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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】デュアルバンドセプタム偏波器
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/165 20060101AFI20220822BHJP
   H01P 1/213 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
H01P1/165
H01P1/213 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021574318
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 US2020038513
(87)【国際公開番号】W WO2020257511
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/863,639
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ジマルスキー、マーティン
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006KB02
5J006LA02
5J006LA12
5J006NA09
(57)【要約】
【解決手段】 導波路デバイスの性能を改善するための方法、システム及びデバイスが記載されている。共通ポート及び分割ポートを含む導波路デバイスはまた、導波路デバイスの第1セットの対向側壁及び第2セットの対向側壁を横切って延びる側壁形状を含み得る。側壁形状は、第1セットの対向側壁及び第2セットの対向側壁のそれぞれにおいて同じ形状を有してもよい。場合によっては、側壁形状は、導波路デバイスの分割導波路部の外側に配置される。側壁形状の位置は、共通ポートと分割ポートとの間のインピーダンス整合メトリック、分割ポート間のアイソレーションメトリック、又はその両方に基づいて決定することができる。
【選択図】図1B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)を含むハウジングであって、前記第1セットの対向側壁及び前記第2セットの対向側壁は、ハウジングの第1端部に共通ポートを形成する、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングの第2端部で前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第1側壁(131-a、231、331-a、431)から前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)まで延びて、前記ハウジングの前記第2端部に第1分割ポート及び第2分割ポートを形成するセプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)と、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)上の側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)であって、前記ハウジングの中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った位置にあり、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)のそれぞれにおいて同じ形状を有する側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)と、を備える導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項2】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第1部分を含み、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置は、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)の、前記第1部分と重ならない第2部分に沿って位置する、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項3】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置は、少なくとも部分的に、前記共通ポート、前記第1分割ポート、及び前記第2分割ポートの間のインピーダンス整合メトリック、前記第1分割ポートと前記第2分割ポートの間のアイソレーションメトリック、又はその両方に基づいている、請求項1又は2に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項4】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)は、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)にあるステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項5】
前記ステップの高さは、前記導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)の動作周波数の波長の10分の1未満であり、前記ステップの幅は、前記動作周波数の波長の10分の1から2分の1の範囲内である、請求項4に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項6】
前記ステップの高さは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿って変化する、請求項4又は5に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項7】
前記ステップは、前記ハウジングの内部の周囲に延びる、請求項4~6のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項8】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)は、少なくとも部分的に前記ステップの高さに基づいて、前記ハウジングの前記第2端部と前記ステップの第1エッジとの間に位置する前記中心軸に沿った第2位置において第1距離により分離されており、かつ前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置において第2距離により分離されている、請求項4~7のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項9】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)は、前記ハウジングの前記第1端部と、前記ステップの前記第1エッジよりも前記第1端部に近い前記ステップの第2エッジとの間に位置する前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第3位置において、前記第1距離により分離されている、請求項8に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項10】
前記第1距離は前記第2距離よりも大きい、請求項8又は9に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項11】
前記第1距離は前記第2距離よりも小さい、請求項8又は9に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項12】
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)は、少なくとも部分的に前記ステップに基づいて、前記第2位置において第3距離により分離されており、かつ前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置において第4距離により分離されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項13】
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)は、前記ハウジングの前記第1端部と前記ステップの第2エッジとの間に位置する前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第3位置において、前記第3距離により分離されている、請求項12に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項14】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1側壁(131-a、231、331-a、431)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第1部分を含み、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第2部分を含み、
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第1側壁(141-a、141-b、241、341-a、341-b)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第3部分を含み、
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第2側壁(142-a、142-b、242、342-a、342-b)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第4部分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項15】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記部分と、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の対応する側壁との間の第1角度は、40度から90度の間である、請求項14に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項16】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1部分、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2部分、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第3部分、及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第4部分は、同じ幅を有する、請求項14又は15に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項17】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1部分の中心、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2部分の中心、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第3部分の中心、及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第4部分の中心は整列している、請求項14~16のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項18】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った前記ハウジングの第1部分を含み、前記導波路デバイスは、
前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)の前記第1部分に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁及び前記第2セットの対向側壁上の第2側壁形状を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項19】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った前記ハウジングの第1部分を含み、前記導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)は、
前記ハウジングの前記第1部分に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)上の第2側壁形状(356-a、356-b、456)を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項20】
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)は、前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の少なくとも一部上にある、請求項19に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項21】
前記ハウジングは、
前記共通ポートを含む共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)と、
前記セプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)の第1部分を含む偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)と、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1側壁(131-a、231、331-a、431)から前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)まで延びる前記セプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)の第2部分によって分離される第1分割導波路(161-a、361-a)及び第2分割導波路(162-a、362-a)を含む分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)と、を含む、請求項1~7及び請求項14~17のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項22】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第1エッジ及び第2エッジは、前記ハウジングの前記共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)内に位置し、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジ及び前記第2エッジは、前記ハウジングの前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置し、又は、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジは、前記共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)内に位置し、前記第1エッジは、前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置する、請求項21に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項23】
