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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】調節可能な治療用フェイスマスク
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572851
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 US2019039444
(87)【国際公開番号】W WO2020263258
(87)【国際公開日】2020-12-30
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521118662
【氏名又は名称】ドクター.デニス グロス スキンケア,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100165434
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克行
(72)【発明者】
【氏名】グロス,デニス エフ.
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA02
4C082PC01
4C082PC10
4C082PE09
4C082PE10
4C082PG17
4C082PJ11
4C082PJ21
(57)【要約】
本発明は、複数の発光ダイオードを有する治療用フェイスマスクを開示する。治療用フェイスマスクは、ユーザの顔を実質的に収容する。特定の色彩と強度の光は、顔面療法のためにユーザの顔の領域に投影される。発光ダイオード(LED)は、透明なシリコン材料のシートで覆われており、LEDがユーザの顔の皮膚に直接的に接触することを回避する。治療用フェイスマスクは、ユーザが使用するときに発光ダイオードの強度、周波数及び色彩を制御するために通信モジュールを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節可能な治療用フェイスマスクであって、
内側部及び外側部を有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記内側部に向かい複数の発光ダイオード(LED)を含むフレキシブル回路基板と、
前記マスク本体の前記外側部に結合された制御ユニットと、
前記フレキシブル回路基板を覆う透明なシリコン材料シートと、
を備え、
前記複数のLEDは、前記制御ユニットからの入力に基づいて、種々の色彩及び強度の光を発する、調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項2】
前記フェイスマスクは、ヒトの顔を実質的に覆う、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項3】
前記マスク本体は、剛性材料製である、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項4】
前記マスク本体は、前記マスクをヒトの顔に心地よく固定するため、目、鼻孔及び口のための切り抜きを有する、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項5】
前記フレキシブル回路基板及び前記透明なシリコン材料シートは、前記マスク本体のものと一致する目、鼻孔及び口のための切り抜きを有する、請求項1及び請求項4のいずれかに記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項6】
前記フレキシブル回路基板は、前記マスク本体と前記マスク本体の前記内側部に向かう前記透明なシリコン材料シートとの間に固定される、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記マスク本体の前記外側部に向かって装着された押しボタンを含むボタン群を介して前記LEDからの光の色彩及び強度を制御するように構成される、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項8】
前記制御ユニット及び前記複数のLEDは、前記マスク本体に装着された一組の充電可能なバッテリによって電源供給される、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項9】
前記複数のLEDは、一度に一色以上を発する赤青緑(RBG)タイプのLEDである、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項10】
ユーザの目の領域の近傍における前記透明なシリコン材料シートの縁は、照らされた光がユーザの目に入ることを防止するため、不透明にされる、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項11】
前記フェイスマスクをユーザの顔の皮膚領域上に調節可能に確保するため、伸縮可能なストラップが前記フェイスマスクに着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項12】
前記複数のLEDは、ユーザの要求に従って、種々の波長及び周波数で駆動される、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項13】
調節可能な治療用フェイスマスクであって、
内側部及び外側部を有するマスク本体と、
