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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】超音波吸引灌流一体化器具
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
A61F9/007 130G
A61F9/007 130A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575067
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2020084407
(87)【国際公開番号】W WO2021012719
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】201910666175.9
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549246
【氏名又は名称】以諾康医療科技(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】顔 忠余
(72)【発明者】
【氏名】汪 輝
(72)【発明者】
【氏名】程 春節
(72)【発明者】
【氏名】駱 威
(57)【要約】
超音波吸引灌流一体化器具は、ハウジング(101)と、ハウジング(101)の内部に配置されたホーン(105)と、ハウジング(101)の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ(201)及び外側ニードルスリーブ(301)とを含み、外側ニードルスリーブ(301)は内側ニードルカニューレ(201)の外側に嵌められ、内側ニードルカニューレ(201)の中空内部は吸引管路であり、外側ニードルスリーブ(301)の内壁と内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間は灌流管路であり、吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する。本装置は、内側ニードルカニューレ(201)の遠位端正面開口を利用して灌流液と接触し、超音波振動により空洞、消滅を引き起こし、すなわちキャビテーションにより硝子体を破砕し、液化し、吸引除去し、超音波振動によるニードルヘッドの周囲組織への損傷を低減し、熱の発生及びその影響を低減し、灌流液を提供して硝子体を液化し吸引する効率を向上させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波吸引灌流一体化器具であって、ハウジング(101)と、前記ハウジング(101)の内部に配置されたホーン(105)と、前記ハウジング(101)の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ(201)及び外側ニードルスリーブ(301)とを含み、前記外側ニードルスリーブ(301)は前記内側ニードルカニューレ(201)の外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレ(201)の中空内部(202)は吸引管路であり、前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と前記内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間は灌流管路であり、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する、ことを特徴とする超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項2】
前記灌流管路は前記ハウジング(101)上に設けられた注入ジョイント(103)と、注入管(104)とをさらに含み、前記注入管(104)は前記ハウジング(101)上に外付けされた管路又は前記ハウジング(101)内に配置された通路として配置されることを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項3】
前記外側ニードルスリーブ(301)は遠位端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面(302)と、それぞれ前記外側ニードルスリーブ(301)の両端側方に位置する灌流側孔(303)及び吸引側孔(304)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項4】
前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端面と前記外側ニードルスリーブ(301)の緩やかな頂面(302)の内壁との間に隙間(305)を有し、前記隙間(305)は前記吸引側孔(304)に連通する、ことを特徴とする請求項3に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項5】
前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端に接続体(203)が設けられ、前記内側ニードルカニューレ(201)は前記接続体(203)により前記ホーン(105)に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項6】
前記接続体(203)は割り口(2031)を有するテーパ近位端(2032)と、雄ねじ構造を有する中間部(2033)と、付勢してロックするための遠位端(2034)とを含み、前記中間部(2033)は外径が前記テーパ近位端(2032)の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーン(105)に設けられ、前記接続体(203)の内部は中央孔路(2035)を含み、前記中央孔路(2035)は大径区域(2036)と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端(2032)及び前記中間部(2033)の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレ(201)の外径に相当し、前記大径区域(2036)は前記遠位端(2034)の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項7】
