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特表2022-537788太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法と太陽電池パネル及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(54)【発明の名称】太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法と太陽電池パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20220822BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576368
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2020004836
(87)【国際公開番号】W WO2021002570
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0080381
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム チュンイ
(72)【発明者】
【氏名】チェ チョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンキュ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151BA03
5F151BA11
5F151GA04
5F151HA03
5F151JA02
5F151JA03
5F151JA06
(57)【要約】
【課題】優れた美観均一度を有し、眩しさ現象を防止することができる太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施例に係る太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法は、転写部材上にセラミック物質層で構成されるカバー層を形成するカバー層塗布段階と前記カバー層をベース部材に転写する転写段階と、前記カバー層が形成された前記ベース部材を強化または半強化してカバー部を形成する強化段階を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写部材上にセラミック物質層で構成されるカバー層を形成する、カバー層塗布段階と前記カバー層をベース部材に転写する、転写段階と、
前記カバー層が形成された前記ベース部材を強化または半強化してカバー部を形成する、強化段階
を含む、太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項2】
前記カバー部がセラミックフリットを含むセラミック酸化物組成物で構成される、請求項1に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項3】
前記ベース部材がガラス基板を含み、
前記カバー部が前記ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成される、請求項2に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項4】
前記カバー層塗布段階においては、印刷工程によって、前記カバー層を形成する、請求項1に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項5】
前記カバー層塗布段階においては、デジタルインクジェット印刷プロセスによって、前記カバー層を形成する、請求項4に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項6】
前記セラミック物質層が50μm以上の中心粒径を有する粒子を含む、請求項5に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項7】
前記カバー部の厚さが20μm以下である、請求項1に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項8】
前記転写段階と、前記強化段階の間に前記ベース部材を成形する成形段階をさらに含む、請求項1に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項9】
前記カバー部が形成される前記ベース部材の一面が5μm以上の高さの差を有する屈曲、凹凸、または突出部を有する、請求項1に記載の太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法。
【請求項10】
第1カバー部材、第1封止材、太陽電池部、第1封止材、第2カバー部材を積層して積層構造体を形成する積層段階と、
前記積層構造体に熱と圧力を加えて一体化するラミネート段階
を含み、
前記第1カバー部材が、転写部材上にセラミック物質層で構成されるカバー層を形成するカバー層塗布段階と前記カバー層をベース部材に転写する転写工程と、前記カバー層が形成された前記ベース部材を強化または半強化してカバー部を形成する強化段階によって形成される、太陽電池パネルの製造方法。
【請求項11】
前記カバー部がセラミックフリットを含むセラミック酸化物組成物で構成される、 請求項10に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項12】
前記ベース部材がガラス基板を含み、
前記カバー部が前記ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成される、 請求項11に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項13】
前記カバー層塗布段階においては、印刷工程によって、前記カバー層を形成する、請求項10に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項14】
前記カバー層塗布段階においては、デジタルインクジェット印刷プロセスによって、前記カバー層を形成する、請求項13に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項15】
前記カバー部の厚さが20μm以下である、請求項10に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項16】
前記転写段階と、前記強化段階の間に前記ベース部材を成形する成形段階をさらに含む、請求項10に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項17】
前記カバー部が形成される前記ベース部材の一面が5μm以上の高さの差を有する屈曲、凹凸、または突出部を有する、請求項10に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項18】
太陽電池と
前記太陽電池を密封するシール材と
前記封止材の上、前記の太陽電池の一面上に位置する第1カバー部材と、
前記封止材の上、前記太陽電池の他面の上に位置する第2カバー部材
を含み、
前記第1カバー部材は、一面に屈曲、凹凸、または突出部を有するベース部材と、前記ベース部材の前記一面に形成され酸化物セラミック組成物で構成されるカバー部を含む太陽電池パネル。
【請求項19】
前記屈曲、前記凹凸、または前記突出部による高さの差が5μm以上である、請求項18に記載の太陽電池パネル。
【請求項20】
前記カバー部からの赤外線領域の光に対する前記カバー部の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光に対する前記カバー部の平均光透過度である第2透過度と同じかそれより大きい、請求項18に記載 太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法と太陽電池パネル及びその製造方法に関し、さらに詳細には、製造工程を改善した太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法、それとこれによって製造された太陽電池パネル用グラフィックカバー基板を含む太陽電池パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽電池パネルを建物に適用する場合には、屋上や屋根などに設置した。しかし、アパートや高層ビルなどでは屋上や屋根に設置することができる太陽電池パネルのサイズが限定されて太陽光を効率的に活用することが難しかった。これに最近では住宅、建物などの外壁などに設置されて、住宅、建物などと一体化される建物一体型構造を有する太陽電池パネルの研究が活発に行われている。建物一体型構造を有する太陽電池パネルを適用すると、建物の外壁の広い面積で光電変換が行われることができ、太陽光を効果的に用いることができる。
【0003】
ところが、建物の外壁に適用されるためには、建物一体型構造を有する太陽電池パネルが設置された後でも、優れた審美的特性を持たなければならないどころ建物一体型構造を有する太陽電池パネルの色を多様化したり、外観を向上させることが要求される。しかし、従来の建物一体型構造を有する太陽電池パネルは、太陽電池、これに接続される配線などがそのまま外部に見られるか、または太陽電池の色である青系の色だけを有することができ、審美性、外観などを向上させるに困難があった。また、太陽電池パネルの長時間使用時に黄変が発生し、太陽電池パネルの外観が低下することがあった。また、建物一体型構造を有する太陽電池パネルが建物の外壁、特に垂直壁に設置されると、床面と垂直に設置されて建物一体型構造を有する太陽電池パネルの前面に位置するガラス基板によってグレア(glare:眩しさ)現象が発生することができた。
【0004】
これを防止するために、太陽電池パネルの前面に一定の厚さを超えて着色をすると、太陽電池パネルに入射される光の量が減少し、太陽電池パネルの出力が大きく低下した。他の例として、日本の登録特許第3717369号のように着色フィルムを使用すれば、横から見たり明るい場合に着色フィルムによる色が異なるように認識されたり、他の部材とは別に認識されて審美性を低下させることができた。また、屈曲、凹凸などを有するカバー部材に着色をしたり、着色フィルムを付着すると、着色が均一に行われないか、または着色フィルムが損傷されるなどの問題が発生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、優れた美観均一度を有し、眩しさ現象を防止することができる太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法を提供する。本発明は、優れた美観均一度を有し、眩しさ現象を防止することができる太陽電池パネル用グラフィックカバー基板を含む太陽電池パネル及びその製造方法を提供する。
【0006】
さらに具体的には、簡単な製造工程によって、均一かつ安定的に印刷層を形成して、所望するデザインを実現することができる太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法、それとこれを含む太陽電池パネル及びその製造方法を提供する。
【0007】
特に、屈曲、凹凸などを有するカバー基板に適用され、様々な形の建築形態に対応して所望するデザインを実現することができる太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法、それとこれを含む太陽電池パネル及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例に係る太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法は、転写部材上にセラミック物質層で構成されるカバー層を形成するカバー層塗布段階と前記カバー層をベース部材に転写する転写段階と、前記カバー層が形成された前記ベース部材を強化または半強化してカバー部を形成する強化段階を含む。
【0009】
前記カバー部がセラミックフリットを含むセラミック酸化物組成物で構成されることができる。前記ベース部材がガラス基板を含み、前記カバー部が前記ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成されることができる。
【0010】
前記カバー層塗布段階においては、印刷工程によって、前記カバー層を形成することができる。一例として、前記カバー層塗布段階では、デジタルインクジェット印刷プロセスによって、前記カバー層を形成することができる。前記セラミック物質層が50μm以上の中心粒径を有する粒子を含むことができる。
【0011】
前記カバー部の厚さが20μm以下で有り得る。
【0012】
前記転写段階と、前記強化段階の間に前記ベース部材を成形する成形段階をさらに含むことができる。
【0013】
前記カバー部が形成される前記ベース部材の一面が5μm以上の高さの差を有する屈曲、凹凸、または突出部を有することができる。
【0014】
本発明の実施例に係る太陽電池パネルの製造方法は、前述した太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法で製造された第1カバー部材を含むことができる。このとき、本実施例に係る太陽電池パネルの製造方法は、第1カバー部材、第1封止材、太陽電池部、第1封止材、第2カバー部材を積層して積層構造体を形成する積層段階と、前記積層構造体に熱と圧力を加えて一体化するラミネート段階を含むことができる。
【0015】
本発明の実施例に係る太陽電池パネルは、一面に屈曲、凹凸、または突出部を有するベース部材と、前記ベース部材の前記一面に形成され酸化物セラミック組成物で構成されるカバー部を含む第1カバー部材を含む。前記第1カバー部材は、太陽電池の一面上に位置することができ、前記太陽電池パネルは、太陽電池と前記太陽電池を密封するシール材と前記封止材の上で前記太陽電池の他面の上に位置する第2カバー部材をさらに含むことができる。
