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特表2022-537667CF、COPD、及び気管支拡張症の治療のためのピリジン及びピラジン誘導体
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  • 特表-CF、COPD、及び気管支拡張症の治療のためのピリジン及びピラジン誘導体 図1
  • 特表-CF、COPD、及び気管支拡張症の治療のためのピリジン及びピラジン誘導体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】CF、COPD、及び気管支拡張症の治療のためのピリジン及びピラジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/44 20060101AFI20220822BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/4965 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220822BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220822BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220822BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A61K31/44
A61K31/443
A61K31/4545
A61K31/497
A61K31/5377
A61K31/4965
A61K31/444
A61K31/4439
A61K45/00
A61P11/00
A61P31/04
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572601
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 IB2020055383
(87)【国際公開番号】W WO2020250116
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/859,442
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/025,567
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】グラント,サラ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ヘデラー,ベティナ
(72)【発明者】
【氏名】ランゲニケル,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ローランズ,デビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ストリーター,ロバート マーティン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャンビン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA591
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC082
4C084ZC412
4C084ZC422
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086BC21
4C086BC36
4C086BC48
4C086BC68
4C086BC69
4C086BC73
4C086GA02
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZB35
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、気管支拡張症、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気道感染症、肺癌、口内乾燥及び乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)、又は便秘(IBS、IBD、オピオイド誘導性)を治療するために変異体及び/又は野生型CFTRの機能を回復させるか又は増強するピリジン及びピラジン誘導体を提供する。そのような誘導体を含む医薬組成物もまた包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管支拡張症を治療するための方法であって、
有効量の少なくとも1つの式(I)
【化1】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含み、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、-(CH-NR1718、-(CH-OR;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-CO15;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
がHであり、且つRが、-(CH-NR1718、-(CH-OR、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(前記複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが合わせてオキソ基(C=O)を形成し、且つRが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、前記環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、前記環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;前記アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、前記アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【請求項2】
Aが、CR4aである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;NR1112、C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-5~6員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記アリール及び複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;又はハロゲンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
が、アリールであり、アリールが、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換されるフェニルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
が、CFである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
が、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(CH-NR1718、-(CH-OR;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリールヘテロシクリル基が、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;又は-(C~Cアルキル)-C~C14アリールであり、前記アリールが、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~6員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、前記環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
mが、0又は1であり;
17及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、CFであり;
が、H、CH又はCFであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718又はOHであり、且つ
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物が、式(II)
【化2】
又はその薬学的に許容される塩によって表され;
式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H又はC~Cアルキルであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;NR1112、C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-5~6員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記アリール及び複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H又はCHであり;
101が、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
気管支拡張症を治療するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項12】
前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である、請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、式(I)
【化7】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含み、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、-(CH-NR1718、-(CH-OR;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-CO15;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;前記シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
がHであり、且つRが、-(CH-NR1718、-(CH-OR、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(前記複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが合わせてオキソ基(C=O)を形成し、且つRが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、前記環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、前記環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、前記シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、前記複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;前記アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、前記アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【請求項15】
必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を前記対象に投与することを含み、任意選択により、少なくとも1種の病原性細菌のレベルが、前記対象から得られる痰試料から測定され、任意選択により、少なくとも1種の病原性細菌のレベルが、16S rRNA PCRによって測定される方法。
【請求項16】
前記病原性細菌が、非発酵グラム陰性細菌である、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記病原性細菌が、M.カタラーリス(M.catarrhalis)、S.アウレウス(S.aureus)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonous Maltophilia)、ヘモフィラス・パラインフルエンザエ(Hemophilus parainfluenza)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemophilus influenza)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モラクセラ(Moraxella)、及びストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される、請求項14~請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
病原性細菌のコロニー形成の前記レベルが、少なくとも1log低減される、請求項14~請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
必要とする対象、例えば、気管支拡張症対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項20】
前記方法がさらに、
a.前記化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;
b.前記化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;
c.前記化合物が投与されていない患者と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又は
d.その任意の組合せ
を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記必要とする対象が、気管支拡張症対象である、請求項14~請求項20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記化合物が、1日2回の約300mgの量で前記対象に投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記化合物が、経口投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物が、高脂肪食を伴わない前記対象に投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、少なくとも1つの追加の療法と組み合わせて投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記追加の療法が、
a.長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);
b.長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);
c.吸入コルチコステロイド(ICS);
d.マクロライド;
e.抗生物質;
f.短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又は
g.その任意の組合せ
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記気管支拡張症(bronchiecstasis)が、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記症状が、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/859,442号及び2020年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/025,567号に対する優先権の利益を主張するものであり、各々の開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ピリジン及びピラジン化合物、それらの調製及び医薬品としての使用に関する。本発明はまた、気管支拡張症、慢性閉塞性肺障害(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、慢性気管支炎、原発性線毛機能不全、気道感染症又は喘息の治療のための医薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
嚢胞性線維症(CF)は、肺を含む複数の器官における塩及び流体の輸送に関与するCF膜コンダクタンス制御因子(CFTR)、プロテインキナーゼA(PKA)活性化上皮アニオンチャネルをコードする遺伝子における変異によって引き起こされる致死的な遺伝性疾患である。大部分のCF変異は、細胞表面でのCFTRチャネルの数を減少させるか(例えば、合成又はプロセシング変異)若しくはチャネル機能を障害するか(例えば、ゲーティング又はコンダクタンス変異)又は両方である。本発明は、気管支拡張症、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気道感染症、肺癌、口内乾燥及び乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)、又は便秘(例えば、IBS、IBD、オピオイド誘導性)を治療するために変異体及び/又は野生型CFTRの機能を回復させるか又は増強する化合物を開示する。
【0004】
気管支拡張症は、慢性咳嗽、痰産生、及び気道の再発性細菌感染症を引き起こす気管支の異常及び持続性の拡張によって特徴付けられる慢性疾患である(Martinez-Garcia et al.,Chest.2005 Aug;128(2):739-45;Wilson et al.,Eur Respir J.1997 Aug;10(8):1754-60)。気管支拡張症は一般に、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症のいずれかに分類される(King et al.,Intern Med J.2006 36(11):729-737)。気管支拡張症を有する患者は、頻繁な増悪が生活の質を損ない、抗生物質に対する耐性を促進して、肺機能の低減につながるため、高い罹患率を示す。また、COPDと同様であると推定される経済的負担を伴う一次及び二次医療の頻回の使用による高い社会経済的影響がある(Polverino et al.,Eur Respir J.2017 Sep 9;50(3))。気管支拡張症を有する患者の年齢調整死亡率は、母集団と比較しておよそ2倍高い(Quint et al.,Eur Respir J.2016 Jan;47(1):186-93)。気管支拡張症を有する患者は、X線で見た気道の拡張、気管支壁肥厚、粘液栓、及び高度膨脹などのCFを有する患者といくつかの類似性を有する。
【0005】
気管支拡張症の治療に関しては大きなアンメットメディカルニーズがあり、増悪の低減のために現在利用可能な承認された療法はない。成人気管支拡張症の管理のための欧州呼吸器学会(ERS)の2017年のガイドラインは、急性増悪を治療する抗生物質を除いて、他の治療は推奨できないことを提案している(Polverino et al.,Eur Respir J.2017 Sep 9;50(3))。
【0006】
自然喀出痰中の潜在的に病原性の微生物のコロニー形成単位におけるベースラインから1log単位の減少は、気管支拡張症を有する患者においておよそ20%の増悪リスクの著しい低減と関連しており、これは臨床的に意味があると考えられる(Chalmers et al.,Am J Respir Crit Care Med.2012 Oct 1;186(7):657-65)。
【0007】
近年のエビデンスはまた、気管支拡張症における粘液線毛クリアランス(MCC)の低減に関する分子機構が、野生型及び変異型CFTRの機能障害に関連する場合があることを示唆している(Amaral,et al.,Trends Pharmacol Sci.2007 Jul;28(7):334-41;また、Schaefer et al.,BMC Pulm Med.2018;18:79を参照のこと)。気管支拡張症患者はまた、CFTRを含むイオンチャネル機能障害の成分を有する場合がある(Amaral,et al.,Trends Pharmacol Sci.2007 Jul;28(7):334-41)。効果的なCFTR増強剤である本明細書において化合物Aとも称される3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドは、MCCを減少させ、COPD患者において細菌のコロニー形成の減少、末梢気道炎症の低減、肺機能(FEV1)の改善、及び根本的に少ない増悪をもたらすことを示した。加えて、データは、化合物Aが、COPD患者において細菌のコロニー形成及びフィブリノーゲンレベルを低減することによって末梢気道炎症を減少させることを示唆している。化合物Aはまた、治療の2週間後にCFを有する患者及び治療の4週間後にCOPDを有する患者において肺機能(FEV1)の著しい改善を実証した。
【0008】
本発明は、気管支拡張症を治療する変異体及び/又は野生型CFTRの機能を回復させるか又は増強する化合物を開示する。さらに、本発明は、気管支拡張症を治療するために細菌のコロニー形成の減少、末梢気道炎症の低減、1秒量(FEV1)の改善、及び根本的に少ない増悪をもたらすMCCの改善を提供する化合物を開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本発明は、少なくとも1つの式(I)による化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含む気管支拡張症を治療する方法であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、-(CH-NR1718、-(CH-OR;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-CO15;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
がHであり、且つRが、-(CH-NR1718、-(CH-OR、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、合わせてオキソ基(C=O)を形成し、及びRが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法を提供する。
【0010】
本発明の様々な実施形態が本明細書で記載される。各実施形態で指定される特徴は、他の指定された特徴と組み合わされて、さらなる実施形態が提供され得ることは認識されるであろう。
【0011】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Aは、Nである。
【0012】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Aは、CR4aである。
【0013】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲンによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);及びNR1112から選択され、アリール及び複素環式基はそれぞれ、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される。
【0014】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである。例えば、-CH又はCFである。
【0015】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシである。例えば、-OCH又は-OCFである。
【0016】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、アリールであり、アリールは、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換されるフェニルであり、特定の例は、4-フルオロフェニル、4-クロロ-2-メチルフェニル、又は2,4-ジクロロフェニルである。
【0017】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、6員ヘテロシクリル基であり、6員ヘテロシクリル基は、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換されるピリジルであり、特定の例は、1-メチル-4-ピリジルである。
【0018】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、Br、-CH、-CF、-OCH、-OCF、4-フルオロフェニル、4-クロロ-2-メチルフェニル、又は2,4-ジクロロフェニルである。
【0019】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、CFCF-、(CFCH-、CH-CF-、CFCF-、CF、CFH-、CH-CCl-、CFCFCClH-、CBr、CBrH-CFCFCHCF又はCFCFCFCF-である。
【0020】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、CFである。
【0021】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、Rは、H又はメチルである。
【0022】
本明細書において記載されるとおりの本発明のさらなる実施形態では、R4aは、Hである。
【0023】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、Rが、アミド窒素由来のヘテロ原子と2つの炭素を提供し、ヘテロ原子が酸素又は窒素である化合物を提供する。
【0024】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
が、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか又は存在せず;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(CH-NR1718;-(CH-OR、又はOHであり;
mが、0、又は1であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、合わせて、オキソ基(C=O)を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0025】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲン、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-(CH-NR1718;-(CH-OR;又はOHであり;
mが、0、又は1であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0026】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲン、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
及びRが合わせて、オキソ基(C=O)を形成し;並びに
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換される化合物を提供する。
【0027】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-(CH-NR1718;-(CH-OR;又はOHであり;
mが、0、又は1であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0028】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-(CH-NR1718;-(CH-OR;又はOHであり;
mが、0、又は1であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0029】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718;又はOHであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0030】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718;又はOHであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0031】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(I)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、C~Cハロアルキルであり;
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718;又はOHであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;並びに
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである化合物を提供する。
【0032】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、
Zは、独立して、OH、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、CN、NO、又はハロゲンであり;
19及びR21はそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;又はC~Cアルコキシ-C~Cアルキルであり、全てのアルキルは、任意選択により、ハロゲンで置換される。
【0033】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、
Zは、独立して、OH、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、C(O)OR19、C(O)R19、OR19、CN、又はハロゲンであり;
19は、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;又はC~Cアルコキシ-C~Cアルキルであり、全てのアルキルは、任意選択により、ハロゲンで置換される。
【0034】
本明細書において記載されるとおりの本発明の実施形態では、
Zは、独立して、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~Cアルコキシ又はハロゲンである。
【0035】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、R配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(I)の化合物を提供する。
【0036】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、S配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(I)の化合物を提供する。
【0037】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症であることを提供する。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質;f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。ある特定の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0038】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)が、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与されることを提供する。特定の実施形態では、式(I)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらに別の実施形態では、式(I)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。
【0039】
本発明の別の実施形態は、気管支拡張症を治療する方法であって、少なくとも1つの式(II)の化合物:
【化2】
又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含み、式中、A、R、R及びRが、式(I)の定義を有し、且つ
101が、
【化3】
【化4】
【化5】
である方法を提供する。
【0040】
上記のとおりの本発明のさらなる実施形態では、式(II)による化合物であって、式中、AがCR4aであり、R4aがHである化合物を提供する。
【0041】
上記のとおりの本発明のさらなる実施形態では、式(II)による化合物であって、式中、Rが、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);及びNR1112から選択され、アリール及び複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換される化合物を提供する。
【0042】
上記のとおりの本発明のさらなる実施形態では、式(II)による化合物であって、式中、Rが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;Cアリール;又は6員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及び複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換される化合物を提供する。
【0043】
上記のとおりの本発明のさらなる実施形態では、式(II)による化合物であって、式中、Rが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;又はハロゲンである化合物を提供する。
【0044】
上記のとおりの本発明のさらなる実施形態では、式(II)による化合物であって、式中、Rが、H又はメチルである化合物を提供する。
【0045】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲンであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化6】
である化合物を提供する。
【0046】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化7】
である化合物を提供する。
【0047】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化8】
である化合物を提供する。
【0048】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲン、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化9】
である化合物を提供する。
【0049】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲン、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化10】
である化合物を提供する。
【0050】
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、式(II)による化合物であって、式中、
Aが、CR4aであり;
が、ハロゲン、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシであり;
が、Hであり;
4aが、Hであり;
101が、
【化11】
である化合物を提供する。
【0051】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、R配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(II)の化合物を提供する。
【0052】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、S配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(II)の化合物を提供する。
【0053】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症であることを提供する。ある特定の実施形態では、式(II)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質;f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。ある特定の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0054】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、式(II)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)が、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与されることを提供する。特定の実施形態では、式(II)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらに別の実施形態では、式(II)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。別の実施形態では、式(II)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。
【0055】
本発明の別の実施形態は、気管支拡張症を治療する方法であって、少なくとも1つの式(III)の化合物:
【化12】
又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含む気管支拡張症を治療する方法であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
Xが、NR又はOであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
5aが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
11及びR13がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
12、R14、及びR15がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
11及びR12、並びにR13及びR14が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法を提供する。
【0056】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、R配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(III)の化合物を提供する。
【0057】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、S配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーの形態において式(III)の化合物を提供する。
【0058】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症であることを提供する。ある特定の実施形態では、式(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質;f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。ある特定の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0059】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、式(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)が、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与されることを提供する。特定の実施形態では、式(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらに別の実施形態では、式(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、経口投与される。別の実施形態では、式(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。
【0060】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症を治療する方法であって、必要とする対象に、少なくとも1つの式(I)及び/又は式(II)による化合物であって、
3-アミノ-6-ブロモ-N-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イルメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-6-(1-メチル-1H-インドール-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-(6-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)ピリジン-3-イル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
(R)-3-アミノ-6-ブロモ-N-((4-メチルピペラジン-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-(3-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-イソブチル-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル)(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-(ピリジン-4-イル)エチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-6-(1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(4-カルバモイル-2-メチルフェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-(ピリジン-3-イル)エチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-(3,4-ジメチルフェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-ベンジル-6-ブロモ-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
(S)-3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;及び
3-アミノ-6-ブロモ-N-(イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イルメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0061】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症を治療する方法であって、必要とする対象に、少なくとも1つの式(I)及び/又は式(II)による化合物であって、
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)プロパン酸メチル;
3-アミノ-N-(ベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イルメチル)-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(オキサゾール-2-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-(2-ヒドロキシ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ブチル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-シクロプロピル-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
5-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-(トリフルオロメチル)-2,4’-ビピリジン-6-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3-メチル-2-オキソ-ブチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
N-(2-(1H-イミダゾール-2-イル)プロピル)-3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-モルホリノエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
(S)-3-アミノ-6-エトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-(2-アミノ-3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロピル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;及び
3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、気管支拡張症を治療するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0063】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を対象に投与することを含み、任意選択により、少なくとも1種の病原性細菌のレベルが、対象から得られる痰試料から測定され、任意選択により、少なくとも1種の病原性細菌のレベルが、16S rRNA PCRによって測定される方法を提供する。ある特定の実施形態では、病原性細菌は、非発酵グラム陰性細菌である。さらなる実施形態では、病原性細菌は、M.カタラーリス(M.catarrhalis)、S.アウレウス(S.aureus)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonous Maltophilia)、ヘモフィラス・パラインフルエンザエ(Hemophilus parainfluenza)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemophilus influenza)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モラクセラ(Moraxella)、及びストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される。他の実施形態では、病原性細菌のコロニー形成のレベルは、少なくとも1log低減される。
【0064】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象、例えば、気管支拡張症対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0065】
特定の実施形態では、化合物は、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、必要とする対象は、気管支拡張症対象である。他の実施形態は、化合物は、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与される。特定の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。他の実施形態では、化合物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。ある特定の実施形態では、化合物は、追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質;f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。他の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0066】
本発明のあらゆる実施形態は、本発明の追加の実施形態を記載するために任意の他の実施形態と組み合わせてもよいことが理解される。さらに、実施形態の任意の要素は、追加の実施形態を記載するために実施形態のいずれかに由来するあらゆる他の要素と組み合わせられるものとする。可能性のないところでの置換基の組合せは、本発明の態様ではないことが当業者によって理解される。
【0067】
式(I)又は式(II)の特に好ましい特定の化合物は、実施例において本明細書において以下に記載されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】COPD患者における化合物Aを用いた治療によるフィブリノーゲンに関する経時的なベースラインからの平均変化(SE)である。各来院時の記号に隣接する図1において示される数は、患者の数を表す。
図2】気管支拡張症を有する対象において12週間経口投与された化合物Aの予備的な有効性及び安全性を調査するランダム化、対象及び治験責任医師盲検プラセボ対照並行群間試験を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
6.1.定義
一般に、本明細書で使用する命名法並びに本明細書に記載の有機化学、医薬品化学及び薬理学における実験手順は当該技術分野でよく知られ、またよく使用されているものである。別途定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、概して、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0070】
「化合物A」は、以下の構造を有する3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩を意味する:
【化13】
【0071】
「投与」及び「投与すること」及び「投与する」は、本明細書に記載される化合物(例えば、化合物A)が対象に提供される様式を指す。
【0072】
「任意選択により置換される」は、参照される基が、以下で列挙される基のいずれか1つ又はいずれかの組合せによる1つ以上の位置で置換され得ることを意味する。
【0073】
「1つ以上のZ基によって任意選択により置換される」は、該当する基が、それぞれ独立して、Zの定義内に含まれる基から選択される1つ以上の置換基を含み得ることを意味する。したがって、2つ以上のZ基置換基がある場合、これらは同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。
【0074】
本明細書で使用する場合、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり得る。
【0075】
本明細書で使用する場合、「C~Cアルキル」は、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルを意味する。C又はCなどの異なる数の炭素原子が指定される場合、定義は、「C~Cアルキル」など適宜修正されることになり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを表す。
【0076】
本明細書で使用する場合、「C~Cアルコキシ」は、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルコキシを意味する。C又はCなどの異なる数の炭素原子が指定される場合、定義は、「C~Cアルコキシ」など適宜修正されることになり、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシを表す。
【0077】
本明細書で使用する場合、「C~Cハロアルキル」は、少なくとも1つの水素がハロゲンで置換された1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルを意味する。C又はCなどの異なる数の炭素原子が指定される場合、定義は、「C~Cハロアルキル」など適宜修正されることになり、少なくとも1つの水素がハロゲンで置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを表し、例えば、ハロゲンがフッ素である場合、CFCF-、(CFCH-、CH-CF-、CFCF-、CF、CFH-、CFCFCHCF又はCFCFCFCF-である。
