(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】パルス電流を生体組織に送達するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574192
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 US2020037625
(87)【国際公開番号】W WO2020252406
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521544687
【氏名又は名称】トゥルーリリーフ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロッソン ジョン
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ01
4C053JJ02
4C053JJ27
(57)【要約】
プローブ刺激生成器回路の可変供給電圧によって定義されるパルス電圧を有する、約20kHzの制御されたパルス周波数である一連のDC電気パルスを出力するように構成されたプローブ刺激生成器回路を用いて、非侵襲的パルスエネルギーを治療信号として生体組織に送達するための患者治療ユニット。このユニットは、身体に接触するための一次プローブおよび二次プローブと、可変供給電圧を制御するように構成された強度調整回路と、経過時間を10進数で分および秒の形式で表示するように構成された電子タイマディスプレイと、を含む。パルスの電流は、プローブが身体に接触している間、0.1~2mAの範囲である。治療信号を伝導している間のプローブにわたる動作出力電圧は、プローブが身体に接触している間、165VDCの最大動作出力電圧を超えない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の疼痛または炎症または創傷を治療して、前記疼痛または炎症または創傷を低減または治療する方法であって、
患者治療ユニットを使用して第1の治療サイクルを開始するステップであって、前記第1の治療サイクルが、
疼痛または炎症または創傷が示される領域内のヒトまたは動物の身体の生体組織上の第1の部位および第2の部位に第1の導体および第2の導体を配置することであって、前記第1の導体は導電性の先端部を有し、前記第1の導体および第2の導体はリセット可能なタイマを表示するように構成された第1のタイマディスプレイを有する前記患者治療ユニットに電気的に結合されている、配置することと、
前記先端部が前記生体組織に接触している間に、少なくとも前記第1の導体に強い圧力を適用することと、
電気エネルギーを、前記患者治療ユニットによって供給される治療信号の形態で、前記第1の導体および第2の導体を通じて前記組織に送達させることであって、前記治療信号が、18~22キロヘルツ(kHz)の範囲のパルス周波数、0.1ミリアンペア(mA)~6.0mAのパルス電流、およびプローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存し、約165ボルト直流電流(DC)(VDC)の最大パルス電圧を提供するパルス電圧を有するDCパルスのパルス列を含む、送達させることと、
前記第1の治療サイクル中、前記第1の治療サイクルの前記開始から開始し、前記電気エネルギーの送達を中止して前記第1の治療サイクルを終止すると終止する前記タイマで前記第1の治療サイクルの経過時間を監視するステップと、
前記第1の治療サイクルを終了し、前記タイマを停止するステップと、
第2の治療サイクルを開始するステップであって、前記第2の治療サイクルが、
前記第1の導体または前記第2の導体の少なくとも一方に強い圧力を適用しながら、前記第1の導体を前記身体の前記第1の部位または新しい部位に保持または配置することと、
前記電気エネルギーを、前記身体を通じて送達させ、前記第1の導体に強い圧力を維持しながら、前記第2の治療サイクルの少なくとも一部分の間に前記第1の導体を静止状態に保持するか、または前記第2の治療サイクルの少なくとも一部分の間に前記第1の導体を前記身体に沿って移動させることと、
前記第2の治療サイクルを前記開始すると再開する前記タイマで前記第2の治療サイクルの経過時間を監視することと、を含む、開始することと、を含む、ステップと、
前記第2の治療サイクルを終了するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の治療サイクルが、2~5分間続き、前記第2の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルに対して同じ継続時間または異なる継続時間を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルに対してより短い継続時間続く、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の治療サイクルが、前記身体のインピーダンスまたは伝導率を監視することと、前記第1の治療サイクル中に前記身体に変化が観察されないことに応答して、前記第2の治療サイクルにおいて前記第1の導体を同じ部位に維持することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に、前記第1の導体を移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に、第2の導体を前記第1の導体に向かってまたは前記第1の導体から離れるように移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の治療サイクルまたは前記第2の治療サイクルのうちの少なくとも一方の間に、前記第1の導体におよび前記第2の導体に同じ強い圧力が適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記強い圧力が、0.05~10ポンドの適用重量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記タイマが、10進数の分および秒の形式で表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の治療サイクルを前記終了することが、前記第1の導体または前記第2の導体のうちの少なくとも一方を前記身体から回収して前記身体を通じる前記電気エネルギーの前記送達を遮断することによって、または、前記第1の導体上のもしくは前記第2の導体上のもしくは前記患者治療ユニット上のスイッチを選択して、前記第1および第2の導体が前記身体に接触しているか否かにかかわらず、前記電気エネルギーの前記送達を停止することによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の導体を前記配置することが、前記第1の導体を前記身体の表面に対してほぼ直交する配向に配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記身体の前記表面が、前記身体上の指、膝、肩、股関節、関節、または神経に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の導体を前記配置することが、前記第1の導体を前記身体上の筋肉に対して約45度の角度で配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に前記第1の導体を移動させることを含み、前記第1の導体を前記移動させることが、前記第1の導体を前記身体に対して約前記45度の角度に維持しながら、前記第1の導体を前記筋肉の周りを移動させて前記身体の筋肉トリガ点を治療することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の治療サイクルが、前記第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に前記第1の導体を移動させることを含み、前記導電性の先端部が、丸みを帯びており、1/4インチの直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の導体が、丸みを帯びており、1/4インチの直径を有する導電性の先端部を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の治療サイクルまたは前記第2の治療サイクルを1回以上繰り返して、総経過治療時間を累積することをさらに含み、前記総経過治療時間が10分を超えず、前記第1の治療サイクルまたは前記第2の治療サイクルが4分を超えない、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
総経過治療時間が、8分を超えない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒトまたは動物の疼痛または炎症または創傷を治療するために使用され、前記創傷が、糖尿病性創傷、潰瘍、感染症、切創、または切開創傷を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
患者の疼痛または炎症または創傷を治療して、前記疼痛または炎症または創傷を低減または除去する方法であって、
第1の導体および第2の導体を、疼痛または炎症または創傷が示される領域内のヒトまたは動物の身体の生体組織上に配置することによって治療サイクルを開始するステップであって、前記第1の導体が、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、前記第1の導体および第2の導体が、リセット可能な作動タイマを表示するように構成された第1のタイマディスプレイを有する患者治療ユニットに電気的に結合されている、ステップと、
前記丸みを帯びた先端部が前記生体組織に押し付けられている間に、少なくとも前記第1の導体に強い圧力を適用するステップと、
電気エネルギーを、前記患者治療ユニットによって供給される治療信号の形態で、前記第1の導体および第2の導体を通って前記組織内に送達させるステップであって、前記治療信号が、直流電流(DC)パルスのパルス列を含み、前記DCパルスが、
18~22キロヘルツ(kHz)の範囲のパルス周波数と、
0.1ミリアンペア(mA)~6mAのパルス電流と、
プローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧であって、前記可変供給電圧が、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する、パルス電圧と、を有する、ステップと、
前記電気エネルギーが前記身体を通じて供給されるときに、前記第1の導体上に前記強い圧力を維持しながら、少なくとも前記第1の導体を、疼痛信号が前記身体を横断する方向に前記身体に沿って移動させ、前記導体を通じて前記電気エネルギーの前記送達の開始から開始する前記作動タイマで治療の経過時間を監視するステップと、
前記経過時間が第1の継続時間続いたことに応答して、前記タイマを停止し、前記少なくとも第1の導体を回収し、少なくとも前記第1の導体を前記身体上の同じ部位または新しい部位に配置し、そこに前記強い圧力を適用するステップと、
前記タイマをリセットするステップと、を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の導体を前記配置することが、前記第1の導体を前記身体の表面に対してほぼ直交する配向に配置することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記身体の前記表面が、前記身体の指、膝、肩、股関節、関節、または神経に対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の導体が、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、前記第1の導体が移動される間に前記身体上で静止状態に保持される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の導体が、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、前記第2の導体を、前記第2の導体への前記強い圧力を維持しながら、前記第1の導体と同じ方向に沿って、または、前記第1の導体が移動されるのとは異なる方向に移動させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記強い圧力が、0.5lbs/in
2~150lbs/in
2の範囲にある、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
総経過治療時間が10分を超えないように、前記治療サイクルをさらに1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
総経過治療時間が、8分を超えない、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
総経過治療時間が6分を超えず、かつ前記治療サイクルの継続時間が4分を超えない、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記患者が前記疼痛の低減を主観的に報告するまで、または、前記患者の治療領域で得られた客観的インピーダンス測定値が閾値を下回って下降するまで、前記治療サイクルをさらに1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記客観的インピーダンス測定値の前記閾値が、前記第1の継続時間の開始時の前記インピーダンス測定値の20%である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
疼痛の前記低減が、繰り返しの前記ステップの後に少なくとも50%または少なくとも70%である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも前記第1の導体を前記同じ部位または前記新しい部位に前記配置することに応答して、前記第1の導体を、前記第1の導体に強い圧力を適用しながら、前記身体に沿って移動させる、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の導体を前記配置することが、前記第1の導体を前記身体の筋肉に対して約45度の角度で配置することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも前記第1の導体を前記同じ部位または前記新しい部位に前記配置することに応答して、前記第1の導体を前記第1の導体に強い圧力を適用しながら前記身体に沿って移動させ、前記第1の導体を前記移動させることが、前記第1の導体を前記身体に対して約前記45度の角度に維持しながら、前記第1の導体を前記筋肉の周りで移動させて前記身体の筋肉トリガ点を治療する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ヒトまたは動物が覚醒して警戒しており、かつ前記ヒトまたは動物の意識状態に影響を及ぼすいかなる投薬も受けていない間に実行され、前記ヒトまたは動物が、請求項2に記載のステップが実行されるときに、腹臥位または座位にある、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記ヒトまたは動物の疼痛または炎症または創傷を治療するために使用される、請求項20に記載の方法。
【請求項37】
非侵襲的パルスエネルギーを生体組織に送達するための患者治療ユニットであって、前記患者治療ユニットが、
18~22キロヘルツ(kHz)の制御されたパルス周波数である一連の直流電流(DC)電気パルスを治療信号として出力するように構成されたプローブ刺激生成器回路であって、前記プローブ刺激生成器回路の可変供給電圧によって定義されるパルス電圧を有する、プローブ刺激生成器回路と、
人体または動物の身体に接触するように構成された細長い本体および丸みを帯びた先端部を有する一次導体であって、前記一次導体が、前記DC電気パルスを受信するように前記プローブ刺激生成器回路に電気的に結合されている、一次導体と、
前記身体に接触するように構成され、前記プローブ刺激生成器回路に電気的に結合されて、前記身体を通じて前記一次導体との電気回路を完成させる二次導体と、
前記可変供給電圧を制御するように構成された強度調整回路であって、前記プローブ刺激生成器回路のアクティブ化時に前記可変供給電圧を所定の開始電圧に設定することを含む、強度調整回路と、
