(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】流体をオーム加熱する装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/00 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
H05B3/00 340
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021566503
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019031752
(87)【国際公開番号】W WO2020231386
(87)【国際公開日】2020-11-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519005417
【氏名又は名称】ヒートワークス・テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】カラハン,ジェレマイア・エム.
(72)【発明者】
【氏名】ドーズバーグ,エリック・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リヨン,グレゴリー・エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィツコフスキー,マイケル・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クリオンズ,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】カトロン,ウエストン・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ハンマー,ケヴィン・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】フリン,ジェシー
【テーマコード(参考)】
3K058
【Fターム(参考)】
3K058AA02
3K058CE22
3K058CE24
3K058CE29
3K058FA03
3K058FA13
(57)【要約】
導電性液体を加熱するヒータは、互いに並列に延在する棒状電極22、122、322、422、522の2次元アレイと、複数の極を有する電源と、液体を通して極間に電流が流れるように、電極のうちの異なる電極を異なる極に接続する電力スイッチとを備える。アレイは、望ましくは、アレイの境界24、424を規定する外部電極及びこの境界内に配設される内部電極を含む。アレイは、電極間に規則的又は不規則的間隔を有することができる。アレイは、極間の電気抵抗を変動させ、したがって、加熱速度を変動させるために、多くの異なる接続方式を提供することができる。アレイは、3相電源の3つの極を通して実質的に同等の電流を提供するために配置することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、不規則な2次元アレイにおいて互いに間隔を置いて位置し、複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかにつき、1つの所与の電極と、前記所与の電極に最も近い別の2つの電極との距離が等しくない、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備える液体ヒータ。
【請求項2】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、2次元アレイに位置し、前記2次元アレイは、前記アレイの外部境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に設けられた内側電極とを有する、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備える液体ヒータ。
【請求項3】
前記アレイは、第1の方向に沿って延びる複数の電極からなる行を複数含み、各行内の電極は、前記第1の方向に沿って互いに間隔を置いて位置し、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記行は、前記第2の方向に沿って互いに間隔を置いて位置している、請求項2に記載の液体ヒータ。
【請求項4】
複数の前記行のうちの少なくとも1つの行内の電極は、前記第1の方向に沿って異なる間隔で設けられている、請求項3に記載のヒータ。
【請求項5】
複数の前記電極は、前記第2の方向に沿って延びる列内に設けられ、各列内に設けられた電極は、前記第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記列は、前記第1の方向に沿って互いに異なる間隔を置いて位置している、請求項4に記載のヒータ。
【請求項6】
前記外側電極は、中心軸の周りの外円に沿って設けられ、前記中心軸と平行に延びている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項7】
前記内側電極は、前記外円と同軸の1つ以上の内円に沿って設けられている、請求項6に記載のヒータ。
【請求項8】
前記内側電極は、前記外円と同軸の単一の内円に沿って設けられている、請求項6に記載のヒータ。
【請求項9】
M個の内側電極が前記単一の内円に沿って設けられ、N個の外側電極が前記単一の外円に沿って設けられ、N>Mである、請求項8に記載のヒータ。
【請求項10】
前記外側電極が周方向等間隔に設けられ、前記内側電極が周方向等間隔に設けられている、請求項9に記載のヒータ。
【請求項11】
N=2Mであり、各内側電極は、複数の前記外側電極のうちの2つの外側電極の周方向位置の中間にあたる周方向位置に設けられている、請求項10に記載のヒータ。
【請求項12】
前記内側電極は、前記外円よりも直径が小さい中間の円上に設けられた中間の電極と、前記中間の円よりも直径が小さい内円上に設けられた最も内側の電極とを含む、請求項7に記載のヒータ。
【請求項13】
前記アレイは、中心軸に関してN回対称である電極の3つの群を有し、前記電源は、3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、接続される電極の組を、前記接続される電極が前記中心軸に関して3回対称である電流経路が定められるように、前記接続される電極が各群の対応する電極を含むよう選択する、請求項2に記載のヒータ。
【請求項14】
前記電極は、互いに60度の角度で設けられた3つの組の行の軸に沿って延びる行に配置され、各組内の前記行の軸は等しくない間隔を置いて位置し、前記3つの組の行軸間の間隔は互いに等しく、前記行軸は、正三角形の格子が形成されるよう互いに交差し、前記電極は前記正三角形の頂点に設けられ、前記電源は3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、電極の組を前記極に接続し、前記極に接続される前記電極は、中心軸に関して3回対称であり、前記中心軸に関して3回対称である前記極の間に電流経路が定められる、請求項2に記載のヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年4月30日に出願された米国特許出願第16/346,354号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2017年11月6日に出願されたPCT国際出願PCT/US2017/060192号の国内移行出願であり、このPCT国際出願は、さらに、2017年2月13日に出願された米国仮特許出願第62/458,201号の出願日の利益を主張するとともに、2016年11月7日に出願された米国仮出願第62/418,493号の利益を主張するものである。これらの出願の開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
