(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ
(51)【国際特許分類】
A24B 15/32 20060101AFI20220822BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20220822BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20220822BHJP
【FI】
A24B15/32
A24B3/14
A24D1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573496
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2020132614
(87)【国際公開番号】W WO2021143369
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010054169.0
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】518167284
【氏名又は名称】シャンハイ ニュー タバコ プロダクト リサーチ インスティテュート カンパニー,リミティド
(71)【出願人】
【識別番号】521329198
【氏名又は名称】河南中煙工業有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA TOBACCO HENAN INDUSTRIAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.16,South Yulin Road,Zhengzhou,Henan 450000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 建福
(72)【発明者】
【氏名】易 建華
(72)【発明者】
【氏名】杜 文
(72)【発明者】
【氏名】王 志国
(72)【発明者】
【氏名】黄 嘉若
(72)【発明者】
【氏名】譚 超
(72)【発明者】
【氏名】劉 巍
(72)【発明者】
【氏名】孫 志▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲競▼博
(72)【発明者】
【氏名】鐘 科軍
(72)【発明者】
【氏名】譚 新良
(72)【発明者】
【氏名】陳 超英
(72)【発明者】
【氏名】陳 超
(72)【発明者】
【氏名】楊 静
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲チー▼山
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BA71
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC01
4B043BC20
4B045AA50
4B045AB08
(57)【要約】
煙増強処理された有害性の低い巻きタバコであって、巻きタバコ用紙、フィルター及びエアロゾル生成基質を含み、エアロゾル生成基質は、煙増強処理されたタバコシート及び/又は煙増強処理された刻みタバコを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙増強処理された有害性の低い巻きタバコであって、巻きタバコ用紙、フィルター及びエアロゾル生成基質を含み、前記エアロゾル生成基質は、煙増強処理されたタバコシート及び/又は煙増強処理された刻みタバコを含む煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項2】
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び煙増強剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項3】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は6mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項4】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は3mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項5】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は1mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項6】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項7】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項8】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項9】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項10】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項11】
前記煙増強処理されたタバコシートを製造する過程で、前記煙増強剤は前記従来のタバコシートスラリー内に混合されることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項12】
前記煙増強剤が前記煙増強処理されたタバコシートの表面に付着されることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項13】
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項14】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は6mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項15】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は3mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項16】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は1mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項17】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項18】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項19】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項20】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項21】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項22】
前記煙増強剤は前記煙増強処理された刻みタバコの内部に少なくとも部分的に浸透されることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項23】
前記煙増強剤が前記煙増強処理された刻みタバコの表面に付着されることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項24】
前記煙増強剤の融点が30℃以上であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項25】
前記煙増強剤は潮解性が低いため、40℃、80%RHの環境で連続的に25時間放置された後、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの黄色スポットの投影面積が50mm
2/本未満であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項26】
前記煙増強剤は1種以上の無害な有機化合物から構成され、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、前記無害な有機化合物を添加した後、単位タールH値が0.65以下、又は0.6以下、又は0.55以下、又は0.5以下、又は0.45以下又は、X
HCN値が60μg/本以下、又はX
NNK値が3.0ng/本以下、又はX
NH3値が6.5μg/本以下、又はX
B[a]P値が8.2ng/本以下、又はX
フェノール値が25μg/本以下、又はX
クロトンアルデヒド値が12.5μg/本以下であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項27】
前記無害な有機化合物は糖類及び/又は糖アルコール類を含むことを特徴とする請求項26に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項28】
前記糖類及び/又は糖アルコール類はブタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサオールのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項27に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項29】
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタールの目標当量がT
target・mg/本であり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理されたタバコシートの質量百分率がM
sheetであり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理された刻みタバコの質量百分率がM
tobaccoであり、
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び第1煙増強剤を含み、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量はT
