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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-30
(54)【発明の名称】LIDARベースの通信
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220823BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220823BHJP
   G01S 17/88 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G01S17/88
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576633
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020040388
(87)【国際公開番号】W WO2021003201
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】16/502,008
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】パンディット,サリル シュリー
(72)【発明者】
【氏名】シャンド,マーク アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】モールス,リード ジェラルド アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5H181
5J084
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA12
5H181AA25
5H181AA26
5H181BB02
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181FF05
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5J084AA05
5J084AA20
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB20
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC04
5J084AC07
5J084AC10
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA36
5J084BB01
5J084BB21
5J084BB28
5J084CA03
5J084CA26
5J084CA31
5J084CA49
5J084CA70
5J084DA08
5J084EA28
5J084FA01
(57)【要約】
LIDAR通信に基づいて動作を実行するためのシステムおよび方法が記載される。例示の装置は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリとを含んでよい。メモリは命令を含み、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、装置に、第1のLIDAR装置の送信器によって放出され、かつ、車両および装置に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信させ、車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて車両の環境のレンダリングを生成させ、受信されたデータに基づいてレンダリングを更新させる。レンダリングを更新することは、車両の環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含む。命令は、装置に、車両に結合されたディスプレイに表示するための更新されたレンダリングを提供することをさらに行わせる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、命令を含むメモリと、を備え、前記命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されたときに前記装置に、
第1の光検出および測距(LIDAR)装置の送信器によって放出され、かつ、車両および前記装置に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信することであって、前記変調光信号が前記データを含むデータ信号を含むように変調された光キャリア信号を含むことと、
前記車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて、前記車両の環境のレンダリングを生成することと、
前記受信されたデータに基づいて前記レンダリングを更新することであって、前記レンダリングを更新することが、前記車両の前記環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含むことと、
前記車両に結合されたディスプレイに表示するための前記更新されたレンダリングを提供することと、を行わせる、装置。
【請求項2】
前記データが前記環境内の前記物体の表示を含み、前記物体レンダリングを更新することが、
表示中に前記物体レンダリングを強調表示すること、
前記物体レンダリングのテクスチャを調整すること、
前記環境の前記レンダリングに前記物体の代表的な画像を含めること、および
前記物体レンダリングの寸法を調整すること、からなる群からの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記更新されたレンダリングを表示することが、前記環境内の前記物体が緊急車両であることを前記車両の運転手または同乗者のうちの少なくとも1人に通知することを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記命令の実行が、前記装置に、
前記環境内の前記緊急車両に基づいて調整される前記車両の1つ以上の誘導動作を決定することと、
前記車両による実行のために前記1つ以上の調整された誘導動作を提供することと、をさらに行わせる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記データが、前記第1のLIDAR装置に結合されていない第2の装置から発生する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記命令の実行が、前記装置に、
車両識別子によって索引付けされたデータベース内の前記物体の前記表示を検索することであって、前記物体の前記表示が車両識別子を含むことと、
前記データベースにおいて、前記車両識別子に関連付けられた前記物体レンダリングに対して実施される前記更新の表示を識別することであって、前記物体レンダリングの更新が、実施される前記更新の前記識別された表示に基づくことと、をさらに行わせる、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記命令の実行が、前記装置に、
前記第2のLIDAR装置によって受信された第2の変調光信号に関連する第2のデータを受信することと、
前記受信された第2のデータに基づいて、前記データベース内の1つ以上のエントリを更新することと、をさらに行わせる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記車両に結合された前記1つ以上のLIDAR装置が、検出モードで動作する前記第2のLIDAR装置を含み、
前記第2のLIDAR装置が、前記変調光信号を受信するときに通信モードで動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
命令を格納している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、装置の1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記装置に、
第1の光検出および測距(LIDAR)装置の送信器によって放出され、かつ、車両に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信することであって、前記変調光信号が前記データを含むデータ信号を含むように変調された光キャリア信号を含むことと、
前記車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて、前記車両の環境のレンダリングを生成することと、
前記受信されたデータに基づいて前記レンダリングを更新することであって、前記レンダリングを更新することが、前記車両の前記環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含むことと、
前記車両に結合されたディスプレイに表示するための前記更新されたレンダリングを提供することと、を行わせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記データが前記環境内の前記物体の表示を含み、前記物体レンダリングを更新することが、
表示中に前記物体レンダリングを強調表示すること、
前記物体レンダリングのテクスチャを調整すること、
前記環境の前記レンダリングに前記物体の代表的な画像を含めること、および
前記物体レンダリングの寸法を調整すること、からなる群からの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記更新されたレンダリングを表示することが、前記環境内の前記物体が緊急車両であることを前記車両の運転手または同乗者のうちの少なくとも1人に通知することを含む、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記命令の実行が、前記装置に、
前記環境内の前記緊急車両に基づいて調整される前記車両の1つ以上の誘導動作を決定することと、
前記車両による実行のために前記1つ以上の調整された誘導動作を提供することと、をさらに行わせる、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記データが、前記第1のLIDAR装置に結合されていない第2の装置から発生する、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記命令の実行が、前記装置に、
車両識別子によって索引付けされたデータベース内の前記物体の前記表示を検索することであって、前記物体の前記表示が車両識別子を含むことと、
前記データベースにおいて、前記車両識別子に関連付けられた前記物体レンダリングに対して実行される前記更新の表示を識別することであって、前記物体レンダリングの更新が、実行される前記更新の前記識別された表示に基づくことと、をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記命令の実行が、前記装置に、
前記第2のLIDAR装置によって受信された第2の変調光信号に関連する第2のデータを受信することと、
前記受信された第2のデータに基づいて、前記データベース内の1つ以上のエントリを更新することと、をさらに行わせる、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
方法であって、
第1の光検出および測距(LIDAR)装置の送信器によって放出され、かつ、車両および装置に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを前記装置の1つ以上のプロセッサによって受信することであって、前記変調光信号が前記データを含むデータ信号を含むように変調された光キャリア信号を含むことと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて、前記車両の環境のレンダリングを生成することと、
前記受信されたデータに基づいて前記レンダリングを更新することであって、前記レンダリングを更新することが、前記車両の前記環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含むことと、
前記車両に結合されたディスプレイに表示するための前記更新されたレンダリングを提供することと、を含む方法。
【請求項17】
前記データが前記環境内の前記物体の表示を含み、前記物体レンダリングを更新することが、
前記物体レンダリングを表示中に強調表示すること、
前記物体レンダリングのテクスチャを調整すること、
前記環境の前記レンダリングに前記物体の代表的な画像を含めること、および、
前記物体レンダリングの寸法を調整することと、からなる群からの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記更新されたレンダリングを表示することは、前記環境内の前記物体が緊急車両であることを前記車両の運転手または同乗者のうちの少なくとも1人に通知することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データが、前記第1のLIDAR装置に結合されていない第2の装置から発生する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
車両識別子によって索引付けされたデータベース内の前記物体の前記表示を検索することであって、前記物体の前記表示が車両識別子を含むことと、
前記データベースにおいて、前記車両識別子に関連付けられた前記物体レンダリングに対して実行される前記更新の表示を識別することであって、前記物体レンダリングの更新が、実行される前記更新の前記識別された表示に基づくことと、
前記第2のLIDAR装置によって受信された第2の変調光信号に関連する第2のデータを受信することと、
前記受信された第2のデータに基づいて、前記データベース内の1つ以上のエントリを更新することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月2日に出願された米国特許出願第16/502,008号の優先権を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、LIDAR装置に関し、特に自動運転用途における通信チャネルとしてLIDARを使用することに関する。
【0003】
関連技術の説明
光検出および測距(LIDAR)装置は、環境内の物体を検出するために使用され得る。例えば、車両は、車両、歩行者、信号機、障害物などを検出する1つ以上のLIDAR装置を含むか、またはそれらに結合されてよい。LIDAR装置は特定の周波数(800~1000nmまたは1550nmなど)で光を放出し、LIDAR装置は放出された光の反射を受信する。次に、LIDAR装置は、環境を走査しながら、光の飛行時間(ToF)を求めて、多数の反射面の距離を推定する。推定距離は、環境を表す点群を生成するために使用されてよく、さもなければ、環境をレンダリングするために、または、車両の動作を支援するために使用されてよい。
【0004】