本開示は、オーム式流体加熱装置(あるいは流体通電加熱装置)と、流体を加熱する方法とに関する。オーム式流体ヒータは、例えば、飲料水のような電気伝導性の流体を加熱するために用いることができる。斯かるヒータは、典型的には、互いに離間した複数の電極を有する。複数の電極は加熱対象の流体と接触し、近くにある複数の電極間の空間は流体により満たされる。2つ以上の電極が電源に接続され、電極毎に異なる電位が印加される。例えば、オーム式ヒータが、家庭用電気コンセントから得られるような通常のAC商用電力により動作する場合、少なくとも1つの電極は、交流電位を保持する1つの極に接続される一方、少なくとも1つの別の電極は、中性極又は接地極を保持する反対極に接続される。電気は、電極間の少なくとも一部の空間の流体を通じて電極間を流れ、流体の電気抵抗により電気エネルギーが熱に変換される。
【0003】
加熱対象の流体の所望の温度を達成するために、斯かるヒータにおいて、電気エネルギーが熱に変換される速度(「加熱速度(heating rate)」)を制御することが望ましい。複数の電極を互いにより近くなるように機械的に移動させ、それにより、電極間の電気抵抗を変えることで、加熱速度を変えることが提案されている。しかし、流体に晒される可動部品を含む複雑な機械要素が必要である。さらに、急激に変化する条件に対処すべく斯かる機構を即座に合わせることは困難である。例えば、シャワーヘッド等の衛生器具に供給される水を加熱するための「瞬間加熱(instantaneous heating)」の装置においてオーム式ヒータが用いられる場合、当該器具の使用中は、水がヒータを通じて器具へと直に、絶えず通過する。器具の弁を開けることによるように、水の流量をユーザが突然増加させる場合、ヒータは、器具に供給される水を略一定の温度に維持するために、加熱速度が増加するように急速に反応する必要がある。
【0004】
相当数の電極と、複数の電極のうちのいくつかを電源のいくつかの極へ選択的に接続する電力スイッチとを有するオーム式ヒータの提供も提案されている。例えば、複数電極のアレイ(配列、配置)は、電極間に空間を設けて直線状に配置することができる。このアレイは、当該アレイの両端にある2つの電極と、当該両端にある2つの電極の間にある複数の中間電極とを含む。最低限の加熱速度を提供するために、両端にある電極は電源の両極に接続され、中間電極は両極から絶縁される。電流は、一方の端にある電極から第1の空間にある流体を通って、複数の中間電極のうちの最も近い電極へと流れ、その後、次の空間にある流体を通って、次の絶縁された電極へと流れ、それ以降も同様であり、ついには、最後の中間電極に達し、当該最後の中間電極から他方の端にある電極へと流れる。そのため、全ての空間中の流体は、両端にある2つの電極間で電気的に直列接続される。この接続の方式は、電源の両極間の高い電気抵抗及び低い加熱速度を提供する。
【0005】
加熱速度が最高の場合、各電極がその次の最も近い近傍の電極とは反対の極に接続されるように、全ての電極が極に接続される。言い換えると、各電極がホット極及び中性極に交互に接続される。この場合、各空間の流体は、電源の両極に直に接続されるとともに、他の全ての空間にある流体と並列に接続される。この接続方式により、極間に最小の抵抗がもたらされる。
中間の加熱速度は、複数電極の種々の組み合わせを電源の両極に接続することによって得ることができる。例えば、1つのそのような接続方式において、2つの中間電極が電源の両極に接続され、残りの電極は、電源の極から電気的に絶縁される。接続される複数の中間電極は、いくつかの別の中間電極及びいくつかの空間により互いに切り離されるため、いくつかの空間内の流体だけが両極間で直列に接続される。この接続方式による両極間の抵抗は、加熱速度が最高の方式における抵抗よりも高いが、加熱速度が最低の方式における抵抗よりも低い。所与の導電率を有する流体によって、接続方式毎に両極間の抵抗が異なり、したがって、加熱速度が異なることになる。或る接続方式による抵抗は導電率が増加すると減少する。そのため、本明細書では「比抵抗(specific resistance)」と呼ばれるパラメータを用いる。これは、流体により電気的に接続される要素を有する回路又は回路の一部を特徴付けるものである。比抵抗は、回路又は回路の一部の電気抵抗と、回路内の流体の抵抗率との比である。
【0006】
スイッチは典型的には、例えば、サイリスタのような半導体スイッチング素子等の電気制御可能なスイッチである。このタイプのオーム式ヒータは、接続方式を素早く切り換え、したがって、加熱速度を素早く切り換えることができる。このようなヒータは、加熱速度を制御するにあたり流体と接触する可動部品を必要としない。しかし、このタイプのオーム式ヒータは、電極の物理的構成、よって決まった比抵抗の組つまり加熱速度の組の中から、段階的に選択することができるにとどまる。或る特定の条件下で、利用可能な加熱速度は、所望の流体温度を生成する加熱速度に一致しない場合がある。この欠点は、大きく異なる導電率の流体、異なる速度でヒータを通して流れる流体の異なる流量、異なる流体入口温度及び異なる流体出口温度等の、或る範囲の異なる条件で使用されるヒータについてより顕著となる可能性がある。例えば、比較的高い導電率の流体を用いて低い加熱速度を提供するために使用可能な最高比抵抗と、低い導電率の流体を用いて高い加熱速度を提供するために使用可能な最低比抵抗との間で、ヒータが、異なる比抵抗の組を提供する場合、利用可能な比抵抗の小さい部分的な組のみが、特定の流体の温度を調節するために有用な範囲内にあることになる。より多くの電極を追加することは、ヒータのコスト及びサイズを増加させる。さらに、更なる電極は、冗長な接続方式を生む可能性があり、それにより、複数の接続方式のうちのいくつかの接続方式は、電源の両極間に同じ比抵抗を提供することとなり、その場合、更なる電極はほとんど利益をもたらさない。
【0007】
この問題に対する1つの解決策は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。これらの開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。これらの特許に開示されているように、例えば、複数の電極を均等ではない間隔で設けるなどのように、近くにある複数電極のペア間の比抵抗が等しくならない配置で複数の電極を設けることで、広範囲の条件下で動作するのに適したオーム式ヒータを提供することができる。望ましくは、近くにある複数電極のペア間の比抵抗は、所与の導電率の流体について、複数の接続方式を用いて利用できる電力レベルが非常に広範囲にわたって広がる非冗長な比抵抗の系列を含むものとなるように、選択される。例えば、このようなヒータは、実質的に対数の系列、すなわち、各比抵抗と次に低い比抵抗との比が実質的に一定となるような比抵抗の系列において60個以上の比抵抗を提供することができる。このような構成は、例えば、家庭温水用の瞬間ヒータのような要件の厳しい用途において商業的に採用されてきた有用な解決策を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,817,906号
