(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】複数のコーティングされた粒子を形成するための装置、複数のコーティングされた粒子を形成するための方法、コーティングされた粒子
(51)【国際特許分類】
C23C 16/56 20060101AFI20220824BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220824BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20220824BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220824BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220824BHJP
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A61P 43/00 20060101ALI20220824BHJP
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A61K 31/485 20060101ALI20220824BHJP
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B07B 1/42 20060101ALI20220824BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
C23C16/56
A61K45/00
A61K9/28
A61K47/26
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A61P25/36
A61P25/04
A61K31/7068
B07B1/28 Z
B07B1/38 Z
B07B1/52 Z
B07B1/52 A
B07B1/54 A
B07B1/54 Z
B07B1/55
B07B1/42 B
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577310
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 GB2020051177
(87)【国際公開番号】W WO2020260852
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515318175
【氏名又は名称】ナネクサ・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン アンダース
(72)【発明者】
【氏名】ルース マーテン
(72)【発明者】
【氏名】ヘレルプ ヨエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
4D021
4K030
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
固体コアを有する完全にコーティングされた粒子を形成するための反応器(10)であって、反応器(10)が、粒子を受け入れるように構成された反応容器(12)と、粒子上にコーティングを形成する気相材料のパルスを選択的に導入するように構成される気相コーティング機構(21、21’、23、23’)と、を備える、反応器(10)。反応器(10)はまた、反応容器(12)内に位置するふるい(16)と、使用中に粒子がふるい(16)を通るのを強制するように構成された強制手段と、を含む。ふるい(16)は、強制手段によって粒子がふるい(16)を通るのを強制する際に、反応容器(12)中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集するように構成されている。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体コアを有する複数の完全にコーティングされた粒子を形成するための反応器であって、
粒子を受け入れるように構成された反応容器と、
前記粒子上にコーティングを形成する気相材料のパルスを選択的に導入するように構成された気相コーティング機構と、
前記反応容器内に位置するふるいと、
使用中に前記粒子が前記ふるいを通るのを強制するように構成された強制手段と、を備え、
前記ふるいが、前記強制手段によって前記粒子が前記ふるいを通るのを強制する際に、前記反応容器中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集するように構成されている、
反応器。
【請求項2】
前記強制手段が、振とう、タッピング、振動、タンブリング、水平回転、前記ふるいの周期的変位、遠心力、音波振動、超音波振動、真空、気柱、圧力勾配、ガス流、ブラッシング、重力、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含む、
請求項1に記載の反応器。
【請求項3】
前記強制手段が、前記反応容器と統合されており、前記容器及びふるいが、音波シフターとして機能するような超音波振動であるか、又はそれを含む、
請求項1又は2に記載の反応器。
【請求項4】
前記強制手段が、使用中に前記粒子が前記ふるいを通るのを強制するのを助けるための強制補助を含む、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項5】
前記強制補助が、ブラシ、ボール、スクレーパー、スパチュラ、パドル、エアジェット、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含む、請求項4に記載の反応器。
【請求項6】
粒子のサイズと前記ふるいのメッシュのサイズとの比率が、約1:2である、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項7】
前記反応容器内に位置する複数のふるいをさらに含み、各ふるいが、前記粒子の強制移動の方向で次第により微細なメッシュを有する、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項8】
前記反応容器が、2つ以上の反応器チャンバを含み、前記ふるいが、各隣接する反応器チャンバの間に位置し、前記気相コーティング機構が、気相材料の1つ以上のパルスを1つ又は各反応器チャンバ中の前記粒子に選択的に導入するように構成されている、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項9】
前記反応器中のある物理的空間から別の物理的空間への前記粒子の移動を作用させて、その後、前記粒子が前記ふるいを通るのを強制することを可能にするように構成された粒子位置変更手段をさらに含む、
請求項8に記載の反応器。
【請求項10】
前記粒子位置変更手段が、前記反応器チャンバの場所を切り替えるように前記反応器チャンバのそれぞれを物理的に移動させるように構成された移動部材である、
請求項9に記載の反応器。
【請求項11】
前記移動部材が、前記反応器チャンバを単一の軸に沿って回転させて、前記反応器チャンバの場所を切り替えるように構成されている、
請求項10に記載の反応器。
【請求項12】
前記移動部材が、前記反応器チャンバを回転させることなく、前記反応器チャンバの場所を切り替えるように構成されている、
請求項10に記載の反応器。
【請求項13】
各反応器チャンバが、中間表面上に位置するふるいを含み、前記中間表面が、ふるいがいずれの所与の時点にも前記反応器チャンバの間に位置するように、それらの場所の切り替え時に隣接する反応器チャンバの間に位置する、
請求項10~12のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項14】
前記粒子位置変更手段が、前記反応器チャンバのそれぞれの間で前記粒子を輸送するように構成された粒子輸送機構である、
請求項9に記載の反応器。
【請求項15】
前記粒子輸送機構が、気流、物理的輸送機構、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含む、
請求項14に記載の反応器。
【請求項16】
前記粒子位置変更手段が、請求項10~13のいずれか一項に記載の移動部材と、
請求項14又は15に記載の粒子輸送機構と、を含む、
請求項9に記載の反応器。
【請求項17】
前記粒子が前記ふるいを通って隣接する反応器チャンバに通過するのを選択的に防止するために、前記ふるい又は各ふるいに対して配置された停止手段をさらに含む、
請求項8~16のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項18】
前記停止手段が、物理的停止、気流、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含む、
請求項17に記載の反応器。
【請求項19】
前記強制手段が、前記気相コーティング機構によって提供される気相材料の各パルス又はパルスのサイクルの後に、前記粒子が前記ふるいを通るのを強制するように構成される、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項20】
前記強制手段が、気相材料の複数のパルスが前記気相コーティング機構によって提供された後、前記粒子が前記ふるいを通るのを強制するように構成される、
請求項1~18のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項21】
前記気相コーティング機構が、以下の気相コーティング技術のうちの1つを組み込む:
原子層堆積(ALD)、原子層エピタキシー(ALE)、分子層堆積(MLD)、分子層エピタキシー(MLE)、化学蒸着(CVD)、原子層CVD、分子層CVD、物理蒸着(PVD)、スパッタリングPVD、反応性スパッタリングPVD、蒸発PVD、バイナリ反応シーケンス化学、
先行請求項のいずれか一項に記載の反応器。
【請求項22】
完全にコーティングされた粒子を形成する方法であって、
i)複数の粒子を気相コーティング反応器に提供するステップと、
ii)前記粒子をコーティングするために、気相コーティング技術によってこれらの粒子を気相材料のパルスに供するステップと、
iii)前記コーティングされた粒子が前記反応器内のふるいを通るのを強制して、ステップii)中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集させるステップと、
iv)ステップii)及びiii)を繰り返して、固体コアを有する粒子を形成するステップであって、前記固体コアが、前記気相コーティング技術によって形成された前記コーティングによって完全に囲まれている、ステップと、を含む、
方法。
【請求項23】
ステップii)が、気相材料の単一パルス又はパルスのサイクルを適用して、前記粒子上に初期層を形成することを含み、ステップiii)が、ステップii)で適用された気相材料の各パルス又はパルスのサイクルの後に前記粒子が前記ふるいを通るのを強制することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の完全にコーティングされた粒子であって、
それぞれが固体コアを有する複数の粒子を含み、前記固体コアが、コーティングによって完全に囲まれており、前記複数の完全にコーティングされた粒子が、
i)複数の粒子を気相コーティング反応器に提供するステップと、
ii)前記粒子をコーティングするために、気相コーティング技術によってこれらの粒子を気相材料のパルスに供するステップと、
iii)前記粒子が前記反応器内のふるいを通るのを強制して、ステップii)中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集させるステップと、
iv)ステップii)及びiii)を繰り返して、固体コアを有する粒子を形成するステップであって、前記固体コアが、前記気相コーティング技術によって形成されたコーティングによって完全に囲まれている、ステップと、を含む方法に従って得ることができる、
複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項25】
前記固体コアの重量、数、又は表面積に基づく平均直径が、約10nm~約700μmである、
請求項24に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項26】
前記直径が、約1μm~約50μmである、
請求項25に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項27】
前記コーティングが、約0.5nm~約2μmの総厚さを有する、
請求項24~26のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項28】
前記コーティングが、無機材料を含む、
請求項24~27のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項29】
前記コーティングが、1つ以上の金属含有又はメタロイド含有化合物を含む、
請求項28に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項30】
前記化合物が、水酸化物及び/又は酸化物を含む、
請求項29に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項31】
前記固体コアが、生物学的に活性な薬剤を含む、
請求項24~30のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項32】
前記固体コアが、本質的に生物学的に活性な薬剤からなる、
請求項31に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項33】
前記固体コアが、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、希釈剤、又は担体と混合された生物学的に活性な薬剤を含む、
請求項32に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項34】
前記担体/賦形剤材料が、糖又は糖アルコールである、
請求項33に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項35】
前記コアが、生物学的に活性な薬剤を含まない、
請求項24~30のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項36】
前記コアが、pH修飾剤を含む、
請求項24~35のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項37】