前記大径区域(2036)は段差面(2037)を有し、前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端面は前記段差面(2037)に当接する、ことを特徴とする請求項6に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項8】
前記ハウジング(101)の遠位端に灌流ソフトショルダーカバー(102)が接続され、前記灌流ソフトショルダーカバー(102)の遠位端は1つのニードルスリーブ挟持孔(106)を有し、前記ニードルスリーブ挟持孔(106)は力を受けない場合その内径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項9】
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)との間は螺合されている、ことを特徴とする請求項8に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項10】
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)が固定されると外界から密封された灌流流通空間(107)が形成され、前記灌流流通空間(107)は前記灌流管路の一部として形成され、前記灌流流通空間(107)の片側は前記外側ニードルスリーブ(301)の灌流側孔(303)を介して前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間に連通し、他方側は前記ハウジング(101)上の注入ジョイント(103)と注入管(104)に連通する、ことを特徴とする請求項8に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項11】
前記灌流側孔(303)は前記灌流流通空間(107)内に位置する、ことを特徴とする請求項10に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項12】
超音波吸引灌流一体化器具であって、ハウジング(101)と、前記ハウジング(101)の内部に配置されたホーン(105)と、前記ハウジング(101)の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ(201)及び外側ニードルスリーブ(301)とを含み、前記外側ニードルスリーブ(301)は前記内側ニードルカニューレ(201)の外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端は接続体(203)により前記ホーン(105)の遠位端に固定され、前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端は灌流ソフトショルダーカバー(102)により前記ハウジング(101)の遠位端に固定され、前記超音波吸引灌流一体化器具は吸引管路と灌流管路とを含み、前記吸引管路は前記内側ニードルカニューレ(201)の中空内部(202)と、接続体(203)の中央孔路(2035)と、前記ホーン(105)の内孔(1051)と、吸引ジョイント(108)とを含み、前記灌流管路は前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と前記内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間と、前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)との間の灌流流通空間(107)と、前記ハウジング(101)と前記ホーン(105)との間の隙間と、注入ジョイント(103)と、注入管(104)とを含み、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する、ことを特徴とする超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項13】
前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端と前記接続体(203)との間は隙間結合である、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項14】
前記外側ニードルスリーブ(301)はその両端にそれぞれ設けられた吸引側孔(304)と灌流側孔(303)を含み、前記吸引管路の入口は前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端開口(204)であり、前記遠位端開口(204)は前記吸引側孔(304)側に位置する、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項15】
前記外側ニードルスリーブ(301)は遠位端端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面(302)を含み、前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端開口(204)と前記外側ニードルスリーブ(301)の緩やかな頂面(302)の内壁との間に隙間(305)を有し、前記隙間(305)は前記吸引側孔(304)に連通する、ことを特徴とする請求項14に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項16】
