(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】医学的介入のためのハンドルカートリッジシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510999
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 US2021042902
(87)【国際公開番号】W WO2022031455
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520118876
【氏名又は名称】テレフレックス ライフ サイエンシズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ヤラ カーティス
(72)【発明者】
【氏名】ザラー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン アレクサンダー チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ノエル エリック
(72)【発明者】
【氏名】ラム カルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】レッサード ケヴィン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】カッツ ジョリーン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ マヘシュワラ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160MM53
(57)【要約】
疾患又は障害の治療目的でハンドルの機械エネルギーをカートリッジに伝達して患者としてのヒト又は動物の体内の組織又は解剖学的構造を処置するための器械。ハンドル及びカートリッジは、セーフティーインターロックを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム用のカートリッジであって、前記システムは、ハンドル及び前記カートリッジを含み、前記ハンドルは、一連の前記カートリッジを受け入れて機械エネルギーを前記カートリッジに加え、それによりインプラントを送り出すよう構成され、前記カートリッジは、
引張ばねを介して摺動可能なプッシャブロックに連結されている摺動可能なカッタブロックを有し、前記カッタブロック及び前記プッシャブロックは、前記カートリッジ本体内において直線方向に摺動するよう構成され、
前記カートリッジの前記本体内に設けられた回動可能なインプラントアクチュエータを有し、前記回動可能インプラントアクチュエータは、前記インプラントアクチュエータが第1の位置にあるときに前記インプラントアクチュエータが前記プッシャブロックの摺動を阻止するよう前記プッシャブロックに係合し、
前記ばねは、前記カッタブロックと前記プッシャブロックを互いに引き寄せようとする力を及ぼす伸長位置にある、カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジに設けられたノブをさらに有し、前記ノブは、ロック解除位置からロック位置に動き、前記ロック位置が前記カートリッジを前記ハンドルに固定するようになっている、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ノブに設けられたプッシャセーフティータブをさらに有し、前記プッシャセーフティータブは、前記ノブが前記ロック解除位置にあるときに前記インプラントアクチュエータに係合して前記インプラントアクチュエータが前記係合中に回動することができないようにするよう構成されている、請求項2記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ノブに設けられた前記プッシャセーフティータブは、前記ノブが前記ロック位置にあるときに前記インプラントアクチュエータから離脱し、それにより前記インプラントアクチュエータが回動できるようにするよう構成されている、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジの前記本体内にかつ前記カッタブロックと前記プッシャブロックとの間に設けられたカッタ爪をさらに有する、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カッタ爪は、前記カッタ爪が前記プッシャブロックに向かう前記カッタブロックの摺動を阻止するよう前記カッタブロックとの係合位置及び前記カッタ爪が前記カッタブロックを前記プッシャブロックに向かって摺動させることができるよう前記カッタブロックからの離脱位置を有する、請求項5記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記プッシャブロックは、摺動して前記カッタ爪に接触し、それにより前記カッタ爪が回動して前記カッタブロックから外れるようにするよう構成されている、請求項6記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジの前記本体のカバーに設けられたインジケータ窓をさらに有する、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記インジケータ窓は、前記カッタブロックの前記位置を表示する、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記インジケータ窓は、前記カッタブロックを摺動させるためのアクセスとなるよう構成されている、請求項9記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記ノブに設けられたアクセス窓をさらに有し、前記アクセス窓は、前記プッシャブロックが前記カッタ爪に接触していない状態で前記カッタ爪を前記係合位置から前記離脱位置に動かすことができるよう前記カッタ爪に対するアクセスとなる、請求項6記載のカートリッジ。
【請求項12】
インプラントを送り出すためのカートリッジであって、
引張ばねを介してプッシャブロックに連結されたカッタブロックを有し、前記カッタブロック及び前記プッシャブロックは、前記カートリッジの本体内で直線方向に動くよう構成され、
前記カートリッジの前記本体内に設けられた回動可能なインプラントアクチュエータを有し、前記回動可能インプラントアクチュエータは、前記インプラントアクチュエータが第1の位置にあるときに前記インプラントアクチュエータが前記プッシャブロックの運動を阻止するよう前記プッシャブロックと係合し、前記ばねは、前記カッタブロックと前記プッシャブロックを互いに引き寄せようとする力を及ぼす伸長位置にある、カートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジの前記本体内にかつ前記カッタブロックと前記プッシャブロックとの間に設けられたカッタ爪をさらに有する、請求項12記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記カッタ爪は、前記カッタ爪が前記プッシャブロックに向かう前記カッタブロックの摺動を阻止するよう前記カッタブロックとの係合位置及び前記カッタ爪が前記カッタブロックを前記プッシャブロックに向かって摺動させることができるよう前記カッタブロックからの離脱位置を有する、請求項13記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記プッシャブロックは、動いて前記カッタ爪に接触し、それにより前記カッタ爪が回動して前記カッタブロックから外れるようにするよう構成されている、請求項14記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記インプラントは、遠位アンカーコンポーネント、縫合部分、及び近位アンカーコンポーネントを有する、請求項1又は15記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記プッシャブロックは、前記近位アンカーコンポーネントを前記縫合部分上に押すよう構成されている、請求項16記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記カッタブロックは、前記縫合部分を切断するよう構成されている、請求項16記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療器具、特に、ハンドル及び交換可能なカートリッジを含む医療器具システムに関する。かかるシステムでは、疾患又は障害の治療目的でハンドルの機械エネルギーをカートリッジに伝達して患者としてのヒト又は動物の体内の組織又は解剖学的構造を処置する。
【背景技術】
【0002】
良性前立腺過形成(BPH)は、男性、特に高齢の男性に見られる最もありふれた病態のうちの1つである。米国では、60歳までに男性全体の過半数がBPHの組織病理学的エビデンスを呈し、85歳までには10人中ほぼ9人までの男性がこの病態に悩まされる。さらに、BPHの発症率及び有病率は、先進諸国人口の平均寿命が高くなるにつれて増大することが見込まれる。
【0003】
前立腺は、男性の一生を通じて肥大する。人によっては、前立腺周りの前立腺被膜が前立腺のそれ以上の肥大を阻止する場合がある。このことによって前立腺の内側域が尿道を締め付ける。尿道に加わるこの圧力は、前立腺によって包囲された尿道の領域を通る尿の流れに対する抵抗を増大させる。かくして、膀胱は、尿道の抵抗の増大により尿を押し出すためにより高い圧力を及ぼさなければならない。慢性的な過剰の労作により、膀胱の筋壁が変形して硬くなる。このように尿の流れに対する尿道の抵抗の増大と膀胱壁の硬直化及び肥厚が合併することにより、患者の生活の質(クオリティオブライフ)を著しく低下させる場合のある種々の下部尿路症状(LUTS)が生じる。これらの症状としては、排尿中の尿勢低下又は尿線途絶、排尿の際のいきみ、尿の流れの開始前におけるもたつき、膀胱が排尿後であっても完全に空になってはいないという感覚(残尿感)、排尿終了時における滴り(ドリップ)又はその後の尿漏れ、特に夜間における排尿頻度の増加、及び尿意切迫感が挙げられる。
【0004】
BPHのある患者に加えて、LUTSは、前立腺癌、前立腺感染症、及び特に前立腺肥大のある男性に尿閉を生じさせるある特定の薬物(例えば、エフェドリン、シュードエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンなど)の慢性的使用のある患者にも生じる場合がある。
