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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】流体を鼻腔に送る装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/00 20060101AFI20220822BHJP
   A61M 15/08 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A61M11/00 A
A61M15/08
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021573285
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2019037910
(87)【国際公開番号】W WO2020251594
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】16/437,551
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520085556
【氏名又は名称】ネオシナス ヘルス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Neosinus Health Inc.
【住所又は居所原語表記】1 Glenwood Avenue, 5th Floor Raleigh, NC 27603 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マザー, カシフ
(72)【発明者】
【氏名】ピュー, マグダ, アール
(72)【発明者】
【氏名】クレア, マイケル ジョン
(57)【要約】
流体を容器から鼻腔に送る装置及び方法。装置は、共に接続され、互いに対して接続され、互いに対して回動可能なセレクタとノズルとを含む。装置は、解剖学的障壁を克服するための湾曲と、流体を鼻腔に送る際に効果的な分散を提供するための1つ以上の開口を含む。セレクタは、流体を保持する容器の対応する開口と並ぶ開口を含む。ノズルは、第1の側面に1つ以上の開口を有する第1の通路と、対向する第2の側面に1つ以上の開口を有する第2の通路とを含む。セレクタとノズルは、流体を第1と第2の通路を通って鼻腔に選択的に送るために、第1及び第2の回動位置に配置され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を容器から鼻腔に送る装置であって、
前記容器の上部をおおって延びるサイズのレセプタクルと、前記容器の出口と並ぶサイズの開口と、を含むセレクタと、
前記セレクタに接続されるノズルであって、
間隔を空けて配置され、それぞれが前記セレクタに向かう近位端と反対の遠位端とを含む第1及び第2の通路と、
前記第1の通路と連通する1つ以上の第1の開口であって、前記ノズルの第1の側面に配置される前記第1の開口と、
前記第2の通路と連通する1つ以上の第2の開口であって、前記ノズルの対向する第2の側面に配置される前記第2の開口と、を含むノズルと、を備え
前記ノズルは、第1と第2の位置の間で前記セレクタに対して回動可能であり、前記第1の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第2の通路が前記出口から離れて配置されることを含み、及び、前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第1の通路が前記出口から離れて配置されることを含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の通路は、前記ノズル内で互いに対して固定して配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルは、前記セレクタに接続するベースと、前記セレクタから離れる方向で前記ベースから外向きに延びる延長部とを備え、前記第1及び第2の通路は、前記延長部を通って延びる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び第2の通路は、前記長軸に沿って位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記セレクタは、上面と、前記レセプタクルを形成する側壁とを備え、前記開口は、前記側壁と前記上面を通って延びる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記開口は、前記側壁から内向きに前記上面に沿って延び、後端で終了し、前記後端は、前記上面の中心点から離れて位置する、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記セレクタ及び前記ノズルのそれぞれから延びるフランジを更に備え、前記フランジは、前記セレクタが前記ノズルに回動可能に接続するように互いに係合する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の通路及び前記第2の通路のそれぞれの内部に配置されたフィラーロッドを更に備え、前記フィラーロッドは、前記第1の通路及び前記第2の通路の開口面積を制限するために、前記第1の通路及び前記第2の通路よりも小さい断面サイズを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
2~10センチメートルの長さと30°~90°の湾曲を有する湾曲部を有する前記ノズル、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記湾曲部の前記長さは、3.75~4.25センチメートルであり、前記湾曲は60°~80°である、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ノズルの遠位端に延びる凹部を更に備え、前記第1及び第2の通路の前記遠位端は前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
流体を容器から鼻腔に送る装置であって、
共に接続され、前記容器に接続するように構成されたセレクタとノズルと、を備え、
前記セレクタは、前記容器の出口と並ぶように構成された開口を含み、
前記ノズルは、
ベースと、外向きに延びる延長部であって、前記ベースの近位端と反対の遠位端との間で測定される長さを含む延長部と、
前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第1の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第1の開口と、前記流体を前記第1の開口から排出し、前記流体が前記延長部の第2の側面から排出されることを防ぐための前記延長部の第1の側面と、を含む第1の通路と、
