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特表2022-538186カテーテルベースの医療機器における光学センサアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】カテーテルベースの医療機器における光学センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/816 20210101AFI20220824BHJP
   A61M 60/178 20210101ALI20220824BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20220824BHJP
   A61M 60/414 20210101ALI20220824BHJP
   A61M 60/806 20210101ALI20220824BHJP
【FI】
A61M60/816
A61M60/178
A61M60/237
A61M60/414
A61M60/806
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577317
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 US2020039852
(87)【国際公開番号】W WO2020264316
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/868,517
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/868,527
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チャン タオ
(72)【発明者】
【氏名】タオ ズォンホン
(72)【発明者】
【氏名】ダース スーメン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077DD10
4C077EE01
4C077KK21
(57)【要約】
血液ポンプアセンブリのポンプハウジングに貼り付けられたバイザを含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリ。支持ジャケットは、バイザの内面と接触しており、光学センサが配置される空洞を画定する。空洞にシリコーン組成物が導入され、そこで硬化する。空洞内のシリコーン組成物は光学センサを保護し、支持ジャケットは、シリコーン組成物のオーバーフローおよびバイザの汚染を防止する。シリコーン組成物は、シリコーン成分および可塑剤を含み、シリコーン対可塑剤の比は、所望の剛性、粘着性、接着強度、粘度、貯蔵寿命、ポットライフおよび硬化特性のうちの1つまたは複数を提供するように選択される。シリコーン組成物は、複数のシリコーン成分を含み得る。光学センサアセンブリおよびシリコーン組成物の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面および外面を有するバイザと、
前記バイザの前記内面と接触している、空洞を画定する支持ジャケットと、
前記空洞内に配置された、第1の面および第2の面を有する光学センサと、
前記光学センサの前記第2の面を被覆する、前記空洞内に配置されたシリコーン組成物と
を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリ。
【請求項2】
前記バイザ内面が、血液ポンプアセンブリのポンプハウジングに取り付けられるように構成されている、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項3】
前記バイザ内面が、エポキシによって前記ポンプハウジングに取り付けられている、請求項2記載の光学センサアセンブリ。
【請求項4】
前記バイザが金属を含む、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項5】
前記金属がステンレス鋼である、請求項4記載の光学センサアセンブリ。
【請求項6】
前記支持ジャケットが、開放端および閉鎖端を有し、前記支持ジャケットの前記開放端が、前記光学センサが前記空洞内に配置された後に閉鎖されるように構成されている、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項7】
前記支持ジャケットがポリマー管である、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項8】
前記支持ジャケットがポリイミド管である、請求項7記載の光学センサアセンブリ。
【請求項9】
前記シリコーン組成物がシリコーンゲルである、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項10】
前記シリコーン組成物が、前記空洞内で硬化するように構成されている、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項11】
前記血液ポンプアセンブリが患者への経皮的挿入に使用されたときに前記光学センサに及ぼされる力による損傷から前記光学センサの前記第2の面を保護するように、前記シリコーン組成物が構成されている、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項12】
前記空洞が、前記血液ポンプアセンブリの患者への経皮的挿入中に前記光学センサに及ぼされる力による損傷から前記光学センサを保護するように選択された量の前記シリコーン組成物を収容するように構成されている、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項13】
前記光学センサがシリコーン光学センサである、請求項1記載の光学センサアセンブリ。
【請求項14】
モータと、少なくとも1つのブレードを有するロータとを含む、ポンプ、
前記少なくとも1つのブレードを取り囲むポンプハウジング、
前記ポンプハウジングの遠位に延在するカニューレ、
前記カニューレから遠位に延在する無外傷性延長部、および
バイザと、
空洞を画定する支持ジャケットと、
前記空洞内に配置された光学センサと、
前記光学センサを被覆する、前記空洞内に配置されたシリコーン組成物と
を含み、前記バイザによって前記ポンプハウジングに取り付けられている、光学センサアセンブリ
を含む、患者に挿入するための血液ポンプアセンブリ。
【請求項15】
前記光学センサがシリコーン光学センサである、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項16】
前記シリコーン組成物が、第1のシリコーン成分と可塑剤と第2のシリコーン成分との混合物を含み、前記シリコーン組成物が、所望の粘度、剛性、重ねせん断、および粘着性のうちの少なくとも1つを有する、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項17】
前記シリコーン組成物が、前記空洞内で硬化するように構成されている、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項18】
前記シリコーン組成物がシリコーンゲルである、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項19】
前記シリコーン組成物が、前記光学センサの測定面を被覆する、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項20】
前記バイザが、接着剤によって前記ポンプハウジングに取り付けられている、請求項14記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項21】