【特許文献2】米国特許第8,861,943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、なお更なる改善が求められる。例えば、上述の’706号及び’943号の特許に開示されるヒータの商業的な実施態様は、誘電体ハウジング内に設けられる電気伝導性プレートであって、プレートがハウジングの内部を複数のチャネルに細かく分けるような、電気伝導性プレートの形態の電極を使用している。ハウジングは、これらのチャネルを通じて流体を方向付ける通路を含む。この構成は、例えば、個人宅又は個人用アパート用の家庭温水ヒータのような中程度サイズの量産品のヒータについてはうまく機能するが、大規模産業用及び商用ヒータについては最適でない。このようなヒータは、典型的には、用途に合わせるためカスタムサイズで注文するように構築される。カスタマイズされる構成のために必要とされる電極の特定の配置に適した複雑な誘電体ハウジングを設計し作製するコストは、相当なものになり得る。さらに、各コンポーネントは、産業用及び商用ヒータにおいて生じ得る極端な圧力及び温度等の条件に晒された場合に損傷を受ける可能性があり、修理又は交換することが難しい場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の1つの実施形態によるヒータの断面図である。
【
図3】本発明の更なる実施形態によるヒータの斜視図である。
【
図5】本発明の別の実施形態によるヒータの断面図である。
【
図6】本発明の更に別の実施形態によるヒータの断面図である。
【
図7】本発明の別の実施形態における電気回路の概略図である。
【
図8】
図7の電気回路とともに使用されるヒータを示す断面図である。
【
図9】
図8のヒータの動作時に使用される或る特定の接続パターンを示す図である。
【
図10】
図8のヒータの動作時に使用される或る特定の接続パターンを示す図である。
【
図11】
図8のヒータの動作時に使用される或る特定の接続パターンを示す図である。
【
図12】
図8のヒータの動作時に使用される或る特定の接続パターンを示す図である。
【
図13】本発明の更なる実施形態によるヒータ内の電極アレイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1つの実施形態によるヒータは、ハウジング20と、ハウジングにおいて図面の平面内で広がりを有する多数の棒状電極とを備える。これらの電極は、不規則な(あるいは一様でない)2次元のアレイ(あるいは配置)として設けられている。
図1に示すように、各電極は、円柱状であり、したがって、
図1に示すように断面が円形である。不規則なアレイにおいて、各電極には複数の近傍電極がある。例えば、電極22a、22b、22c及び22dは全て、電極22eの近傍にある。特段の指定がない限り、本明細書で使用される棒状又は円柱電極の位置は、電極の軸の位置を指す。電極22b、22c、22d、22f及び22gは、それらがともにアレイの外側境界24を定めるという点で、本明細書では「外側電極(outer electrode)」と呼ぶ。本開示において示すように、アレイの外側境界24は、複数の電極22のうちのいくつかの軸26に垂直な平面において軸間で延びている仮想的な複数の直線の、考えられる最短の組み合わせによって形成される多角形であり、全ての電極の軸が外側境界の内側か同境界上にある。これに対し、電極22e、22a及び22hは、軸26が境界24上ではなくその内側に存在するため、本明細書において内側電極と呼ぶ。
【0012】
図1の不規則なアレイにおいて、複数の電極は互いに異なる距離にある。
図1のアレイは、
図1の矢印X及びYで示すように、各電極の軸に垂直な両方向に沿った各電極の軸間の間隔という点で、2次元において不規則である。
【0013】
ヒータは電気回路(
図2)を備える。この回路は、導体38及び40の形態である2つの極を備えた電源36を有する。これらの導体は、商用主電源等の電力源に接続される。これらの導体は、動作時に極38及び40に対して異なる電位が印加されるようになっている。例えば、導体40は、典型的には、接地電圧に近い中性電圧を受ける中性導体とすることができる一方、導体38は、商用主電源から供給される交流電圧を受けることになる「ホット導体(hot conductor)」とすることができる。この特定の電源は、単一の交流電圧のみが使用される点で単相電源である。電力スイッチ48は、電極22と電力源36とに接続される。電力スイッチ48は、各電極が、極38及び40のいずれか一方に接続することができるか、又は極から絶縁されたままとすることができるように構成される。本開示において、「スイッチ(switch)」という用語は、手動で作動するか又はリレー等のデバイスによって作動することができる機械式スイッチを含み、また同様に、非常に高いインピーダンスを有する非導電性状態と非常に低いインピーダンスを有する導電性状態との間で切り替わるように作動することができる半導体デバイスを含む。半導体スイッチの例は、トライアック、MOSFET、サイリスタ、及びIGBT等の素子を含む。図示の特定の構成において、2つの別々の単一極スイッチは各電極22に関連付けられ、各スイッチは、関連する電極を両極のうちの異なる極に接続するようになっており、両スイッチが開放しているとき電極は両極から切り離される。しかし、この構成は、他の任意の、電気的に等価なスイッチング構成に置き換えることができる。
【0014】
動作時において、例えば、飲料水等の導電性液体のような電気伝導性流体は、当該流体がハウジング内の空間を満たすとともに電極22の表面と接触するようにして、ハウジング20を通過する。複数の電極22のうちの1つ以上は電力スイッチ48によりホット極38に接続される一方、複数の電極22のうちの1つ以上は中性極40に接続されるため、電流は、ハウジング内の流体を通って両極間を流れる。電流は、両極間の抵抗に反比例して変化する。両極間の抵抗は、互いに並列な、異なる極に接続された電極のペアの間の流体を通る電流経路の全ての比抵抗に依存する。さらに、この構成において、複数の電極のうちの或る1つの電極と複数の電極のうちの他の全ての電極の各々との間に流体を通る導電性経路が存在する。例えば、電極26c及び22gのみが両極に接続される場合、電流はこれらの電極間を流れることになる。電極22e及び22h等の他の電極が、流れる電流の経路内にあり、これらの電極は電気伝導性があるため、電流の一部は、これらの電極を通過することになり、電極22cと22bとの間の電流経路の比抵抗は、電極22e及び22hが無かった仮想システムとは大きく異なることになる。隣接した電極22c及び22bのみが両極に接続される場合、電流は、これらの電極間を流れることになる。電流は、チャンバ内の全ての流体を通って流れるが、この流れの支配的な流路は、2つの電極を結ぶ直線の近くに存在する。そのため、電極26e等の他の電極の存在は電流に対して或る程度の影響を及ぼすことになるが、この作用は上記例の電極22e及び22hの作用に比べて小さい。複数の電極における電極間の、流体を通じた距離が互いに異なるため、また、他の電極の作用が異なるものであるため、2つの電極の異なるペア間の比抵抗は互いに異なる。これに関して、内側電極は、いくつかの電極を極38及び40に接続することにより形成することができる、両極との間の広範囲の比抵抗をもたらすのに役立つため、ヒータは、広範囲の加熱速度、及び、この範囲内の多くの異なる加熱速度を提供することができる。この広範囲の加熱速度を、コンパクトなユニットにおいて提供することができる。特に、アセンブリは、電極の軸と交わる方向の寸法をコンパクトにすることができる。これは、加熱対象の液体が圧力下にあるため、電極を保持するハウジングが圧力容器でなければならない場合に特に望ましい。所与の圧力に耐えるために必要とされる圧力容器の壁のコスト及び重量は、容器の断面寸法が増加するにつれ、増加する。