前記第1の通路から離れて位置する第2の通路であって、前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第2の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第2の開口と、前記流体を前記第2の開口から排出し、前記流体が前記延長部の前記第1の側面から排出されるのを防ぐための前記延長部の前記第2の側面と、を含む第2の通路と、を含み、
前記ノズルは、前記第1の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第2の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第1の位置と、前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第1の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第2の位置との間で、前記セレクタに対して回動可能である、
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記ノズルの遠位端に延びる凹部を更に備え、前記第1及び第2の通路は、前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の位置は、前記容器から流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含み、及び、前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部の長さに沿って互いに並んだ構成で延びる、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部内で固定して配置され、前記第1の位置及び前記第2の位置のそれぞれにおいて互いに対して静止したままである、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び前記第2の通路は、前記長軸に沿って位置する、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の通路内の開口内部空間を減少させるために、前記第1及び第2の通路の内部に配置されたフィラーロッドを更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
流体を容器から鼻腔へ送る方法であって、
ノズルがセレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して第1の位置に回動することと、前記ノズルの第1の通路を、前記容器の出口に位置合わせすることと、
前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの長さに沿って延びる前記第1の通路を通って、前記ノズルの遠位端及び第1の側面に向かって外向きに対向する第1の開口を通って外に送ることと、
前記第1の位置にある間に、前記ノズルの第2の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第2の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの第2の長さから外向きに排出されることを防ぐことと、
前記ノズルが前記セレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して、第2の位置に回動することと、前記ノズルの前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせすることと、
前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの前記長さに沿って延びる前記第2の通路を通って、前記ノズルの前記遠位端及び前記第2の側面に向かって外向きに対向する第2の開口を通って外に送ることと、
前記第2の位置にある間に、前記ノズルの前記第1の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第2の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの前記第1の長さから外向きに排出されることを防ぐことと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記容器の前記出口における噴出口を、前記セレクタのスロット内に位置合わせすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを、前記噴出口が前記セレクタを越えて延び、前記ノズル内に収容されるように前記容器に接続することと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第1のフィラーロッドを前記第1の通路内に位置決めすることと、前記第1の通路のサイズを小さくすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第2のフィラーロッドを前記第2の通路内に位置決めすることと、前記第2の通路のサイズを小さくすること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の通路のそれぞれからの前記流体を、前記ノズルの前記遠位端に延びる凹部に排出すること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を鼻腔に送る装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2019年6月11日に提出された先の出願16/437551の継続出願であり、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
鼻腔は、直接的及び間接的に様々なそれぞれの生物学的機能を果たす解剖学的構造に対応する様々な表面を含む。一般に、鼻腔は中隔と呼ばれる軟骨の壁によって垂直に分かれている。中隔の両側には、鼻腔にアクセスできる鼻孔がある。中隔の反対側、鼻腔の各側面には、一連の鼻甲介(鼻甲介としても知られている)がある。各シリーズは、鼻孔から鼻腔を通って喉に向かって後方に進むときに、下鼻甲介、中鼻甲介、及び上鼻甲介からなる。これらの鼻甲介は、鼻腔に突き出る一連の骨の隆起である。上顎洞、前篩骨洞、及び前頭洞は、下鼻甲介の上にある中鼻甲介の下から鼻腔に流れこむ。
【0004】
鼻の中のこれらの解剖学的構造を治療するために、治療用流体は、局所的な鼻腔内薬物送達と呼ばれるプロセスを介して、それらの対応する表面に局所的に適用され得る。このような流体は、例えば、生理食塩水、抗ヒスタミン薬、充血緩和薬、及びコルチコステロイドを含み、鼻腔の洗浄、アレルギーの治療、鼻づまりの緩和、及び炎症の治療にそれぞれ役立つ。また、流体は1つ以上の薬を含むことができる。加えて、鼻粘膜は、鼻から脳への経鼻薬物送達を経て脳へ、及び、全身経鼻薬物送達を経て全身循環への非侵襲的薬物送達経路として機能でき、血液脳関門及び初回通過代謝のような解剖学的及び生理学的障壁をそれぞれ克服する。まとめると、鼻腔内薬物送達は、呼吸器、中枢神経系、消化器、皮膚、及びその他のような治療クラスによって表される、モノクローナル抗体療法を含む治療を送達するための最適化され標的化された方法を提供する。
【0005】
