(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】生分解可能で堆肥化可能な成形質量組成物、成形品、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 65/46 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
B65D65/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021575242
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 IB2020000518
(87)【国際公開番号】W WO2020254877
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521550275
【氏名又は名称】イーピーエス グローバル マーケティング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ティーフェンバッヒャー,カール,エフ.
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA01
3E086AB01
3E086AD05
3E086AD06
3E086BB90
3E086CA01
3E086CA11
3E086DA08
(57)【要約】
本発明は、生分解可能で堆肥化可能な成形質量組成物、成形質量、成形品、コーティング溶液、ならびにそれらの製造のためのシステムおよび方法を特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形質量組成物であって、
液体成分を含み、
前記液体成分は、水成分と非液体可溶性固体成分とを含み、
前記非液体可溶性固体成分は、デンプン成分と繊維成分とを含み、
前記成形質量組成物の総質量を基準とした、前記成形質量組成物内の全液体含有量は、57重量%から65重量%の範囲内であり、
デンプンおよび繊維の重量%の比率は、
前記デンプン成分が94重量%、前記繊維成分が6重量%から、
前記デンプン成分が49重量%、前記繊維成分が51重量%の範囲内であり、
前記デンプン成分は、複数のデンプン顆粒を含み、前記複数のデンプン顆粒は、顆粒直径下限値および顆粒直径上限値を含む範囲の、選択された顆粒直径サイズを有し、
前記繊維成分は、複数の繊維を含み、前記複数の繊維の各々は、前記顆粒直径上限値の1倍から250倍の範囲内の繊維長さを有する成形質量組成物。
【請求項2】
前記繊維成分が、10~2500μmの範囲のサイズ分散を有する、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項3】
前記デンプン成分が、1μm~120μmの範囲のサイズ分散を有する、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項4】
前記デンプン成分が、天然デンプン、化学加工天然デンプン、物理加工天然デンプン、遺伝子加工天然デンプン、および前記デンプン成分の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されるデンプン成分である、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項5】
前記デンプン成分が、天然ジャガイモデンプンを含む、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項6】
前記デンプン成分が、予め糊化された形態を有する物理加工デンプンを含む、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項7】
離型剤をさらに含む、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項8】
前記離型剤が、最低12個の炭素原子を含む鎖長を有する飽和長鎖脂肪酸を含む、請求項7に記載の成形質量組成物。
【請求項9】
前記離型剤が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸からなる群から選択される酸を含む、請求項8に記載の成形質量組成物。
【請求項10】
前記離型剤が複数の離型粒子を有する粉末の形態であり、各粒子が80メッシュ未満のメッシュサイズを有する、請求項7に記載の成形質量組成物。
【請求項11】
前記離型剤が、前記成形質量組成物中の前記非液体可溶性固体成分の総質量を基準として、0.1~2.4重量%の比率である、請求項7に記載の成形質量組成物。
【請求項12】
テクスチャライザーをさらに含む、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項13】
前記前記テクスチャライザーが、反応性無機成分、非反応性無機成分、および前記2つの成分の組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の成形質量組成。
【請求項14】
前記成形質量組成物が無機成分を含むテクスチャライザーを含み、
前記成形質量組成物中の前記無機成分の含有量が、前記成形質量組成物の全非液体可溶性固体成分を基準として、0を超えて16.5重量%までの範囲内である、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項15】
可塑剤の添加物をさらに含み、
前記可塑剤が尿素である、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項16】
前記尿素が、前記でんぷん成分の総質量を基準として、0重量%を超えて9重量%までの範囲の濃度を有する、請求項14に記載の成形質量組成物。
【請求項17】
前記デンプン成分1kg当たり0を超えて2mmolまでの範囲のホウ酸塩の濃度で複数のホウ酸塩イオンをさらに含む、請求項1に記載の成形質量組成物。
【請求項18】
成形質量組成物の調製方法であって、
液体成分を選択する工程と、
非液体可溶性固体成分を選択する工程とを含み、
前記液体成分は水成分を含み、
前記非液体可溶性固体成分は、デンプン成分および繊維成分を含み、
デンプンおよび繊維の重量%の比率は、
前記デンプン成分が94重量%、前記繊維成分が6重量%から、
前記デンプン成分が49重量%、前記繊維成分が51重量%の範囲内であり、
前記デンプン成分は、複数のデンプン顆粒を含み、前記複数のデンプン顆粒は、顆粒直径下限値および顆粒直径上限値を含む範囲の、選択された顆粒直径サイズを有し、
前記繊維成分は、複数の繊維を含み、前記複数の繊維の各々は、前記顆粒直径上限値の1倍から250倍の範囲内の繊維長さを有し、
前記成形質量組成物の総質量を基準とした、57重量%から65重量%の範囲内の液体含有量を含む前記成形質量組成物内の全液体含有量によって特徴付けられる第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量を形成するための調製システムを使用して、前記液体成分および前記非液体可溶性固体成分を混合および混練する工程を含む、成形質量組成物の調製方法。
【請求項19】
前記混合および混練する工程が、前記混合および混練する工程中に、前記液体成分を前記非液体可溶性固体成分に段階的に添加する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ガスが前記成形質量組成物内に入るのを実質的に除去または防止するための真空を、準備するシステム内に生成する工程をさらに含む、請求項18に記載の成形質量組成物の調製方法。
【請求項21】
標的成形を開放構成で提供する工程と、
前記成形の詳細を充填するために、前記成形質量組成物の選択部分を前記標的成形内に堆積させる工程と、を含み、
前記選択部分は、前記標的金型の体積よりも小さい選択部分体積を有する、請求項18に記載の成形質量組成物の調製方法。
【請求項22】
必要に応じて前記標的金型を閉じる工程と、
成形体の総質量を基準として、前記成形体の残液量が6質量%以下であることを特徴とする第2の塑性弾性テクスチャー及びコンシステンシーを有する成形体を形成するために、前記標的金型を、前記成形質量組成物を熱硬化させるための選択硬化時間の間、185℃~225℃の範囲の選択硬化温度に加熱する工程と、をさらに含み、
熱硬化後、前記成形体の構造マトリックス中に実質的な蒸気圧は残らず、
熱硬化後、前記成形質量組成物は、前記成形体の構造マトリックスのガラス点を超えて固化する、請求項21に記載の成形質量組成物の調製方法。
【請求項23】
前記成形体を密閉された加湿部またはチャンバに通す工程と、
前記成形体が0.45~70の範囲の水分活性を有するまで前記加湿部または前記チャンバに湿った空気流を供給する工程とをさらに含み、
安全な微生物学的状態が、前記密閉された加湿部またはチャンバ内で維持される、請求項22に記載の成形質量組成物の調製方法。
【請求項24】
請求項1に記載の成形質量組成物を含む成形質量であって、
前記成形質量組成物が、第1の塑性-弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する前記成形質量を形成するための混合および混練処理を受ける、成形質量。
【請求項25】
成形体用の生分解可能で堆肥化可能なコーティング溶液であって、
堆肥化可能な液体溶剤ベースと、
堆肥化可能な固体部分とを備える、生分解可能で堆肥化可能なコーティング溶液。
【請求項26】
前記堆肥化可能な液体溶媒ベースが水を含む、請求項25に記載の生分解可能で堆肥化可能なコーティング溶液。
【請求項27】
噴霧装置および加熱装置を含むコーティングゾーンを備える、生分解可能で堆肥化可能なコーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
増加する体積の廃棄物流は、日常生活の多くの製品の取扱い及び流通を特徴づける。例えば、食品流通およびサービス産業では、何十億もの大量の非生分解性物品がすべての大陸で廃棄物流に終わる。ポリマーコートされたカートンベースの製品または発泡スチロールベースの製品は、10~100年の範囲の期待寿命を有する。このような物品は、環境コストが最適化されない、技術的に成熟した大量生産プロセスから製造される。
【0002】
これらの非生分解性材料に関連する環境コストが存在することは、特に、材料が生産から廃棄まで、すなわち揺りかごから墓地まで考慮される場合に、広く一般に認識されている。これらの環境費用は、実施例の場合、生分解性または環境中立性の代替物よりもかなり高い可能性がある。
【0003】
しかしながら、非生分解性材料の置換は複雑である。現代の加工、包装、貯蔵、配送、サービス、および消費には、多種多様な流体および固体物のための適切な包装材料が必要である。配送および食品および飲料の消費にはボウル、クラムシェル、容器、カップ、ベーキングパン、プレート、トレイ、または当技術分野で知られている他の有用な構造を含むが、これらに限定されない、様々な使い捨て容器が必要である。包装は環境の影響、劣化、および損傷から保護しなければならないが、短期間のアプリケーションのための長期間の包装の使用は環境的に無責任であるとますます考えられている。
【0004】
毎年、プラスチック被覆紙または厚紙;ポリエチレンまたはPE、ポリプロピレンまたはPP、ポリスチレン、および発泡ポリスチレンなどの様々なプラスチック材料;ガラス;ならびに食品用途および非食品用途の両方のための金属から製造される使い捨て容器がある。比較的短い耐用年数の後、何十億もの使い捨て容器が、多くが容易に分解できない廃棄物流に入る。さらに、そのような物品をより軽量にすることに広い注意が集まっているが、そのような「軽量」物品を製造するために何百万トンもの原料を使用することは環境コストを有する。
【0005】
例えば、発泡ポリスチレンは、軽量で、安定で、現行の用途に最適化された非環境費用である。発泡ポリスチレンの製造は、ポリスチレンのためのベンゼンおよびスチレン、ならびに、発泡のための伝統的な発泡剤および膨張剤を含む危険な化学物質を含む。しかしながら、近年、より有害でない発泡剤に向けた努力がなされている。
【0006】
使い捨て容器の材料のリサイクルは、それ自体の環境的及び政治的な複雑さを呈する。
【0007】
上記の課題に応じて、粉、繊維、および不活性無機充填剤をベースとする成形生分解性物品は、過去25年間でますます議論されてきた。しかしながら、現在の技術の生分解性物品は、広範な用途を有するとは思われない。課題としては、信頼性の高い熱成形加工、後熱加工、および工業的大量生産の文脈における取り扱いを可能にする成形質量組成物の同定が挙げられる。さらに、エンドユーザにとって十分に便利で使いやすい材料または物品は、既存の非持続可能物品を持続可能物品に置き換える消費者の意欲を生じさせるために必要である。
【0008】
現在の技術は、流体または半液体のペースト状またはバッター状の成形質量、または比較的硬い生地状の成形質量を教示している。成形プロセスの温度および圧力条件に沿った成形質量および金型の表面特性は、金型残留物を生じる離型剤の使用を必要とし得る。このような成形残留物は、連続使用後に成形の表面特性を変化させる可能性がある。例えば、離型プロセス中に金型に適用される離型脂質の熱分解および重合は、金型上に残留物を生じ得る。金型残留物は熱伝達特性の潜在的な変化を伴う、より滑らかでなく鈍い金型表面を生成し、これは、次に、成形品の表面の滑らかさおよび光沢に影響を及ぼす。塩および脂肪酸の離型は化学的および/または物理的に強力な洗浄による定期的な除去を必要とし、生産ラインの停止を必要とし、時間が経つにつれて金型表面を劣化させる鉱物残留物をもたらす可能性がある。
【0009】
さらに、現在の技術で教示されているように、流体または半液体のバッターまたはペーストを含む成形質量の熱処理は、多くの水蒸気を生成する。次いで、発生する水蒸気は、成形品中の空隙の量、寸法および分布に影響を及ぼす。熱成形品は一般に、物品の中心でより大きく、物品のエッジに向かってサイズが減少し、物品の表面に光学的に存在しない少なくともいくつかの空隙を含むことができる。水蒸気を発生させることによって熱成形工程中の寸法及び量及び分布が制御された内部細孔は、例えば、破損に対するより大きな安定性及び/又は破損のない改良された曲げ角度を含む改良された機械的性質を有する成形品をもたらすことができる。得られる成形品はより軽量であり、それによって材料を節約することができる。しかし、発生する水蒸気が多すぎると、不均一なパターンで分布する内部空隙が大きすぎる、および/または多すぎることになる。このような制御されていない内部ボイドの発生は、成形品の内部凝集性を損なう。
【0010】
現在の技術で教示されているように、硬い生地様の成形質量は、不規則な分割および不完全な成形につながる可能性がある。離型工程において、硬い生地様の質量は鋳型押出ベントの詰まり、ボブルを含む押出成形材料のトラブル、および/またはエッジのほつれをもたらし得る。
