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特表2022-537950物品用の容器、関連するブランクおよび作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】物品用の容器、関連するブランクおよび作成方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/06 20060101AFI20220824BHJP
   B65D 3/02 20060101ALI20220824BHJP
   B65D 3/10 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B65D3/06 B
B65D3/02 B
B65D3/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574208
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2020055444
(87)【国際公開番号】W WO2020250143
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019000009009
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】パラディーソ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルカ
(57)【要約】
説明される物品用の容器(1)は、上端(2)および下端(20)と、第1の側壁(3)および第2の側壁(4)と、第1の底壁(51)と第2の底壁(52)とを備える底部(5)と、を備える。容器(1)は、第1の側壁(3)の内面(30)に固定され且つ下部当接エッジ(70)を備える第1の当接フラップ(7)を備える、底部を閉塞するための手段(7、8)と、上部当接エッジ(80)を備え且つ前記第2の底壁(52)に接続された第2の当接フラップ(8)と、を備える。第2の当接フラップ(8)は、その上部当接エッジ(80)と第1の当接フラップ(7)の下部当接エッジ(70)を当接するために、第1の側壁(3)の内面(30)に対して折り曲げられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品用の容器(1)であって、
互いに向かい合う上端(2)および下端(20)と、
互いに接続された第1の側壁(3)および第2の側壁(4)であって、各々が内面(30、40)および外面を有する第1の側壁(3)および第2の側壁(4)と、
前記容器(1)の前記下端(20)に配置され且つ前記第1の側壁(3)に接続された第1の底壁(51)と前記第2の側壁(4)に接続された第2の底壁(52)とを備える底部(5)であって、前記第1の底壁(51)および前記第2の底壁(52)が、前記第1の底壁(51)が前記容器(1)の内部容積を考慮して前記第2の底壁(52)よりも外側になるように、互いに重なり合っている、底部(5)と、
前記底部(5)とは反対側の上部開口部(6)と、を備え、
前記容器(1)は、
前記容器(1)の実質的に前記下端(20)で、前記第1の側壁(3)の前記内面(30)に固定された第1の当接フラップ(7)を備える、前記底部を閉塞するための手段(7、8)であって、前記第1の当接フラップ(7)が下部当接エッジ(70)を備える、手段(7、8)と、
上部当接エッジ(80)を備え且つ前記第2の底壁(52)に接続された第2の当接フラップ(8)であって、前記容器(1)の前記下端(20)において、その上部当接エッジ(80)と前記第1の当接フラップ(7)の前記下部当接エッジ(70)を当接するために、前記第1の側壁(3)の前記内面(30)に対して最後に部分的に折り曲げられている、第2の当接フラップ(8)と、を備える容器(1)。
【請求項2】
前記第1の底壁(51)は、前記第1の側壁(3)の近位の関連する第1の部分(510)に、前記第1の当接フラップ(7)の寸法に等しい寸法を持つ開口部(50)を有する、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記底部(5)、前記第1の底壁(3)および前記第2の底壁(4)、並びに前記底部閉塞手段(7、8)は、セルロースベースのシート材料でできており、前記第1の当接フラップ(7)は前記第1の側壁(3)の前記内面(30)に接着されている、請求項1または2に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記下端(20)は、閉ループプロファイルを有する端縁(21)を備え、前記底部(5)は、前記端縁(21)を超えて突出しないように、前記端縁(21)からゼロではない特定の距離に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の容器(1)を作成するためのブランク(1’)であって、