前記生物学的に活性な薬剤が、鎮痛剤、麻酔薬、抗ADHD剤、鎮痒剤、抗中毒性剤、抗菌剤、抗微生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗原虫剤、駆虫薬、外部寄生虫駆除剤、ワクチン、抗癌剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗腫瘍剤、トポイソメラーゼ、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、同化ステロイド液、抗凝固剤、抗血小板剤、抗けいれん剤、抗認知症剤、抗うつ剤、解毒剤、抗高脂血症剤、抗痛風剤、抗マラリア剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、抗パーキンソン剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、鎮吐剤、抗肥満剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗生物質、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗てんかん薬、抗線維素溶解剤、抗出血剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、降圧薬、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗酸化剤、抗精神病剤、抗発熱剤、抗リウマチ剤、抗不整脈剤、不安緩解剤、媚薬、心臓グリコシド、心臓刺激薬、エンテオゲン、エンタクトゲン、陶酔剤、オレキシジェニック、抗甲状腺剤、抗不安薬、催眠薬、神経弛緩薬、収斂薬、静菌薬薬剤、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬、ベータアドレナリン受容体遮断薬、血液製品、代用血液、気管支拡張薬、心臓不整脈薬、化学療法薬、凝固剤、コルチコステロイド、咳抑制剤、利尿剤、デリリアント剤、去痰剤、受精剤、性ホルモン、気分安定剤、粘液溶解剤、神経保護剤、向知性薬、神経毒素、ドーパミン作動薬、抗パーキンソン病薬、フリーラジカル捕捉剤、成長因子、フィブラート、胆汁酸封鎖剤、瘢血除去薬、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、止血剤、幻覚剤、視床下部-下垂体ホルモン、免疫剤、下剤、止瀉剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニン、セレニック、スタチン、覚醒剤、覚醒促進剤、充血除去薬、食餌性ミネラル、ビホスホネート、咳止め薬、眼科薬、オントロジー薬、H1拮抗薬、H2拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、プロスタグランジン、放射性医薬品、ホルモン、鎮静薬、抗アレルギー剤、食欲刺激剤、食欲抑制剤、ステロイド、交感神経刺激薬、血栓溶解薬、甲状腺剤、ワクチン、血管拡張薬、キサンチン、勃起不全改善薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、角質溶解剤、抗アンギナル剤、非ステロイド性抗炎症剤、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、NSAID、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、オピオイドアンタゴニスト、カリウムチャネル活性化剤、プロテアーゼ阻害剤、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知増強薬、抗尿失禁剤、栄養油、抗良性前立腺肥大剤、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、放射性医薬品、老人性治療薬、トキソイド、血清、抗体、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ビタミン、遺伝物質の一部、核酸、又はこれらのいずれかの混合物から選択される、
請求項31~34のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項38】
前記生物学的に活性な薬剤が、オールトランスレチノイン酸(トレチノイン)、アルプラゾラム、アロプリノール、アミオダロン、アムロジピン、アスパラギナーゼ、アステミゾール、アテノロール、アザシチジン、アザチオプリン、アゼラチン、ベクロメタゾン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブタルビタール、カペシタビン、カルバマゼピン、カルビドパ、カルボプラチン、セフォタキシム、セファレキシン、クロランブシル、コレスチラミン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クラリスロマイシン、クロナゼパム、クロザピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジアゼパム、ジクロフェナクナトリウム、ジゴキシン、ジピリダモール、ジバルプロエックス、ドブタミン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキサゾシン、エナラプリル、エピルビシン、エルロチニブ、エストラジオール、エトドラック、エトポシド、エベロリムス、ファモチジン、フェロジピン、クエン酸フェンタニル、フェキソフェナジン、フィルグラスチム、フィナステリド、フルコナゾール、フルニソリド、フルオロウラシル、フルルビプロフェン、フルララナー、フルボキサミン、フロセミド、ゲムシタビン、グリピジド、グリブリド、イブプロフェン、イフォスファミド、イマチニブ、インドメタシン、イリノテカン、硝酸イソソルビド、イソトレチノイン、イスラジピン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ラモトリジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロラタジン、ロラゼパム、ロバスタチン、メドロキシプロゲステロン、メフェナム酸、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム、ミトマイシン、ミトキサントロン、モキシデクチン、モメタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、ニセルゴリン、ニフェジピン、ノルフロキサシン、オメプラゾール、オキサリプラチン、パクリタキセル、フェニロイン、ピロキシカム、プロカルバジン、キナプリル、ラミプリル、リスペリドン、リツキシマブ、セルトラリン、シンバスタチン、スリンダック、スニチニブ、テムシロリムス、テルビナフィン、テルフェナジン、チオグアニン、トラスツズマブ、トリアムシノロン、バルプロ酸、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ゾルピデム、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、
請求項31~34のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子。
【請求項39】
請求項31~38のいずれか一項に記載の複数の完全にコーティングされた粒子の形態の薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含む医薬組成物であって、前記コーティングが、前記医薬組成物からの薬物の治療上有効な制御又は遅延放出を可能にするように構成される、
医薬組成物。
【請求項40】
請求項39に記載の医薬組成物と、薬学的に許容される又は獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と、を含む、
医薬又は獣医用製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体コアを有する完全にコーティングされた粒子を形成するための反応器、そのような完全にコーティングされた粒子を形成する方法、及び複数の完全にコーティングされた粒子に関する。本発明はまた、そのような完全にコーティングされた粒子の形態で薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含む医薬組成物、及びそのような医薬組成物を含む医薬又は獣医用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
原子層堆積(ALD)などの気相コーティング技術を使用して物質にコーティングを適用することが知られている。気相コーティング技術は、気相材料又は反応物のパルスを順次導入して、物質上にコーティングを堆積又は形成する。多くの気相コーティング技術では、それは、順次導入される前駆体ガスのパルスである。前駆体ガスは、物質の表面上で互いに反応し、このため、物質上にコーティングを「成長」させる。いくつかの気相材料のパルスを適用して、所望の厚さ及び組成のコーティングを形成することができる。
【0003】
例として、ALD技術でとられるステップは、一般的に以下のとおりである:
a)コーティングされる基板を含有する反応チャンバにガス状態の第1の前駆体を添加し、それによってその前駆体を基板の表面に吸着させること、
b)反応器をパージ及び/又は排気することにより、反応チャンバから過剰の第1の前駆体を除去すること、
c)基板の表面上の第1の前駆体と反応する第2の前駆体を添加することにより、基板の表面上に異なる化学組成の新しい層を創出すること、及び
d)反応器をパージ/排気することにより、過剰な第2の前駆体及び任意の副生成物を除去すること。
【0004】
次いで、蒸発又はガス状の前駆体のパルスの「サイクル」と呼ばれ得るステップa)~d)が、所望のコーティング厚さを達成するために繰り返され得る。3つ以上の前駆体を使用することもできる。
【0005】
本発明者らは、そのような気相コーティング技術を複数の粒子、特にマイクロ又はナノメートルスケールの薬物粒子に適用する場合、粒子が凝集して粒子の凝集体(凝集塊と呼ばれる場合もある)を形成する傾向があることを以前に発見した。凝集体中の粒子は、気相材料に完全には曝露されない。したがって、気相コーティング技術が完了した後に粒子が分離されると、粒子がかつて凝集した粒子のコーティングに小さな接触スポット又はピンホールが創出されるため、凝集体中の粒子の周囲に不完全なコーティングが形成される。したがって、コーティングされた粒子のコアは、曝露されたままである。
【0006】
曝露されたままにされるコーティングされた粒子のコアは、コアが薬物を含み、コーティングがその薬物の制御放出のための手段を提供する場合に特に問題となる。薬物送達の分野では、薬物放出のプロファイルを制御する能力が非常に重要である。最適な薬物動態プロファイルを確実にするために、活性成分が、投与後にインビボで所望かつ予測可能な速度でその活性成分の放出を提供することを確実にすることが望ましい。曝露されたままの薬物の制御放出に使用されるコーティングされた粒子のコアは、薬物コアが放出媒体に接触するとすぐに迅速に溶解し、したがって薬物の一部のほぼ瞬時の放出をもたらし得ることを意味する(いわゆる「バースト放出」)。治療ウィンドウが狭い薬物の場合、バースト放出は、危険な場合がある。
【0007】
さらに、凝集体が所望のサイズの粒子に分離されない場合、得られるコーティングされた粒子は、不均一なサイズ分布を有する。特に、粒子が医薬組成物に使用されている場合に非常に望ましくない大きなコーティングされた凝集体が存在するであろう。コーティングされた薬物粒子の薬学的に許容される注射可能な懸濁液の場合、粒子のサイズは、それらが針を通して注射され得るように制御されなければならない。より大きな凝集粒子は、懸濁液が注射される針を塞ぐだけでなく、大きな凝集体が適正に懸濁されないため、安定した懸濁液を形成しない(それらは、代わりに、注入液の底に沈む傾向がある)。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、固体コアを有する複数の完全にコーティングされた粒子を形成するための反応器が提供され、反応器は以下を備える:
粒子を受け入れるように構成された反応容器、
粒子上にコーティングを形成する気相材料のパルスを選択的に導入するように構成された気相コーティング機構、
反応容器内に位置するふるい、
使用中に粒子がふるいを通るのを強制するように構成された強制手段、
ふるいは、強制手段によって粒子がふるいを通るのを強制する際に、反応容器中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集するように構成されている。
【0009】
「完全にコーティングされた」という用語は、コーティングが本質的にすべての粒子の固体コア全体を完全に覆い、その結果ピンホール又は接触スポットが存在しないことを意味することが理解されよう。したがって、コーティングは、固体コアを完全に囲む緻密なシェルである。言い換えれば、コーティングは、本質的に、コーティングの下の固体コアが潜在的に曝露される摩耗、ピンホール、破損、ギャップ、亀裂、及び/又はボイドがない。
【0010】
「固体」という用語は、拘束されていないときにその形状及び密度を保持する、並びに/又は分子が、一般にそれらの間の反発力が許す限り強く圧縮される任意の形態の物質を含むことを当業者はよく理解するであろう。固体コアは、コーティングを堆積することができる少なくとも固体の外面を有する。固体コアの内部も固体であってもよく、代わりに中空であってもよい。例えば、粒子が反応容器に入る前に噴霧乾燥される場合、それらは噴霧乾燥技術のために中空になる場合がある。
【0011】
上で概説したようにふるいを含めることは、粒子凝集体が、ふるいを通るのを強制する強制手段によって分解され、したがって、凝集体を個々の粒子又は所望及び所定のサイズの凝集体に分離することを意味する(それにより、解凝集を達成する)。後者の点では、場合によっては、個々の一次粒子サイズが非常に小さい(すなわち、<1μm)ため、「完全な」解凝集(すなわち、凝集体が個々の粒子に分解される場合)を達成することは不可能である。代わりに、解凝集は、ふるいのメッシュのサイズによって決定されるように、より大きな凝集体を所望のサイズの二次粒子のより小さな凝集体に分解することによって達成される。次いで、より小さな凝集体を気相技術でコーティングして、小さな凝集体粒子の形態で完全にコーティングされた「粒子」を形成する。このように、「粒子」という用語は、本発明の文脈で解凝集及びコーティングされた粒子を指す場合、個々の(一次)粒子及び所望のサイズの凝集(二次)粒子の両方を指す。
【0012】
いずれにせよ、所望の粒子サイズ(それが個々の粒子であろうと所望のサイズの凝集体であろうと)は、維持され、さらに、ふるいによるそのような解凝集後の粒子への気相コーティング機構の継続的な適用は、粒子上に完全なコーティングを形成し、このため完全にコーティングされた粒子(個々の又は所望のサイズの凝集体)が形成されることを意味する。
【0013】
一方、反応容器内にふるいが位置することは、粒子を反応器から除去する必要のない連続プロセスによってコーティングを適用できることを意味する。したがって、粒子を手動で取り扱う必要はなく、凝集粒子を解凝集するために外部の機械も必要ない。これにより、コーティングプロセスが実施される時間が大幅に短縮されるだけでなく、より便利になり、有害な(例えば、有毒な)材料が人員によって取り扱われるリスクが軽減される。また、手作業を制限することでプロセスの再現性を高め、汚染のリスクが軽減される。
【0014】
一例として、本発明者らは、気相技術反応器から薬物コアを含む粒子を抽出し、気相技術サイクルのセットの間にそれらを手動で解凝集することが、完全にコーティングされた粒子を生成することに成功したことを以前に見出した(国際特許出願WO2014/187995を参照)。しかしながら、粒子の各バッチは、製作に数日かかる場合がある。さらに、粒子を除去する手動のステップは、有毒な主要成分が存在する可能性があるために潜在的に有害であるだけでなく、非常にクリーンな環境(例えば、クリーンルーム施設)を必要とし、これは製造プロセスにかなりのコストが追加される。
【0015】