【0011】
小麦粉、繊維、および他の成分などの天然材料から作製された包装容器、トレイ、プレート、およびボウルなどの完全に生分解性の使い捨て物の特性を改善する必要がある。
【0012】
発明の概要
本発明は、水、デンプンおよび繊維をベースとする改良された特定の組成物を特徴とする。デンプン成分は、小麦粉または粉末の形態であり得る天然およびアルファ化前デンプンの組み合わせを含むことができる。特定の組成物は、熱成形後の物品の新しい残留物のない剥離のための選択された離型剤を含むことができる。組成物は、第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する非流体成形質量のために調製される。成形質量は、第2の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形された生分解性および堆肥化可能な物品の工業的製造のために形成される。本発明の成形質量組成物、成形質量、ならびに調製および加工方法は、様々な形状および構造を有する成形品および/または物品の形成を可能にする。また、本発明は、完成品および部品を形成するための、熱成形後の処理および取扱い方法をさらに特徴とする。
【0013】
以下の用語は、本出願の目的のために定義される。
【0014】
「可塑性」という用語は、選択された作用力に応じて、破断せずに形状の非可逆的変化を受ける材料の変形能力をいう。
【0015】
「プラスチック」材料という用語は、中間の大きさの応力を含む選択された印加力に応答して破断することなく、形状の非可逆的変化を受けることができる材料を指す。
【0016】
用語「弾力性」とは、変更された作用力に応じて破断することなく、材料が可逆的に形状が変化する変形能力をいう。
【0017】
「弾性材料」という用語は、中間の大きさの応力を含む選択された印加力に応答して破断することなく形状を可逆的に変化させることができる材料を指す。
【0018】
「可塑性-弾性テクスチャおよびコンシステンシー」という用語は、少なくともいくらかの可塑性および少なくともいくらかの弾性を含む材料特性を指す。
【0019】
「堆肥化可能」とは、以前は米国材料試験協会として知られていたASTM International(以下「ASTM」という)の基準に合致する堆肥化可能な材料をいう。堆肥化可能なプラスチックはASTM D6400によって「堆肥化中に生物学的プロセスによって分解され、他の公知の堆肥化可能な材料と一致する速度で二酸化炭素(CO2)、水、無機化合物、およびバイオマスを生成し、目に見える、識別可能な、または有毒な残留物を残さないプラスチック」と定義されている。ASTM D6400-堆肥化可能性試験は都市および産業の好気性堆肥化施設において堆肥化可能であるように設計されたプラスチックおよびプラスチックから作られた製品を対象とする。ASTM D6400-堆肥化可能性試験が「都市および産業の堆肥化施設において堆肥化可能である」として、プラスチックから作られたパッケージを含む材料および製品のラベル表示のための要件を確立する ASTM D6400-堆肥化安定性試験で試験された特性は、プラスチックおよびプラスチックから製造された製品が既知の堆肥化可能な材料に匹敵する速度で生分解することを含めて、十分に堆肥化するかどうかを決定する。さらに、標準における特性は、これらの材料の劣化が堆肥化プロセスから生じる堆肥の価値または有用性を減少させないことを保証するために必要とされる。標準ASTM D6868-17は、都市施設または工業施設において好気的に堆肥化されるように設計された紙および他の基材を用いて、プラスチックおよびポリマーをコーティングまたは添加剤として組み込む最終品目の標識のための標準仕様を規定する。この規格は生分解性プラスチックおよび製品(包装を含む)を対象とし、プラスチックフィルムまたはシートが(紙上に直接積層または押出成形によって)基材に取り付けられ、製品またはパッケージ全体が、都市および産業の好気性堆肥化施設で堆肥化されるように設計される。この規格は、生分解性プラスチックのコーティングを使用したパッケージを含む材料および製品のラベル表示のための要件を「都市および工業堆肥化施設で堆肥化可能」として確立することを意図している。この規格における特性は、プラスチックフィルムまたはシートを使用する製品(パッケージを含む)が公知の堆肥化可能な材料に匹敵する速度で生分解することを含めて、満足に堆肥化するかどうかを決定するために必要とされる特性である。さらに、標準における特性は、これらの材料の劣化が堆肥化プロセスから生じる堆肥の価値または有用性を減少させないことを保証するために必要とされる。
【0020】
「堆肥化可能である」という用語はまた、ISO-国際標準化機構(国際)、以下「ISO」の規格に合致する堆肥化可能な材料を指す。ISO 17088:2012標準は、以下の特徴:a)生分解;b)堆肥化中の分解;c)堆肥化プロセスおよび施設に対する負の効果;ならびにd)高レベルの規制された金属および他の有害成分の存在を含む、得られる堆肥の品質に対する負の効果を議論する。
【0021】
「堆肥化可能である」という用語は、CEN-European Committee for Standardization for European Union(以下、「CEN」)の基準と一致する堆肥化可能材料をさらに指す。CEN-EN 13432堆肥化安定性標準は、以下の特徴を議論する:全ての成分の開示、および重金属の閾値を含む化学試験;制御された堆肥化状態(酸素消費およびCO2の生成)における生分解性:有機材料の少なくとも90%が6ヶ月以内にCO2に変換されるという証明がなされなければならない;分解:3ヶ月の堆肥化および2mmふるいを通したその後のふるい分けの後、元の質量と比較して10%以下の残留物が残存し得る;半工業(または工業)堆肥化施設における堆肥化安定性の実用試験:堆肥化プロセスに対する負の影響が許容されない;および生態毒性試験:結果として生じる堆肥の植物成長への影響の試験(農業試験)。
【0022】
「生分解」という用語は、細菌および真菌または他の生物学的活性のような微生物による物質の自然発生的な分解を指す。自然発生的な過程としての生分解は、特定の一連の環境下で生分解が起こるヒト主導のプロセスである堆肥化と区別できる。「生分解」という用語は、ASTM D5526-18規格(加速埋め立て条件下でのプラスチック材料の嫌気性生分解の決定のための標準試験方法を含む)、ASTM D5511-18規格(高い固体嫌気性消化条件下でのプラスチック材料の嫌気性生分解の決定のための標準試験方法を含む)、およびASTM D5338-15規格(制御堆肥化条件下でのプラスチック材料の好気性生分解の決定のための標準試験方法を含む、温度を組み込む)と一致する。
【0023】
用語「1つまたは複数の物品」は、対応する完成品を組み立てるために使用することができる、対応する完成品の完成品および/または部品を指すか、または関連する。
【0024】
用語「成形品」は熱成形を受けているが、場合によっては完成品および/または完成品の部品を形成するために後熱成形処理を受けることができる、完成品の物品および/または一部を指すか、または関連する。
【0025】
用語「完成品」は、使用および/または使用のための組立体のために十分に完成した物品および/または物品の部分を指すか、または関連する。
【0026】
用語「水化物」は、成形質量組成の非液体可溶性固体成分への水の付着を指すか、または関連する。
【0027】
「細孔(複数可)」という用語は熱成形工程中の成形品の非限定的な実施例のために、その中での空隙(複数可)の制御された生成を指すか、または関連する。
【0028】
「空隙」という用語は、他の固体物品内の任意の種類の空気、水蒸気、ガス、水、および/または液体で満たされた穴を指す。
【0029】
本発明は、成形された生分解性および堆肥化可能な物品の大規模な工業的サイズの大量生産を可能にすることができる。水、デンプン粉、繊維、および他の任意のまたは少量の成分を含む特定のまたは選択された成形質量組成が記載される。新しい離型システムを提供する。本発明は混合および混練によって製造された、実質的に空気のない、非流動性の、塑性弾性の成形質量を特徴とする。成形質量を生分解性物品に熱成形するための、およびさらなる後熱処理および取扱いのためのプロセス要件が提供される。成形された生分解性および堆肥化可能な物品には、非限定的な実施例として、ボウル、クラムシェル、容器、カップ、卵トレー、肉トレー、ベーキング用パン、プレート、任意の物品用トレー、または当技術分野で公知のさらなる有益な物体構造などの様々なタイプの容器が含まれる。
【0030】
成形された生分解性および堆肥化可能な物品の組成は従来の方法で廃棄物焼却または埋立地に廃棄した場合でさえ、それらが環境的に中性であり、さらなる環境上の危険を引き起こさないようなものである。
【0031】
したがって、本発明は、上記のような生分解性物品の工業的製造における課題を克服する。
【0032】
本発明の目的は、水、デンプン粉、繊維、および安定な連続熱成形加工および可能なさらなる後熱成形加工のための少量または任意成分を含む生分解性および堆肥化可能な成形質量組成を提供して、成形品および最終的に完成した物品の圧縮、引張、曲げ、および凝集強度、多孔度、硬さ、剛性、および表面特性要件を達成または提供することを含む。
【0033】
本発明の目的は、最大225℃まで、好ましくは最大215℃まで、185℃~225℃の範囲、好ましくは190℃~215℃の範囲、より好ましくは190℃~210℃の範囲で、約200℃の熱成形温度で、対応する金型に対する実質的な汚れを回避する離型システムを提供することを含む。高分子および/または無機残留物による成形汚れの回避は、連続操作における対応する成形の表面の望ましくない改質を回避する。
【0034】
本発明の目的は、成形質量組成の複数の選択されたデンプン顆粒および繊維のための選択されたサイズまたはサイズシステムによって、改善された内部凝集性および所定の疎水性を有する成形質量を提供することを含む。
【0035】
本発明の目的は、実質的に滑らかな第1の塑性弾性テクスチャおよびコンシステンシーのために準備することができる成形質量を提供することを含み、成形質量は次いで、対応する標的金型のアンダーフィルまたはオーバーフィルの危険性または可能性を実質的に低減または排除しながら、対応する標的金型に選択および/または実質的に正確な部分に分割および/または分配することができる。
【0036】
本発明の目的は、成形質量のための選択されたサイジングシステムの使用によって、対応する標的金型を実質的に均質に充填することができる成形質量を提供することを含む。成形質量サイジングシステムは、さもなければ成形物品のマトリックス中に不均質に埋め込まれるのであろう大きな繊維混入物を排除および/または回避する。および/または対応する標的金型の押出開口部を詰まらせる。同時に、離型工程中の物品エッジにおけるほつれの危険性が実質的に低減される。
【0037】
本発明の目的は、熱処理中の水蒸気の過剰および/または過剰な発生を回避し、それによって成形品の構造マトリックス内に細孔の制御されたサイズ分布を生成し、成形品中に過剰サイズ、過剰量および/または不均一な分布パターンの空隙を形成する危険性を低減および/または排除する成形質量を提供することを含む。
【0038】
本発明の目的は、約200℃から225℃まで、好ましくは215℃まで、より好ましくは190℃から210℃までの比較的速い熱成形のための第1の塑性-弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量を提供することを含み、成形質量は、標的金型における比較的容易かつ実質的に均一な分配のためのテクスチャーおよびコンシステンシー、ならびに熱褐変またはカラメル化反応による成形品の着色の変化を引き起こし得る構成要素または特性の回避によって特徴付けることができる。
【0039】
本発明の目的は、成形質量の混合、分割、および正確な蒸着のためのプロセスを提供することを含む。
【0040】
本発明の目的は、成形品および完成品の連続インライン大量生産のための専用装置を提供することを含む。
【0041】
本発明の目的は、規定された投与後に分解性および持続性基準を含むアプリケーションに適した成形品の形成を含む。
【0042】
一実施形態では、本発明は以下を含む成形質量組成物を特徴とする:液体成分;ここで、液体成分は水成分を含む;および非液体可溶性固体成分;ここで、非液体可溶性固体成分はデンプン成分および繊維成分を含む;ここで、成形質量組成物中の総液体含有量は57質量%~65質量%の範囲である。デンプン/繊維重量%比率はデンプン組成物の総質量に基づいて、94重量%の範囲であり、繊維組成物の6重量%対デンプン組成物の49重量%であり、繊維組成物の51重量%であり、デンプン組成物は顆粒径下限および顆粒径上限値を含む選択された顆粒径範囲を有する複数のデンプン顆粒を含み、繊維組成物は複数の繊維を含み、複数の繊維の各々は、顆粒径上限値の1~250倍の範囲の繊維長を有する。
【0043】
一実施形態では、本発明は繊維成分が10~2500ミクロンの範囲のサイズ分散を有する成形質量組成を特徴とする。
【0044】
一実施形態では、本発明はデンプン成分が1μm~120μmの範囲のサイズ分散を有する成形質量組成を特徴とする。
【0045】
一実施形態において、本発明は、デンプン成分が天然デンプン、化学的に変性された天然デンプン、物理的に変性された天然デンプン、遺伝的に変性された天然デンプン、および前述のデンプン成分のうちの少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されるデンプン成分である成形質量組成物を特徴とする。
【0046】
一実施形態では、本発明は、デンプン成分が天然ジャガイモデンプンを含む成形質量組成を特徴とする。
【0047】
一実施形態において、本発明は、デンプン成分がアルファ化された形態を有する物理的に変性されたデンプンを含む成形質量組成物を特徴とする。
【0048】
一実施形態では、成形質量組成が離型剤をさらに含む。
【0049】
一実施形態では、離型剤が最低12個の炭素原子を含む鎖長を有する飽和長鎖脂肪酸を含む。
【0050】
一実施形態では、本発明は、離型剤がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸からなる群から選択される酸を含む成形質量組成物を特徴とする。
【0051】
一実施形態では、本発明は、離型剤が複数の離型粒子を有する粉末の形態であり、各粒子が80メッシュ未満のメッシュサイズを有する成形質量組成を特徴とする。
【0052】
一実施形態では、本発明は、離型剤が成形質量組成物中の非液体可溶性固体成分の総質量に基づいて0.1~2.4重量%の比率である成形質量組成物を特徴とする。
【0053】
一実施形態では、成形質量組成がテクスチャライザをさらに含む。
【0054】