以下の工程を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリの製造方法:
光学センサを、空洞を画定する支持ジャケット内に配置する工程;
シリコーン組成物が前記光学センサの表面を被覆するように、前記シリコーン組成物を前記空洞内に配置する工程;
前記シリコーン組成物を硬化させる工程;
前記支持ジャケットの一部分をバイザと接触させる工程;および
前記バイザを血液ポンプのポンプハウジングに取り付ける工程。
【請求項22】
血液ポンプアセンブリにおいて使用するための前記光学センサの測定面を、前記血液ポンプアセンブリの患者への経皮的挿入中に血液によって前記光学センサに及ぼされるせん断力から保護するように、前記シリコーン組成物が構成される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記測定面がダイアフラムである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記シリコーン組成物を作製する工程をさらに含み、
前記シリコーン組成物を作製する方法が、
第1のシリコーン混合物を形成するために第1のシリコーン成分と可塑剤とを混合する工程;
第2のシリコーン混合物を形成するために第2のシリコーン成分と前記可塑剤とを混合する工程;
前記第1のシリコーン混合物と前記第2のシリコーン混合物とを組み合わせて前記シリコーン組成物にする工程;および
前記シリコーン組成物を真空脱気する工程
を含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記第1のシリコーン成分が活性化剤を含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記第2のシリコーン成分が白金系触媒を含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記可塑剤がシリコーン油可塑剤である、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記第1のシリコーン成分、前記第2のシリコーン成分および前記可塑剤が生体適合性を有する、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記第1のシリコーン成分が前記可塑剤とは異なる材料である、請求項24記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,517号、および2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,527号の恩典を主張し、両出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
心臓から動脈に血液を送達するために、心臓に、心臓内血液ポンプを備えたアセンブリなどの血管内血液ポンプアセンブリが導入されることがある。血管内血液ポンプは、カテーテル法などによって、心臓処置中に血管系を介して経皮的に導入することができる。一部の血液ポンプは、心臓の左側を補助するように設計されており、心臓の左心室から血液を引き込み、その血液を、カニューレを通して大動脈に排出する。心臓の左側を補助する一部の血液ポンプは、カテーテル法により、大腿動脈を通って上行大動脈に入り、大動脈弁を越えて、左心室に導入される。一部のシステムは、心臓の右側を補助するように設計されており、血液ポンプは静脈を通り、静脈系(例えば、大静脈)を通して心臓の右側に導入される。血液ポンプシステムはまた、鎖骨下動脈および/または頸動脈を通して外科的に植え込まれ得るか、または挿入されることもある。血管を通して血液ポンプアセンブリを患者に挿入する間、患者の蛇行した経路または石灰化した解剖学的構造を通して血液ポンプを前進させることが困難な場合がある。
【0003】
これらの蛇行した経路に起因する、ポンプの導入を伴う複雑な状況は、場合によっては、血液ポンプアセンブリに、または患者に損傷を引き起こす可能性がある。例えば、血液ポンプもしくはその構成要素が損傷されたり、または挿入もしくは動作中に患者の脈管構造を損傷したりする場合がある。血液ポンプの構成要素は、例えば、脈管構造、または血液によって血液ポンプの構成要素に及ぼされるせん断力が原因で、導入および動作中にポンプから脱離する可能性がある。損傷した血液ポンプは、取り外しや交換が必要になる可能性があり、またはもはや正確ではなく、動作不能である可能性もある。例えば、ポンプセンサの損傷は、正確なポンプ導入または動作を妨げる可能性がある。
【0004】
血液ポンプのセンサ(例えば、光学センサ)は、ポンプの挿入または動作中に特に損傷を受けやすい可能性がある。例えば、患者体内に血液ポンプとともに配置されたそのような光学センサに及ぼされるせん断力は、センサに亀裂を生じさせる可能性がある。加えて、これらのせん断力により、センサ膜が少なくとも部分的に溶解し、侵食され、または傷つく可能性もある。溶解したシリコーン粒子の取り込みは、患者の健康に有害であり得る。他の状況では、光学センサまたはその構成要素が、血液ポンプのハウジングからなど、システムの残りの部分から分離される可能性もある。光学センサの損傷は、センサが、センサによって捕捉された重要な信号を医師に伝達するのを妨げる可能性がある。同様に、患者の脈管構造内での血液ポンプの構成要素の分離も、患者の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
一手法は、センサの表面に適用された単層の硬化シリコーンゲルによって光学センサを保護する。シリコーンゲルの層を追加すると、保護が増強される。しかしながら、シリコーンゲルは疎水性であるため、動作中にセンサに作用する毛細管圧が原因で不安定になりオーバーフローする可能性がある。シリコーンゲルのオーバーフローは、ポンプハウジングへの光学センサの接着を損なう。光学センサとポンプハウジングの間の接着が不十分だと、血液によるアセンブリへのせん断力の作用が原因で、装置が患者体内で破損する可能性がある。加えて、シリコーンゲルのオーバーフローは、ポンプハウジングの領域内の様々な構成要素の汚染を引き起こす可能性もある。
【0006】
血液ポンプアセンブリの挿入および動作中に光学センサの測定面(例えば、光学センサのダイアフラム)を血液によって測定面に及ぼされる力から保護するために、光学センサの測定面は硬化シリコーンの層で被覆されている。光学センサを備えた血液ポンプアセンブリが配置される独特な条件が原因で、光学センサの測定面への適用に適したシリコーン組成物の決定に際して考慮されなければならないいくつかの力学的特性がある。シリコーンは、患者の安全性を確保するために生体適合性を有しながら、適切な粘度、接着強度、硬度および粘着性を有する必要がある。ポンプアセンブリが動作する条件自体が独特であるため、所望の力学的特性は、血液ポンプアセンブリに使用するためのシリコーン組成物に独特である。具体的には、これらの力学的特性は、製造時に組成物を容易に取り扱うことを可能にする。加えて、そのような力学的特性により、組成物を、光学センサアセンブリのバイザを汚染することなく前記アセンブリの支持ジャケットの領域内に流すことが可能になる。さらに、これらの特性を有する組成物は、血液ポンプアセンブリを患者に挿入する際に光学センサの測定面に十分な保護を提供する。加えて、これら独特なシリコーンの力学的特性は、好ましくは、製造プロセスを妨げることなく得られる。具体的には、これらの力学的特性により、好適には、硬化プロセスを長くせずに光学センサの測定面に対する保護が得られる。加えて、シリコーンは、所望の貯蔵寿命およびポットライフも有するはずである。
【0007】