経過時間をヒトが理解可能な形態で表示するように構成された第1の電子タイマディスプレイであって、前記プローブ刺激生成器回路の各アクティブ化から開始し、前記プローブ刺激生成器回路の対応する非アクティブ化まで作動する、第1の電子タイマディスプレイと、を備え、
前記DC電気パルスの電流が、前記一次導体および二次導体が前記身体に接触している間、0.1ミリアンペア(mA)~2mAの範囲にあり、
前記治療信号を伝導している間の一次プローブおよび二次プローブにわたる動作出力電圧が、前記一次プローブおよび二次プローブが前記身体に接触している間、165ボルトDC(VDC)の最大動作出力電圧を超えない、患者治療ユニット。
【請求項38】
前記プローブ刺激生成器回路がアクティブ化される初回から、前記プローブ刺激生成器回路が前記治療信号を送達した総累積時間を、ヒトが理解可能な形態で表示するように構成された第2の電子タイマディスプレイをさらに備える、請求項37に記載の患者治療ユニット。
【請求項39】
前記強度調整回路が、前記プローブ刺激生成器回路の前記アクティブ化後に、前記可変供給電圧を前記所定の開始電圧から可変治療電圧に増加させるようにさらに構成されている、請求項37に記載の患者治療ユニット。
【請求項40】
前記一次プローブが、前記可変供給電圧を前記可変治療電圧に増加させるための手動設定を含む、請求項39に記載の患者治療ユニット。
【請求項41】
前記手動設定がディテントホイールである、請求項40に記載の患者治療ユニット。
【請求項42】
前記ディテントホイールが、測定モードが有効にされる係止位置を有する、請求項41に記載の患者治療ユニット。
【請求項43】
前記ディテントホイールが、前記係止位置から離れるように、前記一次プローブの前記丸みを帯びた先端部に向かって回転可能である、請求項42に記載の患者治療ユニット。
【請求項44】
前記ディテントホイールが、前記係止位置から離れるように回転すると、前記測定モードが係合解除され、治療モードが係合される、請求項43に記載の患者治療ユニット。
【請求項45】
前記ディテントホイールが、前記係止位置から離れるように前記回転すると、前記電流が増加する、請求項43に記載の患者治療ユニット。
【請求項46】
前記ディテントホイールが、前記一次プローブにおける唯一の手動設定である、請求項41に記載の患者治療ユニット。
【請求項47】
前記動作出力電圧が、前記所定の開始電圧と前記可変治療電圧との間で自動的に変化する、請求項39に記載の患者治療ユニット。
【請求項48】
前記プローブ刺激生成器回路、前記強度調整回路、および前記電子タイマディスプレイが封入されている外部ケーシングをさらに備える、請求項37に記載の患者治療ユニット。
【請求項49】
前記丸みを帯びた先端部に適用される圧力を出力するように構成された前記一次導体内に圧力センサをさらに備え、前記圧力センサが、少なくとも0.5lbs/in
2~150lbs/in
2の前記丸みを帯びた先端部における圧力を測定するように構成されている、請求項37に記載の患者治療ユニット。
【請求項50】
患者の疼痛を治療して、前記疼痛を低減または除去する方法であって、
強い圧力で第1のプローブおよび第2のプローブを疼痛が示されている領域内の患者の生体組織に適用することと、
電気エネルギーを治療信号の形態で前記プローブを通じて前記組織に送達させることであって、前記治療信号が、直流電流(DC)パルスのパルス列を含み、前記DCパルスが、
約20キロヘルツ(kHz)のパルス周波数と、
定義された範囲の負荷インピーダンスについて、0.1ミリアンペア(mA)~8.9mAのパルス電流と、
前記プローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧であって、前記可変供給電圧が、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する、パルス電圧と、を有する、送達させることと、
前記プローブ上の前記強い圧力を維持しながら、疼痛信号が前記患者の身体を横断する方向に前記患者の前記生体組織に沿って前記プローブを移動させることと、
前記プローブを回収し、前記プローブを前記患者の同じ部位または新しい部位に移動させることと、
前記患者が前記疼痛の低減を主観的に報告するまで、または前記患者の治療領域で得られた客観的インピーダンス測定値が閾値を下回って下降するまで、前記移動させるステップおよび回収するステップを1回以上繰り返すことと、
治療モードの各アクティブ化時に開始し、前記治療モードの対応する各非アクティブ化時に停止することによって、治療の経過時間を追跡することと、
前記治療の経過時間を分および秒の形式で表示することと、を含む、方法。
【請求項51】
前記治療信号の最初のアクティブ化後に、前記可変供給電圧を所定の開始電圧から可変治療電圧に変化させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記所定の開始電圧と前記可変治療電圧との間で前記可変供給電圧を手動で変化させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記所定の開始電圧と前記可変治療電圧との間で前記可変供給電圧を自動的に変化させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
ディテントホイールを回転させて前記パルス電流を増加させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記ディテントホイールを前記プローブのうちの1つの丸みを帯びた先端部に向かって回転させて、前記パルス電流を増加させることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
患者治療ユニットであって、
アクティブ動作中に、約20キロヘルツ(kHz)のパルス周波数、定義された範囲の負荷インピーダンスについて、0.1ミリアンペア(mA)~8.9mAのパルス電流、および前記プローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧を有する直流電流(DC)パルスのパルス列を含む治療信号を生成するプローブ刺激生成器回路であって、前記可変供給電圧が、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する、プローブ刺激生成器回路と、
前記患者の皮膚との非侵襲的接触を介して、前記負荷インピーダンスとして、ヒトまたは動物の患者の身体を通じて前記治療信号を伝導するための、前記プローブ刺激生成器回路に結合された一対の導電性プローブと、
オペレータ入力に応答して前記患者治療ユニットの治療モードをアクティブ化および非アクティブ化するように構成されたモード制御回路であって、前記治療モードが、前記プローブ刺激生成器回路の前記アクティブ動作によって特徴付けられる、モード制御回路と、
前記可変供給電圧を制御して、前記治療モードの各アクティブ化の所定の開始電圧で開始するように構成された強度調整回路と、
前記治療モードの各アクティブ化時に開始し、治療の対応する各非アクティブ化時に停止することによって、治療の経過時間を表示するように構成された視覚表示ユニットであって、前記治療の経過時間は、分および秒の形式で表示される、視覚表示ユニットと、を備える、患者治療ユニット。
【請求項57】
前記可変供給電圧が、所定の開始電圧と可変治療電圧との間で変化し、前記所定の開始電圧が、前記可変治療電圧よりも低い、請求項56に記載の患者治療ユニット。
【請求項58】
前記一対の導電性プローブのうちの一方にディテントホイールをさらに備え、前記ディテントホイールが、前記治療モードをアクティブ化および非アクティブ化するように回転可能である、請求項57に記載の患者治療ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月12日に出願された「System And Method For Delivering Pulsed Electric Current To Living Tissue」と題する米国仮特許出願第62/860,678号に対する、米国特許法第119条に基づく優先権およびそれの利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、疼痛の治療のためのデバイスユニットおよび方法に関し、より具体的には、非侵襲的な患者固有の様式でパルス電気または電磁エネルギーを送達することに関する。
【背景技術】
【0003】
過去12年間にわたって、おそらく10,000人を超える患者の治療が、疼痛を緩和するための治療ユニットを用いて行われてきた。これらの治療には、多様な範囲の患者、すなわち、若年者、高齢者、およびその中間、ならびに男性および女性の両方が含まれる。患者は種々の健康状態を有し、非常に体力のある状態(例えば、プロのアスリート)から体調が崩れて虚弱な状態まであった。患者は、典型的には、非常に広範囲の既往症を有しており、スポーツおよび他の急性損傷、場合によっては15年以上続く長期にわたる慢性的な問題、手術が完了したばかりの不通の副次的結果である症候が含まれる。
【0004】
これらの治療および関連技術の当初の目標は、人々の疼痛を低減または除去することであったが、ある程度まで達成されてきた。しかしながら、これらの以前の治療に関連する1つの問題は、それらが累積的な効果を有するが、いくつかの形態の持続的な疼痛緩和を達成するために、時には長い継続時間、多くの治療を要することである。多くの場合、何週間にもわたって15~20回もの治療を要し、個々の治療は30分以上かかることがある。持続的な成果には多くの治療および患者からのかなりの時間のコミットメントを必要とするため、係る治療の回数および期間(3~5週間)は、治療を受けに来続けるという患者のコミットメントに対する障害であり、これはひいては、高い持続的な成果に対する大きな阻害要因である。
【0005】
現在の治療ユニットについてさらに別の問題は、それらが、治療部位ごとにリセット可能である特定の治療部位におけるセッション時間の経過治療時間を、または非専門家によって理解可能である形態で、表示しないことである。非専門家が理解可能な形態でこれらの時間を示す有意なタイマがなければ、治療中において、患者の成果を大きく低下させる可能性が高い。
【0006】
現在の治療についてのさらに別の問題は、治療電流の周波数を調整するための幅広い選択肢、および治療提供者が治療プローブを患者の身体に配置することができるほぼ無制限の方法が、治療の無限の置換および組み合わせを生成し、その多くまたは大部分が準最適であり、あまり有効ではない成果をもたらすことである。さらに、治療提供者によって行われるこれらの準最適治療選択は、多くの場合、根底にある症状の治癒および/または長期的疼痛緩和ではなく、一時的な疼痛緩和のみを生じ得る。約24%の患者が有意な疼痛緩和を有さない場合、起電構成およびプローブ配置の両方の面でより慎重に検討された療法またはより的確な療法の機会により、療法が機能してこなかった患者の数を低減させることになる。
【0007】
したがって、本技術によって提案される機会を最適化する際により的確な治療ユニットおよび関連する方法を提供し、持続的な疼痛緩和を提供するだけでなく、上記ならびに他の問題を治癒および/または防止もしくは低減することが大いに必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態という用語および同様の用語は、本開示および以下の特許請求の範囲の主題のすべてを広く指すことを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載の主題を制限するものではなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を制限するものでもないことを理解されたい。本明細書に包含される本開示の実施形態は、本概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。本概要は、本開示の種々の態様のハイレベルの概説であり、以下の発明を実施するための形態のセクションにおいてさらに記載される概念のいくつかを紹介する。本概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図したものではない。本概要はまた、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図したものではない。主題は、本開示の明細書全体のうちの適切な部分、いずれかのまたはすべての図面、および各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0009】
本開示の実施形態によれば、患者の疼痛または炎症または創傷を治療して、疼痛または炎症または創傷を低減または治療する方法が開示される。この方法は、患者治療ユニットを使用して第1の治療サイクルを開始するステップであって、第1の治療サイクルが、疼痛または炎症または創傷が示される領域内のヒトまたは動物の体の生体組織上の第1の部位および第2の部位に、第1の導体および第2の導体を配置するステップであって、第1の導体は導電性の先端部を有し、第1の導体および第2の導体は、リセット可能なタイマを表示するように構成された第1のタイマディスプレイを有する患者治療ユニットに電気的に結合されている、配置するステップと、先端部が生体組織に接触している間に、少なくとも第1の導体に強い圧力を適用するステップと、電気エネルギーを、患者治療ユニットによって供給される治療信号の形態で、第1の導体および第2の導体を通じて組織に送達させるステップであって、治療信号が、18~22キロヘルツ(kHz)の範囲のパルス周波数、0.1ミリアンペア(mA)~6.0mAのパルス電流、およびプローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存し、約165ボルト直流電流(DC)(VDC)の最大パルス電圧を提供するパルス電圧を有するDCパルスのパルス列を含む、送達させるステップと、を含む。
【0010】
この方法は、第1の治療サイクル中に、第1の治療サイクルの開始から開始し、電気エネルギーの送達を中止して第1の治療サイクルを終了すると終了するタイマで第1の治療サイクルの経過時間を監視することと、第1の治療サイクルを終了し、タイマを停止することと、第2の治療サイクルを開始することであって、第2の治療サイクルが、第1の導体または第2の導体の少なくとも一方に強い圧力を適用しながら、第1の導体を身体の第1の部位または新しい部位に保持または配置することと、電気エネルギーを身体を通じて送達させ、第1の導体に強い圧力を維持しながら、第2の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第1の導体を静止状態に保持するか、または第2の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第1の導体を身体に沿って移動させることと、第2の治療サイクルを開始すると再開するタイマで第2の治療サイクルの経過時間を監視することと、を含む開始することと、をさらに含む。この方法は、第2の治療サイクルを終了することを含む。
【0011】
第1の治療サイクルは、2~5分間続き、第2の治療サイクルは、第1の治療サイクルに対して同じまたは異なる継続時間を有する。第2の治療サイクルは、第1の治療サイクルに対してより短い継続時間続く。第1の治療サイクルは、身体のインピーダンスまたは伝導率を監視することと、第1の治療サイクル中に変化が観察されないことに応答して、第2の治療サイクルの同じ部位に第1の導体を維持することと、をさらに含む。第1の治療サイクルは、第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第1の導体を移動させることを含む。第1の治療サイクルは、第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第2の導体を第1の導体に向かってまたは離れるように移動させることを含む。
【0012】
同じ強い圧力が、第1の治療サイクルまたは第2の治療サイクルのうちの少なくとも一方の間に、第1の導体におよび第2の導体に適用される。強い圧力は、0.05~10ポンドの適用重量を含む。タイマは、10進数の分および秒の形式で表示される。
【0013】