前記マスク本体の前記内側部に向かい複数の発光ダイオード(LED)を含むフレキシブル回路基板と、
前記マスク本体の前記外側部に結合された外部装置と通信するための通信モジュールを有する制御ユニットと、
前記フレキシブル回路基板を覆う透明なシリコン材料シートと、
を備え、
前記複数のLEDは、前記制御ユニットからの入力に基づいて、種々の色彩及び強度の光を発する、調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項14】
ユーザは、前記フェイスマスクを取り外すことなく、前記外部装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションを用いて、前記複数のLEDの色彩及び強度を調節し得る、請求項13に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項15】
前記外部装置は、電子通信装置である、請求項13に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項16】
コラーゲンの発達を刺激するため、LED光の多波長スペクトルを利用する、請求項13に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項17】
前記多波長スペクトルは、880nm、660nm、630nm及び605nmからなる群から選択される波長を有する光を含む、請求項16に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項18】
前記多波長スペクトルを提供する前記LEDは、シリコン材料のクリアで透明なシートに埋設される、請求項16に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項19】
前記熱可塑性材料は、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び熱可塑性エラストマー(TPE)からなる群から選択される、請求項18に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用装置に関する。特に、本発明は、ユーザの皮膚に光線療法(Light Therapy)を提供するための治療用フルフェイス光線療法マスクに関する。本発明の更により具体的な態様は、ユーザの皮膚に様々な強度を伴った多波長光スペクトルを提供するための複数の発光ダイオード(LED)を有する治療用フェイスマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、皮膚療法、皮膚の若返り及び他の美容治療の目的に使用される様々な装置が知られている。これらの装置は、著しく増進された生物学的及び/又は治療的な結果を提供することができる。それゆえに、皮膚の特性を増進するための光線療法の使用は、広く受け入れられている。ただし、皮膚に電気エネルギを加えるために提供される様々な装置は、重大な構造的及び機能的な欠点を有している。
【0003】
現在、既知の光線療法装置の多くは、直接的であれ間接的であれ、ユーザの皮膚の表面に係止する光線療法チューブを介して皮膚に光エネルギを供給している。このプロセスは、光チューブがユーザの皮膚に直接的に接触する場合、ユーザにとって相当に心地よくないものであり、接触が長引くと皮膚に刺激を招くこともあり得る。前述の装置の治療上の恩恵は、光チューブが皮膚と接触している領域の範囲内で実質的に発生する。さらに、光チューブと皮膚との間接的な接触をそれらの間の中間層を介して提供する装置は、中間層での光の損失のために、所望の光強度を散乱させることができない。結果として、恩恵的である光線療法が、不均一に分布し、ユーザにとって非効果的なものとなっている。
【0004】
いくつかの光線療法装置は、バッテリを有しておらず、それにより、電気コネクタが外部電源と接続されることを要するが、外部電源は常にあるとは限らない。
【0005】
従来技術で知られている光線療法フェイスマスクは、フェイスマスクが複数の機能を実行するために外部装置と通信することを可能としない。
【0006】
市場で入手可能な光線療法フェイスマスク製品は、固定サイズであり、ハンドヘルドタイプの装置である。これらのハンドヘルドタイプのフェイスマスクは、最良又は所望の光の散乱を提供するにあたってまったく満足のいくものではないことが判明している。その代替手段は、顧客が便利でも手頃な価格でもない光治療を受けるために医者を訪ねることである。
【0007】
ハンズフリー治療の体験は、治療中に長時間特定の位置に保持されなければならない装置よりも常に優れている。多数のアセンブリが様々なストラップ、バンド、ラップ及びコードによってフェイスマスク装置を装着するために考案されており、これらは、支持及び装着アセンブリを患者の頭又は後ろ側の首の領域に密着して押圧するという結果をもたらし得る。患者に影響を与えることから、そのことによって治療中の患者の心地よさを向上させるためには、そのような装着及び支持アセンブリの範囲を最小限に抑える必要が常にある。顧客は、軽量で、治療の使用中に最小限の支持手段を必要とするフェイスマスク光線療法製品を常に頼っている。ユーザの顔は種々の形やサイズで現れることから、フェイスマスクは、また、フェイスマスクの効率的な治療適用がユーザの顔の所望の領域へなされるように、ユーザの顔の形やサイズに従って調節できなければならない。さらに、現在入手可能な顔面治療装置は、マスク内側の光チューブからの光を遮断するため、ユーザの目の領域に置かなければならないものとして別体のパッチを使用している。
