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特表2022-537629ポータブルデジタル記録デバイスの時間の追跡および確認
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】ポータブルデジタル記録デバイスの時間の追跡および確認
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220822BHJP
   G16H 40/00 20180101ALI20220822BHJP
   G06F 1/14 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
G16H40/00
G06F1/14 511
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021565117
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 FI2019050345
(87)【国際公開番号】W WO2020221953
(87)【国際公開日】2020-11-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517246519
【氏名又は名称】シグナント ヘルス オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カウッピ サウリ
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L099AA01
5L099AA21
(57)【要約】
ポータブルデジタルデバイス200の自動時間追跡および確認方法は、ポータブルデジタルデバイス200によって現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持することと、ポータブルデジタルデバイス200によって第1のエントリを複数回記録することであって、第1のエントリが、ユーザ情報、現在のクロック時間、現在の稼働時間を有する、記録することと、を含む。ポータブルデジタルデバイス200によって、基準時間を有するサーバ300と共に、基準時間、現在のクロック時間、および現在の稼働時間を有する第2のエントリを記録することを含む、基準時間記録プロセスが1回以上遂行される。ポータブルデジタルデバイス200はサーバ300に第1および第2のエントリを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブルデジタルデバイスの自動時間追跡および確認方法であって、
前記ポータブルデジタルデバイスによって現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持することと、
前記ポータブルデジタルデバイスによって第1のエントリを複数回記録することであって、前記第1のエントリが、
ユーザ情報、
前記現在のクロック時間、
前記現在の稼働時間、
を含む、記録することと、
基準時間記録プロセスを1回以上遂行することであって、前記基準時間記録プロセスが、
前記ポータブルデジタルデバイスによって、基準時間を有するサーバと共に、前記基準時間、前記現在のクロック時間、および前記現在の稼働時間を含む第2のエントリを記録することを含む、遂行することと、
を含み、
前記方法が、前記ポータブルデジタルデバイスによって前記サーバに前記第1および第2のエントリを提供することをさらに含むことを特徴とする自動時間追跡および確認方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のエントリの前記記録が、前記ポータブルデジタルデバイスがユーザから前記ユーザ情報を受信したことに応じて遂行されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ユーザ情報が、前記ユーザによって提供された情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記方法が、前記第1のエントリの前記記録された現在のクロック時間の信頼性を検証することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1および第2のエントリへのアクセスが禁止され、前記第1および第2のエントリの完全性が保護されるよう、前記ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であって、前記ユーザ情報が前記ユーザから測定されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、各第1の記録の前記ユーザ情報が前記ユーザによって定義されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法であって、前記ユーザが、前記ユーザによって望まれるときに入力を記録することができることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記検証が、前記第2のエントリを用いて遂行されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であって、前記検証が前記サーバによって遂行されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1および第2のエントリの前記記録が前記ポータブルデジタルデバイスの時間追跡モジュールによって遂行されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記サーバからの前記現在の基準時間の取得が前記時間追跡モジュールによって遂行されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