【0016】
前記屈曲、前記凹凸、または前記突出部による高さの差が5μm以上で有り得る。
【0017】
前記カバー部からの赤外線領域の光に対する前記カバー部の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光に対する前記カバー部の平均光透過度である第2透過度と同じかそれよりさらに大きくなることができる。
【発明の効果】
【0018】
本実施例に係る第1カバー部材またはこれを含む太陽電池パネルによれば、カバー部を備え、優れた美観の均一度を有し、眩しさ現象を防止することができる。このとき、転写工程を用いて、太陽電池パネルの製造工程を変化しない簡単な製造工程によって、均一かつ安定的にカバー部を形成して太陽電池パネルが所望するデザインを有するようにすることができる。そして転写部材にカバー層を印刷する際、カバー層の厚さ、透過度、印刷密度、印刷面積などを調整して、太陽電池パネルの美観を向上させながら出力を一定以上に維持することができる。
【0019】
また、様々な屈曲、凹凸などを有するカバー部材にカバー部を安定的に形成することができる。これにより、様々な形態の建築形態に対応して、第1カバー部材または太陽電池パネル所望するデザインを有するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係る太陽電池パネルが適用された建物の一例を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図である。
図3図2のIII-III線に沿って切断して見た概略的な断面図である。
図4図2に示した太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材を概略的に示す平面図である。
図5】本発明の実施例に係る太陽電池パネルに含まれるカバー部の波長による光透過度を色に応じて示したグラフである。
図6】本発明の実施例に係る第1カバー部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図7図6に示した第1カバー部材の製造方法に含まれるカバー層形成段階の一例を示すフローチャートである。
図8a図6に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図8b図6に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図8c図6に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図8d図6に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図8e図6に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図9a】本発明の実施例に係る太陽電池パネル100の製造方法を概略的に示す図である。
図9b】本発明の実施例に係る太陽電池パネル100の製造方法を概略的に示す図である。
図9c】本発明の実施例に係る太陽電池パネル100の製造方法を概略的に示す図である。
図10】本発明の他の実施例に係る太陽電池パネルの概略的な断面図である。
図11】本発明の他の実施例に係る第1カバー部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図12a図11に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図12b図11に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図12c図11に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示す断面図である。
図13】本発明の他の実施例に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の概略的な部分断面図である。
図14】本発明の他の実施例に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下においては、添付した図を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0022】
図面においては、本発明を明確かつ簡潔に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分には、同一の図面参照符号を用いる。そして、図においては、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0023】
そして明細書全体においてどのような部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分 「上に」あるとする時、これは他の部分「真上に」ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「真上に」あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池パネル用グラフィックカバー基板の製造方法、それと太陽電池パネル及びその製造方法を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池パネル100が適用された建物1の一例を概略的に示した図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、一例として、建物1の外壁面(例えば、垂直壁体3、屋根面など)に適用される建物一体型構造を有する太陽電池パネルで有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池パネル100が建物1の屋上、または建物1ではない外の場所などに設置されることもできる。このような太陽電池パネル100は、太陽電池(図2の参照符号150)を含み、太陽から供給される太陽光を用いて電力を生産することができる。
【0027】
本実施例において、太陽電池パネル100は、一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを有したり、一定の図形、文字などが備えたグラフィックカバー基板(一例として、第1カバー部材(図2の参照符号110、以下同じ))を含むことができる。このように、グラフィックカバー基板の色などによって太陽電池パネル100及びこれを含む建物1の審美性を向上することができる。そうしながらも、グラフィックカバー基板による太陽光の損失が大きくないようにして、太陽電池パネル100の太陽光変換効率の減少を最小化または防止することができるようにする。図1と共に図2乃至図5を参照して、太陽電池パネル100をさらに詳細に説明する。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に係る太陽電池パネル100を概略的に示す分解斜視図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って切断して見た概略的な断面図である。そして、図4は、図2に示した太陽電池パネル100に含まれる第1カバー部材110を概略的に示す平面図である。簡潔で明確な図示のために図2においては、第1カバー部材110及び第2カバー部材120を簡略に図示してカバー部114とカバー部分124を図示しながった。そして、図3で太陽電池150の構造を詳細に図示しておらず、フロントに形成された反射防止膜152だけを概略的に図示した。
【0029】
図2乃至図4を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、太陽電池150と、これに接続される配線部(142、145)を含む太陽電池部SPと、太陽電池部SPを囲んで密封するシール材130と、シール材130の上で太陽電池部SPの一面(一例として、前面)に位置し、特定の色、画像、パターン、感じ、または質感を実装するカバー部114を備える第1カバー部材(フロント部材)110と、シール材130の上で太陽電池部SPの他面(一例として、リア)に位置する第2カバー部材(後面部材)120を含むことができる。ここで、第1カバー部材110及び第2カバー部材120の内、少なくともいずれか一つ(特に、第1カバー部材110)が色などを有するグラフィックカバー基板で有り得る。それと太陽電池部SPの前面野方向で配線部(142、145)の少なくとも一部を覆う着色部材160をさらに含むことができる。
【0030】
このとき、太陽電池150は、太陽電池を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部に電気的に接続されて電流を収集して伝達する電極を含むことができる。例えば、太陽電池150は、少なくとも90nm乃至1400nm(一例として、100nm乃至1200nm)の波長帯の光から電気エネルギーを生成する太陽電池で有り得る。本実施例においては、一例として、光電変換部が、結晶質シリコン基板(一例として、シリコンウエハ)と、結晶質シリコン基板にまたはその上に形成されドーパントを含む導電型領域または酸化物を含む導電型領域で構成されことができる。このように結晶性が高く、欠陥の少ない結晶質シリコン基板に基づいた太陽電池150は、電気的特性が優れる。
【0031】
そして、本実施例においては、太陽電池150が、互いに離隔されながら、複数で備え、複数の太陽電池150が配線部(142、145)によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。一例として、複数の太陽電池150が配線材142によって直列に接続されて第1方向(図面のz軸方向)に沿って長く延長される太陽電池ストリングを構成することができる。そして、太陽電池ストリングの端部に第1方向と交差する第2方向(図面のx軸方向)に延びるバスリボン145が備えられることができる。一例として、バスリボン145は、太陽電池ストリングの配線材142の両側端部に接続することができる。このようなバスリボン145は、第2方向で隣接する太陽電池ストリングを直列、並列、または直並列に接続するか、太陽電池ストリングを電流の逆流を防止するジャンクションボックスに接続することができる。配線材142ではリボン、ワイヤーなどの太陽電池150を接続することができる様々な構造、形状が適用されることができる。そしてバスリボン145の物質、形状、リンク構造などは多様に変形することができる。本実施例は、各太陽電池150に用いられる配線部(142、145)の数、構造、形状等に限定されない。
【0032】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池150の構造、方式などは多様に変形することができる。一例として、太陽電池150は、化合物半導体太陽電池、シリコン半導体太陽電池、色素増感型太陽電池などの多様な構造を有することができる。そして、一つの太陽電池150のみが備えられることも可能である。
【0033】
本実施例においては、太陽電池150の前面には、光の入射を防止するための反射防止膜152が位置するが、このような反射防止膜152による補強干渉によって太陽電池150が、一定の色(例えばは、青、黒色など)を有することができる。そして、配線部(142、145)は、金属で構成されることができる。これにより、第1カバー部材110が、ガラス基板だけで備えられると、太陽電池150が位置した有効領域(AA)と太陽電池150が位置していない非有効領域(NA)の境界、非有効領域(NA)に位置した配線部(142、145)などが容易に認識することができる。特に、幅が1mm以上の広幅部分を備える配線部(142、145)(例えば、バスリボン145)は、さらに容易に認識することができる。それでは、太陽電池パネル100の審美性が低下することができる。そこで、本実施例においては、第1カバー部材110にカバー部(外観形成部114が備え着色部材160がさらに 、これについては後で詳細に説明する。
【0034】
例えば、太陽電池150の反射防止層152が、シリコンを含む酸化物、窒化物、または炭化物(例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、またはシリコン炭化物)、シリケート、または非晶質シリコンを含む絶縁層を複数積層した構造を有することができる。または、太陽電池150の反射防止層152は、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、銅を含む酸化物または窒化酸化物で構成される絶縁層を複数積層した構造を有することができる。反射防止層152が酸化物または窒化酸化物で構成される場合に、その内部または外部にシリコン窒化物を含む層、及び/またはシリコン炭化窒化物を含む層をさらに備え、紫外線、水分等による問題を防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、反射防止層152が、様々な物質、積層構造などを有することができる。
【0035】
第1カバー部材110は、シール材130(一例として、第1シール材131)上に位置して太陽電池パネル100の一面(一例として、前面)を構成し、第2カバー部材120は、シール材130(この例として、第2シール材132)上に位置して太陽電池パネル100の他面(一例として、後面)を構成する。第1カバー部材110及び第2カバー部材120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池150を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。第1及び第2カバー部材(110、120)の具体的な構造については、後で詳細に説明する。
【0036】
