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特表2022-537488エネルギーフレームを有するダイカスト機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】エネルギーフレームを有するダイカスト機
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/32 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
B22D17/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568496
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2020058382
(87)【国際公開番号】W WO2020229034
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】19174312.9
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517338205
【氏名又は名称】ビューラー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーシェ、ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ワイドラー、ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】エーベルレ、ビート
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、エネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)用の少なくとも1つの受容フレーム(5)を備えるダイカスト機(1)に関し、受容フレーム(5)は、ダイカスト機(1)上に受容フレーム(5)を締結するための締結手段(5A、5A’)と、エネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)を受容するための1~3の列(5H、5H’、5H’’)と、を有する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)用の少なくとも1つの受容フレーム(5)を備えるダイカスト機(1)であって、前記受容フレーム(5)が、
前記ダイカスト機(1)上に前記受容フレーム(5)を締結するための締結手段(5A、5A’)と、
エネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)を受容するための1~3の列(5H、5H’、5H’’)と、を備え、各列(5H、5H’、5H’’)が、2つのプロファイル部品(5B、5B’、5B’’、5B’’’)を含み、前記2つのプロファイル部品(5B、5B’、5B’’、5B’’’)が、好ましくは前記2つのプロファイル部品(5B、5B’、5B’’、5B’’’)の端部において、接続部品(5C、5C’、5C’’、5C’’’、5C’’’’、5C’’’’’)又はエネルギーモジュール(4E)によって互いに接続されており、四角形の内部空間、好ましくは矩形の内部空間を形成し、
前記列(5H、5H’、5H’’)が、前記列(5H、5H’、5H’’)の内部空間内にエネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)を配置するための手段を有し、複数の列(5H、5H’、5H’’)が存在する場合、前記複数の列(5H、5H’、5H’’)が、互いに接続されており、
前記ダイカスト機(1)上に前記受容フレーム(5)を締結するための前記締結手段(5A、5A’)が、前記受容フレーム(5)の外側面を形成するプロファイル部品(5B)上に配置されており、前記受容フレーム(5)が、前記締結手段(5A、5A’)を介して前記ダイカスト機(1)上に締結されており、好ましくは、前記ダイカスト機(1)と前記ダイカスト機(1)に隣接する前記列との間に隙間(5I)を形成する、ダイカスト機(1)。
【請求項2】
前記受容フレーム(5)が、2つの締結手段(5A、5A’)を有し、前記2つの締結手段(5A、5A’)が、隣接する前記列(5H)の横方向端部の上4分の1又は下4分の1、好ましくは角部において配置されており、前記列(5H)から横方向に延在することを特徴とする、請求項1に記載のダイカスト機。