【0005】
BPHは、生命を脅かすことはまれであるが、BPHにより多くの臨床的病態が生じる場合があり、かかる臨床的病態としては、尿閉、腎不全、再発性尿路感染症、失禁、血尿及び膀胱結石が挙げられる。
【0006】
先進諸国では、患者人口の大部分がBPH症状の治療を受けている。80歳までに米国における男性人口の約25%がなんらかの形のBPH治療を受けている。現時点において、BPHに対する利用可能な治療選択肢としては、経過観察、薬物治療(フィトセラピー及び処方薬)、手術、及び低侵襲手技が挙げられる。
【0007】
経過観察オプションを選択する患者に関して言えば、患者に即時治療は施されないが、患者は、疾患の経過をモニタするために定期的な検査を受ける。これは、特に厄介とは言えない最小限度の症状をもつ患者に対して行われるのが通例である。
【0008】
BPH症状を治療する外科的処置としては、経尿道的切除術(TURP)、経尿道的前立腺電気蒸散術(TVP)、前立腺の経尿道的切開術(TUIP)、レーザー前立腺切除術及び直視下前立腺切除術が挙げられる。
【0009】
BPH症状を治療するための低侵襲手技としては、経尿道的マイクロ波熱療法(TUMT)、経尿道的針焼灼術(TUNA)、組織内レーザー凝固法(ILC)、及び前立腺ステント留置が挙げられる。
【0010】
BPHを治療する多くの現行の方法の実施にあたっては副作用のリスクが高い。これら方法及び器具は、全身麻酔もしくは脊椎麻酔を必要とするか、各種手技が手術室内で実施され、その後に患者の入院を必要とする潜在的にマイナスな影響を生じさせるかのいずれかである。術後悪影響リスクの低いBPHの治療方法は、症状スコアの低減とも関連している。これら手技のうちの幾つかは、診療所設備内において局所無痛法を伴って実施可能であるが、患者は、即座に楽になるわけではなく、事実、体が回復し始めるまでその手技後に数週間にわたって症状の悪化を生じる場合が多い。加うるに、器具を用いた多くのやり方では、尿道カテーテルを場合によっては数週間にわたり膀胱内に挿入したままにすることが必要になる。場合によってカテーテル留置が必要となり、と言うのは、この療法は、実際には、術後のある期間にわたって閉塞を生じさせるからであり、また場合によっては、術後出血や潜在的に閉塞性の血塊形成を理由としてカテーテル留置が適応となる。薬剤治療における投薬は、容易であるが、結果は、それほどでもなく、効果を得るのに相当長い時間を必要とし、しかも望ましくない副作用を伴う場合が多い。
【0011】
前立腺組織を別個の手技で又はBPHの治療と組み合わせて持ち上げ、圧迫し、支え、正常な位置に戻し、焼灼し、あるいは違ったやり方で改変するための種々の手技について新規な器具及び方法が開発された。かかる器具及び方法は、米国特許第7,645,286号明細書、同第7,758,594号明細書、同第7,766,923号明細書、同第7,905,889号明細書、同第7,951,158号明細書、同第8,007,503号明細書、同第8,157,815号明細書、同第8,216,254号明細書、同第8,333,776号明細書、同第8,343,187号明細書、同第8,394,110号明細書、同第8,425,535号明細書、同第8,663,243号明細書、同第8,715,239号明細書、同第8,715,298号明細書、同第8,900,252号明細書、同第8,936,609号明細書、同第8,939,996号明細書、同第9,320,511号明細書、同第9,549,739号明細書、同第10,105,132号明細書、及び同第10,299,780号明細書に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7,645,286号明細書
【特許文献2】米国特許第7,758,594号明細書
【特許文献3】米国特許第7,766,923号明細書
【特許文献4】米国特許第7,905,889号明細書
【特許文献5】米国特許第7,951,158号明細書
【特許文献6】米国特許第8,007,503号明細書
【特許文献7】米国特許第8,157,815号明細書
【特許文献8】米国特許第8,216,254号明細書
【特許文献9】米国特許第8,333,776号明細書
【特許文献10】米国特許第8,343,187号明細書
【特許文献11】米国特許第8,394,110号明細書
【特許文献12】米国特許第8,425,535号明細書
【特許文献13】米国特許第8,663,243号明細書
【特許文献14】米国特許第8,715,239号明細書
【特許文献15】米国特許第8,715,298号明細書
【特許文献16】米国特許第8,900,252号明細書
【特許文献17】米国特許第8,936,609号明細書
【特許文献18】米国特許第8,939,996号明細書
【特許文献19】米国特許第9,320,511号明細書
【特許文献20】米国特許第9,549,739号明細書
【特許文献21】米国特許第10,105,132号明細書
【特許文献22】米国特許第10,299,780号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
かかる器具のハンドルからカートリッジにエネルギーを高信頼度で、再現可能に、しかも効率的に伝達するための機械的設計及びシステムが要望されている。本発明は、これらの要望に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の諸観点は、機械エネルギーを疾患又は障害の治療目的で患者としてのヒト又は動物の体内の組織及び解剖学的構造又は他の構造を処置するために、機械エネルギーをハンドルからカートリッジに伝達する機械的設計及び構成に関する。
【0015】
一観点では、カートリッジは、引張ばねを介して摺動可能なプッシャブロックに連結されている摺動可能なカッタブロックを有し、カッタブロック及びプッシャブロックは、カートリッジ本体内において直線方向に摺動するよう構成されている。カートリッジは、カートリッジの本体内に設けられた回動可能なインプラントアクチュエータをさらに有し、回動可能インプラントアクチュエータは、インプラントアクチュエータが第1の位置にあるときにインプラントアクチュエータがプッシャブロックの摺動を阻止するようプッシャブロックに係合する。ばねがカッタブロックとプッシャブロックを互いに引き寄せようとする力を及ぼす伸長位置にある。カートリッジは、ノブを有し、ノブは、ロック解除位置からロック位置に動き、ロック位置がカートリッジをハンドルに固定するようになっている。カートリッジは、ノブに設けられたプッシャセーフティータブを有し、プッシャセーフティータブは、ノブがロック解除位置にあるときにインプラントアクチュエータに係合してインプラントアクチュエータがかかる係合中に回動することができないようにするよう構成されている。ノブに設けられたプッシャセーフティータブは、ノブがロック位置にあるときにインプラントアクチュエータから離脱し、それによりインプラントアクチュエータが回動できるようにするよう構成されている。カートリッジは、カートリッジの本体内にかつカッタブロックとプッシャブロックとの間に設けられたカッタ爪を有する。カッタ爪は、カッタ爪がプッシャブロックに向かうカッタブロックの摺動を阻止するようカッタブロックとの係合位置及びカッタ爪がカッタブロックをプッシャブロックに向かって摺動させることができるようカッタブロックからの離脱(係合解除)位置を有する。プッシャブロックは、摺動してカッタ爪に接触し、それによりカッタ爪が回動してカッタブロックから離脱するようにするよう構成されている。カートリッジは、カートリッジの本体のカバーに設けられたインジケータ窓を有する。インジケータ窓は、カッタブロックの位置を表示する。インジケータ窓は、カッタブロックを摺動させるためのアクセス手段となるよう構成されている。カートリッジは、ノブに設けられたアクセス窓を有し、アクセス窓は、プッシャブロックがカッタ爪に接触していない状態でカッタ爪を係合位置から離脱位置に動かすことができるようカッタ爪に対するアクセス手段となる。
【0016】
別の観点では、カートリッジが長軸(以下、「長手方向軸線」ともいう)を備えたシャフト組立体に結合されているカートリッジ本体を有し、シャフト組立体の遠位部分は、この遠位部分を貫通して延びるルーメンを有する。ルーメンは、このルーメンが長手方向軸線に平行な第1の方向に延びているときにルーメンの湾曲度によって定められるルーメン曲率半径を有し、それにより長手方向軸線に対して横の第2の方向に延びる。針組立体がシャフト組立体及びカートリッジ本体内に摺動可能に設けられ、この針組立体は、針遠位部分を含み、針遠位部分は、ルーメンが終端する出口ポートからシャフト組立体を出るよう構成されている。針遠位部分は、針が長手方向軸線に平行な第1の方向に延びているときに、針の湾曲度によって定められた針曲率半径を有し、それにより長手方向軸線に対して横の第2の方向に延び、ルーメン曲率半径と針曲率半径は、異なる。カートリッジは、シャフト組立体に設けられた切り欠きを有し、この切り欠きは、針遠位部分の少なくとも一部が切り欠きにより撓むことができるようにするよう構成されている。カートリッジは、シャフト組立体に設けられた追加の切り欠きを有し、この追加の切り欠きは、針遠位部分の少なくとも一部が追加の切り欠きにより撓むことができるようにするよう構成されている。カートリッジは、針遠位部分の所望の出口軌道と接している壁曲率半径を備えた所望の遠位側のルーメン壁を有する。
【0017】
ハンドル及びカートリッジを含むシステムがハンドル内に設けられかつハンドル内に設けられたトリガ組立体に結合されているカムホイールを含む。ホイールアクチュエータがカムホイールに結合されており、その結果、カムホイールに設けられた特徴部は、この特徴部がホイールアクチュエータに接触したときに、ホイールアクチュエータを第1の方向に回動させるよう構成されている。ホイールアクチュエータは、ホイールアクチュエータが第1の方向に回動したときにこれに係合し、そして、この特徴部がもはやホイールアクチュエータに接触しなくなったときにはホイールアクチュエータを第1の方向と反対の第2の方向に回動させる撓み部を有する。システムは、カートリッジ内にそれぞれ設けられた摺動可能なプッシャブロック又はインプラントアクチュエータを含む。インプラントアクチュエータは、プッシャブロックが摺動するのを阻止するようプッシャブロックと係合する。ホイールアクチュエータは、ホイールアクチュエータが第1の方向に回動すると、インプラントアクチュエータをプッシャブロックから離脱させる。
【0018】
