IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォグ フェロー デザインズ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-油脂類回収装置 図1
  • 特表-油脂類回収装置 図2
  • 特表-油脂類回収装置 図3
  • 特表-油脂類回収装置 図4
  • 特表-油脂類回収装置 図5
  • 特表-油脂類回収装置 図6
  • 特表-油脂類回収装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】油脂類回収装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/038 20060101AFI20220824BHJP
   B04C 5/28 20060101ALI20220824BHJP
   B04C 9/00 20060101ALI20220824BHJP
   C02F 1/40 20060101ALI20220824BHJP
   B01D 36/00 20060101ALI20220824BHJP
   B01D 17/00 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B01D17/038
B04C5/28
B04C9/00
C02F1/40 B
B01D36/00
B01D17/00 503A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571504
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 GB2020051274
(87)【国際公開番号】W WO2020240172
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】1907783.3
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521521563
【氏名又は名称】フォグ フェロー デザインズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Fog Fellow Designs Ltd
【住所又は居所原語表記】Longlands Church Lane Chaldon CaterhamCR3 5AL United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンス、マルコム クリストファー
【テーマコード(参考)】
4D051
4D053
4D116
【Fターム(参考)】
4D051AA01
4D051AB02
4D051BA08
4D051DB03
4D053AA01
4D053AB04
4D053BA04
4D053BB02
4D053DA01
4D053DA10
4D116BB01
4D116BC03
4D116BC06
4D116BC77
4D116DD01
4D116KK01
4D116QA25C
4D116QA25E
4D116QA25F
4D116QA33C
4D116QA33E
4D116QA33F
4D116QA52C
4D116QA52E
4D116QA52F
4D116QB02
4D116QB18
4D116QB23
4D116QB25
4D116VV09
(57)【要約】
廃棄食品から油性物質を分離するための食品提供施設用の油脂類回収装置は、弁26を介して、固形物を収集するストレーナー24につながる注入口2を有する。弁26は、ストレーナー24が取り外された際に注入口2を閉じるように、ストレーナー24と連結されている。廃棄食品からの油性物質は、少なくとも1つの湿式サイクロン30によって水から分離される。分離された水は排水口(4)を通過し、油性物質はコレクタ(3)に収集される。油性物質中の脂肪性物質は、シリコンヒーターパッド60により液状に保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油性物質を水から分離するように配置された湿式サイクロン(30)を特徴とする食品提供施設用の油脂類回収装置。
【請求項2】
特に水および油性物質を受けるための注入口(2)を有する筐体(1)を含み、前記注入口は、前記油性物質から固形物を回収するためのストレーナー(24)と連通し、前記油性物質を前記水から分離するよう配置された少なくとも1つの湿式サイクロン(30)からなり、前記油性物質は収集するよう(3)に渡され、水が前記筐体の排水口(4)を通過することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ストレーナー(24)は前記注入口(2)に配置された遮断弁(26)と連結されており、これにより、前記ストレーナーがその場にある場合にのみ前記遮断弁が開き、食品廃棄物や断片が装置に入るのを防ぐために前記ストレーナーが取り外されると遮断弁が閉じる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記油性物質が通過する前記筐体内のチャンバー(52)にはヒーター(60)が設けられ、前記ヒーターは前記油性物質の中の脂肪性物質を液状に維持するよう配置される、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記ヒーターは、20Wから80Wの範囲の電力消費を有するシリコンヒーターパッドである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記シリコンヒーターパッドの電力消費は、30Wから50Wの範囲である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記油性物質は、前記筐体の外面に着脱可能に設けられたコレクタ(3)に移される、請求項2乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記筐体はバッフルによって3つのチャンバーに分けられ、第一のチャンバー(51)は少なくとも1つの湿式サイクロン(30)を配置し、その上に第二のチャンバー(52)は前記ヒーター(60)を配置するとともにコレクタ(3)に前記油性物質のための排出口を配置し、第三のチャンバー(53)は水の排出口(4)を配置する、請求項2乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