【請求項3】
前記受容フレーム(5)内の前記列(5H、5H’、5H’’)が、深さで互いからオフセットされて配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のダイカスト機。
【請求項4】
隣接する列(5H、5H’、5H’’)が、共通のプロファイル部品(5B’、5B’’)を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項5】
少なくとも1つの締結手段(5A、5A’)が、隣接する前記列(5H、5H’、5H’’)の上部接続部品又は下部接続部品を形成することを特徴とする、請求項4に記載のダイカスト機。
【請求項6】
隣接する列(5H、5H’、5H’’)間の共通プロファイル部品(5B’’)が、隣接する前記列(5H、5H’、5H’’)の全高さにわたって延在しないことを特徴とする、請求項4又は5に記載のダイカスト機。
【請求項7】
前記締結手段(5A、5A’)に隣接する前記列(5H)が、少なくとも1つの更なる列(5H’、5H’’)よりも低い高さを有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項8】
1つ以上のカバー要素(5D、5D’、5D’’)が、前記受容フレーム(5)上、好ましくは、列(5H、5H’、5H’’)の下部接続部品(5C、5C’、5C’’、5C’’’、5C’’’’、5C’’’’’)上に配置され得ることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項9】
前記少なくとも1つの受容フレーム(5)が、前記ダイカスト機(1)のプラテン(3)の側面上、好ましくは前記可動プラテンの側面上に配置されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項10】
受容フレーム(5)が、前記ダイカスト機(1)の両側上、好ましくは前記ダイカスト機(1)の1つ以上のプラテン(3)の両側上に、対称に配置されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項11】
前記ダイカスト機(1)上の前記少なくとも1つの受容フレーム(5)の前記配置が、前記ダイカスト機(1)のプラットフォーム高さと整列されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項12】
少なくとも1つのエネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)が、前記少なくとも1つの受容フレーム(5)の列(5H、5H’、5H’’)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のダイカスト機。
【請求項13】
前記少なくとも1つのエネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)が、前記ダイカスト機(1)の油圧素子を動作させるためのデバイスであり、前記ダイカスト機(1)に隣接する前記少なくとも1つの受容フレーム(5)の列(5H)内に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のダイカスト機。
【請求項14】
各エネルギーモジュール(4A、4B、4C、4D、4E、4F)が、前記ダイカスト機(1)に可能な限り近い前記少なくとも1つの受容フレーム(5)の列(5H、5H’、5H’’)内に配置されていることを特徴とする、請求項12又は13に記載のダイカスト機。
【請求項15】
前記ダイカスト機が、2つのプラテンのダイカスト機又は3つのプラテンのダイカスト機であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のダイカスト機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーモジュールを受容するための受容フレームを有するダイカスト機に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ダイカスト機は、十分に既知である(例えば、Brunhuber,Praxis der Druckgussfertigung,Berlin,3rd edition 1980を参照されたい)。ダイカスト機では、2つの半体からなる成形型は、高圧下で閉じられ、溶融金属(又は金属合金)は、閉じられた成形型に導入され、鋳造材料の固化の後に、完成したダイカストは、成形型を開くことによって取り出され得る。成形型半体は固定プラテン及び可動プラテン上に配置されており、成形型は、固定プラテンに向かうガイドカラム上の可動プラテンの対応する移動によって閉じられる。
