンサーのいずれかに動作可能に(有線または無線で)連結することができる。コンピューターシステムは、1つ以上のプロセッサー544(
図7の644、
図7の744)と、メモリー542(
図7の642、
図7の742)と、入力/出力(I/O)インターフェース546(
図7の646、
図7の746)と、ユーザーインターフェース(UI)548(
図6の648、
図7の748)と、を含み得る。1つ以上のプロセッサー544は、任意の種類の汎用コンピュータープロセッサーのうちの1つ以上であり得る。メモリーまたはコンピューター可読媒体542は、容易に利用可能なメモリー、たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光記憶媒体(たとえば、コンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、またはローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの例では、メモリー542の非一時的コンピューター可読記憶媒体は、以下に考察されるように、1つ以上の生物学的流体に、その1つ以上の処理プロファイルに従って照射するための命令を記憶するために使用することができる。コンピューターシステム524は、任意の種類のコンピューター、たとえば、パーソナルコンピューター(PC)、デスクトップコンピューター、ラップトップ、コンピューター端末、サーバコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)などを包含し得る。いくつかの例では、制御回路520及び/または制御回路520の機能は、コンピューターシステム524内に含まれ得る。
【0089】
UI548において、ユーザーは、1つ以上の生物学的流体(たとえば、生物学的流体510)の特徴セットの1つ以上の特徴を入力することができる。代替または追加として、1つ以上の生物学的流体の特徴セットの1つ以上の特徴は、処理チャンバー(たとえば、処理チャンバー502、処理チャンバー504)の1つ以上のセンサーからコンピューターシステム524及び/または制御回路520へのフィードバック入力に基づいて決定されてもよい。生物学的流体の特徴セットの特徴としては、たとえば、生物学的流体の種類(たとえば、血液製剤、たとえば、血漿、血小板、赤血球;細胞、たとえば、真核細胞;タンパク質、たとえば、抗体;ワクチン)、生物学的流体中の光化学物質(たとえば、種類、体積、濃度)、生物学的流体の体積、生物学的流体の光透過性、生物学的流体を保持する容器の種類及び/または形状、ならびに生物学的流体の温度を含むことができる。
【0090】
UI548において、ユーザーは、1つ以上の生物学的流体(たとえば、生物学的流体510)の処理プロファイルを含む、1つ以上のパラメーターを入力することができる。代替または追加として、コンピューターシステム524は、1つ以上の生物学的流体のそれぞれの特徴セットに基づいて、1つ以上の生物学的流体(たとえば、生物学的流体510)の1つ以上の処理プロファイルの1つ以上のパラメーターを自動で決定することができる。具体的には、メモリー542は、生物学的流体の1つ以上の特徴を、各生物学的流体に対して、生物学的流体の処理プロファイルの1つ以上のパラメーターにマッピングする命令を含む、コンピュータープログラムを記憶することができる。生物学的流体の1つ以上の特徴を、各生物学的流体に対して、生物学的流体の処理プロファイルの1つ以上のパラメーターにマッピングする命令は、ユーザープログラム可能な規則のセットとして実装することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、光源アレイ506は、熱交換器528に熱的に連結されてもよい(たとえば、動作可能に結合され、制御回路520によって制御され得るヒートシンク、フィンヒートシンク、熱交換器)。熱交換器528は、1つ以上の生物学的流体510に面するアレイ506から熱エネルギーを奪い、それによって、生物学的流体510の熱エネルギー(たとえば、生物学的機能を損傷し得る熱エネルギー)への曝露を最小限にすることができる。チャンバー502及び504の温度及び/または1つ以上の生物学的流体510の温度のさらなる制御は、制御回路520に動作可能に連結され、それによって制御され得、チャンバー502及び504の温度を調整または設定するように構成され得る、加熱/冷却ユニット526によって提供され得る。加熱/冷却ユニット526は、たとえば、例として、ファン、ヒートポンプ、ペルチェクーラー、及び/またはヒートパイプなど、当該技術分野において公知の任意の好適な技術、またはそのような技術の任意の組み合わせであり得る。加熱/冷却ユニット526は、チャンバー502及び504の外部にあってもよく、内側にあってもよく、及び/またはそれと一体化されていてもよい。たとえば、1つ以上のファンを処理チャンバー(複数可)の後側に配置して、システム500の外部ハウジングの入口を通じて空気を取り込み、外部ハウジングの背面の出口排気口を通じて空気を排出することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、加熱/冷却ユニット526は、加熱ユニットまたは冷却ユニットまたは加熱―冷却ユニットであり得る。加熱/冷却ユニット526の使用を通じて、システム500は、照射による生物学的流体の処理中に、生物学的流体の温度を一定の温度範囲(たとえば、1℃の範囲、2℃の範囲、3℃の範囲など)内に維持するように、加熱/冷却ユニット526を制御することができる。たとえば、熱または温度センサーは、制御回路520に、または制御回路520を介してコンピューターシステム524に温度表示または測定値を提供することができる。制御回路520及び/またはコンピューターシステム524が、温度指示または測定値を、目標温度値またはプロファイルに関連する特定の閾値または条件の交差を示すものとしてプロセシングまたは解釈した場合、制御回路520及び/またはコンピューターシステム524は、チャンバー502または504の温度及び/または1つ以上の生物学的流体510の温度を調整するためのアクションをとるように、加熱/冷却ユニット526に、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。たとえば、制御回路520及び/またはコンピューターシステム524は、冷却を開始するために送風を始めるように、増加した冷却速度を提供するためにより速く送風するように、減少した冷却速度を提供するためにより遅く送風するように、または冷却を停止するために送風を止めるように、1つ以上のファンに、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。照射による生物学的流体の処理中、生物学的流体の温度を一定の温度範囲(たとえば、1℃の範囲、2℃の範囲、3℃の範囲など)内に維持するために、制御回路520及び/またはコンピューターシステム524の制御下で、1つ以上のファンが動作サイクルで動作してもよい。制御回路520及び/またはコンピューターシステム524は、チャンバー502もしくは504の温度及び/または1つ以上の生物学的流体510の温度を調整するためのアクションをとるように、たとえば、例として、ファン、ヒートポンプ、ペルチェクーラー及び/またはヒートパイプなどの当技術分野で公知の任意の他の好適な技術、またはそのような技術の任意の組み合わせに、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、1つ以上のファンは、処理チャンバー(複数可)の後側に位置付けられてもよい。1つ以上のファンは、前から後ろの方向または後ろから前の方向、あるいはその両方に空気を吹き込むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のファンは、空気を取り込んで処理チャンバーを通過させ、システムの後側にある排気口を通して空気を排出することができる。1つ以上のファンへの入口空気は、処理チャンバー(複数可)の前側もしくは側面(複数可)またはその近くにある通気口を通って入ることができ、1つ以上のファンからの出口空気は、処理チャンバー(複数可)の後側にある通気口から出ることができる。
【0094】
処理チャンバー502及び504は、光を吸収するように構成された複数の内部表面(たとえば、各々が光を吸収するように構成されている)、たとえば、例として、ある特定の波長の光を実質的に吸収する材料(たとえば、黒色プラスチック、黒色珪酸塩、黒色塗料)から作製されるかまたはそれがコーティングされた1つ以上の壁をさらに含み得る。代替または追加として、いくつかの実施形態では、処理チャンバー502及び504は、光を反射するように構成された(たとえば、各々が光を反射するように構成された)1つ以上の内部表面、たとえば、例として、ある特定の波長の光を実質的に反射する材料から作製されるかまたはそれがコーティングされた1つ以上の壁をさらに含み得る。
【0095】