シール材130は、太陽電池部SPと、第1カバー部材110の間に位置する第1シール材131と太陽電池部SPと第2カバー部材120の間に位置する第1及び第2シール材(131、132)を含むことができる。第1シール材131と第2シール材132は、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材(131、132)は、透光性と接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材131と第2シール材132でエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリオレフィン)などが用いられる。ラミネート工程などによって第2カバー部材120、第2シール材132、太陽電池150及び配線部(142、145)を含む太陽電池部SP、着色部材160、第1シール材131、第1カバー部材110が一体化されて、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0037】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2シール材(131、132)が、前述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。
【0038】
本実施例においては、第1及び第2カバー部材(110、120)が、太陽電池パネル100が一定の色、画像、パターン、感じ、質感などの所望する外観を有するようにするグラフィックカバー基板であるか、太陽電池150またはこれに接続される配線部(142、145)が明確に認識されることを防止することができる一定の構造を有することができる。
【0039】
第1カバー部材110は、太陽電池150に入射される光を遮断しないように光が透過することができる透光性を有することができる。具体的に、第1カバー部材110は、第1ベース部材112と、第1ベース部材112に形成され酸化物セラミック組成物で構成されて所望する外観を形成するカバー部114を含むことができる。カバー部114は、太陽電池パネル100が所望する外観を有するようにしながら、太陽電池150またはこれに接続される配線部(142、145)が明確に認識されることを防止する役割をすることができる。
【0040】
そして第2カバー部材120は、優れた耐火性と絶縁性を有することができる。さらに具体的に 第2カバー部材120は、 第2ベース部材122と、第2ベース部材122に形成されるカバー部分124を含むことができる。カバー部分124は、太陽電池150またはこれに接続される配線部(142、145)が明確に認識されることを防止する役割をすることができる。
【0041】
このとき、第1ベース部材112は、優れた光透過度を有する(一例として、透明な)物質で構成されることができる。例えば、第1ベース部材112は、ガラス、樹脂(一例として、ポリカーボネート(polycarbonate)など)などで構成される基板、フィルム、シートなどで有り得る。このような第1ベース部材112は、単一層または複数の層で構成されることができる。そして第2ベース部材122は、優れた耐火性、絶縁性などを有する物質などで構成されることができる。第2ベース部材122は、ガラス、樹脂などで構成される基板、フィルム、シートなどで有り得る。
【0042】
特に、第1及び第2ベース部材(112、122)がそれぞれ優れた透明度、優れた絶縁特性、安定性、耐久性、耐火性などを有するガラス基板からなることができる。一例として、第1及び第2ベース部材(112、122)がそれぞれ380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が80%以上(一例として、85%以上)である低鉄分ガラス基板(一例として、低鉄分強化ガラス基板)で有り得る。このように鉄分を少なく含む低鉄分ガラス基板を使用すれば、太陽光の反射を防止し、太陽光の透過率を向上させることができる。そして低鉄分強化ガラス基板を用いると、外部の衝撃などから太陽電池150を効果的に保護することができる。
【0043】
このとき、太陽電池パネル100が建物1の外装材として用いられる場合には、風圧、あられ、積雪荷重のような外部の衝撃にも耐えられるように、第1または第2カバー部材(110、120)、または太陽電池パネル100が十分な強度を持たなければならない。このため、第1または第2カバー部材(110、120)、または第1または第2ベース部材(112、122)は2400Nmの力を加えたときの力を受ける方向に発生する曲げ(deflection)が5mm以下で有り得る。前述した曲げが5mmを超えて発生した場合、風圧、あられ、積雪荷重のような外部からの衝撃に対する耐久性が十分しなくて建物1の外装材として用いることが難しいことがある。
【0044】
一例として、第1または第2ベース部材(112、122)は、2.8mm以上、例えば、2.8mm乃至12mm(さらに具体的には、2.8mm乃至8mm)の厚さを有することができ、0.04乃至10mmの面積を有することができる。第1または第2ベース部材(112、122)の厚さが2.8mm未満では、太陽電池パネル100が外部からの衝撃に耐えることが難しいかまたは建物1に適用されるのに十分な耐久性を有することが難しいことがある。第1または第2ベース部材(112、122)の厚さが12mmを超えると、太陽電池パネル100の重量が増加し、建物1に適用されることが難しいことがある。前述した第1または第2ベース部材(112、122)の面積は、太陽電池パネル100の構造的安定性、生産性などを考慮して、限られたものである。
【0045】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1または第2ベース部材(112、122)の曲げの値、厚さ、面積等は、さまざまな値を有することができる。
【0046】
本実施例において 第1ベース部材112にカバー部114が形成されることができる。ここで、カバー部114とは、太陽電池パネル100が所望する色、画像、パターン、感じ、質感などを有するようにしたり、図形、文字などを表現するように形成された部分である。カバー部114が白色、灰色、黒色などの無彩色、または赤色、黄色、緑色、青色などのような有彩色を有して、一定の色を有することができる。または、カバー部114が、透明または半透明の特性を示したり、つや消しまたは有光沢特性を示したり、ガラス基板などで構成された第1ベース部材112と、他の質感を有して眩しさを防止することができる。このようなカバー部114は、太陽電池150、またはこれに接続される配線部(142、145)などが外部から明確に認識されることを防止する役割もすることができる。第2ベース部材122の上にカバー部分124が形成されることができる。カバー部分124は、太陽電池150、またはこれに接続される配線部(142、145)などが外部から明確に認識されることを防止することができる色を有することができる。
【0047】
本実施例においてカバー部114及び/またはカバー部分124が酸化物セラミック組成物で構成されることができる。一例として、カバー部114が、第1ベース部材112の一面で厚さ方向での一部分に対応するように形成されカバー部分124が第2ベース部材122の一面に厚さ方向での一部分に対応するように形成されることができる。
【0048】
さらに具体的に、本実施例において、第1カバー部材110は、強化または半強化ガラス基板で構成された第1ベース部材112と、強化または半強化ガラス基板の内部にセラミックフリット1144などを含み強化または半強化ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成されるカバー部114を含むことができる。つまり、カバー部114は、第1ベース部材112を構成する強化または半強化ガラス基板の一部として構成されるが、第1ベース部材112と、他の物質(一例として、非晶質状態のガラス構造を有するセラミック酸化物組成物)を含む部分で有り得る。このようなカバー部114は、第1ベース部材112を構成するガラス基板を強化または半強化する工程でセラミックフリット(図8dの参証符号1144、以下同じ)、色素(図8dの参証符号1142 、以下同じ)などが第1ベース部材112の内部に拡散と浸透してガラス基板の物質と混合されて形成されることができる。これによれば、カバー部114が、第1ベース部材112と一体化されて形成されて、物理的耐久性及び化学的耐久性に優れることがある。カバー部114は、セラミックフリット1144、色素1142、樹脂(図8dの参照符号1146、以下同じ)などを含むカバー層(図8の参照符号1140、以下同じ)によって形成されることができ、カバー層1140及び、これに含まれるセラミックフリット1144、色素1142、樹脂1146にたいしては、後、製造方法でさらに詳細に説明する。
【0049】
さらに具体的に、カバー部114を構成する酸化物セラミック組成物が非晶質の状態のガラス構造を有することができる。例えば、カバー部114がガラス質酸化物セラミック組成物(glassy oxide ceramic composition)で構成されることができる。このようなカバー部114は、セラミックスフリット1144、及び/または色素1142に含まれた複数の金属と非金属(一例として、酸素)を含む金属化合物(一例として、金属酸化物)を複数含み形成され、複数の金属と酸素を含む不規則な網目構造を有する酸素多面体、ガラス構造、不規則網目構造などを有することができる。カバー部114が酸化物セラミック組成物の形態で備えられたかどうかは、光電子分析(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)等により判別することができる。
【0050】
このように非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物は、一般的な酸化物セラミックを形成する温度より低い温度で熱処理されて形成され非晶質状態のガラス構造を有することができる。つまり、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物は、結晶部分が含まれないか、部分的にしか含むことができる。ここで、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物には、非晶質部分が結晶部分と同じかそれより多く含まれることができ、特に、非晶質部分が結晶部分より多く含まれることができる。一例として、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物は、結晶化度が50%以下(さらに具体的に、50%未満、一例として、20%以下)で有り得る。参照で、既存で用いた一般的な酸化物セラミックとは、イオン結合、共有結合、またはそれらの組み合わせが混在された酸化物として、高温と高圧で生成された無機質非金属材料を意味する。このような酸化物セラミックは、850℃以上(例えば、1400℃付近)の高温、それと高圧力下で熱処理され、ほとんどが結晶化された状態を有する。
【0051】
このようなカバー部114は、セラミックフリット1144を基本物質(一例として、最も多く含まれた物質、50重量部以上で含まれた物質)で含むことができる。そしてカバー部114は、必要に応じて添加された色素1142、添加剤などをさらに含むことができる。そしてガラス強化段階S30での熱処理時のカバー層1140に含まれた樹脂1146が揮発することができるので、カバー部114は、樹脂1146を含まないか、または含まないことがある。カバー部114に色素1142が含まれる場合でも、カバー部114のセラミックフリット1144と色素1142の区別が明確でないことがある。例えば、色素1142で含まれる物質の金属がセラミックフリット1144を構成する酸素多面体、ガラス構造、不規則網目構造などの金属で含まれた形で存在することができる。このようにカバー部114に含まれたセラミックフリット1144などは、様々な成分の分析方法(例えば、走査電子顕微鏡-エネルギー分散型分光分析法(SEM-EDX)など)によって判別することができる。
【0052】
本実施例に係る第1カバー部材110は、カバー部114によって所望する外観を実現することができる。例えば、カバー部114の色、物質、面積比、厚さ等、またはカバー部114に含まれるセラミックフリット1144、色素1142などの物質、大きさ、濃度、密集度などを調節して、第1カバー部材110の外観と透過率を調節することができる。本実施例では、カバー部114は、第1ベース部材112よりは低いが、一定の光透過度を有し太陽光の一部を透過させることができる。それでは、カバー部114を通じても太陽光が透過されることができ、カバー部114による光損失を防止または最小化することができる。一例として、カバー部114またはこれを備える第1カバー部材110が380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が10%以上(一例として、10%~95%、さらに具体的には、 20%~95%)で有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがってカバー部114の色、物質、形成面積等に応じて光透過度が様々な値を有することができる。
【0053】
また、本実施例に係るカバー部114は、酸化物セラミック組成物(特に、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物)で構成されて波長に応じた特定の光透過度形態、表面粗さなどを有しカバー部114によって光透過度が多少低くても、太陽電池パネル100の出力が低下することを防止または最小化することができる。これを図1図4と一緒に図5を参照して、詳細に説明する。
【0054】
図5は、本発明の 実施例に係る太陽電池パネル100に含まれるカバー部114の波長による光透過度を色に応じて示したグラフである。
【0055】