【0008】
したがって、目の近傍の領域に治療用の光を送ることに容易に適合でき、それによって患者の目に損傷を与えるいかなる起こり得る原因も防止する、光線療法用の改善されたフェイスマスクの必要性が長い間探られてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に鑑み、従来技術に固有の欠点及び不足を軽減することは大いに有益であろう。本発明の目的のいくつかを以下に列挙する:
・本発明の一つの目的は、ユーザの顔の皮膚の複数の障害に光線療法を提供する治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の他の目的は、使い易い治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の更なる目的は、ユーザの顔に配置することができ、ユーザの入力に基づいて種々の色彩及び強度の光を散乱させることができる治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の付加された目的は、光チューブがユーザの皮膚に直接的に接触することを防止する治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の更なる目的は、使用にあたって心地よいものであり、ユーザが使用するときに特定の位置に保持されることを要求しない治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明のそのうえ更なる目的は、治療用の光がユーザの顔の皮膚全体にわたってムラなく均一に散乱できるようにする治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の他の目的は、ユーザの顔からフェイスマスクを取り外すことなく、光の複数の特性を制御するためのソフトウェアアプリケーションを有する外部装置に接続されることができる治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明のなおまた他の目的は、内部に充電可能な電源ユニットを有する治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の更なる目的は、患者又はユーザの目への光による損傷又は刺激を回避するためにユーザの目の領域の近傍における光照明を防止する治療用フェイスマスクを提供することである;
・本発明の他の目的は、ユーザが光線療法を受けている間に他の作業を実行できるようにする治療用フェイスマスクを提供することである;及び
・本発明の他の目的は、コラーゲンの発達を刺激し、また、ユーザの顔の領域にあるニキビの原因となるバクテリアを消滅させるために、可変強度をもった多波長スペクトルの光を利用する治療用フェイスマスクを提供することである。
本発明の他の目的、態様、特徴及び目標は、本発明の詳細な説明から、よりよく理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示は、本明細書に記載された特定のシステム及び方法論に限定されないことを理解されたい、なぜならば、本明細書に明示的に示されていない本発明の開示に係る複数の可能な態様があり得るためである。本明細書で使用されている用語は、特定のバージョン又は実施形態のみを説明することを目的としており、本発明の開示の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。
【0011】
本発明の一態様によれば、調節可能な治療用フェイスマスクが開示されている。調節可能な治療用フェイスマスクは、内側部及び外側部を有するマスク本体、複数の発光ダイオード(LED)を含むフレキシブル回路基板、制御ユニット及び透明なシリコン材料シートを含む。
【0012】
マスク本体は、ユーザの顔を収容するよう形作られた凹面に実質的になっており、目、鼻孔及び口のために別々の切り抜きがあるため、ユーザは療法セッションを受けている間にも通常どおり見えて呼吸することができる。フレキシブル回路基板は、マスク本体の内側部と透明なシリコン材料シートの間に配置されている。マスク本体の外側部は、治療用マスクの審美的外観を改善するとともにマスク本体を支持するため、額カバー、左右の頬カバー及び顎カバーを有する。額カバーは、ネジを介してマスク本体の外側部に取り付けられる装着ブラケットを収容し、それによって額カバーで中空部分を生み出す。中空部分は、一組の充電可能なバッテリと制御ユニットを収容する。ユーザが皮膚治療用に種々の色彩の光を選択できる押しボタンが額カバーを貫通して突き出ている。治療用マスクは、アダプターを外部の電気ソケットに直接差し込むか、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル又はその他の適切な充電媒体を介してバッテリを充電するための充電ポートを有する。
【0013】
本発明の他の態様によれば、制御ユニットは、モバイル、ラップトップ又はコンピュータなどを含むがこれらに限定されない電子通信装置との有線又は無線通信を可能にする通信モジュールを有する。
【0014】
電子通信装置にはソフトウェアアプリケーションがインストールされ、Wi-Fi、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)を介した接続が治療用フェイスマスクとの間で確立される。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザが彼/彼女の顔からマスクを取り外すことなく、所望の色彩、周波数、波長の光を選択できるようにする。