ハンドル及びカートリッジを含むシステムが、ハンドル内に設けられたトリガ組立体及びトリガ組立体に設けられたロックタブを含み、このロックタブは、トリガが作業位置にあるときにハンドルのカートリッジベイに入るよう構成され、その結果ロックタブがカートリッジベイ内に少なくとも部分的に位置しているときに、カートリッジをカートリッジベイ内に固定することができないようになっている。システムは、カートリッジに設けられたロック表面を含み、このロック表面は、トリガが作業位置にあるときに、カートリッジをカートリッジベイから取り出すことができないようロックタブと係合するよう構成されている。トリガが初期位置にあるとき、カートリッジをカートリッジベイから取り出すことができる。
【0019】
システムは、遠位アンカーコンポーネント、縫合部分、及び近位アンカーコンポーネントで形成されたインプラントを送り出す。システムは、近位アンカーコンポーネントを縫合部分上に押すよう構成されたプッシャブロック及び縫合部分を切断するよう構成されたカッタブロックを含む。
【0020】
本発明の実施例の他の特徴及び他の利点は、添付の図面と関連して行われる以下の説明から明らかになり、図面は、例示として、本発明のある特定の原理を記載している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】良性前立腺過形成を治療するための、ハンドル及びカートリッジを含むシステムの一実施例の斜視図である。
【
図2A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドルの斜視図であり、カートリッジを取り出した後の状態を示す図である。
【
図2B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドルから取り出されたカートリッジの斜視図である。
【
図4A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの等角図である。
【
図4B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジ内に収容された針組立体の等角図である。
【
図5A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの遠位先端部コンポーネントの一部分の側面図である。
【
図5B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの遠位先端部コンポーネントの断面等角図である。
【
図6A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドル及びカートリッジの遠位端部の一部分の側面図である。
【
図6B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドル及びカートリッジの遠位端部の一部分の底面図である。
【
図7A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの別の実施例のカートリッジの遠位部分の断面斜視図である。
【
図7B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの別の実施例のカートリッジの遠位部分の断面斜視図である。
【
図7C】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの別の実施例のカートリッジの遠位部分の断面斜視図である。
【
図8】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの遠位部分の切除等角図である。
【
図9】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドルの分解組立等角図である。
【
図10】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例の分解組立等角図である。
【
図11A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドルの一実施例内に設けられたカムホイールの左側面図である。
【
図11B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドルの一実施例内に設けられたカムホイールの右側面図である。
【
図12A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドル及びカートリッジの一実施例内に設けられたカムホイール及びある特定の他の機械的特徴部の左側面図である。
【
図12B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドル及びカートリッジの一実施例内に設けられたカムホイール及びある特定の他の機械的特徴部の左側面図である。
【
図13A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
【
図13B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
【
図14】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
【
図15A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の分解組立平面図である。
【
図15B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の分解組立斜視図である。
【
図16A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドルの一部分の斜視図であり、カートリッジを取り外した後の状態を示す図である。
【
図16B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドルの一部分の側面図であり、カートリッジを取り外した後の状態を示す図である。
【
図17】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの一部分の側面図である。
【
図18A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の斜視図である。
【
図18B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
【
図19A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの一部分の側面図である。
【
図19B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの一部分の側面図である。
【
図19C】良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジカバーの斜視図である。
【
図20A】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の分解組立斜視図である。
【
図20B】良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一般に、本発明のシステムの諸実施例は、機械エネルギーを疾患又は障害の治療目的で患者としてのヒト又は動物の体内の組織及び解剖学的構造又は他の構造を処置するために機械エネルギーをハンドルからカートリッジに伝達する機械的設計及び構成に関する。ハンドルとカートリッジは、インプラント又はアンカー組立体を組織内に送り出すよう協働する。カートリッジは、アンカー組立体のコンポーネントを担持するよう構成されている。多数のカートリッジを単一のハンドルに使用することができ、その結果、個々の患者に対する手技中、この単一のハンドルを用いて多数のアンカー組立体を組織内に配備することができるようになっている。
【0023】
今、本発明の限定ではなく例示として提供されている図を参照すると、
図1は、良性前立腺過形成を治療するためのシステム1の一実施例の斜視図であり、システム1は、ハンドル100及びカートリッジ200を含んでいる。ハンドル100は、カートリッジ200内に収納されているアンカー組立体を配備するようカートリッジ200に伝達される機械エネルギー源を有する。ハンドル100は、第1のカートリッジが用いられている間かつ/あるいは第2のカートリッジの挿入に先立って、エネルギーをこれら機械エネルギー源に加えて回復させることができるよう構成されている。ハンドル100は、新たなハンドルが要求されるまでエネルギーを多数のカートリッジに順序良く高信頼度で送り出すよう設計されている。ハンドル100を多数回用いることにより、ハンドル100の機械的特徴部に特有の制約が加えられてハンドルからカートリッジへの高信頼度の再現可能な伝達が容易になる。
【0024】
図2Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドル100の斜視図であり、
図2Bは、そのカートリッジ200の斜視図である。
図2A及び
図2Bは、互いに離脱したハンドル100とカートリッジ200を示している。ハンドル100は、カートリッジ200を確実に挿入することができるカートリッジベイ101を有する。カートリッジ200は、カートリッジ200をハンドル100のカートリッジベイ101内に確実にはめ込むよう位置決め可能なカートリッジ本体201を有する。ハンドル100は、スコープ管102を有し、スコープ管102は、スコープ管102のルーメン内に内視鏡器械を受け入れるよう設計されている。スコープ管102は、システムがアンカー組立体を組織に対して配備するために用いられているときに治療部位の可視化を容易にする。カートリッジ200は、シャフト組立体202を有し、シャフト組立体202は、他の組立体(例えば、本明細書においてさらに詳細に説明する針組立体210、縫合具組立体220、及びカッタ組立体230)の諸部品を含む。スコープ管102は、とシャフト組立体202は、ハンドル100とカートリッジ200を互いに係合させたときに互いに結合するよう構成されている。かくして、ハンドル100とカートリッジ200は、カートリッジベイ101とカートリッジ本体201の相互作用及びスコープ管102とシャフト組立体202の相互作用により互いにしっかりと係合する。カートリッジノブ203をロック解除位置からロック位置に回すと、カートリッジ200とハンドル100の結合を確実にすることができる。
