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特表2022-537577自動裁断パーツを柄物生地上に配置する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】自動裁断パーツを柄物生地上に配置する方法
(51)【国際特許分類】
   A41H 43/02 20060101AFI20220819BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20220819BHJP
   G06F 113/12 20200101ALN20220819BHJP
【FI】
A41H43/02
G06F30/10 100
G06F113:12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576018
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 FR2020050899
(87)【国際公開番号】W WO2020254739
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】1906727
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507289553
【氏名又は名称】レクトラ
【氏名又は名称原語表記】LECTRA
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルブ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】モロー、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス、セバスチャン
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA11
5B146DC05
5B146FA01
(57)【要約】
自動裁断パーツを柄物生地上に配置する方法。本発明は、模様ピッチと呼ばれる所定ピッチで繰り返す模様を有する生地から自動裁断される予定のパーツ(P)を配置する方法に関し、前記方法は、生地上に配置するパーツ一覧を決定する工程と、隣接するパーツ間の重なりを防ぐために、配置中の少なくとも一つのパーツについて、前記生地の予め定められた変位率と、生地上のパーツの少なくとも一つの所定の配置制約とに依存する変数マージンからなる、前記パーツ周りに配置される輪郭(Cp)を算出する工程と、各パーツ周りに配置される輪郭を考慮して生地上のパーツの理論上配置を作成する工程と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模様ピッチと呼ばれる所定ピッチで繰り返す模様(M)を有する生地(T)から自動裁断される予定のパーツ(P-1~P-4)を配置する方法であって、
a)前記生地上に配置するパーツ一覧を決定する工程と、
b)隣接するパーツ間の重なりを防ぐために、前記生地の予め定められた変位率と、前記生地上の前記パーツの少なくとも一つの所定の配置制約との関数である変数マージンからなる、前記パーツを囲む配置輪郭(Cp)を、配置の少なくとも一つのパーツについて算出する工程と、
c)各パーツの前記配置輪郭を考慮して前記生地上の前記パーツの理論上配置を作成する工程と、を備える方法。
【請求項2】
各パーツが、多角形で表現される初期輪郭(CI)と、基準点(O-1~O-4)と、前記生地上の前記パーツの少なくとも一つの配置制約とに関連づけられ、前記配置制約は、
前記生地模様に対する前記パーツの前記基準点位置が、前記パーツ上の所望の箇所に一つの生地模様が現れるよう決定される、絶対的制約と、
子パーツと呼ばれる前記パーツの前記基準点位置が、親パーツと呼ばれる別のパーツのリンク点(L-1、L-2)に対して、前記生地模様に対する前記子パーツの前記基準点位置が前記親パーツの前記リンク点位置と同一となるように決定される、相対的制約と、
前記パーツの前記生地模様に対する前記基準点位置が自由であるフリー制約と、から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置輪郭の算出は、各パーツについて、前記パーツの前記初期輪郭に適用される間隔マージンを算出して前記パーツの間隔輪郭を得る工程と、前記パーツの前記間隔輪郭に適用される位置決めマージンを算出して前記パーツの前記配置輪郭を得る工程と、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
パーツの前記間隔マージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って、かつ、前記パーツの前記初期輪郭を表す前記多角形のエッジそれぞれについて算出され、エッジの前記間隔マージンは、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と、前記エッジの点と前記パーツの基準点との間のベクトルとの積に等しい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