強制手段は、粒子間の接続を切断して解凝集を達成するのに十分な力で粒子凝集体がふるいを通るのを強制する任意の適切な形態をとり得る。例えば、強制手段は、振とう、タッピング、振動、タンブリング、水平回転、ふるいの周期的変位、遠心力、音波振動、超音波振動、真空、気柱、圧力勾配、ガス流、ブラッシング、重力、若しくはそれらの組み合わせであり得るか、又はそれらを含み得る。そのような組み合わせには、以下が含まれ得るが、これらに限定されない:振動及びタッピング、回転及びタッピング、超音波及び音波振動、音波振動及びタッピング、超音波振動及びタッピング。
【0016】
場合によっては、強制手段は、重力の代わりに、又は重力に追加してもよい。
【0017】
好ましくは、強制手段は、反応容器と統合されており、容器及びふるいが音波シフターとして機能するような音波振動であるか、又はそれを含む。
【0018】
任意選択で、強制手段は、使用中に粒子がふるいを通るのを強制するのを助けるための強制補助を含む。
【0019】
そのような強制補助を含めることは、解凝集を達成するためにふるいを通して粒子凝集体に十分な力を加えるのに役立つ。強制補助は、粒子の解凝集の達成をスピードアップするのにも役立ち得る。
【0020】
強制補助は、任意の適切な形態をとり得、特に、ブラシ、ボール、スクレーパー、スパチュラ、パドル、エアジェット、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はそれらを含み得る。
【0021】
任意選択で、粒子のサイズとふるいのメッシュサイズとの比率は、約1:>1である。好ましくは、比率は、約1:2であり、任意選択でそれは、約1:4である。
【0022】
本発明者らは、この比率が、単一の粒子がふるいを通過することを可能にしながら、粒子凝集体を十分に分解して解凝集を達成できることを見出した。
【0023】
本発明の一実施形態では、反応器は、反応容器内に位置する複数のふるいをさらに含み、各ふるいは、粒子の強制移動の方向で次第により微細なメッシュを有する。
【0024】
そのような一連のふるいを含めることにより、粒子凝集体を段階的に解凝集させることが可能になる。言い換えれば、最大の凝集体は、最初に最大のふるいのメッシュでより小さな凝集体に分離され、次に(反応器中に含まれるふるいの数に応じて)最終的に最小のメッシュふるいによって凝集体が達成されるまで、ますます小さな凝集体に分離され得る。ふるい分けを停止して、所望のサイズの凝集塊を達成することもできる。そのような段階的な解凝集は、各ふるい分けステップでの強制手段からの力がより少なくてもよく、したがって、反応器及びプロセス時間によって使用されるエネルギーを節約するばかりでなく、粒子及び形成されたコーティングに対してより穏やかであり得る。
【0025】
好ましくは、反応容器は、複数の反応器チャンバを含み、ふるいは隣接する反応器チャンバの間に位置し、気相コーティング機構は、反応物又は前駆体などの気相材料の1つ以上のパルスを1つ又は各反応器チャンバ中の粒子に選択的に導入するように構成されている。
【0026】
複数の反応器チャンバを含み、上で概説したように構成された気相コーティング機構は、必要に応じて、ガスの異なるパルスを異なるチャンバ中の粒子に導入できることを意味する。さらに、各隣接する反応器チャンバの間に位置するふるいは、気相コーティング機構の段階間で解凝集を達成できることを意味する。
【0027】
反応器は、反応器中のある物理的空間から別の物理的空間への粒子の移動を作用させて、その後、粒子がふるいを通るのを強制することを可能にするように構成された粒子位置変更手段をさらに含み得る。
【0028】
そのような粒子位置変更手段を含めることにより、気相材料へのさらなる曝露及びその後、粒子がふるいを通るのを強制することが可能になる。したがって、これらのステップは、例えば、所望の厚さのコーティングを達成するために、反応器中で所望の回数繰り返すことができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、粒子位置変更手段は、反応器チャンバの場所を切り替えるように各反応器チャンバを物理的に移動させるように構成された移動部材であり得る。
【0030】
各反応器チャンバを物理的に移動させるように構成された移動部材を含めることは、粒子がプロセス全体を通してチャンバ内部に留まることができることを意味し、これは粒子及び/又はコーティング材料の性質に応じて望ましい場合がある。反応器チャンバのサイズ及び数、並びに反応器を収容するために利用可能な空間は、反応器チャンバが物理的にどのように移動するかを決定し得る。
【0031】
例えば、移動部材は、反応器チャンバを単一の軸に沿って回転させて、反応器チャンバの場所を切り替えるように構成され得る。
【0032】
あるいは、移動部材は、反応器チャンバを回転させることなく、反応器チャンバの場所を切り替えるように構成され得る。
【0033】
好ましくは、各反応器チャンバは、中間表面上に位置するふるいを含み、中間表面は、ふるいがいずれの所与の時点にも反応器チャンバの間に位置するように、それらの場所の切り替え時に隣接する反応器チャンバの間に位置する。
【0034】
そのような中間表面上に位置するふるいは、反応器チャンバが場所を切り替えた後、例えば、場所を切り替えるたびに隣接する反応器チャンバ間で再配置する必要がある外部ふるいを必要とせずに、解凝集を実施するためにふるいが容易に利用可能であることを意味する。
【0035】
本発明の別の実施形態では、粒子位置変更手段は、反応器チャンバのそれぞれの間で粒子を輸送するように構成された粒子輸送機構であり得る。
【0036】
反応器チャンバのそれぞれの間で粒子を輸送するように構成された粒子輸送機構を含めることは、反応器チャンバ自体を物理的に移動させる必要がないことを意味し、これは、反応器が作動するための利用可能な空間が限られている場合に望ましい場合がある。それはまた、作動全体を通して反応器に作動可能に結合することができるので、気相コーティング機構のより複雑ではない設計をもたらし得る。
【0037】
粒子輸送機構は、気流、流動床、真空、物理的輸送機構(コンベヤーベルトなど)、若しくはそれらの組み合わせ、又は当業者に知られている他の手段であり得るか、又はそれらを含み得る。
【0038】
本発明のさらなる実施形態では、粒子位置変更手段は、上記のような移動部材と、上記のような粒子輸送機構とを含み得る。
【0039】
このようにして、粒子は、反応器チャンバを物理的に移動させることと、粒子を反応器チャンバ間で移動させることとの組み合わせによって、反応器を動き回ることができる。
【0040】
いずれにせよ、反応器は、粒子がふるいを通って隣接する反応器チャンバに通過するのを選択的に防止するために、ふるい又は各ふるいに対して配置された停止手段をさらに含み得る。停止手段は、物理的停止、気流、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はそれらを含み得る。
【0041】
そのような停止手段を含めることにより、ふるいを通過して隣接する反応器チャンバに入る粒子の制御が可能になる。気相コーティング機構が作動しているときのために、密閉された反応器チャンバを創出することも役立ち得る。
【0042】
強制手段は、気相コーティング機構によって提供される気相材料の各パルスの後に、粒子がふるいを通るのを強制するように構成され得る。
【0043】
そのように構成された強制手段は、ガスの連続パルスを各反応器チャンバに適用することができ、粒子が各パルス間でふるいを通るのを強制することを意味する。したがって、解凝集は、反応器の作動全体を通して頻繁に行われるので、完全にコーティングされた粒子を達成するための作動時間は、より短くなり得る。
【0044】
あるいは、強制手段は、気相コーティング機構によって提供される気相材料の複数のパルス又はサイクルの後に、粒子がふるいを通るのを強制するように構成され得る。
【0045】
そのように構成された強制手段は、気相コーティングの複数のステップが単一の反応器チャンバ中で実行され得、粒子が各段階の間のふるいを通るのを強制することを意味する。そのような解凝集の頻度は、いくつかの粒子及び/又は気相材料に適切であり得る。さらに、反復可能な気相コーティングステップを実施するために必要とされる反応器チャンバが少ないため、反応器の設置面積は、より小さくなり得る。
【0046】
気相コーティング機構は、以下の気相コーティング技術のうちの1つを組み込み得る:原子層堆積(ALD)、原子層エピタキシー(ALE)、分子層堆積(MLD)、分子層エピタキシー(MLE)、化学蒸着(CVD)、原子層CVD、分子層CVD、物理蒸着(PVD)、スパッタリングPVD、反応性スパッタリングPVD、蒸発PVD、バイナリ反応シーケンス化学。
【0047】
そのような技術は、気相コーティングの分野で知られており、これらの技術を気相コーティング機構に組み込むために必要な構成要素は、この分野の当業者には明らかであろう。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、以下のステップを含む、複数の完全にコーティングされた粒子を形成する方法が提供される:
i)複数の粒子を気相コーティング反応器に提供するステップ、
ii)粒子をコーティングするために、気相コーティング技術によってこれらの粒子を気相材料のパルスに供するステップ、
iii)粒子が反応器内のふるいを通るのを強制して、ステップii)中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集させるステップ、並びに
iv)ステップii)及びiii)を繰り返して、固体コアを有する粒子を形成するステップであって、固体コアが、気相コーティング技術によって形成されたコーティングによって完全に囲まれている、ステップ。
【0049】
本発明の第1の態様及びその実施形態の反応器の利点は、必要な変更を加えて、本発明の第2の態様及びその実施形態の方法に適用される。
【0050】
この繰り返されるコーティング及び解凝集プロセス(すなわち、ステップii)及びiii))は、少なくとも1、好ましくは2、より好ましくは3、例えば4、5を含む、より詳細には6、例えば7回、及び約100回以下、例えば、約50回以下、例えば、約40回以下、約30回以下を含む、例えば、2~20回、例えば、3~15回、例えば、10回、例えば、9又は8回、より好ましくは6又は7回、特に4又は5回実施され得る。
【0051】
任意選択で、ステップii)は、気相材料のパルスの単一サイクルを適用して粒子上にコーティングの初期層を形成することを含み、ステップiii)は、ステップii)で適用される気相材料のパルスの各サイクルの後に粒子がふるいを通るのを強制することを含む。
【0052】
したがって、粒子は、気相技術のパルスの各サイクル間にふるいを通るのを強制され、そのため、方法全体を通して頻繁な解凝集が実施される。
【0053】
本発明の第3の態様によれば、以下を含む複数の完全にコーティングされた粒子が提供される:
それぞれが固体コアを有する複数の粒子であって、固体コアがコーティングによって完全に囲まれており、複数の完全にコーティングされた粒子が、以下のステップを含む方法に従って調製される、それぞれが固体コアを有する複数の粒子:
i)複数の粒子を気相コーティング反応器に提供するステップ、
ii)粒子をコーティングするために、気相コーティング技術によってこれらの粒子を気相材料のパルスに供するステップ、
iii)粒子が反応器内のふるいを通るのを強制して、ステップii)中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集させるステップ、並びに
iv)ステップii)及びiii)を繰り返して、固体コアを有する粒子を形成するステップであって、固体コアが、気相コーティング技術によって形成されたコーティングによって完全に囲まれている、ステップ。
【0054】
本発明の第1の態様及びその実施形態の反応器の利点は、必要な変更を加えて、本発明の第3の態様及びその実施形態の複数の完全にコーティングされた粒子に適用される。
【0055】
さらに、本発明の第3の態様による複数の完全にコーティングされた粒子の提供は、実質的に均一なサイズ、すなわちほぼ同じサイズの粒子を提供し、コーティング中のピンホールなどの形態のコーティングを通して固体コアの曝露を最小限に抑える。アプリケーションの導入部分で上に概説したように、そのような特徴は、粒子が医薬組成物に使用されている場合に特に有利である。
【0056】
上記に加えて、本発明者らは、粒子がコーティングプロセス中に反応器から除去され、反応器の外側で解凝集した場合、コーティングされた粒子の最外面は、その下にあるものと比較して、目に見えて(透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して分析した場合)異なる物理的特性を呈することを見出した。したがって、木の幹の断面のリングと同様に、例えば金属酸化物の別々のコーティング層の間に目に見える(TEMによる)界面を生じさせる。化学組成に関して特徴付けることが可能ではない界面は、コーティングされた粒子が反応器から除去され、解凝集が起こった時間に対応する。
【0057】
対照的に、本発明の第3の態様による完全にコーティングされた粒子は、気相コーティング技術からのコーティングの別個の層の間に目に見えるいかなる区別もない。代わりに、コーティングは、気相コーティング技術によって適用される気相材料の層の数に関連する全体的な厚さを有する単一の均一な層としてのみ(TEMによって)目に見える。これは、気相コーティング技術で異なる気相材料が使用されている場合でも当てはまる。したがって、粒子は、完全にコーティングされ(すなわち、完全にカプセル化され、ピンホールが最小限に抑えられ、及び/又はほとんど存在しない)、界面のない目に見える(TEMによる)単一の均一なコーティング層を有するという点で異なる。
【0058】
コアは、ナノ粒子、又はより好ましくはマイクロ粒子の形態で提供され得る。この点で、コーティングされるコアは、約10nm~約50μm、例えば、約50nmの間(例えば、約100nm、約250nmなど)及び約30μm、例えば、約500nm~約700μm、例えば、約100μm、より詳細には、約1μm~約50μm、例えば、約25μm、例えば、約20μmの重量、数、又は表面積に基づく平均直径のサイズであり得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「重量ベースの平均直径」という用語は、平均粒子サイズが、重量による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、ふるい分け(例えば、湿式ふるい分け)によって得られる重量分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者によって理解される。本明細書で使用される場合、「数ベースの平均直径」という用語は、平均粒子サイズが、数による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、顕微鏡検査によって測定された数分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者によって理解される。本明細書で使用される場合、「表面積ベースの平均直径」という用語は、平均粒子サイズが、表面積による粒子サイズ分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、レーザー回折によって測定された表面積分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者によって理解される。例えば、Malvern Instruments、Ltd(ウスターシャー、英国)及びShimadzu(京都、日本)が販売する機器など、この分野でよく知られている他の機器を用いて、粒子サイズを測定し得る。
【0060】
