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特表2022-537494蒸発器カートリッジ、並びに、そのような蒸発器カートリッジを有する吸入器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】蒸発器カートリッジ、並びに、そのような蒸発器カートリッジを有する吸入器
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/10 20200101AFI20220819BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220819BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20220819BHJP
   A24F 40/46 20200101ALN20220819BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/42
A24F40/44
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569423
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2020066735
(87)【国際公開番号】W WO2020254388
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】102019116725.6
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ハウニ・マシイネンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ベルクマン・マクス
(72)【発明者】
【氏名】コルニルス・ラッセ
(72)【発明者】
【氏名】ギーゼ・マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンネケン・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤクリン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー・マルク
(72)【発明者】
【氏名】クライネ・ヴェヒター・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロンミング・ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・レーネ
(72)【発明者】
【氏名】シュースター・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴットケ・トビアス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、吸入器の構成要素としての蒸発器カートリッジ10に関し、この蒸発器カートリッジが、貫通した流動通路16を有する中空体15と、液体の貯蔵のための貯蔵タンク17とを備えており、その際、この貯蔵タンク17が、前記流動通路16への少なくとも1つのアクセス開口部18を有しており、且つ、それぞれの前記アクセス開口部18の領域内において、このアクセス開口部18全体にわたって延在する蒸発器ユニット19が配置されており、この蒸発器ユニット19が、ウィック要素20と加熱要素21とを有しており、その際、前記蒸発器ユニット19が、液体が少なくとも初期に毛細管現象により前記貯蔵タンク17から前記蒸発器ユニット19を通って前記流動通路16への方向に搬送可能であるように、液体浸透的に形成されている様式の上記蒸発器カートリッジ10において、前記ウィック要素20が多数の粒状物質状の粒24から形成されており、これら粒が、これら粒のばら積み堆積及び/または構成に基づいて微細通路23を形成し、これら微細通路が、前記貯蔵タンク17と前記流動通路16との間の流体接続の形成のために、貫通して、前記ウィック要素20の流入側Eから、このウィック要素20の流出側Aへと延在し、その際、付加的な固定手段25が設けられており、この固定手段が、粒状の前記ウィック要素20を前記流体接続を維持する状態で前記アクセス開口部18の領域内において定位置において保持するように、形成および設備されている、
ことによって特徴付けられている。本発明は、更に、相応する吸入器14に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器の構成要素としての蒸発器カートリッジ(10)であって、この蒸発器カートリッジが、貫通した流動通路(16)を有する中空体(15)と、液体の貯蔵のための貯蔵タンク(17)とを備えており、
この貯蔵タンク(17)が、前記流動通路(16)への少なくとも1つのアクセス開口部(18)を有しており、且つ、それぞれの前記アクセス開口部(18)の領域内において、このアクセス開口部(18)全体にわたって延在する蒸発器ユニット(19)が配置されており、この蒸発器ユニット(19)が、ウィック要素(20)と加熱要素(21)とを有しており、
前記蒸発器ユニット(19)が、液体が少なくとも初期に毛細管現象により前記貯蔵タンク(17)から前記蒸発器ユニット(19)を通って前記流動通路(16)への方向に搬送可能であるように、液体浸透的に形成されている様式の上記蒸発器カートリッジ(10)において、
前記ウィック要素(20)が多数の粒状物質状の粒(24)から形成されており、これら粒が、これら粒のばら積み堆積及び/または構成に基づいて微細通路(23)を形成し、これら微細通路が、前記貯蔵タンク(17)と前記流動通路(16)との間の流体接続の形成のために、貫通して、前記ウィック要素(20)の流入側Eから、このウィック要素(20)の流出側Aへと延在し、
付加的な固定手段(25)が設けられており、
この固定手段が、粒状の前記ウィック要素(20)を前記流体接続を維持する状態で前記アクセス開口部(18)の領域内において定位置において保持するように、形成および設備されている、
ことを特徴とする蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項2】
前記固定手段(25)は、
前記蒸発器カートリッジ(10)の構成要素またはこれら構成要素の一部から開口部(27)を有する全面的に取り囲まれた収容室(26)が粒状の前記ウィック要素(20)の装入のために形成されており且つこの開口部(27)がカバー要素(28)によって閉鎖されているような、
機械的な様式であり、
この収容室(26)が、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項3】
前記蒸発器カートリッジ(10)は、担持要素(29)を備えており、この担持要素が、前記中空体(15)を形成し、且つ、一方では、前記流動通路(16)を形成するための貫通開口部(30)を有しており、および、他方では、前記ウィック要素(20)の収容のための切欠き部(31)を有しており、
この切欠き部(31)が、前記収容室(26)の側壁(32)を形成し、且つ、この切欠き部(31)が、前記貯蔵タンク(17)および前記流動通路(16)へと、それぞれに液体浸透的な構造によって区画されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項4】
粒状の前記ウィック要素(20)の前記粒(24)は、スクリーンによって、