例えば、車両は、運転手からの入力がほとんどないか、または全くない状態でも、その車両が環境を走行する自律モードで動作するように構成することができる。自律型車両は、環境内の物体の距離を判断するための1つ以上のLIDAR装置を含んでよく、距離は車両の走行を制御するために使用されてよい。別の例では、車両は、アダプティブクルーズコントロールの実施、交差点での交通警報の提供、車線逸脱警告の提供などから、完全自律システムですべての安全で、かつ重要な運転機能を実施し、道路状況を監視することまで、運転手を支援する1つ以上のLIDAR装置を含んでよい。
【発明の概要】
【0005】
本概要は、「発明を実施するための形態」でさらに後述する一連の概念を簡略化して紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を制限することも意図していない。
【0006】
本開示に記載される主題の革新的な態様は、1つ以上のLIDAR装置に結合された装置に実装され得る。いくつかの実装では、例示の装置は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリは命令を含み、命令は1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、装置に、第1のLIDAR装置の送信器によって放出され、かつ、車両に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信させ、車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて車両の環境のレンダリングを生成させ、受信されたデータに基づいてレンダリングを更新させる。レンダリングを更新することは、車両の環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含む。命令は、装置に、車両に結合されたディスプレイに表示するための更新されたレンダリングをさらに提供させる。
【0007】
本開示に記載される主題の革新的な態様は、コンピュータ可読媒体に実装され得る。コンピュータ可読媒体は命令を格納し、命令は、装置の1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、装置に、第1のLIDAR装置の送信器によって放出され、かつ、車両に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信させ、車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて車両の環境のレンダリングを生成させ、受信されたデータに基づいてレンダリングを更新させる。レンダリングを更新することは、車両の環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含む。命令は、装置に、車両に結合されたディスプレイに表示するための更新されたレンダリングをさらに提供させる。
【0008】
本開示に記載される主題の革新的な態様は、方法として実装され得る。例示の方法は、第1のLIDAR装置の送信器によって放出され、かつ、車両および装置に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを装置によって受信することと、車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて車両の環境のレンダリングを生成することと、受信されたデータに基づいてレンダリングを更新することと、を含む。レンダリングを更新することは、車両の環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含む。方法は、車両に結合されたディスプレイに表示するための更新されたレンダリングを提供することを含む。
【0009】
別の例示の装置は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリとを含んでよい。メモリは命令を含み、命令は1つ以上のプロセッサによって実行されると、装置に、第1のLIDAR装置の送信器によって放出され、かつ、インフラ(料金所、道路工事領域、トンネル入口など)および装置に結合された第2のLIDAR装置の受信器によって受信された変調光信号に関連するデータを受信させる。装置は、インフラに結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて、インフラの環境のレンダリングを生成してよい。装置はまた、受信されたデータに基づいてレンダリングを更新してもよい。レンダリングを更新することは、インフラの環境内の物体の物体レンダリングを更新することを含んでよい。装置は、表示のために更新されたレンダリングをさらに提供してよい。例えば、レンダリングは、料金所の係員、中央交通局の会計係、工事現場の工事作業員の職長などに表示されてよい。
【0010】
データは、環境内の物体の表示を含んでよく、物体レンダリングの更新は、表示中の物体レンダリングを強調表示すること、物体レンダリングのテクスチャを調整すること、物体の代表的な画像を環境のレンダリングに含ませること、および/または、物体レンダリングの寸法を調整することを含んでよい。更新されたレンダリングを表示することは、インフラの環境内の物体が緊急車両であることを閲覧者に通知することを含んでよい。
【0011】
装置はまた、受信されたデータに基づいてインフラの環境内の1つ以上の車両の誘導動作を決定してもよく、装置は、1つ以上の車両に調整された誘導動作を提供してよい。変調光信号は、通信モードで動作する第2のLIDAR装置によって受信されてよく、インフラの環境および第2のLIDAR装置の視線内の物体は、検出モードで動作する第2のLIDAR装置によって検知されてよい。
【0012】
装置は、第2のLIDAR装置によって受信された第2の変調光信号に関連する第2のデータをさらに受信してよく、受信された第2のデータに基づいて、ローカルデータベース内の1つ以上のエントリを更新してよい。いくつかの実装では、装置は、他のLIDAR装置にローカルなデータベースを更新するために、更新に関するデータを他のLIDAR装置に送信してよい。
【0013】
本開示に記載の主題の1つ以上の実装の詳細が、添付図面および以下の説明において述べられる。他の特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。次の図の相対的な寸法は縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例示のLIDAR装置のブロック図である。
図2A】環境内の例示のLIDAR装置を示す。
図2B】例示のLIDAR装置の放出光パルスおよび受信光パルスに対応する波形の例示のタイミング図である。
図3】例示の通信プロトコルに基づいた、LIDAR送信から受信された複数のパケットの例示のパケットフォーマット示す。
図4】自律型フリート車両が未使用時に戻るための例示の駐車スペースを含む環境を示す。
図5】救急車の存在を環境内の別の車両に伝えるための例示の環境を示す。
図6A】車両の例示の環境を示す。
図6B】LIDAR装置によって検知された車両の環境の例示のレンダリングを示す。
図6C】緊急車両を含む車両の例示の環境を示す。
図6D】LIDAR装置によって検知された図6Cの車両の環境の例示のレンダリングを示す。
図7】LIDAR装置の環境のレンダリングを調整するための例示の動作を描写するフローチャートを示す。
図8図6Aにおける環境の例示の調整されたレンダリングを示す。
図9A】環境内の2台の車両が同じフリートに属する図6Aの環境の例示のレンダリングを示す。
図9B】環境が緊急車両を含む図6Cの環境の例示のレンダリングを示す。
図10】LIDAR送信器からの送信で受信されたデータに基づいて1つ以上の動作を実施するための例示の動作を描写するフローチャートを示す。
【0015】
様々な図面の中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
セルラー通信を介して車両とインフラとを結合する取り組みが行われてきた。例えば、車両によっては、5GHzの無線スペクトルを介して他の車両または装置と通信するセルラーモデムを含んでいる。別の例では、車両が5.9GHzの無線スペクトルを介して他の車両または装置と通信する専用狭域通信(DSRC)機器を装備する場合がある。通信用のセルラーや無線技術の1つの問題として、車両がセルラー接続を必要とすること、または、別の車両やインフラに通信用の一貫した技術の装備を要求し得ること、が挙げられる。例えば、地方環境または飽和状態の都市環境によっては、利用可能なセルラー接続が含まれていない場合があり、車両はセルラーモデムを介して他の車両と通信できないことがある。通信用のセルラー技術の別の問題としては、通信に関連する固有の遅延が挙げられる。例えば、車両間のセルラー通信は、セルラーネットワークの1つ以上の基地局を介した通信を必要とすることがあり、これは通信を遅延させることがある。さらに、通信用の無線信号の波長は通信帯域幅を制限する。さらに、セルラーおよび無線信号は通常は全方向に送信され、複数の全方向信号を地上波で送信すると、環境がすぐに飽和する可能性がある。
【0017】
多くの車両とインフラ(料金所、信号機、充電ステーションなど)は、1つ以上のLIDAR装置を含み得るか、または1つ以上のLIDAR装置に結合され得る。さらに、自律型車両が一般的になるにつれて、装備されたLIDAR装置も一般的になる。いくつかの態様では、LIDAR装置は、(環境内の表面を検出するための)ToF測定を実施することに加えて、他のLIDAR装置と通信するように構成されてよい。放出される光信号の周波数は無線信号よりも高いため、LIDAR装置間の通信の通信帯域幅はセルラー通信よりも高くなることがある。さらに、LIDAR装置間の通信には、セルラーネットワークやその他のインフラは必要ない。さらに、(波長が1000nmに近い信号などの)光信号は、地上波で同時に送信される複数の光信号による飽和と干渉を防ぐために、集束分散パターンで放出される場合がある。
【0018】
本明細書に記載の主題の実装は、LIDAR装置が別のLIDAR装置と通信することを可能にし得る(本明細書では「LIDAR通信」と呼ぶ)。LIDAR通信は、車両間(V2V)通信または車両インフラ間(V2X)通信に使用されてよく、LIDAR通信は、任意の互換性のある車両および/またはインフラ(車両のフリート内や構成されたLIDAR装置を備えた無関係な車両間など)の間で発生することがある。LIDAR通信は、本明細書で説明するような、様々な状況や様々な使用例で使用されてよい。
【0019】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的で特定の実装に向けられたものである。しかしながら、当業者であれば、本明細書の教示が多くの異なる方法で適用できることを容易に認識するであろう。説明される実装は、1つ以上のLIDAR装置を含むか、またはそれらに結合された任意の装置、システム、または車両に実装されてよい。いくつかの実装では、本明細書に記載された動作を実施するための「装置」は、車両および1つ以上のLIDAR装置に結合された制御装置もしくはシステム、制御装置もしくはシステムを含み、かつ1つ以上のLIDAR装置に結合された車両、インフラもしくは別の非車両システムに結合された制御装置もしくはシステム、または別の適切な実装を指す場合がある。同様に、「車両」は、車両に結合された制御装置もしくはシステム、車両に結合された制御装置もしくはシステムとは別の車両、制御装置もしくはシステムと結合された車両の組み合わせ、または他の適切な実装を指す場合がある。
【0020】
以下の説明では、本開示を完全に理解してもらうために、特定の構成要素、システム、およびプロセスの例など、多くの特定の詳細が示される。また、以下の説明および説明の目的で、例示の実施形態を完全に理解してもらうために、特定の学術用語および/または詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細は、例示の実施形態を実施するために必要でない場合があることが当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を曖昧にすることを回避するために、周知の回路、システム、および装置がブロック図の形式で示されている。本明細書で説明される様々なバスを介して提供されるいかなる信号も、他の信号と時間多重化され、1つ以上の共通のバスを介して提供されてよい。さらに、構成要素またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスまたは単一の信号線として示される場合がある。バスの各々は代替的に単一の信号線であってよく、単一の信号線の各々は代替的にバスであってよく、単一の線またはバスは、構成要素間の通信のための無数の物理的または論理的機構のうちのいずれか1つ以上を表してよい。さらに、本明細書で使用される「結合された」という用語は、1つ以上の介在する構成要素または装置に直接結合されるか、またはそれらを介して結合されることを意味する。
【0021】
図1は、例示の光検出および測距(LIDAR)装置100のブロック図である。LIDAR装置100は、物体の表面を照明する光のパルスを放出することによって、かつ、その物体の表面から反射された光パルスを検出することによって、環境内の物体の表面を検出するために使用され得る。LIDAR装置100は、光パルスの放出と、選択された物体から反射された、対応する光パルスの受信との間の時間遅延に基づいて、その物体までの距離を求めることができる。光パルスのToFと呼ばれることがあるこの時間遅延を、光の速度で乗算して、LIDAR装置100と物体との間の距離を求め得る。複数のパルスを使用して、環境内の物体に関連付けられたいくつかの点の距離情報を決定し得る。これらの点は、点群を生成するために使用されてよく、さもなければ、物体の位置、サイズ、形状、姿勢、および動きを決定するために使用されてよい。いくつかの実装では、LIDAR装置100からの情報を使用して、例えば、自律型車両を制御してよく、その結果、自律型車両は、障害物を回避しながら目的地に到達するために環境を走行することができる。LIDAR装置100はまた、運転手の支援動作のために距離を測定するために使用されてよい。
【0022】
LIDAR装置100は、送信器110と、受信器120と、LIDARコントローラ130とを含むように示されている。送信器110は、送信コントローラ111と、1つ以上の発光素子112と、送信開口113とを含んでよい。発光素子112は、周囲の環境内の物体を検出するために使用することができる1つ以上の光パルス125を放出し得る。発光素子112は、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、または規定波長の光パルス125を選択的に送信または放出するように構成された他の任意の素子などの(ただし、これらに限定されない)任意の数の適切な光源を含んでもよい。光源波長は、例えば、電磁スペクトルの紫外、可視、および/または赤外部分を含んでよい。いくつかの態様では、発光素子112は、1つ以上の基板(例えば、プリント回路基板(PCB)、可撓性PCBなど)上に配置されてよい。発光素子112は、本明細書では光パルス115を放出するものとして説明されているが、発光素子112が光信号、光ビーム、光子などを送信または放出できることは、当業者には容易に理解されるであろう。したがって、光パルス、光信号、光ビーム、および光子という用語は、本明細書では交換可能に使用されてよい。