【0003】
ダイカスト機の成形型の動作については、ダイカスト機の対応する構成要素に電気エネルギー又は油圧媒体を供給するために、エネルギーモジュールがダイカスト機上に設けられている必要がある。通常、これらのエネルギーモジュールは、固定プラテン及び/又は可動プラテンの画定された非占有領域に配置されている。
【0004】
図1は、先行技術によるダイカスト機の正面図を概略的に示す。ダイカスト機1は、(ここでは、例として、固定)プラテン3と、可動プラテン(図示せず)を移動させるためのガイドカラム(図示せず)用のプラテン2内の開口部2と、を備える。電気エネルギーをダイカスト機に供給するためのモジュール4A、コアプラーを動作させるためのモジュール4B、冷却用のモジュール4C、及びブースタを動作させるためのモジュール4Dは、プラテン2の側面上に配置されている。
【0005】
モジュール用に利用可能な領域は小さく、一般に、対応するモジュール用のみに使用され得、他のエネルギーモジュール用には使用されない。エネルギーモジュール用の領域の配置は、ダイカスト機の種類、すなわち、特定のダイカスト機において利用可能な空間に依存する。図1では、例えば、電気エネルギーをダイカスト機に供給するためのモジュール2Cは、モジュール2Cのサイズに起因して非常に高くのみ配置され得、このため、モジュール2Cは、概略的に図示されたユーザによって困難を伴ってのみアクセスされ得る。
【0006】
追加の必要とされるエネルギーモジュールは、可能であれば、ダイカスト機のわずかな残りの非占有領域においてのみ配置され得るため、従来のダイカスト機の変更は、相当な労力と密接に関係する。空間問題及びホースを使用する既存の配線又は供給に起因して、既存のエネルギーモジュールは、可能であれば、多大な労力を伴ってのみ再配置され得る。
【0007】
各機械サイズは異なるインターフェースを有するため、異なる機械サイズへの変更は、相当な労力と密接に関係する。
【0008】
米国特許出願公開第2001/0035277A1号は、共通のエネルギーモジュールを介していくつかの射出成形ユニットを動作させることを提案する。しかしながら、この解決策は、莫大な量の空間を占め、更に、複数のダイカスト機は、通常、十分な相互近接で動作されないため、この解決策は、嵩高なダイカスト機には明らかに不適切である。
【0009】
本発明の目的は、空間をほとんど必要とせず、改造が容易であるダイカスト機を提供することであった。
【0010】
この目的は、請求項1に記載のダイカスト機によって達成される。
【0011】
詳細には、本発明は、エネルギーモジュール用の少なくとも1つの受容フレームを備えるダイカスト機に関し、受容フレームは、
ダイカスト機上に受容フレームを締結するための締結手段と、
エネルギーモジュールを受容するための1~3の列と、を備え、各列が、2つのプロファイル部品を含み、2つのプロファイル部品が、好ましくは2つのプロファイル部品の端部において、接続部品又はエネルギーモジュールによって互いに接続されており、四角形の内部空間、好ましくは矩形の内部空間を形成し、
列が、列の内部空間内にエネルギーモジュールを配置するための手段を有し、複数の列が存在する場合、複数の列が、互いに接続されており、
ダイカスト機上に受容フレームを締結するための締結手段が、受容フレームの外側面を形成するプロファイル部品上に配置されており、受容フレームが、締結手段を介してダイカスト機上に締結されており、好ましくは、ダイカスト機とダイカスト機に隣接する列との間に隙間を形成する。
【0012】
本発明によれば、ダイカスト機は、好ましくは、2つのプラテンのダイカスト機又は3つのプラテンのダイカスト機である。
【0013】
本発明は、ダイカスト機に必要な全てのエネルギーモジュールをダイカスト機上に配置された受容フレーム内に設ける概念に基づく。これは、追加の及び/又は他のエネルギーモジュールが設けられる必要がある場合、特にエネルギーモジュールの省空間配置、及びダイカスト機の非常に単純な改造を可能にする。エネルギーモジュール用に必要とされる空間は、最適に使用され、可能な限り小さく保たれる。換言すれば、ダイカスト機のいわゆる「設置面積」が最適化される。
【0014】
