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特表2022-538128ホイールの変位のためのウォームねじ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ホイールの変位のためのウォームねじ
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20220824BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B60B33/00 T
A47B91/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576840
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2020067974
(87)【国際公開番号】W WO2020260551
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】20190806
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516231257
【氏名又は名称】ウィール.ミー アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】リーバッケン,ロルフ
【テーマコード(参考)】
3B069
【Fターム(参考)】
3B069CA01
(57)【要約】
本発明は、表面(S)に沿って装置を移動させる転動装置(1、20)に関する。転動装置は、ホイール要素(6)を担持するホイール軸(8)を収容する軸受ハウジング(2)と、前記軸受ハウジング(2)内に回転可能に収容され、それぞれ前記ホイール軸の端部を支持する軸支持部材(3)と、を備えている。前記ホイール要素を担持する前記ホイール軸は、前記軸支持部材の間に延在し、前記ホイール軸の前記端部の各々は、前記軸支持部材(3)の回転軸/中心線からオフセット変位した偏心位置において前記軸支持部材の各々に連結されている。前記転動装置は、さらに、駆動ホイール(32)を備え、前記駆動ホイール(32)は、前記軸支持部材(3)の1つに、当該軸支持部材(3)が前記駆動ホイール(32)の回転に追従して回転するように、連結されている。第1の駆動モータ(30)には、前記駆動ホイール(32)に係合するスピンドル(31)が設けられて前記駆動ホイールを回転させこれにより前記軸支持部材(3)を前記軸受ハウジング(2)に対して回転させ、前記ホイール要素(6)の少なくとも一部が前記軸受ハウジング(2)の外側に突出する延在位置と、前記ホイール要素が前記軸受ハウジング(2)の内側に位置する後退位置との間で、偏心運動により、前記ホイール要素(6)を変位させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(S)に沿って装置を移動させることを可能にするための転動装置(1、20)であって、前記転動装置は、
ホイール要素(6)を担持するホイール軸(8)を収容する軸受ハウジング(2)と、
前記軸受ハウジング(2)内に回転可能に収容され、それぞれ前記ホイール軸の端部を支持する軸支持部材(3)と、を備え、
前記ホイール要素を担持する前記ホイール軸は、前記軸支持部材の間に延在し、前記ホイール軸の前記端部の各々は、前記軸支持部材(3)の回転軸/中心線からオフセット変位した偏心位置において前記軸支持部材の各々に連結され、
前記転動装置は、さらに、
駆動ホイール(32)を備え、前記駆動ホイール(32)は、前記軸支持部材(3)の1つに、当該軸支持部材(3)が駆動ホイール(32)の回転に追従して回転するように、連結され、
第1の駆動モータ(30)を備え、前記第1の駆動モータ(30)には、前記駆動ホイール(32)に係合するスピンドル(31)が設けられて前記駆動ホイールを回転させこれにより前記軸支持部材(3)を前記軸受ハウジング(2)に対して回転させ、前記ホイール要素(6)の少なくとも一部が前記軸受ハウジング(2)の外側に突出する延在位置と、前記ホイール要素が前記軸受ハウジング(2)の内側に位置する後退位置との間で、偏心運動により、前記ホイール要素(6)を変位させる、転動装置。
【請求項2】
前記スピンドル(31)は、前記駆動ホイール(32)の歯状構造に噛合するように構成されたねじ山を備え、前記スピンドル(31)の回転軸は、前記駆動ホイールの回転軸に対して実質的に直交する方向に向けられている、請求項1に記載の転動装置。
【請求項3】
前記駆動モータは、前記ホイール要素(6)の前記後退位置への変位のための第1の駆動方向と、前記ホイール要素(6)の前記延在位置への変位のための第2の駆動方向とを有する、請求項1又は2に記載の転動装置。
【請求項4】
前記駆動ホイールは、前記軸支持部材の外面に固定的に連結され、前記外面は、前記軸受ハウジング(2)に対して外側に向けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の転動装置.