一実施形態では、本発明は、テクスチャライザが反応性無機成分、非反応性無機成分、および前述の2つの成分の組合せからなる群から選択される成形質量組成物を特徴とする。
【0055】
一実施形態では、本発明は、成形質量組成物であって、成形質量組成物が無機成分を含むテクスチャライザを含み、成形質量組成物中の無機成分の含有量が成形質量組成物の全非液体可溶性固体成分を基準にして0~16.5重量%の範囲内である成形質量組成物を特徴とする。
【0056】
一実施形態によると、前記成形質量組成物は可塑剤添加剤をさらに含み、前記可塑剤は尿素である。
【0057】
一実施形態では、本発明は、尿素がでんぷん成分の総質量を基準として0重量%を超えて9重量%の範囲の濃度を有する成形質量組成物を特徴とする。
【0058】
一実施形態では、成形質量組成がデンプン成分1kg当たり0~2mmolを超えるホウ酸塩の範囲の濃度で複数のホウ酸イオンをさらに含む。
【0059】
一実施形態では、本発明は、成形質量組成物を特徴とし、成形質量組成物は第1の塑性弾性テクスチャおよびコンシステンシーを有する成形質量の形成のために混合および混練処理を受ける。
【0060】
別の態様では、本発明は、液体成分を選択するステップであって、液体成分が水成分を含み、非液体可溶性固体成分を選択し、非液体可溶性固体成分がデンプン成分および繊維成分を含み、デンプン/繊維重量%比率がデンプン成分の94重量%の範囲であり、繊維成分の6重量%~49重量%であり、繊維成分の51重量%であり、デンプン成分が顆粒直径下限および顆粒直径上限値を含む選択顆粒直径範囲を有する複数のデンプン顆粒を含み、繊維成分が複数の繊維を含み、複数の繊維の各々が顆粒直径上限値の1~250倍の範囲の繊維長を有する、ステップと、成形質量組成物の総質量に基づく57~65重量%の範囲の液体含有量を含む成形質量中の全液体含有量によって特徴付けられる第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量を形成するための調製システムを使用して、液体成分および非液体可溶性固体成分を混合し、混練するステップとを含む成形質量を調製する方法を特徴とする。
【0061】
一実施形態では、本発明は、混合および混練工程が混合および混練工程中に液体成分を非液体可溶性固体成分に段階的に添加する工程を含む、成形質量を調製するための方法を特徴とする。
【0062】
一実施形態では、成形質量を調製するための方法は、ガスが成形質量に入るのを実質的に除去または防止するために、調製システム内に真空を生成するステップをさらに含む。
【0063】
一実施形態では、成形質量を調製する方法は、開放構成で標的金型を提供する工程と、金型の詳細を充填するために、成形質量の選択部分を標的金型に堆積する工程とをさらに含み、選択部分は標的金型の体積よりも小さい選択部分体積を有する。
【0064】
一実施形態では、成形質量を調製するための該方法は、必要に応じて標的金型を閉じるステップと、成形質量で満たされた標的金型を、成形品の全質量に対して6質量%以上の成形品残留液含有量を特徴とする第2の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形品を形成するために、成形質量を熱硬化させるための閉じ硬化時間の間、185℃~225℃の範囲の閉じ硬化温度まで加熱するステップとをさらに含み、熱硬化後、成形品の構造マトリックス中に実質的な蒸気圧が残らず、成形質量が成形品の構造マトリックスのガラス点を超えて固化されるステップと、を含む。
【0065】
一実施形態では、成形塊を調製するための方法が成形品を密閉加湿部またはチャンバ内に通す工程と、成形品が0.45~0.70の範囲の水分活性を有するまで加湿部またはチャンバ内に湿った空気流を提供する工程とをさらに含み、安全な微生物学的条件が密閉加湿部またはチャンバ内に維持される。
【0066】
別の態様では、本発明は、堆肥化可能な液体溶媒ベース部分および堆肥化可能な固体部分を含む成形品のための生分解性の堆肥化可能なコーティング溶液を特徴とする。
【0067】
一実施形態では、本発明は、堆肥化可能な液体溶媒ベースが水を含む、生分解性の堆肥化可能なコーティング溶液を特徴とする。
【0068】
さらに別の態様では、本発明は、スプレー装置および加熱装置を含むコーティングゾーンを含む生分解性堆肥化可能コーティングシステムを特徴とする。
【0069】
これらおよび他の態様、特徴、利点、および目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面を参照することによって、当業者によってさらに理解され、識別されるのであろう。
【0070】
発明を実施するための形態
添付の図面は本発明の詳細な説明を支持し、例示的な実施形態を参照する。添付の図面は、本発明の全範囲を決して限定するものではないと考えられる。
【0071】
図面において:
図1は、本発明の例示的な非限定的な実施形態によるトレイを含む成形品の斜視図を示す;
図2は、非限定的な実施形態による成形品の斜視図および平面図を示す;
図3は、本考案の例示的な実施形態によるトレーを含む成形品の底部の斜視図を示す;
図4は、非限定的な実施形態による成形品の製造工程を示す図である;
図5は、非限定的な実施形態による成形質量を調製するための工程を示す構成図である;
図6は、例示的な非限定的な実施形態による、後熱処理および処理ステップを含む工程を示す構成図である;
図7は、例示的な実施形態による空の底部金型部分の斜視図を示す;
図8は、本発明の例示的な実施形態によるヒンジ付きカバーを有する空の金型の斜視図を示す;
図9は、本発明の例示的な実施形態による、成形された質量の熱硬化を行うための熱硬化系の斜視図を示す;
図10は、本発明の例示的な実施形態による、コーティング噴霧区域への成形品の輸送のための輸送ベルトを示す;
図11は詳細な説明の実施例6に記載されるような耐熱性試験集合体の模式図を示し、
図12は、制御堆肥試料および3つの試験試料についての有機炭素の二酸化炭素への転化率を示す。
【0072】
発明の詳細な説明
現在の技術では、生地またはバッター様成形質量の水媒介成形に基づく成形生分解性物品の製造には異なるアプローチがある。
【0073】
いくつかの現行技術のアプローチは、繊維性材料によって支配される組成物を教示する。小麦粉成分は、湿った繊維プリフォームを安定なマトリックスに接続する接着剤を提供する。繊維材料は、成形段階において機械的安定性および凝集性を提供する。成形質量を標的金型に挿入する。狭い無質量空間が、成形物品と比較して成形質量がより高い密度である熱乾燥および成形プロセスの間に水蒸気を逃がしたり、出たりすることを可能にするために、金型内に保持される。
【0074】
このような手法の実施例としては、EHelouらによる国際公開第2005/021633号、およびEHelselらによる国際公開第2010/118249 A1号が挙げられる。この現在の技術は、成形質量のための主として中程度、長い又は超長い繊維を教示している。さらに、この現在の技術は、ワックスエマルジョンおよび有機または無機架橋成分を20%までのレベルで教示する。この現在の技術は、高繊維組成物が金型内に押出ベントを設けることなく、水蒸気の逃げ出し又は出射のための無質量ギャップを含む標的金型内への金型質量の堆積を可能にすることを教示している。成形質量材料は、繊維によって金型内に保持される。
【0075】
他の現在の技術は、充填剤としての高い割合の無機材料粉末によって支配される組成物を教示する。組成物は、はるかに低いパーセンテージの繊維およびデンプン粉成分を含有する。デンプン粉成分は、湿潤プリフォームを安定なマトリックスに結合および/または接着する。
【0076】
そのようなアプローチの実施例には、パー・アンダーセンおよびシモン・ホッドソンによる公開WO 9419172 A1、WO 9412328 A1、WO 9605254 A1、WO 9612606 A1、およびWO 9723333 A1、ならびにUS 5705239が含まれる。この現在の技術は実質的に、無機組成物を物品にプレスすることを含む成形を教示する。
【0077】
さらに他の現在の技術は、シート又は円錐ウエハ製造原理に基づいて成形物品を教示している。ゼラチン化されていないデンプン粉は、成形質量の主要成分である。成形には、材料および水蒸気の双方の脱出口または出口のための専用開口部が含まれる。成形チャンバは、実質的に完全な充填のため、および初期の水蒸気処理および発泡段階の間に少量の材料を押し出すために十分な材料を保持する。初期の水蒸気処理および発泡段階の間に、多孔質軽量物品が最初に形成される。さらなる乾燥時間の後、離型を行う。成形品のマトリックスは、主に糊化デンプン粉を含む。物品は必要に応じて、他の材料(例えば、実施例として、少量の繊維または充填剤)を加えて強化される。
【0078】
この現行技術の実施例には、Tiefenbacherらによる米国特許第5,376,320号公報が含まれる。この現在の技術は、ウェーハベーキング原理に従って実質的に脂肪を含まない流体デンプンバッターから製造される薄壁堆肥化可能成形体の製造を教示する。主成分としては、デンプンおよび水が挙げられる。この現在の技術は、離型のための脂肪酸および他の離型剤の比較的少量の金属塩の付加的な適用を教示している。
【0079】
さらなる現在の技術は、生分解性物品を製造するための、デンプン粉、不明確なサイズの繊維材料、繊維長および繊維厚さ、ならびにミネラル充填材と一緒の親水コロイドの適用を教示する。この現行技術の実施例には、ドナルドWレンによる公開CA 2654771、US 2007/0292643 A1およびUS 2009/0263601 A1、ならびにUS 7,618,485およびUS 7,700,172が含まれる。この現在の技術は、加熱段階後の物品の安定化のための親水コロイドの選択を教示している。この現在の技術はさらに、成形可能な質量への親水コロイドの形成には高い比率の水が必要であることを教示している。したがって、この現在の技術は、工業的大量生産と一致する最終乾燥物品の製造のための技術的に実行可能で比較的迅速な処理を欠いている。さらに、界面活性剤のような発泡助成剤の添加に関するこの現行技術の教示は発泡助成剤が成形品への迅速な水分移動を促進し、ある割合を超える水分含量が成形品の構造を軟化させ不安定化させるので、問題となり得る。したがって、現在の技術の水性コーティング材料のいずれかによるコーティングは、物品の深刻な変形をもたらす可能性がある。さらに、このようなコーティングは、高温が物品への水分移動を増加させる高温液体の存在下では失敗することがある。
【0080】
本発明は、生分解性および堆肥化可能な成形質量組成、成形質量、ならびに
図1中の成形トレー(2、4、6、8および10)の斜視図に示されるような、非限定的な実施形態のための成形トレーを含む、成形および完成品を特徴とする。
図2を参照すると、本発明の成形および完成した生分解性および堆肥化可能な物品は異なるサイズおよび形状を有する異なるタイプの容器、例えば、限定されない実施形態では、ボウル(12)、開放(14)および閉鎖(16)構成で示されるようなクラムシェル、板(18)、カップ(20)、食事のためのトレイ(22、24)および/または他の物品(26)のためのトレイ、肉トレイ(28)、卵トレイ(30)、ベーキングパン(32)、ならびに物品の比較的短期間の封じ込めのための当技術分野で公知の他の使い捨て容器を含む。
図3は、限定されない例示的な実施形態による成形トレー(36)の底部(34)の斜視図を示す。
【0081】
本発明の物品は、比較的高い滑らかさ、安定性および可撓性を有する均質な成形物品および完成物品を含む。本発明はまた、本発明の生分解性で堆肥化可能な成形品および完成品の製造方法を特徴とする。
【0082】
本発明の製造法(40)は
図4の構成図に示すように、成形質量を準備し(42)、分割し、放出し、それによって準備された成形質量を目標金型内に堆積させ(44)、成形品を形成するために成形質量を熱硬化させ(46)、熱処理および処理後の工程(48)を含む。
図5の構成図を参照すると、成形材料調製工程(50)は、成形材料組成物の構成要素を選択すること(52)、成形材料を調製するために組成物を混合し混練すること(54)、および混合され混練された成形材料を、標的金型内に付着させる前に選択された期間静止させること(56)を含む。
図6を参照すると、後熱処理および取扱い工程(60)は、成形品を標的金型から排出すること(62)、成形品中の湿気を能動的に制御することを含む成形品を任意選択で調整すること(64)、被覆および/またはシール、含浸、および/または積層処理によって成形品の特性を任意選択で修正すること(66)、ならびに必要に応じてさらなる取扱いおよび/または分配のために完成品を排出すること(68)を含むことができる。代替の実施形態では、成形品が後熱処理の前に標的金型から排出されない。この製造方法は大量生産に適しており、製造コストおよび環境コストの点で費用効果が高く、成形品および完成品は環境的に持続可能である。
【0083】
硬化、離型後の成形品の熱処理後の取扱い、および安定性パラメーターの変更のための追加構成を含む熱成形のための技術的パラメーターは、成形された完成品の所望の最終用途または用途に応じて選択および/または変化させることができる。本発明による成形質量製剤のための配合物は、成形品および/または完成品の所望の物質パラメーターおよびインライン製造の容易さのためのそれらの物理的および化学的特性に基づいて相乗的に作用する、必要または必須の構成要素または構成要素の集合を含む。さらに、追加の任意の成分および/または成分は非限定的な実施例のために、表面特性、重さ、柔軟性、および色彩の改変のために議論される。
【0084】
本発明の成形質量組成の主成分または成分としては、水成分を含む液体成分と、デンプン成分および繊維成分を含む非液体可溶性固体成分とが挙げられる。
【0085】
水成分を含む液体成分は、混合および混練後に第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを可能にする量で選択される。第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーは迅速な分配のために、標的金型内での成形質量の比較的容易かつ正確な分割を可能にし、同時に、非液体可溶性固体成分間の間隙空隙の実質的な形成を回避する。液体成分は、非液体可溶性固体成分を水和させる。水和の間、液体成分は非液体可溶性固体成分に付着する。このような液体付着の非限定的な実施例は、非液体可溶性固体成分の全てを液体成分の最小層で実質的に覆うことを含む。水和液体付着の他の非限定的な実施例は、液体成分と非液体可溶性固体成分との間の1つ以上の化学的相互作用、水素結合反応、および/または毛管吸引相互作用を含む。
【0086】
水和に関連する液体付着は、非液体可溶性固体成分の多孔性または膨潤能力の関数である。水和に関連する液体付着の間、液体成分は非液体可溶性成分中の格子間空隙(非限定的な実施例のために、非液体可溶性成分中の格子間空隙を含む)を充填することができる。
【0087】