【0015】
上述のヒータは、必要に応じて制御回路56(
図2)を更に備える。特定の制御回路を本明細書で示し説明するが、スイッチを手動で制御することによってヒータを制御することができ、制御回路を省略できることが理解されるべきである。特定の制御回路56は、制御処理ユニット58と、ヒータの1つ以上の動作パラメータを検知する1つ以上のセンサとを備える。1つの例において、1つ以上のセンサは、出口温度センサ(不図示)のみを含むことができ、出口温度センサは、ヒータから放出される流体の温度を検出するためにハウジング20の出口内に、又はその近くに物理的に取り付けられる。温度センサは、例えば、1つ以上の熱電対、サーミスタ、及び温度とともに変化する電気抵抗を有する抵抗素子のような従来の素子を含むことができる。制御処理ユニット58は、電力スイッチ48と接続されるため、スイッチを作動させて、説明に係る種々の接続方式を提供することができる。制御処理ユニットは、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ、又は他の従来の記憶素子等のメモリ70を備えることができる。メモリは、望ましくは、スイッチの動作によって実現可能な種々の接続方式のうちの少なくとも一部についてのデータを記憶する。各接続方式についてのテーブル内のデータは、特定の接続方式を構成する電力スイッチ48のそれぞれについての設定、及び、それらの比抵抗の順での記憶済みの接続方式のランク付けを、明示的に又は暗黙的に指定するデータを含むことができる。例えば、各接続方式についてのデータは、その接続方式についての極間の比抵抗、又は、所与の導電率の流体で空間が満たされる場合について全て測定又は計算される種々の接続方式についての、抵抗若しくは導電率の値等の等価なデータを含むことができる。あるいは、明示的なデータは、各接続方式についての単なる序数とすることができる。暗黙的なランク付けの例において、各接続方式についてのスイッチ設定を指定するデータは、メモリ内のアドレスに記憶することができ、それにより、最小アドレスのデータは、最小の比抵抗を有する接続方式についてのスイッチ設定を指定し、その次に小さいアドレスのデータは、その次に小さい比抵抗を有する接続方式についてのデータを指定し、以降も同様である。
【0016】
制御処理ユニット58は、メモリ70に接続されたロジックユニット72を更に備える。ロジックユニットは、例えば、ロジックユニットから供給される信号を、スイッチを作動させる適切な電圧又は電流へと変換する従来のドライバ回路(不図示)によるなどして、電力スイッチ48に接続される1つ以上の出力を有する。ロジックユニットは、本明細書で述べる動作を実施するようにプログラムされる汎用プロセッサ、ハードワイヤードロジック回路、プログラマブルゲートアレイ、又は、本明細書で説明する動作を実施することが可能な任意の他のロジック素子を含むことができる。「ユニット(unit)」という用語を本明細書で用いているが、これは、ユニットを構成する素子が単一の位置に設けられることを必要とするものではない。例えば、制御処理ユニットの各部分、又は、ロジックユニットの各部分は、物理的に離れた位置に設けることができ、任意の通信媒体を通して互いに動作可能に接続することができる。
【0017】
動作時に、制御ユニットは、最大の比抵抗(最低の加熱速度)に係る接続方式についてのスイッチ設定データを取得し、それに従ってスイッチを設定することによって、ヒータを始動させ動作状態にすることができる。それにより、この接続方式は、使用時の第1の接続方式として設定される。始動後、制御ユニットは、出口温度センサによって得られた流体の出口温度を設定点温度と定期的に比較する。
出口温度が設定点温度から所定の許容差を引いた値よりも低い場合、制御ユニットは、より高い加熱速度を提供するために、そのとき使用している接続方式よりも一段階低い比抵抗を有する接続方式に関するスイッチ設定データを取得し、それに従ってスイッチを設定する。このプロセスは、出口温度が設定点に達するまで定期的に繰り返される。
出口温度が設定点に所定の許容差を加えた値を上回る場合、制御ユニットは、加熱速度を下げるために、次の周期で一段階高い比抵抗を有する接続方式を選択する。
このようにして、制御ユニットは、流体を所望の出口温度とするための加熱速度に最終的に落ち着くことになる。望ましくは、制御システムは、電源のホット極38に印加される交流電圧がゼロになるか又はゼロに近くなるときに、制御方式を変更するためにスイッチを作動させる。そのようなゼロ交差時間は、従来のAC波形の各周期中に2回起こる。この構成により、スイッチングの過渡事象及び電気ノイズの発生が最小限となる。
別の実施形態においては、制御ロジックは、極間の測定電流及び液体の測定流量を用いて、ヒータにおける予測温度上昇値を求め、その予測温度上昇値を、ヒータに入る液体の測定入口温度に加えて、予測出口温度を得ることができる。予測出口温度が、設定点温度から許容差を引いた値よりも低い場合、制御ロジックは、電流を増加させるために、低い比抵抗を有する接続方式に切り替える。予測出口温度が設定点温度を上回る場合、制御ロジックは逆の動作を行う。
【0018】
ヒータの電気回路は、必要に応じて、1つ以上の分路バス(shunting bus)52及び分路スイッチ50を備える。1つ以上の分路スイッチ50は、各電極を1つ以上の分路バスに接続するとともに、各電極を1つ以上の分路バスから切り離すように動作可能である。各分路バスは、極に接続されない任意の2つの電極間に低抵抗の導電性経路を確立するために用いることができる。電極22c及び22gのみが電源の両極に接続され、他の電極が電源の極から切り離され、分路バスからも切り離されている上記例において、電流経路の比抵抗は比較的高い。しかし、電極22h及び22eがともに分路バスに接続される場合、導電性経路は、並列の2つの経路の組み合わせ、すなわち、上述の電極22cから直に電極22gに至る第1の経路と、電極22cから電極22eまで向かい分路バスを通って電極22hまで、そして、電極22hから電極22gまでの第2の経路との組み合わせとなる。分路スイッチ50及び分路バス52はインピーダンスが非常に低いため、電極22e及び22h並びに分路バスを通る経路が支配的となる。この事例において、電極22cと22gとの間の比抵抗は、ずっと低いことになる。分路バスが含まれる場合、別の、異なる比抵抗を有する別の接続方式がもたらされる。これらの、別の接続方式は、制御ユニット56のメモリ70に記憶される種々の接続方式及び種々の接続方式の比抵抗を指定するデータに含まれる。制御ユニットは、分路スイッチ52と接続し、必要に応じて分路スイッチを開放あるいは閉鎖することができる。