処理チャンバー502及び504は、1つ以上の生物学的流体510(たとえば、生物学的流体の容器)を保持するように構成されたプラットフォーム530をさらに備え得る。プラットフォーム530は、生物学的流体または生物学的流体の容器を保持するのに好適な任意の支持体であり得る。プラットフォーム530は、それがチャンバー502及び504の中及び外に手動で摺動可能に移動可能となるような「引き出し構成」で配置することができる。プラットフォーム530は、電気モーターまたはサーボなどの任意の好適なアクチュエーターによって、自動で摺動可能に移動可能であってもよい。生物学的流体510を保持するプラットフォーム530は、光源アレイ506の上に、光源アレイ506がプラットフォーム530に面する状態で配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の生物学的流体を保持するプラットフォーム530は、光源アレイ506の下に、光源アレイ506がプラットフォーム530に面する状態で配置されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、システム500は、処理チャンバー502及び504内に1つ以上のスキャナー532を含む。1つ以上のスキャナー532は、流体が処理のために配置されたときに、生物学的流体510の上に位置付けられてもよい(たとえば、第1の処理チャンバー内のスキャナー532A、第2の処理チャンバー内のスキャナー532B)。図示されるように、1つ以上のスキャナー532(たとえば、スキャナー532C)はまた、システム500の外部(たとえば、外部ハウジング、外面)の第1の処理チャンバーと第2の処理チャンバーとの間に位置付けることもできる。1つ以上のスキャナー532は、本明細書に記載されるスキャナーと実質的に同様であり得る。いくつかの実施形態では、生物学的流体がそれぞれの処理チャンバーに載せられると、それぞれのチャンバー内のそれぞれのスキャナーは、本明細書に記載されるように、生物学的流体に関する識別情報を取得することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスキャナーは、たとえば、例として、生物学的流体がそれぞれの処理チャンバー内に配置される前に、生物学的流体に関する識別情報を取得するために、第1の処理チャンバー502の第1の開口部もしくはその近く、第2の処理チャンバー504の第2の開口部もしくはその近く、または両方のチャンバーの開口部もしくはその近くに配置することができる。
【0097】
各プラットフォーム530A及び530Bは、それぞれ第1の容器(たとえば、可撓性容器、バッグ)及び第2の容器(たとえば、可撓性容器、バッグ)において、第1の生物学的流体510A及び第2の生物学的流体510Bをそれぞれ保持するように構成され得る。各容器は、ある容積容量、たとえば、最大約3000mL、最大約2500mL、最大約2000mL、最大約1500mL、最大約1400mL、最大約1300mL、最大約1200mL、最大約1100mL、最大約1000mL、最大約950mL、最大約900mL、最大約850mL、最大約800mL、最大約750mL、最大約700mL、最大約650mL、最大約600mL、最大約550mL、最大約500mLを有してもよい。
【0098】
図6は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム600の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム600は、
図5に示されるようにシステム500と実質的に同様である。生物学的流体を処理するための例示的なシステム600は、1つ以上の生物学的流体610を受容するための第1の処理チャンバー602及び第2の処理チャンバー604と、1つ以上の生物学的流体610を下から照射するように配置された各チャンバー内の第1の光源アレイ606と、1つ以上の生物学的流体610を上から照射するように配置された各チャンバー内の第2の光源アレイ608と、1つ以上の生物学的流体510(たとえば、生物学的流体の容器)を保持するように構成された各チャンバー内のプラットフォーム630と、処理チャンバーに載せられた生物学的流体の識別情報を取得するように構成されたセンサー(たとえば、スキャナー)632と、を含む。処理チャンバー602及び604の各々内の1つ以上の生物学的流体610の上下に配置された第1の光源アレイ606及び第2の光源アレイ608は、1つ(すなわち、上もしくは下)または2つ(すなわち、両方)のいずれかの方向から生物学的流体を照射することを提供する。
【0099】
システム600は、たとえば、例として、生物学的流体がそれぞれの処理チャンバー内に配置される前に、生物学的流体に関する識別情報を取得するために、第1の処理チャンバー602に関連付けられている位置(たとえば、第1の処理チャンバー602の開口部またはその近く)におけるシステム600の外部(たとえば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー632Aと、第2の処理チャンバー604に関連付けられている位置(たとえば、第2の処理チャンバー604の開口部またはその近く)におけるシステム600の外部(たとえば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー632Bと、を含むことができる。システム600はまた、第1の処理チャンバー602と第2の処理チャンバー604との間のシステム600の内側(たとえば、内壁、天井、床)に配置されたスキャナー632Cも含むことができる。いくつかの実施形態では、スキャナー632Cは、いずれかの処理チャンバーまたは両方の処理チャンバー内に配置された容器から情報を取得するように構成することができる。
【0100】
図7は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム700の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム700は、
図3に示されているシステム300、及び
図5に示されているシステム500と実質的に同様であり、第1の処理チャンバー702及び第2の処理チャンバー704がシステム700内で垂直に(互いの上及び下に)配置されている点で異なる。生物学的流体を処理するための例示的なシステム700は、1つ以上の生物学的流体710を受容するための第1の処理チャンバー702及び第2の処理チャンバー704と、1つ以上の生物学的流体710を下から照射するように配置された各チャンバー内の第1の光源アレイ706と、1つ以上の生物学的流体710(たとえば、生物学的流体の容器)を保持するように構成された各チャンバー内のプラットフォーム730と、処理チャンバー内に載せられた生物学的流体の識別情報を取得するように構成されたセンサー(たとえば、スキャナー)732と、を含む。生物学的流体710を保持するプラットフォーム730は、光源アレイ706の上に、光源アレイ706がプラットフォーム730に面する状態で配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の生物学的流体を保持するプラットフォーム730は、光源アレイ706の下に、光源アレイ706がプラットフォーム730に面する状態で配置され得る。光源チャンバー702及び704の各々は、
図6に示されるように、たとえば、例としてシステム600と同様に、1つ以上の生物学的流体710の上下に配置された、第2の光源アレイ(図示せず)をさらに備え得る。
【0101】
システム700は、第1の処理チャンバー702の内側(たとえば、生物学的流体710A及び710Bのための区画の上の天井)に配置されたスキャナー732A及び732Bと、第2の処理チャンバー704の内部(たとえば、生物学的流体710C及び710Dのための区画の上の天井)に同様に配置された2つのスキャナーと、を含むことができる。代替または追加として、システム600は、第1の処理チャンバー702と第2の処理チャンバー704との間のシステム600の外部(たとえば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー732Eを含むことができる。いくつかの実施形態では、スキャナー732Eは、いずれかの処理チャンバーまたは両方の処理チャンバー内に配置された容器から情報を取得するように構成することができる(たとえば、引き出し構成にあるプラットフォームがスキャナー732Eの視野内の開位置にあるとき、RFIDタグがスキャナー732Eの検出範囲内にあるとき)。
【0102】
いくつかの実施形態では、上述した処理システムのいずれかを使用して、1つ以上の生物学的流体、好ましくは、1つ以上の病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン)と混合した生物学的流体を処理する(たとえば、その中の病原体(複数可)を不活性化する)ことができる。具体的には、上述した処理システムのいずれかが、1つ以上の病原体不活性化化合物と、生物学的流体、たとえば、例として、血液または血液製剤(たとえば、血小板組成物、血漿組成物、及びそれらの誘導体)との混合物に、ある特定の波長の光(たとえば、紫外線光)を照射して光化学反応を引き起こし、生物学的流体中に存在する可能性のある病原体(複数可)、たとえば、ウイルス、細菌、寄生虫、及び他の混入物質、たとえば、例として、細胞混入物質(たとえば、白血球)を不活性化することができる。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、付加物及び/または架橋を光化学的に形成するために核酸を標的とする。たとえば、本開示のデバイスは、生物学的流体を処理する方法において使用され得、方法は、光活性病原体不活性化化合物(たとえば、ソラレン、アモトサレン)と混合した生物学的流体を提供することと、1つ以上の第1の光源のセットによって放出された約315nm~約350nm(たとえば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm、約340nm、約345nm)の第1のピーク波長を有する紫外線光で生物学的流体を照射することと、を含み、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)である。
【0103】