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)がねじ結合で固定されて外界から密封された灌流流通空間(107)が形成され、前記灌流側孔(303)は前記灌流流通空間(107)内に位置する、ことを特徴とする請求項14に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項17】
前記接続体(203)は割り口(2031)を有するテーパ近位端(2032)と、雄ねじ構造を有する中間部(2033)と、付勢してロックするための遠位端(2034)とを含み、前記中間部(2033)は外径が前記テーパ近位端(2032)の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーン(105)に設けられ、前記接続体(203)の内部は前記中央孔路(2035)を含み、前記中央孔路(2035)は大径区域(2036)と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端(2032)及び前記中間部(2033)の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレ(201)の外径に相当し、前記大径区域(2036)は前記遠位端(2034)の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも大きく、前記大径区域(2036)は段差面(2037)を有し、前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端面は前記段差面(2037)に当接する、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項18】
前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端は前記テーパ近位端(2032)の近位端と面一であるか又は突出するが、突出した長さは器具の超音波動作周波数の波長の八分の一を超えない、ことを特徴とする請求項17に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項19】
前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端は高強度接着剤により前記接続体(203)のテーパ近位端(2032)の中央孔路(2035)内に接着される、ことを特徴とする請求項17に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療器具分野に関し、特に超音波吸引灌流一体化器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの眼は、角膜を経由して光を透過させ、水晶体を介して画像を集めて集束させ、また硝子体を通して後方の網膜上に集束させることにより画像を表示することができる。集束の質は、眼のサイズ及び形状、並びに角膜、水晶体、硝子体の透明度などを含む多くの要因によって決定される。硝子体は眼の後端に位置するゲル状の透明組織であり、例えば眼底出血、網膜剥離など、眼の疾患が発生する場合、硝子体切除術により硝子体を吸引除去する必要があり、硝子体が除去されると網膜及び眼の他の組織に加えられる張力を緩和させることもできる。一般的な硝子体切除術器具は硝子体切除ハンドピース、照明管、灌流管などを含む。
【0003】
例えば中国特許CN104640522Bの「硝子体及び他の組織を除去するための振動外科手術装置」は、超音波ハンドピースを利用して吸引ニードルカニューレを駆動する超音波駆動による吸引ニードルカニューレ(套管)の器具を開示し、一般的な眼用吸引ニードルカニューレと同様に、その遠位側の末端の吸引ポートの断面積は、カニューレのキャビティの断面積よりも小さい。この特許公報によれば、このような装置は、硝子体を除去するために、吸引圧力とニードルカニューレの振動を利用して、遠位側の末端の外部に空洞を発生させることなく、側方ポートを通る組織の周期的な双方向の流れを形成する。このような装置は、乱流又は組織損傷を低減するために超音波振動の振幅が小さい範囲に制限されることが望まれている。実際に利用する際に、このような適切な振幅制限は捉えることが困難であり、超音波の振動及びそれにより生じる熱は、網膜など微細な組織を損傷することになり、適切な冷却及び外側スリーブの保護がなければ、医療機器にとって安全性に問題がある。しかしながら、外側スリーブを加えると、超音波の性能に影響を及ぼし、発熱を増加させることになる。この特許は、乱流による損傷を低減するために、套管の遠位端に取り付けられたいくつかのシースに言及するが、超音波の性能及び発熱効果に影響を及ぼすことを解決する技術的解決手段を提供せず、また、この装置における吸引機能と輸液機能は2つの異なる機器によりそれぞれ実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、内側ニードルカニューレ(内側ニードル管)の遠位端正面開口を利用して灌流液と接触し、超音波振動により空洞、消滅を引き起こし、すなわちキャビテーションにより硝子体を破砕し、液化し、吸引除去し、超音波振動によるニードルヘッドの周囲組織への損傷を低減し、熱の発生及びその影響を低減し、灌流液を提供して硝子体を液化し吸引する効率を向上させる超音波吸引灌流一体化器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の技術的問題を解決するために、本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。
超音波吸引灌流一体化器具は、ハウジングと、ハウジング内部に配置されたホーンと、前記ハウジングの遠位端に延設された内側ニードルカニューレ及び外側ニードルスリーブとを含み、前記外側ニードルスリーブは前記内側ニードルカニューレの外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレの中空内部は吸引管路であり、前記外側ニードルスリーブの内壁と内側ニードルカニューレの外壁との間の隙間は灌流管路であり、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する。
