(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】流体製品の分注機を制御する方法
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20220824BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20220824BHJP
B05B 15/00 20180101ALI20220824BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B01J4/00 103
B05C11/00
B05B15/00
B05C11/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574922
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 IT2020050151
(87)【国際公開番号】W WO2020255178
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】102019000009267
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502294736
【氏名又は名称】コロブ ソシエタ ペル アチオニ
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】ベルガミーニ アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】メルクリオ ヴィットリオ
(72)【発明者】
【氏名】カーサリーニ ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン ジョアン サラ
(72)【発明者】
【氏名】デプヌー アルバン アール
【テーマコード(参考)】
4D073
4F042
4G068
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB03
4D073CA02
4D073CA04
4D073CA06
4F042AA09
4F042AB00
4F042BA12
4F042BA17
4F042CA01
4F042CB07
4F042CB27
4G068AA02
4G068AA06
4G068AB11
4G068AC17
4G068AD21
4G068AE05
4G068AF25
4G068AF28
4G068AF31
(57)【要約】
【課題】多様な調合物を信頼性が高く迅速安全かつ経済的に得る。
【解決手段】
複数の収容ユニット111とその収納ゾーン128と位置を特定する分注ゾーン115を備えた分注機において、プロセッサ164、調合データベースを有するデータ記憶手段162、入力装置163、及び表示装置159を含むコンピューティングデバイス161を利用して、分注サイクルで送出される流体製品を含む収容ユニットのサブアセンブリを制御する。収容ユニットの配置を決定し、選択された目標調合物のデータを受信し、収容ユニット111に含まれる流体製品を特定し、表示装置159に分注ゾーン15及び収納ゾーン28を有する前記分注機のレイアウトの図形的表現を表示し、収容ユニット111の決定された配置を反映し、プロセッサ164を介してサブアセンブリを強調表示する。必要な場合には1つ又は複数の収容ユニット111を収納ゾーン128から分注ゾーン115に変位させるガイダンスをユーザーに提供する。
【選択図】
図13A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(118)内に流体製品を供給するように構成された分注機を制御するための、コンピュータにより実行される分注制御方法であって、
前記分注機は、それぞれが流体製品を含む複数の収容ユニット(111)と、
前記収容ユニット(111)の1つ以上の収納ゾーン(128)と、位置を特定するために提供される1つの分注ゾーン(115)とを備え、
少なくとも1つのプロセッサ(164)、調合データベースを有するデータ記憶手段(162)、入力装置(163)、及び表示装置(159)を含むコンピューティングデバイス(161)を利用して、一時的かつ選択的に、分注サイクルで送出される流体製品を含む前記収容ユニット(111)のサブアセンブリを制御する制御方法であって、
前記分注ゾーン(115)及び前記収納ゾーン(128)における複数の前記収容ユニット(111)の配置を決定するステップと、
前記入力装置(163)又は前記表示装置(159)を介して、ユーザーによって選択された目標調合物のデータを受信し、前記プロセッサ(164)を介して、前記調合データベースから、前記目標調合物を得るために所定の量に従ってそれぞれが送出される、前記サブアセンブリのそれぞれの前記収容ユニット(111)に含まれる関連する複数の流体製品を特定するステップと、
前記表示装置(159)に、前記分注ゾーン(15)及び前記収納ゾーン(28)を有する前記分注機のレイアウトの図形的表現を行うステップであって、前記分注ゾーン(115)及び前記収納ゾーン(128)における複数の前記収容ユニット(111)の決定された配置をそれぞれ反映するステップと、
前記図形的表現において、前記プロセッサ(164)を介して選択された目標調合物が調合されるべき少なくとも前記収容ユニット(11)の前記サブアセンブリを、ユーザーによる識別を容易にするために、シグナリング手段によって強調表示し、
その結果、前記目標調合物の調合に必要な場合には、1つ又は複数の収容ユニット(111)を前記収納ゾーン(128)から前記分注ゾーン(115)に変位させ又はその逆に変位させるためのガイダンスをユーザーに提供するステップと、を含む、制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータにより実行される制御方法であって、前記シグナリング手段が、矢印又は感嘆符を含む線又は図形記号からなり、前記矢印又は感嘆符は、ダッシュ及び/又は色付き及び/又は点滅するドットによって形成され、
前記分注ゾーン(15)及び/又は前記収納ゾーン(28)に配置された、選択された前記目標調合物が調合されるべき前記収容ユニット(11)の前記サブアセンブリに構成された収容ユニット(11)の上方又は周囲に配置することができることを特徴とする コンピュータにより実行される制御方法。
【請求項3】
前記表示装置(159)に、前記収容ユニットの前記サブアセンブリに含まれるそれぞれの流体製品に一義的に関連付けられた、数値又は英数字のコード(E)のリストを、前記分注ゾーン(15)のレイアウトの図形的表現と任意に組み合わせて表示するステップを更に含み、
前記視覚的な強調表示は、ハイライト表示を含む、コンピュータにより実行される制御方法であって、
前記プロセッサ(164)を介して、前記コードのリスト(E)の1つ以上の行を特定の色で、場合によっては断続的に点滅させ、及び/又は、前記プロセッサ(164)を介して、前記分注ゾーン(15)のレイアウトの図形的表現においても、前記リストに示された流体製品に対応する対応する前記収容ユニット(11)を、前記シグナリング手段によって図形的に強調表示することを含み、
前記1つ又は複数の行及び前記収容ユニット(11)の前記視覚的な強調表示は、前記分注ゾーン(115)における前記流体製品からなる収容ユニット(11)の存在又は不在、あるいは前記収容ユニット(111)内に存在する流体製品の量が、選択された目標調合物を得るための分注サイクルを完了するのに十分ではないという事実を示すものである、請求項1又は2記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項4】
前記分注サイクルを開始する前に、前記分注ゾーン(115)に配置された収容ユニット(111)を、特に、どの収容ユニット(111)が前記分注ゾーン(115)に配置されているかを確認するために、前記収容ユニット(111)のそれぞれに関連付けられたコード、例えばバーコードを読み取るのに適した光学的検出手段によってスキャンするステップを更に含み、前記スキャンの結果を前記表示装置(159)に表示することを特徴とする、請求項3記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項5】
前記スキャンの結果を表示することが、前記コードのリストの行に、前記分注ゾーン(15)における対応する収容ユニット(11)の有無に関する情報を関連付け、及び/又は任意に、前記分注ゾーン(15)のレイアウトの図形的表現において、存在が確認された対応する収容ユニット(11)に線又はグラフィックシンボルを関連付けることを提供する、
請求項3及び4記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項6】
各収容ユニット(111)によって構成される既知の公称容量の容器(142)の内部に含まれる残留流体製品の量の記録を保持するステップと、
前記プロセッサ(164)を介して、分配サイクルの前に前記容器(142)に含まれていた量と、前記分配サイクルで送出された量との差として、前記収容ユニット(111)に構成される前記容器(142)に含まれる残留流体製品の量を計算するステップと、
を更に含む、請求項1乃至6のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項7】
更に、前記表示装置(159)において、分注機のレイアウトを図形的に表現した視覚的で、少なくとも前記サブアセンブリに構成された収容ユニット(11)のそれぞれについて、それぞれの容器(42)内の残留流体製品の量を表示することを含む、請求項6記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項8】
入力装置(163)を介して、前記容器(142)に収容されている残留流体製品の量の下限閾値を設定することと、任意に、前記分注機のレイアウトの前記図形的表現において、特に前記分注ゾーン(15)及び/又は前記収納ゾーン(28)の図形的表現において、前記下限閾値よりも少ない残留流体製品の量がある収容ユニット(11)を視覚的で強調表示することとを更に含む、請求項6又は7のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項9】
各分注サイクルの前に、入力装置(163)を介して、ユーザーが分注モードを選択するステップを更に含み、該分注モードは、前記目標調合物に記憶された製品のリストに提供された順序に従って、流体製品の順次分注を提供するモードから選択することができ、
又は、前記サブアセンブリの収容ユニット(11)が前記分注ゾーンに配置された順序に従って、又は、前記下限閾値よりも少ない残留流体製品の量がある収容ユニット(11)に含まれる分注すべき流体製品を最初又は最後に分注することを提供するモードから選択することができる請求項8記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項10】
前記分注機の収納ゾーン(28)及び/又は分注ゾーン(15)のレイアウトの表現における収容ユニット(11)の位置は、移動させる収容ユニット(111)を1つずつ選択し、新しい位置にドラッグすることによって変更可能であることを特徴とする、前記請求項1から3のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項11】
前記収納ゾーン(28)及び/又は前記分注機の分注ゾーン(15)のレイアウトの表現が、入力装置(163)を介して、収容ユニット(111)に構成された容器(142)の内部に収容された残留流体製品の量を手動で修正して、残留流体製品の量の、特に体積で表された新しい更新値を設定するための、ダイアログウィンドウなどの手段を備えることを特徴とする請求項7記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項12】
前記新しい更新された値は、ユーザーが前記分注機(100)に設けられたスケール(116)を使用して、一度に1つの収容ユニット(11)を計量し、前記収容ユニットの既知の風袋とその中に収容された流体製品の比重量を考慮することによって得られる、請求項11記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項13】
前記収容ユニット(111)のそれぞれについて、分注サイクルにおける最後の使用日を記憶するステップと、
前記プロセッサ(164)を介して、前記最後の使用日からの経過時間を、特に日又は週で表される所定の時間閾値と比較するステップと、
を更に含み、
前記比較により、前記最後の使用日からの経過時間が前記所定の時間閾値よりも長いことが明らかになった収容ユニット(111)を、前記収容ユニット(111)が前記分注ゾーン(115)に配置されている/配置されている場合に、その中に収容されている流体製品が送出される次の分注サイクルの前に、その中に収容されている流体製品の内部再循環動作に付すことを特徴とする、