「病原体不活性化化合物」という用語は、生物学的流体、たとえば、例として血液または血液製剤に存在している可能性のある病原体を不活性化するために使用することができる、任意の好適な化合物、たとえば、小分子有機化合物を指す。「光活性」または「光活性化」または「光化学的」または「光感作性」化合物である病原体不活性化化合物は、病原体を十分に不活性化するための、なんらかのレベルの光を必要とする、好適な化合物である。そのような化合物は、不活性化プロセスに対する制御を提供するため、生物学的製剤中の病原体の不活性化において好ましい。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、及びメロシアニン540からなる群から選択される光活性病原体不活性化化合物である。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物はソラレンである。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、アモトサレン(たとえば、S-59)である。本明細書に記載されるそのような光活性化または光化学的病原体不活性化化合物としては、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、及びポルフィリンを含むことができるが、これらに限定されず、ここで、これらの用語は、化合物の一般的なクラス、すなわち、コア化合物及びその好適な誘導体を包含するように理解される。たとえば、ソラレン(複数または単数)は、一般に、ソラレンコア化合物及びその任意の誘導体(たとえば、アモトサレン)を指し、イソアロキサジン(複数または単数)は、一般に、イソアロキサジンコア及びその任意の誘導体(たとえば、リボフラビン)を指すなどである。そのような誘導体は、コア化合物構造、ならびにコアにおける追加の置換基を含む。そのような化合物の説明には、それらの任意の塩が含まれる。
【0104】
「アモトサレン」という用語は、化合物3-(2-アミノエトキシメチル)-2,5,9-トリメチルフロ[3,2-g]クロメン-7-オン及びその任意の塩を意味する。この化合物はまた、4’-(4-アミノ-2-オキサ)ブチル-4,5’,8-トリメチルソラレンとも称され得る。本開示の方法が、アモトサレンHCl(アモトサレンのHCl塩)を添加することを含む場合、この化合物を生物学的流体、たとえば、例として血液製剤(たとえば、血小板組成物、血小板のユニット、血漿組成物、全血組成物、血漿組成物)から除去することは、アモトサレンが、他の塩または遊離塩基として溶液中に存在し得るため、アモトサレンHClの除去に限定されない。本明細書に記載される方法において使用する場合、アモトサレンの除去は、本明細書に記載されるアッセイによって測定される、任意の形態、たとえば、遊離塩基または任意の塩としてのこの化合物の除去を意味する。
【0105】
いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、4-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、2~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの4’位に連結されたNH2基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えの各々の点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。4’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、5’、及び8位に追加の置換を有してもよく、当該置換としては、以下の基が含まれるがこれらに限定されない:H及び(CH2)nCH3、式中、n=0~6。いくつかの実施形態では、4’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH2)u-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)z-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)z-NH2、及び-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)y-R4-(CH2)z-NH2を含む群から選択される、4’炭素原子上の置換基R1(式中、R2、R3、及びR4は、独立して、O及びNHを含む群から選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)H及び(CH2)vCH3またはそれらの塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、5’、及び8位の炭素原子上の置換基R5、R6、及びR7(式中、vは、0~5の整数である)を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、5-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、1~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの5’位に連結されたNH2基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えの各々の点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。5’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、4’、及び8位に追加の置換を有してもよく、当該置換としては、以下の基が含まれるがこれらに限定されない:H及び(CH2)nCH3、式中、n=0~6。いくつかの実施形態では、5’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH2)u-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)z-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)z-NH2、及び-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)y-R4-(CH2)z-NH2を含む群から選択される、5’炭素原子上の置換基R1(式中、R2、R3、及びR4は、O及びNHを含む群から独立して選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)H及び(CH2)vCH3またはその塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、4’、及び8の炭素原子上の置換基R5、R6、及びR7(式中、vは、0~5の整数であり、R1が、-(CH2)u-NH2を含む群から選択される場合、R7は、(CH2)vCH3であり、R5、R6、及びR7が、(CH2)vCH3である場合、uは、3~10の整数である)を含む。例示的なソラレン化合物は、たとえば、米国特許第5,593,823号に記載されている。
【0107】
いくつかの実施形態では、生物学的流体(たとえば、血小板組成物)は、血小板添加剤溶液(PAS)中の病原体不活性化化合物(PIC)と混合される。いくつかの実施形態では、PICは、生物学的流体と混合する前に、PASと混合される。血小板添加剤溶液は、たとえば、Alhumaidanら及びRingwaldら(Alhumaidan, H. and Sweeney, J., J Clin Apheresis, 27: 93-98 (2012)、Ringwald et al., Transfusion Medicine Reviews, 20: 158-64(2006))によって説明されているように、当該技術分野において公知であり、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、及び重炭酸塩のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、規制当局または当該分野において一般に受け入れられている認定機関によって承認されたPASである。
【0108】
いくつかの実施形態では、方法は、生体学的流体を撹拌することをさらに含む。本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量(たとえば、1つ以上の光源によって放出される、1つ以上の光源のセットによって放出される、光源アレイによって放出される)は、約0.5J/cm2~約50J/cm2、たとえば、約0.5J/cm2~約10J/cm2、約0.5J/cm2~約15J/cm2、約0.5J/cm2~約25J/cm2、約1J/cm2~約10J/cm2、約1J/cm2~約15J/cm2、約1J/cm2~約25J/cm2、約3J/cm2~約10J/cm2、約3J/cm2~約15J/cm2、約3J/cm2~約25J/cm2、約5J/cm2~約10J/cm2、約5J/cm2~約15J/cm2、約5J/cm2~約25J/cm2、約10J/cm2~約30J/cm2、約10J/cm2~約20J/cm2、約15J/cm2~約50J/cm2、約15J/cm2~約35J/cm2、約20J/cm2~約30J/cm2、約25J/cm2~約50J/cm2、約30J/cm2~約40J/cm2、または約40J/cm2~約50J/cm2のいずれかである。いくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約0.5J/cm2以上、たとえば、およそで、1J/cm2以上、2J/cm2以上、3J/cm2以上、4J/cm2以上、5J/cm2以上、6J/cm2以上、7J/cm2以上、8J/cm2以上、9J/cm2以上、10J/cm2以上、15J/cm2以上、20J/cm2以上、25J/cm2以上、30J/cm2以上、35J/cm2以上、40J/cm2以上、45J/cm2以上、または50J/cm2以上のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約50J/cm2未満、約40J/cm2未満、約30J/cm2未満、約25J/cm2未満、約20J/cm2未満、約15J/cm2未満、または約10J/cm2未満である。いくつかの実施形態において、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる(たとえば、生物学的流体中に存在する場合)。たとえば、いくつかの実施形態では、生物学的流体を照射することは、生物学的流体に照射する紫外線光の所望の総線量(たとえば、前述の総線量)を提供するに十分な期間及び強度(たとえば、総線量の紫外線光を提供するに十分な期間及び強度の任意の好適な組み合せ)で生じる。いくつかの実施形態では、強度は、1~1000mW/cm2の間(たとえば、1~100mW/cm2の間)である。いくつかの実施形態では、期間は、1秒間~2時間の間(たとえば、1分間~60分間の間)である。