このスクリーンが前記収容室(26)を区画する前記側壁(32)とこのウィック要素(20)に対して別個に形成された加熱要素(21)と共に前記ウィック要素(20)の総量を取り囲むように、
定位置において保持されることを特徴とする請求項2または3に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項5】
前記カバー要素(28)は、選択的に、強固または柔軟な蓋(35)であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項6】
前記蓋(35)は、少なくとも前記開口部(27)を覆っており、有利には、しかしながら、前記中空体(15)全体を、前記収容室(26)の前記開口部(27)をも含めて囲繞し、この蓋(35)が、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項7】
前記蓋(35)は、前記中空体(15)に対して長手軸線方向にまたは回転的に移動可能なスリーブ(43)であり、このスリーブが、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項8】
前記蓋(35)は、巻回された不織布条片を有している、または、巻回された不織布条片から形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項9】
前記固定手段(25)は、
前記粒(24)が溶融プロセス及び/または硬化プロセスによって定位置において保持されるような、
物理的及び/または化学的な様式であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項10】
粒状の前記ウィック要素(20)の前記粒(24)は、直接的に、前記中空体(15)と融合されていることを特徴とする請求項9に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項11】
粒状の前記ウィック要素(20)の融合された粒(24)は、それら融合された粒固有の、閉鎖された、且つ、少なくとも部分的に液体浸透的な収容室(26)を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項12】
少なくとも、前記カバー要素(28)は、粒状の前記ウィック要素(20)の少なくとも一部から成る融合された粒(24)から形成されていることを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項13】
前記固定手段(25)は、
前記粒(24)が少なくとも部分的に帯磁性に形成されており且つ前記ウィック要素(20)の領域内において配置されている磁石がこれら粒(24)を定位置において保持するような、
磁気的な様式であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項14】
前記固定手段(25)は、
前記粒(24)が少なくとも部分的に電荷されており且つ前記ウィック要素(20)の領域内において存在する電界がこれら粒を定位置において保持するような、
静電気的な様式であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項15】
前記固定手段(25)は、選択的に、永続的または一時的な固定のために形成および設備されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか一つに記載の蒸発器カートリッジ(10)。
【請求項16】
作用物質を添加された蒸気の吸入のために形成および設備されている吸入器(14)であって、この吸入器が、
少なくとも、1つの電子式の制御ユニット(11)と1つのエネルギー供給源(12)とを備える1つのカートリッジ担持体(13)と、1つの蒸発器カートリッジ(10)とを備えている様式の、上記吸入器(14)において、
請求項1から15のいずれか一つによる前記蒸発器カートリッジ(10)が形成および設備されていることを特徴とする吸入器(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入器の構成要素としての蒸発器カートリッジに関し、この蒸発器カートリッジが、貫通した流動通路を有する中空体と、液体の貯蔵のための貯蔵タンクとを備えており、
その際、この貯蔵タンクが、前記流動通路への少なくとも1つのアクセス開口部を有しており、且つ、それぞれの前記アクセス開口部の領域内において、このアクセス開口部全体にわたって延在する蒸発器ユニットが配置されており、この蒸発器ユニットが、ウィック要素と加熱要素とを有しており、
その際、前記蒸発器ユニットが、液体が少なくとも初期に毛細管現象により前記貯蔵タンクから前記蒸発器ユニットを通って前記流動通路への方向に搬送可能であるように、液体浸透的に形成されている。
【0002】
更に、本発明は、作用物質を添加された蒸気の吸入のために形成および設備されている吸入器に関し、この吸入器が、
少なくとも、1つの電子式の制御ユニットと1つのエネルギー供給源とを備える1つのカートリッジ担持体と、1つの蒸発器カートリッジとを備えている。
【背景技術】
【0003】
そのような蒸発器カートリッジおよび吸入器は、ここで特に電子式のたばこ、いわゆる電子たばことの関連における嗜好品産業において、並びに、医療の領域内において、流動性の嗜好品及び/または流動性の医療用の製品を、蒸気の形態において及び/またはエアロゾルとして吸入可能とするために使用される。
消費の際に、通常、人は吸入器の吸い口片において吸引し、このことによって流動通路内において吸引力が生成し、この吸引力が、この流動通路を通っての空気流を生成する。空気流が、しかしながら同様に機械的に、例えばポンプによって生成されることも可能である。
流動通路内において、空気流に、蒸発器ユニットによって生成され且つ準備された、蒸発させられた液体が、気相として付加され、且つ、消費する人に、エアロゾル、または、エアロゾル-蒸気混合物を与えるために、引き続いて、混合の際にこの空気流と合目的に再凝縮される。
液体は、蒸発器カートリッジにおいて、または、この蒸発器カートリッジ内において貯蔵されている。液体として、同じまたは異なる蒸気密度の異なる成分を有する種々の混合物が使用される。
電子たばこ内における使用のための典型的な混合物は、例えば、場合によってはニコチン及び/またはほぼ適宜の味覚物質を添加された、グリセリンおよびプロピレングリコールの成分を有している。医療または治療の領域内における使用のため、例えば喘息薬剤の吸入のために、混合物が、相応して医療用の成分および作用物質を有していることは可能である。
【0004】
蒸発器カートリッジの個々の構成要素、即ち、中空体、貯蔵タンク、および、蒸発器ユニットが、共通の1つの構造部材内において統合されていることは可能であり、その際、この構造部材が、その場合に、吸入パフの最終的な数に関して消費する人によって指定されている使い捨て品物であり、且つ、少なくとも、1つの電子式の制御ユニットおよび1つのエネルギー供給源を備える、再利用可能な複数回使用品物としてのカートリッジ担持体と共に、1つの吸入器を形成する。
蒸発器カートリッジが、しかしながら、複数の構造部材の組み立てによって初めて形成されていることも可能であり、その際、個々の構造部材、即ち特に中空体と蒸発器ユニットが、カートリッジ担持体内において、複数回使用品物として配置されており、且つ、貯蔵タンクが、別個の構造部材として使い捨て品物を形成する。
最終的に、吸入器は、通常、液体を備えている使い捨て品物の交換によって、可変に使用可能である。