絶対的制約またはフリー制約が関連づけられたパーツの前記位置決めマージンはゼロである、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
相対的制約が関連づけられた子パーツの前記位置決めマージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って算出され、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と前記パーツのリンクベクトルとの積に等しく、前記リンクベクトルは、前記子パーツに関連づけられるリンク経糸のすべての前記親パーツの、基準点とリンク点との間に定義されるパーツベクトルの合計である、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記配置輪郭の算出は、各パーツについて、前記パーツの前記初期輪郭に適用される位置決めマージンを算出して前記パーツの位置決め輪郭を得る工程と、前記パーツの前記位置決め輪郭に適用される間隔マージンを算出して前記パーツの前記配置輪郭を得る工程と、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
絶対的制約またはフリー制約が関連づけられたパーツの前記位置決めマージンはゼロである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
相対的制約が関連づけられた子パーツの前記位置決めマージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って算出され、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と前記パーツのリンクベクトルとの積に等しく、前記リンクベクトルは、前記子パーツに関連づけられるリンク経糸のすべての前記親パーツの、基準点とリンク点との間に定義されるパーツベクトルの合計である、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
パーツの前記間隔マージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って、かつ、前記パーツの前記初期輪郭を表す前記多角形のエッジそれぞれについて算出され、エッジの前記間隔マージンは、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と、前記エッジの点と前記パーツの基準点との間のベクトルとの積に等しい、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記生地の前記変位率は、前記生地の各方向について、前記方向における前記生地模様の伸び率に等しい、請求項4~6、9、10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定ピッチで繰り返す模様を有する生地からパーツを切り抜く自動裁断の一般分野に関する。
【0002】
本発明の適用分野は特に、服飾および家具産業である。
【背景技術】
【0003】
服飾用品または家具要素の製造において生地から裁断されたパーツを組み立てる場合に、生地が柄物であると特有の制約がある。ここで「柄物生地」という表現は、一定かつ所定のピッチで繰り返す模様がプリントされたシートからなる、柔軟性を有するあらゆる織物布素材を指す。
【0004】
この場合、たとえば縫い合わされる2つの衣服部位や、または、たとえば着用時に隣接する2つの衣服部位や並置される2つのソファクッションのように、隣り合わせとなる予定の2つのパーツなど、組み合わされる2つのパーツ間での模様の連続性に配慮することが望ましいか、または必要とされる。
【0005】
こういった制約に従うために、パーツを絶対位置マークまたは相対位置マークと関連づけ、主パーツと副パーツ間で優先順位を付けることが知られている。
【0006】
絶対位置マークは通常、主パーツと関連づけられ、主パーツを生地の模様に対して絶対的に位置づけることを特徴とする。模様に対するパーツの位置は、パーツ表面上のある一点が、これを囲む模様に対して決まる相対位置を占めるという事実によって特徴づけられる。したがって、模様ピッチ整数の変換により生地表面上の位置を互いに推定可能なパーツは、模様に対して同一の位置を占める。
【0007】
相対位置マークは、模様の存在に関する必須条件を考慮して組み合わされる2つのパーツに関連づけられる。これらのマークは、パーツを組み合わせる際に一致される2つのリンク点の箇所を特定する。
【0008】