前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)上の第2側壁形状(356-a、356-b、456)を更に含み、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の第1エッジ及び第2エッジは、前記ハウジングの前記分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)内に位置し、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の前記第1エッジ及び前記第2エッジは、前記ハウジングの前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置し、又は、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の前記第2エッジは、前記分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)内に位置し、前記第1エッジは、前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置する、請求項21又は22に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、より具体的には、そのようなシステムで使用され得る導波路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例として、導波路デバイスは、偏波の一方向(送信又は受信)又は双方向(送信及び受信)処理に使用することができる。導波路デバイスは、共通の導波路を介した送信及び/又は受信に使用される偏波(例えば、直線偏波、円偏波など)と、分割導波路部内の偏波器の基底偏波に関連する信号との間で変換する偏波器を含むことができる。偏波器は受動型偏波変換器であり得る。セプタム偏波器は、双方向に動作することができるそのような受動型偏波変換器の1つである。セプタム偏波器は、基底偏波に関連する第1及び第2分割導波路の間に境界を形成するセプタムを含む。セプタム偏波器は、分割導波路間に好ましい分離を提供することができ、また偏波信号の同時送受信に使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
セプタム偏波器の性能が、様々な用途のための帯域幅要件の増加によって課題となっている。例えば、一部の用途では、セプタム偏波器を使用して、2つ以上の搬送波信号周波数で信号の偏波を変換することができ、その場合、セプタム偏波器の動作帯域幅は比較的大きくてもよい。複数の搬送波周波数に関連する信号を偏波させるセプタム偏波器は、デュアルバンドセプタム偏波器と呼ぶことがある。より広い動作帯域幅をサポートすると、セプタム偏波器内で高次モードが励起され、導波路デバイス内の信号伝搬特性が低下する恐れがある。
【0004】
側壁形状を用いてデュアルバンド導波路デバイスの性能を向上させるための方法、システム及びデバイスについて説明する。本明細書に開示されるように、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、デュアルバンド導波路デバイスの選択された断面積及び他の特性によって求められる特性を維持しながら、デュアルバンド導波路デバイスの無線周波数(RF)応答を増強するように変更することができる。即ち、デュアルバンド導波路デバイスの断面積及びセプタム構成は、特定のRF特性(例えば、偏波純度)を強化するように選択しもよく、一方、ハウジングに対する変更は、他のRF特性(例えば、インピーダンス整合及びポート間アイソレーション)を強化するために使用してもよい。これは、広い周波数帯域を有する信号の処理の影響を軽減する。
【0005】
一部の例では、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びる側壁形状を含むように構成してもよい。側壁形状は、デュアルバンド導波路デバイスの共通の導波路部又は偏波器部に含まれてもよい。側壁形状は対称であってもよく、例えば、側壁形状の各部分は、均一な幅を有し、デュアルバンド導波路デバイスの中心軸上の同じ点を中心とすることができる。
【0006】
一部の例では、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びる第2側壁形状を含むように更に構成することができる。第2側壁形状は、デュアルバンド導波路デバイスの分割導波路部又は偏波器部に含まれてもよい。第2側壁形状は、同様に対称であってもよく、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びてもよい。あるいは、第2側壁形状は、セプタムの表面と平行に延在するデュアルバンド導波路デバイスの側壁上にのみ配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A図1Aは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図である。
図1B図1Bは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図である。
【0008】
図2図2は、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの断面図である。
【0009】
図3A図3Aは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図である。
図3B図3Bは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図である。
【0010】
図4図4は、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの断面図である。
【0011】
図5図5は、本開示の様々な態様による導波路デバイスを実装する衛星アンテナの側面図図である。
【0012】
図6図6は、本開示の様々な態様による、少なくとも1つの側壁形状を有する導波路デバイスを設計するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
導波路デバイスの無線周波数(RF)応答性は、導波路デバイスを通って伝搬する信号の偏波純度、導波路デバイスの共通ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合、及び分割ポート間のアイソレーションを改善することによって増強することができる。所望のレベルの偏波純度を得るために、導波路デバイスは、導波路デバイスを通って伝搬する信号の軸比が1に近づくように、そして導波路デバイス内の高次モード(例えば、電気モード及び/又は磁気モード)によって引き起こされる信号成分の励起が低減又は回避されるように構成することができる。軸比は、伝搬信号の第1成分の大きさと伝搬信号の第2直交成分の大きさとの比、及び伝搬信号の第1成分の位相と伝搬信号の第2直交成分の位相との差から評価することができる。ゼロ(0)dBの軸比は、円偏波を有する信号に関連し得る。また、高次モードの励起を回避するために、導波路デバイスは、狭い帯域幅(例えば、17.3~21.0GHz)内で動作するように構成してもよい。ゼロ(0)dBに近い軸比を達成し、高次モードの励起を回避するために、導波路デバイスのセプタム構成及び断面積を戦略的に選択することができる。インピーダンス整合及びアイソレーションメトリックを改善するために、例えば、偏波純度を犠牲にして、断面積及び/又はセプタム構成に追加の変更を行うことができる。
【0014】
デュアルバンド導波路デバイスは、より広い帯域幅(例えば、17.3~31.0GHz)にわたって動作するように構成してもよく、またデュアルバンド導波路デバイスの高次モードの励起は避けられない場合がある。高次モードの励起は、導波路デバイスを通って伝搬する信号の偏波純度を低下させる可能性があり、また、共通ポートと分割ポートとの間のインピーダンス整合及び分割ポート間のアイソレーションを含む他の特性にも影響を与える可能性がある。デュアルバンド導波路デバイスの断面積及びセプタム構成を変更することは、偏波純度を犠牲にして、特定の特性(例えば、インピーダンス整合及び/又はポート間アイソレーション)の性能を向上させることができ、その逆も同様である。
【0015】
本明細書に開示されるように、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、デュアルバンド導波路デバイスの選択された断面積及びセプタム構成によって求められる特性を維持しながら、デュアルバンド導波路デバイスのRF応答性を増強するように変更することができる。即ち、デュアルバンド導波路デバイスの断面積及びセプタム構成は、特定の特性(例えば、偏波純度)を強化するように選択しもよく、一方、ハウジングに対する修正は、他の特性(例えば、インピーダンス整合及びポート間アイソレーション)を強化するために使用してもよい。これは、広い周波数帯域を有する信号をサポートすることの影響を軽減する。
【0016】
一部の例では、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びる側壁形状を含むように構成してもよい。側壁形状は、デュアルバンド導波路デバイスの共通の導波路部又は偏波器部に含まれてもよい。側壁形状は対称であってもよく、例えば、側壁形状の各部分は、均一な幅を有することができ、また側壁形状の各部分は、デュアルバンド導波路デバイスの中心軸上の同じ点を中心とすることができる。デュアルバンド導波路デバイスの内周の周りに対称的な側壁形状を組み込むことによって、偏波純度などのデュアルバンド導波路デバイスの他の特性に影響を与えることなく(又は最小限の影響で)、デュアルバンド導波路デバイスの特性(例えば、インピーダンス整合及びポート間アイソレーション)を改善することができる。
【0017】
一部の例では、デュアルバンド導波路デバイスのハウジングは、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びる第2側壁形状を含むように更に構成してもよい。第2側壁形状は、デュアルバンド導波路デバイスの分割導波路部又は偏波器部に含まれてもよい。第2側壁形状は、同様に対称であってもよく、インセット又はアウトセットステップとしてデュアルバンド導波路デバイスの内部の周囲に延びてもよい。あるいは、第2側壁形状は、セプタムの表面と平行に延在するデュアルバンド導波路デバイスの側壁上に配置してもよい。デュアルバンド導波路デバイスのハウジングに第2側壁形状を組み込むことによって、偏波純度などのデュアルバンド導波路デバイスの他の特性に影響を与えることなく(又は最小限の影響で)、デュアルバンド導波路デバイスの特性(例えば、インピーダンス整合及びポート間アイソレーション)を更に改善することができる。
【0018】
この説明は、側壁形状を有するデュアルバンド導波路デバイスを使用するための技術の様々な例を提供し、そのような例は、本明細書に記載の原理による例の範囲、適用可能性、又は構成を限定するものではない。むしろ、以下の説明は、本明細書に記載された原理の実施形態を実装するための可能な説明を当業者に提供するであろう。要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができる。
【0019】
したがって、本明細書に開示される実施例による様々な実施形態は、必要に応じて、様々な手順又は構成要素を省略、置換、又は追加することができる。例えば、方法は、記載された順序とは異なる順序で実行してもよく、そして様々なステップを追加、省略又は組み合わせてもよいことを理解されたい。また、特定の実施例に関して説明された態様及び要素は、様々な他の実施例において組み合わせることができる。また、以下のシステム、方法、デバイス、及びソフトウェアは、個別に又は集合的に、より大きなシステムの構成要素であってもよく、他の手順は、それらの適用に優先してもよく、又は他の方法でそれらの適用を修正してもよいことも理解されたい。
【0020】
図1Aは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元断面図を示す。参照のために、導波路デバイス105-aの断面図100-aは、X軸191-a、Y軸192-a、及びZ軸193-aを基準に示されている。
【0021】
導波路デバイス105-aは、共通導波路部110-a、分割導波路部160-a、及び偏波器部120-aを含むことができる。導波路デバイス105-aは、第1セットの対向側壁130-a及び第2セットの対向側壁140-aを含むことができ、これらは、共通導波路部110-a、分割導波路部160-a、及び偏波器部120-aを構成する。導波路デバイス105-aはまた、セプタム150-aを含むことができる。中心軸121-aは、Z軸193-aに沿って導波路デバイス105-aを通って延びることができる。中心軸121-aは、明確にするために導波路デバイス105-aの外側に示されているが、中心軸121-aは、偏波器部120-aを含む導波路デバイス105-aの体積部を図示の方向に通過するものとして解釈することができる。
【0022】
導波路デバイス105-aは、導波路デバイス105-aを通る信号の伝搬に影響を与える異なる電界モード及び磁界モードを有し得る。異なるモードは、TE01モード、TE10モード、TE11モード、TM11モード、TE20モード、TE02モード、TM21モードなどの横電気(TE)モード及び横磁気(TM)モードを含むことができる。TE01及びTE10モードは、導波路デバイス105-aの最低カットオフ周波数fc1に関連付けてもよく、また導波路デバイス105-aの主要モードと呼ばれてもよい。導波路デバイス105-aによって受信された最低カットオフ周波数よりも高い周波数を有する信号成分を有する信号は、少なくとも導波路デバイス105-aのTE01モード及びTE10モードを励起することができる。導波路デバイス105-aによって受信された最低カットオフ周波数より低い又はそれに近い周波数を有する信号成分を有する信号は、導波路デバイス105-aのいかなるモードも励起することができず、したがって、導波路デバイス105-aにおける信号の減衰は無限大に近づく可能性がある。残りのモードは、主要モードよりも高いカットオフ周波数を有してもよく、また高次モードと呼ばれてもよい。TE11及びTM11モードは、fc1に関連するカットオフ周波数、例えば