【請求項5】
第2の駆動モータが、前記ホイール要素(6)の前記ホイール軸(8)に対する回転のために前記ホイール要素(6)内に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の転動装置。
【請求項6】
制御部(20)が前記転動装置を制御し、前記制御部(20)は、前記第1及び/又は第2の駆動モータの動作のための制御信号を、遠隔制御、コンピュータ、携帯電話から又は音声起動により受信する、請求項1~5のいずれか1項に記載の転動装置。
【請求項7】
前記軸支持部材(3)の少なくとも1つは、円形ディスク部材の構造を有し、前記取付開口は、対応する円形の貫通開口として配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の転動装置。
【請求項8】
前記軸支持部材(3)の少なくとも1つは、前記軸受ハウジング内の取付開口(12a、12b)に収容され、前記取付開口(12a、12b)は、前記軸受ハウジング(2)内に構成された内囲壁によって画定されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の転動装置。
【請求項9】
前記駆動モータは、前記軸受ハウジング(2)の外部に位置する、請求項1~8のいずれか1項に記載の転動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に取り付けられ或いは一体化され、当該装置を表面に沿って移動可能にする転動装置に関する。
【0002】
より具体的には、移動されるべき装置は、家具、壁やドアなどの屋内建築部材であってもよい。また、移動されるべき装置は、例えば、ユーロパレットのように屋外に配置されてもよく、または移動しにくいその他の装置を含んでもよい。
【0003】
本発明は、屋外及び屋内の異なる場所の間で移動されるあらゆる種類の装置を移動させるのに適しており、その移動は、表面、例えば床に沿って行われる。
【背景技術】
【0004】
さまざまな装置、特に家具には、ある場所から別の場所への装置の移動を容易にするためのホイールが設けられる。例えば、複数の装置を再編成するため、または、装置占有空間または装置自体へのアクセスを得るべく当該装置を移動させるために、ホイールが設けられている。
【0005】
本出願人は、以前に、家具や可動壁等の装置に組み込まれて表面に沿って装置を移動させることが可能な転動装置を開発した。この転動装置は、健康状態や、転動装置を組み込んださまざまな装置を持ち上げる能力に関わらず、誰でも使用することができる。この装置は、特許文献1に記載されている。
【0006】
特許文献1に記載された転動装置は、例えば、家具の脚部に装着するための円筒状スリーブ装置と、円筒状スリーブ装置内に移動可能に配置されたピストンとを備える。ピストンには、ボール状又は球体状のホイールが配置されている。ピストンは、スプリングを備えたクリックシステムによって、上方位置と下方位置との間で移動可能である。ピストンが下方位置にあるとき、家具の配置された床を横切って家具は転動でき、一方、ピストンが上方位置にあるとき、ホイールは円筒状スリーブ装置の内側にあり、転動装置が配置された家具の脚部は床上に立つ。このため、家具に小さな力が加えられたときに家具が床を横切って不用意に転動することなく、家具は所望の位置に配置される。この解決方法は完全に機械的である。
【0007】
本出願人は、上記概念をさらに展開し、転動要素を備えたピストンを上下位置の間で移動させる自動アクチュエータシステムを備えた転動装置を提供した。この概念は、特許文献2に開示されている。上方位置は、ホイール要素が転動装置内に引き込まれる受動静止位置であり、下方位置は、転動装置を表面に沿って移動させるための動作位置である。アクチュエータは、無線で制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ノルウェー特許第316760号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第3102429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記概念のさらなる発展であって、ホイール要素が表面に沿って移動するのを防止する後退位置と、ホイール要素が表面に沿って移動する準備ができている延在位置との間でホイール要素を変位させる構成のための代替解決策を提供する。
【0010】
従って、本発明の目的は、装置に取り付けられ又は装置に組み込まれることができる転動装置を提供することであり、後退位置と延在位置の間でホイール要素を移動させるための簡単で信頼性のある構成を提供することにより、先行技術の解決策に対する代替手段を示唆するものである。