【0023】
送信開口113は、発光素子112に結合され、周囲の環境への放出のために光パルス115を集束し、方向付けし、かつ/または調整することができる任意の適切な構成要素(例えば、ミラー、レンズ、回折格子、出射開口など)を含んでよい。いくつかの実装では、送信開口113は、LIDAR装置100に対して1つ以上の指定された方向に光パルス115を導くように構成され得る。指定された方向は、例えば、LIDAR装置100と複数の物体(例えば、車両、人、道路、信号機、交通標識、障害物など)との間の距離がその物体によって引き起こされる光パルス115の反射に基づいて決定され得るように、ある範囲の方向に渡ってよい。
【0024】
送信コントローラ111は、発光素子112および送信開口113の動作を制御し得、発光素子112および送信開口113、またはその双方の複数のパラメータまたは設定を調整し得る。いくつかの実装では、送信コントローラ111は、LIDARコントローラ130によって提供される1つ以上の制御信号に応答してよい。例えば、送信コントローラ111は、1つ以上の制御信号に基づいて、発光素子112によって放出される光パルス115の幅、タイミング、周波数、および/または振幅(強度)を調整してよい。他の実装では、送信コントローラ111は省略されてよく、または、LIDARコントローラ130内に含まれてよい。
【0025】
受信器120は、複数の光検出器121と、検出器回路122と、アナログデジタル変換器(ADC)123とを含んでよい。光検出器121は、周囲の環境からの光パルス125(例えば、光子)を受信してよい。いくつかの実装では、受信光パルス125は、周囲の環境内の1つ以上の物体から反射された放出光パルス115の成分を含んでよい。光検出器121は、受信光パルス125を、その受信光パルス125の強度レベルを示す光検出器信号(例えば、アナログ電流信号)に変換するように構成されてよい。光検出器121は、例えば、フォトダイオード(アバランシェフォトダイオードなど)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、光トランジスタ、カメラ(CMOSセンサーなど)、アクティブピクセルセンサー(APS)、電荷結合装置(CCD)、極低温検出器などを含む、光を受信または検知できる任意の適切な構成要素または素子であってよい。いくつかの実装では、光検出器121は、例えば、各フォトダイオードを通る電流の量がそのフォトダイオードによって受信される光パルスの強度に比例するように、光パルスの受信に応答して電流を生成する逆バイアスフォトダイオードである。
【0026】
単純化にするために示されていないが、受信器120は、光検出器121が主に送信器110によって放出される光パルス115の波長に対応する光を受信する(そして他の波長に対応する微弱な光を受信する)ように、受信光の波長をフィルタリングする光学系を含んでよい。例えば、受信器120は、送信器110によって放出される光パルスの基本波長を中心とする波長範囲の外側の光信号をフィルタリングするためのバンドパスフィルタを含んでよい。
【0027】
検出器回路122は、任意の適切な技術を使用して、光検出器121によって提供される光検出器信号をサンプリングして、受信された光パルス125の強度レベルを決定してよい。いくつかの実装では、検出器回路122は、複数の間隔またはサンプリング時間で光検出器信号をサンプリングしてよい。他の実装では、検出器回路122は、光検出器信号を連続的にサンプリングしてよい。検出器回路122は、例えば、光検出器信号に含まれる光情報を示す大きさ(例えば、電圧の大きさまたは電流の大きさ)を有するアナログ信号として、決定された強度レベルをADC123に提供してよい。いくつかの態様では、検出器回路122は、光検出器信号を増幅および/またはフィルタリングしてよい。
【0028】
ADC123は、検出器回路122から受信された光パルス125の強度レベルを示すアナログ信号を受信してよく、そのアナログ信号をLIDARコントローラ130によって処理することが可能なデジタルデータに変換してよい。ADC123は、フラッシュADC、連続近似レジスタ(SAR)ADC、またはデルタシグマADCなどの(ただしこれらに限定されない)任意の適切なADCであってよい。いくつかの実装では、各光検出器121は、それぞれのADCに対応してよい。他の実装では、複数の光検出器121は、(例えば、LIDAR装置100のサイズ、コスト、および/または電力消費を低減するために)単一のADCに対応してよい。他のいくつかの実装では、ADC123は省略されてよい。光検出器121(および対応するADC123)の各々は、特定の発光素子112に関連付けられてよい。このようにして、複数のToFが測定されてよく、したがって、LIDAR装置100の1回の走査中に複数の距離が求められてよい。
【0029】
LIDARコントローラ130は、プロセッサ131と、メモリ132と、デジタル信号プロセッサ(DSP)133とを含んでよい。DSP133は、1つ以上のADC123によって提供されたデジタルデータを処理して、任意の数の光検出器121によって受信された光パルスに関する情報を判断してよい。いくつかの実装では、光パルスの強度および/または到着時間を使用して、周囲の環境で検出された多数の物体のサイズ、形状、および位置を求めてよい。例えば、光パルスの出射時間が既知であれば、DSP133は、到着時間を使用してToFを求めることができる。別の例では、放出された光パルスの強度が既知であれば、DSP133は、測定された強度を使用して反射された光パルスのエネルギー損失を求めることができる。LIDAR装置100に比較的近い物体は、LIDAR装置100から比較的遠い物体よりも前に、放出された光パルス115を反射し得る。さらに、(様々な距離にある物体間で同様の表面反射率を仮定すると)LIDAR装置100に比較的近い物体から反射された光は、LIDAR装置100から比較的遠い物体から反射された光よりもパルス拡散が少なくなり得る。したがって、いくつかの実装では、LIDAR装置100と物体との間の距離は、受信された光パルス125の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとに基づいて推定され得る。
【0030】
プロセッサ131は、LIDAR装置100(例えば、メモリ132内)に格納された1つ以上のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な1つ以上の任意の適切なプロセッサであってよい。いくつかの実装では、プロセッサ131は、プログラム命令またはスクリプトを格納できる機械可読媒体の少なくとも一部を提供する1つ以上のマイクロプロセッサおよびメモリを含んでよい。他の実装では、プロセッサ131は、特定用途向け集積回路(ASIC)であってよい。他のいくつかの実装では、プロセッサ131は、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブルロジック装置(PLD)であるか、またはそれらを含んでよい。
【0031】
メモリ132は、送信器110、受信器120、周囲の環境、またはそれらの任意の組み合わせに関する情報を格納してよい。また、メモリ132は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなどの1つ以上の不揮発性メモリ要素など)を含んでもよく、この非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサ131によって実行されるとLIDAR装置100に本明細書に記載される動作のすべてまたは一部を実施させる命令をそれぞれが含む多数のソフトウェア(SW)モジュールを格納してよい。他のいくつかの実装では、LIDARコントローラ130は、LIDAR装置100の外部の(LIDAR装置100に結合された車両の処理システムに含まれるものなど)1つ以上のプロセッサによって、光パルスの放出または受信に関する1つ以上の動作を実施するように指示されてよい。例えば、LIDAR装置100は、(コントローラ領域ネットワーク(CAN)バスを介してなど)車両の処理ハブまたは車両の別の処理システムに結合されてもよく、処理システムは、LIDAR装置100に1つ以上の動作を実施するように指示してよく、応答してLIDAR装置100から情報を受信(LIDAR装置100によって測定され、処理システムによって使用されるToFまたは強度情報を取得して、環境の点群または他のタイプの奥行きマップまたはレンダリングを生成するなど)してよい。
【0032】
図2Aは、環境内の例示のLIDAR装置を示す。図2Aの例では、LIDAR装置100は、自動車201と庇202とを含む環境200内に置かれている。簡略化された例では、LIDAR装置100は、それぞれが光パルス115A~115Cを環境200に放出する3つの発光素子112A~112Cを含むように示されている。また、LIDAR装置100は、環境200内の物体の表面から反射された光パルス125A~125Cをそれぞれ受信する3つの光検出器121A~121Cを含むように示されている。第1の光パルス115Aが庇202の表面205Aを照明し、第1の光検出器121Aが対応する反射光パルス125Aを受信する。第2の光パルス115Bが自動車201の表面205Bを照明し、第2の光検出器121Bが対応する反射光パルス125Bを受信する。第3の光パルス115Cが自動車201の別の表面205Cを照明し、第3の光検出器121Cが対応する反射光パルス125Cを受信する。LIDAR装置100は、受信光パルス125A~125Cの1つ以上の特性(例えば、タイミング、振幅、パルス幅など)を使用して、環境200内のLIDAR装置100と各表面205A~205Cとの間の距離を求めることができる。
【0033】
図2Bは、例示のLIDAR装置の放出された光パルスおよび受信された光パルスに対応する波形の例示のタイミング図210である。送信波形215A~215Cは、図2AのLIDAR装置100から放出された光パルス115A~115Cのそれぞれの強度レベルを示してよく、受信波形225A~225Cは、図2AのLIDAR装置100によって受信された光パルス125A~125Cのそれぞれの強度レベルを示してよい。光パルス115A~115Cは、同一時間tで(または少なくとも実質的に同時に)LIDAR装置100から放出され、反射光パルス125A~125Cは(例えば、LIDAR装置100と環境200の表面205A~205Cのそれぞれとの距離が異なるため)異なる時間t~tにLIDAR装置100によって受信される。送信波形215A~215Cは、対応する光パルス115A~115CがLIDAR装置100から放出される時間tを表すパルス216A~216Cをそれぞれ含む。受信波形225A~225Cは、対応する反射光パルス125A~125CがLIDAR装置100によって受信される時間t~tを表すパルス216A~216Cをそれぞれ含む。任意の適切なピーク検出技術(例えば、ピーク振幅の決定、中心の決定、閾値交差間の平均時間の決定など)を用いて、受信時間t~tをパルス226A~226Cからそれぞれ求めることができる。求めた受信時間t~~tを用いて、LIDAR装置100と環境200の表面205A~205Cとの間のそれぞれの距離を求めることができる。
【0034】
多くのLIDAR装置は、放出された光パルスの1つ以上の特徴を調整することが可能である。例えば、LIDAR装置100(図1)は、放出された光115の光パルスのタイミング、光パルスの周波数、または光パルスの強度のうちの1つ以上を調整するように送信器110を構成してよい。いくつかの例では、LIDAR装置100は、放出された光115の光パルスをディザリングしてタイミングを制御することが可能である。LIDAR装置によっては、発光素子112(LEDなど)に提供される電力を調整して強度を制御することが可能であり得る。LIDAR装置によっては、基準信号周波数(光源など)を調整して、放出される光115の光パルスの周波数を調整することが可能であり得る。また、受信器120は受信された光125の光パルスのタイミング、周波数、または強度の違いを検知するように構成されてよい。例えば、光検出器121のフォトダイオードアレイの感度は、強度の違いを判断するのに十分であり得、フォトダイオードアレイおよび/またはADCのサンプリングレートは、受信された光125の光パルスのタイミングまたは周波数の違いを判断するのに十分であり得る。
【0035】
いくつかの態様では、(LIDARコントローラ130などの)LIDAR装置100は、周波数調整、強度調整、および/または放出されるパルスの時間ディザリングを介して、放出される光115への情報を符号化するように構成されてよく、送信器110は、放出される光115を介してそのような符号化された情報を通信するように構成されてよい。例えば、LIDAR装置100は、送信されるデータ信号を受信してよく、LIDAR装置100は、放出される光(本明細書では光信号と呼ばれることがある)をキャリア信号として使用してよい。このようにして、LIDAR装置100は、データ信号を含むように光信号を変調してよく、LIDAR装置100は、変調光信号を送信してよい。第1のLIDAR装置の場合、受信器120は、第2のLIDAR装置の送信器110によって送信された変調光信号を受信するように構成されてよい。変調光信号は、第2のLIDAR装置からのデータ信号で符号化され、第1のLIDAR装置のLIDARコントローラ130は、受信された変調光信号からデータ信号を抽出するように構成されてよい。例えば、LIDARコントローラ130は、受信された光信号を復調してデータ信号を生成してよい。LIDAR装置間のこのような通信はポイントツーポイントであり(したがって中央ネットワークを必要としない)、信号の周波数はセルラー通信のものよりも高いため、スループットは従来のセルラー通信よりも高くなり、遅延は少なくなり得る。本明細書における「変調光信号」は、データ信号を含むように変調光信号(LIDAR装置100によって放出された光など)を指す。
【0036】
いくつかの実装では、LIDAR装置100は、距離測定モード(本明細書では「検出モード」と呼ばれ得る)と、データ信号を含む変調光信号を送信するための通信モードとの間で切り替わるように構成されてよい。例えば、LIDARコントローラ130は、LIDAR装置100がいつ変調光信号を介して情報を送信または受信するか、およびLIDAR装置100がいつ環境内の物体の表面を検出するように動作するかを判断してよい。例えば、LIDARコントローラ130は、第1の時間部分の間はLIDAR装置100を通信モードにし、第2の時間部分の間はLIDAR装置100を検出モードにすることを判断してよい。したがって、LIDAR装置100は、通信モードと検出モードとを切り替えてよい。他のいくつかの実装では、放出された光115は、(周波数を調整することによってなど)別の受信器に情報を通信するために使用されてよく、また、(例えば、受信された光125の強度の差を検知することによって)物体の表面を検出するために使用されてよく、LIDAR装置100は、双方のモードを同時に実施するように構成されてよい。例えば、LIDAR装置100は、(データ信号を含む)変調光信号を放出してよい。LIDAR装置100は、変調光信号の反射を受信して、その反射を使用してLIDAR装置100からの物体の奥行きを求めてよい。さらに、第2のLIDAR装置は、変調光信号を受信し、その光信号を復調して、LIDAR装置100から含まれたデータ信号を生成してよい。