【0015】
治療用フェイスマスクを使用するには、治療用フェイスマスクの額カバーと左右の頬カバーに着脱可能に取り付けられたストラップでマスクを締めることにより、彼/彼女の顔にフェイスマスクを着用する必要がある。ストラップは、弾性材料製であり、ユーザの顔のサイズや形に合わせて調節され得る。ユーザは、額カバーを貫通して突き出ているボタン群を使用してLEDの色彩、強度、周波数及び波長を変更でき、又は、ユーザは、彼/彼女の電子通信装置にインストールされているソフトウェアアプリケーションを使用して、光の色彩、強度、周波数及び波長を変更できる。ユーザが特定の色彩、周波数、強度及び波長を選択すると、治療セッションが治療用マスクによって開始される。治療セッションが終了した後、発光ダイオードは光を発することを停止し、それによって治療用フェイスマスクをオフにする。
【0016】
本発明の追加の態様によれば、ユーザは、ユーザの皮膚に各色彩がそれ自身の有益な効果を有するので、彼の要求に従って、赤、青、紫、白を含むがこれらに限定されない任意の色彩を選択することができる。
【0017】
本発明の他の態様によれば、フレキシブル回路基板は、治療用フェイスマスクの光度を高めるために、赤、青、緑(RBG)のLEDを有することができる。
【0018】
本発明のなおまた他の態様によれば、ユーザの目の領域の近傍における透明なシリコン材料シートの外縁は、ユーザの目への光の照明を防止するため、彩色又は他の任意の適切な方法によって不透明にされ、それによって、ユーザの正常な視力への起こり得る影響を防止するとともに、ユーザが治療を受けている間に彼/彼女の通常の作業を実行できるようにする。
【0019】
以下の説明は、本質的に例示的なものであり、決して限定することを意図するものではない。前述した例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴が、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面は、現在企図され、以下に説明されている本発明を実施するための最良のモードを示している。本発明は、添付の図面と併せて好ましい実施形態の以下の詳細な説明を考察することにより、一層明確に理解され得るものであり、ここで、同様の参照文字及び数字は、添付の図面の様々な図において該当するパーツを示している。
図1図1は、本発明の一実施形態による調節可能な治療用フェイスマスクの分解斜視図を示す。
図2図2は、本発明の一実施形態による調節可能な治療用フェイスマスクの正面図を示す。
図3図3は、本発明の一実施形態による調節可能な治療用フェイスマスクの背面図を示す。
図4図4は、本発明の一実施形態による調節可能な治療用フェイスマスクの側面図を示す。
図5図5は、本発明の一実施形態による調節可能な治療用フェイスマスクの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の開示の実施形態は、添付の図面を参照しつつ以下においてより完全に説明されており、添付の図面において、各図を通じて同様の数字は同様の要素を表すとともに、例示的な実施形態が示されている。
【0022】
詳細な説明及び図面は、本開示が実施されてもよい具体的で例示的な実施形態を示している。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように詳細に説明されている。本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、また、他の変形が行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の請求の範囲によって規定されるものである。ただし、請求の範囲の実施形態は、多くの種々の形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されてはならない。
【0023】
本発明の開示の実施形態は、図面を参照して以下で論じられる。しかしながら、当業者は、本開示はこれらの限られた実施形態を超えるので、これらの図面に関してここで与えられた詳細な説明があくまで説明目的であることを容易に認識するであろう。例えば、関連技術の当業者が、本発明の開示による教示に照らして、特定の用途の必要性に応じて多数の代替的で適切なアプローチを認識し、説明及び図示されている以下の実施形態の中の特定の実施の選択を超えて本明細書に記載され与えられた細部の機能性を実現するであろうことを認識されたい。すなわち、本発明の開示には、本明細書に列挙するには多すぎるが、すべてが本開示の範囲内に収まる多数の修正例及び変更例が存在する。また、該当する場合には、単数形の用語は複数形として、逆もまた同様に、男性形は女性形として、逆もまた同様に、読み取られたいとともに、代替的な実施形態は、その2つが相互に排他的であることを必ずしも示唆するわけではない。
【0024】