たとえばジャケットの場合、前身頃が主パーツを構成することができる。たとえばこのパーツの特定箇所に一つの模様全体が現れることが望まれる場合、絶対位置マークを前身頃に関連づけることができる。そして袖、襟ぐり、ポケット蓋などが副パーツを構成する。これらのパーツそれぞれにつき、主パーツ上の関連接続点箇所と一致するように接続点箇所が決定される。
【0009】
また、生地を自動裁断することが知られている。自動裁断設備は長年の間、本出願人により販売されている。
【0010】
自動裁断方法は通常、裁断するパーツの帯状生地体上での最適位置を決定する配置作業を含む。配置は、布目が直線となるよう配慮する、パーツ間のマージンを必要最小限とする等、いくつかの制約に従いながら生地のロスが最小限となるように選択される。柄物生地の場合、絶対位置マークおよび相対位置マークの箇所に配慮するという制約が加わる。柄物生地の場合も含めて、コンピュータ・ワークステーションや専用ソフトウェアを用いてオペレータが配置を決めることができるシステムが知られている。
【0011】
裁断を行うため、生地は、吸着により生地を保持可能な裁断テーブル上に一または複数の層に重ねて広げられる。裁断はヘッドに搬送されるツールによって行われ、ヘッドの裁断テーブルに対する移動量は所定の配置に従って制御される。裁断は、振動刃、レーザ、ウォータージェットなどにより行うことができる。
【0012】
生地が柄物生地であると、困難が生じる。特に、配置に用いられる生地見本と、裁断テーブル上に広げられた実際の生地とが一致しないという問題が実際に起きる。このような不一致は次のように反映される。配置中のあるパーツのある基準点の、裁断テーブル上での座標から見たとき、広げられた生地上の対応する点が、常に実際の生地の模様に対する所望の相対位置にあるとは限らない。これらの偏差は比較的大きく、実用上避けがたい。これらはプリント不良および/または生地のゆがみのために、模様の繰り返しピッチが不規則になることを起因としている。その結果、予め作成した配置または理論上の配置は、実際に広げた生地の現状に合わせて変更する必要がある。
【0013】
このような配置変更を自動で行う方法が、本出願人による欧州特許出願公開第0759708号明細書に記載されている。本方法では、柄物生地を裁断テーブル上に広げた後に、広げた生地の一部を撮像して生地の模様の実際のピッチと理論上のピッチとの間にずれがあるか否かを検出し、次いで、撮像した画像の保存情報に対応する箇所が、広げた生地の実際の模様に対する所望位置にあるか否かを確認する。必要であれば、検査結果に従って、広げた生地の模様の実際のピッチに適合するよう、パーツの理論上の配置を変更する。
【0014】
この方法は、特に、生地の長手方向端を始点として配置補正を徐々に行うことができるなど、多くの利点を有する。生地の裁断は、この端から開始して、検査の進行とともに行われる。その結果、この発明は、裁断テーブルの長さが短い自動裁断設備で実施することができるため、従来技術と比べて、柄物生地の裁断用に特有の設備を使う必要性をなくすことができる。
【0015】
実用上では、欧州特許出願公開第0759708号明細書に記載の方法により、保存された生地基準点と、裁断テーブル上に広げられた生地上の模様の最も近い特徴点との間で万一ずれがあることが検知された場合は、パーツを再位置決めすることができる。
【0016】
しかし、理論上の配置をこのように変更し終わったときに、再位置決めされたパーツはすべてが同値とはならないため、これらのパーツ移動によってパーツが重なってしまう(つまり少なくとも部分的に重なってしまう)という無視できないリスクがある。しかしパーツが重なってしまうと裁断品質上の不良につながりかねない。
【0017】
配置に用いられる柄物生地見本と、裁断テーブル上に広げられた実際の生地とが一致しないという問題を解決するものとしてまた別の解決法が欧州特許出願公開第0518473号明細書および欧州特許出願公開第2328729号明細書から知られている。これらの文献では、裁断する各パーツを囲む境界領域を定義し、生地見本と広げた生地との間に不一致を検出した場合、この境界領域内でパーツ配置の修正を行うことができる。実用上は、これらの境界領域の寸法は、生地模様の理論上ピッチに正比例している。そのため欧州特許出願公開第0518473号明細書では模様の1/2ピッチ分、欧州特許出願公開第2328729号明細書では模様の1ピッチ分、寸法が拡大される。
【0018】
しかしながら、これらの解決法は満足のいくものではない。すなわち、生地模様の理論上のピッチが(たとえば数十センチの単位で)大きい場合、これらの解決法では、非常に大きなパーツ間の間隔生成につながり、これはパーツの理論上配置の効率に悪影響を及ぼし、ロスを大幅に増やすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0759708号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0518473号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2328729号明細書