【0037】
車両またはインフラなどの装置は、放出された光115を介して(例えば、車両またはインフラによって提供された)データ信号を通信するように構成された1つ以上の(LIDAR装置100などの)LIDAR装置を含むか、またはそれらに結合されてよい。このようにして、装置は、構成されたLIDAR装置を使用して車両またはインフラと通信してよい。いくつかの態様では、LIDAR装置100は、LIDAR装置を含む他の車両およびインフラによって採用された通信プロトコルを使用するように構成されてよい。通信プロトコルはアドホックでもよく、または管理されてもよく、情報の任意の適切なパケット化が通信プロトコルに使用されてよい。例えば、車両のフリート内のLIDAR通信は、特定のプロトコルに基づいてよい。いくつかの実装では、標準化プロトコル(または複数の関係者によって採用されたプロトコル)によって、車両とインフラと間のLIDAR通信の統合がより容易に可能となり得る。そのようなプロトコルは、情報を送受信するための定義されたパケットフォーマットを含んでよい。セルラー通信、Wi-Fi通信、デジタル加入者回線(DSL)通信、光ファイバー通信などの他の通信媒体からのプロトコルを利用して、LIDAR装置間の通信用のプロトコルを作成してよい。
【0038】
図3は、例示の通信プロトコルに基づく複数の受信パケット300の例示のパケットフォーマットを示す。いくつかの実装では、LIDAR装置100は、(パケット1~6などの)1つ以上の受信パケット300を配列させるためのバッファまたは他の適切なメモリ(メモリ132など)を含んでよい。LIDAR装置100は、車両またはインフラ用にバッファリングされたパケットを処理して、1つ以上の動作を実施してよい。別の例では、バッファリングされたパケットは、処理のために装置の処理システムに提供されてよい。図示のように、パケット1~6のフォーマットは、送信器ID302と、位置304と、ペイロードタイプ306と、ペイロード308とを含むフィールド302~308を含む。任意の適切なパケットフォーマットを使用できるため、追加のフィールド、より少ないフィールド、異なるフィールド、またはフィールドの異なる編成をパケットに含めてよい。例えば、パケット1~6は、受信パケットのエラーを修正するために、ペイロード308の後に巡回冗長検査(CRC)フィールドを含んでよい。
【0039】
送信器ID302は、パケットを送信している装置を示し得る。いくつかの実装では、各車両は、その特定の車両を識別するための一意の識別子を含んでよい。例えば、200台の自律型車両のフリートが相互に通信する場合、各車両は、フリート内の他の車両とは異なる識別子(「vehicle_1」~「vehicle_200」など)を含んでよい。「Vehicle_100」に関連付けられた車両に装備されたLIDAR装置がパケット1および2をLIDAR装置100に送信する場合、パケットの送信器ID302には一意の識別子「Vehicle_100」が含まれてよい。同様に、「Vehicle_102」に関連付けられた車両に装備されたLIDAR装置がパケット3をLIDAR装置100に送信する場合、パケットの送信器ID302は一意の識別子「Vehicle_102」を含んでよい。車両によっては、一意の識別子を含まないか、さもなければ識別されない場合があるが、車両はそれでもパケットをLIDAR装置100に通信してよい。一例では、送信器ID302は、以前に識別されていない車両または装置に固有の送信器ID値を含んでよい(パケット4については「Unidentified_Vehicle」として示されている)。送信器ID値は、例えば、ゼロで埋める、null値のフィールド、さもなければパケットに関連付けられた車両またはインフラに一意の識別子がないことを示すために適切に入力され得る。
【0040】
(料金所、トンネル、多人数乗車車両(HOV)車線の入口ゲートなどの)インフラは、1つ以上のLIDAR装置を含むか、またはそれらに結合して、LIDAR装置100との間でパケットを送受信してよい。例えば、パケット5は、トンネルの入口に位置付けられた送信器(「Tunnel_40」として一意に識別されてよい)によって送信されてよく、パケット6は、(「Toll Booth_30」として一意に識別されてよい)料金所に位置付けられた送信器によって送信されてよい。任意の適切な車両またはインフラは、LIDAR通信用のLIDAR装置を含んでよく、一意の送信器IDを含んでよい。
【0041】
いくつかの実装では、緊急車両、工事ゾーン、および優先送信に関連する他の装置は、パケットが優先送信用であることを示す送信器IDを含んでよい。LIDAR装置100がパケットを順次復号する場合、LIDAR装置100は、最初に送信器ID302を処理し、パケットが優先送信であると判断してよい。このようにして、LIDAR装置100は、パケットの残りの処理を完了する前に、優先されるパケットを判断してよい。送信器ID302の他の適切な実装を使用してよく、本開示は、提供された例に限定されない。例えば、送信器IDは、フリート、車両のタイプ(自家用車、商用トラック、スクールバスなど)などを区別するように構成されてよい。
【0042】
位置304は、送信装置に関連する車両またはインフラの位置を示し得る。例えば、車両またはインフラが、緯度および経度を求めるための全地球測位システム(GPS)受信器を含んでよい。次に、緯度および経度は、パケット1~6で示されているように、位置304で提供され得る。代替的には、位置304は、それ自体のLIDAR装置を介して他の車両またはインフラによって求められるような、LIDAR装置100に関連する位置情報を含んでよい。例えば、送信LIDAR装置は、送信車両と受信車両またはインフラとの間の相対的な距離および位置を求めてよく、装置の距離および位置が位置304に送信されてよい。いくつかの実装では、(車両がGPS受信器を含んでいないなど)位置情報を送信することができない場合、位置304にはゼロが埋められるか、さもなければ位置が提供されていないことを示すために塗りつぶされていてよい。
【0043】
ペイロードタイプ306は、パケットのペイロード308で提供される情報のタイプを示し得る。パケット1~6の例では、パケット1のペイロードタイプ306は、「HEARTBEAT」または「BEAT」を示し、これは、「Vehicle_100」によって定期的に送信される信号であってよい。いくつかの実装では、「HEARTBEAT」または「BEAT」は、パケットがビーコンに類似していることを示してよく、基本情報がペイロード308で提供されてよい。車両またはインフラの基本情報を提供するいくつかの例では、Payload1は、送信器のディザレートもしくは他の動作パラメータ、および/または車両の軌道情報もしくは他の状態情報を含んでよい。代替的には、そのようなパケットのペイロード308に情報を提供しなくてもよい(例えば、ペイロードはゼロで埋められ、パケットは、位置304を介して位置情報を提供し、送信器の存在を他の装置に通知するだけである)。
【0044】
パケット2のペイロードタイプ306は「RENDER_DESCRIPTION」である。以下の使用例で説明するように、LIDAR装置100は、LIDAR装置100の視線(LoS)内の表面を測定することができるが、LIDAR装置100のLoS内にない表面は、検知および検出されないことがある。このように、LIDAR装置100からの測定値に基づく環境のレンダリングは、LIDAR装置100の視野内にない車両の部分を含まなくてもよい。「RENDER_DESCRIPTIO」は、車両またはインフラのレンダリングに関する基本情報がペイロード308で提供され得ることを示し得る。例えば、Payload2は、レンダリングされる「Vehicle_100」に関連する1つ以上の形状の寸法を含んでよい。一実装では、寸法は、(2次元レンダリングのための長方形または3次元レンダリングのための長方形プリズムなどの)幾何学的形状の向きおよび寸法を含んでよい。他の適切なレンダリング情報は、ペイロード308によって示される物体のレンダリングのテクスチャ、輪郭、または他の特徴を含んでよい。例えば、緊急車両または道路工事ゾーンは、車両によって運転手および/または同乗者に表示されるレンダリングにおいて強調表示されてよい。したがって、ペイロード308は、緊急車両または工事ゾーンに関連するレンダリングの部分を強調するためのテクスチャを示してよい。別の例示の実装では、同一フリート内の車両に同様のテクスチャが使用されてよい。このようにして、運転手および/または同乗者は、表示されたレンダリングでフリート車両を容易に識別してよい。しかしながら、任意の適切なレンダリング記述が使用されてよく、本開示は提示された例に限定されない。
【0045】
「RENDER_DESCRIPTION」に加えて、または、代替として、ペイロードタイプ306は、パケット4などの「RENDER_IDENTIFICATION」を示す場合がある。いくつかの実装では、標準的な車両(またはインフラ)のリストおよびそれらに関連するレンダリング情報が(ルックアップテーブルまたはアクセス用に編成された別の適切なデータセットなどの)データベースに格納されてよい。例えば、パケットを送信する車両が1994年型ジオメトロである場合、(Payload4などの)ペイロード308は、「1994年型ジオメトロ」を示してよい。データベースは、特定の車両のレンダリングの詳細(レンダリングの寸法やテクスチャなど)を決定する際に使用でき、既存のレンダリングは、追加のレンダリングの詳細によって拡張されてよい。データベースはまた、特定の車両に関する情報、例えば、長さ、加速能力などを含んでもよい。本明細書での「レンダリング」という用語は、線画、点群、奥行きマップ、画像、テクスチャ、シェーディング、または、視覚化もしくは表示され得る他の情報を意味してよい。
【0046】
パケット5のペイロードタイプは「GATED_ENTRY」であり、これは、Payload5が「Tunnel_40」への進入が許可されている車両のタイプを示すことを示し得る。例えば、「Tunnel_40」は、多人数乗車車両または自律型車両に限定されてよく、これはパケット5で示されてよい。したがって、LIDAR装置100を含む車両は、Payloadド5の情報に基づいて、「Tunnel_40」への進入が許可されるかどうかを判断してよい。
【0047】
パケット6のペイロードタイプは「FEE_CHARGE」であり、これは、Payload6が「Toll Booth_30」によって請求される料金を示すことを示し得る。例えば、橋の通行料が5ドルの場合、Payload6は、車両が「Toll Booth_30」を通過したときに、運転手またはフリートの口座から5ドルが自動的に徴収されることを示してよい。いくつかの実装では、ペイロード308は、請求される料金と車両進入に対する制限との組み合わせを含んでよい。例えば、駐車ガレージスペース用の送信器は、駐車料金とそのスペースで許可されている車両(例えば、電気自動車スペース用に予約されている、指定された障害者用駐車場など)を示してよい。車両がスペースに駐車している間、送信器は、運転手が現在の駐車料金を認識し得るように、レートに基づいて駐車料金を更新してよい。
【0048】
パケット3のペイロードタイプは「VEHICLE_LOCATOR」であり、これは、Payload3が発見されようとしている車両を示すことを示し得る。例えば、「Vehicle_005」がオフラインの場合、フリート内の車両は「Vehicle_005」を位置特定しようとするパケットを送信してよい。このように、Payload3は、どの車両を位置特定するべきかを示すために「Vehicle_005」識別子を含んでよい。いくつかの実装では、LIDAR装置100は、受信されたパケットの複数の送信器IDを永続化してよい。したがって、LIDAR装置100は、受信されたパケットの永続化された送信器IDを検索して、「Vehicle_005」がLIDAR装置100と通信したかどうかを判断するように構成されてよい。次に、LIDAR装置100は、そのことを「Vehicle_102」に示してよい。例えば、LIDAR装置100は、パケットで受信された位置を「Vehicle_005」から「Vehicle_102」に送信してよい。他のいくつかの実装では、LIDAR装置100は、「Vehicle_005」を位置特定すべきことを示すメッセージを他の車両またはインフラに伝播するように構成されてよい。このようにして、「Vehicle_005」が別の車両またはインフラから伝播されたメッセージを受信した場合、「Vehicle_005」はその位置をフリートに通信することを決定してよい。
【0049】
(本明細書で説明するようなLIDAR通信の異なる使用例などにおいて)他の適切なペイロードタイプおよびペイロードが存在してよく、本開示は提供された例に限定されない。いくつかの例示の実装では、車両がパケット生成のための情報を収集するために複数のセンサーを含んでよい。例えば、ペイロードは、搭乗者の数、車両の動作モードなどに関する情報を含んでよく、圧力センサー、占有センサー、動作モードを検出するためのエンジンセンサーなどのセンサーは、そのような情報を収集するために使用されてよい。
【0050】
多様な範囲の情報がLIDAR通信を介して提供および受信されてよく、LIDAR通信は本明細書に記載されているような様々な使用例に適用されてよい。
【0051】
LIDAR通信の実装
車両ロケータ
車両は、通信用のセルラーネットワークの存在しない領域で動作する場合がある。例えば、車両が地方または人口の少ない領域を横断する場合、車両は安定したセルラー接続を有していないか、さもなければ基地局と通信できないことがある。別の例では、車両のセルラーモデムが動作不能であることがある。車両が車両のフリート(タクシーやレンタカーのフリートなど)の一部である場合、配車係は車両の位置を特定できない場合があり、配車係は車両を見つけることを要望する場合がある。
【0052】
いくつかの実装では、行方不明、立ち往生、またはオフラインの車両を捜索することは、オフラインの車両を見つけた車両またはインフラがオフラインの車両が見つかったことを配車係に報告する、事前対応策であってよい。他のいくつかの実装では、オフラインの車両の捜索は、車両がオフラインの車両の最後の既知の位置を記録する、事後対応策であってよい。このようにして、(車両が充電しているとき、さもなければ動作していないときなど)車両が配車係またはフリートの他の部分と同期するとき、車両はその結果を報告する。
【0053】