【0019】
棒状電極は、ヒータの構成を大幅に簡略化する。例えば、
図3に示すように、ハウジングは、一対の端壁104及び106を有する細長い中空本体102とすることができる。円柱電極122は、端壁104内の穴108(
図4)を通って延びている。説明をわかりやすくするために、2つの電極122のみを
図3に示しているが、実際には、電極アレイは、望ましくは、互いに平行に、かつ本体102の長手軸110と平行に延びる多くの電極を有する。電極は、単純に所望の構成で穴108を形成することによって、任意の所望のアレイで位置決めすることができ、それにより、特定の用途のためのヒータのカスタマイズが容易になる。電極間の別個の通路を通して流体を送る手の込んだバッフルシステムの必要性は無い。中空本体の端壁は、ポリマー等の誘電体材料から形成することができ、あるいはその他の場合、金属等の導電性材料から形成し、穴108内に誘電体スリーブ(不図示)を設けることができる。電極の露出端125は、電気回路に容易に接続することができる。壁を通るチューブ等の要素を固定するために一般に使用される既知の技法のうちの任意の技法により、端壁を通る個々の電極を所定の場所に固定し、端壁にシールすることができる。例えば、シールは、電極上の溝128内に設けられたOリング126によって形成することができ、穴108内の対応するねじ山(不図示)に係合する電極のねじ山(不図示)により所定の位置に固定することができる。電極は、必要に応じて、容易に取り外し、点検又は取り替えることができる。入口(不図示)及び出口(不図示)は、ヒータの内部を通じて流体を流すために、対向する端壁104及び106に設けられる。
【0020】
本発明の更なる実施形態に係るヒータは、
図5に示すように、紙面に垂直な方向に沿って互いに平行に延びる棒状電極322のアレイを備える。この実施形態において、アレイは、部分的に規則的であるとともに部分的に不規則である。複数の電極は、矢印「Y」で示す方向に延びる列301と、方向Yに垂直な矢印「X」で示す方向に延びる行とに沿って設けられ、両方向はいずれも電極の軸に対して垂直である。例えば、電極322aa、322ab及び322acは列301aを形成する一方、電極322aa、322ba、322ca、322da及び322eaは行303aを形成する。各行内の電極は、Y方向において同じ位置に配設される。電極は、Y方向において互いに規則的な間隔を置いて位置するため、隣接する行303同士のY方向に沿った距離は同じである。各列内の電極は、X方向において同じ位置に設けられる。しかし、互いに隣接する列間の距離Cは互いに等しくないため、複数の列はX方向において互いに不規則な間隔を置いて位置している。例えば、列301aと列301bとの間の距離C
abは、列301bと列301cとの間の距離C
bcよりも大きい。
図5のアレイにおいて、外側の列301a及び301eに設けられている電極並びに外側の行301a及び301cに設けられている電極は、外側電極を構成し、アレイの境界を定めている一方、外側の行にも外側の列にも位置していない電極(電極322bb、電極322cb及び電極322db)は、境界内に位置する内側電極を構成する。
【0021】
図5のアレイは、誘電体の壁を有するハウジング320内に設けられている。図示している特定の実施形態において、ハウジングは、ヒータを通過する液体が、電極の軸と交差する方向において、この場合、X方向において、入口307からアレイを通って出口309まで支配的に流れるように構成されている。ここでもやはり、アレイの個々の空間を通じて流体を送るために複雑な構造は必要とされない。あるいは、電極の軸に平行な方向に沿って全体的にフローの向きを定めることができる。
【0022】
電極322は、上記で論じたものと同様の電源に接続されるため、各電極は、電源の一方又は他方の極に接続することができるか、又は、切り離されたままにすることができる。電源が、上記で論じた分路バスを含む場合、電源は、両極から切り離された電極のうちの2つ以上を、上記で論じた分路バスに接続することができる。このタイプのアレイは、電源の極間に多くの異なる比抵抗を提供する電流経路の多くの組み合わせを提供することができる。
【0023】
図5を参照して上記で述べたアレイの変形例においては、列間の間隔の一部又は更には全てを、互いに等しくすることができる。間隔Cの全てが同じである特別な場合、アレイは、完全に規則的なアレイである。しかし、この場合でも、複数の比抵抗を伴うかなりの数の導通方式を提供することができる。
図1のヒータに関連して上記で論じたように、電源の両極に接続される所与の対の電極間の比抵抗は、他の電極の影響を受けることになり、この作用は、接続されている電極の対に対する他の電極の位置によって変動する。この作用は、アレイが提供することができる導通方式の数を増加させる。例えば、
図5のアレイにおいて、電極322aaと322abとの間の比抵抗は、電極322baと322bbとの間の比抵抗と異なることになる。後者の電極の対(322ba及び322bb)は、極めて近接した4つの他の電極を有する一方、前者の電極の対(322aa及び322bb)は、極めて近接した2つの他の電極のみを有する。一般に、互いに所与の距離に設けられた一対の外側電極間の比抵抗は、同じ距離に設けられた一対の電極であって、その対が1つ以上の内側電極を含む、一対の電極間の比抵抗とは異なることになる。この作用は、電極間の距離が比較的小さいコンパクトなアレイにおいてはより大きい。コンパクト性の1つの尺度は、近傍電極間の平均距離である。例えば、平均距離は、個々の電極の平均直径の5倍よりも小さく、より望ましくは、個々の電極の平均直径の3倍よりも小さく、なおより望ましくは、個々の電極の平均直径の2倍よりも小さいものとすることができる。
【0024】
本発明の更なる実施形態に係るヒータ(
図6)は、ハウジング420と、中心軸410を中心とする半径R
Oの外円401上に設けられた外側電極を含む棒状電極422のアレイとを備えている。円410は、わかりやすくするために実線で示しているが、これは電極の位置であって物理的な構造ではない。12個の外側電極が設けられ、これらは、規則的な周方向間隔αを置いて位置し、α=30度である。外側電極はアレイの境界を正十二角形424として定め、その一部分のみを
図6に示している。アレイは、外円及び中心軸410と同心の、内円403上に規則的な周方向間隔2αを置いて位置する6個の内側棒状電極423を更に有する。内円の半径R
Iは半径R
Oよりも小さい。内側電極のうちの第1の内部電極423aは、中心軸410の周りに、外側電極のうちの第1の外部電極422aからα/2度だけ周方向にずれている。そのため、内側電極423のうちの残りの全ての内側電極も、最も近い2つの外側電極の周方向位置間の中間の周方向位置にある。全ての電極は、互いに平行かつ中心軸410と平行に延びている。この実施形態においても、電極のそれぞれを、電源のいずれかの極に接続するか又は電源から切り離したままにすることができる。分路バスが設けられる場合、電源から切り離される電極は、分路バスに接続することができる。ここでもやはり、この電極のアレイは、或る程度の規則性を有するが、電極の種々の組み合わせによってかなりの数の特有の比抵抗がもたらされる。この構成の変形例において、内側電極423間の周方向間隔、外側電極442間の周方向間隔、又は両方を、完全に又は部分的に不規則なものとすることができる。更なる変形例において、アレイ内に更なる電極を加えることができ、これらの電極は、別の円上に設けることができる。更に別の変形例において、内側電極は、外円と同心でない内円上に設けることができる。