2のエントリが前記ポータブルデジタルデバイスにおいて記録されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法であって、前記サーバが前記ポータブルデジタルデバイスに前記基準時間を提供することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法であって、前記ポータブルデジタルデバイスによって、または前記時間追跡モジュールによって、ブート数カウンタを維持することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記ブート数カウンタ値が増大したかどうかを継続的にチェックし、そうである場合には、それに応じて前記基準時間記録プロセスを遂行することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の方法であって、前記ブート数カウンタ値が次の第1のエントリに追加的に記録されることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか1項に記載の方法であって、前記ブート数カウンタ値が、前記ブート数カウンタ値の前記増大に応じて前記基準時間記録プロセスを遂行した際に、前記第2のエントリに追加的に記録されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項15から18のいずれか1項に記載の方法であって、ブート数カウンタ値、稼働時間、および現在のクロック時間の組み合わせを以前に記録して以降、前記ブート数カウンタ値が1より大きく増大したかどうかを決定することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、ブート数カウンタ値、稼働時間、および現在のクロック時間の組み合わせを以前に記録して以降、前記ブート数カウンタ値が1より大きく増大した場合には、第1の指示を、その後記録される第1のエントリに記録することを遂行することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、さらに、前記第1の指示が、前記基準時間記録プロセスの次の遂行までの前記クロック時間の不信頼性を指示することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2のエントリの前記記録された現在の稼働時間および前記基準時間から、前記ポータブルデジタルデバイスが再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、前記稼働時間を前記現在のクロック時間から減算し、結果を以前の起動時間として記録することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の方法であって、1つの第1のエントリのために算出された前記以前の起動時間が、後続の第1のエントリのために算出されたものよりも遅いかどうかを決定し、そうである場合には、これらの第1のエントリのうちの少なくとも一方が誤っていると決定することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の方法であって、1つの第1のエントリのために算出された前記以前の起動時間が、第2のエントリのために算出されたものとどれほど異なるのかを決定し、差に基づいて、次に、前記1つの第1のエントリを、正しいクロック時間を有するものとして、したがって、エントリが正しいと決定するか、あるいは前記1つの第1のエントリが誤っていると、またはエントリが正しいのか、それとも誤っているのかを決定することが可能でないと決定することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか1項に記載の方法であって、前記基準時間に基づいて、前記後続の第1のエントリが正しいクロック時間を有していたかどうかを決定し、そうである場合には、次に、前記1つの第1のエントリおよび前記後続の第1のエントリを、それぞれ、誤って、および正しく計時されていると決定することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項1から25のいずれか1項に記載の方法であって、前記記録された現在のクロック時間と、前記稼働時間または基準時間のどちらかとの差の急な変化を検出することによって、Nを整数として、前記差が半時間のN倍であるときには、時間帯の変化を補償することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか1項に記載の方法であって、前記検証が、1つの稼働時間期間のために、前記第2のエントリの前記記録された現在の稼働時間と前記現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第1の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項1から27のいずれか1項に記載の方法であって、前記検証が、1つの稼働時間期間のために、前記第1のエントリの前記記録された現在の稼働時間と前記現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第2の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか1項に記載の方法であって、前記方法が、存在する場合には、前記第1のエントリのうちのいずれ、前記記録された現在の稼働時間および現在のクロック時間が第2の最大変化分よりも大きく相互に変化するのかを決定し、このような第1のエントリに第2の指示を記録することを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか1項に記載の方法であって、前記以前の第1および第2のエントリを記録した後に、前記ポータブルデジタルデバイスが1回再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、第3の指示を用いて次の第1のエントリを記録することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1から30のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2のエントリがユーザ情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2のエントリが前記第1のエントリのうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項33】