フリート内の他の車両は、LIDAR通信を介して車両ロケータメッセージを送信するように指示される場合がある。例えば、フリート車両の各々は、「Vehicle_Locator」のペイロードタイプのパケットを定期的に送信するように指示され、それにより、パケットペイロード内のオフライン車両を識別してよい。配車係は、フリート所有の電気自動車充電ステーションや、LIDAR装置を含む、またはLIDAR装置に結合された駐車スペースなどのインフラに、車両ロケータメッセージを送信するように指示してもよい。上記のように、他の車両も、受信されたそのようなメッセージを伝播して、車両ロケータメッセージを送信する送信器の数を増やしてよい。このようにして、その主要な通信方式(例えばセルラー)に対してオフラインであり得る車両は、通過する車両またはインフラからメッセージを受信することができ、その車両はLIDAR通信を介してその位置を配車係に通信することを決定してよい。別の例では、オフライン車両を見つける車両またはインフラは、オフライン車両の位置を配車係に通信してよい。
【0054】
例えば、別のフリート車両がオフライン車両とLIDAR通信している場合、オフライン車両は、LIDAR通信を介して他のフリート車両に、そのセルラーモデムが動作不能であり、例えば、他の車両のセルラーモデムを介して配車係に連絡するようメッセージを送信してもよい。このようにして、配車係は、他のフリート車両を介してオフライン車両と通信してよい。
【0055】
配車係がオフラインのフリート車両を見つけることに加えて、またはその代わりに、車両ロケータメッセージが盗難車両などの緊急事態で使用されてよい。車両ロケータパケットのペイロードには、捜し出す車両の説明が含まれる場合があり、そのようなパケットは、盗難車両を見つけるために他の車両およびインフラに伝播されてよい。いくつかの実装では、車両がパケットの受信に応答して運転手に通知を表示してよい。他のいくつかの実装では、盗難車両は、その盗難車両の寸法または他の特性に基づいて自動的に識別されてよい。例えば、LIDAR装置を使用して他の車両の検出された表面を、盗難車両の類似の寸法または他の特徴に基づいて、同一の製造元および型式の車両を識別するために使用してよい。別の例では、行方不明の車両を検出した後に可視光カメラを使用してナンバープレートの画像を撮像してよく、その画像が分析され、ナンバープレート番号に基づいて行方不明の車両が識別されてよい。車両は(セルラーモデムなどを介して)行方不明の車両の位置を中央事務所に報告してよい。
【0056】
他のいくつかの実装では、車両ロケータメッセージは、オフラインまたは無効にされた車両によって開始される場合がある。例えば、フリート車両のセルラーモデムが動作不能になることがあり、そのフリート車両は、セルラーネットワークを介してフリートと通信できなくなる。配車係がセルラー通信を介して、そのフリート車両がどこに行くべきかについての情報を提供する場合、そのフリート車両は、配車係がその車両をどこに送りたいかを判断できないことがある。自律型車両のタクシーのフリートの例では、特定の住所で顧客を拾い、特定の目的地まで顧客を乗せるために、配車係が車両を送りたい場合がある。ただし、車両は配車係からの命令を受信することができない。LIDAR通信を使用して、(セルラーモデムが無効になっている車両などの)車両からのメッセージを配車係に提供してよい。例えば、車両は、LIDAR通信を介して、配車係向けのメッセージを他のフリート車両に送信してよい。その後、他のフリート車両がそのメッセージを配車係に送信してよい。このようにして、配車係は、車両が配車係からのメッセージを受信できないことがあることを通知され、配車係はその車両をフリートに含まない処理要求を更新してよい。配車係はまた、(他のフリート車両などを介して)LIDAR通信を介して、その車両に、指定された場所でサービスを待つ、フリートの運行、またはその他の適切な操作からその車両自体を削除する命令を提供してよい。
【0057】
いくつかの実装では、車両は、タクシーのフリート配車係から離れたホーム位置を有してよい。例えば、車両が(配車係から伝えられる乗客などのために)行くべき場所を持たない場合、車両はサービス領域内の特定の車両用駐車スペースなど、サービス領域内の指定された場所に戻ってもよい。スペースは、車両と通信することができる(例えば、配車係が車両と通信することを可能にする)LIDAR装置に関連付けられてよい。車両が完全に動作可能であり、配車係との標準的な通信に戻ったとき、指定された場所は、車両が乗客のためにアクティブ化されるまで、車両の待機場であってよい。車両が配車係と通信できず、乗客のために使用されていない場合は、車両はまた、指定された場所(駐車スペースなど)に戻ってもよい。本明細書におけるオフライン車両への言及は、立ち往生、行方不明、または、デフォルト、典型的、もしくは標準的な動作モード内で動作していないか、動作することが期待できない他の車両を指す場合がある。
【0058】
図4は、自律型フリート車両402が使用されないときに戻るための例示の駐車スペース410を含む環境400を示す。自律型車両402は、LIDAR装置404などの1つ以上のLIDAR装置を含む。スタンド408は、駐車スペース410の近くに位置している場合がある。スタンド408の例には、パーキングメーター、充電ステーション、徒歩のクライアントのためのタクシースタンドが挙げられる。いくつかの実装では、スタンド408は、LIDAR通信406を介して車両402と通信するためのLIDAR装置を含む。また、スタンド408は(セルラーモデムまたは光ファイバー接続などの)有線または無線のバックホールを含む。配車係と直接通信することができない車両402は、LIDAR通信を介してスタンド408と通信してよく、スタンド408は、バックホールを介して配車係と通信してよい。車両402は、LIDAR通信を介してスタンド408と通信するものとして説明されているが、他のいくつかの実施形態では、追加または代替の通信システムが使用されてよい。他のシステムは、(IEEE802.11ベースのシステムなどの)ワイヤレスローカルエリアネットワークシステム、ブルートゥース(R)システム、(3G、4G、5Gなどの)セルラーシステム、可視光通信システム、近距離通信(NFC)システムなどを含んでよい。
【0059】
スタンド408と通信する際に、車両402は、車両ロケータパケットをスタンド408に提供してよい。いくつかの実装では、車両ロケータパケットを送信することで、車両402が(セルラーモデムを介してなど)配車係と直接通信できないことをスタンド408および配車係に示すことができる。いくつかの例では、配車係は、車両402をサービスから除去するか、保守要員を車両402に送るか、車両402に保守のために行く場所を送るか、または車両402によって扱われる新しい乗客を伝えることができる。いくつかの実装では、スタンド408はまた、道路を通過する車両402と通信してもよい。車両402が配車係と直接通信することができない場合、スタンド408は、車両402の位置を配車係に更新してよい。
【0060】
車両の呼び出し
車両の位置を特定することに加えて、LIDAR通信を使用して車両を呼び出すことができる。図4に戻ると、スタンド408は、歩行者用のタクシースタンドであってよい。人はスタンド408まで歩いて行き、(スマートフォンのアプリ、スタンド408のグラフィカルユーザインターフェース、またはスタンド408との別の適切なインターフェースなどを介して)所望の目的地を入力することができる。複数の自動車両は、(角を曲がった駐車場などの)スタンド408から離れた場所で整列して、(駐車場内の1つ以上のスタンドなどの)別のLIDAR送信器と通信してよい。駐車スペース410は、待ち行列の次の車両を呼び出す場所であってもよく、駐車スペース410は、ユーザが車両に乗り込み、要求した乗車に搭乗する場所であってもよい。
【0061】
スタンド408は、複数の乗車要求を同時に処理することができる。その結果、スタンド408は、複数の車両を(整列した車両のための準備領域において1つ以上のLIDAR送信器を使用するなどして)呼び出すことができる。呼び出された各車両は、特定のクライアントまたは乗車を割り当てられてもよく、車両が駐車スペース410に近づくと、車両は割り当てられた乗車を(LIDAR通信406を介して)スタンド408に示してもよい。このように、スタンド408は、駐車スペース410内の車両に割り当てられた乗車を顧客に通知して、搭乗を迅速化し、かつ、同一の駐車スペース410からの複数の顧客のために乗車を調整してよい。
【0062】
通知
LIDAR通信を用いて、車両または運転手に通知を提供することができる。例えば、緊急車両の接近、道路の危険要因、通学時間帯の通学路、制限速度の変更、工事ゾーンなどが、LIDAR通信を介して車両に通知され得る。緊急車両の場合、緊急放送が、インフラおよび以前に放送を受信した車両によって通信され、LIDAR通信を介して緊急車両の存在が他の車両に通知され得る。
【0063】
図5は、救急車502の存在を車両506に通信するための例示の環境500を示す。車両508は救急車502を検出してよい。例えば、救急車502が救急車502の存在を示す緊急信号を一斉送信してよい。別の例では、車両508のLIDAR装置または他のセンサーが救急車502を検知してよく、車両508が救急車502を緊急車両として識別してよい。
【0064】
救急車502以外のいくつかの例では、車両508は、環境内で他の車両に走行を変更させ得る人を検出するか、またはそのような人について通知され得る。例えば、車両508は、車線内の1人以上の自転車利用者、通りの近くで遊んでいる子供たち、(始業前または終業後などに)通りを横断する子供たちまたは他の歩行者などを検出してよい。他の例では、車両508は、エンストした車、軽微な交通事故(「軽い衝突事故」)、道路の封鎖、または他の車両が走行を変更したり、そのような事故の通知を受け取ったりすることがあるその他の交通状況を検出してよい。このようなシナリオでは、車両が領域内で減速し、1つ以上のLIDAR装置を使用して環境の走査を調整して特定の領域に焦点を合わせ、例えば、車線を変更して検出された人や状況などにより広いスペースを提供することを保証してよい。
【0065】
車両508は、車両506とのLIDAR通信範囲内に存在しないことがある。例えば、LIDAR通信はLoSに基づいてよく、車両506は、建物によって遮断されるか、さもなければ塞がれて、車両508が車両506と直接通信することが妨害されることがある。いくつかの実装では、車両508は、1つ以上の車両および/またはインフラを使用して、車両506とのLIDAR通信を実施してよい(例えば、「曲がり角」で通信してよい)。例えば、車両508は、車両504とのLIDAR通信510を使用して、救急車502の存在を示してよい。さらに、または代替として、車両508は、LIDAR通信516を介してスタンド514と通信して救急車502の存在を示してよい。
【0066】
図5は、LIDAR装置(510、512、516、および518)間の直接のLoS通信を示しているが、LIDAR装置間のLoS通信には、表面からの1つ以上の信号の反射を含んでよい。例えば、送信LIDAR装置からの光信号の集束ビームは、環境500内の1つ以上の建物の壁、標識、または他の物体で意図的に反射されてよく、その反射が受信LIDAR装置によって受信されてよい。ビームが十分に集束され、送信に十分な送信電力が含まれ、1つ以上の表面に十分な反射率がある場合、受信LIDAR装置によって受信された反射を処理して、送信LIDAR装置によって送信された通信(救急車502の存在の通知など)と判断してよい。このようにして、LIDAR装置は直接のLoSを行わないで相互に通信してよい。この仕様では、LoSは、直接のLoSまたは(1つ以上の反射を含み得る)間接のLoSを含んでよい。
【0067】
車両504またはスタンド514は、救急車502の存在または他の交通状況をLIDAR通信範囲内の他の車両およびインフラに示すように構成されてよい。例えば、車両504が、LIDAR通信512を使用して、救急車502の存在を示してよい。別の例では、スタンド514が、LIDAR通信518を使用して、救急車502の存在を示してよい。この例では、救急車502の存在を示すことは、(例えば、LIDAR通信510および512を介して、またはLIDAR通信516および518を介して)車両508から車両506に到達するための2つのホップを含んでよい。
【0068】
いくつかの実装では、緊急車両(または他の通知)の表示は、定義されたホップ数または定義された距離で伝播されてよい。このようにして、緊急車両の存在を他の車両に通知することは、緊急車両または交通状況の周囲の領域に限定される。いくつかの例では、車両508はまた、救急車502の軌道、ルート、または他の情報を決定し、そのような情報を車両504またはスタンド514に示してもよい。指示を伝播するための距離またはホップ数は、例えば、ルートの方向に増加してよい(または、逆に、ルートの反対の方向に減少してよい)。車両506が自律型車両である場合、車両506は、救急車502の存在または他の交通状況の指示の受信に応答して、積極的に道路脇に寄ったり、停止したり、車線を変更したり、ルートを変更したりしてよい。他のいくつかの実装では、車両506は、運転手(および/または同乗者)に視覚的または聴覚的な通知を提供して、救急車502の存在または交通状況を示してよい。例えば、車両のスピーカーまたはディスプレイが救急車502の存在または交通状況を運転手および/または同乗者に通知してよい。
【0069】
別の通知例は、駐車場またはガレージで利用可能な駐車スペースに関するものである。いくつかの実装では、駐車ガレージの入口ゲートは、LIDAR通信を介して、進入する車両に利用可能なスペースを伝えてよい。車両が自律型車両の場合、その車両に駐車スペースが割り当てられ、自動的にそのスペースに進んで駐車してよい。このようにして、駐車ガレージまたは駐車場は、出入りする車両の駐車を効率的に管理してよい。他のいくつかの実装では、入口ゲートは車両に利用可能な駐車スペースを示してよく、車両は利用可能なスペースの場所を運転手および/または同乗者に通知してよい。例えば、車両は駐車ガレージの地図を表示し、表示された地図上に利用可能なスペースの場所を示してよい。車両が駐車ガレージに入る前に(例えば、車両がガレージに近づくときに)運転手および/または同乗者に通知されてよく、運転手および/または同乗者は、好ましいスペースを選択してよい。
【0070】
上記のように、さらなる通知の例は、交通事故または交通に対する他の妨害物に関するものであり得る。通知は、LIDAR通信を介して妨害物に先行する車両に伝播されてよく、その車両は代替ルートを決定し、かつ/または受信された通知に基づいて運転手および/または同乗者に遅延の可能性を通知してよい。他の適切な通知例もLIDAR通信を介して送信されてよく、本開示は上記の例に限定されない。
【0071】
アクセス領域の制限
LIDAR通信の別の使用例は、定義された領域へのアクセスを制限することである。領域によっては、特定の車両または車両タイプに限定される場合がある。例えば、病院の救急車入口は救急車に限定されている場合がある。別の例では、身体障害者用駐車スペースは、身体障害者タグを含む車両に限定されている場合がある。さらなる例では、HOV車線は、例えば、3人以上の搭乗者を含む車両に限定されている場合がある。別の例では、市内中心部の一部は、自律型車両、低排出もしくはゼロ排出車両、タクシー、または他の特定のタイプの車両に限定されている場合がある。さらなる例では、会社の駐車ガレージは、従業員の車両またはセキュリティ上の許可がある車両に限定されている場合がある。
【0072】