【数1】
を有してもよい。導波路デバイス105-aによって受信された最低カットオフ周波数より高く、かつ次のカットオフ周波数より低い周波数を有する信号成分の信号は、TE01及びTE10モードのみを励起することができる。導波路デバイス105-aによって受信された次のカットオフ周波数(例えば、fc2)より高い周波数を有する信号成分の信号は、TE01、TE10、TE11、及びTM11モードを励起することができる。
【0023】
導波路デバイス105-aにおける高次モードの励起を回避するために、導波路デバイス105-aは、最低カットオフ周波数及び次に高いカットオフ周波数に基づ相対帯域幅内で動作するように構成することができる。例えば、導波路デバイス105-aは、式
【数2】
に基づいて決定される相対帯域幅で動作するように構することができる。導波路デバイス105-aの性能を更に向上させるために、導波路デバイス105-aは、低減された相対帯域幅内で動作するように構成してもよい。例えば、通信は、最低カットオフ周波数より少なくとも15%高い周波数で導波路デバイス105-aを動作させるように構成することができる。したがって、低減された相対帯域幅は、式
【数3】
に基づいて決定され得る。
【0024】
共通導波路部110-aは、ここでは断面図100-aのx-y平面における開口部として示されている長方形(例えば、正方形)の断面開口部を有してもよい。他の例では、共通導波路部110-aは、台形、菱形、多角形、円、楕円、長円、又は任意の他の適切な形状など、共通導波路部110-aと偏波器部120-aとの間に適切な開放及び/又は適切な結合を提供する異なる断面形状を有することができる。一部の例では、共通導波路部110-aは、アンテナホーン素子などのアンテナ素子と接続してもよい。
【0025】
分割導波路部160-aは、左旋円偏波(LHCP)信号及び右旋円偏波(RHCP)信号を隔離及び分離するように構成することができる。分割導波路部160-aは、LHCP信号に関連する第1分割導波路161-aと、RHCP信号に関連する第2分割導波路162-aとを含むことができる。
【0026】
偏波器部120-aは、中心軸121-aに沿って共通導波路部110-aと分割導波路部160-aとの間を移動する信号を結合/分割することができる。偏波器部120-aは、共通導波路部110-aと分割導波路部160-aとの間に接続してもよい。偏波器部120-aは、共通導波路部110-a内で1つ以上の偏波状態を有する信号を、個々の分割導波路内でそれぞれ直交基底偏波を有する2つの信号成分(例えば、LHCP信号、RHCP信号など)に変換し、又は個々の分割導波路内の信号成分を、共通導波路部内で偏波状態(例えば、LHCP、RHCP)を有する信号に変換することができる。
【0027】
偏波器部120-aは、同時二重偏波動作を促進するように構成することができる。例えば、信号分割の観点から、偏波器部120-aは、共通導波路部110-aにおいて合成された偏波信号を受信し、信号の第1基底偏波(例えば、LHCP)に対応するエネルギーを第1分割導波路161-aに実質的に伝達し、信号の第2基底偏波(例えば、RHCP)に対応するエネルギーを第2分割導波路162-aに実質的に伝達するものとして解釈することができる。信号合成の観点から、偏波器部120-aは、第1分割導波路161-aからのエネルギーを第1基底偏波を有する波として共通導波路部110-aに実質的に伝達することができ、また、第2分割導波路162-aからのエネルギーを第2基底偏波を有する波として共通導波路部110-aに実質的に伝達することができ、それにより、共通導波路部110-aにおける合成信号が合成偏波波として送信される。
【0028】
第1セットの対向側壁130-aは、第1側壁(底壁131-aと呼ばれてもよい)及び第2側壁(上壁132-aと呼ばれてもよい)を含むことができる。第2セットの対向側壁140-aは、第1側壁141-a及び第2側壁142-aを含むことができる(分かりやすくするために図1Aに示されていない)。第1セットの対向側壁130-aの底壁131-a及び上壁132-aは、平行な平面であってもよく、中心軸121-aの両側にあってもよい。第2セットの対向側壁140-aの第1側壁141-a及び第2側壁142-aも、平行な平面であってもよく、中心軸121-aの両側にあってもよい。したがって、第2セットの対向側壁の第1側壁141-a及び第2側壁142-aのそれぞれは、第1セットの対向側壁130-aの底壁131-a及び上壁132-aのそれぞれと直交してもよい。このようにして、導波路デバイス105-aの一部の例は、一般に長方形プリズムによって特徴付けられる体積部を有する偏波器部120-aを有し得る。他の例では、第1セットの対向側壁の底壁131-a及び上壁132-aは、平行でなくてもよく、及び/又は第2セットの対向側壁140-aの第1側壁141-a及び第2側壁142-aは、平行でなくてもよい。更に、導波路デバイス105-aの様々な例において、第1セットの対向側壁130-aの底壁131-a又は上壁132-aのいずれかは、第2セットの対向側壁140-aの第1側壁141-a又は第2側壁142-aのいずれかと非直交であってもよい。したがって、導波路デバイス105-aの一部の例は、一般に菱面体プリズム、台形プリズムなどによって特徴付けられる体積部を有する偏波器部120-aを有し得る。導波路デバイス105-aの他の例では、偏波器部120-aは、追加の対向側壁又は対向しない側壁を有してもよく、そのような例では、偏波器部120-aは、一般に多角形プリズム、角錐台などによって特徴付けられる体積部を有し得る。
【0029】
セプタム150-aは、偏波器部120-a内に配置することができ、第1セットの対向側壁130-aの底壁131-aと上壁132-aとの間に延びる。セプタム150-aはまた、第1表面151-a及び第2表面152-a(断面図100-aにおけるセプタム150-aの裏側)を有することができる。一部の例では、セプタム150-aの第1表面151-a及び第2表面152-aの一方又は両方は、平面であってもよく、一部の例では、第1表面151-a及び第2表面152-aは、両方とも、中心軸121-aに平行であり得る(例えば、断面図100-aのX-Z平面において)。第1表面151-aと第2表面152-aとの間のセプタム150-aの厚さは、実施形態ごとに変化することができる。セプタム150-aの厚さは、偏波器部120-aのキャビティの寸法よりもかなり小さくてもよい。一部の例では、導波路デバイス105-aの断面の高さ(例えば、Y軸192-aに沿って)又は幅(例えば、X軸191-aに沿って)は、セプタム150-aの厚さの少なくとも10倍であり得る。セプタム150-aは、均一又は不均一な厚さ(例えば、テーパ状)を有することができる。
【0030】
セプタム150-aは、第1分割導波路161-aと第2分割導波路162-aとの間に境界を提供し、セプタム150-aに対するそれらの配向に基づいて、偏波器部120-aにおける信号伝搬の異なるモードに対して異なる影響を与える。例えば、共通導波路部110-aを通って負のZ軸方向(分割導波路部160-aに向かって)に伝搬するRHCP又はLHCP信号は、等しい振幅を有するが位相がオフセットしている、X軸191-aに沿ったEフィールドを有するTE10モード成分信号と、Y軸192-aに沿ったEフィールドを有するTE01モード成分信号とを有するものとして理解することができる。信号が偏波器部120-aを通って伝搬するとき、セプタム150-aは、TE10モード成分信号への電力分割器として機能する。しかしながら、TE01モード成分信号に対して、セプタム150-aを有する偏波器部120-aは、最も強いEフィールド部分に整列された短絡を有するリッジ負荷導波路のように機能する。セプタム150-aのリッジ負荷効果は、TE01モード成分信号に対する偏波器部120-aの電気長を効果的に増加させ、これは、TE10モード成分信号に対するTE01モード成分信号の位相変化及び変換を容易にする。信号が分割導波路部160-aに到達すると、変換されたTE01モード成分信号は、セプタム150-aの一方の側でTE10モード成分信号と加算的に合成され、他方の側でTE10モード成分信号を相殺することができる。
【0031】
例えば、LHCPを有する受信信号波が共通導波路部110-aから偏波器部120-aを通って伝搬するとき、TE01モード成分信号は、偏波器部120-aで変換された後、第1分割導波路161-aに結合されたセプタム150-aの側でTE10モード成分信号と加算的に合成され、第2分割導波路162-aに結合されたセプタム150-aの側で相殺することができる。同様に、RHCPを有する信号波は、TE01及びTE10モード成分信号を有することができ、これらの信号成分は、第2分割導波路162-aに結合されたセプタム150-aの側で加算的に合成され、第1分割導波路161-aに結合されたセプタム150-aの側で相殺される。したがって、第1分割導波路161-a及び第2分割導波路162-aは、共通導波路に入射する偏波の直交基底偏波によって励起することができ、また互いに分離してもよい。送信モードでは、第1分割導波路161-a及び第2分割導波路162-aの励起(例えば、TE10モード信号)により、対応するLHCP及びRHCP波がそれぞれ共通導波路部110-aから放射される可能性がある。
【0032】
導波路デバイス105-aは、第1分割導波路161-a及び第2分割導波路162-aを介して送信又は受信される成分信号の相対位相を変化させることにより、共通導波路部110-aにおいて所望の偏波傾斜角を有する直線偏波信号を送信又は受信するために使用することができる。例えば、信号の2つの等振幅成分を適切に位相シフトさせて、導波路デバイス105-aの第1分割導波路161-a及び第2分割導波路162-aに別々に送信することができ、そこでそれらは、偏波器部120-aによってそれぞれの位相でLHCP波及びRHCP波に変換される。共通導波路部110-aから放射されると、LHCP波及びRHCP波は結合され、送信信号の2つの成分に導入された位相シフトに関連する傾斜角で配向を有する直線偏波を形成する。したがって、送信波は直線偏波であり、通信システムの偏波軸と整列することができる。一部の例では、導波路デバイス105-aは、第1偏波(例えば、LHCP、第1直線偏波)に対しては送信モードで動作し、第2直交偏波(例えば、RHCP、第2直線偏波)につ対しては受信モードで動作することができる。
【0033】
導波路デバイス105-aのRF応答性の品質は、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリック、分割導波路ポート間のアイソレーション(これはまた、「ポート間アイソレーション」とも呼ばれてもよい)、導波路デバイス105-aによって提供される偏波純度、導波路デバイスの周波数応答などに基づいて決定される。導波路デバイス105-aのインピーダンス整合特性は、周波数に応じて変化する可能性があり、したがって、インピーダンス整合特性は、特定の周波数帯域内で好ましい場合がある。ポート間アイソレーションは、第1タイプの偏波(例えば、LHCP)に関連する分割導波路ポートが経験する交差偏波の量に基づいて、他の分割導波路ポートに対する別のタイプの偏波(例えば、RHCP)の信号から決定することができる。偏波純度は、共通導波路ポートにおけるTE01モードとTE10モードによって形成される偏波楕円の軸比と、導波路デバイス105-aにおける高次モードの励起のレベルとに基づいて決定することができる。
【0034】
一部の例では、軸比が1(即ち、0dB)に近づくと、及び/又は高次モードの励起が低減又は防止されると、偏波純度が増加する。軸比の大きさは、TE01及びTE10モード成分信号の大きさと、TE01及びTE10モード成分信号間の位相シフトとに基づいてもよく、例えば、TE01及びTE10モード成分信号の大きさの比が1に等しく、かつTE01及びTE10モード成分信号間の位相シフトが90度に等しい場合、軸比は1に等しくなる。場合によっては、1dB未満の軸比は、24.8dB未満の交差偏波識別度に対応する。ポート間アイソレーションのレベルは、交差偏波識別度のレベルに関連する可能性がある。
【0035】
導波路デバイス105-aの断面サイズは、高次モードの励起を低減するように構成してもよい。導波路デバイス105-aの断面サイズが選択された後、導波路デバイス105-aのRF応答の特性(例えば、ポート間アイソレーション)は、セプタム150-aの構造に基づいて強化され得る(又は偏波純度のために更に強化され得る)。例えば、セプタム150-aのプロファイルは、導波路デバイス105-aのRF応答性を増強する長さ及び様々な高さの複数の階段状表面で構成してもよい。一部の例では、セプタム150-aは、RF応答の特定の特性(例えば、軸比)を最適化するように構成される。一部の例では、セプタム150-aは、RF応答の他の特性(例えば、軸比)を犠牲にして、RF応答の特定の特性(例えば、ポート間アイソレーション及び/又はインピーダンス整合)を最適化する。
【0036】
導波路デバイスの断面サイズ及びセプタム150-aの構成を選択した後、導波路デバイス105-aのハウジングは、導波路デバイス105-aのRF応答の他の特性(例えば、周波数応答性)を強化するように変更してもよい。導波路デバイス105-aのハウジングは、第1側壁141-a、第2側壁142-a、底壁131-a、上壁132-a、並びに導波路デバイス105-aの両端の第1及び第2面を含むことができる。導波路デバイス105-aのハウジングはまた、セプタム350-a用のインサートを含んでもよい。一部の例では、周期的に波形の導波路部をハウジングの対向側壁に組み込んで、TE01モード成分信号とTE10モード成分信号との間の差動位相シフトを管理することができる。周期的に波形の導波路部を含む対向側壁は、セプタム150-aに対して垂直であってもよい。即ち、導波路デバイス105-aのハウジングは、ハウジングによって引き起こされるTE01及びTE10モード成分信号間の差動位相シフトの周波数依存性が、セプタム150-aによって引き起こされるTE01及びTE10モード成分信号間の異なる位相シフトと反対になるように構成することができる。したがって、より広い周波数帯域にわたって導波路デバイス105-aのほぼ一定の位相特性を達成することができる。一部の例では、導波路デバイス105-aのハウジングの側壁に対する(又は適用される)変更は、側壁形状と呼ぶことができる。一部の例では、導波路デバイス105-aの特性(例えば、ポート間アイソレーション、軸比、インピーダンス整合など)は、対向側壁のセットに側壁形状を組み込むことに基づいて低下する可能性がある。
【0037】