図5に示すように、本実施例では非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成されたカバー部114においては、赤外線領域の光の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光の平均光透過度である第2透過度と同じかそれよりさらに大きい。特に、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成されたカバー部114は、第1透過度が第2透過度より大きくすることができる。そして非晶質状態のガラス構造を酸化物セラミック組成物で構成されたカバー部114は、赤外線領域と可視光線領域の光それぞれの平均光透過度である第1及び第2透過度より紫外線領域の光の平均光透過度である第3透過度がさらに小さいことができる。ここで、紫外線領域の光は、100nmから380nmの波長を有する光、可視光線領域の光は、380nm~760nmの波長を有する光、赤外域の光は、760nm~1200nmの波長を有する光として定義することができる。そして平均光透過度は、第1ベース部材112の光透過度を反映していないように正規化された光透過度(normalized transmittance)の平均として定義することができる。
【0056】
図5に示すように色によって差があるが、第1透過度が第2透過度と同じかそれより大きい傾向はそのまま維持することが分かる。このような傾向は、ガラス強化段階S30での熱処理温度、冷却速度等によって実現することができる。
【0057】
前述したように、第1透過度が第2透過度と同じかそれより大きければ、カバー部114が備えても、第1カバー部材110を通過して、太陽電池150に到達する光の中で、赤外線領域の光の量が可視光線領域の光の量と同じか、それより大きいことができる。これにより、カバー部114によって光透過度が多少低下する場合でも、赤外線領域の光が太陽電池150に多く到達し、これを効果的に用いることができる。これにより、カバー部114によって光透過度が多少低下しても、太陽電池150の光電変換効率または、太陽電池パネル100の出力が低下することが防止または最小化することができる。
【0058】
そして、前述したように、第1及び第2透過度がそれぞれ第3透過度より大きくすることができる。これはカバー部114がセラミックフリット1144、色素1142、添加剤などを含みガラス基板で構成された第1ベース部材112より高屈折率を有し、物質に応じて、ガラス基板で構成された第1ベース部材112より高い吸光係数を有するからである。紫外線領域の光は、太陽電池150の光電変換効率、それと太陽電池パネル100の出力に寄与するところが大きくなく、高い光子エネルギー(photon energy)を有し太陽電池150、シール材130などの変形、特性変化などを引き起こすことができる。本実施例においては、カバー部114が、紫外線領域の光を散乱、遮断、または吸収して、紫外線領域の光の光透過度を下げる役割をする。これにより、太陽電池150の光電変換効率、太陽電池パネル100の出力には大きな影響を与えずに、紫外線によって発生するごとができる太陽電池150、シール材130などの変形、特性変化等を最小化することができる。
【0059】
例えば、本実施例でカバー部114は、第1透過度が第2透過度より2%以上さらに大きくなることができる。または、第1透過度と第2透過度との間の第1差第2透過度と第3透過度との間の第2差より大きくなることができる。このような場合に、太陽電池パネル100から赤外線領域の光をより効果的に用いることができる。前述した光透過度は、様々な方法によって測定することができるが、垂直光透過度(正常透射度 )(normal transmittance)と散乱光の透過度(拡散透過度)(diffused transmittance)のすべてを測定することができる方法で測定することができる。たとえば、ISO 9050:2003、BS EN 14500:2008などのような標準測定方法によって光透過度を測定することができる。
【0060】
赤外線領域の光で単結晶シリコンをベースにする太陽電池150のスペクトル応答(つまり、光の特定の波長で生成される短絡電流密度(Isc)または出力)と量子効率が高い。本実施例では、高いスペクトル応答と量子効率を有する赤外線領域での光の平均光透過度を向上して、特定の色、感触、質感などを実装するカバー部114によって光透過度が多少低下する場合も、赤外線領域の光を効果的に用いることができる。これにより、カバー部114が形成されても、太陽電池150の光電変換効率または、太陽電池パネル100の出力が高い値を維持することができる。紫外線領域の光は、スペクトル応答と量子効率が非常に低い値を有するのでカバー部114の第3透過度が低くても、これによる太陽電池150の光電変換効率や、太陽電池パネル100の出力には大きな影響を及ぼさない。
【0061】
本実施例においてカバー部114が気泡114Vを備えないこともあり、カバー部114が気泡114Vを備えて多孔性を有することもある。カバー部114を形成するための熱処理工程(一例として、ガラス強化段階S30でセラミック物質層またはカバー層1140に備えられた樹脂1146または添加剤が揮発して、その部分に気泡114V が残留することができる。カバー部114の内部に気泡114Vが存在する場合には、太陽電池パネル100に入射される光が気泡114Vで分散されて広く拡散することができる。さらに具体的には、カバー部114が気泡114Vを備えると、正常の透過(diffused transmittance)と拡散透過(diffused transmittance)が一緒に起きて半球形透過(hemispherical transmittance)が起こる。これにより、カバー部114の気泡114Vが太陽電池パネル100の内部に入射される半球型の透過形を有するように光を散乱させることができる。それでは、太陽電池150間の領域の方向に消失することができる光の一部を、太陽電池150の方向にして使用したり、カバー部114と、ベース部材112の界面による再使用することができる。したがってカバー部114が備えられる場合にも、光電変換に用いられる光の量を最大化して、太陽電池150の光電変換効率及び太陽電池パネル100の出力を高く維持することができる。一例として、カバー部114は、太陽電池150の間の領域に対応する部分には、少なくとも一部が位置することができる。そしてカバー部114の気泡114Vが太陽電池パネル100の外部の方向に半球型の透過形を有するように光を散乱させてアンチグレア(anti-glare)特性を向上させることができる。一例として、0.1μm以上の大きさを有する気泡114Vが備えられる。このような気泡114Vの大きさで気泡114Vによる効果を最大化することができる。
【0062】
カバー部114を構成するセラミック物質層またはカバー層1140を構成する物質の粒子が小さい粒径を有すると、製造工程を単純化し、製造コストを削減することができる。このため、セラミック物質層またはカバー層1140が、特定の添加剤を備えないことがあるが、この場合にカバー部114に気泡114Vが備えられないことがある。
【0063】
気泡114Vの大きさ、面積比率、存在するかどうかなどは、セラミック物質層、カバー層1140、またはカバー部114(または、これらに含まれた色素1142、セラミックスフリット1144、樹脂1146、添加剤など)の物質、セラミック物質層、カバー層1140、またはカバー部114の製造方法、工程条件などによって異なる場合がある。
【0064】
本実施例においてカバー部114が 形成された部分で、第1ベース部材112とカバー部114の境界部分(つまり、カバー部114の界面)の表面粗さがカバー部114が形成されない第1ベース部材112の他の部分の表面粗さより大きくなることができる。すなわち、図3の拡大円で示したように、第1カバー部材110でカバー部114と、第1ベース部材112の一面が構成する境界部分の表面粗さが、第1ベース部材112の他面または側面の表面粗さより大きくなることができる。これはカバー部114が形成されるとき、セラミックフリット1144、色素1142などが第1ベース部材112の内部に混入したり、その他の相平衡のための物質などが移動しながら、第1ベース部材112との界面部分で表面粗さが相対的に大きくなることがあるからである。
【0065】
一例として、図3では、カバー部114が形成されない他面に光拡散部(LD)が位置することを示した。光拡散部(LD)は、光を拡散させて、太陽電池150などの認識を最大限に防止し、カバー部114による色などの統一性を向上させることができる。一例として、光拡散部(LD)がシール材130に接して形成されると、シール材130との接着面積を増加させて接着力を向上させる役割をすることができる。例えば、光拡散部(LD)が10~500μmの大きさを有することができ、ラウンドされた形状(一例として、
球形の一部に対応する形状)、角形状、ピラミッド形状など、様々な形状を有することができる。前述した光拡散部(LD)は、
陽刻形状に突出した形状を有することができ、 陰刻形状で凹面形状を有することもできる。
【0066】
このとき、光拡散部(LD)の大きさがカバー部114が形成された境界部分の表面粗さと同じかそれより大きいことができる(一例として、大きくなることができる)。ここで、光拡散部(LD)の大きさとは、光拡散部(LD)の最上段と最下段の間の距離を意味することができる。これにより、光拡散部(LD)による拡散効果を向上することができる。そしてカバー部114が形成された境界部分の表面粗さが光拡散部(LD)の表面粗さと同じかそれより大きいことがある(一例として、大きくすることができる)。ここで、光拡散部(LD)の表面粗さは、光拡散部(LD)の形状を構成する外表面からの表面粗さを意味することができる。これは、光拡散部(LD)は、一定の形状を有するように、特定の加工工程を経て形成されたものであるため、光拡散部(LD)の外表面が相対的に小さい表面粗さを有するからである。
【0067】
そして、図3等ではカバー部114の外表面を平らに図示したが、本発明がこれに限定されるものではない。カバー部114と、第1ベース部材112の境界部分の凹凸、屈曲部などに対応するようにカバー部114の外表面が凹凸、屈曲部などを備えることができ、カバー部114の外表面がカバー部114と、第1ベース部材112の境界部分の表面粗さと同一または類似の表面粗さを有し第1ベース部材112の他の部分の表面粗さより大きくなることができる。
【0068】
このようなカバー部114の界面での高い表面粗さによってカバー部114が光の散乱を効果的に誘導することができる。特に、太陽電池150の間に対応する部分(すなわち、非有効領域(NA))にカバー部114が位置すれば、カバー部114からの散乱による光が太陽電池150の方向に光電変換に用いることができる。これにより、太陽電池150の光電変換効率と太陽電池パネル100の出力を高く維持することができる。
【0069】
前述したカバー部114は、第1ベース部材112またはシール材130より大きい屈折率(一例として、1.48以上の屈折率)を有することができる。そしてカバー部114は、20μm以下の厚さを有することができ、1μm以上の厚さを有することができる。カバー部114の製造工程に応じてカバー部114の厚さが変わることがある。カバー部114の厚さが20μmを超えると、光透過度が全体的に低下することがあり、カバー部114の剥離、ひび割れ等の現象が発生することができる。また、カバー部114がガラス強化段階S30で引張応力(tensile stress)を緩和する役割をすることができ、カバー層1140またはカバー部114の厚さが大きくなると、第1ベース部材112の強化が所望する通り行われないようにすることができる。カバー部114の厚さが1μm未満では、所望する外観を実現するのに困難があることができ、色素1142が含む場合に色素1142の密集度が低下して所望する色を示すことが難しいことがある。一例として、カバー部114による効果を十分に実装することができるようにカバー部114の厚さが4μm以上で有り得、カバー部114の製造工程を簡素化し、材料コストを削減するためにカバー部114の厚さが10μm以下で有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。また、色に応じてカバー部114の厚さを調節することができるが、一例として、カバー部114が
相対的に低い光透過度を有する白色を有する場合には、他の色のカバー部114よりも小さい厚さを有することができる。
【0070】
反面、従来の第1カバー部材110に形成される層は、赤外線領域の光の光透過度が低くて太陽 電池に到達する光で可視光線領域の光より赤外線領域の光の量が少なく、赤外線領域の光を効果的に用いるのに難しいことがあった。例えば、反射を防止するための反射防止層は、太陽光の強度が最も強い600nm程度の短波長を有する光の反射を防止することができるように、当該波長の最大光透過度を有する。従来、第1カバー部材110に備えられる層(一例として、反射防止層)がカバー部114と同一または類似の物質で構成される場合でも、セラミックの形態を備えない場合には、可視光線領域の光の平均光透過度より赤外線領域の光の平均光透過度が小さい。そして反射防止層は、第1ベース部材112及びシール材130より小さい1.3程度の屈折率を有し500nm以下(一例として、200nm内外)の厚さを有する。これにより、本実施例のカバー形成層114とは特性が異なり、赤外線領域の光を効果的に利用するには難しいことがある。また、ほとんどの場合、第1カバー部材110に備えられる層(一例として、反射防止層)の形成が第1カバー部材112の上に積層されることにより行われるので、第1カバー部材110に備えられる層(一例として、反射防止層)の界面での表面粗さが他の部分との差を有さない。
【0071】
図4においては、第1カバー部材110においてカバー領域(CA)の一部にのみカバー部114が備え、一定距離だけ離隔された距離から見るとカバー領域(CA)の全体にわたってカバー部114による同じ外観を有すると認識されることができる。ここで、カバー領域(CA)とは、一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを実装することができるように同じ色、画像、パターン、感じ、質感などを有すると認識される領域を意味する。さらに具体的には、図4の(a)に示すように、第1ベース部材112の全領域に一定の形状のカバー部114が一定間隔で位置して、図4の(b)に示したようのように一定の距離だけ離れて見ると、カバー部114が位置した第1ベース部材112またはカバー領域(CA)が全体的に一つの色として認識されることができる。