現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持するように構成された少なくとも1つの回路機構と、
前記少なくとも1つの回路機構を用いて、少なくとも、請求項1から32のいずれか1項に記載の方法を遂行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備えることを特徴とするポータブルデジタルデバイス。
【請求項34】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、装置に、少なくとも、請求項1から32のいずれか1項に記載の方法を遂行させるコンピュータ実行可能プログラムコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ポータブルデジタル記録デバイスの時間の追跡および確認に関する。本発明は、特に、限定するものではないが、ポータブルデジタル臨床試験記録デバイスの時間の追跡および確認に関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、現況技術を代表する、本明細書において説明されるいかなる技法も受け入れていない、有用な背景情報を示す。
【0003】
ポータブルデジタルデバイスは、通例、現在の時間および日付を表示すること、ならびにこれらのデバイスによって実行される様々なアプリケーションおよびサービスのために機能することを可能にするクロック回路機構を有する。このようなクロックは、通例、それらのユーザによって自由に調整可能である。さらに、電池が切れると、このようなクロックは停止するか、または初期デフォルト時間に変化しさえし得る。なおさらに、クロックは、多くの場合、例えば、正確な速度が温度に依存し得る局部発振器を用いて実施され、このため、いくらかのドリフト(進みまたは遅れ)が生じる。
【0004】
一部のポータブルデジタルデバイスは、時間帯の変化に、および夏時間に適応することができ、そのため、クロック値は(例えば、長距離飛行の後に)急に1時間以上飛ぶことがある。
【0005】
ポータブルデジタルデバイスは、臨床試験エントリなどの、データを取り込むために用いることができる。記録されたエントリは、ローカルクロックに基づいて設定されたタイムスタンプと共にデバイスからサーバへ自動的に伝送され得る。記録されたエントリがそれらの記録の直後に継続的に送信されない限り、サーバは、デバイスによって提供されたタイムスタンプを頼りにしなければならない。
【0006】
通例、臨床試験においては、デジタルデバイスは、例えば、取り込まれたデータを収集および蓄積する関係者によって臨床試験現場へ配布される。しかし、場合によっては、ブリングユアオウンデバイス(BYOD:bring-your-own-device)モダリティを中心として臨床試験を行うことができるであろう。この場合には、臨床試験への参加者が自分自身のインターネット接続可能デバイスを用いて研究データを提供する。
【0007】
デジタルデバイスが、キオスクモードで実行するように設定されていない限り、ユーザがデバイスの時間および日付を変更するのを防止することは不可能であり得る。これは、特に、臨床試験データを収集すること、またはデジタルデバイスを試験のために設定すること、または試験において使用されるべき専用アプリケーションを提供することを担当する関係者が、デバイスのクロックにアクセスするための権限を(ユーザによって)与えられ得ない、BYOD試験について当てはまる。さらに、臨床試験を取りまとめる関係者によってデバイスのクロックを制御することすら許容され得ないであろう。それにもかかわらず、ユーザの観察結果を時間ぴったりに記録することが重要である。ユーザは、服薬した時間、および概して、既定の質問もしくは自由記述への回答などの、メモを時間どおり記録することをいつも忘れずに行う、またはわざわざ行うとは限らない。ユーザが自分のデバイスの時間および日付を自由に変更することができる場合には、観察結果を、あたかもそれらが適時に入力されたかのように、偽って記録することが可能になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デバイスの時間を追跡し、確認することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の例示的な態様によれば、ポータブルデジタルデバイスの自動時間追跡および確認方法であって、
ポータブルデジタルデバイスによって現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持することと、
ポータブルデジタルデバイスによって第1のエントリを複数回記録することであって、第1のエントリが、
ユーザ情報、
現在のクロック時間、
現在の稼働時間、
含む、記録することと、
基準時間記録プロセスを1回以上遂行することであって、基準時間記録プロセスが、
ポータブルデジタルデバイスによって、基準時間を有するサーバと共に、基準時間、現在のクロック時間、および現在の稼働時間を含む第2のエントリを記録することを含む、遂行することと、