受容フレームは、ダイカスト機上に締結されるために締結手段を有する。受容フレームは、好ましくは、ダイカスト機のプラテンのうちの1つの側面上、例えばダイカスト機の固定プラテン又は可動プラテン上、好ましくは可動プラテンの側面上に締結されている。ダイカスト機上に複数の受容フレームを設ける場合、受容フレームは、固定プラテン及び可動プラテンの両方上に配置され得る。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、受容フレームは、ダイカスト機の両側上、好ましくはダイカスト機の1つ以上のプラテンの両側上に、対称に配置されている。
【0016】
ダイカスト機は通常、成形型半体が配置されている空間に到達するために、例えば工程を介して操作者によって到達され得るプラットフォームを有する。本発明の好ましい実施形態によれば、ダイカスト機上の少なくとも1つの受容フレームは、ダイカスト機のプラットフォーム高さと整列されている。その結果、受容フレーム内に配置されたエネルギーモジュールは、プラットフォーム上の操作者に容易にアクセス可能である。本発明によれば、受容フレームの下端部は、プラットフォームの床から10~50mm、特に好ましくは20~40mm上に配置されていることが特に好ましい。
【0017】
締結手段は、ダイカスト機の動作中に生じる力に耐えるように、かつ全ての動作状況においてダイカスト機上の受容フレームの安定な配置を確実にするように設計されなければならない。ダイカスト機では、例えば、緊急停止を実行することが必要となる場合があり、この場合、可動プラテンは可能な限り迅速に完全に停止されなければならない。締結手段は、この場合に生じる力に耐えなければならない。
【0018】
本発明によれば、締結手段は、十分に強い材料、例えば、鉄、又は鋼などの好適な金属材料で作製された接続部品であってもよい。接続部品は、好ましくは10~50mm、特に好ましくは10~20mmの材料厚さを有する。接続部品の幅(すなわち、受容フレームの横方向端部と、受容フレームが締結されているダイカスト機の外側面との間の寸法)は、好ましくは100~200mm、特に好ましくは150~180mmである。接続部品の深さ(すなわち、高さに対して垂直であり、かつダイカスト機のこの外側面に対して平行である寸法)は、好ましくは100~200mm、特に好ましくは120~160mmである。本発明の好ましい実施形態では、締結手段は、T字形であってもよく、又は中空直方体として設計されてもよい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、受容フレームは、2つの締結手段を有し、2つの締結手段は、以下に記載されている受容フレームの隣接する列の横方向端部の上4分の1又は下4分の1、好ましくは角部において配置されており、隣接する列は、受容フレームの外側面を形成し、2つの締結手段は、列から横方向に延在する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、受容フレームは、ダイカスト機上に締結されており、ダイカスト機とダイカスト機に隣接する列との間に隙間を形成する。締結手段は上述の幅を有するため、この実施形態では、受容フレームは、ダイカスト機の側面上に直接載置されず、ダイカスト機と受容フレームとの間に隙間が形成されている。この隙間は、例えば、ホース又はケーブルを配置するために使用され得る。
【0021】
本発明による受容フレームは、モジュール式設計を有する。受容フレームは、エネルギーモジュールを受容するための1~3の列を含む。
【0022】
本発明によれば、各列は、2つのプロファイル部品を含み、2つのプロファイル部品は、好ましくは2つのプロファイル部品の端部において、接続部品又はエネルギーモジュールによって互いに接続されており、四角形の内部空間、好ましくは矩形の内部空間を形成する。プロファイル部品は、列の横方向境界を形成し、ダイカスト機上に設置されている状態では、好ましくは、受容フレームが締結されているダイカスト機の外側面の平面に対して平行に配置されている。ダイカスト機の外側面との正確に平行な整列からのわずかな逸脱が考えられる。しかしながら、受容フレームの列内のエネルギーモジュールの配置は損なわれてはならない。
【0023】
本発明によれば、プロファイル部品は、定義された寸法を有する構成要素である。プロファイル部品は、好ましくは、十分に強い材料、例えば、鉄、又は鋼などの好適な金属材料で作製された細長い構成要素である。接続部品のように、プロファイル部品は、ダイカスト機の動作中に生じる力に耐えなければならない。加えて、プロファイル部品は、プロファイル部品上に締結されたエネルギーモジュールの負荷を支えることができなければならない。
【0024】