【0005】
相応して、使い捨て品物と複数回使用品物とは、互いに解離可能に結合されている。複数回使用品物としてのカートリッジ担持体は、通常、少なくとも、1つの電子式の制御ユニットと1つのエネルギー供給源とを備えている。エネルギー供給源が、例えば電気化学的な使い捨てバッテリー、または、再充電可能な電気化学的な蓄電池、例えばリチウムイオン電池であることは可能であり、これを用いて、加熱要素が、蒸発器ユニットの電気的な接点を介して、エネルギーを供給される。
電子式及び/または電気式の制御ユニットは、蒸発器カートリッジの内部の蒸発器ユニットの制御のために利用される。カートリッジ担持体が、しかしながら、同様に蒸発器カートリッジの構成要素を備えることも可能である。
使い捨て品物が、差し込み部材として、複数回使用品物に対して差し込み可能に、または、装入部材として、この複数回使用品物内へと装入可能に形成されていることは可能である。差し込み結合の代わりに、同様に、ねじり結合、または、他のクイック結合も使用可能である。使い捨て品物と複数回使用品物との結合によって、機械的および電気的な連結が、機能準備の整った吸入器の形成のために形成される。
【0006】
中心的な、且つ、最終的に利用(例えば、電子たばことして、または、医療用の吸入器として)を規定する構成要素は、蒸発器カートリッジの構成要素としての貯蔵タンクである。この蒸発器カートリッジは、通常、人によって選択され、所望され及び/または必要とされる液体、もしくは、(以下で同様に一般的に流体とも称される)液体混合物、並びに、流動通路を形成する中空体、および、蒸発器ユニットを備えている。この流体は、蒸発器カートリッジの貯蔵タンク内において貯蔵されている。
液体浸透的な蒸発器ユニットを用いて、流体は、貯蔵タンクから、少なくとも初期に毛細管現象による搬送に基づいて、ウィック要素および加熱要素を通って導かれる。加熱要素に印加される、エネルギー供給源によって生成された電圧は、この加熱要素内において電流の流れを誘起する。加熱要素の加熱抵抗、有利にはオーム抵抗に基づいて、この電流の流れは、加熱要素の加熱、および、最終的に、蒸発器ユニット内において存在する液体の蒸発を誘起する。このようにして生成された気体、もしくは、蒸気、及び/または、エアロゾルは、流動通路への方向に蒸発器ユニットから逃れ出、且つ、空気流動との混合により、合目的に、エアロゾルへと再凝縮される。
この流体は、これに伴って、予め与えられた流動方向を有する予め与えられた道程を有しており、即ち、ウィック要素を通り、加熱要素に向かっておよびこの加熱要素を通る流体として、および、この加熱要素から流動通路内への、気体/蒸気/霧、及び/または、エアロゾルとしての道程を有している。流動通路内において、蒸発させられた流体は、例えば消費する人が流動通路において吸引する、または、ポンプが流動通路を通る空気流を吹き出すというやり方で、この流動通路が圧力/負圧に曝される場合、空気流によって随伴される。
【0007】
液体が、貯蔵タンクから、直接的に流動通路内へと流動しないために、蒸発器ユニットは、この貯蔵タンクから流動通路へのアクセス部を完全に覆っている。完全に覆っているということは、この関連において、液体が、強制的に蒸発器ユニットを通って案内されており、従って、流体が、直接的に貯蔵タンクから蒸発器ユニット内へと到達可能ではなく、むしろ、ウィック要素と加熱要素とを介しての「迂回路」を取る必要があることを意味する。
ウィック要素は、一方では、特にほぼ荷空けされた貯蔵タンクの際に、吸入器における少量の一服のために未だ十分な液体を提供するための、液体の中間貯蔵のために利用される。
このウィック要素は、他方では、特に、貯蔵タンクから流動通路の方向への、液体の輸送のために利用され、且つ、同時に、貯蔵タンクの方向への液体及び/または蒸気の逆流を阻止するために、一種の逆戻り防止として作用する。
【0008】
従来公知の蒸発器カートリッジは、ウィック要素を備える蒸発器ユニットを有しており、このウィック要素が、互いに製織された/捻じられた、複数のフィラメント/ファイバーから、例えば木綿またはグラスファイバーから形成されている。ファイバーウィックは、毛細管現象による諸特性を有しており、これら毛細管現象による諸特性が、流体との初期の接触の際に、このファイバーウィックが貯蔵タンク内へと没入し、この貯蔵タンク内におけるこの流体が収容され、且つ、加熱要素への方向に搬送されることを誘起する。
加熱要素は、通常、白熱コイルの形態において形成されている。この巻回された金属線材は、例えば、特殊鋼、銅、銅化合物、または、ニッケルから成っている。この蒸発器ユニットは、通常、ただ手動でだけ製造され得、且つ、流体の中間貯蔵のための制限された貯蔵容量を有している。
更に別の欠点は、微細通路の制限された数と、システムに条件付けられてのウィックコイルシステムの長さにわたって不均一な温度分布とに基づいての、流体の少ない輸送率にある。換言すれば、加熱要素の均等且つ連続的な流体の供給は、ただ制限されてだけで保障されている。更にこの解決策は、如何なる逆戻り防止も有していない。
【0009】
他の公知の解決策において、蒸発器ユニットは、従って、ウィック要素として1つの部材から成るようなウィックブロックを備えている。通常セラミックの材料から成るこのウィックブロックは、蒸発器ユニットおよび蒸発器カートリッジの自動的な製造を簡略化し、且つ、ファイバーウィックに比して増大された輸送率のための複数の微細通路を有している。
それにも関わらず、同様にこの解決策も、複数の欠点を有している。引き続き制限された輸送率および中間貯蔵容量と並んで、そのようなブロック状のウィックブロックは、極めて非可撓性であり、特に困難に組み付けされ得る。何故ならば、これらウィックブロックが、正確に-狭小な許容差範囲内において-前もって製造された収容部/保持部、またはその種の他のもの内に装入可能なだけであるからである。
【0010】
このウィック体の例えばセラミックの材料が微細通路を有し、導電性に形成されている場合、1つの部材から成るようなウィック体において、このウィック体自体は、加熱要素として利用される。その場合に、このウィック体は、二重の機能を有しており、且つ、蒸発器ユニットを形成する。他の場合において、このウィック体に対して付加的に、別個の構成要素が加熱要素として利用され得る。上述のうち後者の場合、このウィック体と別個の加熱要素とは、蒸発器ユニットを形成する。
加熱要素は、少なくとも1つの半導体材料、及び/または、ドープされた半導体材料、有利には、pドープされた半導体材料またはnドープされた半導体材料、例えば、単結晶ケイ素または多結晶ケイ素、及び/または、単結晶または多結晶の、pドープされたケイ素またはnドープされたケイ素を有している。この加熱要素が、しかしながら、同様にケイ素から成っていることも可能である。
この加熱要素は、その場合に、通常、平面状および肉薄のMEMS構造部材((微小電気機械システム構造部材)Micro-electro-mechanical-system-Bauteil)であり、このMEMS構造部材が、液体浸透的に形成されている。
両方の場合、ウィック体は、特に、中空体における、もしくは、この中空体と蒸発器カートリッジの他の構成要素との間での、締付けによって挟み込まれている。特に締り嵌めによるウィック体の再現可能な固定は、製造許容差に基づいて困難である。
【0011】