【0025】
図2Bは、シャフト遠位部分204から延びる針遠位部分212を示している。針組立体210は、針組立体全体がシャフト組立体202及びカートリッジ本体201内に位置する完全引っ込み位置と、針遠位部分212がシャフト遠位部分204から延びる完全伸長位置との間で動くよう構成されている。針遠位部分212は、組織に送り出されるアンカー組立体の諸コンポーネントを収容する。
【0026】
図3は、アンカー組立体の一実施例の斜視図である。非拘束形態では、遠位アンカーコンポーネント70は、テール部分74に対して全体として垂直に差し向けられたヘッド部分72を有する。遠位アンカーコンポーネント70は、針遠位部分212内に収容されている間かつ標的野への配備前に、全体として真っ直ぐな形態に拘束され、その後、針組立体210からの配備時に非拘束(すなわち、垂直差し向け)形態を取るに過ぎない。
【0027】
ある特定の実施例では、遠位アンカーコンポーネント70は、全体として管状でありかつテール部分74に対するヘッド部分72の直角差し向け形態を含むよう形状設定できる素材としてのニチノール基材から形成される。縫合具78が遠位アンカーコンポーネント70に取り付けられる。一実施例では、ポリエチレンテレフタレート(PET)縫合部分78が遠位アンカーコンポーネント70内のロック特徴部上に熱成型される。遠位アンカーコンポーネント70は、縫合具を遠位アンカーコンポーネント70の端部上にかつ遠位アンカーコンポーネント70に設けられた切り欠き中にリフロー接合するよう局所的に加熱されるのが良い。遠位アンカーコンポーネント70は、PET材料をニチノール材料に結合するための幾つかの公知の技術のうちの任意のものにより縫合部分78に取り付けられても良い。
【0028】
一実施例では、遠位アンカーコンポーネント70の中間区分80がヘッド部分72からテール部分74への構造的移行となり、この中間区分は、中間区分80の付近が取り除かれた側壁の一部分を成す。側壁の別の部分は、テール部分74のコネクタ区分82を構成するよう取り除かれ、このコネクタ区分は、中間区分80から延びている。一実施例では、このコネクタ区分82は、垂直差し向け形態を生じさせる曲げ部を有する。かくして、アンカー組立体は、その植え込み前の形態では、遠位アンカーコンポーネント70を含むのが良く、この遠位アンカーコンポーネントと縫合部分78との初期係合状態は、全体として同軸状である。
【0029】
依然として
図3を参照すると、一実施例では、近位アンカーコンポーネント84は、縫合部分78を把持する枝部96を有する。枝部96の内側構造は、縫合部分78の表面を擦過させるよう機能し、これら枝部96は、縫合部分78を圧入状態で受け入れるとともに縫合部分78を枝部96相互間で圧縮する。タブ98が近位アンカーコンポーネント84と縫合部分78との確実な係合を生じさせるのに役立つよう枝部96のうちの1つ以上から延びるのが良い。
【0030】
ある特定の実施例では、近位アンカーコンポーネント84は、互いに係合した状態で針組立体210内に収納された遠位アンカーコンポーネント70及び縫合部分78とは別体でありかつこれらから切り離された形態を成してシャフト組立体202内に存在する。遠位アンカーコンポーネント70及び縫合部分78が組織内に配置された後、近位アンカーコンポーネント84を縫合部分78としっかりと係合させて完全に組み立てられたアンカー組立体を形成する。近位アンカーコンポーネント84と縫合部分78の係合を容易にするため、近位アンカーコンポーネント84は、剛性の全体として円筒形の後端部95を有する。この剛性の全体として円筒形の後端部95を用いると、近位アンカーコンポーネント84を押して、ハンドル100の機械エネルギーの伝達によりこれを縫合具78に係合させることができる。
【0031】
図4Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジ200の等角図であり、
図4Bは、かかるカートリッジ200内に収納された針組立体210の等角図である。針組立体210は、針遠位部分212、針シャフト214、及び針近位部分216を有する。一実施例では、針遠位部分212は、ニチノールで作られ、そして非拘束状態では湾曲した形態に形状設定される。針組立体210は、カートリッジ200のシャフト組立体202の長軸(「長手方向軸線」ともいう)に沿って摺動するよう構成されている。針組立体210は、当初において、針組立体全体がシャフト組立体202及びカートリッジ本体201内に位置する完全引っ込み位置にある。針組立体210をその初期位置からシャフト組立体202の長手方向軸線に沿って遠位側に摺動させると、針遠位部分212は、シャフト遠位部分204から延び、最終的に、完全伸長位置に達する。針組立体210を近位側に摺動させることができ、それにより、針遠位部分212を引っ込めてこれをシャフト組立体202内の位置に戻すことができる。針遠位部分212の近位側長さの大部分は、針遠位部分212がシャフト組立体202内に位置しているときに実質的に真っ直ぐな形態を取ることができる。保明細書においてさらに詳細に説明するように、針近位部分216は、ハンドル内の各種機構体と相互作用してエネルギーをハンドルから針組立体210に伝達し、それにより針遠位部分212を配備するとともに引っ込める。
【0032】
ある特定の実施例では、針組立体210がシャフト組立体202に対して摺動するときに針組立体210とシャフト組立体202との間に働く相当大きな摩擦が存在する場合がある。幾つかの場合、針組立体210とシャフト組立体202との間に働く摩擦は、針遠位部分212がシャフト遠位部分204を通って動きにくくする場合がある。場合によっては、かかる摩擦は、針遠位部分212がシャフト遠位部分204を出るときに針遠位部分212の速度を遅くする場合があり、それにより患者の効果的な治療を損ねる場合がある。すなわち、良性前立腺過形成を治療する場合、針遠位部分212は、針遠位部分212の遠位先端部が前立腺を包囲している強靭な組織である被膜を穿通することができるのに十分な速度で組織中に入り込む必要がある。
【0033】
針組立体210がシャフト組立体202に対して摺動しているときに針組立体210とシャフト組立体202との間に働く摩擦に関して種々の源が存在する。例えば、シャフト組立体202の内面及び/又は針組立体210の外面に沿う不連続部又は欠陥部は、針組立体210とシャフト組立体202との間に働く摩擦を増大させる場合がある。1つの重要な摩擦源は、針遠位部分212がその近位長さの大部分に沿って実質的に真っ直ぐであるようにするために針遠位部分212に働く拘束力である。すなわち、針遠位部分212の形状設定形態は、針遠位部分212が非拘束状態にあるときに取る所定の曲率半径を含む。この所定の曲率半径は、針遠位部分212がシャフト遠位部分204から見て針遠位部分212の遠位出口箇所に対して特定の角度(又は角度範囲)でかつ特定の位置(又は位置範囲)で組織を穿通するよう設計されている。本明細書において説明するシステムの実施例によって実施される良性前立腺過形成治療方法は、シャフト組立体202の長手方向軸線に対する組織を通る針の全体として横方向の経路に依存する。
【0034】
所定の曲率半径により、針遠位部分212は、かかる全体として横方向の経路に沿って組織を穿通することができる。しかしながら、本明細書において説明するように、針遠位部分212の近位側長さの大部分は、針遠位部分212がシャフト遠位部分204内に位置しているとき、実質的に真っ直ぐであるように拘束される。針遠位部分212は、比較的可撓性であるが、針遠位部分212を拘束することにより、シャフト組立体202の内面及びシャフト遠位部分204の内面に沿って多数の接触個所が生じる。
【0035】
図5Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの遠位先端部コンポーネントの一部分の側面図であり、
図5Bは、遠位先端部コンポーネントの等角断面図である。シャフト遠位部分204は、シャフト遠位部分出口ポート205を有し、針遠位部分(図示せず)は、針遠位部分をシャフト遠位部分204から伸長させたときにこの出口ポートから現れる。シャフト遠位部分出口ポート205は、シャフト遠位部分ルーメン207の遠位終端部である。シャフト遠位部分ルーメン207は、ルーメンがシャフト組立体の長手方向軸線に沿って延びている状態からシャフト組立体の長手方向軸線に対して横の方向に延びている状態に移行する際にある特定の有効曲率半径を有する。この移行の一観点は、シャフト遠位部分の内部出口壁208であり、この内部出口壁は、本質的に、シャフト遠位部分ルーメン207の最も遠位側の部分である。かくして、針組立体がシャフト組立体内に存在しているとき、シャフト遠位部分ルーメン207及びシャフト遠位部分内部出口壁208の有効曲率半径は、針組立体がシャフト組立体に対する摺動時に受ける摩擦の大きさに大きな影響を及ぼす場合がある。
【0036】
図6Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のハンドル及びカートリッジの遠位端部の一部分の側面図、
図6Bは、その底面図である。
図6A及び
図6Bは、針組立体をシャフト組立体202及びシャフト遠位部分204内の引っ込み位置で示している。すなわち、針組立体は、その形状設定形態と比較して実質的に真っ直ぐであるように拘束されており、この形状設定形態は、針の遠位先端部を針組立体の長手方向軸線に対して横の方向に位置決めする曲率半径を有する。しかしながら、シャフト遠位部分切り欠き206は、シャフト遠位部分204の内部と外部との間の開口部となり、針遠位部分212の一部分は、シャフト遠位部分切り欠き206を通って突き出ている。シャフト遠位部分切り欠き206により、針遠位部分212の少なくとも一部は、シャフト遠位部分204の底面の一部を通って撓むことができ、それにより、針遠位部分212は、シャフト遠位部分切り欠き206が設けられていない場合に可能な曲率半径よりも小さな曲率半径を取ることができる。すなわち、シャフト遠位部分切り欠き206により、針遠位部分212に加わる拘束力を小さくすることができる。針遠位部分212は、シャフト遠位部分204の内部の硬い表面に接触せず、このことにより、シャフト遠位部分204に対して動きながら針遠位部分212が接触する表面の数が少なくなる。表面接触部が少ないということは、運動中における全体的摩擦が小さいことを意味する場合がある。さらに、シャフト遠位部分切り欠き206は、形状設定曲率半径の一部を受け入れることにより、針遠位部分212の好ましい出口軌道の維持を助けることができる。幾つかの実施例では、切り欠きは、シャフト組立体202の他の部分に沿って存在するのが良い。これら切り欠きもまた、シャフト組立体202に対して動きながら針組立体が接触する表面の数を減少させることができる。