【0072】
さらに具体的に、複数のカバー部114が一定距離を有しながら互いに離隔しながら一定面積の割合以上形成されると、一定距離から見る場合に、光透過部(LTA)を挟んだ複数のカバー部114が1つとして認識されることができる。つまり、複数のカバー部114によって、複数のカバー部114が位置したカバー領域(CA)が一つの色として認識されながらも、複数のカバー部114との間に位置した高い光透過度の第1ベース部材112で構成された光透過部(LTA)を介して太陽光は大きな損失なしに、第1カバー部材110を通過して、太陽電池150に伝達することができる。
【0073】
前述した構造においてはカバー部114が、第1または第2カバー部材(110、120)の一部のみに形成されことを例示した。カバー部114の大きさ、カバー領域(CA)の総面積に対するカバー部114の総面積の割合、カバー部114の間隔などは、一定距離(一例として、1m)を置いて複数のカバー部114を眺めると一つの色として認識されることができる様々な値を有することができる。カバー領域(CA)を構成するカバー部114は、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形など)、ストライプ形状、チェック柄の形状、不規則形状、またはこのような組み合わせで構成される様々な形状を有することができる。
【0074】
本実施例においては、太陽電池パネル100を一定距離以上(一例として、1m以上)から離れて肉眼で見る場合に、第1カバー部材110によって太陽電池パネル100が一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを全体的に均一に有することができる。一例として、建物(図1の参照符号1、以下同じ)の外観を眺めために十分な距離で太陽電池パネル100を見た場合に、建物1の外観を向上させながらも、出力は大きく減らないようにすることができる。
【0075】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなくカバー部114が第1カバー部材110の全領域で、1つの色を有しながら形成されることもできる。そしてカバー部114が複数の色を有する部分を含むことができる。そのほか、さまざまな変形が可能である。
【0076】
本実施例においては、第2カバー部材120がカバー部分124を備えて着色されたガラス基板で構成されることができる。本実施例においてカバー部分124は、太陽電池150、配線部(142、145)などが外部から認識されないように、一定の色を示す部分で有り得る。カバー部114とは異なり、建物一体型構造を有する太陽電池パネル100の後面に位置してカバー部分124は、光の拡散、散乱などが要求されないため、特定の色を有することができる。
【0077】
第2カバー部材120またはカバー部分124は、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L * a * b *)色座標、D65標準光源(正午の太陽光源)から太陽電池150(特に、太陽電池150の反射防止層152)と第2カバー部材120の色差(△E ab)レベルが11以下になるようにする色を有することができる。前述した色差(△E ab)レベルが11以下になると、太陽電池150、配線部(142、145)などが一定距離以上では、外部から認識されないようにすることができる。ここで、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L )色座標、D65標準光源で輝度(L )が50以下で相対的に暗い色を有することができる。それでは、太陽電池150、配線部(142、145)などが外部から効果的に認識されないようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L )色座標、D65標準光源で輝度(L )が50を超えて相対的に明るい色を有することができる。
【0078】
このとき、カバー部分124の色は、カバー部114の色と同じであることもあり、異なることもある。特に、カバー部分124は、透明、半透明などには、形成されないことがあり、白色を除外した無彩色、不透明な色、または太陽電池150と同じ系列の色を有することができる。例えば、カバー部分124が黒色、グレー、青、緑、茶、太陽電池150(特に、太陽電池150の反射防止層152)と同じ系列の色、またはこれらを混合した色を有することができる。白色は明度の高い色であるため、これを用いてカバー部分124を形成することが難しいことがある。一例として、カバー部分124が太陽電池150と同じ系列の色で形成されると、色の統一性を有して、太陽電池パネル100が、全体的に色の統一性を有するので審美性をさらに向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。前述した色以外の色であってもカバー部114より低い明るさまたはベース部材112及び/またはベース部分122より低い光透過度を有する色であれば、様々な色を用いることができる。
【0079】
このように、第2カバー部材120が、一定の色を有して、太陽電池150などが認識されることを防止するとシール材130の色を変化させなくてもよい。シール材130に色を変化させるための色素(例えば、カーボンブラック)などを含めると、所望しなくシール材130の絶縁特性などが低下するなどの問題が発生することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなくシール材130の少なくとも一部に色素などが備えるなど、様々な変形が可能である。
【0080】
一例として、本実施例においてカバー部分124は、酸化物セラミック組成物で構成されることができる。そうすると、同一または類似の製造工程によって、第1及び第2カバー部材(110、120)を形成することができ、製造工程を単純化することができる。この場合にカバー部分124を構成する酸化物セラミック組成物及び第2カバー部材120に対しては、先に説明したカバー部114を構成する酸化物セラミック組成物及び第1カバー部材110の説明がそのまま適用することができる。
【0081】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなくカバー部分124が酸化物セラミック組成物以外の他の物質で構成されることができる。例えば、第2カバー部材120が、第2ベース部材122と、第2ベース部材122上に形成され、複数のカバー層で構成されたカバー部分124を含むことができる。複数のカバー層は、特定の色を実現することができる数で形成され、各カバー層は、誘電物質、絶縁物質、半導体物質などのような様々な物質で構成されることができる。
【0082】
例えば、本実施例においてカバー部分124は、太陽電池150の反射防止層152と同一又は類似の色を実現することができる。一例として、カバー部分124が、太陽電池150の光電変換部を構成するシリコンを含むシリコン層と、シリコン層の上に位置し、反射防止層152と同一の物質及び積層構造を有する誘電層または絶縁層を含むことができる。それでは、カバー部分124が太陽電池150と同一または類似の色を有することができ、太陽電池150と同一または類似の色を実現することができる。これにより、簡単な構造によって太陽電池150、配線部(142、145)などが認識されることを効果的に防止することができる。
【0083】
他の例として、カバー部分124が それぞれの金属化合物(一例として、金属酸化物または金属窒化酸化物)で構成される複数のカバー層を含むことができる。たとえば、複数のカバー層が、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、銅を含む酸化物または窒化酸化物で構成される絶縁層を複数積層した構造を有することができる。そして、複数のカバー層が酸化物または窒化酸化物で構成された場合にカバー部分124は、複数のカバー層の内部または外部にシリコン窒化物を含む層、及び/またはシリコン炭化窒化物を含む層をさらに備えて、紫外線、水分などによる問題を防止することができる。
【0084】
例えば、カバー部分124が、シリコン酸化物で構成された第1カバー層、その上に位置し、シリコン窒化物で構成された第2カバー層、それと、その上に位置し、
シリコン炭化窒化物で構成された第3カバー層を含むと、カバー部分124が青色を有することができる。または、カバー部分124が酸化ジルコニウムで構成された第1カバー層は、その上に位置し、シリコン酸化物で構成された第2カバー層、その上に位置し、ジルコニウム酸化物で構成された第3カバー層、それとその上に位置し、シリコン酸化物を含む第4カバー層を含むと、カバー部分124が緑色を有することができる。
【0085】
本実施例に係ると、蒸着等による簡単な製造工程によってカバー部分124を形成することができて、所望する色を備えた第2カバー部材120を製造することができる。カバー部分124は、第2カバー部材120の内面及び/または外面に位置することができる。
【0086】
一例として、カバー部分124は、有効領域(AA)と非有効領域(NA)に対応するように、全体的に形成され得、非有効領域(NA)に対応する部分にのみ形成され有効領域(AA)には形成されないことがある。有効領域(AA)にカバー部分124が形成されないとカバー部分124の形成のためのコストを削減することができる。
【0087】
前述した説明においては、第2カバー部材120が、ガラス基板で構成された、第2ベース部材122とカバー部分124を備えたことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、カバー部分124が金属膜(一例として、黒色を有するようにコーティングされた銀(Ag)、またはアルミニウム)で構成されて、ガラス基板で構成された第2ベース部材122に蒸着することができる。または第2カバー部材120が第2ベース部材122とカバー部分124を備えなく一体化された一つの部材で構成されることができる。例えば、第2カバー部材120が金属板(一例として、鋼板)、回路基板などで構成されることができる。そのほかにも、第2カバー部材120または第2ベース部材122が樹脂(一例として、ポリカーボネート(poly carbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(poly ethylene terephthalate、PET)、エチレンテトラフルオロエチレン(ethylene tetra fluoro ethylene、ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(poly tetra fluoro ethylene、PTFE)など)を含むシート、繊維強化プラスチック(fiber reinforced plastic)などで構成されることができる。このようなシートなどで構成された第2ベース部材122の上に、別のカバー部分124が形成されたり、第2ベース部材122の内部に顔料などが含まれて一定の色を有することができる。このようなシートなどで構成された第2ベース部材122は、単一層または複数の層で構成されることができる。
【0088】
そして、前述した説明においては、第2カバー部材120が一定の色を有する着色された部材で構成されたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2カバー部材120が透光性、非透光性、または反射特性のさまざまな特性を有することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0089】
図3においてはカバー部114が第1カバー部材110の外面側に位置しカバー部分124が第2カバー部材120の外面側に位置することを例示した。カバー部114が第1カバー部材110の外面側に位置して太陽電池パネル100が建物1に適用されたときに発生することができる眩しさをカバー部114によって防止または最小化することができる。そしてカバー部114に所望しなく残留されたナトリウムまたはカリウムなどが太陽電池パネル100の内部に向かいながら発生することができる問題を防止することができる。カバー部分124が 第2カバー部材120の外面側に位置して太陽電池パネル100の後面側に近く位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがってカバー部114が第1カバー部材112の内面と外面の内少なくとも一つに位置することができ、及び/またはカバー部分124が第2カバー部材120の内面と外面の内少なくとも一つに位置することができる。そして、前述したように、カバー部114またはカバー部分124が形成されていない他の一面に凹凸、テクスチャリングなどが形成された光拡散部(LD)が形成されることができる。その他の様々な変形が可能である。
【0090】
カバー部114及び/またはカバー部分124が形成される場合にも、カバー部114の形状、色など、カバー部分124の形状などに応じて幅が1mm以上の広幅部分を含む配線部(142、145)(例えば、バスリボン145)は、一部認識されることができる。このような現象は、カバー部114が、一部形成された場合だけでなく、全体的に形成された場合にも表示されることができる。そこで、本実施例においては、着色部材160を備えることができる。
【0091】
着色部材160は、特定の色(一例として、黒色、灰色、または太陽電池150と同一または類似の色)を有することができ、配線部(142、145)(特に、バスリボン145)と他の反射度を有し配線部(142、145)が認識されることを防止することができる。配線部(142、145)の広幅部分が相対的に大きい幅を有し、金属で構成されて反射などによってさらに容易に認識することができることを考慮して、着色部材160で配線部(142、145)の広幅部分を遮って、配線部(142、145)の認識をさらに効果的に防止することができる。
【0092】