【0109】
存在する可能性のある病原体(複数可)を不活性化するための生物学的流体の処理は、必ずしも存在する可能性のあるすべての病原体を完全に不活性化するものではなく、病原体の存在から生じる危険性(たとえば、病原体が混入した生物学的流体の投与に関連する感染症、血液製剤による輸血関連疾患、血液製剤による輸血で伝達される感染)を大幅に低減するために、病原体の量を実質的に低減するものであることを理解されたい。病原体の不活性化は、ある特定の体積中の感染性病原体(たとえば、ウイルス粒子、細菌)の数を測定することによってアッセイすることができ、不活性化のレベルは、典型的に、病原体の感染力の対数低減値、すなわち力価の対数低減値で表される。力価の対数低減値をアッセイする方法、及び病原体不活性化のレベルをアセスメントするためのその測定は、当該技術分野において周知である。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、デバイス、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体は、残留病原体不活性化化合物またはその光産物(複数可)を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、デバイス、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分であり、生物学的流体は、生物学的流体を照射した後に10μM以下の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、デバイス、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分であり、生物学的流体は、照射後に、7.5μM以下の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、デバイス、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するに十分であり、生物学的流体は、照射後に、5μM以下(たとえば、4μM以下、3μM以下、2μM以下、1μM以下、0.5μM以下)の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、少なくとも約10μM(たとえば、少なくとも約30μM、少なくとも約60μM、少なくとも少なくとも約90μM、少なくとも約110μM)である。いくつかの実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約15μM~約150μM(たとえば、約30μM~約110μM、約60μM~約90μM、約75μM)である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体は、十分な生物学的活性を維持しており、結果として、生物学的流体は、対象への注入に好適である。
【0110】
図8は、一実施形態によるコンピューティングデバイスの例を示している。デバイス800は、ネットワークに接続されたホストコンピューターであり得る。デバイス800は、クライアントコンピューターまたはサーバーであり得る。
図8に示されるように、デバイス800は、任意の好適な種類のマイクロプロセッサベースのデバイス、たとえば、システム100~700、コンピューティングシステム524、パーソナルコンピューター、ワークステーション、サーバー、または電話機もしくはタブレットなどのハンドヘルドコンピューティングデバイス(ポータブル電子デバイス)のうちの1つであり得る。デバイスは、たとえば、プロセッサー802、入力デバイス806、出力デバイス808、ストレージ810、及び通信デバイス804のうちの1つ以上を含むことができる。入力デバイス806及び出力デバイス808は、一般に、上記のものに対応することができ、接続可能にするか、またはコンピューターと一体化することができる。
【0111】
入力デバイス806は、入力を提供する任意の好適なデバイス、たとえば、本明細書に開示されるディスプレイのいずれか、タッチスクリーン、キーボードもしくはキーパッド、マウス、または音声認識デバイスであり得る。出力デバイス808は、出力を提供する任意の好適なデバイス、たとえば、タッチスクリーン、触覚デバイス、またはスピーカーであり得る。
【0112】
ストレージ810は、ストレージを提供する任意の適切なデバイス、たとえば、RAM、キャッシュ、ハードドライブ、またはリムーバブルストレージディスクを含む電気的、磁気的、または光学的メモリーであり得る。通信デバイス804は、ネットワークを介して信号を送受信することができる任意の適切なデバイス、たとえば、ネットワークインターフェースチップまたはデバイスを含むことができる。コンピューターの構成要素は、任意の好適な方法で、たとえば、物理バスを介してまたは無線で接続することができる。
【0113】
ストレージ810に記憶され、プロセッサー802によって実行され得るソフトウェア812は、たとえば、本開示の機能を具現化するプログラミング(たとえば、上述したデバイスに具体化される)を含むことができる。
【0114】
ソフトウェア812はまた、命令実行システム、装置、またはデバイス、たとえば、上述したような、ソフトウェアに関連付けられている命令を命令実行システム、装置、またはデバイスから取り出して命令を実行することができるものによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の非一時的コンピューター可読記憶媒体内に記憶及び/または輸送することもできる。本文書の文脈において、コンピューター可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のために、またはそれらと接続してプログラムを含むまたは記憶することができる任意の媒体、たとえば、ストレージ840であり得る。
【0115】
ソフトウェア812はまた、命令実行システム、装置、またはデバイス、たとえば、上述したような、ソフトウェアに関連付けられている命令を命令実行システム、装置、またはデバイスから取り出して命令を実行することができるものによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の輸送媒体内に伝播させることもできる。本開示の文脈において、輸送媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するために、プログラミングを通信、伝播、または輸送することができる任意の媒体であり得る。輸送可読媒体としては、電子、磁気、光、電磁気、または赤外線の有線または無線の伝播媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
デバイス800は、任意の好適な種類の相互接続された通信システムであり得るネットワークに接続され得る。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装することができ、任意の好適なセキュリティプロトコルによって保護され得る。ネットワークは、無線ネットワーク接続、T1もしくはT3回線、ケーブルネットワーク、DSL、または電話回線などのネットワーク信号の送受信を実装できる任意の好適な構成のネットワークリンクを含むことができる。
【0117】
デバイス800は、ネットワーク上での動作に好適な任意のオペレーティングシステムを実装することができる。ソフトウェア812は、C、C++、Java(登録商標)、またはPythonなどの任意の好適なプログラミング言語で書くことができる。様々な実施形態では、本開示の機能を具現化するアプリケーションソフトウェアは、たとえば、クライアント/サーバー構成で、またはウェブベースのアプリケーションもしくはウェブサービスとしてウェブブラウザを介してなど、異なる構成でデプロイすることができる。
【0118】
図9Aは、システム400の斜視図を示しており、前面の外部ハウジング及び側面からの内部構成要素を示している。
図4Jと同様に、この側面図は、ディスプレイ420(たとえば、タッチスクリーン)と、制御回路及び/またはコンピューターシステムと、第1の処理において第1のプラットフォーム440上の第1の生物学的流体を照射するために、第1のプラットフォーム440の上に位置付けられ、これに面している第1の光源アレイ406と、第1のプラットフォーム440上に配置された第1の生物学的流体を照射するために、第1のプラットフォーム440の下に位置付けられ、これに面している第2の光源アレイ408と、第2の処理チャンバー内の第2のプラットフォーム450上に配置された第2の生物学的流体を照射するために、第2のプラットフォーム450の上に位置付けられ、これに面している第3の光源アレイ416と、第2のプラットフォーム450上に配置された第2の生物学的流体を照射するために、第2のプラットフォーム450の下に位置付けられ、これに面している第4の光源アレイ418と、を含む、上側ステージを示している。
図4Aと同様に、前側の外部ハウジングは、ディスプレイ420、スキャナー430、閉位置での引き出し構成にそれぞれあるプラットフォーム440及び450のパネル480及び490を示している。また、
図9Aは、第1の処理チャンバーの後側に配置されたファン426、及び第2の処理チャンバーの後方に配置されたファン436を示している。
【0119】
図9Bは、システム400の斜視図を示しており、前側の外部ハウジング及び側面からの内部構成要素を示している。