第1の治療サイクルを終了することは、第1の導体または第2の導体の少なくとも一方を身体から回収して身体を通じる電気エネルギーの送達を遮断することによって、または第1の導体上のまたは第2の導体上のまたは患者治療ユニット上のスイッチを選択して、第1の導体および第2の導体が身体に接触しているか否かにかかわらず、電気エネルギーの送達を停止することによって実行される。
【0014】
第1の導体を配置することは、第1の導体を身体の表面に対してほぼ直交する配向に配置することを含む。身体の表面は、身体の指、膝、肩、腰、関節、または神経に対応する。第1の導体を配置することは、第1の導体を身体の筋肉に対して約45度の角度で配置することを含む。
【0015】
第1の治療サイクルは、第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第1の導体を移動することを含み、第1の導体を移動することは、第1の導体を身体に対して約45度の角度に維持しながら、第1の導体を筋肉の周りで移動させて身体の筋肉トリガ点を治療することを含む。第1の治療サイクルは、第1の治療サイクルの少なくとも一部分の間に第1の導体を移動させることを含み、導電性の先端部は、丸みを帯びており、1/4インチの直径を有する。第2の導体は、丸みを帯びており、1/4インチの直径を有する導電性先端部を含む。
【0016】
この方法は、第1の治療サイクルまたは第2の治療サイクルを1回以上繰り返して、総経過治療時間を累積することをさらに含むことができ、総経過治療時間は10分を超えず、第1の治療サイクルまたは第2の治療サイクルは4分を超えない。
【0017】
総経過時間は、8分を超えない。本明細書の方法を使用して、ヒトまたは動物の疼痛または炎症または創傷を治療することができる。創傷は、糖尿病性創傷、潰瘍、感染症、切創、または切開創傷を含み得る。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、患者の疼痛または炎症または創傷を治療して、疼痛または炎症または創傷を低減または除去する方法が開示される。この方法は、第1の導体および第2の導体を、疼痛または炎症または創傷が示される領域内のヒトまたは動物の身体の生体組織上に配置することによって治療サイクルを開始することであって、第1の導体が、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、第1の導体および第2の導体が、リセット可能な作動タイマを表示するように構成された第1のタイマディスプレイを有する患者治療ユニットに電気的に結合されている、開始することと、丸みを帯びた先端部が生体組織に押し付けられている間に、少なくとも第1の導体に強い圧力を適用することと、電気エネルギーを、患者治療ユニットによって供給される治療信号の形態で、第1の導体および第2の導体を通じて組織に送達させることであって、治療信号が、18~22キロヘルツ(kHz)の範囲のパルス周波数、0.1ミリアンペア(mA)~6mAのパルス電流、およびプローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧を有する直流電流(DC)パルスのパルス列を含み、可変供給電圧が、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する、送達させることと、を含む。
【0019】
この方法は、電気エネルギーが身体を通じて供給されるときに第1の導体に強い圧力を維持しながら、少なくとも第1の導体を疼痛信号が身体を横断する方向に身体に沿って移動させ、導体を通じて電気エネルギーの送達の開始から開始する作動タイマで治療の経過時間を監視することと、経過時間が第1の継続時間続いたことに応答して、タイマを停止し、少なくとも第1の導体を回収し、少なくとも第1の導体を身体の同じ部位または新しい部位に配置し、そこに強い圧力を適用することと、タイマをリセットすることと、を含む。
【0020】
第1の導体を配置することは、第1の導体を身体の表面に対してほぼ直交する配向に配置することを含む。身体の表面とは、身体の指、膝、肩、腰、関節、または神経に対応する。第2の導体は、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、第1の導体が移動される間に身体上で静止状態に保持される。第2の導体は、導電性である丸みを帯びた先端部を有し、この方法は、第2の導体を、第2の導体への強い圧力を維持しながら、第1の導体と同じ方向に沿って、または第1の導体が移動されるのとは異なる方向に移動させることをさらに含む。強い圧力は、0.5lbs/平方インチ~150lbs/平方インチの範囲にある。
【0021】
この方法は、総経過治療時間が10分を超えないように、治療サイクルをさらに1回以上繰り返すことをさらに含むことができる。総経過時間は、8分を超えない。総経過治療時間は6分を超えず、治療サイクルの継続時間は4分を超えない。
【0022】
この方法は、患者が疼痛の低減を主観的に報告するまで、または、患者の治療領域で得られた客観的インピーダンス測定値が閾値を下回って下降するまで、治療サイクルをさらに1回以上繰り返すことをさらに含むことができる。疼痛の低減は、繰り返した後に少なくとも50%である。疼痛の低減は、繰り返した後に少なくとも70%である。客観的インピーダンス測定値の閾値は、第1の継続時間の開始時のインピーダンス測定値の20%である。少なくとも第1の導体を同じ部位または新しい部位に配置することに応答して、この方法は、第1の導体を、それに強い圧力を適用しながら、身体に沿って移動させることをさらに含むことができる。
【0023】
第1の導体を配置することは、第1の導体を身体の筋肉に対して約45度の角度で配置することを含む。少なくとも第1の導体を同じ部位または新しい部位に配置することに応答して、この方法は、第1の導体を、それに強い圧力を適用しながら、身体に沿って移動させことを含むことができ、第1の導体を移動させることは、第1の導体を身体に対して約45度の角度に維持しながら、第1の導体を筋肉の周りで移動させて身体の筋肉トリガ点を治療することを含む。
【0024】
この方法は、ヒトまたは動物が覚醒して警戒しており、かつ、ヒトまたは動物の意識状態に影響を及ぼすいかなる投薬も受けておらず、ヒトまたは動物が、その間、常に腹臥位または座位である間に実行され得る。
【0025】
本開示のさらに他の実施形態によれば、患者治療ユニットまたはデバイスは、非侵襲的パルスエネルギーを生体組織に送達することを目的としている。患者治療ユニットは、治療信号として一連の直流電流(DC)電気パルスを出力するように構成されたプローブ刺激生成器回路を含む。DC電気パルスは、約20キロヘルツ(kHz)の制御されたパルス周波数で出力され、プローブ刺激生成器回路の可変供給電圧によって定義されるパルス電圧を有する。患者治療ユニットは、ヒトまたは動物の身体に接触するように構成された丸みを帯びた先端部を有する一次プローブをさらに含む。一次プローブは、DC電気パルスを受信するようにプローブ刺激生成器回路に電気的に結合されている。患者治療ユニットは、身体に接触するように構成された二次プローブをさらに含む。二次プローブは、プローブ刺激生成器回路に電気的に結合されて、身体を通じて一次プローブとの電気回路を完成させる。患者治療ユニットは、可変供給電圧を制御するように構成された強度調整回路をさらに含み、強度調整回路は、プローブ刺激生成器回路のアクティブ化時に可変供給電圧を所定の開始電圧に設定することを含む。患者治療ユニットは、経過時間をヒトが理解可能な分および秒の形式で10進数で表示するように構成された電子タイマディスプレイを含む。経過時間は、プローブ刺激生成器回路の各アクティブ化から開始し、プローブ刺激生成器回路の対応する非アクティブ化まで作動する。DC電気パルスの電流は、一次プローブおよび二次プローブが身体に接触している間、0.1ミリアンペア(mA)~6mAまたは8.9mAの範囲にある。治療信号を伝導している間の一次プローブおよび二次プローブにわたる動作出力電圧は、一次プローブおよび二次プローブが身体に接触している間、150~165ボルトDC(VDC)の範囲で最大動作出力電圧を超えない。本明細書で使用される場合、プローブ、導体、および電極という用語は、互換的に使用され得る。
【0026】
本開示の別の実施形態によれば、患者の疼痛を治療する方法は、疼痛を低減または除去することを目的としている。この方法は、第1のプローブおよび第2のプローブを、疼痛が示される領域内の患者の生体組織に強い圧力を適用することを含む。この方法は、電気エネルギーをプローブを通じて治療信号の形で組織に送達させることをさらに含む。治療信号には、約20キロヘルツ(kHz)のパルス周波数、(例えば、ヒトの子供と大人の範囲から得られる)負荷インピーダンスの定義された範囲に対して、0.1ミリアンペア(mA)~2.5mAまたは6mAまたは8.9mAのパルス電流、およびプローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧を有する直流電流(DC)パルスのパルス列を含む。可変供給電圧は、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する。プローブ上の強い圧力を維持しながら、この方法はさらに、疼痛信号が患者の身体を横断する方向に患者の生体組織に沿ってプローブを移動させることを含む。この方法は、プローブを回収し、プローブを患者の同じ部位または新しい部位に移動させることをさらに含む。この方法は、患者が疼痛の低減を主観的に報告するまで、または患者の治療領域で得られる客観的インピーダンス測定値が閾値を下回って下降するまで、移動するステップおよび回収するステップを1回以上繰り返すことをさらに含む。この方法は、治療モードの各アクティブ化時に開始し、治療の各対応する非アクティブ化時に停止することによって、治療の経過時間を追跡することをさらに含む。この方法は、治療の経過時間を分および秒の形式で表示することをさらに含む。
【0027】
本開示のさらに別の実施形態によれば、患者治療ユニットは、アクティブ動作中に治療信号を生成するプローブ刺激生成器回路を含む。治療信号は、約20キロヘルツ(kHz)のパルス周波数、負荷インピーダンスの定義された範囲に対して、0.1ミリアンペア(mA)~2.5mAまたは6mAまたは8.9mAのパルス電流、およびプローブ刺激生成器回路に供給される可変供給電圧に依存するパルス電圧を有する直流電流(DC)パルスのパルス列を含む。可変供給電圧は、約165ボルトDC(VDC)の最大パルス電圧を提供する。患者治療ユニットは、プローブ刺激生成器回路に結合された一対の導電性プローブをさらに含む。一対の導電性プローブは、患者の皮膚との非侵襲的接触を介して、負荷インピーダンスとして、ヒトまたは動物の患者の身体を通じて治療信号を伝導するためのものである。患者治療ユニットは、オペレータの入力に応答して患者治療ユニットの治療モードをアクティブ化および非アクティブ化するように構成されたモード制御回路をさらに含む。治療モードは、プローブ刺激生成器回路のアクティブ動作によって特徴付けられる。患者治療ユニットは、可変供給電圧を制御して、治療モードの各アクティブ化に所定の開始電圧で開始するように構成された強度調整回路をさらに含む。患者治療ユニットは、治療モードの各アクティブ化時に開始し、治療の対応する各非アクティブ化時に停止することによって、治療の経過時間を表示するように構成された視覚的表示ユニットをさらに含み、治療の経過時間が分および秒の形式で表示される。
【0028】
上記の概要は、本開示の各実施形態またはすべての態様を表すことを意図するものではない。むしろ、前述の概要は、本明細書に記載のいくつかの新規の態様および特徴のいくつかの実施例を提供するにすぎない。本開示の上記の特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲に関連して考慮されるとき、本開示の概念および態様を実行するための代表的な実施形態およびモードの以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。本開示の追加の態様は、図面を参照して行われる種々の実施形態の詳細な記載を鑑みることで当業者には明らかであり、その簡単な記載が以下に提供される。
【0029】
本開示ならびにその利点および図面は、添付の図面を参照すると共に、例示的な実施形態の以下の記載からよりよく理解されるであろう。これらの図面は、例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、種々の実施形態または特許請求の範囲に対する限定と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の態様による、患者治療ユニットの回路構成要素を示す機能ブロック図である。
【
図2B】一実施形態による、
図1の患者治療ユニットの一次プローブを示す。
【
図2C】一実施形態による、
図1の患者治療ユニットの二次プローブを示す。
【
図3A】別の実施形態による、一次プローブのスイッチが種々の治療位置および強度レベルの後方位置にある図である。
【
図3B】強度ダイヤルを後方位置に向けた状態の、
図3Aの一次プローブのスイッチが後方位置にある図である。
【
図3C】強度ダイヤルを前方位置に向けた状態の、
図3Aの一次治療プローブのスイッチが前方位置にある図である。
【
図3D】強度ダイヤルを前方位置に向けた状態の、
図3Aの一次治療プローブのスイッチが後方位置にある図である。
【
図4】
図1の患者治療ユニットの波形発生器の回路図である。
【
図5A】患者治療ユニットを用いて疼痛を分析および治療する方法を概説するプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は種々の修正形態および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が実施例として図面に示されており、本明細書で詳細に記載されることになる。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態によって限定されることを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内にあるすべての修正、同等物、および代替物を網羅することである。
【0032】
種々の実施形態が添付の図を参照して記載されており、図全体を通して同様の参照番号が、類似または同等の要素を指定するために使用される。図面は、一定の縮尺で描かれておらず、単に本開示を説明するために提供される。本開示のいくつかの態様が、説明のための例示的な適用例を参照しながら以下に記載される。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、および方法が示されていることを理解されたい。しかしながら、当業者は、本開示が、具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに、または他の方法を用いて実施できることを容易に認識するであろう。他の例では、本開示を曖昧にすることを回避するために、周知の構造または動作は詳細に示されていない。種々の実施形態は、いくつかの行為が異なる順序で、および/または他の行為もしくは事象と同時に生じ得るため、行為または事象の図示される順序付けによって限定されない。さらに、本開示による方法を実施するために、図示されたすべての行為または事象が必要とされるわけではない。
【0033】
例えば、要約、発明の概要、および発明を実施するための形態のセクションに開示されているが、特許請求の範囲に明示的に記載されていない要素および限定は、含意、推論、またはその他によって、単独でまたは集合的に特許請求の範囲に組み込まれるべきではない。本発明の詳細な説明の目的のために、特に断りのない限り、単数は複数を含み、逆もまた同様である。「含む」という語は、「含むがこれに限定されない」を意味する。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「およそ」、「概して」などのような近似の語は、本明細書では、「そこで」、「そこに近く」、または「ほぼそこで」、「の3~5%以内」、または「許容可能な製造公差内」、またはそれらの任意の論理的な組み合わせを意味するために使用され得る。
【0034】