これらの流体を鼻腔内の様々な表面に送るために、スプレーボトルがしばしば使用される。スプレーボトルを使用するために、患者は通常、それらの鼻孔を通してノズルを挿入し、無計画かつ無差別にノズルから流体を噴射する。この方法で無計画かつ無差別に流体を吐出することは、少なくともいくらかの流体が鼻腔内の適切な表面に適用される傾向があるが、そのようなアプローチはせいぜい非効率的である。実際、この方法によって送達される流体の大部分は、流体が治療的価値を送達できない表面に適用されることによって、しばしば浪費される。
【発明の概要】
【0006】
一態様は、流体を容器から鼻腔に送る装置に向けられる。装置は、前記容器の上部をおおって延びるサイズのレセプタクルと、前記容器の出口と並ぶサイズの開口と、を含むセレクタを含む。ノズルはセレクタに接続される。ノズルは、間隔を空けて配置され、それぞれが前記セレクタに向かう近位端と反対の遠位端とを含む第1及び第2の通路と、前記第1の通路と連通し、前記ノズルの第1の側面に配置される1つ以上の第1の開口と、前記第2の通路と連通し、前記ノズルの対向する第2の側面に配置される1つ以上の第2の開口と、を含む。前記ノズルは、第1と第2の位置の間で前記セレクタに対して回動可能である。前記第1の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第2の通路が前記出口から離れて配置されることを含む。前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第1の通路が前記出口から離れて配置されることを含む。
【0007】
別の態様では、前記第1及び第2の通路は、前記ノズル内で互いに対して固定して配置される。
【0008】
別の態様では、前記ノズルは、前記セレクタに接続するベースと、前記セレクタから離れる方向で前記ベースから外向きに延びる延長部とを備え、前記第1及び第2の通路は、前記延長部を通って延びる。
【0009】
別の態様では、前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び第2の通路は、前記長軸に沿って位置する。
【0010】
別の態様では、前記セレクタは、上面と、前記レセプタクルを形成する側壁とを備え、前記開口は、前記側壁と前記上面を通って延びる。
【0011】
別の態様では、前記開口は、前記側壁から内向きに前記上面に沿って延び、後端で終了し、前記後端は、前記上面の中心点から離れて位置する。
【0012】
別の態様では、フランジは前記セレクタ及び前記ノズルのそれぞれから延び、前記セレクタが前記ノズルに回動可能に接続するように互いに係合する。
【0013】
別の態様では、フィラーロッドは前記第1の通路及び前記第2の通路のそれぞれの内部に配置され、前記フィラーロッドは、前記第1の通路及び前記第2の通路の開口面積を制限するために、前記第1の通路及び前記第2の通路よりも小さい断面サイズを含む。
【0014】
別の態様では、前記ノズルは、2~10センチメートルの長さと30°~90°の湾曲を有する湾曲部を有する。
【0015】
別の態様では、前記湾曲部の前記長さは、3.75~4.25センチメートルであり、前記湾曲は60°~80°である。
【0016】
別の態様では、凹部は前記ノズルの遠位端に延び、前記第1及び第2の通路の前記遠位端は前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される。
【0017】
一態様は、一態様は、流体を容器から鼻腔に送る装置に向けられる。装置は共に接続され、前記容器に接続するように構成されたセレクタとノズルと、を備える。前記セレクタは、前記容器の出口と並ぶように構成された開口を含む。前記ノズルは、ベースと、外向きに延びる延長部であって、前記ベースの近位端と反対の遠位端との間で測定される長さを含む延長部と、前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第1の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第1の開口と、前記流体を前記第1の開口から排出し、前記流体が前記延長部の第2の側面から排出されることを防ぐための前記延長部の第1の側面と、を含む第1の通路と、前記第1の通路から離れて位置する第2の通路であって、前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第2の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第2の開口と、前記流体を前記第2の開口から排出し、前記流体が前記延長部の前記第1の側面から排出されるのを防ぐための前記延長部の前記第2の側面と、を含む第2の通路と、を含む。前記ノズルは、前記第1の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第2の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第1の位置と、前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第1の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第2の位置との間で、前記セレクタに対して回動可能である。
【0018】
別の態様では、第1の開口の1つは、延長部の遠位端を通って延び、第2の開口の1つは、延長部の遠位端を通って延びる。
【0019】
別の態様では、凹部は前記ノズルの遠位端に延び、前記第1及び第2の通路の前記遠位端は前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される。
【0020】
別の態様では、前記第1の位置は、前記容器から流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含み、及び、前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含む。
【0021】
別の態様では、別の態様では、セレクタは、上面と、上面から外向きに延びる側面とを含み、開口は側面と上面の一部を通って延びるスロットを含む。
【0022】
別の態様では、前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部の長さに沿って互いに並んだ構成で延びる。
【0023】
別の態様では、前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部内で固定して配置され、前記第1の位置及び前記第2の位置のそれぞれにおいて互いに対して静止したままである。
【0024】
別の態様では、前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び前記第2の通路は、前記長軸に沿って位置する。
【0025】
別の態様では、フィラーロッドは、前記第1及び第2の通路内の開口内部空間を減少させるために、前記第1及び第2の通路の内部に配置される。
【0026】