【0006】
好ましくは、前記灌流管路は前記ハウジング上に設けられた注入ジョイントと、注入管とをさらに含み、前記注入管は前記ハウジング上に外付けされた管路又は前記ハウジング内に配置された通路として配置されてもよい。
【0007】
好ましくは、前記外側ニードルスリーブは遠位端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面と、それぞれ前記外側ニードルスリーブの両端側方に位置する灌流側孔及び吸引側孔とを含む。
【0008】
好ましくは、前記内側ニードルカニューレの遠位端面と前記外側ニードルスリーブの緩やかな頂面の内壁との間に隙間を有し、前記隙間は前記吸引側孔に連通する。
【0009】
好ましくは、前記内側ニードルカニューレの近位端に接続体が設けられ、前記内側ニードルカニューレは前記接続体により前記ホーンに固定される。
【0010】
好ましくは、前記接続体は割り口を有するテーパ近位端と、雄ねじ構造を有する中間部と、付勢してロックするための遠位端とを含み、前記中間部は外径が前記テーパ近位端の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーンに設けられ、前記接続体の内部は中央孔路を含み、前記中央孔路は大径区域と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端及び中間部の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレの外径に相当し、前記大径区域は前記遠位端の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブの外径よりも大きい。
【0011】
好ましくは、前記大径区域は段差面を有し、前記外側ニードルスリーブの近位端面は前記段差面に当接する。
【0012】
好ましくは、前記ハウジングの遠位端に灌流ソフトショルダーカバーが接続され、前記灌流ソフトショルダーカバーの遠位端は1つのニードルスリーブ挟持孔を有し、前記ニードルスリーブ挟持孔は力を受けない場合その内径が前記外側ニードルスリーブの外径よりも小さい。
【0013】
好ましくは、前記灌流ソフトショルダーカバーと前記ハウジングとの間は螺合されている。
【0014】
好ましくは、前記灌流ソフトショルダーカバーと前記ハウジングが固定されると外界から密封された灌流流通空間が形成され、前記灌流流通空間は前記灌流管路の一部として形成され、前記灌流流通空間の片側は外側ニードルスリーブの灌流側孔を介して前記外側ニードルスリーブの内壁と内側ニードルカニューレの外壁との間の隙間に連通し、他方側は前記ハウジング上の注入ジョイントと注入管に連通する。
【0015】
好ましくは、前記灌流側孔は前記灌流流通空間内に位置する。
【0016】
本発明は、ハウジングと、ハウジングの内部に配置されたホーンと、前記ハウジングの遠位端に延設された内側ニードルカニューレ及び外側ニードルスリーブとを含み、前記外側ニードルスリーブは前記内側ニードルカニューレの外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレの近位端は接続体により前記ホーンの遠位端に固定され、前記外側ニードルスリーブの近位端は灌流ソフトショルダーカバーにより前記ハウジングの遠位端に固定される別の超音波吸引灌流一体化器具であって、吸引管路と灌流管路とを含み、前記吸引管路は内側ニードルカニューレの中空内部と、接続体の中央孔路と、ホーンの内孔と、吸引ジョイントとを含み、前記灌流管路は前記外側ニードルスリーブの内壁と内側ニードルカニューレの外壁との間の隙間と、前記灌流ソフトショルダーカバーと前記ハウジングとの間の灌流流通空間と、前記ハウジングとホーンとの間の隙間と、注入ジョイントと、注入管とを含み、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する超音波吸引灌流一体化器具をより詳細に開示する。
【0017】
好ましくは、前記外側ニードルスリーブの近位端と前記接続体との間は隙間結合である。
【0018】
好ましくは、前記外側ニードルスリーブはその両端にそれぞれ設けられた吸引側孔と灌流側孔を含み、前記吸引管路の入口は前記内側ニードルカニューレの遠位端開口であり、前記遠位端開口は前記吸引側孔側に位置する。
【0019】
好ましくは、前記外側ニードルスリーブは遠位端端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面を含み、前記内側ニードルカニューレの遠位端開口と前記外側ニードルスリーブの緩やかな頂面の内壁との間に隙間を有し、前記隙間は前記吸引側孔に連通する。
【0020】
好ましくは、前記灌流ソフトショルダーカバーと前記ハウジングがねじ結合で固定されて外界から密封された灌流流通空間が形成され、前記灌流側孔は前記灌流流通空間内に位置する。
【0021】
好ましくは、前記接続体は割り口を有するテーパ近位端と、雄ねじ構造を有する中間部と、付勢してロックするための遠位端とを含み、前記中間部は外径が前記テーパ近位端の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーンに設けられ、前記接続体の内部は前記中央孔路を含み、前記中央孔路は大径区域と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端及び中間部の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレの外径に相当し、前記大径区域は前記遠位端の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブの外径よりも大きく、前記大径区域は段差面を有し、前記外側ニードルスリーブの近位端面は前記段差面に当接する。
【0022】
好ましくは、前記内側ニードルカニューレの近位端は前記テーパ近位端の近位端と面一であるか又は突出するが、突出した長さは器具の超音波動作周波数の波長の八分の一を超えない。
【0023】