疼痛の非侵襲的な薬物を用いない治療および回復は、多数の人が試みてきた、無数の治療方法および刺激手段を通じて対処しようとする取組みである。1つの焦点領域は、特定の形態のエネルギーを組織に送達する金属プローブの先端部を通じて、疼痛症状の治療を受けている人の皮膚に直接電気エネルギーを適用することである。皮膚に直接接触して配置された金属プローブ先端部を使用する1つの初期の取組みは、米国特許第8,064,988号に記載されており、これは、0.1ガウス~4テルサ(または40,000ガウス)または400,000ガウスの範囲の磁束密度、および0.34ミリ秒(ms)~0.74msのパルス幅と共に、1ヘルツ(Hz)~1ギガヘルツ(GHz)の範囲の非常に広範囲の10億の周波数を開示した。1Hz~490Hzの範囲では、1つの特定の低周波数のみが開示された。その後、例えば、米国特許第10,085,670号では、1~490Hzの低周波範囲に加えて、4キロヘルツ(kHz)~20kHzの追加の特定の周波数範囲が開示された。周波数セレクタを備えた機械が開示され、オペレータが、低周波範囲と高周波数範囲との間で切り替え、プローブを介して適用される周波数を変化させることが可能になった。この後者の特許は周波数の範囲を10億から低減させたが、当業者は、言うまでもなく、これらの特許に開示された多くの他の電気的パラメータ(振幅、パルス幅、デューティサイクル、エネルギー含量)を用いて、依然として16,500ヘルツを超える範囲で実験を続けた。さらに、圧力の定量化は米国特許第8,064,988号には開示されておらず、圧力および特定の電気的特性が、非常に短い期間(例えば、10分未満)で疼痛を低減するのに特に有効であるという認識もなかった。エネルギーを適用されたプローブがどのくらいの時間患者に配置されるべきかについての指示も、プローブが身体に配置される角度が疼痛の低減に対して有意な差をもたらすという認識もない。1つ以上のプローブの移動が疼痛の低減に有効であるかどうかについては認識されなかった。
【0035】
それ以来、本開示によれば、驚くべき結果を伴って、20kHz(プラスまたはマイナス10%)を中心とする少なくとも1つの特定の周波数範囲が、追加の電気的パラメータと組み合わせて、特定のタイプの慢性疼痛を含む特定のタイプの疼痛を低減するか、または多くの場合、完全に除去するのに特に効果的であることが発見された。さらに、以下に記載の強い圧力が、エネルギーを適用されたプローブの少なくとも1つに適用される必要があり、一次プローブの角度が、治療される領域(例えば、関節と筋肉)に応じて重要になることがあり、少なくとも一次プローブを移動させることを使用して「疼痛を追いかける」ことができ、長期間にわたって治療されている領域にエネルギーを過剰に適用することによって、回復が低下するポイントが存在し得ることもまた判明した。これらおよび他の洞察は、組み合わされて、疼痛および炎症さえも驚くべき劇的な低減をもたらし、また創傷治療に使用して、創傷治癒時間を短縮し、創傷部位の周囲の疼痛を低減することもできる。本明細書に開示されるデバイスおよび方法を使用して治癒され得る創傷は、糖尿病性創傷、潰瘍、感染症、切創、および切開創傷を含む。
【0036】
治療時間は劇的に低減され、主観的報告によれば、患者は、約20kHzまたは約18~22kHzの範囲を中心とするプローブ送達電気エネルギーをわずか1回の適用の後に疼痛の実質的な低減を感じており、多数の人が、わずか数分続く1回の治療適用後に疼痛を感じなくなると報告している。さらに、本開示によれば、治療の適用中の電気プローブの特定の荷重圧力、配置、および/または移動もまた、治療の効力を高め、治療時間を実質的に低減し得ることが発見された。その結果、治療時間は何分もの時間からわずか数分に短縮され、わずか数分または8分もしくは10分以下しか続かない治療ウィンドウ内で、プローブのオペレータは、プローブをいつ移動させるか、またはプローブが皮膚上の静止的な部位にエネルギーをどれだけ長く適用しているかについて、何らかの視覚的な合図によって案内される必要がある。一部の患者は、本明細書に開示される治療法の8分未満以内に、治療前の10のうち10から開始したにもかかわらず、疼痛が100%低減、すなわち疼痛がまったくなくなったと報告した。
【0037】
治療タイマ回路が米国特許第10,085,670号に開示されており、これは経過時間を16進数で表示するもので、「医療結果および保険要件の両方に対して適合する」ことを確認するために、アルゴリズム評価コードディスプレイ216と共に使用された。各患者の治療セッションの開始時に、16進アルゴリズム評価コード(AEC)が患者のファイルに注記され、記録される必要があった。このAECコードは決してリセットされず、10進数の代わりに16進数として表現され、特許治療ユニットが使用された累積治療時間の合計を表した。16進数(例えば、AE01)を使用することにより、オペレータが、ある治療から別の治療までに何秒経過したかを理解することを困難にし、介護者が16進数に精通していない限り、AECカウンタはその介護者に有意な情報を伝達しなかったであろう。さらに、タイマがリセットされなかったため、介護者オペレータは、ある療法適用から別の療法適用への治療時間を書き留めるか、または記憶に留めておく必要があった。これは、過剰治療、一貫性のない治療時間、介護者オペレータの混乱に、およびオペレータが単にAECコードを無視することにつながり、全体的な準最適な治療効力を、時には、利益の低下または逆効果の利益を伴う領域の過剰治療をもたらす。
【0038】
本開示によれば、特定の治療プロトコルが特に効果的な結果をもたらすこと、およびタイミングがそのようなプロトコルの重要な要素であることが特定された。18kHz~22kHzの範囲の治療周波を使用すると、効力が増加し、付随して必要な治療継続時間が低減されることが発見されたことにより、タイミングがさらに重要になる。加えて、周波数が約20kHzを中心とするDCパルスのプローブ適用が、特定の疼痛症状の治療に非常に効果的であり、治療の単回適用からわずか数分以内に完全な疼痛緩和をもたらすことが発見されたことにより、プローブが最適な方法で最適な時間で患者の皮膚上で操作されることを確認するために、患者への電気エネルギーの送達にどの程度の治療時間が経過したかを介護者に明確に知らせることが有利であることが判明した。さらに、タイマは、初心者のオペレータがデバイスを使用し、プローブを操作して、最も有効な治療戦略を疼痛または炎症または創傷の原位置に送達するのを支援するための訓練ツールとして使用することができる。本明細書の治療法を使用する場合の治療時間は、継続時間が非常に短い(例えば、身体を通じた電気エネルギーの送達の開始から電気エネルギーの送達の停止まで1~4分)ため、電気エネルギーの送達の開始からの経過時間を示すタイマは、エネルギーを送達することを停止し、かつ/または一方もしくは両方のプローブを新しい部位に移動させるときを介護者に通知するために重要である。
【0039】
身体に適用されるエネルギー特性に加えて、エネルギーが導電体を通じて送達されている間に身体に適用される圧力もまた、疼痛を治療し、治療時間を低減する効力において重要である。エネルギーが治療される患者の身体に接触する導体を通じて適用されるため、ある範囲の強い圧力が導電体のうちの少なくとも1つに適用される必要がある。
【0040】
患者の身体に付着する従来のTENS電極は、身体にごくわずかな圧力を適用する。典型的なTENS電極は約0.0055lbsの重量であり、接着剤によって適用される表面張力以外に、エネルギーがTENSパッチを通じて送達されている間に患者の皮膚に適用される圧力はごくわずかである。エネルギーが導体を通じて適用されている間に、圧力が導体に適用される必要があることが判明している。圧力が低すぎると、治療の効力が著しく低下する。圧力が強すぎると、患者は、効力を同時に増進することなく、不快を感じることがある。最適な効力のために適用され得る圧力の量は、身体に接触する電極または導体の先端部の外形寸法にも依存する。本開示の態様が適用され得る身体の範囲を考慮すると、本開示に開示される電気エネルギーを送達しながら、人の身体に接触している間に導体に適用される重量として表される最小圧力は、0.25インチの直径を有する細長いプローブ上の半球形状のまたは丸みを帯びた先端部であると仮定すると、0.05lbs(ポンド)である。最大圧力は、同じプローブ先端部において10~15lbsを超えるべきではない。より大きい(先端部表面積)プローブ先端部の場合は、より高い最大重量または最大圧力が大部分の患者に許容され得(例えば、15lbs以上により近い)、より小さい(先端部表面積)プローブ先端部の場合は、より低い最大重量または最大圧力が許容され得る(例えば、10lbsにより近い)。
【0041】
しかしながら、身体に接触する導体の先端部の異なる形状においては、人の背格好および体重に応じて、例えば16lbsなどのより高い上限圧力を適用され得る。身体と接触する導体の先端部または端部の表面における本明細書で企図される許容可能な圧力範囲は、本明細書では、0.25インチの直径を有する円形領域に対応する接触表面積を仮定して、ポンド毎平方インチ(PSI)として表される。
【0042】
0.05lbs~15lbsの重量範囲を使用して、一実施形態における許容可能な圧力範囲(PSIとして表される)は、最小0.5lbs/in2~最大150lbs/in2(または0.05lbs~15lbs)であり得る。他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~10lbs/in2(または0.06lbs~1lbs)の間の任意の値であり得る。さらに他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~15lbs/in2(または0.06lbs~1.5lbs)の間の任意の値であり得る。さらに他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~20lbs/in2(または0.06lbs~2lbs)の間の任意の値であり得る。さらに他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~25lbs/in2(または0.06lbs~2.5lbs)の間の任意の値であり得る。さらに他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~30lbs/in2(または0.06lbs~3lbs)の間の任意の値であり得る。さらに別の他の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~35lbs/in2(または0.06lbs~3.5lbs)の間の任意の値であり得る。さらに別の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~40lbs/in2(または0.06lbs~4lbs)の間の任意の値であり得る。別の実施形態では、最小PSIは、0.6lbs/in2~45lbs/in2(または0.06lbs~4.5lbs)の間の任意の値であり得る。最小圧力閾値は、身体に接触する導体の端面の形状および外形寸法、治療される領域、治療される患者の背格好、導体が接触する組織の厚さ、患者の年齢のうちの1つ以上に依存する。いくつかの実施形態では、最大PSIは、100または110または120または130または140lbs/in2であり得る。一次プローブの先端部の直径を1/4インチであると仮定すると、身体に押し付けられたときに先端部に適用される最大重量は、10または11または12または13または14または15ポンドである。本明細書で使用される場合、「強い圧力」という用語は、重量(例えば、ポンド、キログラム、または同等のもの)、または圧力(例えば、ポンドまたはキログラム/平方インチまたは/平方センチメートルまたは同等のもの)、または圧力(圧縮力)が定量化される任意の他の尺度として表されるかどうかにかかわらず、本明細書に開示される任意の最小および最大量内の任意の動作導体圧力範囲を指す。これらの圧力量は、治療される組織の表面に対して相対的に直交して配置されるプローブを想定しているが、本開示は、治療される領域に応じて45~90度の角度が使用され得ることを明示的に企図している。一次プローブが90度以外の角度で強い圧力で身体に対して保持される場合であっても、先端部が身体に接触し、プローブからのエネルギーが身体内に送達されている間、プローブ上の強い圧力を維持することが重要である。いくつかの実施形態では、エネルギーが身体に送達されているとき、ほぼ同じ強い圧力が両方のプローブ103、105に適用され、他の実施形態では、異なる強い圧力値がプローブ103、105に適用され得る。プローブ上の圧力は、エネルギーが組織に浸透する深さを部分的に測定するため、プローブ上の圧力を個別に調整して、組織内の疼痛を突き止めることができる。
【0043】
本開示は、創傷治療においても有効であり、したがって、導体を創傷に適用するとき、軽い圧力を使用して患者への不快感を回避する必要があるが、患者がさらなる損傷または負傷を創傷に引き起こすことなく快適に耐え得る最大の圧力が適用される必要がある。議論を容易にするために、導電体またはプローブまたは電極によって患者の身体に適用される圧力の範囲は、本明細書では、動作導体圧力範囲と呼ばれることがある。別の言い方をすれば、動作導体圧力範囲内の圧力は、本明細書で使用されるような強い圧力であると見なされる。動作導体圧力範囲を下回る圧力は軽圧であると見なされ、動作導体圧力範囲を超える圧力は過圧であると見なされる。本明細書におけるすべての用途において、エネルギーが治療を受ける患者の身体に送達されている導体のうちの少なくとも1つに強い圧力が適用される必要がある。1つの特定の用途では、0.1lbs~4lbsの範囲で導体先端部に適用される重量、または1/4インチの半球状の丸みを帯びたプローブ先端部を使用する1~40lbs/in2(PSI)の圧力が、すべてではないが広範な症状および比較的非敏感な治療部位の治療に有効であることが判明している。(例えば、足の甲は特に敏感であり、治療を受ける患者に不快感を引き起こさないように、そこにはより軽い圧力を使用する必要がある)。この範囲の重量圧力は、すべてではないが、広範囲の治療用途と部位に効果的である。
【0044】
一般に、本開示の一態様は、動作導体圧力範囲内の圧力を適用しながら、非侵襲的で最適化された患者固有のパルス電磁エネルギーを送達するための治療ユニットまたはデバイスに関するが、これは、急性または慢性の疼痛を除去または低減するだけでなく、患者の身体をさらに治癒する。治療ユニットおよび関連する方法は、第一に、疼痛を引き起こしている根底にある症状を実際に改善する。疼痛の信号の伝達を単に中断させるのではなく、治療は、根底にある生理機能を実際に変化させ、それにより、疼痛を誘発する症状が修復される。いくつかの治療用途では、動作導体圧力範囲内の圧力と、約18~22kHzを中心とする周波数を有するパルスDCエネルギーの適用との組み合わせが、最短時間で疼痛を最適に低減すると考えられている。これらの認識は、何千もの治療を実施し、長年にわたって種々の異なる電気エネルギーおよび圧力を使用してリアルタイムの患者フィードバックを求めた後にのみ発生した。他の認識は、身体上の電極または導体の初期位置の開始部位、およびそれらの導体のうちの1つが身体に沿ってどのように移動されるかを含み、これは、疼痛の部位と疼痛のタイプ(例えば、テニス肘と足捻挫)、導体が1つの位置に保持されている時間、組織に対する一方または両方の導体の角度、および、治療診察中の総治療時間(例えば、治療診察は、患者を治療するためにエネルギーが適用されない期間が少なくとも60分あるときに終了し、新しい治療診察は、治療中の患者への最後のエネルギーの適用から少なくとも60分が経過したときに開始する)に依存する。
【0045】
上述のものを含むいくつかの差異は、本開示の治療ユニットおよび方法を以前の治療から区別する。これらの差異により、開示された技術は、厳密な疼痛緩和を超えて身体の治癒に至る。例えば、1つの差異は、治療の目的を疼痛を止めることから根底にある症状を治癒することへと広げることに関連している。治療目的の変化は、どの身体部分に治療を施すかに大きな影響を及ぼす。患者が疼痛を発していると知覚する発生源で単に治療する代わりに、本発明の治療は、根底にある症状が生じている部位に焦点を合わせ、その特定の身体部分を治療する。多くの場合、本開示は、治療する必要がある複数の部位を必要とする。これは、各部位をどれくらい長く治療する必要があるかに関して含意を有し、これには、治療提供者が最も有効な治療を効率的な方法で行うのを助けるために、治療ユニットに組み込まれたタイマ(ヒトに理解可能である)を必要とする。
【0046】