互いに接続され且つ前記容器(1)の前記第1の側壁(3)および前記第2の側壁(4)をそれぞれ規定するのに適した第1の側面パネル(3’)および第2の側面パネル(4’)と、
各々が周囲エッジ(21’)を備える第1の底部パネル(51’)と第2の底部パネル(52’)であって、それぞれ前記第1の側面パネル(3’)および前記第2の側面パネル(4’)に接続され且つ前記容器(1)の前記底部(5)を規定するために互いに重ね合わされるのに適した第1の底部パネル(51’)と第2の底部パネル(52’)と、を備え、
前記ブランク(1’)は、
前記第1の底部パネル(51’)の対応する第1の部分(510’)に設けられた、前記容器(1)の前記第1の当接フラップ(7)に等しい部分(7’)の範囲を定める優先的な裂け目線(50’)と、
前記第2の底部パネル(52’)に接続され且つ前記容器(1)の前記第2の当接フラップ(8)を規定することを目的とした、対応する周囲エッジ(21’)に対して突出するタブ(8’)と、を備える、ブランク(1’)。
【請求項6】
前記第1の底部パネル(51’)が前記第1の部分(510’)を残りの第2の部分(511’)から分離する長手方向の折り曲げ線(500’)を備え、前記第1の部分(510’)は、前記第2の部分(511’)に対して前記第1の側面パネル(3’)の近位にある、請求項5に記載のブランク(1’)。
【請求項7】
前記第1の側面パネル(3’)と前記第1の底部パネル(51’)との間および前記第2の側面パネル(4’)と前記第2の底部パネル(52’)との間にそれぞれ配置された第1の接続ストリップ(31’)および第2の接続ストリップ(41’)をさらに備える、請求項4に記載の容器(1)を製造するための請求項5または6に記載のブランク(1’)。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載のブランク(1’)から開始して、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器(1)を製造する方法であって、
a)少なくとも前記ブランク(1’)の前記第1の側面パネル(3’)または前記第2の側面パネル(4’)のエッジおよび前記容器(1)の前記第1の当接フラップ(7)を規定することを意図した前記第1の底部パネル(51’)の前記部分(7’)に接着剤を塗布するステップと、続けて、
b)前記第1の側面パネル(3’)および前記第2の側面パネル(4’)の前記内面(30’、40’)上に前記第1の底部パネル(51’)および前記第2の底部パネル(52’)をそれぞれ折り曲げるステップと、
c)前記第1の側壁(3’)の前記内面(30’)上に前記第1の部分(510’)を保持しながら前記第1の底部パネル(51’)の第2の部分(511’)を外側に折り曲げるステップと、続けて、
d)前記第1の底部パネル(51’)の折り曲げられた前記第2の部分(511’)に接着剤を塗布するステップと、
e)前記第1の底部パネル(51’)の前記第2の部分(511’)と前記第2の底部パネル(52’)とが重なるように、前記第2の側面パネル(4’)と前記第2の底部パネル(52’)とを前記第1の側面パネル(3’)上に折り曲げるステップと、続けて、
f)前記部分(7’)が前記第1の底部パネル(51’)から分離され且つ前記第1の側面パネル(3’)の前記内面(30’)に結合されるように、および前記第2の底部パネル(52’)の前記タブ(8’)が前記第1の側面パネル(3’)の前記内面(30’)に対して折り曲げられて前記部分(7’)に当接するように、前記第2の底部パネル(52’)および前記第1の底部パネル(51’)を前記容器(1)の外側に向かって押して前記容器(1)を成形するステップと、を含む方法。
【請求項9】
請求項7に記載のブランク(1’)から出発して、請求項4に記載の容器(1)を製造するための請求項8に記載の方法はさらに、
g)前記第1の接続ストリップ(31’)と前記第2の接続ストリップ(32’)に接着剤を塗布するステップと、