本発明に従い、前述された欠点の克服のために、ファイバーウィックもしくは1つの部材から成るような、ウィック体としてのウィックブロックの代わりに、1つのウィック要素が使用されるべきであり、このウィック要素が、多数の粒状物質状の粒から形成されている。そのような粒状のウィック要素は、従来の手段によって定位置において容易に保持可能ではなく、特に挟み込むことが可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の根底をなす課題は、上述された欠点を克服する、粒状のウィック要素を有する蒸発器カートリッジを提案することであり、このウィック要素が、簡単な且つ確実な方法で、このウィック要素の定位置において保持される。この課題は、更に、相応する吸入器を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、冒頭に記載された様式の蒸発器カートリッジにより、
前記ウィック要素が多数の粒状物質状の粒から形成されており、これら粒が、これら粒のばら積み堆積及び/または構成に基づいて微細通路を形成し、これら微細通路が、前記貯蔵タンクと前記流動通路との間の流体接続の形成のために、貫通して、前記ウィック要素の流入側Eから、このウィック要素の流出側Aへと延在し、
その際、付加的な固定手段が設けられており、
この固定手段が、粒状の前記ウィック要素を前記流体接続を維持する状態で前記アクセス開口部の領域内において定位置において保持するように、形成および設備されている、
ことによって解決される。
ばら積み堆積によって、緩いおよび結合された、粒の相並んだ配設が説明され、その際、同様に揺動された及び/または圧縮された粒の配置も含まれている。粒の形成に関して、例えば、粒自体が、微小空隙及び/または微細通路を有することが可能であることが説明されている。微細通路は、互いに接触して位置する粒によって形成される。
これに伴って、蒸発器ユニット内において、個々の粒の間、及び/または、個々の粒を通って、多数のランダムな微細通路が、貯蔵タンクと流動通路との間に形成され、この微細通路が、蒸発器ユニットの流出側での一定および均等な蒸発を保障する。換言すれば、粒状のウィック要素によって、蒸発器ユニット内への流入側と、この蒸発器ユニットからの流出側との間の最適な流体連結が製造される。
付加的な「固定手段」によって、先ず第一に上位で、粒を、ウィック要素として定位置において保持可能であるもの全て、即ち、特に、機械的、物理的、化学的、磁気的、または、静電気的な固定選択肢、または、これらの組み合わせが、説明されている。
【発明の効果】
【0014】
粒状のウィック要素の本発明に従う構成により、従来技術から公知の解決策に対して、たくさんの利点が達成される。改善された輸送率と並んで、より多く且つ特に均等に流体が貯蔵タンクから蒸発器ユニットを通って案内され、粒状のウィック要素が、粒状のおよびこれに伴って多孔性のウィック構造に基づいて、流体のための増大された中間貯蔵容量を保証する。
更に、ウィック要素は、逆戻り防止を改善する。何故ならば、形成された微細通路が非直線的な経過を有しているからである。粒状のウィック要素の組み付けは、特に有利になる。何故ならば、ウィック要素が、それぞれの組み付け場所において、このウィック要素の収容部のそれぞれの適宜の輪郭/幾何学的形状に対して適合可能であるからである。
粒構造によって、ウィック要素は、粒状のウィック要素の組み付け/充填の際に、フレキシブルにそれぞれの輪郭/幾何学的形状に対して適合し、且つ、それぞれの輪郭/幾何学的形状によって形成される-微細通路を形成しない-空隙を満たし、且つ、隣接する面に対しての間隙形成を回避する。結果として、粒状のウィック要素によって一定の且つ再現可能な蒸発条件が保障される。
その際、-蒸発器カートリッジの構成要素としてのウィック要素及び/または加熱要素を有する-蒸発器ユニットが、カートリッジ担持体にまたはこのカートリッジ担持体の内に配置されているのかどうか、または、蒸発器ユニットが使い捨て品物に/内において配置されているのかどうかは、何ら重要ではない。
付加的な固定手段は、一方では、蒸発器カートリッジの自動的な組み付け/製造、即ち特にアクセス開口部の領域内におけるウィック要素の自動的な位置決めを可能にし、且つ、他方では、このアクセス開口部の領域内における、粒状のウィック要素の定位置においての保持を可能にする。
【0015】
有利な実施形態は、
固定手段が、
蒸発器カートリッジの構成要素またはこれら構成要素の一部から開口部を有する全面的に取り囲まれた収容室が粒状のウィック要素の装入のために形成されており且つこの開口部がカバー要素によって閉鎖されているような、
機械的な様式であり、
その際、この収容室が、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている、
ことによって特徴付けられている。
粒状のウィック要素は、収容室を、有利には不都合な-微細通路を形成しない-空隙及び/または間隙無しに最大に充填し、従って、ウィック要素が、製造許容差に依存せずに、ほぼそれぞれの適宜の、周囲の形状に対して適合可能である。
収容室の液体浸透的な部分は、特に貯蔵タンクへの方向および流動通路への方向に形成されている。収容室内における開口部は、この収容室内へのウィック要素の自動的な装入/充填を可能にする。カバー要素によって、粒状のウィック要素は、この粒状のウィック要素の最終的な位置において保持される。カバー要素自体が、同様に液体浸透的に形成されていることも可能である。
【0016】
有利には、蒸発器カートリッジは、担持要素を備えており、この担持要素が、中空体を形成し、且つ、一方では、流動通路を形成するための貫通開口部を有しており、および、他方では、ウィック要素の収容のための切欠き部を有しており、
その際、この切欠き部が、収容室の側壁を形成し、且つ、この切欠き部が、貯蔵タンクおよび流動通路へと、それぞれに液体浸透的な構造によって区画されている。
貯蔵タンクへの構造、例えば格子構造は、有利にはカバー要素である。それぞれの構造が、金属、合成物質、不織布、または、他の可撓的なおよび非可撓的な材料、または、材料混合物から形成されていることは可能である。担持要素自体は、これに伴って、固定手段の一部を形成し、この固定手段が、(格子)構造、加熱要素、または他の液体浸透的な構成要素によって完成される。ウィック要素を切欠き部内において保持する、このウィック要素の本来の抑止要素は、担持要素と結合されているカバー要素である。
固定手段の構成要素としての収容室は、ウィック要素のための別個の加熱要素が設けられている場合のために、ウィック要素と加熱要素とを、共に、且つ、定位置において、しかしながら貯蔵タンクと流動通路との間のアクセス開口部の手前で保持し、従って、液体が、一方では、高い信頼性で、直接的に貯蔵タンクから流動通路内へと流動することが阻止され、および、他方では、均等に且つ一定に、流動通路への方向に案内される。
【0017】
合目的な更なる構成は、
粒状のウィック要素の粒が、
スクリーンによって、このスクリーンが収容室を区画する側壁とこのウィック要素に対して別個に形成された加熱要素と共にウィック要素の総量を取り囲むように、
定位置において保持されることによって特徴付けられている。
この実施形態は、簡単な、且つ、自動的な収容室内へのウィック要素の装入と、この収容室内におけるこのウィック要素の定位置における保持を可能にする。特に抑止要素としてのスクリーンは、一方では、基本的に、粒の一部を係合可能であり、且つ、他方では、貯蔵タンクと粒との間の流体接続を維持可能である。
【0018】
有利には、カバー要素は、選択的に、強固または柔軟な蓋である。
強固な蓋として、例えば、金属から形成されたスクリーンは使用され得る。柔軟な蓋が、例えば、液体浸透的なシリコン栓、または、簡単な不織布条片であることは可能である。