図9Aと同様に、前側の外部ハウジングは、ディスプレイ420、スキャナー430、引き出し構成にあるが開位置でのプラットフォーム440及び450のパネル480及び490をそれぞれ示している。また、区画460A及び460Bを備えるプラットフォーム440及び450の内側領域も示されており、プラットフォーム440及び450の外側領域は、外側レールまたはトラック462を介して、第1の(上部)及び第2の(下部)処理チャンバーの中及び外にそれぞれ摺動可能に移動する。
【0120】
いくつかの実施形態では、システム400は、保守またはサービス要員がアクセスし、次にシステム400の内部構成要素または構造体に対して保守またはサービスを実施することができる1つ以上のアクセスパネルを含むことができる。
図9C~
図9Eは、システム400の例示的なアクセスパネルを示している。
【0121】
図9Cは、システム400の斜視図を示しており、前側の外部ハウジング及び側面からの内部構成要素を示している。前側の外部ハウジングは、閉位置にある4つのアクセスパネル、つまりユーザーインターフェースアクセスパネル422、上部アクセスパネル482、中間アクセスパネル484、及び下部アクセスパネル486を示している。ユーザーインターフェースアクセスパネル422は、タッチスクリーン420の高さに位置付けられ、タッチスクリーン420及び隣接するハウジング領域を含む。上部アクセスパネル482は、第1のプラットフォーム440の第1のパネルの上に位置付けられている。中間アクセスパネル484は、第1のプラットフォーム440のパネルと第2のプラットフォーム450のパネルとの間に位置付けられている。下部アクセスパネル486は、第2のプラットフォーム450の第2のパネルの下に位置付けられている。他の例では、単一の中間アクセスパネルを2つの中間アクセスパネルに置き換えることができる。また、
図9Cは、第1の処理チャンバーの後側に配置されたファン426、及び第2の処理チャンバーの後側に配置されたファン436を示している。
【0122】
図9Dは、システム400の斜視図を示しており、開位置にある4つのアクセスパネルのうちの3つを示している。ユーザーインターフェースアクセスパネル422はまだ閉位置にある。上部アクセスパネル482は、開位置に跳ね上げられ、第1の光源アレイ406は、開いている上部アクセスパネル482の開口部を通して、システム400の中及び外に摺動可能に移動することができる。中間アクセスパネル484は、左に向かって開かれて開位置になり、第2の光源アレイ408及び第3の光源アレイ416は、開いている中間アクセスパネル484の開口部を通してシステム400の中及び外に摺動可能に移動することができる。下部アクセスパネル484は、開位置に跳ね上げられ、第4の光源418アレイは、開いている下部アクセスパネル484の開口部を通して、システム400の中及び外に摺動可能に移動することができる。これらの3つのアクセスパネルを通じて、保守またはサービス担当者は、4つの光源アレイ406、408、416、418のようなシステム400の内部構成要素または構造体にアクセスしてから、保守またはサービスを実施することができる。
【0123】
図9Eは、システム400の斜視図を示しており、開位置にある4つのアクセスパネルのうちの1つを示している。上部アクセスパネル482、中間アクセスパネル484、及び下部アクセスパネル486は、閉位置にある。ユーザーインターフェースアクセスパネル422は、開位置に跳ね上げられ、タッチスクリーン420ならびに制御回路及び/またはコンピューターシステムのような構成要素がアクセス可能である。タッチスクリーンの後側は、開いたユーザーインターフェースアクセスパネルの背面側でアクセス可能である。制御回路及び/またはコンピューターシステムは、開かれたユーザーインターフェースアクセスパネル422の開口部を通して、システム400の中及び外に摺動可能に移動することができる。例示的な制御回路及び/またはコンピューターシステムは、1つ以上のプロセッサー、入力デバイス、出力デバイス、ストレージ、及び/または通信デバイスを含み得る。ユーザーインターフェースアクセスパネル422を介して、保守またはサービス担当者は、タッチスクリーン420ならびに制御回路及び/またはコンピューターシステムのようなシステム400の内部構成要素または構造体にアクセスしてから、保守またはサービスを実施することができる。
【0124】
図9A~
図9Eに示される実施形態のすべては、
図3Bに関連して上記に考察された空気通気口の教示のいずれかまたはすべてを組み込むことができる。たとえば、
図9Fは、空気通気口485及び495を備えたパネルを有する
図9Aの実施形態を示している。この空気通気口485及び495は、たとえば、冷却もしくは熱放散または他の温度制御機能を提供するために、1つ以上の空気入口及び/または1つ以上の空気出口を提供することができる。空気は、たとえば、第1の処理チャンバーの後側に配置されたファン426及び第2の処理チャンバーの後側に配置されたファン436の動作によって、システム400に引き込まれ、及び/またはシステム400から排出され得る。いくつかの実施形態では、空気通気口の有無にかかわらず、
図9A~
図9Fに示すように、パネルは、隣接する構造体(たとえば、隣接するパネル(複数可)、隣接する外部ハウジングのフレームなど)と同一平面または実質的に同一平面であり得る。
【0125】
図9A~
図9Fに示される実施形態のすべては、
図3Bに関連して上記に考察された側面アクセスパネルの教示のいずれかまたはすべてを組み込むことができる。
図9A~
図9Fのすべてに示されている開いた側面図は、1つ以上の側面アクセスパネルが開いているかまたは除去されているときに保守またはサービス担当者が見る図であり得る。
【0126】
図10は、2つの隣接するシステム400を示しており、2つのシステム400のうちの1つは、壁1002または他の機器1004にも隣接している。いくつかの実施形態では、各システムのハウジングは、任意の幅の間隔で30~60cmの範囲内の最大水平幅1010を有し得る。いくつかの実施形態では、各システムのハウジングは、60cm、58cm、56cm、54cm、52cm、50cm、48cm、または46cmの最大水平幅1010を有し得る。いくつかの実施形態では、各システムのハウジングは、30~45cmの範囲で最大水平幅1010を有し得る。いくつかの実施形態では、各システムのハウジングは、45cm、43cm、41cm、39cm、37cm、35cm、33cm、または31cmの最大水平幅1010を有し得る。各システムのハウジングの最大水平幅1010が減少すると、隣接するシステム400は、よりコンパクトなスペースを占めることができ、これにより、血液製剤プロセシング施設がより多くのシステムを操作し、施設内の所与の量のスペースに対する生物学的流体のスループット処理を増加させることができる。
【0127】
各システム400に対して、システムは、システム400のハウジングの左右両側面に空きスペース1012、1014があるような目標(たとえば、最小)動作スペース1020内で動作するように(たとえば、製造者の動作指示書または文書に従って)構成されてもよい(たとえば、ハウジングの左右両側面に20cm以下のスペースがあるような動作スペースを含む、任意の目標動作スペースがある)。左側及び/または右側の空きスペースまたは最小動作スペースは、30cm以下、25cm以下、20cm以下、15cm以下、10cm以下、または5cm以下、たとえば、約30cm、約25cm、約20cm、約15cm、約10cm、約5cm、または約0cmであり得る。いくつかの実施形態では、システムのいずれの側にも空きスペース(たとえば、動作スペース)の要件はない。隣接するシステム400間の空きスペースが減少すると、隣接するシステム400は、よりコンパクトなスペースを占めることができ、これにより、血液製剤プロセシング施設がより多くのシステムを操作し、施設内の所与の量のスペースに対する生物学的流体のスループット処理を増加させることができる。以前の照射器システムは、たとえば、例として、各隣接する以前の照射器システムの熱放射の範囲(たとえば、空気流の要件)のために、本開示のシステムのいずれかまたは両方の側に、著しく広い空きスペース(たとえば、動作スペース)を必要とする場合がある。第1の以前の照射器システムの熱放射範囲の外で、隣接する第2の以前の照射器システムは、第1の以前の照射器システムからの熱放射を伴わずに、隣接する第2の以前の照射器システムの目標動作の温度を不利に上昇させることなく、適切に動作し得る。
【0128】
以前の照射器システムは、一般に水平方向に幅が広く、1つの水平層のみを有する処理チャンバーに制限されていた。本明細書に開示される改善されたシステム及び方法は、互いに独立して制御され、処理プロセスに使用され得る複数の処理チャンバーを有する照射器システム、及び様々な有利な利益を提供し得る設計特徴を提供し得る。たとえば、システム400のプラットフォームの前後の撹拌方向に起因して、システムは、左右の撹拌方向に対応するために必要となるであろう幅広いハウジングを有する必要がない場合がある。別の例として、比較的よりコンパクトで狭いフォームファクタを用いて、複数(たとえば、2つ、2つ半、3つ)のシステム400全体が、単一の以前の照射器システムの動作スペースに適合し得る。さらに別の例として、前後方向または後前方向のファンの空気流に起因して、システム400の左側及び/または右側に、左右方向の空気流を収容する横方向の動作スペースを有することが不要な場合がある。これらの例の各々は、以前の照射器システムに対する例示的な有利な利益を提供するが、本明細書に開示される改善されたシステム及び方法は、これらの例示的な有利な利益に限定されず、本開示に従ってさらに有利な利益を提供し得る。
【0129】