【発明の概要】
【0020】
したがって本発明は、自動裁断パーツの配置方法であって前述の欠点を有しない方法を提案することを目的とする。
【0021】
本発明によれば、模様ピッチと呼ばれる所定ピッチで繰り返す模様を有する生地から自動裁断される予定のパーツを配置する方法であって、
a)前記生地上に配置するパーツ一覧を決定する工程と、
b)隣接するパーツ間の重なりを防ぐために、前記生地の予め定められた変位率と、前記生地上の前記パーツの少なくとも一つの所定の配置制約との関数である変数マージンからなる、前記パーツを囲む配置輪郭を、配置の少なくとも一つのパーツについて算出する工程と、
c)各パーツの前記配置輪郭を考慮して前記生地上の前記パーツの理論上配置を作成する工程と、を備える方法によって、上記目的は達成される。
【0022】
本発明に係る方法は、各パーツを囲む配置輪郭を、複数のパラメータ、すなわち、生地の変位率(生地模様の伸び率に対応)と、生地上のパーツの一または複数の所定の配置制約との関数として算出する点で優れている。したがって、生地模様の理論上ピッチの割合に対応して自由裁量で間隔マージンを適用するのではなく、本発明に係る方法では、生地上のパーツ配置の特異点を考慮した変数マージンを適用することができ、この変数マージンは、パーツ上のどの点においても、間隔マージンと位置決めマージンとの合計となる。この結果、パーツが重なり合うリスクを管理することができ、パーツを理論上配置する際の効率ロスを大きく抑えることができる。
【0023】
各パーツが、多角形で表現される初期輪郭と、基準点と、前記生地上の前記パーツの少なくとも一つの配置制約とに関連づけられ、前記配置制約は、
前記生地模様に対する前記パーツの前記基準点位置が、前記パーツ上の所望の箇所に一つの生地模様が現れるよう決定される、絶対的制約と、
子パーツと呼ばれる前記パーツの前記基準点位置が、親パーツと呼ばれる別のパーツのリンク点に対して、前記生地模様に対する前記子パーツの前記基準点位置が前記親パーツの前記リンク点位置と同一となるように決定される、相対的制約と、
前記生地模様に対する前記パーツの前記基準点位置が自由であるフリー制約と、から選択されると有利である。
【0024】
一実施形態によれば、前記配置輪郭の算出は、各パーツについて、前記パーツの前記初期輪郭に適用される間隔マージンを算出して前記パーツの間隔輪郭を得る工程と、前記パーツの前記間隔輪郭に適用される位置決めマージンを算出して前記パーツの前記配置輪郭を得る工程と、を含む。
【0025】
本実施形態では、パーツの前記間隔マージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って、かつ、前記パーツの前記初期輪郭を表す前記多角形のエッジそれぞれについて算出すると有利であり、エッジの前記間隔マージンは、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と、前記エッジの点と前記パーツの基準点との間のベクトルとの積に等しい。
【0026】
さらに、絶対的制約またはフリー制約が関連づけられたパーツの前記位置決めマージンはゼロであるとよい。
【0027】
同様に、相対的制約が関連づけられた子パーツの前記位置決めマージンは、前記生地の緯糸方向および経糸方向に沿って算出すると有利であり、前記生地の各方向について、前記生地の前記変位率と前記パーツのリンクベクトルとの積に等しく、前記リンクベクトルは、前記子パーツに関連づけられるリンク経糸のすべての前記親パーツの、基準点とリンク点との間に定義されるパーツベクトルの合計である。
【0028】
別の実施形態によれば、前記配置輪郭の算出は、各パーツについて、前記パーツの前記初期輪郭に適用される位置決めマージンを算出して前記パーツの位置決め輪郭を得る工程と、前記パーツの前記位置決め輪郭に適用される間隔マージンを算出して前記パーツの前記配置輪郭を得る工程と、を含む。
【0029】
本実施形態でも、間隔および位置決めマージンが、前述の実施形態と同様に有利な方法で計算される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明が適用される繰り返し模様のある生地の一例の概略図である。
図2図2は、図1の生地上に配置される様々な種類のパーツを概略図示する図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る配置方法の様々な工程を図式化したフローチャートである。
図4図4は、本発明の別の実施形態に係る配置方法の様々な工程を図式化したフローチャートである。
図5図5は、本発明に係る配置方法の、位置決めマージンの計算例の様々な工程を図式化したフローチャートである。
図6図6は、本発明に係る配置方法の、間隔マージンの計算例の様々な工程を図式化したフローチャートである。