【0025】
3相電力は一般に、キロワット以上のオーダの電力を消費する大規模産業用及び商用電気機器に電力を供給するために使用される。3相電力とともに使用するための電源536は、互いに位相が120度だけずれた、すなわち、0度、120度、及び240度の位相角の、同等の大きさの交流電位を受ける3相商用回路(不図示)に接続可能な3つの極540、542及び546を備える。ここでもやはり、電力スイッチ548が、各電極を両極のうちの1つの極に選択的に接続するために設けられる。説明をわかりやすくするために、複数の電極522のうちの2つの電極のみを
図7に示しており、電力スイッチ548の同じ構成は、典型的には全ての電極について設けられる。電力スイッチは、任意の電極を任意の極に接続することができるように、各電極に関連する3つのスイッチを含むものとして示している。しかし、多くの場合、これらのスイッチの全てを含む必要は無い。例えば、電力スイッチは、各電極について単一スイッチのみを含むことができるため、所与の電極を、両極のうちの1つの極に接続するか又は切り離されたままにすることができる。この場合、異なる電極に関連する複数の電力スイッチは、各電極を異なる極に接続する。必要に応じて、1つ以上の分路バス552及び分路スイッチ550を設けることもできる。3相動作において、電流は、極の各対間で、すなわち、極540と542との間で、極540と544との間で、そして、極542と544との間で、電極を通り、かつ、流体内の電流経路を通って流れる。
図7に示す3相電源の動作において、これらの3つの電流のフローを互いに等しく維持することが非常に望ましい。換言すれば、極の各対間の電気抵抗は、望ましくは、極の他の対間の電気抵抗と等しい。電極と接触する流体の電気抵抗率が流体内の各電流経路に沿って同じであると仮定すると、極の各対間の比抵抗は等しいほうがよい。
【0026】
図8に、
図7の電源とともに使用することができる1つのヒータを示す。ヒータは、誘電体ハウジング520内に設けられた複数の電極522を備える。電極は、望ましくは、
図8に示すように六角形格子の位置に設けられる。ここでもやはり、電極522の全てが、棒状であり、かつ、紙面に垂直な方向に沿って互いに平行に延びている。六角形格子において、複数の電極は、互いに60度の角度の方向を有する行に設けられ、各行内の電極の中心は、行方向に延びる行の軸(
図9においてA、B、及びCで示す)上に位置する。説明をわかりやすくするために、いくつかの行のみを
図9に示しているが、電極の別の行に沿って延びる同様の行の軸が存在する。互いに平行な行の軸は、多くの正三角形の頂点に交差点を定めるべく、互いに同一間隔で設けられ、アレイの軸は、頂点のうちの少なくともいくつかの頂点に設けられる。ここでもやはり、アレイは、この実施形態においては外側の正六角形を定める外側電極と、内側六角形を定める内側電極とを有する。行の軸は、中心となる点510も定める。中心軸は、中心点を通り電極の軸と平行に延び、アレイは中心軸に関して6回対称である。
【0027】
同じアレイを、同心円上に設けられる電極の配置として説明することもできる。内側の六角形上に設けられる電極の全ては、中心点を中心とする半径R
Iの内円(不図示)上に存在し、外側の六角形の角に配設される電極は、内円及び中心点510と同心の半径R
Oの最も外側の円(不図示)上に存在する。
図9において影で示す、外側の六角形の辺上の電極は、内円及び外円と同心の半径R
INTの中間の円(不図示)上に設けられる。ただし、R
I<R
INT<R
Oである。
【0028】
電源は、接続方式において複数の電極のうちの少なくともいくつかを電源の極に接続するように構成される。それにより、接続される電極は、電源の極540、542、及び544のうちの異なる極に接続された3セットの電極を含む(
図7)。
図9に1つのそのような接続方式を示しており、第1のセット(あるいは組)内の電極522a、第2のセット内の電極522b及び第3のセット内の電極522cを、異なるクロスハッチングで示す。この特定の方式において、アレイ内の電極522の全ては、極間の低い比抵抗を提供するために極に接続される。別のパターン(
図10)において、電極の各セット522a、522b、及び522cは、1つの電極のみを含み、これらの電極は、六角形アレイの角の外側電極であり、極間の非常に高い比抵抗を提供し、したがって、最低の加熱速度を提供する。このパターンにおいて、残りの電極は、電源の極から切り離される。極間の多くの異なる比抵抗を提供する多くの中間的な方式を設けることができ、
図11に1つのそのような中間的な方式を示す。上記で論じた接続方式のそれぞれにおいて、接続される各電極及び他の2つのセットの対応する電極は、アレイの中心軸上に中心を有する正三角形の頂点に設けられる。例えば、
図11において、電極522a1、522b1及び522c1は、1つの正三角形の頂点に設けられる一方、電極522a2、522b2、及び522c2は、別の正三角形の頂点に設けられる。言い換えると、上記で論じた接続方式のそれぞれにおいて、各セット内の接続される電極は、別のセットの位置から中心軸510周りに120度回転した別のセット内の接続される電極の位置に設けられる。これらの接続方式において、電極のセットは、中心軸に関して3回対称である。そのため、これらの電極のセットは、電源の3つ全ての対の極間の略一致した電流経路を提供し、電流経路に対する近傍の電極の作用は同一であることになる。したがって、これらの接続方式は、極間の略同等の比抵抗を提供する。
図12に示すような他の接続方式において、接続される電極522a、522b及び522cは、中心軸512を中心としない正三角形の頂点に設けられる。複数の導電性経路は、長さが同等であり、近傍電極の作用の差によってもたらされる場合がある任意の差を除けば、比抵抗が等しいことになる。
【0029】
極間に等しい比抵抗が提供されることが望ましいが、完全な同等性は必要ではない。そのため、接続方式は、不等性がもたらされるように、極のうちの1つ又は2つに接続された1つ以上の電極を有することができる。しかし、少なくとも電流のかなりの部分、そして望ましくは、少なくとも電流の大部分が、等しい比抵抗の電流経路を通って流れるように電極を選択することが望ましい。これは、異なる位相の電流において限られた量の不平衡のみを導入しながら、完全な同等性によって達成可能である加熱速度とは異なる別の加熱速度を提供することができる。この方式の変形例において、等しくない電流フローをもたらす複数の電極を、周期的に接続することができる。各周期において、1つの極を通る最大電流を有する、等しくない電流フローをもたらす電極は、或る期間の間にわたり接続されたのち、切り離され、第2の電極であって、当該第2の極を通って方向付けられる最大電流を有する対応する、等しくないフローをもたらす、第2の電極に置き換えられ、第2の電極は、その後、切り離され、第3の電極であって、当該第3の極を通る最大電流を有する対応する、等しくない電流フローをもたらす、第3の電極に置き換えられる。第3の電極は、次の周期の始めに、切り離され、第1の電極に置き換えられる。こうして、等しくない電流フローは、極の間を回転し、それは、位相間に過剰電流の作用を分配する。
【0030】