ポータブルデジタルデバイスによってサーバに第1および第2のエントリを提供することと、
を含む自動時間追跡および確認方法が提供される。
【0010】
本方法は、第1および第2のエントリへの人のアクセスが禁止され、第1および第2のエントリの完全性が保護されるよう、ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることをさらに含み得る。
【0011】
自動時間追跡および確認方法は、潜在的にセンシティブな情報を、例えば、人間にさらすことなく、ユーザ情報のために記録された時間を追跡および確認することを可能にし得る。自動時間追跡および確認方法は、継続的なオンラインアクセスを有することなく、ユーザ情報のために記録された時間を追跡および確認することを可能にし得る。
【0012】
第1のエントリの記録は、ポータブルデジタルデバイスがユーザからユーザ情報を受信したことに応じて遂行され得る。
【0013】
ユーザ情報は、ユーザによって提供された情報を含み得る。ユーザ情報は、ユーザの身体的状態を記述する情報を含み得る。ユーザ情報は、ユーザの心的状態を記述する情報を含み得る。ユーザ情報はユーザから測定され得る。ユーザ情報は臨床アウトカムを含み得る。臨床アウトカムは患者報告式であり得る。臨床アウトカムは臨床医によって報告され得る。臨床アウトカムは観察者によって報告され得る。臨床アウトカムは、測定値、例えば、血糖測定値を含み得る。ユーザ情報は、ユーザの1つ以上のパフォーマンス、例えば、手指振戦状態の結果に関するデータを含み得る。
【0014】
各第1の記録のユーザ情報はユーザによって自由に定義され得、任意選択的に、所定の選択肢のそれぞれのグループから行われる1つ以上の選定を含む。
【0015】
ユーザは、ユーザによって望まれるときに観察結果などの入力を記録することができ得る。本方法は、ユーザ情報にタイムスタンプを付け、ネットワークアクセスを用いて、および用いずに、タイムスタンプ付けの信頼性を検証することを可能にし得る。
【0016】
本方法は、第1のエントリの記録された現在のクロック時間の信頼性を検証することをさらに含み得る。検証は第2のエントリを用いて遂行され得る。
【0017】
本方法は、サーバへのアクセスを用いずにポータブルデジタルデバイスが利用可能な情報にのみ基づいて、記録された現在のクロック時間の信頼性を検証することを可能にし得る。加えて、本方法は、サーバが利用可能な情報を用いて、記録された現在のクロック時間の信頼性を検証することを可能にし得る。
【0018】
検証はサーバによって遂行され得る。代替的に、または加えて、検証はポータブルデジタルデバイスによって遂行され得る。
【0019】
第1および第2のエントリの記録はポータブルデジタルデバイスの時間追跡モジュールによって遂行され得る。サーバとの通信は時間追跡モジュールによって遂行され得る。サーバからの現在の基準時間の取得は時間追跡モジュールによって遂行され得る。暗号化の使用は時間追跡モジュールによって遂行され得る。
【0020】
第2のエントリはポータブルデジタルデバイスにおいて記録され得る。代替的に、第2のエントリは、現在のクロック時間および稼働時間を提供することによってサーバに記録され得る。サーバは、第2のエントリを記録する際に基準時間を記録し得る。サーバはポータブルデジタルデバイスに基準時間を提供し得る。
【0021】
本方法は、サーバによって、基準時間の記録を、ポータブルデジタルデバイスにおいて記録された第1のエントリとの比較のために維持することを可能にし得る。
【0022】
本方法は、ポータブルデジタルデバイスによって、または時間追跡モジュールによって、ブート数カウンタを維持することをさらに含み得る。本方法は、ブート数カウンタ値が増大したかどうかを継続的にチェックし、そうである場合には、それに応じて基準時間記録プロセスを遂行することをさらに含み得る。ブート数カウンタ値は次の第1のエントリに追加的に記録され得る。ブート数カウンタ値は、ブート数カウンタ値の増大に応じて基準時間記録プロセスを遂行した際に、第2のエントリに追加的に記録され得る。
【0023】
本方法は、ブート数カウンタ値、稼働時間、および現在のクロック時間の組み合わせを以前に記録して以降、ブート数カウンタ値が1より大きく増大したかどうかを決定することをさらに含み得る。そうである場合には、本方法は、第1の指示を、その後記録される第1のエントリに記録することを含み得る。第1の指示は、基準時間記録プロセスの次の遂行までのクロック時間の不信頼性を指示し得る。
【0024】
ブート数カウンタの使用は、稼働時間に基づいて、記録されたエントリごとに正しい時間を後方追跡することが依然として可能かどうかをチェックすることを可能にし得る。
【0025】
本方法は、以前の第1および第2のエントリを記録した後に、ポータブルデジタルデバイスが1回再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、第3の指示を用いて次の第1のエントリを記録することをさらに含み得る。第3の指示は、以前の第1および第2のエントリを記録して以降の1回の再起動を指示し得る。
【0026】
本方法は、第2のエントリの記録された現在の稼働時間および基準時間から、ポータブルデジタルデバイスが再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、稼働時間を現在のクロック時間から減算し、結果を以前の起動時間として記録することを含み得る。
【0027】
本方法は、1つの第1のエントリのために算出された以前の起動時間が、後続の第1のエントリのために算出されたものよりも遅いかどうかを決定し、そうである場合には、これらの第1のエントリのうちの少なくとも一方が誤っていると決定することをさらに含み得る。本方法は、基準時間に基づいて、後続の第1のエントリが正しいクロック時間を有していたかどうかを決定し、そうである場合には、次に、1つの第1のエントリおよび後続の第1のエントリを、それぞれ、誤って、および正しく計時されていると決定することをさらに含み得る。