sheet・mg/本であり、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記第1煙増強剤の質量百分率がM
smoke1であり、前記第1煙増強剤の煙増強係数がS
1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit1であり、
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び第2煙増強剤を含み、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタール放出量はT
tobacco・mg/本であり、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記第2煙増強剤の質量百分率がM
smoke2であり、前記第2煙増強剤の煙増強係数がS
2であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit2であり、
上記パラメータが±5%の誤差で、
【数4】
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項30】
前記エアロゾル生成基質は煙増強処理されたタバコシートのみを含み、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であることを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項31】
前記エアロゾル生成基質は煙増強処理された刻みタバコのみを含み、前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含み、前記煙増強剤の沸点が350℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項32】
前記エアロゾル生成基質には煙増強処理されたタバコシートと煙増強処理された刻みタバコの両方が含まれることを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項33】
前記煙増強処理されたタバコシートと前記煙増強処理された刻みタバコとの質量比が1:9~9:1であることを特徴とする請求項32に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項34】
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であることを特徴とする請求項33に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害性の低い巻きタバコの技術分野に属し、特に煙増強処理された有害性の低い巻きタバコに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の体の健康のために、タバコ業界は長年にわたって、巻きタバコ製品の有害性とタールの低減を推進しており、従来のタバコのタール含有量は20mg以上から約10mgに年々減少している。しかし、低い有害性と良好な満足感は常に矛盾している。3mgのタールの巻きタバコは人の健康への害が小さい巻きタバコであるが、その欠点の1つは、感覚的に巻きタバコの煙量が少ないことである。6mg以上のタールの巻きタバコの煙量は比較的良好であるが、それに応じて有害性が大きくなる。
【0003】
従って、有害性の低い巻きタバコを基礎として巻きタバコの煙生成効果をさらに高めるとともに、煙増強剤の害の悪影響を低減させることを配慮して、巻きタバコの有効期間を延ばす新型の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを開発する必要がある
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、有害性の低い巻きタバコを基礎として巻きタバコの煙生成効果をさらに高めると共に、煙増強剤の悪影響を低減させる新型の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを提供することであり、本発明の2番目の目的は、巻きタバコの有効期間を延ばすことである。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本特許は以下の技術案を採用する。
【0006】
煙増強処理された有害性の低い巻きタバコであって、巻きタバコ用紙、フィルター及びエアロゾル生成基質を含み、前記エアロゾル生成基質は、煙増強処理されたタバコシート及び/又は煙増強処理された刻みタバコを含む。
【0007】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は、従来のタバコシートスラリー及び煙増強剤を含む。本発明は、煙増強処理されたタバコシートを製造する際に、従来のタバコシートスラリーと煙増強剤をタバコシートの原料として採用することができ、それにより、タバコシートの喫味、香味等の官能度を調整する難しさを低減させ、開発期間を短縮させ、生産プロセスの簡略化にも有利である。
【0008】
さらに、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は、6mg/本以下、好ましくは3mg/本以下、より好ましくは1mg/本以下である。本発明は、従来のタバコシートを基礎として、煙増強処理により、タール含有量の低いタバコシートがタール含有量の高いタバコシートと同等の煙量を生成できるようにし、それにより、有害性が低い前提で消費者の煙量に対する需要を満たすという技術効果を実現する。
【0009】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理されたタバコシートにおける煙増強剤の質量百分率が5%以上である場合、感覚的に比較的明らかな煙増強効果を生成することができ、且つ煙増強剤の使用量が非常に少ないため、煙増強剤による害が非常に小さく、タバコシートの喫味、香味等の官能度への影響も非常に小さく、タバコシートの喫味、香味等の官能度を調整する必要がなくなり、開発期間が大幅に短縮され、巻きタバコのコストの増加も非常に少ないと発見した。
【0010】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理されたタバコシートにおける煙増強剤の質量百分率が10%以上である場合、感覚的に非常に明らかな煙増強効果を生成することができ、且つ煙増強剤の使用量が非常に少ないため、煙増強剤による害が比較的小さく、タバコシートの喫味、香味等の官能度への影響も比較的小さく、タバコシートの喫味、香味等の官能度を調整する難しさが比較的低く、開発期間を短縮することができ、巻きタバコのコストの増加も少ないと発見した。
【0011】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理されたタバコシートにおける煙増強剤の質量百分率が25%に達する場合、煙増強効果は限界に近く、煙増強剤の質量百分率を更に増加すると、感覚的に更なる煙増強効果を発見しにくくなる一方、煙増強剤の使用量が多すぎると、煙増強剤がタバコシートの喫味、香味等の官能度に大きな影響を与え、タバコシートの喫味、香味等の官能度を調整する難しさが大幅に向上し、巻きタバコのコストが顕著に増加すると発見した。
【0012】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理されたタバコシートにおける煙増強剤の質量百分率が20%以下であると、煙増強効果はすべて比較的顕著であり、煙増強剤の添加が比較的高いコストパフォーマンスを得ると発見した。
【0013】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理されたタバコシートにおける煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%、特に15%を選択した場合、煙増強効果はすべて顕著であると同時に、煙増強剤による悪影響も制御可能であり、煙増強剤の添加は非常に高いコストパフォーマンスを得ると発見した。
【0014】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートを製造する過程で、前記煙増強剤は前記従来のタバコシートスラリー内に混合される。煙増強剤は従来のタバコシートスラリー内に直接混合されるので、製造機器及び製造プロセスを改造せず、既存の工程に従って煙増強処理されたタバコシートを直接製造することができ、また、煙増強剤が従来のタバコシートスラリー内に均一に混合されるため、煙増強処理されたタバコシートの表面は従来のタバコシートと同様に滑らかである。
【0015】
さらに、前記煙増強剤が前記煙増強処理されたタバコシートの表面に付着される。煙増強剤が混合等の方式で煙増強処理されたタバコシートの表面に直接付着されることで、煙増強剤の霧化効果の向上に有利であり、特に巻きタバコが点火され又は高温で加熱される場合に、タバコシートの表面に付着した煙増強剤はわずかな熱を受けると迅速に霧化し、有害性を更に軽減させる。
【0016】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含む。本発明は、煙増強処理された刻みタバコを製造する際に、従来の刻みタバコ及び煙増強剤を採用することができ、それにより、刻みタバコの喫味、香味等の官能度を調整する難しさを低減させ、開発期間を短縮させ、生産プロセスの簡略化にも有利である。
【0017】
さらに、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は、6mg/本以下、好ましくは3mg/本以下、より好ましくは1mg/本以下である。本発明は、従来の刻みタバコを基礎として、煙増強処理により、タール含有量の低い刻みタバコがタール含有量の高い刻みタバコと同等の煙量を生成できるようにし、それにより、有害性が低い前提で消費者の煙量に対する需要を満たすという技術効果を実現する。
【0018】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理された刻みタバコにおける煙増強剤の質量百分率が5%以上である場合、感覚的に比較的明らかな煙増強効果を生成することができ、且つ煙増強剤の使用量が非常に少ないため、煙増強剤による害が非常に小さく、刻みタバコの喫味、香味等の官能度への影響も非常に小さく、刻みタバコの喫味、香味等の官能度を調整する必要がなくなり、開発期間が大幅に短縮され、巻きタバコのコストの増加も非常に少ないと発見した。