【0011】
本発明の他の目的は、制御が簡単であり、従来技術の解決策よりもコンパクトな構造を有する解決策を見出すことである。
【0012】
本発明のこれらのおよびその他の特徴は、添付図面を参照して、非限定的な例として与えられた例示的な実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、表面に沿って装置を移動させることを可能とする転動装置に関する。転動装置は、典型的には、種々の家具などの装置、ユーロパレット、又はその他の装置と係合するように構成され、一つ以上の転動装置を使用することにより移動が容易となる。転動装置は、種々の方法で装置に取り付けることができる。すなわち、移動させる装置(例えば家具)内の空洞に転動装置を組み込むことにより、または、固定手段を用いて、移動させる装置に直接的又は間接的に転動装置を取り付けることにより、取り付けることができる。
【0014】
転動装置は、ホイール要素を担持するホイール軸を収容する軸受ハウジングを備える。転動装置は、軸受ハウジング内に回転可能に収容された軸支持部材をさらに備える。ホイール要素は、通常のホイール形状などの、または、ボール形状や球形、表面との相互作用において転動運動を与えることのできるその他の形状を有する種々の要素からなることができる。軸受ハウジングは、開放構造、半閉鎖構造、または閉鎖構造として提供されてもよい。最も単純化された形態では、軸受ハウジングは、軸支持構造収容のために、対向配置された2つのフレーム構造を備えることができる。フレーム構造はまた、開口部が設けられた底部構造を有していてもよく、この開口部は、ホイール要素の少なくとも一部を昇降させるように構成されている。
【0015】
ホイール要素を担持するために配置されたホイール軸は、軸支持部材の間に延在する。ホイール軸の各端部は、軸支持部材の回転軸/中心線から(半径方向に)オフセット変位した偏心位置において各軸支持部材に(間接的又は直接的に)連結されている。
【0016】
軸支持部材は、ホイール軸の2つの端部の各々を支持するように配置され、典型的には、2つの別個の軸支持部材として提供され得る。ここで、各軸支持部材の回転は、独立して生じても、又は相互に連係してもよい。あるいは、軸支持部材は、同一の実体または構成要素の一部として共通の構成で配置されてもよく、その場合には、軸支持部材を含むホイール軸支持構成として実現されてもよい。
【0017】
ここで第2の駆動モータと呼ばれる駆動モータは、ホイール軸を中心としたホイール要素の回転のために配置されている。第2の駆動モータには、ホイールとホイール軸との相対回転を伝達する第1モータ部及び第2モータ部が設けられている。第2の駆動モータは、典型的には、ホイール軸に連結された第1モータ部と、ホイール軸を中心としたホイール要素の回転のためにホイール要素に連結された第2モータ部とを備える。第1モータ部は、ステータであってもよいし、第2モータ部は、ロータであってもよいし、逆であってもよい。駆動モータは、いわゆるハブモータであってもよい。
【0018】
駆動ホイールは、例えば固定連結によって、軸支持部材の1つに連結される。また、駆動ホイールを、軸支持部材の各々に連結することも可能である。駆動ホイールは、軸支持部材の回転が駆動ホイールの回転に追従するように配置されている。駆動ホイールの回転軸は、典型的には、軸支持部材の回転軸と実質的に一致していてもよい。第1の駆動モータには、駆動ホイールの回転のために駆動ホイールに係合するスピンドルが設けられている。
【0019】
駆動ホイールが各軸支持部材に連結される場合には、第1のモータが2つの駆動ホイールを駆動することも可能である。あるいは、第1の駆動モータは各軸支持部材を回転させるために設けられる。
【0020】
スピンドルは、駆動ホイールを回転させこれにより軸支持部材を軸受ハウジングに対して回転させて、ホイール要素の少なくとも一部が軸受ハウジングの外側に突出する延在位置と、ホイール要素が軸受ハウジングの内側に位置する後退位置との間の偏心運動によって、ホイール要素を変位させる。
【0021】
駆動モータは、ホイール要素の後退位置への変位のための第1の駆動方向と、ホイール要素の延在位置への変位のための第2の駆動方向とを有してもよい。
【0022】
スピンドルには、例えばウォームホイールのような駆動ホイールの歯状構造と噛み合うための、例えばウォームねじ形状のねじが設けられてもよく、スピンドルの回転軸を、駆動ホイールの回転軸に対して実質的に直交する向きに配置してもよい。
【0023】
駆動ホイールは、軸支持部材の外面に固定的に連結されていてもよく、この外面は軸受ハウジングの外部に向けられ、駆動モータは、軸受ハウジングの外部に配置されてもよい。
【0024】