【0019】
有利な更なる構成において、蓋は、少なくとも開口部を覆っており、有利には、この蓋が、しかしながら、中空体全体を、収容室の開口部をも含めて囲繞し、その際、この蓋が、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている。この蓋によって、簡単な且つ確実な位置決め、および、定位置におけるウィック要素の保持は保証されている。
【0020】
更に有利な実施形態において、蓋は、中空体に対して長手軸線方向にまたは回転的に移動可能なスリーブであり、このスリーブが、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている。このスリーブによって、簡単な且つ確実な位置決め、および、定位置におけるウィック要素の保持は保証されている。
【0021】
更に有利な更なる構成において、蓋は、巻回された不織布条片を有している、または、この蓋が巻回された不織布条片から形成されている。抑止要素としての不織布条片は、特に軽量であり、且つ、ウィック要素を、最適な液体浸透性において、定位置において保持する。
【0022】
更に有利な実施形態において、固定手段は、
粒が溶融プロセス及び/または硬化プロセスによって定位置において保持されるような、物理的及び/または化学的な様式である。
固定手段のこの様式が、機械的な固定手段、または、この機械的な固定手段の一部と組み合わせられることは可能である。相互間での粒の融合によって、及び/または、隣接する構造、例えば担持要素によって、ウィック要素のための確実な抑止手段は形成され得る。
【0023】
有利には、粒状のウィック要素の粒は、直接的に、中空体もしくは担持要素と融合されている。これに伴って、粒状のウィック要素の簡単な、且つ、確実な固定は保証されている。
【0024】
合目的な更なる構成において、粒状のウィック要素の融合された粒は、それら融合された粒固有の、閉鎖された、且つ、少なくとも部分的に液体浸透的な収容室を形成する。
これに伴って、同様に、粒状のウィック要素の簡単な、且つ、確実な固定は保証されている。
【0025】
有利には、少なくとも、カバー要素は、粒状のウィック要素の少なくとも一部から成る融合された粒から形成されている。この形成によって、このウィック要素を定位置において保持ために、このウィック要素自体またはこのウィック要素の一部が、このウィック要素の抑止手段を形成する。
【0026】
更に有利な実施形態において、固定手段は、
粒が少なくとも部分的に帯磁性に形成されており且つウィック要素の領域内において配置されている磁石がこれら粒を定位置において保持するような、磁気的な様式である。
【0027】
更に有利な実施形態において、固定手段は、
粒が少なくとも部分的に電荷されており且つウィック要素の領域内において存在する電界がこれら粒を定位置において保持するような、静電気的な様式である。
【0028】
有利には、固定手段は、選択的に、永続的または一時的な固定のために形成および設備されている。
永続的な固定手段の例として、差し込み可能な蓋が言及され、この蓋は、差し込まれた状態において、収容室内へと注ぎ込まれた緩い粒が、この収容室から落下することを防止する。換言すれば、この蓋は、粒を定位置において保持する。
一時的な固定手段の例として、ブロックとしてのウィック要素は、少なくとも、蒸発器カートリッジの組み付けの目的のために、凍結されたまたは急速冷凍された、液体-粒状物質ペーストから形成されている。この凍結されたまたは急速冷凍されたブロックは、粒を、組み付けの時間の間、ばらばらに成らないように保持する。このブロックは、自動的に収容室内へと装入可能である。
蓋によって、収容室は閉鎖可能であり、従って、解凍の後、ウィック要素の緩い粒は、定位置において保持される。
【0029】
この課題は、冒頭に記載された様式の吸入器によって、
請求項1から15のいずれか一つによる蒸発器カートリッジが形成および設備されていることによっても解決される。
【0030】
そこから与えられる利点は、既に、蒸発器カートリッジとの関連において記載されており、その理由で、ここで繰返しを回避するために、前記の説明を参照されたい。
【0031】
蒸発器カートリッジおよび吸入器に関する、更に別の合目的及び/または有利な特徴、および、更なる構成は、従属請求項、および、明細書から与えられる。蒸発器カートリッジと吸入器との特に有利な実施形態を、添付された図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】カートリッジ担持体と蒸発器カートリッジとを有する、本発明に従う吸入器の有利な実施形態の、部分断面における概略図である。
図2図1に従う蒸発器カートリッジの、部分断面における拡大図である。
図3】蒸発器カートリッジの一部分の有利な実施形態の、断面における拡大図である。
図4】蒸発器カートリッジの一部分の更に別の実施形態の図である。
図5】蒸発器カートリッジの一部分の更に別の実施形態の図である。
図6】蒸発器カートリッジの一部分の更に別の実施形態の拡大図である。
図7】切断面A-Aに沿っての、図6に従う蒸発器カートリッジの図である。
図8】蒸発器カートリッジの更に別の実施形態の、部分断面における拡大図である。
図9図8に従う蒸発器カートリッジの図である。
図10】蒸発器カートリッジの更に別の実施形態の、部分断面における拡大図である。
図11図10に従う蒸発器カートリッジの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図内において図示されている蒸発器カートリッジ、並びに、吸入器は、作用物質、例えば、ニコチンを添加された、液体から成る蒸気、及び/または、エアロゾルの吸入のために利用され、且つ、相応して、電子たばことの関連において説明されている。
蒸発器カートリッジおよび吸入器は、同じ方法で、医薬品的な及び/または栄養補充的な製品から成る、医療用の作用物質を添加された蒸気の吸入のために使用可能である。
【0034】
図示された蒸発器カートリッジ10は、貫通した流動通路16を有する中空体15と、液体の貯蔵のための貯蔵タンク17とを備えており、
その際、この貯蔵タンク17が、この流動通路16への少なくとも1つのアクセス開口部18を有しており、且つ、それぞれのアクセス開口部18の領域内において、アクセス開口部18全体にわたって延在する蒸発器ユニット19が配置されており、この蒸発器ユニットが、ウィック要素20と加熱要素21とを有しており、
その際、この蒸発器ユニット19が、液体が少なくとも初期に毛細管現象により貯蔵タンク17から蒸発器ユニット19を通って流動通路16への方向に搬送可能であるように、液体浸透的に形成されている。
【0035】
その中空体の少なくとも1つの流動通路16を有する、該中空体15は、吸引通路/煙道を形成している。この中空体15の形状と同様にそれぞれの流動通路16の経過も、ほぼ適宜であることは可能である。
例えば空気を吸入可能とするために、それぞれの流動通路16の流入側Esが周囲環境に対して開口していること、および、特に消費する人の吸引により例えば負圧をかけることを可能とするために、流出側Asが開口していることは重要である。開口とは、この関連において、流入側Esと流出側Asとが、通気的であることを意味する。
同様に2つまたはそれ以上の流動通路16が、相応する流入側Esと流出側Asとを設けられていることも可能である。貯蔵タンク17と流動通路16との間のアクセス開口部18の領域内において、蒸発器ユニット19は、一種の液体遮断部を形成し、この液体遮断部が、液体が貯蔵タンク17から、直接的に、且つ、液体として、流動通路16内へと流動することを防止する。