【0078】
本明細書で使用する場合、「C~C15シクロアルキル基」は、C~C-シクロアルキルなど、飽和又は部分飽和である3~15個の環炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。C~C15-シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル若しくはシクロオクチル又はビシクロオクチル、インダニル及びインデニルを含むビシクロノニル並びにビシクロデシルなどの二環式基が挙げられるが、これらに限定されない。Cなどの異なる数の炭素原子が指定される場合、定義は、適宜修正されることになる。
【0079】
本明細書で使用する場合、「アリール」又は「C~C15-芳香族炭素環式基」は、6~15個の環炭素原子を有する芳香族基を意味する。C~C15-芳香族炭素環式基の例としては、フェニル、フェニレン、ベンゼントリイル、ナフチル、ナフチレン、ナフタレントリイル又はアントリレンが挙げられるが、これらに限定されない。C10などの異なる数の炭素原子が指定される場合、定義は、適宜修正されることになる。
【0080】
「4~8員複素環式基」、「5~6員複素環式基」、「3~10員複素環式基」、「3~14員複素環式基」、「4~14員複素環式基」、及び「5~14員複素環式基」はそれぞれ、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する4~8員、5~6員、3~10員、3~14員、4~14員及び5~14員複素環式環を指し、これらは飽和、部分飽和又は不飽和(芳香族)であり得る。複素環式基は、単環基、縮合環基及び架橋基を含む。そのような複素環式基の例としては、フラン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、イソトリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、オキサゾール、イソキサゾール、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリジノン、モルホリン、トリアジン、オキサジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,4-オキサチアン、インダゾール、キノリン、インダゾール、インドール、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン又はチアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
「対象」は、本明細書に記載される医薬組成物の投与によって治療され得る本明細書に記載される疾患又は障害(例えば、気管支拡張症、COPD、CF、慢性気管支炎、原発性線毛機能不全、気道感染症又は喘息)の1つ以上に罹患している生物を指す。対象の例としては、哺乳動物(例えば、ヒト並びにイヌ、雌ウシ、ウマ、サル、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、及びトランスジェニック非ヒト動物などの動物)が挙げられる。ある特定の実施形態では、対象は、ヒト、例えば、本明細書に記載される疾患(例えば、気管支拡張症、COPD、CF、慢性気管支炎、原発性線毛機能不全、気道感染症又は喘息)に罹患しているか、罹患するリスクがあるか、又は罹患する可能性のあるヒトである。「治療する」、「治療すること」、又は「治療」は、本明細書に記載される疾患又は障害(例えば、気管支拡張症、COPD、CF、慢性気管支炎、原発性線毛機能不全、気道感染症又は喘息)の予防的(予防性の)及び治療的治療並びに進行の遅延を含む。本明細書で使用する場合、用語「進行の遅延」は、治療されることになる本明細書に記載される疾患又は障害(例えば、気管支拡張症、COPD、CF、慢性気管支炎、原発性線毛機能不全、気道感染症又は喘息)の前段階又は初期にある患者への医薬組成物の投与を意味し、ここで、患者は、例えば、対応する疾患の前形態と診断されるか又は患者は、例えば、医学的処置中に対応する疾患が発症する可能性がある状態にある。
【0082】
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲の全体において、文脈上他の意味が要求されない限り、「含む(comprise)」という語、並びに「含む(comprises)」又は「含んでいる」などのバリエーションは、述べられる整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を含むことを意味するが、任意の他の整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を除外することを意味するものではないことを理解されたい。
【0083】
「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、通常、生物学的又はその他の様式で望ましくないものではない塩を指す。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ及び/若しくはカルボキシル基又はそれと同様の基の存在によって、酸及び/又は塩基の塩を形成することができる。
【0084】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸とともに形成されてもよく、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩及びトリフルオロ酢酸塩である。
【0085】
塩が由来し得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
【0086】
塩が由来し得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びスルホサリチル酸が挙げられる。
【0087】
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基とともに形成され得る。
【0088】
塩が由来し得る無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩及び周期表の第I族~第XII族の金属が挙げられる。特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅に由来し;特に好適な塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩が挙げられる。
【0089】
塩が由来し得る有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。ある種の有機アミンとしては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート(cholinate)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンが挙げられる。
【0090】
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、親化合物、塩基性部分又は酸性部分から合成され得る。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態を化学量論量の適切な塩基(水酸化、炭酸、重炭酸Na、Ca、Mg、又はKなど)と反応させることによるか、又はこれらの化合物の遊離塩基形態を化学量論量の適切な酸と反応させることにより調製され得る。そのような反応は、通常、水中若しくは有機溶媒中、又はこれら2つの混合物中で行われる。一般に、実施可能である場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体の使用が望ましい。さらなる好適な塩のリストは、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985);並びにStahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Us」(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)において見出され得る。
【0091】
さらに、それらの塩を含む本発明の化合物はまた、それらの水和物の形態で得ることができるか、又はそれらの結晶化に使用される他の溶媒を含むことができる。
【0092】
本発明の化合物、すなわち、水素結合のためのドナー及び/又はアクセプターとして作用することができる基を含有する式(I)、(II)又(III)の化合物は、好適な共結晶形成剤と共結晶を形成することができる場合がある。これらの共結晶は、既知の共結晶形成手順によって、式(I)、(II)又は(III)の化合物から調製され得る。そのような手順には、粉砕、加熱、共昇華、共融解、又は式(I)、(II)若しくは式(III)による化合物を溶液として共結晶形成剤と結晶化条件下で接触させ、それによって形成された共結晶を単離することが含まれる。好適な共結晶形成剤としては、国際公開第2004/078163号パンフレットに記載されているものが挙げられる。したがって、本発明はさらに、式(I)、(II)又は(III)の化合物を含む共結晶も提供する。
【0093】
「異性体」は、同じ分子式を有するが、原子の配置及び構成が異なる種々の化合物を指す。
【0094】
「光学異性体」又は「立体異性体」は、本発明の所与の化合物に関して存在し得る種々の立体異性体配置のいずれかを指し、幾何異性体を含む。置換基は炭素原子のキラル中心で結合され得ることが理解される。したがって、本発明は、化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、又はラセミ体を含む。
【0095】
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1の混合物は「ラセミ」混合物である。この用語は、必要に応じて、ラセミ混合物を示すために使用する。
【0096】
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR-Sシステムに従って指定される。化合物が純粋なエナンチオマーであるとき、各キラル炭素における立体化学はR又はSのいずれかによって指定され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)により(+)又は(-)で示すことができる。本明細書に記載の特定の化合物は、1つ以上の不斉中心又は軸を含有し、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び絶対立体化学に関して(R)-又は(S)-として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態及び中間体混合物を含むそのような全ての可能な異性体を含むものとする。光学的に活性な(R)-及び(S)-異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製され得るか、又は従来の技術を用いて分割され得る。化合物が二重結合を含有する場合、置換基はE配置又はZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含有する場合、シクロアルキル置換基は、cis又はtrans配置を有し得る。全ての互変異性形態もまた含まれるものとする。
【0097】
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体で又は片方の鏡像異性体に富んで、例えば、(R)-、(S)-又は(R,S)-配置で存在することができる。特定の実施形態では、各不斉原子は、(R)-又は(S)-配置において、少なくとも50%のエナンチオマー過剰率、少なくとも60%のエナンチオマー過剰率、少なくとも70%のエナンチオマー過剰率、少なくとも80%のエナンチオマー過剰率、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率、又は少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を有する。不飽和結合を有する原子における置換基は、可能であれば、cis-(Z)-又はtrans-(E)-形態で存在し得る。
【0098】
したがって、本明細書で使用する場合、本発明の化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(cis又はtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体又はその混合物として、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体又はその混合物のうちの1つの形態であり得る。
【0099】
得られる異性体の混合物はいずれも、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別再結晶により、構成成分の物理化学的な差異に基づいて、純粋又は実質的に純粋な幾何又は光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離することができる。
【0100】
最終生成物又は中間体の得られる任意のラセミ体を、既知の方法により、例えば、光学的に活性な酸又は塩基により得たそれらのジアステレオマー塩を分離し、光学的に活性な酸性又は塩基性化合物を遊離させることにより、光学的対掌体に分割することができる。特に、このように塩基性部分を用いて、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ-O,O’-p-トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸又はカンファー-10-スルホン酸により形成された塩の例えば分別再結晶により、本発明の化合物をそれらの光学的対掌体に分割することができる。ラセミ生成物はまた、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用する高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離することができる。
【0101】
本発明の化合物は、医薬組成物中での使用のためのものであるため、それらがそれぞれ、実質的に純粋な形態、例えば、少なくとも60%純粋、より好適には少なくとも75%純粋及び好ましくは少なくとも85%、特に、少なくとも98%純粋(%は、重量に対する重量を基準とする)において提供されることが好ましいことが容易に理解されるであろう。化合物の不純な調製物は、医薬組成物中で使用されるより純粋な形態を調製するために使用され得る;化合物のこれらのより純粋ではない調製物は、少なくとも1%、より好適には少なくとも5%及び好ましくは10~59%の本発明の化合物を含有すべきである。
【0102】
本発明の化合物は、遊離形態で、その塩として、又はそのプロドラッグ誘導体として得られる。本明細書で開示される薬物投与量は、式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の遊離塩基形態を使用して計算され、例えば、1日2回(b.i.d.)の約300mgと1日2回の約450mgの間の量であり、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与される。特定の実施形態では、式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらなる特定の実施形態では、化合物Aは、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。
【0103】
塩基性基及び酸性基の両方が同じ分子中に存在するとき、本発明の化合物もまた内部塩、例えば、双性イオン分子を形成し得る。
【0104】
本明細書で与えられるあらゆる式は、化合物の非標識形態、並びに同位体標識した形態を表すことも意図される。同位体標識化合物は、1個以上の原子が、選択される原子質量又は質量数を有する原子で置換されるものを除いて、本明細書で与えられる式によって描かれる構造を有する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、125Iが挙げられる。本発明は、本明細書で定義されるとおりの種々の同位体標識化合物、例えばH、13C、及び14Cなどの放射性同位体が存在するものを含む。このような放射性同位体化合物は、代謝試験(14Cによる)、反応速度試験(例えば、H又はHによる)、薬物若しくは基質の組織分布アッセイを含むポジトロン放出断層撮影(PET)若しくは単光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)などの検出若しくはイメージング技術、又は患者の放射性治療において有用である。特に、18F又は標識化合物は、PET又はSPECT試験のために特に望ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は、スキーム又は実施例に開示される手順を実施することにより、及び容易に入手可能な同位体標識試薬を、非同位体標識試薬の代わりに用いて下記の調製を行うことにより、一般に調製することができる。
【0105】
さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、H又はD)による置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加、又は必要投与量の減少、又は治療指数の改善から得られるある種の治療上の利点をもたらし得る。この文脈における重水素は、式(I)、(II)又は(III)の化合物の置換基とみなされることが理解される。このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本明細書で使用される場合、用語「同位体濃縮係数」は、特定の同位体の同位体存在量と天然存在量との比を意味する。本発明の化合物における置換基が重水素と示される場合、そのような化合物は、指定の重水素原子各々について、少なくとも3500(指定の重水素原子各々に52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の同位体の濃縮係数を有する。
【0106】
式(I)、(II)又は(III)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に知られる従来技術により、又は以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、付帯の実施例及び調製に記載されている方法と類似の方法により調製することができる。
【0107】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体により置換され得るもの、例えば、DO、d-アセトン、d-DMSOが挙げられる。
【0108】
描かれた構造と当該構造に与えられる化学名の間に矛盾がある場合、描かれた構造がより重視されるべきである。加えて、構造の立体化学又は構造の一部が、例えば、太字又は破線で示されない場合、構造又は構造の一部は、構造の部分の構造の全ての立体異性体を包含するものとして解釈されるべきである。
【0109】
「高脂肪食」は、Assessing the Effects of Food on Drugs in INDs and NDAs(FDA 2019)における草案のガイドライン(Assessing the Effects of Food on Drugs in Investigational New Drug Applications and New Drug Applications-Clinical Pharmacology Considerations;Draft Guidance for Industry;Availability,84 Fed.Reg.6151(2019年2月26日)も参照のこと)及び対応するEMAガイドライン(EMA 2012)における米国食品医薬品局による定義を指し、高脂肪食は、少なくとも1000kcal(4184kJ)を含有し、エネルギー含量の少なくとも50%が脂肪に由来する。高脂肪食の例は:
栄養性のエネルギーの合計値:1000kcal
・タンパク質由来:150kcal
・炭水化物由来:250kcal
・脂肪由来:600kcal
であろう。
【0110】
「高脂肪食を伴わない」は、式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩(例えば、化合物A又はその薬学的に有効な塩)の投与と合わせて高脂肪食を摂取しない状態又は式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与前のある特定の時間内から式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与後のある特定の時間までに高脂肪食を摂取しない状態を意味するものとして定義される。いくつかの実施形態では、高脂肪食は、式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与前の約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、約1時間、約30分間、約15分間、約5分間、又は約1分間に摂取されなかった。いくつかの実施形態では、高脂肪食は、式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与後の約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、約1時間、約30分間、約15分間、約5分間、又は約1分間に摂取されなかった。他の実施形態では、高脂肪食は、式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与と合わせて摂取されなかった。ある特定の実施形態では、高脂肪食は、式(I)の化合物又はその薬学的に有効な塩の投与前の約30分間に摂取されなかった。
【0111】
「増悪」は、少なくとも48時間の以下の主要な症状のうちの3つ以上における悪化を指す:
・咳嗽
・痰の量及び/又は粘性;
・膿性痰;
・息切れ及び/又は運動耐容能;
・疲労及び/又は倦怠感;
・喀血
並びに
・臨床医が気管支拡張症治療における変更が必要である(例えば、全身性糖質コルチコイド治療及び/又は全身性若しくは吸入抗生物質を必要とする)と判断すること。
【0112】
上記の症状の定義を満たさないが治験責任医師によって抗生物質で治療されるか、又は症状の定義を満たすが抗生物質で治療されない症状の悪化は、試験のための肺疾患増悪とみなされない。
【0113】
6.2.医薬組成物及び使用の方法
6.2.1.炎症又はアレルギー状態
本発明の態様は、医薬としての使用のための本明細書において定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を提供する。
【0114】
本発明のさらなる態様は、炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和を治療する方法であって、有効量の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0115】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療における使用のための式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を提供する。
【0116】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための医薬の製造における遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0117】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0118】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を提供する。
【0119】
本発明の態様は、医薬としての使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を提供する。
【0120】
本発明のさらなる態様は、炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和を治療する方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0121】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療における使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を提供する。
【0122】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための医薬の製造における3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0123】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0124】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象における炎症若しくはアレルギー状態又は感染、特に、炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0125】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、化合物は、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、気管支拡張症は、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である。ある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質(例えば、マクロライド抗生物質);f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。組み合わせて投与されるとき、2つ以上の薬剤が、逐次的に又は同時に投与されてもよく、且つ1つ以上の組成物において投与されてもよい。ある特定の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、化合物が、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与されることを提供する。特定の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらに別の実施形態では、化合物は、経口投与される。別の実施形態では、化合物は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0126】
6.2.2.気管支拡張症
本発明の実施形態は、気管支拡張症を治療する方法であって、必要とする対象に遊離又は薬学的に許容される塩形態で前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの有効量の式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を投与することを含む方法を提供する。
【0127】
本発明のさらなる実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療のための医薬の製造における遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0128】
本発明のさらなる実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0129】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療における使用のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を提供する。
【0130】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療における使用のための式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A)を含む医薬組成物を提供する。
【0131】
上で定義されるとおりの本発明の別の特定の実施形態は、気管支拡張症を治療するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0132】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療における3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0133】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療のための医薬の製造における3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0134】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療における使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を提供する。
【0135】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象における気管支拡張症の治療における使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0136】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、化合物は、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、気管支拡張症は、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である。他の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質(例えば、マクロライド抗生物質);f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。組み合わせて投与されるとき、2つ以上の薬剤が、逐次的に又は同時に投与されてもよく、且つ1つ以上の組成物において投与されてもよい。いくつかの実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。他の実施形態は、化合物は、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与される。特定の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。さらに別の実施形態では、化合物は、経口投与される。別の実施形態では、化合物は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0137】
6.2.3.病原性細菌のコロニー形成の阻害/低減
本発明の実施形態は、対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、必要とする対象に遊離又は薬学的に許容される塩形態で前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を投与することを含む方法を提供する。
【0138】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための医薬の製造における遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0139】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減する際の使用のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を提供する。
【0140】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減する際の使用のための式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A)を含む医薬組成物を提供する。
【0141】
上で定義されるとおりの本発明の特定の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0142】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための医薬の製造における3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0143】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0144】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減する際の使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を提供する。
【0145】
本発明の別の実施形態は、必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減する際の使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0146】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、化合物は、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、少なくとも1種の病原性細菌のレベルは、対象から得られる痰試料から測定される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の病原性細菌のレベルは、16S rRNA PCRによって測定される。ある特定の実施形態では、病原性細菌は、非発酵グラム陰性細菌である。ある特定の実施形態では、病原性細菌は、M.カタラーリス(M.catarrhalis)、S.アウレウス(S.aureus)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonous Maltophilia)、ヘモフィラス・パラインフルエンザエ(Hemophilus parainfluenza)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemophilus influenza)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モラクセラ(Moraxella)、及びストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、病原性細菌のコロニー形成のレベルは、所望のレベルまで低減される(例えば、少なくとも1log、少なくとも2log、少なくとも3log、少なくとも4log、少なくとも5log、又はそれ以上)。特定の実施形態では、病原性細菌のコロニー形成のレベルは、少なくとも1log低減される。他の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質(例えば、マクロライド抗生物質);f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。組み合わせて投与されるとき、2つ以上の薬剤が、逐次的に又は同時に投与されてもよく、且つ1つ以上の組成物において投与されてもよい。ある特定の実施形態では、必要とする対象は、気管支拡張症対象である。他の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。他の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で対象に投与される。特定の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。他の実施形態では、化合物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0147】
6.2.4.フィブリノーゲン
上で定義されるとおりの本発明の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための方法であって、対象に遊離又は薬学的に許容される塩形態で前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの有効量の式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を投与することを含む方法を提供する。
【0148】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための医薬の製造における遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0149】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の使用を提供する。
【0150】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減する際の使用のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を提供する。
【0151】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減する際の使用のための遊離又は薬学的に許容される塩形態の前述の実施形態のいずれかにおいて定義されるとおりの式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を提供する。
【0152】
上で定義されるとおりの本発明の特定の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための方法であって、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される有効量の化合物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0153】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための医薬の製造における3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0154】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減するための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物の使用を提供する。
【0155】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減する際の使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を提供する。
【0156】
上で定義されるとおりの本発明の別の実施形態は、必要とする対象の血液中のフィブリノーゲンのレベルを低減する際の使用のための3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、及び3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0157】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)、(II)、若しくは(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、化合物は、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態では、必要とする対象は、気管支拡張症対象である。他の実施形態では、気管支拡張症(bronchiecstasis)は、少なくとも48時間の3つ以上の症状における悪化によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、症状は、咳嗽、痰の量及び/又は粘性、膿性痰、息切れ及び/又は運動耐容能、疲労及び/又は倦怠感、並びに喀血からなる群から選択される。他の実施形態は、化合物は、1日2回の約300mgと1日2回の約450mgの間の量で対象に投与される、例えば、1日2回の300mg又は1日2回の450mgの量で投与される。特定の実施形態では、化合物は、1日2回の約300mgの量で対象に投与される。他の実施形態では、化合物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、高脂肪食を伴わない対象に投与される。ある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の療法と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、追加の療法は、a)長時間作用型ベータアゴニスト(LABA);b)長時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(LAMA);c)吸入コルチコステロイド(ICS);d)マクロライド;e)抗生物質(例えば、マクロライド抗生物質);f)短時間作用型ムスカリンアンタゴニスト(SAMA);又はg)その任意の組合せを含む。組み合わせて投与されるとき、2つ以上の薬剤が、逐次的に又は同時に投与されてもよく、且つ1つ以上の組成物において投与されてもよい。ある特定の実施形態では、方法はさらに、a)化合物が投与されていない対象と比較して、対象におけるレスキュー薬(例えば、サルブタモール/アルブテロール又は全身性抗生物質)の使用を減少させること;b)化合物が投与されていない対象と比較して、対象における増悪の重症度を低減すること;c)化合物が投与されていない対象と比較して、例えば、肺活量測定によって測定されるとおり、対象における肺機能の改善又は努力肺活量の1つ以上を増大させること;又はd)その任意の組合せを含む。
【0158】
6.3.化合物の調製
一般に、式(I)、(II)又は(III)による化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、スキーム1、2及び3並びに実施例において記載される経路によって合成され得る。
【0159】
AがCHであるとき、ピリジニル部分は、下に示される一般的なスキーム1に従って合成され得る。
【化14】
【0160】
Aが窒素であるとき、ピラジン部分は、下に示される一般的なスキーム2に従って合成され得る。
【化15】
【0161】
部分の右手側は通常、一般的なスキーム3において下に示されるとおりのアミド形成反応を介して付加される。
【化16】
【0162】
HATU(2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートメタンアミニウム)は、ペプチドカップリング剤である。当業者は、他のカップリング剤がおそらく機能することを理解するであろう。上のスキームにおけるハロゲン基は、適切な求核剤及び触媒を選択することによって他の基で置換され得る。アリールNH基の保護が必要となる場合があり、Pによって表される。下のスキーム4~7は、一部の代表的な例である。
【化17】
【化18】
【0163】
当業者は、上で詳述される一般的な合成経路が、必要に応じて出発材料を変換する一般的な反応を示すことを理解するであろう。特定の反応条件は提供されないが、これらは当業者によく知られており、適切な条件は、当業者の共通の一般的な知識内であると考えられる。
【0164】
出発材料は、市販の化合物であるか又は既知の化合物のいずれかであり、有機化学分野において記載される手順から調製され得る。
【0165】
遊離形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A)は、当業者によって理解される従来の様式で塩形態に変換されてもよく、逆もまた同様である。遊離又は塩形態の化合物は、結晶化のために使用される溶媒を含有する水和物又は溶媒の形態で得られてもよい。一実施形態では、化合物は、ベシル酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、塩酸塩、又は硫酸塩として存在する。好ましい実施形態では、化合物は、ベシル酸塩として存在する。式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、反応混合物から回収され、従来の様式で精製され得る。立体異性体などの異性体は、例えば、分別再結晶又は対応して不斉に置換された、例えば、光学活性の出発材料からの不斉合成によって、従来の様式で得られてもよい。
【0166】
式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、例えば、下及び実施例において記載される反応及び手法を使用して調製され得る。反応は、使用される試薬及び材料に適しており、且つ行われている変換に好適な溶媒中で実施され得る。有機合成の分野の当業者には、分子に存在する官能基が、提案される変換と調和すべきであることは理解されよう。これにより、所望の本発明の化合物を得るために、合成工程の順序を変更するか又はある特定のプロセススキームを別のものに優先して選択する判断が必要になる場合がある。
【0167】
以下の反応スキームにおいて示される合成中間体及び最終生成物上の様々な置換基は、当業者によって理解されるとおり、必要に応じて好適な保護基を有してそれらの完全に精巧な形態において存在し得るか、又は当業者に知られた方法によって後でそれらの最終形態に精巧に作り上げられ得る前駆体形態において存在し得る。置換基はまた、一連の合成全体にわたる様々な段階で又は一連の合成の完了後に付加され得る。多くの場合、一般的に使用される官能基操作を使用して、1つの中間体を別の中間体に、又は式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の1つを式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)の別のものに変換することができる。そのような操作の例は、エステル又はケトンからアルコールへの変換;エステルからケトンへの変換;エステル、酸及びアミドの相互変換;アルコール及びアミンのアルキル化、アシル化及びスルホニル化;並びに多くの他の操作である。置換基はまた、アルキル化、アシル化、ハロゲン化又は酸化などの一般的な反応を使用して付加され得る。そのような操作は、当該技術分野でよく知られており、多くの参考文献がそのような操作の手順及び方法を要約している。多くの官能基操作、及び有機合成の分野で一般的に使用される他の変換について例及び有機合成の一次文献への参照を与えるいくつかの参考文献は、March’s Organic Chemistry,5th Edition,Wiley and Chichester,Eds.(2001);Comprehensive Organic Transformations,Larock,Ed.,VCH(1989);Comprehensive Organic Functional Group Transformations,Katritzky et al.(series editors),Pergamon(1995);及びComprehensive Organic Synthesis,Trost and Fleming(series editors),Pergamon(1991)である。また、この分野の任意の合成経路の計画における別の主要な考慮事項は、本発明において記載される化合物中に存在する反応性官能基の保護のために使用される保護基の賢明な選択であることも認識されるであろう。同じ分子内の複数の保護基は、所望の結果に応じて、これらの保護基の各々を同じ分子内の他の保護基を除去せずに除去できるか、又は複数の保護基を同じ反応工程を使用して除去できるように選択され得る。訓練された実施者に対して多くの選択肢を記載する信頼できる報告は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley and Sons(1999)である。
【0168】
6.4.薬理学的活性
CFTR活性の調節を考慮して、遊離又は薬学的に許容される塩形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、CFTR活性の調節に応答する状態、特に、粘膜水和から恩恵を被る状態、例えば、嚢胞性線維症の治療に有用である。遊離又は薬学的に許容される塩形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)はまた、気管支拡張症の治療において有用であり、気管支拡張症は、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である。
【0169】
CFTR活性の調節によって媒介される疾患は、上皮膜を通る流体量の調節に関連する疾患を含む。例えば、気道表面の液体の量は、粘液線毛クリアランス及び肺の健康の維持の重要な制御因子である。CFTR活性の調節は、気道上皮の粘膜側での流体蓄積を促進することによって、粘液クリアランスを促進し、呼吸器組織(肺気道を含む)における粘液及び痰の蓄積を妨げる。そのような疾患としては、気管支拡張症、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気道感染症(急性及び慢性;ウイルス性及び細菌性)及び肺癌などの呼吸器疾患が挙げられる。CFTR活性の調節によって媒介される疾患はまた、上皮を通る異常な流体調節に関連する呼吸器疾患以外の疾患を含み、おそらく、それらの表面上の保護的な表面液体の異常な生理、例えば、シェーグレン症候群、口内乾燥(口渇症)又は乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)(ドライアイ)を含む。さらに、腎臓におけるCFTR活性の調節を使用して、利尿を促進し、それにより降圧効果を誘導することができた。
【0170】
本発明による治療は、対症的であってもよいし、予防的であってもよい。
【0171】
喘息としては、内因性(非アレルギー性)喘息及び外因性(アレルギー性)喘息、軽度の喘息、中等度の喘息、重度の喘息、気管支炎性喘息、運動誘発喘息、職業性喘息及び細菌感染後に誘発される喘息が挙げられる。喘息の治療は、喘鳴症状を呈し且つ主要な医学的関心の確立された患者カテゴリーであり且つ現在では初発又は初期喘息として同定される場合が多い「乳児喘鳴」と診断されるか又は診断可能な、例えば、4又は5歳未満の対象の治療を包含するものとして理解されることになる。便宜上、この特定の喘息状態は、「乳児喘鳴症候群」と称される。
【0172】
喘息の治療における予防有効性は、例えば、急性喘息の症候性発作又は気管支収縮発作の頻度若しくは重症度の低減、肺機能の改善又は気道過敏の改善によって証明される。それはさらに、他の対症療法、すなわち、症候性発作を、それが発生するときに制限するか若しくは中断させるため又はそれを目的とする療法、例えば、抗炎症性(例えば、コルチコステロイド)又は気管支拡張性療法の必要の減少によって証明され得る。喘息における予防の利点は、特に、「モーニングディップ」になりやすい対象において明白であり得る。「モーニングディップ」は、喘息患者のかなりの割合に共通すると認められている喘息症候群であり、例えば、およそ午前4~6時の数時間の間、すなわち、以前に施されたいずれかの対症的喘息療法から通常は大幅に離れた時間で起こる喘息発作によって特徴付けられる。
【0173】
慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎又はそれに伴う呼吸困難、肺気腫、並びに他の薬物療法、特に、他の吸入薬療法の結果の気道過敏の増悪を含む。本発明はまた、例えば、急性、アラキジン酸性、カタル性、クループ性、慢性又は結核様気管支炎を含み、タイプ又は原因にかかわりなく気管支炎の治療に適用可能である。
【0174】
ドライアイ疾患は、涙液産生の減少並びに異常な涙膜脂質、タンパク質及びムチンプロファイルによって特徴付けられる。ドライアイには多くの原因があり、そのいくつかは年齢、レーザー眼手術、関節炎、薬物療法、化学的/熱による熱傷、アレルギー並びに嚢胞性線維症及びシェーグレン症候群などの疾患を含む。CFTRを介するアニオン分泌の増加は、角膜内皮細胞及び眼の周囲の分泌腺からの流体輸送を増強して、角膜水和を増加させるであろう。これが、ドライアイ疾患と関連する症状の軽減を助けることになるであろう。
【0175】
シェーグレン症候群は、免疫系が眼、口、皮膚、呼吸器組織、肝臓、膣及び腸を含む体中の水分産生腺を攻撃する自己免疫疾患である。症状は、ドライアイ、口渇症及び膣乾燥、並びに肺疾患を含む。本疾患はまた、関節リウマチ、全身性狼瘡、全身性硬化症及び多発性筋炎(polymypositis)/皮膚筋炎と関連する。欠陥のあるタンパク質輸送が本疾患の原因であると考えられ、それに対する治療選択肢は限られている。CFTR活性のモジュレーターは、本疾患に冒された種々の臓器を水和し、関連症状の軽減に役立つ場合がある。
【0176】
粘膜水和から恩恵を被る疾患の治療としてのCFTR活性モジュレーターの適合性は、好適なセルベースアッセイにおけるクロライドイオンの移動を測定することによって試験され得る。例えば、CFTRを内因的に発現するか又はCFTRを過剰発現するように操作された単一の細胞又はコンフルエントな上皮を使用して、電気生理学的手法又はイオン流束試験を用いてチャネル機能を評価することができる。以下に記載される方法を参照されたい:Hirsh et al.,J Pharm Exp Ther(2004);Moody et al.,Am J Physiol Cell Physiol(2005)。
【0177】
式(I)、(II)、又は(III)の化合物を含むCFTR活性モジュレーターもまた、特に本明細書で前に言及されるものなどの気管支拡張症、嚢胞性線維症又は閉塞性若しくは炎症性気道疾患の治療において、抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン作用又は鎮咳性原薬などの他の原薬と組み合わせた使用のための併用治療剤として、例えば、そのような薬物の治療活性の増強剤として又は規定投与量若しくはそのような薬物の潜在的な副作用を減少させる手段として有用である。