水成分を非液体可溶性固体成分に添加し、混合した後、生地様テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量が得られる。連続ミキサーおよび/またはバッチミキサーを用いて成形質量をさらに混練すると、滑らかな第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量が得られる。混合および混練工程は成形質量が実質的に滑らかな外観を有し、固体成分が実質的に均質に分配され、成形質量に空気が充填された空隙が実質的になくなるまで、選択された平衡時間行われる。
【0088】
混合および混練は、非限定的な実施例として、成形質量の組成物、密度、粘性、および体積、非限定的な実施例を含む混合および混練ツールの種類、推進体の種類、槽の大きさ、装置の組成物、混合の強さおよび持続時間、ならびに混合ツールを介して導入されるエネルギーに対するミキサの質量装填を考慮して、当業者に知られている混合および混練の原理に従って行われる。非限定的な例示的実施形態では、選択された平衡化時間が5~50分の範囲、好ましくは8~35分の範囲である。混合および混練後、成形質量の水分含量は、その構成要素の水分含量に等しくなる。最小の時間および混合強度は、主として繊維成分のみならず成形質量組成のデンプン成分の実質的に等しい水和のために必要とされる。均等な水和は、温度の上昇と共に改善することができる。成形質量組成の温度は、成形質量組成の1つ以上の成分の温度を上昇させることによって、および/または混合および混練ツールを介して伝達されるエネルギーを組み込むことによって上昇させることができる。成形質量組成物の温度は45℃を超えてはならず、好ましくは40℃を超えてはならず、成形質量組成物中のデンプン成分のいかなる時期尚早の糊化も回避する。
【0089】
液体成分は、水成分に加えて、可溶性および/または乳化成分および/または添加剤を含むことができる。水成分は、任意の溶解性乳化成分を実質的にかつ均質に分散させることができる。したがって、水成分の量は選択された混合および混練後に第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する軟質成形質量を調節または可能にするために、任意の必要な溶解および/または分散のために選択される。
【0090】
好ましい実施形態では添加された水成分、およびデンプンおよび繊維成分または成分の水分含量、および/または任意の他の水溶性および/または乳化成分の液体含量を含む、成形質量組成中の全液体含量は57~65重量%の範囲である。好ましくは57.8~64.9重量%の範囲、より好ましくは59~64重量%の範囲、最も好ましくは59.3~63.4重量%の範囲であり、成形%質量組成物の全質量に対してまたはそれに基づいている。
【0091】
成形質量組成のデンプン成分は、天然デンプン、化学修飾天然デンプン、物理修飾天然デンプン、遺伝子修飾天然デンプン、および前述のデンプンの少なくとも2つの組み合わせから選択されるデンプンを含む。デンプン成分は、粉末および/またはデンプン粉としても知られる粉の形態を有するデンプンを含むことができる。デンプン粉は、複数のデンプン顆粒から構成される。非限定的な実施形態ではデンプン顆粒が粉砕または粉砕されたデンプン源、例えば、非限定的な実施例ではコムギ源および/またはトウモロコシ源から誘導することができる。
【0092】
天然デンプン成分は、他の植物またはそれぞれの供給源植物の他の部分と比較して比較的高いデンプン含量を有する供給源植物または供給源植物の一部に基づく。天然源植物の非限定的な実施例には、コムギ、トウモロコシ、イネ、エンドウマメ、ジャガイモ、およびキャッサバが含まれる。天然源植物部分の非限定的な実施例には、塊茎、根、種子および/または果実が含まれる。以下の表1は、本発明に使用するための天然デンプン植物の非限定的な実施例の典型的なデンプン含量を示す。
【0093】
【0094】
培養植物、主に食品源として- VolPrimarily AS FOOD SOURCES-Vol. I-食料源としてのStarch Bearing Crops-Krisztina. R. Vegh、c Encyclopedia of Life Support Systems(EOLSS)、STARCH BEARING CROPS as food sources、2011; GFuleky(Ed.)主に食品源として栽培されている植物、EOLSS出版社、2009年、pp.253-287: KRVegh Starch bearing crops as食品源。
【0095】
したがって、本発明の成形質量組成中のデンプン成分は、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、モモデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカ型カスサバデンプン、および2つ以上の上記デンプンからなることができる。グルコースのポリマーであるデンプンは、1~140μmの顆粒に組織化されたほとんどの植物に見出すことができる。以下の表は、本発明の成形質量組成のデンプン成分に使用することができる種々のデンプンタイプを列挙する。本発明に使用する前のデンプン加工の技術または製造は、デンプンの基礎となる原料によって異なる。
【0096】
【0097】
好ましい実施形態では、成形質量組成が天然ジャガイモデンプンを含むデンプン成分を含む。より好ましい実施形態において、成形質量組成は、少なくとも50重量の量の天然ジャガイモデンプンを含むデンプン成分を含む。% ・固体成分の総質量に基づく。
【0098】
好ましい実施形態において、デンプン成分は、デンプン成分を構成する天然デンプンに特徴的な水分含有量を含む。非限定的な実施例のために、ジャガイモデンプンを含むデンプン成分は、デンプン成分の総質量に対して18%~21質量%の範囲の含水率を有する。別の非限定的な実施例では、トウモロコシデンプンを含むデンプン成分がデンプン成分の総質量を基準として10~15質量%の範囲内の含水率を有する。
【0099】
一実施形態では、デンプン成分が50℃~70℃の範囲、好ましくは52℃~66℃の範囲のゼラチン化温度を有する。
【0100】
デンプン成分は非限定的な実施例のために、粉砕、抽出、乾燥および/または粉砕処理を含む、当業者に公知の処理を使用して調製され得る。デンプン成分は、1~120μmの範囲、好ましくは2~100μmの範囲のサイジング分散を有する複数のデンプン顆粒を含むことができる。
【0101】
デンプン成分は、非限定的な実施例として、ジャガイモベースのデンプン、タピオカベースのデンプン、および/または架橋度を有するデンプンなどの、ゼラチン化中に比較的高粘性の増大をもたらすデンプンを含むことができる。ゼラチン化中の天然デンプンまたは架橋デンプンのいずれかの好ましい粘度増加は、タピオカ型カスサバデンプンの粘度増加と同等以上である。好ましい横断はデンプン顆粒内の隣接デンプン鎖間の分子内および/または分子間横断の形成を誘導するために、二官能性または多官能性試薬を利用する。デンプン架橋反応はゼラチン化の際に膨潤した顆粒の構造を強化し、粘度破壊に対する抵抗性を付与することができる。好ましい架橋デンプンは、100~3000グルコシル単位毎に1つの架橋を有する。比較的低レベルの架橋は顆粒構造を安定化し、加熱中のより高い顆粒膨潤を可能にし、より高いペーストピーク粘度が観察される。横断レベルが徐々に高くなることができるが、横断レベルが高くなると顆粒膨潤が減少するため、一般に本発明には好ましくない。
【0102】
化学的に修飾された天然デンプンは、非限定実施例として、エステル化デンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒドデンプン、イオン性デンプン、高アミロースデンプン、高アミロペクチンデンプン、約100重量%のアミロペクチンを有するワックス状デンプン、および前述の化学的に修飾されたデンプンの2つ以上の組合せを含むことができる。本発明に使用するための化学修飾デンプンの置換度(DS)は、0.005~0.2の範囲、好ましくは0.02~0.18の範囲である。本発明に使用するためのアミロペクチンを含む化学修飾デンプンは、70重量%の範囲のアミロペクチンを含む。デンプン成分の総質量に基づいて、99重量%まで、好ましくは75重量%から99重量%までの範囲である。
【0103】
物理的に修飾されたデンプン成分は、限定されない実施例として、アルファ化されたデンプン、デキストリン、押出デンプン、予備加熱されたデンプン、および再乾燥されたデンプンを含むことができる。予め糊化されたデンプンは、水分の存在下で加熱された場合、液体で糊化および/または膨潤することが実質的にできない。
【0104】
好ましい実施形態において、デンプン成分は、予めゼラチン化されたデンプンを含む。デンプン成分中の予めゼラチン化されたデンプンは、改善された表面品質、安定性、および成形品および/または完成品中の空隙の不在をもたらすことが観察される。予備ゼラチン化デンプンの水結合および/または膨潤特性は水を固定化し、次いで、これは、有利には非予備ゼラチン化デンプン成分を、熱成形工程を含む熱処理の間により効率的にゼラチン化するために利用可能であると仮定される。膨潤した予備ゼラチン化デンプンはさらに、より弾性的かつ凝集性の成形質量に寄与し、これは、成形質量蒸着法中の空隙の発生を同時に制限または回避しながら、成形質量の成形金型全体にわたる実質的に均一な分布を助ける。
【0105】
代替の実施形態において、デンプン成分は、0~30重量%の範囲、好ましくは2重量%~26重量%の範囲の予め糊化されたデンプンを含む。でんぷん成分の総質量を基準として、より好ましくは4重量%~26重量%の範囲である。最も好ましくは5重量%~22重量%の範囲である。
【0106】
繊維成分は、複数の繊維を含む。繊維は、非遺伝子改変植物源由来の繊維、遺伝子改変植物源由来の繊維、合成繊維、および前述の繊維の組み合わせからなる群から選択することができる。合成繊維としては、炭素系材料に由来する繊維を挙げることができる。複数の繊維は、複数のセルロース系繊維を含むことができる。セルロース系繊維は、木材、低木および草から選択される繊維を含むことができる。セルロース系繊維は木材、綿、麻、ジュート、亜麻、竹、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、穀類わら、繊維植物、および前述のセルロース系繊維の少なくとも2つの組み合わせをベースとする繊維を含むことができる。
【0107】
他の実施形態では、繊維成分が天然繊維材料、精製天然繊維材料、加工天然繊維材料、合成繊維材料、遺伝的に修飾された繊維材料、および前述の繊維の組み合わせを含む繊維を含むことができる。本発明の繊維成分の繊維は、リグニン、ヘミセルロースまたは他の副産物を含む天然、精製および/または加工された天然繊維材料を含むことができる。他の非限定的な実施例では、繊維構成要素が穀類、マメ科植物および他の種子からのぬかおよび/または材料を含む、天然、精製および/または加工された繊維材料を含むことができる。他の非限定的な実施例では、本発明の繊維構成要素が天然セルロース、炭素繊維、ポリラクチド系繊維、ポリヒドロキシアルカノエート系繊維および/または他の合成繊維から生成または再生された繊維を含む、精製、加工、および/または合成繊維材料を含む繊維材料を含むことができる。
【0108】
非限定的な実施例として、E.ヘロウの先に参照された刊行物に記載されているように、主張された繊維補強作用のための短絡、中程度および長いサイズの繊維の組合せを含む生分解性物品を教示する現行技術とは対照的に、本発明の繊維成分は、本発明のデンプン成分中の複数のデンプン顆粒に含まれるデンプン顆粒の径の1~250の範囲の長さ、好ましくは2~100倍の範囲の長さ、最も好ましくは2~40倍の範囲の長さをそれぞれ有する複数の繊維を含む。デンプン顆粒直径に対する繊維長の選択された比率は繊維の埋め込みを可能にし、かくして成形品及び/又は完成品のマトリックスを強化する。
【0109】
非限定的な実施例では10ミクロンの直径を有するデンプン顆粒を仮定すると、繊維成分は各々が約10~2500ミクロンの範囲、好ましくは約20~1000ミクロンの範囲、最も好ましくは約20~400ミクロンの範囲の長さを有する複数の繊維を含む。
【0110】
現在の技術分野では曲げ、衝撃、引張強度さを含む繊維補強度効果には長、中、短繊維の組み合わせが最善であると教示されている。非限定的な実施例として、4~25mmの範囲のそれぞれの長さを有する長繊維から非常に長い繊維、0.5~5mmの範囲のそれぞれの長さを有する中長繊維、および0.5mm以下の範囲のそれぞれの長さを有する短繊維を規定する国際公開第2005/021633号を参照されたい。
【0111】
驚くべきことに、現行技術で定義されているように、非常に長い、長い、または中程度の大きさの繊維を使用すると、成形物品および/または完成物品にとってあまり好ましくないマトリックスが生成されることが見出された。物品マトリックス内のより大きな又はより長い繊維の埋め込みは、より不均一な構造をもたらすと推定又は仮定される。さらに、繊維が長ければ長いほど、金型の押出穴でのブロッキングの機会が大きくなる。押出孔の周囲のマトリックス内に長い繊維を埋め込むことは、離型工程中の擦り切れた物品のエッジの危険性を増加させる。本発明に短い繊維長を選択することにより、離型中に物品のエッジでほつれが生じる危険性が最小限に抑えられる。
【0112】
繊維成分に含まれる繊維のパーセンテージは、物品構造マトリックスに望まれる曲げ強度、衝撃強度、および引張強度に応じて選択または変更される。デンプン成分の量はデンプン成分が成形組成物中の繊維成分および任意の充填剤成分の繊維を少なくとも部分的に連結し、糊付けし、および/または埋め込むと推定される所望の内部凝集性および表面品質のために選択される。
【0113】
本発明は、94重量%のデンプン:6重量%の繊維~49重量%のデンプン:51重量%の繊維の範囲、および好ましくは88重量%のデンプン:12重量%の繊維~55重量%のデンプン:45重量%の繊維の範囲、およびより好ましくは83:17~57:43の範囲のデンプン/繊維重量%の比率を含む成形質量組成物を特徴とする。
【0114】
繊維構成要素の繊維は、非限定的な実施例として、高い引張強度、高い可撓性、改善された埋め込み特性、および/または成形および/または完成品の所望の特性に従って選択された他の特異的な繊維特性を含む、それらの繊維特性のために選択することができる。特定の特性又は特徴を有する特定の群の繊維の量又は割合は、成形品および/または完成品の、非限定的な実施例のための可撓性、剛性、および/または衝撃強度などの対応する特性を修正するために、すなわち増加させ又は低下させ、強化し又は最小にするために選択することができる。
【0115】
繊維成分に対するデンプン成分の選択された重量パーセント比は、より均一な成形質量および繊維の改善された埋め込みのための2つの成分の相乗作用を可能にする。改善された及び/又は増大された成形質量の均一性及び繊維の埋め込みは、成形品及び/又は完成品の改善された構造安定性に寄与する。