請求項1乃至13のいずれかに記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項14】
前記シグナリング手段によって、
前記分注機のレイアウトの前記図形的表現において、特に前記分注ゾーン(15)及び/又は前記収納ゾーン(28)の図形的表現において、再循環されるべきユニットとして識別された収容ユニット(11)を図形的に強調表示するステップを更に含む、請求項13記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項15】
前記表示装置(159)が、前記分注機に関連するタッチスクリーン、又は前記分注機(100)に動作的に関連するがそれとは独立した、タブレット、ラップトップ、又はスマートフォンなどの、ユーザーがアクセス可能なリモート電子デバイスであることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項16】
前記分注ゾーン(15)に関連する1つ又は複数のLEDライトとして構成され、分注機の異なる動作ステップに応じて異なる色を仮定するのに適した視覚的信号手段によって、分注機から離れた位置にいる可能性のあるユーザーに、分注機の分注サイクルの状態について通知するステップを更に含む、
請求項1乃至15のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項17】
前記プロセッサ(164)を介して、ユーザーに提供された電子デバイス上のテキストメッセージ又は電子メール、又はユーザーが身につけているスマートウォッチ上のアラートによって、分注機の問題又は誤動作をユーザーに知らせるための警告信号を送信するステップを更に含む、請求項1乃至16のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項18】
各分注サイクルの前に、前記プロセッサ(164)を介して、コンピュータ装置と通信している存在センサによって、前記容器(118)が存在し正しく吐出装置に取り付けられているかどうかをチェックし、存在センサが容器(118)が存在しないか、正しく取り付けられていないことを検出した場合には、分注サイクルの開始を防止し、ユーザーに前記容器(118)が存在しないか、正しく取り付けられていないことを知らせるアラーム信号を送信するステップを更に含む請求項1乃至18のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項19】
前記入力装置(163)を介して、分注サイクルを制御する前記分注機(100)の1つ以上の動作パラメータを調整するステップを更に含み、
特に、流体製品の流れを駆動するポンピングユニット(145)による流体製品の吐出速度、及び/又は、前記容器(118)のための支持面(117)を備えたスケール(116)が配置されたスライダ(120)の並進速度、及び/又は、それぞれの収容ユニット(111)に収容された流体製品ごとに、場合によっては個別に許容される最大分注許容量を調整することを含む、請求項1乃至18のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項20】
前記プロセッサ(164)を介して、前記分注機(100)に受け入れられたすべての前記収容ユニット(111)に含まれる流体製品の決定された期間における消費を計算することを含む、前記分注機(100)内の前記収容ユニット(111)の配置を最適化するステップを更に含み、
消費量が最も多いものは、前記分注ゾーン(115)に隣接又は最も近い収納ゾーン(128)の領域に配置され、消費量が少ないものは、前記分注ゾーン(115)から遠く離れた前記収納ゾーン(128)の領域に配置されるという、前記収容ユニット(111)の最適化された配置を、前記表示装置(159)を介してユーザーに提案するために、最も多いものから少ないものへと降順に並べるステップを含む、請求項1乃至19のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される制御方法。
【請求項21】
容器(118)内に流体製品を送出するように構成された分注機であって、それぞれがそれぞれの流体製品を含む複数の収容ユニット(111)と、前記収容ユニット(111)の1つ以上の収納ゾーン(128)と、分注サイクルで送出される流体製品を含む前記収容ユニット(111)のサブアセンブリが一時的かつ選択的に配置される分注ゾーン(115)と、スケール(116)が配置されたスライダ(120)とを備える分注機。前記容器(118)のための支持面(117)を備え、前記スライダ(120)が前記スケール(116)及び前記容器(118)とともに前記収容ユニットのサブアセンブリの下方に移動できるように、長手方向(X)に平行にスライドするようにリニアガイド上で移動可能であることを特徴とすると共に、
前記分注機が、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の制御方法を実施するように構成されたプログラマブル制御ユニットと、操作者が前記分注機(100)の機能を制御し、その図形的表現を行うことができるインターフェース手段を定義する、タッチスクリーンを含むディスプレイ(159)と、を備えることを特徴とする、制御方法。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか1項記載のコンピュータにより実行される分注方法を実行するために、請求項21に記載の分注機(100)によって構成された、又は前記分注機(100)に動作可能に連結されたプログラマブルプロセッサ又は前記制御ユニット(164)を構成するための実行可能なプログラムコードを含むコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品を送出するように構成された分注機(ディスペンシングマシン)の機能を制御するための、コンピュータにより実行される制御方法に関する。特に、本発明による方法は、再仕上げ又は修理用途の分野において、例えば塗料の調合物などの、ユーザー定義の調合物を効率的な方法で準備するために、分注機を管理することを可能にするものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザーが定義したレシピに従って、多数の利用可能な流体成分から複雑な調合物を調製することは、多くの異なる分野で遭遇する。例えば、自動車のボディショップでは、車の損傷していない部分の元の塗料と修理に使用された塗料との間にわずかなずれが観察者に見られるため、修理する車の色と正確に一致する特注の塗料配合を準備する必要がある。
そのため、複数の着色液製品を所定の吐出順序に従って容器に吐出し、操作者に所望の調合物を提供するように構成された、さまざまな着色液製品を吐出する分注機が開発されている。
【0003】
この分野では、完全に自動化された分注機や、半自動化された分注機が知られており、これらの分注機では、異なる分注サイクルを管理するために操作者の介入が必要となる。
一般的に、自動機はより煩雑で柔軟性に欠ける。一方、半自動式の分注機は、自動式の分注機よりも小型であることに加えて、ユーザーのさまざまなニーズに適した、より柔軟な機能を備えている。
【0004】
典型的に半自動式の分注機では、操作者が塗布すべき調合物に必要な着色液剤の容器を1つ又は複数ピックアップして分注ゾーンに置き、その中で着色液剤をそれぞれの容器から次々と受け皿の中に分注する。分注機が正確で信頼性の高い方法で所望の調合物を送出できるように、送出される流体製品の量を測定するために、例えば送出される製品の重量を測定するための秤や、送出される製品の体積を測定するための適切な手段などの測定手段が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半自動式の分注機(ディスペンシングマシン)の欠点の1つは、その正しい機能が、操作者による着色液剤の容器の正確な管理に依存することであり、それゆえ操作者は熟練して正確に操作しなければならない。
これらの分注機のもう一つの欠点は、一つの分注サイクルと次の分注サイクルとの間に、既に塗布された液剤の容器を分注ゾーンから取り出し、次に分注される製品を分注するために必要な着色液剤の容器をこのゾーンに置くという、装置の一定の「セットアップ」時間が必要であることである。セットアップ時間は、操作者による長い介入を必要とし、その期間は、例えば着色流体製品が分注サイクル中に終了した場合など、エラー又は不測の事態が発生した場合に増加する。
【0006】
本発明の1つの目的は、現状の技術における上記欠点の1つ以上(例えば1つ)或いはいくつか又は全てを緩和又は回避することができる、ユーザーによって選択された調合物を調製する流体製品のための分注機の機能を制御する方法を提供することである。従って、本発明による制御方法は、例えば自動車分野における再塗装用途で遭遇するような非常に多様な色の調合物を、信頼性が高く、迅速、安全かつ経済的な方法で、所定の割合に従って複数の流体製品から出発して得ることを可能にし、これにより、操作者による長く手間のかかる介入を必要とせずに、高い生産量で目標調合物を正確に供給することができる。
【0007】
本出願人は、現状の欠点を克服し、これら及び他の目的と利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具現化したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、独立請求項に記載され、特徴付けられているが、従属請求項は、本発明の他の特徴又は主な発明のアイデアの変形を説明している。
【0009】
上記目的に従って、本発明は、流体製品を送出するように構成され、それぞれがそれぞれの流体製品を含む複数の収容ユニットを備える分注機の機能を制御するための、コンピュータにより実行される方法に関し、その分注機(分注機)は、収容ユニットの1つ又は複数の収納ゾーンと、分注サイクルで送出される流体製品を含む収容ユニットのサブアセンブリを選択的かつ一時的に配置するように設けられた分注ゾーンとを備える。コンピュータにより実行されるその方法は、少なくとも1つのプロセッサを備えたコンピューティングデバイスを利用する。それは、調合データベースを有する記憶手段と、典型的には、入力装置と、表示装置とを更に利用することができる。入力装置と表示装置は、タッチスクリーンタイプのディスプレイの場合のように、単一の装置で具現化することもできる。制御方法は、分注ゾーン及び収納ゾーンにおける複数の収容ユニットの配置を決定するステップを含んでもよい。更に、例えば入力装置を介して、ユーザーによって選択された目標の調合(レシピ)を受信し、プロセッサを介して、調合データベースから目標調合物を得るためにそれぞれが所定の量に従って送出されるべき、サブアセンブリにおける収容ユニットそれぞれに含まれる関連する複数の流体製品を特定するステップを含んでもよい。
また、本発明による制御方法は、分注ゾーン及び収納ゾーンを有する分注機のレイアウトを図形的表現によりを行うステップを含んでもよく、この図形的表現は、分注ゾーン及び収納ゾーンにおける複数の収容ユニットの配置をそれぞれ反映する。このような方法は、ユーザーによる識別を容易にし、その結果、目的の調合物の製造(調合)に必要な場合、1つ又は複数の収容ユニットを収納ゾーンから分注ゾーンに、又はその逆に変位させるためのガイダンス(案内)をユーザーに提供するように、シグナリング手段によって、収容ユニットの少なくともサブアセンブリを図形的表現で強調するステップを更に含んでもよい。
本方法は、必要に応じて、ユーザーによって、1つ又は2つ以上の収容ユニット(複数可)を収納ゾーン(複数可)から分注ゾーンに変位させ又はその逆に変位させることを更に含んでもよい。その後、目標調合物は、分注サイクルで送出される流体製品を含む収容ユニットのサブアセンブリから調製されてもよい。
【0010】
本発明は、開示されたコンピュータにより実行される分注方法に従って制御される分注機にも向けられている。このような分注機は、容器内に流体製品を送出するように構成されており、それぞれがそれぞれの流体製品を含む複数の収容ユニットと、収容ユニットの1つ又は複数の収納ゾーンと、分注サイクルで送出される流体製品を含む収容ユニットのサブアセンブリを一時的かつ選択的に配置するために設けられた分注ゾーンとを備える。更に、スケールが配置されたスライダであって、容器のための支持面を備え、スライダがスケール及び容器とともに収容ユニットのサブアセンブリの下方を移動できるように、長手方向に平行にスライドするようにリニアガイド上を移動可能なスライダを含むことができる。分注機は、上述のような制御方法を実施するように構成されたプログラム可能なプロセッサ又は制御ユニットを更に含むことができる。分注機は、例えば「タッチ」タイプのディスプレイを更に含むことができ、このディスプレイは、操作者が分注機の機能を制御し、その図形的表現を行うことができるインターフェース手段を規定する。
【0011】