【0028】
本方法は、タイムスタンプのあり得ない並びの存在を、タイムスタンプ付けにおける誤りの指示として決定することを可能にし得る。
【0029】
本方法は、記録された現在のクロック時間と、稼働時間または基準時間のどちらかとの差の急な変化を検出することによって、Nを-47~-1または+1~+47の整数として、差が半時間のN倍であるときには、時間帯の変化を補償することを含み得る。
【0030】
検証は、1つの稼働時間期間のために、第2のエントリの記録された現在の稼働時間と現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第1の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすることを含み得る。稼働時間の期間は、ポータブルデジタルデバイスの起動(例えば、コールドブート、ウォームブート、電源投入)から次のシャットダウンまたは再起動までの期間を指し得る。第1の最大変化は、10秒、30秒、1分、2分、5分、または10分よりも大きいものであり得る。第1の最大変化は、24時間当たり、10秒、30秒、1分、2分、5分、または10分よりも大きいものであり得る。
【0031】
検証は、1つの稼働時間期間のために、第1のエントリの記録された現在の稼働時間と現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第2の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすることを含み得る。第2の最大変化は、10秒、30秒、1分、2分、5分、または10分よりも大きいものであり得る。
【0032】
本方法は、存在する場合には、第1のエントリのうちのいずれ、記録された現在の稼働時間および現在のクロック時間が第2の最大変化分よりも大きく相互に変化するのかを決定し、このような第1のエントリに第2の指示を記録することを含み得る。第2の指示は、信頼性のない現在のクロック時間を指示し得る。
【0033】
ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることは、第1のエントリを暗号化することを含み得る。ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることは、第2のエントリを暗号化することを含み得る。ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることは、第1のエントリに暗号署名することを含み得る。ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いることは、第2のエントリに暗号署名することを含み得る。暗号化は非対称暗号化を採用し得る。暗号化は公開鍵暗号化を採用し得る。暗号化は対称暗号化を採用し得る。
【0034】
第2のエントリはユーザ情報を含み得る。第2のエントリは第1のエントリのうちの1つであり得る。一部の第2のエントリ内へのユーザ情報の記録、または第2のエントリを第1のエントリのうちの1つとして有することは、別個の第1および第2のエントリを記録する必要を取り除き得る。
【0035】
第2のエントリは、第1のエントリを記録する初回の前に1回以上記録され得る。
【0036】
本発明の第2の例示的な態様によれば、ポータブルデジタルデバイスであって、
現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持するように構成された少なくとも1つの回路機構と、
少なくとも1つのプロセッサであって、
ポータブルデジタルデバイスによって第1のエントリを複数回記録することであって、第1のエントリが、
ユーザ情報、
現在のクロック時間、
現在の稼働時間、
含む、記録することと、
基準時間記録プロセスを1回以上遂行することであって、ポータブルデジタルデバイスによって、基準時間を有するサーバと共に、基準時間、現在のクロック時間、および現在の稼働時間を含む第2のエントリを記録することを含む、遂行することと、
を行うように構成されている、少なくとも1つのプロセッサと、
を備えるポータブルデジタルデバイスが提供される。
【0037】
少なくとも1つのプロセッサは、サーバに第1および第2のエントリを提供することを生じさせるようにさらに構成され得る。
【0038】
少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2のエントリの内容へのアクセスが禁止され、第1および第2のエントリの完全性が保護されるよう、暗号化を用いるようにさらに構成され得る。
【0039】
本発明の第3の例示的な態様によれば、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、装置に、少なくとも、第1の例示的な態様の方法を遂行させるコンピュータ実行可能プログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0040】
コンピュータプログラムはリバースエンジニアリングから保護され得る。コンピュータプログラムはコード難読化され得る。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムコードを実行時のために解読し、サンドボックス化するように構成され得る。
【0041】
本発明の第4の例示的な態様によれば、第3の例示的な態様のコンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0042】