【0116】
非限定的な実施例では、繊維成分中の繊維または比較的短い繊維長の特性を有する繊維群の選択が成形質量中の、および最終的には成形品および/または完成品中のデンプン顆粒のより容易な充填またはより均一な集合をもたらすことができる。
【0117】
デンプンおよび繊維成分を含む水および固体成分に加えて、成形質量組成は、以下の追加の任意成分または成分を含むことができる。
【0118】
現在の技術は、天然タンパク質または他の天然ラテックスを含む組成物を教示する。当技術分野で適用されるタンパク質またはラテックスの非限定的な実施例には、コムギタンパク質(グルテン)、トウモロコシタンパク質(ゼイン)、動物ベースのゼラチン、またはゴムラテックスが含まれる。本発明に、天然タンパク質または任意の天然ラテックスを成形質量に添加しないことが好ましいが、その理由はそのようなタンパク質または天然ラテックスが成形質量の熱加工を妨害し、非限定的な実施例として、カビ残留物を引き起こし得るからである。
【0119】
現在の技術は、離型剤の使用を教示している。しかしながら、現在の技術の離型剤は、それぞれ、それらの欠点または限定を有する。実施例として、現行技術は、食用コーンまたはシートウェーハの製造において、動物源または植物源に由来する脂肪および/または油を含む離型剤を教示する。このような離型剤は、固有の熱不安定性を有する。このような離型剤の使用は、鋳型残留物の形成につながり得る。このような成形残留物は不都合なことに、定期的な洗浄および/または成形からの除去を必要とする。さもなければ、成形残留物が蓄積し、その結果、成形表面の滑らかさが低下する可能性がある。それに応じて、より滑らかでない金型表面は、金型で形成された成形品の表面の滑らかさを減少させる。
【0120】
現在の技術はまた、生分解性物品の製造において、完全に水素化された油または他の脂肪を含む硬質脂肪を含む離型剤を教示する。現在の技術はこのような離型剤を、典型的には種々の乳化剤を含む水中のフレーク、粉末またはエマルジョンの形態で教示する。乳化剤はその衝撃強度を低下させながら、成形品の柔軟性および/または可撓性を増加させる吸湿性を増加させる。
【0121】
現在の技術はまた、ワックスを含む離型剤を教示する。水ベースの成形質量において、ワックスベースの離型剤の均一な分布は乳化のために、乳化、流動性ワックス、および/または乳化のためのワックス粉末を必要とする。乳化剤は上記のように、水分吸収を増加させる。全成形質量の数重量%の投与量のワックス剥離剤を含む成形質量は、成形品にいかなる防湿性も与えない。全成形質量の数重量%よりも多い投与量のワックス離型剤を含む成形質量は高温成形金型内での分布中に成形質量に滑りを加える可能性があり、成形プロセスを妨害する可能性がある。ワックスの投与量が全成形質量の数重量%を超えて増加することにつれて、ワックス過剰からの光沢のある表面が成形質量の表面上に発生する。光沢のある表面は材料の滑り、押出通気口を通る材料の過度な又は過剰な押出を引き起こすことがあり、最終的には、押出通気口の近くに形成された物品の領域に穴を生じさせることがある。現在の技術は、天然源に基づくワックスエマルジョンを含む離型剤を教示する。しかしながら、必要とされる追加の乳化剤は、成形品の水分安定性を再び損なう。
【0122】
現在の技術は、脂肪、油および/またはワックスを含む離型剤が疎水性であるため、成形品および/または完成品に湿気保護を提供することを教示している。このような教示は基本的に、デンプン粉および繊維のような親水性材料の混合物の動力学を理解することができない。ゼラチン化デンプンのような親水性材料と、強く疎水性の脂肪またはワックスで包埋された繊維との混合物は、相分離をもたらす。さらに、疎水性相の割合は、熱間成形操作における全成形質量に対して低くなければならない。さもなければ、材料のスリップ、水蒸気脱出外乱および他の操作上の問題が生じ、それによって、優れた成形プロセスが妨げられる可能性がある。低い疎水性相割合は、成形品に実質的な湿気保護を与えない。さらに、いかなる水分の拡散または吸収も、親水性主相を介して移動し、小さい疎水性領域を容易に回避する。高い割合の親水性繊維およびデンプン材料は、成形品への水分移動を可能にする。さらに、ワックス離型剤に添加される任意の乳化剤は、成形品への水分移動をさらに増加させる。水分移動は上述したように、成形品の衝撃強度を低下させる。
【0123】
現在の技術はまた、モノグリセリド、または脂肪酸のジグリセリド、脂肪酸のクエン酸エステル、レシチン、および/または親水性-親油性バランスまたは親油性側に向けられたHLB値、すなわちゼロから約7を有する他の乳化剤を含む離型剤を教示する。現在の技術は、ウェーハレシピに適用されるレシチンが成形汚れの問題をもたらすことを教示している。水分拡散および水分移動を媒介する乳化剤の能力は、上記のような水分感受性物品にとって負である。
【0124】
現在の技術は、タルカムおよび同様のケイ酸塩のような無機粉末を含む離型剤を教示している。このような薬剤はゆっくりと蓄積し、ゼラチン化デンプンのいくらかによって媒介されて金型の表面に付着する残留物を形成する。タルクムに関連するがんリスクの可能性が疑われるため、潜在的な安全性の問題がある。現在の技術はまた、他の無機粉末離型剤として、金属酸化物および炭酸塩(例えば、酸化マグネシウムおよび炭酸水酸化物)が挙げられることを教示する。酸化マグネシウムおよび炭酸水酸化マグネシウムは、ウェーハレシピで適用することができる。しかしながら、酸化マグネシウムおよび炭酸水酸化物はまた、カビ汚れの問題を生じる。
【0125】
現在の技術ではさらに、澱粉、繊維および類似の材料に基づく生分解性物品の製造において、ステアリン酸マグネシウムのような金属ステアリン酸塩を含む離型剤を教示している。このような用途における好ましい離型剤には、亜鉛、カルシウム、またはアルミニウムからのステアレートが含まれる。時間が経つにつれて、成形残留物が発生し、定期的な洗浄および/または成形の表面からの除去が必要となる。複数の成形サイクル中の高い成形温度での金型表面との金属対イオンの反応は、連続的な工業的製造にとって重要なままである。金属対イオンは鋳鉄にインターカレーションし、金型表面で金型の金属組成を改変することができ、および/または成形質量の帯電グループに連結することができ、それによって、比較的少ない数の成形サイクル内で金型残留物を蓄積する。次いで、このような金型は曇った白色様の表面を特徴とする。
【0126】
現行技術とは対照的に、本発明は、190℃以上の温度での熱間成形を含む連続熱成形加工のための特別な離型剤を特徴とする。本発明の離型剤は、金型残留物を生成することなく優れた離型を提供する。本発明の離型剤としては飽和直鎖脂肪酸、好ましくは12炭素以上の炭素鎖長を有する飽和直鎖脂肪酸が挙げられ、例えば、実施例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはアラキジン酸および同様の12+C直鎖脂肪酸が挙げられる。好ましい実施形態では、離型剤が純粋な飽和長鎖脂肪酸を含む。別の好ましい実施形態では、飽和長鎖脂肪酸離型剤は粉末の形態を有する。粉末は、成形質量に容易に一体化することができる。好ましくは、飽和長鎖脂肪酸離型剤粉末がそれぞれ80メッシュ未満、より好ましくは100メッシュ未満のメッシュサイズを有する粒子を含み、後者は149μmの顆粒公称直径に対応する。
【0127】
本発明において、本発明の離型剤に起因する潜在的な金型残留物は、それらの引火点および平衡蒸気圧に基づいて、高温でのフラッシングによって除去される。離型剤の飽和長鎖脂肪酸が90~100℃で揮発するため、過剰投与の場合であっても、成形は実質的に清浄なままである。したがって、粘着および/または成形残留物の蓄積の危険性が回避される。連続操作における成形残留物の蓄積の回避はそれが、退屈さ、生産ラインの停止、および、現行技術の関連する洗浄手順特性を回避するので、特に有利である。
【0128】
本発明は、飽和長鎖脂肪酸離型剤を、成形質量組成物中の固形成分の総重量に基づいて、0.1~2.4重量%の範囲、好ましくは0.1~1.4重量%の範囲、より好ましくは0.1~1.0重量%の範囲で含む成形質量組成物を特徴とする。好ましい実施形態では、成形質量組成物がパルミチン酸、ステアリン酸およびアラキジン酸からなる群から選択される酸を含む飽和長鎖脂肪酸離型剤を含む。
【0129】
好ましい飽和長鎖脂肪酸離型剤は容易に適用するために粉末形態であり、成形プロセスにおいて実質的に完了溶融を受け、離型剤に起因する任意の金型残留物は水蒸気離型および/または離型後に高温金型表面上に残る現在の技術の離型剤残留物とは異なり、高温成形中のフラッシングによって除去される。本発明の直鎖脂肪酸離型剤は他の種類のホット成形またはホットベーキング用途に使用することができ、ホット成形操作に限定されない。
【0130】
現行技術とは対照的に、フラッシング後、金属酸化物または重合脂質を含む成形残留物は残らない。金属ステアリン酸塩の現在の技術の使用とは対照的に、より高い投与量は、白っぽい成形残留物の蓄積をもたらさない。現在の技術とは対照的に、成形質量組成物への飽和長鎖脂肪酸粉末の適用または添加は、分配のために乳化剤を必要とせず、したがって、現在の技術で使用される乳化剤によって媒介される負の水分収着効果を回避する。
【0131】
さらに、現行技術で教示されている多くの離型剤とは対照的に、本発明の直鎖脂肪酸離型剤が、成形質量中の非液体可溶性固形成分の総重量に基づいて2.4重量%を超え、最大10重量%までの量で過剰投与される場合であっても、金型表面滑りに実質的な変化はない。
【0132】
金型表面滑りがないため、連続的な繰り返し可能な工業的製造が可能である。対照的に、現在の技術の金型表面滑りは、成形品の表面特性および特性を迅速かつ劇的に変化させ、それによって、関連する現在の技術の離型剤の使用を連続的で反復非工業的製造に不適切にする。
【0133】
しかしながら、本発明の直鎖脂肪酸離型剤の選択された投与は、投与が高価であり、熱処理中の水蒸気発煙を不必要に増大させることがあるが、好ましい。
【0134】
一実施形態によると、本発明の金型質量組成物は、テキスチャーを含む。テクスチャライザは当業者に知られているように、反応性または非反応性無機添加剤を含むことができる。本発明に使用することができるテクスチャライザの非限定的な実施例には、石膏、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩、酸化チタン、クレー添加剤、および前述のテクスチャライザの組合せが含まれる。タルカム添加剤を低レベルで含むテクスチャライザーは選択肢であるが、上述のように、タルカムに関連する癌リスクの可能性が疑われることによる潜在的な安全性の問題がある場合には好ましくない。
【0135】
代替の実施形態では、成形質量組成物が固体成分の全質量を基準にして、0~16.5重量%、好ましくは0~12.5重量%、より好ましくは0~10重量%の範囲の無機添加剤を含むテクスチャライザーを含む。
【0136】
成形質量は必要とせず、したがって、成形質量組成物は、炭酸水素塩、または他のガス放出炭酸塩、または他のガス放出剤を非限定的に実施することを含む成形加工条件下で、ガス離型剤を含まない。任意のテクスチャライザーとして上述した炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムを含む任意のテクスチャライザーは、成形加工条件でのそれらの安定性のために、非ガス放出性炭酸塩である。
【0137】
一実施形態では、成形質量組成がサイジング剤を含む。サイジング剤は、ロジン系サイジング剤、アルキルケテンダイマー系サイジング剤、および前述のサイジング剤の組み合わせからなるサイジング剤のグループから選択することができる。選択されたサイジング剤の使用は、物品構造マトリックスの改善された内部凝集をもたらすことができる。このようにして、湿気にさらされた場合または接近した場合の物品の安定性が改善される。
【0138】
好ましい実施形態では、成形質量組成物が成形質量組成物の非液体可溶性成分の総質量に基づいて0.15~0.3重量%の範囲の濃度を有するロジン系サイジング剤を含むサイジング剤を含む。
【0139】
別の好ましい実施形態では、成形質量組成物が成形質量組成物の非液体可溶性成分の総質量に基づいて0.1~0.2重量%の範囲の濃度を有するアルキル-ケテンダイマーベースのサイジング剤を含むサイジング剤を含む。
【0140】
成形質量組成は、成形プロセス、および/または成形品および/または完成品の安定性および可撓性に直接影響を及ぼすための追加の改質剤または添加剤を含むことができる。
【0141】
一実施形態では、成形質量組成が水成分に加えて可塑剤、すなわち実質的に第2のまたは非水の可塑剤を含む。好ましい実施形態では、第2の可塑剤は尿素を含む。尿素は、水成分とは異なって作用することができる。尿素はデンプン成分の鎖の少なくともいくらかの運動を促進し、それによって成形品のいかなる亀裂も減少させると推定される。デンプン成分に対して選択された尿素濃度では、成形品および/または完成品が改善された滑らかさおよび安定性を有する。代替の実施形態では、成形質量組成が好ましくは0~6重量%の範囲の濃度で尿素を含む第2のまたは非水の可塑剤を含む。より好ましくは、デンプン成分の全質量に対して0~4.5重量%の範囲であり、最も好ましくは0~3重量%の範囲である。
【0142】
一実施形態では、成形質量組成が複数のホウ酸イオンを含む改質剤を含むことができる。デンプン成分に対して選択された濃度での成形質量組成へのホウ酸塩の添加は、成形品および/または完成品の重量および細孔構造に影響を及ぼし得る。しかし、ホウ酸塩の添加は、デンプン成分の糊化温度にも影響し得る。したがって、ホウ酸塩添加は成形品および/または完成品の選択された特性を最適化し、デンプン成分のゼラチン化温度に影響を及ぼすために、選択された量で添加することができる。代替の実施形態において、成形質量組成物は、好ましくはデンプン成分1キログラム当たり0~2mmolのホウ酸塩の範囲、より好ましくはデンプン成分1キログラム当たり0~0.2mmolのホウ酸塩の範囲の濃度で複数のホウ酸イオンを含む改質剤を含む。
【0143】
現在の技術は、食品および化学工業における増粘剤、安定剤、ゲル化剤および乳化剤としての、植物、動物または微生物起源の多糖類を含むが必ずしもこれらに限定されないガムの使用を教示する。ガム構造は粘度、固有粘度、安定性、ゲル化特性、および乳化特性などの特定の特性のために、その用途および目的を決定する。流体バッターからの成形品の製造において、現在の技術は、バッターの均質性の制御のため、および予備成形段階の間の成形質量の分解の防止のためのガムの使用を教示する。
【0144】
現行技術とは対照的に、本発明の成形質量の最初の塑性弾性特性は、ガムの使用をあまり望ましくないものにすることができる。本発明の一実施形態では、成形質量組成が、しかしながら、ポリマーを含む改質剤を含むことができる。成形質量組成へのポリマーの選択的添加は、成形質量のテクスチャー、ホットモールド内の質量の分布、押出ベントを通る成形質量の押出の制御、および成形品の特性に選択的に影響を及ぼすことができる。
