(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】火災抑制装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20220824BHJP
A62C 3/16 20060101ALI20220824BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220824BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20220824BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20220824BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20220824BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220824BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
A62C3/16 C
H01M10/613
H01M10/6568
H01M10/633
H01M10/651
H01M10/625
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576690
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020068548
(87)【国際公開番号】W WO2021004860
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521559441
【氏名又は名称】エー.・スベンソン・インターナショナル・エービー
【氏名又は名称原語表記】A.SVENSSON INTERNATIONAL AB
【住所又は居所原語表記】P.O.BOX 8005,350 08 Vaexjoe,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】スベンソン、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031HH06
5H031KK08
5H040AA37
5H040AS07
5H040LL01
(57)【要約】
本発明は、リチウムイオンバッテリパック(7)などのバッテリパックの火災を抑制するための火災抑制装置(8)に関し、本装置(8)は、該バッテリパック(7)と、該バッテリパック(7)の温度を制御するために液体を循環させるための液体回路(13)を備える熱管理システム(5)とを備える。液体回路(13)は、可融部分(43)を備える封止部材(35)によって閉じられた少なくとも1つの開口部(25)を備え、該可融部分(43)は、所定の活性化温度を上回る温度に曝されると溶融するように構成されており、それによって、該開口部(25)付近で異常温度上昇が生じた場合に、該液体回路(13)から該開口部(25)を通して液体を排出して該バッテリパック(7)の一部分を冷却することを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオンバッテリパック(7)などのバッテリパックの火災を抑制するための火災抑制装置(8)において、前記火災抑制装置(8)は、
前記バッテリパック(7)と、
前記バッテリパック(7)の温度を制御するために液体を循環させるための液体回路(13)を備える熱管理システム(5)と、
を備え、
前記液体回路(13)が、可融部分(43)を備える封止部材(35)によって閉じられた少なくとも1つの開口部(25)を備え、
前記可融部分(43)が、所定の活性化温度を上回る温度に曝されると溶融するように構成されており、それによって、前記開口部(25)付近で異常温度上昇が生じた場合に、前記液体回路(13)から前記開口部(25)を通して液体を排出して前記バッテリパック(7)の一部分を冷却することを可能にする
ことを特徴とする、火災抑制装置(8)。
【請求項2】
前記封止部材は、ミスト噴霧ノズル(35)を備え、前記ミスト噴霧ノズルの流体通路(37、39、41)は前記可融部分(43)によって封止されている、請求項1に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項3】
前記液体回路(13)は、いくつかの開口部(25)を備え、前記開口部の各々は、可融部分(43)を備える封止部材(35)で封止されている、請求項1又は2に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項4】
前記封止部材の各々は、ミスト噴霧ノズルを備える、請求項3に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項5】
前記所定の活性化温度は100℃、より好ましくは120℃、最も好ましくは135℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項6】
前記可融部分は、ビスマス及び/又はインジウムを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項7】