任意の上述のメモリ媒体は、データディスクもしくはディスケット、光記憶装置、磁気記憶装置、ホログラフィック記憶装置、光磁気記憶装置、相変化メモリ、抵抗変化型メモリ、磁気ランダムアクセスメモリ、固体電解質メモリ、強誘電体ランダムアクセスメモリ、有機メモリ、またはポリマーメモリなどの、デジタルデータ記憶装置を含み得る。メモリ媒体は、記憶を保存すること以外の実質的機能を有しないデバイスに形成され得るか、あるいはそれは、限定するものではないが、コンピュータのメモリ、チップセット、およびデジタルデバイスのサブアセンブリを含む、他の機能を有するデバイスの部分として形成され得る。
【0043】
以上において、本発明の異なる非拘束的な例示的態様および実施形態が示された。以上における実施形態は、単に、本発明の実装形態において利用され得る、選択された態様またはステップを説明するために用いられているにすぎない。いくつかの実施形態は、本発明の特定の例示的な態様を参照してのみ提示され得る。対応する実施形態が他の例示的な態様にも適用され得ることを理解されたい。
【0044】
添付の図面を参照して本発明のいくつかの例示的な実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】一実施形態のシステムの概略図である。
図2】一実施形態のポータブルデジタルデバイスのブロック図である。
図3】本発明の一実施形態のサーバのブロック図である。
図4a】一実施形態のフローチャートを示す図である。
図4b】一実施形態のフローチャートを示す図である。
図4c】一実施形態のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明において、同様の参照符号は同様の要素またはステップを示す。
【0047】
図1は一実施形態のシステム100の概略図を示す。システム100は、インターネット130に接続された複数のポータブルデジタルデバイス200およびサーバ120を備える。一実施形態では、システムは1つ以上の有線測定デバイス112および/または無線測定デバイス114をさらに備える。測定デバイス112、114は、ポータブルデジタルデバイス200と通信するように構成され得る。有線または無線測定デバイスは、血糖値計、連続血糖値計、脈拍センサ、歩数計、体温計、心電図センサのうちの任意の1つ以上を含み得る。
【0048】
図2は、本発明の様々な実施形態が適用され得るポータブルデジタルデバイス200の例示的なブロック図を示す。これは、セルラー電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子ブック、ポータブルゲーミングデバイス、またはスマートウォッチなどの、ユーザデバイスまたは装置であり得る。
【0049】
ポータブルデジタルデバイス200の一般的構造は、通信インターフェース210、プロセッサ220、およびメモリ260を備える。ポータブルデジタルデバイスは、メモリ260内に記憶されており、プロセッサ220内にロードされ、実行されるよう動作可能なソフトウェア270をさらに備える。ソフトウェア270は1つ以上のソフトウェアモジュールを含み得、コンピュータプログラム製品の形態のものであることができる。ポータブルデジタルデバイス200はユーザインターフェース230をさらに備える。なおさらに、現在のクロック時間を維持するためのクロック240、および稼働時間を維持するための稼働時間カウンタ250が存在する。分離して描かれたエンティティは、互いに別個である、または分離している必要はなく、それらは、単に、簡単にするためにこのように描かれていることに留意されたい。
【0050】
通信インターフェース210は、例えば、ベース100もしくはベース1000イーサネット接続、ローカルバス、Bluetooth(登録商標)回路機構、近距離無線通信回路機構、ANT回路機構、ANT+回路機構、ユニバーサルシリアルバス回路機構、パラレルおよび/またはシリアルリンク回路機構を含む。通信インターフェース210は、例示的な実施形態において、インターネットを用いて1つの回路機構と、ならびに有線および/または無線測定デバイス112、114を用いて、同じ、または1つ以上の他の回路機構と通信するように構成されている。
【0051】
プロセッサ220は、例えば、中央処理装置(CPU:central processing unit)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、グラフィック処理装置、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロコントローラ、またはこのような要素の組み合わせであるか、またはこれを含む。図2は1つのプロセッサ220を示すが、ポータブルデジタルデバイス200は複数のプロセッサを含み得る。
【0052】
メモリ260は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM:read-only memory)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM:programmable read-only memory)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random-access memory)、フラッシュメモリ、データディスク、光記憶装置、磁気記憶装置、スマートカード、または同様のものなどの、揮発性または不揮発性メモリであり得る。ポータブルデジタルデバイス200は複数のメモリを含み得る。メモリ260は、ポータブルデジタルデバイス200の部分として構築することができるか、あるいはそれは、ユーザによってポータブルデジタルデバイス200のスロット、ポート、または同様のものに挿入され得る。メモリ260は、データを記憶する目的のみを果たし得るか、または、それは、データを処理することなどの、他の目的を果たす装置の部分として構築され得る。
【0053】