【0145】
一実施形態では、成形質量組成物がセルロース誘導体を含むポリマーを含む改質剤を含むことができる。セルロース誘導体は、セルロースエステル及びセルロースエーテルの少なくとも一方を含むことができる。セルロース誘導体は、任意選択で、1つまたは複数の追加のイオン性基を含むことができる。代替の実施形態では、成形質量組成がセルロース誘導体、セルロースエステル、セルロースエーテル、寒天、アルギン酸、アルギン酸塩、カラギーナン、キトサン、カードラン、ガー、コンニャク、コンニャク誘導体、イナゴ豆ガム、高エステルペクチン、低エステルペクチン、アミド化ペクチン、およびキサンタンからなる群から選択されるポリマーを含む改質剤を含むことができる。
【0146】
一実施形態によると、成形質量組成物の非液溶性固形分は、ポリビニルアルコールを含む改質剤を含むことができる。ポリビニルアルコールは、成形品および/または完成品の安定性および可撓性を選択的に改質するための優れたフィルム形成特性および密着特性を有する。成形質量組成物は、0~12重量%の範囲の濃度でポリビニルアルコールを含む改質剤を含むことができる。好ましくは、成形%組成物中の非液体可溶性固体成分の全質量に対して0~6重量%の範囲である。
【0147】
成形質量組成は、着色剤を含む修飾を含むことができる。着色剤は、Federal Food Drug and CosmeticまたはFD&Cの着色剤のリストに含まれる着色剤、Federal Food and Drug Administrationによって規制されるE numbered coloring agent、European Unionによって規制されるE numbered coloring agent、天然着色剤、マグネタイト着色剤、および前述の着色剤の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される着色剤を含むことができる。
【0148】
一実施形態では、着色剤がマグネタイトを含む添加剤を含むことができる。マグネタイトは、粉末の形態であり得る。マグネタイトを使用することにより、成形品を静電プロセスにより適したものにすることができる。
【0149】
他の実施形態では、成形質量組成物が非限定的な実施例として、タンパク質などのメイラード褐変反応に供される薬剤、大部分の糖およびアミノ酸などの拡張メイラード褐変反応に供される薬剤、カラメル化反応に供される薬剤、選択された糖濃度の1つ以上の選択された糖、選択されたアミノ酸濃度の1つ以上の選択されたアミノ酸、および/または選択されたタンパク質濃度の1つ以上の選択されたタンパク質を含む添加剤を含むことができる。選択された糖濃度は、成形質量組成物の固体成分の全質量に基づいて、1.5重量%未満、好ましくは1重量%未満である。選択されたアミノ酸濃度は2重量%未満である。好ましくは、成形質量組成物の固体成分の全質量に基づいて1重量%未満である。選択タンパク質濃度は、成形質量組成物の固体成分の総質量に基づいて、16重量%未満である。好ましくは11重量%未満である。
【0150】
上述のように、液体および非液体可溶性固体成分を含む成分を選択した後、成形質量組成から成形質量を調製することができる。成形質量の調製は、実施例として、混合および混練システムを用いて行われる混合および混練工程を含む。混合および混練工程はバッチ型プロセスにおいて、または連続型混合および混練システムにおいて、第1の塑性弾性テクスチャおよびコンシステンシー(繊維の均質な組み込みを含む)を有し、成形質量中に空気または他のガス充填空隙を実質的に含まない成形質量を調製するために行うことができる。
【0151】
混合および混練処理の第1の工程の間、非液体可溶性固体成分は、液相中に実質的に均等に分布される。非液体可溶性固体成分は、液相のかなりの部分を吸収する。組成物は、ますます可塑性になる。混合および混練処理の第2のステップの間、組成物は、構成要素のさらなる混合のために混練される。
【0152】
混合および混練処理は、当業者に公知の手順を用いて行うことができる。このような手順は、デンプン顆粒および任意の他の非液体可溶性固体成分と一緒に繊維を完全に混合すること、ならびに水成分および任意の溶解した溶質または分散したエマルジョンを含む液体成分の組み込み中または組み込み下での任意の高剪断混合を含む強力な混練を含む。混合および混練処理は繊維を成形質量に均一に組み込むために、液体成分を段階的に添加することを含むことができる。当業者に公知の方法による液体成分の段階的添加は、高剪断混合における剪断力の増加を容易にし得、そして繊維の任意のネスティングを分解または破壊し得る。
【0153】
この方法は、成形質量への空気または他の気体の導入を実質的に防止する工程、および/または成形質量から空気または他の気体を除去する工程を含むことができる。一実施形態では、排除および/または除去または空気または他の気体が混合/混練システム内に真空を生成する工程を含む。非限定的な実施例では、減圧を生成する工程が連続混合および混練工程の間または最後のいずれかに連続混合機を使用して達成することができる。連続ミキサーの使用は、添加された構成要素の重量、質量、体積百分率、または比率に従って、正確な構成要素投与量を可能にすることができる。
【0154】
第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する成形質量を混合し、脱気し、調製するために、バッチタイプ、連続タイプおよび/または押出タイプの装置システムを使用して、自動計量を適用することができる。当業者に公知の現在の技術のミキサー、混練機および/または押出機を使用することができる。次いで、成形質量を、標的金型に堆積するために、部分化するか、または部分化システムに適用することができる。
【0155】
混合および混練処理に必要な時間は、ミキサーのタイプ、それぞれの混合および混練ツールの形状、充填体積、およびミキサーの回転速度に依存する。非限定的な例示的な実施形態では、混合および混練処理の時間が4分~16分の範囲である。混合および混練時間は均一に分布した繊維を有し、第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有する比較的軟質成形質量を製造するために調節および/または最適化される。
【0156】
上述したように、第1の塑性弾性テクスチャおよびコンシステンシーを有する所望の成形質量を調製した後、成形質量は、成形質量の組成および調製方法に応じて変化し得る任意の休止期間を経る。非限定的な例示的な実施形態では、休息期間が最低15分、好ましくは最低10分、より好ましくは最低5分を含む。
【0157】
本発明の成形質量組成の成分は、塑性弾性、非流体テクスチャーおよびコンシステンシーを有する比較的軟質成形質量のために選択され、調製される。本発明の成形質量の組成物および調製は、いくつかの利点を有する:
成形質量混合物中に運ばれる残留空気の混入は、好ましくは粉末の形態を有する複数の顆粒、粒子、粒子および/または顆粒を含むデンプン成分の使用によって最小限に抑えられる。デンプン成分の粉末形態は、成形品の構造マトリックスに形成および/または転写される一貫性のない空気充填空隙を回避する。明らかに非流動性であるが、本発明の成形質量の第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーは流動し、膨張して、金型を完全に満たすことができる。驚くべきことに、本発明の成形質量は押し出された廃棄物質の割合が比較的低く、空隙を実質的に伴わずに、それぞれの金型を比較的迅速に充填することができることが見出された。したがって、成形金型内の成形質量を分割する際の重量変動が最小限に抑えられ、それによって、成形金型の押出通気口を通る廃棄材料の押出の割合が低減される。
【0158】
本発明の成形材料は金型当たりの生産量を最大にするために、190℃を超える温度で迅速かつ高温成形するのに適している。このような高い成形温度では、熱褐変またはカラメル化反応による変色または着色変更の潜在力が実質的に減少する。硬化時間は成形質量内に内部蒸気圧が残らないように、また当技術分野で処理中の物品のマトリックスのガラス点と呼ぶものが交差するように選択される。完全な操作サイクルでは物品の硬化時間が典型的には60秒~155秒の範囲内、好ましくは75秒~140秒の範囲内、より好ましくは85秒~125秒の範囲内であり、硬化時間は成形質量の組成および成形物品の所望の目標壁厚または壁厚の範囲の機能として選択される。85秒~125秒の硬化温度範囲は、比較的厚い壁厚を有する条により典型的である。対照的に、現在の技術の流体、バッターベースの成形質量から物品を形成するための硬化時間は、典型的には約2分以上である。最高硬化温度は225℃、好ましくは215℃、より好ましくは190℃~210℃である。
【0159】
本発明の成形質量は実質的な自由水分を欠き、対応する成形品および/または完成品は現行技術とは対照的に、外部蒸気充填ボイド、亀裂または同様の不規則性を欠く。
【0160】
必要に応じて、一旦準備され、休止されると、成形質量を分割することができる。分割する工程は、当業者に知られているプラスチック弾性材料分割システムを使用して、成形質量を選択された部分に分割する工程を含む。本発明に従って使用することができる分割装置の非限定的な実施例には、ワイヤカッタ、バン仕切板、および/またはピストンベースの体積生地仕切板が含まれる。好ましい実施形態では、分割装置が本発明の成形質量を最小プラス/マイナス1グラムの精度に分割する能力を有する。
【0161】
本発明は、選択された1つまたは複数の部分に従って1つまたは複数の金型に金型質量を堆積させる工程を含む。対応する標的金型内に堆積される選択された体積は、それぞれの標的金型の体積よりも小さい。熱硬化プロセス中の水蒸気媒介膨張の程度は、成形質量の組成に応じて、またはその関数として生じ得る。
【0162】
分割工程は、連続的に作動する金型に隣接して行うことができる。金型は以前に成形された物品を排出し、自動機械的スクレーピング装置および/またはブロワの動作に関連する余分な材料を除去した直後に準備される。成形質量の部分化されたピースは、部分化されたピースをそれぞれの空または開いた金型の底部の中心に向けることによって、順序づけられた方法で金型に導入される。
【0163】
全自動成形機内の金型は、焼きトング内に配置することができる。鋳型(70)の非限定的な例示的な空の基部が
図7で示されている。代替の非限定的な実施例では、標的成形が片側でヒンジ止めされ、部分化された成形質量のピースの蒸着直後に反対側でロックされ得る。ヒンジ付き蓋(74)を有する標的成形(72)の非限定的な実施例が
図8で示されている。このような例示的な金型は、一実施例として、離型および再充填のために90°角で開くことができる。代替の非限定的な実施例では、金型の上端が蝶番式ではなく、水平に開くことができる。後者の非限定的な成形実施例は、比較的浅くない物品の成形に好ましい。非浅い物品は、その最短寸法が1インチを超える項目を含む。
【0164】
金型は、意図された物品または標的物品の形状を正確に反映する。物品の壁厚は、好ましくは0.9~3.5mmの範囲内、より好ましくは1.2~3.0mmの範囲内、最も好ましくは1.5~2.8mmの範囲内である。物品内の異なる厚さの領域は、リム、構造強化要素、またはロゴを形成するために可能である。
【0165】
熱間成形工程のための金型は、非限定的な実施例として、鋼鉄、鋳鉄、アルミニウム、真鍮、および前述の金属材料の2つ以上の混合物などの金属材料を含むことができる。成形全体または全体は、鋼または鋳鉄フレーム内のインサートを使用して、単一の金属材料または異なる金属材料から作製することができる。
【0166】
鋳型の縁は
図8で示される非限定的な例示的な標的金型(72)に示されるように、1つ以上の押出し通気孔または穴(76)の配列を含み得る。割合押出通気孔は、水蒸気を逃がすための通路と、押出通気孔を通る少量の固体材料の任意の押出とを提供する。押出通気口は、非限定的な実施例のための、1つ、2つ、および3つの部分の金型を含む、異なる部分の金型の閉鎖縁に続いて、対称的なパターンで配置されることが好ましい。1インチ以下の任意の寸法の厚さを有する物品については、2部成形金型が好ましい。1インチを超える任意の寸法の厚さを有する物品については、3部またはそれ以上の成形が好ましい。
【0167】
各金型は金型を堆積相に連続的に通すための搬送チェーンサイクル機構に取り付けることができ、これは、金型内に成形質量を堆積させ、金型を閉じ、金型の詳細を充填する相と、充填された金型を選択された硬化温度で熱硬化させる相と、排出相と、熱硬化された金型を開き、成形品を排出する相と、金型上に残っている押し出された固体を除去する清浄化相とである。
【0168】
堆積段階では、必要に応じて、成形質量が金型内に堆積され、金型は閉鎖される。成形質量の第1の塑性弾性材料は、金型空間またはエンクロージャ内に実質的に均等に分布する。均一な分布は、機械的スクイージングと若干の初期蒸らしによって強化することができる。成形質量材料のわずかな余剰は金型の押出通気口を押し出したり、通過したりする可能性がある。
【0169】
現在の技術は、呼吸動作として知られている金型の即時の単一または複数の再開放および再閉鎖を教示している。実施例として、流動成形質量を含む生分解性物品または食品ウエハの製造において、現行技術は総成形時間を短縮し、これらの物品の最終的な安定性を改善するために、いくらかの含水量を急速に減少させるためのこのようなブリージング操作を教示している。
【0170】
現行技術とは対照的に、このようなブリージング操作は、成形質量の第1の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーの優れた分配のために、本発明において必須ではない。成形質量の表面に近接して配置され、硬化温度で容易に溶融する選択離型剤の部分は、成形質量による成形金型の驚くべきかつ予想外に良好な分布および実質的に完全な充填を助けると仮定または推定される。したがって、本発明の成形質量による標的金型の良好な分配および実質的に完全な充填の能力は、本発明の理論的根拠を特徴付け、支持する。
【0171】
熱硬化段階の間、充填された金型は熱硬化システム内に置かれるか、または通過し、熱は、選択された硬化時間の間、選択された硬化温度で金型に適用される。
図7は、準備された成形質量を満たす前の例示的な空の金型(70)を示す。代替の非限定的な実施形態では、空の金型が熱硬化システムの内側に配置されるか、または熱硬化システム内に通され、続いて、調製された成形質量で充填される。
図9は、中に配置された空の金型(80)を含む熱硬化系(78)を示す。
【0172】