一部の例では、導波路デバイス105-aは、デュアルバンドデバイスであってもよい。即ち、導波路デバイス105-aは、2つの搬送波周波数を用いて通信をサポートするように構成してもよい。一部の例では、導波路デバイス105-aは、例えば、衛星通信システムの地上セグメントで使用される場合、第1搬送波周波数を使用してより低い周波数帯域(例えば、17.3~21.2GHz)で信号を受信し、第2搬送波周波数を使用してより高い周波数帯域(例えば、27.5~31.0GHz)で信号を送信するために使用することができる。一部の例では、導波路デバイス105-aは、例えば宇宙部分で使用される場合、第1搬送波周波数を使用してより低い周波数帯域(例えば、17.3~21.2GHz)で信号を送信し、第2搬送波周波数を使用してより高い周波数帯域(例えば、27.5~31.0GHz)で信号を受信するために使用することができる。したがって、導波路デバイス105-aは、導波路デバイス105-aが周波数帯域の1つで動作するように構成された場合よりも広い複合帯域幅で動作するように構成することができ、例えば、導波路デバイス105-aは、約56.7%の相対帯域幅に対応する17.3~31.0GHzの複合帯域幅で動作するように構成することができる。
【0038】
したがって、導波路デバイス105-aがデュアルバンド導波路デバイスとして使用される場合、導波路デバイス105-a(例えば、20.6%の相対帯域幅で動作するように構成された導波路デバイス)における高次モードの励起は避けられない可能性がある。導波路デバイス105-aにおける高次モードの励起は、デバイスの偏波純度を低下させる可能性があり、分割導波路ポート間のポート間アイソレーションを減少させる可能性があり、又は共通導波路ポート及び分割導波路ポートのインピーダンスを不均衡にする可能性がある。したがって、導波路デバイス105-aにおける高次モードの励起は、例えば、地上セグメントで使用される場合、導波路デバイス105-aからの送信が、他のデバイス(例えば、非標的衛星)と干渉する原因となる可能性がある。導波路デバイス105-aによって引き起こされる干渉の増加は、導波路デバイス105-a内の交差偏波フィールド成分の数の増加及び励起レベルの増加、ひいては、導波路デバイス105-aに接続されたアンテナのオフボアサイト交差偏波放射の増加を引き起こす可能性がある。
【0039】
導波路デバイス105-aなどのデュアルバンド導波路デバイスのRF応答性の品質を向上させるために、導波路デバイス105-aのハウジングは、デュアルバンド導波路デバイスの断面積及びセプタム構成から生じるRF応答の特性(例えば、インピーダンス整合、ポート間アイソレーション、及び/又は偏波純度)を強化するために変更することができる。一部の例では、導波路デバイス105-aのハウジングは、インセット又はアウトセットステップとして導波路デバイス105-aの内部の周囲に延びる側壁形状155-aを含むように構成してもよく、図1Aの断面図では、側壁形状155-aは、底壁331-aの一部、第1側壁341-a、及び上壁332-aの一部の周囲に延びるように示されている。側壁形状155-aは、導波路デバイス105-aの中心軸121-aに沿って、共通導波路部110-a内の個所に配置してもよい。側壁形状155-aは、中心軸121-a上の個所の周りで対称であってもよく、例えば、側壁形状155-aの各面は、互いに中央に整列され、及び/又は同じ幅を有してもよい。一部の例では、側壁形状155-aは、少なくとも部分的に偏波器部120-a内に配置してもよい。
【0040】
したがって、断面積及びセプタム構成は、デュアルバンド導波路デバイスの第1レベルのインピーダンス整合、ポート間アイソレーション、及び偏波純度を達成するように選択することができ、一方、側壁形状155-aは、偏波純度特性にほとんど(又は全く)影響を与えずに、導波路デバイス105-aのインピーダンス整合及びポート間アイソレーション特性を改善するために使用することができる。即ち、側壁形状155-aの第1及び第2エッジは、インピーダンス不均一性を導入する可能性があり、それは、分割導波路ポートに戻る小さなRF信号反射を引き起こす。したがって、適切な位置決めにより、側壁形状155-aによって導入されるインピーダンスは、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリックを改善するために、及び/又は分割導波路ポート間のアイソレーションを増加するために使用することができる。更に、対称的な側壁形状を使用することによって、断面/セプタム構成によって得られる軸比などの特定の特性を維持することができる。なぜなら例えば、主要モードTE10及びTE01が、側壁形状155-aの追加によって等しく影響を受けるからである。
【0041】
図1Bは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図を示す。参照のために、導波路デバイス105-bの外部図101-bは、X軸191-b、Y軸192-b、及びZ軸193-bを基準に示されている。導波路デバイス105-bは、図1Aに示される導波路デバイス105-aであってもよく、又はそれと同様に構成してもよい。
【0042】
導波路デバイス105-bは、デュアルバンド導波路デバイスであってもよい。導波路デバイス105-bの動作を強化するために、側壁形状155-bを、導波路デバイス105-bの各側壁(例えば、底壁131-b、上壁132-b、第1側壁141-b、及び第2側壁142-b)に組み込むことができる。一部の例では、側壁形状155-bの側壁は、第1セットの対向側壁130-b及び第2セットの対向側壁140-bとは別に参照することができ、例えば、側壁形状155-bの側壁は、導波路デバイス105-bの第3セットの対向側壁及び第4セットの対向側壁と呼ぶことができる。
【0043】
一部の例では、側壁形状155-bは、底壁131-b上の第1部分、第1側壁141-b上の第2部分、上壁132-b上の第3部分、及び第2側壁142-b上の第4部分を含むものとして参照することができる。側壁形状155-bは、中心軸121-bに沿った共通点の周りで対称であってもよい。即ち、側壁形状の第1、第2、第3、及び第4部分の中央は、互いに、及び中心軸121-bに沿った共通点と整列してもよい。また、側壁形状の第1、第2、第3及び第4部分の幅は、同じ(又はほぼ同じ)であってもよい。
【0044】
側壁形状155-bは、導波路デバイス105の内周にわたって延びることができる。側壁形状155-bは、導波路デバイス105-bの分割端部により近い第1エッジと、導波路デバイス105-bの共通端部により近い第2エッジとを含むことができる。第1エッジ及び第2エッジの両方は、同様に、導波路デバイス105の内周の周りに延びることができる。側壁形状155-bは、中心軸121-bに沿った(例えば、Z軸193-bに沿った)方向の幅を有することができる。側壁形状155-bの幅は、側壁形状155-bの第1エッジと第2エッジとの間で測定することができる。側壁形状155-bは、導波路デバイス105-bの内周にわたって固定された(又はほぼ固定された)幅を維持することができる。即ち、側壁形状155-bの各部分は、同じ(又はほぼ同じ)幅を有してもよい。一部の例では、側壁形状155-bの幅は、導波路デバイス105-bの動作周波数と特定の関係を有してもよい。例えば、側壁形状155-bの幅は、導波路デバイス105-bの動作周波数の波長の10分の1から2分の1の間であり得る。一部の例では、側壁形状155-bの幅は、17.3~31.0GHzの動作周波数帯域に対して約2.6ミリメートルであり得る。
【0045】
側壁形状155-bは、第1セットの対向側壁130-b及び第2セットの対向側壁140-bのそれぞれにおいて、インセット又はアウトセットを形成することができる。側壁におけるインセットは、側壁の平面から(導波路体積部に対して)内側に突出するステップを側壁に形成するものとして理解することができる。例えば、側壁形状155-bは、導波路デバイス105-bの内部の周囲に導波路デバイス105-bの中心に突出する内向きステップを形成することができる。したがって、側壁形状155-bは、側壁形状155-bが配置されている側壁の平面から測定して、導波路デバイス105-b内に延びる方向(例えば、X軸191-b又はY軸192-bに沿って)の高さを有し得る。一部の例では、側壁形状155-bの高さは、導波路デバイス105-bの動作周波数と特定の関係を有してもよい。例えば、側壁形状155-bの高さは、導波路デバイス105-bの動作周波数の波長の10分の1未満であってもよい。一部の例では、側壁形状155-bの高さは、17.3~31.0GHzの動作周波数帯域に対して0.5ミリメートル未満であり得る。一部の例では、側壁形状155-bの高さは、中心軸に沿って変化してもよい。一部の例では、側壁形状155-bは、導波路デバイス105-b内の側壁にステップを形成するのではなく、導波路デバイス105-bの内部に材料(例えば、導電性材料、誘電体材料)を配置することによって実現される。即ち、導波路デバイスの側壁は、中断することなく一方の端部から他方の端部まで延びる。
【0046】
側壁におけるアウトセットは、側壁の平面から(導波路体積に対して)外側に突出する凹部又はキャビティを側壁に形成するものとして理解することができる。例えば、側壁形状155-bは、導波路デバイス105-bの内部の周囲に導波路デバイス105-bの中心から離れて突出するキャビティを形成することができる。したがって、側壁形状155-bは、側壁形状155-bが配置されている側壁の平面から測定して、導波路デバイス105-bから延びる方向(例えば、X軸191-b又はY軸192-bに沿って)の深さを有し得る。一部の例では、側壁形状155-bの深さは、導波路デバイス105-bの動作周波数と特定の関係を有してもよい。例えば、側壁形状155-bの深さは、導波路デバイス105-bの動作周波数の波長の10分の1未満であってもよい。一部の例では、側壁形状155-bの深さは、17.3~31.0GHzの動作周波数帯域に対して0.5ミリメートル未満であり得る。一部の例では、側壁形状155-bの深さは、中心軸に沿って変化してもよい。
【0047】
したがって、側壁形状155-bは、第1セットの対向側壁130-bの底壁131-bと上壁132-bとの間の方向(例えば、X軸191-bに沿って)に第1長さ165-bを有することができる。また、側壁形状155-bは、第2セットの対向側壁140-bの第1側壁141-bと第2側壁142-bとの間の方向(例えば、Y軸192-bに沿って)に、第2長さ170-bを有することができる。したがって、側壁形状155-bは、第1セットの対向側壁130-bの底壁131-bと上壁132-bとの間の第3長さ175-bよりも小さい又は大きい第1長さ165-bと、第2セットの対向側壁140-bの第1側壁141-bと第2側壁142-bとの間の第4長さ180-bよりも小さい又は大きい第2長さ170-bとを有することができる。導波路デバイス105-bの断面積は、第3長さ175-b及び第4長さ180-bに基づいてもよい。
【0048】
また、導波路デバイス105-bの第1セットの対向側壁130-bは、側壁形状155-bと重ならない中心軸121-bに沿った位置で第1距離により分離することができる。また、第2セットの対向側壁140-bは、側壁形状155-bと重ならない中心軸121-bに沿った位置で第2距離により分離することができる。第1セットの対向側壁130-bは、側壁形状155-bと重なる中心軸121-bに沿った位置で第3距離により分離することができる。一部の例では、例えば、側壁形状155-bがはめ込まれている場合、第3距離は、第1距離よりも小さい。他の例では、例えば、側壁形状155-bが突出している場合、第3距離は第1距離よりも大きい。第4セットの対向側壁140-bは、側壁形状155-bと重なる中心軸121-bに沿った位置で第4距離により分離してもよい。一部の例では、側壁形状155-bがはめ込まれている場合、第4距離は第2距離よりも小さい。他の例では、例えば、側壁形状155-bが突出している場合、第4距離は第2距離よりも大きい。
【0049】
いずれの場合も(例えば、側壁形状155-aがはめ込まれているか、又は突出している場合)、導波路デバイスの側壁と側壁形状の対応するエッジとの間の角度は、40度から90度の間であってよい。例えば、上壁132-bと側壁形状155-aの第3部分の第1エッジとの間の角度は、40度から90度の間であり得る。同様に、上壁132-bと側壁形状155-aの第3部分の第2エッジとの間の角度は、40度から90度の間であり得る。
【0050】
側壁形状155-bは、分割導波路部160-b内に含まれる中心軸121-bの一部と重ならない中心軸121-bの一部に沿って配置してもよい。即ち、側壁形状155-bは、共通導波路部110-b内に完全に配置してもよく、又は偏波器部120-b内に完全に配置してもよい。一部の例では、側壁形状155-bは、共通導波路部110-b内に部分的に配置し、偏波器部120-b内に部分的に配置してもよく、即ち、側壁形状155-bの第1エッジは、偏波器部120-b内に配置してもよく、側壁形状155-bの第2エッジは、共通導波路部110-b内に配置してもよい。側壁形状155-bが偏波器部120-b内に(部分的又は完全に)配置されている場合、底壁131-bと一致するセプタム150-bの底部にインセット又はアウトセットを導入することができる。
【0051】
一部の例では、側壁形状155-bの位置は、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリック及び/又は分割導波路ポート間のポート間アイソレーションメトリックに基づいて決定することができる。例えば、側壁形状155-bは、分割導波路ポート間のポート間アイソレーションを最大にし、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合を改善し、又はそれらの組み合わせのために配置することができる。側壁形状155-bの位置を決定するための方法は、本明細書において、図6を参照してより詳細に記載されている。
【0052】
図2は、本開示の様々な態様による、側壁形状を有するデュアルバンド導波路デバイスの断面図を示す。第1断面図200は、Y-Z平面における導波路デバイス205を示す。第2断面図201は、X-Z平面における導波路デバイス205を示す。
【0053】
導波路デバイス205は、共通導波路部210、偏波器部220、及び分割導波路部260を含むことができる。導波路デバイス205はまた、上壁232、底壁231、第1側壁241、及び第2側壁242を含むことができる。導波路デバイス205の中心軸221は、導波路デバイス205の一端から他端まで延びることができる。導波路デバイス205はまた、表面253のような複数の階段状表面を含み得るセプタム250を含むことができる。側壁形状255はまた、導波路デバイス205の側壁上に、又はその一部として含まれてもよい。
【0054】
第1断面図200及び第2断面図201によって示されるように、側壁形状255は、導波路デバイス205の周囲に延びる1つの連続した形状(例えば、インセット又はアウトセットステップ)であり得る。一部の例では、側壁形状255は、インセットステップを導波路デバイス205の底壁231、上壁232、第1側壁241、及び第2側壁242に組み込むことによって実現される。他の例では、側壁形状255は、導波路デバイス205の底壁231、上壁232、第1側壁241、及び第2側壁242上に材料(例えば、導電性材料、誘電性材料)を配置することによって実現され、その場合、底壁231、上壁232、第1側壁241、及び第2側壁242は、導波路デバイス205の一端から他端まで中断することなく延びることができる。