ユーザインターフェース230は、例えば、例として、キーボード、ポータブルデジタルデバイス200のディスプレイ上に示されるグラフィカルユーザインターフェース、音声認識回路機構、またはヘッドセットなどの付属デバイスを介して、ポータブルデジタルデバイス200のユーザからの入力を受信するため、ならびに例として、グラフィカルユーザインターフェースまたはラウドスピーカを介して、出力をユーザに提供するための回路機構を含む。
【0054】
当業者は、図2に示される要素に加えて、ポータブルデジタルデバイス200は、マイクロフォン、ディスプレイ、ならびに入力/出力(input/output、I/O)回路機構、メモリチップ、特定用途集積回路(ASIC)、ソース符号化/復号化回路機構、チャネル符号化/復号化回路機構、暗号化/解読回路機構、および同様のものなどの特定の目的のための処理回路機構などの追加の回路機構などの、他の要素を含み得ることを理解する。加えて、ポータブルデジタルデバイス200は、外部電力のとき、外部電力源が利用可能でない場合には、ポータブルデジタルデバイス200に給電するための使い捨てまたは再充電可能電池(図示せず)を含み得る。
【0055】
図3は本発明の一実施形態のサーバ120のブロック図を示す。サーバ300の一般的構造は、通信インターフェース210’、プロセッサ220’、およびメモリ260を備える。サーバ300は、メモリ260内に記憶されており、プロセッサ220’内にロードされ、実行されるよう動作可能なソフトウェア270’をさらに備える。ソフトウェア270’は1つ以上のソフトウェアモジュールを含み得、コンピュータプログラム製品の形態のものであることができる。サーバ300はユーザインターフェース230をさらに備える。なおさらに、現在のクロック時間を維持するための基準クロック340が存在する。分離して描かれたエンティティは、互いに別個である、または分離している必要はなく、それらは、単に、簡単にするためにこのように描かれていることに留意されたい。
【0056】
通信インターフェース210’は、例えば、ベース100またはベース1000イーサネット接続、ローカルバス、パラレルおよび/またはシリアルリンク回路機構を含む。
【0057】
プロセッサ220’は、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィック処理装置、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、マイクロコントローラ、またはこのような要素の組み合わせであるか、またはこれを含む。図3は1つのプロセッサ220’を示すが、サーバ300は複数のプロセッサを含み得る。
【0058】
図4a~図4cは、以下のものを含む、ポータブルデジタルデバイスの自動時間追跡および確認方法を示す、一実施形態のフローチャートを示す:
400) ポータブルデジタルデバイスによって現在のクロック時間および現在の稼働時間を維持すること、
402) ポータブルデジタルデバイスによって第1のエントリを複数回記録することであって、第1のエントリが、ユーザ情報、現在のクロック時間、現在の稼働時間を含む、記録すること、
404) 基準時間記録プロセスを1回以上遂行することであって、基準時間記録プロセスが、ポータブルデジタルデバイスによって、基準時間を有するサーバと共に、基準時間、現在のクロック時間、および現在の稼働時間を含む第2のエントリを記録することを含む、遂行すること、
406) 第1および第2のエントリへの人のアクセスが禁止され、第1および第2のエントリの完全性が保護されるよう、ポータブルデジタルデバイスによって暗号化を用いること、
408) ポータブルデジタルデバイスによってサーバに第1および第2のエントリを提供すること。
【0059】
一実施形態では、第1のエントリの記録は、ポータブルデジタルデバイスがユーザからユーザ情報を受信したことに応じて遂行される。ユーザ情報の受信はユーザの主導で開始することができる。代替的に、または加えて、ポータブルデジタルデバイス200は、所与の時にユーザにユーザ情報について促すように構成することができる。各第1の記録のユーザ情報はユーザによって自由に定義することができ、任意選択的に、所定の選択肢のそれぞれのグループから行われる1つ以上の選定を含む。さらに代替的に、または加えて、ユーザ情報は、有線または無線測定デバイス112、114から受信された測定情報などの自動的に取得された情報を含み得る。
【0060】
本方法は、以下もののうちの任意の1つ以上をさらに含み得る:
410) ユーザ情報にタイムスタンプを付けること、
412) ネットワークアクセスを用いて、および用いずに、タイムスタンプ付けの信頼性を検証すること、
414) 例えば、第2のエントリを用いて、第1のエントリの記録された現在のクロック時間の信頼性を検証すること、
416) サーバによって遂行される検証を遂行すること、
418) ポータブルデジタルデバイスによって検証を遂行すること。
【0061】
一実施形態では、第1および第2のエントリの記録はポータブルデジタルデバイスの時間追跡モジュールによって遂行される。サーバとの通信は時間追跡モジュールによって遂行され得る。サーバからの現在の基準時間の取得は時間追跡モジュールによって遂行され得る。暗号化の使用は時間追跡モジュールによって遂行され得る。
【0062】
一実施形態では、第2のエントリはポータブルデジタルデバイスにおいて記録される。代替的に、第2のエントリは、現在のクロック時間および稼働時間を提供することによってサーバに記録され得る。サーバは、第2のエントリを記録する際に基準時間を記録し得る。サーバはポータブルデジタルデバイスに基準時間を提供し得る。
【0063】
一実施形態では、本方法は以下のもののうちの任意の1つ以上をさらに含む:
420) ブート数カウンタを維持すること。ブート数カウンタはポータブルデジタルデバイスによって維持され得る。一実施形態では、ブート数カウンタは時間追跡モジュールによって維持される。