【0019】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理された刻みタバコにおける煙増強剤の質量百分率が10%以上である場合、感覚的に非常に明らかな煙増強効果を生成することができ、且つ煙増強剤の使用量が非常に少ないため、煙増強剤による害が比較的小さく、刻みタバコの喫味、香味等の官能度への影響も比較的小さく、刻みタバコの喫味、香味等の官能度を調整する難しさが比較的低く、開発期間を短縮することができ、巻きタバコのコストの増加も少ないと発見した。
【0020】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理された刻みタバコにおける煙増強剤の質量百分率が25%に達する場合、煙増強効果は限界に近く、煙増強剤の質量百分率を更に増加すると、感覚的に更なる煙増強効果を発見しにくくなる一方、煙増強剤の使用量が多すぎると、煙増強剤が刻みタバコの喫味、香味等の官能度に大きな影響を与え、刻みタバコの喫味、香味等の官能度を調整する難しさが大幅に向上し、巻きタバコのコストが顕著に増加し、さらに、煙増強剤が多すぎると巻きタバコ製品の有効期間が短縮されると発見した。
【0021】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理された刻みタバコにおける煙増強剤の質量百分率が20%以下である場合、煙増強効果はすべて比較的顕著であり、煙増強剤の添加が比較的高いコストパフォーマンスを得ると発見した。
【0022】
さらに、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%である。本発明は、多くの実験の結果、煙増強処理された刻みタバコにおける煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%、特に15%を選択した場合、煙増強効果はすべて顕著であると同時に、煙増強剤による悪影響も制御可能であり、煙増強剤の添加は非常に高いコストパフォーマンスを得ると発見した。
【0023】
さらに、前記煙増強剤は前記煙増強処理された刻みタバコの内部に少なくとも部分的に浸透される。煙増強剤が前記煙増強処理された刻みタバコの内部に部分的に浸透されるので、製造機器及び製造プロセスを改造せず、既存の従来の刻みタバコの製造工程の材料添加プロセスで煙増強剤を添加するだけでよく、また、煙増強剤が煙増強処理された刻みタバコの内部に均一に浸透されるため、煙増強処理された刻みタバコの表面は従来の刻みタバコと同様に滑らかである。
【0024】
さらに、前記煙増強剤が前記煙増強処理された刻みタバコの表面に付着される。煙増強剤が混合等の方式で煙増強処理された刻みタバコの表面に直接付着されることで、煙増強剤の霧化効果の向上に有利であり、特に巻きタバコが点火され又は高温で加熱される場合に、タバコシートの表面に付着した煙増強剤はわずかな熱を受けると迅速に霧化し、有害性を更に軽減させる。
【0025】
さらに、前記煙増強剤の融点が30℃以上である。煙増強剤の融点が30℃以上である場合、常温で固体に維持することができ、巻きタバコは全体的な感覚、特に手触りで、乾燥の状態を維持することができ、それにより従来の巻きタバコと一致する。また、乾燥されたタバコシート及び/又は刻みタバコは巻きタバコ用紙の引張強度を弱めることがなく、それにより、普通の巻きタバコ用紙で巻くことができ、コストの高く特別な湿潤引張強度を持つ巻きタバコ用紙を採用する必要がない。
【0026】
さらに、前記煙増強剤は潮解性が低いため、40℃、80%RHの環境で連続的に25時間放置された後、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの黄色スポットの投影面積が50mm2/本未満である。潮解性の低い煙増強剤を選択すると、煙増強剤の強い吸湿性により引き起こされた潮解及び巻きタバコや巻きタバコ用紙の外表面での黄色スポットの現れのリスクを低減することができ、巻きタバコ製品の有効期間を延長させて、黄色スポットタバコの発生率を低減する。また、巻きタバコの製造生産環境の湿度の制御範囲を30%~60%に拡大することができ、すなわち、特に密閉された乾燥の生産作業場で生産する必要がなく、それにより生産エネルギー消費量を大幅に削減する。
【0027】
さらに、前記煙増強剤は1種以上の無害な有機化合物から構成され、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、前記無害な有機化合物を添加した後、単位タールH値が0.65以下、又は0.6以下、又は0.55以下、又は0.5以下、又は0.45以下である。更に、XHCN値が60μg/本以下、又はXNNK値が3.0ng/本以下、又はXNH3値が6.5μg/本以下、又はXB[a]P値が8.2ng/本以下、又はXフェノール値が25μg/本以下、又はXクロトンアルデヒド値が12.5μg/本以下である。煙増強剤は1種以上の無害な有機化合物を選択し、燃焼反応又は高温分解を行う場合、有害物質の生成量が少なく、巻きタバコの有害性の評価指標が低い。
【0028】
さらに、前記無害な有機化合物は糖類及び/又は糖アルコール類を含む。さらに、前記糖類及び/又は糖アルコール類はブタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサオールのうちの少なくとも1種を含む。煙増強剤が通常の食品添加剤を選択するため、安全性が非常に高く、巻きタバコが誤って食べられても深刻な結果をもたらすことがない。
【0029】
さらに、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタールの目標当量がT
target・mg/本であり、前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理されたタバコシートの質量百分率がM
sheetであり、前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理された刻みタバコの質量百分率がM
tobaccoであり、前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び第1煙増強剤を含み、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量はT
sheet・mg/本であり、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記第1煙増強剤の質量百分率がM
smoke1であり、前記第1煙増強剤の煙増強係数がS
1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit1であり、前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び第2煙増強剤を含み、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタール放出量はT
tobacco・mg/本であり、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記第2煙増強剤の質量百分率がM
smoke2であり、前記第2煙増強剤の煙増強係数がS
2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit2であり、上記パラメータが±5%の誤差で、
【数1】
の関係を満たす。上式で巻きタバコ全体のタール当量を取得することができ、巻きタバコの開発過程でタバコシートと刻みタバコの添加する必要な煙増強剤の含有量を便利に計算することができる一方で、巻きタバコ製品の包装でタール当量を示すことができ、消費者が必要な煙発生量の巻きタバコ製品を便利に選択することができる。
【0030】
さらに、前記エアロゾル生成基質は煙増強処理されたタバコシートのみを含み、前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び煙増強剤を含み、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上である。本発明の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコが200℃で加熱される場合に生成された総粒子状物質は14.0mg以上に達することができ、それにより消費者の煙量に対する需要を満たす。煙増強処理された有害性の低い巻きタバコが200℃で加熱されると、生成されたアルデヒドケトン類の有害物質は、240℃で加熱される場合よりも明らかに低い。
【0031】
さらに、前記エアロゾル生成基質は煙増強処理された刻みタバコのみを含み、前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含み、前記煙増強剤の沸点が350℃以下である。エアロゾル生成基質は煙増強処理された刻みタバコのみを含む場合、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを点火喫煙の燃焼型巻きタバコとして使用することができ、煙増強剤の沸点を350℃以下であるように選択すると、燃焼反応の発生を最大限に回避しながら、巻きタバコの実際の霧化量を増加することができる。
【0032】
さらに、前記エアロゾル生成基質には煙増強処理されたタバコシートと煙増強処理された刻みタバコの両方が含まれる。エアロゾル生成基質には煙増強処理されたタバコシートと煙増強処理された刻みタバコの両方が含まれる場合、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、点火喫煙に適するだけでなく、タバコ加熱装置による加熱喫煙に適することができる二重用途の巻きタバコとして使用できる。二重用途のタバコは、タバコ加熱装置で加熱喫煙を行うことができ、飛行機を乗る際にライターを運ぶことができないことによるトラブルを回避する一方で、点火喫煙を直接行うことができ、普通のタバコのように親戚や友人と便利に共有することができ、コミュニケーション機能が高い。
【0033】
さらに、前記煙増強処理されたタバコシートと前記煙増強処理された刻みタバコとの質量比が1:9~9:1である。煙増強処理されたタバコシートと煙増強処理された刻みタバコとの質量比が1:9~9:1である場合、巻きタバコの異なる喫味及び香味を調整して配合することができ、消費者は日常の消費習慣に従って、点火喫煙と加熱喫煙の頻度に応じて、適切な二重用途の巻きタバコを選択することができる。
【0034】