前記バッテリパック(7)及び前記液体回路(13)を収容するように構成されたハウジング(11)を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項8】
前記液体回路は、前記ハウジング(11)の一体部分を形成する、請求項7に記載の火災抑制装置(8)。
【請求項9】
弁アセンブリ(55)によって前記熱管理システムに流体接続された圧力容器(51)を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の火災抑制装置(108)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオンバッテリパックなどのバッテリパックの火災を抑制するための火災抑制装置に関する。本装置は、バッテリパックと、該バッテリパックの温度を制御するために液体を循環させるための液体回路を備える熱管理システムとを備える。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンバッテリパックなどの充電式バッテリパックは、1つ又は複数の電気モータに電力を供給するために電気自動車において広く使用されている。このようなバッテリパックの充電及び放電時、バッテリパックのバッテリセル内部で熱が発生する。適切なバッテリ性能を確保し、熱暴走を回避するために、バッテリ温度は、通常、個々のバッテリセル内の温度を特定の温度範囲内に保つ熱管理システムによって制御される。典型的な温度範囲は25~35℃であり、様々な冷却剤及び冷却法が使用される。
【0003】
バッテリパックにはそのような熱管理システムが設けられているが、熱暴走及び火災のリスクがある。これに対処するために、充電システム及びバッテリパックにおける安全対策を使用し得る。そのような対策の1つは、バッテリパックの近くに設置される自動火災抑制システムである。
【0004】
しかしながら、既知のシステムは、かさばり及び/又は複雑であると考えられる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、バッテリパックの火災を抑制するための火災抑制装置の改善を提供することである。
【0006】
以下の概要及び説明から明らかになる本目的及び他の目的は、添付の特許請求の範囲に係る火災抑制装置によって達成される。
【0007】
本開示の1つの態様によれば、リチウムイオンバッテリパックなどのバッテリパックの火災を抑制するための火災抑制装置が提供され、本装置は、バッテリパックと、バッテリパックの温度を制御するために液体を循環させるための液体回路を備える熱管理システムとを備える。液体回路は、可融部分を備える封止部材によって閉じられた少なくとも1つの開口部を備え、該可融部分は、所定の活性化温度を上回る温度に曝されると溶融するように構成されており、それによって、該開口部付近で異常温度上昇が生じた場合に、該液体回路から該開口部を通して液体を排出して該バッテリパックを冷却することを可能にする。
【0008】
熱管理システムは、液体回路を通して液体を循環させるように配置された液体ポンプと、熱交換ユニットとを備え得る。バッテリパックの通常動作中、液体回路を循環する液体は、バッテリパックの最適な性能及び寿命のための所望の範囲内に留まるように温度を調節する働きをする。また、循環する液体は、バッテリパック全体にわたる温度の不均一な分布を低減する働きをする。更に、熱管理システムの通常動作中、すなわちバッテリパックを冷却又は加熱するとき、通常、液体回路内に内部過圧が存在する。通常の状態では、封止部材の可融部分は、バッテリパック内の温度が活性化温度を下回っている限り、封止部材の可融部分が配置された開口部から液体が排出されるのを防止する閉止栓としての役目を果たす。開口部の温度が活性化温度に達した場合、封止部材の可融部分が溶融し、それにより開口部を開く。次いで、開口部から液体が排出される。このように、可融部分が溶融すると、開口部は、例えば液体回路内の内圧によって熱管理システムの液体が排出される排水孔を形成する。
【0009】
火災抑制装置は、冷却/加熱と火災抑制が組み合わされたシステムを提供する。よって、非常にスペース及びコスト効率の良い解決策を達成することができる。更に、このような組み合わされた解決策は、設置が容易であり、電気バスなどの車両に容易に後付けすることができる解決策を提供する。
【0010】
更に、冷却剤などの液体を最も必要とされる場所で排出することができるので、非常に効率の良い抑制装置が提供される。更に、別個の検出システムが必要ないので、非常に頑丈なシステムが達成される。
【0011】
1つの実施形態によれば、封止部材は、ミスト噴霧ノズルを備え、その流体通路及び/又は排出開口部は、該可融部分によって封止されている。この実施形態は、更に効率の良い火災抑制が達成されるという利点を有する。
【0012】