本開示の治療ユニットは、パルス電磁エネルギーを非侵襲的に患者の罹患領域に送達する。治療ユニットは、急性および慢性の両方の疼痛を低減し、適切な後続治療により、長期にわたって疼痛を除去することができる。治療ユニットによって送達される電流は、徹底的に開発され、精緻化され、研究された新しいパラメータセットによって定義される。処理ユニットの構成内には、処理ユニットを他の電流生成デバイスから区別する電磁電流送達の特定の特性があり、(1)約20kHzの特定の周波数、(2)0.1~2mAまたは0.1~6mAまたは0.1~8.9mAの範囲の特定のDC電流、(3)165ボルト直流電流(VDC)の最大動作出力電圧、(4)直流電流と交流電流の使用、(5)電気エネルギーの送達メカニズムとしての少なくとも1つの可動プローブまたは電極または導体、(6)可動導体の角度、(7)電気エネルギーが可動導体を通じて送達されている間に可動導体によって身体に適用される圧力、(8)エネルギーが身体に適用されている経過時間(リセット可能)を示す2つのヒトが読み取り可能なタイマと、エネルギーがそのライフタイム内に治療ユニットによって送達された累積時間を示すライフタイムタイマ(非リセット可能)、のうちの1つ以上を含む。
【0047】
パルス電流(特に直流電流)の周波数の重要性は誇張してもし過ぎることはない。このより高い周波数では、現在の知覚閾値および離脱閾値の両方が著しく増加する。患者は、たいていの場合、いかなる感覚も感じることなく、この高レベルの強度に容易に耐えることができるため、165ボルト(V)までの著しく高い強度を採用することが可能である。これは、疼痛を伴い、患者が耐えることが困難であり得、利用され得る強度を制限する、より低い周波数の電気療法の対極にある。開示される治療ユニットのより高い周波数による不快感がないことにより、治療提供者が、治療ユニットの全強度の治療を使用することを可能にし、これにより、効力が向上する。全強度はまた、より短い治療時間が有効であることを可能にする。そして、より高い周波数では、治療ユニットは非常に迅速で短いパルスを利用して、パルス当たりのエネルギーの容量送達を低く維持し、したがって、患者の安全性を向上させる。
【0048】
治療ユニットの高周波電流は、電流を非侵襲的に送達する能力において重要な役割を果たし、さらに、表皮を貫通して患者の組織内の深くにまで到達する。皮膚自体が非常に高いレベルの抵抗を有しており、電磁療法が皮膚を越えて患者内深くに送達することを困難にし得る。皮膚の高いインピーダンスは、角質層の脂質に起因し得る。しかしながら、十分な電圧と短いパルス長を有する高周波電流は、皮膚脂質二重層内に「細孔」を生成し、組織の深部への経皮チャネルを生成し得る。例えば、50V出力を有する治療ユニットの20kHz搬送波周波数は、これらの基準を満たしている。さらに、場合によっては、治療ユニットの高周波数および短いパルス幅により、身体の組織が一種のコンデンサとして作用することを可能にする。この増加した静電容量により、結果的に、治療ユニットの緩和効果が治療終了後も長く持続する。
【0049】
治療ユニットの20kHz周波数能力は非常に有益である。実際、約20kHz(例えば、プラスまたはマイナス2kHz)の電流では、完全な神経ブロックが達成可能であり、これは他の周波数では見られない。20kHz±2Hzの周波数は、治療ユニットで使用されるものと同様に、電圧制御ゲートおよびセカンドメッセンジャの誘因に影響を及ぼし、無数の他の有益な生物学的作用をトリガする。同時に、この20kHzの周波数により、電流を患者に対して実質的に検出不可能にし、短いパルスで、治療で使用され得るより高い電圧レベルを安全に送達し、他の電磁療法よりも良好な結果を生成することができる。
【0050】
治療ユニットは、一般に交流電流を使用する大多数の電気治療デバイスとは異なり、極性効果を送達するパルス直流電流をさらに利用する。直流電流は、骨格および神経性症状、ならびに創傷治癒に特に有益であることが証明されている。実際に、直流電流は末梢神経の再生を促進し、手術後の患者では、神経機能の回復を促進して、より良好な治癒プロセスに寄与し得る。先行技術はDC電流を開示したが、驚くほど短時間で最も有効な疼痛治療を提供する、本明細書に開示されるエネルギー特性の組み合わせを正しく認識していなかった。
【0051】
外科的切開の場合のように組織が損傷を受けると、健康な組織と損傷を受けた組織の間に電位が生じる。この証拠および他の証拠は、創傷治癒が電気信号によって部分的に制御され得ること、したがって、電気療法が創傷治癒に影響を及ぼし得ることを示唆している。過去25年間にわたる多くの臨床研究により、電気刺激が創傷治癒の促進につながることが判明している。多くの調査の結果は、電気治療された患者において治癒率が約2倍であることを示している。直流電流は、これらの調査の研究を通じて共通のテーマである。アノードとカソードとの間の極性効果は、組織に対して特定の影響を有するようである。低強度の直流電流は、そのような治療を受けていない創傷と比較して、表在創傷治癒に必要な時間を1.5~2.5倍低減し得る。この形態の電流は、水和作用を促進し、増殖因子受容体の数を増加させ、コラーゲン形成の速度を高め、線維芽細胞および肉芽組織の増殖を刺激し、かつ/または損傷領域内の肥満細胞の数を低減させることができる。
【0052】
交流電流が直流電流よりも他の電気療法製品においてより一般的であるように思われ、このことが、治療ユニットにおいて直流電流を使用することをそれの独自性あるものに寄与している。そして、以前の研究が示すように、直流電流の使用は、療法全体において多くの肯定的な点を有しており、これは、パルス直流電流を治療ユニットの有効性およびそれがどのように機能するかに対する重要な寄与因子にする。
【0053】
能動的に投与されるプローブまたは電極は、身体上および身体に沿って手動で操作することができるが、治療ユニットに有意な差異を生じさせ、このことは、ステンレス鋼の半球形状先端部を有するプローブの使用によって別個の送達方法を提供する。介護者は、最終的に、送達メカニズムとしてプローブを使用して治療を行い、これにより、より集中した高密度の電流が患部に直接送達されることを可能にすると同時に、動作導体圧力範囲内の圧力を適用する。研究により、電流密度が重要であることが示されており、密度が十分であり、電流の周波数が皮膚を容易に通過するのに十分に高くない限り、皮膚の自然に高い抵抗が電磁療法を損なうことがあることが判明している。
【0054】
開示されたプローブとは対照的に、電流密度の重要性および送達メカニズムとしてのプローブとの相関にもかかわらず、電気治療的な治療の大部分は、静止状態で患者に接着される大きな電極パッドを利用する。パッド自体は、それらの大きな表面積および紙のように薄い深さに起因して、より低密度でより拡散した信号を生成することがあり、これにより、皮膚の効果的な貫通をより困難にし、罹患領域に送達される電流の強度を低下させ、最終的に有意な療法を通常得られなくし得る。さらに、開示されるプローブ対静止パッドの可動性または非定常性により、介護者が、依然として高密度電流を使用しながら、より多くの領域をカバーし、本明細書に記載のように「疼痛をたどる」ことを可能にする。この移動により、治療提供者が、疼痛と高度に相関する根底にある浮腫または炎症をその領域外に洗い流すことを可能にする。移動はまた、誤ったまたは準最適な部位にのける静的電極のリスクを低下させるが、それによって、治療を損なうことがある。
【0055】
代替的実施形態では、開示されるプローブの代わりに、またはそれに加えて、小径(高密度)パッドが使用される。例えば、一実施形態では、小径パッドは、開示されたプローブ先端部とほぼ同じサイズである。例えば、小径のパッドを1つのプローブで使用することができ、この場合、パッドを患者に固定または接着し、同時に疼痛を治療するためにプローブを移動することができる。戻りエネルギーを提供する導体は、治療用途に応じて、静止状態であってもよく、または、両方の導体が、好ましくは互いに独立して移動可能であってもよい。
【0056】
治療ユニットを使用する開示される電磁療法は、神経インパルスの望ましくないまたは調整されていない生成が主要な障害要因である、多くの疼痛を伴う病状のための優れた治療選択肢として浮上している。薬理学的および化学的治療、または外科手術を含む既存の代替治療法はすべて、それらが一貫して成功していないことを含む重大な欠点を有する。開示される電磁療法は、従来の薬理学的神経ブロックと同等のイオン濃度および細胞変化を誘発することができるため、効果的な代替法であり得る。開示される電磁療法はまた、高度の安全性および予測可能性を提供する。
【0057】
概要として、治療ユニットは、疼痛を低減および/または除去する電気治療である。その最も近い基準系は、神経ブロックの電気的バージョンである。治療ユニットは非侵襲的であり、即時に患者にフィードバックを提供する。さらに、治療ユニットは、既知の副作用を伴わず、必要に応じて頻繁に使用することができる。治療ユニットは、罹患領域内の神経を再起動して正常なインパルスを取り戻し、それにより、関与の細胞に適切な神経制御を供給し得る。インパルスをリセットすることができる場合、疼痛を伴う症状を低減または完全に除去することができる。すべての身体プロセスをほぼ間違いなく制御する神経を標的にすることによって、身体の天然アヘン剤の放出を促進するだけでなく、血管応答を改善するカスケード効果が存在し、これが、治療ユニットを介した治療で一般的に見られる腫脹の客観的かつ即時的な改善に関与している可能性が高い。治療ユニットは、治療ユニットのプローブ送達システムを通じた直流電流を介して、ほとんどすべての他の一般的な電気療法よりもはるかに高い搬送波周波数で患者に送達されるパルス電磁エネルギーを使用する。
【0058】
臨床研究は、高周波数での治療が、必要な治療の低減を含む結果の改善をもたらすことを実証している。研究の草案は、Frank L.Greenwayによる表題「A Clinical Study of the MediPhysics Pain Treatment System for the Treatment for Chronic and Acute Pain」(2005年12月)である。例えば、低周波数を使用して、患者の疼痛を適切に治療するために、4週間にわたって12回の治療(1週間当たり3回の治療)を要した。低周波数を使用して、患者の41%が12回の治療で70%を超える疼痛低減を達成し、患者の33%が20~70%の疼痛低減を達成し、患者の26%がほとんどまたはまったく疼痛緩和を達成しなかった(20%未満の緩和)。低周波数を使用して、各個々の治療は、治療前と治療後に平均して52%の改善をもたらした。
【0059】
対照的に、高周波研究からの最近のデータは、本開示の約20kHzの周波数のような高周波を使用すると、ほとんどの患者が3回以下の治療を必要とし、平均して3.6回の治療しか必要としないことを示している。各治療は、平均して72%の疼痛の低減であった(対して、低周波数では52%の改善であった)。すべての患者は、治療の全過程で78%以上の疼痛の低減を経験し(対して、低周波数では41%が70%超を達成した)、患者の84%が疼痛の完全な(100%)低減を達成した。慢性睾丸痛が治療された別の研究では、必要とされる治療の平均数は、患者当たりわずか3.2回の治療であり、それらの患者は、わずか3.2回の治療で平均して58%の疼痛の低減であった。
【0060】
上記の結果を臨床研究の低周波数と高周波数研究の高周波数の間で比較すると、高周波数は患者当たりの治療数を低減させ、効力を大幅に改善することが明らかである。パルス当たり患者が曝されるエネルギーの量は実際には少なくなる(治療をより安全かつより良好に許容されるようにする)が、疼痛の部位に送達されるエネルギーの総量は、周波数が高いため、実際には多くなる。
【0061】
上記の独特の特徴によれば、治療ユニットは、一次プローブおよび二次プローブを介して患者の組織に電気パルスを配信し、神経刺激を提供して患者の疼痛を緩和する。治療ユニットは、一次プローブおよび二次プローブを使用して、患者の組織からインピーダンス測定値を受信する。電気パルスが適用されると、インピーダンス測定値が監視され、インピーダンスの下降は、抵抗が少ないことを示す。より低いインピーダンス測定値は、患者が経験する疼痛のより低い知覚レベルと相関している。治療ユニットは、身体の細胞ネットワークを含む、患者の組織からインピーダンス情報を受信し、追加の電気パルスが疼痛治療として適用されるときに受信されるインピーダンス情報を監視することによって、本治療ユニットのシステムおよび方法は、患者の組織およびその他の身体構造によって経験される疼痛を評価および治療する。明確にするために、本開示の発明の態様は、新規性の唯一の点としての高周波範囲に焦点を合わせているのではなく、これは、長年にわたる数千もの治療で得られた本明細書に開示される洞察と、数十人もの患者からのフィードバックの組み合わせである。
【0062】
疼痛を評価および治療する際に、治療ユニットは、疼痛部位、組織異常、または選択された神経系トリガ点または運動点に電気パルス列を適用する。これらのトリガ点または運動点はまた、身体の経穴または圧覚点と一致し得る。電気パルス列は、組織に伝送されると、調査中の組織または対象物によって生成される固有のインピーダンスシグネチャに遭遇する。インピーダンス情報は、この初期分析と測定によって生成され、治療を計画および評価するためのベースライン測定として使用されてもよい。インピーダンス測定は、客観的であるため、疼痛の低減の客観的指標として役立てることができ、これを使用して、患者の主観的な疼痛評価を補完または検証することができる。疼痛治療の開始から疼痛の治療セッションの終了まで、導体を通じて適用されるエネルギーの複数のサイクルを含むことができるが、インピーダンスの低減は、疼痛治療セッションの開始と比較して、少なくとも10%または20%または30%または40%以上であり得る。言い換えれば、エネルギーがプローブを通じて最初に適用されたとき、インピーダンスがその元の値の80%または70%または60%以下に下降すると、治療は成功であり、疼痛のレベルを低減したと結論付けることができる。これらの測定値は、疼痛のレベルの患者の主観的報告に対するチェックとして使用することができる。いくつかの態様では、客観的インピーダンス測定値は、患者が客観的基準よりはるかに大きい主観的レベルの疼痛を報告する場合など、保険不正受給の指標として使用することができる。伝導率の増加はインピーダンスの別の面であることに留意されたい。すなわち、効力の指標としてのインピーダンスの低減の代わりに、伝導率の増加は同じ改善を示す。抵抗率またはインピーダンスの低減または減少という用語は、伝導率の増加と同じことを意味する。
図2Aに示される伝導性レベルディスプレイ212は、介護者によって監視される。ディスプレイ212上に示されるメータが電気伝導率を表す場合、メータは、伝導率が向上するにつれて増加または高じる。ディスプレイ212に示されるメータが身体インピーダンスを表す場合、メータは、インピーダンスが下降するにつれて減少または縮小する。いずれの場合も、介護者はメータの変化を監視して、特定の治療サイクル中にエネルギーの適用をいつ停止するかを判断することができる。本明細書で説明されるように、身体にエネルギーを適用後、例えば、3分後に、メータの動きが観察されない場合、介護者は、ディスプレイ212上に表示されるメータの変化を監視しながら、より長い継続時間、例えば、さらに1分間、その治療サイクル中にエネルギーを適用し続けることを決断することができる。経過治療時間表示と同様に、伝導性レベル表示212はまた、介護者が、プローブを通じてエネルギーを適用する継続時間の長さ、および特定の治療サイクル中の特定のエネルギー送達戦略の有効性を理解するための重要な視覚的補助を提供する。ディスプレイ212上に表示されるメータの急速な変化はまた、介護者に、介護者が予期したよりも早く身体を通じてエネルギーを適用することを停止させ、介護者が、身体の他の領域に集中することを可能にし、全体的治療時間を低減させる。
【0063】
患者の疼痛の程度を評価および特徴付けることに加えて、治療ユニットは、疼痛を抑制するための治療作用を提供する。治療ユニットはさらに、神経刺激をさらに提供し、疼痛を抑制し、治癒時間を低減し、治療を好適に繰り返すと、患部の長期の改善された疼痛管理につながり得る。疼痛は、上記のように、電気刺激、ならびに熱的、機械的、および化学的刺激を含む侵害刺激に敏感である侵害受容性求心性ニューロンに対する電気パルス列効果によって低減または除去される。
【0064】
図1を参照すると、機能ブロック図は、約20kHz(プラスまたはマイナス10%)の制御されたパルス周波数で一連のDC電気パルスを治療信号として出力するためのプローブ刺激生成器回路101を含む、患者治療ユニット100の形態の治療ユニットの例示的な実施形態を示している。プローブ刺激生成器回路101は、可変供給電圧によって定義されるパルス電圧でDC電気パルスを出力する。
【0065】