ここで、着色部材160と、太陽電池150の彩度(saturation)の差が10以下で有り得る。そして着色部材160と太陽電池部SPの後面に位置する後面部(すなわち、第2シール材132と第2カバー部材120)の彩度の差が10以下で有り得る。一例として、着色部材160、太陽電池150及び後面部(一例として、第2カバー部材120)の彩度の差が10以下で有り得る。着色部材160が、前述したような彩度を有すると配線材(142、145)の広幅部分の認識を効果的に防止することができる。
【0093】
着色部材160は、厚さが1mm以下のフィルム状、シート状、またはテープの形で構成されて、様々な方法で所望する位置に位置することができる。一例として、着色部材160が太陽電池部SP(特に、バスリボン145)に粘着(cohesion)または接着(adhesion)されて位置することができる。または、着色部材160が太陽電池部SP(一例として、バスリボン145)の上に置かれた状態で、ラミネート工程でシール材130によって太陽電池部SPに固定されることができる。ここで、粘着とは、常温で物理的な力によって2つの層が互いに付着したり分離することができる程度の接着力を意味するものであり、接着とは、熱処理を介して2つの層が互いに付着され、2つの層を分離するときのいずれか1つの層が損傷されることを意味することができる。着色部材160が粘着により太陽電池部SPに固定されると、製造工程中の着色部材160の粘着、分離、位置調整などが容易である。着色部材160が接着によって太陽電池部SPに固定されると、ラミネート工程中に着色部材160をさらに安定的に固定することができる。着色部材160を、別の接着または粘着物質などを使用せずに、太陽電池部SPの上に位置させると、工程を単純化することができる。着色部材160の大きさ、形状、配置等は多様に変形することができる。
【0094】
以下においては、図1図4と共に、図6図7図8a~図8eを参照して、前述したように、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成されたカバー部114を第1ベース部材112に形成する方法(すなわち、本実施例に係るカバー部114を備える第1カバー部材110を製造する方法、または、本実施例に係るグラフィックカバー基板を製造する方法)、そしてこれによって製造されたカバー部114を詳細に説明する。以下の説明では、カバー部114を備える第1カバー部材110を製造する方法を一例として説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。つまり、以下の説明は、カバー部分124を備える第2カバー部材120を製造する方法に適用されることもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0095】
図6は、本発明の実施例に係る第1カバー部材110の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図7は、図6に示した第1カバー部材110の製造方法に含まれるカバー層形成段階S20の一例を示すフローチャートである。図8a~図8eは、図6に示した第1カバー部材110の製造方法の各段階を示す断面図である。
【0096】
図6を参照すると、本実施例に係る第1カバー部材110の製造方法は、基板洗浄段階S10、カバー層形成段階S20、ガラス強化段階S30及び仕上げ段階S40を含むことができる。図7を参照すると、本実施例においてカバー層形成段階S20は、カバー層印刷段階S22、転写段階S24及び乾燥段階S28を含み、転写部材除去段階S26をさらに含むことができる。
【0097】
まず、基板洗浄段階S10においては、非強化ガラス基板で構成された第1ベース部材112を洗浄し乾燥する。基板洗浄段階S10により、第1ベース部材112の異物または油膜などが除去されることができる。
【0098】
このとき、非強化ガラス基板は、380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が80%以上(一例として、85%以上)であり、厚さが2.8mm以上で有り得る。一例として、非強化ガラス基板は、建築用非強化ガラス基板であり、切削、面取り、または表面加工(etching)等により準備することができる。
【0099】
続いて、図8a~図8dに示すように、カバー層形成段階S20においては、第1ベース部材112の上にカバー層1140を形成する。このとき、本実施例においては、カバー層形成段階S20でカバー層1140を第1ベース部材112の上に直接印刷して塗布しないで、カバー層1140を転写部材1120の上に形成した後、第1ベース部材112に転写することによりカバー層1140を第1ベース部材112の上に形成する。
【0100】
図8aに示すように、カバー層印刷段階S22では、印刷工程によってカバー層1140を転写部材1120の上に形成する。カバー層1140を印刷することを中心に説明したがカバー層114が転写部材1120の上に塗布することができる様々なプロセスが用いられることができるところ、カバー層印刷段階S22は、カバー層塗布段階と見ることができる。
【0101】
カバー層1140は、セラミックフリット1144、色素1142及び樹脂1146を含むセラミック物質層(セラミックインク、セラミックペースト、またはセラミック溶液など)で構成されることができる。そしてセラミック物質層は、必要に応じて添加剤などをさらに含むことができる。添加剤としては、所望する特性を考慮して酸化物、金属など様々な物質が含まれることができる。または添加剤として粘度を調整するためのワックス、水、油、有機溶媒、または粘度調節用シンナーなどをさらに含むことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、セラミック物質層の形成時に用いられるメッシュ(mesh)、セラミックス物質層の塗布のためのノズル通過のために小さな粒子を維持できるように添加剤を含まないことがある。
【0102】
ここで、セラミックフリット1144は、基本的にカバー部114を第1ベース部材112(特に、ガラス基板)に安定的に結合させる役割を果たし、選択的に特定の色、質感、感じなどを実装する役割をすることができる。
【0103】
セラミックフリット1144とは、複数の金属、そして非金属を含む化合物であって、複数の金属化合物を含み形成されることができる。このようなセラミックフリット1144は、複数の金属、そして酸素を含む不規則網目構造(random network structure)、またはガラスの構造を有する酸素多面体で構成されることができる。複数の金属化合物がそれぞれ金属酸化物で構成されると、不規則な網目構造またはガラス構造を容易かつ安定的に形成することができる。本明細書において複数の金属化合物(一例として、金属酸化物)を含みから形成されることがあるとは、複数の金属化合物(一例として、金属の酸化物)を用いてセラミックフリット1144を製造してセラミックフリット1144が、複数の金属、そして非金属(一例として、酸素)を含む化合物構造、不規則な網目構造、ガラス構造などを少なくとも一部備えて形成されたことを意味することができる。
【0104】
セラミックフリット1144には、知られている様々な物質を含むことができる。例えば、セラミックフリット1144は、シリコン酸化物(SiOx、例えば、SiO)とともに、酸化アルミニウム(AlOx、例えば、Al)、酸化ナトリウム(NaOx、例えば、NaO)、ビスマス酸化物(BiOx、例えば、Bi)、ボロン酸化物(BOx、例えば、BO)と酸化亜鉛(ZnOx、例えば、ZnO)の内、少なくとも一つを基本物質として含みから形成されることができる。その他セラミックフリット1144は、アルミニウム酸化物、ナトリウム酸化物、ビスマス酸化物、ボロン酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸化物(TiOx、例えば、TiO)、酸化ジルコニウム(ZrOx、例えば、ZrO)、カリウム酸化物(KOx、例えば、KO)、リチウム酸化物(LiOx、例えば、LiO)、酸化カルシウム(CaOx、例えば、CaO)、酸化コバルト(CoOx)、酸化鉄(FeOx)などをさらに含みから形成ことができる。例えば、セラミックフリット1144がビスマス酸化物、ボロン酸化物、シリコン酸化物を含みから形成されるビスマスボロ-シリケート系(bismuth boro-silicate)系セラミック物質(例えば、Bi-AlO-SiO系物質)で構成されることができる。または、セラミックフリット1144が、ナトリウム酸化物、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物を含む形成される、またはナオス(NAOS)系セラミック物質(例えば、NaO-Al-SiO系物質)で構成されることができる。または、セラミックフリット1144が亜鉛酸化物、シリコン酸化物、ボロン酸化物を含みから形成されるセラミック物質(例えば、ZnO-SiO-B系物質)で構成されることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなくセラミックフリット1144が、そのほか様々な物質で構成されることができる。
【0105】
色素1142は、カバー部114が所望する外観を有するようにするために含まれてたものである。例えば、カバー部114が一定の色を有する場合には、色素1142に、太陽光中の可視光線を選択的に吸収または反射して、固有の色を示すことができる物質を用いることができる。一例として、色素1142は、顔料(pigment)で有り得る。顔料とは水及びほとんどの有機溶媒に溶解されない無機成分で構成された色素として、第1ベース部材112の表面を被覆して色を示す。顔料は耐化学性、耐光性、耐候性、及び隠蔽力が優れる。つまり、顔料は塩基と酸に強く、紫外線にさらされたとき、変色、退色がよくされず、気候によく耐えることができる。参照で、有機溶媒に溶解される有機成分で構成された染料(dyestuff)を色素として用いると、太陽光によって分子構造が容易に破損することがあり、安定性が低下することがあり、これを保護するための保護層などを形成しなければならない製造工程が複雑になることができる。そこで、本実施例においては色素1142は、染料を含まないことがある。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく色素1142が染料などの様々な物質を含むこともできる。
【0106】
色素1142は、所望するカバー部114の外観を考慮する物質で構成されることができる。図面においては、色素1142がセラミックフリット1144とは別に備えられたもので図示したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、セラミックフリット1144を構成する物質によって所望するカバー部114の外観が実装されてセラミックフリット1144とは別に色素1142が備えられていないことがある。または、セラミックフリット1144と色素1142の区別が明確でないことがある。本実施例において色素1142に含まれた物質の金属がセラミックフリット1144を構成する不規則な網目構造またはガラス構造(一例として、酸素多面体)の金属を一部置換して、これに含まれることができる。または、色素1142に含まれた金属は、セラミックフリット1144の不規則な網目構造、ガラス構造、または酸素多面体の侵入型席に位置することができる。
【0107】
例えば、セラミックフリット1144に含まれた金属化合物(一例として、金属酸化物)によってカバー部114が白色を有することができる。一例として、セラミックフリット1144が、鉛酸化物(PbOx、例えば、PbO)、チタン酸化物、アルミニウム酸化物及びビスマスの酸化物を含む群から少なくとも1つ以上を含みから形成されると、カバー部114が白色を有することができる。このとき、カバー部114が白色を有するとき、前述した物質の他にもボロン酸化物などの物質をさらに含むことができる。一例として、カバー部114が白色を有するとき、セラミックフリット1144が、ビスマス酸化物、シリコン酸化物及びボロン酸化物を含みから形成されるセラミック物質(BiOx-SiOx-B2O系物質)、鉛酸化物、シリコン酸化物及びボロン酸化物を含みから形成されるセラミック物質(PbOx-SiOx-B2O系物質)、チタン酸化物、シリコン酸化物及びボロン酸化物を含みから形成されるセラミック物質(TiOx-SiOx-B2O系物質)、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物及びボロン酸化物 を含みから形成されるセラミック物質(AlOx-SiOx-B2O系物質)などで構成されることができる。ただし、鉛酸化物は、環境問題などを考慮して、本実施例に係るカバー部114またはセラミックフリット1144などに含まれないことがある。
【0108】
他の例として、カバー部114が白色以外の色を有するようにするために、様々な色素1142が含まれることができる。つまり、所望する色を考慮して、これに対応する一つまたは複数の物質を色素1142で用いることができる。色素1142を構成する物質は、金属、または金属を含む酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、塩化物、シリケートなどの形で構成されることができる。
【0109】
例えば、 赤色、黄色などの系列を示すために、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ウラン(U)、バナジウム(V)の内、少なくとも一つを含む物質などを色素1142で用いることができる。緑色または青色などの系列を示すためにチタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ルチル(rutile)の内、少なくとも一つを含む物質を色素1142で用いることができる。そのほかにも色素1142がコバルト酸化物、鉄酸化物、銅酸化物(CuOx)、クロム酸化物(CrOx)、ニッケル酸化物(NiOx)、マンガン酸化物(MnOx)、スズ酸化物(SnOx)、アンチモン酸化物(SbOx)、バナジウム酸化物(VOx)などを含むことができる。