h)前記第1の底部パネル(51’)および前記第2の底部パネル(52’)と一緒に前記第1の側壁(3’)および前記第2の側壁(4’)の前記内面(30’、40’)上にそれぞれ前記第1の接続ストリップ(31’)および前記第2の接続ストリップ(32’)も折り曲げるステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に板紙またはいずれの場合もセルロースベースの材料で作られたブランクから得られる物品用の容器の技術分野に含まれる。より詳細には、本発明は、物品用の容器、関連するブランク、および容器を作成するための方法に関する。
【0002】
この種の容器は、様々な種類の物品を収容するために様々な分野(化粧品、食品など)で使用される。
【背景技術】
【0003】
この種の容器は通常、側壁、底部、および底部の反対側にある上部開口部であって、側壁に接続された閉鎖フラップまたは蓋によって閉じることができる上部開口部を持つ。
【0004】
特許文書GB2451281は、請求項1のプリアンブルに記載の物品用の容器を説明している。
【0005】
一般にこの種の容器は、展開の長手方向軸および実質的に円錐台の断面または円形あるいは楕円形の断面を持ち、実質的に円錐台の断面は、より小さいベースと、底部を構成する円錐台と、開口部を構成するより大きなベースと、を有する。
【0006】
この種の容器は、ほとんどの場合において板紙でできているブランクを折り曲げて接着することによって得られる。より詳細には、折り曲げられて接着される部分は通常、容器の内部空間を規定するために一緒に結合される側壁および容器が形成された後に堅く閉じたままでなければならない底部である。
【0007】
この目的のために、底部は2つのパネルで構成されており、容器が完成すると、2つのパネルは互いに重ね合わされる。2つのパネルは、それらが容器の展開軸に対して直角に配置される動作構成において、容器の側壁間の干渉によって固定される。したがって、容器が作成された後、関連する動作構成での底部パネルの安定性は、容器の形状を維持するために不可欠である。
【0008】
しかしながら、底部が受ける望ましくない衝撃または圧力は、それがたとえ最小限であっても、底部を構成するパネルが動作構成に対して関連する構成を変更することにつながり、容器の「平坦化」を引き起こし、それ自体の上に崩れ、それにより、容器に与えられた形状が失われる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、上記の欠点を克服することである。
【0010】
この目的は、添付の特許請求の範囲に記載の物品用の容器、ブランク、および物品を作成するための方法を提供することによって達成される。
【0011】
有利なことに、本発明は、一旦形成された容器の安定性を保証し、特に底部の安定性が保証され、底部に偶発的に加えられた衝撃または応力がある場合でさえ、容器の形状が時間の経過とともに維持されることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これらおよび他の利点は、添付の図面を参照して、以下の説明でより明白である。
図1】本発明による物品用の容器の上から見た斜視図である。
図2図1の容器の上から見た平面図である。
図3図1の容器の下から見た平面図である。
図4】本発明によるブランクの変形実施形態である。
図5】本発明によるブランクの変形実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から図3を参照すると、数字1は、本発明による容器を示す。
【0014】
本発明による容器1は、様々な種類の物品または製品を収容するために様々な分野(化粧品、食品など)で使用され得る。
【0015】
好ましい実施形態では、容器1は展開の長手方向軸を有し、容器1は互いに対向する上端2および下端20を備える(図1を参照)。
【0016】
本発明による容器1は、互いに接続された第1の側壁3および第2の側壁4であって、各々が内面30、40および(互いに向き合う)外面を有する第1の側壁3および第2の側壁4と、容器1の下端20に配置された底部5と、を備える。
【0017】
底部5は、第1の側壁3に接続された第1の底壁51と、第2の側壁4に接続された第2の底壁52とを備える。好ましくは、第1の底壁51は、第1の側壁3と一体的に形成されており、第2の底壁52は、第2の側壁4と一体的に形成されている。
【0018】
第1の底壁51と第2の底壁52は互いに重ね合わされており、第1の底壁51は、容器1の内部空間を基準にして最も外側にある(特に図3を参照)。
【0019】
容器1はまた、容器1内に物品/製品を導入することを可能にするために、容器1の上端2に、底部5の反対側にある上部開口部6(図1および2に示される)を備える。