貯蔵タンク17の形状と構成とに依存せずに、同様に2つまたはそれ以上の貯蔵タンク17が設けられていることも可能であり、且つ、中空体15、並びに、この中空体15に対する貯蔵タンク17の配置/位置決めにより、蒸発器ユニット19は、
液体が必然的に貯蔵タンク17から流動通路16への方向に案内され、且つ、遅くとも、この蒸発器ユニット19からの流出の際に蒸気として、このまたはそれぞれの流動通路16内へと引き渡されることを保障する。
【0036】
この蒸発器カートリッジ10は、本発明に従い、
ウィック要素20が多数の粒状物質状の粒24から形成されており、これら粒が、これら粒のばら積み堆積及び/または構成に基づいて微細通路23を形成し、これら微細通路が、貯蔵タンク17と流動通路16との間の流体接続の形成のために、貫通して、ウィック要素20の流入側Eから、このウィック要素20の流出側Aへと延在し、
その際、付加的な固定手段25が設けられており、
この固定手段が、粒状のウィック要素20を流体接続を維持する状態でアクセス開口部18の領域内において定位置において保持するように、形成および設備されている、
ことによって特徴付けられる。
【0037】
粒24は、一方では、隣接する粒24と共に(微小)空隙を形成する。他方では、これら粒24自体が、(微小)空隙、いわゆる細孔を有していることは可能である。
粒24内における、及び/または、これら粒24の間の、全ての微小空隙の結合および協働によって、微細通路23が形成されており、これら微細通路は、少なくとも初期に毛細管現象による搬送を保証し、且つ、貫通して形成されており、且つ、非直線的な経過を有している。
ウィック要素20と加熱要素21とを備える蒸発器ユニット19を通っての貫流の際に、蒸発器カートリッジ10の作動状態において、貯蔵タンク17の液体から、流動通路16へと、蒸気及び/またはエアロゾルが形成され、その際、ウィック要素20の多孔性の構造が、一方では、液体のための蓄積媒体を形成し、且つ、他方では、流動抵抗を具現する。液体の流動方向は、貯蔵タンク17から蒸発器ユニット19を通って流動通路16への方向に行われる。
【0038】
付加的な「固定手段」25によって、先ず第一に上位で、
粒24を、少なくとも組み付けの目的のために、即ちアクセス開口部18の領域内へのウィック要素20の装入の間じゅう、有利にはしかしながら、同様に蒸発器カートリッジ10の組み付けられた状態においても、
ウィック要素20として定位置において保持可能であるもの全てが、即ち特に機械的、物理的、化学的、磁気的、または、静電気的な固定選択肢、または、これらの組み合わせが説明されている。
【0039】
本発明に従う蒸発器カートリッジ10が、使い捨て品物として、構造的な1つのユニットであることは可能であり、このユニットが、諸構成要素として、中空体15、貯蔵タンク17、および、蒸発器ユニット19を備えている。
蒸発器カートリッジ10が、しかしながら、同様に複数の部材から成るように形成されていることも可能であり、その際、この蒸発器カートリッジ10の構成要素が、使い捨て品物と複数回使用品物とに、
例えば貯蔵タンク17が使い捨て品物であり、この貯蔵タンクが、カートリッジ担持体13との集合の際に初めて備えられ得、且つ、このカートリッジ担持体が、複数回使用品物であることが可能であり、且つ、電子式の制御ユニット11およびエネルギー供給源12と並んで、例えば中空体15および蒸発器ユニット19のような蒸発器カートリッジ10の構成要素を備えることが可能であり、蒸発器カートリッジ10の構造的なユニットを誘起するように、分配される。
蒸発器カートリッジ10は、相応して、この蒸発器カートリッジの構成要素、即ち、流動通路16、貯蔵タンク17および蒸発器ユニット19を有する中空体15によって規定され、且つ、複数回使用品物もしくは使い捨て品物のためのこれら構成要素の設計的/構造的な対応関係によっては規定されない。
【0040】
以下で記載される特徴および更なる構成は、自体で見て、または、有利な実施形態の互いの組み合わせにおいて具現する。請求の範囲内及び/または明細書内及び/または図の説明内においてまとめられている、または、共通の実施形態内において記載されているこれら特徴が、同様に機能的に独自にも、更に別の前記された蒸発器カートリッジ10を更に構成することが可能であることは、明確に指摘される。
【0041】
有利には、蒸発器カートリッジ10は、吸入器14の形成のために、少なくとも電子式の制御ユニット11とエネルギー供給源12とを備えるカートリッジ担持体13との機械的および電気的な結合のために形成および設備されており、その際、蒸発器ユニット19が、エネルギー供給源12との電気的な接触のための電気的な接点22を備えている。
吸入器14は、例えば電子たばことして、例えば吸入する人によって作動状態にされ得、または、例えば人が自身もはや吸引可能ではないまたは十分に吸引可能ではない場合のための医療用の器具として、ポンプによって作動状態にされ得る。
【0042】
有利な実施形態において、固定手段25は、
蒸発器カートリッジ10の構成要素またはこれら構成要素の一部から開口部27を有する全面的に取り囲まれた収容室26が粒状のウィック要素20の装入のために形成されており且つこの開口部27がカバー要素28によって閉鎖されているような、
機械的な様式であり、その際、この収容室26が、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている。
収容室26によって、容積部または一種のケージが形成されており、この容積部またはケージ内に、ウィック要素20が装入可能であり、且つ、カバー要素28によって、定位置において保持可能である。
ウィック要素20は、粒24の緩いばら積み堆積として、開口した収容室26内へと注ぎ込まれ得、または、粒結合体として、開口した収容室26内へと装入され得、その際、このウィック要素20が、蒸発器カートリッジ10の組み付けられた状態において、カバー要素28によって、定位置において、且つしかも貯蔵タンク17と流動通路16との間のアクセス開口部18内において保持される。
機械的な様式の固定手段25は、ウィック要素20を完全に取り囲み、且つ、同時に、一方では貯蔵タンク17へと、他方では流動通路16の方向への流体接続を許容する。
この機械的な様式の固定手段25は、ウィック要素20の粒の少なくとも一部との係合状態にあることが可能である、1つの抑止手段である。
【0043】
有利には、蒸発器カートリッジ10は、担持要素29を備えており、この担持要素が、中空体15を形成し、且つ、一方では、流動通路16を形成するための貫通開口部30を有しており、および、他方では、蒸発器ユニット19の収容のための切欠き部31を有しており、その際、この切欠き部31が、収容室26の側壁32を形成し、且つ、この切欠き部31が、貯蔵タンク17および流動通路16へと、それぞれに液体浸透的な構造によって区画されている。
蒸発器ユニット19が、専らウィック要素20だけによって形成されていることは可能であり、このウィック要素が、粒24が少なくとも部分的に導電的に形成されている場合に関して、同時に加熱要素21を具現する。
ウィック要素20を定位置において、即ち切欠き部31内において保持するために、その場合に、例えば1つの構造、例えば1つの格子構造は必要である。有利には、蒸発器ユニット19は、しかしながら、ウィック要素20と加熱要素21とが別個の要素であるように、2つの部材から成るように形成されている。上述のうちの後者の場合、例えば、加熱要素21は、流動通路16への液体浸透的な構造を形成する。