粒子は、球形であり得、すなわち、それらは、約20未満、より好ましくは約10未満、例えば約4未満、特に約2未満のアスペクト比を有し、及び/又は粒子の少なくとも約90%、平均値の約50%以下、例えば、その値の約30%以下、例えば、その値の約20%以下における半径(重心から粒子表面まで測定)の変動を有し得る。直径は、約1μm~約50μmであり得る。
【0061】
それにもかかわらず、本発明によれば、任意の形状への粒子のコーティングも可能である。例えば、不規則な形状(例えば、「レーズン」形状)、針形状、又は直方体形状の粒子をコーティングし得る。非球形粒子の場合、サイズは、例えば同じ重量、体積、又は表面積の対応する球形粒子のサイズとして示され得る。中空粒子、並びに繊維状又は「もつれた」粒子などの細孔、隙間などを有する粒子もまた、本発明に従ってコーティングされ得る。
【0062】
粒子は、それらがコーティングされるのに適切な形態で得ても、その形態で、例えば、粒子サイズ縮小プロセス(例えば、特定の重量ベースの平均直径(前述のように)への粉砕、切断、ミリング、又は研削によって、例えば、湿式研削、乾式研削、エアジェットミリング(極低温微粉化を含む)、遊星ボールミリングなどのボールミリング、並びにエンドランナーミル、ローラーミル、振動ミル、ハンマーミル、ローラーミル、流体エネルギーミル、ピンミルなどを利用することによって、得てもよい。あるいは、粒子は、例えば、超臨界流体の使用を含む噴霧乾燥、沈殿、若しくは他のトップダウン法(すなわち、例えば、研削などによって、大きな粒子のサイズを小さくすること)、又はボトムアップ法(すなわち、例えば、ゾルゲル技術などによって、小さな粒子のサイズを大きくすること)によって、適切なサイズ及び形状に直接調製され得る。あるいは、ナノ粒子は、ガス凝縮、摩滅、化学沈殿、イオン注入、熱分解、水熱合成などのようなよく知られた技術によって作製され得る。
【0063】
さらに、コーティングは、約0.5nm~約2μm、好ましくは約5nm~約250、例えば約5nm~約100nmの総厚さを有し得る。
【0064】
(以下でより詳細に説明されるように)活性成分を含むコアに適用され得るコーティングは、それらが本質的に無毒でなければならないという点で、薬学的に許容され得る。
【0065】
コーティングは、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリチオ尿素、ポリエステル、又はポリイミンなどの有機又はポリマー材料を含み得る。コーティングはまた、金属又は別の元素と、アルコール、カルボン酸、アミン、又はニトリルとの間の組み合わせである材料を含む、ハイブリッド材料(有機材料と無機材料との間のように)を含み得る。しかしながら、コーティングは、無機材料を含むことが好ましい。
【0066】
無機コーティングは、1つ以上の金属若しくはメタロイドを含み得るか、又は金属若しくはメタロイド、酸化物、窒化物、硫化物、セレン化物、炭酸塩、及び/又は他の三元化合物などのような1つ以上の金属含有又はメタロイド含有化合物を含み得る。金属、及びメタロイド、水酸化物、特に酸化物、特に金属酸化物が好ましい。
【0067】
言及され得る金属には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、貴金属、遷移金属、遷移後金属が含まれる。言及され得る金属及びメタロイドには、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタル、ランタン、及び/又はシリコン、より好ましくは、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、ガリウム、ジルコニウム、及び/又はシリコン、特にアルミニウム、チタン及び/又は亜鉛が含まれる。
【0068】
個々のコーティングはまた、金属酸化物若しくはメタロイド酸化物などの2つ以上の無機材料の混合物を含み得、及び/又はコーティング層の特性を改変するために、異なる無機若しくは有機材料の複数の層若しくは複合体を含み得る。
【0069】
言及され得るコーティング材料には、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化物ホウ素(B2O3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(FexOy、例えば、FeO及び/若しくはFe2O3及び/若しくはFe3O4)、酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル、酸化スカンジウム(Sc2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化物インジウム(In2O3)、酸化物タリウム(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、並びに/又は二酸化シリコン(SiO2)を含むものが含まれる。好ましいコーティング材料には、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、及び二酸化シリコンが含まれる。より好ましいコーティング材料には、酸化鉄、並びに二酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化アルミニウムが含まれる。
【0070】
固体コアは、好ましくは、生物学的に活性な薬剤を含み得る。固体コアは、本質的にその薬剤からなるか、又はそれを含み得る(この薬剤は、以下、「薬物」、並びに「医薬品活性成分(API)」及び/又は「活性成分」と互換性があると呼ばれ得る)。生物学的に活性な薬剤には、バイオ医薬品及び/又は生物製剤も含まれる。生物学的に活性な薬剤はまた、異なるAPI粒子又は複数のAPIを含む粒子として、異なるAPIの混合物を含み得る。
【0071】
生物学的に活性な薬剤から「本質的になる」とは、本発明者らは、固体コアが本質的に生物学的に活性な薬剤のみを含み、すなわち、賦形剤、担体などのような非生物学的に活性な薬剤を含まないことを含んでいる(下記)。これは、コアが約5%未満、例えば約2%未満を含む約3%未満、例えば約1%未満のそのような他の賦形剤を含み得ることを意味する。
【0072】
あるいは、生物学的に活性な薬剤を含むコアは、1つ以上の医薬成分と混合されたそのような薬剤を含み得、これは、アジュバント、希釈剤、若しくは担体などの医薬的に許容される賦形剤を含み得、及び/又は他の生物学的に活性な成分を含み得る。
【0073】
生物学的に活性な薬剤は、結晶性、部分結晶性、及び/又はアモルファス状態で提示され得る。生物学的に活性な薬剤は、物理的形態に関係なく、ほぼ室温(例えば、約18℃)及びほぼ大気圧で、固体状態にあるか、又は固体状態に変換され得る任意の物質をさらに含み得る。そのような薬剤はまた、反応器中でコーティングされている間、固体の形態のままであるべきであり、また、コーティングされている間、又は前述のコーティングのうちの少なくとも1つによって覆われた後、物理的若しくは化学的にかなりの一致(すなわち、約10%w/w以上)に分解してはならない。生物学的に活性な薬剤は、別の活性物質と組み合わせて(例えば、混合物として、又は複合体として)さらに提示され得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、「生物学的に活性な薬剤」という用語、又は類似及び/若しくは関連する表現は、一般に、特に哺乳動物及び特にヒトの対象(患者)を含む、生きている対象においてある種の生理学的効果(特定の病状又は状態に対する治療的又は予防的能力があるかどうか)を生み出すことができる任意の薬剤又は薬物を指す。
【0075】
代わりに、コアは生物学的に活性な薬剤を含まなくてもよい。コアが生物学的に活性な薬剤を含むか含まないかにかかわらず、コアは、pH修飾剤(例えば、卵酸)を含むか、及び/又は本質的にそれからなり得る。
【0076】
生物学的に活性な薬剤は、例えば、鎮痛剤、麻酔薬、抗ADHD剤、鎮痒剤、抗中毒性剤、抗菌剤、抗微生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗原虫剤、駆虫薬、外部寄生虫駆除剤、ワクチン、抗癌剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗腫瘍剤、トポイソメラーゼ、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、同化ステロイド液、抗凝固剤、抗血小板剤、抗けいれん剤、抗認知症剤、抗うつ剤、解毒剤、抗高脂血症剤、抗痛風剤、抗マラリア剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、抗パーキンソン剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、鎮吐剤、抗肥満剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗生物質、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗てんかん薬、抗線維素溶解剤、抗出血剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、降圧薬、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗酸化剤、抗精神病剤、抗発熱剤、抗リウマチ剤、抗不整脈剤、不安緩解剤、媚薬、心臓グリコシド、心臓刺激薬、エンテオゲン、エンタクトゲン、陶酔剤、オレキシジェニック、抗甲状腺剤、抗不安薬、催眠薬、神経弛緩薬、収斂薬、静菌薬薬剤、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬、ベータアドレナリン受容体遮断薬、血液製品、代用血液、気管支拡張薬、心臓不整脈薬、化学療法薬、凝固剤、コルチコステロイド、咳抑制剤、利尿剤、デリリアント剤、去痰剤、受精剤、性ホルモン、気分安定剤、粘液溶解剤、神経保護剤、向知性薬、神経毒素、ドーパミン作動薬、抗パーキンソン病薬、フリーラジカル捕捉剤、成長因子、フィブラート、胆汁酸封鎖剤、瘢血除去薬、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、止血剤、幻覚剤、視床下部-下垂体ホルモン、免疫剤、下剤、止瀉剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニン、セレニック、スタチン、覚醒剤、覚醒促進剤、充血除去薬、食餌性ミネラル、ビホスホネート、咳止め薬、眼科薬、オントロジー薬、H1拮抗薬、H2拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、プロスタグランジン、放射性医薬品、ホルモン、鎮静薬、抗アレルギー剤、食欲刺激剤、食欲抑制剤、ステロイド、交感神経刺激薬、血栓溶解薬、甲状腺剤、ワクチン、血管拡張薬、キサンチン、勃起不全改善薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、角質溶解剤、抗アンギナル剤、非ステロイド性抗炎症剤、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、NSAID、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、オピオイドアンタゴニスト、カリウムチャネル活性化剤、プロテアーゼ阻害剤、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知増強薬、抗尿失禁剤、栄養油、抗良性前立腺肥大剤、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、放射性医薬品、老人性治療薬、トキソイド、血清、抗体、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ビタミン、遺伝物質の一部、核酸、又はこれらのいずれかの混合物から選択され得る。
【0077】
生物学的に活性な薬剤はまた、サイトカイン、ペプチド模倣物、ペプチド、タンパク質、トキソイド、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝物質の一部、核酸、又はそれらの混合物であり得る。治療用ペプチド/タンパク質の非限定的な例は、以下のとおりである:レピルジン、セツキシマブ、ドルナーゼアルファ、デニロイキンジフチトックス、エタネルセプト、ビバリルジン、ロイプロリド、アルテプラーゼ、インターフェロンアルファ-n1、ダルベポエチンアルファ、レテプラーゼ、エポエチンアルファ、サーモンカルシトニン、インターフェロンアルファ-n3、ペグフィルグラスチム、サルグラモスティム、セクレチン、ペグインターフェロンアルファ-2b、アスパラギナーゼ、チロトロピンアルファ、抗血友病因子、アナキンラ、グラミシジンD、静脈内免疫グロブリン、アニストレプラーゼ、インスリン(通常)、テネクテプラーゼ、メノトロピン、インターフェロンガンマ-1b、インターフェロンアルファ-2a(組換え)、凝固因子VIIa、オプレルベキン、パリフェルミン、グルカゴン(組換え)、アルデスロイキン、ボツリヌス毒素B型、オマリズマブ、ルトロピンアルファ、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、コラゲナーゼ、ラスブリカーゼ、アダリムマブ、イミグルセラーゼ、アブシキシマブ、アルファ-1-プロテイナーゼ阻害剤、ペガスパルガーゼ、インターフェロンベータ-1a、ペガデマーゼウシ、ヒト血清アルブミン、エプチフィバチド、ヨウ素化血清アルブミン、インフリキシマブ、フォリトロピンベータ、バソプレシン、インターフェロンベータ-1b、ヒアルロニダーゼ、リツキシマブ、バシリキシマブ、ムロモナブ、ジゴキシン免疫Fab(ヒツジ)、イブリツモマブ、ダプトマイシン、トシツモマブ、ペグビソマント、ボツリヌス毒素A型、パンクレリパーゼ、ストレプトキナーゼ、アレムツズマブ、アルグルセラーゼ、カプロマブ、ラロニダーゼ、ウロフォリトロピン、エファリズマブ、血清アルブミン、コリオゴナドトロピンアルファ、抗胸腺細胞グロブリン、フィルグラスチム、凝固因子IX、ベカプレミン、アガルシダーゼベータ、インターフェロンアルファ-2b、オキシトシン、エンフビルチド、パリビズマブ、ダクリズマブ、ベバシズマブ、アルシツモマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、イデュルスルファーゼ、アルグルコシダーゼアルファ、エクセナチド、メカセルミン、プラムリンチド、ガルスルファーゼ、アバタセプト、コシントロピン、コルチコトロピン、インスリンアスパート、インスリンデテミール、インスリングルリシン、ペガプタニブ、ネシリチド、チマルファシン、デフィブロチド、天然アルファインターフェロン/マルチフェロン、酢酸グラチラマー、ペルオタクト、テイコプラニン、カナキヌマブ、イピリムマブ、スロデキシド、トシリズマブ、テリパラチド、ペルツズマブ、リロナセプト、デノスマブ、リラグルチド、ゴリムマブ、ベラタセプト、ブセレリン、ベラグルセラーゼアルファ、テサモレリン、ブレンツキシマブベドチン、タリグルセラーゼアルファ、ベリムマブ、アフリベルセプト、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ、オクリプラスミン、グルカルピダーゼ、テデュグルチド、ラキシバクマブ、セルトリズマブアスティムリマブペゴル、インスリンイソファン、エポエチンゼータ、オビヌツズマブ、フィブリノリシン、別名プラスミン、フォリトロピンアルファ、ロミプロスチム、ルシナクタント、ナタリズマブ、アリスキレン、ラグウィード花粉抽出物、セクキヌマブ、ソマトトロピン(組換え)、ドロトレコギンアルファ、アレファセプト、OspAリポタンパク質、ウロキナーゼ、アバレリックス、セルモレリン、アプロチニン、ジェムツズマブオゾガマイシン、サツモマブペンデチド、アルビグルチド、アンチトロンビンアルファ、アンチトロンビンIII(ヒト)、アスフォターゼアルファ、アテゾリズマブ、自家培養軟骨細胞、ベラクタント、ブリナツモマブ、C1エステラーゼ阻害剤(ヒト)、凝固因子XIII Aサブユニット(組換え)、コーンスタットアルファ、ダラツムマブ、デシルジン、デュラグルチド、エロスルファーゼアルファ、エボロクマブ、フィブリノーゲン濃縮物(ヒト)、フィルグラスチム-sndz、胃内因性因子、B型肝炎免疫グロブリン、ヒトカルシトニン、ヒトクロストリジウムテタニトキソイド免疫グロブリン、ヒト狂犬病ウイルス免疫グロブリン、ヒトRho(D)免疫グロブリン、ヒトRho(D)免疫グロブリン、ヒアルロニダーゼ(ヒト、組換え)、イダルシズマブ、免疫グロブリン(ヒト)、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、ツロクトコグアルファ、ツベルクリン精製タンパク質誘導体、シモクトコグアルファ、シルツキシマブ、セベリパーゼアルファ、サクロシダーゼ、ラムシルマブ、プロトロンビン複合体濃縮物、ポーラクタントアルファ、ペンブロリズマブ、ペグインターフェロンベータ-1a、オファツムマブ、オビルトキサキシマブ、ニボルマブ、ネシツムマブ、メトレレプチン、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ、メポリズマブ、イキセキズマブ、インスリンデグルデク、インスリン(ブタ)、インスリン(ウシ)、サイログロブリン、炭疽病免疫グロブリン(ヒト)、抗阻害剤凝固複合体、ブロダルマブ、C1エステラーゼ阻害剤(組換え)、絨毛性ゴナドトロピン(ヒト)、絨毛性ゴナドトロピン(組換え)、凝固因子X(ヒト)、ジヌツキシマブ、エフモロクトコグアルファ、第IX因子複合体(ヒト)、A型肝炎ワクチン、ヒトバリセラゾスター免疫グロブリン、イブリツモマブチウキセタン、レノグラスチム、ペグロチカーゼ、プロタミ硫酸塩、プロテインS(ヒト)、シプリューセル-T、ソマトロピン(組換え)、スソクトコグアルファ、及びトロンボモジュリンアルファ。