【0037】
図7A、
図7B、及び
図7Cは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの種々の実施例のカートリッジの遠位部分の断面斜視図である。これらの実施例は、シャフト遠位部分内部出口壁208の種々の構成を示している。これら実施例は、針組立体が接触個所及び/又はシャフト組立体に対して摺動しているときに針組立体の受ける摩擦を減少させることを意図している。
図7Aでは、シャフト遠位部分内部出口壁208は、針の所望の出口軌道に対して接線を成す曲率半径を備えている。
図7Bでは、シャフト遠位部分内部出口壁208は、真っ直ぐな区分を備え、この真っ直ぐな区分全体は、針の所望の出口軌道に対して接線を成した状態に角度付けられている。
図7Cでは、シャフト遠位部分内部出口壁208は、部分出口壁及び上面に設けられたシャフト遠位部分上側切り欠き2009を備えている。シャフト遠位部分上側切り欠き209は、シャフト遠位部分ルーメンと針組立体との接触個所の数を減少させるようになっている。さらに、シャフト遠位部分内部出口壁208は、表面不連続部、例えばバリ、まくれ、又は鋭利なエッジの存在を最小限に抑えるよう形成されている。
【0038】
図8は、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの遠位部分の切除斜視図である。
図8は、シャフト遠位部分ルーメン207がシャフト遠位部分出口ポート205に向かって湾曲しているときのシャフト遠位部分ルーメン207の形態の一実施例を示している。この形態では、シャフト遠位部分ルーメン207の湾曲区分は、シャフト遠位部分ルーメン207の断面積が湾曲区分の遠位端部のところよりも湾曲区分の近位端部のところが大きいようにテーパした断面寸法を有する。一実施例では、シャフト遠位部分出口ポート205の断面積及び断面形状は、針近位部分の外径よりも段階的に大きくなっている。一実施例では、シャフト遠位部分ルーメン207の湾曲区分の曲率は、針近位部分の所望の出口軌道に合致している。
【0039】
図9は、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドルの一実施例の分解組立等角図である。ハンドル100は、右ハンドルケース103、左ハンドルケース104、及び左ハンドルケース104に形成されたカートリッジベイ101を有する。ハンドル100は、ハンドル100内に設けられた数個のばね(図示せず)に蓄えられたエネルギーをカートリッジに伝達して患者の治療を可能にするよう設計されている。このエネルギーは、ハンドル100内に設けられた種々の機構体の相互作用により伝達される。取り外し可能なスコープシール105がスコープ管102に結合した状態でカートリッジベイ101を覆っている。
【0040】
ハンドル100内の機構体は、ハンドルトリガ組立体110を含み、ハンドルトリガ組立体110は、ハンドルトリガばね(図示せず)に作動的に連結されており、その結果、ハンドルトリガ組立体110がユーザによって引かれて解除された後にハンドルトリガ組立体110をその初期位置に戻すのに十分な力をもたらすようになっている。ラチェットばね(図示せず)に連結されたラチェット114がハンドルトリガ組立体110の動きに影響を及ぼし、その結果、ハンドルトリガ組立体110がユーザによって所定の位置に動かされる(例えば、引かれる)前にその初期位置に戻ることがないようになっている。安全装置112がハンドルトリガ組立体110に連結されており、それによりハンドルトリガ組立体110が偶発的に作動されることがないようにしている。ハンドルトリガ組立体110は、カムホイール120に連結されている駆動歯車113に連結されている。
【0041】
カムホイール120は、中心軸線回りに回転し、そしてカムホイールに設けられた構造部及び特徴部を介して、カムホイール120の回転時にハンドル100内におけるある特定の動きをトリガする。カムホイール120に作動的に連結された多数のそり部が存在し、これらそり部は、ハンドル100の横方向軸線に沿って直線方向に動く。力を多数のそり部に及ぼす多数のばねが設けられ、それによりインプラントを送り出すのに十分な機械エネルギーが提供される。カートリッジが多数のタブ組立体を有し、これらタブ組立体は、そり部に設けられたスロットを介してそり部と嵌合し、その結果、ハンドル内の機構体(例えば、ばね)の作動によって及ぼされたエネルギーがカートリッジ内の機構体に伝達されるようになっている。
【0042】
ホイールアクチュエータ125がカムホイール120及びインプラントそり部160に作動的に連結されており、インプラントそり部160は、インプラントの送り出しと関連したエネルギーをもたらすインプラントばねに連結されている。針そり部140がカムホイール120及び心棒145に作動的に連結されており、針そり部ばねは、インプラントの送り出しに関連したエネルギーをもたらす。縫合具そり部150がカムホイール120に作動的に連結され、縫合具そり部ばねがインプラントの送り出しに関連したエネルギーをもたらす。
【0043】
ハンドル100は、ハンドルを組み立てるための種々の他の部品、例えばカバープレート130、スコープロック170、シースロック180、及び種々のねじ及び/又は締結具を有する。カバープレート130は、カートリッジベイ101のための内部ベースとなる。スコープ管102、スコープロック170、スコープシール105、及びシースロック180は、手技の実施を容易にするために内視鏡及び他の補助機器(例えば、外科用シース)を取り付けるための機能を発揮する。
【0044】
図10は、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例の分解組立等角図である。この実施例では、カートリッジ200は、カートリッジベース298に結合されたカートリッジカバー299を有する。これら2つの部品は、カートリッジ本体を形成するようシャフト支持体297と結合している。カートリッジノブ203がカートリッジカバー299に結合している。
【0045】
シャフト支持体297がシャフト組立体202に取り付けられ、シャフト組立体20
2は、シャフト遠位部分204を含む。無傷性テープ296がシャフト遠位部分204の表面上に存在し、この無傷性テープは、組織がシャフト遠位部分204に設けられた種々の開口部及び接合部(例えば、
図5A及び
図5Bに記載された開口部及び接合部)と相互作用することにより結果として生じる場合のある組織外傷を減少させるのに役立つ。近位アンカーコンポーネント84は、遠位アンカーコンポーネント70及び縫合部分とは別であってかつこれから切り離された形態(
図3を参照して本明細書において説明したように)をなしてシャフト遠位部分204内に収納されている。
【0046】
近位アンカーコンポーネント84をインプラント配備プロセスの一部として遠位アンカーコンポーネント70及び縫合部分78に連結する場合、この連結は、プッシャ組立体の作用により行われ、プッシャ組立体は、プッシャブロック244に連結されたプッシャ242を含む。インプラント配備プロセス中に縫合具222を切断して縫合部分78を生じさせるカッタ組立体がカッタ232及びカッタブロック234を含む。カッタ組立体とプッシャ組立体の運動は、本明細書においてさらに詳細に説明するように、カッタ爪236、インプラントアクチュエータ246、及びインプラントばね248の相互作用により互いに共調して行われる。
【0047】
縫合具組立体が縫合具222、縫合具支持管224、縫合具安全装置226、及び縫合具近位部分228を含む。遠位アンカーコンポーネント70は、
図3を参照して本明細書において説明したように縫合具222の遠位端部分に取り付けられる。縫合具組立体の遠位部分及び遠位アンカーコンポーネント70は、針組立体遠位部分212内に収納され、この針組立体遠位部分は、針組立体遠位部分212がインプラント配備プロセス中、組織中に動かされるまでシャフト組立体内に収納される。針組立体近位部分216と縫合具組立体近位部分228の運動は、本明細書において詳細に説明するように、これらの特徴とハンドル100内に設けられた機構体との相互作用により共調して行われる。
【0048】
再びインプラント配備プロセスに注目するとともに
図3、
図4A、
図4B、及び
図10を参照すると、アンカー組立体(又はインプラント)は、一連のステップにより配備される。針遠位部分212は、シャフト遠位部分204から完全伸長位置に伸長し、その結果、針遠位部分212の少なくとも一部が患者の組織表面、例えば前立腺の外側被膜を穿通するようになっている。遠位アンカーコンポーネント70及び縫合具222の遠位部分は、針遠位部分212内に収納された状態で針遠位部分212とともに動いて組織を穿通する。
【0049】
次に、遠位アンカーコンポーネント70及び縫合具222の遠位部分が定位置に保持されている間、針組立体210は、近位側に動き、その結果、針遠位部分212が部分的に引っ込められた位置まで動くようになっている。すなわち、針遠位部分212は、その完全伸長位置に対して近位側に動くが、シャフト組立体202内にはまだ完全には引っ込められていない。縫合具支持管224は、針組立体210が近位側に動いている間、遠位アンカーコンポーネント70及び縫合具222の遠位部分の位置の維持に役立つ。かくして、遠位アンカーコンポーネント70及び縫合具222の遠位部分は、組織表面の近くに位置したままであり、もはや針遠位部分212内には存在しない。
【0050】
次のステップでは、針組立体210は、シャフト組立体202内に引っ込められるようさらに近位側に動き、その間、縫合具組立体もまた、近位側に動いている。遠位アンカーコンポーネント70のテール部分74を引いて組織表面にぴったりと当て、それにより遠位アンカーコンポーネント70は、中間区分80回りに回動し、その結果、遠位アンカーコンポーネント70は、いまや、縫合具222の遠位部分に対して横方向に位置するようになる。
【0051】
次のステップでは、プッシャ組立体は、遠位側に動いて近位アンカーコンポーネントを縫合具222の遠位部分上に押し、そしてこの運動により、縫合部分78が患者の体内に植え込まれた最終的なアンカー組立体の一コンポーネントになる。次に、カッタ組立体が近位側に動いて切れ刃を縫合具中に引き入れる。この時点で、アンカー組立体は、カートリッジハンドルシステム(ハンドルカートリッジシステムともいう)から今や完全に外される。
【0052】