転動装置は、駆動モードおよび突出/後退モードなどの異なる動作/作業モードを有すると言える。
【0025】
駆動モードでは、ロック手段がロック位置に配置され、第2の駆動モータがホイール要素を回転させて表面に沿って移動させる。
【0026】
転動装置の突出/後退モードにおいて、第1の駆動モータは、ホイール要素の少なくとも一部がハウジングの外側に突出する延在位置と、ホイール要素がハウジングの内側に位置する後退位置との間で偏心運動によってホイール要素を変位させる。
【0027】
ホイール要素は、第2の駆動モータがホイール要素を回転させて表面に沿った移動を行うためには、延在位置にある必要がある。
【0028】
必要に応じてこれらの動作モードの間で転動装置を切り換えてもよい。いくつかの状況では、転動装置は、駆動モードにおいてのみ使用されてもよく、他の状況においては、定期的に切り替えを行なってもよい。
【0029】
また、必要に応じて、ホイール要素の延在位置と後退位置の切り替えを行い、これらホイール位置の選択や切り替えを定期的に行うようにしてもよい。必要に応じてホイール要素を多少なりとも永続的な延在位置において使用することも可能である。この場合、転動装置はホイール要素を後退位置に配置する可能性を提供するものであるが、この事象が生じる必要はない。
【0030】
ホイール軸の端部を、軸支持部材の端面における対応する受容凹部に配置することにより、ホイール軸と軸支持部材との固定連結が提供されてもよい。この場合、受容凹部は、軸支持部材の中心軸から偏心して配置されてもよい。
【0031】
転動装置を制御するために、制御部を転動装置に含めるか、あるいはどこか他の場所に配置して、第1の駆動モータおよび第2の駆動モータの動作モードを制御してもよい。制御部は、遠隔制御、コンピュータ、携帯電話機から、または音声作動により、転動装置の動作のための制御信号を受信するように構成されてもよい。あるいは、制御信号を、転動装置上もしくは転動装置の近傍または遠隔の制御ボタンから受信してもよい。
【0032】
軸受ハウジングに対する軸支持部材の効率的な回転を得るために、軸支持部材の各々は、典型的には、球面状ディスク部材の形状を有していてもよく、円形断面を有する対応する貫通孔として取付開口が配置されてもよい。回転を可能にするのに適した他の形状の軸支持部材を選択してもよく、例えば、円筒形、種々の球形または円形の形状、または回転運動を行うことができる他の形状などである。
【0033】
軸支持部材の一方又は両方は、軸受ハウジング内の取付開口に収容されてもよく、その場合には、取付開口は、軸受ハウジング内に構成された内囲壁(internal surrounding wall)によって画定されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1】ホイール要素が突出位置にある状態の、本発明に係る転動装置を示す概略斜視図である。
図2図1に示す転動装置の概略側面図である。
図3】ホイール要素の後退を開始した、図2の転動装置を示す図である。
図4図3に示す転動装置の概略側面図である。
図5】ホイール要素が後退位置にある状態の、転動装置を示す図である。
図6図5に示す転動装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1および図7には、家具、ユーロパレット、その他の可動構造体等の被移動装置に取り付けられるか一体化される転動装置1が示されている。転動装置1は、図に半閉鎖構造として示される軸受ハウジング2を有し、この半閉鎖構造は、ここでは軸支持部材3を収容するための側壁4として構成された対向する2つのフレーム構造と、開口7が設けられた底部構造5とを有し、この開口7は、ホイール要素6の少なくとも一部を、開口7を通って昇降させるように構成されている。
【0036】
ホイール要素6は、端部8bにより示されるホイール軸上に回転可能に配置され、ここでは第2の駆動モータ(図示せず)と呼ばれる駆動モータが設けられている。第2の駆動モータはホイール要素内に配置され、ホイール要素6を、ホイール軸を中心として回転させる。第2の駆動モータは、いわゆるハブモータであってもよいし、ホイール要素6をホイール軸8に対して回転させることのできるその他のモータであってもよい。第2の駆動モータは、典型的には、ホイール軸8に連結された第1モータ部と、駆動モータの作動時にホイール要素6とホイール軸との相対回転を生じさせるためにホイール要素6に連結された第2モータ部とを有する。第1モータ部は、ステータであってもよく、第2モータ部は、ロータであってもよいし、逆であってもよい。
【0037】
ホイール軸は、端部(図では端部8bのみが見える)を有し、各端部は、軸支持部材3を介して受容凹部(図では受容凹部3bのみが見える)に挿入され、ホイール軸8と軸支持部材3の間の固定連結を形成する。端部8bは、軸支持部材3の中心線CLからオフセット変位した偏心位置EPにおいて各軸支持部材に連結される。中心線は、軸支持部材3の回転軸でもある。