1つの実施形態によれば、液体回路は、いくつかの開口部を備え、その各々は、可融部分を備える封止部材で封止されている。この実施形態は、バッテリパックのバッテリセルのいずれかにおける異常温度上昇が感知されるように開口部を分散させることができるので、更に効率の良い装置を提供する。よって、バッテリパックの火災を極めて早期に抑制することができる。封止された開口部付近の任意の場所の温度が活性化温度に達した場合、その開口部に配置された封止部材の可融部分が溶融し、栓としての役目を終える。次いで、液体を開口部から排出することが可能となる。各開口部は、活性化温度に達したときに独立して活性化するので、作動する開口部の数は、火災付近の開口部のみに制限され、これにより、火元の領域において利用可能な排出圧力が最大になる。開く開口部の数は、火災の場所及び大きさに依存する。したがって、各開口部は火災によって発生した熱に起因して開くので、いくつかの開口部が同時に又は次々に開き得る。好ましくは、該封止部材の各々は、ミスト噴霧ノズル、好ましくは霧状の液体の形態のミストを噴霧可能なノズルを備える。
【0013】
1つの実施形態によれば、開口部は、液体回路の全長に沿って分散している。好ましくは、開口部は、液体回路の全長に沿って均一に分散している。
【0014】
1つの実施形態によれば、所定の活性化温度は、100~160℃、より好ましくは120~150℃、最も好ましくは130~150℃の範囲である。
【0015】
1つの実施形態によれば、所定の活性化温度は100℃、より好ましくは120℃、最も好ましくは135℃である。
【0016】
1つの実施形態によれば、可融部分は、ビスマス及び/又はインジウムを備える。
【0017】
1つの実施形態によれば、火災抑制装置は更に、該バッテリパック及び該液体回路を収容するように構成されたハウジングを備える。
【0018】
1つの実施形態によれば、液体回路は、該ハウジングの一体部分を形成する。好ましくは、液体回路は、該ハウジングの底部の一体部分を形成する。
【0019】
1つの実施形態によれば、ハウジングはアルミニウムから形成されている。
【0020】
1つの実施形態によれば、火災抑制装置は更に、弁アセンブリによって熱管理システムに流体接続された圧力容器を備える。よって、この実施形態では、圧力容器は、可融部分が溶融したときに、液体回路を加圧し、好ましくは液体回路に水などの追加の液体を供給するように配置されている。この実施形態では、液体回路及び熱管理システムの他の部分は、好ましくは補強されている。熱管理システムの複数部分は、圧力容器からの加圧液体を開口部(単数又は複数)及び/又はノズル(単数又は複数)に分配することが可能となるように、例えば、少なくとも70バール、より好ましくは少なくとも90バール、最も好ましくは少なくとも100バールの圧力に耐えるように構成され得る。
【0021】
1つの実施形態によれば、弁アセンブリは放出弁を備える。
【0022】
1つの実施形態によれば、弁アセンブリは一方向弁を備える。
【0023】
本発明のこれらの態様及び他の態様が、特許請求の範囲及び以下に記載の実施形態から明らかとなり、それらを参照して明らかにされる。
【0024】
次に本発明について、添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の一実施形態に係る火災抑制装置が設けられた電気バスを示す。
【
図2】
図1に示す火災抑制装置のバッテリパック及び液体回路を例示する。
【
図3】
図1に示す火災抑制装置の液体回路の一部を例示する。
【
図4A】
図1に示す火災抑制装置の機能を例示するためのものである。
【
図4B】
図1に示す火災抑制装置の機能を例示するためのものである。
【
図4C】
図1に示す火災抑制装置の機能を例示するためのものである。
【
図5】本開示の第2の実施形態に係る火災抑制装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、バッテリパックアセンブリ3及び熱管理システム5が設けられた電気バス1を示す。バッテリパックアセンブリ3及び熱管理システム5の各々は、電気バス1の屋根の上に取り付けられている。
【0027】
バッテリパックアセンブリ3は、リチウムイオンバッテリパックの形態の3つの同一のバッテリパックを備え、そのうちの第1のバッテリパック7が
図1に見えている。バッテリパックの各々7は、電気バス1の電気モータ(図示せず)に接続されている。
図1の分解部分に例示されるように、第1のバッテリパック7は、いくつかのバッテリモジュール9を備え、該バッテリモジュール9は、第1のハウジング11内に位置する。
【0028】
熱管理システム5は、第1のハウジング11内の第1のバッテリパック7の下に配置される第1の液体回路13と、第2のハウジング15内に位置する第2のバッテリパックの下に配置される第2の液体回路(図示せず)と、第3のハウジング17内に位置する第3のバッテリパックの下に配置される第3の液体回路(図示せず)とを備える。
【0029】
液体回路13は、
図2に例示するように、ジグザグ状にハウジング11全体にわたって前後に延びるパイプである。
【0030】
熱管理システム5は更に、供給パイプシステム18と、戻りパイプシステム19と、熱交換ユニット21と、液体回路13の各々を通して液体を循環させるように配置された液体ポンプ(図示せず)とを備える。熱管理システム5は、バッテリパックアセンブリ3のバッテリパック7の温度を制御する働きをする。よって、液体冷却/加熱システムを形成する熱管理システム5は、各バッテリパック7を、特定の温度範囲、例えば25~35℃の温度に維持するように構成されている。第1の液体回路13と第1のバッテリパック7との間には、第1のバッテリパック7のバッテリモジュール9を支持するとともに液体回路パイプ13を損傷から保護する有孔支持板23が配置される。