よって、ポンプ挿入中にセンサを保護し、センサのポンプハウジングへの接着を容易にし、光学センサアセンブリ構成要素の汚染を防止し、血液ポンプアセンブリが患者体内に配置されたときにシリコーンゲル(または他の接着成分)の望ましくないオーバーフローを防止するという利点のうちの1つまたは複数を提供する、改善された光学センサアセンブリがあれば望ましいであろう。さらに、既存の血液ポンプアセンブリに組み込む場合に、製造プロセスを妨げたり遅らせたりすることなく、そのような改善された光学センサアセンブリを容易に製造できることが望ましいであろう。加えて、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサを保護するための所望の力学的特性を有し、既存の製造方法に組み込むこともできる組成物を作製することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
簡単な概要
本明細書に記載されるシステム、方法、および装置は、血管内血液ポンプシステム(または他の血液ポンプシステム)において使用するための改善されたセンサ保護システムを有する光学センサアセンブリを提供する。血液ポンプシステムは、血液ポンプに対して取り付けられたまたは位置決めされた支持ジャケット内に位置する(光学センサなどの)センサを含むセンサシステムを備えた血液ポンプ(例えば、Impella(登録商標)ポンプ)を有する。使用時に、センサは、ポンプを位置決めする際、ならびに、ポンプの性能および影響を監視する際に役立つ。血液ポンプは、ポンプハウジング内のロータと、システムを通して圧送される血液を受けるカニューレと、ポンプを患者に挿入するための(カテーテルや外科用送達セットなどの)送達機構と、ポンプに電力供給するための駆動ユニットとを有し得る。駆動ユニットは、外部モータおよび電気的接続であり得る。あるいは、駆動ユニットは、ロータを外部モータに接続する機械的ケーブルであってもよい。カニューレは、ポンプの遠位に延在し、カニューレの遠位に延在する柔軟な無外傷性突出部を含み得る。
【0009】
光学センサアセンブリはポンプと協働するように選択され、かつ、支持ジャケット内に配置された光学センサを含み得、支持ジャケットは、ポンプに対して貼り付けられているかまたは他の方法で固定されている。支持ジャケットは、センサを受け入れる隙間または他の空洞を備えて構成され得る。支持ジャケットは、ポリマーまたは金属を含み得る。例えば、支持ジャケットは、ポリイミドまたはステンレス鋼を含んでいてもよい。支持ジャケットは、センサを支持するようにポンプ(またはポンプの構成要素の1つ)に対して接着または位置決めすることができるポリマーまたは他の材料から形成され得る。例えば、センサは、ポンプ性能を監視するのに有用であるようにポンプに十分に近接して配置される。支持ジャケットは、内面、外面を有し、空洞を画定する管または任意の適切な細長い本体の形状で構成され得る。支持ジャケットは、円形、長方形、卵形、または楕円形の断面を有し得る。いくつかの適合形態では、支持ジャケットの空洞は、空洞内にセンサを固定するのに十分な量のシリコーン組成物または他の材料を含むように構成される。例えば、当該量のシリコーン組成物または他の材料は、センサが位置する空洞を充填し、センサを取り囲む。光学センサをさらに遮蔽するために、支持ジャケットの外面を覆うバイザが含まれ得る。いくつかの実装形態では、バイザは、支持ジャケットの外面と接触している。他の実装形態では、バイザと支持ジャケットの外面の間に空間がある。特定の実装形態では、バイザの一部分は、支持ジャケットの外面と直接接触しており、バイザの他の部分は、支持ジャケットの外面とは空間により隔てられている。
【0010】
第1の実装形態によれば、光学センサアセンブリは、バイザと、支持ジャケット(例えば、内面および外面を有し、空洞を画定するポリマー管または別の細長い本体)と、光学センサと、シリコーン組成物とを含む。バイザの内面は、支持ジャケット(例えば、ポリマー管)の周囲に、ジャケットの外面(例えば、ポリマー管の表面)と接触するように、および、空洞内に配置されたセンサを遮蔽するように、配置されている。特定の適合形態では、支持ジャケット(例えば、ポリマー管や金属管)は、そのフレーム内に空洞を画定する。アセンブリの光学センサは、空洞内に配置される。光学センサの内面は、ジャケットの内面と接触している。例えば、光学センサの内面は、ジャケットの内面に接着され得る。別の例では、光学センサの内面は、ジャケットの内面に融着され得る。
【0011】
いくつかの実装形態では、バイザの内面は、ジャケット(例えば、ポリマー管)の外面を少なくとも部分的に覆う。さらなる実装形態では、バイザの内面は、バイザによって覆われていない部分がポンプハウジングと接触しないように、ジャケットの一部分を取り囲む。他の実装形態では、バイザの内面は、バイザによって覆われていない部分がポンプハウジングと接触するように、ジャケットの一部分を取り囲む。いくつかの実装形態では、ジャケットは、バイザに接着されている。他の実装形態では、ジャケットは、バイザに融着されている。特定の実装形態では、ジャケットは、ポンプハウジングに融着されている。いくつかの実装形態では、ジャケットは、ポンプハウジングに接着されている。少なくとも1層のシリコーン組成物または別の同様の材料(例えば、白金系シリコーン)が、光学センサの外面を被覆し、ジャケットによって画定された空洞を充填する。シリコーン組成物は、血液ポンプアセンブリの光学センサを、患者体内でのポンプの経皮的挿入および動作中に血液によって光学センサに及ぼされるせん断力から保護する役割を果たす。シリコーン組成物または別の同様の材料の追加の層が、センサにさらなる保護を提供する。いくつかの態様では、シリコーン組成物はシリコーンゲルである。
【0012】
ジャケット(例えば、ポリマー管)は、様々なポリマーまたは他の同様の材料のうちのいずれか1つであり得る。いくつかの実装形態では、ポリマーはポリイミドを含む。ポリマージャケットは、ポリマーブレンドから構成され得る。いくつかの実装形態では、ポリマーブレンドは、ポリイミドおよび1つまたは複数の他のポリマーを含む。ポリマージャケットが含む特定のポリマーは、取り扱いを容易にするように選択される。さらに、支持ジャケットは、同様に取り扱いを容易にする金属を含み得る。例えば、金属は、ステンレス鋼であってもよい。他の実装形態では、金属はニチノールである。バイザは、金属、プラスチック、または複合材料を含み得る。特定の実装形態では、バイザは、ステンレス鋼であり得る。他の実装形態では、金属は合金を含む。いくつかの例では、合金はニチノールである。他の実装形態では、前記合金は、鉄合金である。特定の実装形態では、プラスチックはポリウレタンである。ポリウレタンは、ポリエーテルまたはポリエステルを含み得る。
【0013】
さらに、バイザの内面は、ポンプハウジングに接着するように構成され得る。いくつかの実装形態では、バイザの内面は、接着剤によってポンプハウジングに結合されている。接着剤は、血液によって及ぼされるせん断力に耐えることができる、バイザとポンプハウジングの間の接着を形成する。特定の実装形態では、接着剤はエポキシである。例えば、接着剤は、2液型エポキシまたはUV光接着エポキシであり得る。他の実装形態では、バイザの内面は、ポンプハウジングに直接融着されている。
【0014】
シリコーン組成物は、ジャケットの空洞内の光学センサに適用され得る。いくつかの態様では、シリコーン組成物はシリコーンゲルである。ジャケット(例えば、ポリマー管)の内面は、シリコーン組成物が空洞内に留まるように、かつ、オーバーフローすることもなく一度に1層ずつ添加および硬化させる必要もなく一定量のシリコーン組成物がセンサを取り囲むことができるように、シリコーン組成物の流れを抑制する。シリコーン組成物を体積測定的に添加することができることにより、より厚い保護層がセンサに提供され、かつ、層ごとの手法を使用するのではなく単一の工程でシリコーン組成物(または他の結合材料)を空洞内で硬化させることが可能になる。よって、ポリマー管は、製造プロセスを減速させることなく、追加のシリコーン組成物が光学センサを保護することを可能にする。