本発明の別の態様は、本発明によるコンピュータにより実行される分注方法を実行するために、上述した分注機などによって構成された、又は分注機に動作可能に連結されたプログラマブルプロセッサ又は制御ユニットを構成するための実行可能なプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体に向けられている。本発明による分注機及びその制御方法は、ユーザーが定義したレシピに従って、複数の流体製品から始まる所望の調合物を、信頼性、安全性、経済性の高い方法で、高精度かつ高速に得ることができる。それは、操作者が分注機に備えられた流体製品の容器を効率的に管理するのに役立つので、使いやすく、操作者が容器に対して行わなければならない操作は高速で、高い信頼性を特徴としているので、エラーのリスクを軽減することができる。
【0012】
このように、収容ユニットを視覚的にハイライト(強調)表示する前記手段のおかげで得られる本発明による方法の特徴的な利点は、ユーザーが、ある目標調合物の調合に必要な異なる収容ユニットを収納ゾーン(複数可)から分注ゾーンに配置するのを支援することである。
【0013】
これにより、有利なことに、ユーザーが収納ゾーンから収容ユニットを取り出して分注ゾーンに配置する、又はその逆を行うのに必要な時間を大幅に短縮することができ、エラーのリスクも大幅に低減することができる。実際、収容ユニットの取り出しに失敗すると、誤って配置された収容ユニットを、所望の処方で構成された流体製品を含む正しい収容ユニットに交換する必要があるため、分注サイクル時間が長くなる。実験とテストの結果、本発明による分注機の機能を制御する方法により、従来の半自動分注機と比較して、ユーザーがあるゾーンから別のゾーンに移動しなければならない収容ユニットを識別するのに必要な時間を30%も短縮できることがわかった。
【0014】
本発明のもう1つの特徴的な利点は、制御方法によって、柔軟で直感的な方法で分注機を管理することができることである。本明細書で説明する制御方法のいくつかのバージョンによれば、収納ゾーン及び/又は分注ゾーンに配置されたいくつかの収容ユニットをグラフィカル(図形的)に強調するシグナリング手段により、例えばその中に含まれる流体製品の量、又はその同じユニットの最後の使用から経過した時間など、ユニット自体の状態に関する有用な情報をユーザーが提供することが選択的に可能になる。
【0015】
本発明に従って使用される流体製品は、特に、着色流体製品から構成されるか、又は着色流体製品であることができる。その結果、本発明は、着色調合物の調製に特に有用である。それは例えば、ユーザーによって定義された塗料配合物を提供するために使用することができ、特に再仕上げ又は修理の目的で、例えば車両のボディを塗装するためのボディショップで使用することができる。
【0016】
本開示のこれら及び他の任意の態様、特徴及び利点は、以下の説明、図面及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。本明細書に統合され、その一部を構成する図面は、実施形態のいくつかの非限定的な形態を示しており、本明細書と合わせて、本開示の原理を説明することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明による流体製品を送出する分注機の一実施形態の透視図である。
【
図2】
図2は、明確にするためにいくつかの要素が取り除かれた、
図1の分注機の一部を示す正面立面図である。
【
図3】
図3は、
図1の分注機を支持する手段を取り付けた収容ユニットの透視図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、分注機を操作可能なように(実際の収容ユニットと)関連付けられた
図3の収容ユニットにおける2つの異なるバージョンの表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図5】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図7】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図8】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図9】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図10】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図11】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図12】
図5及び
図7から
図12は、インターフェース手段上でユーザーに対して可視化され、
図1の分注機自身を操作可能なように本発明による制御方法の対応する機能又はステップと関連付けられた操作表現を示す、概略的な正面立面図である。
【
図13A】
図13Aは、コンピュータにより実行される制御方法を実行するための手段を示す概略図である。
【
図13B】
図13Bは、本発明による分注機を制御する方法を示す概略ブロック図である;そして
【
図14】本発明に従った分注機を制御する方法に存在し得る異なる動作機能を、図ブロックを用いて図形的に表したものである。
【0018】
理解を容易にするために、可能であれば、同じ参照番号を使用して、図面内の同一の共通要素を識別している。ある実施形態の要素及び特性は、さらなる明確化なしに他の実施形態に都合よく組み込むことができることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、上記のような分注機の制御方法に関する。
図13Bにも示されているように、本発明による制御方法は、分注機の分注ゾーン及び収納ゾーン(複数可)における複数の収容ユニットの処理を決定するステップを含んでいてもよい。
更に、入力装置又は表示装置を介して、ユーザーによって選択された目標の調合物(のデータ)を受信するステップと、プロセッサを介して、調合データベースから、前記目標調合物を得るために所定の量に従って送出されるべき収容ユニットのそれぞれのサブアセンブリに含まれる関連する複数の流体製品を特定するステップとを含んでもよい。
前記方法は、前記分注ゾーン及び前記収納ゾーンを有する分注機のレイアウトを図形的表現により行うステップを更に含んでもよく、この図形的表現は、前記分注ゾーン及び前記収納ゾーンにおける前記複数の収容ユニットの決定された配置をそれぞれ反映する。
本方法は、プロセッサを介して、前記図形的表現において、選択された目標調合物が調合されるべき収容ユニットの少なくとも前記サブアセンブリを、ユーザーによる識別を容易にし、従って、目標調合物の調合に必要であれば、1つ又は複数の収容ユニットを前記収納ゾーンから前記分注ゾーンに、又はその逆に変位させるためのガイダンスをユーザーに提供するように、シグナリング手段を用いて図形的表現するステップを更に含んでもよい。
【0020】
図形的な表現におけるシグナリング手段は、これに限定されるものではないが、例えば、矢印や感嘆符などの図形的な線や記号で構成されていてもよい。図形的な線(ライン)又はシンボルは、破線及び/又は色付き及び/又は点滅するドットで形成することができ、これらのドットは、分注ゾーン及び/又は収納ゾーンに配置された、選択された目標配合物が調合されるべき収容ユニットの前記サブアセンブリに構成された収容ユニットの上又は周囲に配置することができる。前記方法は、前記表示装置に、前記収容ユニットのサブアセンブリに含まれるそれぞれの流体製品に一義的に関連付けられたコードのリスト(例えば、数字又は英数字)を、前記分注ゾーンのレイアウトの図形的表現と任意に組み合わせて表示するステップを更に含んでもよい。
図形的に強調表示する前記ステップは、コードのリストの1つ又は複数の行を特定の色で強調(ハイライト)表示し、場合によっては断続的に点滅させ、及び/又は、プロセッサを介して、リストで強調表示された流体製品に対応する対応する収容ユニットを、前記シグナリング手段によって、前記分注ゾーンのレイアウトの図形的表現でも、図形的に強調表示するステップを含むことができる。コードのリストの1つ又は複数の行、及び相関する収容ユニットの視覚的な強調は、分注ゾーンにおける流体製品からなる収容ユニットの存在又は不在、あるいは、収容ユニット内に存在する流体製品の量が、選択された目標調合物を得るための分注サイクルを完了するのに十分ではないという事実を示すことができる。一例では、ここに記載された方法は、分注サイクルを開始する前に、分注ゾーンに配置された収容ユニットを、特に、どの収容ユニットが分注ゾーンに配置されているかを確認するために、前記収容ユニットのそれぞれに関連付けられたコード、例えばバーコードを読み取るのに適した光学的検出手段を用いてスキャンし、その後、スキャンの結果を表示装置に表示するステップを含むことができる。
一つの可能なバージョンでは、スキャンの結果を表示することは、分注ゾーンのレイアウトの図形的表現において、コードの前記リストの行に、分注ゾーンにおける対応する収容ユニットの存在又は不在に関する情報を関連付けること、及び/又は、オプションとして、存在が確認された対応する収容ユニットに線又は図形的な記号を関連付けることを提供する。オプションとして、本方法は、各収容ユニットによって構成される既知の公称容量の容器内に含まれる残留流体製品の量を記録するステップを更に含んでもよい。これは、プロセッサを介して、収容ユニットに構成された容器内に収容された残留流体製品の量を、分注サイクルの前に容器内に収容された量と、当該分注サイクルで送出された量との差として計算するステップを含んでもよい。本方法は、表示装置上で、分注機のレイアウトの図形的表現において、特に概略的に、少なくとも前記サブアセンブリに構成された収容ユニットのそれぞれについて、それぞれの容器内における残留流体製品の量を表示するステップを含んでもよい。
【0021】
本発明による方法は、更に、入力装置を介して、容器内に収容された残留流動性製品の量の下限閾値を設定するステップを提供してもよい。このような場合、本方法は、任意に、分注機のレイアウトの図形的表現において、特に分注ゾーン及び/又は収納ゾーンの図形的表現において、閾値よりも少ない残留流体製品の量がある収容ユニットを図形的に強調表示するステップを含んでいてもよい。本方法は、オプションとして、各分注サイクルの前に、入力装置を介してユーザーが分注モードを選択するステップを更に含むことができる。分注モードは、例えば、目標調合物に記憶された製品リストに記載された順序に従って、又は前記サブアセンブリの収容ユニットが分注ゾーンに配置された順序に従って、流体製品を順次分注するステップを提供することができるモード、又は、前記下限閾値よりも少ない残留流体製品の量がある収容ユニットに含まれる分注すべき流体製品を、最初又はそれぞれ最後に分注するステップを提供するモードから選択することができる。本発明による方法では、分注機の収納ゾーン及び/又は分注ゾーンのレイアウトの表現における収容ユニットの位置は、移動させる収容ユニットを一度に1つずつ選択し、それをある位置にドラッグすることによって、変更可能に実装することができる。ここで説明した制御方法は、更に、分注機の収納ゾーン及び/又は分注ゾーンのレイアウトの表現において、入力装置を介して、収容ユニットに構成された容器内に収容された残留流体製品の量を手動で修正して、残留流体製品の量の、特に体積で表される新しい更新値を設定するための、ダイアログウィンドウなどの手段を提供することができる。例えば、この新たな更新値は、ユーザーが分注機に備えられた秤を使用し、その秤の上で一度に1つの収容ユニットを計量し、収容ユニットの既知の風袋とその中に含まれる流体製品の比重を考慮することによって得ることができる。
いくつかのバージョンによれば、本方法は、更に、各収容ユニットについて、例えば、記憶手段に 記憶手段に、各収容ユニットについて、調合サイクルにおける最後の使用日を記憶し、プロセッサを介して、最後の使用日からの経過時間を、特に日又は週で表される、事前に設定された時間閾値と比較すること。前記比較により、最後の使用日からの経過時間が前記所定の時間閾値よりも長いことが明らかになった収容ユニットを、前記収容ユニットが分注ゾーンに配置されているときに、その中に収容されている流体製品が送出される次の分注サイクルの前に、その中に収容されている流体製品の内部再循環動作に付すことを含む。本方法は、更に、前記シグナリング手段によって、分注機のレイアウトの図形的表現において、特に分注ゾーン及び/又は収納ゾーンの図形的表現において、再循環されるユニットとして識別された収容ユニットを図形的に強調表示するステップを含んでもよい。いくつかの例示的なバージョンでは、本方法は、例えば、分注機の異なる動作ステップに応じて異なる色を仮定するのに適した前記分注ゾーンに取り付けられた1つ又は複数のLEDライト、例えばLEDライトのストリップとして構成された視覚的な信号手段によって、分注機から離れた場所にいるユーザーに分注サイクルの状態を知らせることを更に含む。