【0020】
より詳細には、本発明による容器1は、底部閉塞(ブロッキング)手段7、8(図1および2を参照)をさらに備え、底部閉塞手段7、8は、第1の側壁3の内面30に固定された第1の当接フラップ7を備える。第1の当接フラップは、容器1の下端20に実質的に固定されてもよい。これは、第1の当接フラップが容器1の下端20に近位であり、容器1の上端2に遠位であることを意味する。
【0021】
第1の当接フラップ7は、下部当接エッジ70を備える。
【0022】
さらに、底部閉塞手段7、8は、第2の底壁52に接続され且つ上部当接エッジ80を備える第2の当接フラップ8を備える。詳細には、第2の当接フラップ8は、上部当接エッジ80を第1の当接フラップの下部当接エッジ70と当接するために、容器1の下端20で、第1の側壁3の内面30に対して折り曲げられている。好ましくは、第2の当接フラップ8は、第2の底壁52と一体的に形成されている。
【0023】
有利なことに、このように構成された底部閉塞手段7、8は、従来技術の容器とは異なり、底部5に望ましくない応力または圧力が生じた場合でも容器1がその形状を維持することを保証する。特に、第1の当接フラップ7および第2の当接フラップ8は、第1の側壁3の内面30に対して折り畳まれた第2の当接フラップ8が上部当接エッジ80で第1の当接フラップ7の下部当接エッジ70に対して当接するように、互いに準備される。このようにして、第2の当接フラップ8は、第1の当接フラップ7の下部当接エッジ70によってブロックされ、したがって、応力がある場合でもその位置に固定されたままである。その結果、容器1の底部5全体がその構成を安定的に維持する。それに対して、上記のように準備された第1の当接フラップ7および第2の当接フラップ8がない場合には、底部5の望ましくない応力は動きをもたらし、従来技術で起こったように、底部の周りに配置された側壁の「崩壊」およびそれ自体上の容器の平坦化(すなわち、互いの側壁の平坦化)を必然的に引き起こすことになる。「容器の安定した構成」という用語は、底部が容器の展開軸に対して実質的に直角である動作構成を意味する。
【0024】
容器1は、その好ましい実施形態では、実質的に円錐台の断面を有し、円錐台の小さい方のベースが底部5を形成し、円錐台の大きい方のベースが上部開口部6を形成し、上部開口部6は必要に応じて蓋または別の閉鎖要素(状況は示されていない)によって閉じられる。しかしながら、他の任意の形状が容器1に提供され得ることは明らかであり、例えば、開口部および底部は同一の形状およびサイズを有し得る。
【0025】
好ましくは、第1の底壁51および第2の底壁52は、それらのエッジに塗布された接着剤によって(部分的に)互いに接続されている。
【0026】
図示の実施形態では、第1の底壁51は、第1の側壁3の近位である第1の関連部分510において、好ましくは第1の当接フラップ7の寸法と等しい寸法を有する開口部50(すなわち、材料がない)を有する(詳細は図3を参照)。開口部50の寸法はまた、第1の当接フラップ7の寸法よりも大きくてもよいことは明らかである。開口部50は、明らかに、容器1が形成された場合に、第2の底壁52によって閉塞されているので、貫通開口部ではない。以下でより詳細に説明するように、開口部50はまた、容器1が底部5に廃棄物を提供するかどうかに応じて、第1の当接フラップ7よりも大きくてもよい。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、底部5、第1の側壁3および第2の側壁4、並びに底部閉塞手段7、8は、セルロースベースのシート材料(好ましくは板紙)でできている。さらに、第1の当接フラップ7は、好ましくは、第1の側壁3の内面30に接着されている。
【0028】
図示の好ましい実施形態を参照すると、容器1の下端20は、閉プロファイル、すなわち、閉ループプロファイル(ただし、その形状は必ずしもリング形状である必要はない)を規定する端縁21(図3に示される)を有する。容器1の底部5は、上記端縁21に対して突出しないように、上記端縁21からゼロではない一定の距離に配置されている(図3参照)。換言すれば、容器1の底部5は、容器1の内部空間を基準にして、上記端縁21よりも内側にある。有利なことに、この特徴は、底部5が外部応力にさらされないので、底部5への望ましくない圧力または衝撃の可能性を低減する。
【0029】
本発明はさらに、上記の実施形態のいずれか1つに記載の物品用の容器1を作成するためのブランク1’(図4および5に示される)に関する。
【0030】