【0015】
ジャケット(例えば、ポリマー管)内の空洞は、ある範囲の長さまたは半径を有するように構造化され得る。いくつかの実装形態では、空洞は、約1センチメートル~約5センチメートルの長さを有する。他の実装形態では、空洞は、約2センチメートル~約4センチメートルの長さを有する。特定の実装形態では、空洞は約3センチメートルの長さを有する。特定の実装形態では、空洞は、約0.1ミリメートル~約0.25ミリメートルの半径を有する。いくつかの実装形態では、空洞は、約0.15ミリメートル~約0.20ミリメートルの半径を有する。さらなる実装形態では、空洞は、約0.175ミリメートルの半径を有する。許容可能な長さが様々であるポリマー管または他の空洞を有することの少なくとも1つの利点は、様々な長さの管が、そのすべてが光学センサに対する追加の保護を与える様々な量のシリコーン組成物を収容できることである。
【0016】
概して、シリコーン組成物または他の結合材料をシリコーン組成物のより厚い層として空洞内に適用することにより、センサシステムをより強力に保護することができる。この特徴は、システムが高いせん断力を受けるいくつかの処置において有用であり得る。そのような処置は、センサに追加の保護を与えるためにより多くの量のシリコーン組成物を収容しているより大きなポリマー管を有する光学センサアセンブリを用いて、完了することができる。シリコーン組成物のサイズ空洞および体積は、所与の患者の解剖学的構造に対して必要に応じて調整することができる。例えば、肥満患者への一部の血液ポンプの大腿部挿入は、健康体重の患者よりも血管が挿入点に対して深いため、血液ポンプにより大きな力を及ぼす。その場合、空洞サイズおよびシリコーン組成物の充填レベルを、例えば、より大きな空洞容積を作り出すために支持ジャケットの長さを増やすことによって、血液ポンプの光学センサ構成要素の接着および保護の強度を高めるように設定することができる。したがって、より大きな空洞容積はより多くの量のシリコーン組成物を収容することができ、これにより光学センサが大きなせん断力から保護される。より小さな解剖学的構造を有する小児患者における心臓処置は、より小さなポリマー管を有する光学センサアセンブリを用いて完了することができ、これにより、より大きなポンプによって小児患者のより小さな脈管構造に加えられる損傷を最小限に抑えながら光学センサの表面に追加のシリコーン層を適用することが可能になる。
【0017】
いくつかの実装形態では、光学センサアセンブリは、ポリマー管または他のジャケットと整合するように構成されたバイザを含む。バイザは、ジャケットによって画定された空洞内のセンサを保護するために、支持ジャケットを取り囲むように構成される。バイザは、ジャケットに、患者へのポンプの挿入および動作中に患者の血液によって光学センサに及ぼされるせん断力からの保護を与える。バイザは、挿入中に光学センサアセンブリに及ぼされるせん断力に耐えるのに十分な強度の接着によりハウジングに取り付けられる。
【0018】
バイザおよびジャケットは、各々、内面および外面を有し、様々な適合形態では、バイザの内面は、ジャケットの外面(例えば、ポリマー管の外面)と接触するように構成される。空洞は、ジャケットの外周内(例えば、ポリマー管の外周内や空洞を画定する細長い本体の内面内)に画定され、光学センサを受け入れるサイズであり得る。空洞は、空洞内に配置された光学センサを保護するためにシリコーン組成物で充填されるように構成される。いくつかの実装形態では、光学センサはシリコーン光学センサである。ポリマー管は、バイザの外面の汚染を低減するために、シリコーン組成物をバイザからさらに遮蔽する。空洞のサイズおよびシリコーン組成物の量は、血液ポンプアセンブリの患者への経皮的挿入中に光学センサに及ぼされる力による損傷から光学センサを保護するように構成される。
【0019】
いくつかの実装形態では、バイザは、支持ジャケットを取り囲み、ポンプアセンブリの構成要素に固定されている。特定の実装形態では、バイザは、ポンプハウジングに固定されている。バイザは、ポンプハウジングに接着され得るか、またはいくつかの実装形態では、ポンプハウジングに融着され得る。バイザは、バイザとポンプハウジングの間の十分に強い接着を提供する材料を含む。いくつかの実装形態では、バイザは金属を含む。金属は、ステンレス鋼、または別の同様の材料を含み得る。バイザは、支持ジャケットに十分な保護を与える材料をさらに含んでいなければならない。
【0020】
別の実装形態において、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサ用のパッケージングの製造方法は、空洞を画定するポリマー管内などの支持ジャケットの空洞内に光学センサを配置する工程を含む。方法は、空洞の一部分を材料(例えば、シリコーン組成物)で充填する工程、および材料を硬化させる工程をさらに含む。方法は、次いで、支持ジャケットの一部分(例えば、ポリマー管の一部分)をバイザで取り囲む工程、およびバイザの内面を血液ポンプに、例えば、血液ポンプのポンプハウジングに結合する工程を含む。特定の実装形態では、空洞の約30パーセント~約90パーセントがシリコーン組成物で充填される。他の実装形態では、空洞の約50パーセント~約70パーセントがシリコーン組成物で充填される。さらなる実装形態では、空洞の約60パーセントがシリコーン組成物で充填される。より多くの量のシリコーン組成物はより長い硬化時間を必要とするので、光学センサに対する所望の保護を得るためおよびまた所望の製造時間も得るために、シリコーン組成物で充填される空洞の容積の部分を選択することができる。いくつかの態様では、シリコーン組成物はシリコーンゲルである。いくつかの実装形態では、光学センサはシリコーン光学センサである。他の実装形態では、支持ジャケット(例えば、ポリマー管)はポリイミドを含む。特定の実装形態では、バイザは金属を含む。金属は、ステンレス鋼を含み得る。バイザが形成される材料は、バイザの特定の力学的特性を得るために選択される。いくつかの実装形態では、バイザは、接着剤によってポンプハウジングに結合される。特定の実装形態では、接着剤は、2液型エポキシであり得る。他の実装形態では、接着剤は、UV光接着エポキシであり得る。さらなる実装形態では、バイザは、ポンプハウジングに融着されるように構成される。バイザがポンプハウジングに取り付けられる手段は、バイザとポンプハウジングとの接着の十分な接着強度を確保するため、および当該接着強度が、ポンプアセンブリの挿入および動作中に血液によってポンプアセンブリに及ぼされるせん断力にバイザとポンプハウジングの間の接着が耐えることを可能にするように、選択される。
【0021】