【0055】
側壁形状255の中心は、中心軸221に沿った点(例えば、図2のXによって表される点)に配置してもよい。側壁形状の幅265は、導波路デバイス205の周囲にわたって一定(又はほぼ一定)のままであり得る。一部の例では、幅265は、導波路デバイス205の動作周波数の波長の10分の1から2分の1の間であり得る。したがって、側壁形状255は、中心軸221に沿った点の周りで対称であり得る。側壁形状の深さ270も、導波路デバイス205の周囲にわたって均一であり得る。一部の例では、深さ270は、導波路デバイス205の動作周波数の波長の10分の1未満であり得る。一部の例では、深さ270は、側壁形状255の一端から側壁形状255の他端まで変化し、例えば、第1エッジの深さは、第2エッジの深さよりも小さくてもよく、又はその逆である。
【0056】
図2に示されるように、側壁形状255は、完全に共通導波路部210内に配置してもよい。一部の例では、側壁形状255の第1エッジは、偏波器部220の端部(及び/又はセプタム250の端部)から第1距離275(dとも呼ばれる)に配置される。一部の例では、側壁形状255の第1エッジは、偏波器部220の始点から第2距離280(dとも呼ばれる)に配置される。側壁形状255は、図2において完全に共通導波路部210内にあるように図示されているが、側壁形状255は、共通導波路部210及び偏波器部220を含む、より大きな部分内の任意の場所に配置することができる。一部の例では、側壁形状255は、部分的に共通導波路部210内に、また部分的に偏波器部220内に配置することができる。一部の例では、側壁形状255は、完全に偏波器部220内に配置してもよい。
【0057】
側壁形状255が偏波器部220内に完全に又は部分的に配置されている場合、セプタム250は、側壁形状255を収容するように変更することができる。例えば、側壁形状255が中心軸221に沿って表面253と整列する点に配置されている場合、セプタム250は、インセットが表面253の下に位置するセプタム250の一部に含まれるように変更することができる。あるいは、側壁形状255が導波路デバイス205から突出している場合、セプタム250は、セプタム250が表面253の下に位置する位置にアウトセットを含むように変更することができる。
【0058】
一部の例では、導波路デバイス205の共通ポートと導波路デバイス205の分割ポートとの間のインピーダンス整合特性の強化は、側壁形状255の幅265及び深さ270に基づく。また、導波路デバイス205の分割ポート間のアイソレーションメトリックの強化は、側壁形状255と偏波器部220の端部との間の第1距離275に基づく。間のインピーダンス整合及びポート間アイソレーション特性の強化は、側壁形状255と偏波器部220の始点との間の第2距離280に更に基づく。側壁形状255が共通導波路部210内に配置されている場合、間のインピーダンス整合及びポート間アイソレーション特性の強化は、側壁形状255と偏波器部220の端部(及び/又はセプタム250の端部)との間の第1距離275に更に基づく。
【0059】
図3Aは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元断面図を示す。参照のために、導波路デバイス305-aの断面図300-aは、X軸391-a、Y軸392-a、及びZ軸393-aを基準に示されている。
【0060】
図1A及び図1Bを参照して説明した導波路デバイスと同様に、導波路デバイス305-aは、共通導波路部310-a、分割導波路部360-a、及び偏波器部320-aを含むことができる。導波路デバイス305-aは、共通導波路部310-a、分割導波路部360-a、及び偏波器部320-aを構成する第1セットの対向側壁330-a及び第2セットの対向側壁340-aを含むことができる。導波路デバイス305-aはまた、セプタム350-aを含むことができる。中心軸321-aは、Z軸393-aに沿って導波路デバイス305-aを通って延びることができる。更に、導波路デバイス305-aは、第1側壁形状355-aを含むことができる。
【0061】
本明細書で論じられるように、第1側壁形状355-aは、例えば、インピーダンス整合メトリック及び/又はポート間アイソレーションメトリックを改善することによって、導波路デバイス305-aなどのデュアルバンド導波路デバイスのRF応答性を増強するために使用することができる。デュアルバンド導波路デバイスのRF応答性の品質を更に向上させるために、導波路デバイス305-aのハウジングを更に変更することができる。例えば、導波路デバイス305-aのハウジングは、第2側壁形状356-aを含むように構成してもよい。一部の例では、第2側壁形状356-aは、導波路デバイス305-aの内部の周囲に延びることができる。第2側壁形状356-aは、中心軸321-aに沿って分割導波路部360-a内の個所に配置してもよい。第2側壁形状356-aは、中心軸321-a上の個所の周りで対称であってもよく、例えば、第2側壁形状356-aの各面は、互いに中央に整列され、及び/又は同じ幅を有してもよい。
【0062】
第2側壁形状356-aは、分割導波路ポートに別個のインピーダンス不均一性を導入することによって、導波路デバイス305-aのインピーダンス整合及びポート間アイソレーション特性を改善するために使用することができる。したがって、適切な位置決めにより、第2側壁形状356-aによって導入されるインピーダンスは、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリックを改善するために、及び/又は分割導波路ポート間のアイソレーションを増加するために使用することができる。第1側壁形状355-aの場合と同様に、インピーダンス整合及びポート間アイソレーションについて調整は、断面/セプタム構成によって得られる軸比の変化を最小にして達成することができる。なぜなら例えば、主要モードTE10及びTE01が、第2側壁形状356-aの追加によって等しく影響を受けるからである。
【0063】
第2側壁形状356-aの導入は、セプタム350-aについての変更をもたらすことがある。例えば、セプタム350-aは、第2側壁形状356-aと一致する底部及び上部にインセット又はアウトセットを含むように構成してもよい。一部の例では、導波路デバイス305-aの断面積が選択された後に、第2側壁形状356-aを収容するセプタム350-aのプロファイルを決定することができる。断面積及びセプタムプロファイルを決定した後に、第1側壁形状355-aの構造及び位置を決定して、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリックを最適化することができる。
【0064】
図3Bは、本開示の様々な態様による、側壁形状を有する例示的なデュアルバンド導波路デバイスの3次元図を示す。参照のために、導波路デバイス305-bは、X軸391-b、Y軸392-b、及びZ軸393-bを基準にして示されている。導波路デバイス305-bは、図3Aに示される導波路デバイス305-aであってもよく、又はその一例であってもよい。導波路デバイス305-bは、セプタムを導波路デバイス305-bに挿入するためのスロット365-bを含むことができる。導波路デバイスは、図1A及び図1Bを参照して説明した側壁形状155と同様の第1側壁形状355-bを含むことができる。
【0065】
導波路デバイス305-bの動作を更に強化するために、第1側壁形状355-bに加えて、第2側壁形状356-bを導波路デバイス305-bに組み込むことができる。一部の例では、第2側壁形状356-bは、導波路デバイス305-bの各側壁(例えば、底壁331-b、上壁332-b、第1側壁341-b、及び第2側壁342-b)に組み込まれる。他の例では、第2側壁形状356-bは、導波路デバイス305-bの側壁のサブセット(例えば、第1側壁341-b及び第2側壁342-b)に組み込まれる。
【0066】
一部の例では、第2側壁形状356-bの側壁は、第1セットの対向側壁330-b及び第2セットの対向側壁340-bとは別に参照することができ、例えば、第2側壁形状356-bの側壁は、導波路デバイス305-bの第3セットの対向側壁及び第4セットの対向側壁と呼ぶことができる。一部の例では、第2側壁形状356-bは、底壁331-b上の第1部分、第1側壁341-b上の第2部分、上壁332-b上の第3部分、及び第2側壁342-b上の第4部分を含むものとして参照することができる。一部の例では、第2側壁形状356-bは、第1側壁341-b上の第1部分及び第2側壁342-b上の第2部分を含むものとして参照することができる。
【0067】
第2側壁形状356-bは、第1側壁形状355-bと同様に構成してもよい。即ち、第2側壁形状356-bは、中心軸321-b上の点の周りで対称であってもよく、導波路デバイス305-bの内周の周りに延び、固定された幅を有する。第2側壁形状356-bは、導波路デバイスの外部からはめ込まれているか、又は突出してもよい。また、第2側壁形状356-bの幅及び高さは、導波路デバイス305-bの動作周波数帯域(例えば、17.3~31.0GHz)に基づいてもよい。導波路デバイスの側壁と第2側壁形状356-bとの間の角度は、40度から90度の間であり得る。
【0068】
第2側壁形状356-bは、偏波器部320-b内に完全に配置してもよく、又は分割導波路部360-b内に完全に配置してもよい。一部の例では、第2側壁形状356-bは、偏波器部320-b内に部分的に配置してもよく、分割導波路部360-b内に部分的に配置してもよく、即ち、第2側壁形状356-bの第1エッジは、分割導波路部360-b内に配置され、第2側壁形状356-bの第2エッジは、偏波器部320-b内に配置される。場合によっては、インセット又はアウトセットを、底壁331-b及び/又は上壁332-bと一致し、かつ第2側壁形状356-bの位置に対応するセプタム350の底部及び/又は上部の一部に導入してもよい。
【0069】
一部の例では、第2側壁形状356-bは、例えば、第2側壁形状356-bが分割導波路部360-b内に配置されている場合、導波路デバイス305-bの内周全体にわたり延びない場合がある。例えば、第2側壁形状356-bは、セプタム(例えば、図3Aのセプタム351-a)の上部及び底部と重なる上壁332-b及び底壁331-bの一部を横切って延びていなくてもよい。他の例では、第2側壁形状356-bは、第1側壁341-b及び第2側壁342-b上にのみ配置してもよい。そのような場合、インセット又はアウトセットがセプタムに導入されない場合がある。
【0070】
一部の例では、インセット又はアウトセットの側壁形状は、第1側壁341-b又は第2側壁342-bと平行に延び、かつ第2側壁形状356-bと整列しているセプタムの側壁に導入され、例えば、セプタムの第1側壁上の側壁形状の中央は、第2側壁342-b上に位置する第2側壁形状356-bの一部の中心と整列してもよい。セプタム上の側壁形状の長さは、底壁331-bから上壁332-bまで延びることができる。セプタム上の側壁形状は、第2側壁形状356-bと同じ(又はほぼ同じ)幅を有してもよい。セプタム上の側壁形状は、例えば、第2側壁形状356-bが導波路デバイス305-bからはめ込まれている場合、第2側壁形状356-bと同じ(又はほぼ同じ)高さを有してもよい。セプタム上の側壁形状は、例えば、第2側壁形状356-bが導波路デバイス305-bから突出している場合、第2側壁形状356-bと同じ(又はほぼ同じ)深さを有してもよい。
【0071】
一部の例では、第2側壁形状356-bの位置は、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合メトリック及び/又は分割導波路ポート間のポート間アイソレーションメトリックに基づいて決定してもよい。例えば、第2側壁形状356-bは、分割導波路ポート間のポート間アイソレーションを最大にし(例えば、第1側壁形状と組み合わせて)、共通導波路ポートと分割導波路ポートとの間のインピーダンス整合を改善し、又はそれらの組み合わせのために配置することができる。第1側壁形状355-a及び/又は第2側壁形状356-bの位置を決定するための方法は、本明細書において、図6を参照してより詳細に記載されている。
【0072】
図4は、本開示の様々な態様による、側壁形状を有するデュアルバンド導波路デバイスの断面図を示す。第1断面図400は、Y-Z平面における導波路デバイス405を示す。第2断面図401は、X-Z平面における導波路デバイス405を示す。
【0073】
導波路デバイス405は、共通導波路部410、偏波器部420、及び分割導波路部460を含むことができる。導波路デバイス405はまた、上壁432、底壁431、第1側壁241、及び第2側壁242を含むことができる。導波路デバイス405の中心軸421は、導波路デバイス405の一端から他端まで延びることができる。導波路デバイス405はまた、表面453のような複数の階段状表面を含み得るセプタム450を含むことができる。第1側壁形状455及び第2側壁形状456はまた、導波路デバイス405の側壁上に、又はその一部として含まれてもよい。
【0074】
第1側壁形状455は、本明細書に記載されるように、図1A図2を参照して、同様に構成及び/又は配置することができる。特に、第1側壁形状455は、図1及び図2の側壁形状155又は側壁形状255の一例であってよい。
【0075】
第1断面図400及び第2断面図401によって示されるように、第2側壁形状456は、導波路デバイス405の周長にわたって延びる1つの連続した形状(例えば、インセット又はアウトセットステップ)であり得る。一部の例では、第2側壁形状456は、インセットステップを導波路デバイス405の底壁431、上壁432、第1側壁441、及び第2側壁442に組み込むことによって実現される。他の例では、第2側壁形状456は、底壁431、上壁432、第1側壁441、及び第2側壁442上に材料(例えば、導電性材料、誘電性材料)を配置することによって実現され、その場合、底壁431、上壁432、第1側壁441、及び第2側壁442は、導波路デバイス405の一端から他端まで(又は少なくとも第1側壁形状455まで)中断することなく延びることができる。
【0076】
第2側壁形状456の中心は、中心軸421に沿った点(例えば、図4のXによって表される点)に配置してもよい。側壁形状の幅465は、導波路デバイス405の周囲にわたって一定(又はほぼ一定)のままであり得る。一部の例では、幅465は、導波路デバイス405の動作周波数の波長の10分の1から2分の1の間であり得る。したがって、第2側壁形状456は、中心軸421に沿った点の周りで対称であり得る。側壁形状の深さ470も、導波路デバイス405の周囲にわたって均一であり得る。一部の例では、深さ470は、導波路デバイス405の動作周波数の波長の10分の1未満であり得る。一部の例では、深さ470は、第2側壁形状456の一端から第2側壁形状456の他端まで変化し、例えば、第1エッジの深さは、第2エッジの深さよりも小さくてもよく、又はその逆である。
【0077】