一態様は、一態様は、流体を容器から鼻腔に送る方法に向けられる。方法は、ノズルがセレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して第1の位置に回動することと、前記ノズルの第1の通路を、前記容器の出口に位置合わせすることと、を含む。方法は、前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの長さに沿って延びる前記第1の通路を通って、前記ノズルの遠位端及び第1の側面に向かって外向きに対向する第1の開口を通って外に送ること、を含む。方法は、前記第1の位置にある間に、前記ノズルの第2の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第2の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの第2の長さから外向きに排出されることを防ぐこと、を含む。方法は、前記ノズルが前記セレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して、第2の位置に回動することと、前記ノズルの前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせすることと、を含む。方法は、前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの前記長さに沿って延びる前記第2の通路を通って、前記ノズルの前記遠位端及び前記第2の側面に向かって外向きに対向する第2の開口を通って外に送ることと、を含む。方法は、前記第2の位置にある間に、前記ノズルの前記第1の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第1の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの前記第1の長さから外向きに排出されることを防ぐことと、を含む。
【0027】
別の態様では、方法は、前記容器の前記出口における噴出口を、前記セレクタのスロット内に位置合わせすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを、前記噴出口が前記セレクタを越えて延び、前記ノズル内に収容されるように前記容器に接続することと、を含む。
【0028】
別の態様では、方法は、前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第1のフィラーロッドを前記第1の通路内に位置決めすることと、前記第1の通路のサイズを小さくすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第2のフィラーロッドを前記第2の通路内に位置決めすることと、前記第2の通路のサイズを小さくすること、を含む。
【0029】
別の態様では、方法は、セレクタを容器に対して位置合わせすることを含み、出口はセレクタの中心線から横方向に離れて配置される。
【0030】
別の態様では、方法は、セレクタを容器に横方向に接続することと、セレクタのスロットを通って容器の噴出口を挿入することを含む。
【0031】
別の態様では、方法は、前記第1及び第2の通路のそれぞれからの前記流体を、前記ノズルの前記遠位端に延びる凹部に排出すること、を含む。
【0032】
別の態様では、様々な実施形態の様々な側面は、所望されるように、単独で又は任意の組合せで使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、流体を鼻腔に送る装置の模式図である。
図2図2は、流体を保持する容器に接続された装置の側面図である。
図3図3は、図2の装置の分解図である。
図4図4は、セレクタの上面図である。
図5図5は、図4のセレクタの底面図である。
図6図6は、図3のノズルをVI-VI線に沿って切断した断面図である。
図7図7は、装置の残り及び容器の一部の視点で、図2のノズルを、VII-VII線に沿って切断した断面図である。
図8図8は、ノズルの斜視図である。
図8A図8Aは、ノズルの斜視図である。
図9図9は、流体をユーザの鼻腔に送る方法のフローチャートである。
図10図10は、流体を鼻腔に送る装置の分解図である。
図11図11は、流体を鼻腔に送る装置の斜視図である。
図12図12は、ノズルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願は、流体を容器から鼻腔に送る装置及び方法に向けられる。本願は、流体を容器から鼻腔に送る装置及び方法に向けられる。図1の模式図は、流体を送る装置10を示す。装置10は、共に接続され、互いに対して回動可能なセレクタ20とノズル30を含む。セレクタ20とノズル30は、さらに、流体を保持する容器(図1では不図示)に接続されるように構成される。セレクタ20は、容器内の対応する開口と並ぶ開口24を含む。ノズル30は、側面に1つ以上の開口54を有する第1の通路51と、対向する側面に1つ以上の開口54を有する第2の通路52を含む。セレクタ20及びノズル30は、流体を受け取り、第1の側面の1つ以上の開口54を通してそれを送るために、開口24に位置合わせされた第1の通路51を有する第1の回動位置に配置され得る。セレクタ20及びノズル30は、流体を受け取り、第2の側面の1つ以上の開口部54を通して流体を送るために、開口24に位置合わせされた第2の通路52を有する第2の回動位置に配置され得る。また、1つ以上の開口は、第1と第2の位置の1つ又は両方において流体を遠位で外向きに送るために、遠位端38に配置され得る。
【0035】
図2は、容器100に接続された装置10の側面図を示す。図3は、装置10と容器100の分解図を示す。装置10は、容器100に接続するセレクタ20を備える。ノズル30は、セレクタ20に接続され、容器100から離れて対向する側から外向きに延びる。ノズル30は、鼻腔に挿入され、流体を送るようなサイズである。
【0036】
装置10は、容器100からの流体を吐出し、鼻腔内の選択的位置に送ることを提供する。流体はリンス又はスプレーとして吐出され得る。容器100は、流体を含む封入内部と開放端を有する本体101を備える。出口103は、容器100から流体を出力することを提供する。出口103は、本体101の一端に接続される噴出口102内に配置され得る。チューブ(不図示)は、本体101の内部に配置され得る。チューブの第1の端部は出口103に取り付けられ、第2の端部は内部の下部及び/又は底部に配置される。チューブは、内部から流体を収集し、それを出口103に移動させることを提供する。
【0037】
装置10は、様々な異なる流体を含むことができ、局所的な鼻腔内薬物送達、全身的な鼻腔内薬物送達、及び鼻から脳への鼻腔内薬物送達をサポートするための薬物を含むことができる。流体は、生理食塩水、抗ヒスタミン薬、充血緩和薬、及びコルチコステロイドが含まれるが、これらに限定されない。薬物は、呼吸器、中枢神経系、消化器、皮膚、及びその他のような治療クラスによって表されるモノクローナル抗体療法を含むが、これらに限定されない。
【0038】