本明細書に記載されるシステム、方法、および装置はまた、光学センサアセンブリなどのセンサアセンブリにおいて使用するためのシリコーン組成物も提供する。例示的な光学センサアセンブリは、血液ポンプアセンブリにおいて使用するために構成され得る。概して、血液ポンプアセンブリは、1つまたは複数のブレードを取り囲むポンプハウジングを備えたロータを有する血液ポンプと、駆動ユニットとを含む。ポンプハウジングの遠位にカニューレが延在し、カニューレの遠位に柔軟な無外傷性突出部が延在する。血液ポンプアセンブリは、光学センサアセンブリをさらに含む。血液ポンプアセンブリが動作する環境に適応させるために、光学センサ上にシリコーン組成物が配置される。組成物は、所望の剛性、粘着性、接着強度、粘度、貯蔵寿命、ポットライフおよび硬化特性のうちの1つまたは複数を提供するように選択された比を有する、シリコーン成分および可塑剤を含む。組成物は、シリコーンおよび可塑剤をある質量比またはモル比で含み得る。この組成物に対応する特性の値は、患者体内から正確な測定値を取るセンサの能力を損なうことなく光学センサを保護するように構成される。いくつかの実装形態では、組成物は、2つ以上のシリコーン成分を含む。そのような実装形態では、成分は、望ましくない残留反応が発生するのを防ぐために順番に混合され得る。第1の実装形態では、光学センサアセンブリにおいて使用するためのシリコーン組成物の製造方法は、まず、第1のシリコーン混合物を形成するために第1のシリコーン成分と可塑剤とを混合する工程を含む。続いて、第2のシリコーン混合物を形成するために、第2のシリコーン成分が可塑剤と混合される。次いで、光学センサの測定面を保護するように構成されるシリコーン組成物を得るために、第1のシリコーン混合物が第2のシリコーン混合物と組み合わされる。光学センサアセンブリは、血液ポンプアセンブリにおいて使用するのに適し、シリコーン組成物は、患者体内での血液ポンプアセンブリの挿入および操作中に及ぼされるせん断力からセンサを保護するのに適し得る。組成物は真空脱気され得る。一般に、各シリコーン成分は、生体適合性を有し得る。
【0022】
いくつかの態様では、第1のシリコーン成分は活性化剤を含む。特定の実装形態では、活性化剤はヒュームドシリカを含む。特定の態様では、第2のシリコーン成分は、金属(例えば、白金系)触媒などの触媒を有する。他の態様では、触媒はレニウム系である。いくつかの態様では、触媒は、触媒とシリコーン成分との相溶性を高めるように構成された有機金属化合物を有する。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは異なる材料である。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と、第2のシリコーン成分と、可塑剤とは互いに異なる。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤の少なくとも一方は、NuSil MED4088である。さらなる態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤の両方がNuSil MED4088である。いくつかの態様では、可塑剤は、シリコーン油可塑剤である。特定の態様では、可塑剤はNuSil MED360である。
【0023】
第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分および可塑剤の濃度は、組成物中のこれらの成分の比が所望のレベルになるように選択され得る。例えば、第1のシリコーン成分と可塑剤の比および第2のシリコーン成分と可塑剤の比は、シリコーン組成物が組成物内で所望の力学的特性および所望の最終比を有するように選択され得る。具体的には、組成物は、少なくとも所望の粘度、光学センサに接着するのに十分な接着強度および粘着性を有し、組成物は、有利には、取り扱いを容易にするのに十分な剛性を有し得る。例示的な可塑剤はシリコーン油であり、シリコーン油は、組成物が上記の所望の力学的特性のうちの1つまたは複数を有し、製造中の取り扱いが容易になるように、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分の粘度を低下させる。しかしながら、過剰なシリコーン油の適用は、組成物を硬化させなければならない時間の長さを不必要に増加させる。
【0024】
よって、成分間の特定の比率、ならびに最終組成物の力学的特性は、挿入および使用中にセンサに及ぼされるせん断力から光学センサを保護するとともに、効率的な取り扱いおよび製造時間も可能にするように好適に選択され得る。
【0025】
いくつかの実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:4~約4:1である。特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:4~約4:1である。さらなる実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:3~約3:1である。特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:3~約3:1である。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:2~約2:1である。特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:2~約2:1である。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:1である。さらなる実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤の比は、約1:1である。
【0026】
特定の実装形態では、最終組成物の第1のシリコーン成分対第2のシリコーン成分対可塑剤の比は、約1:1:8~約2:2:1である。さらなる実装形態では、最終組成物の第1のシリコーン成分対第2のシリコーン成分対可塑剤の比は、約1:1:6~約3:3:2である。特定の実装形態では、最終組成物の第1のシリコーン成分対第2のシリコーン成分対可塑剤の比は、約1:1:4~約1:1:1である。さらなる実装形態では、最終組成物の第1のシリコーン成分対第2のシリコーン成分対可塑剤の比は、約1:1:2である。
【0027】
可塑剤は、可塑剤と第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分との間の望ましくない反応を回避するために、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分の各々に別々に添加され得る。例えば、可塑剤を第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分に別々に添加することにより、不均一な混合物をもたらし得る2つ以上の成分間の望ましくない相互作用が回避される。後述するように、可塑剤の第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分へのこの別々の添加は、シリコーン組成物の所望の粘度を達成するのにさらに役立ち得る。所望の粘度で構成された組成物は、血液ポンプアセンブリの挿入および動作中に光学センサを最適に保護し得、また製造時の組成物の取り扱いも容易にし得る。
【0028】
シリコーン組成物の力学的特性は、組成物が血液ポンプ用の光学センサアセンブリでの使用に適するように選択され得る。例えば、シリコーン組成物の接着強度は、組成物に及ぼされるせん断力が原因でシリコーン層が光学センサの測定面(例えば、ダイアフラム)から脱離するのを妨げるように選択され得る。いくつかの実装形態では、シリコーン組成物の接着強度は、組成物が約120N~約500Nの最大荷重に耐えることができる程のものであり、いくつかの適合形態では、この強度は、約160N~約340Nの耐荷重を可能にする。さらなる実装形態では、この強度は、組成物が約210N~約290Nの最大荷重に耐えることを可能にする。他の実装形態では、シリコーン組成物は、組成物が約250Nの最大荷重に耐えることができる程の接着強度を有するように構成される。
【0029】
概して、シリコーン組成物は、組成物がある閾値より大きい最大荷重に耐えることができる程の接着強度を有するように構成される。いくつかの実装形態では、組成物の接着強度閾値は約50N~約150Nである。他の実装形態では、組成物の接着強度閾値は約75N~約125Nである。特定の実装形態では、組成物の接着強度閾値は約100Nである。
【0030】