【0044】
担持要素29は、有利には管体形状の本体である。担持要素29が、しかしながら、同様に他の形状を有していることも可能である。この本体の周囲壁内において切欠き部31が形成されており、この切欠き部内において蒸発器ユニット19が配置されている。
有利には、担持要素29と蒸発器ユニット19とから形成されたユニットは、貯蔵タンク17を形成するケーシング33の内部に配置されており、その際、貯蔵タンク17の内側容積部が、ケーシング33のケーシング壁34と、担持要素29との間で形成されている。担持要素29は、ただ部分的にだけ、ケーシング33にわたって延在している。他の実施形態において、担持要素29が、同様に完全に(例えば図2参照)、ケーシング33にわたって延在していることも可能である。
【0045】
粒状のウィック要素20の粒24は、他の実施形態において、スクリーンによって、このスクリーンが収容室26を区画する側壁32とこのウィック要素20に対して別個に形成された加熱要素21と共にウィック要素20の総量を取り囲むように、定位置において保持される。簡単に表現すると、開口部27を通ってウィック要素20を-有利には自動的に-上方から収容室26内へと移動する、注ぎ込む、または他の方法での装入するために、収容室26は、側方へとおよび下方へと、側壁32と加熱要素21とによって区画されている。
このスクリーンによって、ウィック要素20によって充填された収容室26は閉鎖されている。液体浸透的な通過による加熱要素21と、そのスクリーンの格子状及び/または多孔性の構造による該スクリーンとは、貯蔵タンク17と流動通路16との間の流体接続を形成する。
【0046】
カバー要素28は、いわば、蓋35として利用され、その際、この蓋35が、選択的に、強固または柔軟な蓋35である。蓋35は開口部27を覆って、粒状の材料、即ち緩い粒24または互いに結合された粒24が高い信頼性で定位置において保持されるように、解離可能または解離不能に装着されている。
この蓋35は、少なくとも開口部27を覆っている。他の実施形態において、蓋35は、しかしながら、中空体15全体を、もしくは、担持要素29を、収容室26の開口部27をも含めて囲繞し、その際、この蓋35が、少なくとも部分的に液体浸透的に、例えばパーフォレーションによって形成されている。
蓋35は、旧来的な蓋形状に限定されてなく、むしろ、適宜の形状を有することは可能である。言及されているように、蓋35が、異なる材料、および、材料の組み合わせから成っていることも可能である。
【0047】
例えば合成物質から成る強固な蓋35は、図6および7から見て取れ得る。この実施形態において、担持要素29は、管体形状に、貫通開口部30を有して形成されている。
貫通開口部30の内部に、互いに接続された2つのチャンバー36、37が形成されている。第1のチャンバー36は、吸い口片38として利用される。第2のチャンバー37内に、インサート39が配置されており、このインサートは、加熱要素21とウィック要素20とを有する蒸発器ユニット19を担持している。
インサート39は、切欠き部31を有しており、収容室26を規定するために、この切欠き部によって側壁32が形成されている。蒸発器ユニット19、および、これに伴って同様にウィック要素20も、インサート39と、担持要素29の壁部40の内側面とによって、定位置において保持されている。担持要素29の壁部40は、これに伴って、硬い蓋35を形成する。インサート39は、更に、貫通開口部42を有しており、この貫通開口部が、第1のチャンバー36と、流動通路16の形成のために作用結合されている。
担持要素29は、ウィック要素20が管体形状の担持要素29の壁部40の内側面に対して当接する領域内における壁部40内において、パーフォレーション41を有しており、このパーフォレーションが、貯蔵タンク17に対する液体連結を保障する。貯蔵タンク17は、相応して、ケーシング33のケーシング壁34と、管体形状の担持要素29の壁部40との間に形成される。
【0048】
蓋35が種々の方法で形成されていることは可能である。収容室26の開口部27を閉鎖するために、記載されたバリエーションと並んで、例えば、蓋35を硬化可能な材料層、例えば硬化可能な網状体から、または、担持要素29と溶接される(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)PEEK-スクリーンから形成することの可能性は存在する。
【0049】
柔軟な蓋35は、例えば、図3から5まで内において図示されている。
この蓋35は、担持要素29としての、有利には円筒形に形成された中空体15に対して長手軸線方向にまたは回転的に移動可能なスリーブ43であり、このスリーブが、少なくとも部分的に液体浸透的に形成されている。換言すれば、スリーブ43は、ウィック要素20の覆いのため、および、定位置におけるこのウィック要素の保持のために、長手軸線を中心として回転され得、または、この長手軸線に沿って移動され得る。
中空体15が、しかしながら、同様に他の形状を有すること、および、例えば長円形に成形されていることも可能である。同様に硬い材料から成ることも可能であるスリーブ43は、有利には可撓的に形成されており、且つ、パーフォレーション41を形成可能である液体浸透的な部分を有する、合成物質リングまたはシリコンリングである。
図3内において、例えば、貫通した貫通開口部30を有する管体形状の担持要素29が図示されており、この管体形状の担持要素が、切欠き部31内において、2つの部材から成る蒸発器ユニット19を担持している。正に、弾性的なスリーブ43は、中空体15の異なる形状/輪郭に対して適合可能である。
【0050】
蒸発器ユニット19は、少なくともウィック要素20の領域内において液体浸透的に形成されている弾性的なスリーブ43によって、切欠き部31内において保持されている。図4および5内において、それぞれに1つの管体形状の担持要素29が図示されており、この管体形状の担持要素において、蒸発器ユニット19は、同様に、弾性的なスリーブ43によって定位置において保持される。
図4内において、スリーブ43は、ウィック要素20を覆っている。スリーブ43は、しかしながら、スリット44を有しており、このスリットが、ウィック要素20を解放するために、スリーブ43における張力(矢印Z参照)によって、窓状部45へと(図5参照)開放される。
スリット44の代わりに、基本的に、窓状部45が設けられていることは可能であり、この窓状部は、スリーブ43の回転(矢印D参照)または移動によって、このスリーブ43がウィック要素20を覆う位置から、この窓状部45がこのウィック要素20を越えて位置する位置へと移動可能である。
同様にチューブであることも可能である、スリーブ43は、有利にはシリコンから形成されている。他の実施形態において、蓋35は、巻回された不織布条片を有している、または、巻回された不織布条片から形成されている。更に、蓋35が、石膏(Pflaster)、網状体、収縮チューブ、またはその種の他のものであることも可能である。
【0051】
蓋35、即ち、例えば砂及び/または黒鉛から形成された粒状のウィック要素20を定位置において保持する要素が、同様に貫通孔を有するリング形状の発泡物質ディスクから形成されていることも可能である。
そのような、いわゆる「発泡物質ドーナッツ状体(Schaumstoff-Donut)」が、蒸発器ユニット19およびこれに伴ってウィック要素20を囲繞する収容室26の開口部27が担持要素29内において発泡物質リングによって覆われており、従ってウィック要素20がこのウィック要素の定位置において保持されるように、貫通孔によって管体形状の担持要素29の上に被せられていることは可能である。発泡物質リングの開口多孔性は、貯蔵タンク17に対する流体接続を提供する。