本開示は、生物学的流体を処理する方法であって、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム、以下で開示されるシステム)を用いて、生物学的流体中の病原体(たとえば、生物学的流体中に存在する場合)を不活性化するのに十分な期間及び強度で、生物学的流体を照射することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合した生物学的流体を提供することと、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム)を用いて、生物学的流体中の病原体(たとえば、生物学的流体中に存在する場合)を不活性化するのに十分な期間及び強度で生物学的流体を照射することと、を含む、生物学的流体を処理する方法を提供する。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、紫外線A、紫外線B、紫外線C、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光)で照射され、1)1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または 2)1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)である。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約330nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約340nm~約350nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約345+5nmの範囲内の第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、約315nm~約335nmの第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光で照射される。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、第1のピーク波長を有する1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光、及び第2のピーク波長を有する1つ以上の第2の光源のセットからの紫外線光で照射され、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。いくつかの実施形態では、照射の期間及び強度は、約0.5J/cm2以上(たとえば、約0.5J/cm2~約50J/cm2)の生物学的流体を照射する紫外線光の総線量を提供する。いくつかの実施形態では、強度は、1~1000mW/cm2の間(たとえば、1~100mW/cm2の間)である。いくつかの実施形態では、期間は、1秒間~2時間の間(たとえば、1分間~60分間の間)である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、血液製剤(たとえば、血小板、血漿)である。
【0130】
ソラレン病原体不活性化化合物による生物学的流体の処理及び本開示のシステムを用いた照射を実施した。より具体的には、ウイルスと細菌との両方の光化学的不活性化は、ソラレンアモトサレン(S-59)及び346~349nmのピーク波長を放出する紫外線A LEDのアレイを組み込んだ本開示のシステムを用いた紫外線光照射を用いて実施した。ウイルスの不活性化を評価する研究では、血小板添加剤溶液(PAS)中の血小板に水疱性口内炎ウイルス(VSV)のストックでスパイクし、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood System大容量(LV)セット及び小容量(SV)セット(Cerus Corp.、Concord、CA)を用いて、150μMのアモトサレン(公称濃度)でプロセシングした。LVセットの血小板に対して、VSVでスパイクした335mLの血小板調製物を3回に分けて処理し、3.9J/cm2で照射した。SVセットの血小板に対して、VSVでスパイクした285mLの血小板調製物を3回に分けて処理し、3.6J/cm2で照射した。照射前及び照射後の両方の試料を採取し、VSVの力価及びウイルスの対数不活性化、ならびに照射前及び照射後のS-59濃度を判定して、照射後の光変換及び残留アモトサレンのパーセントを計算した。データは次の表1に示されており、LV及びSVセットを使用した血小板/PASにおけるVSVの4.0±0.5及び4.5±0.3対数不活性化がそれぞれ示された。さらに、残留S-59のパーセントは、LV及びSVセットにおける血小板/PASに対して、それぞれ16.5±1.2及び14.3±4.6であることが示された(照射前及び照射後のデータから計算した)。
【0131】
異なる血液製剤中の細菌の不活性化を評価する研究では、血漿、または血小板添加液(PAS)中の血小板のいずれかに肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)のストックでスパイクし、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood Systemの血漿または血小板LVセットを用いて、それぞれ150μMのアモトサレン(公称濃度)でプロセシングした。血漿に対して、K.pneumoniaeをスパイクした血漿調製物を、INTERCEPT(登録商標)血漿セットで3回に分けてプロセシングし、6.4J/cm
2で照射した。血小板に対して、K.pneumoniaeをスパイクした血漿調製物を、INTERCEPT(登録商標)血漿セットで3回処理し、3.9J/cm
2で照射した。照射前と照射後の両方の試料を採取し、K.pneumoniaeの力価及びウイルスの対数不活性化、ならびに照射前及び照射後のS-59濃度を判定して、照射後の光変換及び残留アモトサレンのパーセントを計算した。データは以下の表1に示されており、血漿中及び血小板/PAS中のK.pneumoniaeの対数不活性化はそれぞれ6.3±0.3及び7.2±0.2対数であった。さらに、残留S-59のパーセントはそれぞれ、血漿試料では55.8±3.6、血小板/PASでは15.2±1.7であった(照射前及び照射後のデータから算出した)。
【表1】
【0132】
特定の構成要素、構成、特徴、及び機能が、上記に提供されているが、当業者であれば、他の変化形を使用することができることを理解するであろう。加えて、特徴は、特定の実施形態と関連して記載されているように見え得るが、当業者であれば、記載される実施形態の様々な特徴を組み合わせることができることを認識するであろう。さらに、ある実施形態と関連して記載される態様は、単独であってもよい。
【0133】
実施形態は、添付の図面を参照して詳細に記載されているが、様々な変更及び修正が、当業者には明らかであろうことに留意されたい。そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって規定される様々な実施形態の範囲内に含まれていると理解されたい。
【0134】
本明細書に提供される実施形態の変化形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになり得る。当業者であれば、適宜、そのような変化形、ならびに本明細書に具体的に記載されるもの以外の本明細書に記載されるシステム、方法、及び装置の実施を用いることができることが予想される。したがって、本明細書に記載されるシステム、方法、及び装置には、該当する法律によって許容される本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正形及び均等物が含まれる。さらに、上述の要素のそのすべての可能性のある変化形における任意の組合せが、本明細書に別途示されるかまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、本説明に包含される。
【0135】
一態様では、生物学的流体処理システムは、第1の生物学的流体を受容するように構成された第1の処理チャンバーと、第2の生物学的流体を受容するように構成された第2の処理チャンバーと、第1の生物学的流体を保持し、かつ第1の処理チャンバー内に配置されるように構成された第1のプラットフォームと、第2の生物学的流体を保持し、かつ第2の処理チャンバー内に配置されるように構成された第2のプラットフォームと、第1の処理チャンバー内の第1の生物学的流体を照射するように配置された第1の光源アレイ、及び第2の処理チャンバー内の第2の生物学的流体を照射するように配置された第2の光源アレイと、ディスプレイと、1つ以上のプロセッサーと、1つ以上のプロセッサーによって実行されるとき、1つ以上のプロセッサーに、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または第2の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)オブジェクトを含むGUIを、ディスプレイ上での表示のために提供することを含む方法を実施させる命令を含むメモリーと、を備える。
【0136】
上記システムのいくつかの態様では、第1の光源アレイ及び第2の光源アレイは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体を、それぞれ紫外線光で照射するように構成されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、約315nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、約330nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、約340nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、345+5nmの範囲内のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、約315nm~約335nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。
【0137】
上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々に対して、それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える。