【0110】
さらに具体的な例として、色素1142で、シアン(cyan)を実装するためにCoAlを用いることができ、青色(blue)を実装するためにCoSiOなどを用いることができ、緑色(green)を実装するためCoCrなどを用いることができて、黄色を実装するためにTi(Cr、Sb)Oを用いることができ、黒色を実装するためにCoFeを、Co-Cr-Fe-Mnスピネルなどを用いることができる。または、色素1142で、緑色を実装するためにNiO、Crなどを用いることができ、ピンク色を実装するためにCr-Alスピネル、Ca-Sn-Si-Crスピン、Zr-Si-Feジルコンなどを用いることができ、グレー色を実装するために、Sn-Sb-Vルチル、黄色を実装するためにTi-Sb-Niルチル、Zr-Vバーテルライトなどを用いることができ、青色を実装するためにCo-Zn-Alスピネル、茶色を実装するためにZn-Fe-Crスピネル、緑色を実装するためにCa-Cr-Siガーネットなどを用いることができ、暗い青色を実装するためにCo-Zn-Siウィルレマイト、Co-Siペリドットなどを用いることができ、茶色を実装するためにZn-Fe-Cr-Alスピネルなどを用いることができ、マゼンタ(magenta)を実装するためにAuなどを用いることができる。このような物質は、一例として提示したもの過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0111】
前述した説明は、カバー部114が一定の色を有することを例示したものである。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがってカバー部114が、透明または半透明の色を有したり、光沢のあるまたは無光沢を示したり、特定の質感を表現したり、眩しさを防止するためのもので有り得る。この場合には、カバー部114が色素1142が含まれることもあるが、色素1142が含まれないことがある。このとき、カバー部114が白色を有さないようにするためにセラミックフリット1144は、白色を示すことができる鉛酸化物、アルミニウム酸化物などを含まないことがある。一例として、カバー部114が、透明または半透明の色を有する場合には、セラミックフリット1144が、ナトリウム酸化物、シリコン酸化物及びボロン酸化物を含みから形成されるセラミック物質(NaOx-SiOx-B2O系物質)などで構成ことができる。チタン酸化物、ビスマス酸化物は、白色を実装することに用いることができる物質であるが、一部含まれてもカバー部114が透明または半透明に維持することができる。ただし、カバー部114が、透明または半透明の色を有する場合でも、若干の発色などのために(例えば、赤色向半透明、緑色向透明など)のために顔料または色素1142が少量含まれることもある。
【0112】
樹脂1146は、セラミック物質層を塗布する際に、適切な粘度、流動性などを有するようにし色素1142とセラミックフリット1144を均一に混合するように用いられる物質として、揮発することができる揮発性物質で有り得る。樹脂1146としては知られている様々な物質を含むことができる。例えば、樹脂1146としてアクリル系樹脂、セルロース系樹脂などのような有機系樹脂を用いることもでき、シリコン系樹脂のように無機系樹脂を含むこともできる。
【0113】
セラミック物質層またはカバー層1140は、セラミックフリット1144を最も大量に含め、色素1142が含まれる場合にも、色素1142は、セラミックフリット1144より小さい量で含まれることができる。例えば、色素1142を含む場合に、セラミック物質層またはカバー層1140100重量部に対してセラミックフリット1144を40~90重量部(一例として、50~90重量部)で含み、色素1142を5~50重量部で含み、樹脂1146、及び/または添加剤を0~20重量部で含むことができる。色素1142を別途含まれない場合には、セラミック物質層またはカバー層1140、100重量部に対してセラミックフリット1144が50~100重量部(一例として、60~100重量部)で含まれ、樹脂1146、及び/または添加剤が0~50重量部(一例として、0~40重量部)に含めることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、セラミック物質層またはカバー層1140が、様々な組成を有することができる。
【0114】
本実施例において、印刷工程としては、インクジェット印刷(一例として、デジタルインクジェット印刷)、スクリーン印刷、リソグラフィ印刷、レーザー印刷等が適用されることができる。
【0115】
一例として、本実施例においては、デジタルインクジェット印刷を用いることができるが、これによれば、印刷工程の回数に制限がなくて、デザイン自由度が高く、色を多様に用いることができる。参照で、スクリーン印刷は、4度の印刷まで可能で、相対的デザインの自由度が低く、色を多様化するのに限界がある。
【0116】
ここで、デジタルインクジェット印刷は、相対的に大きな粒子(一例として、50μm以上の中心粒径を有する粒子)を含むセラミック物質層を用いる印刷(一名陶磁器用のデジタルインクジェット印刷)と、相対的に小さな粒子(一例として、 50μm未満の中心粒径を有する粒子)を含むセラミック物質層を用いる印刷(一名ガラス用デジタルインクジェット印刷)を含むことができる。一名陶磁器用のデジタルインクジェット印刷工程では、セラミック物質層のコストが安く、相対的に安価な装備が用いられるものの、一名ガラス用デジタルインクジェット印刷は、セラミック物質層を構成する物質を均等に均一に研がなければならなく、小さなサイズのノズルを用いななければならないし材料コストが高く、相対的に高価の装備が用いられる。
【0117】
従来、ガラス基板で構成される第1ベース部材112にカバー層1140を形成するためには、前述した一名ガラス用デジタルインクジェット印刷を使用しなければならないところ、本実施例のように転写部材1120にカバー層1140を形成すると一名陶磁器用デジタルインクジェット印刷を用いることができ、材料コストを削減し、相対的に安価装備を用いることができる。これにより、生産性を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがってカバー層1140の形成のために一名ガラス用デジタルインクジェット印刷を用いるか、スクリーン印刷などの様々な工程を用いることができる。
【0118】
このように、印刷工程によってカバー層1140を形成すると簡単工程によってカバー層1140が所望する厚さを有するように安定的に形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、そのほかさまざまな方法で転写部材1120の上にカバー層1140を形成することができる。例えば、カバー層1140がスプレー工程、ゾル-ゲル工程等により転写部材1120に形成されることができる。
【0119】
続いて、図9b及び図9Cに示すように、転写段階S24と転写部材除去段階S26では、転写部材1120の上に形成されたカバー層1140を第1ベース部材112に転写し転写部材1120を分離または除去する。一例として、カバー層1140は、熱を加える熱転写によって、第1ベース部材112に転写することができる。
【0120】
本実施例においては、 一例として転写部材1120がベース部1120a及びこの上に位置する離型層1120bを備え、離型層1120bの上にカバー層1140を形成したことを例示した。ベース部1120aではカバー層1140を支持することができる様々な物質(一例として、樹脂)で構成され、様々な厚さを有するシート、フィルムなどを用いることができる。離型層1120bには、様々な物質、特性などを有して、特定の物質、条件などで除去することができるか、またはベース層1120aを分離することができるようにする様々な物質を含むことができる。例えば、離型層1120bは、水、油(oil)などの溶解物質によって除去することができる物質で有り得る。
【0121】
このような構造を有するとカバー層1140が第1ベース部材112に接触するように、第1ベース部材112上に転写部材1120の位置状態で熱を加える転写工程を行い、転写工程の前または後に離型層1120bを用いて、ベース部1120aを除去または分離することができる。ベース部1120aを除去または分離する工程は、特定の物質によって離型層1120bが除去されることにより、ベース部1120aがカバー層1140から分離されることも可能であり、または離型層1120bからベース部1120aを分離して離型層1120bが残留することもできる。残留した離型層1120bは、ガラス強化段階S30などで燃えて除去されたり、一部残留することもできる。
【0122】
一例として、カバー層1140の上に接着体層をさらに備えて接着体層を第1ベース部材112に付着した状態で、離型層1120bを用いて、ベース層1120aを分離する。この状態で、熱間ローラーなどを用いてカバー層1140及び第1ベース部材112を熱間加圧してカバー層1140をベース層1120aに転写することができる。接着体層は、熱間加圧工程で除去されるかカバー層1140の内部などに残留することもできる。転写部材112は、そのほかにも、保護コーティング層などの様々な層を含むことができる。または離型層1120bを備えないことがある。そして転写部材112は、フィルム、シート、ステッカーなど、様々な形態を有することができます。その他の様々な方法が適用されることができる。
【0123】
一変形例として、離型層1120bを除去することができる溶解物質などにカバー層1140が形成された転写部材1120を浸漬してカバー層1140がその形態を維持したまま溶解物質に位置した状態で第1ベース部材112をカバー層114に接触して転写することも可能である。
【0124】
他の変形例として、カバー層1140を備える転写部材112を第1ベース部材112の上に位置させた状態で熱転写することができる。熱転写工程の前または後に離型層1120b及び/またはベース部1120aを個別に除去または分離する工程を行わない離型層1120b及び/またはベース部1120aが転写工程後にも残留することができる。残留した離型層1120b及び/またはベース部1120aは、ガラス強化段階S30などで燃えて除去されたり、一部残留することもできる。
【0125】
また他の変形例として、カバー層1140を備える転写部材112を第1ベース部材112の上に位置させた状態で、別の転写工程なしにガラス強化段階S30を実行して、ガラス強化段階S30で熱転写が行われることができる。この場合には、転写部材112がガラス強化段階S30で燃えて削除されたり、一部残留することもできる。
【0126】
続いて、図8dに示すように、乾燥段階S28においては、熱を加えてカバー層1140を乾燥しながら樹脂1146を揮発させる。樹脂1146などを先に揮発させて色素1142、セラミックスフリット1144などが第1ベース部材112と一緒に効果的に混合することができるようにする。乾燥段階S28で樹脂1146または添加剤は、すべて除去されることもあり、一部が残留することもできる。このとき、樹脂1146または添加剤が除去された部分の少なくとも一部が除去された部分に空き空間で構成された気泡(気孔)(図8eの参照符号114V、以下同じ)が残留することもできる。しかし、カバー層114が気泡114Vを備えないことがある。一例として、乾燥段階S28においては、50~200℃の温度でカバー層1140を乾燥することができる。乾燥段階S28は、赤外線加熱装置、紫外線硬化などを用いて行うことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、乾燥温度、乾燥方法等は、様々に変化することができる。また、乾燥段階S28が別途備えないか、または他の熱処理工程によって一緒に実行されることができる。
【0127】
続いて、図8eに示すように、 ガラス強化段階S30においては熱処理またはアニーリング(annealing)による熱強化により、第1ベース部材112を構成する非強化ガラス基板を強化または半強化する。そのとき、相平衡を合わせるためにカバー層1140に含まれたセラミックフリット1144、色素1142などが強化または半強化ガラス基板の内部に混入されながら強化または半強化ガラス基板の一部を構成するカバー部114が形成される。ここで、カバー層1140は、質量比が高くて、第1ベース部材112より大きな比重を有することができるが、そうすると、ガラス強化段階S30での高い温度によってカバー層1140が融着されながらベタベタにされながら、ガラス基板に構成された第1ベース部材112の内部にさらに簡単に混入することができる。
【0128】
ガラス強化段階S30では、非強化ガラス基板を強化または半強化することができる温度で行うことができる。一例として、ガラス強化段階S30の熱処理温度は、500~800℃(例えば、500乃至750℃、一例として、640乃至720℃)で有り得、高圧処理されない状態で、(一例として、常圧または常圧より低い圧力で)熱処理されることができる。例えば、強化の場合には、5~20kPa、半強化である場合には、4kPaの圧力で熱処理されることができる。このとき、圧力に応じて熱処理時間を調節することができるが、圧力が高いと熱処理時間を相対的に短くし、圧力が低いと相対的に熱処理時間を長くすることができる。しかし、本発明が、ガラス強化段階S30の温度、圧力、時間などに限定されるものではない。
【0129】
一例として、ガラス強化段階S30において、第1ベース部材112を構成する非強化ガラス基板を半強化することがある。これにより、第1ベース部材112または第1カバー部材110が熱強化された半強化ガラス基板(倍強度ガラス)(heat strengthened glass)で構成されることができる。これによれば、第1カバー部材110の透過率を高く維持することができる。ここで、半強化ガラスで構成された第1カバー部材110は、表面圧縮応力が60MPa以下(例えば、24乃至52Mpa)で有り得る。一例として、第1カバー部材110のエッジ応力が約30~40MPaで有り得る。つまり、このような半強化ガラスは、軟化点よりやや低い温度で熱処理した後、徐冷して形成することができる。参照で、完全強化ガラスは、軟化点より高い温度で熱処理した後、急冷して形成されることがあるが、表面圧縮応力が70~200MPaである。