【0178】
式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、既定の医薬組成物中において他の原薬と混合されてもよいし、他の原薬と別々に、その前に、それと同時に又はその後に投与されてもよい。
【0179】
したがって、本発明は、さらなる態様として、浸透圧剤(高張性生理食塩水、デキストラン、マンニトール、キシリトール)、ENaC遮断薬、抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン作用、鎮咳性、抗菌性及び/又はデオキシリボヌクレアーゼ原薬とCFTR活性モジュレーターの組合せを含み、CFTR活性モジュレーター及びさらなる原薬が、同じ又は異なる医薬組成物中に存在してもよい。
【0180】
好適な抗生物質としては、マクロライド抗生物質、例えば、トブラマイシン(TOBI(商標))が挙げられる。
【0181】
好適なデオキシリボヌクレアーゼ原薬としては、DNAを選択的に切断する組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼI(rhデオキシリボヌクレアーゼ)の高度に精製された溶液であるドルナーゼアルファ(Pulmozyme(商標))が挙げられる。ドルナーゼアルファを使用して、嚢胞性線維症を治療する。
【0182】
CFTR活性モジュレーターと抗炎症薬の他の有用な組合せは、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、例えば、CCR-1、CCR-2、CCR-3、CCR-4、CCR-5、CCR-6、CCR-7、CCR-8、CCR-9及びCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、特に、CCR-5アンタゴニスト、例えば、Schering-PloughのアンタゴニストであるSC-351125、SCH-55700及びSCH-D;N-[[4-[[[6,7-ジヒドロ-2-(4-メチル-フェニル)-5H-ベンゾ-シクロヘプテン-8-イル]カルボニル]アミノ]フェニル]-メチル]テトラヒドロ-N,N-ジメチル-2H-ピラン-4-アミニウムクロリド(TAK-770)などのTakedaのアンタゴニスト;並びに米国特許第6,166,037号明細書(特に、請求項18及び19)、国際公開第00/66558号パンフレット(特に、請求項8)、国際公開第00/66559号パンフレット(特に、請求項9)、国際公開第04/018425号パンフレット及び国際公開第04/026873号パンフレットにおいて記載されるCCR-5アンタゴニストを伴うものである。
【0183】
好適な抗炎症薬としては、ステロイド、特に、糖質コルチコイド、例えば、ブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclamethasone dipropionate)、プロミオン酸フルチカゾン、シクレソニド若しくはフロ酸モメタゾン、又は国際公開第02/88167号パンフレット、国際公開第02/12266号パンフレット、国際公開第02/100879号パンフレット、国際公開第02/00679号パンフレット(特に、実施例3、11、14、17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99及び101)、国際公開第03/35668号パンフレット、国際公開第03/48181号パンフレット、国際公開第03/62259号パンフレット、国際公開第03/64445号パンフレット、国際公開第03/72592号パンフレット、国際公開第04/39827号パンフレット及び国際公開第04/66920号パンフレットにおいて記載されるステロイド;非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、独国特許第10261874号明細書、国際公開第00/00531号パンフレット、国際公開第02/10143号パンフレット、国際公開第03/82280号パンフレット、国際公開第03/82787号パンフレット、国際公開第03/86294号パンフレット、国際公開第03/104195号パンフレット、国際公開第03/101932号パンフレット、国際公開第04/05229号パンフレット、国際公開第04/18429号パンフレット、国際公開第04/19935号パンフレット及び国際公開第04/26248号パンフレットにおいて記載されるもの;LTD4アンタゴニスト、例えば、モンテルカスト及びザフィルルカスト;PDE4阻害剤、例えば、シロミラスト(Ariflo(登録商標)GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V-11294A(Napp)、BAY19-8004(Bayer)、SCH-351591(Schering-Plough)、アロフィリン(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(Parke-Davis)、AWD-12-281(Asta Medica)、CDC-801(Celgene)、SelCID(TM)CC-10004(Celgene)、VM554/UM565(Vernalis)、T-440(Tanabe)、KW-4490(Kyowa Hakko Kogyo)、及び国際公開第92/19594号パンフレット、国際公開第93/19749号パンフレット、国際公開第93/19750号パンフレット、国際公開第93/19751号パンフレット、国際公開第98/18796号パンフレット、国際公開第99/16766号パンフレット、国際公開第01/13953号パンフレット、国際公開第03/104204号パンフレット、国際公開第03/104205号パンフレット、国際公開第03/39544号パンフレット、国際公開第04/000814号パンフレット、国際公開第04/000839号パンフレット、国際公開第04/005258号パンフレット、国際公開第04/018450号パンフレット、国際公開第04/018451号パンフレット、国際公開第04/018457号パンフレット、国際公開第04/018465号パンフレット、国際公開第04/018431号パンフレット、国際公開第04/018449号パンフレット、国際公開第04/018450号パンフレット、国際公開第04/018451号パンフレット、国際公開第04/018457号パンフレット、国際公開第04/018465号パンフレット、国際公開第04/019944号パンフレット、国際公開第04/019945号パンフレット、国際公開第04/045607号パンフレット及び国際公開第04/037805号パンフレットにおいて開示されるもの;アデノシンA2B受容体アンタゴニスト、例えば、国際公開第02/42298号パンフレットにおいて記載されるもの;並びにベータ-2アドレノセプターアゴニスト、例えば、アルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロール フェノテロール、プロカテロール、及び特に、ホルモテロール、カルモテロール及びその薬学的に許容される塩、及び国際公開第0075114号パンフレット(この文書は参照により本明細書に組み込まれる)の式(I)の化合物(遊離又は塩又は溶媒和物形態において)、好ましくはその実施例の化合物、特に、インダカテロール及びその薬学的に許容される塩、並びに国際公開第04/16601号パンフレットの式(I)の化合物(遊離又は塩又は溶媒和物形態において)、及び欧州特許第1440966号明細書、日本特許第05025045号公報、国際公開第93/18007号パンフレット、国際公開第99/64035号パンフレット、米国特許出願公開第2002/0055651号明細書、国際公開第01/42193号パンフレット、国際公開第01/83462号パンフレット、国際公開第02/66422号パンフレット、国際公開第02/70490号パンフレット、国際公開第02/76933号パンフレット、国際公開第03/24439号パンフレット、国際公開第03/42160号パンフレット、国際公開第03/42164号パンフレット、国際公開第03/72539号パンフレット、国際公開第03/91204号パンフレット、国際公開第03/99764号パンフレット、国際公開第04/16578号パンフレット、国際公開第04/22547号パンフレット、国際公開第04/32921号パンフレット、国際公開第04/33412号パンフレット、国際公開第04/37768号パンフレット、国際公開第04/37773号パンフレット、国際公開第04/37807号パンフレット、国際公開第04/39762号パンフレット、国際公開第04/39766号パンフレット、国際公開第04/45618号パンフレット、国際公開第04/46083号パンフレット、国際公開第04/80964号パンフレット、国際公開第04/108765号パンフレット及び国際公開第04/108676号パンフレットの化合物が挙げられる。
【0184】
好適な気管支拡張性薬物としては、抗コリン作用又は抗ムスカリン作用剤、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩及びCHF 4226(Chiesi)、並びにグリコピロレートを含むが、欧州特許第424021号明細書、米国特許第3,714,357号明細書、米国特許第5,171,744号明細書、国際公開第01/04118号パンフレット、国際公開第02/00652号パンフレット、国際公開第02/51841号パンフレット、国際公開第02/53564号パンフレット、国際公開第03/00840号パンフレット、国際公開第03/33495号パンフレット、国際公開第03/53966号パンフレット、国際公開第03/87094号パンフレット、国際公開第04/018422号パンフレット及び国際公開第04/05285号パンフレットにおいて記載されるものも挙げられる。
【0185】
好適な二重の抗炎症性及び気管支拡張性薬物としては、米国特許出願公開第2004/0167167号明細書、国際公開第04/74246号パンフレット及び国際公開第04/74812号パンフレットにおいて開示されるものなどの二重のベータ2アドレノセプターアゴニスト/ムスカリンアンタゴニストが挙げられる。
【0186】
好適な抗ヒスタミン作用の原薬としては、セチリジン塩酸塩、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラチジン、デスロラチジン、ジフェンヒドラミン及びフェキソフェナジン塩酸塩、アクチバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチン及びテフェナジン(tefenadine)、並びに特開2004107299号公報、国際公開第03/099807号パンフレット及び国際公開第04/026841号パンフレットにおいて開示されるものが挙げられる。
【0187】
前述に従って、本発明はまた、さらなる態様として、CFTR活性の調節に応答する状態、例えば、上皮膜を通る流体量の調節に関連する疾患、特に、閉塞性気道疾患の治療のための方法であって、必要とする対象、特に、ヒト対象に遊離形態又は薬学的に許容される塩の形態で式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A)を投与することを含む方法を提供する。
【0188】
別の態様では、本発明は、CFTR活性の調節に応答する状態、特に、閉塞性気道疾患、例えば、気管支拡張症、嚢胞性線維症及びCOPDの治療のための医薬の製造における使用のための、遊離形態又は薬学的に許容される塩の形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A)を提供する。
【0189】
式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)は、任意の適切な経路、例えば、経口で、例えば、錠剤又はカプセルの形態で;非経口、例えば、静脈内;例えば、閉塞性気道疾患の治療において吸入によって;例えば、アレルギー性鼻炎の治療において鼻腔内;皮膚に局所的に;又は直腸性に投与され得る。さらなる態様では、本発明はまた、遊離形態又は薬学的に許容される塩の形態の式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A)を、任意選択によりそのために薬学的に許容される希釈剤又は担体と合わせて含む医薬組成物を提供する。組成物は、本明細書で前に記載されるとおりの抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン作用又は鎮咳性薬物などの併用治療剤を含有し得る。そのような組成物は、従来の希釈剤又は賦形剤及び当該技術分野で知られる手法を使用して調製され得る。したがって、経口剤形は、錠剤及びカプセルを含み得る。局所投与のための製剤は、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤又は経皮的送達系、例えば、パッチの形態をとり得る。吸入のための組成物は、エアロゾル若しくは他の微粒化可能な製剤又は乾燥粉末製剤を含み得る。
【0190】
組成物がエアロゾル製剤を含むとき、それは好ましくは、例えば、HFA134a若しくはHFA227又はこれらの混合物などのハイドロフルオロアルカン(HFA)噴霧剤を含有し、且つエタノール(最大20重量%)などの当該技術分野において知られる1つ以上の共溶媒及び/又はオレイン酸若しくはソルビタントリオレアートなどの1つ以上の界面活性剤、及び/又はラクトースなどの1つ以上の充填剤を含有してもよい。組成物が乾燥粉末製剤を含むとき、それは好ましくは、例えば、最大10ミクロンの粒子直径を有する式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を、任意選択により、所望の粒径分布のラクトースなどの希釈剤又は担体及び水分に起因する製品性能の劣化に対する保護を助ける化合物、例えば、ステアリン酸マグネシウムと合わせて含有する。組成物が噴霧される製剤を含むとき、それは好ましくは、例えば、水、エタノール又はプロピレングリコールなどの共溶媒及び界面活性剤であってもよい安定剤を含有する媒体中で溶解されたか又は懸濁された式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含有する。
【0191】
本発明のさらなる態様は、必要とする対象に以下の少なくとも1つを投与することを含む、気管支拡張症を治療するための方法を含む:
(a)例えば、エアロゾル若しくは他の微粒化可能な組成物中の吸入可能な形態又は吸入可能な微粒子、例えば、微粒子化された形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩);
(b)吸入可能な形態の式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含む吸入可能な医薬;
(c)吸入デバイスと関連して吸入可能な形態の式(I)、(II)、又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬品;
(d)吸入可能な形態で式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)を含有する吸入デバイス。
【0192】
6.5.医薬品使用及びアッセイ
式(I)、(II)又は(III)の化合物(例えば、化合物A又はその薬学的に許容される塩)及びそれらの薬学的に許容される塩は、医薬品として有用である。特に、化合物は、好適なCFTR活性モジュレーターであり、以下のアッセイにおいて試験され得る。
【0193】
6.5.1.膜電位アッセイ
CFTR活性は、膜電位差を測定することによって定量化され得る。生物システムにおいて膜電位差を測定するための手段は、電気生理学的及び光学的な蛍光に基づく膜電位アッセイを含むいくつかの方法を利用できる。
【0194】
光学的な膜電位アッセイは、細胞外にあるときに消光剤に結合されるFLIPR膜電位色素(FMP)などの負電荷を有する電位差測定色素を利用する(Baxter DF,Kirk M,Garcia AF,Raimondi A,Holmqvist MH,Flint KK,Bojanic D,Distefano PS,Curtis R,Xie Y.「A novel membrane potential-sensitive fluorescent dye improves cell-based assays for ion channels.」J Biomol Screen.2002 Feb;7(1):79-85を参照のこと)。細胞の脱分極時に負電荷を有する色素が細胞内区画に再分布し、膜不透過の消光剤から解離して、蛍光の増加をもたらす。この蛍光の変化が、CFTRの活性から生じ得る膜電位差の変化に比例する。蛍光の変化は、96又は384ウェルマイクロタイタープレート中においてFLIPR(蛍光定量的イメージングプレートリーダー)などの適切に備え付けられた蛍光検出器によってリアルタイムでモニターされ得る。
【0195】
細胞培養:
ΔF508-CFTRチャネルを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が、膜電位実験のために使用された。細胞を、8% v/vウシ胎仔血清、100μg/mlメトトレキセート及び100U/mlペニシリン/ストレプトマイシンが補充された改変イーグル培地(MEM)中において100%の湿度にて5% v/v COにおいて37℃で維持した。細胞を、225cm組織培養フラスコ中で増殖させた。膜電位アッセイのために、細胞を、ウェル当たり40,000細胞で96ウェルプレートに播種し、接着させ、続いて26℃で48時間維持して、チャネル挿入を容易にした。
【0196】
6.5.2.増強剤アッセイ
膜電位スクリーニングアッセイは、二段添加プロトコルと組み合わせた細胞外溶液(約5mM)を含有する低クロライドイオンを利用した。第1の添加は、試験化合物を含むか又は含まない緩衝液の添加であり、その5分後にフォルスコリン(1~20μM)を添加した-このプロトコルは、ΔF508-CFTR活性化に応答した最大のクロライドの流出に有利である。ΔF508-CFTRに媒介されるクロライドイオンの流出は、FMP色素によって光学的にモニターされる膜脱分極をもたらす。
【0197】
溶液:
低クロライド細胞外(mM):120 Na-グルコース、1.2 CaCl、3.3 KHPO、0.8 KHPO、1.2 MgCl、10.0 D-グルコース、20.0 HEPES、NaOHによるpH7.4
FMP色素:10×最終濃度にて上で詳述された低クロライド細胞外溶液中において製造業者の指示書に従って構成され、-20℃で1mLの分割量として保管された。
【0198】
6.5.3.IonWorks Quattroアッセイ
CFTR活性もまた、パッチクランプ法の全細胞構成を使用して電気生理学的に定量化され得る(Hamill et al Pflugers Acrhive 1981)。このアッセイは、膜間電圧を維持又は調整しながら、CFTRチャネルを通るクロライドの流れに関連する電流を直接的に測定する。このアッセイは、天然又は組換え細胞系からCFTR活性を測定するために単一のガラスマイクロピペット又は並列の平面アレイのいずれかを使用し得る。並列の平面アレイを使用して測定される電流は、IonWorks Quattro(Molecular Devices)又はQpatch(Sophion)などの適切に備え付けられた機器を使用して定量化され得る。Quattroシステムは、記録ウェル(HT構成)当たりの単一の細胞或いはウェル当たりの64個の細胞の集団(集団パッチクランプPPC)のいずれかからのCFTR電流を測定できる(Finkel A,Wittel A,Yang N,Handran S,Hughes J,Costantin J.「Population patch clamp improves data consistency and success rates in the measurement of ionic currents.」J Biomol Screen.2006 Aug;11(5):488-96)。
【0199】
細胞培養:
ΔF508-CFTRチャネルを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が、IonWorks Quattro実験のために使用された。細胞を、10%(v/v)FCS、100U/mlペニシリン/ストレプトマイシン、1%(v/v)NEAA、1mg/mlゼオシン及び500ug/mlハイグロマイシンBが補充されたD-MEM中において100%の湿度にて5% v/v COにおいて37℃で維持した。実験のために、細胞を、コンフルエンス付近まで225cm組織培養フラスコ中で増殖させ、26℃で48~72時間培養して、チャネルの挿入を容易にした。細胞をフラスコから除去し、即座の実験のために細胞外記録溶液或いは10% v/v DMSOが補充された増殖培地のいずれかにおいて再懸濁させ、後日使用するために1~2mLの分割量として-80℃に凍結した。
【0200】
6.5.4.増強剤アッセイ
1mL当たり1.5~3百万の密度の細胞を、Quattroシステム上に置き、平面パッチアレイに加え、シールを5~10分間定着させた。シール抵抗(一般に>50MΩ)を評価した後、全細胞の利用が、100μg/mLのアンホテリシンBによる穿孔によって得られた。ベースライン電流は、-100~+100mVの電圧勾配の適用によって得られる化合物添加前のスキャンによって測定された。続いて、緩衝液又は20μMのフォルスコリンが補充された細胞外溶液中で希釈された試験化合物を平面パッチアレイの384個の各ウェルに加えた。インキュベーション工程(5~20分)の後、化合物添加後の電流は、-100~+100mVの電圧勾配の適用によって再び測定された。化合物添加前と添加後のスキャンの間の電流の差が、CFTR増強の有効性を規定した。
【0201】
溶液:
細胞外溶液(ECS):145mM NaCl、4mM CsCl、5mM D-グルコース、10mM TES、1mM CaCl、1mM MgCl、pH7.4 NaOH
細胞内緩衝液(ICS):113mM L-アスパラギン酸、113mM CsOH、27mM CsCl、1mM NaCl、1mM MgCl、1mM EGTA、10mM TES、CsOHによるpH7.2 フィルターは使用前に滅菌された。
【0202】
6.5.5.イオン輸送アッセイ
CFTR機能を測定する別の方法は、Ussingチャンバー短絡電流測定である。操作された上皮細胞又は天然上皮細胞は、半透性フィルター上でコンフルエント単層まで増殖され、2つのパースペックスブロックの間で挟まれる。上皮の一方の側から他方へのCFTRを介するクロライドイオンの流れは、0mVで経上皮電位を測定しながら電流の流れを測定することによって定量化され得る。これは、KClを充填した寒天系の電極を使用して、両方が細胞の単層をクランプし、電流の流れを測定することによって達成される。
【0203】
細胞培養:
ΔF508-CFTRを安定に発現するFRT細胞を、増殖培地としての32mM NaHCO、10% v/vウシ胎仔血清、2mM L-グルタミン、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び30μg/mLハイグロマイシンBが補充されたCoon改変F-12培地中においてプラスチック上で培養した。Ussingチャンバー実験のために、細胞を、Snapwell透過性支持体インサート上で分極した上皮として増殖させ(増殖培地中の500000細胞/インサート)、7~9日間培養した。インサートを、新鮮なCoon改変F-12増殖培地を48時間毎、及びUssingチャンバー実験の24時間前に供給した。細胞表面でのΔF508 CFTRタンパク質発現を増加させるために、プレートを27℃で48時間インキュベートした後、Ussingチャンバー実験を実施した。
【0204】
6.5.6.増強剤アッセイ
ヒトΔF508-CFTRを安定に発現するFischerラット甲状腺(FRT)上皮細胞を、透過性支持体上の単層培養物として使用した。Cl電流は、Ussingチャンバー中において課された基底から頂端までのCl勾配下で短絡電流手法を使用して測定された。安定なCl電流を測定するために、FRT細胞を、27℃で48時間培養して、ΔF508 CFTRの原形質膜への挿入を容易にした。Ussingチャンバー試験は、27℃で同様に実施された。これらの条件下で、ΔF508 CFTR電流に対する試験化合物の累積的な添加の影響を、効力及び有効性評価項目の両方で定量化できた。化合物を、10μMのフォルスコリンを添加した後、頂端側と基底側の両方に加えた。化合物の有効性は、ゲニステイン(gensitein)などの既知の増強剤と比較された。
【0205】
溶液:
基底リンゲル液(mM):126 NaCl、24 NaHCO、0.38 KHPO、2.13 KHPO、1 MgSO、1 CaCl及び10 グルコース。
頂端リンゲル液(mM):140 Na-グルコース、1 MgSO、2 CaCl、1 HCl、10 グルコース及び24 NaHCO
【0206】
化合物はまた、上のアッセイを使用する細胞膜へのΔF508 CFTRの挿入を刺激するそれらの能力について試験され得る。これらのアッセイに関して、プロトコルは、細胞が低温(26℃又は27℃)で培養されなかったこと以外は同一であったが、代わりにアッセイ前の12~24時間試験化合物とインキュベートされた。
【0207】
本明細書の下の実施例の化合物は一般に、10μM未満の上記のデータ測定におけるEC50値を有する。表1は、それらのEC50値とともに代表的な化合物のリストを提供する。
【0208】
【表1】
【0209】
下で列挙される化合物は、最も広い請求項の範囲内であり、上記のデータ測定におけるCFTR EC50値は、5μMを超えるものであった:
3-アミノ-6-ブロモ-N-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イルメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
2-(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)酢酸;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-6-(1-メチル-1H-インドール-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
6-((3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)オキシ)-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(6-(3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)ピリジン-3-イル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
(R)-3-アミノ-6-ブロモ-N-((4-メチルピペラジン-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-(3-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-イソブチル-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
6-ブロモ-3-(メチルアミノ)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル)(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-(ピリジン-4-イル)エチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-6-(1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(4-カルバモイル-2-メチルフェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-(ピリジン-3-イル)エチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-(3,4-ジメチルフェニル)-N-(2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-ベンジル-6-ブロモ-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ヒドロキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ヒドロキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-イル)(4-メチル-3-フェニルピペラジン-1-イル)メタノン;
(S)-3-アミノ-6-ブロモ-N-((1-エチルピロリジン-2-イル)メチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;及び
3-アミノ-6-ブロモ-N-(イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イルメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド。
【実施例
【0210】
本発明は以下の実施例によって示される。
【0211】
7.1.化合物の合成
一般的な条件:
質量スペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を使用するLC-MSシステム上で実施された。これらは、Agilent 1100 HPLC/Micromass Platform質量分析計の組合せ又はSQD質量分析計を伴うWaters Acquity UPLCのいずれかであった。[M+H]は、モノアイソトピック分子量を指す。
【0212】
NMRスペクトルは、ICON-NMRを使用してオープンアクセスのBruker Avance 400 NMR質量分析計上で実施された。スペクトルは298Kで測定され、溶媒ピークを使用して参照された。旋光度は、21℃で光学活性AA-1000旋光計を使用して589nm及び546nmで測定された。
【0213】
以下の実施例は、本発明を説明することが意図され、それに対して限定するものと解釈されるべきではない。温度は、摂氏温度(℃)で示す。特に示さない限り、全ての蒸発は、減圧下で、好ましくは、約15mmHg~100mmHg(=20~133mbar)で実施される。最終生成物、中間体及び出発物質の構造は、標準的分析法、例えば、微量分析及び分光的特性、例えば、MS、IR、及びNMRにより確認される。使用する略語は、当該技術分野で慣例的なものである。定義されない場合、用語は、それらの一般的に受け入れられる意味を有する。
【0214】
略称:
app 明白な
ATP アデノシン5’-三リン酸
BINAP ラセミ2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル
BOC 三級ブチルカルボキシ
br ブロードな
d 二重線
dd 二重線の二重線
DCM ジクロロメタン
DIEA ジエチルイソプロピルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイトール
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
eq 当量
h 時間
HATU 2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
IR 赤外分光法
LCMS 液体クロマトグラフィー及び質量分析
MeOH メタノール
MS 質量分析
MW マイクロ波
m 多重線
min 分
ml ミリリットル
m/z 質量対電荷比
NMR 核磁気共鳴
ppm 百万分率
PS ポリマー担持
rac ラセミの
RT 室温
Rt 保持時間
s 一重線
SCX-2 強カチオン交換(例えば、BiotageからのIsolute(登録商標)SCX-2カラム)
t 三重線
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0215】
以下の例を参照すると、好ましい実施形態の化合物は、本明細書に記載される方法、又は当該技術分野で知られている他の方法を使用して合成された。
【0216】
好ましい実施形態の様々な出発材料、中間体、及び化合物は、必要に応じて、沈殿、濾過、結晶化、蒸発、蒸溜、及びクロマトグラフィーなどの従来の手法を使用して、単離され且つ精製されてもよい。特に明記しない限り、全ての出発材料は、民間の製造業者から入手し、さらに精製することなく使用された。塩は、既知の塩形成手順によって化合物から調製され得る。
【0217】
好ましい実施形態による有機化合物は、互変異性の現象を示す場合があることが理解されるべきである。本明細書内の化学構造は、可能な互変異性形態の1つしか表すことができないため、好ましい実施形態は、描かれた構造の任意の互変異性形態を包含することが理解されるべきである。
【0218】
特に示されない場合、分析的HPLC条件は以下のとおりである:
方法 10minLC_v001
カラム Waters BEH C18 100×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:アセトニトリル(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.7ml/分
勾配 0.25分 5% B;7.75分で5%~95%、1.00分 95% B
【0219】
方法 10minLC_v002
カラム Waters BEH C18 50×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:メタノール(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.8ml/分
勾配 0.20分 5% B;7.80分で5%~95%、1.00分 95% B
【0220】
方法 10minLC_v003
カラム Waters BEH C18 50×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:アセトニトリル(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.8ml/分
勾配 0.20分 5% B;7.80分で5%~95%、1.00分 95% B
【0221】
方法 2minLC_v001
カラム Waters BEH C18 100×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:アセトニトリル(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.7ml/分
勾配 0.25分 5% B;1.00分で5%~95%、0.25分 95% B
【0222】
方法 2minLC_v002
カラム Waters BEH C18 50×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:メタノール(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.8ml/分
勾配 0.20分 5% B;1.30分で5%~95%、0.25分 95% B
【0223】
方法 2minLC_v003
カラム Waters BEH C18 50×2.1mm、1.7μm
カラム温度 50℃
溶出液 A:HO、B:アセトニトリル(両方ともに0.1% TFAを含有する)
流速 0.8ml/分
勾配 0.20分 5% B;1.30分で5%~95%、0.25分 95% B
【0224】
方法 10minC18
カラム:Gemini C18 100×3mm、3ミクロン
カラム温度 50℃
溶出液:A:H2O、B:メタノール、0.1% ギ酸
流速:1mL/分
勾配:0.00分 0% B、10.00分 95% B
【0225】
方法 AD25IPA_DEA
移動相:25% イソプロパノール+0.1% v/v DEA/75% CO
カラム:Chiralpak AD-H、250×10mm id、5μm
検出:220nmのUV
流速:10ml/分
【0226】
実施例1:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化19】
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体A)(397mg、1.392mmol)、3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-プロパン-2-オール塩酸塩(250mg、1.392mmol)及びHATU(529mg、1.392mmol)を、DMF(10ml)中で溶解させ、室温で2分間撹拌した。4-メチルモルホリン(0.413mL、4.18mmol)を加え、室温で3時間撹拌を続けた。反応混合物を、氷/水(100ml)に注ぎ、EtOAc(250ml)で抽出した。有機抽出物をNHCl飽和溶液(約50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、淡褐色油を得た。油をCHCl(約3ml)中で溶解させ、24g ISCO(シリカ)カラム上にロードし、イソ-ヘキサン:EtOAcで溶出して、標題の生成物を得た;LC-MS Rt=1.46分;[M+H]410.1、方法2minLC_v002。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.30(NH,t),7.72(1H,s),7.29(NH2,b s),6.28(OH,s),3.68(1H,dd),3.47(1H,dd),1.24(3H,s).19F NMR(400MHz,DMSO-d6)δ-62.71(CF3,s),-80.48(CF3,s).
【0227】
以下の表にされた実施例(表2)の化合物を、適切な出発化合物及びアミンから実施例1のものと同様の方法によって調製した。単一のエナンチオマーを、キラルアミンを使用するか又は超臨界流体クロマトグラフィーによる生成物の分離によって調製した。出発化合物及びアミンの調製は、それらが市販されていない限り、中間体の節において記載される。DIPEA又はTEAが、いくつかの反応において4-メチルモルホリンの代わりに使用された場合がある。
【0228】
【表2】
【0229】
【表3】
【0230】
【表4】
【0231】
【表5】
【0232】
【表6】
【0233】
【表7】
【0234】
【表8】
【0235】
【表9】
【0236】
【表10】
【0237】
【表11】
【0238】
【表12】
【0239】
【表13】
【0240】
【表14】
【0241】
【表15】
【0242】
【表16】
【0243】
実施例2及び3:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド及び3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
実施例2:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化20】
を、以下の条件下で超臨界流体クロマトグラフィーを使用して3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例1)のキラル分離によって調製した:
移動相:12% イソプロパノール+0.1% DEA/88% CO
カラム:Chiralpak OJ-H、250×10mm id、5μm
検出:220nmのUV
流速:10ml/分
試料濃度:5ml EtOH中の347mg
注入量:50μl
【0244】
第1の溶出ピーク:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド。
LC-MS:Rt=4.97分[M+H]+410.1/412.2(方法10minLC_v002)。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.30(NH,t),7.72(1H,s),7.29(NH2,b s),6.28(OH,s),3.68(1H,dd),3.47(1H,dd),1.24(3H,s).
19F NMR(400MHz,DMSO-d6)d-62.70(CF3,s),-80.47(CF3,s).
589nmでの旋光度[α]21 +14.4°(c=0.522、MeOH)。
【0245】
実施例3:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化21】
を、以下の条件下で超臨界流体クロマトグラフィーを使用して3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例1)のキラル分離によって調製した:
移動相:12% イソプロパノール+0.1% DEA/88% CO
カラム:Chiralpak OJ-H、250×10mm id、5μm
検出:220nmのUV
流速:10ml/分
試料濃度:5ml EtOH中の347mg
注入量:50μl
【0246】
第2の溶出ピーク:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
LC-MS Rt=4.94分[M+H]+412.1(方法10minLC_v002)。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.30(NH,t),7.72(1H,s),7.29(NH2,b s),6.28(OH,s),3.68(1H,dd),3.47(1H,dd),1.24(3H,s).
19F NMR(400MHz,DMSO-d6)d-62.70(CF3,s),-80.48(CF3,s).
この化合物の立体化学は、X線結晶学によって確認された。
【0247】
実施例4、5及び6:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド及びそのエナンチオマー
実施例4:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化22】
を、以下の手順に従って調製した:
NMP(188ml)中の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体D)(4g、16.94mmol)及び3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩(中間体R)(3.04g、16.94mmol)を含む溶液を、HATU(7.73g、20.33mmol)で処理した後、DIPEA(8.88mL、50.8mmol)を1時間かけて滴下して加えた(2ml部分)。さらに1時間撹拌した後、反応混合物を水(450ml)及びEtOAc(450ml)に注いだ。水相を5M HCl(50ml)で酸性化し、層を分離した。有機部分を2M NaOH(200ml)、水(4×200ml)、塩水(2×100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、褐色固体を得た。イソ-ヘキサン中の0~50% EtOAcで溶出するシリカ(220g プレパックシリカカートリッジ)上でのクロマトグラフィーによる固体の精製によって、黄色固体としてラセミ体、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例4)を得た;
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,t),7.7(1H,s),6.7(2H,s),6.2(1H,s),3.9(3H,s),3.7(1H,m),3.5(1H,m),1.2(3H,s).
LC-MS:Rt 1.24分;MS m/z 362.4[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0248】
超臨界流体クロマトグラフィーによるラセミ体のキラル分離を、以下の条件を使用して実行して、本明細書において後に列挙される化合物を得た:
移動相:12% 2-プロパノール+0.1% DEA/50% CO
カラム:Chiralcel OD-H、250×10mm id、5μm(直列に連結された2つのカラム)
検出:220nmのUV
流速:10ml/分
試料濃度:30ml EtOH中の3.5g
注入量:100μl
【0249】
実施例5及び6はエナンチオマーである。
実施例5:第1の溶出ピーク Rt=7.30分。3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(“化合物A”):
【化23】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,t),7.6(1H,s),6.6(2H,ブロード),6.2(1H,s),3.9(3H,s),3.6(1H,m),3.5(1H,m),1.3(3H,s).
LC-MS Rt=1.15分、[M+H]+362.4(方法2minLC_v003)。
589nmでの旋光度[α]21 -20.83°(c=0.513、MeOH)。
この化合物の立体化学は、X線結晶学によって確認された。
【0250】
実施例6:第2の溶出ピーク Rt=8.29分。3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化24】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,t),7.6(1H,s),6.6(2H,ブロード),6.2(1H,s),3.9(3H,s),3.6(1H,m),3.5(1H,m),1.3(3H,s).
LC-MS Rt=1.15分[M+H]+362.4(方法2minLC_v003)。
【0251】
或いは、実施例5は、以下の方法に従って調製され得る:
NMP(400ml)中の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体D)(10g、42.3mmol)及び(S)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩(中間体RA)(7.60g、42.3mmol)の溶液に、HATU(19.3g、50.8mmol)を加えた後、約1時間かけてDIPEA(22.19mL、127mmol)を滴下して加えた。室温で30分間撹拌した後、混合物をEtOAc(2L)に加え、1M NaOH(2×1L)、水(1L)、塩水(1L)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、暗褐色油として粗生成物を得た。イソ-ヘキサン中の1~25%のEtOAcの勾配で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる精製によって、黄色油を得た。イソ-ヘキサン/DCMからの油の再結晶によって、結晶性固体として3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.28(1H,t),7.66(1H,s),6.67(2H,s),6.27(1H,s),3.91(3H,s),3.65(1H,m),3.45(1H,m),1.24(3H,s).
19F NMR(376MHz,DMSO-d6)-62.58 ppm(s),-80.43 ppm(s).
【0252】
実施例7:3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド。
【化25】
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例3)(100mg、0.244mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(37.5mg、0.268mmol)及び1,1’ビス(ジフェニルホスホシオ(diphenylphosphoshio))フェロセンパラジウムジクロリド(19.90mg、0.024mmol)を、THF(2ml)及び1M CsCO(0.667ml)中で懸濁させた。バイアルを、Nでフラッシングし、密封し、マイクロ波照射を使用して160℃で15分間加熱した。混合物を、EtOAc(50ml)と水(50ml)の間で分配した。有機部分を分離し、塩水(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、Celite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を、DMSO(2ml)中で溶解し、MeCN/水/0.1% TFA溶出液を使用して質量分析計直結型LCMSによって精製して、きれいな生成物を得た。MeCN/水/0.1% TFA溶液として得られた生成物画分を、EtOAc(50ml)に注ぎ、飽和NaHCO(50ml)で洗浄して、遊離塩基生成物を得た。有機部分を合わせ、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、淡橙色の結晶性固体として標題の化合物を得た;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.4(1H,m),7.7(1H,s),7.49(2H,m),7.29(2H,t),7.2(2H,br s),6.22(1H,s),3.68(1H,m),3.44(1H,m),1.22(3H,s).LC-MS Rt 4.41分[M+H]+426(方法10minLC_v003)。
【0253】
実施例8:3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド。
【化26】
この化合物を、実施例8と同様に3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例2)から調製した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.42(1H,m),7.7(1H,s),7.5(2H,m),7.3(2H,t),7.21(2H,br s),6.24(1H,s),3.68(1H,m),3.44(1H,m),1.22(3H,s).LC-MS Rt=4.39分[M+H]+426(方法10minLC_v003)。
【0254】
実施例9及び10:3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドのエナンチオマー
3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドのエナンチオマーを、実施例1と同様に3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体H)及び3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩から調製し、超臨界流体クロマトグラフィーを使用してキラル分離によって分離した。
【0255】
実施例9:第1の溶出ピーク。3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドのエナンチオマー1:
【化27】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.38(t,1H),7.83(s,1H),7.78(s,1H),7.60(d,1H),7.54(d,1H),7.39(br s ,2H),6.25(br s,1H).3.71(dd,1H),3.48(dd,1H),1.26(s,3H).LC-MS Rt=1.65分[M+H]+476(方法2minLC_v002)。
【0256】
実施例10:第2の溶出ピーク。3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドのエナンチオマー2。
【化28】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.38(t,1H),7.83(s,1H),7.78(s,1H),7.60(d,1H),7.54(d,1H),7.39(br s ,2H),6.25(br s,1H).3.71(dd,1H),3.48(dd,1H),1.26(s,3H).LC-MS Rt=1.65分[M+H]+=476.1(方法2minLC_v002)。
【0257】
実施例11:3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化29】
トルエン:EtOH(12ml)の2:1混合物中における3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例1.10)(180mg、0.505mmol)及び4-フルオロフェニルボロン酸(106mg、0.758mmol)の撹拌懸濁液に、窒素下で2M NaCO(aq)(1.011mL、2.022mmol)を加えた後、Pd(dppf)Cl.CHCl付加体(41mg、0.051mmol)を加えた。反応混合物を、140℃で1時間マイクロ波照射を使用して加熱し、続いて室温まで冷却した。混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、水(100ml)で洗浄した。有機相を分離し、Celite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、褐色油/固体を得た。MeOH/DCMで溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる精製によって、黄色油/固体を得た。これを、30% MeOH/DCM(50ml)で溶出する500mg Isolute(登録商標)Si-TMTカートリッジ(2,4,6-トリメルカプトトリアジンシリカ、DCMで予め湿らされる)に通して、黄色油/固体を得た。粗生成物を真空中で乾燥させ、約0.5ml DCM中でスラリーにした。得られた懸濁液を、濾過により除去し、濾液を蒸発させて、淡黄色/褐色の泡状固体として標題の化合物を得た;LC-MS Rt=5.30分[M+H]+372(方法10minLC_v002)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6),δ 8.29(1H,t),7.69(1H,s),7.49(2H,t),7.29(2H,t),7.22(2H,s),4.63(1H,s),3.24(2H,d),1.08(6H,s).