ブランク1’は第1の側面パネル3’および第2の側面パネル4’を備え、第1の側面パネル3’および第2の側面パネル4’は、互いに接続されており(特に互いに一体的に形成されており)、上記の容器1の第1の側壁3および第2の側壁4をそれぞれ規定するように設計されている。
【0031】
ブランク1’はまた、第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’を備え、第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’の各々は周囲エッジ501’、502’を備える。第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’は、それぞれ第1の側面パネル3’および第2の側面パネル4’に接続されており、上記の容器1の底部5を規定するために互いに重ね合わされるように設計されている。したがって、実質的に、ブランク1’の第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’は、それぞれ、上記の容器1の第1の底壁51および第2の底壁52に対応する。
【0032】
さらに、ブランク1’は、第1の底部パネル51’に設けられた優先的な裂け目線50’を備え、これは、容器1の底部閉塞手段7、8に関して説明された上記の第1の当接フラップ7に好ましくは等しい部分7’の範囲を定める(したがって、第1の当接フラップ7について述べられていることを参照する必要がある)。したがって、部分7’の寸法はまた、第1の当接フラップ7の寸法よりも大きくなり得ることは明らかである。
【0033】
言い換えれば、優先的な裂け目線50’によって範囲を定められる部分7’は、少なくとも部分的に、容器1の第1の当接フラップ7を規定するように設計されている。したがって、優先的な裂け目線50’は、第1の当接フラップ7を形成するべく第1の底部パネル51’の一部の分離を可能にするように設計されている。より詳細には、図面を参照して、優先的な裂け目線50’は、第1の側面パネル3’の近位にある第1の底部パネル51’の第1の部分510’に設けられている。
【0034】
ブランク1’はまた、第2の底部パネル52’に接続され且つ対応する周囲エッジ502’に対して突出し、容器1の上記の第2の当接フラップ8を規定するように設計されているタブ8’を備える(したがって、既に上で説明され且つ詳細については参照する必要がある第2の当接フラップ8と実質的に一致する)。
【0035】
換言すれば、第1の底部パネル51’の優先的な裂け目線50’および第2の底部パネル52’のタブ8’は、説明した容器1のための底部閉塞手段7、8を形成するように設計されている。特に、容器1の第1の当接フラップ7は、製造方法を参照してより詳細に説明されるように、第1の底部パネル51’の優先的な裂け目線50’によって範囲を定められる部分7’の分離によって規定される。
【0036】
有利には、本発明によるブランク1’は、最適な安定性を備えた底部5を有する上記の容器1を作製することを可能にし、したがって、容器1の最大の安定性を可能にする。
【0037】
第1の側面パネル3’および第2の側面パネル4’はそれぞれ、上記の容器1の端縁21を形成するように設計された下端21’を備える。
【0038】
好ましい実施形態によれば、ブランク1’は、第1の側面パネル3’と第1の底部パネル51’との間および第2の側面パネル4’と第2の底部パネル52’との間に(特に、第1の底部パネル51’と第1の側面パネル3’の端縁21’との間、および第2の底部パネル52’と第2の側面パネル4の端縁21’との間に)それぞれ配置された第1の接続ストリップ31’および第2の接続ストリップ41’をさらに備える。上記の説明を参照すると、ブランク1’を使用することにより、底部5が下端20の端縁21を超えて突出せず、それにより、望ましくない圧力または衝撃を回避する容器1を作製することが可能である。
【0039】
図4および5は、本発明によるブランク1’の2つの変形実施形態を示す。図4の変形実施形態では、優先的な裂け目線50’は、容器1の第1の当接フラップ7を形成するように設計された部分7’とその後除去される廃棄部分700’との両方の範囲を定める。この場合、好ましくは、廃棄部分700’の高さは、タブ8’の、すなわち、容器1の第2の当接フラップ8の高さと一致するか、またはそれよりも大きい。このようにして、容器1の安定性は、容器1が一旦形成されると保証される、すなわち、底部5が容器1の長手方向軸に対して実質的に直角である上記の動作構成が一旦形成されると保証される。
【0040】