LIDAR通信は、特定の領域に対する制限を示し、特定の車両にそのような領域へのアクセスを許可するために使用されてよい。いくつかの実装では、(入口ゲート、スタンド、またはその他のインフラなどの)領域のLIDAR装置が、接近する車両にその領域における制限を送信してよい。次に、車両は(独自のLIDAR装置を介して)必要な認証をLIDAR装置に通信し、車両がその領域で承認されていることを示す。次に、車両は(ゲートの開口部、さもなければ領域へのアクセスが許可されている車両などの)領域に入り、走行することが許可されてよい。他のいくつかの実装では、車両はその領域に必要な資格を格納してよい。このようにして、車両は、アクセス権を取得するために、その資格情報をLIDAR装置に優先的に通信してよい。例えば、救急車が病院の救急車入口に近づくと、その救急車はLIDAR装置を使用して、それ自体を入場許可を取得した救急車として識別してよい。
【0073】
領域へのアクセス制限は、時間の経過とともに変更される場合がある。例えば、HOV車線は、指定された混雑時間のみ制限されてよい。別の例では、スモッグレベルが閾値を超えている場合、市内中心部はゼロ排出車両に制限されてよい。さらなる例では、事故の周辺または警察もしくは緊急対応者が必要とされる領域は、そのような警察または緊急対応車両に制限されてよい。LIDAR通信は集中型ネットワークを必要としないため、アクセス制限の変更は、例えば、他の通信を介して領域のアクセスパラメータをリモートで調整および確立するよりも迅速に実施され、車両に提供される場合がある。いくつかの例では、車両が制限領域に入ろうとしていることをその車両が運転手および/または同乗者に通知してよい。このようにして、運転手、同乗者、または車両自体が、制限領域周辺を走行するようにルートを調整してよい。
【0074】
別の実装では、領域は、時間帯、曜日、領域の混雑度、特別なイベントなどに基づいて、異なる通行料または料金を含んでよい。車両が領域に入る前に、LIDAR通信を使用して、そのような通行料や料金を車両に伝えてよい。次に、情報に基づいて、運転手および/または同乗者は、領域に入ることを決定してよい(または、車両が自動的に決定してよい)。例えば、道路によってはホットレーンを備えており、そのような車線に入る価格は時間帯と道路の混雑に基づいている。運転手および/または同乗者は、ホットレーンに入るための価格を通知され、それによって入るかどうかを判断してよい。代替的に、車両は、例えば、価格が閾値額または乗車の優先順位よりも低いかどうかに基づいて、ホットレーンに入るように構成されてよい。例えば、妊娠中のカップルが病院へ移動している場合、乗車の優先順位を設定して、ホットレーンに関する価格の制約を無効にしてよい。他の適切な制限の使用例が存在してよく、本開示は提供された例に限定されない。
【0075】
物体の視覚化またはレンダリング
LIDAR通信の別の使用例は、レンダリングまたは視覚化情報を提供することである。図3に関して説明したように、パケットは、車両(または図4のスタンド408などのインフラ)をレンダリングまたは視覚化するための「RENDER_DESCRIPTION」または「RENDER_IDENTIFICATION」情報を含んでよい。車両の環境内の物体のレンダリングまたは視覚化は、車両に接続されたLIDAR装置のLoSに制限される場合がある。その結果、LIDAR装置のLoSにない表面が検出およびレンダリングされない場合がある。
【0076】
図6Aは、車両602の例示の環境600を示す。環境600は、建物604および606と、車両608および610とを含む。図示されるように、車両602のLIDAR装置612から見た車両608の視像は、この車両608の前面および運転手側表面を含む。LIDAR装置612から見た車両610の視像は、建物606によって遮られる。結果として、車両610の視像は、前面および運転手側表面の一部のみを含む。さらに、LIDAR装置612から見た建物604および606の視像は、車両602に対向する表面である。LIDAR装置612は、LIDAR装置612の視野内の表面の奥行きに関する情報を収集してよく、車両602は、検出された表面を含む環境600を視覚化またはレンダリングしてよい。本明細書で使用されるような、環境の視覚化またはレンダリングをする車両は、車両またはインフラに結合された(車両の処理システムに通信可能に結合されたタブレット、車両の処理システムに結合されたインダッシュ娯楽システム、車両から離れたディスプレイなどの)ディスプレイに、環境の少なくとも一部をディスプレイ上にレンダリングする命令を与える車両もしくはインフラ、または(車両のセンターコンソール内の統合娯楽システムなどを介して)一体化されたディスプレイ上に環境の少なくとも一部をレンダリングする車両のうちの1つ以上を含んでよい。本明細書で使用されるような(車両視覚化または環境のレンダリングなどの)1つ以上の動作を実施する特定の車両またはインフラは、(表示すべきレンダリングを生成し、車両またはインフラに結合されたディスプレイにレンダリングを提供するなどの)動作を実施する車両またはインフラに結合された装置またはシステムを指す場合がある。
【0077】
図6Bは、LIDAR装置612によって検知されたときの環境600の例示のレンダリング650を示す。上記のように、例示のレンダリング650は、車両に一体化されたディスプレイまたは車両の処理システムに結合されたディスプレイ上に表示されてよい。レンダリング650は、建物604に対応する表面654、建物606に対応する表面656、車両608に対応する表面658、車両610に対応する表面660のレンダリングを含む。例示のレンダリング650は、遠近法を提供するために車両602の表示652も含む。例えば、表示は、レンダリングに使用される車両のアイコン、ストック画像、ブロック、または他の保存された表示であってよい。
【0078】
例示のレンダリング650は、本開示の態様を説明するために簡略化されていて、レンダリング650は、追加の情報または詳細を含んでよい。例えば、道路の線やマーカーは反射するため、LIDARを介して検知される場合がある。別の例では、LIDAR装置612のLoS内の建物604および606ならびに車両608および610の追加の特徴は、LIDARを介して検知されてよい。例示のレンダリング650は、鳥瞰図からの2次元として示されているが、レンダリングは、任意の適切な向きまたは任意の適切な視点からであってよい。例えば、レンダリングは、LIDAR装置612から見た3次元点群、LIDAR装置612から見た環境の2次元図、または任意の他の適切なレンダリングであってよい。
【0079】
例示のレンダリング650は、車両ディスプレイを介して車両602によって運転手および/または同乗者に提供されてよい。例えば、例示のレンダリング650が車両に一体化されたディスプレイ上に表示されてよく、または、車両は、レンダリングするための命令をこの車両の処理システムに結合されたディスプレイに提供してよい。レンダリング650の例に示されているように、奥行き情報は、物体および建物の隠面については決定されなくてよい。例えば、レンダリング650は、車両608の助手席側表面および後面の情報を含まず、車両610の助手席側表面、後面、および運転席側表面の一部の情報を含まず、車両602側に対向していない建物604および606の側面の情報を含まない。
【0080】
いくつかの実装では、別のLIDAR装置が、環境600内の1つ以上の物体のレンダリング情報を車両602に送信してよい。例えば、車両608のLIDAR装置614はレンダリングのための車両608に関する情報を送信してよく、車両610のLIDAR装置616はレンダリングのための車両610に関する情報を送信してよい。いくつかの実装では、車両をレンダリングするための形状の寸法が送信されてよい。例えば、レンダリング650で車両608をレンダリングするための1つ以上の長方形の寸法が、LIDAR装置614からLIDAR装置612に送信されてよい。レンダリング650で車両610をレンダリングするための1つ以上の長方形の寸法が、LIDAR装置616からLIDAR装置612に送信されてよい。車両608および車両610のレンダリングに関する他の特徴も送信されてよい。例示の特徴は、車両レンダリングのための色、シェーディング、ハイライトなどのテクスチャを含む。
【0081】
他のいくつかの実装では、LIDAR装置614および616は、それぞれの車両の識別情報を送信してよい。例えば、LIDAR装置614は、車両608の製造元および型式、車両608の車両識別番号、車両608のナンバープレート番号、車両が特定の車両フリート(車両602と同一の車両フリートなど)の一部であるかどうか、車両のフリート内の固有の識別子、または他の識別情報についての情報を送信してよい。
【0082】
車両602(またはレンダリングを表示するためにディスプレイに結合されたメモリ)は、特定の車両のレンダリング情報を格納してよく、車両602は、車両識別情報を使用して、特定の車両の格納されたレンダリング情報を検索してよい。例えば、車両メモリ(または他のメモリ)は、(車両608と車両610とを含む)複数の車両の製造元および型式のレンダリング情報を格納してよく、そのようなレンダリング情報は検索されて、環境600に対するレンダリング650を向上させるために使用されてよい。レンダリング650が車両602に結合されたディスプレイに表示される場合、車両602は、車両メモリから検索されたレンダリング情報を提供してよく、または車両602は、外部メモリに(車両に接続された娯楽システムに製造元と型式に関する情報を提供するなど)レンダリング情報を識別するための情報を提供してよい。例示のレンダリング情報には、特定の車両のストック画像または図面が含まれてよい。いくつかの例では、レンダリング情報を使用してレンダリング650の対応する部分を置き換えるか、または組み合わせてよい。他のいくつかの例では、レンダリングを調整することは、物体レンダリングを強調表示することを含んでよい。例えば、緊急車両または車両の環境の状況を運転手または同乗者に通知するために、レンダリングは更新されてよい。
【0083】
図6Cは、車両672の例示の環境670を示す。例示の環境670は、建物684および686と、車両674および676とを含む。環境670は、緊急車両678も含む。図6Dは、図6Cの車両672の環境670の例示のトップダウンレンダリング690を示す。レンダリング690は、建物684に対応する表面694、建物686に対応する表面696、車両674に対応する表面698のレンダリングを含む。例示のレンダリング690は、遠近感を提供するために車両672の表示692も含む。車両676および緊急車両678は、車両672に結合されたLIDAR装置のLoS内に存在しない場合がある。結果として、レンダリング690は、車両676のレンダリングまたは緊急車両678のレンダリングを含まない場合がある。
【0084】
図7は、例えば、車両、LIDAR装置、インフラなどの環境のレンダリングを調整するための例示の動作700を描写するフローチャートを示す。例示の動作700は、図示のみを目的として図6Aおよび図6Cの車両602および672に関して以下に説明される。当業者であれば、例示の動作700が、様々な実装による任意の適切な装置(車両に結合された制御装置など)、インフラ、および/または車両によって実施されてよいこと、および本明細書に記載の例示の動作700は、追加のステップ、より少ないステップ、異なる順序のステップ、並行するステップ、またはそれらの任意の組み合わせで実施されてよいことを認識するであろう。本明細書では、1つ以上のステップを実施する車両602は、1つ以上のステップを実施する車両に結合された処理システム、1つ以上のステップを実施する車両602に一体化された処理システム、または記載された方法を実施するための他の適切な実施形態を意味してよい。例えば、車両とは別個に制御装置を設置するか、さもなければ制御装置は車両に結合されてよい。そのような制御装置はまた、1つ以上のLIDAR装置に結合され、(他の情報をレンダリングまたは表示するために)ディスプレイに結合され、かつ/または1つ以上の他の入力/出力構成要素(スピーカー、キーパッドなど)に結合されてよい。1つ以上のステップを実施する車両602は、いくつかの実装では、制御装置が1つ以上のステップを実施することを意味してよい。
【0085】
702から始まって、車両602は、第1のLIDAR装置の送信器によって放出された変調光信号に関連するデータを受信してよい。例えば、装置がLIDAR装置612に結合されてよく、変調光信号がLIDAR装置614またはLIDAR装置616からLIDAR装置612に送信されてよい。変調光信号は、データ信号を含むように変調された光キャリア信号を含む。LIDAR装置612またはLIDAR装置612に結合された装置は、データ信号を抽出し、データ信号に含まれるデータを判断してよい。
【0086】
また、車両602は、車両に結合された1つ以上のLIDAR装置からの情報に基づいて、車両の環境のレンダリングを生成してよい(704)。例えば、車両602は、LIDAR装置612が検出モードにあるときに、LIDAR装置612から測定値を受信するための処理システムを含んでよい。測定値は、点群、奥行きマップ、または環境600の他の適切な表示などのレンダリングを生成するために使用されてよい。例えば、処理システムは、LIDAR装置612または車両に結合された他のLIDAR装置から受信された測定値に基づいて、環境600の例示のレンダリング650(または環境670の例示のレンダリング690)を生成してよく、レンダリングは、環境600(または環境670)で検出された表面の表示を含んでよい。
【0087】
受信されたデータに基づいて、車両602は、レンダリングを更新してよい(706)。例えば、車両602は、環境内の物体のレンダリングを更新してよい(708)。いくつかの例示の実装では、車両602は、受信されたデータ内の物体識別子を受信してよい。例えば、通信モードのLIDAR装置612は、変調光信号を介してLIDAR装置614から車両608の識別子を含むパケットを受信してよい。識別子は、パケット内の特定の車両ID、車両識別番号、車両の製造元および型式、または別の適切な識別子であってよい。
【0088】
車両602は、識別子に基づいて物体のレンダリング情報を決定してよい。例示のレンダリング情報には、物体をレンダリングする際の1つ以上の形状の寸法(車両をレンダリングする際の1つ以上の長方形または他の形状など)、物体の代表的な画像(例えば、車両のタイプ、車両の製造元と型式などに基づく車両の代表的な図面など)、物体のストック画像(車両のストック写真など)、または物体のレンダリングに適用されるテクスチャ(車両のレンダリングに適用されるテクスチャなど)が含まれてよい。レンダリング情報はまた、物体のレンダリングを強調表示するか、または調整(サイズ、寸法、伸張などの変更など)するかを示してもよい。いくつかの実装では、車両602が車両608の識別子(製造元および型式など)を受信した場合、車両602は、レンダリング情報(車両の参照画像、車両の格納された寸法、緊急車両であれば強調表示情報など)に関連付けられた識別子(製造元および型式など)によって索引付けされたデータベースを走査して車両608のレンダリング情報(車両608の製造元および型式の格納画像など)を決定してよい。次に、車両602は、決定されたレンダリング情報に基づいて物体レンダリングを更新してよい。例えば、レンダリング650内のレンダリングされた表面658は、レンダリング650を更新するために、車両608のために格納された画像または他のレンダリング情報と組み合わされてよい。別の例では、レンダリングされた表面は強調表示されてよい。物体レンダリングを更新する別の例では、物体レンダリングが環境のレンダリングに追加されてよい。例えば、車両676のレンダリングおよび/または緊急車両678のレンダリングがレンダリング690に追加されてよい。