【0138】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、第1の光源アレイとは反対の方向に面し、かつ第1の処理チャンバー内の第1の生物学的流体を照射するように配置された第3の光源アレイと、第2の光源アレイとは反対の方向に面し、かつ第2の処理チャンバー内の第2の生物学的流体を照射するように配置された第4の光源アレイと、をさらに備え、方法は、第3の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理に関連付けられている、または第4の光源アレイからの照射による第2の生物学的流体の処理に関連付けられている複数のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)オブジェクトを含むGUIを、ディスプレイ上での表示のために提供することをさらに含む。
【0139】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約315nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約330nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約340nm~約350nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々は、345+5nmの範囲内のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々は、約315nm~約335nmのアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。
【0140】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第3及び第4の光源アレイの各々に対して、それぞれの第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つ以上の光源を備える。
【0141】
上記システムの各々のいくつかの態様では、光源アレイの各々は、各々が発光ダイオードである1つ以上の光源を備え、光源アレイの各々に対して、それぞれの紫外線光は、それぞれの1つ以上の光源によって放出される。
【0142】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のプラットフォームは、第1の生物学的流体を第1の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能であり、第2のプラットフォームは、第2の生物学的流体を第2の処理チャンバーの中及び外に導入及び除去するために摺動可能に移動可能である。
【0143】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、第1の処理チャンバー、第2の処理チャンバー、第1のプラットフォーム、第2のプラットフォーム、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、ディスプレイ、1つ以上のプロセッサー、及びメモリーを収納するように構成されたハウジングをさらに備える。
【0144】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、第1の生物学的流体、第2の生物学的流体、または第1の生物学的流体と第2の生物学的流体との両方に関連付けられている識別情報を取得するように構成されたスキャナーをさらに備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、バーコードスキャナー、QRコード(登録商標)スキャナー、及びRFIDスキャナーを含む群のうちの1つである。上記システムの各々のいくつかの態様では、識別情報は、第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための容器上、または第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のバーコードもしくはQRコード(登録商標)の可視形態にあり、方法は、スキャナーによって、第1の生物学的流体または第2の生物学的流体を格納するための容器上、または複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上のバーコードまたはQRコード(登録商標)を取得することをさらに含む。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための容器上の可視形態の識別情報を、第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための容器が第1のプラットフォームもしくは第2のプラットフォーム上に配置されたときに、または第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器のうちの少なくとも1つの上の可視形態の識別情報を、複式容器アセンブリの1つ以上の容器が第1のプラットフォームもしくは第2のプラットフォーム上に配置されたときに、取得するように構成されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、識別情報は、第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための容器上、または第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器上の可視形態の、あるいは第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための容器上、または第1の生物学的流体もしくは第2の生物学的流体を格納するための複式容器アセンブリの1つ以上の容器上のタグから送信可能な形態で伝達される識別情報の複数のセットであり、スキャナーは、マルチスキャン操作において識別情報の複数のセットを取得するように構成されたマルチスキャンスキャナーである。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、ハウジング内の固定位置に一体化されるかまたは埋め込まれ、かつ1つ以上のプロセッサーに連結されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、第1の処理チャンバー、第2の処理チャンバー、または第1の処理チャンバーと第2の処理チャンバーとの両方の内側に位置付けられている。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、第1の処理チャンバーの第1の開口部または第2の処理チャンバーの第2の開口部に位置付けられている。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーの外部に位置付けられている。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、1つ以上のプロセッサーに無線で連結されたハンドヘルドスキャナーである。上記システムの各々のいくつかの態様では、スキャナーは、1つ以上のプロセッサーに有線接続によって連結されたハンドヘルドスキャナーである。
【0145】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに同じ平面内にあるように、水平に配設されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、第1の処理チャンバー及び第2の処理チャンバーは、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに並列の平面内にあるように、垂直に配設されている。
【0146】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、第1のパネルは、閉位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、第1のパネルは、開位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わず、第1のパネルの外部は、突出ハンドル及び凹部ハンドルを含む群のうちの1つ以上を含む。上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルをさらに備え、第1のパネルは、閉位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆い、第1のパネルは、開位置において第1の処理チャンバーへの第1の開口部を覆わず、第1のパネルの外部全体は、いずれのハンドルも欠いている。上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のパネルは、閉位置に留まるように係止されるように構成されており、かつ入力に応答して係止解除されるように構成されている。
【0147】
上記の各システムの各々の態様では、第1のプラットフォームは、第1のパネルを備える。上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のプラットフォームは、外側領域であって、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルであって、外側領域が、第1のパネルが閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、第1のパネル、及び第1の支持構造体を備える、外側領域と、外側領域が固定位置にある期間中に第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、外側領域の第1の支持構造体は、内側領域を構造的に支持している。上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のプラットフォームは、外側領域であって、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネルであって、外側領域が、第1のパネルが閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、第1のパネル、及び第1の支持構造体を備える、外側領域と、外側領域が固定位置にある期間中に第1の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、外側領域の第1の支持構造体は、内側領域を構造的に支持している。