プローブ刺激生成器回路101はさらに、パルス周波数、パルス幅、および電気パルス列の極性を制御する。加えて、プローブ刺激生成器回路101は、搬送波波形生成器回路において厳密な電気部品公差を使用することによって、電気ノイズがほとんどないクリーンな波形である電気パルス列を出力する。例えば、搬送波波形周波数は、コンデンサと組み合わせた搬送波調整回路を使用して設定され得る。このRC回路を調整して、電気パルス列の所望の搬送波周波数を生成し得る。RC回路値は、安定した波形を提供し、電気ノイズはほとんどない。
【0066】
プローブ刺激生成器回路101は、目下の治療に応じて、しかしながら上記に開示された固有のパラメータに従って、いくつかの異なる電気パルス列構成を使用し得る。例えば、パルス幅が9~20usまたは14usであり、パルス速度が20,000パルス/秒であり、パルス振幅が100Vである基本的な方形波など、可変振幅のいくつかの異なる波形が選択され得、それを選択して腰痛を治療し得る。任意選択的に、電気パルス列のフィルタリングは、波形リップルとして現れることが多い誤差信号を除去する。
【0067】
患者治療ユニット100は、プローブ刺激発生器回路101に結合された一次プローブ103および二次プローブ105をさらに含む。以下の
図2Bに示されるように、一次プローブ103は、ヒトまたは動物の身体に接触するように構成された丸みを帯びた先端部と、ヒトの手によって把持または把握または保持されるのに十分な直径を有する細長い(誘電体)本体とを有する。細長い形状は、プローブ103、105を通じて電気エネルギーを適用する間、ヒトまたは動物の皮膚上に強い圧力を維持しながら、その上で一次プローブ103を操作するのに役立つ。一次プローブ103は、DC電気パルスを受信するように、プローブ刺激生成器回路101に電気的に結合されている。二次プローブ105もまた、ヒトまたは動物の身体に接触するように構成され、プローブ刺激生成器回路101に電気的に結合されて、ヒトまたは動物の身体を通じて一次プローブ103との電気回路を完成させる。二次プローブ105は、一次プローブ103のみが移動可能であるように、身体に接着されているものなどの静止導体であり得る。この構成により、患者が、例えば、静止プローブ105を身体の固定部位に維持しながら、一次プローブ103を介して治療を自己投与することを可能にするであろう。一次プローブ103および/または二次プローブ105は、プローブ103/105の端部に適用される圧力を感知するように構成された、圧力変換器262(
図2Bを参照)などの圧力センサを任意選択的にその中に含むことができる。任意選択的に、プローブ刺激生成器回路101は、一次プローブ103を通じてDC電気パルスを出力する前に、圧力変換器を介して検出される閾値圧力を必要とするように構成することができる。同様に、プローブ刺激生成器回路101は、圧力変換器によって検出された圧力が閾値を下回ると、一次プローブ103を通じてDC電気パルスを出力するのを終えるように構成することができる。閾値は、動作導体圧力範囲のより低い範囲における任意の値、例えば、0.5lbs/in
2に設定することができ、閾値は、治療される領域および治療される疼痛の性質に基づいて調整することができる。例えば、治療される領域が骨または敏感な領域に近いかまたはその上にある場合、より低い圧力閾値を設定することができ、一方、治療される領域が太ももまたはそれほど敏感ではない領域である場合、より高い圧力閾値を設定することができる。
【0068】
DC電気パルスの電流は、プローブ103、105が身体と接触している間、0.1~2mAまたは0.1~6mAまたは0.1~8.9mAの範囲にある。治療信号を伝導している間のプローブ103、105にわたる動作出力電圧は、プローブ103、105が身体に接触している間、165VDCの最大動作出力電圧を超えない。
【0069】
治療ユニット100は、身体インピーダンス分析回路107、監視回路109、オーディオスピーカ111、モード制御回路115、任意選択の感知回路117、電源回路121、任意選択のプログラミングおよびデバッグ回路123、外部入力/出力接続インターフェース125、任意選択の治療領域選択回路127、強度調整回路129、ディスプレイドライバ135、一次タイマ136、および二次タイマ138のうちの1つ以上を含む。このユニットは、外部ACアダプタ電源119によって電力供給され、電源回路121にDC電力を供給する。この実施例では、
図1の概略OLによって示されるように、いくつかの回路121、107、101、121、129、109が、構成要素と回路との間の電気ノイズを低減するために、単一のプリント回路基板上に物理的に取り付けられて製作される。プリント回路基板は、周囲の電気ノイズをさらに低減し、クリーンで誤差のないパルス列を生成するために、多層プリント回路基板であってもよい。以下で説明されるように、追加の有用なデータが、インターフェースモジュール150を介して臨床医に提供され得る。プローブ103および105の対は、電気パルス列を受信し、パルス列を患者の身体に適用する。
【0070】
プローブ刺激生成器回路101はまた、内部モニタ機能を含み、患者治療ユニット100の安全および性能を確認する。例えば、プローブ刺激生成器回路101は、電源回路121からの電源電圧、および任意選択的に、プローブ103、105が適切な組織または患者わたって適切に接続されているという感知回路117からのコイル感知表示を監視およびチェックする。さらに、モード制御回路115は、パルス列が組織に適用され得る前にプローブ刺激生成器回路101によって検出されなければならない準備完了状態を示すハンドシェイク信号を提供する。プローブ刺激生成器回路101は、任意選択的に、レベルシフト回路を含むことができ、これを使用して、搬送波電流を変化させ、かつ電流および電圧の制限回路をシフトし得る。プローブ刺激生成器回路101は、電源ハンドシェイク信号、任意選択的に感知ハンドシェイク信号(存在する場合)、および治療カウンタハンドシェイク信号がすべて、これらの回路121、117、115が準備完了状態にあることを示すまで、一連の電気パルスを出力しない。
【0071】
図2Aを参照すると、患者治療ユニット100の外部ケーシングは、搬送波ノブ200、感度または較正ノブ202、ベースライン較正ノブ204、電力インジケータライト206、治療時間ディスプレイ208、周波数ボタン210、および伝導性レベルディスプレイ212を含むいくつかの制御部を備えた前面を有する。搬送波ノブ200は、搬送波の周波数を制御し、感度/較正ノブ202は、伝導性レベルの変化の大きさを調整する。ベースライン較正ノブ204は、患者治療ユニット100の伝導率の測定範囲を調整し、電力インジケータライト206は、ライト206が点灯しているときに患者治療ユニット100が電源オンであることを示す。治療時間ディスプレイ208は、各患者の治療の継続時間を追跡する手段を提供し、周波数ボタン210は、出力周波数範囲を設定し、例えば、高周波数と低周波数との間で切り替える。伝導性レベルディスプレイ212は、プローブ間の伝導率を示し、これを使用して治療中に行われる進行を追跡し、例えば、1~20のスケールで作動する。ディスプレイ212はまた、伝導率との逆の関係によって抵抗率またはインピーダンスを示す。ディスプレイ212は、代わりに、インピーダンスを示すように構成することができ、その場合、212上に表示されるメータの低減は、インピーダンスの低減(および対応する疼痛または治療の有効性の低減)を表す。
【0072】
より重要なことに、治療時間ディスプレイ208は、(a)総治療タイマディスプレイを介して患者治療ユニット100を使用して実施された治療の総経過時間または総数、および/または(b)経過治療タイマディスプレイを介してリセット可能なセッション時間、を示す2つのタイマディスプレイのうちの少なくとも1つを含む。総治療タイマは、すべての治療セッションにわたるマシンの総時間および/またはマシンを使用して実施された治療セッションの総数を追跡するため、リセットされない。これは、特に、患者治療ユニット100の総使用量の正確な記録を維持することについての説明責任を提供し、治療効力を追跡および改善するために重要である。経過治療タイマディスプレイは、治療モードが係合されてから、係合解除されるたびに経過した時間を測定するが、通常、身体の特定の部位における治療セッションの一部分を表し、新しい治療が開始される前にゼロにリセットされる。経過治療タイマディスプレイは、新しい治療が開始されるたびに再開する。手動リセットボタン(図示せず)が提供され、必要に応じて、経過治療タイマを手動でリセットすることができる、または、経過治療タイマディスプレイは、プローブ103、105が身体を通じて再びエネルギーを送達し始めると自動的にリセットするように構成することができる。
【0073】
一実施例によれば、治療時間ディスプレイ208は、経過時間を10進数で分および秒の形式で表示するように構成された電子タイマディスプレイである。代替的に、オペレータに馴染みのある時間量でどれだけの時間が経過したかをオペレータに直ぐに伝えるように、タイマを視覚的に表現することができる。例えば、10進数に代えて、経過時間を示すメータグラフィックまたはダイヤルグラフィックを表示することができる。本明細書におけるタイマディスプレイは、上記のAECコードとは異なり、素人が理解できるものである。16進数はコンピュータ技術に精通している人には理解可能であるが、例えば、熟練していない素人には馴染みがない。リアルタイムでどのくらいの時間が経過したかを、プローブを通じてエネルギーが供給されているときにリアルタイムで確認することは、オペレータにとっては重要である。経過時間は、プローブ刺激生成器回路101の各アクティブ化から開始し、プローブ刺激生成器回路101の対応する非アクティブ化まで作動する。特定の患者に対する治療診察は、次に患者の身体にエネルギーを適用する前に少なくとも60分以上経過した後の治療継続時間またはセッションと見なすことができる。治療継続時間は、同じ部位または異なる部位での身体への多くのエネルギーの適用を含むことができるが、身体へのエネルギーの非適用から次のエネルギーの適用までには短い期間(例えば、オペレータが一方または両方のプローブを新しい部位に移動させるのに十分な時間)がある。最後にエネルギーを適用してから60分以上経過すると、最後に身体にエネルギーを適用した時点で治療診察が終了する。本開示の態様を使用する場合の治療時間は、従来技術の治療アプローチを使用する場合の治療時間と比較して非常に短いため、身体にエネルギーを適用してから経過した時間を表示するヒトが読み取り可能なタイマを有することが、オペレータとって重要である。過剰治療は、非生産的であり、効力の低減をもたらすか、または疼痛の低減に実質的な改善をもたらさないことがある。導体を介した身体を通じた電気エネルギーの連続した中断のない送達は、本明細書では治療サイクルと呼ばれる。治療セッションは、導体が1回以上移動されるときなど、複数の治療サイクルを含むことができる。所与の患者の治療診察は、複数の治療セッション(セッションは順に、1つ以上の治療サイクルを含むことができる)を含むことができるが、その患者の身体を通じた電気エネルギーの最後の適用から60分超経過したときに終了する。
【0074】
図2Bを参照すると、一次プローブ103は、それぞれのケーブルで患者治療ユニット100のケーシングに結合され、ケーシングの側面に位置する一次プローブソケットに差し込まれる。一次プローブ103は、一実施形態によれば、治療スイッチ233およびプローブ強度ダイヤル(またはホイール)234を有する。治療スイッチ233は、プローブ先端部235に向かって押されると、患者治療ユニット100を治療モードにする二値治療スイッチである。任意選択的に、プローブ先端部235は丸みを帯びている。逆に、治療スイッチ233がプローブ先端部235から離れるように押されると、患者治療ユニット100を測定モードになる。強度ダイヤル234は、プローブ先端部235に向かってダイヤルされる(または回転される)と、電流強度を増加させ、プローブ先端部235から離れるようにダイヤルされると、電流強度を低減させる。
【0075】
患者治療ユニット100の本開示と一致するように機能する代替の例示的な実施形態では、治療スイッチ233は完全に除去され、プローブ強度ダイヤル234は、プローブ先端部235から完全に離れるようにダイヤルされると実際に係止位置に移動する同様の外観のダイヤルに置き換えられる。この代替プローブ強度ダイヤルは、治療スイッチ233および上記のプローブ強度ダイヤル234の両方の機能を効果的に実行する。プローブ先端部235から完全に離れるようにダイヤルされると、代替プローブ強度ダイヤルは「係止」位置に位置決めされ、測定モードが有効になる。代替プローブ強度ダイヤルがプローブ先端部235に向かってダイヤルされ、その初期の「係止」位置から移動されると、治療モードがオンにされ、代替プローブ強度ダイヤルがプローブ先端部235に向かってダイヤルされ続けるにつれて、電流強度が増加する。代替プローブ強度の利点は、測定モードと治療モードとを切り替えるためのより簡単で効率的な方法を提供することである。
【0076】
すなわち、プローブ強度ダイヤル234は、可変供給電圧を所望の可変治療電圧まで増加させるための手動設定である。プローブ強度ダイヤル234は、一例示的な実施形態によれば、ディテントホイールの形態である。ディテントホイール234は、向かって回転可能である。
【0077】
図2Cを参照すると、二次プローブ105は、それぞれのプローブ先端部236を有するが、スイッチまたはダイヤルを欠いている。二次プローブ105は、それぞれのケーブルで患者治療ユニット100のケーシングに結合され、ケーシングの側面に位置する二次プローブソケットに差し込まれる。
【0078】
図3A~
図3Dを参照すると、一次プローブ103は、
図3Aに示されるように後方位置にあるとき、「測定」モードで一次プローブ103と二次プローブ105との間の相対伝導率を読み取る治療スイッチ333を含む。測定モードでは、プローブ103とプローブ105との間に小振幅電流を適用して、被験組織のインピーダンスを測定する。電圧および電流は、周期的に感知および測定され得、インピーダンスの読取値は、周期的に計算される。測定モードでは、治療スイッチ333は、
図2Aの伝導性(または接触)レベル表示212をアクティブ化させて、検査中の組織の伝導率およびインピーダンスの視覚的表示を提供する。
図3Bに示されるように前方に押されると、治療スイッチ333は、プローブ刺激生成器回路101が検査中の組織を治療するための電気パルス列出力を生成することを可能にする感知回路117を完了することによって治療をアクティブ化する。治療モードに切り替えられると、プローブ刺激生成器回路101は、モード制御回路115からハンドシェイク信号を受信する。このようにして、プローブ刺激生成器回路101は、モード制御回路115がハンドシェイク信号を有効にするとき、電気パルス列の形態でプローブ103および105に出力電圧を提供する。
【0079】
プローブ刺激生成器回路101はまた、電源回路121をチェックして、電気パルス列の形態で出力電流を有効にする前に、適切な電力が供給されていることを確認する。電力が適切でない場合、またはモード制御回路115がハンドシェイクしない場合、刺激発生器101は、電気パルス列を出力することを防止する。種々のハンドシェイクチェックが、ハンドシェイクコントローラによって行われる。患者治療ユニット100が測定モードにあるとき、プローブ間のインピーダンス(したがって、検査中の組織のインピーダンス)は、
図2Aの伝導性レベルディスプレイ212に示される。
図2Aの伝導性レベルディスプレイ212のLED表示は、測定モードの間、点灯したままである。加えて、一次プローブ103は、治療の強度を制御する、
図3Bに示される強度ダイヤル344を含む。治療の開始時に、強度ダイヤル344は、
図3Bに示されるように、その最小設定でプローブの後方に向かって回される。次いで、
図3Cおよび
図3Dに示されるように、強度ダイヤル344は、患者が搬送波電流を感じるが不快ではないまで、プローブ103の前部に向かって前方に回される。
【0080】
モード制御回路115は、一次プローブ103が一連の電気パルスを送達している時間を示す経過治療時間を検出および追跡する。モード制御回路115を使用して、規制および支払いの適合のために、患者の安全を確認するために、および他の健康またはビジネス上の理由のために、治療を測定および追跡する。治療の視覚的表示が、上記に提示される該当する開示に従って、一次タイマディスプレイおよび二次タイマディスプレイ上に提示される。
【0081】