複数の湿式サイクロン(30)が使用される、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項10】
6つの湿式サイクロン(30)が使用される、前記いずれかの請求項に記載の装置。
【請求項11】
廃棄食品の水分から油性物質を分離する方法であって、
前記油性物質を湿式サイクロン(30)に通して、前記水分から前記油性物質を分離するステップと、
その物質をコレクタ(3)に通すステップと、
前記水分を排出口(4)に通すステップ
とからなる廃棄食品の水分から油性物質を分離する方法。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載の装置を提供するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食品提供施設のための油脂類回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの国では、食品提供施設が、脂肪、油、および油脂類を公共排水システムに流すことは違法であり、そうすることは無益に詰まらせることにつながり、それを解消するためには高額な費用がかかることになる。
【0003】
現在のところ、脂肪、油および油脂類のような廃棄物のための受動トラップは故障しやすい。また、これらの装置では、装置内における滞留時間が不十分であるために、脂肪、油および油脂類の回収率が低く、食品収集バスケットが頻繁に省略されるため、食品廃棄物の蓄積に悩まされている。Fatstrippa(登録商標)FS125は、そのような装置である。Fatstrippa(登録商標)FS125は、1.5kwの発熱体を使用して脂肪性物質を流動状態に維持するため稼働するのに費用がかさみ、高出力のため火災のリスクが高くなる。この装置も、上述した油脂類回収装置と同様の問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題点を実質的に解決した油脂類回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の実施形態によれば、油性物質を水から分離するように配置された湿式サイクロン有する食品提供施設用の油脂類回収装置が提供される。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、特に水および油性物質を受けるための注入口を有する筐体を含み、注入口は油性物質から固形物を回収するためのストレーナーと連通し、油性物質を水から分離するよう配置された少なくとも1つの湿式サイクロンからなり、油性物質は収集するように渡され、水が筐体の排水口を通過する食品提供施設用の油脂類回収装置が提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、複数の湿式サイクロンが使用される。
【0008】
好ましい実施形態では、6つの湿式サイクロンが使用される。
【0009】
有利には、ストレーナーは、注入口に配置された遮断弁と連結されており、これにより、遮断弁はストレーナーがその場にある場合にのみ開放され、食品廃棄物や断片が装置に入るのを防ぐためにストレーナーが取り外されると遮断弁が閉じる。
【0010】
好ましくは、油性物質が通過する筐体内のチャンバーにはヒーターが設けられ、ヒーターは油性物質の中の脂肪性物質を液状に維持するよう配置される。
【0011】
有利には、ヒーターは20Wから80Wの範囲の電力消費を有するシリコンヒーターパッドである。
【0012】
好ましくは、シリコンヒーターパッドの電力消費は、30Wから50Wの範囲である。
【0013】
好都合には、油性物質は、筐体の外面に着脱可能に設けられたコレクタに移される。
【0014】
有利には、筐体はバッフルによって3つのチャンバーに分けられ、第一のチャンバーは少なくとも1つの湿式サイクロンを配置し、その上に第二のチャンバーはヒーターを配置するとともにコレクタに油性物質のための排出口を配置し、第三のチャンバーは水の排出口を配置する。
【0015】
通常、油性物質は、脂肪や、油や、油脂類である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特徴によれば、廃棄食品の水分から油性物質を分離する方法であって、油性物質を湿式サイクロンに通して、水分から油性物質を分離するステップと、その物質をコレクタに通すステップと、水分を排出口に通すステップとを含む方法が提供される。
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本発明を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る油脂類回収装置の上面図を示す。
図2図1に示した油脂類回収装置の側面図を示す。
図3図1及び図2に示した油脂類回収装置の右端図を示す。
図4図1に対応する油脂類回収装置内の見えない部分の詳細を示す。
図5図2に対応する油脂類回収装置内の見えない部分の詳細を示す。
図6図3に対応する油脂類回収装置内の見えない部分の詳細を示す。
図7】前の図に示した油脂類回収装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図中において、同じ符号は同様の部分を示す。
【0020】
図1から図6を参照すると、油脂類回収装置は、処理を必要とする、水分および脂肪、油、油脂類の油性物質を受け入れるように配置された注入口2を有する筐体1を有する。これらの物質は、後述する湿式サイクロンにより分離され、油性物質はコレクタ3に集められ、浄化された水は排出口4から排出される。図に示すように、コレクタ3はトップカバー5を有する。
【0021】
筐体1は、一対の蝶番式扉7と8が設けられたカバー6を有し、扉7は、油性物質から蒸気を排出するヒュームベント9を覆い、扉8は、コレクタ3に油性物質を導くように配置されたシュート10を覆う。
【0022】
次に、図4から図7を参照すると、注入口2は、脂肪、油、油脂類および水分などの油性物質が導かれるパイプ(図示せず)に接続するためのカラー21を有する。注入口は、注入口を筐体の側壁23に密封するためのシール22を備える。
【0023】