422) ブート数カウンタ値が増大したかどうかを継続的に(実施形態によっては、定期的に、他の実施形態によっては、不規則に、または変化する時間期間を用いて)チェックし、そうである場合には、それに応じて、基準時間記録プロセスを遂行すること。ブート数カウンタ値は次の第1のエントリに追加的に記録され得る。
424) ブート数カウンタ値の増大に応じて基準時間記録プロセスを遂行した際に、ブート数カウンタ値を第2のエントリに追加的に記録すること。
426) ブート数カウンタ値、稼働時間、および現在のクロック時間の組み合わせを以前に記録して以降、ブート数カウンタ値が1より大きく増大したかどうかを決定し、そうである場合には、第1の指示を、その後記録される第1のエントリに記録すること、
428) 以前の第1および第2のエントリの両方を記録した後に、ポータブルデジタルデバイスが1回再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、例えば、以前の第1および第2のエントリを記録して以降の1回の再起動を指示する、第3の指示を用いて次の第1のエントリを記録すること、
430) 第2のエントリの記録された現在の稼働時間および基準時間から、ポータブルデジタルデバイスが再起動されたかどうかを決定し、そうである場合には、稼働時間を現在のクロック時間から減算し、結果を以前の起動時間として記録すること。
432) 1つの第1のエントリのために算出された以前の起動時間が、後続の第1のエントリのために算出されたものよりも遅いかどうかを決定し、そうである場合には、これらの第1のエントリのうちの少なくとも一方が誤っていると決定すること、
434) 1つの第1のエントリのために算出された以前の起動時間が、第2のエントリのために算出されたものとどれほど異なるのかを決定し、差に基づいて、次に、1つの第1のエントリを、正しいクロック時間を有するものとして、したがって、エントリが正しいと決定するか、あるいは1つの第1のエントリが誤っていると、またはエントリが正しいのか、それとも誤っているのかを決定することが可能でないと決定すること、
436) 基準時間に基づいて、後続の第1のエントリが正しいクロック時間を有していたかどうかを決定し、そうである場合には、次に、1つの第1のエントリおよび後続の第1のエントリを、それぞれ、誤って、および正しく計時されていると決定すること。
438) 記録された現在のクロック時間と、稼働時間または基準時間のどちらかとの差の急な変化を検出することによって、Nを-23~-1または+1~+23の整数として、差がN時間であるときには、時間帯の変化を補償すること、
440) 1つの稼働時間期間のために、第2のエントリの記録された現在の稼働時間と現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第1の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすること。稼働時間の期間は、ポータブルデジタルデバイスの起動(例えば、コールドブート、ウォームブート、電源投入)から次のシャットダウンまたは再起動までの期間を指し得る。第1の最大変化は、10秒、30秒、1分、2分、5分、または10分よりも大きいものであり得る。第1の最大変化は、24時間当たり、10秒、30秒、1分、2分、5分、または10分よりも大きいものであり得る。
442) 検証において、1つの稼働時間期間のために、第1のエントリの記録された現在の稼働時間と現在のクロック時間との差を決定し、その差が所定の第2の最大変化よりも大きく変化したかどうかをチェックすること、
444) 存在する場合には、第1のエントリのうちのいずれにおいて、記録された現在の稼働時間および現在のクロック時間が第2の最大変化分よりも大きく相互に変化するのかを決定し、このような第1のエントリに第2の指示を記録すること。第2の指示は、信頼性のない現在のクロック時間を指示し得る。
446) ポータブルデジタルデバイスによる暗号化の使用において、第1のエントリを暗号化すること。
448) ポータブルデジタルデバイスによる暗号化の使用において、第2のエントリを暗号化すること。
450) ポータブルデジタルデバイスによる暗号化の使用において、第1のエントリに暗号署名すること。
452) ポータブルデジタルデバイスによる暗号化の使用において、第2のエントリに暗号署名すること。
【0064】
一実施形態では、暗号化は公開鍵暗号化を採用する。
【0065】
一実施形態では、第2のエントリはユーザ情報を含む。一実施形態では、第2のエントリは第1のエントリのうちの1つである。一部の第2のエントリ内へのユーザ情報の記録、または第2のエントリを第1のエントリのうちの1つとして有することは、別個の第1および第2のエントリを記録する必要を取り除き得る。
【0066】
様々な実施形態が提示された。本文書において、単語「備える(comprise)」、「含む(include)」、および「包含する(contain)」は各々、意図された排他性を有しないオープンエンドな表現として使用されることを理解されたい。
【0067】
上述の説明は、本発明の特定の実装形態および実施形態の非限定例を用いて、本発明を実施するために発明者らによって目下企図される最良の形態の完全で情報価値のある説明を与えた。しかし、当業者には、本発明は、以上において提示された実施形態の詳細に限定されず、それは、本発明の特徴から逸脱することなく、他の実施形態において、同等の手段を用いて、または実施形態の異なる組み合わせで実施することができることが明らかである。
【0068】
さらに、本発明の以上に開示された実施形態の特徴のうちのいくつかは、他の特徴を対応して用いることなく、利益をもたらすよう用いられ得る。それゆえ、上述の説明は、その限定ではなく、本発明の原理の単なる例示と考えられるべきである。それゆえ、本発明の範囲は添付の特許請求項によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
【国際調査報告】