プロファイル部品は、好ましくは10~50mm、特に好ましくは10~20mmの材料厚さを有する。プロファイル部品の深さ(すなわち、高さに対して垂直であり、かつダイカスト機のこの外側面に対して平行である寸法)は、好ましくは100~300mmであり、特に好ましくは150~200mmである。プロファイル部品の高さ(すなわち、ダイカスト機のこの外側面の高さに対して平行な寸法)は、好ましくは1000~2000mm、特に好ましくは1500~1900mmである。
【0025】
本発明による受容フレームでは、各場合、2つのプロファイル部品は、接続部品によって、又はエネルギーモジュールによって、例えばねじ接続によって、互いに接続されている。接続は、好ましくは、プロファイル部品の端部において、すなわち、プロファイル部品の端部において直接、又は少なくともプロファイル部品の高さのそれぞれの最後の4分の1において行われる。これらの接続部品は、これらの接続部品の設計において、締結手段として上述した接続部品に対応するが、好ましくは、従来のエネルギーモジュールが受容フレーム内に収容され得るように、より大きな幅を有する。本発明の好ましい実施形態では、これらの接続部品は、十分に強い材料、例えば、鉄、又は鋼などの好適な金属材料で作製されている。各接続部品は、好ましくは10~50mm、特に好ましくは10~20mmの材料厚さを有する。各接続部品の幅(すなわち、受容フレームが締結されているダイカスト機の外側面に対して垂直な寸法)は、好ましくは100~300mm、特に好ましくは200~270mmである。接続部品の深さ(すなわち、高さに対して垂直であり、かつダイカスト機のこの外側面に対して平行である寸法)は、好ましくは100~200mm、特に好ましくは120~160mmである。本発明の好ましい実施形態では、接続部品は、T字形であってもよく、又は中空直方体として設計されてもよい。
【0026】
本発明の代替的な実施形態では、少なくとも1つの締結手段は、隣接する列の上部接続部品又は下部接続部品を形成してもよい。換言すれば、この実施形態では、締結手段は、ダイカスト機の外側面からダイカスト機に最も近い受容フレームの隣接する列のプロファイル部品まで延在するだけでなく、ダイカスト機から更に離れた受容フレームの隣接する列のプロファイル部品までも延在する。この場合、対応する締結手段/接続部品の幅は、好ましくは200~500mm、特に好ましくは350~450mmである。
【0027】
本発明の代替的な実施形態では、2つのプロファイル部品間の接続は、接続部品の代わりにエネルギーモジュールによって実現され得る。
【0028】
各列は、2つのプロファイル部品を備え、2つのプロファイル部品は、互いに接続されており、四角形の内部空間、好ましくは矩形の内部空間を形成する。従来のエネルギーモジュール又は特にこの目的で設けられるエネルギーモジュールは、この内部空間内に配置され得る。この目的で、列は、列の内部空間内にエネルギーモジュールを配置するための手段を有する。これらの手段は、例えば、ねじを受容するための、プロファイル部品内のドリル穴であり得、すなわち、この場合のエネルギーモジュールはまた、ねじを収容し得るドリル孔をエネルギーモジュールの側面に有する。代替的に、他の手段、例えば、列の内部空間内に延在する支持体又はレールがまた、プロファイル部品上に設けられ得る。
【0029】
本発明による受容フレームが複数の列を有する場合、複数の列は互いに接続され得る。この実施形態では、列は、隣接するプロファイル部品を互いに接続することによって、例えばねじ接続によって、接続されている。しかしながら、隣接する列は、好ましくは、共通のプロファイル部品を有する。換言すれば、2つの隣接する列は、列間に配置されたプロファイル部品を共有する。次いで、隣接する列のそれぞれは、共通のプロファイル部品から延在する接続部品によって、及び各場合、これらの接続部品に接続された更なるプロファイル部品によって形成されている。
【0030】
本発明の更なる実施形態では、本発明による受容フレーム内の列は、深さ(すなわち、高さに対して垂直であり、かつ受容フレームが締結されているダイカスト機の外側面に対して平行である寸法)で互いからオフセットされて配置されている。これは、互いに対して隣接する、列の接続部品の縁部が、互いに対してオフセットされていることを意味する。例えば、これは、例えばねじ接続によって、互いからオフセットされて接続されている2つの隣接するプロファイル部品によって、実現され得る。代替的に及び好ましくは、互いに対して隣接する、列の共通のプロファイル部品の異なる側面上の接続部品はまた、例えばねじ接続によって、互いからオフセットされて配置され得る。本発明によれば、この実施形態における列は、好ましくは、10~100mm、好ましくは30~70mmの値で互いからオフセットされている。