金型の厚い金属部分に蓄えられた熱は、金型表面を介して成形質量に伝達される。金型の高温面に直接接触する成形質量表面はほぼ直ちに固定される。成形質量表面に水蒸気で満たされた空隙が形成される時期はほとんどない。成形質量中の水分は、物品の構造マトリックス中で急速に気化して発泡水蒸気になる。発泡水蒸気は、あらゆる非ゼラチン化デンプン成分のゼラチン化と非常に密接に一致する。水蒸気は、成形質量の静止した軟質内部構造を介して、金型の押し出し正孔に変換または通過する。硬化プロセスの第1の3分の1内で聞くことができるヒッシング音声による証拠として、いくらかの圧力が金型内に形成される。
【0173】
物品は非限定的な実施例のために、金型の縁またはロゴなどの詳細など、金型の詳細を含む。内部水蒸気充填細孔は、水分の急速な損失値と共にデンプン成分の糊化が構造を安定な内部マトリックスに固定するまで、実質的に制御された分布パターンで形成される。内部蒸気孔により、より軽量な成形品が可能になる。
【0174】
約200℃から最高225℃の温度までの成形質量の加熱は、デンプン成分の比較的迅速かつ実質的な完了または完了ゼラチン化、均一な分布、および発生する水蒸気によって吹き込まれる内孔の迅速な固定、ならびに組織の最終的な硬化を提供する。本発明は一般に、成形質量の組成物、および成形品の壁の厚さまたは厚さの範囲に応じて、好ましくは75秒~140秒の範囲、より好ましくは85秒~125秒の範囲の硬化時間を含む。比較的速い硬化時間は熱硬化プロセスの効率に寄与し、最終的には効率的な製造プロセスに寄与する。現在の技術のより流体バッター様成形質量の硬化時間は一般に、上記のように2分以上の硬化時間を必要とする。成形品のいかなる内部部分も、数パーセントの残留水分まで乾燥される。従って、熱硬化段階の完了時に、成形品の構造マトリックス中に蒸気圧は実質的に残らない。成形品の構造マトリックスは、当該技術分野において構造マトリックスのガラス点としてある用語を超えて固化する。乾燥および硬化プロセスと並行して、成形品の構造マトリックスは収縮し、これは、物品排出段階中のその後の離型に役立つ。熱硬化段階は、成形品が6~1重量%の範囲の残留水分を有することを特徴とする第2の塑性弾性テクスチャーおよびコンシステンシーを有するまで続けられる。好ましくは成形品の全質量に対して3.5~1.5重量%の範囲である。いかなる過度の硬化も、物品に欠陥を与える可能性のある過度の収縮および/または微細な裂け目またはおそらく目に見える裂け目の発生をもたらす可能性がある。特定の物品の硬化停止点は、当業者に知られている原理に従って選択することができる。
【0175】
連続プロセスでは、熱硬化は、成形温度が185℃~225℃の範囲、好ましくは190℃~215℃の範囲、より好ましくは190℃~210℃の範囲である加熱チャンバを通って成形金型が循環する間に行うことができる。この金型温度は、金型の表面における実際の有効温度を指す。理想的な熱硬化温度は非限定的な実施例、熱褐変、または分解さえも含む有機材料の劣化を回避しながら、高処理量を維持するために選択される。熱硬化処理のための熱は、非限定的な実施例として、ガスバーナー、電磁誘導、および当業者に公知の他の加熱システムによって提供され得る。
【0176】
金型の上端部と底部における金型温度の間の温度差は、10℃以下の範囲とすることができる。
【0177】
完全な操作サイクルまたは熱硬化段階では、物品の硬化時間は、物品の成形質量の組成およびその壁厚または厚さの範囲に応じて、またはそれに従って、一般に60~155秒の範囲内、好ましくは75~140秒の範囲内、より好ましくは85~125秒の範囲内である。熱硬化時間は、物品の構造マトリックス中に蒸気圧が残らず、前記物品がその構造マトリックスのガラス点と呼ばれる限界点を超えて凝固するように選択される。
【0178】
この方法は、成形質量を熱間成形することを含むことができる。熱間成形工程は、一工程プロセスにおける熱硬化と本質的にリンクした成形を含む。熱間成形は、全自動熱間成形機内で行うことができる。完全自動熱間成形機は、それぞれが標的成形品および/または完成品の形状または形態を有する、少なくとも1つの、好ましくは2つ以上の単一の金型を含むことができる。成形品および/または物品部品は、熱間成形に続いて、必要に応じて分離または一緒に接続することができる。
【0179】
放出段階は、成形品が十分な安定性を有するか、または十分に安定な形態であり、物品の残留水分含量が6~1重量%の範囲である場合に開始することができる。成形品の全質量に対して、好ましくは3.5~1.5重量%の範囲であり、より好ましくは3~1.5重量%の範囲である。残留水分の選択制御は、成形品の構造上の欠陥を回避するために重要である。物品の構造的開口部は非限定的な実施例のために、ブロー水蒸気が、許容可能な残留湿分含量よりも高い割合で物品の内部構造に残る場合に生じ得る。過剰収縮は、物品が許容残留水分含量未満で乾燥または硬化される場合に起こり得る。次に、過度の収縮は、成形品の微小亀裂又は目に見える亀裂欠陥につながる可能性がある。
【0180】
金型の上端または第1の部分が開放されると、金型物品は金型の底部または第2の部分に留まることができ、または代替的に、金型の開放中にわずかに上昇することができる。わずかな上昇は、本発明に従って選択された離型剤の金型内への空気および/または離型機構に関連し得る。離型を助けるために、空気ブロワーを使用することができる。
【0181】
次いで、物品は、対応する金型から安全に取り出されるか、または排出され得る。排出は、非限定的な実施例として、各々が1つ以上の吸引カップを支持する旋回ロボットアームによって達成することができる。単一のロボットアームを物品ごとに導入することができ、又はロボットアームのアレイを複数の金型から複数の物品を実質的に同時に回収するために導入することができる。次いで、各ロボットアームは、さらなる輸送のために必要に応じて、対応する回収された物品を選択されたデバイスに置くことができる。規則的に搬送するための装置の非限定的な実施例には、コンベアベルト、専用の受信エンクロージャまたはキャビティを有する搬送システム、または当業者に知られている規則的に搬送および/または搬送するための他の装置が含まれる。
【0182】
あるいは、自動離型を含む用途では金型または金型の上端を開いた後、真空吸引装置を使用して、物品を金型から持ち上げ、取り出し、または他の方法で排出することができることが好ましい。このような排出方法は、安全上の利点を有する。
【0183】
生分解性パッケージングまたはウェーハベーキング製造の当業者に知られている、離型および順序付けされた輸送の他の方法を使用することができる。
【0184】
成形段階では、輸送および/または運搬の前またはそれと並行して、適切な空気吹き付けを行って、金型内および/または金型の周りに残っている押出成形材料を含む任意のボブルを除去することができる。
【0185】
離型された物品は、次いで、外気環境への暴露によって、または強制冷却機構によって、25~45℃の範囲の温度に冷却することができる。
【0186】
成形後、任意のさらなる成形後処理工程を行うことができる。1つの非限定的な実施例では、成形品の選択された可撓性および破断強度を可能にするために、成形品の湿気を能動的に制御することを特徴とする。
【0187】
繊維およびデンプンを含む炭水化物ポリマーを含む成形品は、環境から水分を吸収および脱着する。そのような水分の供給源は、非限定的な実施例として、空気の相対湿度、および/または対応する異なる水分活性をそれぞれ有する異なるパーセンテージの水分を含む湿ったまたは液状の内容物との接点を含むことができる。炭水化物ベースの物品によって吸収および/または脱着される水分の割合は、材料の収着等温線と呼ぶことができるものに従って物理的に調節される。物品の水分含量は、成形物品の機械的特性に影響を及ぼす。
【0188】
非限定的な実施例として、比較的低い水分含有量を有する炭水化物ベースの成形品は脆くてもよく、比較的中程度の水分含有量を有する物品は可撓性であってもよく、物品の総質量に基づいて15重量%を超える、時には10重量%を超える比較的高い水分含有量を有する物品は、柔らかくてもよく、湿っぽくてもよい。炭水化物物品のこのような収着および/または脱着は、ほとんどの種類の非生分解性および非堆肥化性プラスチックベースの物品と比較して欠点であり得、水分収着の選択された制御は必要に応じて、生分解性および/または堆肥化性を可能にし、かつ/または増強するために使用され得る。
【0189】
相対湿度0~100%の湿度範囲では、炭水化物系成形品の収着等温線はS字形状を有する。乾燥条件下では、相対湿度が低い場合、炭水化物系成形品は水分を失うことがある。湿潤状態では、相対湿度が高い場合、炭水化物系成形品は水分を得る。水分増加は生分解性および堆肥化特性を可能にし得るが、過剰な水分増加は成形品の物理的安定性に悪影響を及ぼす。
【0190】
したがって、炭水化物系成形品の機械的特性は、物品の組成に応じて、環境の相対湿度によって変化し得る。50℃までの温度、45%未満の相対湿度での本発明の成形組成物に関して、物品は約45~75%の相対湿度で脆く、物品は可撓性であり、80%以上の相対湿度で物品は柔らかくなり得る。温度は物品が熱間成形される相対湿度と比較して、あまり重要でない効果を有するが、相対湿度が約45%~70%の範囲で十分に高くない限り、温度が周囲温度を超えて上昇することにつれて、水分の損失が起こり得る。
【0191】
さらに、物品の寸法は水分の収着および/または脱着の機能として変化することができ、それによって、物品は水分の増加と共に膨張し、水分の損失と共に収縮することができる。炭水化物ベースの物品の最大長さ/幅収縮は、物品の水分含量の1%の変化に対して約0.1%である。非限定的な実施例では、200mmの長さの物品が得られた/失われた湿気の1%毎に2mmの0.1%の増加/低下を経験し得る。
【0192】
現行技術とは対照的に、本発明は、このような物品の多くのアプリケーションに必要とされる生分解性および堆肥化可能な成形物品の含水率の能動的制御を特徴とする。一実施形態では、本発明がコンディショニングプロセスを含む熱硬化後処理を特徴とする。このようなコンディショニングは、成形品中の水分含量を能動的に制御することを含む。成形品は成形後、または成形および冷却後に、規則正しい方法で配置され、密閉された加湿セクションまたはチャンバに通され得る。密閉された加湿部では、物品は湿った空気流にさらされる。湿った空気流通を通して物品に利用可能にされる水蒸気の量は加湿部またはチャンバ内の制御された安全な微生物学的状態を維持しながら、入ってくる湿った空気流通の温度、相対湿度、ならびに流量および分布を制御することによって制御される。さらに、成形品中の水分の能動制御は、成形品の厚さおよび表面積を実施例として含む成形品の寸法の選択によってさらに制御される。成形品中の水分の能動的な制御は加湿時間、すなわち、活性化セクションまたはチャンバ内に封入された物品を処理するための時間の選択によってさらに制御される。入ってくる湿った空気の相対湿度が高いほど、入ってくる湿った空気の温度が高くなり、成形品の全体の質量および壁の厚さが小さくなり、成形品が水をより速く吸収し、成形品中の所望の水分レベルを達成することができる。
【0193】
非限定的な例示的な実施形態では、成形品が熱硬化後に、成形品の総質量に基づいて3~1.5重量%の範囲の水分含有量を有する。このような物品は、典型的には15~60分の範囲、好ましくは20~50分の範囲、最も好ましくは20~45分の範囲の加湿を受けることができる。加湿後、成形品の水吸収能力を含む成形品の水分活性は、好ましくは0.45~0.70の範囲である。より好ましくは、加湿後の成形品の水分活性は0.50~0.70の範囲である。物品の目標水分活性は、物品の対応する目標適用に従って選択される。変性チャンバの相対湿度は成形品の比較的迅速な加湿を可能にするために、好ましくは80%~99%、より好ましくは85%~98%に維持される。より高い相対湿度の選択は物品のためのより大きな湿度露出を可能にし、目標水分活性に、より迅速に到達することができる。成形品上の水滴のいかなる縮合も排除されなければならない。
【0194】
他の成形後工程は、被覆および/またはシール、含浸、および/または堆肥化可能な被覆とのラミネーションによる物品の特性の選択的改変を含むことができる。コーティングおよび/またはラミネート工程は物品をより滑らかにし、光沢を持たせ、可撓性にし、および/または防水性にするために選択することができる。
【0195】
一実施形態では、成形後工程が面特性の改質のため、および/または特定の用途のための物品安定性のために、成形品の、例えば壁面を実施するための、生分解性、堆肥化可能な被覆および/またはシールを形成すること、および/または少なくとも部分に浸透させることを含む。非限定的な実施例のために、生分解性の堆肥化可能な層で物品を被覆および/または密封することは、表面平滑性、光沢および光沢を改善することができ、湿気および/または油の吸着から保護することができ、および/または物品の衝撃強度、可撓性、または耐破壊性などの機械的強度特性を改善することができる。他の非限定的な実施例では生分解性、堆肥化可能な被覆および/または封止は外面の外面または側面の少なくとも部分および/または成形品の内側に撥水性または防水性を提供することができる。
【0196】
コーティングおよび/またはシール工程は、当業者に知られている異なるコーティングおよびシール方法および材料に従って達成することができる。非限定的な実施例として、コーティングおよび/またはシール工程は、成形品の内部マトリックスに溶液を噴霧、カーテンコーティング、浸漬、および/または含浸させることによって、成形品に生分解性の堆肥化可能なコーティングおよび/またはシールを適用することを含むことができる。
【0197】
コーティングおよび/またはシール工程は、コーティング流体を使用して適用することができる。コーティング流体は水ベースの溶媒または非水ベースの溶媒、または両方の組み合わせであってもよく、非水ベースの溶媒は水と混合可能であり得る。非限定的な実施例の、本発明に用いることができる被覆液には、非限定的な実施例のために、公報WO 2014105641、WO 2010085569、およびUS 5,576,049に議論されている被覆が含まれる。
【0198】
本発明は、独特の生分解性、堆肥化可能なコーティング溶液を特徴とする。生分解性堆肥化可能コーティング溶液は、選択された液体溶媒ベースおよび選択された固体部分の選択された比率を含む。好ましい実施形態では、選択された液体溶媒塩基は水を含む。
【0199】
本発明はまた、成形品に生分解性の堆肥化可能なコーティング溶液を適用するための新規なシステムおよび方法を特徴とする。本システムは、噴霧装置および加熱装置を含む被覆ゾーンを含む。この方法は最初に成形品に生分解性堆肥化可能コーティング溶液を噴霧し、続いて噴霧成形品を選択された乾燥時間の間選択された温度に加熱することを含む。別の実施形態では、噴霧と加熱とを同時に行うことができる。
【0200】
噴霧装置は噴霧器を含む。噴霧器は、成形品上に生分解性堆肥化可能コーティング溶液の複数の液滴の噴霧を放出する。
【0201】