更に、本方法は、プロセッサを介して、例えば、ユーザーに供給された電子デバイス上のテキストメッセージや電子メール、又はユーザーが装着しているスマートウォッチ上のアラートによって、分注機の問題又は誤動作をユーザーに知らせるための警告信号を送信するステップを任意に含むことができる。いくつかの可能なバージョンによると、制御方法は、プロセッサを介して、各分注サイクルの前に、コンピュータデバイスと通信している存在センサによって、容器が存在し、正しく分注機に取り付けられているかどうかをチェックし、存在センサが容器が存在しないこと又は正しく取り付けられていないことを検出した場合には、分注サイクルの開始を防止し、容器が存在しないこと又は正しく取り付けられていないことを知らせるアラーム信号をユーザーに送信するステップを更に含む。いくつかの例によれば、本方法は、入力装置を介して、分注サイクルを制御する分注機の動作パラメータ、特に、流体製品の流れを駆動するポンピングユニットによる流体製品の分注速度、及び/又は、前記容器のための支持面を備えたスケールが配置されたスライダの並進速度、及び/又は、それぞれの収容ユニットに収容された流体製品ごとに、場合によっては個別に許容される最大分注許容量を調整するステップを含む。
【0022】
本発明の制御方法で実施可能な前述の異なる機能性は、それぞれのコンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードを利用又は付与することができる。そのようなコンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードは、例えば、1つ以上のプロセッサ又はプログラム可能な制御ユニットで実行されたときに、分注機及び/又は分注機に動作可能にリンクされたコンピュータシステムに、上述及び本明細書でより詳細に説明するような本発明による制御方法の特定の機能又は機能群を実行させるプログラムコード、命令及びデータを含んでもよい。
コンピュータ実行可能な命令は、例えば、バイナリー、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、あるいはソースコードであってもよい。本発明の実施においては、そのようなコンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を担持又は記憶するための物理的及び他のコンピュータ可読媒体を利用することができる。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を格納するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体である。コンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を運ぶコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。従って、限定ではなく例として、本発明は、コンピュータ記憶媒体と伝送媒体という少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピュータ読取可能媒体を利用することができる。
【0023】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータが実行可能な命令及び/又はデータ構造を格納する物理的な記憶媒体である。物理的な記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスなどのコンピュータハードウェア、又は、本発明の開示された機能性を実装するために汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセス及び実行することができるコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造の形態でプログラムコードを格納するために使用することができるその他のハードウェアストレージデバイス(複数可)が含まれる。
【0024】
伝送媒体は、コンピュータ実行可能な命令又はデータ構造の形態のプログラムコードを運ぶために使用することができ、汎用又は特殊目的のコンピュータシステムによってアクセスされることができるネットワーク及び/又はデータリンクを含むことができる。ネットワーク」とは、コンピュータシステムやモジュール、その他の電子機器の間で電子データの転送を可能にする1つ又は複数のデータリンクと定義される。情報がネットワーク又は他の通信接続(有線、無線、又は有線と無線を組み合わせたもの)を介してコンピュータシステムに転送又は提供される場合、コンピュータシステムはその接続を伝送媒体と見なすことができる。
【0025】
本発明による制御方法の実施は、一般に、本明細書でコンピュータシステムとも呼ばれるコンピューティングデバイスの使用を伴う。コンピュータシステムは、例えば、1つ又は複数のプロセッサ及びシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む、特殊目的又は汎用のコンピュータシステムを構成又は利用することができる。コンピュータシステムは、一般的に、分注機に動作可能に接続されている(例えば、有線接続又は無線接続又はそれらの組み合わせによって)。例えば、コンピュータシステムは、分注機の電子制御ユニットを構成したり、それに動作的に接続したりすることができる。
コンピューティングデバイスは、例えば、ディスペンスゾーンを収容するキャビネット及び/又は1つ以上の収納ゾーンを収容するキャビネット内に配置されるなど、分注機に統合することができる。代わりに、コンピューティングデバイス又はシステムは、物理的に分注機に関連していない外部/遠隔の手段又はコンポーネントであるか、又はそれらで構成することができる。
【0026】
当業者であれば、本発明は、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブルな家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、PDA、タブレット、ページャー、ルータ、スイッチなど、多くの種類のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施することができることを理解するであろう。
また、本発明は、ネットワークを介して(ハードワイヤードデータリンク、ワイヤレスデータリンク、又はハードワイヤードデータリンクとワイヤレスデータリンクの組み合わせのいずれかによって)リンクされているローカル及びリモートのコンピュータシステムがともにタスクを実行する分散システム環境においても実施することができる。このように、分散システム環境では、コンピュータシステムは、複数の構成コンピュータシステムを含んでいてもよい。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートのメモリ記憶装置の両方に配置されてもよい。
例えば、本発明の実施において、本発明による方法で使用される調合データベースは、リモート記憶手段、例えば、ネットワーク又はクラウド環境のサーバに格納することができ、適切なデータ伝送リンクを介してクライアント(ユーザーがアクセス可能なローカル又はモバイルコンピューティングデバイスなど)によってアクセスされ、そこからデータを取得することができる。
【0027】
本発明の制御方法は、入力装置、表示装置、又はそれらの組み合わせを使用してユーザーと対話するステップを更に含み、例えば、分注機によって調合されるべき特定の目標調合物を選択することなどについてユーザー入力を受け取るか、又は、上述したように特定の収容ユニットに関する特定の情報及び/又は視覚的な強調表示を伴う分注機のレイアウトにおける図形的表現などの情報をユーザーに提示する。これらのデバイスは、任意の適切な手段、例えば、前述のような有線接続又は無線リンク又はそれらの組み合わせによって、コンピューティングシステムに動作可能に接続することができる。
有用な入力デバイスには、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、その他のタッチ式入力デバイスなど、コンピュータシステムにユーザーの入力を提供できるあらゆるデバイスが含まれる。本発明で使用できるディスプレイ装置には、例えば、ブラウン管モニター、LCDタイプのディスプレイ、LED又はプラズマ技術を使用したスクリーンなど、当技術分野で知られているあらゆる種類のディスプレイ及びスクリーンが含まれるが、これらに限定されるものではない。表示装置は、例えば、分注ゾーンを構成するメインキャビネットの前面など、分注機に取り付けることができ、また、分注機に物理的に取り付けられていない遠隔装置とすることもできる。表示装置は、好ましくはタッチスクリーンタイプのディスプレイで構成することができ、その場合、入力と表示の機能を1つの装置にまとめることができる。従って、本発明の方法で使用される表示装置は、それに限定されることなく、例えば、分注機に関連するタッチスクリーン、又は、例えば、タブレット、ポータブルラップトップ、又はスマートフォンのような、分注機に動作的に関連するが、それとは独立した、ユーザーがアクセス可能なリモート電子デバイスから構成されることができる。
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る流体製品用の分注機、及びそれに対応する制御方法について説明する。
【0029】
本発明による制御方法をよりよく理解するために、特に
図1~3を参照して、まず、前記方法によって制御されるのに適した分注機の例示的な実施形態を説明する。
【0030】
例えば、本発明による方法によって制御されるのに適した分注機は、参照することによって本明細書に組み込まれる、同じ出願人の名前でのイタリア特許出願番号IT 102018000006154に記載されている。
【0031】
本発明の制御方法によって制御される分注機は、
図1に見えるように、全体的に参照番号100で示されている。添付の図面に示されている分注機及びその構成要素、ならびに制御方法のステップ又はサブステップは、本発明の説明のためのものであり、これらを限定として理解してはならない。例えば、ある実施形態の一部であると示された、又は説明された特性は、他の実施形態上で、又は他の実施形態と関連して採用され、別の実施形態を生み出すことができる。本発明は、そのような変更や変形を含むものと理解される。
【0032】
分注機100は、流体製品を収容するための複数のユニットを含んでおり、それぞれのユニットは参照番号111で示されている。
分注機100は、収容ユニット111を支持する支持手段として機能する支持部材112を、当技術分野で公知の適切な取り付け装置によって、収容ユニット111に構成された結合部を解放可能な方法で一時的に保持するように構成される。
【0033】
支持部材112は、例えば、重なり合った列を有する構成に従って、順序よく、任意の所望の数及び種類の収容ユニット111を支持するようにサイズ及び構成され得る。
【0034】
分注機100では、分注機100の拡大部分が見える、
図2に破線で示された分注ゾーン115が定義される。分注ゾーン115において、支持部材112は、上述した方法で、最大13個の収容ユニット111を支持するように配置されている。
【0035】
支持部材112は長円形であり、特に長手方向Xに平行な方向に直線的な延長部を有することができる。長円形の支持部材は、一般に、長手方向Xが分注機が設置されている地面に実質的に平行になるように配置される。
【0036】
図示の例では、分注機100は、送出された流体製品の量を計量するのに適した計量手段の非制限的な例として、スケール116(
図2)を含んでいる。例えば、スケール116は、0.01グラム以上の感度を有する、当該技術分野で知られているタイプのデジタルスケールとすることができる。
【0037】
スケール116は、所望の配合を得るために様々な流体製品が送出される内部に、容器118を配置することができる支持面117を構成することができる。容器118は、上部が開いていて、実質的に円筒形又は切頭円錐形の形状を有し、予想される量の所望の調合物を含むのに適した容量を有する缶、又は別の容器とすることができる。
【0038】
スケール116は、所望の配合を得るために様々な流体製品が送出される内部に、容器118を配置することができる支持面117を構成することができる。容器118は、上部が開いていて、実質的に円筒形又は切頭円錐形の形状を有し、予想される量の所望の調合物を含むのに適した容量を有する缶、又は別の容器とすることができる。
【0039】
スケール116は、リニアガイド(図示せず)上を移動するスライダ120(
図2)上に配置することができ、動作可能なようにその変位を制御する駆動モータ(図示せず)に取り付けられている。そして、スライダ120は、長手方向Xに平行に、双方向にスライドすることができる。このようにして、スライダ120、及びそれとともにスケール116及び容器118は、分注ゾーン115に配置されたすべての収容ユニット111の下に移動することができる。