粘度もまた、組成物が製造中に容易に取り扱われ、血液ポンプアセンブリの動作中にオーバーフローしにくい状態でセンサを保護することができるように構成されるべきである。いくつかの実装形態では、組成物の粘度は、約2,000cP~約8,000cPである。さらなる実装形態では、組成物の粘度は、約3,000cP~約7,000cPである。特定の実装形態では、組成物の粘度は、約4,000cP~約6,000cPである。さらなる実装形態では、組成物の粘度は、約5,000cPである。他の実装形態では、組成物の粘度は、約2,400cP~約7,000cPである。
【0031】
各シリコーン混合物の粘度および最終組成物全体の粘度に加えて、各シリコーン成分の粘度を考慮することができる。例えば、いくつかの実装形態では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約20,000cP~約50,000cPの粘度を有するように構成される。他の実装形態では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約25,000cP~約45,000cPの粘度を有するように構成される。特定の実装形態では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約30,000cP~約40,000cPの粘度を有するように構成される。さらなる実装形態では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約35,000cPの粘度を有するように構成される。可塑剤は、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物よりも低い粘度を有する。よって、可塑剤を第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分に添加することにより、可塑剤が添加されるそれぞれの成分の粘度よりも低い粘度を有するシリコーン混合物が得られる。特定の実装形態では、可塑剤は、約100cP~約500cPの粘度を有するように構成される。さらなる実装形態では、可塑剤は、約200cP~約400cPの粘度を有するように構成される。いくつかの実装形態では、可塑剤は、約300cPの粘度を有するように構成される。可塑剤は、約300cP未満の粘度を有するようにさらに構成され得る。特定の実装形態では、可塑剤は、200cP未満の粘度を有するように構成される。可塑剤の粘度は、分子量が小さい可塑剤は分子量が大きい可塑剤よりも粘度が低いというように、可塑剤の分子量と相関している。例えば、可塑剤は、その分子量が上記の範囲と一致するように構成され得る。
【0032】
特定の実装形態では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約2,000cP~約5,000cPの粘度を有するように構成される。さらなる実装形態では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約3,000cP~約4,000cPの粘度を有するように構成される。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約3,500cPの粘度を有するように構成される。
【0033】
いくつかの実装形態では、可塑剤は、その分子量がシリコーン組成物の閾値未満の粘度を与えるように、構成される。いくつかの実装形態では、組成物の粘度閾値は、約3,000cP~約4,000cPである。特定の実装形態では、組成物の粘度閾値は、約3,250cP~約3,750cPである。他の実装形態では、組成物の粘度閾値は、約3,500cPである。可塑剤を第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分に別々に添加することにより、第1のシリコーン成分が第2のシリコーン成分と反応して、望ましくない不均一な混合物を形成することが防止される。よって、可塑剤の第1の成分および第3の成分への別々の添加は、組成物が上記の適切な閾値を下回る粘度を有するように組成物を形成するのに役立つ。
【0034】
剛性もまた、製造中にシリコーンが取り扱われることをさらに可能にしながら、血液ポンプが患者の脈管構造内に配置されている間にシリコーンがセンサの測定面に十分な保護を与えることを可能にするように構成されるべきである。組成物は、閾値よりも大きい剛性を有するように構成される。組成物の剛性が閾値を上回ることの少なくとも1つの利点は、当該剛性により、当該組成物が既存の製造プロセスに適合されることが可能になることである。さらに、剛性が閾値を上回ることにより、組成物を光学センサに適用しやすくなる。いくつかの実装形態では、組成物の剛性閾値は、約0.5N~約1.5Nである。他の実装形態では、組成物の剛性閾値は、約0.75N~約1.25Nである。特定の実装形態では、組成物の剛性閾値は、約1Nである。
【0035】
加えて、シリコーン組成物は、粘着性により組成物の光学センサの測定面への接着が可能になるように構成され得る。具体的には、組成物は特定の閾値を下回る粘着エネルギーを有するように構成され、該特定の閾値を下回る組成物の粘着エネルギーは、センサへの十分な接着を提供するとともに、製造時の取り扱いも容易にする。物質の粘着性は、物質をプローブで突刺し、物質とプローブの間に形成された接着を切断するのに必要なエネルギーを決定することによって測定することができる。より粘着性のある物質は、より大きな粘着エネルギーを有する。いくつかの実装形態では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約3,500J/cm2~約7,500J/cm2の最小値を有する。他の実装形態では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約4,500J/cm2~約6,500J/cm2の最小値を有する。さらなる実装形態では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約5,400J/cm2の最小値を有する。
【0036】
組成物の製造プロセスはまた、シリコーン組成物を硬化させる工程も含み得る。具体的には、硬化プロセスは、組成物の剛性、接着強度、および粘度を高めるのに役立つ。概して、シリコーン組成物は、そのセンサへの適用後に硬化させられ得る。シリコーン組成物は、一定の割合の組成物を完全に硬化させるような期間にわたって硬化させられ得、それにより、組成物の残りを残留反応によって硬化させることを可能にする。いくつかの実装形態では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約85パーセント~約100パーセントが完全に硬化する。そのような実装形態では、組成物の約15パーセント~約0パーセントを残留反応によって硬化させる。他の実装形態では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約90パーセント~約95パーセントが完全に硬化する。そのような実装形態では、組成物の約10パーセント~約5パーセントを残留反応によって硬化させる。特定の実装形態では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約92パーセント~約94パーセントが完全に硬化する。そのような実装形態では、組成物の約8パーセント~約6パーセントを残留反応によって硬化させる。特定の実装形態では、組成物を硬化させる期間は、約1時間~約9時間である。他の実装形態では、組成物を硬化させる期間は、約3時間~約7時間である。特定の実装形態では、組成物を硬化させる期間は、約5時間である。
【0037】