図7図7は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図8図8は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図9図9は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図10図10は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図11図11は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図12図12は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
図13図13は、配置されるパーツ群を本発明に従って配置する方法の実施例の様々な工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、繰り返し模様のある生地から、たとえば欧州特許出願公開第0759708号明細書に記載のような自動裁断設備によって裁断される予定のパーツ群の配置生成に関する。
【0032】
パーツの配置を生成する前に、パーツを裁断する生地を特徴づける必要がある。この工程は、生地を手作業で計測する、メーカーから提供される情報を基準にする、または、帯状体の素材をスキャンし自動で模様を認識し特徴づける、すなわち、格子数、経糸ピッチ、緯糸ピッチ、オフセット量などを特定することにより、行うことができる。
【0033】
本発明が適用される繰り返し模様のある生地の一例を図1に示す。
【0034】
この図1は、メイン格子G1と2つのサブ格子G2、G3とを有する繰り返し模様Mを備える生地Tを示し、これらの格子G1~G3が互いに対して緯糸方向および経糸方向にずれている(経糸方向をX軸、緯糸方向をY軸で表す)。模様Mは、特に、経糸ピッチP-Cおよび緯糸ピッチP-Tにより特徴づけられる。
【0035】
そして、生地Tの特徴づけから引き出した情報を用い、パーツの理論上の配置を生成する。
【0036】
理論上配置作業では、パーツを裁断する箇所が決定される。配置は、いくつかの制約(布目が直線となるよう配慮、裁断パーツ間の間隔を最小限にする等)に従いながら素材ロスが最小限となるように行われる。
【0037】
繰り返し模様のある生地の場合、一方で、パーツによってはパーツ上の特定箇所に一つの完全な模様があることが美観上で必要不可欠となる場合があり、他方で、組み合わされる予定の2つのパーツの場合は、これらパーツの裁断時に、組み立て後もたとえば模様の連続性を確保することが必要であることがある。
【0038】
このため、配置方法の次の工程では、配置される各パーツに、初期輪郭と、基準点と、少なくとも一つの配置制約とを割り当てることにより各パーツを特徴づける。
【0039】
図2は、模様Mを有する生地T上に配置される3つのパーツP-1~P-3の一例を示す。これらのパーツのそれぞれに、初期輪郭Ci-1、Ci-2、Ci-3が割り当てられる。
【0040】
これら初期輪郭は通常、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアにより、マージンを設けずに定義される。これらは多角形、すなわち、パーツP-1は長方形、パーツP-2は三角形、パーツP-3は台形で表される。
【0041】
配置のパーツP-1~P-2はそれぞれ基準点O-1、O-2、O-3と、パーツを生地上に配置する上での少なくとも一つの制約とに関連づけられる。
【0042】
各パーツの基準点は、用いられる配置制約に関わらずオペレータにより定義される。これは、位置を決める上で重要となる生地上の点である。
【0043】
配置制約はオペレータにより以下の中から一つ選択される。
1.絶対的制約
【0044】
この制約は、生地の一つの模様がパーツの所望箇所に現れるようにするために、生地上の特定箇所に位置決めする必要があるパーツに関連づけられる。この制約がある場合、生地模様に対するパーツの基準点位置は予め決定される。
【0045】
図2の例では、パーツP-2のみが絶対的配置制約に関連づけられている。
2.相対的制約
【0046】
この制約は、「子」パーツと呼ばれる第1パーツに関連づけられ、その生地上の位置は、「親」パーツと呼ばれる第2パーツの位置に従って決定される。この制約がある場合、子パーツの基準点位置は親パーツのリンク点Lに対して、生地模様に対する子パーツの基準点位置が親パーツのリンク点位置と同一となるように、決定される。
【0047】
図2の例では、パーツP-1がパーツP-2(子パーツ)の親パーツであるので、パーツP-1はリンク点L-1を有し、これにより、パーツP-2の基準点O-2を位置決めすることができる。同様に、パーツP-2がパーツP-3(子パーツ)の親パーツであるので、パーツP-2はリンク点L-2を有し、これにより、パーツP-3の基準点O-3を位置決めすることができる。パーツP-1は親を有しないパーツであるのに対し、パーツP-3は子を有しないパーツである。
【0048】