【0052】
図8から11までは、可能な蒸発器カートリッジ10の更に別の実施形態を示している。この実施形態において、同様にそれぞれに他の形状を有することも可能である円筒形のケーシング33は、内側室46の形成のために設けられており、この内側室内において、流動通路16として、貫通した煙道が設けられている。担持要素29は、流動通路16の一部にわたって延在している。この担持要素29内において、切欠き部31が形成されており、この切欠き部内において、加熱要素21が配置されている。
図8および9のバリエーションにおいて、構造47、有利には格子構造は、内側室46を2つの領域48、49に分割し、その際、1つの領域48が、液体の貯蔵タンク17として、1つの領域49が、粒状のウィック要素20の収容のために利用され、この粒状のウィック要素が、より良好な一目瞭然性のために、図8および10内においてただ示唆だけされており、且つ、図9および11内において明示的には図示されていない。
換言すれば、領域49は、完全に、粒状のウィック要素20の粒24、例えば砂によって充填されている。領域49は、しかしながら、例えば、先に記載された発泡物質リングによって充填されていることも可能である。構造47は、担持要素29の下方で、ウィック要素20が担持要素29を完全に囲繞し且つ相応して同様に加熱要素21も覆うように配置されている。
機械的な様式の固定手段25は、相応して、ケーシング33のケーシング壁34と、担持要素29と、加熱要素21と、並びに、構造47とによって形成されており、これらが共同で、ウィック要素20、ここで例えば砂粒を、加熱要素21の手前の位置において保持する。構造47は、貯蔵タンク17に対する流体接続を保障する。
【0053】
図10および11のバリエーションにおいて、2つの構造50、51、有利には格子構造が設けられており、これら構造が、内側室46を3つの領域52、53、54に分割する。これら両方の構造50、51は、加熱要素21を有する切欠き部31の上方および下方で、(ただ示唆されているだけでありもしくは明示的には図示されていない)ウィック要素20の収容のために利用される中間の領域53が、担持要素29を少なくとも加熱要素21の領域内において覆うように配置されている。他の領域52、54内において、液体が貯蔵されることは可能である。
機械的な様式の固定手段25は、ケーシング33のケーシング壁34と、担持要素29と、加熱要素21と、並びに、構造50、51とによって形成されており、これらが共同で、粒状のウィック要素20、ここで例えば砂粒を、加熱要素21の手前の位置において保持する。構造50、51は、貯蔵タンク17に対する流体接続を保障する。砂粒または他の粒状の材料の代わりに、構造50、51の間に、例えば、同様に開口多孔性の発泡物質が配置されていることは可能である。
【0054】
選択的または累積的に、固定手段25が、粒24が溶融プロセス及び/または硬化プロセスによって定位置において保持されるような、物理的及び/または化学的な様式であることは可能である。粒24が、例えば中空体15もしくは担持要素29、または、これらの一部と融合されていることは可能である。
ウィック要素20の互いに融合された粒24から、特に加熱要素21との結合状態において、一種のケージが形成されていることは可能であり、このケージ内において、ウィック要素20の緩い粒24が定位置において保持される。選択的に、同様に粒24が蓋35の形成のために互いに融合されていることも可能である。
粒24の代わりに、収容室26及び/または抑止要素の形成のために、膨張可能な発泡材料が装入されることは可能であり、その蓋によってウィック要素20が定位置において保持される該蓋35を提供するために、この膨張可能な発泡材料が、蒸発器ユニット19を囲繞するまたは覆う位置において硬化される。
【0055】
更に別の、明示的に図示されていない実施形態において、粒状のウィック要素20の固定手段25は、選択的または累積的に、粒24が少なくとも部分的に帯磁性に形成されており、且つ、このウィック要素20の領域内において配置されている磁石がこれら粒24を定位置において保持するような、磁気的な様式である。
選択的に、固定手段25は、選択的または累積的に、粒24が少なくとも部分的に電荷されており、且つ、ウィック要素20の領域内において存在する電界がこれら粒を定位置において保持するような、静電気的な様式である。
【0056】
固定手段25は、全体的または部分的に、選択的に、永続的または一時的な固定のために形成および設備されている。
有利には、固定手段25の一部は、永続的な固定のために、例えば側壁32、加熱要素21、カバー要素28/蓋35、またはその種の他のものの形態における構造的な構成要素によって形成および設備されており、これらが、ウィック要素20を、組み付けられた状態において、蒸発器カートリッジ10の耐用期間の終期に至るまで定位置において保持する。
特にウィック要素20の装入を容易化する、固定手段25の他の部材、例えば急速冷凍された液体-粒状物質ペーストは、ウィック要素20自体に固有であり、これら固定手段の他の部材が、ウィック要素20を蒸発器カートリッジ10内への最終の組み込みに至るまで定位置において保持する、もしくは、ばらばらに成らないように保持する。
【0057】
本発明に従う吸入器14の機能原理は、例えば吸入器14としての電子たばこに基づいて、特に図1との関連において説明される。
吸入器14は、作用物質を添加された蒸気の吸引のために形成および設備され、且つ、少なくとも、1つの電子式の制御ユニット11と、1つのエネルギー供給源12を備えるカートリッジ担持体13と、並びに、蒸発器カートリッジ10とを備えており、
この蒸発器カートリッジが、本発明に従い、この蒸発器カートリッジが、請求項2から15のいずれか一つにより形成および設備されている、
ことによって特徴付けられている。
【0058】
消費する人は、例えば、吸入器14の吸い口片38において吸引し、この吸入器が、カートリッジ担持体13と蒸発器カートリッジ10とから形成されており、その際、この蒸発器カートリッジ10の貯蔵タンク17内において、液体が存在し、この液体が、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、および、場合によっては更に別の作用物質、及び/または味覚物質を含有している。
吸引によって、流動通路16内において負圧が生成され、この負圧が、それ自身で、例えば図示されていないセンサーを介して、制御ユニット11を作動状態にする。制御ユニット11は、加熱要素21を制御し、この加熱要素が、エネルギー供給源12からエネルギーを供給される。貯蔵タンク17からの液体は、ウィック要素20を用いて、少なくとも初期に毛細管現象により、微細通路23を通って、この貯蔵タンク17から加熱要素21への方向に輸送される。
加熱された加熱要素21において、もしくは、この加熱された加熱要素内において、液体は、蒸気へと変態され、その際、この加熱要素21が、液体もしくはこの液体から形成された蒸気を、液体浸透的および蒸気浸透的な構造に基づいて、流動通路16への方向に輸送し、且つ、この流動通路に引き渡す。蒸気は、流動通路16内において空気流と混合し、且つ、消費する人によって吸引および吸入される。
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【国際調査報告】