【0258】
実施例12:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド
【化30】
工程1:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド
この化合物を、実施例1と同様に3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体D2)及び3-アミノ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールから調製した;LC-MS Rt=1.50分[M+H]+426(方法2minLC_v002)。
【0259】
工程2:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド
3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド(350mg、0.823mmol)を、EtOH(14ml)及び水(7ml)中で溶解させた。ヒロキシルアミン(Hyroxylamine)塩酸塩(572mg、8.23mmol)を加えた後、TEA(167mg、1.646mmol)を加え、混合物を還流で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物を、MeOH:水(0.1% TFA)で溶出する逆相クロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体として標題の化合物を得た;LC-MS Rt=4.20分[M+H]+348.2(方法10minLC_v002)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.47(NH,t),7.66(1H,s),6.68(NH2,b s),6.51(OH,d),4.27-4.20(1H,m),3.93(3H,s),3.64-3.58(1H,m),3.44-3.37(1H,m).
19F NMR(400MHz,DMSO-d6)d-62.67(CF3,s),-77.05(CF3,s),微量のTFA.
【0260】
実施例14:5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-プロピル)-アミド
【化31】
この化合物を、実施例8と同様に3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-プロピル)-アミド(実施例1.28)及び2-メチルピリジン-5-ボロン酸から調製した。LC-MS Rt 1.28分;477[M+H]+;(方法2minLC_v002)。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.50(1H,s),7.85(1H,dd),7.69(1H,s),7.40(1H,d),4.00(2H,s),2.62(3H,s).
【0261】
実施例15:5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化32】
この化合物を、超臨界流体クロマトグラフィーを使用する5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(実施例1.29)のキラル分離によって調製した;LC-MS Rt 3.15分[M+H]+423;(方法10minLC_v002)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.53(1H,s),8.49(1H,t),7.75(1H,d),7.71(1H,s),7.35(1H,d),7.25(2H,s),6.22(1H,s),3.69(1H,dd),3.42(1H,dd),2.54(3H,s),1.22(3H,s).SFC保持時間:4.87分.
【0262】
実施例16及び17:3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド及び3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化33】
工程1:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
NMP(32ml)中の3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体M)(1.16g、3.29mmol)の撹拌溶液に、3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-プロパン-2-オール塩酸塩(市販)(591mg、3.29mmol)を加えた後、HATU(1.25g、3.29mmol)及びNEt(918uL、6.59mmol)を加え、反応混合物を室温で撹拌したままにした。1時間後、さらなる0.2当量のNEtを加えた。15分後、さらなる0.4当量のNEt及び0.2当量のアミンを加えた。30分後、さらなる0.1当量のHATUを加えた。30分後、出発材料の大部分が消費された。反応混合物をEtOAc(50ml)に加え、0.1M NaOHで洗浄し、水層をEtOAc(2×50ml)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を、水(2×150ml)、塩水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、橙色油として粗生成物を得た。
【0263】
粗製の材料を、イソ-ヘキサン中の0~15% EtOAcで溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体として標題の生成物を得た;LC-MS Rt1.32分;MS m/z 478.2[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0264】
工程2:3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
2:1 EtOH/HO(7.5ml)中の3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド(985mg、2.064mmol)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.43g、20.64mmol)を加えた後、NEt(575mL、4.13mmol)を加えた。反応混合物を、還流(約98℃)まで11.5時間加熱し、続いて室温まで冷却した。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣をEtOAc(25mL)と水(25mL)の間で分配した。水層を分離し、EtOAc(2×25ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を塩水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。粗製の材料を、イソ-ヘキサン中の0~25% EtOAcで溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体として標題の生成物を得た;LC-MS:Rt 1.24分;MS m/z 400.0[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0265】
工程3:3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド及び3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド
【化34】
これらの化合物を、3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミドのキラル分離によって調製した。
エナンチオマー1:LC-MS Rt 1.23分;MS m/z 400.0[M+H]+;方法2minLC_v003。SFC保持時間 5.07分。
エナンチオマー2;LC-MS Rt 1.23分;MS m/z 400.0[M+H]+;方法2minLC_v003。SFC保持時間 5.13分。
【0266】
実施例18:3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化35】
標題の化合物を、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体D)及び3,3,3-トリフルオロ-N2-(4-メトキシベンジル)-2-メチルプロパン-1,2-ジアミン(中間体N)から実施例1と同様に調製した。DIPEAをこの反応において使用した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.27(1H,m),7.68(1H,s),7.25(2H,d),6.83(2H,d),6.70(2H,s),3.85(3H,s),3.75(2H,m),3.72(3H,s),3.70(1H,m),3.47(1H,m),2.80(1H,t),1.24(3H,s).
【0267】
実施例19:3-アミノ-N-(2-アミノ-3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロピル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化36】
TFA(50ml)中の3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド(実施例18)(0.9g、1.873mmol)を含む混合物を、50℃まで2時間加熱した。室温まで冷却した後、pHを、2M NaOHを使用してpH12まで調整した。生成物をDCMで抽出し、有機抽出物を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を、SCX-2カートリッジ上にロードし、MeOHに続いてMeOH中の2M NHで溶出した。メタノールを含有するアンモニア画分を真空中で濃縮し、真空下で乾燥させて、標題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.35(1H,m),7.67(1H,s),6.67(2H,s),3.93(3H,s),3.58(1H,m),3.40(1H,m),2.22(2H,s),1.14(3H,s).LC-MS Rt 0.94分;MS m/z 361.2[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0268】
実施例20:3-アミノ-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化37】
工程1:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
標題の化合物を、実施例1と同様に中間体DAから調製した;LC-MS Rt 1.42分;MS m/z 479.3[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0269】
工程2:3-アミノ-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
この化合物を、中間体D(最終工程)と同様に3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドから調製した。得られたラセミ体を、SFCにより分離して、標題の化合物を得た;第1の溶出ピーク:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.24(1H,m),7.6(1H,s),6.4(2H,br s),6.32(1H,s),3.64(1H,m),3.48(1H,m),3.35(4H),1.88(4H,m),1.25(3H,s).
LC-MS Rt 3.87分;MS m/z 401.3[M+H]+;方法10minLC_v003。
【0270】
実施例21:(S)-3-アミノ-6-エトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化38】
標題の化合物を、実施例20と同様に中間体DB及び中間体Rから調製した;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,t),7.7(1H,s),6.6(2H,ブロード),6.3(1H,s),4.4(2H,q),3.6(1H,多重項),3.5(1H,多重項),1.3(3H,t),1.2(3H,s).
LC-MS Rt 1.20分;MS m/z 376.2[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0271】
実施例22:3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-モルホリノエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド
【化39】
NMP(8ml)中の3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(中間体C)(250mg、0.874mmol)の撹拌溶液に、4-(2-アミノエチル)モルホリン(138uL、1.049mmol)に続いてDIPEA(763ul、4.37mmol)を加えた。次に、この溶液に、HATU(499mg、1.311mmol)を少量ずつ加え、反応混合物を室温で1時間撹拌したままにした。さらなる1当量の4-(2-アミノエチル)モルホリンを加えた。さらに1.5時間後、0.5当量の HATU(166mg、0.425mmol)を加え、反応混合物をさらに30分間撹拌したままにした。混合物をEtOAc(50ml)に加え、0.1M NaOH(50ml)で洗浄した。水層をEtOAc(50mL)で逆抽出した。合わせた有機物を水(50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、褐色油(418mg)を得た。粗生成物を、クロマトグラフィー(Biotage-シリカ 20g/70ml カラム、3:1 EtOAc/イソ-ヘキサン)により精製した。得られた黄色残渣を、MeOHで予め湿らされたSCX-2カートリッジ(10g)上にロードした。カートリッジをMeOH(140ml)で洗浄し、メタノール溶液中の3.5M アンモニア(70ml)で溶出した。適切な画分を減圧下で蒸発させて、固体を得た。この固体をEtOAc中で溶解させ、減圧下で濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、続いて真空中で乾燥させて、黄色固体として標題の化合物を得た;LC-MS:Rt 2.61分;MS m/z 398.2[M+H]+;方法10minLC_v002。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.70(1H,s),8.10(2H,s),3.58(4H.t),3.40(2H,q),2.45(2H,m),2.40(4H,s).
【0272】
実施例23:N-(2-(1H-イミダゾール-2-イル)プロピル)-3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド
【化40】
標題の化合物を、3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(中間体C)及び2-(1H-イミダゾール-2-イル)プロパン-1-アミンから調製した(Steffens,Robert;Schunack,Walterの手順に従って調製された)。ヒスタミンアナログ、XXVI。ラセミのヒスタミンH1-アゴニスト。Archiv der Pharmazie(Weinheim,Germany)(1984),317(9),771-6;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.8(1H,s),9.0(1H,t),8.1(2H,s),7.0(1H,s),6.8(1H,s),3.55(2H,m),3.15(1H,m),1.2(3H,d).LC-MS[M+H]+393.0/395.1.
【0273】
実施例24a及び24b:3-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミドのエナンチオマー
【化41】
標題の化合物を、実施例4と同様に中間体BA及び3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オールから調製した。超臨界流体クロマトグラフィーによるラセミ体のキラル分離によって、標題の化合物を得た。
【0274】
実施例24a:第1の溶出ピーク:3-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミドのエナンチオマー1;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.61-8.74(1H,ブロードなハンプ),8.5-8.61(1H,ブロードなハンプ),8.46(1H,t),6.3(1H,s),3.69(1H,m),3.5(1H,m),1.29(3H,s).
LC-MS:Rt 4.23分;MS m/z 401.2[M+H]+;方法10minLC_v003。
【0275】
実施例24b:第2の溶出ピーク:3-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミドのエナンチオマー2;1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.61-8.76(1H,ブロードなハンプ),8.5-8.60(1H,ブロードなハンプ),8.46(1H,t),6.3(1H,s),3.69(1H,m),3.5(1H,m),1.29(3H,s).LC-MS:Rt 4.24分;MS m/z 401.2[M+H]+;方法10minLC_v003。589nmでの旋光度[α]21 +22.0°(c=0.517、MeOH)。
【0276】
実施例25:3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化42】
工程1:3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
THF(12ml)中の3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)(500mg、1.672mmol)、PdCl(dppf).CHCl付加体(205mg、0.251mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(383mg、1.839mmol)及びCsCO(6.69mL、6.69mmol)を、マイクロ波照射を使用して150℃で10分間N下にて加熱した。2M NaOH(5ml)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をCelite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、有機溶媒を除去した。得られた水層をEtOAcで洗浄し、pH1まで酸性化した。生成物をDCMで抽出し、真空中で濃縮して、標題の化合物を得た。
【0277】
工程2:3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
標題の化合物を、実施例4と同様に3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸及び3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オールから調製した。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 7.97(1H,s),7.85(1H,s),7.60(1H,s),3.97(3H,s),3.77(1H,m),3.56(1H,m),1.37(3H,s).LC-MS:Rt 3.22分;MS m/z 412.3[M+H]+;方法10minLC_v003。
【0278】
実施例26:3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミド
【化43】
標題の化合物を、3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(中間体PA)及び適切なアミンから調製した;MS m/z 406.93[M+H]+。
【0279】
中間体の調製
中間体A:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化44】
中間体A1:2-ブロモ-3-ニトロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン
3-ニトロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-オール(31.00g、149mmol)を、アセトニトリル(250ml)中で溶解させて、暗褐色溶液を得た。リン酸オキシブロミド(V)(85g、298mmol)を加え、混合物を還流で4.5時間加熱し、続いて室温で一晩撹拌した。反応混合物を、炭酸水素ナトリウム(110g)を含有する激しく撹拌した水(600ml)に注ぐことによってクエンチした。暗褐色混合物をDCM(3×200ml)で抽出し、有機相を水(200ml)及び塩水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、褐色油として標題の生成物を得た。H-NMR:[400MHz,CDCl,δ 8.87(1H,d,J=1.4Hz,ArH),8.39(1H,d,J=1.9Hz,ArH).
【0280】
中間体A2:3-ニトロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボニトリル
2-ブロモ-3-ニトロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン(10.00g、36.87mmol)を、撹拌しながらトルエン(250ml)中で溶解させて、淡黄色溶液を得た。テトラブチルアンモニウムブロミド(11.90g、36.9mmol)を加えた後、シアン化銅(I)(9.92g、111mmol)を加え、混合物を還流で10時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を、水(750ml)とEtOAc(750ml)の間で分配した。有機画分を合わせ、水(2×250ml)及び水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、標題の生成物を得た。H-NMR:[400MHz,DMSO-d δ 9.55(1H,m,ArH),9.24(1H,m,ArH).
【0281】
中間体A3:3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
3-ニトロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボニトリル(6.5g、29.9mmol)をEtOAc(150ml)中で溶解させて、淡黄色溶液を得て、窒素の雰囲気下に置いた。10%の活性炭上のパラジウム(3.19g、2.99mmol)を加え、反応混合物を水素の雰囲気下で18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を濃HCl(45ml)中で溶解させ、還流まで24時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。固体をMeOH(300ml)中で溶解させ、硫酸(14.4ml)を加えた。得られた溶液を還流で48時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、続いて10% NaHCO3(aq)(600ml)の添加によって中和した。生成物をDCM(3×200ml)中に抽出し、合わせた有機相を水(200ml)、塩水(50ml)、(MgSO)で洗浄し、真空中で濃縮した。得られた固体を、シリカ上でのクロマトグラフィー:溶出液勾配:イソヘキサン(500ml)、イソヘキサン中の10% EtOAc(1000ml)、イソヘキサン中の20% EtOAc(1500ml)によって精製して、淡黄色固体として標題の化合物を得た。H-NMR:[400MHz,DMSO-d,δ 8.13(1H,d,J=1.7Hz,ArH),7.60(1H,d,J=1.3Hz,ArH),7.01(2H,br,NH),3.85(3H,s,ArOCH),m/z 221.1[M+H]
【0282】
中間体A4:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(9.49g、43.16mmol)を、水(300ml)中で懸濁させた。硫酸(4.60mL、86mmol)を加えた後、酢酸(29.6mL、517mmol)中の臭素の溶液(2.222mL、43.1mmol)を30分間かけて滴下して加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。さらなる100mlの水を加えた後、さらなる0.25当量の臭素/AcOH混合物(7.4ml AcOH中の550μL 臭素)を加え、反応混合物を室温でさらに90分間撹拌した。反応混合物を500mlの水で希釈し、固体NaHCO(約85g)の添加によって中和した。懸濁液をDCM(3×300ml)で抽出し、合わせた有機相を、飽和NaHCO3(aq)(250ml)、水(250ml)及び塩水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。粗製の材料を、煮沸MeOH(約300ml)から再結晶させて淡橙色固体として標題の生成物を得た。m/z 301.0[M+H]H-NMR:[400MHz,DMSO-d δ 7.77(1H,s,ArH),7.17(2H,s,NH),3.86(3H,s,ArCOCH).
【0283】
中間体A:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(1.40g、4.68mmol)を、MeOH(15ml)中で懸濁させ;水酸化ナトリウム(2.0M 水溶液)(14.04mL、28.1mmol)を加え、懸濁液を室温で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、得られた残渣を水(100ml)中で溶解させ、続いて5.0M HCl(aq)の添加によって酸性化した。生成物を、酢酸エチル(2×75ml)中に抽出し、合わせた有機抽出物を水(50ml)、塩水(25ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、黄色固体として標題の生成物を得た。H-NMR:[400MHz,DMSO-d,δ 13.24(1H,br s,COH),7.74(1H,s,ArH),7.17 92H,br s ArNH).m/z 285.1,287.1[M+H]
【0284】
中間体B:3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル
【化45】
中間体B1:カルバムイミドイル-ニトロソ-酢酸エチルエステル
0℃~5℃のエタノール中の2Mアンモニア(152ml、0.304mmol)の溶液に、エトキシカルボニルアセトイミド酸エチルHCl(25g、0.127mmol)を30分間かけて加えた。反応物をこの温度で3時間激しく撹拌した後、水中の亜硝酸ナトリウム(9.63g、0.139mmol)の溶液を、一度に加えた。混合物のpHを、5N HClの添加によりpH6に調整した。反応混合物を室温で一晩撹拌したままにした。形成された黄色沈殿物を真空下で濾過し、水で洗浄し、乾燥させて標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.1(2H,br s),7.6(2H,br s),4.3(2H,q),1.3(3H,t).
【0285】
中間体B2:アミノ-カルバムイミドイル-酢酸エチルエステル
エタノール/5M HCl(1:1比、250ml)中のカルバムイミドイル-ニトロソ-酢酸エチルエステル(5.5g、31.4mmol)の溶液に、10% Pd/C(1.3g)を加えた。反応混合物を、二晩かけて低圧で水素化(H2(g))した。Pd/CをCelite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、濾液を真空中で減少させて、白色固体として標題の化合物を得た。これを粗製物として次の工程に進めた。
【0286】
中間体B:3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル
アミノ-カルバムイミドイル-酢酸エチルエステル(2g、9.22mmol)及び水(50ml)の混合物に、トリフルオロピルビンアルデヒド(2.32g、18.43mmol)の20%水溶液を加えた。この混合物に、酢酸ナトリウム(5.29g、64.52mmol)を加えた(反応混合物のpHはpH5であった)。反応混合物を室温で一晩撹拌したままにした。結果として生じる沈殿物を真空下で濾過し、イソ-ヘキサン:EtOAc(0~10% EtOAcの勾配)で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.4(1H,s),7.8(2H,br s),4.4(2H,q),1.4(3H,t).
【0287】
中間体BA:3-アミノ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボン酸
【化46】
工程1:3-アミノ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボン酸エチル
標題の化合物を、中間体Bと同様にアミノ-カルバムイミドイル-酢酸エチルエステル(中間体B2)及び1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタン-2,3-ジオンから調製した;10 LCMS Rt=4.72分、[M+H]+304.2/326.1 方法10minLC_v002。
【0288】
工程2:3-アミノ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボン酸
EtOH(10ml)中の3-アミノ-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボン酸エチル(300mg、0.990mmol)の撹拌溶液に、2M NaOH(0.495ml、0.990mmol)を1分間かけて滴下して加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を水(30ml)に注ぎ、pHを、1M HClの添加によってpH4に調整した。混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を塩水(30ml)で洗浄し、MgSO(5g)で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、灰白色の結晶性固体として標題の化合物を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 8.6-9.2(2H,ブロードなハンプ),7.8-8.3(2H,ブロードなハンプ),4.4(2H,q),1.32(3H,t).
【0289】
方法C:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸
【化47】
中間体C1:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル
酢酸(5ml)中の3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル(中間体B)(30mg、0.13mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(15mg、0.14mmol)を加えた。この混合物に、酢酸(5ml)中の臭素の溶液(7μl、0.13mmol)の半分の量を加えた後、炭酸ナトリウム(15mg、0.14mmol)を加えた。酢酸中の臭素の残留溶液を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌したままにした。混合物を水で希釈し、得られた黄色沈殿物を真空下で濾過して、標題の化合物を得た。
【0290】
方法C:3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸
エタノール(20ml)中の3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル(10g、31.8mmol)の撹拌溶液に、2M NaOH(20mL、31.8mmol)を加えた。得られた溶液を室温で5分間撹拌し、水(50ml)に注いだ。pHを、1M HClの添加によりpH6に調整した。得られた懸濁液を真空下で濾過し、水(20ml)で洗浄し、乾燥させて、標題の化合物を得た。MS m/z 287[M+H]H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.98(2H,s).
【0291】
方法D:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化48】
中間体D1:6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
【化49】
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)(2g、6.69mmol)を、トルエン(8ml)中で懸濁させ、p-トルエンスルホン酸(TsOH)(0.115g、0.669mmol)及びアセトニルアセトン(0.941mL、8.03mmol)で処理した。反応混合物を、(ディーン・スターク装置を使用して)還流で2時間加熱し、室温まで一晩冷却した。得られた暗赤色/黒色溶液を真空中で濃縮して、トルエンを除去し、粗残渣をEtOAc(200ml)で希釈し、NaHCO(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、褐色固体を得た。EtOAc/イソ-ヘキサンで溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる固体の精製によって、標題の化合物を得た;LC-MS Rt=5.58分[M+H]+377/379(方法10minLC_v002)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.50(1H,s),7.77(2H,s),5.83(3H,s),1.90(6H,s);19F NMR(400MHz,DMSO-d6)δ-62.26(CF3,s).
【0292】
中間体D2:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化50】
6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(2g、5.30mmol)をMeOH(40ml)中で溶解させ、2M NaOH(20ml)で処理して、懸濁液を得て、これを室温で1時間撹拌して、透明な溶液を得た。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を、5M HClでpH1まで酸性化した。混合物をEtOAc(200ml)で抽出し、有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、暗褐色固体として標題の化合物を得て、これをさらに精製することなく次の工程において使用した;LC-MS Rt=1.50分[M+H]+315.2.1/316.2(方法2minLC_v002)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ14.42-12.61(COOH,b),8.25(1H,s),5.84(2H,s),4.13(3H,s),1.97(6H,s);19F NMR(400MHz,DMSO-d6)δ-62.43(CF3,s).
【0293】
方法D:3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2.1g、6.68mmol)を、EtOH(40ml)及び水(20ml)中で溶解させた。この混合物に、TEA(2.79ml、20.05mmol)に続いて塩酸ヒドロキシルアミン(4.64g、66.8mmol)を加えた。得られた混合物を、還流で5時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、HCl水溶液(1M、100ml)で洗浄した。水相をEtOAc(100ml)で逆抽出し、合わせた有機相を塩水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮して、橙色固体として生成物を得た。材料は、粗製物として使用され得るか又はイソヘキサン-EtOAc(10:1)から再結晶され得る。LC-MS Rt =1.0分[M+H]+237(方法2minLC_v003)。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.5(NH2,b),7.70(1H,s),3.89(3H,s).
【0294】
中間体DA:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
【化51】
工程1:6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
THF(10ml)中の6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(1.9g、5.04mmol)及び2M NaOH(2.52mL、5.04mmol)を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)に注ぎ、pHを、1M HClの添加によってpH4に調整した。混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、有機部分を塩水(30ml)で洗浄し、MgSO(5g)で乾燥させ、濾過し、濃縮して、結晶性の橙色固体として標題の化合物を得た;LC_MS Rt=1.21分[M+H]+363.1(方法2minLC_v003)。
【0295】
工程2:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
THF(1ml)中の6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸(300mg、0.826mmol)の撹拌溶液に、ピロリジン(0.136mL、1.652mmol)を加えた。有機溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、0.5M HCl(30ml)とEtOAc(30ml)の間で分配し、振盪した。有機部分を分離し、塩水(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、赤色油を得た。粗生成物を、イソ-ヘキサン中の0~40% EtOAcで溶出するシリカ上で精製して、標題の生成物を得た。1H NMR(400MHz,DMSO d6)δ 13.45(1H,br s),7.88(1H,s),5.74(2H,s),3.58(5H,br s),1.88-2.0(11H,分割されないピーク).
【0296】
中間体DB:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
【化52】
工程1:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル
メタノール(15.91ml)中の3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体D2)(500mg、1.591mmol)を、HSO(0.0424mL、0.795mmol)で処理し、溶液を還流で一晩加熱した。
【0297】
溶媒を真空中で除去し、得られた褐色油を、飽和炭酸水素ナトリウムを使用してpH7まで中和した。混合物をEtOAc(20ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(20ml)、塩水(20ml)で洗浄し、相分離器に通過させ、真空中で濃縮した。イソヘキサン:EtOAc(0~10% EtOAcの勾配)で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、灰白色粉末として標題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,s),5.8(2H,s),4.1(3H,s),3.6(3H,s),1.9(6H,s).
【0298】
工程2:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル
アセトニトリル(3.05ml)中の3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(100mg、0.305mmol)を、KI(202mg、1.218mmol)及びTMS-クロリド(0.156mL、1.221mmol)で処理し、還流で6時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をEtOAc(20ml)中で溶解させ、水(2×10ml)及び塩水(10ml)で洗浄し、相分離器上で乾燥させ、真空中で濃縮した。イソヘキサン:EtOAc(0~30% EtOAcの勾配)で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、黄色粉末として標題の化合物を得た。LC-MS Rt=1.11分[M+H]+315.4(方法2minLC_v003)。
【0299】
工程3:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル
1,4-ジオキサン(1.5ml)(乾燥)中の3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(62mg、0.168mmol)を、EtOH(0.020mL、0.335mmol)及びトリフェニルホスフィン(88mg、0.335mmol)で処理し、溶液を撹拌した。DEAD(0.053ml、0.335mmol)を滴下して加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、イソ-ヘキサン:EtOAc(0~10% EtOAcの勾配)で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、標題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.3(1H,s),5.8(2H,s),4.5(2H,q),3.6(3H,s),1.9(6H,s),1.4(3H,t).
【0300】
工程4:3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
3-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-エトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(140mg、0.409mmol)を、THF(2.045ml)中で溶解させた。NaOH(0.613mL、1.226mmol)を加え、還流で6時間加熱した。溶媒を真空中で濃縮し、得られた混合物をEtOAc(25ml)で希釈し、HCl(5M)を使用してpH1まで酸性化した。有機部分を塩水で洗浄し、相分離器を使用して乾燥させ、真空中で濃縮して、黄色油として標題の化合物を得た。LC-MS Rt=1.26分[M+H]+329.2 方法2minLC_v003。
【0301】
中間体E:3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化53】
MeOH(20ml)中の3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A3)(1g、4.54mmol)の撹拌溶液に、2M NaOH(0.182g、4.54mmol)を加えた。橙色溶液を室温で1分間撹拌し、続いて水(10ml)に入れた。溶液を、1M HClの添加によりpH1まで酸性化し、生成物をEtOAc(150ml)で抽出した。有機部分を合わせ、塩水(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、橙色固体として標題の化合物を得た;LC-MS Rt=0.82分[M+H]+207.1(方法2minLC_v002);1H NMR(400MHz,DMSO- d6)δ 13.9(1H,ブロードなハンプ),8.11(1H,s),7.59(1H,s),7.08(2H,ブロードなハンプ)(微量のEtOAcが存在するが、提案された構造と相関する).
【0302】
中間体G:3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化54】
THF(10ml)中の3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体A)(1g、3.51mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(0.736g、5.26mmol)及び1,1’ビス(ジフェニルホスホシオ(diphenylphosphoshio))フェロセンパラジウムジクロリド(0.286g、0.351mmol)及び1.0M CsCO(3.3ml)を含む混合物を、還流まで10時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を、DCM(100ml)と1M NaOH(2×100ml)の間で分配した。水相を5M HClで酸性化し、得られた乳濁した溶液をDCM(2×100ml)中に抽出した。有機部分を分離し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、粗製の油として生成物を得た。粗製の材料を、DCM:MeOHの0%~10% MeOHの勾配で溶出するシリカカートリッジ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色固体として標題の生成物を得た。H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ 12.9(1H,br s,COOH),7.7(1H,s,CH,Ar-H),7.4(2H,m,Ar-H),7.25(2H,m,Ar-H),7.1(2H,br s,NH2).
【0303】
中間体GA:3-アミノ-6-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
【化55】
工程1:3-アミノ-6-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
マイクロ波バイアルに、アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)(0.5g、1.754mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.753g、8.77mmol)、及び1,1’ビス(ジフェニルホスホスフィノ(phosphosphino))フェロセンパラジウムジクロリド(0.143g、0.175mmol)を充填した。混合物を、THF(6ml)中の溶液として溶解させ、Nでフラッシングし、密封し、マイクロ波照射を使用して150℃で20分間加熱した。反応混合物を、Celite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、EtOAc(20ml)で洗浄した。濾過を、EtOAc(30ml)と水(50ml)の間で分配した。相を分離し、有機部分を塩水(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
【0304】
粗製の材料を、EtOAc(20ml)中で溶解させ、シリカ(2~3g)上にロードして乾燥させた。次に、材料を、Combiflash Rf Teledyne ISCO System 100% イソヘキサン~60% EtOAc:イソヘキサン上で精製して、半純粋な材料を得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0305】
工程2:3-アミノ-6-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸
THF(10ml)中の3-アミノ-6-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸(472mg、1.814mmol)の撹拌溶液に、2M NaOH(10ml、20.00mmol)を加えた。橙色溶液を室温で2日間撹拌した。反応混合物を、水(30ml)中に注ぎ、pHを1M HClの添加によりpH6に調整した。生成物をEtOAc(50ml)で抽出し、有機部分をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、赤/橙色油として標題の化合物を得た。LC-MS Rt=1.10分[M+H]+247.1(方法2minLC_v003)。
【0306】
中間体H:3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化56】
中間体H1:3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)(3g、10.03mmol)、2,4-ジクロロフェニルボロン酸(2.297g、12.04mmol)、リン酸カリウム(4.26g、20.06mmol)及びFibrecat(登録商標)1034A(Johnson Matthey、ポリマー担持パラジウム錯体)(500mg、10.03mmol)を、トルエン(50ml)及び水(15ml)中で懸濁させた。反応混合物を、激しく撹拌しながら110℃まで3時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100ml)を加えた。有機層を分離し、塩水(15ml)で洗浄した。MP-TMT(多孔質ポリスチレン-結合トリメルカプトトリアジン、3g、Polymern labs)を加え、室温で1時間撹拌した。MgSOを加え、懸濁液を濾別した。濾液を真空中で濃縮し、水/MeOHで溶出する逆相クロマトグラフィー(130g C18カラム)による残渣の精製によって、白色固体として標題の化合物を得た;LS-MS Rt=1.55分[M+H]+365(方法2minLC_v002)。
【0307】
中間体H:3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(0.9g、2.465mmol)を、MeOH(15ml)中で懸濁させ、NaOH 2M(2.465mL、4.93mmol)を撹拌しながら加えた。1,4-ジオキサン(15.00ml)を加え、溶液を一晩中室温で撹拌したままにした。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を水(10ml)中で溶解させ、撹拌しながら2M HCl(2ml)のゆっくりとした添加によりpH4まで注意深く酸性化した。混合物をEtOAc(20ml)で抽出し、有機部分を塩水で洗浄し、真空中で濃縮した。残渣を、水/MeOHで溶出する逆相クロマトグラフィー(130g C18カラム)により精製して、標題の化合物を得た;LS-MS Rt=1.57分[M+H]+351.0(方法2minLC_v002)。
【0308】
中間体I:3-アミノ-6-(4-クロロ-2-メチル-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
【化57】
この化合物を、中間体Hと同様に3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)及び4-クロロ-2-メチルフェニルボロン酸から調製した;LC-MS Rt=1.53分、[M+H]+331(方法2minLC_v002)。
【0309】
中間体J:2-アミノメチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オール
35% アンモニウム溶液(1ml)及びジエチルエーテル(1ml)の撹拌混合物に、3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1,2-プロペンオキシド(500mg、2.78mmol)を滴下して加え、反応混合物を、室温で3時間撹拌したままにした。反応混合物を分離し、水層をジエチルエーテル(2×3ml)で抽出した。合わせた有機部分を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、白色の結晶性固体を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 4.20(ブロード),3.30(ブロード),3.15(s),3.02(s),2.50(s,DMSO).19F NMR(400MHz,DMSO-d6)δ-85(CF3),-84.5(CF3).