【0031】
本発明の更なる実施形態では、隣接する列間の共通のプロファイル部品が、隣接する列の全高さにわたって延在しないことが提供されている。例えば、プロファイル部品は、隣接する列の下端部まで下方に設けられなくてもよい。その結果、隣接する列の内部空間はそこで互いから分離されておらず、むしろ互いに合流するため、対応する下部領域内の内部空間は拡大されている。これは、受容フレームの列の幅よりも大きな幅を有するエネルギーモジュールを、受容フレーム内に配置することを可能にする。また、複数の隣接するプロファイル部品が、同様により短く設計され、したがって内部空間の更により大きな共通領域を提供することも考えられる。
【0032】
本発明の更なる実施形態では、受容フレームの全ての列が同じ高さを有する必要はない。好ましくは、締結手段に隣接する列が少なくとも1つの更なる列よりも低い高さを有することが提供され得る。
【0033】
本発明の更なる実施形態では、1つ以上のカバー要素は、受容フレーム上に配置され得る。これらは、受容フレームの内部空間の一部分、又は好ましくは、受容フレームの側部に沿う領域、若しくは受容フレームの下の領域を覆う金属シート又はカバーであってもよい。カバー要素は、好ましくは、列の下部接続部品上に配置され得、又は列のプロファイル部品上(好ましくは、受容フレームを閉じるプロファイル部品上)に横方向に配置され得る。これらのカバー要素は、保護のために使用され、例えば、ダイカスト機の操作中に居残ることが危険であり得る、受容フレームの下の又は受容フレームを横方向に越すダイカスト機の領域に操作者が到達するのを防止するために使用される。
【0034】
本発明の意味の範囲内のエネルギーモジュールは、例えば、電気エネルギーの形態で、又は加圧された油圧媒体の形態で、又は水、真空、圧縮空気、若しくは熱油で、エネルギーをダイカスト機の構成要素に供給することができるデバイスである。このようなエネルギーモジュールは、従来公知であり、利用可能である。エネルギーモジュールは基本的にボックス形状であり、電流又は油圧媒体を供給及び放出するための接続部、並びに場合によってはスイッチ、制御ノブなどの動作要素を有する。本発明による受容フレームは、既知で利用可能なエネルギーモジュールを受容するために設けられている。しかしながら、特別に開発されたエネルギーモジュールを受容フレーム内に設けることももちろん可能である。エネルギーモジュールは、好ましくは、ねじを受容及び締結するための穴などの、本発明による受容フレーム内に締結するための手段を有する。使用され得るエネルギーモジュールの例は、電力分配器、変圧器、若しくは整流器などの電気デバイス、あるいは排出シリンダを動作させるためのモジュール、コアプルシリンダ若しくはブースタシリンダを動作させるためのモジュール、又は真空を適用するためのモジュールなどの油圧デバイスである。
【0035】
本発明によれば、少なくとも1つのエネルギーモジュールは、少なくとも1つの受容フレームの列内に配置されている。しかしながら、通常、複数のエネルギーモジュール、例えば5~15個のエネルギーモジュールが、ダイカスト機を動作させるために必要とされる。
【0036】
通常、少なくとも1つのエネルギーモジュールは、ダイカスト機の油圧素子を動作させるためのデバイスであり得る。本発明によれば特に好ましいのは、ダイカスト機に隣接する少なくとも1つの受容フレームの列内でダイカスト機の油圧素子を動作させるためのエネルギーモジュールである。これは、このようなエネルギーモジュールの高い自重及び提供されるホース接続により、特に有利である。
【0037】
可能な限り空間を節約するようにダイカスト機を設計するために、すなわち、ダイカスト機の「設置面積」を最適化するために、エネルギーモジュールは、ダイカスト機に可能な限り近くに配置されているべきである。換言すれば、追加のエネルギーモジュールは、ダイカスト機に可能な限り近くに配置された受容フレームの内部空間の自由領域内に配置されているべきである。ダイカスト機から更に離れた列の内部空間には、ダイカスト機により近くに配置された内部空間が完全に占有されるまで、エネルギーモジュールが装着されるべきではない。このようにして、受容フレームの必要な列の数が可能な限り低く保たれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明は、非限定的な図面を参照して以下でより詳細に説明されている。以下のものが示されている。
図1図1は、先行技術によるダイカスト機の正面図である。