さらに、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上である。本発明の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコが200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であり得、それにより消費者の煙量に対する需要を満たす。煙増強処理された有害性の低い巻きタバコが200℃で加熱される場合、生成されたアルデヒドケトン類の有害物質は、240℃で加熱される場合よりも明らかに低い。
【0035】
図面を参照しながら読むと、本発明の上記の内容及び下記の具体的な実施形態をより良好に理解することができる。ただし、図面は保護請求されている技術案の例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施例8に係る総粒子状物質の実験1の実験結果データである。
【
図2】本発明の実施例10に係る総粒子状物質の実験2の実験結果データである。
【
図3】本発明の実施例12に係る巻きタバコの有効期間の実験の模式図である。
【
図4】本発明の実施例14に係る巻きタバコのタール当量の実験結果データである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、具体的な実施形態で本特許の特徴及び利点を詳細に説明し、その内容は、当業者が本特許の技術内容を理解し、それに応じて実施するのに十分であり、且つ、本明細書、特許請求の範囲及び図面に基づき、当業者は本特許の目的及び利点を容易に理解することができる。
【0038】
本発明に係る煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、巻きタバコ用紙、フィルター及びエアロゾル生成基質を含み、前記エアロゾル生成基質は、煙増強処理されたタバコシート及び/又は煙増強処理された刻みタバコを含む。
【0039】
実施例1:煙増強処理されたタバコシートの製造方法1
煙増強処理されたタバコシートを製造するための第1種の方法:従来のタバコシートの既存の工程に従って煙増強処理されたタバコシートを製造する。ただし、煙増強処理されたタバコシートを製造する過程で、煙増強剤を従来のタバコシートスラリー内に直接混合する。すなわち、以下のステップに従って実行する。
ステップ1:従来のスラリー法等でタバコシートを製造するプロセスに従って、従来のタバコシートスラリーを用意する。
ステップ2:従来のタバコシートスラリー内に適量の煙増強剤を加える。
ステップ3:従来のスラリー法等で煙増強処理されたタバコシートを製造する。
該方法によれば、製造機器及び製造プロセスを改造せず、既存の工程に従って煙増強処理されたタバコシートを直接製造することができる。また、煙増強剤が従来のタバコシートスラリー内に均一に混合されるため、煙増強処理されたタバコシートの表面は従来のタバコシートと同様に滑らかであり、空気中の水分に触れて潮解することも発生しにくい。
【0040】
実施例2:煙増強処理されたタバコシートの製造方法2
煙増強処理されたタバコシートを製造するための第2種の方法:従来のタバコシートの既存の工程に従って従来のタバコシートを製造した後、煙増強剤を煙増強処理されたタバコシートの表面に付着させる。すなわち、以下のステップに従って実行する。
ステップ1:従来のスラリー法等でタバコシートを製造するプロセスに従って、従来のタバコシートスラリーを用意する。
ステップ2:従来のスラリー法等で従来のタバコシートを製造する。
ステップ3:従来のタバコシート内に適量の煙増強剤を直接混合して、煙増強処理されたタバコシートを得、煙増強剤が煙増強処理されたタバコシートの表面に付着されることを発見できる。
煙増強剤が直接混合等の方式で煙増強処理されたタバコシートの表面に直接付着されるため、煙増強剤の霧化効果の向上に有利であり、特に巻きタバコが点火され又は高温で加熱される場合に、タバコシートの表面に付着した煙増強剤はわずかな熱を受けると迅速に霧化し、有害性を更に軽減させる。
【0041】
実施例3:煙増強処理された刻みタバコの製造方法1
煙増強処理された刻みタバコを製造するための第1種の方法:刻みタバコの既存の工程に従って煙増強処理された刻みタバコを製造する。ただし、煙増強処理された刻みタバコを製造する過程で、刻みタバコの内部に直接浸透させる。すなわち、以下のステップに従って実行する。
ステップ1:刻みタバコを製造する従来のプロセスに従って従来の刻みタバコを前処理する。
ステップ2:従来の刻みタバコに適量の浸透性の煙増強剤溶液をスプレーする。
ステップ3:刻みタバコを製造する従来のプロセスに従って乾燥等の処理を続いて実行し、煙増強処理された刻みタバコを製造する。
該方法では、煙増強剤が煙増強処理された刻みタバコの内部に直接浸透されるため、製造機器及び製造プロセスを改造せず、既存の従来の刻みタバコの製造工程の材料添加プロセスで煙増強剤を添加するだけでよい。煙増強剤が煙増強処理された刻みタバコの内部に均一に浸透されるため、煙増強処理された刻みタバコの表面は従来の刻みタバコと同様に滑らかであり、空気中の水分に触れて潮解することも発生しにくい。
【0042】
実施例4:煙増強処理された刻みタバコの製造方法2
煙増強処理された刻みタバコを製造するための第2種の方法:刻みタバコの既存の工程に従って煙増強処理された刻みタバコを製造する。ただし、煙増強処理された刻みタバコを製造する過程で、混合等の方式で刻みタバコの表面に直接付着させる。すなわち、以下のステップに従って実行する。
ステップ1:刻みタバコを製造する従来のプロセスに従って従来の刻みタバコを前処理する。
ステップ2:刻みタバコを製造する従来のプロセスに従って乾燥等の処理を続いて実行する。
ステップ3:従来の刻みタバコ内に適量の煙増強剤を直接混合し、煙増強処理された刻みタバコを製造し、煙増強剤が煙増強処理された刻みタバコの表面に付着されることを発見できる。
該方法では、煙増強剤が混合等の方式で刻みタバコの表面に直接付着されるため、煙増強剤の霧化効果の向上に有利であり、特に巻きタバコが点火され又は高温で加熱される場合に、タバコシートの表面に付着した煙増強剤はわずかな熱を受けると迅速に霧化し、ほとんどの煙増強剤が燃焼反応や高温分解を受けないため、有害性を更に軽減させる。
【0043】
実施例5:煙増強処理された有害性の低い加熱型巻きタバコの製造方法
喫味、香味、巻きタバコ全体のタール当量等の要件に応じて、実施例1及び2で製造された煙増強処理されたタバコシートをエアロゾル生成基質として適切に選択し、従来の巻きタバコの製造方法に従って、タバコシートを細断し又は折り曲げ、巻きタバコ用紙でフィルターと共に巻き、必要に応じて、冷却セグメント、破裂ビーズ等の付加的な構造を追加することもよく、煙増強処理された有害性の低い加熱型巻きタバコを製造した。
【0044】
実施例6:煙増強処理された有害性の低い燃焼型巻きタバコの製造方法
喫味、香味、巻きタバコ全体のタール当量等の要件に応じて、実施例3及び4で製造された煙増強処理された刻みタバコをエアロゾル生成基質として適切に選択し、従来の巻きタバコの製造方法に従って、刻みタバコを巻きタバコ用紙でフィルターと共に巻き、必要に応じて、破裂ビーズ等の付加的な構造を追加することもよく、煙増強処理された有害性の低い燃焼型巻きタバコを製造した。
【0045】
実施例7:煙増強処理された有害性の低い二重用途の巻きタバコの製造方法
喫味、香味、巻きタバコ全体のタール当量等の要件に応じて、実施例1~4で製造された煙増強処理されたタバコシート及び煙増強処理された刻みタバコをエアロゾル生成基質として適切に選択し、従来の巻きタバコの製造方法に従って、タバコシートを細断し又は折り曲げ、刻みタバコを混合した後、巻きタバコ用紙でフィルターと共に巻き、必要に応じて、冷却セグメント又は破裂ビーズ等の付加的な構造を追加することもよく、煙増強処理された有害性の低い二重用途の巻きタバコを製造した。
潮解性の低い煙増強剤を選択すると、上記実施例1~7の製造生産環境の湿度の制御範囲を30%~60%に拡大することができ、すなわち、特に密閉された乾燥の生産作業場で生産する必要がなく、それにより生産エネルギー消費量を大幅に削減する。
【0046】
実施例8:総粒子状物質実験1
巻きタバコの煙量を特徴づけるために、一般的に使用される手段は、総粒子状物質(Total Particulate Material、TPMと略称)であり、GB/T 19609-2004「巻きタバコの通常分析のための喫煙機による総粒子状物質とタールの測定」に提出された方法に基づき実験を行い、単位重量のタバコ材料の総粒子状物質の生成量(単位:mg/本)を得た。
実施例3の方法で煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコは3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ブタンテトラオールの水溶液であり、それぞれ煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が5%、10%、15%、20%及び25%である5種の煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。
上記従来の刻みタバコと5種の煙増強処理された刻みタバコとをそれぞれ実施例6の製造方法で巻いて巻きタバコを形成した。
先ず、煙評価者は点火喫煙の方式でGB5606.4-2005及び中国の巻きタバコの官能評価方法に従って官能評価を行い、煙増強剤が添加されていない従来の有害性の低い巻きタバコに比べて、5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、喉刺激、鼻刺激及び乾燥感がいずれも低減され、後味がやや汚れており、香味の透過発散性が中程度でわずかに不十分であった。
次に、GB/T 19609-2004の方法に従って巻きタバコの主流煙中の総粒子状物質を測定し、具体的な結果を
図1に示した。
刻みタバコ中の煙増強剤としてのブタンテトラオールの質量百分率の増加に伴って総粒子状物質は逓増するが、増加率は徐々に減少し、限界効果の逓減が発生し、且つ煙増強剤の質量百分率が25%に達する場合、煙増強効果は限界に近く、煙増強剤の質量百分率を更に増加しても、更なる煙増強効果を発見しにくいことが分かる。
特にブタンテトラオールの含有量が15%を占める場合に、ケンブリッジフィルターによって捕捉された煙の総粒子状物質のTPM値が8.80であり、ブタンテトラオールの含有量が0%の従来の刻みタバコのTPM値が5.08であり、増加率が73.2%に達し、煙増強効果は顕著であった。
【0047】
実施例9:赤外遮光率実験1
巻きタバコの煙量を特徴づけるために、一般的に使用される別の手段は赤外遮光率であり、サンプルを喫煙機に置いてHCI法に従って、点火喫煙の方式で赤外遮光率を測定し、値が大きいほど、煙の濃度が高くなった。