【0130】
このように、本実施例においては、ガラス強化段階S30で熱処理温度、冷却速度などを調節してカバー部114の光透過度を高く維持することができる。特に、熱処理温度を一定範囲内に維持しながら、冷却速度を一定水準以下にしてカバー部114が非晶質状態のガラス構造を有するようにして、赤外線領域の光の平均光透過度を相対的に高く維持することができる。これとは異なり、熱処理温度が一定範囲内に維持されないか、及び/または冷却速度や圧力が過度に大きい場合には、カバー部である酸化物セラミック組成物の化学構造の変化に非晶質ガラス構造の相変化またはガラス基板との間の界面結合の変化に赤外線領域の光の平均光透過度が可視光線領域の平均光透過度より高いレベルの値を有することが難しいことがある。そして、熱処理温度が一定のレベル未満(一例として、640℃未満)であればカバー部114がベース部材112から剥離することができる可能性が高くなることができ、熱処理の温度が一定のレベルを超えて(一例として、720℃を超える)と、カバー部114が所望する色を有さないか、または透過度の傾向が変化するなどのカバー部114が所望する特性を有することが難しいことがある。
【0131】
続いて、仕上げ段階S40では、ガラス強化段階S30が実行された第1カバー部材110を洗浄、乾燥する。それでは、一体化されたカバー部114を備える第1カバー部材110の製造が完了する。
【0132】
このとき、セラミック物質層、カバー層1140、またはカバー部114は、ナトリウムまたはカリウムの含有量が第1ベース部材112のナトリウムまたはカリウムの含有量と類似するかまたはそれより低いことがある。特に、セラミックス物質層、カバー層1140、またはカバー部114は、ナトリウム及びカリウムの含有量が第1ベース部材112のナトリウム、カリウムの含有量よりそれぞれ低いことがある。一例として、セラミックス物質層、カバー層1140、またはカバー部114が、ナトリウム及びカリウムそれぞれを10 X 1018個/cc以下で含むことができる。これと反対に、セラミック物質層、カバー層1140、またはカバー部114が、前述した範囲を超えて、ナトリウムまたはカリウムを含むと、漏れ電流による劣化(potential-induced degradation、PID)現象が発生して太陽電池パネル100の信頼性が低下することができる。そしてセラミック物質層、カバー層1140、またはカバー部114が鉛及び/またはクロム(一例として、鉛酸化物及び/または酸化クロム)を含まなくて環境問題が発生しないようにすることができる。一例として、セラミックス物質層、カバー層1140、またはカバー部114に含まれたナトリウム、カリウム、鉛の量は二次イオン質量分析(secondary ion mass spectrometry、SIMS)などにより測定または判別されることがある。
【0133】
以下では、図9a乃至図9cを参照して、前述したグラフィックカバー基板または第1カバー部材110の製造方法を含む本発明の実施例に係る太陽電池パネル100の製造方法を詳細に説明する。
【0134】
図9a乃至及び図9Cは、本発明の実施例に係る太陽電池パネル100の製造方法を概略的に示す図である。
【0135】
まず、図9aに示すように、積層工程においては、ラミネート装置の作業台200上にカバー部114を備えるグラフィックカバー基板である第1カバー部材110、第1シール材131、太陽電池部SP、第2封止材132第2カバー部材120などを積層した積層構造体100aを位置させる。図9a及び図9bには、明確な理解のために、第1カバー部材110、第1シール材131、太陽電池部SP、 第1シール材132、第2カバー部材120などを互に離隔して図示したが、実際には互いに接触した状態で位置することができる。
【0136】
続いて、図9bに示すように、ラミネート工程においては、積層構造体100aに熱と圧力を加えて、第1カバー部材110、第1シール材131、太陽電池部SP、第1 第1シール材132第2カバー部材120などを一体化する。つまり、ラミネート工程の高い温度でシール材130が溶融して硬化して圧力によって圧着される第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースをシール材130が完全に満たしながら、太陽電池部SPを密封することができる。これにより、シール材130によって、第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースが完全に満たすことができる。これにより、図9cに示すような太陽電池パネル100が製造される。一例として、空気圧を提供して、第1カバー部材110、第1シール材131、太陽電池部SP、第1シール材132、第2カバー部材120などを一体化することができる。これによれば、太陽電池150などに大きな圧力を加えずに、ラミネート工程が実行されることができる。
【0137】
これによれば、グラフィックカバー基板である第1カバー部材110を含む太陽電池パネル100を、シンプルで安定的な製造工程で形成することができる。
【0138】
本実施例に係る第1カバー部材110及びこれを含む太陽電池パネル100によれば、カバー部114を備え、優れた美観の均一度を有し、眩しさ現象を防止することができる。このとき、転写工程を用いて、太陽電池パネル100の製造工程を変化しない簡単な製造工程によって、均一かつ安定的にカバー部114を形成して太陽電池パネル100が所望するデザインを有するようにすることができる。そして転写部材1120にカバー層1140を印刷する際にカバー層1140の厚さ、透過度、印刷密度、印刷面積などを調整して、太陽電池パネル100の美観を向上させながら出力を一定以上に維持することができる。
【0139】
以下においては、本発明の他の実施例に係る太陽電池パネル及びその製造方法を詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施例またはそれを変形した例と下の実施例またはそれを変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。
【0140】
図10は、本発明の他の実施例に係る太陽電池パネルの概略的な断面図である。
【0141】
図10を参照すると、本実施例に係る太陽電池パネル100は、曲面を有する部分を含むことができる。一例として、第1カバー部材110及び/または第2カバー部材120が曲面を有する部分を含むことができる。図10においては、第1及び第2カバー部材(110、120)を含む太陽電池パネル100が、全体的に凸または凹の曲面形状を有することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0142】
このような太陽電池パネル100に含まれる第1カバー部材110の製造方法の一例を図11、及び図12a~図12cを参照して説明する。図11は、本発明の他の実施例に係る第1カバー部材の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図12a~図12cは、図11に示した第1カバー部材の製造方法の各段階を示した断面図である。
【0143】
図11を参照すると、本実施例に係る第1カバー部材110の製造方法は、基板洗浄段階S10、カバー層形成段階S20、ガラス成形段階S50、ガラス強化段階S30及び仕上げ段階S40を含むことができる。ここで、基板洗浄段階S10、カバー層形成段階S20、ガラス強化段階S30及び仕上げ段階S40は、前述した実施例での基板洗浄段階S10、カバー層形成段階S20 、ガラス強化段階S30及び仕上げ段階S40と同一または極めて類似することができるところ、これに対する説明は省略する。本実施例においては、ガラス強化段階S30の前にガラス成形段階S50を含むという点で、前述した実施例と違いがある。
【0144】
図12aに示すように、カバー層形成段階S20によって転写工程を用いて、転写部材(図8aの参照符号1120、以下同じ)から第1ベース部材112にカバー層1140を転写して第1ベース部材112にカバー層114を形成する。
【0145】
続いて、図12bに示すように、ガラス成形段階S50においては、カバー層114が形成された第1ベース部材112を形成して所望の形状を有するようにする。このようなガラス成形段階S50は、強化炉で実行することができ、ガラス強化段階S30より低い温度(例えば、580乃至650℃)で実行される熱処理によって起こることができる。例えば、熱処理によって、第1ベース部材112を軟化させて、第1ベース部材112を所望の形状に成形することができる。
【0146】
続いて、図12cに示すように、ガラス強化段階S30によって熱処理またはアニーリングによる熱強化により、第1ベース部材112を構成する非強化ガラス基板を強化または半強化しながら、カバー部114を形成する。ガラス強化段階S30は、ガラス成形段階S50と同じ強化炉内で連続的に実行されるイン-シチュ(in-situ)工程によって行われることもあり、ガラス成形段階S50が行われた強化炉とは別の強化炉にて実行されることもできる。その後、仕上げ段階S40などをさらに行うことができる。
【0147】
このように製造された第1ベース部材112を含みからラミネート工程を実行して、曲面形状を有する太陽電池パネル100を製造することができる。
【0148】
本実施例に係ると、所望する多様な形状を有しカバー部114を備える第1カバー部材110を単純工程で製造することができる。これにより、第1カバー部材110及びこれを含む太陽電池パネル100のデザイン自由度を向上させ、審美性を向上させることができる。
【0149】
このとき、本実施例のように転写段階S24を含み第1カバー部材110を形成すれば、曲面などを有する第1カバー部材110に直接印刷によってカバー層1140を形成するものより均一で安定した工程でカバー部114を形成することができる。特に、曲面による最高点と最低点の高さの差(D)が5μm以上である場合には、第1カバー部材110に直接印刷によってカバー層1140を形成する場合には、カバー層1140またはカバー部114を安定的に形成することが難いことがあるが、本実施例に係ると、前記高さの差(D)が5μm以上の第1カバー部材110に安定的にカバー部114を形成することができる。一例として、人為的に曲面などを有する第1カバー部材110は、前記高さの差(D)が50mm以上で非常に大きな値を有することができるが、本実施例においては、このように、前記高さの差(D)が50mm以上の場合に適用されてもカバー層1140またはカバー部114が安定的に形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、本実施例が、高さの差(D)が5μm未満(一例として、50mm未満)であるか、高さの差(D)がない場合に適用することができる。
【0150】
図10図11及び図12a~図12cにおいては、第1カバー部材110または太陽電池パネル100が曲面を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。別の例を図13及び図14を参照して説明する。図13及び図14は、第1カバー部材110の一部を示しており、簡単な図示及び明確な理解をするために、第1ベース部材112及びカバー部114を概略的な形でのみ示した。
【0151】
他の例として、本実施例に係る第1カバー部材110の製造方法は、図13に示すように、第1ベース部材112の一面に一定の高さの差(D)を有する突出部(凹凸) (P)が備えられる場合にカバー層(図8aの参照符号1140、以下同じ)、またはカバー部114を形成するために適用することができる。この場合にも、突出部(P)の形状、高さの差(D)などと無関するようにカバー層1140またはカバー部114を安定的に形成することができる。
【0152】
また他の例として、本実施例に係る 第1カバー部材110の製造方法は、図14に示すように、第1ベース部材112の一面に一定の高さの差(D)を有するように形成された光拡散部(LD)が備える場合に光拡散部(LD)の上にカバー層1140またはカバー部114を形成するために適用することができる。この場合にも、光拡散部(LD)の形状、高さの差(D)などと無関するようにカバー層1140またはカバー部114を安定的に形成することができる。
【0153】
図10図13及び図14は、曲面、突出部(P)、光拡散部(LD)を例示したが、その他の断面が円形、ラウンドされた形状、多角形を有する様々な屈曲、凹凸などを有する第1ベース部材112にカバー部114を安定的に形成することができる。例えば、第1ベース部材112に、別の処理をしなくても、一定の表面粗さを有することができるが、このような表面粗さによる高さの差(D)が5μm以上(一例として、30μm以上)で有り得る。または第1ベース部材112に別途加工などを通じて曲面などを形成すれば、これによる高さの差が50mm以上することができる。特に、高さの差(D)が5μm以上(一例として、50mm以上)である場合には、第1ベース部材112に直接カバー層1140またはカバー部114を形成すると、カバー層1140またはカバー部114の厚さが所望しなく厚くなって透過度が低くなって効率が低下したり、カバー層1140またはカバー部114が安定的に形成されないことがあるが、本実施例においては、転写段階S24を備えてこれを根本的に防止することができる。これにより、様々な形態の建築形態に対応して所望するデザインを実装することができる。
【0154】
前述したところに従った特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれており、必ずしも一つの実施例のみに限定されるものではない。さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図13
図14
【国際調査報告】