【0310】
中間体K:5-アミノ-6’-メチル-3-(トリフルオロメチル)-2,3’-ビピリジン-6-カルボン酸
【化58】
中間体K1:5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸メチルエステル
この化合物を、3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(中間体G)と同様に3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)及び2-メチルピリジン-5-ボロン酸から調製した;LC-MS Rt=0.96分、[M+H]+312(方法2minLC_v002)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.41(1H,s),7.79(1H,s),7.69(1H,dd),7.32(1H,d),7.10(2H,s),3.82(3H,s),2.52(3H,s).
【0311】
中間体K:5-アミノ-6’-メチル-3-(トリフルオロメチル)-2,3’-ビピリジン-6-カルボン酸
この化合物を、3-アミノ-6-(4-クロロ-2-メチル-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体I)と同様に5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸メチルエステルから調製した;LC-MS Rt=0.90分、[M+H]+298(方法2minLC_v002)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.90(1H,ブロード),8.45(1H,s),7.72(2H),7.32(1H,d),7.12(2H,ブロード),2.51(3H).
【0312】
中間体KA:5-アミノ-3-(トリフルオロメチル)-2,4’-ビピリジン-6-カルボン酸
【化59】
標題の化合物を、工程1において適切なボロン酸を使用して中間体Kと同様に調製した。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.00(1H,ブロード),8.65(2H,d),7.65(1H,s),7.43(2H,d),7.18(2H,ブロード).
【0313】
中間体M:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
【化60】
中間体M1:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル
KF(2.12g、5.62mmol)及びCuI(0.490g、8.43mmol)の撹拌混合物を、わずかに緑がかった色が現れるまで、真空下で密封された10.0~20.0mlのマイクロ波バイアル中で加熱した。次に、バイアルを窒素下に置いて冷却した。次に、1:1 乾燥DMF/乾燥NMP(14ml)中の6-ブロモ-3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体D)(2.64ml、16.86mmol)の溶液を加えた後、TMS-CF(2.64ml、16.86mmol)を加えた。次に、新しい隔膜を使用してバイアルを密封し、反応混合物を、撹拌しながら100℃で3時間マイクロ波照射を使用して加熱し、冷却した。混合物を5M NH3溶液(50ml)に加え、続いてジエチルエーテル(4×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、5M NH溶液(3×20ml)、1M HCl(50ml)、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、褐色油を得た。粗製の材料を、イソ-ヘキサン/EtOAc、0~10%で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーにより精製して、橙色固体として標題の化合物を得た。LC-MS Rt=1.37分、MS m/z 367.1[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0314】
中間体M:3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸
メタノール(25ml)中の3-(2,5-ジメチル-ピロール-1-イル)-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(1.28g、3.49mmol)の撹拌溶液に、1M NaOH(7ml、6.99mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌したままにした。溶媒を真空中で除去し、水(20ml)を残留している残渣に加えた。pHを、1M HClの添加によりpH4/5まで調整した。混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を塩水(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、真空オーブン(50℃)中で一晩乾燥させて、橙色固体として粗製の標題の生成物を得て、これをさらに精製することなく使用した;LC-MS:Rt 1.23分;MS m/z 353.1[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0315】
中間体N:3,3,3-トリフルオロ-N2-(4-メトキシベンジル)-2-メチルプロパン-1,2-ジアミン
【化61】
工程1:1-(4-メトキシフェニル)-N-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イリデン)メタンアミン
ジエチルエーテル(60ml)中のトリフルオロアセトン(7.75g、69.2mmol)の撹拌溶液に、ジエチルエーテル(40ml)中の4-メトキシベンジルアミン(9.49g、69.2mmol)及びトリエチルアミン(14g、138mmol)を-40℃で加えた。ヘキサン(40ml)中のTiCl(6.56g、34.6mmol)の冷却された(0℃)混合物を、10分間かけて滴下して加え、得られた混合物を周囲温度まで20分間かけて温め、50℃で2.5時間撹拌した。無機沈殿物を濾過により除去し、ジエチルエーテルで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、黄色油を得た。イソ-ヘキサン中の0%~25% EtOAcで溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、標題の生成物を得た。
【0316】
工程2:3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロパンニトリル
DCM(100ml)中の1-(4-メトキシフェニル)-N-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イリデン)メタンアミン(4.41g、19.07mmol)の冷却された(0℃)溶液に、シアノトリメチルシラン(2.84g、28.6mmol)及び臭化マグネシウムを加えた。混合物を室温で90時間撹拌し、続いて飽和NaHCO(200mL)で希釈した。室温で1時間撹拌した後、有機相を分離し、飽和NaHCO(100ml)のさらなる部分で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、標題の化合物を得た。
【0317】
工程3:3,3,3-トリフルオロ-N2-(4-メトキシベンジル)-2-メチルプロパン-1,2-ジアミン
乾燥ジエチルエーテル(50ml)中の3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロパンニトリル(1.5g、5.81mmol)の冷却された(0℃)溶液に、LiAlH4(THF中の11.62mlの2M溶液)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、水 15% KOH、及び水の逐次の添加により加水分解した。得られた沈殿物をCelite(登録商標)(フィルター材料)上で濾過し、有機部分を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、標題の生成物を得た。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 7.97(1H,s),7.85(1H,s),7.60(1H,s),3.97(3H,s),3.77(1H,m),3.56(1H,m),1.37(3H,s).LC-MS:Rt 3.22分;MS m/z 412.3[M+H]+;方法10minLC_v003。
【0318】
中間体O:ベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イルメタンアミン
【化62】
標題の化合物を、Pigini,Maria;Giannella,Mario;Gualtieri,Fulvio;Melchiorre,Carlo;Bolle,Paola;Angelucci,Luciano. Analogs with a 1,2-benzisoxazole nucleus of biologically active indole derivatives. III.Tryptamine and gramine isosteres. European Journal of Medicinal Chemistry(1975),10(1),29-32(Compound 11 page 31-32)の手順に従って調製した。
【0319】
中間体P:3-アミノ-6-(オキサゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル
ジオキサン(10ml)中の3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル(中間体A4)(500mg、1.672mmol)、2-(トリブチルスタンニル)オキサゾール(0.704mL、3.34mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(193mg、0.167mmol)の溶液を、還流で13時間加熱した。8時間かけて室温まで冷却した後、溶媒を蒸発させ、得られた残渣を温メタノールでトリチュレートして、黄色固体の不純物を除去した。得られた粗製の材料を、さらに精製することなく使用した。LC-MS:Rt 0.95分;MS m/z 288[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0320】
中間体PA:3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸
【化63】
工程1:3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸
標題の化合物を、3-アミノ-6-(オキサゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリン酸メチル(中間体P)と同様に3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸エチルエステル(中間体C1)及びトリブチルスズ-2-フリルスタンナンから調製した。
【0321】
工程2:3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸
標題の化合物を、3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(中間体C、最終工程)と同様に3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸及び6M NaOHから調製した。
【0322】
中間体Q:2-ヒドロキシ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミニウムクロリド
【化64】
工程1:1,1,1-トリフルオロ-3-メチル-2-(ニトロメチル)ブタン-2-オール
水(20ml)中の水酸化リチウム(0.048g、2.015mmol)の冷却された(0℃)溶液を撹拌し、ニトロメタン(1.23g、20.15mmol)、1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン-2-オン(3.11g、22.17mmol)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(0.871g、2.72mmol)及びMgSO(0.485g、4.03mmol)で処理した。白色懸濁液を、0℃で1時間、続いて室温で2日間撹拌した。得られた二相混合物を分離し、より高密度の下層を回収し、ジエチルエーテル(30ml)中で溶解させた。混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、淡黄色油を得た。油をジエチルエーテル(10ml)中で溶解させ、100%ジエチルエーテルで溶出するプレパックSCX-2カートリッジに通過させた。濾液を真空中で濃縮して、無色油として標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):
δ 4.74(1H,d),4.59(1H,d),4.29(1H,s),2.29(1H,m),1.1(6H,分割されていない二重線の2つのセット).
【0323】
工程2:2-ヒドロキシ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ブタン-1-アミニウムクロリド
25mlの培地圧力ガラス水素化容器におけるEtOH(10ml)中の1,1,1-トリフルオロ-3-メチル-2-(ニトロメチル)ブタン-2-オール(753mg、3.74mmol)の溶液に、炭素上の10% Pd(39.8mg、0.374mmol)をN下で加えた。容器を、Nに続いてH(22.64mg、11.23mmol)により5bar圧力でフラッシングし、室温で6日間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)に通して濾過し、EtOH(30ml)に続いてDCM(10ml)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、無色油を得た。粗生成物を、メタノール(20ml)中で溶解させ、メタノール溶液中の1.25M HClで処理した。得られた無色の溶液を室温で1時間撹拌し、真空下で濃縮して、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.04(3H,ブロードピーク),6.74(1H,s),3.58(ブロードピーク),3.6(2H,m),2.12(1H,m),0.99(6H).
【0324】
中間体R:3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩
【化65】
工程1:1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-3-ニトロプロパン-2-オール
3口丸底フラスコ中のLiOH(0.193g、8.06mmol)に、水(25ml)、ニトロメタン(3.76ml、81mmol)及びトリフルオロアセトン(7.95ml、89mmol)を加えた。セチルトリメチルアンモニウムクロリド(3.8g、10.88mmol)及びMgSO(1.9g、16.12mmol)を加え、得られた黄色溶液を20~25℃で2日間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(120ml)に注ぎ、水(3×200ml)及び塩水(1×100ml)で洗浄した。有機部分をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、黄色液体として標題の化合物を得た。H NMR(CDCl,400MHz):δ 4.7(1H d),δ 4.5(1H,d),δ 3.7(1H,ブロード),δ 1.6(3H,s).
【0325】
工程2:3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩
200mlのガラス容器にPd/Cを加えた(1g)。エタノール(50ml、乾燥)を、CO雰囲気下で注意して加えた。1,1,1-トリフルオロ-2-メチル-3-ニトロプロパン-2-オール(10g、57.8mmol)を、エタノール(50ml、乾燥)中で溶解させ、ガラス容器に加えた。反応混合物を、室温にて水素(5bar)の陽圧下に置き、2日間水素化した。反応混合物を、Celite(登録商標)(フィルター材料)に通して濾過し、過剰量のエタノールで洗浄した。溶媒を真空中で除去して、無色油を得た。油をMeOH(50ml)中で溶解させ、MeOH(30ml)中のHCl(1M)で滴下して処理した。溶液を30分間撹拌したままにし、MeCNと共沸混合しながら真空中で濃縮して、蝋状の白色固体として標題の化合物を得た。H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ 8.3(3H,ブロード s),6.9(1H,ブロード),3.0(2H,q),1.4(3H,s).
【0326】
中間体RA:(S)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩
【化66】
工程1:3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸ベンジル
DCM(50ml)中のアミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩(中間体R)(1.5g、8.35mmol)の撹拌懸濁液に、TEA(93.54g、35.0mmol)を加えた後、炭酸ベンジル2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(1.983g、7.96mmol)を加えた。混合物を室温で6時間撹拌し、続いて水で希釈した。有機部分を、相分離器を使用して分離し、真空中で濃縮した。イソ-ヘキサン中の0~70%で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる精製によって、標題の生成物を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.34(6H,m),5.98(1H,s),5.05(2H,s),3.31(1H,m),3.18(1H,m),1.21(3H.s).LC-MS:Rt 1.05分;MS m/z 278.1[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0327】
工程2:3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸ベンジルのエナンチオマーの分離
3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸ベンジル(1.7g)を、2-プロパノール(10ml)中で溶解させ、以下のクロマトグラフィー条件を使用して精製した:
移動相:10% 2-プロパノール/90% CO
カラム:2×Chiralcel OJ-H、250×10mm id、5μm(直列に結合されたカラム)
検出:220nmのUV
流速:10ml/分
試料濃度:10ml 2-プロパノール中の1.7g
注入量:75μl
第1の溶出ピーク:Rt=6.94分 3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸(R)-ベンジル
第2の溶出ピーク:Rt=8.04分 3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸(S)-ベンジル(後の工程によって調製された最終化合物の分析によって確認された立体化学)
【0328】
工程3:(S)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オール塩酸塩
EtOH(165ml)中の3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルカルバミン酸(S)-ベンジルを含む混合物を、炭素触媒カートリッジ上の10% パラジウムを使用して8時間H-Cube(水素化反応器、1~2ml/分、1bar圧力、室温)に通して汲み出した。メタノール中の1.25M HCl(130ml)を混合物に加え、30分間撹拌した。溶媒を、MeCNと共沸混合しながら真空中で除去して、白色粉末として標題の生成物を得た。H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 8.3(3H,ブロード),6.8(1H,s),3.0(2H,s),1.5(3H,s).
【0329】
或いは、ラセミの3-アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-オールは、イソプロパノール又はエタノール中の(S)-マンデル酸又はL-酒石酸のいずれかとの再結晶によって別々のエナンチオマーに分割され得る。
【0330】
中間体S:2-アミノメチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オール
3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1,2-プロペンオキシド(1g、5.55mmol)を、アンモニア水溶液(0.88g/mL、3ml)及びジエチルエーテル(3ml)の撹拌溶液に加えた。得られた無色の溶液を、室温で3時間撹拌した。二相混合物を分離し、水性部分をさらにジエチルエーテル(2×5ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して(加熱なし)、白色の結晶性固体として標題の化合物を得て、これをさらに精製することなく使用した。H NMR(400 MHz,DMSO-d6)割り当てられないシグナル δ 4.20(ブロード),3.15(s).
【0331】
中間体T:3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-アミン
【化67】
工程1:2-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)イソインドリン-1,3-ジオン
クロロホルム(30ml)中の3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル-アンモニウム(0.9g)、無水フタル酸(1.039g)及びDIPEA(2.188ml)を含む混合物を、70℃で5時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水で洗浄し、相分離器に通した。有機相を減圧乾固した。粗生成物を、除去される0%~30% イソ-ヘキサン:EtOAc中で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーにより精製して、標題の生成物を得た。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 7.92(2H,m),7.85(2H,m),3.95(2H,m),1.36(3H,s).
【0332】
工程2:2-(3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロピル)イソインドリン-1,3-ジオン
THF(8ml)中の0℃の2-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(250mg、0.915mmol)の撹拌溶液に、NaH(80mg、2mmol)を加えた。30分後、ヨウ化メチル(1.299g、9.15mmol)を加えた。反応混合物を、氷浴中で撹拌したままにし、3.5時間かけて25℃まで温めた。反応を、飽和NHClでクエンチし、混合物をDCMで抽出した。有機抽出物を、相分離器を使用して分離し、0%~30% イソ-ヘキサン:EtOAc中で溶出するシリカ上でのクロマトグラフィーによる精製によって、標題の生成物を得た。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 7.91(2H,m),7.85(2H,m),3.97(2H,m),3.44(3H,s),1.42(3H,s).LC-MS:Rt 1.17分;MS m/z 288.10[M+H]+;方法2minLC_v003。
【0333】
工程3:3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロパン-1-アミン
2-(3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(272mg、0.95mmol)及びヒドラジン(0.033mL、1.045mmol)を含む混合物を、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮して標題の生成物を得て、これをさらに精製することなく使用した(利用可能な特徴付けのデータはない)。
【0334】
前述から、本発明の特定の実施形態は例示の目的のために本明細書に記載されたが、様々な変更形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されない。
【0335】
7.2.化合物Aの第II相試験
COPD患者における化合物Aの二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、非確認、及び多施設、固定用量試験は、有効性、安全性、忍容性、薬物動態(PK)、及び薬物動力学(PD)を評価するために実施された。患者は、ランダム化され、喫煙状況によって階層化された(元喫煙者対現喫煙者)。二重盲検プラセボ対照治療期間は28日(1日目~28日目)であり、1日目、14日目及び28日目の来院を含んだ。適格患者は、2:1の比でランダム化されて、1日2回の300mgの化合物A又は適合するプラセボを連続的な28日間受容した。注目すべきことに、この試験においてランダム化されて登録された最初の4名の患者は1日2回の450mgの化合物A又はプラセボを、用量を減少させる修正の前に受容し、その後用量は、1日2回の300mgの化合物Aに減少された。単盲検プラセボ対照の経過観察期間は28日であった。経過観察期間は、重要な主要及び副次的目的の有効性評価のために29日目の来院、電話による毎週の経過観察の連絡、及び56日目の試験終了(EOS)来院を含んだ。患者の数(計画及び分析される):92名の患者が試験にランダム化された。患者の大部分(N=78、84.8%)は、計画通りに試験を完了した。合計14名の患者が試験を中止した(プラセボ群からN=2及び化合物A群からN=12)。中止の理由は、有害事象、プロトコル逸脱(ベースライン時の包含/除外項目に該当しない)、患者による決定、異常な臨床検査値(陽性の薬物選別)及び管理上の問題(来院のための場所に戻ることができない患者)を含む。
【0336】
7.2.1.フィブリノーゲンレベル
血液試料が、フィブリノーゲンの分析のために患者から回収された。フィブリノーゲンレベルの減少は、改善を示し、且つ末梢気道炎症の低減を示唆する。化合物Aを用いた治療によるフィブリノーゲンに関する経時的なベースラインからの平均変化(SE)は、図1において示される。プロットは、治療期間中の14日目及び29日目のフィブリノーゲンレベルの減少を示し、これは改善を示している。
【0337】
患者におけるフィブリノーゲンレベルの概要は、表3において要約される。29日目において、ベースラインフィブリノーゲンからの平均変化における推定される差(化合物A対プラセボ)は、-0.40g/L(90% CI:-0.65、-0.14;p-値=0.006)であったが、これは改善を示した。化合物Aの治療効果は、プラセボと比較して統計的に有意である。29日目のフィブリノーゲンは、プラセボより平均40mg/dLの改善を示し、これは、統計的に有意であった(p-値=0.006)。フィブリノーゲンは、増悪及び/又は総死亡率に関して高いリスクのあるCOPD患者の予後バイオマーカーとして認められている。フィブリノーゲンの変化は、化合物Aの作用機序に関する潜在的な間接的抗炎症効果を裏付ける。
【0338】
【表17】
【0339】
7.2.2.痰の微生物学
自然喀出痰が患者から回収され、潜在的な有効性マーカーとしてのコロニー形成単位(CFU)を定量化するために使用された。回収された痰試料は、以下の特定の細菌に関して培養された:ヘモフィラス・パラインフルエンザ(Hemophilus parainfluenza)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemophilus influenza)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モラクセラ(Moraxella)、及びストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumonia)。上の5種の病原体のうちの1つ以上に関する細菌増殖の場合、定量的増殖を含む試験結果が報告された。痰分析に含まれるために、患者は、ベースライン及び少なくとも1回の他の来院(14日目、29日目又はEOS)で十分な痰試料を提供しなければならなかった。
【0340】
痰において検出されるとおりの気道細菌のコロニー形成の減少は、改善であるとみなされる。痰分析に含まれる全ての患者に関する痰の微生物学データの概要は、表4において示される。表4において、患者の度数(n、%)は、化合物Aによる治療及び細菌の種類によって報告された。各治療群内で、パーセンテージは、細菌でコロニー形成された患者の数を、その時点で痰試料を生成した患者の総数で割ったものとして計算された。
【0341】
【表18】
【0342】
陽性のベースラインでの痰結果を有する患者に関する痰の微生物学データの概要は、表5において示される。治療効果に関して、概要の表、陽性の培養物を有する患者の度数(n、%)が、各治療によって報告された。ベースライン時に陽性の培養物を有する患者のみが、この分析に含まれる。パーセンテージは、コロニー形成される(すなわち、結果として得られる少なくとも1つの培養物を有する)患者の数を、治療による各来院時に痰試料を生成した患者の総数で割ったものとして計算された。
【0343】
【表19】
【0344】
ベースライン時において、表4において要約される痰分析セット(N=68)における患者の60%(N=41)は、5種の調査される病原体のうちの少なくとも1種を有する陽性の痰培養物の結果を有した。ベースラインの細菌のコロニー形成は、化合物A(58%)とプラセボ(65%)アームの間で均衡した。痰分析セットに含まれる全ての患者に関して、プラセボに対して化合物Aにランダム化された患者に関して29日目及びEOSでのコロニー形成の減少についての数的な傾向がある。29日目において、プラセボを投与された患者の70%に対して、化合物Aで治療された患者の55%がコロニー形成された。EOSにおいて、プラセボを投与された患者の74%に対して、化合物Aで治療された患者の41%がコロニー形成された。
【0345】
ベースライン時に培養物が陽性の痰を有する41名の患者の中で、化合物Aで治療された患者に関するEOS時のコロニー形成除去の増加についての数的な傾向がある。29日目において、プラセボを投与された患者の15%に対して、化合物Aで治療された患者の25%が、コロニー形成を除去した。EOSにおいて、プラセボで治療された患者の23%に対して、化合物Aで治療された患者の42%が、コロニー形成を除去した。
【0346】
7.3.気管支拡張症を有する患者における化合物Aの安全性、忍容性、薬物動態及び薬物動力学を評価するためのランダム化、対象及び治験責任医師盲検、プラセボ対照並行群間試験
7.3.1.試験デザイン
これは、気管支拡張症を有する対象において12週間経口投与された化合物Aの予備的な有効性及び安全性を調査するランダム化、対象及び治験責任医師盲検プラセボ対照並行群間試験である。試験は、以下の期間からなる:スクリーニング、ベースライン/1日目、治療期間、及び試験終了時の評価(EOS)来院に続く電話による追加の治療後の安全性の経過観察。この試験における各患者に関する全期間は、最大でおよそ18週である。試験デザインは、図2において記載される。試験の目的の概要は、表6において記載される。
【0347】
【表20】
【0348】
【表21】
【0349】
スクリーニング来院(35日前~1日前):
スクリーニング評価は、最大5週間(最大35日)かけて実施され得る。組み入れ基準及び除外基準は、患者の適格性を確認するために調べられる。この確認は、病歴、LABA/ICS若しくはLABA/LAMA若しくはLABA/LAMA/ICS及び/又はマクロライドの維持療法、身体検査、ECG、生命徴侯、酸素飽和度、並びに臨床検査(血液学、血液化学、検尿)を含む。痰は、潜在的に病原性の細菌の少なくとも1種の株を伴う細菌負荷量を確認するためにスクリーニング期間内に1回回収される(組み入れ基準を参照のこと)。スクリーニング時の痰の微生物学の結果は、ランダム化の前に利用可能となる必要があるであろう。
【0350】
スクリーニング時において、全ての対象は、電子日誌(eDiary)が提供され、且つそれらのレスキュー薬(サルブタモール/アルブテロール)についての情報を記録する方法、他の併用の薬物の使用、質問票を完了する方法、症状及び試験薬物の摂取を記録する方法(1日目以降)に対するその使用について訓練される。
【0351】
HRCT評価は、スクリーニング時に実施される。気管支拡張症診断の確証を伴う病歴のHRCT報告を有する患者に関して、結果が適格性の確認のために利用可能になるまで待つ必要はない。
【0352】
ベースライン/ランダム化1日目:
適格性基準を満たす対象は、ランダム化の前のベースライン/1日目の安全性及び有効性評価に入れられる。ベースラインの間、痰試料が、バイオマーカー評価(細菌負荷量及びコロニー形成)のための日の同じ時間で回収される(痰回収手順及びタイミングは、SOM及び臨床検査マニュアルに詳述される)。対象はまた、様々な尺度及び質問票を完了するように要求される。
【0353】
登録の前に当該薬物を服用中である対象に関するマクロライドの使用を除いて、スクリーニングとベースラインの間に許容される抗生物質処置はない。この場合、マクロライドは、試験の間に同じ用量及びレジメンで続けられることになる。
【0354】
全てのベースライン評価が完了し、対象がこの試験について適格性であることが再度確認されてから、対象は、同じ日にランダム化され得る(ベースライン/ランダム化1日目)。様々な理由のためにベースライン来院時に痰試料を回収できないか又は他の評価を完了できない場合、その現場は、同じ日に対象をランダム化してはならない。予定外来院は、ランダム化及び治療割り付けの前に痰回収のために予定される必要がある。痰が回収され、必要となる評価が完了してから、対象は、予定外来院の同じ日にランダム化され得る。
【0355】
治療期間(1日目~84日目):
治療期間は、84日間(1日目~84日目)であり、投与は1日目から84日目まで行われ、1日目の来院、14日目の来院(電話による確認を介する)、28日目の来院、56日目の来院、及び84日目の来院を含む。1日目において、全ての投与前評価が完了した後、適格対象は、1日2回の300mgの化合物A又は適合するプラセボを連続的な84日間受容するように1:1比にランダム化される。
【0356】
ランダム化時において、階層化は、治療群及びプラセボ群における患者分布を均衡させるために、マクロライドの使用の状況及び地域(中国の現場/中国以外の現場)に従ってなされる。この治療期間のための第1の試験薬物は、1日目の朝に投与前の薬物動態血液試料の回収後にクリニックにおいて投与されるべきである(注記:全てのPK試料採取時間は、治療日の第1の投与に対するものである)。
【0357】
治療期間の間、対象は、バイオマーカー血液/痰試料の回収、PK、安全性及び質問票の記入を含む有効性評価のための予定された来院のために現場に戻る。来院日において、対象は、投与前評価の完了後に、クリニックにおいて朝の用量を服用する。
【0358】
予定された痰回収の来院時において、痰標本は、投与前の時点及び朝食前の朝に回収されるべきである。対象が個々の予定された来院時に十分な痰を生成できない場合、予定された来院の3日後までに再度来院して、痰試料の生成を試みてもよい。2回の自然喀出痰の回収の試みが依然として不十分な場合、治験責任医師は、生理食塩水の吸入による誘導後に痰試料を回収することを決定してもよい。
【0359】
14日目において、現場から対象に電話して、服薬遵守を評価し、且つ患者の健康を確認する。薬物動態血液の試料採取(投与前及び投与の3時間後)は、1日目、28日目、56日目及び84日目になされる。さらに、およそ30~40名の対象のサブセットが、1日目及び28日目の投与前及び投与後最大8時間までに連続的なPK試料採取を受ける。
【0360】
化合物Aの正式の十分なQT評価が完了していないため、Tmaxでの投与前及び投与後の三つ組のECGが、1日目、28日目、56日目及び84日目(治療の終了)の来院時に実施される。これらの評価は、1日目、28日目、56日目及び84日目の来院時の適合する時点でのPK試料採取(トラフ値及びCmax)によって完了される。
【0361】
84日目の朝の用量は、この治療期間の最後の用量の投与になる。治療終了時の評価、例えば、安全性評価、肺機能評価及びPROは、84日目に実施される。自然喀出痰の回収が84日目に可能ではない場合、現場は、84日目の後の3日以内に来院の予定を変更する必要があり、対象は、試験薬物を服用し続けなければならない。84日目に完了された他の評価は、繰り返す必要はない。
【0362】
第2のHRCTは、84日目に現場での試験薬物の朝の投与の後に実施される。HRCTを何らかの理由で84日目に実施できない場合、評価は、3日以内に予定される必要があり、患者は、試験薬物を服用し続けなければならない。
【0363】
症状悪化(e-diaryの警報による)の場合、対象は、自身の治験実施医療機関に来院して、増悪基準が満たされ、且つ即時の抗生物質治療が必要であり得るかどうかを決定しなければならない(正常な臨床検査値レベルを超えるCRP増加)。加えて、血液中のフィブリノーゲンなどの炎症の他のマーカーを取得して、増悪を引き起こした可能性がある病原体又は細菌負荷量に変化があるかどうかを決定するために、全身性炎症及び淡試料回収時により多くの情報を得る。治療期間中に増悪を経験している対象は、増悪のための標準治療(SOC)療法(すなわち、抗生物質)に加えて試験治療を続ける。
【0364】
試験終了(EoS)時の来院(91日目):
治療期間の完了からおよそ1週間後、対象は、試験来院の完了(EOS)時の評価のために治験実施医療機関に招かれる。
【0365】
安全性の経過観察電話(114日目):
安全性に関する経過観察の電話は、最後の用量の投与の30日後に行われる。安全性の経過観察は、有害事象安全性モニタリングを含む。
【0366】
7.3.2.理論的根拠
試験デザインの理論的根拠:
これは、12週の治療期間を有する非確認、多施設、ランダム化、プラセボ対照、対象及び治験責任医師盲検、並行群である。重要な有効性評価項目は、試験期間中にわたって評価される。
【0367】
この試験のデザインは、痰の細菌によるコロニー形成に対する84日間投与されたプラセボと比較した化合物Aの効果を評価する主要目的に対処する。自然喀出痰中の潜在的に病原性の微生物のコロニー形成単位におけるベースラインから1log単位の減少は、気管支拡張症を有する患者においておよそ20%の増悪リスクの著しい低減と関連したが、これは臨床的に意味があると考えられる(Chalmers JD,Smith MP,McHugh BJ,et al(2012)Short-and Long-Term Antibiotic Treatment Reduces Airway and Systemic Inflammation in Non-Cystic Fibrosis Bronchiectasis.Am J Respir Crit Care Med;186(7):657-665)。
【0368】
この試験の厳密さ及び完全性を最適化し、且つ偏りを最小化するために、ランダム化、対象及び治験責任医師盲検の並行群が使用される。デザインは、呼吸器の臨床試験において十分に確立され、治療の有効性及び安全性を評価するために、適切且つ実用的な期間、試験治療が行われることを可能にする。クロスオーバーデザインは、患者が各期間でそれぞれのベースラインレベルのCFUに戻ると考えられ、本試験においてはこれが当てはまらない可能性があるため、並行試験デザインが選択された。それは、気管支拡張症であると新たに診断された患者も含まれ得るため、安定した疾患の状態は有利な必要条件ではないという点で、より汎用性が高い。