好ましくは、前記内側ニードルカニューレの近位端は高強度接着剤により前記接続体のテーパ近位端の中央孔路内に接着される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の有益な効果は主に以下のとおりである。
1、本発明の吸引管路と灌流管路の遠位端に形成された合流箇所には内側ニードルカニューレの超音波振動があり、また内側ニードルカニューレの遠位端正面開口が灌流液と接触するため、この合流箇所に空洞が発生し、キャビテーションを引き起こすことが容易になり、さらにキャビテーションにより硝子体を破砕し、液化し、吸引除去する。
2、本発明の外側ニードルスリーブと超音波振動する内側ニードルカニューレとの間に隙間があり、かつ灌流液体を通し、外側ニードルスリーブと接続体は緩く嵌合し、したがって、接続体、内側ニードルカニューレの超音波振動が外側ニードルスリーブに伝達されず、内側ニードルカニューレの超音波性能に影響を及ぼすことはなく、また、超音波振動によるニードルヘッドの周囲組織への損傷を低減することができる。
3、超音波振動そのものは発熱を引き起こすが、従来技術のニードルヘッド上のエラストマーカバーも摩擦発熱を引き起こし、硝子体は粘稠でかつ流れが遅く、熱を効果的に持ち去ることができないことに比べて、本発明において吸引管路と灌流管路の遠位端に形成された合流箇所に灌流液が通過するため、冷却作用を効果的に果たすとともに、灌流液は吸引管路を潤滑する作用を果たし、管路摩擦の抵抗を低減し、吸引の流速を加速させる。
4、本発明において発生するキャビテーションは粘稠な硝子体を液化し、破砕する作用を有し、それをより吸引されやすくする。
5、本発明の内側ニードルカニューレの正面は自然に開口し、側面の小さい開口より流量が大きく、抵抗が小さくて、さらに吸引に役立ち、吸引の効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の好ましい実施例にて提供される超音波吸引灌流一体化器具の概略図である。
図2】本発明の好ましい実施例にて提供される超音波吸引灌流一体化器具の部分断面図である。
図3図2の分解概略図である。
図4】本発明の好ましい実施例にて提供される接続体の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に示す具体的な実施形態に合わせて本発明について詳細に説明する。しかし、これらの実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者がこれらの実施形態に基づいて行った構造、方法、又は機能上の変換はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0027】
解決手段の説明において、用語の「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが指示した方位又は位置関係は図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、示される装置又は素子は必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解できないことを説明すべきである。また、用語の「第1」、「第2」、「第3」は説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解できない。また、解決手段の説明において、操作者を基準にして、操作者に近づく方法を近位端とし、操作者から離れる方向を遠位端とする。
【0028】
図1から図3に示すように、本発明は、ハウジング101と、ハウジングの内部に配置されたホーン105と、前記ハウジング101の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ201及び外側ニードルスリーブ301とを含み、前記外側ニードルスリーブ301は前記内側ニードルカニューレ201の外側に嵌着(スリーブ接続)される超音波吸引灌流一体化器具を開示する。
【0029】
前記内側ニードルカニューレ201の近位端は接続体203(具体的な構造は図4に示すとおりであり、後で詳述する)により前記ホーン105の遠位端に固定され、三者は互いに固定される。前記外側ニードルスリーブ301の近位端は灌流ソフトショルダーカバー102により前記ハウジング101の遠位端に固定される。前記外側ニードルスリーブ301と接続体203との間は隙間嵌めであり、具体的な構造は以下のとおりである。前記ハウジング101の近位端には、それぞれ輸注流体源及び負圧を生じる吸引源に接続される注入ジョイント103及び吸引ジョイント108が設けられる。前記注入ジョイント103と吸引ジョイント108はそれぞれ灌流管路と吸引管路の近位端ジョイントである。前記ハウジング101の遠位端に灌流ソフトショルダーカバー102が固定されており、本発明の好ましい実施例では、両者は螺着(螺合)され、かつ前記灌流ソフトショルダーカバー102はテーパ構造となる。前記灌流ソフトショルダーカバー102は1つのニードルスリーブ挟持孔106を有し、前記ニードルスリーブ挟持孔106は力を受けない場合その内径が前記外側ニードルスリーブ301の外径よりも小さく、このように、前記外側ニードルスリーブ301は前記ニードルスリーブ挟持孔106を通り抜けると、前記ニードルスリーブ挟持孔106により一定の位置に固定されかつ密封されて漏れを防止することができる。
【0030】
従来技術を用いた前記ホーン105において、その内部は内孔1051を含み、かつこの内孔1051の遠位端は雌ねじ構造である。
【0031】
前記接続体203は割り口2031を有するテーパ近位端2032と、雄ねじ構造を有する中間部2033と、付勢してロックするための遠位端2034とを含む。前記中間部2033は外径が前記テーパ近位端2032の最大外径よりも大きく、その雄ねじが前記ホーン105上の雌ねじにマッチングする。
【0032】