1つ以上のガスケット98は、流体が漏れることを防ぐために、配置され得る。ガスケット98は、装置10の形状及び寸法に適合するように、種々の形状及びサイズを含むことができる。図3は、環状形状を有する第1のガスケット98を含み、第2のガスケット98は直線状のロッド形状を有する。一例では、ガスケット98は、流体が漏れることを防ぐために、セレクタ20とノズル30との間に配置される。環状ガスケット98は、近位端37及び第1及び第2の通路51、52に近接してレセプタクル36内に配置される。直線状ガスケット98は、流体が不用意に通路51、52のうち1つに入るのを防止するために、第1及び第2の通路51、52の間の近位端37に配置される。
【0039】
セレクタ20は、容器100に接続するように構成される。図4は、セレクタ20の上面図を示し、図5は下面図を示す。セレクタ20は、レセプタクル23を形成する上面21及び側壁22を含む。開口24は、上面21のセクションを通って延び、噴出口102を受け入れるようなサイズである。開口24は、上面21のみに隔離され得る。更に又は代替的に、開口24は、上面21及び側壁22のセクションを通って延びるスロットとなり得る。スロットは、セレクタ20が横方向に移動することができ、噴出口102がスロット内に受け入れられた状態で容器100にスナップフィットできるので、セレクタ20を容器100に取り付けることを容易にできる。
【0040】
図4及び図5に例示されているようなスロットの実施形態では、スロットの開口24は側壁22から内向きに延びる。開口24は、上面21に沿って延び、後端25で終了する。側壁22と後端25との間で測定される開口24の長さLは、変化することができる。スロット開口24は、後端25がセレクタ20を通って延びる中心線Cから離れて配置されるような形状及び/又はサイズである。図4及び5に例示されるような1つのデザインでは、上面21は、半径rを有する実質的に円形状を含む。開口24の長さLは、半径rと異なる。図4及び図5に示されるような1つのデザインでは、開口24の長さLは、半径rよりも大きい。他のデザインは、半径r未満の長さLを含むことができる。別のデザインでは、スロット開口24は、中心線Cから離れ、かつ、後端25が中心線Cから離れる角度で、上面21内に延びる。
【0041】
タブ26は側壁22から外向きに延びる。図3に例示されるような1つのデザインでは、タブ26は、側壁22の上部に配置された上面21と共に、側壁22の底部に配置される。タブ26は、側壁22の高さに沿って他の位置に配置されても良い。タブ26は、ユーザがセレクタ20を容器100に向かって動かす力を加えるための表面を提供し、これはユーザがどのようにしてフローを左または右に向けるかであり、このようにして、1つ以上の開口54を通って、選択された方向に一方向又は多方向のフローを上向きに生み出す。この力は、容器100を起動し、流体を本体101の内部空間から、出口103及び噴出口102を通って外に排出されるようにする。
【0042】
棚27は、側壁22の内側から半径方向で内向きに延びる。棚27は、セレクタ20を取り付けるために、容器100の噴出口102及び/又は本体101と係合することを提供する。図5に示すように、棚27は開口24でより小さくなって良く、開口24から離れてより大きくなって良い。図5に最もよく示されているように、棚27は、開口24から離れた後端25と側壁22との間で最大とすることができる。これは、タブ26と一致することができる。
【0043】
1つ以上のフランジ28は、側壁22の外側から半径方向外向きに延びることができる。1つ以上のフランジ28は、ノズル30と係合することを提供する。一つのデザインでは、一連のフランジ28は、ギャップによって離間され、側壁22の周囲の種々の間隔で配置される。フランジ28は、同じ又は異なる形状及び/又はサイズを含むことができる。図4及び図5に示すような一つのデザインでは、一対の比較的小さなフランジ28が、開口24の対向する側に配置される。より大きなフランジ28は、側壁22の残りの周囲に離間している。
【0044】
ノズル30は、セレクタ20に取り付けられる。ノズル30は、セレクタ20と係合するベース31と、ユーザの鼻腔に挿入するための細長い延長部32とを含む。図3及び6に図示されているように、ベース31は、上部壁33と、周辺部の周りの一方向に外側に延びる側壁34を含む。上部壁33は、ユーザがセレクタ20及びノズル30を容器100に向かって移動させるための力を加えるための表面を提供し、こうして流体のフローを開始する。上部壁33及び側壁34は、セレクタ20を受け入れるレセプタクル36を形成する。1つ以上のフランジ35は、側壁34から半径方向内向きに延びることができる。1つ以上のフランジ35は、ノズル30を取り付けるために、セレクタ20及び/又は容器100と係合する。一つのデザインでは、ノズル30上のフランジ35は、ノズル30をセレクタ20に接続するために、セレクタ20上のフランジ28と係合する。レセプタクル36の円形断面形状は、ノズル30を選択的に種々の回転位置として位置決めするために、セレクタ20に対してノズル30が回動可能であることを提供する。
【0045】
延長部32は、レセプタクル36から離れてベース31から外向きに延びる。延長部32は、上部壁33における近位端37と、反対の遠位端38とを含む。延長部32は、ベース31の中心線Fから離れて湾曲する湾曲形状を含む。図6に示されるように、湾曲形状は、近位端37が遠位端38よりも中心線Fにあるか、又は中心線Fに近接する結果をもたらす。湾曲形状は、近位及び遠位端37、38の間の延長部32の全長に沿って延長できる。湾曲形状は、より小さい半径bを有する近位端37でより小さく、より大きな半径dを有する遠位端38でより大きくすることができる。また、延長部32は、流体を鼻腔に送るために必要に応じ他の形状を含むことができる。1つのデザインは、直線形状を含む。1つのデザインでは、延長部32は、1~20センチメートルの長さを有する湾曲部を備える。1つの特定のデザインでは、湾曲部は、3~8センチメートルの長さを有する。1つのデザインでは、湾曲部は、30°~90°の湾曲の形状を有する。別のデザインでは、湾曲は50°~80°である。1つの特定のデザインでは、湾曲は60°~80°である。1つの特定のデザインでは、延長部32は、3.75~4.25センチメートルの長さと、67°~73°の湾曲とを有する湾曲部を備える。
【0046】
図7に示すように、第1及び第2の通路51、52は、延長部32を通って延びる。通路51、52は独立しており、延長部32に沿って分離される。さらに、通路51、52は、ノズル30内で固定されており、互いに対して移動しない。各通路51、52は、近位端37の入口53、及び1つ以上の開口部54を含む。1つ以上の開口部54は、遠位端38から離れて延長部32の側面に沿って配置され得る。開口54の1つ以上は、遠位端38を通って延長できる。1つのデザインでは、1つ以上の開口54は、延長部32の各側面に沿って配置され、2つ以上の開口54は、遠位端38に配置される。延長部32の異なる側に沿った複数の開口54は、各通路51、52から流体を多方向に分散させることを提供する。1つのデザインでは、流体は、第1の通路51から遠位端38及び一方の側面に沿って、及び第2の通路52から遠位端38及び反対の側面に沿って分散され得る。
【0047】
図8に図示されているように、延長部32は、長軸x及び短軸yを含む細長い断面形状を含む。この細長い形状は、延長部32に沿って互いに並んだ構成で延びる第1及び第2の通路51、52を収容する。細長い断面形状は、鼻腔への挿入を容易にするために、さらに丸い角部を含む。