【0369】
効果的な嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)増強剤である化合物Aは、細菌のコロニー形成の減少、末梢気道炎症の低減、FEV1の改善及び根本的に少ない増悪をもたらす粘液線毛クリアランス(MCC)の改善に基づいて気管支拡張症を有する患者において有効であると仮定される。近年のエビデンスは、気管支拡張症における粘液線毛クリアランスの低減に関する分子機構が、野生型又は変異型CFTRの機能障害に関連する場合があることを示唆している。気管支拡張症患者はまた、CFTRを含むイオンチャネル機能障害の成分を有する場合がある。COPDデータは、化合物Aが、細菌のコロニー形成及び末梢気道炎症(フィブリノーゲンの減少)を減少させ得ることを示唆している。加えて、化合物Aは、治療の2週間後の嚢胞性線維症(CF)及び治療の4週間後のCOPDにおける肺機能(FEV1)の統計的に重要な改善を実証した。
【0370】
したがって、主要評価項目に加えて、いくつかの補足的な評価項目が、肺活量測定及び患者報告アウトカム(PRO)並びに薬物動態パラメーターを含む有効性を評価するためにこの試験において使用される。これらの評価は、安全性及び忍容性の評価に加えて気道の構造及び機能の包括的な観点並びに患者の健康の判定を提供する。試験はまた、評価項目に対する追加情報を提供するために可溶性バイオマーカーの測定を含む。
【0371】
用量/レジメン及び治療の期間に関する理論的根拠:
CFTR増強の前臨床インビボモデルはない。そのため、野生型CTFRチャネルに対するインビトロでのEC50に対応する定常状態の未結合トラフ値濃度を維持することが(72nM)、CFTRを増強するのに十分であるという仮説が立てられる。
【0372】
臨床効果は、CF及びCOPD患者において、それぞれ臨床試験1(1日2回の150及び450mg)及び試験2(4週間の1日2回の300mg)で観察された。COPD PoC試験(試験2)は、1日2回の300mgのレジメンで有効性のエビデンス(FEV1改善)を提供した。COPDを有する患者における1日2回の化合物A 300mgの28日後、29日目のベースラインからの平均変化の差(化合物A-プラセボ)は、以下のとおりである:
・ベースラインLCIからの平均変化の事後差は0.28(90% CrI:-0.24、0.79)であり、化合物Aの治療効果がプラセボより優れている確率は19%であった。
・ベースラインの気管支拡張薬前のFEV1からの平均変化の事後差は0.05L(90% CrI:-0.03、0.13)であり、化合物Aの治療効果がプラセボより優れている確率は84%であった。
・ベースラインの気管支拡張薬後FEV1からの平均変化の推定差は0.06L(90% CI:-0.02、0.14;p-値=0.100)であり、プラセボと比較して化合物A群において統計的に有意な改善を有した。
・ベースラインの汗中クロライドからの平均変化の推定差は、-5.19mmol/L(90% CI:-11.6、1.25;p-値=0.091)であり、プラセボと比較して化合物A群において統計的に有意な改善を有した。この評価項目は、CFTR標的と化合物Aの結合を示唆する。
・ベースラインのフィブリノーゲンからの平均変化の推定差は-0.40g/L(90% CI:-0.65、-0.14;p-値=0.006)であり、プラセボと比較して化合物A群において統計的に有意な改善を有した。この評価項目は、化合物Aが間接的な抗炎症効果を有する可能性があることを示唆する。
・気管支拡張薬前及び後の努力肺活量(FVC)、IC、及び%FEF25-75を含む他の肺活量測定及び肺気量の副次的及び探索的有効性評価項目は、プラセボと比較して化合物Aによる改善の裏付けとなるエビデンスを提供する。
・サブグループ分析は、元喫煙者が現喫煙者より化合物Aによって大きい改善を有した可能性があることを示唆する。しかしながら、サブグループ分析は、28日間の治療期間中、元喫煙者と現喫煙者のプラセボ集団が同様に行動しなかったため、慎重に解釈されなければならない。
【0373】
29日目に加えて、有効性の結果は、14日目及びEOSで評価された:
・14日目において、LCI、気管支拡張薬前のFEV1及び気管支拡張薬後のFEV1は、ベースラインからの平均変化において改善のエビデンスを実証した。
・29日目及びEOSにおいて、プラセボに対して化合物Aにランダム化された患者に関するコロニー形成の減少についての数的な傾向がある(EOS時に74%に対して41%)。ベースライン時に培養物が陽性の痰を有する患者の中で、プラセボに対して化合物Aの患者に関するコロニー形成除去の増加について数的な傾向がある(EOS時に23%に対して42%)。
・EOS時において、FEV1、汗中クロライド、フィブリノーゲン並びに追加の副次的及び探索的肺活量測定及び肺気量測定に関する有効性結果は、ベースラインに戻っており、化合物Aの最終投与の28日後に行われるEOS評価と一致した。
【0374】
患者の曝露量が、長期的なサル毒性試験におけるNOAEL(無毒性量)曝露量に基づいて確立された曝露量閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)と概ね一致することを保証するために、PKモニタリング計画が実施された。1日当たりの定常状態の曝露量が閾値を超えた(AUC>91,700ng*h/ml)治療コホート内の患者の割合が予想以上に高かったため、統計的な中止規則が、1日2回の化合物A 400mgコホートを中止するために事前に設定された。
【0375】
1日2回の投与レジメンは、化合物Aの半減期(10~16時間)及びイオンチャネルに対する持続性の効果を有する目的に基づいて選択された。さらに、1日2回のレジメンは、1日1回の投与と比較してCmax/トラフ濃度の変動の低減をもたらすことが予想される。同じトラフ濃度に達するように設計された単回投与レジメンと比較して、提案された1日2回のレジメンは、投与間隔の間により高い平均濃度をもたらすことが予想される。したがって、1日2回のレジメンは、気管支拡張症患者において化合物Aの有効性を観察する機会を最大化するために選択された。
【0376】
12週の試験期間は、安全性及び忍容性の評価を可能にする粘液線毛クリアランスにおける臨床的に意義のある変化をもたらすことが予想される。少なくとも3ヶ月のさらなる十分な試験期間は、意味のある治療効果を得るための生活の質などの患者報告アウトカムにとって特に重要である。
【0377】
7.3.3.集団
組み入れ基準:
1.スクリーニング時に18歳以上である男性又は女性患者
2.胸部HRCTによる気管支拡張症の診断証明
3.スクリーニング時の少なくとも1種の潜在的に病原性の微生物を伴う≧106CFU/mLの痰細菌負荷量のエビデンス(希釈/増殖によって測定されるH.インフルエンザ(H.Influenzae)、M カタラーリス(M.catarrhalis)、S アウレウス(S aureus)、S ニューモニアエ(S pneumoniae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、P エルジノーサ(P aeruginosa)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonous maltophilia)、又は任意の潜在的な病原性の非発酵グラム陰性細菌)。プロトコルで定義された7種の病原体のリストに含まれるべき任意の生物体及び含まれていない任意の生物体は、組み入れのためにNovartisと共同で運営委員会の承認が必要となる。
4.スクリーニング前の12ヶ月において少なくとも1つの気管支拡張症の増悪の文書化された履歴。
5.患者の記憶(既往歴)の文書化によって評価されるか、又は患者の記録に文書化されるとおりの、スクリーニング前12カ月以内においてほとんどの日(50%以上の日と定義される)に少なくとも3カ月連続して起こる湿性咳嗽として定義される気管支分泌過多の患者。
6.患者は、スクリーニングの前の最後の3ヶ月間に安定した用量で治療される場合、維持療法としてLABA/LAMA又はLABA/ICS又はLABA/LAMA/ICSの固定的又は自由な組合せを維持することが許容される。患者はまた、スクリーニング前の3ヶ月間に安定した用量で治療される場合、維持療法としてマクロライドを維持することが許容される。処方された場合、患者は、スクリーニング前に少なくとも4週間、胸部理学療法を変更せずに試験に含まれる。
7.治験責任医師の所見において臨床的に安定した肺の状態であり、且つ試験期間中に標準的な治療のレジメンの変更が必要になる可能性が低いこと。
8.スクリーニング時に米国胸部医学会/欧州呼吸器学会(ATS/ERS)ガイドラインに従う信頼できる再現性のある肺機能試験手技を実施できること。スクリーニング時に、肺活量測定の許容性及び再現性に関するATS/ERSの要件を満たさなかった患者は、スクリーニング期間中に1回の追加の再検査が許容される。
【0378】
除外基準:
以下の基準のいずれかを満たす対象は、本試験への組み入れに適格ではない。
1.登録時の、若しくは登録の5半減期以内若しくは30日以内のいずれか長い方;又は各地の規制により必要とされる場合はそれより長い、他の被験薬の使用。この試験の間に別の臨床試験に参加しているか又は参加する予定がある。
2.試験薬物又は同様の化学的クラスの薬物若しくは
賦形剤に対する過感受性の履歴。
3.QT延長症候群の病歴を有する患者であるか又はスクリーニング又はベースライン時のQTcF間隔が延長されている患者(男性においてQTcF>450ms、女性において>460ms)。
4.ランダム化の前に臨床的に意義のあるECG異常を有する患者
注記:臨床的に意義のある異常は、以下を含む場合があるが、これらに限定されない:左脚ブロック、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、臨床的に意義のある不整脈(例えば、心房細動、心室頻拍)
5.スクリーニング時に急性若しくは慢性肝炎、肝硬変若しくは肝不全又は1.5×ULNを超えるアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)とアラニンアミノ基転移酵素(ALT)比(AST/ALT)又はプロトロンビン時間国際標準比(PT/INR)を含むが、これらに限定されない肝疾患の病歴又は肝疾患のための現在の治療を有する患者。
6.皮膚の限局性基底細胞癌を除く局所再発又は転移のエビデンスの有無を問わない、過去5年以内の治療又は未治療のいずれかの器官系の肺移植又は悪性腫瘍の病歴(皮膚の限局性基底細胞癌以外)。癌以外の理由で部分切除を行った患者は、試験に含まれることが許容される。癌の病歴があり且つ無病生存期間が5年以上の患者は、Novartis Medical Monitorとの合意により、個々の症例に応じて、試験に含まれてもよい。
7.妊娠中又は哺乳中(授乳中)の女性。妊娠は、受胎後から妊娠期間終了までの女性の状態と定義され、hCG臨床血液検査の陽性により確認される。
8.試験参加中に許容される有効な避妊方法を使用しないならば、生理学的に妊娠可能である全ての女性として定義される、妊娠能力がある女性。許容される有効な避妊法には、以下が挙げられる:
・完全禁欲(これが対象の好ましい通常の生活様式と一致する場合)。周期的な禁欲(例えば、カレンダー法、排卵調節法、基礎体温法、排卵後法)、及び性交中断は許容される避妊法ではない。
・被験薬を服用する少なくとも6週間前の、女性の不妊手術(子宮摘出術の有無を問わない外科的両側卵巣摘出術を受けたことがある)、子宮全摘出術又は卵管結紮術。卵巣摘出術のみの場合、フォローアップホルモン値評価により女性の生殖状態が確認されている場合に限る。
・男性の不妊手術(スクリーニングの少なくとも6ヶ月前)。本試験の女性対象については、精管切除した男性パートナーのみがその対象の唯一のパートナーでなければならない。
・避妊のバリア法:コンドーム又は閉塞キャップ(ペッサリー又は子宮頚部/円蓋キャップ)。グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(UK)については:殺精子剤の泡/ゲル/フィルム/クリーム/膣坐剤を伴う。
・子宮内避妊器具(IUD)又は子宮内避妊システム(IUS)の留置
全身性のホルモン避妊法(例えば、経口避妊薬又はホルモン膣リング)は、これらのホルモンの全身レベルの減少における化合物Aの潜在的な影響及びそれによる化合物Aの無効化のために、許容される避妊の手段ではないことに留意されたい。
女性は適切な臨床プロファイル(例えば、適切な年齢、血管運動症状の病歴)を伴う12ヶ月間の自然(自発的)無月経があった場合又は外科的両側卵巣摘出(子宮摘出の有無のいずれか)、子宮全摘又は少なくとも6週間前の卵管結紮があった場合、閉経後であり、出産の可能性がないとみなされる。卵巣摘出術のみの場合、フォローアップホルモン値評価により女性の生殖状態が確認されている場合に限り、出産の可能性がないとみなされる。
9.1日目の前の1週間以内の禁止された処方薬の使用。
10.スクリーニング時の治験責任医師の所見における臨床的に意義のある臨床検査値異常(G-GT、AST、ALT、総ビリルビン又はクレアチニンを含む)。肝パラメーターについての追加のガイダンスに関しては、除外基準#5を参照されたい。
11.慢性低酸素血症のために長期間の酸素療法を必要とする患者。これは通常、家庭用酸素ボンベ又は濃縮機によって送られる1日当たり12時間を超える酸素療法を必要とする患者である。
注記:睡眠中の一過性の酸素不飽和化のための夜間の酸素療法は許容される。
12.少なくとも48時間の以下の重要な症状の3つ以上の悪化を伴う肺疾患増悪を有した気管支拡張症を有する患者:
・咳嗽;
・痰の量及び/又は粘性;
・膿性痰;
・息切れ及び/又は運動耐容能;
・疲労及び/又は倦怠感;
・喀血
並びに
スクリーニング前の4週間以内に臨床医が、気管支拡張症治療における変更が必要である(例えば、全身性糖質コルチコイド治療及び/又は全身性若しくは吸入抗生物質を必要とする)と判断すること。
スクリーニングの4週間前、又はスクリーニングとベースラインの間(上の定義を参照のこと)に生じる増悪の場合、患者を登録してはならない。患者は、増悪の回復の4週間後に1回再スクリーニングされてもよい。
13.スクリーニングの前の4週間以内のいずれかの時点で医療介入を必要とする喀血。
14.単離された空洞性の肺病変によって主に特徴付けられる気管支拡張症。
15.以下のとおりに化合物Aの効率の評価に支障をきたす可能性があるか又は化合物Aに応答する可能性が低い療法を必要とする気管支拡張症を有する患者:
・活動性肺結核が疑われるか又は活動性肺結核について現在治療されている患者は、許容されない。注記:肺結核の病歴を有する患者は、以下の要件を満たす場合に登録されてもよい:適切な薬物治療を受けた後、ベースライン来院の前の12ヶ月以内に画像の結果で陰性となり、活動性結核の再発の可能性が低いと示唆される病歴
・一次診断として活動性アレルギー性気管支肺アスペルギルス症及び喘息を有する患者
・嚢胞性線維症を有する患者
16.重篤な肺気腫を有する現喫煙者又は元喫煙者。
ビディ又は他の同様の非フィルター煙草は、喫煙歴に適用できるとみなされ得る。それらは、標準的な煙草と同様に数えられるべきである。葉巻、パイプ、電子煙草、又は吸入ニコチン製品の時々の喫煙は、喫煙歴に関係しない(Dinakar C,O’Connor GT(2016)The Health Effects of Electronic Cigarettes.N Engl J Med;375(14):1372-1381)。
注記:元喫煙者は、スクリーニング時又は評価の時点で6ヶ月以上喫煙していない対象として定義され得る。
17.COPD、喘息、間質性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス又は他の肉芽腫性若しくは感染性プロセスを含むがこれらに限定されない国際的なERS/ATSガイドラインの定義に従う別の随伴性の肺疾患を有する患者。気道過敏症の特徴を有する随伴性のCOPD及び喘息並びにCOPD-喘息重複症候群は、それが主要な一次診断でない限り許容される。
18.非結核性マイコバクテリア(NTM)肺疾患のための治療を目下受けている患者。実施される場合、過去12ヶ月においてM.アビウム(M.avium)複合体、M.アブセサス(M.abscessus)複合体、M.カンサシイ(M.kansasii)、M.マルモエンス(M.malmoense)、M.ゼノピ(M.xenopi)、M.シミアエ(M.simiae)又はM.チロンアエ(M.chelonae)に関して1種以上の陽性培養物を有する患者であって、その後の全てのNTM培養物(少なくとも2種)が陰性であり且つ治験責任医師の所見において、患者がNTM肺疾患に関するATS基準を満たさない場合を除く患者。スクリーニング前の4週間以内に、全身性又は吸入ステロイド(ICS単独)、他の全身免疫調節剤、粘液溶解剤又は高浸透圧剤、組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼ、任意の全身性又は吸入抗生物質を含む、治療に対する応答に影響する可能性のあるいずれかの薬物を受容している患者。スクリーニング時に40kg/m2を超える肥満度指数(BMI)を有する患者
19.自律神経障害の近年(スクリーニングの3年以内)及び/又は再発履歴(例えば、失神、動悸などの再発性の発症)。
20.スクリーニング来院前の6ヶ月において主要な血管手術を有する患者。
21.試験治療の有効性及び安全性の評価に支障をきたす可能性のある臨床的に意義のある腎臓、心血管(不安定な虚血性心疾患、NYHAクラスIII/IV左室不全、心筋梗塞などであるがこれらに限定されない)、神経性、内分泌性、免疫、精神、胃腸管、又は血液異常を有する患者、又はI型糖尿病若しくは制御不能のII型糖尿病を有する患者。
注記:臨床的に意義のあるとは、治験責任医師の所見において、患者の安全性を、参加を通じてリスクに曝すことになるか、又は試験中に疾患/状態が増悪した場合に有効性又は安全性の分析に影響を及ぼすことになるか、又は患者コンプライアンスを損なうことになるか若しくは試験の完了を妨げることになるいずれかの疾患として定義される。
22.HIVの進行中、長期又は再発性の感染性疾患の既知又は疑わしい病歴。
B/C型肝炎。
【0379】
7.3.4.治療
試験治療は:
・300mgの被験薬化合物A用量
・適合するプラセボ
を含む。
【0380】
試験薬の保管及び管理に関する要件、並びに対象の付番のための指示、処方/調剤、並びに試験薬の服用に対する詳細は、SOMにおいて概説される。
【0381】
被験薬及び対照薬
表7は、被験薬及びその対照の詳細を示す。
【0382】
【表22】
【0383】
レスキュー薬
肺疾患増悪のためのレスキュー薬(全身性抗生物質を含む)は許容される。全ての対象はまた、短時間作用型ベータアゴニスト(SABA)(サルブタモール100μg又はアルブテロール90μg又は同じ用量)を提供される。患者は、試験全体にわたって、「必要に応じて」使用するように指示される(試験中、他のレスキュー薬の使用は容認されない)。現場は、短時間作用型ベータアゴニストのレスキュー薬の調剤をeDiaryに記録するように指示される。
【0384】
治療アーム/群
1日目に、対象は、1:1の比で以下の2つの治療群の1つにランダム化される。
・1日2回の化合物A 300mg
・1日2回の化合物Aに適合するプラセボ
【0385】
全ての対象は、それらの対応する化合物A又はプラセボカプセルを12週間(1日目から84日目まで)受容する。
【0386】
7.3.5.他の治療
注意及び/又は処置を必要とする容認される併用療法
表8は、来院日の肺活量測定評価の前に一定の期間控えられる必要がある気管支拡張薬の薬物療法を含むある種の条件下で容認される薬物療法の概要及び抗生物質のためにとられる処置に関する概要を提供する。
【0387】
【表23】
【0388】
患者は、試験全体にわたって維持療法として安定した用量でマクロライドを有することが許容される。患者が肺疾患増悪及び/又は疾患状態の悪化を経験する場合、患者は治験責任医師によって適宜治療される。抗生物質(全身性又は吸入)は、患者の状態によって口述されるとおりの肺疾患増悪の治療のために許容される。
【0389】
化合物Aは、CYP1A2によって主に代謝される併用薬の代謝クリアランスを阻害する場合があるか又はCYP2B6によって主に代謝されるものを誘導する場合がある。したがって、CYP1A2の感受性基質である薬物は、化合物Aによる暴露量の増加の可能性を有する場合があり、CYP2B6のその感受性基質は、暴露量が減少する場合がある。加えて、化合物Aは、CYP3A4/5の時間依存的阻害剤及び誘導剤である。CYP3A4/5に対する化合物Aの正味の効果は、基質の暴露量の減少をもたらした経口避妊薬試験の結果に基づく誘導であると予測される。
【0390】
BCRP、OAT1/3、OATP1B1、OATP1B3、UGT1A1及びUGT2B7の弱いインビトロ阻害もまた観察された。化合物Aは、輸送体又は酵素の基質である薬物の暴露量を増加させ得る。上記の薬物は下の表9において列挙され、必要が示され且つ代替の治療が利用可能ではない場合に使用することができる。薬物の安全性及び有効性は、適宜モニターされるべきである。以下のリストは、網羅的であるとはみなされず、個々の薬物に関するラベルを参照する必要がある。
【0391】
【表24】
【0392】
【表25】
【0393】
表中の薬物は、インビボ又はインビトロデータに基づいて基質として同定された。
【0394】
もまた感受性CYP3A基質とみなされる。ブデソニド及びフルチカゾンもまた、CYP3Aの感受性基質であるが、これらは禁止薬物であるため、本明細書において列挙されなかった。さらに、患者は、投与前の14日間、治療中及び最後の投与の7日後まで、CYP3Aの感受性基質の阻害剤である成分ためグレープフルーツ、ダイダイ又はそれらのジュースを摂取しないように指示されるべきである。
【0395】
禁止薬物
下の表に示される治療の使用は、表10及び表11に示されるとおりの禁止期間の開始後に許容されない。治療期間中にこれらの薬物のうちの1つの投与が必要となった場合、試験治療は中止されるべきである。表10及び表11は、全てを網羅しているとはみなされない。薬物は、適応症及び他の組み入れ/除外基準に準拠しているかについて評価されるべきである。これらの薬物はまた、他の効能のために投与される場合に禁止される。
【0396】
【表26】
【0397】
【表27】
【0398】
レスキュー薬
肺疾患増悪及び気管支痙攣のためのレスキュー薬(全身性抗生物質を含む)は許容される。スクリーニング時及びその後に必要なときはいつでも、患者は、気管支痙攣のために試験全体にわたって「必要に応じて」レスキュー薬として使用するための短時間作用型ベータアゴニスト(サルブタモール100μg又はアルブテロール90μg)吸入器を提供される。噴霧型サルブタモール/アルブテロールは、治験全体にわたってレスキュー薬として許容されない。気管支痙攣のための他のレスキュー薬は容認されない。
【0399】
食事制限
以下が、被験薬(化合物A/プラセボ)のための指示である:
・高脂肪食とともに被験薬を服用しないことが推奨される(詳細についてはSOMを参照のこと)。高脂肪食の定義は、Assessing the Effects of Food on Drugs in INDs and NDAs(FDA 2019)上の指導案においてFDAによって提案される定義に従う:少なくとも1000kcal(4184kJ)、及び少なくとも50%の脂肪由来のそのエネルギー含量を含有する食事。
高脂肪食の例は、1000kcal:
- タンパク質由来:150kcal
- 炭水化物由来:250kcal
- 脂肪由来:600kcal
の総栄養エネルギー値のものであろう。
・患者は必要に応じて水を飲んでもよい。
・患者は、投与前の14日間、治療中及び最後の投与の7日後まで、グレープフルーツ、ダイダイ又はそれらのジュースを摂取しないように指示されるべきである(これらの製品がCYP3Aの阻害剤であるとみなされるため)。
【0400】
喫煙及び他の制限
喫煙は試験期間中に禁止される。肺活量測定が実施される試験日において、患者は、以下を控えるべきである:
・肺活量測定の前の4時間のコーヒー、茶、チョコレート、コーラ及び他のカフェイン含有飲料及び食物並びに氷冷飲料
・肺活量測定の前の4時間のアルコール
・肺活量測定の前の12時間の激しい活動
・強い匂いを伴う環境の煙、粉塵又は領域への暴露
【0401】
7.3.6.用量漸増及び用量変更
投与中断
試験薬物の中断は、治験責任医師が、有害事象の治療のために一時的な中断が必要であるとみなさない限り容認されない。有害事象のグレードが重度であり、且つ被験薬に関連することが疑われる場合、被験薬は、完全に中止されるべきである。治療期間中の連続した5日間を超える試験薬物の中断は、治験を続けるための患者の適格性を審査するために当地のNovartis Medical Monitorと議論されるべきである。
【0402】
用量変更(プログラム全体にわたるデータレベル)
試験データ(用量設定試験(試験2)、作用機序試験(試験3)及び気管支拡張症試験(試験4)から得られる)は、以下の考慮事項に関してデータモニタリング委員会(DMC)に提出される。
1.閾値(AUC0~24h=159,000ng*h/ml)を超える暴露量を有するか又は暴露量を示すことが予測される対象の割合。2名以上の患者が、個々の動物(サル)の暴露量の上限範囲(159,000ng×h/mL)を超える突出したAUC0~24hを示す場合、治療は完全に中止される。
2.閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)を超える暴露量を有するか又は暴露量を示すことが予測される対象の割合。
【0403】
実際のAUC0~24hは、1日目及び28日目に由来する。さらに、トロフ濃度データは、試験来院時の試験全体にわたって収集される。AUC0~24h,ssに対するCmin,ssの回帰は、91,700ng*h/mlのAUC0~24hに対応する3000ng/mlであるトラフ濃度を示した。試験におけるいずれかの時点で、対象が、AUC0~24hがこのカットオフ値を上回ると予測されるか又はそれを示すデータを有する場合、この対象はカットオフ値を上回る対象の割合の中に数えられる。
【0404】
用量変更(個々のデータレベル)
試験薬物の完全中止までの個々のレベルでモニタリングする安全性データは、以下の条件に従うべきである:
1.試験薬物と関連すると疑われ且つ重度及び/又は重篤として分類されるAEを有する全ての患者は、試験薬物を完全に中止する。
2.いずれかの重篤な有害事象(SAE)を報告する全ての患者に関して、PK試料がその事象からできるだけすぐに採取される。このPK試料をいかなる理由によっても回収できない場合、回収された大部分の新しい利用可能なPK試料が分析される。PK結果が、NOAEL閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)を超える暴露量を示す場合、患者は試験薬物を完全に中止する。
3.患者が、確認された暴露量AUC0~24≧159,000ng*h/mlを示す場合、治験責任医師は、PK結果の受領後、できるだけすぐに被験薬を完全に中止しなければならない。
【0405】
QTcF延長のための用量調整
QtcF>500msec(又はベースライン/1日目からQTcF延長>60msec)の場合
・ECG記録の質及びQT値を評価し、必要に応じて繰り返す
・試験調査中の治療を中断する
・血清電解質レベルを決定する(特に、低カリウム血症、低マグネシウム血症)。異常がある場合、異常を補正する
・可能な場合、当該来院時に同じ時間でのPK試料を回収し、最後の試験治療薬摂取の時間及び日付を記録する。
【0406】
QTcF間隔>500msecが確認される場合:
・試験治療を完全に中止する。
・PK分析のために血液試料を採取する。時点は、問題となっているECG記録に可能な限り近くなければならない。
・心臓病専門医(又は適格の専門家)に相談する。
・QTcFが≦480msecに戻るまで、指示通りに心臓モニタリングを増加させる。
・QT延長に関する他の原因(既知のQT延長薬についてはhttp://www.qtdrugs.orgを参照のこと)、及び薬物暴露に関連するQT延長のリスクを増大させる可能性のある薬物に関して併用薬物の使用を審査する
・投与スケジュール及び治療の遵守状況を確認する
【0407】
試験薬物の処方及び服用の指示
以下が、被験薬(化合物A/プラセボ)のための指示である:
・化合物A/プラセボは経口カプセルである。
・1つのカプセルが、1日2回、各日のほぼ同じ時間に各用量の投与の間に約12時間おいて(およそ午前7~10時と午後8~11時)服用されるべきである
・治療期間中に嘔吐が発生する場合、患者は、次の予定された投与の前に試験薬物を再び服用しないように指示されるべきである
・患者は、飲み忘れた用量を補わないように指示されるべきである。
・対象は、カプセル全体を飲み込み、それらを噛むか又は開放しないように指示されるべきである。
【0408】
維持治療及びレスキュー薬のための指示は、それぞれの製品ラベルに従うべきである。
【0409】
試験来院日において、患者は、投与前PK試料採取処置及び投与前の肺活量測定との適合を確実にするために、現場への来院前に被験薬(化合物A/プラセボ)又は維持療法の用量のいずれかを服用しないように注意されるべきである。来院日の朝の用量は、投与前のPK試料採取及び肺活量測定評価がおよそ15分以内に完了した後に服用されるべきである。
【0410】
注目すべきことに、来院日の肺活量測定は、実施されるものとする:
・1日2回の薬物に関して、前日の夜の被験薬の最後の摂取の10~14時間後、及び
・1日1回の薬物に関して、前日の朝の毎日の維持薬物の最後の吸入の22~26時間後。
【0411】
7.3.7.有効性
血液及び淡の試料は、全ての患者において以下の時点で回収され且つ評価される:35~1日前(スクリーニング)、1日目(ベースライン)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。
【0412】
微生物学的評価
自然喀出痰(可能であれば)は、病原性細菌のコロニー形成(CFU/mL)の分析のために回収される(例えば、H インフルエンザ(H Influenzae)、M カタラーリス(M catarrhalis)、S アウレウス(S aureus)、S ニューモニアエ(S pneumoniae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、P エルジノーサ(P aeruginosa)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonous Maltophilia)、又は任意の潜在的な病原性の非発酵グラム陰性細菌)。加えて、16S rRNA PCRは、細菌負荷量を測定するために実施される。分析は、微生物評価のために回収された、残留痰試料から実施される。
【0413】
自然喀出痰の回収:予定された痰回収の来院時において、少なくとも1つの痰標本は、投与前の時点及び朝食(飲料を含む)前の朝において回収されるべきである。患者が個々の予定された来院時に十分な痰を生成できない場合、予定された来院後の3日以内に再度来院して痰試料の生成を試みてもよい。2回の自然喀出痰の回収の試みが依然として不十分であった場合、治験責任医師は生理食塩水の吸入による誘導後に痰試料を回収することを決定してもよい。
【0414】
治療で発現する病原体は、全ての来院時に判定される。細菌のコロニー形成及び細菌負荷量プロファイリングを含む微生物学的分析は、適格の微生物学検査室で集中的に実施される。さらに、増悪の徴候を有する全ての患者は、追加の痰試料が回収される治験実施医療機関に訪問する必要がある。この試料の分析は、細菌負荷量及び/又は細菌のコロニー形成が、増悪とともに変化する可能性があるかを判断するのを助けるであろう。
【0415】
最終的に、全ての痰試料は良質なものでなければならない。試料が最適ではないと判断される場合、現場のスタッフに連絡し、直ちに新しい試料を要求しなければならない。
【0416】
肺活量測定
肺活量測定試験は、スクリーニング時及び以下の時点でATS/ERSガイドラインに従ってMasterScopeシステム(eResearch Technology GmbHによって製造される)で実施して(Miller M.R,Hankinson J.et al(2005)a Standardisation of spirometry.Eur Respir J.26(2):319-38;Miller M.R,Crapo R.J.et al(2005)b General considerations for lung function testing.Eur Respir J.26:153-161)、試験に関する患者の適格性を評価する:35~1日前(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。
【0417】
肺活量測定評価は、朝の被験薬の摂取並びに気管支拡張薬の前及び後のLABA、LAMA、LABA/LAMAなどの毎日の維持療法の前に現場で実施されるべきである。特に、来院日の肺活量測定は、1日2回の薬物に関しては前日の夜の被験薬の最後の摂取の10~14時間後、及び1日1回の薬物に関しては、前日の朝の毎日の維持薬物の最後の吸入の22~26時間後に実施されるものとする。
【0418】
治験中に使用される肺活量測定機器は、供給業者によって提供されるガイドラインにおいて定義されるとおりの診断用肺活量測定機器のための最小限のATS/ERS推奨値を満たすか又はそれを超えなければならない。肺活量測定機器の較正は、全ての来院日において必須であり、最初の患者の肺活量測定試験が評価される前に実施されなければならない。
【0419】
同じ肺活量測定機器が、対象によって実施される全ての評価のために使用されるべきである。治験責任医師によって指定される限られた数の適格のスタッフが、全治験期間中の全ての来院時に全ての患者を評価する。可能であれば、同じ技師が、個々の対象に関して全ての手技を実施すべきである。肺活量測定試験を実行する全てのスタッフが、適切な訓練を受ける必要があり、これは文書化されなければならない。
【0420】
全ての肺活量測定評価は、中央のオーバーリーダーによる審査を受ける。肺活量測定評価の試みの妥当性は、ATS/ERS基準による適応性及び妥当性に関するオーバーリーダーの判定に依存する。
【0421】
フィブリノーゲン
フィブリノーゲンは、血漿中の最も豊富な凝固因子である糖タンパク質である。それは、気管支拡張症における疾患の重症度及び生活の質に関連する(Saleh AD,Chalmers JD,Soyza DA et al(2017)The heterogeneity of systemic inflammation in bronchiectasis.Respir Med;127:33-39)。血漿フィブリノーゲンは、測光式凝血検出手法(クラウス法)によって測定される。試料は、以下の来院時の時点で回収される:35~1日前(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。
【0422】
高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)
高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)は、スクリーニング期間/ベースライン及び84日目(12週)時に実施される。以下の時点において、造影剤を伴わない肺のHRCTスキャンが取得される:35~1日前(スクリーニング)、84±3日目(投与前)。取得したものは、両方の評価時点で吸気及び呼気画像セットを含む。全ての対象において、可能であれば同じ走査装置上でベースライン及び経過観察のHRCTスキャンが実施されるべきである。
【0423】
要約すると、HRCTスキャンの評価は、
・12週目のHRCTと比較したベースラインからの変化の評価に関しては気道の構造及び機能
・粘液負荷及びベースラインから12週の変化の探索性評価
の程度を評価するために使用される。
【0424】
7.3.8.安全性
安全性評価は、表12において指定される。
【0425】
【表28】
【0426】
臨床検査
中央検査機関は、回収された全ての標本の分析のために使用される。全ての異常な臨床検査結果は、有害事象を定義する基準について評価され、その基準が満たされる場合はそのように報告されなければならない。それらの臨床検査関連の有害事象に関して、結果の正常化まで又は結果がもはや臨床的に意義のあるとみなされなくなるまで、反復評価が必須である。臨床検査は表13において記載され、以下の時点で実施される:35~1日前(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。妊娠検査も、91±3日目(試験終了)に施される。
【0427】
【表29】
【0428】
心電図(ECG)
PR間隔、QRS期間、心拍数、RR間隔、QT間隔、QTcFが評価される。フリデリシアQT補正式(QTcF)は、臨床判断のために使用されなければならない。ECG装置によって自動計算されない限り、治験責任医師は、適格性を評価するスクリーニング時にQTcFを計算しなければならない。臨床的に意義のある異常は、有害事象として報告されなければならない。
【0429】
妊娠及び受胎能の評価
避妊手術を受けていない全ての閉経前の女性(妊娠可能な女性)は、妊娠検査を受ける。試験中のいずれかの時点で妊娠検査が陽性になった場合、患者の試験治療を中止する必要がある。現地の要件によって要求される場合、追加の妊娠検査を実施してもよい。血清又は尿による妊娠検査は、以下の時点で実施される:35~1日前(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)、91±3日目(試験終了)。
【0430】
気管支拡張症の増悪
気管支拡張症の増悪は、少なくとも48時間の以下の主要な症状のうちの3つ以上における悪化として定義される:
・咳嗽
・痰の量及び/又は粘性;
・膿性痰;
・息切れ及び/又は運動耐容能;
・疲労及び/又は倦怠感;
・喀血
並びに
・臨床医が気管支拡張症治療における変更が必要である(例えば、全身性糖質コルチコイド治療及び/又は全身性若しくは吸入抗生物質を必要とする)と判断すること。
【0431】
上記の症状の定義を満たさないが治験責任医師によって抗生物質で治療されるか、又は症状の定義を満たすが抗生物質で治療されない症状の悪化は、試験に関して肺疾患増悪とみなされない。
【0432】
上で報告される徴候及び症状に関して、追加の情報を収集して、報告される徴候及び症状が48時間を超えて続くかどうかを実証する。
【0433】
患者は、肺疾患増悪を経験しているときに現場に連絡すべきである。患者が入院しており、したがって現場に通院できない場合を除き、予定外来院を当該事象から2勤務日以内に行って、診断を確認すべきである。AE/SAE、併用薬物、及び安全性の臨床検査が、適宜捕捉されるべきである。
【0434】
CRFにおいて記録された肺疾患増悪に関する開始日は、上で定義されるとおりの抗生物質による治療の最初の日であるべきである。肺疾患増悪エピソードの終了は、抗生物質による治療の終了によって表される。増悪により、来院し損なうか又は来院の予定が変更され、いくつかの状況では関連するCRFデータを取得し損なう可能性がある。スクリーニングと治療前の間に肺疾患増悪を起こす患者は、スクリーニングできないが、組み入れ/除外基準を満たしたら再度のスクリーニングが容認される。
【0435】
7.3.9.追加の評価
患者報告アウトカム
対象の健康状態に対する気管支拡張症の影響は、以下の患者報告質問票(PRO)によって評価される:
・健康状態尺度を提供するセント・ジョージ呼吸器質問票(SGRQ)
・気管支拡張症を有する患者に関する症状を評価する気管支拡張症に関する生活の質の質問票(COL-B)(呼吸器症状ドメイン)
・全般的健康状態を測定する欧州生活の質尺度-5項目3水準(EQ-5D-3L)
・増悪の頻度、重症度、及び期間を評価するCOPDの増悪ツール-患者報告アウトカム(EXACT-PRO)
【0436】
セント・ジョージ呼吸器質問票(SGRQ)
セント・ジョージ呼吸器質問票(SGRQ)は、この試験において健康状態尺度を提供するために使用される(Jones PW,Quirk FH,Baveystock CM et al(1992)A self-complete measure of health status for chronic airflow limitation.The St.George’s Respiratory Questionnaire.Am Rev Respir Dis.145(6):1321-7)。SGRQは、以下の時点で、治験責任医師の現場にて患者によって電子的に記入される:1日目(ベースライン)、84±3日目(投与前)。