治療に対する患者の適合は、治療の形態にかかわらず、医学的懸念である。患者は、効力を確認し、回復を促進するために、処方された治療を継続する必要がある。患者が治療を回避するか、または処方されていない方法で治療に参加する場合、患者の非適合は治療の効果をマスクする。これは、処方された療法の有効性、現在の治療レベルが適切であるかどうか、またはそれが調整もしくは中止を必要とするかどうかに関して、大きな不確実性をもたらす。患者は、多くの場合、非適合であることを認めたがらず、治療が困難であるかまたは疼痛を伴う場合、患者は治療効果が証明されているにもかかわらず治療を中止または回避することを選択し得る。治療の誤用は、医療提供者および保険会社が治療の費用に資金供給するまたは賄うための、経済的および治療上のインセンティブを弱める。
【0082】
治療スイッチ333がアクティブ化されて治療が開始した後、モード制御回路115は、ディスプレイに表示されるタイマを開始させ、ディスプレイは、経過した時間を分と秒で視覚的に追跡することになる。ディスプレイは、一次プローブ103が治療モードのままである限り、カウントし続ける。治療スイッチ333が非アクティブ化される(すなわち、患者治療ユニットが測定モードに戻される)と、該当するディスプレイは増分を停止するが、表示されたままである。ディスプレイはゼロにリセットされ、一次プローブ103上の治療スイッチ333が再び前方に移動されて追加の治療を再開すると、経過時間を示し始める。その時点で、表示は再び増加し続ける。ディスプレイには、10進数の分と秒の代わりに、棒グラフまたは折れ線グラフ、円グラフ、砂時計または砂のタイマグラフィック、時計グラフィック、または同様のグラフィックを表示して、治療の開始からどれだけ時間が経過したかを素人に伝わる方法で示すことができる。ここでの考え方は、素人を曖昧にしたり混乱させたりするものではなく、経過時間を素人の臨床医または介護者に明確に伝えることであり、それにより、介護者が、患者治療ユニットの治療モードにおけるエネルギーの適用を開始してから経過した分数と任意選択的に秒数を追跡することができる。
【0083】
図1に戻って参照すると、任意選択の感知回路117は、プローブ接続の存在を評価し、プローブ103、105が身体インピーダンス分析回路107に接続されたときにプローブ刺激生成器回路101を有効にするオプションである。感知回路117は、プローブ103、105が適切に接続されていないときに電気パルス列が生成されないことを確認する。ACアダプタ電源119および電源回路121は、安定した調整された12ボルトのDC電源を患者治療ユニット100に提供する。安定した調整された電源は、周囲の電気ノイズのない電気パルス列を提供するのに役立つ。
【0084】
応答レベル回路131は、プローブ103と105との間の伝導率またはインピーダンスを測定して示す。強度調整回路129を使用して、電気パルスの強度を調整する。電気パルスの強度は、
図3Dに示される強度ダイヤル344を使用して電流を調整することによって変化または変更することができる。
【0085】
強度調整回路129は、可変供給電圧を制御するようにさらに構成され、プローブ刺激生成器回路101のアクティブ化時に可変供給電圧を所定の開始電圧に設定することを含む。所定の開始電圧は、一般に、患者による最初の疼痛を伴う反応(または「ザッピング」)を回避するために選択される低電圧である。プローブ103、105と身体との間に最初の接触が生じた後、所定の開始電圧は、各個々のカスタム用途によって必要とされる可変治療電圧に変更される。したがって、プローブ刺激生成器回路101のアクティブ化後、所定の開始電圧は、治療が進行するにつれて、治療電圧まで引き続き増加され、治療の過程にわたって変化し得る。電流の増加は、手動(プローブ強度ダイヤル234を介してなど)または自動で達成される。
【0086】
図4を参照すると、例示的なパルス形成回路400は、プローブ103および105に対して、プローブ刺激生成器回路101に含まれ得る高電圧を分離する。パルス形成回路400は、低電圧制御回路から高電圧を分離して、リンギングのないより良いパルス形状を有するよりクリーンな波形を生成する。結果として生じる単極波形出力は、一方向のイオン流を促進し、より良好な正味効果を生成する。パルス形成回路400は、高電圧発生器402、高電圧出力回路404、および低電圧出力制御回路406を含む。
【0087】
高電圧発生器402は、昇圧変圧器410、一組のMOSFET412および414、ならびにDフリップフロップ416を含む。センタタップ入力418は、電源回路121などのDC電圧源に結合された制御MOSFET420に結合されている。クロック周波数が高いほど、より小さなトランスを使用することを可能にする。高電圧発生器402からの出力電圧は、制御MOSFET420に結合されたセンタタップ電圧および変圧器巻線の巻数比(一次巻数対二次巻数)の関数である。
【0088】
低電圧出力制御回路は、インバータ444、ANDゲート446および448、ならびに出力MOSFET450および452を含む。ANDゲート446および448の他方の入力は、制御入力442からのパルス幅変調制御信号によって駆動される。パルス幅制御信号は、出力パルスが、それが適用されるどの周波数で、どれくらいの長さであるかを計る。電気出力仕様は、処理ユニットのパラメータを参照して上記のとおりである。加えて、患者治療ユニット100および他の任意選択の機能の例示的な出力波形は、2018年10月2日に発行された「Apparatus And Method For Treatment Of Pain With Body Impedance Analyzer」と題する米国特許第10,085,670号に示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
図5A~
図5Cを参照すると、方法は、患者治療ユニット100を使用して疼痛を低減または除去することを対象とする。
図5Aに示されるように、患者治療ユニットは、最初にステップ500で準備される。ステップ502において、デバイスが電源オンされ、周波数帯域が選択され、一次プローブ上の強度ホイールがオフ状態にあることを確認する。ステップ504において、患者が、疼痛の部位および重症度を特徴付ける。患者の入力に応答して、ステップ506において、感度が適切な設定に設定され、プローブが治療部位に配置され、ベースライン較正が調整される。ステップ508において、7の伝導性レベル読み取り値が達成されない場合、ステップ510において、感度が調整され、7の伝導性レベル読み取り値が達成される。
【0090】
図5Bを参照すると、7の伝導性レベル読み取り値が達成された場合、方法は、ステップ512において、一次プローブ上の強度ホイールを回転させてオンにすることによって「1B」に進む。これは、治療モードが有効になっていることを意味する。ステップ514において、方法は、一次プローブの強度ホイールを回転させて、電流の強度を増加、さもなければ調整し続ける。ステップ516において、患者が強度が強すぎないことを示した場合、ステップ518において、患部が3分間治療される。ステップ516において、患者が強度が強すぎることを示した場合、ステップ528において、患者が快適になるまで電流の強度が減少される。ステップ520において、強度ホイールは、それがクロックオフするまで、一次プローブ上で回転される。治療モードがここでオフになり、測定モードがここで有効になる。
【0091】
ステップ522において、測定された伝導性レベル読み取り値が以前より3ライト高くない場合、ステップ526において、同じ部位が、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力でさらに1分間治療される。一次プローブ上の強度ホイールを、それが止まるまで回転させて、測定モードを再び有効にする。ステップ522において、伝導性レベル読み取り値が、それが以前より3ライト高くないことを依然として示している場合、ステップ526において、同じ部位が再び治療される。ステップ522において、伝導性レベル読み取り値が以前より3ライト高い場合、ステップ524において、患者が疼痛が著しく少ないことを示しているかどうかの判定が行われる。答えが「いいえ」である場合、ステップ526において、同じ部位の治療が再び1分間治療される。答えが「はい」である場合、方法は、(
図5Cに示されるように)継続して、患者の症状について別の治療部位があるかどうかを判定する。
【0092】
図5Cを参照すると、ステップ530において、患者の症状について別の治療部位があるかどうかの判定が行われる。答えが「はい」である場合、ステップ536において、一次プローブおよび二次プローブを次の治療部位に移動し、この方法は、一般に、
図5Bの要素Zを参照して上記で図示および説明されたステップを繰り返す。患者の症状について他の治療部位がない場合、ステップ532において、(適切な場合)移動しているときに患者の疼痛がチェックされる。患者が実質的に疼痛を有していない場合、ステップ540において、治療が停止される。患者が実質的に疼痛を有しているが、ステップ538において判定されるときに、患者が追加の治療の利益を受けないであろうと判定される場合、治療は中止される。患者が実質的に疼痛を有し、ステップ538において決定されるときに、患者が追加の治療から利益を得るであろうと判定される場合、方法は、別の治療部位に対してステップ536に進み、方法は、一般に、
図5Bの要素Zを参照して、上記で図示および説明されたステップを繰り返す。
【0093】
上述のように、本明細書に開示される治療法は、切創、穿刺、および潰瘍などの慢性創傷、糖尿病性創傷、非治癒性手術創傷、および穿刺創傷を含む、創傷を治療するために適用することができる。これらの療法は、陰圧閉鎖療法(NPWT)、圧迫包帯、および/または局所薬剤と組み合わせることができる。本明細書の方法および治療デバイスは、糖尿病性足部潰瘍、褥瘡、および静脈うっ血性潰瘍を治療するために使用されてきた。長年わたって慢性痛を患っていた1人の慢性創傷患者は、長年わたる非治癒に耐えた後、本明細書に開示される治療法を使用して数週間以内に治癒した。
【0094】
治療例
例示的な治療によれば、2つのプローブは、人の背格好に応じて約1~2インチ離して保持(「held」)および保持(「kept」)され、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で身体上に維持される。プローブは、インラインで互いに隣接して保持され、圧力を動作導体圧力範囲内に維持しながら、特定の治療領域に沿って時々一斉に上下に移動させる。例えば、治療が腱に向けられている場合、プローブは腱と一直線に保持され、腱の線に沿って一斉に真っ直ぐ上下に移動される。プローブは腱の縁部に沿って並んでおり、縁部間に電流が適用される。
【0095】
特定の腱の実施例によれば、膝蓋骨の下にある腱は、プローブが約3~4分間一斉に上下に移動されるときに、それぞれの腱の縁部に対して各プローブについて同じ等距離が維持されるように追従され、プローブは互いに一直線上にある。腱の繊維に沿って(横切ってではなく)上下に連続的にゆっくりと移動することは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内にプローブ上の圧力を維持しながら、腱に沿ってまたは腱を横切って左右に移動するよりも大きな結果を示した。
【0096】
別の特定の腱の実施例によれば、足関節のアキレス腱は、一般に、膝関節の膝蓋腱よりも小さい。したがって、2つのプローブを上記の実施例のように配置決めすることはできない。アキレス腱の場合、プローブは互いに約1~2インチ離れて垂直方向に(例えば、皮膚の表面から約90度または直交して)配置される。次いで、それらは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で3~4分間、腱の全長に沿ってゆっくりと移動される。この技法は、長腓骨筋腱(腓骨筋としても知られてる)および後脛骨筋腱に沿った疼痛を治療するのにも効果的である。これらの腱は両方とも非常に小さく、したがって、プローブを垂直に配置することにより、治療を通して腱の一定の接触を可能にする。場合によっては、これらの腱のいずれか1つに沿って1つの有意な疼痛の領域が存在し得る。この小さな領域は、二次プローブをそれから約1インチ離れて静止状態に保持し、次いで、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で約1~2分間、一次プローブをこの小さな領域の上方/下方および内側/外側に直接移動させることによって対処することができる。
【0097】
別の治療例によれば、腰椎の治療領域(例えば、L4/L5またはS1/S2)は、坐骨神経痛に関連する。プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で脊椎で静止状態に保持され、脊椎の筋肉を下って梨状筋内に一斉に移動される。脊椎からの神経は、同じ神経線からエネルギーを与えられ、神経を再起動する。したがって、治療は、神経を覚醒させ、筋肉の治療を通じてそれを再起動する。
【0098】
さらに別の治療例によれば、治療領域は肘であり、治療は尺骨神経絞扼または尺骨炎に向けられる。肘の内側の神経に溝が形成され、手の第3指、第4指、および第5指の半分に麻痺を伴う。プローブは、尺骨神経が位置する部位に採用およびガリー化される。プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で約1分間ガリー内に保持され、その後、手首または指に向かって下降する。手根管に関連する疼痛を治療する場合にも、同様のアプローチが適用される。
【0099】
一般的に、治療は、治療される特定の部分に基づいてカスタマイズされる。例えば、上記のように、神経(ギターの弦と同じように機能する)の治療は、筋肉(柔軟性があり、より容易に感じることができる)の治療とは異なる。神経を治療するとき、プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内でプローブ上の圧力を維持しながら、根管上および神経の真上を移動される。加えて、靭帯の治療が、プローブのより小さいまたはより微細な移動を要求する一方で、筋肉または神経の治療は、より大きいまたは全体的な移動を要求する。治療中、皮膚は白くなり、次いで血液循環の流入に基づいて赤くなる。一実施例によれば、治療は、血流がどこを流れているかを見るために、硬貨の円錐から覗いたような領域に焦点を合わせる。
【0100】
上記の治療例は、典型的には、静止パッドを1箇所に5~30分間配置し、その後静止パッドを除去して治療を終了する、従来の治療方法とはまったく対照的である。これらのパッドはまた、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内で皮膚に圧力を提供しない。
【0101】
別の治療例によれば、プローブを心臓に向かって移動させることによって炎症が治療される。例えば、膝の炎症を治療する場合、患者の脚が持ち上げられ、プローブが膝関節の周りに配置される。プローブのゆっくりとした連続的な移動は、炎症(または腫脹)が位置する場所より下で開始する。プローブは膝関節のいずれかの側に配置され、患者の股関節に向かって(心臓に向かって)上方に移動される。移動はゆっくりで、関節の周りに細心の注意を要する。プローブ間の間隔は、約1~1.5インチ離れて保持される。
【0102】
治療される身体部分に対するプローブの迎え角または位置決めは関連性があり、治療されている身体部分のタイプに基づいて変化する。例えば、関節を治療する場合、プローブを垂直に配置決めすることは有益である。具体的な実施例として、移動が指、膝関節、股関節、または股関節の周囲である場合、プローブはそれぞれの関節に対して垂直に、プローブと関節の間の実際に良好な接触を伴って位置決めされる。そうでなければ、プローブが治療される関節に対して垂直配向から離れるように角度付けられる場合、電流の集中が最小限に抑えられる。同様の垂直性が、治療が神経を含む場合に有益である。
【0103】
筋肉を治療する場合、プローブは、治療中される筋肉に対して45度に近い角度にされる。プローブの移動は、筋肉の周囲を回り、筋肉のすべての角度を捕捉して筋肉のトリガ点を治療する。
【0104】
プローブを通してエネルギーが適用されている間にプローブによって適用される圧力は、皮膚の圧痕が一般に達成されるように、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内である必要がある。プローブの先端部が小さく丸みを帯びた半球であることに留意して、適用される圧力は確実に強くなければならず、患者はそれを感じる必要があるが、それによって疼痛を感じることはない。トリガ点に到達すると、(例えば、股関節または梨状筋において)より多くの圧力が適用される。しかしながら、移動が靭帯または一般的に骨領域上にある場合は、不快感を回避または低減するために、より少ない圧力が適用される。