【0078】
本発明に従って使用され得る薬物の非限定的な例は、オールトランスレチノイン酸(トレチノイン)、アルプラゾラム、アロプリノール、アミオダロン、アムロジピン、アスパラギナーゼ、アステミゾール、アテノロール、アザシチジン、アザチオプリン、アゼラチン、ベクロメタゾン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブタルビタール、カペシタビン、カルバマゼピン、カルビドパ、カルボプラチン、セフォタキシム、セファレキシン、クロランブシル、コレスチラミン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クラリスロマイシン、クロナゼパム、クロザピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジアゼパム、ジクロフェナクナトリウム、ジゴキシン、ジピリダモール、ジバルプロエックス、ドブタミン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキサゾシン、エナラプリル、エピルビシン、エルロチニブ、エストラジオール、エトドラック、エトポシド、エベロリムス、ファモチジン、フェロジピン、クエン酸フェンタニル、フェキソフェナジン、フィルグラスチム、フィナステリド、フルコナゾール、フルニソリド、フルオロウラシル、フルルビプロフェン、フルララナー、フルボキサミン、フロセミド、ゲムシタビン、グリピジド、グリブリド、イブプロフェン、イフォスファミド、イマチニブ、インドメタシン、イリノテカン、硝酸イソソルビド、イソトレチノイン、イスラジピン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ラモトリジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロラタジン、ロラゼパム、ロバスタチン、メドロキシプロゲステロン、メフェナム酸、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム、ミトマイシン、ミトキサントロン、モキシデクチン、モメタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、ニセルゴリン、ニフェジピン、ノルフロキサシン、オメプラゾール、オキサリプラチン、パクリタキセル、フェニロイン、ピロキシカム、プロカルバジン、キナプリル、ラミプリル、リスペリドン、リツキシマブ、セルトラリン、シンバスタチン、スリンダック、スニチニブ、テムシロリムス、テルビナフィン、テルフェナジン、チオグアニン、トラスツズマブ、トリアムシノロン、バルプロ酸、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ゾルピデム、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩である。好ましい生物学的に活性な薬剤は、アザシチジンである。
【0079】
本発明の組成物は、アルプラゾマル、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩などのベンゾジアジピンを含み得る。
【0080】
本発明の組成物においても用いられ得る麻酔薬は、局部的又は一般的であり得る。言及され得る局部麻酔薬には、アミロカイン、アンブカイン、アルチカイン、ベンゾカイン、ベンゾナテート、ブピバカイン、ブタカイン、ブタニリカイン、クロロプロカイン、シンコカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジペロドン、ジメトカイン、ユーカイン、エチドカイン、ヘキシルカイン、フォモカイン、フォトカイン、ヒドロキシプロカイン、イソブカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、ニトラカイン、オルソカイン、オキセタカイン、オキシブプロカイン、パラエトキシカイン、フェナカイン、ピペロカイン、ピリドカイン、プラモカイン、プリロカイン、プリロカイン、プロカイン、プロカインアミド、プロパラカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、キニソカイン、ロピバカイン、トリメカイン、トリカイン、トロパコカイン、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0081】
精神科薬も本発明の組成物に用いられ得る。言及される得る精神科薬には、5-HTP、アカンプロセート、アゴメラチン、アリメマジン、アムフェタミン、デキストロアンフェタミン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモバルビタール/セコバルビタール、アモキサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アセナピン、アトモキセチン、バクロフェン、ベンペリドール、ブロムペリドール、ブプロピオン、ブスピロン、ブトバルビタール、カルバマゼピン、抱水クロラール、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、シタロプラム、クロメチアゾール、クロミプラミン、クロニジン、クロザピン、シクロバルビタール/ジアゼパム、シプロヘプタジン、シチシン、デシプラミン、デスベンラファキシン、デキサンフェタミン、デキストロメチルフェニデート、ジフェンヒドラミン、ジスルフィラム、ジバルプロエックスナトリウム、ドキセピン、ドキシラミン、デュロキセチン、エナント酸、エスシタロプラム、エゾピクロン、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルスピリレン、フルボキサミン、ガバペンチン、グルテチミド、グアンファシン、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イロペリドン、イミプラミン、ラモトリジン、レベチラセタム、レボメプロマジン、レボミルナシプラン、リスデキサンフェタミン、リチウム塩、ルラシドン、メラトニン、メルペロン、メプロバメート、メタムフェタミン、ネタドン、メチルフェニデート、ミアンセリン、ミルタザピン、モクロベミド、ナルメフェン、ナルトレキソン、ナイアプラジン、ノルトリプチリン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシカルバゼピン、パリペリドン、パロキセチン、ペンフルリドール、ペントバルビタール、ペラジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、ピモジド、プレガバリン、プロメタジン、プロチペンジル、プロトリプチリン、クエチアピン、ラメルテオン、レボキセチン、レボキセチン、レセルピン、リスペリドン、塩化ルビジウム、セコバルビタール、セレギリン、セルチンドール、セルトラリン、オキシベートナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、スルピリド、チオリダジン、チオチキセン、チアネプチン、チザニジン、トピラメート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリフルオペラジン、トリミプラミン、トリプトファン、バレリアン、バルプロ酸(2.3:1の比率)、バレニクリン、ベンラファキシン、ビラゾドン、ボルチオキセチン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾルピデム、ゾピクロン、ゾテピン、ズクロペンチキソール、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0082】
本発明の組成物に用いられ得るオピオイド鎮痛薬には、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ノメタドン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、タペンタドール、トラマドール、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0083】
本発明の組成物に用いられ得るオピオイド拮抗薬には、ナロキソン、ナロルフィン、ニコナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、サミドルファン、ナロデイン、アルビモパン、メチルナルトレキソン、ナロキセゴール、6β-ナルトレキソン、アキセロプラン、ベベノプラン、メチルサミドルファン、ナルデメジン、好ましくはナルメフェム、特にナルトレキソン、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0084】
本発明の組成物に含まれ得る抗がん剤には、以下が含まれる:アクチノマイシン、アファチニブ、オールトランスレチノイン酸、アムサクリン、アナグレリド、アルセニクトリオキシド、アキシチニブ、アザシチジン、アザチオプリン、ベンダムスチン、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブスルファン、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、クロランブシル、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ドセタキセル、ドキシフルウリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、グアデシタビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イデラリシブ、イフォスファミド、イマチニブ、イリノテカン、イキサゾミブ、カボザンチニブ、カルフィルゾミブ、クリゾチニブ、ラパチニブ、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、ニラパリブ、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パノビノスタット、パゾパニブ、ペメトレキセド、ピキサントロン、ポナチニブ、プロカルバジン、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソニデギブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トラベクテジン、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩。
【0085】
そのような化合物は、以下のがんのいずれか1つで使用され得る:腺嚢胞癌、副腎腺がん、アミロイドーシス、肛門がん、運動失調-毛細血管拡張症、非定型ほくろ症候群、基底細胞癌、胆管がん、Birt-Hogg Dube、管症候群、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん(男性の乳がんを含む)、癌様腫瘍、頸部がん、結腸直腸がん、乳管がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、HER2陽性、乳がん、膵島細胞腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、腎臓がん、喉頭がん、急性リンパ芽球性白血病、すべての種類の急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、成人白血病、小児白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝がん、小葉癌、肺がん、小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、悪性神経膠腫、黒色腫、髄膜腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻咽頭がん、神経内分泌腫瘍、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、膵臓神経内分泌腫瘍、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜がん、プーツ・イェガース症候群、下垂体腫瘍、多発性赤血球腫、前立腺がん、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、唾液腺がん、肉腫、カポシ肉腫、皮膚がん、小腸がん、胃がん、精巣がん、胸腺腫、甲状腺がん、子宮(子宮内膜)がん、膣がん、ウィルムス腫瘍
【0086】
本発明の組成物での使用について言及され得る他の薬物には、サリドマイドなどの免疫調節イミド薬物、並びにポマリドマイド、レナリドマイド、及びアプレミラストなどのそれらの類似体、並びにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。多くの言及がある他の薬物には、化合物21(C21;3-[4-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)フェニル]-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-[(N-ブチルオキシルカルバメート)-スルホンアミド]などのアンジオテンシンII受容体2型アゴニスト及びその薬学的に許容される(例えば、ナトリウム)塩が含まれる。
【0087】