【0437】
SGRQ質問票は常に、回答に影響を与えないように任意の他の評価(任意の他の質問票を含む)がなされる前に記入されるべきである。SGRQは、気管支拡張症に関連する健康の3つの態様を包含する、2つのパートに分けられた50個の項目を含有する。パートIは「症状」を包含し、呼吸器症状、それらの頻度及び重症度に関する;パートIIは「活動性」を包含し、息切れを引き起こすか又は息切れに制限される活動に関する;パートIIはまた、「影響」に関し、これは、気道疾患から生じる社会機能及び心理的不安に関係する状況の範囲を包含する。スコアは、これらの3つの下位尺度の各々について計算され、「合計」スコアもまた計算される。それぞれの場合において、可能な最も低い値は0であり、最も高い値は100である。値が高いほど、健康状態の悪化が大きい。
【0438】
気管支拡張症に関する生活の質の質問票(COL-B)(呼吸器症状)
気管支拡張症に関する生活の質の質問票(COL-B)(呼吸器症状尺度)は、この試験における患者に関する呼吸器症状を評価するために使用される(Quittner AL,O’Donnell AE,Salathe MA et al(2015)Quality of Life Questionnaire-Bronchiectasis:final psychometric analyses and determination of minimal important difference scores.Thorax;70:12-20)。それは、自記式患者報告アウトカム(PRO)尺度である。QOL-B、以下の時点で治験責任医師の現場にて患者によって電子的に記入される:1日目(ベースライン)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。
【0439】
QOL-Bは、治験責任医師の現場にて患者によって電子的に記入される。それは常に、回答に影響を与えないように任意の他の評価(任意の他の質問票を含む)がなされる前に記入されるべきである。呼吸器症状尺度は、9個の項目を含有する。
【0440】
欧州生活の質尺度-5項目-3水準(EQ-5D-3L)
EuroQolグループによって開発された欧州生活の質尺度-5項目-3水準(EQ-5D-3L)は、標準化された全般的健康状態の自己報告尺度を提供する。それは、臨床的評価及び経済的評価のための健康の簡便な全般的尺度である(EuroQol Group(1990)EuroQol-a new facility for the measurement of health-related quality of life.Health Policy;16:199-208)。EQ-5D-3Lは、2頁-記述システム及びEQ視覚的アナログ尺度(EQ VAS)からなる。記述システムは、5個の項目(移動の程度、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、及び不安/ふさぎ込み)を含み、それぞれ3つの水準を有する:問題なし、いくらか問題がある、及び極度の問題がある。患者は、5個の項目の各々に関して最も適切な記載に従って患者の現在の健康状態を示すように求められる。EQ VASは、「想像し得る最高の健康状態」及び「想像し得る最悪の健康状態」で標識された端点を有する20cmの垂直の視覚的アナログ尺度上で患者の自己判定による健康を記録する。想起期間はなく、患者は現在の健康状態に対して回答する。EQ-5D-3Lは、以下の時点で治験責任医師の現場にて患者によって電子的に記入される:1日目(ベースライン)、28±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。EXACT PROは、以下の時点で治験責任医師の現場にて患者によって電子的に記入される:1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)。
【0441】
質問票の適切な言語版が、それぞれの参加国において使用される。対象の質問票は、対象にとって最もなじみのある言語で記入される。試験全体にわたって、同じ言語が特定の患者によって使用されるべきである。質問票を管理する現場の担当者は、この尺度並びに関連するユーザーガイド及び提供される研修資料に精通している必要がある。患者は、静かな場所で質問票に記入し、質問が許可されるべきであるが;現場の担当者は、患者の回答に影響を及ぼさないように注意すべきである。患者は、自身にとって最も厳密で最良の回答を提供するように指示される。
【0442】
対象がPRO測定の全て又は一部への記入を拒否したことは、試験のEDCシステムに文書化されるべきであり、プロトコル逸脱とはみなされない。現場の担当者は、記入度に関してPRO測定を確認し、対象に未回答の質問に記入するように要求すべきである。e-Diary上に電子的に保存された回答は、元ファイルとみなされる。
【0443】
記入された測定値、及び対象によって記入された、要求されていない任意のコメントは、臨床試験の検査前に、潜在的なAE又はSAEを示す可能性のある回答について、治験責任医師によって審査され且つ評価されるべきである。この評価は、患者の元記録中に文書化されるべきである。AE又はSAEが確認される場合、治験責任医師は対象に完成済みの質問票で報告された回答を変更するよう促してはならない。治験責任医師は、試験プロトコルEXACT質問票において概説される報告の指示に従わなければならない。
【0444】
EXACT-PROは、増悪の頻度、重症度、及び期間を検出するために設計された検証済みの14項目の電子質問票である。これは、疾患の基本的な毎日の変動を測定し、増悪を示す悪化を検出するために、患者によって毎日の終わりに就寝時に完成されるべきである。
【0445】
14項目のEXACT-PROツール内で、呼吸器症状の評価(E-RS(商標))尺度は、11個の呼吸器症状の項目に基づく。これらの11個の項目は、合計スコア、全体的な呼吸器症状重症度の定量化、並びに息切れ、咳嗽及び痰、並びに胸部症状を評価する3個の下位尺度スコアを作成する。単一の質問票が、2つの機能に関して使用される:E-RS合計及び下位尺度スコアを使用する際の呼吸器症状の定量化、並びに全EXACT-PRO機器を使用する急性増悪の評価。
【0446】
電子日誌(eDiary)
スクリーニング時に、全ての患者は、電子日誌(eDiary)を提供される。eDiaryは、事前に指定された時点でレスキュー薬、ランダム化後の薬物摂取(用量)、並びに試験質問票を記録する。患者は、1日2回、およそ12時間の間隔をおいて、朝晩の同時刻に(試験薬物を服用する前に)eDiaryのレスキュー薬情報を日常的に完成させるように指示される。eDiaryは、試験完了まで各クリニックへの来院時に審査される:35~1日前(スクリーニング)、1日目(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)、91±3日目(試験終了)。現場及び患者は、eDiaryデバイスの使用時に適切な訓練及びガイダンスを受ける。
【0447】
薬物動態
PK試料は、治療来院時に回収される:1日目(投与前)、1日目(投与の1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間後)、28±3日目(投与前)、28±3日目(投与の1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間後)、56±3日目(投与前)、56±3日目(投与の3時間後)、84±3日目(投与前)、及び84±3日目(投与の3時間後)。試料回収、付番、処理及び輸送に関する臨床検査マニュアルにおいて概説される指示に従うものとする。
【0448】
PK試料採取(投与前及び投与の3時間後)は、1、28、56及び84日目(治療の終了)に全ての対象において実施され、評価される。中国の現場から登録された全ての患者及び欧州の選択された現場からのおよそ10~20名の患者のサブセットは、気管支拡張症患者において化合物AのPKプロファイルをさらに特徴付けるために、1日目の投与の最大8時間後及び28日目の来院時に連続的なPK試料採取を受け、これは、気管支拡張症患者における1日2回の450mgの投与(又は450mgの治療が中止される場合は1日2回の300mg)の重要な理解を提供する。
【0449】
さらに、可能であれば追加のPK試料が、治療により発現したSAEを経験する患者から回収される。治療が完全に中止されたが試験に参加し続けている患者の場合、中止後の最初の来院は、PKトラフ値評価を受けるべきであり、それ以降のPK試料採取は中止されるべきである。血漿PK試料は、化合物Aを投与された対象のみで評価される。化合物Aの濃度は、予測される1ng/mLの化合物Aの定量下限(LLOQ)を有する検証済みのLC-MS/MS法によって決定される。LLOQ未満の濃度は0として報告され、欠測データは、生化学分析の報告書においてそのように標識される。
【0450】
以下の薬物動態パラメーターは、Phoenix WinNonlin(バージョン8以降)により実際に記録された試料採取時間及びノンコンパートメント法を使用して決定される:Cmax、Tmax、AUClast、AUC0~12h、T1/2,eff。化合物Aの測定後に残留している残渣の血漿試料は、代謝産物の探索的評価又は他の生化学分析の目的(例えば、異なる現場間のクロスチェック、安定性評価)のために使用されてもよい。
【0451】
7.3.10.試験中止及び完了
中止
対象のための試験治療の中止は、試験治療が、プロトコルにより予定された期間より早く止められるときに起こり、対象又は治験責任医師のいずれかによって起こされ得る。対象は、任意の時点でのいずれかの理由で試験治療を自発的に中止してもよい。治験責任医師は、継続することが対象の健康に悪影響を及ぼすおそれがあると考える場合には、所与の対象の試験治療を中止しなければならない。試験治療は、以下の状況下で中止されなければならない:
・対象/保護者の決断
・妊娠:試験薬物開始後に尿妊娠検査が陽性の場合、血清hCGを実施して陰性と判明するまで、直ちに試験薬を中断する必要がある。陽性の場合、対象は試験薬物を中止しなければならない。
・禁止された治療の使用。
・試験参加が対象に安全性のリスクをもたらす可能性のあるいずれかの状況。
・以下の緊急開鍵
・重度であると報告され且つ被験薬に関連することが疑われる有害事象(AE)又は被験薬に関連すると報告され且つそれを疑われるSAEの発現。
・閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)を超える検証済みの暴露量を有する患者における被験薬に関連することが疑われないSAEの発現。治験責任医師は、PK結果の受領後できるだけすぐに被験薬を完全に中止しなければならない。
・個々の動物(サル)モデルの暴露量の上限範囲(AUC0~24h=159,000ng*h/mL)を超える検証済み暴露量を有する患者。治験責任医師は、即座に試験薬物を停止し、PK結果の受領後できるだけすぐに被験薬を完全に1日2回の300mgまで減少させなければならない。
・対象の全体的な状態を考慮している治験責任医師の判断において、対象が試験への参加を続けることを妨げるいずれかの臨床検査値異常。
・試験治療の即座の中止を必要とするいずれかの肝臓関連事象(すなわち、潜在的Hyの法則の症例、>8×ULN、>3×ULN及びINR>1.5、>5~≦8×ULN(上昇が2週間を超えて持続する場合、すぐに中止すること)、症状を伴う>3×ULN、>2×ULN(既知のジルベール症候群がない場合)(上昇が持続する場合、すぐに中止すること)、黄疸、及び肝臓毒性を潜在的に示すいずれかのAE)。
・ベースラインと比較して≧50%の個々の血清クレアチニン増加(確認されなければならない)
・試験薬物は、完全な中止に関して上に記載される要件を満たさない有害事象の発生に応答して一時的に中断される場合がある
【0452】
試験治療の中止は、以下の状況下で治験責任医師の判断でなされる:
・対象の安全性に著しいリスクをもたらす任意の他のプロトコル逸脱。
・対象の全体的な状態を考慮している治験責任医師の判断において、対象が試験への参加を続けることを妨げる有害事象又は臨床検査値異常の発現。
【0453】
現場及びNovartisの適切な担当者は、試験治療が、不注意に割付コードが開鍵されたいずれかの対象については中止されるべきかどうかを判定する。緊急の理由のための開鍵は、試験薬物の中止を必要とする。試験治療の中止が発生した場合、治験責任医師は、対象が試験治療を早期に中止した主な理由を理解するための合理的な努力を行い、この情報を記録すべきである。
【0454】
用量減少
患者の曝露量が、サルのデータに基づいて確立された曝露量閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)と概ね一致することを保証するために、PKモニタリング計画が備えられる。
【0455】
以下が考慮されるべきであり、治療アームは、事前に規定された安全性の中間報告において、閾値(AUC0~24h=91,700ng*h/ml)を超える患者の観察される割合が予想を大幅に上回り(保守的なシナリオに基づいて、1日2回の300mg又は450mgの患者の5%未満が閾値を超えると予想される)、且つ/又は個々のサルの曝露量の上限範囲(159,000ng*h/ml)を超えるAUC0~24hが予測される場合、完全に中止され得る。
【0456】
検証されない試料採取(試料採取時間を確認できない)若しくは分析又は偶発的過量投与の結果に起因する閾値を超えるPK暴露量値は、1日2回の450mgの治療アームを止めるかどうかの判断に含まれない。用量を1日2回の300mgに減量した場合、PK曝露量が期待されるレベルまで低減されることを確実にするために、1日2回の300mgの投与の最初の1週間後に、予定外のトラフ濃度試料が採取される。
【0457】
試験終了
試験終了は、最後の対象が試験終了の来院を終え、この来院に関連するいずれの反復評価も記録され、治験責任医師によって適切に経過観察されたとき、又は試験の早期終了が決定された場合には、その決定の日として定義される(例えば、各対象は試験を完全に終了することが求められ、それ以降はさらなる試験治療を受けることはできない)。全てのランダム化され且つ/又は治療された対象は、試験治療の最後の投与の30日後に実施される安全性の経過観察の電話を受けるべきである。収集された情報は、元の文書として保持される。
【0458】
7.3.11.安全性モニタリング
肝臓の安全性モニタリング
対象の安全性を保証し、且つ被験薬の肝毒性の可能性を決定する際の信頼性を高めるために、肝臓関連事象の同定、モニタリング及び評価のための標準化されたプロセスに従う必要がある。
【0459】
異常/有害事象の以下の2つの分類は、試験期間中に考慮される必要があり(AE/SAEとして分類される/報告されるかどうかにかかわらず)、表14にさらに記載される。
・異常な臨床検査値パラメーターの反復評価を必要とする肝臓臨床検査の誘因
・綿密な観察が必要となる肝臓関連事象、経過観察モニタリング及び寄与因子が適切なCRF上に記録される
【0460】
肝臓関連事象及び肝臓誘因は、表13において詳述される。上昇を確認するための肝臓化学検査(すなわち、ALT、AST、TBL、PT/INR、ALP及びG-GT)を反復する。
・これらの肝臓化学の反復は、中央検査機関を使用して実施される。結果が中央検査機関から利用可能ではない場合、この反復はまた、対象の安全性をモニターする現地の検査機関で実施され得る。肝臓関連事象が後で報告される場合、この事象に関連して前に実施されたいずれかの現地の肝臓化学検査は、結果が適切なCRFに記録されるべきである。
・最初の上昇が確認された場合、適切とみなされる場合には治療の中断の検討を含む、対象の綿密な観察が開始される。
・適切ならば、被験薬の中止
・適切ならば、対象の入院
・肝臓関連事象の因果関係評価
・肝臓関連事象の十分な経過観察は、血清学的検査、画像及び病理学評価、肝臓学者への相談;症状及び以前又は同時発生の疾患のより詳細な病歴の取得、併用薬の使用の履歴、根底にある肝臓疾患の排除及び腹部エコー検査、コンピューター断層撮影(CT)又は核磁気共鳴画像法などの画像法を適宜含むべきである。
【0461】
【表30】
【0462】
腎臓の安全性モニタリング
被験薬に関する腎臓の安全性モニタリングが、この試験において実施される。これは、血清クレアチニン、カルシウム、カリウム及び尿試験紙のベースライン測定並びに以下の時点での後の来院時の測定を含む:35~1日前(スクリーニング)、1日目(投与前)、28±3日目(投与前)、56±3日目(投与前)、84±3日目(投与前)。特定の腎臓の警告基準は、以下を含む:
・血清クレアチニンが25~49%増加し、血清クレアチニンが50%+増加するか、又は18歳未満である場合、eGFR<35mL/分/1.73mが確認される。
・新規発現の尿試験紙によるタンパク尿≧3+又はタンパク質-クレアチニン比(PCR)≧1g/g Cr(又は測定検査室によって変換されるmg/mmol当量)。
・尿試験紙上の新規発現の血尿≧3+
【0463】
7.3.12.データ分析及び統計法
分析は、治験終了時に全ての対象のデータに対して実施される。
【0464】
分析セット
全ての分析セットに関して、対象は、受けた試験治療に従って分析される。安全性セットは、ランダム化されているかどうかにかかわらず試験治療の少なくとも1回の投与を受けた全ての対象を含む。安全性セットは、全ての安全性の変量の分析において使用される。PD分析セットは、ベースライン及びいずれかのプロトコル逸脱によって影響されていない少なくとも1回のベースライン後評価の両方で利用可能なPDデータを有する全ての対象を含む。PK分析セットは、少なくとも1回の利用可能で妥当な(すなわち、排除に関して警告されていない)PK濃度測定を有し、PKデータに影響するプロトコル逸脱を伴わないいずれかの試験薬を受容した全ての対象を含む。
【0465】
対象の人口統計及び他のベースライン特性
疾患特性を含む人口統計及び他のベースラインデータは、完全な分析セットのための治療群別に列挙され、記述的に要約される。分類上のデータは、頻度及びパーセンテージとして示される。連続的なデータに関して、平均、標準偏差、中央値、最小値、及び最大値が示される。関連する既往歴及びベースライン時の現在の医学的状態は、治療群別に器官別大分類及び基本語によって要約される。
【0466】
治療
安全性セットは、下の分析のために使用される。分類上のデータは、頻度及びパーセンテージとして要約される。連続的なデータに関して、平均、標準偏差、中央値、25番目及び75番目パーセンタイル、最小値、並びに最大値が示される。各治療群(化合物A投与又はプラセボ)への暴露期間(日数)は、安全性セットを使用して記述統計の手段によって要約される。試験治療の開始前及び開始後の併用薬物並びに意味ある非薬物療法は、解剖治療化学(ATC)分類法に従って治療群別に列挙され、要約される。
【0467】
主要評価項目の分析
試験の主要目的は、12週の治療後に全ての株の総細菌数に対する化合物Aのベースラインからの変化をプラセボと比較して評価することである。PD分析セットは、別段の指定がない限り、主要な変量の分析のために使用される。
【0468】
主要なestimandは、全ての患者が12週間治療を継続し、マクロライド系以外の抗生物質が利用可能ではなかった場合の仮定上の効果を標的とする。
・集団:患者は、試験組み入れ及び除外基準によって定義される。プロトコルは、この標的集団に許容される維持療法の使用、及び禁止されている薬物を定義する。
・変量:12週目の痰における潜在的に病原性の微生物のコロニー形成単位(CFU/ml)の数によって測定されるとおりの細菌負荷量のベースラインからの変化。ベースラインからの変化を計算する前に、CFU数にlog10変換を適用することによって、細菌負荷量のベースラインに対する対数比を算出する。
・目的の介入効果:
○マクロライド系以外の抗生物質の摂取及びレスキュー薬の摂取
○治療中止又は試験参加:仮定上の治療中のCFU数
・集約尺度:変量の平均における差(プラセボと比較した化合物A)
【0469】
自然喀出痰における潜在的に病原性の微生物のベースラインCFUは、ベースライン時の細菌負荷量(log10変換尺度)及びスクリーニング時の痰の微生物学の結果の評価の平均として定義される。いずれかの評価が欠測している場合、他の評価からの結果はベースラインとしてみなされる。肺疾患増悪の2~4週間後又は抗生物質の最後の投与中若しくは後に評価されたCFU数は、主要なestimandに含まれない。4週目、8週目及び12週目でのCFUの反復測定は、主要分析において検討される。
【0470】
統計モデル、仮説、及び分析の方法
主要評価項目は、応答としてのCFU数におけるベースラインからの変化を伴うベイズ反復測定モデル、治療*来院交互作用の効果に関する調整、因子としてのスクリーニング時のマクロライド使用の状況、ベースラインCFU数、及び適切であるとみなされた任意の追加の共変数を使用して分析される。情報価値のあるデータがない場合、モデルパラメーターのための無情報事前分布が使用される。新規の関連するデータが利用可能になる場合、プラセボに関する事前分布は、統計分析計画において弱情報事前分布として更新され得る。
【0471】
化合物Aとプラセボの比較が主に注目される。反復測定に関する当てはめられたベイズモデルに基づいて、log10CFUに関するプラセボに対する化合物Aの効果の事後確率が計算される。統計的エビデンスは、log10CFUに関してプラセボに対する真の効果が>0である90%の確率がある場合に計算される。有効性の事後確率は、以下の基準に従って評価される:
・最終段階での合格/成功基準:高い信頼度でプラセボより良好(化合物Aのlog10CFUのベースラインからの変化がプラセボより良好である確率が少なくとも90%、すなわち、事後確率(delta>0)>0.90)
【0472】
この試験の確認されない性質のために、多重性調整は適用されない。結果の堅牢性を評価するため、PoC基準もプラセボに対する無情報事前分布を考慮して評価される。加えて、事後分布からのプラセボに対する化合物Aの差に関する平均及び対応する両側80%信頼区間が示される。
【0473】
欠測値/打ち切り/中止の取り扱い
主要なestimandは、抗生物質摂取以外の効果に関連するため、肺疾患増悪後の2~4週間以内又は抗生物質の最後の投与中若しくは後に評価されたCFU数は、潜在的な交絡効果が抗生物質の使用から予想されるという理由から主要なestimandに含まれない。そのため、当該来院からの対応するCFU数は、欠測であると設定される。しかしながら、以下の来院時のCFU数(抗生物質の使用及び肺疾患増悪がない場合)は、交絡されていないと仮定され、目的の主要なestimandに含まれる。
【0474】
主要な分析に関して、estimandは仮定上の治療中の効果を指定するため、治療中のデータのみ(最初のランダム化された投与日から最後のランダム化された投与日の翌日まで)が使用される。主要評価項目に関連する欠測している治療中のデータは、明示的に帰属させられない。反復測定の分析は、全ての時点での測定値に関して全ての利用可能な情報を含む。評価項目の測定が無作為に欠測している場合、利用可能なデータの分析は、モデルパラメーターの一貫した推定値を提供する。
【0475】
感受性及び支持分析
主要なestimandは、2つの補助的なestimandによって補完される。これにより、目的のアウトカムに影響を与えると考えられる抗生物質の使用/肺疾患増悪の有無にかかわらない細菌負荷量の低下に対する化合物Aの治療効果の堅牢性を評価できるであろう。
【0476】
1.抗生物質の使用に起因する潜在的な交絡を伴わずにプラセボに対する試験薬物の効果を推定すること。マクロライド以外の抗生物質を受容した後の全ての来院は、CFU分析に含まれない(それらは、欠測として設定される)。この手法は、主要なestimandより使用されるデータが少なくなることに留意されたい。
【0477】
2.抗生物質の使用にかかわらずに効果を推定すること。このestimandは、臨床現場で行われているような試験治療に加えて、必要に応じて抗生物質が使用される治療方針に従う。したがって、抗生物質の摂取中に収集されるCFU測定値は、分析に含まれる。治療の推定は事実上、この文脈における(治療+任意の抗生物質)を意味する。
【0478】
副次的評価項目の分析
12週目での定量化の限度未満の任意のCFU又はCFU数を有しない患者の割合は、ロジスティック回帰分析を使用して分析される。モデルは、治療法、固定的なクラスの効果としてのベースラインでのマクロライドの使用及びカテゴリー変数としてのスクリーニング前の12ヶ月間の気管支拡張症の増悪の数を含む。推定オッズ比は、関連する80%信頼区間とともに示される。
【0479】
フィブリノーゲンのベースラインからの変化は、正規分布すると考えられる。MMRMは、以下の固定的な因子を含む84日目の来院までの全ての時点に関するフィブリノーゲンのベースラインからの変化に対して当てはめられる:治療群、来院、治療群と来院の交互作用、ベースラインでのマクロライドの使用、及びベースラインでのフィブリノーゲン値と時間の交互作用。
【0480】
夜間/日中のレスキュー薬のパフの平均回数は、各来院間隔の間に各対象に関して計算される。レスキュー薬のパフの総回数を、欠測のないレスキューデータを有する日(全日又は半日)の総数で割って、それぞれの所与の来院間隔の間の患者について服用されたレスキュー薬のパフの1日の平均回数を導き出す。パフの回数が、1日の一部(朝又は夜のいずれか)について欠測している場合、半日が分母において使用される。「レスキュー薬の使用を伴わない日」は、患者がレスキュー薬のパフを行わなかった日として日誌データから定義される。それぞれの所与の来院間隔に関して「レスキュー薬の使用がない」日の総数が、レスキュー薬の使用を伴わない日の割合を導き出すために、日誌の記録がなされた日の総数で割られる。レスキュー薬のパフの日々の平均回数及びレスキュー薬の使用を伴わない日の割合もまた、夜間/日中両方のレスキュー薬のパフの回数からの記録を合わせることによって、各来院間隔の間の各対象に関して計算される。
【0481】
肺活量測定変数によって測定される気管支拡張薬の前後のFEV1、FVCにおける各ベースラインに関する記述統計は、治療別に提供される。FEV1及びFVCのベースラインからの変化は、副次的有効性評価項目について記載される同じ目的の因子により同様の統計法を使用して分析される。MMRMは、統計モデルに応じて取り扱われる。
【0482】
全ての安全性評価項目は、安全性セットに基づいて分析され、実際に受容した治療群別に要約される。安全性の概要(表、図)は、適宜要約されることにもなるベースラインデータを除く治療中の期間からのデータのみを含む(例えば、ベースラインの概要からの変化)。加えて、治療中及び治療後(試験治療の最後の実際の投与の30日後)の死亡を含む死亡に関する別々の概要が提供される。特に、有害事象(AE)に関する概要の表は、治療中の期間の開始日とともに治療中の事象(治療により発現したAE)のみを要約する。治療中の期間は、試験治療の最初の投与日からいずれかの試験治療の最後の実際の投与日の1週間後まで続く。
【0483】
PK分析セットは、全ての薬物動態パラメーターの分析のために使用される。化合物Aの血漿濃度データの記述統計は、定量下限(LLOQ)未満の濃度の頻度(n、%)を含む治療及び来院/試料採取時点別に提供される。化合物Aの血漿濃度データ及びPKパラメーターの概要統計は、平均(算術及び幾何)、SD、CV(算術及び幾何)、中央値、最小値、及び最大値を含む。これに対する例外は、中央値、最小値、及び最大値が示されるTmaxである。LLOQ未満の濃度は、概要統計及びPKパラメーター計算において0として処理される。血液濃度の時間データから決定されるPKパラメーターは、可能な場合、Cmax、Cmin、Tmax、AUClast、AUC0~12h、及びT1/2,effを含む(これらに限定されない)。薬物動態パラメーターは、WinNonlin Phoenix(バージョン8以降)を使用して決定される。薬物動態と薬力学的測定値の間の関連性の探索的分析は、データ測定値が容認する場合、モデルベースの手法を使用して実施され得る。
【0484】
探索的評価項目の分析
気道壁及び管腔パラメーターにおけるベースラインからの変化は、フィブリノーゲンの血漿濃度のための有効性評価項目に関するものと同じモデルを使用して分析される。全体及び領域の空気とらえこみの変化が要約される。治療の相違についての対比は、両側80%信頼区間と合わせて提供される。肺活量測定によって測定される空気とらえこみ及び肺機能パラメーターの変化の間の相関が探索されるであろう。
【0485】
気管支拡張症の増悪
以下の分析は、プラセボに対して化合物Aにおいて生じる気管支拡張症の増悪事象における差を探索するために実施される。
【0486】
最初の気管支拡張症の増悪までの期間の分析は、いずれかの治療群の中央値を推定するのに十分な数の増悪事象が試験期間中に発生した場合にのみ実施される。最初の治療中の気管支拡張症の増悪(事象)までの期間は、気管支拡張症の増悪の最も初期の開始日からランダム化日+1を引いたものとして定義される。増悪又は増悪を伴わない比較的早期の中止を経験していない患者は、治療期間の最後に分析のために打ち切られたものとしてみなされる。ランダム化の後及び治療期間中に生じる事象は、分析に含まれる。プラセボと比較した化合物Aに関するハザード比及びそれらの対応する80%信頼区間は、カプラン・マイヤー法を使用して算出される。層別因子は、最後の12ヶ月において=1及び>1として増悪の数を含み得る。各治療に関する生存関数のカプラン・マイヤー推定値がプロットされる。
【0487】
気管支拡張症の増悪の数は、負の二項分布を仮定する一般化線形モデルを使用して分析される。患者にとってリスクのある期間は、患者が治療中である期間の長さとして定義され、対数(期間の長さ)が、モデルにおいてオフセット変数として使用される。モデルは、治療法、ベースラインでのマクロライドの使用、及びカテゴリー変数としてのスクリーニング前の12ヶ月間の気管支拡張症の増悪の数を含む。80%信頼区間及び対応するp値を伴う率比の推定値が示される。
【0488】
探索的DNA試験は、遺伝因子(遺伝型)と臨床試験中に収集される臨床評価(表現型)の間の関連を調査するために設計される。強い関連が事前に証明されていない場合、いくつかの可能な関連が探索的分析で評価される。ある範囲の統計検定が分析のために使用される。他の臨床試験からの追加のデータが、関連を確証するために必要となる場合が多い。或いは、試験に登録された対象の数が少なすぎて適切な統計分析を完了できない場合、データを、他の試験からのものと適宜合わせて、分析のためのデータセットを拡大してもよい。
【0489】
サンプルサイズの計算
この試験は、16%の脱落率の仮定に基づいて治療期間を完了する60名の患者を達成するために、化合物A 450mg(又は450mgの治療を中止した場合は化合物A 300mg)又はプラセボのいずれかを受容するように1:1の比でランダム化されるおよそ72名の患者を登録する。化合物Aがプラセボと比較して細菌負荷量の減少において優れていることを示すためには、ベースラインから84日目までの変化について、log10スケールで1.5 log10 CFU数の真の差及び2.8の標準偏差を仮定して、10%の有意水準でおよそ79%の検出力があることになる。細菌負荷量のベースラインからの変化の標準偏差(log10スケール)の仮定に関して、これは、保守的な観点により気管支拡張症及びCOPD患者における2つの過去の治験から導き出される。約10%の可能性でポジティブなPoCを誤って申告する(第1種の過誤)。サンプルサイズの仮定は、およそ14名の患者が治療期間を完了した時点で盲検方式において審査される。適切であるとみなされる場合、いずれかの地域で想定よりも高い脱落率又は主要評価項目の変動が大きい場合、或いは欧州及び中国の現場間で著しい不均衡が予測される場合、十分な数の完了者を達成するために、最大108名の対象がランダム化され得る。
【0490】
参考文献
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【0491】
8.参照による組込み
本明細書で引用される特許文書及び科学論文の各々の全開示が、全ての目的のために参照により組み込まれる。
【0492】
9.実施形態/会議条項
実施形態1.少なくとも1つの式(I):
【化68】
による化合物又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含む気管支拡張症を治療するための方法であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);CN;NR1112;CONR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15及びCO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
、R及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
及びRがそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換されるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-NR1718の基であるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-ORの基であるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、5~8員炭素環系又はN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
、R及びRが全て同じではあり得ず;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【0493】
実施形態2.少なくとも1つの式(I)
【化69】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含む気管支拡張症を治療するための方法であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、-(CH-NR1718、-(CH-OR;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-CO15;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
がHであり、且つRが、-(CH-NR1718、-(CH-OR、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが合わせてオキソ基(C=O)を形成し、且つRが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【0494】
実施形態3.Rが、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲンによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-NR1112であり、アリール及び複素環式基がそれぞれ、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される、実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
【0495】
実施形態4.Rが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、実施形態1~実施形態3の1つに記載の方法。
【0496】
実施形態5.Rが、-CH又はCFである、実施形態1~実施形態4の1つに記載の方法。
【0497】
実施形態6.Rが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシである、実施形態1~実施形態3の1つに記載の方法。
【0498】
実施形態7.Rが、-OCH、-OCHCH又は-OCFである、実施形態1~実施形態3又は実施形態6のいずれか一項に記載の方法。
【0499】
実施形態8.Rがアリールであり、アリールが、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換されるフェニルである、実施形態1~実施形態3の1つに記載の方法。
【0500】
実施形態9.Rが、4-フルオロフェニル、4-クロロ-2-メチルフェニル、又は2,4-ジクロロフェニルである、実施形態1~実施形態3又は実施形態8のいずれか一項に記載の方法。
【0501】
実施形態10.Rが、ピリジル、オキサゾール、ピロリジン又はピラゾールであり、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される、実施形態1~実施形態3の1つに記載の方法。
【0502】
実施形態11.Rが、1-メチル-4-ピリジル、オキザオイル(oxzaoyl)-2-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル又はピロリジン-1イルである、実施形態1~実施形態3又は実施形態10のいずれか一項に記載の方法。
【0503】
実施形態12:Rが、Br、-CH、-CF、-OCH、-OCHCH、-OCF、4-フルオロフェニル、4-クロロ-2-メチルフェニル、2,4-ジクロロフェニル、1-メチル-4-ピリジル、1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、オキザオイル(oxzaoyl)-2-イル、又はピロリジン-1イルである、実施形態1~実施形態11の1つに記載の方法。
【0504】
実施形態13.Rが、アミド窒素由来のヘテロ原子と2つの炭素を提供し、ヘテロ原子が酸素又は窒素である、実施形態1~実施形態12の1つに記載の方法。
【0505】
実施形態14.
が、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(CH-NR1718;-(CH-OR、又はOHであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1又は2であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-Cアリール;又は-(C~Cアルキル)-5~6員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、実施形態1~実施形態13の1つに記載の方法。
【0506】
実施形態15.
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-(CH-NR1718;-(CH-OR;又はOHであり;
mが、0、又は1であり;
R’が、Hであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;且つ
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、実施形態1~実施形態14のいずれか一項に記載の方法。
【0507】
実施形態16.
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718;又はOHであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~6員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;且つ
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、実施形態1~実施形態15のいずれか一項に記載の方法。
【0508】
実施形態17.
が、Hであり;
が、H又はMeであり;
4aが、Hであり;
が、-NR1718;又はOHであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;且つ
17及びR18がそれぞれ独立して、H;又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルである、請求項1~請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【0509】
実施形態18.
が、Hであり;
4aが、Hであり;
及びRが、オキソ基であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;フェニル;又は5~6員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、フェニル及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換される、実施形態1~実施形態13の1つに記載の方法。
【0510】
実施形態19.
が、Hであり;
4aが、Hであり;