本開示は、本明細書に記載された特定の方法論、化合物、材料、製造技術、使用及び用途に限定されないことが更に理解されるべきである、なぜなら、これらは変わってもよいからである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。本明細書及び添付の請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が別段の意味に明確に規定していない限り、複数形の参照対象への言及を含むことに留意されなければならない。したがって、例えば、「1つの要素(an element)」についての言及は、1つ以上の要素(one or more elements)についての言及であり、当業者に知られているその同等物を含むものである。同様に、他の例として、「1つのステップ(a step)」又は「1つの手段(a means)」についての言及は、1つ以上のステップ又は手段(one or more steps or means)についての言及であり、サブステップ及び従属手段を含んでもよい。使用されるすべての接続詞は、可能な限り最も包括的な意味で理解さるべきである。したがって、「又は(or)」という用語は、文脈が別段の意味に明確に必要としない限り、論理学上の「排他的論理和(exclusive OR)」ではなく、論理学上の「論理和(OR)」の定義を有すると理解されたい。本明細書に記載された構造は、そのような構造の機能的同等物を指すことも理解されるべきである。近似を表すと解釈されてもよい言語は、文脈が別段の意味に明確に規定していない限り、そのように理解されたい。
【0025】
別段の意味に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本開示が属する当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。好ましい方法、技術、装置及び材料が説明されているが、本明細書に記載されているものと類似又は同等の任意の方法、技術、装置又は材料が、本開示の実施又は試験に使用されてもよい。本明細書に記載された構造は、そのような構造の機能的同等物を指すことも理解されるべきである。本開示は、添付の図面に示されたその実施形態を参照して、これより詳細に説明される。
【0026】
図1から図5を参照すると、本発明の一実施形態による治療用フェイスマスク100が図示されている。治療用フェイスマスク100は、ヒトの顔の形状をしており、治療用フェイスマスク100を使用してそれをユーザの顔に心地よく固定している間に、ユーザが通常どおり見えて、呼吸して、話すことができるように、目、鼻孔及び口の領域に種々の切り抜きを有する。治療用フェイスマスク100は、内側部113及び外側部114を有するマスク本体110と、マスク本体110の内側部113に向かい複数の発光ダイオード(LED)121を有するフレキシブル回路基板120と、マスク本体の外側部114に結合された制御ユニット150と、マスク本体110の内側部113に向かうフレキシブル回路基板120を覆う透明なシリコン材料シート130とを含む。マスク本体110は、剛性材料製である。
【0027】
フレキシブル回路基板120も、マスク本体110が有するものと同じの目、鼻孔及び口のための切り抜きを有する。フレキシブル回路基板120は、マスク本体110と透明なシリコン材料シート130との間に配置される。さらに、フレキシブル回路基板120に装着された発光ダイオード121は、一組の充電可能なバッテリ160と電気的に連絡している。
【0028】
マスク本体110の外側部114は、額カバー140、左頬カバー141、右頬カバー142及び顎カバー143によって支持されている。額カバー140は、マスク本体110との間に、制御ユニット150及び一組のバッテリ160を格納するための装着ブラケット170を収容する中空の凹所を形成する。額カバー140、左頬カバー141、右頬カバー142及び顎カバー143は、また、フェイスマスクの審美的外観を向上させている。装着ブラケット170は、マスク本体110上の対応するネジ山穴111に挿入された複数のネジ171を介してマスク本体110に固定される。さらに、左右の頬カバー(141、142)も、一組のネジを介してマスク本体110に固定される。
【0029】
押しボタン151は、額カバー140を貫通して突き出ており、制御ユニット150への入力を提供する。通知ライト153も、また、額カバー140を貫通して突き出ており、バッテリの充電及び消耗の通知を提供する。さらに、充電ポート152も、また、額カバー140を貫通して突き出ており、一組の充電可能なバッテリ160と電気的に連絡している。
【0030】
ストラップ190は、ストラップ190をマスク本体110に固定するため、左側に2つのアーム及び右側に2つのアームの4つのアームに分割される。2つの左アームは、額カバー140上のポート144及び左頬カバー141のポート146にそれぞれぴったりと装入される2つの丸み部(191、192)を有する。さらに、2つの右アームも、額カバー140のポート145及び右頬カバー142のポート147にそれぞれぴったりと装入される2つの丸み部(193、194)を有する。ストラップ190は、また、ユーザが着用したときにストラップ190を調節するための調節要素195を有する。
【0031】
透明なシリコン材料シート130も、また、マスク本体110と完全に整列するため、目、鼻孔及び口のための切り抜きを有する。透明なシリコン材料シート130の目の領域(131、132)の近傍の左右の側の縁は、患者の目への光による損傷又は刺激を回避するために不透明にされている。
【0032】
本発明の他の実施形態によれば、制御ユニット150は、モバイル、ラップトップ又はコンピュータなどを含むがこれらに限定されない外部装置との有線又は無線通信を可能にする通信モジュールを有することができる。
【0033】