【0048】
図8に図示されているような一つの例では、第1及び第2の通路51、52は、近位端37から遠位端38まで延長部32の全長を延長する。図示のように、各通路51、52は、遠位端38の別々の開口54で終了する。図8Aに図示されているような別の例では、凹部99が、延長部32の遠位端38に延びる。凹部は、様々な深さのカップ形状を有することができる。凹部99の遠位端38は、鼻腔への挿入を容易にし、より鋭利なエッジによって引き起こされ得る鼻腔への損傷を防止するために、丸みを帯びたエッジを有する。各通路51、52は、凹部99に位置し、遠位端38から内側に間隔を置いている別々の開口54で終了する。
【0049】
ノズル30は、セレクタ20に回動可能に接続され及び第1の位置と第2の位置との間で回動可能である。図7は、セレクタ20に取り付けられ、第1の位置にあるノズル30を示す。この第1の位置は、第1の通路51の入口53を、容器100の噴出口102内の出口103と共に配置する。ユーザが容器100に力を加えると、流体は噴出口102の出口103から排出され、第1の通路51に入る。流体は、第1の通路51の長さに沿って移動し、第1の開口54を通って、延長部32のちょうど第1の側面に沿って、又はちょうど側面及び遠位端38のいずれかに沿って排出される。第2の通路52は、第1の位置において噴出口102の出口103と位置合わせされていないため、流体が第2の通路52に入り込むことが防止される。したがって、流体は、この第1の位置にある時、ユーザの鼻腔の限定された部分にだけ分散される。
【0050】
また、ノズル30は、セレクタ20に対して第2の位置まで回転させられ得る。第2の位置は、第2の通路52の入口53を、容器100の噴出口102内の出口103と共に配置する。流体は、噴出口102の出口103から、第2の通路52に排出され、開口54を通って、ちょうど反対の側面、又はちょうど反対の側面及び遠位端38のいずれかで排出され得る。第2の位置では、第1の通路51は、噴出口102の出口103から離れて配置され、流体が第1の通路51に入り込むことが防止される。
【0051】
ノズル30は、セレクタ20に対して第3の位置に配置され得る。第3の位置は、第1の通路51及び第2の通路52の両方の入口53を噴出口102から離れて配置することができる。第3の位置は、ユーザがノズル30を通って流体が分散されるようにしたくない場合、オフ又は閉位置となり得る。
【0052】
図9は、流体を鼻腔に送る装置10を使用する方法を示す。方法は、セレクタ20に対してノズル30を第1の方向に第1の位置まで回動させること(ブロック200)を含む。第1の位置は、ノズル30の第1の通路51をセレクタ20の開口24に位置合わせする。これはまた、第1の通路51を容器100から延びる噴出口102の出口103に位置合わせする。ノズル30及びセレクタ20の動きは、容器100に接続されている間に生じる。
【0053】
容器100が起動され、容器100からの流体は、第1の通路51の入口53に入り、第1の通路51を通って、1つ以上の第1の開口54を通って出る(ブロック202)。1つ以上の第1の開口54は、延長部32の第1の側面にちょうど沿って、又は第1の側面及び遠位端38に沿って配置され得る。この第1の位置では、第2の通路52は、噴出口102の出口103から離れて配置される。これは、流体が第2の通路52に入り込むことを防ぐ。
【0054】
ノズル30は、セレクタ20に対して第2の方向に第2の位置まで回動させられ得る(ブロック204)。第2の位置は、ノズル30がセレクタ20に接続され、ノズル30及びセレクタ20の両方が容器100に接続されている間に、ノズル30の第2の通路52を容器100の開口24に位置合わせする。また、第2の位置は、第2の通路52の入口53を容器100の噴出口102の出口103に位置合わせする。
【0055】
第2の位置にある間に、容器100が起動され、容器100からの流体が第2の通路52の入口53に入り、第2の通路52を通って1つ以上の第2の開口54を通って外に移動する(ブロック206)。1つ以上の第2の開口54は、延長部32のちょうど反対の第2の側面に沿って、又は第2の側面と遠位端38の両方に沿って配置され得る。第2の位置では、第1の通路51は、噴出口102の出口103から離れて配置される。これは、流体が第1の通路51に入りこむことを防ぐ。
【0056】
流体を排出するための容器100の起動は、様々な方法で発生させることができる。1つのデザインは、ユーザがタブ26に下向きの力を加えることを含む。容器100の内部は加圧され、この下向きの力は、出口103を開放し、したがって、加圧された流体を出口103を通って移動させることを可能にする。別のデザインでは、上部壁33の下向きの力は、空気を容器100の内部に押し込む。この導入された空気は、出口103を通って外に駆動される流体を排出する。別のデザインは、ユーザが容器100を絞ることによって引き起こされる起動を提供する。この送達は、容器の内部からの流体を出口103を通って排出する。容器100の開放は、容器を元の形状に戻させる。空気は容器の内部に引き込まれる(例えば、セレクタ20の1つ以上の開口を通って)。
【0057】
1つのデザインでは、第1の通路51及び第2の通路52は、流体を鼻腔に送るためのサイズである。通路51、52の断面サイズは同じであっても良いし、異なっていても良い。1つのデザインでは、通路51、52は、遠位端38において2.18mmの内径を含む。別のデザインでは、内径は0.05mm~5.0mmの範囲内である。フィラーロッド70は、通路51、52の一方又は両方に配置され得る。フィラーロッド70は、存在する場合、通路51、52の断面積を減少させる。これに関し、フィラーロッド70は、通路51、52を通る流体を加速するために有用であり得る。同様の効果は、通路51、52をより狭いサイズとし、フィラーロッド70を省略することで得られるが、小径の通路51、52は製造することが困難であり、いくつかの状況において、フィラーロッド70と組み合わせてより広い直径とすることができる。
【0058】
図10に図示されるように、フィラーロッド70は、通路51、52の一方又は両方内に配置されるようなサイズである。これらのデザインでは、通路51、52は、流体を送るために必要とされるよりも大きな断面サイズで製造される。サイズを小さくするために、フィラーロッド70は通路51、52内に配置される。フィラーロッド70は、通路51、52よりも小さい断面サイズを含み、したがって、より少量の流体を送るために有効なサイズを減少させる。
【0059】
フィラーロッド70は、第1の端部71及び反対の第2の端部72を含む。端部71、72の間で測定されるフィラーロッド70の長さは、通路51、52の長さと同じか、又は小さくて良い。一つのデザインでは、フィラーロッド70は、延長部32の側面上の開口54から近位の内向きに配置される端部72と共に、通路51、52に沿って延びる。
【0060】