いくつかの実装形態では、組成物を、セ氏約100度~セ氏約200度の温度で硬化させる。特定の実装形態では、組成物を、セ氏約125度~セ氏約175度の温度で硬化させる。さらなる実装形態では、組成物をセ氏約150度で硬化させる。硬化温度および硬化期間は、その硬化温度でその期間にわたって硬化させた後に組成物の所望の割合が完全に硬化するような組み合わせが選択される。組成物の一部分を残留反応による硬化に委ねることの少なくとも1つの利点は、組成物全体が完全に硬化するのを待つ必要がないため、組成物全体を積極的に硬化させなければならないプロセスと比較して製造プロセスが早まることである。
【0038】
硬化プロセスはまた、所望の貯蔵寿命および所望のポットライフを有するシリコーン組成物を構成する。いくつかの実装形態では、シリコーン組成物は、約12ヶ月~約14ヶ月の貯蔵寿命を有するように構成される。他の実装形態では、シリコーン組成物は、約13ヶ月の貯蔵寿命を有するように構成される。いくつかの実装形態では、シリコーン組成物は、約4時間~約10時間のポットライフを有するようにさらに構成される。他の実装形態では、シリコーン組成物は、約5時間~約9時間のポットライフを有するように構成される。いくつかの実装形態では、シリコーン組成物は、約6時間~約8時間のポットライフを有するように構成される。特定の実装形態では、シリコーン組成物は、約7時間のポットライフを有するように構成される。
【0039】
第1のシリコーン成分と可塑剤とが混合される時間の長さ、およびそれらが混合される速度は、第1のシリコーン混合物の所望の力学的特性をもたらすように調整され得る。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、第1のシリコーン混合物を作製するために、約10秒間~約3分間混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約70秒間~約110秒間混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約80秒間~約100秒間混合される。さらなる実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約90秒間混合される。特定の実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、1,000rpm~約1,600rpmの速度で混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約1,300rpmの速度で混合される。
【0040】
特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、第2のシリコーン混合物を作製するために、約10秒間~約3分間混合される。いくつかの実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約70秒間~約110秒間混合される。さらなる実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約80秒間~約100秒間混合される。特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約90秒間混合される。いくつかの実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、1,000rpm~約1,600rpmの速度で混合される。特定の実装形態では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約1,300rpmの速度で混合される。
【0041】
第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、最終組成物を作製するために混合される。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約10秒間~約3分間混合される。いくつかの実装形態では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約70秒間~約110秒間混合される。さらなる実装形態では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約80秒間~約100秒間混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約90秒間混合される。特定の実装形態では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の実装形態では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約1,000rpm~1,600rpmの速度で混合される。さらなる実装形態では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約1,300rpmで混合される。
【0042】
第1のシリコーン混合物が第2のシリコーン混合物と混合された後、組成物は真空脱気される。いくつかの実装形態では、組成物はほぼ室温で脱気される。他の実装形態では、組成物はセ氏約22度で脱気される。さらなる実装形態では、組成物はセ氏約25度で脱気される。組成物は、約30分間~約50分間真空脱気され得る。他の実装形態では、シリコーン組成物は、約40分間真空脱気される。
【0043】
別の実装形態によれば、上述の血液ポンプアセンブリは、光学センサアセンブリを含む。光学センサアセンブリはポンプハウジングに結合され、光学センサアセンブリは、測定面を有する光学センサを含む。いくつかの実装形態では、光学センサアセンブリは、光学センサが挿入される空洞を画定する支持ジャケット(例えば、内面、外面を有し、空洞を画定するポリマー管または別の細長い本体)を取り囲むバイザを含む。特定の実装形態では、支持ジャケットはポリイミドを含む。支持ジャケットが作られる特定の材料は、支持ジャケットの特定の力学的特性をもたらすように、および、製造中のポリマーの取り扱いを容易にするように選択することができる。いくつかの実装形態では、バイザは金属を含む。金属は、ステンレス鋼を含み得る。同様に、バイザが作られる金属は、特定の力学的特性をもたらすように、および、血液ポンプアセンブリのポンプハウジングに対するバイザの十分な接着を確保するように選択することができる。シリコーン組成物は、患者体内での血液ポンプアセンブリの導入および動作中に患者の血液によって光学センサに及ぼされるせん断力によって引き起こされる損傷から光学センサを保護するために、光学センサの測定面を被覆する。光学センサ上に配置されるシリコーン組成物は、硬化するように構成される。シリコーン組成物は、空洞内で硬化するように構成され得る。空洞内の光学センサ上に配置されたシリコーン組成物の硬化は、空洞内の組成物全体を硬化させるために1つの硬化工程のみが実施されさえすればよいので、製造プロセスを早めるのに役立つ。いくつかの実装形態では、バイザは、接着剤によってポンプハウジングに結合される。特定の実装形態では、接着剤はエポキシであり得る。例えば、接着剤は2液型エポキシであり得る。他の実装形態では、接着剤は、UV光接着エポキシであり得る。他の実装形態では、バイザは、ハウジングに融着され得る。いくつかの実装形態では、光学センサはシリコーン光学センサである。いくつかの態様では、シリコーン組成物は、例えば、シリコーンゲルであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
上記その他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考察すれば明らかになるであろう。図面において、同様の参照符号は全体を通して同様の部分を指す。
【0045】