図2図2は、ダイカスト機のプラテン上に締結されている、本発明による受容フレームの概略図である。
図3A図3Aは、1つの列を有する、本発明による受容フレームの実施形態の概略図である。
図3B図3Bは、2つの列を有する、本発明による受容フレームの実施形態の概略図である。
図3C図3Cは、3つの列を有する、本発明による受容フレームの実施形態の概略図である。
図3D図3Dは、3つの列及び短縮されたプロファイル部品を有する、本発明による受容フレームの実施形態の概略図である。
図4図4は、伸張された締結手段を有する、本発明による受容フレームの実施形態の概略図である。
図5図5は、オフセットされた列を有する、本発明による受容フレームの実施形態の上面図である。
【0039】
図面において、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、先行技術によるダイカスト機の正面図を概略的に示す。ダイカスト機1は、(ここでは、例として、固定)プラテン3と、可動プラテン(図示せず)を移動させるためのガイドカラム(図示せず)用のプラテン2内の開口部2と、を備える。電気エネルギーをダイカスト機に供給するためのモジュール4A、コアプラーを動作させるためのモジュール4B、冷却用のモジュール4C、及びブースタを動作させるためのモジュール4Dは、プラテン2の側面上に配置されている。その上に操作者が立っているプラットフォームは、概略的に示されている。
【0041】
図2は、ダイカスト機1のプラテン3上に締結されている、本発明による受容フレーム5の概略図である。可動プラテンを移動させるためのガイドカラム用の開口部2は、プラテン内に見ることができる。
【0042】
この実施形態では、受容フレーム5は、3つの列5H、5H’、5H’’からなり、3つの列5H、5H’、5H’’は、プロファイル部品5B、5B’、5B’’、及び5B’’’、並びに接続部品5C、5C’、5C’’、5C’’’、及び5C’’’’よって形成されている。
【0043】
内側列5Hは、プロファイル部品5B及び5B’によって区切られており、プロファイル部品5B及び5B’は、接続部品5C及びエネルギーモジュール4E(ここでは、油圧モジュールスタックのベースブロック)によって互いに接続されている。それらを介して受容フレーム5がプラテン3に接続されている締結手段5A及び5A’は、プロファイル部品5B上に配置されている。締結手段5A及び5A’は、ねじ(図示せず)を介して、プラテン3及びプロファイル部品5Bに接続されている。
【0044】
隙間5I(ここでは見えない)は、締結手段5A及び5A’間に形成されており、隙間5Iは、ホース又はケーブルを配置するために使用され得、この実施形態では、カバー要素5D(カバーシート)によって前面に向かって閉じられている。
【0045】
エネルギーモジュール4B、4D、及び4Eは、内側列5H内に設けられている。この実施形態では、これらは、油圧モジュール、すなわち、コアプラーを動作させるためのモジュール4B、ブースタを動作させるためのモジュール4D、及び他の油圧モジュール間に油圧媒体を分配するためのベースブロック4Eである。エネルギーモジュール4B、4D、及び4Eは、ねじ(図示せず)によって、内側列5Hのプロファイル部品5B及び5B’上に締結されている。
【0046】
中間列5H’は、接続部品5C’及び5C’’によって互いに接続されているプロファイル部品5B’及び5B’’によって区切られている。したがって、内側列5H及び中間列5H’は、共通のプロファイル部品5B’を有する。接続部品5C’及び5C’’は、後部へわずかにオフセットされて、ねじ(図示せず)を介してプロファイル部品5B’上に締結されている。その結果、中間列5H’は、受容フレーム5内の内側列5Hからオフセットされて配置されている。
【0047】
外側列5H’’は、接続部品5C’’’及び5C’’’’によって互いに接続されているプロファイル部品5B’’及び5B’’’によって境界づけされている。したがって、中間列5H’及び外側列5H’’は、共通のプロファイル部品5B’’を有する。接続部品5C’及び5C’’と比較して、接続部品5C’’’及び5C’’’’は、後部へわずかにオフセットされて、ねじ(図示せず)によってプロファイル部品5B’’上に締結されている。その結果、外側列5H’’は、受容フレーム5内の中間列5H’からオフセットされて配置されている。
【0048】
この実施形態では、隙間5I及び内側列5Hの下の領域は、カバー要素(カバーシート)5D’によって前面に向かって追加的に閉じられている。
【0049】