図4に示されるように、第2側壁形状456は、完全に共通導波路部460内に配置してもよい。一部の例では、第2側壁形状456の第1エッジは、分割導波路部460の始点から第1距離475(dとも呼ばれる)に配置される。第2側壁形状456は、図4において完全に分割導波路部460内にあるように示されているが、第2側壁形状456は、分割導波路部460及び偏波器び420を含む、より大きな部分内の任意の場所に配置してもよい。一部の例では、第2側壁形状456は、部分的に分割導波路部460内に、また部分的に偏波器部420内に配置してもよい。一部の例では、第2側壁形状456は、完全に偏波器部420内に配置してもよい。
【0078】
セプタム450は、第2側壁形状456を収容するように変更してもよい。例えば、分割導波路部460に含まれるセプタムの上部及び底部にインセットを導入することができる。あるいは、第2側壁形状456が導波路デバイス405から突出している場合、セプタム450は、セプタム450がセプタム450の上部及び底部にアウトセットを含むように変更してもよい。一部の例では、第2側壁形状456を、偏波器部420内にのみ存在し、かつ表面453と整列していポイントで中心軸421に沿って配置してもよく、セプタム450は、インセットが表面453の下に位置するセプタム450の一部に含まれるように変更してもよい。あるいは、第2側壁形状256が導波路デバイス405から突出している場合、セプタム450は、表面453の下に位置するセプタム450の一部が導波路デバイス405から突出しているように変更することができる。
【0079】
一部の例では、導波路デバイス405の共通ポートと導波路デバイス405の分割ポートとの間のインピーダンス整合特性の強化は、第2側壁形状456の幅465及び深さ470に基づく。また、導波路デバイス405の分割ポート間のアイソレーションメトリックの強化は、第2側壁形状の幅465及び深さ470に基づいてもよい。インピーダンス整合及びポート間アイソレーション特性の強化は、第2側壁形状456と分割導波路部460の始点との間の第1距離475に更に基づいてもよい。
【0080】
第1断面図400は、図4において第2側壁形状456を、底壁431及び上壁432を変更するものとして示しているが、一部の例では、第2側壁形状456は、底壁431及び上壁432に組み込まれていない。即ち、第2側壁形状456は、第1側壁441及び第2側壁442上にだけ存在してもよい。他の例では、第2側壁形状456は、底壁431及び上壁432に組み込んでもよく、ただし第2側壁形状456は、453の底面又は上面と一致する底壁431及び上壁432の一部に組み込まなくてもよい。いずれの場合も、セプタム450のプロファイルは変更しなくてもよく、即ち、セプタム450は、図2のセプタム250と同様に構成してもよい。
【0081】
図5は、本開示の様々な態様による導波路デバイスを実装する衛星アンテナの側面図を示す。衛星アンテナ500は、衛星通信システムの一部であり得る。衛星アンテナ500は、反射器510及び衛星通信アセンブリ520(例えば、給電アセンブリサブシステム)を含むことができる。衛星通信アセンブリ520は、導波路デバイス505を含んでもよく、それは、給電ホーンアセンブリ522(例えば、アンテナ素子)と更に接続することができる。導波路デバイス505は、図1図4を参照して説明した導波路デバイスの態様の一例であり得る。衛星通信アセンブリ520は、衛星アンテナ500によって送信された信号及び/又は衛星アンテナで受信された信号を処理することができる。一部の例では、衛星通信アセンブリ520は、送信及び受信統合アセンブリ(TRIA)であってもよく、これは、給電部540(例えば、ケーブル)を介して加入者端末に接続することができる。
【0082】
図示のように、衛星通信アセンブリ520は、反射器510に向かって開口する給電ホーンアセンブリ522を有し得る。電磁信号は、衛星通信アセンブリ520によって送信され、衛星通信アセンブリで受信することができ、電磁信号は、反射器510によって衛星通信アセンブリ520から/へ反射される。一部の例では、衛星通信アセンブリ520は、副反射器を更に含んでもよい。そのような例では、電磁信号は、副反射器及び反射器510によって反射されたダウンリンク及びアップリンクビームを介して、衛星通信アセンブリ520によって送信し、衛星通信アセンブリで受信することができる。
【0083】
導波路デバイス505は、導波路デバイス505の対応する分割導波路を励起することによって、第1偏波(例えば、LHCPなど)を使用して衛星アンテナ500から第1成分信号を送信するために使用することができる。導波路はまた、導波路デバイス505の異なる対応する分割導波路を励起することによって、第1偏波に直交する第2偏波(例えば、RHCPなど)を使用して衛星アンテナ500から第2成分信号を送信するために使用することができる。追加的に又は代替的に、導波路デバイスは、適切な位相オフセットを有する2つの成分信号による分割導波路の同時励起によって、1つ以上の合成信号(例えば、直線偏波信号)を送信するために使用することができる。
【0084】
同様に、信号波が衛星アンテナ500によって受信されると、導波路デバイス505は、特定の基底偏波を有する受信信号のエネルギーを、対応する分割導波路に向ける。一部の例では、衛星アンテナは、合成信号(例えば、直線偏波信号)を受信し、分割導波路内で合成信号を2つの成分信号に分離することができ、これらの成分信号は、合成信号を回復するために位相調整及び処理することができる。衛星アンテナ500は、衛星からの通信信号の受信、衛星への通信信号の送信、又は衛星との双方向通信(通信信号の送受信)のために使用することができる。
【0085】
一部の例では、衛星アンテナ500は、第1偏波を使用してエネルギーを送信し、同時に第2(例えば、直交)偏波のエネルギーを受信することができる。そのような例では、導波路デバイス505は、導波路デバイス505の分割導波路を適切に励起することにより、第1偏波(例えば、第1直線偏波、LHCPなど)を使用して、衛星アンテナ500から第1信号を送信するために使用することができる。同時に、衛星アンテナは、第2偏波(例えば、第2直線偏波、RHCPなど)を有する成分信号を有する同じ周波数又は異なる周波数の信号を受信することができ、ここで、第2偏波は第1偏波に直交する。導波路デバイス505は、受信信号のエネルギーを分割導波路に向けて、受信機で処理して、受信信号を回復及び復調することができる。
【0086】
様々な例において、衛星通信アセンブリ520は、単一バンド、デュアルバンド、及び/又はマルチバンド信号を受信及び/又は送信するために使用することができる。例えば、一部の例では、衛星通信アセンブリ520によって受信及び/又は送信される信号は、17.3~31.0GHzの周波数帯域内の複数の搬送波周波数によって特徴付けてもよい。そのような例では、導波路デバイス505の性能は、上記のような様々な側壁形状を含めることによって改善することができる。
【0087】
一部の例では、導波路デバイス505のような複数の導波路デバイスは、複数のアンテナ素子と接続することができる。各導波路デバイスは、1つ以上のアンテナ素子と関連付けてもよい。そのような場合、1つ以上の導波路合成器/分割器ネットワークを使用して、導波路デバイスのそれぞれの分割導波路を、各基底偏波に関連する共通ネットワークポートに接続することができる。例えば、第1共通ネットワークポートと、第1基底偏波に関連する複数の導波路デバイスからの分割導波路との間の信号を合成/分割する導波路接合部を形成することができる。複数の導波路デバイスは、導波路デバイスの中心軸及び/又はアンテナのボアサイトに直交する平面内にアレイ状に配置してもよい。(例えば、長方形、正方形、円形、楕円形、多角形、又は任意の他の形状のアレイ)。追加的に又は代替的に、複数の導波路デバイスは、横方向に千鳥配列に配置してもよく、ここで、導波路デバイスは、一方の横方向に整列され、他方の横方向には千鳥状にしてもよく、ここで横方向とは、導波路デバイスの中心軸及び/又はアンテナの主軸に直交する方向を指す。追加的に又は代替的に、複数の導波路デバイスは、軸方向に千鳥配列に配置してもよく、ここで、軸方向とは、導波路デバイスの中心軸及び/又はアンテナの主軸に沿った方向を指す。
【0088】
図6は、本開示の様々な態様による、少なくとも1つの側壁形状を有する導波路デバイスを設計するための方法を示す。方法600は、例えば、強化されたRF応答性を有するデュアルバンド導波路デバイスを設計するために使用することができる。方法600は、図1図5を参照して説明した導波路デバイスの1つ以上の側壁形状の数、寸法、及び相対位置を選択するために使用することができる。
【0089】
605において、導波路デバイスの断面積を選択することができる。例えば、断面積は、共通導波路部内の主要TE10及びTE01モードのカットオフ周波数fc1よりも15%高くなるようにサイズ設定することができる。動作周波数帯域のフルスパンが主要モードのカットオフ周波数と第1高次TE11及びTM11モードのカットオフ周波数fc2との間に位置する場合、断面積は、動作周波数帯域のフルスパンが2つのカットオフ周波数fc1とfc2の間に対称的に位置するようにサイズ設定できる。動作周波数帯域のフルスパンが、主要モードと第1高次モードのカットオフ周波数間の周波数スペクトルよりも大きい場合、断面積は、広い周波数帯域(例えば、17.3~31.0GHz)を使用する信号によって引き起こされる高次モードの励起を最小限にするように選択してもよい。一般に、動作周波数帯域のフルスパンの上限(例えば、31.0GHz)が第1高次モードのカットオフ周波数fc2を超えることが少ないほど、導波路デバイス内の高次モードの励起を最小限にすることが容易になる。
【0090】
610において、セプタムの特徴を選択することができる。例えば、セプタムのプロファイル構成(例えば、階段状構成)、厚さ、及び長さを決定することができる。一部の例では、セプタムの形状は、導波路デバイス内の偏波楕円の軸比を改善するように選択される。一部の例では、セプタムの断面積及び形状は共に、例えば、高次モードの励起を最小限にし、偏波楕円の軸比を減少させることによって、導波路デバイスに関連する偏波純度を改善するように設計される。一部の例では、断面積及びセプタム構成は、所望の範囲内の偏波純度を達成するように選択することができる。例えば、断面積及びセプタム構成は、1dB未満の軸比、及び-18、-20、-22、又は-24dB未満の、主要モードに対する高次モードの励起を達成するように選択してもよい。
【0091】
615において、導波路デバイスの中心軸に沿った点の周りで対称である側壁形状の位置及び寸法(例えば、長さ、幅及び深さ又は高さ)を決定することができる。一部の例では、側壁形状は、導波路デバイス内の共通ポートのインピーダンスと、導波路デバイス内の分割ポートのインピーダンスとの整合を、導波路デバイスの偏波純度に対して影響を与えずに(又は最小限の影響で)改善するように配置及び構成される。一部の例では、側壁形状は、導波路デバイスの分割ポート間のアイソレーションを改善するように配置及び構成される。一部の例では、側壁形状は、インピーダンス整合及びポート間アイソレーションの組み合わせを最適化するように配置及び構成され、そのような場合、インピーダンス整合又はポート間アイソレーションのいずれかに対する更なる強化は、他のメトリックの低下を引き起こす可能性がある。
【0092】
場合によっては、側壁形状は、導波路デバイスの共通導波路部内に完全に配置されることに限定される。しかしながら、側壁形状を共通導波路部の外側に(例えば、導波路デバイスの偏波器部内に完全に又は部分的に)配置することは、導波路デバイスの性能を更に向上させることができる。そのような場合、側壁形状の位置決めは、セプタムの構造に影響を与えることができ、例えば、セプタムにインセット又はアウトセットを導入することができる。セプタムの変化は軸比性能に悪影響を与えることがある。したがって、この方法は、反復プロセスであり得るか、又はそれを含み得る。即ち、側壁形状の構成及び位置を決定した後、セプタムのプロファイル及び寸法を変更して、軸比性能を所望の値(例えば、<1dB)に戻すことができる。
【0093】
一部の例では、導波路デバイスの中心軸に沿った異なるポイントの周りで対称である第2側壁形状の位置及び寸法を決定することができる。一部の例では、第2側壁形状は、導波路デバイス内の共通ポートのインピーダンスと導波路デバイス内の分割ポートのインピーダンスとの整合を改善するように配置及び構成される。一部の例では、第2側壁形状は、導波路デバイスの分割ポート間のアイソレーションを改善するように配置及び構成される。一部の例では、第2側壁形状は、インピーダンス整合及びポート間アイソレーションの組み合わせの両方を改善するように配置及び構成され、そのような場合、インピーダンス整合又はポート間アイソレーションのいずれかに対する更なる強化は、他のメトリックの低下を引き起こすことがある。一部の例では、第2側壁形状は、セプタムの長さと平行に走る2つの側壁上にあるように構成される。一部の例では、第2側壁形状は、例えば、導波路デバイスの底面及び上面と一致する導波路デバイスの底壁及び上壁の一部を回避することによって、セプタムの構造を妨げないように構成される。
【0094】
第2側壁形状がセプタムの構造に影響を与える場合、導波路デバイスの軸比性能は悪影響を受けることがある。したがって、この方法は、反復プロセスであり得るか、又はそれを含み得る。即ち、第2側壁形状の構成及び位置を決定した後、セプタムのプロファイル及び寸法を変更して、軸比性能を所望の値(例えば、1dB)に戻すことができる。
【0095】
一部の例では、セプタム構成及び側壁形状構成の選択は、一緒に実行することができる。即ち、セプタム構成を選択してから側壁形状構成を選択する代わりに、セプタム構成を側壁形状の選択と組み合わせて選択して、導波路デバイスのRF応答性の向上を達成することができる。
【0096】
一部の例では、第1及び/又は第2側壁形状は、ダイキャスト手順中に導波路デバイスに組み込んでもよく、この場合、インセット又はアウトセットステップは、側壁形状について決定された位置で導波路デバイスの側壁に組み込まれる。したがって、側壁形状は、導波路デバイスの側壁の一部であり得る。ダイカスト手順は、所望の導波路デバイスの形状を有するモールド(例えば、分割ブロック)を構築し、モールド内に材料を射出することを含むことができる。低い高さ(例えば、<0.5mm)を有する側壁形状を維持することによって、ダイカストプロセスの困難性を増加しさせない(又はわずかに増加する)ことができ、例えば、鋳造工具の生産及び鋳造工具からのダイカスト部品の除去を増加させないことができる。一部の例では、例えば、側壁形状がインセットステップである場合、材料(例えば、導電性材料、誘電性材料)を導波路デバイスの内部に配置することによって、第1及び/又は第2側壁形状を導波路デバイスに組み込んでもよい。
【0097】
記載された技術は、可能な実現に言及し、動作及び構成要素は、再配置又は他の方法で変更してもよく、他の実現も可能であることに留意されたい。2つ以上の方法又は装置からの更なる部分を組み合わせることができる。
【0098】
本明細書に記載される情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表すことができる。例えば、説明全体を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0099】