実施例8の方法で、従来の有害性の低い巻きタバコ及びブタンテトラオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造し、それぞれ喫煙機でHCI法(喫煙時間を3秒間に設定する)に従って、点火喫煙の方式で赤外遮光率を測定した。
【表1】
表1では、値が大きいほど、煙の濃度が高いことを示し、これにより、煙量の実際の大きさが分かる。明らかなように、ブタンテトラオールが煙増強剤として添加された後のサンプルは、添加されていない場合に比べてはるかに高い。
【0048】
実施例10:総粒子状物質実験2
実施例3の方法で煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコは3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ペンタンペンタオールの水溶液であり、それぞれ煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるペンタンペンタオールの含有量の質量百分率が5%、10%、15%、20%及び25%である5種の煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。
上記従来の刻みタバコと5種の煙増強処理された刻みタバコとをそれぞれ実施例6の製造方法で巻いて巻きタバコを形成した。
先ず、煙評価者は点火喫煙の方式でGB5606.4-2005及び中国の巻きタバコの官能評価方法に従って官能評価を行い、煙増強剤が添加されていない従来の有害性の低い巻きタバコに比べて、5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、喉刺激、鼻刺激及び乾燥感がいずれも低減され、後味がやや汚れており、香味の透過発散性が中程度でわずかに不十分であった。
次に、GB/T 19609-2004の方法に従って巻きタバコの主流煙中の総粒子状物質を測定し、具体的な結果を
図2示した。
刻みタバコ中の煙増強剤としてのペンタンペンタオールの質量百分率の増加に伴って総粒子状物質は逓増するが、増加率は徐々に減少し、限界効果の逓減が発生し、且つ煙増強剤の質量百分率が25%に達する場合、煙増強効果は限界に近く、煙増強剤の質量百分率を更に増加しても、更なる煙増強効果を発見しにくいことが分かる。
特にペンタンペンタオールの含有量が15%を占める場合に、ケンブリッジフィルターによって捕捉された煙の総粒子状物質のTPM値が8.99であり、ペンタンペンタオールの含有量が0%の従来の刻みタバコのTPM値が5.08であり、増加率が77.0%に達し、煙増強効果が顕著であった。
【0049】
実施例11:赤外遮光率実験2
実施例10の方法で、従来の有害性の低い巻きタバコ及びペンタンペンタオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造し、それぞれ喫煙機でHCI法(喫煙時間を3秒間に設定する)に従って、点火喫煙の方式で赤外遮光率を測定した。
【表2】
表2では、値が大きいほど、煙の濃度が高いことを示し、これにより、煙量の実際の大きさが分かる。明らかなように、ペンタンペンタオールが煙増強剤として添加された後のサンプルは、添加されていない場合に比べてはるかに高い。
上記ブタンテトラオール及びペンタンペンタオールに加えて、ブタントリオール、ペンタトリオール、ペンタテトラオール、ヘキサントリオール、ヘキサテトラオール、ヘキサンペンタオール、ヘキサオール、ヘプタンテトラオール、ヘプタンペンタオール、ヘプタヘキサオール、ヘプタンヘプタオール等の様々な糖類、糖アルコール類多価アルコール物質はすべて煙増強効果を示した。
【0050】
実施例12:巻きタバコの有害性評価指標実験
有害性の低い巻きタバコの煙増強剤として、無害な有機化合物が好ましく、これにより、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、煙増強剤を添加した後の単位タールH値が0.6以下であり、この場合、巻きタバコの有害性が比較的低いレベルにあると見なすことができ、そのうち、単位タールH値=H値/タール含有量又は当量である。煙増強剤は更にブタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサオール等の糖類及び/又は糖アルコール類の一般的な食品添加剤を選択すると、安全性がより高く、巻きタバコが誤って食べられても深刻な結果をもたらすことがない。
H値は巻きタバコの有害性評価指標であり、計算公式は以下のとおりである。
【数2】
(式中、
Hは巻きタバコの有害性評価指標であり、
X
COは巻きタバコの主流煙中のCO放出量実測値であり、単位がmg/本であり、
X
HCNは巻きタバコの主流煙中のHCN放出量実測値であり、単位がμg/本であり、
X
NNKは巻きタバコの主流煙中のNNK放出量実測値であり、単位がng/本であり、
X
NH3は巻きタバコの主流煙中のNH3放出量実測値であり、単位がμg/本であり、
X
B[a]Pは巻きタバコの主流煙中のベンゾ[a]ピレン放出量の実測値であり、単位がng/本であり、
X
フェノールは巻きタバコの主流煙中のフェノール放出量実測値であり、単位がμg/本であり、
X
クロトンアルデヒドは巻きタバコの主流煙中のクロトンアルデヒド放出量実測値であり、単位がμg/本であり、
C
CO、C
HCN、C
NNK、C
NH3、C
B[a]P、C
フェノール、C
クロトンアルデヒドはそれぞれ全国の巻きタバコの主流煙中の放出量の重み付け平均値である。)
サンプルCOの測定基準はYC/T30-1996、HCNの測定基準はYC/T253-2008、NNKの測定基準はGB/T23228-2008、NH3の測定基準はタバコ業界標準、ベンゾ[a]ピレンの測定基準はGB/T21130-2007、フェノールの測定基準はYC/T255-2008、クロトンアルデヒドの測定基準はYC/T254-2008である。
従来の巻きタバコのタール含有量とは、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質を指し、単位がmgであり、タール含有量と巻きタバコの霧化発生量の間には正の関係があり、タール含有量が高いほど、巻きタバコの霧化発生量は多くなる。しかしながら、従来の巻きタバコでは、通常、すべてのタールを巻きタバコによって生成された有害物質と見なし、本発明に係る煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの実際のタール含有量が低く、その霧化発生量を従来の巻きタバコと容易に比較するために、タール当量の概念、すなわち、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコタールの当量を、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質にし、単位がmgであるように定義し、具体的な測定方法はGB/T 19609-2004中の巻きタバコの主流煙中のタールの測定方法を参照することができる。
実施例3の方法で煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコは、ブレンドされていないタバコである湖南湘西龍山C3Fの刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ブタンテトラオールの水溶液、50%ペンタンペンタオールの水溶液、50%ヘキサオールの水溶液であり、それぞれ煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるペンタンペンタオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるヘキサオールの含有量の質量百分率が15%である3種の煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。
実施例6中の製造方法に従って、従来の巻きタバコ、ブタンテトラオールの含有量が15%、ペンタンペンタオールの含有量が15%、ヘキサオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコという4種のサンプルを順に形成した。上記の巻きタバコに対して、それぞれ上記方法に基づいて巻きタバコの有害性評価指標を測定する。
【表3】
表3から分かるように、ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサオールを煙増強剤として添加した巻きタバコの単位タールH値がいずれも0.65以下であり、従来の巻きタバコよりも顕著に優れ、さらに、単位タールH値がいずれも0.6以下、又は0.55以下、又は0.5以下、又は0.45以下であり、更に、X
HCN値が60μg/本以下であり、又はX
NNK値が3.0ng/本以下であり、又はX
NH3値が6.5μg/本以下であり、又はX
B[a]P値が8.2ng/本以下であり、又はX
フェノール値が25μg/本以下であり、又はX
クロトンアルデヒド値が12.5μg/本以下であり、この場合、巻きタバコの有害性が比較的低いレベルにあると見なすことができる。
【0051】
実施例13:巻きタバコの有効期間実験
巻きタバコの有効期間は主に巻きタバコ製品の吸湿性で決定される。たとえば、電気加熱式エアロゾル生成製品は、通常、潮解性の高いプロパンジオールとプロパントリオールを大量に含むため、従来の刻みタバコの巻きタバコよりも更に高い含水量を有し、このため、この種類の電気加熱式エアロゾル生成製品の有効期間が大幅に低減する。また、水の比熱が大きいため、潮解性の高い物質が含まれる電気加熱式エアロゾル生成製品の場合、喫煙具の加熱温度を上げなければならず、有機物が分解して有害物質を生成するリスクが高くなる。さらに、従来の刻みタバコの巻きタバコに潮解性の高い物質を添加することはできず、添加した場合、巻きタバコの可燃性及び連続燃焼性が低下する。従って、巻きタバコに対して煙増強処理を行う過程で、潮解性の低い煙増強剤が好ましい。
煙増強剤の潮解性は以下の方式で取得され得る。
15.000±0.004gのサンプルを秤取して、40℃、80%RHの恒温恒湿ボックスに入れ、異なる時間でのサンプルの吸水重量増加の状況を調べた。
【表4】
120minの重量増加率を計算することにより煙増強剤の潮解性を決定することができる。120minの重量増加率が8%以下であると、潮解性が低いと見なし、5%以下であると、潮解性が非常に低いと見なし、1%以下であると、潮解性が非常に低いと見なす。