着脱可能なストレーナー24は、図7に示すように、ドローベースにストレーナーを有するドロータイプの構造を有しており、左の側壁には、遮断弁26と連通する切欠部25が形成されており、遮断弁26は筐体27と注入口2を開閉するシール28とを有しており、シール28は連接棒29に取り付けられている。遮断弁26はストレーナー24と相互接続するように配置されており、ストレーナーがその場にあるときには遮断弁が開き、ストレーナーが取り外されると遮断弁が注入口を閉じることで、物質がストレーナーに入ることを防止する。本実施形態では、ストレーナーと遮断弁との間の機械的な相互接続が示されているが、代替的に、遮断弁は、ストレーナー24の位置に応じて電気的に作動され得ることも理解すべきである。
【0024】
ストレーナー24の下には、フレーム31の中に6つの湿式サイクロン30が間隔を置いて配置されている。現在の好ましい実施形態では、6つの湿式サイクロンが示されているが、処理される廃棄物の量に応じて、より多くのまたはより少ない湿式サイクロンを使用することができることを理解すべきである。各湿式サイクロンは、粒子の遠心力と流体抵抗の比に基づいて、流体懸濁液 (通常は水) 中の油性物質の粒子を分離し、仕分けるように構成されている。筐体の上部のストレーナー上には、シール32およびカバー33が取り付けられている。
【0025】
図5に示すように、筐体は、バッフル54、55、56によって3つのチャンバー51、52、53に分けられ、第一のチャンバー51は湿式サイクロン30を配置し、第二のチャンバー52はシリコンヒーターパッド60を配置するとともにコレクタ3に油性物質のための排出口を配置する。第三のチャンバー53は、連結カラー41を有するように配置された水の排出口4を配置する。第二のチャンバー52の上方に配置されたシリコンヒーターパッドは、20Wから80Wの範囲、好ましくは30Wから50Wの範囲の電力消費を有し、このヒーターパッドの電力消費は従来の1.5kwヒーター要素よりもかなり低く、本発明にかかる油脂類回収装置ははるかに高い燃料効率を与えるものである。
【0026】
わかりやすくするために、トップカバー6は、図7において省略されている。
【0027】
作動時には、水、脂肪、油、および油脂類が注入口2に投入され、固形物はストレーナー24で濾し取られ、止められる。脂肪、油、および油脂類は、湿式サイクロン30により水から分離される。脂肪、油、および油脂類からの油性物質は、シリコンヒーターパッドが脂肪性物質を液状に維持するチャンバー52内に上昇する。油性物質は、シュート10を通ってコレクタ3に入る。コレクタ3は、筐体1の外面に着脱可能に取り付けられるように配置され、コレクタ3内の堆積物をコレクタ3から取り出せるようになっている。油性物質から浄化された水は、排出口4から排出される。
【0028】
本発明の油脂類回収装置は、既知の油脂類回収装置よりもかなり少ない電力を使用するだけでなく、試験おいて、既知の装置よりも50%多くの脂肪、油、および油脂類を回収しており、当技術分野において大幅な技術的進歩がある。
【0029】
本明細書では、特定の機能を「含む」装置/方法/製品は、それらの機能を含むが、他の機能の存在を排除しないことを意味すると解釈されることを意図している。
【0030】
本願に添付された特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に水および油性物質を受けるための注入口(2)を有する筐体(1)を含み、
前記注入口は、前記油性物質から固形物を回収するためのストレーナー(24)と連通し、
前記ストレーナーは、前記油性物質を前記水から分離するよう配置された少なくとも1つの湿式サイクロン(30)の上流にあって直接接続しており、
前記油性物質はコレクタ(3)に収集するために渡され、水が前記筐体の排水口(4)を通過することを特徴とする、食品提供施設用の油脂類回収装置。
【請求項2】
前記ストレーナー(24)は前記注入口(2)に配置された遮断弁(26)と連結されており、これにより、前記ストレーナーがその場にある場合にのみ前記遮断弁が開き、食品廃棄物や断片が装置に入るのを防ぐために前記ストレーナーが取り外されると遮断弁が閉じる、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記油性物質が通過する前記筐体内のチャンバー(52)にはヒーター(60)が設けられ、前記ヒーターは前記油性物質の中の脂肪性物質を液状に維持するよう配置される、請求項またはに記載の装置。
【請求項4】
前記ヒーターは、20Wから80Wの範囲の電力消費を有するシリコンヒーターパッドである、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記シリコンヒーターパッドの電力消費は、30Wから50Wの範囲である、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記油性物質は、前記筐体の外面に着脱可能に設けられた前記コレクタ(3)に移される、請求項乃至のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記筐体はバッフルによって3つのチャンバーに分けられ、第一のチャンバー(51)は少なくとも1つの前記湿式サイクロン(30)を配置し、その上に第二のチャンバー(52)は前記ヒーター(60)を配置するとともにコレクタ(3)に前記油性物質のための排出口を配置し、第三のチャンバー(53)は水の排出口(4)を配置する、請求項乃至のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
複数の湿式サイクロン(30)が使用される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
6つの湿式サイクロン(30)が使用される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置を備えた食品提供施設において、廃棄食品の水分から油性物質を分離する方法であって、
前記油性物質を前記湿式サイクロン(30)に直接接続されたストレーナー(24)に通して、前記水分から前記油性物質を分離するステップと、
前記油性物質をコレクタ(3)に通すステップと、
前記水分を排出口(4)に通すステップと
を含む廃棄食品の水分から油性物質を分離する方法。
【請求項11】
前記油性物質を前記コレクタに通す前に、前記湿式サイクロンからの前記油性物質をシリコンヒーターパッド(60)で液状に保持するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】