加熱装置は、赤外線乾燥装置を含む。赤外線加熱装置はコーティングされた成形品の目標水分活性を達成するために、噴霧された成形品を選択された温度に加熱するために使用される。
【0202】
生分解性で堆肥化可能なコーティング溶液の適用後、コーティングされた成形品は、標的の水分活性を有する。
【0203】
例示的な非限定的な実施形態では、
図10が成形品をコーティング領域に輸送することができる輸送ベルトを示し、ここで、生分解性の堆肥化可能なコーティングを成形品に適用することができる。
【0204】
別の実施形態では、成形後工程が生分解性堆肥化可能フィルムを物品に適用することを含むことができる。膜を適用する工程は、生物分解性堆肥化可能膜を物品の外面の少なくとも一部に積層する工程を含むことができる。好ましい実施形態では、積層膜が物品の表面特性の少なくとも1つの選択された変化に影響を及ぼすのに十分な厚さの非均一で欠陥のない膜を含む。
【0205】
膜を適用する工程は、成形品の外面の少なくとも一部に少なくとも1つの追加の層を接合する工程を含むことができる。フィルムは、熱媒介結合、圧力の適用、吸引、湿潤結合、乾燥結合、結合剤の使用、および前述の結合方法の2つ以上の組み合わせによって成形品に結合することができる。接着方法は、層の材料、被覆される物品の形状および量、層の所望の厚さ、ならびに当業者に知られている他のパラメータに基づいて選択することができる。
【0206】
本発明で使用することができる積層膜の非限定的な実施例は、米国特許出願公開第2015/0337094号および米国特許出願公開第6573340 B号に記載されている。
【0207】
他の成形後工程は非限定的な実施例のために、ステッカーのプリント及び/又は取り付けによる物品の表面の改質を含むことができる。
【0208】
成形および任意の成形後工程の後、必要に応じて、物品を積み重ね、密封し、印を付け、および/または包装することができる。次いで、当業者に公知の手順に従って、必要に応じて、物品をパレット上に装填し、および/または、さもなければ貯蔵および/または流通のために調製することができる。
【0209】
以下の実施例は、成形質量組成およびその調製物、成形品、ならびに本発明による任意の成形後工程を含む成形方法をより具体的に説明する。
【0210】
以下の実施例1~12は、それぞれ、本出願の付属物Aに含まれる対応する表3~14に提供される情報を参照する。
【0211】
実施例1
表3を参照すると、成分カラムに列挙されたサイズ分散液を含む成分をそれぞれ含む合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。用語「WF」はRettenmaier、ドイツからの小麦繊維を指し、WF数は、繊維長の選択された分布を指す。
【0212】
実験手順:各実験について、可溶性相を最初に表1に従って調製した。冷水を計量した。サイジング塩(例えば、ホウ酸塩、ミョウバン)、尿素、着色剤などを実施するために含む可溶性成分を水中に溶解した。サイジング剤(単数または複数)を可溶性または水性相に分散させた。
【0213】
次に、各実験について、表1に従って固相を調製した。繊維、デンプン粉および離型剤粉末を、混練腕を有する台所補助型ミキサーを用いて、約30rpmの低速度で短時間ブレンドした。
【0214】
可溶性相を固相を保持する容器に混合し、実質的に均質にブレンドした。約1分間の混合およびブレンドの後、混合物のテクスチャーおよびコンシステンシーは可塑性になった。混練腕の強度を、ミキサーに含まれる体積の関数として約300~600rpmの範囲まで増加させ、混練を約3分間行った。
【0215】
混合物を周囲温度で5分から30分の範囲で静置した。
【0216】
60グラム±0.5グラムの量の一部を対応する型に分けた。
【0217】
成形質量は、22℃~26℃の範囲の硬化温度で、5分~25分の範囲の硬化持続時間にわたって硬化された。
【0218】
得られた色、成形品質、および任意の金型残留物の指標を、各実験について提供する。
【0219】
実施例2:
表4を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0220】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0221】
得られた色、成形品質、および任意の金型残留物の指標を、各実験について提供する。
【0222】
実施例3:
表5を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。E133という用語は、E番号を含むEU食品添加物番号システムに従って命名された水溶性食品色を指す。用語「TC」は、ドイツのJeluwerkからのセルロース繊維製品を指す。繊維長についてはhttps://www.jelu-werk.com/de/technische-industrie/produkte/funktionelle-cellulose/jelucel-tc/jelucel-tc/参照
実施は、実施例1に概説した実験方法に従った。
【0223】
得られた色、成形品質、および任意の金型残留物の指標を、各実験について提供する。
【0224】
実施例4:
表6を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0225】
実施は、実施例1に概説した実験方法に従った。
【0226】
得られた色、成形品質、および任意の金型残留物の指標を、各実験について提供する。
【0227】
実施例5:
表7を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0228】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0229】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0230】
実施例6:
表8を参照すると、成分カラムに列挙されたサイズ分散液を含む成分を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。用語「DS」は置換度を指し、用語「DS」の直後の数字は、使用される変性デンプンを特徴付ける置換度を示す。
【0231】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0232】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0233】
実施例7:
表9を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。用語「pregelled pd.」は、アルファ化前の粉末を指す。
【0234】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0235】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0236】
実施例8:
表10を参照すると、成分カラムに列挙されたサイズ分散液を含む成分を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0237】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0238】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の効能効果を、各実験について提供する。
【0239】
実施例9:
表11を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0240】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0241】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0242】
実施例10:
表12を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイズ分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0243】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0244】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0245】
実施例11:
表13を参照すると、成分カラムに列挙されたサイズ分散液を含む成分を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0246】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0247】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0248】
実施例12:
表14を参照すると、構成要素カラムに列挙されたサイジング分散液を含む構成要素を含めて、合計8回の実験を行った。各成分の重量(g)を、各実験の対応する欄に示す。
【0249】
実施例1に概説した実験方法に従った。
【0250】
得られた色、成形品質、および任意の鋳型残基の指標を、各実験について提供する。
【0251】
実施例13:
本発明の発泡スチロールカップ、紙カップおよびプロトタイプの生分解性および堆肥化可能なカップについて、粉砕強度および耐熱性の測定を行った。
【0252】
各カップのタイプを、2つの異なる方向における破壊強度について試験した。第1方向性試験については、各カップタイプをカップの底部とリムに垂直な方向に力を加えて試験した。発泡スチロールカップとプロトタイプカップの両方が、リブ付き領域で破損した。紙カップが試験機の適用可能な力を超えた。第2の方向試験に関しては、カップの側面に力を加えることによって、各カップの種類を試験した。いずれのカップも、第2の方向性試験に不合格ではなかった。しかし、カップのどれも、単に曲げられるのではなく、加えられた力に応答しない。各カップタイプを曲げるのに必要なピーク力を記録した。
【0253】
各カップタイプについて熱抵抗を測定した。
図11を参照すると、それぞれのカップにおいて、熱電対が、カップの内側および外側面上に取り付けられた。内側の熱電対の各プローブは、対応する外側の熱電対のプローブに直接対向して取り付けられていた。各カップに砂と4.5ワットの加熱エレメントを砂の中心に挿入した。各カップのこのアセンブリの全周囲は絶縁されていた。各カップの発熱体に給電し、2つの熱電対間の温度差を記録した。熱抵抗は次式により算出した:
R=T/Q
a
ここで、Rは熱抵抗であり、Tは物質の厚さにわたる温度差に等しく、Q
aは単位面積当たりの熱流であり、Rの単位はft
2時°F/Btuで測定または計算される。実際の材料の厚さおよびインチ当たりの基準について、値を示した。表13は、結果の要約を提供する。
【0254】
【0255】
表15は、本発明の生分解性および堆肥化可能なカップが発泡スチロールおよび紙カップの両方と比較してより高い側面破砕強度、および紙カップより少ないにもかかわらず発泡スチロールカップの2倍を超える最終破壊強度を有することを示す。本発明の生分解性および堆肥化可能なカップの耐熱性は発泡スチロールカップの耐熱性よりも低いが、紙カップと同じ耐熱性を達成する。
【0256】
実施例14
制御堆肥試料及び3つの試験試料A、B及びCを取り付けAの表15に従って調製し、ASTM D5538を用いて制御試料及び試験試料の生分解能を評価した。試験結果の概要は、取り付けAに含まれる表16に提供され、
図12のグラフに示されている。
【0257】
本発明を、特定の好ましい実施形態に従って本明細書で詳細に説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、その中の修正および変更が当業者によって影響され得る。したがって、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されており、本明細書に示された実施形態を説明する細部および手段によって限定されることは意図されていない。
【0258】
本発明の概念から逸脱することなく、組成物、物品、装置、システム、および方法に変形および修正を加えることができ、さらに、そのような概念はそれらの言語によるこれらの特許請求の範囲が別段に明記しない限り、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されることを理解されたい。
【0259】
本発明の広範囲のさらなる実施形態は、その趣旨および本質的な特徴から逸脱することなく実現可能である。本明細書で論じる実施形態は、すべての態様において例示的なものにすぎず、限定的なものではないと考えられるべきである。以下の特許請求の範囲は、前述の説明ではなく、本発明の範囲を示す。
【0260】
付属物A
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【図面の簡単な説明】
【0275】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な非限定的な実施形態によるトレイを含む成形品の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、非限定的な実施形態による成形品の斜視図および平面図を示す。
【
図3】
図3は、本考案の例示的な実施形態によるトレーを含む成形品の底部の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、非限定的な実施形態による成形品の製造工程を示す図である。
【
図5】
図5は、非限定的な実施形態による成形質量を調製するための工程を示す構成図である。
【
図6】
図6は、例示的な非限定的な実施形態による、後熱処理および処理ステップを含む工程を示す構成図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態による空の底部金型部分の斜視図を示す。
【
図8】
図8は、本発明の例示的な実施形態によるヒンジ付きカバーを有する空の金型の斜視図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、成形された質量の熱硬化を行うための熱硬化系の斜視図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の例示的な実施形態による、コーティング噴霧区域への成形品の輸送のための輸送ベルトを示す。
【
図11】
図11は詳細な説明の実施例6に記載されるような耐熱性試験集合体の模式図を示す。
【
図12】
図12は、制御堆肥試料および3つの試験試料についての有機炭素の二酸化炭素への転化率を示す。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】