【0040】
分注機100は、任意に、操作者によって容器118を取り外すことができる取り外し位置124を含むことができる。
例えば、取り外し位置124は、分注ゾーン115の中間位置に配置することができ、長手方向Xにおける長円形の支持手段の大きさを基準にして、約半分(例えば50%±10%)の位置に配置することができる。
【0041】
分注機の機能において、例えば、スライダ120は、流体製品の分配の終了時に除去位置124に移動させることができ、操作者は、所望の調合物で満たされた容器118を除去し、及び/又は手動で追加の成分を加えることができる。
図示の例によれば、分注機100は、分注機の安全な機能を確保するために、スライダ120がスライドする分注ゾーン115の部分を正面から遮蔽する保護要素126を含むこともできる。
【0042】
保護要素126は、透明であることができる。これは、分注機が動作している間、直線的な動きをしているスライダ120をユーザーが見ることができるので有利であり、これは、例えば、デモンストレーションの目的や、起こりうる故障の視覚的な検出に有用である。
保護要素126は、任意に、操作者が除去ゾーン124にアクセスするために選択的に開くことができるドア127を含んでいる。
【0043】
例えば、ドア127は、それに隣接する保護要素126の1つの内側にスライドして収納するように構成することができる。
【0044】
分注機100は、複数の収容ユニット111を格納するように構成された1つ又は2つ以上の収納ゾーン128を含むことができ、そこから分注ゾーン115に配置されるものを選択することができる。収納ゾーン128は、例えば、分注ゾーン115の上及び/又は下に配置され得る。収納ゾーン(複数可)128は、例えば、分注ゾーン115の文脈で上述した支持部材112と同様の、収容ユニット111の結合部分を支持及び保持するためのそれぞれの支持部材を含むことができる。
【0045】
収納ゾーン128において、収容ユニット111は、長手方向Xに平行に延びる一種の支持棚を画定するように、互いに隣接して配置することができる。換言すれば、収納ゾーン128において、収容ユニット111は、平行で、分注ゾーン115に配置された収容ユニット111の列の上又は下に配置された列に貯蔵することができる。
【0046】
収納ゾーン(複数可)128は、任意に、処方を完成させるのに有用な1つ以上の付属要素130を受け入れるように構成された補助コンパートメント129を含むことができる。
【0047】
例えば、付属要素は、流体製品の分注の最後に、例えば、容器118が充填された後に、操作者が手動で容器118内に追加することを望むことができる添加物又は物質を含むフラスコ又はボトル130を含むことができる。
【0048】
分注機100は、複数の隣接するモジュール要素134、135、136から形成することができ、これらは相互に接合することができる。
第1のモジュール要素134、すなわちメインモジュールは、
図2に拡大して見えており、分注ゾーン115と、分注ゾーン115に配置された収容ユニット111の上に平行に配置された収容ユニット111の列を支持するように構成された収納ゾーン128とを備えている。補助コンパートメント129が存在する場合、それは、第1のモジュール要素134に配置される。
【0049】
第1のモジュール式要素134は、例えば、長手方向Xの長さが約2メートル、高さが約1~1.5メートル、深さが約0.5メートルであることができる。
図1の参照番号135及び136でそれぞれ示される第2及び第3のモジュール要素は、必要に応じて操作者によって取り外されて分注ゾーン115に配置されることができる収容ユニット111の他の収納ゾーン128を構成する。このようにして、分注機100は、多数の収容ユニット111、例えば最大80個の収容ユニット111(分注ゾーン115に配置されたものに加えて)を保管することができる。
【0050】
第1のモジュール要素134は、例えば、第2のモジュール要素135の上に位置することができ、一方、第3のモジュール要素136は、残りのモジュール要素134、135の左側又は右側に位置することができ、例えば、(
図1に示すように)それらに垂直に配置されるか、又は、長手方向軸Xに沿って延長を提供するためにそれらと整列することができる。
【0051】
典型的には、第2のモジュール要素135は、その上に配置される第1のモジュール要素134とほぼ同じ長さ及び深さを有するが、1メートル未満の高さ、例えば約800mmを有することができる。
特定のバージョンでは、第2のモジュール要素135では、収容ユニット111は、互いに重なり合う2つの列に配置され、それぞれが最大15個の収容ユニット111を収容するように構成されており、一方、第3のモジュール要素136では、収容ユニット111は、互いに重なり合う複数の列、例えば6つの、より短い長さの列に従って配置され、それらのそれぞれは、例えば最大6個の収容ユニット111を収容するのに適している。
【0052】
第2のモジュール要素135及び第3のモジュール要素136の両方は、例えば上述の支持部材112と同様に、収容ユニット111を解放可能に支持して一時的に保持することができる、適切な支持部材を構成することができる。第2のモジュール要素135及び第3のモジュール要素136の両方は、例えば上述の支持部材112と同様に、収容ユニット111を解放可能に支持して一時的に保持することができる、適切な支持部材を構成することができる。
【0053】
次に、特に
図3を参照して、流体製品の収容ユニット111をより詳細に説明する。
【0054】
収容ユニット111は、一般に、流体製品、例えば着色流体製品のための容器142からなる。
容器142は、例えば、0.5リットル、1リットル又は2リットルなど、100mLから5リットルまでの範囲内の容積を有することができる。
【0055】
収容ユニット111は、容器142の前部と重なる前壁143を含むことができ、容器に収容された流体製品の識別ラベルを受け取るように構成される。一例として、識別ラベルは、対応する流体製品に一義的に関連付けられた数字又は英数字のコードを含むことができる。収容ユニット111は、容器142の前部と重なる前壁143を含むことができ、容器に収容された流体製品の識別ラベルを受け取るように構成される。一例として、識別ラベルは、対応する流体製品に一義的に関連付けられた数字又は英数字のコードを含むことができる。
【0056】
また、収容ユニット111は、例えばねじ込み式の接続によって、容器142が取り外し可能に接続される本体144を含むことができる。典型的には、容器142は逆さまに配置され、口部が下向き、つまり本体144に向かっており、底部が上向きになっている。
【0057】
また、収容ユニット111は、その中に収容されている流体製品の量を吐出する吐出手段を含むことができる。例えば、当技術分野で知られているタイプのポンピングユニット145を構成することができ、この理由からここでは詳細に説明しない。ポンピングユニット145は、例えば、ポンピングエレメントの交互移動を有するベローズポンプとすることができる。
【0058】
ポンピングユニット145は、例えば、スライダ120上に配置することができ、スライダ120と一緒に移動可能なモータ(図示せず)によって駆動することができる。このことは、有利には、各収容ユニット111をモータなしにすることができることに留意すべきである。実際、ある収容ユニット111から流体製品が吐出されるとき、モータを搭載したスライダ120は、後者に対応して配置される。このようにして、同じモータが、その都度、流体製品が送出されるべき収容ユニット111に構成されたポンプユニット145に動作可能なように取り付けられる。
【0059】
本体144には、ポンピングユニット145が配置され、容器142を収容ユニット111の出口に接続するように構成された、流体製品のための経路を規定する一組の導管(図示せず)が設けられており、これに対応して、流体製品が容器118に送出される。また、本体144には、流体製品の流れを調節及び制御するように構成された複数の弁(図示せず)が設けられていてもよい。導管組立体は、各再循環導管を含んでおり、この再循環導管は、弁がそれぞれの再循環位置に好適に配置されたときに、流体製品を収容ユニット111内で再循環させ、容器142から出た流体製品が、導管組立体を通った後、送出されることなく、容器自体に戻るようにするものである。また、収容ユニット111は、ハンドル158を構成することができ、これにより、操作者が収容ユニット111を容易に握ることができる。
【0060】
分注機100はまた、例えば「タッチ」タイプの表示装置159を含むことができ、この表示装置159は、上述及び以下で詳細に説明するように、本発明の制御方法に従って、操作者が分注機100の機能を制御し、その図形的表現を行うことができるインターフェース手段を規定する。
【0061】
表示装置159は、例えば、第1又は第2のモジュール要素134,135のフレーム138にヒンジ接続された分注機的アーム160によって支持することができる。
【0062】
また、分注機100は、本発明による制御方法を実施するのに適した、当該技術分野で知られているタイプのプログラマブル制御ユニット、又はプロセッサ164を含むことができる。制御ユニット又はプロセッサは、上述した任意のコンピュータシステムなどの一部を形成するか、又はコンピュータシステムに動作可能に連結することができる。それは、上記及び以下の本明細書でより詳細な方法で開示される制御方法の様々な可能な機能を実行するためのコンピュータ実行可能な命令又はプログラムコードを含むことができる。
【0063】
議論された制御方法は、非常に効果的かつ柔軟な方法で分注機を制御するために提供され、以下の段落で詳細に説明される複数の操作機能から構成されている。
続いて、
図5~12を参照して制御方法を説明する。
図5~12は、例えば、
図1に示されるような分注機に関連するディスプレイデバイス159上でユーザーに表示することができる、分注機100、又は分注ゾーン115の操作表現の例を示す。
【0064】
続いて、
図5~12を参照して制御方法を説明する。
図5~12は、例えば、
図1に示されるような分注機に関連するディスプレイデバイス159上でユーザーに表示することができる、分注機100、又は分注ゾーン115の操作表現の例を示す。
【0065】
他のバージョンでは、これらの操作表現は、表示装置159に関して追加又は代替して、例えばタブレット、ポータブルラップトップ、又はユーザーが使用するスマートフォンなどの、分注機100に動作的に関連するがそれとは独立した遠隔電子デバイス上に表示することができる。
【0066】
以下の説明では、
図5~12で参照される操作表現の要素を参照する。以下の説明では、
図5~12で参照される操作表現の要素に、分注機100のそれぞれの構成要素を示すために使用されるアナログの参照番号に対応する参照番号を付けて参照する。
【0067】
図4A,4Bは、参照番号11が付与された、表示装置159に表示された、収容ユニットの2つのバージョンを表現している。特に、
図4Aは、例えば0.5リットル又は1リットルに等しい容量の容積を有する容器42を備えた収容ユニット11を示しており、一方、
図4Bは、例えば1リットル又は2リットルに等しい、より大きな容量の容積を有する容器42を備えた収容ユニット11をそれぞれ示している。
【0068】
本発明による制御方法で提供される様々な操作機能を、明確にするために段落に分けて以下に詳細に説明する。また、以下で説明する操作機能の一部は、
図13B及び
図14にも模式的に示されている。
【0069】
(マシンセットアップ)
本方法は、初期セットアップステップを含むことができ、これは、それぞれがそれぞれのコードによって識別される、分注機の収納ゾーン(複数可)28に受け取られたすべての収容ユニット11のリストを前記制御ユニット又はプロセッサにロードするステップを含むことができる。収容ユニットのリストは、例えば、入力装置を介してユーザーから提供されたり、コンピュータシステムによって生成されたり、適切なデータ伝送リンクによって制御ユニット又はプロセッサがアクセス可能なデータベースから取得されたりする。5から12までの例示的な図では、収容ユニットに関連するコードは、3桁又は4桁の数値コードであり、その中で、1桁目は常に数字「4」である。
【0070】
更に、このステップでは、分注機によって分注可能な調合物又はレシピの完全なリストを制御ユニット又はプロセッサ164にロードして、異なる収容ユニット11に含まれる流体製品を正確な相対的比率に従って組み合わせることも提供される。調合物又はレシピのリストは、適切なデータ伝送リンクによって制御ユニット又はプロセッサにアクセス可能な調合物のデータベースから取得することができる。調合データベースは、ローカル又はリモートの記憶手段、例えばネットワークデータサーバに保存することができる。