本発明の第4の態様によれば、上記のような複数の粒子の形態の薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含む医薬組成物が提供され、コーティングは、前述のようなプロセスによって得られる医薬組成物からの薬物の治療的に有効な制御又は遅延放出を可能にするように構成されている。
【0088】
本発明の第5の態様によれば、上記の医薬組成物と、薬学的に許容される又は獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体とを含む医薬又は獣医用製剤が提供される。
【0089】
前述の医薬組成物(以下、「本発明の組成物」)は、薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含む。「薬理学的に有効な量」という用語は、単独で又は別の活性成分と組み合わせて投与されるかどうかにかかわらず、治療患者に所望の生理学的変化(治療効果など)を与えることができるそのような活性成分の量を指す。患者におけるそのような生物学的若しくは医学的反応、又はそのような効果は、客観的(すなわち、何らかの試験若しくはマーカーによって測定可能)又は主観的(すなわち、対象が効果の兆候を与える、若しくは感じる)であり得、治療されている疾患若しくは障害の症状の少なくとも部分的な緩和、又は該疾患若しくは障害の治癒若しくは予防が含まれる。
【0090】
したがって、患者に投与され得る活性成分の用量は、合理的及び/又は関連する時間枠にわたって治療反応に影響を与えるのに十分でなければならない。当業者は、正確な用量及び組成並びに最も好適な送達レジメンの選択が、活性成分の性質だけでなく、とりわけ製剤の薬理学的特性、投与経路、治療される病態の性質及び重症度、レシピエントの体調及び精神状態、並びに治療される患者の年齢、状態、体重、性別、及び反応、疾患の病期/重症度、並びに患者間の遺伝的差異によっても影響されることを認識している。
【0091】
本発明の組成物の投与は、連続的又は断続的であり得る(例えば、ボーラス注入によって)。活性成分の投与量はまた、投与のタイミング及び頻度によって決定され得る。
【0092】
いずれにしても、医師又は他の当業者は、個々の患者に最も適切な任意の特定の活性成分の実際の投与量を日常的に決定することができるであろう。
【0093】
あるいは、本明細書に記載の組成物はまた、生物学的に活性な薬剤の代わりに(又はそれに加えて)、診断剤(すなわち、それ自体は直接的な治療活性を有さないが、バイオイメージング用の造影剤などの状態の診断に使用され得る薬剤)を含み得る。
【0094】
本発明に従ってコーティングされるコアに用いられ得る非生物学的に活性なアジュバント、希釈剤、及び担体は、炭水化物、例えばラクトース及び/若しくはトレハロースなどの糖、並びにマンニトール、ソルビトール、及びキシリトールなどの糖アルコールなどの水に可溶である薬学的に許容される物質、又は塩化ナトリウムなどの薬学的に許容される無機塩を含み得る。好ましい担体/賦形剤材料には、糖及び糖アルコールが含まれる。そのような担体/賦形剤材料は、生物学的に活性な薬剤が、例えば一般的に記載されるようなペプチド、タンパク質、若しくは遺伝物質の一部などの複雑な高分子である場合、及び/又は前述の特定のペプチド/タンパク質である場合に特に有用である。
【0095】
本発明の組成物は、局部的、局所的、又は全身的、例えば経口(経腸)、注射又は注入、静脈内又は動脈内(血管内若しくは他の血管周囲デバイス/剤形(例えば、ステント)を含む)、筋肉内、骨内、脳内、脳室内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病変内、頭蓋内、腫瘍内、皮膚、皮内、皮下、経粘膜(例えば、舌下若しくは頬側)、直腸、経皮、鼻、肺(例えば、吸入、気管若しくは気管支)、局所的、又は皮下、筋肉内、任意選択で、薬学的に(若しくは獣医学的に)許容される剤形の化合物を含む医薬(若しくは獣医用)製剤の形態などの任意の他の非経口経路によって、投与され得る。
【0096】
本発明の組成物の医薬製剤への組み込みは、意図された投与経路及び標準的な医薬慣行を十分に考慮して達成され得る。担体などの薬学的に許容される賦形剤は、生物学的に活性な薬剤に対して化学的に不活性であってもよく、使用条件下で有害な副作用又は毒性を有さない場合がある。そのような薬学的に許容される担体はまた、本発明組成物の即時放出又は改変された放出を付与し得る。
【0097】
本発明の組成物を含む医薬(又は獣医用)製剤は、異なるタイプの粒子、例えば、異なる機能化(前述のように)を含む異なる活性成分を含む粒子、異なるサイズ、及び/若しくは異なる厚さのコーティングの粒子、又はそれらの組み合わせを含み得る。単一の医薬製剤において、異なるコーティング厚さ及び/又は異なるコアサイズを有する粒子を組み合わせることにより、患者への投与後の薬物放出は、特定の期間にわたって制御(例えば、変動若しくは延長)され得る。
【0098】
経口投与(すなわち、嚥下を伴う経口による胃腸管への投与)のために、本発明の組成物は、種々の剤形で処方され得る。薬学的に許容される担体又は希釈剤は、固体又は液体であり得る。固体製剤には、顆粒(顆粒は、例えば担体並びに結合剤及びpH調整剤などの他の賦形剤の存在下で本発明の組成物の複数の粒子の一部又はすべてを含み得る)、圧縮錠剤、丸薬、ロゼンジ、カプセル、カシェなどが含まれる。担体には、コア内の生物学的に活性な薬剤の処方に関して前述したもの、及び炭酸マグネシウム、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター、ラクトース、微結晶性セルロース、低結晶性セルロースなどを含む、当業者によく知られた材料が含まれる。
【0099】
固体剤形は、香味料、潤滑剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、及び/又は封入材料などのさらなる賦形剤を含み得る。例えば、本発明の組成物は、例えば、ソフト又はハードシェルカプセル、例えば、ゼラチンカプセルにカプセル化され得る。
【0100】
直腸投与用に処方された本発明の組成物は、例えば、カカオバター、合成グリセリドエステル、又はポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤を含有し得る坐剤を含み得、これらは常温で固体であるが、液化し、及び/又は直腸腔に溶解して、本発明の組成物の粒子を放出する。
【0101】
皮下注射及び筋肉内注射などの非経口投与の場合、本発明の組成物は、無菌の注射可能及び/又は注入可能な剤形、例えば、本発明の組成物の無菌の水性又は油性懸濁液の形態であり得る。
【0102】
そのような懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤(例えば、Tween 80(商標)などのTween(商標))、及び懸濁剤を用いることにより、当業者によく知られた技術に従って処方され得る。
【0103】
非毒性の非経口的に許容される希釈剤には、1,3-ブタンジオール、マンニトール、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液、滅菌固定油(合成モノグリセリド又はジグリセリドなどの任意の刺激の少ない固定油を含む)の溶液も含まれる。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸ばかりでなくオリーブ油又はヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油、並びにそれらのポリオキシエチル化バージョン及びpH調整剤の調製に使用され得る。これらの油懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤を含有し得る。
【0104】
注射に適切な本発明の組成物はまた、デポー製剤を形成するために外科的投与装置、例えば針、カテーテルなどを介して投与可能な液体、ゾル、又はゲル(例えば、エギアルロン酸)の形態の組成物を含み得る。本発明の組成物の使用は、前述のように任意のバースト効果を低減することによって、及び/又はその製剤からの生物学的活性成分の放出の長さを増加させることによって、溶解速度及び薬物動態プロファイルを制御し得る。
【0105】
本発明の組成物はまた、例えば、乾燥粉末吸入器で使用するための吸入粉末(例えば、Kumaresan et al,Pharma Times,44,14(2012)及びMack et al.,Inhalation,6,16(2012)を参照として吸入用に処方され得、その関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。肺への吸入に使用するための本発明の組成物中の複数の粒子に適切な粒子サイズは、約2~約10μmの範囲である。
【0106】
本発明の組成物はまた、皮膚又は粘膜に局所的に投与するために処方され得る。局所適用のために、医薬製剤は、例えば、ローション、ゲル、ペースト、チンキ剤、経皮パッチ、経粘膜送達用のゲルの形態で提供され得、これらはすべて、本発明の組成物を含み得る。組成物はまた、鉱油、液体石油、白色石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、又は水などの担体に懸濁された本発明の組成物を含有する適切な軟膏で処方され得る。ローション又はクリームに適切な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セタリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が含まれる。
【0107】
医薬製剤は、本発明の組成物の約10重量%(約20重量%など、例えば、約50重量%)~約90重量%などの約1重量%~約99重量%を含み得、残りは、薬学的に許容される賦形剤によって構成されている。
【0108】
いずれにせよ、本発明の組成物は、医薬製剤の調製のために当技術分野で使用される従来の医薬添加剤及び/又は賦形剤で製剤化され、その後、標準的な技術(例えば、Lachman et al,「The Theory and Practice of Industrial Pharmacy」,Lea&Febiger,3rd edition(1986);「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Troy(ed.),University of the Sciences in Philadelphia,21st edition(2006);及び/又は「Aulton’s Pharmaceutics:The Design and Manufacture of Medicines」,Aulton and Taylor(eds.),Elsevier,4th edition,2013を参照)及びそこで言及された文書を使用して様々な種類の医薬製剤及び/又は剤形に組み込まれ得、すべての文書における関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。そうでなければ、適切な製剤の調製は、日常的な技術を用いて当業者によって非進歩的に達成され得る。
【0109】
本明細書で「約」という言葉が用いられる場合はいつでも、例えば、量(例えば、濃度、寸法(サイズ及び/若しくは重量)、サイズ比、アスペクト比、比率、又は分率)、温度又は圧力の文脈において、そのような変数は、概算であり、したがって、本明細書で指定された数値から±15%、例えば±10%、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば±1%)変動し得ることが理解されるであろう。これは、そもそもそのような数値がパーセンテージで表されている場合でも当てはまる(例えば、「約15%」は、数値10の±15%を意味し得、これは8.5%~11.5%のいずれでもある)。
【0110】
本発明の組成物は、多様な薬学的に活性な化合物の処方を可能にする。本発明の組成物は、含まれる生物学的に活性な薬剤に応じて、多種多様な障害を効果的に治療するために使用され得る。
【0111】
本発明の組成物は、投与直後の最大濃度を特徴とする任意のバースト効果を最小化する放出及び/又は薬物動態プロファイルを提供し得る。
【0112】
本明細書に記載の組成物及びプロセスは、特定の生物学的に活性な薬剤による関連する状態の治療において、医師及び/又は患者にとって、より効果的であり、より毒性が低く、より広い範囲の活性を有し、より強力であり、より少ない副作用をもたらすよりも便利であり得、又は、同じ活性成分について先行技術に記載され得る任意の同様の治療よりも、他の有用な薬理学的特性を有し得るという利点を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0113】
次に、本発明の好ましい実施形態を、非限定的な例として、以下の添付の図面を参照して説明する。
【
図1a】本発明の第1の実施形態による反応器の概略図である。
【
図1b】本発明の第1の実施形態による反応器の概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態による反応器の概略図である。
【
図3a】本発明の第3の実施形態による反応器の概略図である。
【
図3b】チャンバが場所を切り替えているときの
図3aの反応器を示す図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態による反応器の概略図である。
【
図5a】本発明の第5の実施形態による反応器の概略図である。
【
図5b】本発明の第5の実施形態による反応器の概略図である。
【
図5c】本発明の第5の実施形態による反応器の概略図である。
【
図5d】本発明の第5の実施形態による反応器の概略図である。
【
図6】本発明の第6の実施形態による反応器の概略図である。
【
図7】本発明の第7の実施形態による反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0114】
本発明の第1の実施形態による反応器は、
図1aに示され、一般に参照番号10によって示される。
【0115】
反応器10は、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bを有する反応容器12を含む。示される実施形態では、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bは、反応器10に対して「上部」及び「下部」チャンバとして配置される。しかしながら、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bの配向は、それらがそのような相対的な用語で指定できないことを意味し得ることが理解される。
【0116】
反応器10は、例えば、第1の(すなわち、上部)反応器チャンバ14aへの入口(図示せず)を介して粒子を受け取ることができる。出願において前述したように、粒子は、好ましくはナノ粒子、又はより好ましくはマイクロ粒子である。以下に示す例では、粒子は、典型的には、粉末形態である。
【0117】
反応器10はまた、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bの間の反応容器12の内部に位置するふるい16を含む。より具体的には、この実施形態では、ふるい16は、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bの間の中間表面18上に位置する。中間表面18は、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bを分割する表面である。
【0118】