【0031】
第1の液体回路13は、液体回路13の全長に沿って均一に分散している、いくつかの開口部25を備える。このような各開口部25は、可融部分を備える封止部材で封止されている。第1のバッテリパック7及び熱管理システム5は共に、本開示の一実施形態に係る火災抑制装置8を形成する。
【0032】
次に
図2を参照すると、第1の液体回路13は、供給パイプシステム18の供給パイプ29が接続される液体入口27と、戻りパイプシステム19の戻りパイプ33が接続される液体出口31とを有する。
【0033】
各開口部25は、可融部分を備える封止部材で封止されている。この実施形態では、各開口部25は、ノズル35の形態の封止部材によって封止される。よって、ノズル35が、液体回路13の開口部25の各々に配置される。ノズル35は、例えば、液体回路のパイプ13にねじ込まれる。よって、この実施形態では、開口部25は、ノズル35を備える封止部材によって封止される。しかしながら、開口部(単数又は複数)25は、可融栓又は可融性組成物などの別のタイプの封止部材によって封止されてもよいことが理解される。第1のバッテリパック7及び熱管理システム5によって形成される抑制装置8は、バッテリパック7の火災の抑制及び/又は熱暴走の防止を行うことが可能である。
【0034】
次に
図3を参照すると、各ノズル35は、ノズル35の流体方向から見てテーパ部分39を有する流体通路37と、排出開口部41とを有する。テーパ部分39は、液体をミストの形態で、例えば霧状の水の形態で排出することを可能にする。各ノズルの排出開口部41は、可融部分43によって封止されている。この実施形態では、可融部分43は、ビスマスを備え、かつ約140℃の融点を有する合金である。好ましくは、所定の活性化温度は135~145℃の範囲である。
【0035】
図4A~
図4Cを参照して、火災抑制装置8の機能を以下に説明する。
【0036】
図4Aは、第1のバッテリパック7が所望の温度範囲内の温度で動作する状態を例示する。この場合、典型的には、バッテリパック7の温度は25~35℃の範囲である。そして、矢印で例示するように、液体が液体回路13内を循環する。よって、液体は、入口27から液体回路パイプ13全体にわたって供給され、液体回路13の出口31までジグザグ状に移動する。そして、熱管理システム5の熱交換ユニットを介してバッテリパック7から熱が除去され得る。
【0037】
図4Bは、バッテリパック7のバッテリモジュール9のうちの1つのバッテリモジュールのバッテリセル47の火災を例示し、火炎によって例示されている。この場合、2つのノズル35の可融部分43が異常温度上昇を受ける。
【0038】
ノズル35の温度が所定の活性化温度、この場合140℃を超えると、
図4Cに例示するように、ノズル35の可融部分43が溶融し、これによりノズル35の排出開口部41が開く。次いで、
図4Cに矢印で例示するように、液体回路13からの液体が、ノズル35の排出開口部41からバッテリモジュール9が位置する空間へと排出されて、そのバッテリセル47を冷却する。よって、熱管理システム5の液体回路13から火災が存在する領域への流体通路が、バッテリセル47の火災によって発生する熱に起因して確立される。液体は、
図4Cの上部に例示されるように、霧状の液体の形態のミスト49としてノズル35から排出される。ミストは、バッテリモジュール9のバッテリセル47を非常に効率良く冷却し、火災を抑制する。
【0039】
以下、
図5を参照して、第2の実施形態に係る火災抑制装置108について説明する。第1の実施形態で開示された特徴の多くが、第2の実施形態にも存在し、同様の参照番号は同様の又は同じ特徴を特定する。したがって、本明細書では第2の実施形態の異なる特徴を中心に説明する。
【0040】
第2の実施形態は、火災抑制装置108が圧力容器51を備える点で第1の実施形態とは異なる。圧力容器51は、火災が発生した場合に、火災抑制装置108の液体回路を加圧し、加圧液体の形態で追加の液体を液体回路に供給するように配置されている。この目的のために、圧力容器51には、液体、例えば、水又は他の消火液が充填されており、ガスを約100バールまで駆動し得る。この実施形態では、熱管理システム5の複数部分、例えば、供給パイプシステム、液体回路、及び戻りパイプシステムのパイプは、少なくとも100バールの圧力に耐えることができるように補強されている。
【0041】
図5に概略的に例示するように、圧力容器51には、放出弁55が設けられており、圧力容器51は、パイプ結合アセンブリ53によって液体回路に接続されている。放出弁55は、火災抑制装置108の液体回路内の圧力低下に応答して、及び/又は別個の感知システムによって開くように構成され得る。よって、圧力容器51は、バッテリパック7に火災が発生した場合に、圧力容器51からの加圧液体を熱管理システム5の液体回路の1つ又は複数の開口部及び/又はノズルに分配するように配置されている。よって、この実施形態では、放出弁が設けられた圧力容器が、パイプ結合を介して液体回路に接続されている。しかしながら、圧力容器が、弁アセンブリによって、例えば放出弁又は一方向弁によって、液体回路に直接接続されていてもよいことが理解される。
【0042】
上述の実施形態の多数の変形形態が添付の特許請求の範囲内で可能であることが理解されよう。
【国際調査報告】