前記接続体203の内部は中央孔路2035を含み、前記中央孔路2035は大径区域2036と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端2032及び中間部2033の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレ201の外径に相当し、前記大径区域2036は前記遠位端2034の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブ301の外径よりも大きい。前記大径区域2036は段差面2037を有し、前記外側ニードルスリーブ301の近位端面は前記段差面2037に当接し、当然のことながら、隙間を有してもよい。
【0033】
前記内側ニードルカニューレ201の近位端が前記接続体203の中央孔路2035の中に入ると、前記内側ニードルカニューレ201の近位端は前記テーパ近位端2032の近位端と面一であるか又は突出するが、突出した長さは器具の超音波動作周波数の波長の八分の一を超えず、このようにしてシステムの超音波特性に影響を及ぼすほどのことはない。
【0034】
この好ましい実施例では、前記中央孔路2035の小径区域の内径は前記内側ニードルカニューレ201の外径よりもわずかに大きく、割り口2031が締められると、テーパ近位端2032の中央孔路2035が縮小して、内側ニードルカニューレ201と接続体203とをロックする。このような設計により、内側ニードルカニューレ201のロックされた部分の応力が近位端から遠位端に向かって徐々に小さくなるので、動作時に、超音波振動による応力集中が緩和される。内側ニードルカニューレ201と接続体203との結合を向上させ、さらに応力集中を低減させるために、高強度接着剤でこれら両者をロック箇所で接着することが好ましい。具体的には、内側ニードルカニューレ201を接続体203内に挿入した後、接続体203をホーン105に螺入する。ホーン内部の雌ねじ区域の長さは接続体のねじ込み長さよりも短く、ホーンの内孔1051の直径は接続体のテーパ近位端2032の外径よりも小さく、このように接続体203を螺入し続けると、接続体のテーパ近位端2032はホーンの内孔に当たり、接触箇所の面取り部分は割り口2031を押し付けて縮め、最後に内側ニードルカニューレ201と、接続体203と、ホーン105とはよく結合される。
【0035】
この好ましい実施例では、前記内側ニードルカニューレ201は直線状のスチールニードルであり、それは中空内部202と遠位端開口204とを含む。
【0036】
前記外側ニードルスリーブ301は前記内側ニードルカニューレ201の外側に嵌着され、前記外側ニードルスリーブ301はその両端にそれぞれ設けられた吸引側孔304と灌流側孔303とを含む。前記外側ニードルスリーブ301は遠位端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面302をさらに含み、前記内側ニードルカニューレ201の遠位端開口204は前記吸引側孔304側に位置し、かつ前記外側ニードルスリーブ301の緩やかな頂面302の内壁との間に隙間305を有し、前記隙間305は前記吸引側孔304に連通する。
【0037】
前記外側ニードルスリーブ301は内側ニードルカニューレ201の遠位端から内側ニードルカニューレ上に嵌められ、次いで、接続体203の大径区域2036の段差面2037まで挿入される。前記大径区域2036の内径は前記外側ニードルスリーブ301の外径よりも50マイクロメートル以内大きい。このように、外側ニードルスリーブ301の近位端と前記接続体203との間は隙間嵌めであり(すなわち、緩く嵌合する)、外側ニードルスリーブ301を真ん中にあるように制御するために用いらえる。前記灌流ソフトショルダーカバー102はニードルスリーブ挟持孔106により遠位端から外側ニードルスリーブ301の外側に嵌められ、このように外界から密封された灌流流通空間107が形成され、前記外側ニードルスリーブ301の灌流側孔303は前記灌流流通空間107内に位置する。前記灌流流通空間107の片側は外側ニードルスリーブ301の灌流側孔303を介して前記外側ニードルスリーブ301の内壁と内側ニードルカニューレ201の外壁との間の隙間に連通し、他方側は前記ハウジング101上の注入ジョイント103と注入管104に連通する。
【0038】
上記のように、前記超音波吸引灌流一体化器具は吸引管路と灌流管路を形成する。
【0039】
前記吸引管路は前記外側ニードルスリーブ301の吸引側孔304と、前記内側ニードルカニューレ201の遠位端開口204と、内側ニードルカニューレ201の中空内部202と、接続体203の中央孔路2035と、ホーン105の内孔1051と、吸引ジョイント108とを含む。
【0040】
前記灌流管路は前記外側ニードルスリーブ301の内壁と内側ニードルカニューレ201の外壁との間の隙間と、前記灌流ソフトショルダーカバー102と前記ハウジング101との間の灌流流通空間107と、前記ハウジング101とホーン105との間の隙間と、注入ジョイント103と、注入管104とを含む。前記注入管104は前記ハウジング101上に外付けされた管路又は前記ハウジング101内に配置された通路として配置されてもよい。
【0041】
この好ましい実施例では、前記外側ニードルスリーブ301の内径は前記内側ニードルカニューレ201の外径よりも20-200マイクロメートルの範囲で大きく、その間の隙間を一定の範囲に制御して灌流の速度を制御し、吸引の速度を灌流の速度より大きくし、硝子体組織が内側ニードルカニューレ201の遠位端開口204に接近できることを保証する。本発明の内側ニードルカニューレ201の正面は自然に開口し、従来技術の側面の小さい開口より流量が大きく、抵抗が小さく、さらに吸引に役立ち、吸引の効率を向上させる。
【0042】
超音波が動作する場合、超音波振動がハンドピースのホーン105により内側ニードルカニューレ201の遠位端に伝達され、前記吸引管路と灌流管路の遠位端が合流するため、遠位端付近の灌流液キャビテーションが引き起こされ、キャビテーションにより部分の硝子体が液化されて灌流液とともに吸引される。
【0043】