親パーツにはそれぞれ、基準点とリンク点とを結ぶ少なくとも一つのパーツベクトルが割り当てられる(図2中では、パーツP-1の点O-1とL-1とを結ぶパーツベクトルV-1、および、パーツP-2の点O-2とL-2とを結ぶパーツベクトルV-2)。
【0049】
ただし、同じパーツが複数の子パーツに対する親であり得るので、同一パーツが複数のパーツベクトルを含むことがある。
【0050】
子パーツのそれぞれにおいて、子パーツに関連づけられるリンク経糸中のすべての親パーツのパーツベクトルの合計であるリンクベクトルが定義される。図2の例では、子パーツP-2のリンクベクトルVL-2は、パーツP-1のパーツベクトルV-1と等しい(パーツP-1はパーツP-2の親パーツ)。同様に、パーツP-3のリンクベクトルVL-3(不図示)は、パーツP-2(P-2はP-3の親)のパーツベクトルV-2と、パーツP-1(P-1はP-2の親)のパーツベクトルV-1との合計に等しい。
【0051】
ただし、親を持たないパーツはリンクベクトルを有しない。
3.フリー制約
【0052】
この制約は、生地模様に対する位置が自由である(すなわち絶対的または相対的制約が存在しない)パーツに関連づけられる。この制約がある場合、パーツの基準点位置は、生地模様に対して自由である。
【0053】
生地の特徴と、配置する様々なパーツに関する情報とが決定され記録されると、パーツの配置が算出される。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態に係る配置方法の工程のフローチャートを示す。
【0055】
配置の各パーツPはそれぞれ独立して処理される。まず、パーツに関連の初期輪郭Ci(ステップS1)から、パーツの初期輪郭に適用される間隔マージンδeを算出し、パーツの間隔輪郭Ceを得る(ステップS2)。この間隔マージンの算出はパーツに関連の配置制約とは独立して行われる。
【0056】
次いで、パーツPに関連の配置制約が相対的制約である場合(ステップS3)、先に算出したパーツの間隔輪郭Ceに適用される位置決めマージンδpを算出し(ステップS4)、パーツの配置輪郭Cpを得る(ステップS5)。
【0057】
相対的制約がパーツに関連づけられていない場合は、パーツの配置輪郭Cpは、ステップS2で算出された間隔輪郭Ceとなる。
【0058】
パーツの間隔輪郭が得られると、配置の次のパーツに進み、配置のすべてのパーツの配置輪郭が算出されるまで続ける。
【0059】
本方法の次の工程(図3には不図示)では、各パーツの配置輪郭Cpを考慮した、生地上の理論上のパーツ配置を作成する。理論上配置は、既知の方法で、いくつかの制約(布目が直線となるよう配慮、裁断パーツ間の間隔を最小限にする等)に従いながら素材ロスが最小限となるように行われる。
【0060】
図4は、本発明の別の実施形態に係る配置方法の工程のフローチャートを示す。
【0061】
ここでも配置の各パーツPはそれぞれ独立して処理される。まず、パーツに関連の初期輪郭Ci(ステップS’1)から、相対的制約がパーツに関連づけられているか否かを判定する(ステップS’2)。関連づけられている場合は、まず、パーツの初期輪郭Ciに適用される位置決めマージンδ’pを算出し、パーツの位置決め輪郭C’oを得る(ステップS’3)。
【0062】
相対的制約がパーツに関連づけられていない場合は、位置決め輪郭C’oは初期輪郭Ciと等しくなる(ステップS’35)。
【0063】
次いで、先に算出されたパーツの位置決め輪郭C’oに適用される間隔マージンδ’e(ステップS’4)を算出し、パーツの配置輪郭C’pを得る(ステップS’5)。この間隔マージンの算出はパーツに関連の配置制約とは独立して行われる。
【0064】
本方法の次の工程(図4には不図示)では、各パーツの配置輪郭C’pを考慮した、生地上のパーツの理論上配置を作成する。
【0065】
図3および図4の方法で上述のように位置決めマージンを算出する例を、図5を参照して説明する。
【0066】
まず前置きとして先に述べた通り、図3および図4の方法で上述のように位置決めマージンを算出する工程は、相対的制約が関連づけられたパーツに対してのみ適用される(絶対的制約またはフリー制約が関連づけられたパーツの位置決めマージンはゼロである)。
【0067】
前置きとして、位置決めマージンの算出は、主輪郭(ステップT1)を有するパーツPに適用され、この主輪郭は、図3に示す方法の場合はステップS2で計算されるパーツの間隔輪郭Ce、図4に示す方法の場合はステップS’1で計算されるパーツの初期輪郭Ciであり得る。
【0068】
第1工程では、配置のすべてのパーツのうちの対象パーツPの親パーツを検索する(ステップT2)。
【0069】
対象パーツが、ある親パーツに関連する子パーツである場合(ステップT3)は、次いで、パーツの位置決めマージンを以下に詳述する計算法に従って算出する(ステップT4)。
【0070】
生地の各方向(経糸方向Xおよび緯糸方向Y)について、位置決めマージンは、以下のように、生地の変位率と親パーツのパーツベクトルとの積により求められる。