正六角形アレイ以外のアレイは、上記で論じた3回対称を有する電流経路を提供することができる。例えば、
図13に示す電極のアレイは、3つの群の電極622a、622b、及び622cを含む。各群内の電極は、同じ陰影で示している。各群内の電極は、中心軸610から不規則な半径にかつ軸の周りに周方向において不規則な間隔で設けられる。しかし、群は互いに一致するが、各群は、別の群の位置から120度回転している。電源は、接続される電極が3つ全ての群内の対応する電極を含むものとなるように、電極のセットに接続されるようになっている。ここでもやはり、アレイは、中心軸に関して3回対称であり、したがって、電極は、中心軸610に中心を有する正三角形の頂点に位置する。
【0031】
分路バスが、軸周りに3回対称なアレイとともに使用される場合、3つの分路バスは、各バスによって互いに接続される電極のセットが、別のバスによって接続される電極のセットと同等であるが、そのような別のセットの位置から120度回転したものとなるように使用することができる。
【0032】
上記の議論において、ヒータを通過する液体が一様な抵抗率を有することを仮定している。しかし、ほとんどの液体の抵抗率は、液体の温度とともに変動する。液体のフローが電極の軸と略平行である場合、この作用は、電流経路の全てに同等に影響を及ぼす傾向がある。より熱い液体がより低い抵抗率を有する場合、電極の下流端に近い各電流経路のその部分は、上流端に近い同じ経路の部分よりも大きい電流を保持することになるが、種々の経路によって保持される電流間の関係は、影響を受けないことになる。しかし、電極及び流体フローの方向が水平に延びる場合、対流は、より熱い液体が、アレイの上部の近くに位置する電流経路を通って優先的に流れるようにさせる場合がある。アレイが3相電力源に接続される場合、これは、極間の非対称な電流フローにつながる場合がある。この作用を抑制すべく、液体が全体的に螺旋の経路に追従するものとなるように、ハウジングの軸周りに回転フローが生じるように、ハウジング内に羽根(不図示)を設けることができる。同じ作用は、ハウジングに入る、ハウジングから出る、又は両方の流体フローが、ハウジングの軸周りに回転フローが生じることになるように、入口、出口、又は両方を構成することによって達成することができる。
【0033】
上記で論じた実施形態のそれぞれにおいて、棒状電極は、直円柱の形態である。しかし、他の細長い棒状素子を使用することができる。例えば、棒状素子はテーパ付きであるものとすることができる。更に別の構成において、棒状電極は、液体に晒される電極の領域において円ではない断面形状を有することができる。これらの電極は、ハウジングの壁に貫入する電極の領域においては円断面形状を提供するために、全体的に円柱状又は円錐状とすることができる。
【0034】
上記で論じた実施形態において、複数の電極は直径が同等である。しかし、電極の直径は、異なっていてもよい。同様に、
図8に示した格子の構成は、全て同等な間隔で設けられた電極を有する。この構成は、或る程度変えてもよい。例えば、中間の円の直径は、中心軸から外側に中間円上の電極を移動させるためにわずかに増加させてもよい。この事例において、
図12に示した、接続される3つの電極のより小さい三角形のセットは、接続される電極間に同等の距離を有しないことになり、したがって、或る位相不等性を生じさせる場合があるが、更なる特有の比抵抗が存在することになる。
図8のアレイは、アレイ全体が中心軸周りにN(Nは3又は3の倍数である)回対称であるアレイの1つの例にすぎない。さらに、
図8のアレイは、別の軸に関してN回対称である電極の下位群を含む。これらの特性のいずれか又は両方を有する他のアレイは、3相平衡を提供するために使用することができる。
【0035】
上記で論じた構成の全てにおいて、電極の数を必要に応じて変えることができる。
【0036】
上記で述べた特徴のこれら及び他の変形及び組み合わせを使用することができる。そのため、上記説明は、本発明を限定するものとしてではなく、例示として解釈すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、
前記複数の電極は、2次元アレイにて配置され、前記アレイの外側境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に配置された複数の内側電極とを含む、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して
、前記チャンバ内の液体を通じて
異なる前記極に接続された複数の前記電極間で複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備え
、
前記アレイは、第1の方向に沿って延びる複数の電極からなる行を複数含み、各行内の電極は、前記第1の方向に沿って互いに間隔を置いて位置し、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記行は、前記第2の方向に沿って互いに間隔を置いて位置している、
液体ヒータ。
【請求項2】
複数の前記行のうちの少なくとも1つの行内の電極は、前記第1の方向に沿って異なる間隔で設けられている、請求項
1に記載のヒータ。
【請求項3】
複数の前記電極は、前記第2の方向に沿って延びる列内に設けられ、各列内に設けられた電極は、前記第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記列は、前記第1の方向に沿って互いに異なる間隔を置いて位置している、請求項
2に記載のヒータ。
【請求項4】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、2次元アレイに位置し、前記2次元アレイは、前記アレイの外
側境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に設けられた内側電極とを有する、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備え
、
前記外側電極は、中心軸の周りの外円に沿って設けられ、前記中心軸と平行に延びている、
液体ヒータ。
【請求項5】
前記内側電極は、前記外円と同軸の1つ以上の内円に沿って設けられている、請求項
4に記載のヒータ。
【請求項6】
前記内側電極は、前記外円と同軸の単一の内円に沿って設けられている、請求項
4に記載のヒータ。
【請求項7】
M個の内側電極が前記単一の内円に沿って設けられ、N個の外側電極が前記単一の外円に沿って設けられ、N>Mである、請求項
6に記載のヒータ。
【請求項8】
前記外側電極が周方向等間隔に設けられ、前記内側電極が周方向等間隔に設けられている、請求項
7に記載のヒータ。
【請求項9】
N=2Mであり、各内側電極は、複数の前記外側電極のうちの2つの外側電極の周方向位置の中間にあたる周方向位置に設けられている、請求項
8に記載のヒータ。
【請求項10】
前記内側電極は、前記外円よりも直径が小さい中間の円上に設けられた中間の電極と、前記中間の円よりも直径が小さい内円上に設けられた最も内側の電極とを含む、請求項
5に記載のヒータ。
【請求項11】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、2次元アレイに位置し、前記2次元アレイは、前記アレイの外部境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に設けられた内側電極とを有する、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備え、