従来技術における硝子体吸引の原理に比べて見ると、双方向流れが利用され、空洞の生成を必要とせず、また望まれず、空洞によるキャビテーションは眼の微細な組織を損傷することがあると考えられ、したがって、ニードルヘッドの振幅が小さく制御される。本発明の硝子を吸引の原理はキャビテーションを利用することであり、例えば水のような粘稠ではない液体が超音波振動面に存在すれば、空洞が発生して、キャビテーションを引き起こすことがさらに容易になる。本発明の吸引管路と灌流管路の遠位端に形成された合流箇所には内側ニードルカニューレの超音波振動があり、また内側ニードルカニューレの遠位端正面開口が灌流液(例えば水)と接触するため、この合流箇所に空洞が発生し、キャビテーションを引き起こすことが容易になり、引き起こされるキャビテーションは硝子体を液化し、破砕する作用を有することにより、それを容易に吸引することができる。
【0044】
より重要なことに、従来技術において、空洞を生成しない理想的なモードは、多くの場合に制御しにくく、例えば別の灌流ニードルヘッドからの液体が存在し、超音波駆動される吸引ニードルヘッドの振幅が一定の閾値を超えるなどが挙げられ、このような空洞が生じる噴流、消滅及び吸引ニードルヘッドの振動はいずれも眼組織に損傷を与える可能性があるため、従来技術は吸引ニードルヘッドに保護カバーを嵌め、すなわちエラストマーカバーを吸引ニードルヘッドに付着することを提案するが、吸引ニードルヘッド箇所の超音波振動が大きくかつ敏感であるため、超音波性能に影響を及ぼすことになる。本発明の外側ニードルスリーブと超音波振動する内側ニードルカニューレとの間に隙間があり、かつ灌流液体を通し、緩く嵌合する接続体203と灌流ソフトショルダーカバー102は外側ニードルスリーブ301を真ん中に位置決めさせるため、接続体203、内側ニードルカニューレ201の超音波振動が外側ニードルスリーブ301に伝達されず、外側ニードルスリーブ301が内側ニードルカニューレ201の超音波性能に影響を及ぼすことはなく、また超音波振動によるニードルヘッドの周囲組織に対する超音波又は機械的損傷を低減して、例えば網膜など微細な組織を保護することができる。
【0045】
超音波振動そのものは発熱を引き起こすが、従来技術のエラストマーカバーと吸引ニードルヘッドの振動摩擦で摩擦発熱も引き起こし、硝子体は粘稠でかつ流れが遅く、熱を効果的に持ち去ることができないことに比べて、本発明において吸引管路と灌流管路の遠位端に形成された合流箇所に灌流液が通過するため、冷却作用を効果的に果たすとともに、灌流液は吸引管路を潤滑する作用を果たし、管路摩擦の抵抗を低減し、吸引の流速を加速させ、効率を向上させる。
【0046】
以上は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、上記好ましい実施形態は本発明を限定するものとして見なされるべきではなく、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に限定される範囲を基準とすべきであることを指摘すべきである。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、いくつかの改善及び修飾を行うことができ、これらの改善及び修飾も本発明の保護範囲として見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波吸引灌流一体化器具であって、ハウジング(101)と、前記ハウジング(101)の内部に配置されたホーン(105)と、前記ハウジング(101)の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ(201)及び外側ニードルスリーブ(301)とを含み、前記外側ニードルスリーブ(301)は前記内側ニードルカニューレ(201)の外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレ(201)の中空内部(202)は吸引管路であり、前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と前記内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間は灌流管路であり、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する、ことを特徴とする超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項2】
前記灌流管路は前記ハウジング(101)上に設けられた注入ジョイント(103)と、注入管(104)とをさらに含み、前記注入管(104)は前記ハウジング(101)上に外付けされた管路又は前記ハウジング(101)内に配置された通路として配置されることを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項3】
前記外側ニードルスリーブ(301)は遠位端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面(302)と、それぞれ前記外側ニードルスリーブ(301)の両端側方に位置する灌流側孔(303)及び吸引側孔(304)とを含
前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端面と前記外側ニードルスリーブ(301)の緩やかな頂面(302)の内壁との間に隙間(305)を有し、前記隙間(305)は前記吸引側孔(304)に連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項4】
前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端に接続体(203)が設けられ、前記内側ニードルカニューレ(201)は前記接続体(203)により前記ホーン(105)に固定され、