図3Aは、1つの列5Hを有する、本発明による受容フレーム5の実施形態の概略図を示す。本発明による受容フレーム5のこの最も単純な実施形態では、1つの列5Hのみが存在し、1つの列5Hは、プロファイル部品5B及び5B’によって境界づけされており、プロファイル部品5B及び5B’は次いで、ねじ(図示せず)を介して、接続部品5C及び5C’によって互いに接続されている。締結手段5A及び5A’は、ねじ(図示せず)を介してプロファイル部品5B上に配置されており、締結手段5A及び5A’によって、受容フレーム5は、プラテン3(ここでは図示せず)に接続され得、隙間5Iを形成する。
【0050】
図3Bは、2つの列5H、5H’を有する、本発明による受容フレーム5の実施形態の概略図を示す。本発明による受容フレーム5のこの実施形態では、内側列5Hが存在し、内側列5Hは、プロファイル部品5B及び5B’によって区切られており、プロファイル部品5B及び5B’は次いで、ねじ(図示せず)を介して、接続部品5C及び5C’によって互いに接続されている。締結手段5A及び5A’は、ねじ(図示せず)を介してプロファイル部品5B上に配置されており、締結手段5A及び5A’によって、受容フレーム5は、プラテン3(ここでは図示せず)に接続され得、隙間5Iを形成する。
【0051】
接続部品5C’’及び5C’’’は、ねじ(図示せず)を介して、プロファイル部品5B’上に更に締結されている。したがって、内側列5H及び外側列5H’は、共通のプロファイル部品5B’を有する。接続部品5C及び5C’と比較して、接続部品5C’’及び5C’’’は、後部へわずかにオフセットされて、ねじ(図示せず)によって、プロファイル部品5B’上に締結されている。その結果、外側列5H’は、受容フレーム5内の内側列5Hからオフセットされて配置されている。外側列5H’は、プロファイル部品5B’’によって外向きに境界づけされている。接続部品5C’’及び5C’’’はまた、ねじ(図示せず)を介して、プロファイル部品5B’’上に締結されている。
【0052】
図3Cは、3つの列5H、5H’、5H’’を有する、本発明による受容フレーム5の実施形態の概略図を示す。図3Bによる実施形態と比較して、追加の列5H’’が設けられており、追加の列5H’は、追加の接続部品5C’’’’及び5C’’’’’、並びに追加のプロファイル部品5B’’’によって同様に形成されている。接続部品5C’’’’及び5C’’’’’は、ねじ(図示せず)を介して、プロファイル部品5B’’及び5B’’’上に締結されている。したがって、中間列5H’及び外側列5H’’はまた、共通のプロファイル部品5B’’を有する。接続部品5C’’及び5C’’’と比較して、接続部品5C’’’’及び5C’’’’’は、後部へわずかにオフセットされて、ねじ(図示せず)によってプロファイル部品5B’’上に締結されている。その結果、中間列5H’は、受容フレーム5内の外側列5H’’からオフセットされて配置されている。外側列5H’’は、プロファイル部品5B’’’によって外向きに境界づけされている。
【0053】
図3Dに示されている実施形態は、プロファイル部品5B’’が短縮されており、接続部品5C’’’及び5C’’’’’まで下に延在しない点で、図3Cに示されている実施形態とは異なる。したがって、中間部品5E及び5E’の下では、中間列及び外側列5H’、5H’’の内部空間は、組み合わされており、より大きなエネルギーモジュールを受容するのに好適である。
【0054】
図4は、本発明による受容フレーム5の更なる実施形態の概略図を示す。この実施形態は、締結手段5Aが細長く、追加的に、受容フレーム5の内側列5Hの上に延在することを特徴とする。ここで、締結手段5Aは、接続部品の追加機能を果たし、ねじ(図示せず)を介してプロファイル部品5B上に締結されている。図4は、エネルギーモジュールを受容するように機能するレール5F及び5F’を追加的に示す。他の点では、この実施形態の構造は、図2に示されている構造に対応する。
【0055】
図5は、オフセットされた列5H、5H’を有する、本発明による受容フレーム5の実施形態の上面図である。図2図4と同様に、接続部品5C及び5C’’は、互いからオフセットされて、すなわち距離Xでオフセットされて、プロファイル部品5B’上に締結されている。Xは、好ましくは10~100mm、特に好ましくは30~70mmである。図5は、ねじ5G、5G’、5G’’、及び5G’’’を示し、ねじ5G、5G’、5G’’、及び5G’’’によって、接続部品5C及び5C’’は、プロファイル部品5B、5B’、及び5B’’に接続されている。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
【国際調査報告】