図1bに示すように、反応容器12は、ふるい16の真上及び真下に位置する第1及び第2のシャッター15a、15bを含み得る。シャッターは、反応器チャンバ14a、14bの間を移動する粒子に対する物理的障壁(又は停止)として選択的に機能するように、開位置と閉位置との間で制御することができ、逆もまた同様である。
【0119】
本発明の他の実施形態では、粒子が反応器チャンバ14a、14bの間を移動するのを停止するためにシャッターが使用される代わりに、加圧空気流が代わりに粒子を所望の反応器チャンバ14a、14b内に保つために使用され得る。
【0120】
反応器10は、粒子をふるい16に通すように構成された強制手段19をさらに含む。この実施形態では、強制手段19は、機械的パルスを介して反応容器12の物理的振動を引き起こす発生器であることが意図されている。強制手段19はまた、中間空間18に位置し得る。
【0121】
他の適切な強制手段19が使用され得る。例えば、音波又は超音波発生器を使用して、反応容器12及び/又はふるい16自体に伝達される高周波振動を生成し得る。あるいは、又は加えて、垂直エアジェットは、真空がふるい16を通して解凝集した粒子を引っ張っている間にエアジェットが粒子を解凝集するように、ふるい16表面の底部に適用し、同時に、真空がエアジェットと反対方向に作用し得る。あるいは、又は加えて、反応容器12又は反応器チャンバ14a、14bは、粒子がふるい16に接触するときに粒子に遠心力を提供するように高速回転に供され得、それにより解凝集を引き起こす。強制手段19は、代わりに、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bのタンブリング/回転によって引き起こされる振とう移動であり得る。あるいは、強制手段は、例えばソレノイドによってチャンバ14a、14b及び/又はふるい16に付与される「パンチング」又は「タッピング」によって、反応器チャンバ14a、14bに導入される振動であり得る(又はチャンバ14a、14b及び/若しくはふるい16を物理的に「パンチング」若しくは「タッピング」する他の手段)。あるいは、強制手段19は、チャンバ14a、14b、及び/又はふるい16を振動させることによって引き起こされ得る。強制手段19は、代わりに、ふるい16の表面に加えられる圧力勾配力であり得る。あるいは、強制手段19は、例えば、ふるい16及び/又はチャンバ14a、14bの水平回転によって加えられる力であり得る。強制手段19は、代わりに、ふるい16の周期的な変位/運動から加えられる力であり得る。
【0122】
上で論じた強制手段のうちの1つ以上の任意の適切な組み合わせが使用され得る。例示的な組み合わせ(非限定的である)には、振動及びタッピング、回転及びタッピング、超音波振動及び音波振動、音波振動及びタッピング、超音波振動及びタッピング、水平回転及び周期変位が含まれる。組み合わせは、所望の解凝集を達成するために、及び/又は強制手段の異なる機能を組み合わせるために選択され得る。例えば、超音波振動は、ふるい16を洗浄するのに役立つように選択され得、これは、粒子をふるい16を通して移動させる別の強制手段と組み合わされ得る。
【0123】
図には示されていないが、強制手段19は、強制補助を含み得る。強制補助は、以下のいずれか1つ又は組み合わせであり得る:
-粒子凝集体を破壊するのに役立つようにふるい16をブラッシングする1つ以上のブラシによるブラシ洗浄であって、ブラシが、アームを介して円運動でふるい表面16に沿って掃引し得る、ブラシ洗浄、
-粒子凝集体を破壊するのに役立つようにふるい表面上で跳ね返される複数のボール、例えば2mmのハードボールによる跳ね返りボール洗浄、
-ファンを用いて空気又はガスを中央の空洞に吹き込み、次いでふるいに向けられたジェットアームから出るエアジェット洗浄であって、エアジェットが、最大120m/sの速度に達し得る、エアジェット洗浄、
-ブラシ洗浄に関連して上記と同様の方法でのクレーパー、スパチュラ、又はパドルの使用であって、スクレーパー/スパチュラ/パドルが、典型的には、ゴムで作製されている、使用。
【0124】
反応器10はまた、粒子上にコーティングを形成するように、気相材料のパルスを反応器チャンバ14a、14bの一方又は両方に導入するように構成される気相コーティング機構を含む。
【0125】
示される実施形態では、気相コーティング機構は、原子層堆積(ALD)技術を組み込んでいるが、他の関連する技術が代わりに使用され得る。
【0126】
一般的なALD技術は、アプリケーションの導入部分で説明されている。ALDプロセスの反応チャンバは、真空下にあり、熱ALDの場合は、典型的には、1~20mbarであるが、より低い圧力又はより高い圧力を使用することもできる。真空チャンバ中の温度も十分に制御されており、典型的には、20~300℃の範囲であるが、より低い温度又はより高い温度を使用することもできる。
【0127】
プロセス中に基板を移動し続けるために、例えば、チャンバの回転、又はタンブリング、又は振とうなど、ALD反応チャンバ中の基板のいくらかの転位を有することは典型的であり得る。しかしながら、基板、特に粒子(例えば、粉末)は、ふるいを通るのを強制されることも、そのような転位技術によって解凝集されることもない。代わりに、粒子は、反応チャンバ中を動き回るだけである。
【0128】
本発明の第1の実施形態の反応器10を参照すると、気相コーティング機構は、以下のステップに従ってALD技術を適用する:
a)パルス1:コーティングされる粒子を含有する反応器チャンバ14a、14bにガス状態の第1の前駆体を導入するステップ。前駆体は、粒子の表面上に吸着され、ガスに曝露されるすべての表面上に前駆体分子の吸着(例えば、化学吸着)層を形成する。例えば、第1の前駆体は、ガス状態のH2Oであり得る。水は、ヒドロキシ(-OH)基で表面を終わらせる。
b)パルス2:化学的に不活性なリンスガス(例えば、N2又はAr)を反応器チャンバ14a、14bに導入して、過剰の第1の前駆体の反応器チャンバ14a、14bをリンスするステップ。過剰には、表面に吸着するときに前駆体分子から切り離す前駆体からのリガンドも含まれる。粒子上に留まるのは、第1の前駆体の単分子層だけである。
c)パルス3:コーティングされる粒子を含有する反応器チャンバ14a、14bにガス状態の第2の前駆体を導入するステップ。前駆体は、吸着された第1の前駆体と反応して、粒子をコーティングする新しい物質(すなわち、以前とは異なる化学組成の新しい層)を形成する。例えば、粒子上に形成される新しい物質は、酸化アルミニウム(Al2O3)であり得る。
d)パルス4:表面及び第1の前駆体と第2の前駆体との間の反応からの任意の副生成物に吸着する場合、化学的に不活性なリンスガス(例えば、N2又はAr)を反応器チャンバ14a、14bに導入して、反応器チャンバ14a、14bの過剰の第2の前駆体及び前駆体分子から切り離す前駆体からのリガンドをリンスする。粒子上に留まるのは、本質的に、反応生成物の単分子層、例えばAl2O3である。
【0129】
上記の4つのパルスは、いわゆる「ALDサイクル」を表しており、「ALDセット」として数回繰り返すことができる。例えば、ALDセットは、10、25、又は100サイクルからなり得る。
【0130】
ALDパルスは、多くのパルスからなることができ、例えば、パージ又は排気を挟んで2~1000回繰り返し得る。一連の繰り返しALDパルスは、マルチパルスと呼ばれる。
【0131】
当業者は、そのようなALD技術を実施するために必要な構成要素、並びにそのような構成要素と反応容器12とのインターフェースを容易に理解するので、そのような構成要素は、ここでは論じない。
【0132】
第1の実施形態では、ALDサイクルは、第1の(上部)反応器チャンバ14aで実行され、したがって、好適なALDガス、すなわち、前駆体ガス及びリンスガスは、パルスとして上部入口21を通って導入され、第1の反応器チャンバ14aの上部出口21’を通って出て行く。あるいは、好適な前駆体及びリンスガスは、代わりに、上部入口23を通ってパルスとして導入され、第2の(下部)反応器チャンバ14bの下部出口23’を通って出て行くことができる。
【0133】
強制手段19は、使用中に粒子がふるい16を通るのを強制するように構成され、ふるい16は、反応容器12中に形成された任意の粒子凝集体を解凝集するように構成されている。粒子のサイズとふるいのメッシュサイズとの比率は、1:2であり得る。例えば、10μmの領域の粒子サイズの場合、20μmのふるいのメッシュを使用することができる。粒子のサイズとふるいのメッシュサイズとの比率は、1:4であり得る。例えば、5μmの領域の粒子サイズの場合、20μmのふるいのメッシュを使用することもできる。
【0134】
ふるい16は、任意の適切な形態をとり得る。例えば、ふるい16は、糸又はワイヤから作製されたふるいのメッシュを有し得、例えば、それは、織られたワイヤふるい16であり得る。ふるい16は、代わりに、穴あきプレートふるい、マイクロプレートふるい、グリッドふるい、又はダイアモンドふるいの形態であり得る。
【0135】
反応器10は、移動部材24の形態で、粒子位置変更手段22をさらに含む。移動部材24は、反応容器12全体を車軸26の軸(すなわち、図示の例では水平軸)に沿って回転させるように回転する反応容器12に固定された車軸26を有する。反応容器12の回転は、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bが互いに場所を切り替える結果となる。言い換えれば、上部チャンバであった反応器チャンバ14a、14bが下部チャンバになり、逆もまた同様である。このようにして、粒子は、反応器10中の1つの物理的空間、例えば回転前の下部チャンバの空間から、反応器10中の別の物理的空間、例えば回転後の上部チャンバの空間に移動する。
【0136】
反応器10は、静電気防止機器をさらに含み得る。そのような機器は、反応器10の粒子及び/又は反応器10の部分から静電気エネルギーを除去するために、反応器チャンバ14a、14b内などの適切な場所で反応器10内に含まれ得る。
【0137】
使用中、粒子、この場合粉末は、第1の(上部)反応器チャンバ14aに導入される。ALDプロセスは、1つのALDサイクルを使用して粒子をコーティングする。ALDガスは、上部入口21を通って上部チャンバ14aに導入され、上部出口21’を通して抽出される。ALDガスはまた、第2の(下部)反応器チャンバ14bの下部出口23’から抽出することができる。粒子は、強制手段19の発生器によって引き起こされる振動によってふるい16を通るのを強制され、その結果、粒子は、第2の(下部)反応器チャンバ14bに強制される。
【0138】
反応容器12はまた、
図1bに示されるように、ふるい16の真上及び真下に位置する第1及び第2のシャッター15a、15bを含むことができる。シャッター15a、15bは、反応器チャンバ14a、14b間を移動する粒子に対する物理的障壁(又は停止)として選択的に機能するように、開位置と閉位置との間で制御することができる。
【0139】
使用中、シャッター15a、15bは、ALDプロセス中、閉位置にあり、粒子がふるい16を通るのを強制する前に開かれる。ALDプロセス中に一緒に凝集した粒子は、強制ふるい分けによって解凝集される。これらの粒子は、コア(元の粒子であったもの)が曝露し得るように、コーティングされていない表面積のピンホールを有する。
【0140】
図1a及び1bに示される両方の例では、次いで、移動部材24は、反応器チャンバ14a、14bが場所を切り替えるように、反応容器12を移動部材軸26に沿って回転させる。コーティングされた粒子を含有する下部チャンバであった第2の反応器チャンバ14bは、今や反応器10中の上部チャンバとして位置する。次いで、ALDプロセスが繰り返される。これらのステップは、完全にコーティングされた粒子を達成するために何度でも繰り返され得る。このステップをさらに数回繰り返して、所望のコーティングの厚さを達成し得る。
【0141】
本発明の他の実施形態では、ALDセット(すなわち、いくつかのALDサイクル)は、反応器チャンバ14a、14bの回転が実施される前に、反応器チャンバ14a、14b中の粒子に対して実行され得る。したがって、あらゆるALDセット後に、粒子はふるいを通るのを強制される(したがって、解凝集が実行される)。
【0142】
さらなる実施形態では、単一パルスは、反応器チャンバ14a、14bの回転が実施される前に、反応器チャンバ14a、14b中の粒子に対して実行される。したがって、各パルス後に、粒子はふるいを通るのを強制される(したがって、解凝集が実行される)。
【0143】
いずれにせよ、所望のコーティング厚さを有する完全にコーティングされた粒子は、出口(図示せず)によって、又は反応器12を分解することによって、最終的に反応容器12から除去される。
【0144】
上記のステップを実施する前に、粒子を洗う及び/又は洗浄して、それらの生成に由来し得る不純物を除去し、それらを乾燥させる必要がある場合がある(粒子が最初に提供される方法によって異なる)。乾燥は、蒸発、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、マイクロ波乾燥、IR放射、ドラム乾燥などを含む、当業者に知られている多くの技術によって実施され得る。次いで、粒子は、研削、スクリーニング、ミリング、及び/又は乾式超音波処理によって解凝集され得る。あるいは、粒子は、例えば、粒子を真空及び/又は高温に曝露することによって、その表面上に吸収され得る任意の揮発性物質を除去するために処理され得る。
【0145】
粒子の表面は、第1の無機コーティングを適用する前に、例えば、過酸化水素、オゾン、フリーラジカル含有反応物で処理することによって、又は粒子の表面にフリー酸素ラジカルを創出するためにプラズマ処理を適用することによって、化学的に活性化され得る。これにより、ALD前駆体の粒子上に有利な吸着/核形成サイトが生成され得る。
【0146】
ALDでは、コーティングは、約0℃~約800℃、又は約40℃~約200℃、例えば、約40℃~約150°、例えば、約30℃~約100℃のプロセス温度で適用され得る。最適なプロセス温度は、粒子に用いられる前駆体及び/又は物質(生物学的に活性な薬剤を含む)の反応性及び/又は粒子物質の融点及び/又は蒸気圧に依存する。
【0147】
ほとんどの場合、連続する反応の最初のものは、ヒドロキシ基(-OH)又は一級若しくは二級アミノ基(-NH2若しくはRが、例えばアルキル基などの脂肪族基である-NHR)などのコーティングされる表面にいくつかの官能基又は遊離電子対又はラジカルを伴う。個々の反応は、有利には、次の反応を行う前に、すべての過剰な試薬及び反応生成物が本質的に除去されるような条件下で、別々に実施される。
【0148】
本発明の第2の実施形態による反応器は、
図2に示され、一般に参照番号50によって示される。
【0149】
本発明の第2の実施形態の反応器50は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0150】
第2の実施形態の反応器50は、容器12及びふるい16が音波シフターとして機能するように、強制手段52が反応容器12と統合されるという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。特に、第1の(上部)反応器チャンバ14aの頂部及び第2の(下部)反応器チャンバ14bの底部は、ポリマー材料、好ましくはエラストマーから製作されて、ポリマー膜54を形成する。さらに、ふるい16はまた、ポリマー材料、好ましくはエラストマーから製作される。音波又は超音波音波は、容器12全体が、音がポリマー膜54及びポリマーふるい16を通って伝わる音波シフターとして機能するように、発生器(図示せず)を介して反応容器12に適用される。
【0151】
第2の実施形態の反応器50の作動は、第1の実施形態の反応器10と同じであるが、機械的パルスが上で概説したように音波シフターに置き換えられている。
【0152】