【0038】
軸支持部材3は、ここでは軸受ハウジング2の球状の空洞又は貫通孔として示される対応する取付開口12a、12bにそれぞれ回転可能に収容されている。軸支持部材3は、円形ディスク部材として形成されたものとして示されているが、本出願では、軸受ハウジング2に対して回転可能なその他の回転体を用いることもできる。軸支持部材3は、軸支持部材の円形外面33が、軸受ハウジング2の外部に向くように取付開口12b内に配置される。この外面33には駆動ホイール32が連結されている。
【0039】
第1の駆動モータ30は、図では軸受ハウジングの外部に配置され、ホイール要素6の少なくとも一部が軸受ハウジング2の外側に突出する延在位置と、ホイール要素が軸受ハウジング2内に位置する後退位置の間でホイール要素の変位を作動させるように配置される。第1のモータ30は、図においてウォームねじとして形成されたスピンドル31を有している。スピンドル31は、駆動ホイール32に係合するように配置されている。スピンドル31のねじ山は、図においてウォームホイールとして配置された駆動ホイール32に歯状構造で噛み合っている。駆動ホイール32は、軸支持部材3の一方に、軸支持部材3が駆動ホイール32の回転に追従することを保証する配置において、例えば、固定連結によって、連結されている。スピンドル31の回転軸は、駆動ホイール32の回転軸に対して実質的に直交する方向に向けられている。
【0040】
駆動ホイール32の回転軸RA1は、軸支持部材3の回転軸RA2と略一致している。これらの回転軸は、図に示す中心線CLに一致するものとして示されている。
【0041】
図1図2は、ホイール要素6の一部がハウジングの外側に突出し、第2の駆動モータを作動してホイール要素6を回転させ転動装置1を表面Sに沿って移動させる状況を示す。第1の駆動モータ30を第1の駆動方向に動作させることにより、駆動ホイール32及び軸支持部材3を矢印Aで示す第1の方向に回転させる。
【0042】
ホイール軸8の偏心位置は、偏心運動によって、ホイール要素6を、図1及び図2に示すようにホイール要素の少なくとも一部がハウジングの外側に突出する延在位置から、図3及び図4に示すようなホイール要素6の部分的後退位置に、さらに、図5及び図6に示すように、ホイール要素が軸受ハウジング2の内側に位置し、軸受ハウジング2が、表面Sに対して静止している完全後退位置に、移動させる。
【0043】
また、第1の駆動モータは、図5及び図6に示すように、ホイール要素6を後退位置から延在位置(図1図2)に変位させるための第2の駆動方向を有している。
【0044】
転動装置を制御するために制御部20が設けられている。制御部は、遠隔制御、コンピュータ、携帯電話機から、または音声起動により、駆動モータの動作のための制御信号を受信する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
1には、家具、ユーロパレット、その他の可動構造体等の被移動装置に取り付けられるか一体化される転動装置1が示されている。転動装置1は、図に半閉鎖構造として示される軸受ハウジング2を有し、この半閉鎖構造は、ここでは軸支持部材3を収容するための側壁4として構成された対向する2つのフレーム構造と、開口7が設けられた底部構造とを有し、この開口7は、ホイール要素6の少なくとも一部を、開口7を通って昇降させるように構成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
ホイール要素6は、端部8bにより示されるホイール軸上に回転可能に配置され、ここでは第2の駆動モータ(図示せず)と呼ばれる駆動モータが設けられている。第2の駆動モータはホイール要素内に配置され、ホイール要素6を、ホイール軸を中心として回転させる。第2の駆動モータは、いわゆるハブモータであってもよいし、ホイール要素6をホイール軸に対して回転させることのできるその他のモータであってもよい。第2の駆動モータは、典型的には、ホイール軸に連結された第1モータ部と、駆動モータの作動時にホイール要素6とホイール軸との相対回転を生じさせるためにホイール要素6に連結された第2モータ部とを有する。第1モータ部は、ステータであってもよく、第2モータ部は、ロータであってもよいし、逆であってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