本明細書に記載される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアに実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つ以上の命令又はコードとして格納又は送信され得る。他の例及び実施形態は、本開示及び添付の請求項の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質により、本明細書に記載の機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハード配線、又はそれらの任意の組み合わせを使用して実装することができる。本明細書に記載される機能はまた、異なる材料、特徴、形状、サイズなどを用いて様々な方法で実現することができる。機能を実装する特徴はまた、機能の一部が異なる物理的位置で実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置してもよい。
【0100】
本明細書の説明で使用される場合、「平行」という用語は、正確な幾何学的平行性に対する限定を示唆することを意図するものではない。例えば、本開示で使用される「平行」という用語は、例えば製造公差及び組立公差などの考慮事項に関連する幾何学的平行性からの典型的な偏差を含むことを意図している。更に、成形又は鋳造などの特定の製造プロセスでは、様々な構成要素の製造、組み立て、又は操作を容易にするために、正又は負のドラフト、エッジ面取り及び/又はフィレット、又は他の特徴が必要になることがあり、その場合、特定の表面は幾何学的に平行ではない可能性があるが、本開示の文脈において平行である可能性がある。
【0101】
同様に、本明細書の説明で使用される場合、「直交」及び「垂直」という用語は、幾何学的関係を説明するために使用される場合、正確な幾何学的垂直性に対する限定を示唆することを意図するものではない。例えば、本開示で使用される「直交」及び「垂直」という用語は、例えば製造公差及び組立公差などの考慮事項に関連する幾何学的垂直性からの典型的な偏差を含むことを意図している。更に、成形又は鋳造などの特定の製造プロセスでは、様々な構成要素の製造、組み立て、又は操作を容易にするために、正又は負のドラフト、エッジ面取り及び/又はフィレット、又は他の特徴が必要になることがあり、その場合、特定の表面は幾何学的に垂直ではない可能性があるが、本開示の文脈において垂直である可能性がある。
【0102】
本明細書の説明で使用される場合、「直交」という用語は、電磁偏波を説明するために使用される場合、分離可能な2つの偏波を区別することを意味する。例えば、90度だけ離れた単位ベクトル方向を有する2つの直線偏波は、直交であると見なすことができる。円偏波の場合、2つの偏波は、伝搬方向を共有するが反対方向に回転している場合、直交であると見なされる。
【0103】
特許請求の範囲を含めて本明細書で使用される場合、項目のリスト(例えば、「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」などの句で始まる項目のリスト)で使用される「又は」は、包含的なリストを示し、その結果、例えば、A、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストは、A若しくはB若しくはC、又はAB若しくはAC若しくはBC、又はABC(即ち、A及びB及びC)を意味する。また、本明細書で使用される場合、「に基づく」という句は、排他的な条件の集合を言及するものとして解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づく」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づくことができる。換言すれば、本明細書で使用される場合、「に基づく」という句は、「に少なくとも部分的に基づく」という句と同じように解釈されるものとする。
【0104】
添付図面において、同様の構成要素又は特徴は、同じ参照ラベルを有してもよい。更に、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後にダッシュを付け、類似の構成要素を区別する第2ラベルを付けることによって区別することができる。第1参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、その説明は、第2参照ラベル又は他の後続の参照ラベルに関係なく、同じ第1参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれかに適用可能である。
【0105】
本明細書に記載の説明は、添付の図面に関連して、例示的な構成を説明しており、実装され得る、又は特許請求の範囲内にあるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、実例、又は例示としての役割を果たすこと」を意味し、「好ましい」又は「他の例よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載された技術の理解を提供することを目的とした具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技術は、これらの具体的な詳細なしに実施することができる。一部の例では、説明された例の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスが、ブロック図の形式で示されている。
【0106】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作製又は使用することができるように提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載の実施例及び設計に限定されるものではなく、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)を含むハウジングであって、ハウジングの第1端部に共通ポートを含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングの第2端部で前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第1側壁(131-a、231、331-a、431)から前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)まで延びて、前記ハウジングの前記第2端部に第1分割ポート及び第2分割ポートを形成するセプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)と、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)上の側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)であって、前記ハウジングの中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った位置にあり、かつ前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)のそれぞれにおいて同じ形状を有する側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455と、を備え、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)は、前記ハウジングの前記第1端部により近い第1エッジと、前記ハウジングの前記第2端部により近い第2エッジとを含み、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)は、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った方向の幅を有し、前記幅は、前記第1エッジと前記第2エッジとの間で測定され、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記深さは、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の一端から前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の他端まで変化し、その結果、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記一端における前記第1エッジの第1深さは、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記他端における前記第2エッジの第2深さとは異なる、導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項2】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第1部分を含み、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置は、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)の、前記第1部分と重ならない第2部分に沿って位置する、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項3】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置は、少なくとも部分的に、前記共通ポート、前記第1分割ポート、及び前記第2分割ポートの間のインピーダンス整合メトリック、前記第1分割ポートと前記第2分割ポートの間のアイソレーションメトリック、又はその両方に基づいている、請求項1又は2に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項4】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)は、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)にあるステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項5】
前記ステップの高さは、前記導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)の動作周波数の波長の10分の1未満であり、前記ステップの幅は、前記動作周波数の波長の10分の1から2分の1の範囲内である、請求項4に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項6】
前記ステップの高さは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿って変化する、請求項4又は5に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項7】
前記ステップは、前記ハウジングの内部の周囲に延びる、請求項4~6のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項8】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)は、少なくとも部分的に前記ステップの高さに基づいて、前記ハウジングの前記第2端部と前記ステップの第1エッジとの間に位置する前記中心軸に沿った第2位置において第1距離により分離されており、かつ前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置において第2距離により分離されている、請求項4~7のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項9】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)は、前記ハウジングの前記第1端部と、前記ステップの前記第1エッジよりも前記第1端部に近い前記ステップの第2エッジとの間に位置する前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第3位置において、前記第1距離より分離されている、請求項8に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項10】
前記第1距離は前記第2距離よりも大きい、請求項8又は9に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項11】
前記第1距離は前記第2距離よりも小さい、請求項8又は9に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項12】
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)は、少なくとも部分的に前記ステップに基づいて、前記第2位置において第3距離により分離されており、かつ前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記位置において第4距離により分離されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項13】
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)は、前記ハウジングの前記第1端部と前記ステップの第2エッジとの間に位置する前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第3位置において、前記第3距離により分離されている、請求項12に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項14】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1側壁(131-a、231、331-a、431)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第1部分を含み、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第2部分を含み、
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第1側壁(141-a、141-b、241、341-a、341-b)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第3部分を含み、