【0148】
上記システムの各々のいくつかの態様では、外側領域は、動きを生成するように構成されたモーターを備え、内側領域は、モーターによって生成された動きに基づいて第1の生物学的流体を撹拌するように構成されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、オフセット、速度、加速、及び減速などの、第1の生物学的流体を撹拌するための内側領域の移動の1つ以上の態様を制御する(たとえば、調整可能に制御する)ように構成されている。上記システムの各々のいくつかの態様では、モーターは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォームによって保持される場所の右側または左側の位置に位置付けられている。上記システムの各々のいくつかの態様では、モーターは、第1の生物学的流体が第1のプラットフォームによって保持される場所の前側または後側の位置に位置付けられている。
【0149】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第2のプラットフォームは、閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネルであって、第2のパネルが、閉位置において第2の処理チャンバーへの第2の開口部を覆い、第2のパネルが、開位置において第2の処理チャンバーへの第2の開口部を覆わない、第2のパネルと、外側領域であって、閉位置と開位置との間で移動可能な第2のパネルであって、外側領域が第2のパネルが閉位置にあるときに固定位置に留まるように構成されている、第2のパネル、及び第2の支持構造体を備える、外側領域と、外側領域が固定位置にある期間中に第2の生物学的流体を撹拌するように移動するように構成された内側領域と、を備え、出力領域の第2の支持構造体が、内側領域を構造的に支持している。
【0150】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームは、各々、第1の区画及び第2の区画を備え、第1及び第2の区画は、それぞれのプラットフォームの生物学的流体を格納する複式容器アセンブリを保持するように構成されており、第1のプラットフォームの第1の区画は、第1の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、第1の容器は、第1の生物学的流体を格納し、第1のプラットフォームが第1の処理チャンバー内に配置されたときに、第1の光源アレイが第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、第1のプラットフォームの第2の区画は、第1の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、1つ以上の追加の容器は、第1の生物学的流体を格納せず、第2の区画は、第1のプラットフォームが第1の処理チャンバー内に配置されたときに、第1の光源アレイが1つ以上の追加の容器を照射するように構成されないように配置されており、第2のプラットフォームの第1の区画は、第2の複式容器アセンブリの第1の容器を保持するように構成されており、第1の容器は、第2の生物学的流体を格納し、第1の区画は、第2のプラットフォームが第2の処理チャンバー内に位置付けられたときに、第2の光源アレイが第1の容器を照射するように構成されるように配置されており、第2のプラットフォームの第2の区画は、第2の複式容器アセンブリの1つ以上の追加の容器を保持するように構成されており、1つ以上の追加の容器は、第2の生物学的流体を格納せず、第2の区画は、第2のプラットフォームが第2の処理チャンバー内に配置されたときに、第2の光源アレイが1つ以上の追加の容器を照射するように構成されないように配置されている。
【0151】
上記システムの各々のいくつかの態様では、ディスプレイは、複数のGUIオブジェクトを含むGUIを表示するように構成されたタッチスクリーンであり、GUIオブジェクトは、タッチスクリーン上のタッチ入力に応答する。上記システムの各々のいくつかの態様では、方法は、GUIオブジェクトの選択に関連付けられている入力を受け取ることと、入力を受け取ることに応答して、生物学的流体処理操作を実施することと、をさらに含む。
【0152】
上記システムの各々のいくつかの態様では、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム)は、1つ以上の生物学的流体の第1の生物学的流体を、1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光)で照射することを含む1つ以上の生物学的流体を処理する方法を実施し得、第1の生物学的流体は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合され、1)1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または2)1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、第1の生物学的流体を照射することは、第1の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。上記システムの各々のいくつかの態様では、1つ以上の生物学的流体を処理する方法は、1つ以上の生物学的流体の第2の生物学的流体を、1つ以上の第2の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、約315nm~約350nmの第2のピーク波長を有する紫外線光)で照射することをさらに含み得、第2の生物学的流体は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合され、1)1つ以上の第2の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または2)1つ以上の第2の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、第2の生物学的流体を照射することは、第2の生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。
【0153】
上記システムの各々のいくつかの態様では、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォームの各々は、第1及び第2の生物学的流体をそれぞれ、最大約3000mL(たとえば、容積容量3000mL以下)、最大約2500mL、最大約2000ml、最大約1500mL、最大約1200mL、最大約1000mL、または最大約800mLの容積容量を各々有する、第1の可撓性容器及び第2の可撓性容器にそれぞれ保持するように構成されている。
【0154】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、第1の処理チャンバーの温度を調整または設定するように構成された加熱及び/または冷却ユニットを備え、方法は、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理中に、第1の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するように加熱/冷却ユニットを制御することをさらに含む。上記システムの各々のいくつかの態様では、方法は、第1の光源アレイからの照射による第1の生物学的流体の処理中に、第1の生物学的流体の温度を2℃以内に維持するようにシステムを制御することをさらに含む。
【0155】
上記システムの各々のいくつかの態様では、ハウジングは、30~45cmの範囲内の最大水平幅を有する。上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、ハウジングの左側及び右側の両方に20cm以下の空きスペースが存在するように、目標動作スペース内で動作するように構成されている。
【0156】
上記システムの各々のいくつかの態様では、システムは、第1の光源アレイ、第2の光源アレイ、及び1つ以上のプロセッサーのうちの1つ以上へのアクセスを提供するように構成された1つ以上の前側アクセスパネルをさらに備える。
【0157】
別の態様では、本開示は、病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン、アモトサレン)と混合した生物学的流体を提供することと、本明細書で提供されるシステムのいずれか(たとえば、前述のシステム)を用いて、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生物学的流体を照射することと、を含む、生物学的流体を処理する方法を提供する。上記システムの各々のいくつかの態様では、生物学的流体は、1つ以上の第1の光源のセットによって放出される紫外線光(たとえば、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光)で照射され、1)1つ以上の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、及び/または2)1つ以上の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するのに十分である。
【国際調査報告】