ホイール軸は、端部(図では端部8bのみが見える)を有し、各端部は、軸支持部材3を介して受容凹部(図では受容凹部3bのみが見える)に挿入され、ホイール軸と軸支持部材3の間の固定連結を形成する。端部8bは、軸支持部材3の中心線CLからオフセット変位した偏心位置において各軸支持部材に連結される。中心線は、軸支持部材3の回転軸でもある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ホイール軸の偏心位置は、偏心運動によって、ホイール要素6を、図1及び図2に示すようにホイール要素の少なくとも一部がハウジングの外側に突出する延在位置から、図3及び図4に示すようなホイール要素6の部分的後退位置に、さらに、図5及び図6に示すように、ホイール要素が軸受ハウジング2の内側に位置し、軸受ハウジング2が、表面Sに対して静止している完全後退位置に、移動させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
転動装置を制御するために制御部21が設けられている。制御部は、遠隔制御、コンピュータ、携帯電話機から、または音声起動により、駆動モータの動作のための制御信号を受信する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
表面(S)に沿って装置を移動させることを可能にするための転動装置(1)であって、前記転動装置は、
ホイール要素(6)を担持するホイール軸を収容する軸受ハウジング(2)と、
前記軸受ハウジング(2)内に回転可能に収容され、それぞれ前記ホイール軸の端部を支持する軸支持部材(3)と、を備え、
前記ホイール要素を担持する前記ホイール軸は、前記軸支持部材の間に延在し、前記ホイール軸の前記端部の各々は、前記軸支持部材(3)の回転軸/中心線からオフセット変位した偏心位置において前記軸支持部材の各々に連結され、
前記転動装置は、さらに、
駆動ホイール(32)を備え、前記駆動ホイール(32)は、前記軸支持部材(3)の1つに、当該軸支持部材(3)が駆動ホイール(32)の回転に追従して回転するように、連結され、
第1の駆動モータ(30)を備え、前記第1の駆動モータ(30)には、前記駆動ホイール(32)に係合するスピンドル(31)が設けられて前記駆動ホイールを回転させこれにより前記軸支持部材(3)を前記軸受ハウジング(2)に対して回転させ、前記ホイール要素(6)の少なくとも一部が前記軸受ハウジング(2)の外側に突出する延在位置と、前記ホイール要素が前記軸受ハウジング(2)の内側に位置する後退位置との間で、偏心運動により、前記ホイール要素(6)を変位させる、転動装置。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記第1の駆動モータは、前記ホイール要素(6)の前記後退位置への変位のための第1の駆動方向と、前記ホイール要素(6)の前記延在位置への変位のための第2の駆動方向とを有する、請求項1又は2に記載の転動装置。
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
第2の駆動モータが、前記ホイール要素(6)の前記ホイール軸に対する回転のために前記ホイール要素(6)内に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の転動装置。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
制御部(21)が前記転動装置を制御し、前記制御部(21)は、前記第1及び/又は第2の駆動モータの動作のための制御信号を、遠隔制御、コンピュータ、携帯電話から又は音声起動により受信する、請求項1~5のいずれか1項に記載の転動装置。
【手続補正10】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記軸支持部材(3)の少なくとも1つは、前記軸受ハウジング内の取付開口(12a、12b)に収容され、前記取付開口(12a、12b)は、前記軸受ハウジング(2)内に構成された内囲壁によって画定されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の転動装置。
【手続補正11】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項8】
前記軸支持部材(3)の少なくとも1つは、円形ディスク部材の構造を有し、前記取付開口は、対応する円形の貫通開口として配置されている、請求項7に記載の転動装置。
【手続補正12】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記第1の駆動モータは、前記軸受ハウジング(2)の外部に位置する、請求項1~8のいずれか1項に記載の転動装置。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【国際調査報告】