【0105】
典型的には、プローブ間に適用される電流は、問題のある領域を横切って(問題のある領域を沿ってではなく)移動される。例えば、慢性的な首または背中の疼痛(例えば、狭窄または関節炎)を治療する場合、プローブは脊椎の両側に位置決めされ、1~2分間、異なるレベルでパターンを保持する。別の実施例では、プローブは肩上または臀部上で前後に移動される。対照的に、膝関節を治療する場合、移動は膝関節の側部に沿って行われ、膝関節の前部および後部を別々に治療する。
【0106】
治療結果は、神経、腱、および筋肉が身体症状における大幅な改善(例えば、坐骨神経痛に関連する疼痛の低減)を示すことを示している。驚くべき有益な結果が、例えば、高齢患者の坐骨神経痛の治療において達成される。他の驚くべき有益な結果が、足首の治療に関連し、必要な治療の大幅な低減を示しており、例えば、従来の方法で15回の治療を必要とした患者は、現在、本明細書に開示される治療ユニットおよび方法で3~8回の治療しか必要としない。さらに他の驚くべき有益な結果が、神経、腱、および筋肉の治療に関連する。腱治療は、特に、「すごい」成果を提供している。腱の治療後、一部の患者は事前に予定された手術をキャンセルしている。このように、腱の治療は極めて効果的である。
【0107】
解剖学的構造とその解剖学的構造のニュアンスを知ることは、特定の身体部分を治療するときにプローブの適切な移動を提供するのに有用である。上記のように、プローブの移動は、治療される部分に有益であり、カスタマイズされる特定の方法で行われる場合に有用である。したがって、特定の症状および患者に対する正確な個々の治療は、独立して移動可能なプローブを使用して適切な移動が行われる場合に有益である。特定の用途では、静止技法は、個別に、または移動技法と併せて機能し得る。
【0108】
ヒトの患者に関するケーススタディ
電気的特性が各患者で同じであるいくつかの特定の患者の治療が以下に記載される。すべての患者が、20,000ヘルツのDCパルス電流を使用して、各患者に最大強度で治療された。すべての患者は、治療中、覚醒しており、目覚めており、鎮静されておらず、座位または腹臥位であった。これらの非薬物、非オピオイド治療のいずれかの間に、鎮痛剤などの他の疼痛緩和または意識状態変更療法は使用されなかった。プローブ圧力は、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内であった。結果は、以前の方法の結果と比較して大幅な改善であり、例えば、(a)より多くの患者が疼痛緩和を獲得し、(b)より多くの疼痛緩和が各患者によって達成されている。全体として、患者はそれぞれ平均して3.6回の治療を行い、各治療は単回治療ごとに平均72%の疼痛緩和を達成した。患者の99%は、治療の全過程にわたって70%以上の疼痛緩和を達成した。これらの結果は、上記の臨床研究と比較した場合に大幅な改善であり、ここで、患者がそれぞれ平均して7.8回の治療を行い、各治療が各単回治療について平均52%の疼痛緩和を達成し、41%が治療の全過程にわたって70%以上の疼痛緩和を達成した。このように、以下のデータは、本発明の治療法の結果が、以前の治療法を超える大きな改善であり、必要とされる治療の数が半分に低減されることを示している。加えて、各治療に必要な時間は、平均で約30~50%減少した。以下の頭文字は、以下の治療が行われた別個の実際のヒトの患者を指している。多くの他の実際のヒトの患者が試験されたが、これらの実際の治療は、異なる患者の愁訴を治療し、結果として異なる療法の改善と利益をもたらした、異なる治療法の例として以下に要約される。
【0109】
LS-この患者はRアキレス腱炎を患っていた。患者LSは、医師の診察を受け、腱の外科的創面切除を受ける予定であった。この患者の場合、プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内に皮膚に対するプローブ圧力を維持しながら、踵骨の挿入部位に4分間保持された。次いで、プローブは、腱に沿って上方に移動され、先端部を腱に垂直に保持した。プローブは、腱を2分間ゆっくりと上方に移動された。次いで、最も膨潤した圧痛箇所が位置した。二次プローブが静止状態に保持され、一次プローブが、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で腱に沿って上下に移動された。一次プローブを左右に移動させて、腱を横切る交差摩擦運動を提供した。治療された最後の箇所は、腓腹筋への腱画であった。この箇所は、本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で4分間この箇所に保持された。この患者は7回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで9であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛の低減、これは従来のアプローチでは達成できなかった。
【0110】
JH-この患者は側膝痛を有し、しゃがむのが苦痛であった。外側広筋にトリガ点が見出され、プローブは本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で2分間保持された。次いで、プローブが左右に配置され、外側広筋に沿って、起点から腱画までの筋肉の全長に沿ってゆっくりとプローブを機能させた。この患者は4回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで5であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0111】
MM-この患者は長腓骨筋腱炎およびアキレス腱炎を患っていた。治療は長腓骨筋の起点で開始され、プローブは本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で2分間保持された。次いで、プローブが並べられ、長腓骨筋および短腓骨筋の全長に沿って移動された。プローブは、本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で4分間ゆっくりと移動された。外果に達したときに、二次プローブは静止状態のまま、一次プローブが移動された。この技法は、第5中足骨の腱画までずっと使用された。この患者は2回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで6であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0112】
JOH-この患者は、前日ランニング中にシンスプリントを急性発症した。トリガ点は後脛骨筋に見出され、プローブは本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で2分間この箇所に保持された。プローブは、本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で、合計4分間、後脛骨腱の全長にわたって足のアーチまで下方にゆっくりと移動された。この患者は2回の治療を受けた。治療を開始する前、疼痛は0~10のスケールで8であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0113】
BM-これは術後膝関節再建患者であった。彼は、顕著な膝痛および腫脹を患っていた。プローブの先端部は脚に対して垂直に保持され、ふくらはぎで開始され、プローブを心臓に向かってゆっくりと移動させ、プローブ上の圧力を本明細書に開示される動作導体圧力範囲内に維持しながら、プローブを左右に約1.5インチ離して保持した。これは、膝全体を動かしながら、約4分間行われた。次いで、プローブは、腓腹筋の上部および内側および外側大腿顆の近くの膝関節(後部)の上に保持された。この患者は11回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで9であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0114】
MG-これはR坐骨神経痛に罹患した患者であった。L3/L4/L5/S1の右側を治療した。次いで、L4/L5をトレースし、プローブをゆっくりと中殿筋のトリガ点まで移動させ、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間そこに保持した。次いで、プローブはL4/L5/S1に戻され、次いでゆっくりと梨状筋に移動された。プローブは梨状筋トリガ点で2分間保持された後、坐骨結節までゆっくりと下方に移動された。プローブはそこに2分間保持され、次いで本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間内側および外側に2分間移動された。次いで、プローブはゆっくりと(合計2分)ハムストリングを下方に移動され、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間、大腿二頭筋のトリガ点上に保持された。この患者は6回の治療を受けた。治療を開始する前、疼痛は0~10のスケールで8であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0115】
EB-この患者は、短母指伸筋および長母指外転筋腱に沿って拇指痛を患っていた。二次プローブが静止して保持され、一次プローブが、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で、それぞれ2分間、これらの腱に沿って移動された。腱が、腱に沿って両方のプローブを作動させるには小さすぎる。プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で、CMC関節および手首関節において2分間静止状態に保持された。患者は1回の治療のみ受けた。治療を開始する前、患者は0~10のスケールで6の疼痛を有し(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終わったとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0116】
OH-この患者は、腓骨筋腱に沿った疼痛とふくらはぎの疼痛を有するサッカー選手であった。トリガ点は、長腓骨筋および短腓骨筋に見出された。プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で、それぞれ2分間、そこに保持された。次いで、プローブが腓骨筋腱に沿って並べられ、外果の周囲の全長に沿って、移動させて、第5中足骨の基部の腱画まで移動された。この移動は合計4分間であった。この患者は2回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで6であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0117】
JW-この男性患者は、R股関節屈筋挫傷を患っていた。これは、大学のセミプロサッカー選手であった。治療は、R ASISで開始され、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間そこに保持された。大腿直筋のトリガ点が見出され、患者の脚が治療台の側面上にそっと伸ばされた。次いで、プローブが左右に並べられ、膝までゆっくりと下方に移動された。これは縫工筋と腱上でも行われたが、ここでは、患者は膝を曲げ、腰を外側に回転させた。この患者は1回の治療を受けた。治療を開始する前は、疼痛は0~10のスケールで5であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛はゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0118】
JW-この女性患者は40歳のランナーであり、9か月間疼痛を有し、2人のカイロプラクターに通っていた。彼女は走ることができなかったが、マラソンの訓練を試みていた。患者は、左臀部に疼痛を患っていた。治療は、L5で開始され、プローブは、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間そこで保持された。次いで、プローブはS1に2分間移動され、次いでS2に2分間移動された。S2から、プローブは梨状筋に沿って仙骨から大腿骨の大転子までゆっくりと移動された。プローブは約4分間ゆっくりと移動された。トリガ点は梨状筋に見出され、本明細書に開示された動作導体圧力範囲内の圧力で2分間そこに保持された。この患者は、1回の治療を受けた。治療を開始する前、疼痛は、0~10のスケールで8であり(0は、疼痛がなく、10は、最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛は、ゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0119】
JB-この患者は、頸部神経根症を患っていた。症候は、C7神経根障害の症状であった。患者は、上腕および手首の後ろに疼痛、腕の後ろおよび右手の中指にしびれおよび刺痛を感じていた。プローブは、C5/C6/C7/C8でそれぞれ2分間保持された。次いで、プローブは、C6およびC7のいずれかの側にそれぞれ1分間配置された。プローブは、C6から首を下ってUTまでゆっくりと移動され、2分間保持され、次いで肩甲挙筋に移動され、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力で2分間保持された。次いで、プローブは、ゆっくりと棘下筋へ、三角筋を下って三頭筋へ、最後に手首伸筋へ移動された。この治療には、約8分要した。この患者は、5回の治療を受けた。治療を開始する前、疼痛は、0~10のスケールで9であり(0は、疼痛がなく、10は、最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛は、ゼロであった。100%の疼痛低減である。
【0120】
FB-この患者は、L4/L5の症候を伴う根性腰痛症を患っていた。プローブは、これらのレベルで脊椎の右側に2分間プローブを保持し、次いで、本明細書に開示される動作導体圧力範囲内の圧力でいずれかの側に1分間保持された。症候は、臀部および脚部にも感じられた。プローブは、移動されて、脊髄分節から中殿筋、梨状筋、ハムストリング、そして腓骨筋までトレースした。治療には約10分要した。プローブ上の圧力が本明細書に開示される動作導体圧力範囲内に維持されている間、移動はゆっくりであった。この患者は1回の治療を受けた。治療を開始する前、疼痛は0~10のスケールで10であり(0は疼痛がなく、10は最高レベルの疼痛である)、治療が終了したとき、疼痛は2であった。80%の疼痛低減である。
【0121】
本開示の種々の実施形態が上に記載されてきたが、それらは、例として提示されたものであり、限定ではないことを理解されたい。開示された実施形態に対する多数の変更は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に従ってなされ得る。したがって、本開示の広さおよび範囲は、上記の実施形態のいずれによっても制限されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物に従って定義されるべきである。
【0122】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、「含んでいる(including)」、「含む(include)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「備える(with)」、またはそれらの変形が、詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」と同様に包括的であることが意図される。
【0123】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されるものなどの用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的にそのように定義されていない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【国際調査報告】