図13Aでは、データローディングは矢印F1で図形的に表されており、データ記憶手段162を備えた外部コンピューティングシステム161と、場合によっては分注機100に内蔵されたプロセッサ164とを接続している。この図では、コンピューティングシステム161が図形的に表されているが、これは(図示されているように)分注機100から離れていてもよいし、代わりにその内部に組み込まれていてもよい。コンピューティングシステム161は、プロセッサ164と、調合データベースを有するデータ記憶手段162と、例えばキーボードとして構成された入力装置163と、ディスプレイ装置159とから構成されるか、又はこれらに動作的に連結されていてもよく、これらは(図示されているように)分注機100に直接取り付けられるか、又は代替的にそこから離れているが動作的に連結されていてもよい。しかし、本発明は、
図13Aに示された構成に限定されるものではなく、先に説明したような他の様々なコンピュータシステム及びハードウェア構成を予見するものである。コンピュータシステム161、データ記憶手段162、入力装置163及び表示装置159のそれぞれは、上に開示されたタイプのものとすることができる。
【0071】
次に、ユーザーは、分注機によって分注可能な調合物のリストから目的調合物を選択することができる。それに応じて、利用可能な収容ユニットの全体のサブアセンブリを形成するそれぞれの収容ユニットに含まれる関連する複数の流体製品であって、目標とする処方を得るためにそれぞれが所定の量に従って送出される流体製品が特定され得る(
図13Bのブロック171を参照)。
【0072】
ここで提供されるバージョンによれば、制御ユニットが、流体着色製品の供給者によって開発されたカラーマネジメントソフトウェアと対話するように構成されているので、制御ユニットにおけるデータのロードは自動的に行われ得る。例えば、制御・管理ユニットは、PPG INDUSTRIES社が開発したPAINTMANAGERR XIと呼ばれる色調管理ソフトウェアと適切に連動させることができる。
【0073】
このようにして、データは自動的に、迅速に、そしてデータ読み込み時に起こりうるエラーなしに、分注機の制御ユニットに転送される。
【0074】
別のバージョンでは、データの読み込みを手動で行うことができる。この場合、1人の操作者が、収容ユニットのリスト及びその中に含まれる流体製品に関連するすべてのデータをロードすることができる。
【0075】
制御方法のセットアップステップは、分注機100における収容ユニット111の正確な予想位置、すなわち分注ゾーン115及び収納ゾーン(複数可)128のいずれかを制御ユニットに伝達するステップを含んでもよい(
図13Bのブロック170を参照)。 このようにして、本方法は、すべての収容ユニット111における初期の所定位置をユーザーに知らせる。一例では、収容ユニットの位置が表示装置159上でユーザーに示されるので、この初期段階で、ユーザーは、各収容ユニットをそれぞれの予想される位置に配置することによって、分注機100を準備することができる。
【0076】
(分注機の表示)
次に、制御方法は、
図5に示すように、収納ゾーン28のそれぞれの位置に配置された全ての収容ユニット11の表示を用いて、分注機のレイアウトを表示装置159上に図形的に表現する方法を提供する(
図13Bのブロック172を参照)。この図面では、点線で示された分注ゾーン15の表示を見ることができ、これは、支持部材12に設けられた13個の位置すべてを解放した状態で、つまり、収容ユニット11がない状態で示されている。分注ゾーン15の表示では、容器18も見えており、前述のリニアガイド上をスライドするスライダ20上に配置されたスケール16と一体化した支持面17上に載っている。また、
図5には、保護要素26とスライドドア27が示されており、これらの要素は、操作者の取り外し位置24へのアクセスを可能にしたり、防止したりする。この図面における収容ユニット11の配置は、分注機100における収容ユニット111の実際の位置を反映している。
図5に例として示されている表現では、収容ユニット11は、分注ゾーン15の上方にある第1のモジュール要素34内で1列を形成し、分注ゾーン15の下方にある第2のモジュール要素35内で2列を形成し、第3のモジュール要素36内で長さの短い複数の列を形成するように配置されている。
【0077】
一つのバージョンでは、制御方法は、例えば表示装置159上で、
図5に示されるような分注機のレイアウトの表現をユーザーに利用可能にすることを提供する。
【0078】
その後、本方法は、ユーザーが、表示装置159上の表示における収容ユニット11の配置が、分注機100におけるそれぞれの収容ユニット111が実際の位置に対応していることを視覚的に確認する方法を提供してもよい。ユーザーが、表示装置159上の分注機のレイアウト表現間で不一致を検出した場合、ユーザーは、代替的に、分注機上の収容ユニット111を表示装置159上に示された位置に移動させるか、又は逆に表示装置159上の表示における収容ユニット11の配置を手動で修正することができる。後者の場合、本発明による方法は、タッチスクリーンタイプのディスプレイを備えた当該技術分野で知られている「ドラッグ・アンド・ドロップ」機能を実装することができ、それによれば、ユーザーは、
図6に例として示されているように、移動されるべき収容ユニット11上で指を数秒間押したままにして、それを(分注機内の実際の位置に対応する)新しい位置にドラッグし、それを離すことができる。
【0079】
別のバージョンでは、制御方法は、分注機の表示が分注機100の実際の処理と一致していることを検証するハードウェア実装機能を提供してもよい。この検証機能は、1つ又は複数の光学的検出装置、例えば工業用途の制御装置で一般的に使用されている、当該技術分野で知られているタイプの1つ又は複数のカメラを介して、収納ゾーン128内の収容ユニット111の位置を検出すること、及び制御ユニットへのその通信を提供する。例えば、光学検出装置は、その視野が収納ゾーン(複数可)128を含むように、適切な位置で、分注機100のフレーム138に取り付けることができる。
【0080】
光学検出装置によって検出されたものと、表示装置159上の分注機のレイアウト表現間で不一致がある場合、制御ユニットは、検出されたものに従って、収容ユニット11の処分を更新する。
【0081】
このバージョンでは、検証機能は、特に分注機100が動作を開始する前に、例えば、表示装置159上の特別なキーを押すことによって、ユーザーによって起動されることができる。例えば、ユーザーは、各作業日の初めにこの検証機能を実行して、分注機の表示が、分注機100における収容ユニット111の実際の配置を反映したレイアウトを示していることを検証することができる。
【0082】
更に、本発明による制御方法では、分注機100における収容ユニット111の配置を最適化するためのステップを設けることができ、このステップは、例えば、入力デバイスのそれぞれのキーを押すことによって、又は、例えばディスプレイデバイス159に表示されたマシンのレイアウトの図形的表現からなるグラフィカル・ユーザー・インターフェースのそれぞれのアイコンを押すことによって、ユーザーによって起動されることができる。最適化ステップは、分注機100で受け取ったすべての収容ユニット111に含まれる流体製品の消費量を、決定された期間内に、高いものから低いものへと減少する方法で順序付けて計算することを提供してもよい。
【0083】
最適化ステップは、異なる収納ゾーン28を、実質的に同じ(程度の)消費を有する流体製品を受け取ることを意図した2つ以上の領域に分割することも提供することができる。例えば、第1のゾーンは、第1のモジュール要素34の収納ゾーン28によって定義することができ、第2の領域は、第2のモジュール要素35の収納ゾーン28によって定義することができ、第3の領域は、第3のモジュール要素36の収納ゾーン28によって定義することができる。最適化ステップは、例えば
図5のような分注機100のレイアウトの表現を示す表示装置159上で、消費量が最も多い製品を強調して、それらがすべて前記第1のエリアに移動されるように提供することができ、この第1のエリアは、分注ゾーンのすぐ上に配置されているので、ユーザーが曲げたり移動したりすることなく、このエリアで収容ユニットを取り出したり格納したりすることができるので、ユーザーがアクセスするのにより便利である。同様に、最適化ステップでは、中間的な消費量の製品(以前の製品よりも消費量が少ないが、いずれにしても頻繁に消費される)を強調して、それらをすべて前記第2のエリアに移動させ、また、消費量の少ない製品(つまり、少量しか消費されない製品)を強調して、それらをすべて前記第3のエリアに移動させることができる。
【0084】
最適化ステップは、有利なことに、分注機100内の収容ユニット111を、それぞれの使用頻度及び消費量に基づいて配置することができ、最も使用されるユニットがすべて、操作者がアクセス可能な最も便利な位置に配置されるので、収容ユニット111を分注ゾーン115内に配置するのに必要な時間、及び同様に後者から取り外すのに必要な時間を更に短縮することができるようになっている。
【0085】
(分注ゾーンの管理)
ユーザーが分注すべき特定の調合物を選択すると(
図13Bのブロック171参照)、本発明による制御方法は、ユーザーが表示装置159に表示される分注機のレイアウトの表現において、この調合物を得るために必要な収容ユニット11を強調表示することを提供する(
図13Bのブロック173参照)。これらの収容ユニット11は、その後、収納ゾーン28の現在の位置から取り出され、目標調合物を調合するために分注ゾーン15に配置されることができる。
【0086】
図7に示す例示的なバージョンでは、取り出されるべき収容ユニット11は矩形で囲まれており、この矩形は、例えば、着色したり、断続的に点滅させたりすることができる。この図では、コード「405」、「429」、「414」、「475」で識別される収容ユニット11が、非制限的な例として強調されている。
【0087】
このおかげで、ユーザーは、ディスプレイ上の表示によって、実際の分注機でそれぞれの収容ユニット11を変位させるように、即座にかつ直感的に導かれ、その変位は迅速かつ簡単に実行される。
【0088】
本発明によれば、更に、収納ゾーン128の各位置に取り付けられた、例えば1つ又は複数のLEDライトからなる光信号手段を任意に設けることができる。この変形例では、表示装置159が除去されなければならない収容ユニット11の表示を示している間に、同時に分注機100では、除去されるべき収容ユニット111がある位置に取り付けられたLEDSがオンになる。
【0089】
その後、本発明による制御方法は、表示装置159に、分注ゾーン15の表現、及び場合によっては、選択された調合物に関与する収容ユニット11のリストを表示することを提供してもよい。このタイプの表示の例は、
図8及び9に示されている。その
図8及び9には、上述のコードによって識別される4つの収容ユニット11がリストアップされている。
【0090】
本発明による制御方法では、制御部は、例えば履歴を残すことによって、分注ゾーン15の支持部材12上の、収容ユニット11の位置を記憶することができる。
つまり、この制御方法により、分注機100は、ユーザーにとって非常に柔軟に使用することができる。
【0091】
第1の使用態様では、各分注サイクルの終わりに、ユーザーは、貯蔵ゾーン28のそれぞれの位置に戻すために、分注ゾーン15から収容ユニット11を取り外すことができる。この場合、
図5及び
図7に示すように、分注ゾーン15には、通常、収容ユニット11が存在しない。
【0092】
本発明の制御方法によれば、分注機のレイアウトの表現において、特に異なる視覚的モードで、分注ゾーン15の支持部材12上に一時的に配置されている収容ユニット11の元の位置を示すことを提供することができる。
図10に示す例では、分注ゾーン15に一時的に配置されている収容ユニット11も、例えば透明で、収納ゾーン28内の元の位置に示されている。
【0093】
この変形例は、各収容ユニット11をそれぞれの位置に戻すように誘導するため、分注ゾーン15から収容ユニット11を取り出す操作においてユーザーを容易にすることが明らかである。この変形例は、分注機100が上述の第1の使用態様に従って使用される場合に特に有利であり、同時に、分注ゾーン15を自由に保つことと、各ユニットが意図した位置に配置されるように、収納ゾーン28における収容ユニット11の秩序だった配置を維持することの両方を可能にする。
【0094】
第2の使用モードでは、各分注サイクルの終わりに、収容ユニット11を分注ゾーン15から系統的に取り除くことは提供されない。この使用モードでは、分注される新しい調合物を選択した後、ユーザーは、新しい調合物に関与する収容ユニット11を分注ゾーン15に廃棄するために、いくつかの収容ユニット11のみを除去する。
この第2の使用態様は、
図8と
図9に示すような表現に反映されている。
【0095】
これらの図面では、選択された調合物に必要な流体製品のリストの上に、それぞれの収容ユニット11に構成された容器42が、分注ゾーン15の支持部材12上に配置された状態で図形的に示されている。左から右に「1」から「13」までの番号が付けられた位置にある容器の位置は、分注機100の分注ゾーン115における収容ユニット111の実際の位置を反映している。