ハンドルカートリッジシステムにより、アンカー組立体をユーザがハンドルトリガ組立体を多数回にわたって引くことにより配備する多数のステップが実施可能である。すなわち、ハンドル及びカートリッジ内の機構体全ての相対的動き及びこれら相対的動きのタイミングは、ハンドルトリガ組立体を多数回にわたって引くことにより起こる。次に
図9を参照すると、ハンドルトリガ組立体110は、駆動歯車113及びラチェット114を介してカムホイール120と相互作用する。カムホイール120は、ハンドルトリガ組立体110がハンドルカートリッジシステム内の種々の機構体の動き及びタイミングを駆動するやり方の主要な機構体である。
【0053】
図11A及び
図11Bは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドルの一実施形態内に設けられたカムホールの側面図である。カムホイール120は、右ハンドルケース中に成形された心棒に取り付けられている。
図11Aに示されたカムホイール120の左側は、隆起特徴部121a,121b,121cを有する。隆起特徴部121a,121b,121cは、カートリッジ内の種々の組立体(例えば、針組立体、縫合具組立体、プッシャ組立体、及びカッタ組立体)の動きを容易にするようハンドル内の他の機構体(例えば、種々のそり部)と相互作用する。
図11Bに示されたカムホイールの120の右側は、カムホイール歯車歯123を有し、このカムホイール歯車歯は、ハンドルトリガ組立体110を引くことによって全体として直線的な動きをカムホイール120の円形の動きに変換するよう駆動歯車113(
図9に示されている)と相互作用する。
【0054】
図12Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのハンドル及びカートリッジの一実施例内に設けられたカムホイール及びある特定の他の機械的特徴部の左側面図である。
図12Bは、
図12Aと同一の図であり、カムホイール及び他の機械的特徴部は、
図12Aに示された形態とは別の形態を成している。この実施例では、カムホイール120の隆起特徴部121cは、ホイールアクチュエータ125と相互作用してプッシャブロック244を解除し、次にホイールアクチュエータ125をリセットすることができるよう設計されている。ユーザがハンドルトリガ組立体を引いた結果としてカムホイール120が回ると、隆起特徴部121cは、ホイールアクチュエータヘッド部分126を押し、それによりホイールアクチュエータ125がホイールアクチュエータ軸線129回りに回動する。ホイールアクチュエータ125が回動しているとき、ホイールアクチュエータテール部分127は、インプラントアクチュエータ246と相互作用し、それによりインプラントアクチュエータ246が回動する。インプラントアクチュエータ246が回動すると、プッシャブロック244が保持位置から解除され、それにより遠位側に動いて近位アンカーコンポーネントを本明細書におけるどこか別のところで説明したように縫合具上に押す。カムホイール120をさらに回すと、隆起特徴部121cは全体として、ホイールアクチュエータヘッド部分126を通り過ぎ、その結果、ホイールアクチュエータ125は、回動してその元の位置に戻ることができるようになっている。ホイールアクチュエータ125をその元の位置に戻すのに必要な力は、ホイールアクチュエータ撓み部128によってもたらされ、ホイールアクチュエータ撓み部128は、ホイールアクチュエータ125の回動中、撓んでハンドルケースに当たる。ホイールアクチュエータ撓み部128を撓ませることにより、ばねエネルギーが蓄えられ、このばねエネルギーは、ホイールアクチュエータヘッド部分126が隆起特徴部121cを通過したときにホイールアクチュエータ125を動かしてこれをその元の位置に戻すよう放出される。かくして、ホイールアクチュエータ125は、ハンドルと機械的に係合する次のカートリッジのインプラントアクチュエータ246と相互作用することができるようリセットされる。
【0055】
インプラントアクチュエータ246及びプッシャブロック244(並びに近位アンカーコンポーネント及び縫合具)は、カムホイール120及びホイールアクチュエータ125がハンドル内に位置している間、カートリッジ内に位置する。
図12A及び
図12Bは、カートリッジとハンドルが本明細書において別の場所で説明したように機械的に係合したときのこれら特徴部の動作を記載している。図面を分かりやすくするために、他の特徴部は、
図12A及び
図12Bには示されていないが、これら特徴部のある特定のものは、
図13A及び
図13Bに示されている。
【0056】
図13Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施形態内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
図13Bは、
図13Aと同一の図であり、機械的特徴部は、
図13Aに示された形態とは異なる形態を成している。プッシャブロック244は、インプラントばね248によってカッタブロック234に結合されている。プッシャブロック244とカッタブロック234の両方は、カートリッジ本体を構成するカートリッジベース298及びシャフト支持体297(各々が
図10に示されている)によってカートリッジの長手方向軸線に沿って直線状に動くよう拘束されている。インプラントばね248は、プッシャブロック244とカッタブロック234との間に引き延ばし状態で設けられていてプッシャブロック244とカッタブロック234を互いに引き寄せようとする力を及ぼす引っ張りばねである。インプラントアクチュエータ246は、インプラントアクチュエータ246が
図13A(及び
図12A)に示された形態を成しているときにプッシャブロック244がインプラントばね248の力を受けて動くのを阻止する。カッタ爪遠位端部237は、カッタ爪236が
図13Aに示された形態を成しているときにカッタブロック234がインプラントばね248の力を受けて動くのを阻止する。インプラントアクチュエータ246が
図12A及び
図12Bを参照して本明細書において説明したように回動するよう構成されている場合、プッシャブロック244は、本明細書において別の場所で説明したように近位アンカーコンポーネントを縫合具上に押すよう遠位側に動く(すなわち、プッシャ組立体は、矢印“P”の方向に動く)。インプラントばね248の力によってもたらされるこの動きの間、プッシャブロック244は、カッタ爪近位端部238と相互作用し、それによりカッタ爪236は、
図13Bに示されているように回動する。プッシャブロック244の傾斜前面とカッタ爪近位端部238の湾曲面は、相互作用してこの回動運動を生じさせる。カッタ爪236が回動すると、カッタ爪遠位端部237は、カッタブロック234から離脱し、それによりカッタブロック234は、インプラントばね248の力を受けて近位側に動くことができる。カッタブロック234の近位側への動きにより、縫合具を切断してアンカー組立体の縫合部分を形成することができる。すなわち、カッタ組立体は、矢印“C”の方向に動いてアンカー組立体を完成させると共にこれをカートリッジハンドルシステムから外す。
【0057】
本明細書の別の場所で説明したように、幾つかの実施例では、多数のカートリッジを単一のハンドルで、連続方式で用いることができる。
図12A、
図12B、
図13A、及び
図13Bに示されると共にこれらを参照して説明したステップ及び機構体は、アンカー組立体を形成する、押して切断するステップを一連のカートリッジと単一のハンドルの多数回にわたる係合のためにどのように繰り返し実施できるかを開示している。1つの注目すべき特徴は、インプラントばねがその初期状態としての伸長状態にあるということである。この場合、カートリッジがカートリッジの取り扱い中にインプラントばねのエネルギーの偶発的な放出を阻止する特徴部を有することが重要である。
【0058】
図14は、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施形態内に設けられたある特定の機械的特徴部の側面図である。
図14は、
図13Aに示された(
図13Aの形態を成した)機構体を示し、これら特徴部相互間の動作的関係を示すためにカートリッジノブ203が追加されている。
図14は、カートリッジノブ203を保管位置で示している。保管位置では、グリップ区分292は、
図1に示された係合位置と比較してカートリッジの長手方向軸線に対して横方向であり、この場合、グリップ区分292は、カートリッジの長手方向軸線と整列している。カートリッジノブ203は、保管位置にあるとき、プッシャブロック244による運動を阻止するセーフティーインターロックとして機能する。
図14に示された保管位置では、カートリッジノブ203に設けられたプッシャセーフティータブ293がインプラントアクチュエータ246の遠位端部と係合し、このプッシャセーフティータブは、インプラントアクチュエータ246が回動してプッシャブロック244を解除するのを阻止する(
図12A及び
図12Bに示されていてかつこれらの図を参照して説明したように)。プッシャセーフティータブ293により、カートリッジをインプラントばねがその伸長形態にある間、安全に取り扱って保管することができる。
【0059】
図15Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施形態内に設けられたある特定の機械的特徴部の分解組立平面図であり、
図15Bは、同一の特徴部の分解組立斜視図である。
図15A及び
図15Bは、カッタセーフティータブ286がカッタ爪236上に存在する別のセーフティーインターロックを示している。カッタセーフティータブ286は、カートリッジノブ203が保管位置にあるときにカートリッジノブ203と係合し、このカッタセーフティータブは、カッタ爪236が回動してカッタブロックを解除するのを阻止する(
図13A及び
図13Bに示されると共にこれらの図を参照して説明したように)。カッタセーフティータブ286により、カートリッジをインプラントばねがその伸長形態にある間、安全に取り扱って保管することができる。
図15A及び
図15Bは、関連の特徴部を明確にするために分解組立図で示されている。しかしながら、作用に当たり、カッタ爪236をカートリッジノブ203と厳密に係合させて本明細書において説明する機械的相互作用を生じさせる。
【0060】
プッシャセーフティータブ293及びカッタセーフティータブ286は、セーフティーインターロックをカートリッジノブ203の保管位置と相関させることによってカートリッジ内のプッシャ組立体及び/又はカッタ組立体の偶発的な発火(起動)の問題を解決する。