位置決めマージンX=[X方向の生地変位率]×[X方向のパーツベクトル]
位置決めマージンY=[Y方向の生地変位率]×[Y方向のパーツベクトル]
【0071】
次いで、対象パーツが自身の親となり(ステップT5)、ステップT2~T4が「親の親」に対するものとして繰り返される。
【0072】
したがってこの再帰関数は、位置決めマージンを、生地変位率とパーツリンクベクトルとの積として計算するのと同じことである(リンクベクトルは先で示したように、対象パーツに関連づけられるリンク経糸の親であるすべてのパーツのパーツベクトルの合計である)。
【0073】
次いで、最終工程(ステップT6)の最後に、位置決めマージン(の絶対値)をX、Y方向に沿ってパーツの主輪郭に適用することにより、パーツの新しい輪郭が決定される。
【0074】
図3および図4の方法で上述のように間隔マージンを算出する例を、図6を参照して説明する。
【0075】
前置きとして、間隔マージンの算出は、主輪郭(ステップU1)を有するパーツPに適用され、この主輪郭は、図3に示す方法の場合はステップS1のパーツ初期輪郭Ci、図4に示す方法の場合はステップS’3で計算されるパーツ位置決め輪郭C’oであり得る。
【0076】
次の工程では、パーツの主輪郭を、輪郭に対応する多角形の複数のエッジ(セグメント)に分割し(ステップU2)、多角形のそれぞれのエッジを処理する。
【0077】
このようなエッジがある場合(ステップU3)は、これを離散化し複数のサブエッジとする(ステップU4)。
【0078】
同様に次のステップU5、U6で、あるエッジにつきサブエッジがあるか否かを調べる。ある場合は、ステップU7でそのサブエッジについて間隔マージンの算出が行われる。間隔マージンは、生地の各方向について、また、サブエッジの各端点について、以下のように、生地変位率と、対応するサブエッジ端点とパーツ基準点とを結ぶベクトルとの積、に等しい。
間隔マージンX=[X方向の生地変位率]×[X方向のサブエッジ端点ベクトル]
間隔マージンY=[Y方向の生地変位率]×[Y方向のサブエッジ端点ベクトル]
【0079】
次いで、サブエッジ端点について、これらの点上に中心を有する長方形であってX、Y方向寸法がそれぞれこれら端点の各々について計算された間隔マージンXおよび間隔マージンYである長方形を求める。サブエッジの間隔輪郭は、これら2つの長方形の点の凸包絡を算出することにより得られる(ステップU8)。この計算はたとえばよく知られているアンドリューのアルゴリズムを用いて行うことができる。
【0080】
次いで、次のサブエッジについてステップU7を繰り返す。次のサブエッジが存在しない(つまり、エッジのすべてのサブエッジが処理済みの)場合は、次工程で、すべてのサブエッジ間隔輪郭を結合することにより得られるエッジ間隔輪郭を算出する。
【0081】
次いで、パーツの主輪郭のすべてのエッジについてステップU2~U8を繰り返す。
【0082】
パーツの主輪郭の各エッジの間隔輪郭の算出工程の最後に、パーツのすべてのエッジについて算出したすべての間隔輪郭を結合することにより得られるパーツ間隔輪郭を算出する(ステップU9)。
【0083】
ここで、図5および図6を参照して詳述した間隔マージンおよび位置決めマージンの算出において、生地変位率は、生地の各方向について、前記方向における生地模様の伸び率に等しい。
【0084】
図3のフローチャートで説明した配置方法の適用例を、図7~13を参照して説明する。
【0085】
本例では、配置パーツ群は合わせて長方形を形成する4つのパーツP-1~P-4からなり(図7参照)、以下を含む:
・絶対的配置制約を有するパーツP-1。
・リンク経糸を形成する相対的配置制約を有する2つのパーツP-2およびP-3、すなわち、P-1は子パーツP-2の親パーツであり、パーツP-2は子パーツP-3の親パーツ。
・フリー制約を有するパーツP-4。
【0086】
また本例では、配置を計算する生地はX軸(経糸方向、Wxで示す)上で2%、Y軸(緯糸方向、Wyで示す)上で1%の変位率を有する。
【0087】
図8は、座標系(0,X,Y)中のパーツP-1~P-4に関する別のデータを示す。点0はたとえば各パーツを包含する長方形の一角に位置するものと定義される。
【0088】
パーツP-1(P-2の親パーツ)は、
・座標が(0,75)である基準点O-1
・座標が(300,0)であるリンク点L-1
・座標が(-300,75)であるリンクベクトルVL-1
を有する。
【0089】
パーツP-2(P-1の子パーツであってP-3の親パーツ)は、
・座標が(300,50)である基準点O-2
・座標が(0,0)であるリンク点L-2
・座標が(300,50)であるリンクベクトルVL-2
を有する。
【0090】
パーツP-3(P-2の子パーツ)は、
・座標が(100,0)である基準点O-3を有する。
【0091】
パーツP-4は、
・座標が(250,25)である基準点O-4を有する。
【0092】
