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特表2022-537594乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車
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  • 特表-乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車 図1
  • 特表-乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(54)【発明の名称】乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/029 20120101AFI20220819BHJP
   F16H 57/037 20120101ALI20220819BHJP
   F16J 15/08 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
F16H57/029
F16H57/037
F16J15/08 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514267
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2019107800
(87)【国際公開番号】W WO2021042426
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910827663.3
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】リィー,ジアンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ピィン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,グゥオシァン
【テーマコード(参考)】
3J040
3J063
【Fターム(参考)】
3J040AA13
3J040EA01
3J040EA16
3J040HA30
3J063AA04
3J063AB13
3J063AC11
3J063BB01
(57)【要約】
乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車であって、乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリが、減速機及びディファレンシャルを含む。減速機は、減速機ボックス(10)及び減速機エンドカバー(1)を含み、ディファレンシャルは、減速機ボックス(10)内に回転可能に設けられており、ディファレンシャルカバー(4)及びディファレンシャルボックス(9)を含む。ディファレンシャルカバー(4)とディファレンシャルボックス(9)とが固定接続されており、ディファレンシャルカバー(4)とディファレンシャルボックス(9)との相離反する端部にベアリング取付座が設けられている。ディファレンシャルカバー(4)とディファレンシャルボックス(9)とによって形成されたハウジングの内部には、一対のサイドギヤ(5)、一対の遊星ギア(6)、及び遊星ギアシャフト(7)が設けられている。遊星ギアシャフト(7)の両端は、ディファレンシャルボックス(9)に固定され、遊星ギア(6)が遊星ギアシャフト(7)の両端に外装されている。サイドギヤ(5)と遊星ギア(6)とが噛み合い、サイドギヤ(5)の内孔にサイドギヤオイルシール(8)が組み立てられている。電気駆動アセンブリにおけるサイドギヤオイルシール(8)は、静的シールに該当し、その構造が簡単であり、シールの信頼性が高い。ディファレンシャルオイルシール(2)がサイドギヤ(5)の外周とシールされており、伝動軸の外周とのシールに依存する従来の構造に比べて、偏心量及び軸方向変位が減少され、サイドギヤオイルシール(8)の摩耗が低減される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機及びディファレンシャルを含む乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリであって、
前記減速機が減速機ボックス及び減速機エンドカバーを含み、
前記ディファレンシャルが、前記減速機ボックス内に回転可能に設けられており、ディファレンシャルカバー及びディファレンシャルボックスを含み、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとが固定接続されており、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとの相離反する端部にベアリング取付座が設けられており、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとによって形成されたディファレンシャルハウジングの内部に、一対のサイドギヤ、一対の遊星ギア、遊星ギアシャフトが設けられており、前記遊星ギアシャフトの両端が前記ディファレンシャルボックスに固定され、前記遊星ギアが前記遊星ギアシャフトの両端に外装されており、前記サイドギヤと前記遊星ギアとが噛み合い、前記サイドギヤに、アクスルシャフトを組み立てる内孔が設けられ、前記内孔にサイドギヤオイルシールが組み立てられている、ことを特徴とする乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ。
【請求項2】
前記ベアリング取付座の外側における減速機ボックス又は減速機エンドカバーにディファレンシャルオイルシールが組み立てられており、前記ディファレンシャルオイルシールのリップ部が前記サイドギヤの外周に係合する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気駆動アセンブリ。
【請求項3】
前記サイドギヤオイルシールの外側がスプラインを介して前記アクスルシャフトに接続される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気駆動アセンブリ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気駆動アセンブリを含む、ことを特徴とする新エネルギー自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイン減速機アセンブリの技術分野に関し、具体的に、乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー自動車の走行時には、ステアリングや様々な道路状況に適応するために、両側の車輪が異なる速度で回転することが多く、様々な運転条件下での駆動輪の動力伝達を保証し、地面との間の滑りによるタイヤの摩耗を回避し、車両のスムーズさを向上させるために、両側の車輪の間に差動装置を設ける必要がある。
【0003】
現在のディファレンシャルのほとんどは、ディファレンシャルオイルシールによって伝動軸の外周とシールされており、ディファレンシャルのスプラインが、完全にオイルに沈められており、シールされることがなく、組み立て後の伝動軸の位置決めが不正確で偏心量が大きいため、オイルシールの摩耗が激しくなり、早期故障やオイル漏れの不具合が発生しやすく、車両全体の寿命及び信頼性の要件に応えられなくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みて提案されたものであり、上記課題を解決するか、又は少なくとも部分的に解決するための、乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリ及び新エネルギー自動車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は、以下のように実現される。
【0006】