【0061】
図16A、
図16B、
図17、
図18A、及び
図18Bは、ハンドルカートリッジシステム内の別のセーフティーインターロック機構体の実施例を示している。
図16Aは、ハンドル100の一部分の斜視図であり、
図16Bは、ハンドル100の側面図である。ハンドル100は、カートリッジベイ101を有し、このカートリッジベイ101は、カートリッジが取り出されているので空の状態で示されている。この実施例では、ハンドルトリガ組立体110は、ハンドルトリガ組立体110が回動してハンドルグリップ115から遠ざかると、カートリッジベイ101中に突き出るカートリッジロックタブ111を含む。カートリッジロックタブ111がカートリッジベイ101内に設けられていることにより、カートリッジは、カートリッジロックタブ111がカートリッジベイ101内に位置した状態でカートリッジがカートリッジベイ101内に物理的に嵌まり込むことができないので、ハンドル100と係合するのが阻止される。この機構体は、カートリッジが適正な状態下であることを除き、ハンドル中に挿入されるのを阻止し、この適正な状態は、ハンドルトリガ組立体110がハンドルグリップ115の最も近くに位置するその初期位置にあるときである。この初期位置は、ハンドル内に設けられていてすべてがこれらの初期位置にリセットされている機構体に対応している。
【0062】
図17は、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジの一部分の側面図である。
図17では、カートリッジカバーは、取り外されており、それによりカートリッジベース298が露出されている。カートリッジノブ203もまた示されている。カートリッジロック表面291がシャフト支持体297に設けられ、このカートリッジロック表面は、カートリッジの一部分のこの側面図では、カートリッジベース298の下に延びている。
【0063】
図18A及び
図18Bは、それぞれ、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施形態内に設けられたある特定の機械的特徴部の斜視図及び側面図である。
図18A及び
図18Bは、ハンドルトリガ組立体110に設けられたカートリッジロックタブ111とシャフト支持体297に設けられたカートリッジロック表面291との相互作用の状態を示している。ハンドルトリガ組立体110が回動してハンドルグリップから遠ざかった位置にあるとき、カートリッジロックタブ111は、カートリッジがカートリッジの取り出しを物理的に妨げることによってカートリッジベイから取り外されるのを阻止する。カートリッジロック表面291がこの実施例では、シャフト支持体297に設けられているが、同様なロック表面がカートリッジの他の部品、例えばカートリッジベース298に設けられても良く、この類似のロック表面は、実質的に同じ仕方で機能することができる。
【0064】
ハンドルトリガ組立体110に設けられたカートリッジロックタブ111は、ハンドルがリセットされた初期状態になるまでカートリッジの挿入を阻止する方法を提供しており、このカートリッジロックタブは、ハンドルカートリッジシステムが使用中の場合、カートリッジの取り出し(カートリッジロック表面291との相互作用により)阻止する。カートリッジの取り出し及び/又は挿入を阻止するための代替的な実施例が存在する。例えば、カートリッジは、ロック受け入れ特徴部を有しても良く、ハンドルは、一連のロック特徴部と共に追加のホイールを収容することができる。ハンドルトリガを引くと、追加のホイールが回り、その結果、ロック特徴部がロック受け具に係合するようになっている。植え込みのためのサイクル全体において、トリガを多数回にわたって引くことが必要である場合、追加のホイールは、カートリッジをサイクル全体の間、ロック状態に保つのに十分なロック特徴部を有する。サイクルの終わりに、ロック特徴部を備えていない追加のホイールの一部分は、ロック受け具と整列する。このように、カートリッジは、ロック解除されてハンドルから取り出し可能である。別の実施例として、ユーザがロックスライダを動かしてカートリッジをハンドル内にロックしても良い。トリガを引くと、サイクルを完了させるまでスライダが動くのを阻止するようスライダを機械的に係合させる。
【0065】
図19A及び
図19Bは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施形態例のカートリッジの一部分の側面図である。カートリッジノブ203がカートリッジカバー299と係合しており、このカートリッジカバーは、カートリッジインジケータ窓290を有する。
図19Aでは、カッタブロック234は、カートリッジインジケータ窓290越しに見え、カートリッジインジケータ窓290は、カッタブロック234が依然としてその初期位置にあり、かつアンカー組立体の形成の最終ステップにおいて縫合具を切断するよう近位側には移動していないことを示している。
図19Aは、カッタブロック234がカートリッジインジケータ窓290を塞いでいる状態を示している。
図19Bでは、カッタブロック234のほんのわずかな部分がカートリッジインジケータ窓290越しに見える。すなわち、カッタブロック234は、もはやカートリッジインジケータ窓290を塞いではいない。これは、カッタブロック234がアンカー組立体の形成の最終ステップのために近位側に動いて縫合具を切断していることを示している。
【0066】
図19Cは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムの一実施例のカートリッジカバーの斜視図である。
図19Cは、カートリッジインジケータ窓290がカートリッジカバー299の遠位側表面を通って切断されている状態を示している。カートリッジインジケータ窓290は、カッタブロック234への接近をもたらす追加の機能を実行することができ、その結果、ユーザは、小型の工具を用いてカッタブロックを遠位側に動かし、それによりカッタブロック234が停動して縫合具を完全には切断していない場合であっても縫合具を切断することができるようになっている。カートリッジインジケータ窓290にカートリッジカバー299の遠位側の表面を通って開口部を設けることにより、ユーザがカートリッジインジケータ窓290を直接的に見ていない場合であっても、工具を用いてカッタブロック234に容易に接近することができる。
【0067】
図20Aは、良性前立腺過形成を治療するためのシステムのカートリッジの一実施例内に設けられたある特定の機械的特徴部の分解組立斜視図であり、
図20Bは、これら機械的特徴部がこれらの係合形態にある状態を示す側面図である。
図13A及び
図13Bを参照して本明細書において説明したように、通常の動作において、カッタ爪236が回動してカッタブロックから離脱し、それによりカッタブロックは、インプラントばねの力を受けて近位側に動くことができる。カッタブロックの近位側への動きにより、縫合具を切断してアンカー組立体の縫合部分を形成することができる。しかしながら、幾つかの状況では、ユーザが遠位アンカーコンポーネントの配備後であるが、近位アンカーコンポーネントの配備及び縫合具の切断前において、配備順序を中断することが望ましい場合がある。かかる状況では、インプラントを完全に組み立てて配備することなく、ハンドルカートリッジシステムを患者から抜去するのが良い。
【0068】
図20A及び
図20Bに示されているように、カートリッジノブ203に設けられているカッタアクセス窓288を介してユーザに接近可能なカッタ手動タブ284を有する。カッタ手動タブ284は、オフセンター棚状突起として構成されており、その結果、カッタアクセス窓288を介してカッタ手動タブ284を押すと、押す方向に対して垂直なカッタ爪236の回転(又は回動)が生じるようになっている。ユーザは、カッタアクセス窓288を通って挿入された小型ツールを用いてカッタ手動タブ284を押すことができる。カッタアクセス窓288の近くでカートリッジノブ203に設けられた凹みは、工具をカッタアクセス窓288に向かって案内する。本明細書において説明したように、カッタ爪236のこの回動により、カッタ爪がカッタブロックから外され、それによりカッタブロックは、インプラントばねの力を受けて近位側に動いて縫合具を切断することができる。
【0069】
開示した装置を種々の医療目的で採用された種々の治療器具で具体化することができ、医療目的としては、患者としてのヒト又は動物の体内に見受けられる組織、器官、解剖学的構造、グラフト、又は他の物体を引っ込め、持ち上げ、圧迫し、接近させ、支持し、正常な位置に戻し、再位置決めし、焼灼し、又は違ったやり方で改変することが挙げられるが、これらには限定されない。ある特定の実施例では、治療器具は、疾患又は障害、例えばBPHの治療を容易にするよう前立腺の組織を変位させ、圧迫し、引っ込め、又は破壊するようになっている。
【0070】
他の治療器具は、本明細書において開示した実施例の使用から恩恵を受けることができる。治療器具は、組織を処置し、焼灼し、又は違ったやり方で改変する種々のツールを備え、かかる治療器具において、これらツールを機械エネルギーによって動かし、配備し、又は駆動し、治療器具は、本明細書において開示したセーフティーインターロック及び機構体の使用並びに配備インジケータの使用から恩恵を受けることができる。かかるツールとしては、針、切れ刃、真空手段、把持アーム組立体、膨張型切断部材、鈍切開器具、ヌース又は結紮クリップ、一体型又は引っ込み可能なブレードを備えた関節運動ヘッド、螺旋ブレード、高周波エネルギーの送り出しのための電極、切断ワイヤ又はリング、電気焼灼プローブ、又はステープルもしくは縫合具送り出しヘッドが挙げられるが、これらには限定されない。
【0071】
幾つかの実施例では、システムは、少なくとも1つのインプラントを担持したカートリッジ及びカートリッジを受け入れるよう構成されたハンドルを含む。ハンドルは、アクチュエータ及び機械エネルギーが加えられた少なくとも1つのばね機構体を有する。ハンドルは、インプラントを配備するために機械エネルギーをばね機構体からカートリッジに伝達するようカートリッジと嵌合する部材をさらに有する。ハンドルカートリッジシステムは、針組立体に設けられたプッシャタブと整列するスロットを備えた第1の発火そり部を含む。第1の発火そり部のスロットと針組立体のプッシャタブは、カートリッジ内の針を発火するよう第1の発火そり部を介してばね機構体からのエネルギーの伝達を可能にする相補機構体である。ハンドルカートリッジシステムは、縫合具管又はコネクタ管に設けられたプッシャタブと整列するスロットを備えた第2の発火そり部をさらに含むのが良い。第2の発火そり部のスロットと縫合具管のプッシャタブは、縫合具管を針管と同時に前進させるよう第2の発火そり部を介してばね機構体からのエネルギーの伝達を可能にする相補機構体である。