【0089】
他のいくつかの実装では、LIDAR装置は、物体がどのようにレンダリングされるべきかについての特定の記述を含むデータ信号を送信するように構成されてよい。例えば、車両608のLIDAR装置614は、車両をレンダリングするためのレンダリングモデル、テクスチャリング、および他の任意の特徴を送信してよい。このように、環境のレンダリングを更新する際に物体のレンダリング情報を決定するために、ルックアップテーブル、データベースなどを含むメモリを使用しなくてもよい。
【0090】
図7に戻って参照すると、レンダリングを更新した後、車両602は、表示のための更新されたレンダリングを提供してよい(710)。例えば、車両602に結合された制御装置は、車両602に結合されたディスプレイに更新されたレンダリングを提供してよく、ディスプレイは、運転手および/または同乗者に更新されたレンダリングを表示してよい。別の例では、レンダリングは、他の人に車両602の環境について通知するために、リモートディスプレイに提供されてよい。
【0091】
図8は、図6の環境600の例示のレンダリング800を示す。レンダリング800は、車両608および610のレンダリング情報に基づいて、図6Bのレンダリング650を調整したレンダリングの例であってよい。例えば、車両602は、車両608および610の受信された識別子のための代表的な画像(ストック画像、線画など)または他の適切なレンダリング情報を格納してよい。LIDAR装置614および616は、車両識別子をLIDAR装置612に送信してよく、車両602は、受信された車両識別子を使用して、車両608および610のレンダリング情報を決定し、レンダリング650を調整してよい。
【0092】
車両608に関連するレンダリングされた表面658は、車両608の決定されたレンダリング情報(車両608のストック画像または格納された図面など)と組み合わされてよい。例えば、車両608の画像は、(車両608の画像をレンダリングされた表面658と整列するように大きさ、および/または向きを調整することなどによって)レンダリングされた表面658と整列されてよい。レンダリング800の例では、物体808は、車両608の調整されたレンダリングに対応する。同様に、レンダリング800の物体810は、車両610の調整されたレンダリングに対応する。
【0093】
図示されていないが、レンダリング650で表現されてよい他の物体は、インフラ、建物、道路標示、歩行者、またはレンダリングが調整され得る他の非車両を含んでよい。いくつかの例では、車両に結合されたLIDAR装置が、車両以外の環境内の物体に関する情報を送信してよい。例えば、車両608の1つ以上のLIDAR装置(LIDAR装置614など)を使用して、車両608の環境内の物体の奥行きを求めてよく、車両610の1つ以上のLIDAR装置(LIDAR装置616など)を使用して、車両610の環境内の物体の奥行きを求めてよい。一例では、各車両602、608、および610は、それぞれの車両のLIDAR装置によって提供される測定値に基づいてレンダリングを生成してよい。いくつかの実装では、車両602、608、および610は、(LIDAR通信を介して)相互にLIDAR測定値を共有してよく、組み合わされたLIDAR測定値は、レンダリング650よりもより包括的な環境600のレンダリングを生成するために車両602によって使用されてよい。
【0094】
いくつかの実装では、任意の適切な更新されたレンダリングが、車両602のディスプレイに表示されてよい。例えば、更新されたレンダリングが、車両602のLIDAR装置の範囲内またはLoS内にまだ存在していない環境領域に対して生成されてよい。車両610は、(例えば、LIDAR装置616を使用して)車両610の背後の通りの近くの物体を検出してよく、これは、車両612の視野内にない環境600をレンダリングするために使用されてよい。車両610は、その環境の少なくとも一部のレンダリング情報(歩行者、自転車利用者、駐車中の車、交通コーン、妨害物、障害物などのレンダリング情報など)を車両602に送信してよい。このようにして、車両602は、レンダリング情報を使用して、レンダリング650の右側に環境600に関する追加情報(これは、車両602のLIDAR装置612の視野から建物606によって遮断されている)を含めてよい。いくつかの態様では、レンダリング情報は、複数の車両およびインフラ間で共有されてよく、特定の車両(車両602など)のレンダリングは、車両をはるかに超えた領域を含んでよい。例えば、複数のホップを経た車両610からの車両の環境に関するレンダリング情報は、ホップを介して車両610に送信され、次に車両602に送信されてよい。次に、レンダリング情報は、車両602によって生成されたレンダリングによって網羅される領域を拡大するために、車両602によって使用されてよい。
【0095】
受信されたデータは、レンダリングの更新に加えて、自律型車両のナビゲーションまたはその他の自動動作に使用されてよい。例えば、更新されたレンダリングは、追加の妨害物または障害物を示してよく、したがって、車両は動作中に追加の障害物を回避するように走行(そのナビゲーションの更新などを)してよい。図6Bおよび図8のレンダリング650および800にそれぞれ戻って参照すると、レンダリング650は、車両610の後部を示していないが、更新されたレンダリング800は、車両610のすべてを示す。車両602のルートが、受信されたデータに基づいて決定された車両610の後部と衝突すると判断された場合、車両602のナビゲーションは、車両610を回避するように更新されてよい。別の例では、運転手および/または同乗者は、更新されたレンダリングに基づいて、想定される衝突または妨害物について通知されてよい。例えば、妨害物または障害物を含む更新されたレンダリングは、運転手および/または同乗者に表示されてよいか、さもなければ、運転手および/または同乗者は妨害物または障害物について通知されてよい。このようにして、車両の乗員は、妨害物または障害物が乗員の視界に入る前に、ルートの変更、車両の減速、または自律型車両のナビゲーションにおける他の変更を知らされてよい。さらに、または代替的に、車両を含むフリートの配車係または中央事務所に妨害物または障害物を通知して、車両のナビゲーションを調整する理由を説明してよい。
【0096】
車両(または環境内の別の物体)の型式または他の代表的な画像を含むようにレンダリング650を更新することに加えて、その型式のテクスチャを含むようにレンダリング650は更新されてよい。例えば、同一のフリート内の車両のレンダリングは、同一のフリートに属していることを示すために同様のテクスチャを有するように調整されてよい。
【0097】
図9Aは、車両608および車両602が同一のフリートに属する、図6Aの環境600の例示のレンダリング900を示す。図示されるように、レンダリング900内の物体902および908は、同様に(シェーディングなど)テクスチャ化されていてよい。同一のフリートの一部ではない車両610に対応する物体910は、物体902および908とは異なるテクスチャを有してよい。例えば、物体910は、物体902および908とは異なるシェーディングを含んでよい。インフラ、建物、道路、車両などの物体は、物体のタイプに応じてそれぞれ異なるテクスチャを有してよい。例えば、スタンドは同一のテクスチャを使用してレンダリングされ、緊急車両は同一のテクスチャを使用してレンダリングされてよい、など。このように、運転手および/または同乗者は、表示されたレンダリングのテクスチャに基づいて、環境内の類似の物体を簡単に識別し得る。いくつかの実装では、レンダリングを更新することは、物体のレンダリングを強調表示することを含んでよい。例えば、緊急車両のレンダリングは、緊急車両の存在を車両の乗員に通知するために強調表示されてよい。同様に、工事ゾーン、安全ゾーン、または環境の他の領域を強調表示して、車両の乗員に環境内にそれらの存在を通知してよい。
【0098】
図9Bは、環境670(図6C)の更新された例示のレンダリング950を示す。更新されたレンダリング950は、緊急車両678のレンダリング952を含む。レンダリング952は、車両678が緊急車両であることを示すために強調表示されてよい。また、レンダリング952は、車両674に含まれる代表的な画像954と、元々レンダリング670に含まれていなかった車両676に含まれる代表的な画像956とを含んでよい。
【0099】
図6Cの環境670に戻って参照すると、車両676および緊急車両678は、車両672に結合されたLIDAR装置のLoSから遮断される場合がある。結果として、(LIDAR装置からの測定値に基づく)図6Dのレンダリング690は、車両676および緊急車両678のレンダリングを含まない。いくつかの実装では、車両672に結合されたLIDAR装置は、車両676または緊急車両678に結合されたLIDAR装置からの変調光信号の反射を受信してよい。変調光信号は、緊急車両678の存在を示すデータを含んでよい。また、データは、緊急車両のタイプ、緊急車両678が緊急に応答しているかどうか、および/または緊急車両の移動経路、速度などの緊急車両に関する他の情報を示してよい。データはまた、他の車両または物体に関する情報も含んでもよい。例えば、データは車両676の存在を示してよい。
【0100】
他のいくつかの実装では、車両672は、中間装置から緊急車両678に関するデータを受信してよい。車両676は(車両676に結合されたLIDAR装置などを介して)緊急車両678の存在を検知してよい。車両676は、変調光信号680を介して、緊急車両678に関するデータをLoS内の車両674に送信してよい。次に、車両674は、変調光信号682を介して、緊急車両678に関するデータをLoS内の車両672に送信してよい。データを送信するための1つの中間ノードが示されているが、データによって任意の数のホップが実施されてよい。車両672が緊急車両678に関するデータ(および車両676に関するデータ)を受信すると、車両672は、レンダリング690を更新して、建物684によって引き起こされた遮断部分を埋めるだけでなく、緊急車両678の存在を強調表示するか、別様に示してよい。緊急車両を強調表示することに加えて、またはその代わりに、例えば、車両672はディスプレイを点滅させ、音声通知を与え、レンダリングに特別なテクスチャを適用し、かつ/またはディスプレイにテキスト通知を与えることによって、別様に運転手および/または乗組員に通知してよい。図6C図6D、および図9Bの例は、(救急車などの)緊急車両に関して説明されているが、動作は任意の車両、物体、または(工事ゾーン、通学ゾーン、事故領域などの)対象領域に適用されてよい。
【0101】
いくつかの実装では、環境内の物体のレンダリング情報は、サース(software as service(SaaS))を介して提供されてよい。例えば、物体の一意の識別子は、車両602によって受信されてよい。次に、車両602は、(セルラーモデムまたは他の通信手段などを介して)サービスと通信して、物体のレンダリング情報を取得してよい。例えば、車両602は、車両608の車両識別番号を受信してよく、車両602は、車両608を含む複数の物体のレンダリング情報を格納するリモートサーバと通信してよい。リモートサーバは、要求に応答して車両608のレンダリング情報を提供してよく、レンダリング情報は、レンダリングを更新するために車両602によって使用されてよい。
【0102】
他のいくつかの実装では、車両602は物体のレンダリング情報を格納してよく、リモートサーバが車両602のためにローカルに格納されていない物体のレンダリング情報を提供してよい。さらに、またはその代わりに、リモートサーバを使用してローカルに格納されたレンダリング情報を更新してよい。例えば、車両の新しい製造元および型式が公開された場合、車両のレンダリング情報が作成されても、車両602のメモリにまだ格納されていない場合がある。LIDAR通信を使用して、車両602のローカルに格納されたレンダリング情報を更新して、新しいレンダリング情報を含めることができる。いくつかの実装では、車両602は、(図4のスタンド408などの)専用のバックホールを備えたスタンドに結合されたときに、その格納されたレンダリング情報を更新してよい。
【0103】
LIDAR通信の他の使用例が存在し、本開示は上記の例に限定されない。例えば、(車両などの)装置は、定期的に更新を必要とするソフトウェアまたはファームウェアを含んでよい。LIDAR装置が他の装置からソフトウェアアップデートを受信するために使用されてよい。例えば、車両の新しい製造元および型式のレンダリング情報を含むソフトウェアアップデートが、車両の第1のサブセットに提供されてよい。これらの車両は、LIDAR通信を介して環境内の他の車両に更新データを送信してよい。このようにして、すべての車両が(更新を格納するサーバーなどの)中央の場所に接続する必要なく、更新データは迅速に配信され得る。例えば、(車両やインフラなど)装置間の通信はピア・トゥ・ピアネットワークに類似している場合があり、更新データをダウンロードするための中央リポジトリを必要とせずに、更新データが装置間で伝播され得る。別の例示の使用例では、装置間の(音声通話、メッセージング、ビデオ会議など)音声またはビデオ伝送が含まれてよい。
【0104】
一般に、1つ以上の動作は、LIDAR通信のための変調光信号を介して受信されたデータに基づいてよい。本明細書に記載されるように、LIDAR通信は、例えば、自律型車両のナビゲーションに影響を与え、運転手または同乗者に通知を提供し、場所へのアクセスを調整する、などのためのデータを提供するために使用されてよい。
【0105】
図10は、LIDAR送信器からの送信で受信されたデータに基づいて1つ以上の動作を実施するための例示の動作1000を示すフローチャートを示す。図10は、本開示の態様を説明する目的で1つ以上の動作を実施する装置に関して論じられている。動作1000は、車両、インフラ、車両のフリートを調整する配車係または中央事務所、車両に結合された(娯楽システムなどの)処理システム、適切な制御システム(レベル4自律走行用に車両に結合された制御システムなど)によって実施されてよい。例示の動作1000は、特定の装置によって実施されること、または特定の装置の動作を実施することに限定されない。
【0106】
1002で始まり、装置は送信LIDAR装置によって放出される変調光信号に関連するデータを受信してよい。例えば、(車両、処理システムなどの)装置は、別個の送信LIDAR装置から変調光信号を受信するように構成されたLIDAR装置に結合されてよい。受信LIDAR装置の受信器は、変調光信号を受信してよく、これは、データを含むデータ信号を搬送するように変調された光キャリア信号を含んでよい。キャリア信号は、検出と測距に通常使用される信号であってよい。受信LIDAR装置(または受信LIDAR装置に結合された装置)は、変調光信号を復調して、変調光信号で提供されたデータを生成し、かつ提供してよい。このようにして、(処理システムまたは車両などの)装置は変調光信号に関連するデータを受信してよい。いくつかの実装では、データは1つ以上のパケットを含んでよい。図3に戻って参照すると、例示のパケットは、例えば、車両の位置を特定すること、車両を用いて特定の領域または場所にアクセスすること、物体レンダリングなどに固有の情報を含んでよい。