実施例8の方法で、従来の有害性の低い巻きタバコ及びブタンテトラオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造した。実施例10の方法で、ペンタンペンタオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造した。
3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコを選択し、プロパントリオールをスプレーして、最終の刻みタバコに占めるプロパントリオールの含有量の質量百分率が15%の対照群の刻みタバコサンプルを製造し、実施例6中の製造方法で巻いて対照群の巻きタバコサンプルを形成し、製造過程で、実験の前の巻きタバコが潮解されなくて黄色スポットが発生しないことを確保するように、特に密閉された乾燥実験室で行う必要がある。
図3に示すように、それぞれ上記サンプルを開いて高温高湿(40℃、80%RH)の環境に置き、潮解された後のタバコの表面の黄色スポットの状況を観察した。実験中にタバコに触れないように、
図3に示すような写真を撮り、次に写真中の黄色スポットの投影面積(単位:mm
2/本)を統計し、写真中の黄色スポットの投影面積とタバコの実際の黄色スポットの面積との比率が約1:πである。異なる時点での黄色スポットの投影面積(単位:mm
2/本)を記録した。
【表5】
表5から分かるように、選択されたブタンテトラオール及びペンタンペンタオールはいずれも潮解性が低いため、40℃、80%RHの環境で連続的に25時間放置された後、巻きタバコの黄色スポットの面積が依然として50mm
2/本未満である。刻みタバコが含まれる上記巻きタバコに加えて、ブタンテトラオール及びペンタンペンタオール等の潮解性の低い煙増強剤で煙増強処理されたタバコシートが含まれる巻きタバコは、長い有効期間も持つ。また、ブタンテトラオール及びペンタンペンタオール等の潮解性の低い煙増強剤を使用した巻きタバコは、特に密閉された乾燥環境で製造する必要がない。
【0052】
実施例14:巻きタバコのタール当量実験
従来の巻きタバコのタール含有量とは、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質を指し、単位がmgであり、タール含有量と巻きタバコの霧化発生量の間には正の関係があり、タール含有量が高いほど、巻きタバコの霧化発生量は多くなる。しかしながら、従来の巻きタバコでは、通常、すべてのタールを巻きタバコによって生成された有害物質と見なし、本発明に係る煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの実際のタール含有量が低く、その霧化発生量を従来の巻きタバコと容易に比較するために、タール当量の概念、すなわち、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコタールの当量を、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質にし、単位がmgであるように定義し、具体的な測定方法はGB/T 19609-2004中の巻きタバコの主流煙中のタールの測定方法を参照することができる。
実施例8の方法で、従来の有害性の低い巻きタバコ及び煙増強剤であるブタンテトラオールの含有量がそれぞれ5%、10%、15%、20%及び25%を占める5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造した。GB/T 19609-2004中の巻きタバコの主流煙中のタールの測定方法を参照して、それぞれ従来の有害性の低い巻きタバコのタール含有量及び5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタール当量を測定し、具体的な結果を
図4に示した。
図4から分かるように、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタール当量と煙増強剤の含有量との間の関係は、二次関数関係に近似でき、すなわち:タール当量≒5.75-47.143×(煙増強剤の含有量-24.32%)
2である。
そのうち、5.75は、該煙増強剤の限界煙増強タール当量をT
limitと定義することができ、47.143は、該煙増強剤の煙増強係数をSと定義することができ、24.32%は、該煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量をM
limitと定義することができる。
上記実験で採用された刻みタバコ及び煙増強剤に加えて、タバコシート及び他の煙増強剤は、同様に上記規則を示し、注意深く検証したところ、±5%の誤差ですべて二次関数関係を満たす。これにより、巻きタバコ製品の設計及び開発の過程で、下式で巻きタバコ全体のタール当量を取得することができ、巻きタバコの開発過程でタバコシートと刻みタバコの添加する必要な煙増強剤の含有量を便利に計算することができる一方で、巻きタバコ製品の包装でタール当量を示し、消費者が必要な煙発生量の巻きタバコ製品を便利に選択することができる。
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタールの目標当量はT
target・mg/本であり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理されたタバコシートの質量百分率がM
sheetであり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理された刻みタバコの質量百分率がM
tobaccoであり、
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び第1煙増強剤を含み、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量はT
sheet・mg/本であり、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記第1煙増強剤の質量百分率がM
smoke1であり、前記第1煙増強剤の煙増強係数がS
1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit1であり、
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び第2煙増強剤を含み、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタール放出量はT
tobacco・mg/本であり、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記第2煙増強剤の質量百分率がM
smoke2であり、前記第2煙増強剤の煙増強係数がS
2であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit2であり、
上記パラメータが±5%の誤差で、
【数3】
の関係を満たす。
【0053】
実施例15:巻きタバコのタール含有量/当量及び有害性指標実験
煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、タール当量を増加しながら有害性が大きくなかったことをさらに検証するために、実施例8の方法で煙増強剤であるブタンテトラオールの含有量がそれぞれ10%及び20%を占める2種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造し、市販されている従来の巻きタバコである七匹狼(純典)、嬌子(X薔薇)、七匹狼(純翠)と共にタール含有量/当量及び有害性H値を測定した。
【表6】
表6から分かるように、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコはタール当量を増加しながら依然として低い有害性を持つ。
【0054】
実施例16:赤外遮光率実験3
実施例3の方法で煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコは3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ブタンテトラオールの水溶液、50%ペンタンペンタオールの水溶液、50%ヘキサオールの水溶液であり、それぞれ煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるペンタンペンタオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるヘキサオールの含有量の質量百分率が15%である3種の煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。
実施例6の方法で、上記刻みタバコを、従来の有害性の低い巻きタバコ、ブタンテトラオールの含有量が15%、ペンタンペンタオールの含有量が15%、ヘキサオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコという4種のサンプルに製造し、それぞれ喫煙機でHCI法(喫煙時間を3秒間に設定する)に従って、加熱器具の低温段(200℃)による加熱喫煙の方式で赤外遮光率を測定し、値が大きいほど、煙の濃度が高くなった。
【表7】
表7から分かるように、煙増強処理されていない従来の有害性の低い巻きタバコは、タバコ加熱装置により加熱される過程でほとんど煙を放出することができず、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、煙を効果的に放出することができ、且つ口当たりの煙量も均等である。
上記ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール及びヘキサオールに加えて、ブタントリオール、ペンタトリオール、ペンタテトラオール、ヘキサントリオール、ヘキサテトラオール、ヘキサンペンタオール、ヘプタンテトラオール、ヘプタンペンタオール、ヘプタヘキサオール、ヘプタンヘプタオール等の様々な糖類、糖アルコール類多価アルコール物質はすべて煙増強効果を示した。また、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占める煙増強剤の質量百分率を5%~25%に調節すると、いずれも明らかな煙増強効果を示した。
刻みタバコが含まれる上記巻きタバコに加えて、ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール及びヘキサオール等の煙増強剤で煙増強処理されたタバコシートは、同様に、煙増強処理されていないタバコシートよりも高い赤外遮光率を示した。