【0072】
本発明の第1の観点では、システムは、ハンドル及びカートリッジを含み、ハンドルは、一連のカートリッジを受け入れて機械エネルギーをカートリッジに加え、それによりインプラントを送り出すよう構成されている。カートリッジは、引張ばねを介して摺動可能なプッシャブロックに連結されている摺動可能なカッタブロックを有し、カッタブロック及びプッシャブロックは、カートリッジ本体内において直線方向に摺動するよう構成されている。カートリッジは、カートリッジの本体内に設けられた回動可能なインプラントアクチュエータをさらに有し、回動可能インプラントアクチュエータは、インプラントアクチュエータが第1の位置にあるときにインプラントアクチュエータがプッシャブロックの摺動を阻止するようプッシャブロックに係合する。ばねは、カッタブロックとプッシャブロックを互いに引き寄せようとする力を及ぼす伸長位置を有する。
【0073】
本発明の第2の観点では、カートリッジは、ノブをさらに有し、ノブは、ロック解除位置からロック位置に動き、ロック位置がカートリッジをハンドルに固定するようになっている。本発明の第3の観点では、カートリッジは、ノブに設けられたプッシャセーフティータブをさらに有し、プッシャセーフティータブは、ノブがロック解除位置にあるときにインプラントアクチュエータに係合してインプラントアクチュエータがかかる係合中に回動することができないようにするよう構成されている。本発明の第4の観点では、ノブに設けられたプッシャセーフティータブは、ノブがロック位置にあるときにインプラントアクチュエータから離脱し、それによりインプラントアクチュエータが回動できるようにするよう構成されている。
【0074】
本発明の第5の観点では、カートリッジは、カートリッジの本体内にかつカッタブロックとプッシャブロックとの間に設けられたカッタ爪をさらに有する。本発明の第5の観点では、カッタ爪は、カッタ爪がプッシャブロックに向かうカッタブロックの摺動を阻止するようカッタブロックとの係合位置及びカッタ爪がカッタブロックをプッシャブロックに向かって摺動させることができるようカッタブロックからの離脱(係合解除)位置を有する。本発明の第6の観点では、プッシャブロックは、摺動してカッタ爪に接触し、それによりカッタ爪が回動してカッタブロックから離脱するようにするよう構成されている。
【0075】
本発明の第7の観点では、カートリッジは、カートリッジの本体のカバーに設けられたインジケータ窓をさらに有する。本発明の第8の観点では、インジケータ窓は、カッタブロックの位置を表示する。本発明の第9の観点では、インジケータ窓は、カッタブロックを摺動させるためのアクセス手段となるよう構成されている。
【0076】
本発明の第10の観点では、カートリッジは、ノブに設けられたアクセス窓を有し、アクセス窓は、プッシャブロックがカッタ爪に接触していない状態でカッタ爪を係合位置から離脱位置に動かすことができるようカッタ爪に対するアクセス手段となる。
【0077】
本発明の第11の観点では、システムは、ハンドル及びカートリッジを含み、ハンドルは、一連のかかるカートリッジを受け入れて機械エネルギーをカートリッジに与えてインプラントを送り出すよう構成されている。カートリッジは、長手方向軸線を備えたシャフト組立体に結合されたカートリッジ本体を有し、シャフト組立体の遠位部分は、この遠位部分を貫通して延びるルーメンを有する。ルーメンは、このルーメンが長手方向軸線に平行な第1の方向に延びているときにルーメンの湾曲度によって定められるルーメン曲率半径を有し、それにより長手方向軸線に対して横の第2の方向に延びる。針組立体がシャフト組立体及びカートリッジ本体内に摺動可能に設けられており、この針組立体は、針遠位部分を含み、針遠位部分は、ルーメンが終端する出口ポートからシャフト組立体を出るよう構成されている。針遠位部分は、針が長手方向軸線に平行な第1の方向に延びているときに、針の湾曲度によって定められた針曲率半径を有し、それにより長手方向軸線に対して横の第2の方向に延び、ルーメン曲率半径と針曲率半径は、異なる。
【0078】
本発明の第12の観点では、シャフト組立体に設けられた切り欠きを有し、この切り欠きは、針遠位部分の少なくとも一部が切り欠きにより撓むことができるようにするよう構成されている。本発明の第13の観点では、カートリッジは、シャフト組立体に設けられた追加の切り欠きをさらに有し、この追加の切り欠きは、針遠位部分の少なくとも一部が追加の切り欠きにより撓むことができるようにするよう構成されている。
【0079】
本発明の第14の観点では、カートリッジは、針遠位部分の所望の出口軌道と接している壁曲率半径を備えた所望の遠位側のルーメン壁を有する。
【0080】
本発明の第15の観点では、ハンドル及びカートリッジを含み、ハンドルは、一連のかかるカートリッジを受け入れて機械エネルギーをカートリッジに与え、それによりインプラントを送り出すよう構成されている。ハンドルは、ハンドル内に設けられたカムホイールを有し、このカムホイールは、ハンドル内に設けられたトリガ―組立体に結合されている。ハンドルは、カムホイールに結合されたホイールアクチュエータをさらに有し、カムホイールに設けられた一特徴部は、この特徴部がホイールアクチュエータに接触したときに、ホイールアクチュエータを第1の方向に回動させるよう構成されている。ホイールアクチュエータは、ホイールアクチュエータが第1の方向に回動するとこれに係合し、そして、この特徴部がもはやホイールアクチュエータに接触しなくなったときにホイールアクチュエータを第1の方向と反対の第2の方向に回動させる撓み部を有する。
【0081】
本発明の第16の観点では、システムは、カートリッジ内にそれぞれ設けられた摺動可能なプッシャブロック及びインプラントアクチュエータを含む。本発明の第17の観点では、インプラントアクチュエータは、プッシャブロックが摺動するのを阻止するようプッシャブロックと係合する。本発明の第18の観点では、ホイールアクチュエータは、ホイールアクチュエータが第1の方向に回動すると、インプラントアクチュエータをプッシャブロックから離脱させる。
【0082】
本発明の第19の観点では、システムは、ハンドル及びカートリッジを含み、ハンドルは、一連のかかるカートリッジを受け入れて機械エネルギーをカートリッジに与えてインプラントを送り出すよう構成されている。システムは、ハンドル内に設けられたトリガ組立体及びトリガ組立体に設けられたロックタブを含み、このロックタブは、トリガが作業位置にあるときにハンドルのカートリッジベイに入るよう構成され、その結果、ロックタブがカートリッジベイ内に少なくとも部分的に位置しているときに、カートリッジをカートリッジベイ内に固定することができないようになっている。
【0083】
本発明の第20の観点では、システムは、カートリッジに設けられたロック表面をさらに含み、このロック表面は、トリガが作業位置にあるときに、カートリッジをカートリッジベイから取り出すことができないようロックタブと係合するよう構成されている。本発明の第21の観点では、トリガが初期位置にあるとき、カートリッジをカートリッジベイから取り出すことができる。
【0084】
本発明のこれら観点のうちの任意の観点では、システムは、遠位アンカーコンポーネント、縫合部分、及び近位アンカーコンポーネントを有するインプラントを含む。本発明のこれら観点のうちの任意の観点では、プッシャブロックは、近位アンカーコンポーネントを縫合部分上に押すよう構成されている。本発明のこれら観点のうちの任意の観点では、カッタブロックは、縫合部分を切断するよう構成されている。本発明のこれら観点のうちの任意の観点では、プッシャブロックは、近位アンカーコンポーネントを縫合部分上に押すよう構成されている。本発明のこれら観点のうちの任意の観点では、カッタブロックは、縫合部分を切断するよう構成されている。
【0085】
本発明の特定の要素、実施例及び用途を図示すると共に説明したが、理解されるように、本発明はこれには限定されず、と言うのは、特に上記教示に照らして本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって改造を行うことができるからである。
【符号の説明】
【0086】
1 システム
70 遠位アンカーコンポーネント
72 ヘッド部分
74 テール部分
78 縫合具又は縫合部分
80 中間区分
82 コネクタ区分
84 近位アンカーコンポーネント
95 後端部
96 枝部
98 タブ
100 ハンドル
101 カートリッジベイ
102 スコープ管
103 右ハンドルケース
104 左ハンドルケース
105 スコープシール
110 ハンドルトリガ組立体
111 カートリッジロックタブ
112 安全装置
113 駆動歯車
114 ラチェット
115 ハンドルグリップ
120 カムホイール
125 ホールアクチュエータ
126 ホイールアクチュエータヘッド部分
127 ホイールアクチュエータテール部分
128 ホイールアクチュエータ撓み片
129 ホイールアクチュエータ軸線
130 カバープレート
140 針そり部
145 心棒
150 縫合具そり部
160 インプラントそり部
170 スコープロック
180 シースロック
200 カートリッジ
201 カートリッジ本体
202 シャフト組立体
203 カートリッジノブ
204 シャフト遠位部分
205 シャフト遠位部分出口ポート
206 シャフト遠位部分切り欠き
207 シャフト遠位部分ルーメン
208 シャフト遠位部分内部出口壁
209 シャフト遠位部分上側切り欠き
210 針組立体
212 針遠位部分
214 針シャフト
216 針近位部分
220 縫合具組立体
222 縫合具
224 縫合具支持管
226 縫合具安全装置
228 縫合具近位部分
230 カッタ組立体
232 カッタ
234 カッタブロック
236 カッタ爪
237 カッタ爪遠位端部
238 カッタ爪近位端部
240 プッシャ組立体
242 プッシャ
244 プッシャブロック
246 インプラントアクチュエータ
248 インプラントばね
284 カッタ手動タブ
286 カッタセーフティータブ
288 カッタアクセス窓
290 カートリッジインジケータ窓
291 カートリッジロック面
292 グリップ区分
293 プッシャセーフティータブ
296 無傷性テープ
297 シャフト支持体
298 カートリッジベース
299 カートリッジカバー
【国際調査報告】