【0107】
図10に戻って参照すると、装置は、受信されたデータに基づいて、実施する1つ以上の動作を決定してよい(1004)。例えば、装置は、受信された1つ以上のパケットに基づいて、1つ以上の動作を決定してよい。いくつかの実装では、装置は1つ以上の車両ロケータ動作を決定してよい(1006)。一例として、車両がデータ内でその車両の位置を特定すべきであるという情報を受け取った場合、車両は指定された場所(図4に示されるようなスタンドを含む駐車スペースなど)に戻ることを決定し、車両の位置と現在の状態を(LIDAR通信を介して)スタンドと通信してよい。別の例では、装置が行方不明の車両に関する情報を受信し、装置が行方不明の車両と最近通信した場合、その装置は、車両、インフラ、ディスパッチなどの、行方不明の車両の最後に受信された場所と行方不明の車両に関するその他の情報について通信してよい。さらに、または代替的に、装置は、LIDAR通信を介して行方不明の車両のメッセージを他の車両および装置に伝播してよい。
【0108】
他のいくつかの実装では、装置は、1つ以上の車両の呼び出し動作を決定してよい(1008)。図4に戻って参照すると、スタンド408が自動タクシーのフリートのための歩行者用スタンドである場合、スタンド408は、LIDAR通信を介して、車両が特定のクライアントおよび乗車に割り当てられていることをその車両と通信してよい。車両に結合されたLIDAR装置と、スタンドに結合され、車両が整列している別の区画に位置するLIDAR装置との間のLIDAR通信を介して、車両はスタンド408からデータを受信してもよい。受信されたデータに基づいて、車両は、スタンド408のそばにあるスペースに接近し、車両に割り当てられた乗車またはクライアントに関する情報をスタンド408と通信してよい。スタンド408は、クライアントが乗車できるように、車両が到着したことをクライアントに通知してよい。別の例では、車両または装置は、(タクシー運転手などの)運転手に、車両に割り当てられたクライアントおよび/または乗車について通知すべきであると判断してよい。タクシーの運転手は、乗車を開始するために通知に基づいてクライアントに接近してよい。
【0109】
図10に戻って参照すると、いくつかのさらなる実装では、装置は1つ以上の通知動作を決定してよい(1010)。いくつかの例では、図5に戻って参照すると、車両506は、救急車502または他の緊急車両が近くに存在するというデータを受信してよい。車両506は、救急車502が安全に通過できるように、縁石に寄るか、停止するか、または他の方法で車両の動作もしくは走行を調整してよい。さらに、または代替的に、車両506または別の装置は、救急車502の存在を運転手および/または同乗者に通知することを決定してよい。いくつかの他の例では、車両506または装置は、LIDAR通信を介して他の車両、インフラ、または他の装置に救急車502の存在を示すことを決定してよい(それにより、救急車502の領域内の他の車両およびインフラに指示を伝播する)。
【0110】
通知動作の別の例では、車両は、駐車ガレージで利用可能な駐車スペースに関するデータを受信してよい。したがって、車両は、利用可能なスペースの1つに移動して駐車してよい。車両または装置は、利用可能なスペースなどを運転手および/または同乗者に通知すること(駐車ガレージの表示された地図上に利用可能なスペースを示すことなど)を決定してよい。他の例示の通知動作は、現在のルートに沿った事故または交通の通知に基づいてルートを更新すること、LIDAR通信を介して他の車両に事故または交通を通知すること、ルートまたは交通状況の変化を運転手および/または同乗者に通知すること、などを含んでよい。
【0111】
図10に戻って参照すると、他のいくつかの実装では、装置は1つ以上の制限されたアクセス領域での動作を決定してよい(1012)。例えば、市内中心部が自律型車両、ゼロ排出車両、またはその他の特定のタイプの車両に限定されている場合、車両は、車両に結合されたLIDAR装置からアクセス制限に関連するデータを受信してよい。LIDAR装置は、インフラまたは別の適切な装置に結合されたLIDAR装置によって送信される変調光信号でデータを受信してよい。例えば、ゲート、料金所、スタンドなどが、アクセス制限の指示を車両に送信するためのLIDAR装置を含んでよい。車両は、指示に基づいて、その車両が領域に入ることが許可されているかどうかを判断してよい。車両が許可されている場合、その車両はまた、領域にアクセスするための1つ以上のナビゲーション動作を決定してよい。例えば、アクセスが自律型車両に制限されている場合、自律型車両は市内中心部に進入してよい。さらに、または代替的に、制限されたアクセス領域に接近すること、およびアクセスの制限について、車両は、運転手および/または同乗者に通知することを決定してよい。いくつかの例では、運転手は、通知に基づいてその領域にアクセスするかどうかを決定してよい。いくつかのさらなる例において、車両は、特定の領域にアクセスするための通行料または料金について通知されてよい。例えば、都市の橋、車線、または領域がアクセス料金に関連付けられていてよい。(橋を渡る前に料金所に支払いを提供する場合などの)限られた領域のインフラにアクセスする前に、車両はLIDAR通信を介して口座またはその他の支払い情報を提供してよい。いくつかの例では、料金が運転手および/または同乗者に通知されてよい。
【0112】
地域への制限は、現状(時刻、曜日、現在の渋滞、スモッグレベル、緊急車両への領域の制限が必要な状況など)に基づいて変わることがあるため、このような制限の変更が通信されてよい。それに応じて、車両は、例えば、その領域へのアクセス制限の変更を運転手および/または同乗者に通知すること、新たに制限された領域周辺を走行するためのルートを調整すること、またはLIDAR通信を介して他の車両に変更を通知することを決定してよい。
【0113】
図10に戻って参照すると、いくつかのさらなる実装において、装置は1つ以上の視覚化またはレンダリング動作を決定してよい(1014)。例えば、車両の環境、LIDAR装置、インフラ、または他の適切な装置がレンダリングされてよく(点群の生成、環境のマッピング、奥行きマップなど)、レンダリングが運転手および/または同乗者に表示されてもよい。図6Aおよび図6Bに戻って参照すると、車両602(または車両602に結合された娯楽システム、処理システムなどの別の適切な装置)は、LIDAR装置612によって提供されるデータからレンダリング650を生成してよい。また、車両602(または他の適切な装置)は、LIDAR装置614および616のそれぞれからの送信において、車両608および610の1つ以上の識別子を受信してよい。したがって、車両602(または他の適切な装置)は、受信された識別子に基づいて車両608および610のレンダリング情報を決定してもよい(車両または装置のメモリで情報を調べる、リモートサービスと通信して1つ以上の物体のレンダリング情報を提供する、それぞれのLIDAR装置からの送信に符号化されたレンダリング情報を決定するなど)。したがって、レンダリング動作は、決定されたレンダリング情報を使用してレンダリング650を更新することを含んでよい。例えば、レンダリングを更新するために使用される車両608および610の代表的な画像(例えば、型式)に基づいて、図6Bのレンダリング650が図8のレンダリング800に更新されてよい。他の例示のレンダリング動作は、緊急車両に定義されたテクスチャを適用すること、同様のタイプの物体に同様のテクスチャを適用すること、環境内の各車両または物体に固有であり、一意の識別子(図3の一意の送信器ID302など)に関連付けられた一意のテクスチャを適用することなどを含んでよい。いくつかの例では、車両602または他の適切な装置は、環境の更新されたレンダリングが運転手および/または同乗者に表示されるべきであると判断してよい。レンダリング動作は、リモートサービスに連絡して、レンダリング情報の格納されたデータベースを更新すること、新しいレンダリング情報(新しい製造元や型式など)の受信に基づいてデータベースを更新すること、または環境内の他の車両や装置にLIDAR通信を介してレンダリング情報の更新を伝播することも含んでよい。
【0114】
次に、図10に戻って参照すると、装置は、1つ以上の動作を実施するように指示してよい(1016)。例えば、1つ以上のレンダリング動作が決定された場合、装置はディスプレイまたはディスプレイに結合された別の装置にレンダリングを表示し、更新されたレンダリングを表示するように指示してよい。別の例では、装置が車両であり、1つ以上の動作が制限されたアクセス領域での動作である場合、車両は、1つ以上の車両構成要素に、車両が領域を出入りするように誘導することを指示してよい。また、装置は、運転手および/または同乗者に、制限されたアクセス領域に関する情報を表示するための指示を提供してよい。
【0115】
図10の例示の動作1000の例示の処理の一部は、車両の観点から説明されているが、任意の適切な装置が1つ以上の関連する動作を実施してもよい。例えば、スタンド(またはスタンドに結合された処理システム)が、行方不明の車両からのLIDAR送信の受信に応答して、車両ロケータ動作(配車係への連絡など)を実施してよい。別の例では、スタンドが、呼び出された車両からのLIDAR送信の受信に応答して、車両の呼び出し動作(車両が到着したことをクライアントに通知するなど)を実施してよい。別の例では、スタンドが、LIDAR送信での通知の受信に応答して、通知動作(領域内の救急車の通知を送信するなど)を実施してよい。さらなる例では、料金所またはゲートが、領域内のインフラまたは車両用のLIDAR装置からの交通渋滞の更新の受信に応答して、制限されたアクセス領域での動作(領域のアクセス料金またはアクセス制限の変更など)を実施してよい。説明したように、例示の動作1000は、特定の装置(車両など)によって実施されることに限定されない。
【0116】
さらに、例示の動作(乗車呼び出し、アクセス制限、更新されたレンダリングなど)は個別に説明されているが、装置は、任意の数の動作と動作の組み合わせを実施するように構成されてよい。例えば、装置は、緊急車両に関するレンダリングを更新し、緊急車両の存在を車両の乗員に通知し、緊急車両の存在に基づいて車両が制限される領域を更新し、制限された領域を回避するように車両のナビゲーションを更新するように構成されてもよい。
【0117】
当業者であれば、情報および信号は、様々な異なる技術および手法のいずれかを使用して表現され得ることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは粒子、光場もしくは粒子、または任意のそれらの組み合わせであってよい。さらに、当業者であれば、本開示の態様を説明する際に例示の目的で実施例が提供されることを理解するであろう。本開示の態様は、任意の適切な装置(自律型車両、自律型車両のフリート、インフラ、車両もしくはインフラの制御システム、車両に結合された娯楽システム、または他の装置など)により実施されてもよく、本明細書の特定の実施例に限定されるものではない。
【0118】
さらに、当業者であれば、本明細書に開示される態様に関連して説明される様々な例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または双方の組み合わせとして実装されてよいことを理解するであろう。このハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、様々な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、一般的にその機能性という観点から上述した。このような機能がハードウェアとして実装されているかソフトウェアとして実装されているかは、システム全体に課せられた特定の用途と設計上の制約によって異なる。熟練した技術者は、各特定の用途に対して様々な方法で説明した機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。例えば、車両または他の適切な装置の処理システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合されたメモリとを含んでよい。メモリは、装置に本明細書で説明されるような動作を実施させるために1つ以上のプロセッサによって実行される命令を含んでよい。処理システムはまた、LIDAR通信ならびに表面の検出および測距のために1つ以上のLIDAR装置に結合されてもよい。いくつかの態様では、処理システムは、1つ以上の動作を実施するように構成された、1つ以上の集積回路などの専用ハードウェアを含んでよい。
【0119】
このように、本明細書に開示された態様に関連して説明された方法、シーケンス、またはアルゴリズムは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはそれらの2つの組み合わせで具現化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当該技術分野で既知の他の形式の記憶媒体に常駐してよい。例示の記憶媒体は1つ以上のプロセッサに結合され(例えば、直接的に接続または遠隔から結合され)、その結果、1つ以上のプロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、その記憶媒体に情報を書き込むことができる。代替的に、記憶媒体は1つ以上のプロセッサと一体であってもよい。
【0120】
前述の明細書では、例示の実施形態は、その特定の例示の実施形態を参照して説明された。ただし、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本開示の実装のより広い範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な修正および変更を加えてよいことは明らかであろう。例えば、車両は概して自動車として示されているが、オートバイ、ドローン、航空機、船舶、ヘリコプターなどの任意の適切な車両が使用されてよい。さらに、1台の車両が1つ以上のLIDAR装置を備えてよく、車両は、その車両とは別に製造されたLIDAR装置に結合されてよい。また、車両は1つ以上の処理システム、娯楽システム、制御システムなどを含んでよく、車両は、その車両とは別に製造されたそのような処理システム、娯楽システム、制御システムに結合されてよい。例えば、1つ以上のLIDAR装置を自動車の様々な部分に取り付けて、自動車の周辺の環境を確実に網羅してよい。LIDAR装置は、自動車の処理システム(または車両に結合された制御システム)に結合され、他のLIDAR装置によって送信されたデータを処理のために提供するか、または処理システムによって提供されたデータを、変調光信号を介して他のLIDAR装置に送信してもよい。
【0121】
したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示の意味で顧慮されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】