図11は、共に接続され、また、容器100に接続されるように構成されたセレクタ20とノズル30を備える装置10を含む。セレクタ20は、上述のように容器100から流体を受け取る開口24(図11に不図示)を含む。ノズル30は、近位部91及び遠位部92を含む延長部32を含む。遠位部92は、矢印R-Rによって示されるように、近位部91に対して回動可能である。単一の通路51は、近位部91と遠位部92の両方を含む延長部32を通って延びる。1つ以上の開口54は、遠位部92のちょうど一方の側面に配置される。また、1つ以上の開口54は、遠位端38上に配置され得る。
【0061】
使用時には、遠位部92は、第1の横方向に対向する側面に1つ以上の開口54を有する第1の位置に回動される。流体は、通路51を通って移動され、ちょうど第1の側面上の1つ以上の開口54を通って排出される。反対の第2の側面は、開口54を含まないため、流体はその方向に排出されない。
【0062】
次に、ユーザは、第2の横方向で対向する側面上の1つ以上の開口54を有する第2の位置まで遠位部92を回動できる。流体は、通路51を通って移動され、ちょうど第2の側面上の1つ以上の開口を通って排出され得る。
【0063】
第1及び第2の位置の両方において、延長部32が遠位端38上の1つ以上の開口54を含む場合、流体は遠位端38から排出され得る。
【0064】
セレクタ20及びノズル30は、プラスチック及びゴムを含むが、これらに限定されない様々な材料から構成されても良い。一つのデザインでは、延長部32は、鼻腔への挿入を容易にし、ユーザに起こりうる損傷を防止するために柔軟である。
【0065】
実施形態は、ボトル等の容器100に取り付けられている装置10を記述する。また、装置10は、様々な他のタイプの容器100に取り付けられてもよい。例は、ホース及びバッグを含むが、これらに限定されない。様々な容器100は、ユーザによって流体を装置10に押し込むために変形可能であっても良いし、変形不能であっても良く、ユーザが容器100を傾けて流体を装置10に移動させる重力、及び流体を容器から装置10に送るポンプ等の他の方法で装置10への送達が要求されても良い。
【0066】
上記に開示されたように、装置10は、ノズル30の側面に沿って開口54を含むことができる。また、開口54は遠位端38に配置され得る。図12に示すように、ノズル30は、ちょうど遠位端38で開口54を含むことができる(すなわち、ノズル30の側面に沿って開口54がない)。開口54の各々は、遠位端38で1つ以上の開口54と位置合わせされ得る。1つのデザインでは、遠位端38の第1の開口54が第1の通路51と並び、遠位端38の第2の開口54が第2の通路52と並ぶ。セレクタ20は、第1の通路51及び第1の開口54をちょうど通って流体を排出するために、第1の回動位置に配置され、かつ第2の通路52及び第2の開口54をちょうど通って流体を排出するために、第2の回動位置に配置される。
【0067】
様々な装置10は、生きている患者の外科的処置の間に使用され得る。これらはまた、死体、モデル等の中で、生きていない状況で使用されても良い。生きていない状況は、試験、訓練、及び実証の目的の一つ又はそれ以上のためのものであっても良い。
【0068】
「下」、「下」、「下」、「上」、「上」等のような空間的に相対的な用語は、第2の要素に対する1つの要素の位置付けを説明するために、説明を容易にするために使用される。これらの用語は、図に示されたものとは異なる向きに加えて、装置の異なる向きを包含することを意図している。さらに、「第1」、「第2」等の用語は、様々な要素、領域、セクション等を記述するためにも使用され、また限定することを意図していない。類似の用語は、説明全体を通じて類似の要素を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「有する」、「含む」、「含む」、「含む」などの用語は、記載された要素又は特徴の存在を示すが、追加の要素又は特徴を排除するものではない、自由形式の用語である。冠詞「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明確に示されていない限り、単数形だけでなく複数形も含むことを意図する。
【0070】
本発明は、本発明の範囲及び本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書に明記されているもの以外の特定の方法で実施されても良い。したがって、本実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2019-12-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を容器から鼻腔に送る装置であって、
前記容器の上部をおおって延びるサイズのレセプタクルと、前記容器の出口と並ぶサイズの開口と、を含むセレクタと、
前記セレクタに接続されるノズルであって、
間隔を空けて配置され、それぞれが前記セレクタに向かう近位端と反対の遠位端とを含む第1及び第2の通路と、
前記第1の通路と連通する1つ以上の第1の開口であって、前記ノズルの第1の側面に配置される前記第1の開口と、
前記第2の通路と連通する1つ以上の第2の開口であって、前記ノズルの対向する第2の側面に配置される前記第2の開口と、を含むノズルと、を備え
前記ノズルは、第1と第2の位置の間で前記セレクタに対して回動可能であり、前記第1の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第2の通路が前記出口から離れて配置されることを含み、及び、前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の通路が前記容器の前記出口と並び、前記第1の通路が前記出口から離れて配置されることを含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の通路は、前記ノズル内で互いに対して固定して配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルは、前記セレクタに接続するベースと、前記セレクタから離れる方向で前記ベースから外向きに延びる延長部とを備え、前記第1及び第2の通路は、前記延長部を通って延びる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び第2の通路は、前記長軸に沿って位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記セレクタは、上面と、前記レセプタクルを形成する側壁とを備え、前記開口は、前記側壁と前記上面を通って延びる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記開口は、前記側壁から内向きに前記上面に沿って延び、後端で終了し、前記後端は、前記上面の中心点から離れて位置する、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記セレクタ及び前記ノズルのそれぞれから延びるフランジを更に備え、前記フランジは、前記セレクタが前記ノズルに回動可能に接続するように互いに係合する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の通路及び前記第2の通路のそれぞれの内部に配置されたフィラーロッドを更に備え、前記フィラーロッドは、前記第1の通路及び前記第2の通路の開口面積を制限するために、前記第1の通路及び前記第2の通路よりも小さい断面サイズを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズルは、2~10センチメートルの長さと30°~90°の湾曲を有する湾曲部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記湾曲部の前記長さは、3.75~4.25センチメートルであり、前記湾曲は60°~80°である、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ノズルの遠位端に延びる凹部を更に備え、前記第1及び第2の通路の前記遠位端は前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