【0055】
実施例17:総粒子状物質実験3
実施例3の方法で煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコは3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ブタンテトラオールの水溶液、50%ペンタンペンタオールの水溶液、50%ヘキサオールの水溶液であり、それぞれ煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるペンタンペンタオールの含有量の質量百分率が15%、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるヘキサオールの含有量の質量百分率が15%である3種の煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。従来の刻みタバコにそれぞれプロパンジオール及びプロパントリオールをスプレーして、最終の刻みタバコに占めるプロパンジオール及びプロパントリオールの含有量の質量百分率がそれぞれ15%である2セットの対照群の刻みタバコサンプルを得た。
実施例6中の製造方法に従って、従来の有害性の低い巻きタバコ、ブタンテトラオールの含有量が15%、ペンタンペンタオールの含有量が15%、ヘキサオールの含有量が15%を占める煙増強処理された有害性の低い巻きタバコという4種のサンプル、及びプロパンジオールの含有量が15%、プロパントリオールの含有量が15%を占める2セットの対照群サンプルを製造した。
喫煙機でHCI法(喫煙時間を3秒間に設定する)に従って、加熱器具を用いて異なる温度で加熱喫煙を行い、それぞれその総粒子状物質を測定した。
【表8】
表8から分かるように、ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール及びヘキサオール等の煙増強剤で有害性の低い巻きタバコを処理し、タバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であり得、それにより消費者の煙量に対する需要を満たす。
刻みタバコが含まれる上記巻きタバコに加えて、ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール及びヘキサオール等の煙増強剤で煙増強処理されたタバコシートが含まれる巻きタバコ又は刻みタバコとタバコシートの混合した巻きタバコは、同様に、タバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質が14.0mg以上であることを実現できる。
【0056】
実施例18:アルデヒドケトン類有害物質実験
実施例16中の巻きタバコサンプルを選択し、更に、喫煙機でHCI法(喫煙時間を3秒間に設定する)に従って、加熱器具を用いて異なる温度で加熱喫煙を行い、煙中のカルボニル化合物の放出量(単位:mg/本)を測定した。
【表9】
表9から分かるように、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコが200℃で加熱される場合、生成されたアルデヒドケトン類の有害物質は、240℃で加熱される場合よりも明らかに低い。
刻みタバコが含まれる上記巻きタバコに加えて、ブタンテトラオール、ペンタンペンタオール及びヘキサオール等の煙増強剤で煙増強処理されたタバコシートが含まれる巻きタバコが200℃で加熱される場合、生成されたアルデヒドケトン類有害物質も240℃で加熱される場合よりも明らかに低い。
【0057】
実施例19:官能実験
実施例1の方法に従って、煙増強処理されたタバコシートを製造し、そのうち、選択された従来のタバコシートスラリーは白沙(精品)を製造するタバコシートスラリーであり、そのうち、適量のブタンテトラオールを煙増強剤として混合し、最終乾燥後の煙増強処理されたタバコシートに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が15%である煙増強処理されたタバコシートを製造した。
実施例3の方法に従って、煙増強処理された刻みタバコを製造し、そのうち、選択された従来の刻みタバコはタールが3mgの中南海タバコから吹かれた刻みタバコであり、スプレーされる煙増強剤溶液は50%ブタンテトラオールの水溶液であり、煙増強剤溶液の使用量を調整して、最終乾燥後の煙増強処理された刻みタバコに占めるブタンテトラオールの含有量の質量百分率が15%である煙増強処理された刻みタバコを順に製造した。
上記タバコシートと刻みタバコを表10の比率で混合して巻きタバコを製造し、煙評価者はそれぞれ点火喫煙及び加熱器具による加熱喫煙の方式で、GB5606.4-2005及び中国の巻きタバコの官能評価方法に従って官能評価を行う。
【表10】
【0058】
本明細書に使用される用語及び表現方式は説明するためのものに過ぎず、本発明はこれらの用語及び表現に限定されない。これらの用語及び表現の使用は、例示的な及び説明(又はそのうちの一部)の等価特徴のいずれかを除外することを意図するものではなく、存在する可能性のある様々な修正も特許請求の範囲内に含まれるべきであることを理解すべきである。他の修正、変更及び置換も存在する可能性がある。従って、特許請求の範囲は、これらの等価物のすべてをカバーするものと見なされるべきである。
【0059】
同様に、説明する必要がある点として、本発明が現在の具体的な実施例を参照しながら説明されたが、当業者であれば、以上の実施例が本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な等価な変更又は置換を行うことができることを理解すべきであり、従って、本発明の本質的な精神の範囲内である限り、上記実施例の変更、変形はすべて本発明の特許請求の範囲内に属する。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
実施例14:巻きタバコのタール当量実験
従来の巻きタバコのタール含有量とは、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質を指し、単位がmgであり、タール含有量と巻きタバコの霧化発生量の間には正の関係があり、タール含有量が高いほど、巻きタバコの霧化発生量は多くなる。しかしながら、従来の巻きタバコでは、通常、すべてのタールを巻きタバコによって生成された有害物質と見なし、本発明に係る煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの実際のタール含有量が低く、その霧化発生量を従来の巻きタバコと容易に比較するために、タール当量の概念、すなわち、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコタールの当量を、ニコチン及び水分が除去された総粒子状物質にし、単位がmgであるように定義し、具体的な測定方法はGB/T 19609-2004中の巻きタバコの主流煙中のタールの測定方法を参照することができる。
実施例8の方法で、従来の有害性の低い巻きタバコ及び煙増強剤であるブタンテトラオールの含有量がそれぞれ5%、10%、15%、20%及び25%を占める5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコを製造した。GB/T 19609-2004中の巻きタバコの主流煙中のタールの測定方法を参照して、それぞれ従来の有害性の低い巻きタバコのタール含有量及び5種の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタール当量を測定し、具体的な結果を
図4に示した。
図4から分かるように、煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタール当量と煙増強剤の含有量との間の関係は、二次関数関係に近似でき、すなわち:タール当量≒5.75-47.143×(煙増強剤の含有量-24.32%)
2である。
そのうち、5.75は、該煙増強剤の限界煙増強タール当量をT
limitと定義することができ、47.143は、該煙増強剤の煙増強係数をSと定義することができ、24.32%は、該煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量をM
limitと定義することができる。
上記実験で採用された刻みタバコ及び煙増強剤に加えて、タバコシート及び他の煙増強剤は、同様に上記規則を示し、注意深く検証したところ、±5%の誤差ですべて二次関数関係を満たす。これにより、巻きタバコ製品の設計及び開発の過程で、下式で巻きタバコ全体のタール当量を取得することができ、巻きタバコの開発過程でタバコシートと刻みタバコの添加する必要な煙増強剤の含有量を便利に計算することができる一方で、巻きタバコ製品の包装でタール当量を示し、消費者が必要な煙発生量の巻きタバコ製品を便利に選択することができる。
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタールの目標当量はT
target・mg/本であり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理されたタバコシートの質量百分率がM
sheetであり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理された刻みタバコの質量百分率がM
tobaccoであり、
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び第1煙増強剤を含み、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量はT
sheet・mg/本であり、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記第1煙増強剤の質量百分率がM
smoke1であり、前記第1煙増強剤の煙増強係数がS
1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit1であり、
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び第2煙増強剤を含み、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタール放出量はT
tobacco・mg/本であり、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記第2煙増強剤の質量百分率がM
smoke2であり、前記第2煙増強剤の煙増強係数がS
2であり、前記第
2煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit2であり、
上記パラメータが±5%の誤差で、
【数3】
の関係を満たす。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙増強処理された有害性の低い巻きタバコであって、巻きタバコ用紙、フィルター及びエアロゾル生成基質を含み、前記エアロゾル生成基質は、煙増強処理されたタバコシート及び/又は煙増強処理された刻みタバコを含む煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項2】
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び煙増強剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項3】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は6mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項4】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は3mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項5】
前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量は1mg/本以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項6】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項7】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項8】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項9】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項10】
前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%であることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項11】
前記煙増強処理されたタバコシートを製造する過程で、前記煙増強剤は前記従来のタバコシートスラリー内に混合されることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項12】
前記煙増強剤が前記煙増強処理されたタバコシートの表面に付着されることを特徴とする請求項2に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項13】
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項14】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は6mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項15】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は3mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項16】
前記従来の刻みタバコの対応するタバコタールの放出量は1mg/本以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項17】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が5%以上であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項18】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が10%以上であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項19】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が25%以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項20】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が20%以下であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項21】
前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記煙増強剤の質量百分率が12.5%~17.5%であることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項22】
前記煙増強剤は前記煙増強処理された刻みタバコの内部に少なくとも部分的に浸透され
、あるいは、前記煙増強剤が前記煙増強処理された刻みタバコの表面に付着されることを特徴とする請求項13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項23】
前記煙増強剤の融点が30℃以上であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項24】
前記煙増強剤は潮解性が低いため、40℃、80%RHの環境で連続的に25時間放置された後、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコの黄色スポットの投影面積が50mm
2/本未満であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項25】
前記煙増強剤は1種以上の無害な有機化合物から構成され、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコは、前記無害な有機化合物を添加した後、単位タールH値が0.65以下、又は0.6以下、又は0.55以下、又は0.5以下、又は0.45以下又は、X
HCN値が60μg/本以下、又はX
NNK値が3.0ng/本以下、又はX
NH3値が6.5μg/本以下、又はX
B[a]P値が8.2ng/本以下、又はX
フェノール値が25μg/本以下、又はX
クロトンアルデヒド値が12.5μg/本以下であることを特徴とする請求項2または13に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項26】
前記無害な有機化合物は糖類及び/又は糖アルコール類を含むことを特徴とする請求項
25に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項27】
前記糖類及び/又は糖アルコール類はブタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサオールのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項
26に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項28】
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコのタールの目標当量がT
target・mg/本であり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理されたタバコシートの質量百分率がM
sheetであり、
前記エアロゾル生成基質における前記煙増強処理された刻みタバコの質量百分率がM
tobaccoであり、
前記煙増強処理されたタバコシートを製造するためのタバコシートの原料は従来のタバコシートスラリー及び第1煙増強剤を含み、前記従来のタバコシートスラリーから直接製造されたタバコシートの対応するタバコタールの放出量はT
sheet・mg/本であり、前記煙増強処理されたタバコシートにおける前記第1煙増強剤の質量百分率がM
smoke1であり、前記第1煙増強剤の煙増強係数がS
1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit1であり、前記第1煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit1であり、
前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び第2煙増強剤を含み、前記従来の刻みタバコの対応するタバコタール放出量はT
tobacco・mg/本であり、前記煙増強処理された刻みタバコにおける前記第2煙増強剤の質量百分率がM
smoke2であり、前記第2煙増強剤の煙増強係数がS
2であり、前記第
2煙増強剤の限界煙増強タール当量がT
limit2であり、前記第2煙増強剤の限界煙増強タール当量の対応する煙増強剤の含有量がM
limit2であり、
上記パラメータが±5%の誤差で、
【数4】
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項29】
前記エアロゾル生成基質は煙増強処理されたタバコシートのみを含み、前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であ
り、あるいは、前記エアロゾル生成基質は煙増強処理された刻みタバコのみを含み、前記煙増強処理された刻みタバコは従来の刻みタバコ及び煙増強剤を含み、前記煙増強剤の沸点が350℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項30】
前記エアロゾル生成基質には煙増強処理されたタバコシートと煙増強処理された刻みタバコの両方が含ま
れ、前記煙増強処理されたタバコシートと前記煙増強処理された刻みタバコとの質量比が1:9~9:1であることを特徴とする請求項
1に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【請求項31】
前記煙増強処理された有害性の低い巻きタバコがタバコ加熱装置により200℃で加熱されることによって生成された総粒子状物質は14.0mg以上であることを特徴とする請求項
30に記載の煙増強処理された有害性の低い巻きタバコ。
【国際調査報告】