前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第2側壁(142-a、142-b、242、342-a、342-b)は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第4部分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項15】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記部分と、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記対応する側壁との間の第1角度は、40度から90度の間である、請求項14に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項16】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1部分、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2部分、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第3部分、及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第4部分は、同じ幅を有する、請求項14又は15に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項17】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1部分の中心、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2部分の中心、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第3部分の中心、及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第4部分の中心は整列している、請求項14~16のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項18】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った前記ハウジングの第1部分を含み、前記導波路デバイスは、
前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)の前記第1部分に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁及び前記第2セットの対向側壁上の第2側壁形状を更に含む、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項19】
前記第1分割ポート及び前記第2分割ポートは、前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った前記ハウジングの第1部分を含み、前記導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)は、
前記ハウジングの前記第1部分に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)上の第2側壁形状(356-a、356-b、456)を更に含む、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項20】
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)は、前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の少なくとも一部上にある、請求項19に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項21】
前記ハウジングは、
前記共通ポートを含む共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)と、
前記セプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)の第1部分を含む偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)と、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1側壁(131-a、231、331-a、431)から前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2側壁(132-a、132-b、232、332-a、432)まで延びる前記セプタム(150-a、150-b、250、350-a、450)の第2部分によって分離される第1分割導波路(161-a、361-a)及び第2分割導波路(162-a、362-a)を含む分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)と、を含む、請求項1~7及び請求項14~17のいずれか一項に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項22】
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の第1エッジ及び第2エッジは、前記ハウジングの前記共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)内に位置し、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジ及び前記第2エッジは、前記ハウジングの前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置し、又は、
前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジは、前記共通導波路部(110-a、110-b、210、310-a、310-b、410)内に位置し、前記第1エッジは、前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置する、請求項21に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項23】
前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った第2位置にある、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)上の第2側壁形状(356-a、356-b、456)を更に含み、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の第1エッジ及び第2エッジは、前記ハウジングの前記分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)内に位置し、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の前記第1エッジ及び前記第2エッジは、前記ハウジングの前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置し、又は、
前記第2側壁形状(356-a、356-b、456)の前記第2エッジは、前記分割導波路部(160-a、160-b、260、360-a、360-b、460)内に位置し、前記第1エッジは、前記偏波器部(120-a、120-b、220、320-a、320-b、420)内に位置する、請求項21又は22に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項24】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第1部分は、前記ハウジングの前記第1端部と前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジとの間に延在し、前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第1部分は、前記ハウジングの前記第1端部と前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジとの間に延在し、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第2部分は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジに隣接し、前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第2部分は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジに隣接する、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項25】
単一のステップが、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1部分と前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2部分との間に配置されており、更に、前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第1部分と前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第2部分との間に配置されており、前記単一のステップは、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジ及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジを含む、請求項24に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項26】
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第1部分は、前記共通ポートを形成し、
前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第2部分は、前記ハウジングの偏波器部を形成する、請求項25に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項27】
前記第1深さは、前記単一のステップと、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第1部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第1部分との間である、請求項26に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項28】
前記第2深さは、前記単一のステップと、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の前記第2部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の前記第2部分との間である、請求項27に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項29】
前記単一のステップの前記第1エッジは、前記共通ポートを形成する、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第1部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第1部分に隣接する、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項30】
前記単一のステップの前記第2エッジは、前記ハウジングの偏波器部(120、220、320、420)を形成する、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)の第2部分及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)の第2部分に隣接する、請求項29に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項31】
前記側壁形状は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジ及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジを含むインセットステップを含み、前記インセットステップの前記第1エッジは、前記ハウジングの共通導波路部(110、210、310、410)内にあり、前記インセットステップの前記第2エッジは、前記ハウジングの偏波器部(120、220、320、420)内にある、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【請求項32】
前記側壁形状は、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第1エッジ及び前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)の前記第2エッジを含むインセットステップを含み、前記側壁形状(155-a、155-b、255、355-a、355-b、455)は、前記ハウジングの共通導波路部(110、210、310、410)、前記ハウジングの偏波器部(120、220、320、420)、又はその両方内にあり、前記導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)は、
前記ハウジングの分割導波路部(160、260、360、460)内にある前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った位置にある、前記第1セットの対向側壁(130-a、130-b、330-a、330-b)及び前記第2セットの対向側壁(140-a、140-b、340-a、340-b)上の第2側壁形状(356、456)を更に含み、
前記第2側壁形状(356、456)は、前記ハウジングの前記第1端部により近い第1エッジと、前記ハウジングの前記第2端部により近い第2エッジとを含み、
前記第2側壁形状(356、456)は、前記ハウジングの前記中心軸(121-a、121-b、221、321-a、321-b、421)に沿った方向の幅を有し、前記幅は、前記第2側壁形状(356、456)の前記第1エッジと前記第2側壁形状(356、456)の前記第2エッジとの間で測定され、
前記第2側壁形状(356、456)の深さは、前記第2側壁形状(356、456)の一端から前記第2側壁形状(356、456)の他端まで変化し、その結果、前記第2側壁形状(356、456)の前記一端における前記第1エッジの第1深さは、前記第2側壁形状(356、456)の前記他端における前記第2エッジの第2深さとは異なる、請求項1に記載の導波路デバイス(105-a、105-b、205、305-a、305-b、405、505)。
【国際調査報告】