本発明の1つの局面では、乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリが提供されており、前記乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリが減速機及びディファレンシャルを含み、
前記減速機が減速機ボックス及び減速機エンドカバーを含み、
前記ディファレンシャルが、前記減速機ボックス内に回転可能に設けられており、ディファレンシャルカバー及びディファレンシャルボックスを含み、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとが固定接続されており、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとの相離反する端部にベアリング取付座が設けられており、前記ディファレンシャルカバーと前記ディファレンシャルボックスとによって形成されたディファレンシャルハウジングの内部に、一対のサイドギヤ、一対の遊星ギア、遊星ギアシャフトが設けられており、前記遊星ギアシャフトの両端が前記ディファレンシャルボックスに固定され、前記遊星ギアが前記遊星ギアシャフトの両端に外装されており、前記サイドギヤと前記遊星ギアとが噛み合い、前記サイドギヤに、アクスルシャフトを組み立てる内孔が設けられ、前記内孔にサイドギヤオイルシールが組み立てられている。
【0007】
また、前記ベアリング取付座の外側における減速機ボックス又は減速機エンドカバーにディファレンシャルオイルシールが組み立てられており、前記ディファレンシャルオイルシールのリップ部がサイドギヤの外周に係合してもよい。
【0008】
また、前記サイドギヤオイルシールの外側がスプラインを介して前記アクスルシャフトに接続されてもよい。
【0009】
本発明のもう1つの局面では、上記のような電気駆動アセンブリを含む新エネルギー自動車が提供されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリは、以下の利点を有する。
【0011】
本発明の乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリでは、サイドギヤオイルシールがサイドギヤの内孔に取り付けられており、静的シールに該当し、その構造が簡単であり、シールの信頼性が高い。
【0012】
本発明の乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリは、そのディファレンシャルオイルシールがサイドギヤの外周とシールされており、伝動軸の外周とのシールに依存する従来の構造に比べて、偏心量及び軸方向変位が減少され、オイルシールの摩耗が低減される。
【0013】
上記の説明は、本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明らかに理解して、それらを明細書の内容に従って実施することができるように、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより容易に理解するために、以下、特に本発明の具体的な実施形態を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
【0015】
図1図1は、本発明の一実施例における乾式ディファレンシャルの電気駆動アセンブリの模式図である。
図2図2は、図1におけるI部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施例をさらに詳しく説明する。本発明の例示的な実施例が図面に示されているが、本発明は、様々な形態で実現されてもよく、ここに記載の実施例によって制限されないことを理解すべきである。むしろ、これらの実施例は、本発明がよりよく理解され、本発明の範囲が当業者に完全に伝えられるように提供されるものである。
【0017】
本発明に記載される「及び/又は」とは、それぞれが単独で存在する場合も、両方が同時に存在する場合も含むことを指す。
【0018】
本発明に記載される「内、外」とは、装置自体に関して、装置の内部を指し示す方向が「内」であり、逆の方向が「外」であることを指す。
【0019】
本発明に記載される「前端、後端」とは、本発明が図2に示す位置で使用され、その右端が「前端」であり、左端が「後端」であることを指す。
【0020】
図1図2を参照して、本発明による変速機は、サイドギヤ5、遊星ギア6、遊星ギアシャフト7、ディファレンシャルカバー4、ディファレンシャルボックス9、減速機カバー1、減速機ボックス10、ベアリング3、サイドギヤオイルシール8、ディファレンシャルオイルシール2等の部品を含む。そのうち、前記ディファレンシャルカバー4とディファレンシャルボックス9とが固定接続されており、それらの相離反する端部にベアリング取付座が設けられており、かつ、それらによって形成されたハウジングの内部に、一対のサイドギヤ5、一対の遊星ギア6、遊星ギアシャフト7が設けられており、前記遊星ギアシャフト7の両端がディファレンシャルボックス9に固定され、前記遊星ギア6が遊星ギアシャフト7の両端に外装されており、前記サイドギヤ5と遊星ギア6とが噛み合う。
【0021】
本発明の革新点として、本発明には、さらにサイドギヤオイルシール8及びディファレンシャルオイルシール2が設けられており、そのうち、サイドギヤオイルシール8が、サイドギヤ5の内孔に組み立てられて、ディファレンシャルの内部キャビティをシールして、潤滑油を伝動軸から隔離する。そして、減速機ハウジングにディファレンシャルオイルシール2が組み立てられており、オイルシールのリップ部がサイドギヤ5の外周に係合して、シールの役割を果たしており、ディファレンシャルハウジングと減速機ハウジングがベアリング3を介して接続され、共同で1つの乾式ディファレンシャルを形成する。
【0022】
また、一実施例において、前記伝動軸がスプラインを介してサイドギヤの内孔に組み立てられいるが、当然、前記接続の形式を具体的に限定しなくてもよい。
【0023】
以上から分かるように、本発明に開示された電気駆動アセンブリは、サイドギヤオイルシール8による静的シールを介して、簡単なシール構造及び高い信頼性をもたらしており、また、ディファレンシャルオイルシール2がサイドギヤ5の外周とシールされており、伝動軸の外周とのシールに依存する従来の構造に比べて、偏心量及び軸方向変位が減少され、オイルシールの摩耗が低減される。
【0024】
説明しておきたいのは、本発明における上記ディファレンシャル付きの電気駆動アセンブリは、以下のように作動するようになっている。車が直進すると、モータに連れられて減速機における主動ギアが回転し、主動ギアに連れられて受動ギアが回転し、受動ギアがディファレンシャルハウジングの回転を介してディファレンシャルアセンブリをメイン減速機ボックス内で公転させ、遊星ギア6が両側のサイドギヤ5と噛み合ってディファレンシャルアセンブリとともに減速機ボックス内で公転し、2つのアクスルシャフトがユニバーサルジョイント等の機構を介して力及びモーメントを車輪に伝達し、車輪を回転させる。
【0025】
車が曲がると、遊星ギア6が自転し、遊星ギア6が公転の回転速度及びその自転の回転速度を、サイドギヤ5、アクスルシャフト及びユニバーサルジョイントを介して外側の車輪に伝達することで、外側の車輪の回転速度が内側の車輪の回転速度よりも大きくなり、車がスムーズに曲がることが実現される。
【0026】
上記したのは、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の保護範囲はこれに限定されない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に想到され得るあらゆる変更又は置換は、全て本発明の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲の保護範囲に準ずるべきである。
【符号の説明】
【0027】
1 減速機カバー、2 ディファレンシャルオイルシール、3 ベアリング、4 ディファレンシャルカバー、5 サイドギヤ、6 遊星ギア、7 遊星ギアシャフト、8 サイドギヤオイルシール、9 ディファレンシャルボックス、10 減速機ボックス

図1
図2
【国際調査報告】