外部装置にはソフトウェアアプリケーションがインストールされることができ、Wi-Fi、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)を介した接続が治療用フェイスマスク100との間で確立される。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザが彼/彼女の顔から治療用フェイスマスク100を取り外すことなく、所望の色彩、周波数、波長の光を選択できるようにする。
【0034】
本発明の有利な実施形態によれば、フレキシブル回路基板120は、治療用フェイスマスク100の光度を高めるために、赤、青、緑(RBG)タイプのLEDを有することができる。
【0035】
本発明の他の有利な実施形態によれば、治療用フェイスマスク100は、ユーザがハンズフリーモード及び外出先で治療用フェイスマスク100を使用できるようにする一組の充電可能なバッテリ160を有する。
【0036】
本発明を使用する最良のモード:治療用フェイスマスク100を使用するため、ユーザは、治療用フェイスマスク100の額カバー140及び左右の頬カバー(141、142)に着脱可能に取り付けられたストラップ190で治療用フェイスマスク100を締めることによって、治療用フェイスマスク100を彼/彼女の顔に着用しなければならない。ストラップ190は、弾性材料製であり、ユーザの顔のサイズ及び形状どおりに調節されることができる。ユーザは、額カバー140を貫通して突き出ている押しボタン151を使用することによって発光ダイオード121の色彩、強度、周波数及び波長を変更することができ、又は、ユーザは、彼/彼女の外部装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションを使用することによって光の色彩、強度、周波数及び波長を変更することができる。ユーザが特定の色彩、周波数、強度及び波長を選択すると、治療用フェイスマスク100は、治療セッションを開始する。セッションが終了した後、発光ダイオード121は光を発することを停止する、つまり、治療用フェイスマスク100はオフモードに入る。
【0037】
本発明の最も好ましい実施形態では、治療用フェイスマスクは、ユーザの顔の領域の皺及びニキビを軽減するためのフルフェイス療法処置マスクである。本治療用フェイスマスク装置は、LED光の多波スペクトルを利用してコラーゲンの発達を刺激するものであり、多波スペクトルは、好ましくは、波長880nm、660nm、630nm及び605nmのLED光からなる。LED光のこれらの特定の波長は、特に630nmと415nmの波長値で、ニキビの原因となるバクテリアの消滅に効果的であることが分かっている。これらのLEDは、カスタム・デュアル・チップ/スペクトルの表面実装技術(SMT)による医療グレードLEDである。さらに、これらのLEDは、熱可塑性ゴム(TPR)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)又は熱可塑性エラストマー(TPE)を使用したクリアで透明なシリコン材料シートに埋設されている。本治療用マスクのデザインは、ユニークな表面デザインを提供するため、ポリカーボネート骨格製のマスク本体の外側に審美的な金属カバーを組み込んでいるという点でユニークである。皮膚を治療する領域は、装置の構造と製造においてフレキシブルプリント回路基板(PCB)と発光ダイオード(LED)を保護するためユニークなシリシリコーン入オーバーレイが組み込まれている一方、ユーザの皮膚表面に多波長の光スペクトルを提供するために非常に高い透明度を提供するという点でユニークである。本治療用フェイスマスク装置は、持ち運び可能であり、直流の110v/220vアダプター又は充電可能なバッテリのいずれかで動作する。本治療用フェイスマスク装置は、少なくとも1つの機能モード、すなわち、皺の治療モード若しくはニキビの治療モード、又はその両方の組み合わせのいずれかで機能するように適合されている。本治療用フェイスマスク装置は、光出力、治療時間、操作、充電の機能及び自動シャットオフ機能を制御するように適合されたソフトウェアを組み込んでいる。
【0038】
本明細書には、本発明の一定の実施形態が、本発明を実施するために発明者に知られている最良のモードを含め、記載されている。もちろん、これらの説明された実施形態の変形例が、前述の説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形例を採用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施することを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付された請求の範囲に列挙された主題のすべての修正例及び同等物を含むものである。さらに、そのすべての可能な変形例における上記の要素の任意の組み合わせは、特に本明細書に示されていない限り、又は特に文脈によって明確に否定されない限り、本発明に包含される。
【0039】
特定の実施形態及び一定の構造的配置が本明細書に例示及び記載されているが、基礎となる本発明の概念の精神及び範囲を組み込んで様々な他の修正例及び実施形態が作られてよいこと、また、それらが、添付の請求の範囲によって決定される場合を除いて、本明細書に図示され説明された特定の方法及び構造に限定されないことが、当業者には明らかであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2019-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔の領域を覆うマスク本体を伴う調節可能な治療用フェイスマスクであって、前記マスク本体は、