前記接続体(203)は割り口(2031)を有するテーパ近位端(2032)と、雄ねじ構造を有する中間部(2033)と、付勢してロックするための遠位端(2034)とを含み、前記中間部(2033)は外径が前記テーパ近位端(2032)の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーン(105)に設けられ、前記接続体(203)の内部は中央孔路(2035)を含み、前記中央孔路(2035)は大径区域(2036)と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端(2032)及び前記中間部(2033)の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレ(201)の外径に相当し、前記大径区域(2036)は前記遠位端(2034)の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項5】
前記ハウジング(101)の遠位端に灌流ソフトショルダーカバー(102)が接続され、前記灌流ソフトショルダーカバー(102)の遠位端は1つのニードルスリーブ挟持孔(106)を有し、前記ニードルスリーブ挟持孔(106)は力を受けない場合その内径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項6】
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)との間は螺合されており
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)が固定されると外界から密封された灌流流通空間(107)が形成され、前記灌流流通空間(107)は前記灌流管路の一部として形成され、前記灌流流通空間(107)の片側は前記外側ニードルスリーブ(301)の灌流側孔(303)を介して前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間に連通し、他方側は前記ハウジング(101)上の注入ジョイント(103)と注入管(104)に連通する、ことを特徴とする請求項に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項7】
超音波吸引灌流一体化器具であって、ハウジング(101)と、前記ハウジング(101)の内部に配置されたホーン(105)と、前記ハウジング(101)の遠位端に延設された内側ニードルカニューレ(201)及び外側ニードルスリーブ(301)とを含み、前記外側ニードルスリーブ(301)は前記内側ニードルカニューレ(201)の外側に嵌められ、前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端は接続体(203)により前記ホーン(105)の遠位端に固定され、前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端は灌流ソフトショルダーカバー(102)により前記ハウジング(101)の遠位端に固定され、前記超音波吸引灌流一体化器具は吸引管路と灌流管路とを含み、前記吸引管路は前記内側ニードルカニューレ(201)の中空内部(202)と、接続体(203)の中央孔路(2035)と、前記ホーン(105)の内孔(1051)と、吸引ジョイント(108)とを含み、前記灌流管路は前記外側ニードルスリーブ(301)の内壁と前記内側ニードルカニューレ(201)の外壁との間の隙間と、前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)との間の灌流流通空間(107)と、前記ハウジング(101)と前記ホーン(105)との間の隙間と、注入ジョイント(103)と、注入管(104)とを含み、前記吸引管路と灌流管路の遠位端は合流する、ことを特徴とする超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項8】
前記外側ニードルスリーブ(301)はその両端にそれぞれ設けられた吸引側孔(304)と灌流側孔(303)を含み、前記吸引管路の入口は前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端開口(204)であり、前記遠位端開口(204)は前記吸引側孔(304)側に位置する、ことを特徴とする請求項に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項9】
前記外側ニードルスリーブ(301)は遠位端端面に位置する閉鎖された緩やかな頂面(302)を含み、前記内側ニードルカニューレ(201)の遠位端開口(204)と前記外側ニードルスリーブ(301)の緩やかな頂面(302)の内壁との間に隙間(305)を有し、前記隙間(305)は前記吸引側孔(304)に連通
前記灌流ソフトショルダーカバー(102)と前記ハウジング(101)がねじ結合で固定されて外界から密封された灌流流通空間(107)が形成され、前記灌流側孔(303)は前記灌流流通空間(107)内に位置する、ことを特徴とする請求項に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【請求項10】
前記接続体(203)は割り口(2031)を有するテーパ近位端(2032)と、雄ねじ構造を有する中間部(2033)と、付勢してロックするための遠位端(2034)とを含み、前記中間部(2033)は外径が前記テーパ近位端(2032)の最大外径よりも大きく、それに合わせる雌ねじが前記ホーン(105)に設けられ、前記接続体(203)の内部は前記中央孔路(2035)を含み、前記中央孔路(2035)は大径区域(2036)と小径区域とを含み、前記小径区域は前記テーパ近位端(2032)及び前記中間部(2033)の内部に位置し、かつその直径が前記内側ニードルカニューレ(201)の外径に相当し、前記大径区域(2036)は前記遠位端(2034)の内部に位置し、かつその直径が前記外側ニードルスリーブ(301)の外径よりも大きく、前記大径区域(2036)は段差面(2037)を有し、前記外側ニードルスリーブ(301)の近位端面は前記段差面(2037)に当接
前記内側ニードルカニューレ(201)の近位端は前記テーパ近位端(2032)の近位端と面一であるか又は突出するが、突出した長さは器具の超音波動作周波数の波長の八分の一を超えない、ことを特徴とする請求項7に記載の超音波吸引灌流一体化器具。
【国際調査報告】