図3のフローチャートで説明した方法で、まず、配置の各パーツの初期輪郭の間隔マージンの算出が行われる。
【0093】
図9に、パーツP-1についてこのような計算を行う方法を示す。
【0094】
特に、図6を参照して先に詳述したように、パーツP-1の初期輪郭Ci-1に対応する多角形(ABCD)の間隔マージンを、パーツの多角形のすべてのエッジ、すなわちエッジ(A,B)、(B,C)、(C,D)、(D,A)についてのすべての凸包絡を結合することにより算出する。
【0095】
エッジ(B,C)を例にとると、まず、このエッジをたとえば、それぞれ5mmの長さを有するサブエッジに離散化すると、212mm/5mm=43のサブエッジssi(ss1,ss2,ss3,・・・,ss43)となる。各サブエッジssiはpt1およびpt2で示す2つの終端を有する。
【0096】
次いで各サブエッジssiについて、次の計算により(点pt1における)間隔マージンが求められる。
間隔マージンX=[(X方向のssi)×(X方向のpt1)-(X方向のO-1)]×(Wx)×2
間隔マージンY=[(Y方向のssi)×(Y方向のpt1)-(Y方向のO-1)]×(Wy)×2
【0097】
pt1の座標を(150,150)とすると、この点についての間隔マージンは、
間隔マージンX=[150-0]×0.02×2=6mm
間隔マージンY=[150-75]×0.01×2=1.50mmとなる。
【0098】
pt2の座標を(153.50,146.50)とすると、この点についての間隔マージンは、
間隔マージンX=[153.50-0]×0.02×2=6.14mm
間隔マージンY=[146.50-75]×0.01×2=1.43mmとなる。
【0099】
次いで、サブエッジssiの点pt1およびpt2について、これらの点上に中心を有する長方形であってX、Y方向寸法がそれぞれこれら点の各々について計算された間隔マージンXおよび間隔マージンYである長方形を求める。サブエッジの間隔輪郭は、これら2つの長方形の点の凸包絡を算出することにより得られる。この計算を、パーツP-1の多角形のエッジ(B,C)のサブエッジssiそれぞれについて繰り返す。エッジ(B,C)の間隔輪郭は、サブエッジssiのすべての間隔輪郭の結合体を囲む輪郭を計算することにより得られる。
【0100】
多角形の各エッジについて間隔輪郭を算出した後、各エッジの間隔輪郭を結合することにより得られる輪郭を算出することにより、図10に示す間隔輪郭Ce-1を得る。
【0101】
ここで、経糸方向(X方向)では、基準点O-1における間隔マージンが無く、この基準点から遠ざかるにしたがって間隔マージンは大きくなる。同様に、緯糸方向(Y方向)では(基準点O-1はパーツの上端および下端から等距離位置にあるという事実に一致して)、間隔マージンが上端および下端で同一となる。
【0102】
図3のフローチャートで説明した配置方法の次の工程では、先に算出した間隔輪郭から、各パーツP-1~P-4に適用される位置決めマージンを算出する。
【0103】
先に示したように、絶対的配置制約を有するパーツと、フリー配置制約を有するパーツ、すなわちここではパーツP-1とP-4は、位置決めマージンがゼロとなる。
【0104】
図11に示す例では、まずはパーツP-2の位置決めマージンを計算することになる。
【0105】
この位置決めマージンは、親パーツのリンクベクトルを合計することにより算出する。この場合では、子パーツP-2の親はパーツP-1であり、P-1は親を持たない。
【0106】
したがって、パーツP-2の位置決めマージンは次のように算出される。
位置決めマージンX=(X方向VL-1)×Wx=(-300)×0.02=-6mm
位置決めマージンY=(Y方向VL-1)×Wy=75×0.01=0.75mm
【0107】
次いでパーツP-2の輪郭を、経糸方向(X方向)に6mm、緯糸方向(Y方向)に0.75mmのマージンを有するようセットする。ここでのマージンには絶対値が使用される。
【0108】
図12は、このように算出された間隔マージンおよび位置決めマージンを、初期輪郭Ci-2、間隔輪郭Ce-2、配置輪郭Cp-2を有するパーツP-2に適用する場合を示す。
【0109】
図13に示す例では、パーツP-3の位置決めマージンを計算することになる。
【0110】
この位置決めマージンは、親パーツのリンクベクトルを合計することにより算出する。この場合では、子パーツP-3の親はパーツP-2であり、パーツP-2の親はパーツP-1であり、P-1は親を持たない。
【0111】
したがって、パーツP-3の位置決めマージンは次のように算出される。
位置決めマージンX=(X方向VL-2+X方向のVL-1)×Wx
位置決めマージンX=(300-300)×0.02=0mm
位置決めマージンY=(Y方向VL-2+Y方向VL-1)×Wy
位置決めマージンY=(75+50)×0.01=1.25mm
【0112】
この例では、X方向でゼロとなる位置決めマージンが存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】