【0096】
上述したように、本発明による制御方法によれば、制御部は、例えば履歴を残すことによって、分注ゾーン15に配置された収容ユニットを記憶することができる。
【0097】
次に、制御方法は、リストに存在する1つ以上の流体製品が、分注ゾーン15に既に存在する、例えば以前の分注サイクルの終わりにそこに残された収容ユニット11に含まれているかどうかを検証することを提供する。
【0098】
この検証の最後に、既に位置している収容ユニット11を表示装置159に図形的に表示する方法が提供される。
図示の例では、コード「475」及び「405」で識別される収容ユニット11が、既に分注ゾーン15に配置されている。
【0099】
分注ゾーン15に配置された収容ユニット11は、例えば、容器42の輪郭を太くして、特に色付きの線や破線で強調表示することができ、また、鍵(のマーク)を表示することで、これらの収容ユニット11が既に所定の位置にあり、以下のリストで構成される他の流体製品のために場所を空けるために取り外す必要がないことを示している。
【0100】
あるバージョンでは、リスト内の流体製品を図形的に強調し、ロックも関連付けることができ、それらが既に所定の位置に配置されていることをユーザーに知らせる文言も提供される。変形例では、分注ゾーン15に配置されたままの流体製品に対応するリストの行を、例えば特定の色で図形的に強調表示し、場合によっては、それらの製品がまだ配置されていないことをユーザーに知らせる文言を一緒に表示することが可能である。
【0101】
図示の例では、ユーザーは、従って、分注ゾーン15に存在する2つの収容ユニット11を、コード「414」及び「429」によって識別される流体製品を含む2つの収容ユニット11と交換しなければならない。
【0102】
本発明による制御方法は、分注サイクルを開始する前に、選択された調合物を得るために必要なすべての収容ユニット11の存在を検証する任意のステップを提供する。
【0103】
検証ステップは、例えば、
図8及び
図9において参照番号61で示される「スキャン」アイコンを表示装置159上で押すことによって、ユーザーによって開始することができる。
【0104】
検証ステップ又はスキャンステップが肯定的であれば、選択された調合物を得るために調合サイクルを開始することができる。検証ステップのおかげで、選択された調合物を完成させるために必要な成分のいずれかが不足しているために中断することなく、分注サイクルを効果的かつ迅速に実行することができる。
【0105】
図9は、検証ステップが否定的な結果となった場合に、表示装置159に表示されるグラフィカル・ユーザー・インターフェースの一例を示したものである。この場合、実際には、制御方法は、必要な4つの流体製品と比較して、3つの流体製品のみの存在を検出し、正確には、コード「429」、「475」及び「405」で識別される製品であり、コード「414」を有する製品が欠落している。
【0106】
本方法は、表示装置159上でユーザーにこの状態を図形的に強調することを提供してもよい。非制限的な例として、例えば、それぞれの容器42の輪郭を太くすること、及び/又は、リストの対応する行を確定的な着色で強調することによって、存在する流体製品を強調することと、例えば、リストの対応する行を明るい色で着色することによって、欠落している製品を強調することの両方を提供することができ、更に、この製品が見つからなかったことをユーザーに知らせるための警告メッセージも提供することができる。
【0107】
検証又は走査ステップは、例えば、スライダ120上に配置され、各収容ユニット111に一義的に関連付けられた識別コード(例えば、バーコード)を検出するように構成された光学リーダ、例えば、当該技術分野で知られているバーコードリーダを用いて実行することができる。1つのバージョンでは、検証又は走査ステップは、支持部材112上の利用可能な13の位置に配置された各収容ユニット111に関連するコードを検出するために、長手方向Xに平行に、例えば左から右に開始して分注ゾーン115全体を移動するために、光学リーダを搭載したスライダ120がそのガイドに沿ってスライドすることを提供する。
【0108】
なお、
図8及び
図9に示す分注ゾーン15の表現は、「キャンセル」も含んでいることに留意すべきである。また、
図8及び
図9に示す分注ゾーン15の表示には、何らかの理由で選択した調合物を分注する必要がなくなった場合に、進行中の操作を停止するための「キャンセル」アイコンが参照番号62で示されている。
【0109】
更に、
図8及び
図9に示されている分注ゾーン15の表現は、選択された調合物の選択も含んでいる。これは、次の段落でより詳細に説明されるが、参照番号63で示される「ドロップダウン」メニューとして構成することができる。
【0110】
最後に、
図8及び
図9に示される分注ゾーン15の表現は、参照番号64で示されるアイコンも含み、このアイコンによって、ユーザーは、例えば
図5、7及び10~12に示されるような分注機の全体レイアウトの表現に戻ることができる。
【0111】
(分注工程の管理)
分注機100の制御方法は、例えば、自動車の仕上げ用途に一般的に必要とされるような、例えば5つ以上の異なる流体製品から始めて調製された目標調合物の量の分注を、5分以内に、成分ごとに±0.01gの精度で管理することができる。目標調合物に含まれる液体製品の数に応じて、分注サイクルは3分から10分の範囲になるが、同時に、例えば成分あたり最大±0.05gの高い分注精度を維持することができる。
【0112】
本発明による制御方法は、各収容ユニット111の内部に含まれる流体製品の量を、例えば履歴を残すことによって記憶しておくことを提供することができる。
【0113】
ここで説明した制御方法のいくつかのバージョンによれば、
図8及び
図9に例として示した表現に示すように、分注ゾーン15に配置された収容ユニット11に構成された容器42の充填の度合いを、少なくとも概略的に表示する方法が提供される。
【0114】
本発明による制御方法では、送出されるべきある流体製品の量が、それぞれの収容ユニット111の内部に収容されている同じ製品の量よりも少ない場合を予測することができる。実際、制御ユニットは、収容ユニット111のタンク142に収容されている製品の量を知っており、また、選択された目標調合物を得るために分注しなければならないその同じ製品の量も知っているので、これら2つの量の差を計算することにより、利用可能な量が十分でない場合を予測することができる。
【0115】
本発明による方法による可能な第1の分注モードは、調合物の調合の順序に従うことを提供し、それぞれの目標調合物の成分リストにおける順序に従って異なる流体製品を分注する。これは、デフォルトとして提案されている「標準」モードであるが、ユーザーはドロップダウンメニューを使用して変更することができる。
【0116】
第2の分注モードは、ラック上に配置された収容ユニットの順序に従って、流体製品を分注するものである。換言すれば、このモードでは、分注サイクル中に、分注ゾーンの一方の端から他方の端まで(例えば、左端から右端まで、又はその逆)、収容ユニットの順序に従うことができる。場合によっては、このモードは、容器118を運ぶスライダ120の全体的なストロークを最小にすることができ、従って、分注サイクルの全体的な持続時間を短縮することができるので有利である。
【0117】
第3及び第4の分注モードはそれぞれ、本発明による制御方法が、利用可能な量が目標調合物を完成させるのに十分ではないと検証した流体製品を、最初又は最後に分注することを提供する。この場合、これらの調合モードは、第1又は第2の調合モードの後に起こり得るように、ユーザーが不在の場合に流体製品が終了してサイクルが中断されるのを防ぐために、調合サイクルの全期間にわたってユーザーが分注機100の前にいることを制約しないので、有利である。
【0118】
実際、第1又は第2の分注モードに続いて、分注サイクルが、吐出サイクルが不十分な量で存在する流体製品の吐出を開始すると、ユーザーが戻るまでサイクルが中断され、ユーザーは完成したタンク142を完成した流体製品の収容ユニット111内の完全な新しいタンク142と交換しなければならない。ユーザーが不在の間、サイクルが長時間中断されたままになることがあるので、これが分注時間を大幅に増加させるために不利であることは明らかである。
【0119】
本発明による制御方法の柔軟性のおかげで、この欠点を克服するために、制御ユニットが、分注ゾーンに存在する流体製品の1つが、選択された目標調合物を完成させるのに十分ではないことを表示装置159に示すと、ユーザーは、第3又は第4の分注モードを選択することができる。第1のケースでは、枯渇した流体製品が最初に分注され、これを知っているユーザーは、完成した収容ユニット111を同じ流体製品を含む新しいものと交換するために、分注機100を見守っていることができる。この後、分注サイクルは自動的に継続され、ユーザーの立ち会いを必要としない。ユーザーは数分後に戻ってきて、選択された目標調合物を含む容器118を取り出すことができる。第2のケースでは、一方で、枯渇した流体が最後に分注され、その後、ユーザーは、分注サイクルが開始されるとすぐに、分注機100から離れることができ、彼/彼女が戻ってきたときには、不足している流体製品の不足量を除いて、目標調合物が実質的に分注されている。このようにして、ユーザーが分注機100に戻るとすぐに、彼/彼女は、終了した収容ユニット111を同じ流体製品を含む新しいものと交換し、直後に分注サイクルを完了することができる。
【0120】
ここで説明した1つのバージョンでは、本発明による制御方法は、自動分注サイクルと一体的に、1つ又は複数の流体製品の手動による追加を管理することもできる。典型的には、容器118がまだ支持面117上に静止しており、スライダ120が取り外し位置124に移動している分注サイクルの終わりに行う。前記製品は、例えば、補助コンパートメント129に収容されたボトル又はフラスコに含まれる添加剤又は他の類似物質とすることができる。
【0121】
選択された目標調合物が1つ以上の製品を手動で追加することを必要とする場合、これらの製品は、分注ゾーン15の表現で構成された製品リストで構成することができ、場合によっては、この製品は手動で配送されなければならず、分注ゾーン115の支持部材112上に配置してはならないことをユーザーに知らせる警告メッセージを伴っている。
【0122】
このバージョンによると、制御方法は、表示装置159上及び/又はスケール116に関連するディスプレイ上で、ユーザーが容器118に徐々に注ぎ込む際に手動で追加される製品の量を制御することを提供してもよい。この制御は、前記1つ又は複数の製品を手動で追加する可能性がある間でも、容器が静止したままであるスケール116の検出に基づいている。
【0123】
本発明による制御方法の別のバージョンでは、分注されるべき量がスケール116の容量、すなわちこの測定器によって測定可能な最大値を超えた場合に、流体製品の分注を分別する方法が提供される。例えば、スケール116の容量は2.2kgとすることができる。ここで例として説明したバージョンでは、タンク142の最大容量は2リットルであるので、高い比重を有する特定の流体製品は、スケールの容量よりも更に重くなる可能性がある。その結果、いくつかの配合では、例えば3kgの製品に相当する量の特定の流体製品を必要とすることがあり、これは測定器の容量を超える。
【0124】
このバージョンの制御方法によれば、まず、分注される流体製品の各量がスケール116の容量を超えるかどうかを検証する方法が提供される。検証が肯定的な結果となった場合、制御ユニットは、その特定の流体製品を含む分注ユニット111を駆動して、この製品が2回の連続した分注で分注されるようにし、それぞれの分注では、例えば、分注されるべき総量の半分が分注される。上述の例では、流体製品は、例えば、1.5kgずつの2回の連続した送出で送出される。
【0125】
更に、本発明による制御方法によれば、各分注サイクルの前に、支持面117上の容器118の存在を確認するための予備ステップを設けることができる。このステップは、スライダ120に内蔵され、スケール116に関連付けられた、当該技術分野で既知の存在センサを用いて実施することができ、容器118の存在、又は不在/誤った取り付けを検出する。容器118が存在しないことを存在センサが検出した場合、制御方法は、分注サイクルの開始を防止すると同時に、容器118が存在しない、又は正しく取り付けられていないことをユーザーに知らせるアラーム信号を送信することを提供する。この予備的な検証ステップは、容器118が誤って欠けていたり正しく取り付けられていなかったりした場合に、流体着色製品の分注によって分注機100が汚されるのを防ぐことができるので、有利である。
【0126】