本発明の第3の実施形態による反応器は、
図3a及び3bに示され、一般に参照番号60によって示されている。
【0153】
本発明の第3の実施形態の反応器60は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0154】
第3の実施形態の反応器60は、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bのそれぞれが、ふるいのメッシュから作製されたふるい分け表面62を有するという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。ふるい分け表面62は、各第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bの下端に向かって位置する。
【0155】
さらに、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bのそれぞれは、チャンバ14a、14bの頂面及び底面の両方にシャッター面64を有し、その結果、反応器チャンバ14a、14bが互いに場所が入れ替わるとき(以下でより詳細に説明するように)、チャンバ14a、14bの間に位置する各チャンバ14a、14bのシャッター表面64が常に存在する。
【0156】
移動部材(
図3a又は3bには示されていない)は、回転せずに第1及び第2のチャンバ14a、14bの場所を切り替えるように構成されている。例えば、移動部材は、
図3bに示されるように、チャンバ14a、14bのそれぞれを互いに列から外し、それらを逆の順序で互いに列に戻すように挿入され得る。そのような実施形態における移動部材は、これを同時に又は連続して行い得る。
【0157】
反応器チャンバ14a、14bが単一の統合されたユニットを形成する第1の実施形態の反応器10とは対照的に、第2の実施形態の反応器60の第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bは、個別の別個のチャンバである(
図3bに示される)。
【0158】
第3の実施形態の反応器60の作動は、第1の実施形態の反応器10と同じであるが、移動部材が、回転せずに第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bの場所を切り替える。さらに、2つのチャンバ14a、14bの間に配置された各チャンバ14a、14bのシャッター表面64は、粒子がふるい62を通るのを強制されているときに開位置にあるように制御され、反応器チャンバ14a、14bが場所を切り替えられているときに閉位置にあるように制御される。
【0159】
本発明の第4の実施形態による反応器は、
図4に示され、一般に参照番号70によって示される。
【0160】
本発明の第4の実施形態の反応器70は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0161】
第4の実施形態の反応器70は、第1及び第2のチャンバ14a、14bがそれぞれ、それぞれの第1及び第2の二次ふるい27a、27bを含むという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。各二次ふるい27a、27bのメッシュサイズは、反応器12に導入される粒子のサイズよりも小さくてもよい。
【0162】
ALDプロセス(パルス、サイクル、又はセット)は、第2の(下部)チャンバ14bで実行される。粒子は、第2の(下部)二次ふるい27b上に設置され、ALDガスは、第1の実施形態と同様に、下部入口23を通して導入され、下部出口23’又は上部出口21’を通して抽出される。
【0163】
次いで、反応器70を回転させて、反応器チャンバ14a、14bの場所を切り替えることができ(又は別の方法で、第3の実施形態に関連して説明したように、回転せずに場所を切り替える)、ALDプロセスが繰り返される。粒子は、反応器70の回転の性質に応じて、反応器70が回転する前又は後のいずれかに、強制手段(図示せず)によって第2の(下部)二次ふるい27bを通るのを強制される。次いで、粒子は、粒子が一方のチャンバから他方の14a、14bに移動する(前の実施形態で説明したように)ように、強制手段によって反応器チャンバ14a、14bの間にあるふるい16を通るのを強制される。
【0164】
このプロセスは、所望のコーティング厚さで完全にコーティングされた粒子が達成されるまで繰り返される。
【0165】
前に記載された任意の適切な強制手段を使用して、粒子が二次ふるい27a、27bを通るのを強制することができる。
【0166】
本発明の他の実施形態では、粒子位置変更手段は、ALDが第2の(下部)チャンバ14bで実施された後、粒子を第2の(下部)チャンバ14bから第1の(上部)チャンバ14aに輸送するように構成される粒子輸送機構である。このようにして、反応器チャンバ14a、14b自体を移動させる(回転させるか、さもなければ)必要はない。
【0167】
本発明の第5の実施形態による反応器は、
図5a~5dに示され、一般に参照番号80によって示される。
【0168】
本発明の第5の実施形態の反応器80は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0169】
第5の実施形態の反応器80は、選択的ガス流手段82を含み、各反応器チャンバ14a、14bに粒子床流84を順番に形成するという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。
【0170】
特に、ガス流手段82は、第2の(下部)反応器チャンバ14bから第1の(上部)反応器チャンバ14aに高圧でガスの流れを提供し、これは、第1の(上部)反応器チャンバ14aにおいて、フラッシュベッド上に見られるように、「流動」粒子床84を形成する。言い換えれば、ガス流手段82は、
図5aに示されるように、浮遊粒子84を第1の(上部)反応器チャンバ14aに保つ。
【0171】
ALDセット、サイクル、又はパルスは、粒子がガス流手段82によって所定の位置に保持されている間に、第1の(上部)反応器チャンバ14aで実行することができる。
【0172】
ガス流手段82は、第1の(上部)反応器チャンバ14aから第2の(下部)反応器チャンバ14bへの高圧のガスの流れを提供するように切り替える。その後、ガス流手段82は、オフに切り替えられ、したがって、粒子床84がふるい16を通して押し出され、これは、ALDプロセス中に形成された凝集粒子を解凝集させる。このステップを
図5bに示す。
【0173】
ガス流によってふるい16を通るのを強制される粒子は、反応容器12への振動(例えば、物理的、音波、超音波)によって助けられ得る。前述のように、ボール、ブラシ、パドルなどの強制補助も使用され得る。
【0174】
図5cに示されるように、流動粒子床84は、今や第2の(下部)チャンバにある。次いで、
図5cに示されるように、反応器チャンバ14a、14bを、本発明の第1の実施形態に関して上記と同じ方法で回転させ、その結果、反応器チャンバ14a、14bが場所を切り替える。
【0175】
図5dに示されるように、流動粒子床84は、依然として第2のチャンバ14bにあるが、第2の反応器チャンバ14bは、今や上部チャンバである。
【0176】
ALDプロセスは、第2の(現在は上部)反応器チャンバ14bで繰り返され、ガス流手段82は、粒子がふるい16を通るのを強制するように再び切り替えられる。ALD及び強制ふるい分けステップを繰り返して、所望のコーティング厚さで完全にコーティングされた粒子を形成する。
【0177】
第1の実施形態の反応器10と同様に、第1及び第2の反応器チャンバ14a、14bは、代わりに、回転以外の手段によって場所を切り替え得る。
【0178】
さらに、本発明の他の実施形態では、流動粒子床84が第1の(上部)反応器チャンバ14aから第2の(下部)反応器チャンバ14bにふるい16を通るのを強制された後(すなわち、
図5bに示すステップの後)、ALDプロセス(すなわち、ALDセット、サイクル、又はパルス)は、第2の(下部)反応器チャンバ14bで実行され得る。次いで、ガス流手段82は、流動粒子床84をふるい16を通して第2の(下部)反応器チャンバ14bから第1の(上部)反応器チャンバ14aに戻るように強制し得る。次いで、ALDプロセス(例えば、ALDセット、サイクル、又はパルス)は、第1の(上部)反応器チャンバ14aで実施され得る。このプロセスは、必要に応じて繰り返される。このようにして、反応器チャンバ14a、14bの移動は、必要とされない。さらに、強制手段(すなわち、ガス流手段82)は、そのような実施形態における粒子位置変更手段(すなわち、粒子輸送機構)である。
【0179】
本発明の第6の実施形態による反応器は、
図6に示され、一般に、参照番号90によって示されている。
【0180】
本発明の第6の実施形態の反応器90は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0181】
第6の実施形態の反応器90は、反応容器12内に2つのふるい92a、92bを含むという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。ふるい92a、92bは、互いに離間して、3つの関連する反応器チャンバ14a、14b、14cを形成する。
【0182】
ふるい92a、92bはそれぞれ、粒子の強制移動94の方向でより微細なメッシュを有する。この実施形態では、粒子が反応容器12の底部から上向きに強制されるので、上部ふるい92aは、下部ふるい92bよりも微細なふるいのメッシュを有する。
【0183】
後者に関して、反応器90は、粒子が下部及び上部ふるい92b、92aを通るのを順番に上方に強制するように、反応容器12の底部から高圧ガス流を提供するガス流手段96を含む。
【0184】
本発明の他の実施形態では、3つ以上のふるい92a、92bがあり得、それぞれが粒子の強制移動94の方向でより微細なメッシュを有する。
【0185】
示されるように、気相コーティング機構は、すなわち、入口21及び出口21’を介して、最上部のチャンバ14aにおいてALDプロセスを実行するように構成されている。気相コーティング機構は、最上部のチャンバ14aにおいてALDセット、サイクル、又はパルスを実行し得る。その後、粒子位置変更手段22は、粒子輸送機構98の形態で、粒子を最上部のチャンバ14aから最下部のチャンバ14cに輸送する。次いで、ガス流手段96は、粒子がふるい92a、92bを通るのを再び上に強制する。この解凝集は、各ALDセット、サイクル、又はパルスの後に実施される。
【0186】
このプロセスは、粒子がコーティングに完全に囲まれ、コーティングが所望の厚さを有するまで繰り返される。
【0187】
本発明の第7の実施形態による反応器は、
図7に示され、一般に参照番号100によって示される。
【0188】
本発明の第7の実施形態の反応器100は、本発明の第1の実施形態の反応器10に類似しており、同様の特徴が同じ参照番号を共有している。
【0189】
第7の実施形態の反応器100は、タワー構成で一緒に積み重ねられた複数の反応器チャンバ102a、102b、102c…102lを含むという点で、第1の実施形態の反応器10とは異なる。この実施形態では、12個の反応器チャンバ102a~102lがあり、各隣接するチャンバ102a~102lの間にふるい16が配置されている。
【0190】
この実施形態では、各反応器チャンバ102a~102lは、ALDパルスを実行し、粒子は、各パルスの後に順番に各ふるい16を通るのを強制される。したがって、解凝集は、ALDサイクルの各パルス間で実施される。
【0191】
粒子は、本出願で既に記載されているように任意の適切な形態であり得る強制手段(図示せず)によって各ふるい16を通るのを強制される。
【0192】
さらなる説明として、第1の反応器チャンバ102aにおける気相コーティング機構、すなわち入口21及び出口21’を介して、第1の前駆体(例えば、ガス状のH2O)、すなわちパルス1を導入する。強制手段、例えば音波シフターは、部分的にコーティングされた粒子が第2の反応器チャンバ102bへと隣接するふるい16を通るのを強制する。第2の反応器チャンバ102bにおける気相コーティング機構、すなわち入口23及び出口23’を介して、リンスガス(例えば、N2)を導入して、過剰の第1の前駆体、すなわちパルス2から反応チャンバ及び粒子をリンスする。強制手段は、部分的にコーティングされた粒子が、第3の反応器チャンバ102cへと次の隣接するふるい16を通るのを再び強制する。第3の反応器チャンバ102cにおける気相コーティング機構21、21’は、第2の前駆体、すなわちパルス3を導入する。強制手段は、コーティングされた粒子が、第4の反応器チャンバ102dへと隣接するふるい16を通るのを再び強制する。第4の反応器チャンバ102dにおける気相コーティング機構23、23’は、リンスガス(例えば、N2)を導入して、反応器チャンバ及び過剰な第2の前駆体の粒子並びに第1の前駆体と第2の前駆体との間の反応からの任意の副生成物をリンスする。
【0193】
このパルス数、すなわち1つのALDサイクルが粒子を完全にコーティングするのに十分であり(これは、パルスごとに解凝集が生じるため可能性がある)、所望のコーティング厚さに達した場合、反応器100は、4つの反応器チャンバ102a、102b、102c、102dのみを含み、完全にコーティングされた粒子は、第4の反応器チャンバ102dから除去されるであろう。しかしながら、さらなるサイクルが必要とされる場合、反応器100は、必要とされるさらなる反応器チャンバ102e、102f…102l(
図7に示される)を含み、交互のガスパルス及び解凝集ステップが繰り返される。
【0194】
示されるように、任意の数の反応器チャンバ102a~102lを反応器100に追加することができ、その結果、交互のALDパルス及び解凝集プロセスを所望の回数繰り返すことができる。理論的には、数百の反応器チャンバ102a~102lが存在する可能性がある。
【0195】
粒子は、第1の反応器チャンバ102aの入口104で反応器100に供給され、完全にコーティングされた粒子は、最後の反応器チャンバ102lの出口106で反応器100を出る。このようにして、粒子の前のバッチが、依然として、反応器100を通り抜ける間に、新しい粒子を入口104で反応器100に連続的に供給することができる。供給速度は、出口106での生成物出力に関連して調整することができる。
【0196】
本発明の他の実施形態では、各反応器チャンバ102a~102kは、2つ以上のALDパルスを実行し得る。例えば、各反応器チャンバ102a~102lは、ALDサイクル(例えば、4つのパルス)を実行し得、その結果、解凝集は、各ALDサイクルの間に実施される。あるいは、各反応器チャンバ102は、各ALDセット間で解凝集が実施されるように、ALDセット(例えば、25サイクル)を実行し得る。そのような実施形態では、反応器100は、ある反応器チャンバ102から別の反応器チャンバ102への粒子の移動を作用させるように構成された粒子位置変更手段(移動部材又は粒子輸送機構のいずれかの形態)を含み得、したがってALD及び解凝集プロセスを繰り返すことが可能になる。
【0197】
例えば、反応器100は、4つの反応器チャンバ102a、102b、102c、102dを含み得、これらのそれぞれは、各パルスの間に解凝集を伴うALDパルスを実施するように構成されている。4つのパルスが完了した後(すなわち、1つのALDサイクル)、反応容器12全体が、(本発明の第1の実施形態に関連して説明されたのと同様の方法で)移動部材によって回転され得、その結果、最下部のチャンバにあった粒子は、最上部のチャンバにある。次いで、ALDパルス及び解凝集プロセスを何度でも繰り返すことができる。
【国際調査報告】