流体を容器から鼻腔に送る装置であって、
共に接続され、前記容器に接続するように構成されたセレクタとノズルと、を備え、
前記セレクタは、前記容器の出口と並ぶように構成された開口を含み、
前記ノズルは、
ベースと、外向きに延びる延長部であって、前記ベースの近位端と反対の遠位端との間で測定される長さを含む延長部と、
前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第1の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第1の開口と、前記流体を前記第1の開口から排出し、前記流体が前記延長部の第2の側面から排出されることを防ぐための前記延長部の第1の側面と、を含む第1の通路と、
前記第1の通路から離れて位置する第2の通路であって、前記延長部に沿って延び、かつ、前記ベースの第2の入口と、前記遠位端にちょうど対向する第2の開口と、前記流体を前記第2の開口から排出し、前記流体が前記延長部の前記第1の側面から排出されるのを防ぐための前記延長部の前記第2の側面と、を含む第2の通路と、を含み、
前記ノズルは、前記第1の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第2の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第1の位置と、前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせし、前記第1の通路を前記出口にずらして位置合わせするための第2の位置との間で、前記セレクタに対して回動可能である、
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記ノズルの遠位端に延びる凹部を更に備え、前記第1及び第2の通路は、前記凹部内で終了し、前記ノズルの前記遠位端から内向きに間隔をあけて配置される、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の位置は、前記容器から流体を受け取り、前記流体を前記第1の通路を通って前記1つ以上の第1の開口から外に送るように、前記第1の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含み、及び、前記第2の位置は、前記容器から前記流体を受け取り、前記流体を前記第2の通路を通って前記第2の開口から外に送るように、前記第2の入口が前記容器の前記出口に並ぶことを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部の長さに沿って互いに並んだ構成で延びる、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の通路及び前記第2の通路は、前記延長部内で固定して配置され、前記第1の位置及び前記第2の位置のそれぞれにおいて互いに対して静止したままである、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記延長部は、長軸と短軸を有する細長い断面形状を備え、前記第1及び前記第2の通路は、前記長軸に沿って位置する、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の通路内の開口内部空間を減少させるために、前記第1及び第2の通路の内部に配置されたフィラーロッドを更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項19】
流体を容器から鼻腔へ送る方法であって、
ノズルがセレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して第1の位置に回動することと、前記ノズルの第1の通路を、前記容器の出口に位置合わせすることと、
前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの長さに沿って延びる前記第1の通路を通って、前記ノズルの遠位端及び第1の側面に向かって外向きに対向する第1の開口を通って外に送ることと、
前記第1の位置にある間に、前記ノズルの第2の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第2の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの第2の長さから外向きに排出されることを防ぐことと、
前記ノズルが前記セレクタに接続され、前記ノズルと前記セレクタの両方が前記容器に接続されている間に、前記ノズルを前記セレクタに対して、第2の位置に回動することと、前記ノズルの前記第2の通路を前記容器の前記出口に位置合わせすることと、
前記容器から排出される前記流体を、前記ノズルの前記長さに沿って延びる前記第2の通路を通って、前記ノズルの前記遠位端及び前記第2の側面に向かって外向きに対向する第2の開口を通って外に送ることと、
前記第2の位置にある間に、前記ノズルの前記第1の通路を前記出口から離れて配置することと、前記流体が前記第2の通路に移動することを防ぐことと、前記流体が前記ノズルの前記第1の長さから外向きに排出されることを防ぐことと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記容器の前記出口における噴出口を、前記セレクタのスロット内に位置合わせすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを、前記噴出口が前記セレクタを越えて延び、前記ノズル内に収容されるように前記容器に接続することと、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第1のフィラーロッドを前記第1の通路内に位置決めすることと、前記第1の通路のサイズを小さくすることと、前記セレクタ及び前記ノズルを前記容器に接続する前に、第2のフィラーロッドを前記第2の通路内に位置決めすることと、前記第2の通路のサイズを小さくすること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の通路のそれぞれからの前記流体を、前記ノズルの前記遠位端に延びる凹部に排出すること、を更に含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】