一方、図5の変形例では、優先的な裂け目線50’は、容器1の第1の当接フラップ7に等しい寸法の部分7’の範囲のみを定める。換言すれば、この場合、図4の変形実施形態に存在する廃棄部分700’は存在しない。この場合、優先的な裂け目線50’と第2の底部パネル52’の遠位周囲エッジ502との間の距離は、タブ8’の、すなわち、容器1の第2の当接フラップ8の高さと一致する。このようにして、容器1の安定性は、容器1が一旦形成されると、すなわち、底部5が容器1の長手方向軸に対して実質的に直角である上記の動作構成が形成されると保証される。
【0041】
ブランク1’は、好ましくは、容器1の製造を容易にするために、複数の折り曲げ線500’、505’、506’を備える。添付の図面を参照すると、ブランク1’の第1の底部パネル51’は、上記の第1の部分510’を残りの第2の部分511’から分離する長手方向の折り曲げ線500’を備える。添付の図面において、長手方向の折り曲げ線500’は、第1の底部パネル51’を2つの等しい部分に、対応する第1の部分510’および第2の部分511’に分割する。添付の図面に示すように、優先的な裂け目線50’の一部は、上記の長手方向の折り曲げ線500’に沿って延びる。
【0042】
さらに、別の折り曲げ線505’が、第2の底部パネル52’とタブ8’との間に設けられ、容器1の形成中のタブ8’の折り曲げを容易にする。
【0043】
再び図4および5を参照すると、側面パネル3’、4’と対応する接続ストリップ31’、41’との間、および接続ストリップ31’、41’と対応する底部パネル51’、52’との間に、さらなる折り曲げ線506’が提供され、容器1の作成を促進する。
【0044】
好ましい実施形態によれば、第1の接続ストリップ31’および第2の接続ストリップ41’、第1の底部パネル51’の第2の部分511’および第1の底部パネル51’の部分7’、並びに側面パネル3’、4’の少なくとも一部は、以下の方法の説明でより明確にされるように、接着剤を受け入れるように設計されている。
【0045】
本発明はさらに、上記のタイプのブランク1’から開始して、上記の実施形態による容器1を作製するための方法に関する。
【0046】
この方法は、
a)少なくともブランク(1’)の第1の側面パネル(3’)または第2の側面パネル(4’)のエッジおよび容器(1)の第1の当接フラップ(7)を規定することを意図した第1の底部パネル(51’)の部分(7’)に接着剤を塗布するステップと、続けて、
b)第1の側面パネル3’および第2の側面パネル4’の内面30’、40’上にそれぞれ第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’を折り曲げるステップと、
c)第1の側壁3’の内面30’上に第1の部分510’を保持しながら第1の底部パネル51’の第2の部分511’を外側に折り曲げるステップと、続けて、
d)第1の底部パネル(51’)の折り曲げられた第2の部分511’に接着剤を塗布するステップと、
e)第1の底部パネル51’の第2の部分511’および第2の底部パネル52’が接触して重なるように、第1の側面パネル3’上に第2の側面パネル4’および第2の底部パネル52’を折り曲げるステップと、続けて、
f)第1の当接フラップ7に対応する部分7’が第1の底部パネル51’から切り離されて第1の側面パネル3’の内面30’に結合され、第2の底部パネル52’のタブ8’が第1のパネルの内面30’に対して折り曲げられて部分7’に当接するように(容器1について前述したように)、第2の底部パネル52’および第1の底部パネル51’を容器1の外側に向かって(すなわち、関連する下端20に向かって)押しながら容器1を成形するステップと、を含む。
【0047】
第1の側面パネル3’と第1の底部パネル51’との間および第2の側面パネル4’と第2の底部パネル52’との間にそれぞれ配置された第1の接続ストリップ31’および第2の接続ストリップ41’を備えるブランク1’の実施形態を参照すると、本発明による方法はまた、
g)第1の接続ストリップ31’および第2の接続ストリップ32’に接着剤を塗布するステップと、
h)第1の底部パネル51’および第2の底部パネル52’と一緒に第1の側壁3’および第2の側壁4’の内面30’、40’上にそれぞれ第1の接続ストリップ31’および第2の接続ストリップ32’も折り曲げるステップと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】GB2451281
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】