また、その制御方法は、容器118の容量又は体積の点でのサイズが、選択された目標調合物によって提供される量を受け取るのに適していることを検証することを提供してもよい。この変形例によれば、制御ユニットは、入力データとして、分注機100によって分注される流体製品を受け取るために使用することができる異なる容器118の重量及び体積を提供されている。このようにして、センサが容器118の存在を検出する一方で、スケール116がその重量を検出することで、選択された目標調合物を受け取るのに十分な容積を有する容器118であるかどうかを検出することができる。
【0127】
更に、本発明による制御方法は、各分注サイクルの前に、除去ゾーン124へのアクセスを可能にするドア127が正しく閉じられているかどうかを検証し、ドア127がまだ開いているか正しく閉じられていない場合に分注サイクルが開始されないようにする、予備ステップを含んでいてもよい。これにより、ドア127が閉じていないと動作しない分注機の安全性が向上し、操作者の手に偶発的な怪我が生じる可能性を回避することができる。
【0128】
本発明による制御方法によれば、例えば、ポンピングユニット145による流体製品の吐出速度、及び/又はスケール116及び容器118を運ぶスライダ120の並進速度、及び/又はそれぞれの収容ユニット111に収容された流体製品ごとに場合によっては個別に許容される最大吐出公差など、分注サイクルを制御する分注機100の動作パラメータを調整する手段を更に備えることができる。
【0129】
パラメータを調整することで、分注機100は非常に柔軟なものとなり、要求に応じて、多かれ少なかれ迅速な方法で動作させることができ、その結果、多かれ少なかれ正確に動作させることができる。例えば、分注機がテスト分注サイクルを行うために使用され、その処方がテスト目的である場合には、分注精度を犠牲にしても高速化するために、分注機の動作パラメータを変化させることができる。特に、分注量の許容範囲を広くすることで、必要な量に到達するまでの分注ステップを早くしたり、目盛りの読み取りを安定させるための待ち時間を短くしたり、スライダ120を早く動かしたりすることができる。例えば、上述した0.01グラムの感度の代わりに、0.05グラムのスケール116の感度を受け入れた場合、分注時間を約10%短縮することができ、それに応じてスライダ120の移動速度を上げることができる。
【0130】
制御方法は、動作パラメータの調整が、表示装置159を介して、使用するのが容易で直感的なインターフェースによって、しかし、例えばパスワードによって保護されたアクセスで実行できることを提供することができる。このようにして、ユーザーが誤って不用意に分注機の動作パラメータを変更してしまうことを防止することができる。
【0131】
本発明による制御方法によれば、更に任意に、例えば1つ又は複数のストリップ状のLEDライトとして構成された視覚的な信号手段を分注ゾーン115に関連付けて、場合によっては分注機から遠く離れた場所にいるユーザーに分注サイクルの状態を知らせる方法が提供されてもよい。ある例示的な変形例では、制御ユニットは、分注機が分注サイクルを実行しているときは青色を、サイクルが終了してマシンが新しいサイクルを実行する準備ができているときは緑色を、問題又は誤動作が検出されたためにサイクルが中断されたときは赤色を呈するように、ストリップ/帯状のLEDライトに命令することができる。例えば、少なくとも1つの収容ユニットに収容されている製品が、予想される吐出量に達しないまま、吐出中に終了した場合に、ストリップ/帯状のLEDライトが赤色に点灯する方法が提供される。
【0132】
このバージョンの方法では、制御ユニットは、例えば携帯電話やラップトップなどのユーザーに供給される電子デバイス上のテキストメッセージや電子メール、又はユーザーが身につけているスマートウォッチ上のアラートなどによって、問題又は誤動作を警告する信号をユーザーに送信するように構成することもできる。
【0133】
(保守・在庫管理)
次に、
図11を参照しながら、本発明による制御方法のオプション機能について説明する。これは、収納ゾーン28と、分注ゾーン15の両方に配置された、しばらく使用されていない収容ユニット11を表示することができるものである。
【0134】
例えば、最後に使用されてからの経過時間は、分注機の制御方法を構成するための設定のうち、ユーザーが設定することができる。あるいは、本発明による制御方法は、各収容ユニットについて、分注サイクルにおける最後の使用日を記憶し、この最後の使用日からの経過時間を計算することを含むことができる。例えば、この時間は、1週間、又は2週間、又は1ヶ月、又はそれ以上に等しくすることができる。そして、最後の使用日からの経過時間を、所定の時間閾値と比較する。
【0135】
このバージョンによると、制御方法は、分注機のレイアウトの表現において、ユーザーによって設定された時間よりも長い時間使用されていない収容ユニット11を図形的に強調することを提供する。例えば、
図11に示すように、これらの収容ユニット11を感嘆符で強調し、その上に1つ以上の矢印が配置された閉じたリングを組み合わせることができる。
【0136】
設定された時間よりも長い時間使用されていない収容ユニット11を図形的に強調表示することは、表示装置159に設けられた特別なアイコンによって、ユーザーが任意に要求することができる。
【0137】
この機能のおかげで、制御手段は、しばらく使用されていないために乾燥し、少なくとも部分的に収容ユニット111に構成された導管組立体を詰まらせる可能性がある流体製品を均質に混合するために再循環させる必要があるすべての収容ユニット11を、ユーザーが直感的にかつ迅速に見ることができる。
【0138】
分注機100は、容器142に収容された流体製品の再循環サイクルを実施する可能性を提供し、好適には、収容ユニット111に構成されたバルブを配置することができる。流体の再循環フローは、スライダ120上に配置された、それぞれのモータによって駆動されるポンピングユニット145によって得られる。その結果、流体製品の再循環は、必要に応じて、分注ゾーン115において実施することができる。
【0139】
本発明の方法によれば、再循環が必要な収容ユニット11が図形的に強調されると、ユーザーは以下の2つのモードで交互に作業を進めることができる。
【0140】
第1のモードでは、送出されるべき対象の調合物に含まれる収容ユニット11に含まれる流体製品のみを再循環させる方法が提供できる。
図11の例では、分注ゾーン15は、再循環させる必要のある3つの収容ユニット11、すなわち、特にコード「429」、「403」及び「423」で識別される収容ユニットを含んでいる。送出されるべき対象調合物がこれらの流体製品の1つ以上からなる場合、分注サイクルを実施する前に、スライダ120を再循環させるべき収容ユニット111に対応させ、上述の方法で流体製品を再循環させる。
【0141】
あるいは、状況が許せば、ユーザーは、それを必要とするすべての収容ユニット11、すなわち、例えば
図11に図示されているすべての収容ユニット11を定期的に再循環させることを選択することができる。これを行うために、本発明による制御方法は、ユーザーが、分注ゾーン115の支持部材112上に、13の利用可能な位置すべてに、再循環させる必要のある同数の収容ユニット111を配置することを提供する。
【0142】
このようにして、支持部材112上に配置された各収容ユニット111に対応してスライダ120が配置され、一度に13個のグループで次々と全ての収容ユニットを再循環させる、排他的再循環の1つ以上のサイクルを開始することが可能である。
【0143】
この変形例は、上述のように一定の時間間隔で定期的に再循環動作を行えば、1つ以上の収容ユニット111に収容された製品を再循環させるステップを含まない分注サイクルの期間を短くすることができるので有利である。
【0144】
ここで説明した制御方法によれば、ユーザーが、例えば、対応する図形記号を数秒間押し続けることによって、表示装置159から特定の収容ユニット11を選択することができることも提供できる。
図12に示す例では、ユーザーがコード「421」で識別される収容ユニットを選択した後、図面に数字65で示すダイアログウィンドウが開かれ、収容ユニット111内に存在する流体製品の量に関連する、数字66で示すユーザーが修正可能なフィールドを含んでいる。
【0145】
これにより、ユーザーは、表示装置159に表示された流体製品の量が、実際に収容ユニットに含まれている量であることを確認し、場合によっては、フィールド66で修正して実際の量に合わせることができる。この検証を行うために、ユーザーは、制御対象の収容ユニット111を取り出して、分注機100に構成されたスケール116上に配置することができる。分注機の制御ユニットは、スケール116で読み取られた値により、収容ユニット111の風袋と、その中に含まれる流体製品の比重の両方を知っているので、問題の収容ユニット111の内部に存在する流体の量を直接計算することができる。その結果、この値がフィールド66に表示されている値と一致しない場合、ユーザーはスケール116で検出された値に応じて修正することになる。
【0146】
この機能のおかげで、制御方法は、例えばサンプリングによって、収容ユニット111内に収容された流体製品が表示装置159に表示されたものであるかどうかを検証すること、及び/又はこの量を手動で調整することができるので、特に柔軟性がある。
【0147】
例えば、ユーザーが分注機の外に届けるために、ある量の流体製品を収容ユニット111の1つから取り出した場合、制御ユニットは当然、この分注機の外への手動での運搬を考慮することはできない。従って、この方法の柔軟性により、分注機外への手動で送出した後にも、流体製品の残量を手動で設定することが可能である。
【0148】
更に、収容ユニット111に収容されている流体製品の量を手動で調整するこの可能性は、ユーザーが、最小残留量の流体製品を収容した容器142を、流体製品で完全に満たされた新しい容器142と早期に交換することも選択できるので、分注機100の使用を非常に柔軟にする。このようにして、ユーザーは、その流体製品を含む最初の分注サイクルの間に交換を行わなくてもよくなる。
【0149】
図示されていない変形例によれば、ここで説明した制御方法は、仕上げに近い容器142を有する収容ユニット111の事前交換を管理する機能も提供する。この変形例では、表示装置159上の専用アイコンを押すことにより、ユーザーは、事前に設定された閾値よりも少ない量の流体製品を含むすべての図形的表現による収容ユニット11(※収容ユニット111を表示装置上で図形的に表現したもの)を-分注機のレイアウトの文脈で-得ることができる。例えば、この変形例では、0.1ccよりも少ない流体製品の残量があるすべての収容ユニット11を図形的に強調することができる。一実施形態では、収容ユニットは、破線及び/又は色付き及び/又は点滅する線又はシンボルによって図形的に強調表示することができ、これは、強調表示しなければならない収容ユニット11の上又は周囲に配置することができる。上述した事前交換機能により、ユーザーは、画面に表示されている収容ユニット111の容器142を、同じ流体製品が完全に充填されたそれぞれの新しい容器と交換することができる。
【0150】
その後、ユーザーは、ダイアログウィンドウ65を用いて、容器が交換された収容ユニットに含まれる流体製品の正しい量を手動で設定する。具体的には、ユーザーは、分注機のレイアウト表示で、完成した容器が新しい容器に交換された収容ユニット11を1つずつ選択し、交換された容器の公称容量に応じて、公称容量に等しい、例えば0.5リットル、1リットル、2リットルの流体製品の量をフィールド66に設定する。
【0151】
更に、ここで説明した制御方法によれば、分注機100に収容ユニットを追加する機能を提供することができる。この機能は、分注機によって送出可能な調合物が、流体着色製品を調合した者によってリリースされた新しい色を含む場合に、特に有用である。この場合、新製品の存在を制御ユニットに指示することが可能であり、そのために、分注機100の収納ゾーン128における特定の位置を提案することが可能である。このようにして、カラーマネジメントソフトウェアの更新により、選択可能な目標配合のうち、この新製品を含む新しい配合を統合することができる。
【0152】
上記の様々なバージョンにおいて、1つ以上の収容ユニットを図形的に強調することは、例えば
図11及び12のような分注機のレイアウトの表現と、例えば
図8及び9で参照されているような分注ゾーンの概略表現の両方を含むことができることを理解されたい。
【0153】
本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、前述のような分注機及びその制御方法に対して、部品及びコンポーネント、又はステップもしくはサブステップの修正及び/又は追加を行うことができることは明らかである。
【0154】
本発明は、いくつかの具体例を参照して説明されてきたが、当業者であれば、複数の流体製品から出発して、ユーザーによって定義された目標調合物を調製する分注機又はその方法について、他の多くの同等の形態を確実に達成することができ、請求項に規定するような特性を有するので、すべて請求項によって規定された保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】