-内側部及び外側部であって、
前記内側部が前記マスク本体の前記内側部に向かい複数の発光ダイオードを含むフレキシブル回路基板を含み、
前記複数の発光ダイオードが広い波長範囲にわたって様々な色彩及び強度の光照射を発するように構成された、前記内側部及び前記外側部と、
-前記外側部に封入され、前記色彩及び強度の制御を含めて前記フェイスマスクの複数の機能ユニットの機能を制御するように適合された制御ユニットと、
-透明なシリコーンシートであって、
前記シリコーンシートが前記フレキシブル回路基板を覆うように適合され、
前記マスク本体が、前記フェイスマスクを前記ユーザの顔の領域に心地よく固定することを促進するため、目、鼻孔及び口のための開口を前記フレキシブル回路基板及び前記透明なシリコーンシートの前記開口を含めて有するとともに、前記透明なシリコーンシートの縁が、前記複数の発光ダイオードからの光が前記ユーザの目に入ることを防止するため、前記ユーザの目の領域の近傍において不透明にされ、
前記フレキシブル回路基板が前記マスク本体と前記内側部に向かう前記透明なシリコーンシートとの間に固定され、
前記マスク本体が固定手段を用いて前記ユーザの顔の領域に確保される、前記透明なシリコーンシートと、
を備える、調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項2】
前記マスク本体は、剛性材料製である、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項3】
前記色彩及び強度の制御は、前記外側部に向かって装着された押しボタンを含む一組のボタン群を介して行われる、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項4】
前記制御ユニット及び前記複数の発光ダイオードは、前記マスク本体に封入された一組の充電可能なバッテリによって電源供給される、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項5】
前記発光ダイオードは、スペクトル固有のデュアルチップ発光ダイオードである、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項6】
前記固定手段は、前記フェイスマスクに着脱可能に取り付けられた伸縮可能なストラップである、請求項1に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項7】
ユーザの顔の領域を覆うマスク本体を伴う調節可能な治療用フェイスマスクであって、前記マスク本体は、
-内側部及び外側部であって、
前記内側部が前記マスク本体の前記内側部に向かい複数の発光ダイオードを含むフレキシブル回路基板を含み、
前記複数の発光ダイオードが広い波長範囲にわたって様々な色彩及び強度の光照射を発するように構成された、前記内側部及び前記外側部と、
-前記外側部に封入され、前記色彩及び強度の制御を含めて前記フェイスマスクの複数の機能ユニットの機能を制御するように適合された制御ユニットと、
前記制御ユニットに封入され、外部デジタル電子通信装置と前記フェイスマスクとの通信を可能にするように適合された通信モジュールと、
-透明なシリコーンシートであって、
前記シリコーンシートが前記フレキシブル回路基板を覆うように適合され、
前記マスク本体が、前記フェイスマスクを前記ユーザの顔の領域に心地よく固定することを促進するため、目、鼻孔及び口のための開口を前記フレキシブル回路基板及び前記透明なシリコーンシートの前記開口を含めて有するとともに、前記透明なシリコーンシートの縁が、前記複数の発光ダイオードからの光が前記ユーザの目に入ることを防止するため、前記ユーザの目の領域の近傍において不透明にされ、
前記フレキシブル回路基板が前記マスク本体と前記内側部に向かう前記透明なシリコーンシートとの間に固定され、
前記マスク本体が固定手段を用いて前記ユーザの顔面領域に確保される、前記透明なシリコーンシートと、
を備える、調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項8】
前記ユーザは、前記フェイスマスクを取り外すことなく、前記外部デジタル電子通信装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションを用いて、前記複数の発光ダイオードの色彩及び強度を調節し得る、請求項7に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項9】
前記発光ダイオードからの前記光照射は、前記ユーザの顔の皮膚におけるコラーゲンの発達を刺激し、それにより、皺の減少を促進するとともに、炎症性ニキビを含めて軽度から中度のニキビの治療を更に促進する、請求項7に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項10】
前記デュアルチップ発光ダイオードは、880nm630nm、660nm605nm及び630nm/415nmの波長ダブレットを有する光を発する、請求項7に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【請求項11】
前記透明なシリコーンシートの材料は、熱可塑性ゴム、熱可塑性ポリウレタン及び熱可塑性エラストマーからなる群から選択される熱可塑性材料である、請求項7に記載の調節可能な治療用フェイスマスク。
【国際調査報告】