前記アレイは、中心軸に関してN回対称である電極の3つの群を有し、
Nは3又は3の倍数であり、前記電源は、3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、接続される電極の組を、前記接続される電極が前記中心軸に関して3回対称である電流経路が定められるように、前記接続される電極が各群の対応する電極を含むよう選択する、
液体ヒータ。
【請求項12】
各群における複数の前記電極は、前記中心軸から不規則な半径に、かつ、前記軸の周りに周方向において不規則な間隔で設けられている、請求項11に記載の液体ヒータ。
【請求項13】
前記電力スイッチは、接続される電極の組を選択し、
接続される複数の前記電極は、各群の対応する電極を含み、
接続される複数の前記電極により前記中心軸に関して3回対称である電流経路が定められることで、前記電源の複数の極間で等しい電流フローを有する電流経路がもたらされ、
接続される複数の前記電極は、前記電源の複数の極間で等しくない電流フローを有する電流経路をもたらす他の電極を含み、
等しい電流フローの前記経路により、複数の前記極間に流れる電流の少なくとも大部分が伝わる、
請求項11に記載の液体ヒータ。
【請求項14】
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、2次元アレイに位置し、前記2次元アレイは、前記アレイの外部境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に設けられた内側電極とを有する、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備え、
複数の前記電極は、
六角形アレイにて配置され、外側の正六角形を定める外側電極と内側の六角形を定める内側電極とを含み、前記アレイは、互いに60度の角度で設けられた3つの組の行の軸に沿って延びる行
を含み、各組内の前記行の軸は等しくない間隔を置いて位置し、前記3つの組の行軸間の間隔は互いに等しく、前記行軸は、正三角形の格子が形成されるよう互いに交差し、前記電極は前記正三角形の頂点に設けられ、前記電源は3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、
前記電極の組を前記極に接続し、前記極に接続される前記電極は、中心軸に関して3回対称であり、前記中心軸に関して3回対称である前記極の間に電流経路が定められる、
液体ヒータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
上記で述べた特徴のこれら及び他の変形及び組み合わせを使用することができる。そのため、上記説明は、本発明を限定するものとしてではなく、例示として解釈すべきである。
なお、特願2021-566503の出願当初の特許請求の範囲は以下のとおりである。
[請求項1]
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、不規則な2次元アレイにおいて互いに間隔を置いて位置し、複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかにつき、1つの所与の電極と、前記所与の電極に最も近い別の2つの電極との距離が等しくない、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備える液体ヒータ。
[請求項2]
(a)チャンバと、
(b)前記チャンバ内に設けられ、互いに略平行に延びる複数の棒状電極であって、2次元アレイに位置し、前記2次元アレイは、前記アレイの外部境界をともに定める複数の外側電極と、前記境界内に設けられた内側電極とを有する、複数の棒状電極と、
(c)少なくとも2つの極を有し、複数の前記極の幾つかに異なる電位を供給する電源と、
(d)複数の前記電極のうちの少なくとも幾つかと前記極とに電気的に接続され、複数の前記電極の各々を複数の前記極のいずれかに選択的に接続するとともに、複数の前記電極の各々を前記極から選択的に切り離して、異なる前記極に接続された複数の前記電極間で前記チャンバ内の液体を通じて複数の電流経路を形成する電力スイッチと
を備える液体ヒータ。
[請求項3]
前記アレイは、第1の方向に沿って延びる複数の電極からなる行を複数含み、各行内の電極は、前記第1の方向に沿って互いに間隔を置いて位置し、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記行は、前記第2の方向に沿って互いに間隔を置いて位置している、請求項2に記載の液体ヒータ。
[請求項4]
複数の前記行のうちの少なくとも1つの行内の電極は、前記第1の方向に沿って異なる間隔で設けられている、請求項3に記載のヒータ。
[請求項5]
複数の前記電極は、前記第2の方向に沿って延びる列内に設けられ、各列内に設けられた電極は、前記第2の方向に沿って互いに整列し、複数の前記列は、前記第1の方向に沿って互いに異なる間隔を置いて位置している、請求項4に記載のヒータ。
[請求項6]
前記外側電極は、中心軸の周りの外円に沿って設けられ、前記中心軸と平行に延びている、請求項1に記載のヒータ。
[請求項7]
前記内側電極は、前記外円と同軸の1つ以上の内円に沿って設けられている、請求項6に記載のヒータ。
[請求項8]
前記内側電極は、前記外円と同軸の単一の内円に沿って設けられている、請求項6に記載のヒータ。
[請求項9]
M個の内側電極が前記単一の内円に沿って設けられ、N個の外側電極が前記単一の外円に沿って設けられ、N>Mである、請求項8に記載のヒータ。
[請求項10]
前記外側電極が周方向等間隔に設けられ、前記内側電極が周方向等間隔に設けられている、請求項9に記載のヒータ。
[請求項11]
N=2Mであり、各内側電極は、複数の前記外側電極のうちの2つの外側電極の周方向位置の中間にあたる周方向位置に設けられている、請求項10に記載のヒータ。
[請求項12]
前記内側電極は、前記外円よりも直径が小さい中間の円上に設けられた中間の電極と、前記中間の円よりも直径が小さい内円上に設けられた最も内側の電極とを含む、請求項7に記載のヒータ。
[請求項13]
前記アレイは、中心軸に関してN回対称である電極の3つの群を有し、前記電源は、3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、接続される電極の組を、前記接続される電極が前記中心軸に関して3回対称である電流経路が定められるように、前記接続される電極が各群の対応する電極を含むよう選択する、請求項2に記載のヒータ。
[請求項14]
前記電極は、互いに60度の角度で設けられた3つの組の行の軸に沿って延びる行に配置され、各組内の前記行の軸は等しくない間隔を置いて位置し、前記3つの組の行軸間の間隔は互いに等しく、前記行軸は、正三角形の格子が形成されるよう互いに交差し、前記電極は前記正三角形の頂点に設けられ、前記電源は3つの極を有する3相電源であり、前記電力スイッチは、電極の組を前記極に接続し、前記極に接続される前記電極は、中心軸に関して3回対称であり、前記中心軸に関して3回対称である前記極の間に電流経路が定められる、請求項2に記載のヒータ。
【国際調査報告】