及びRが、オキソ基であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;又はフェニルであり、フェニルが、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換され、
Zが、独立して、OH、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、C(O)OR19、C(O)R19、OR19、CN、又はハロゲンであり;
19が、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;又はC~Cアルコキシ-C~Cアルキルであり、全てのアルキルは、任意選択により、ハロゲンで置換される、実施形態1~実施形態13又は実施形態18のいずれか一項に記載の方法。
【0511】
実施形態20.
が、Hであり;
4aが、Hであり;
及びRが、オキソ基であり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;又はフェニルであり、フェニルが、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換され、
Zが、独立して、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~Cアルコキシ又はハロゲンである、実施形態1~実施形態13又は実施形態18~実施形態19のいずれか一項に記載の方法。
【0512】
実施形態21.化合物が、式(II)
【化70】
又はその薬学的に許容される塩によって表され、式中、
101が、以下:
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
から選択される、実施形態1~実施形態13の1つに記載の方法。
【0513】
実施形態22.
が、Hであり;
101が、
【化75】
である、実施形態21に記載の方法。
【0514】
実施形態23.
が、Hであり;
101が、
【化76】
である、実施形態21に記載の方法。
【0515】
実施形態24.
が、Hであり;
101が、
【化77】
【化78】
である、実施形態21に記載の方法。
【0516】
実施形態25.
が、Hであり;
101が、
【化79】
である、実施形態21に記載の方法。
【0517】
実施形態26.
が、Hであり;
101が、-(C~Cアルキル)-5~10員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換される、実施形態1~実施形態13の1つに記載の方法。
【0518】
実施形態27.
が、Hであり;
101が、
【化80】
から選択される、実施形態21~実施形態26の1つに記載の方法。
【0519】
実施形態28.少なくとも1つの式(III)の化合物
【化81】
又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含む気管支拡張症を治療するための方法であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
Xが、NR又はOであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
5aが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
11及びR13がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
12、R14、及びR15がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
11及びR12、並びにR13及びR14が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【0520】
実施形態29.
Aが、N又はCR4aであり;
Xが、NR又はOであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-Cアリール;又は-(C~Cアルキル)-5~6員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aが、Hであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
5aが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-Cアリール又は-5~8員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-Cアリール及び-5~8員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキル、-(C~Cアルキル)-Cアリール又は-5~8員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、-(C~Cアルキル)-Cアリール及び-5~8員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;-(C~Cアルキル)-Cアリール;又は-5~8員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、-Cアリール及び-5~8員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式基を形成し、複素環式基が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は5~8員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、複素環式基が、ハロゲン、ハロゲンによって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~Cアルコキシ又は-CNによって任意選択により置換され;
18が、H又はC~Cアルキルであり;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、実施形態28に記載の方法。
【0521】
実施形態30.
Aが、N又はCR4aであり;
Xが、NR又はOであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;又はハロゲンであり;
が、CFであり;
及びR4aが、Hであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
5aが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり、
が、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり、
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CNであるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~6員炭素環系を形成するか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式基を形成し、複素環式基が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
Zが、独立して、OH、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、又はハロゲンであり;
19が、H;C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~6員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、実施形態28又は実施形態29に記載の方法。
【0522】
実施形態31.
Aが、N又はCR4aであり;
Xが、NR又はOであり;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;又はハロゲンであり;
が、CFであり;
及びR4aが、Hであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
5aが、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり、
が、H、1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり、
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CNであるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式基を形成し、複素環式基が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
5a及びRが、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
Zが、独立して、OH、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、オキソ、CN、NO、又はハロゲンである、実施形態28~実施形態30の1つに記載の方法。
【0523】
実施形態32.Aが、Nである、実施形態1~実施形態31のいずれか一項に記載の方法。
【0524】
実施形態33.Aが、CR4aである、実施形態1~実施形態31の1つに記載の方法。
【0525】
実施形態34.Aが、CR4aであり、且つR4aが、Hである、実施形態33に記載の方法。
【0526】
実施形態35.Rが、CFCF-、(CFCH-、CH-CF-、CFCF-、CF、CFH-、CH-CCl-、CFCFCClH-、CBr、CBrH-CFCFCHCF又はCFCFCFCF-である、実施形態1~実施形態34のいずれか一項に記載の方法。
【0527】
実施形態36.Rが、CFである、実施形態1~実施形態35のいずれか一項に記載の方法。
【0528】
実施形態37.化合物が、S配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーである、実施形態1~実施形態36のいずれか一項に記載の方法。
【0529】
実施形態38.化合物が、R配置を有する実質的に純粋なエナンチオマーである、実施形態1~実施形態36のいずれか一項に記載の方法。
【0530】
実施形態39.化合物が、
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[(R)-1-(テトラヒドロ-フラン-2-イル)メチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸([1,3]ジオキソラン-2-イルメチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[(S)-1-(テトラヒドロ-フラン-2-イル)メチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-メチル-2-ピペリジン-1-イル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-メチル-テトラヒドロ-フラン-2-イル-メチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-メトキシ-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-モルホリン-4-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-モルホリン-4-イル-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-クロロ-2-メチル-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-プロピル)-アミド;
5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-トリフルオロメチル-プロピル)-アミド;
5-アミノ-6’-メチル-3-トリフルオロメチル-[2,3’]ビピリジンイル-6-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-(3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)プロパン酸メチル;
3-アミノ-N-(ベンゾ[d]イソオキサゾール-3-イルメチル)-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(オキサゾール-2-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-メトキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-(2-ヒドロキシ-3-メチル-2-(トリフルオロメチル)ブチル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-シクロプロピル-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
5-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-(トリフルオロメチル)-2,4’-ビピリジン-6-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3-メチル-2-オキソ-ブチル)-アミド;
3-アミノ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
(S)-3-アミノ-6-エトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-6-(ピロリジン-1-イル)-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
3-アミノ-N-(2-アミノ-3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロピル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;及び
3-アミノ-6-メトキシ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)-2-メチルプロピル)-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施形態2、実施形態21又は実施形態28のいずれか一項に記載の方法。
【0531】
実施形態40.化合物が、
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[(R)-1-(テトラヒドロ-フラン-2-イル)メチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸([1,3]ジオキソラン-2-イルメチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[(S)-1-(テトラヒドロ-フラン-2-イル)メチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(テトラヒドロ-フラン-2-イルメチル)-アミド;及び
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-メチル-テトラヒドロ-フラン-2-イル-メチル)-アミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施形態39に記載の方法。
【0532】
実施形態41.化合物が、
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-モルホリン-4-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-モルホリン-4-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-モルホリン-4-イル-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(3-メチル-2-モルホリン-4-イル-ブチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-メチル-2-モルホリン-4-イル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(1-モルホリン-4-イル-シクロヘキシルメチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-モルホリン-4-イル-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-メトキシ-フェニル)-2-ピロリジン-1-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-N-(2-アミノ-3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロピル)-6-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;及び
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-ジメチルアミノ-2-(4-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施形態2、実施形態21又は実施形態28のいずれか一項に記載の方法。
【0533】
実施形態42.化合物が、
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-メチル-テトラヒドロ-フラン-2-イル-メチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-モルホリン-4-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(3-メチル-2-モルホリン-4-イル-ブチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-メチル-2-モルホリン-4-イル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(1-モルホリン-4-イル-シクロヘキシルメチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-モルホリン-4-イル-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-2-フェニル-エチル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-メトキシ-フェニル)-2-ピロリジン-1-イル-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-ジメチルアミノ-2-(4-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-アミド;
3-アミノ-6-フラン-2-イル-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-アミド;
3-アミノ-N-(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5,6-ビス(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
N-(2-(1H-イミダゾール-2-イル)プロピル)-3-アミノ-6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;
3-アミノ-6-ブロモ-N-(2-モルホリノエチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラジン-2-カルボキサミド;及び
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-カルボン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-アミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施形態2、実施形態21又は実施形態28のいずれか一項に記載の方法。
【0534】
実施形態43.化合物が、
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-ブロモ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド;
3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-5,6-ビス-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(2,4-ジクロロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;
3-アミノ-6-(4-フルオロ-フェニル)-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;及び
3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド;又は
その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、実施形態39に記載の方法。
【0535】
実施形態44.気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である、実施形態1~実施形態43の1つに記載の方法。
【0536】
実施形態45.炎症性若しくは閉塞性気道疾患又は粘膜水和の治療における使用のための医薬の製造における、必要とする対象に対する、式(I):
【化82】
による化合物又はその薬学的に許容される塩の使用であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);CN;NR1112;CONR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15及びCO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
、R及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
及びRがそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換されるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-NR1718の基であるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-ORの基であるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、5~8員炭素環系又はN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
、R及びRが全て同じではあり得ず;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、使用。
【0537】
実施形態46.CFTRによって媒介される疾患の治療における使用のための医薬の製造における、必要とする対象に対する、式(I):
【化83】
による化合物又はその薬学的に許容される塩の使用であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);CN;NR1112;CONR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15及びCO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
、R及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
及びRがそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換されるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-NR1718の基であるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-ORの基であるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、5~8員炭素環系又はN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
、R及びRが全て同じではあり得ず;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシイン(alkoxyin)によって任意選択により置換される、使用。
【0538】
実施形態47.疾患がCF、COPD、又は気管支拡張症である、CFTRによって媒介される疾患の治療における使用のための医薬の製造における実施形態46に記載の化合物の使用。
【0539】
実施形態48.気管支拡張症の治療における使用のための医薬の製造における、必要とする対象に対する、式(I):
【化84】
による化合物又はその薬学的に許容される塩の使用であって、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);CN;NR1112;CONR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15及びCO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
、R及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
及びRがそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換されるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-NR1718の基であるか;又は
及びRがそれぞれ独立して、式:
-(CH-ORの基であるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、5~8員炭素環系又はN、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
、R及びRが全て同じではあり得ず;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシイン(alkoxyin)によって任意選択により置換される、使用。
【0540】
実施形態49.CFTRによって媒介される疾患又は障害を治療するための医薬組成物であって、実施形態1~実施形態44の1つにおいて請求されるとおりの化合物、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0541】
実施形態50.疾患又は障害が、嚢胞性線維症、COPD、又は気管支拡張症である、実施形態49に記載の医薬組成物。
【0542】
実施形態51.疾患又は障害が、気管支拡張症である、実施形態49又は実施形態50に記載の医薬組成物。
【0543】
実施形態52.気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である、実施形態49~実施形態51の1つに記載の医薬組成物。
【0544】
実施形態53.
実施形態1~実施形態44の1つに請求されるとおりの化合物を含む第1の活性剤、並びに
浸透圧剤、ENaC遮断薬、抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、抗菌剤及びデオキシリボヌクレアーゼ原薬から選択される第2の活性を含み、第1及び第2の活性剤が、同じ又は異なる医薬組成物中に存在し得る、医薬組成物。
【0545】
実施形態54.第2の活性剤が、EnaC遮断薬である、実施形態53に記載の医薬組成物。
【0546】
実施形態55.必要とする対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、気管支拡張症を治療するための方法。
【0547】
実施形態56.必要とする対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、気管支拡張症を治療するための方法。
【0548】
実施形態57.必要とする対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、気管支拡張症を治療するための方法。
【0549】
実施形態58.気管支拡張症が、嚢胞性線維症気管支拡張症又は非嚢胞性線維症気管支拡張症である、実施形態55~実施形態57の1つに記載の気管支拡張症を治療するための方法。
【0550】
実施形態59.気管支拡張症を治療する際の使用のための化合物であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、化合物。
【0551】
実施形態60.気管支拡張症を治療する際の使用のための化合物であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、化合物。
【0552】
実施形態61.気管支拡張症を治療する際の使用のための化合物であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、化合物。
【0553】
実施形態62.気管支拡張症を治療するための化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0554】
実施形態63.気管支拡張症を治療するための化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0555】
実施形態64.気管支拡張症を治療するための化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0556】
実施形態65.気管支拡張症を治療する際の使用のための医薬の製造における化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0557】
実施形態66.気管支拡張症を治療する際の使用のための医薬の製造における化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0558】
実施形態67.気管支拡張症を治療する際の使用のための医薬の製造における化合物の使用であって、必要とする対象に有効量の前記化合物を投与することを含み、前記化合物が、3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩である、使用。
【0559】
実施形態68.対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、式(I)
【化85】
の化合物又はその薬学的に許容される塩を必要とする対象に投与することを含み、式中、
Aが、N又はCR4aであり;
が、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;ハロゲン;SONR;SO10;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるS-C~Cアルキル;S-C~C14アリール;CN;NR1112;C(O)NR1314;NR13SO15;NR13C(O)R15、CO15、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基により置換され;
が、C~Cハロアルキルであり;
及びR4aがそれぞれ独立して、H又は1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
が、-(CH-NR1718、-(CH-OR;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-CO15;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール又は-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~C10シクロアルキル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;OH;CN;ハロゲン;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;シクロアルキル、シクロアルケニル、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
がHであり、且つRが、-(CH-NR1718、-(CH-OR、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基(複素環式基は、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する);又は-(C~Cアルキル)-CO15であり、-(C~Cアルキル)-C~C14アリール及び-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、3~8員炭素環系を形成するか;又は
及びRが合わせてオキソ基(C=O)を形成し、且つRが、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR及びRが、それらが結合される炭素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5~8員複素環式環系を形成し、環系が任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換され;
が、H、又は1つ以上のハロゲンで任意選択により置換されるC~Cアルキルであり;
m=0、1、2又は3であり;
、R11、R13及びR17がそれぞれ独立して、H、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、C~C10シクロアルキル又は-(C~Cアルキル)-C~Cシクロアルキルであり;
、R10、R12、R14、R15、R16及びR18がそれぞれ独立して、H;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~Cアルキニル;C~C10シクロアルキル;C~C10シクロアルケニル;-C~Cアルキル-C~Cシクロアルキル;-(C~Cアルキル)-C~C14アリール;又は-(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及びヘテロシクリル基がそれぞれ任意選択により、1つ以上のZ置換基によって置換されるか;又は
及びR、R11及びR12、R13及びR14、並びにR17及びR18が、それらが結合される窒素原子と合わせて、1つ以上のZ置換基によって任意選択により置換される4~14員複素環式基を形成してもよく;
Zが、独立して、OH、アリール、O-アリール、ベンジル、O-ベンジル、1つ以上のOH基若しくはNH基によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル、1つ以上のOH基若しくはC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ、NR18(SO)R21、(SO)NR1921、(SO)R21、NR18C(O)R21、C(O)NR1921、NR18C(O)NR1921、NR18C(O)OR19、NR1921、C(O)OR19、C(O)R19、SR19、OR19、オキソ、CN、NO、ハロゲン又は3~14員複素環式基であり、複素環式基が、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し;
19及びR21がそれぞれ独立して、H;C~Cアルキル;C~Cシクロアルキル;C~Cアルコキシ-C~Cアルキル;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-アリール;(C~Cアルキル)-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、オキソ、C~Cアルキル及びC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基;C~Cアルキル、C~Cアルコキシ及びハロゲンから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される(C~Cアルキル)-O-アリール;並びに(C~Cアルキル)-O-3~14員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、ハロゲン、C~Cアルキル又はC(O)C~Cアルキルから選択される1つ以上の基によって任意選択により置換される複素環式基であり;アルキル基が、1つ以上のハロゲン原子、C~Cアルコキシ、C(O)NH、C(O)NHC~Cアルキル若しくはC(O)N(C~Cアルキル)によって任意選択により置換されるか;又は
19及びR21が、それらが結合される窒素原子と合わせて、5~10員複素環式基であって、N、O及びSから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含み、OH;ハロゲン;アリール;N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~10員複素環式基;S(O)-アリール;S(O)-C~Cアルキル;1つ以上のハロゲン原子によって任意選択により置換されるC~Cアルキル;1つ以上のOH基又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換されるC~Cアルコキシ;並びにC(O)OC~Cアルキルから選択される1つ以上の置換基によって任意選択により置換されている複素環式基を形成し、アリール及び複素環式置換基はそれ自体が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル又はC~Cアルコキシによって任意選択により置換される、方法。
【0560】
実施形態69.必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((S)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【0561】
実施形態70.必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸((R)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【0562】
実施形態71.必要とする対象の肺における少なくとも1種の病原性細菌のコロニー形成を阻害するか又はそのレベルを低減するための方法であって、対象に有効量の3-アミノ-6-メトキシ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-カルボン酸(3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-アミド、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【0563】
実施形態72.病原性細菌が、ヘモフィラス・パラインフルエンザ(Hemophilus parainfluenza)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Hemophilus influenza)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、モラクセラ(Moraxella)、及びストレプトコッカス・ニューモニア(Streptococcus pneumonia)からなる群から選択される、実施形態68~実施形態71の1つの方法。
【0564】
実施形態73.病原性細菌のコロニー形成のレベルが、少なくとも1log低減される、実施形態68~実施形態72の1つの方法。
図1
図2
【国際調査報告】