図1図1Aは、光学センサアセンブリを有する例示的な血液ポンプアセンブリを示す図である。図1Bは、血液ポンプハウジングと光学センサアセンブリの間の例示的な界面を示す図である。
図2】血液ポンプアセンブリにおいて使用するための例示的な光学センサアセンブリを示す図である。
図3】血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサ用のパッケージングの例示的な製造方法を示す図である。
図4】血液ポンプにおいて使用するための光学センサ用のシリコーン組成物の例示的な製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
詳細な説明
本開示の態様を、同様の符番で類似の要素または同一の要素を識別する図面を参照して詳細に説明する。開示の態様は、本開示の単なる例であり、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために、周知の機能または構造は詳細に説明されていない。したがって、本明細書に開示される特定の構造的詳細および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、および実質的に任意の適切に詳細な構造において本開示を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0047】
本明細書に開示されるシステム、方法、および装置の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実装形態について説明する。本明細書に記載される実装形態および特徴は、血液ポンプアセンブリに関連した使用について具体的に説明されているが、教示は、他のポンプおよび他のタイプの医療機器に適合および適用され得ることが理解されよう。
【0048】
図1Aに、ポンプ102と、モータ104と、ロータ106と、ポンプハウジング108と、カニューレ110と、無外傷性延長部112と、光学センサアセンブリ114とを有する例示的な血液ポンプアセンブリ100を示す。光学センサアセンブリ114は、以下の図2に関連してさらに説明するように、バイザと、支持ジャケットと、光学センサと、シリコーン組成物の少なくとも1つの層と、光ファイバ116とを含む。ポンプ102は、モータ104およびロータ106を含む。ロータ106は、ポンプ102を介して流体を搬送するための少なくとも1つのブレードを有する。ポンプハウジング108は、ロータ106の少なくとも1つのブレードを取り囲むように構成される。カニューレ110は、ポンプハウジング108から遠位方向に延在する。無外傷性延長部112は、カニューレ110から遠位方向に延在する。特定の実装形態では、無外傷性延長部112はピグテールである。光学センサアセンブリ114は、光学センサアセンブリのバイザによってポンプハウジング108に結合するように構成される。
【0049】
図1Bに、ポンプハウジング108と光学センサアセンブリ114の間の例示的な界面を示す。光学センサアセンブリ114とポンプハウジング108の間の接着手段は、光学センサ114とポンプハウジング108の間の接着の強度を調整するために選択される。接着強度は、有利には、ポンプの動作および挿入中に血液によってポンプに及ぼされるせん断力に基づいて選択される。例えば、光学センサアセンブリ114とポンプハウジング108の間の接着が弱いと、接着強度を超えるせん断力を受けたときに、2つの構成要素が分離する可能性がある。いくつかの実装形態では、光学センサアセンブリ114のバイザは、接着剤によってポンプハウジング108に結合される。特定の実装形態では、接着剤は2液型エポキシである、他の実装形態では、接着剤はUV光接着接着剤である。さらなる実装形態では、バイザは、ポンプハウジング108に融着される。いくつかの実装形態では、バイザをポンプハウジング108に接着するために使用されるエポキシは、エポキシの粘着性に基づいて選択され、より大きい値の粘着性は、バイザとポンプハウジング108の間のより強い接着に対応する。物質の粘着性は、物質をプローブで突刺し、物質とプローブの間に形成された接着を切断するのに必要なエネルギーを決定することによって測定することができる。そのような測定により、物質の粘着エネルギーが得られ、より大きな粘着エネルギーは、切断するのにより多くのエネルギーを必要とする接着を形成するより粘着性の高い物質に対応する。特定の実装形態では、エポキシの粘着エネルギーは、約2J/cm2~約10J/cm2である。他の実装形態では、エポキシの粘着エネルギーは、約4J/cm2~約8J/cm2である。さらなる実装形態では、エポキシの粘着エネルギーは約6J/cm2である。加えて、バイザをポンプハウジング108に結合するために使用される所与のエポキシの量が多いほど、バイザとポンプハウジング108の間の接着が強くなる。光学センサアセンブリは、ポンプハウジング108にさらに溶接され得る。加えて、バイザは、バイザの領域に沿った異なる領域で交互に、ポンプハウジング108に接着され、ポンプハウジング108に溶接されてもよい。バイザがポンプハウジング108に接着または融着される構成の少なくとも1つの利点は、バイザとポンプハウジング108の間に最も強い接着を提供するために両方の接着方法を使用できることである。
【0050】
図2に、血液ポンプアセンブリ(例えば、図1の血液ポンプアセンブリ100)において使用するための例示的な光学センサアセンブリ200を示す。光学センサアセンブリ200は、バイザ内面204およびバイザ外面206を有するバイザ202と、空洞210を画定する支持ジャケット208と、光学センサの第1の面214および光学センサの第2の面216を有する光学センサ212と、シリコーン組成物218と、光ファイバ220と、ポンプハウジング222とを含む。バイザ外面206およびバイザ内面204は、支持ジャケット208を取り囲むように構成される。いくつかの実装形態では、支持ジャケットはポリマー管を含む。光学センサ212は、支持ジャケット208によって画定された空洞210内に配置される。光学センサは、第1の面214および第2の面216を有する。空洞210内のセンサ212の向きに応じて、第1の面214は遠位面または内面であり得る。同様に、第2の面216は近位面または外面であり得る。いくつかの実装形態では、第1の面214は光ファイバ220に接続される。他の実装形態では、第1の面214は、バイザ内面204に接続される。特定の実装形態では、第2の面216は、シリコーン組成物218を受けるように構成される。前述のように、バイザ内面204は、血液ポンプアセンブリのポンプハウジング222に接着するように構成される。ポンプハウジングはまた、例えば、図1のポンプハウジング108であってもよい。いくつかの実装形態では、バイザ内面204は、接着剤によって血液ポンプアセンブリのポンプハウジング222に接着される。例えば、接着剤はエポキシであり得る。接着剤は、2液型エポキシまたはUV光硬化エポキシであってもよい。他の実装形態では、バイザ内面204は、血液ポンプアセンブリのポンプハウジング222に融着される。血液ポンプアセンブリのバイザ内面204とポンプハウジング222の間の接着手段は、バイザ内面204とポンプハウジング222の間の接着が、患者体内での血液ポンプアセンブリの挿入および動作中に血液によって血液ポンプアセンブリに及ぼされるせん断力に耐えることができるように選択される。上述のように、血液ポンプアセンブリのバイザ内面204とポンプハウジング222の間の具体的な接着手段は、バイザ内面204とポンプハウジング222の間の最も強い接着をもたらすために様々である。例えば、いくつかの実装形態では、エポキシの量、および要素を互いに接着するために使用されるエポキシの粘着性は、所与の接着強度を有する接着を確保にするように選択される。他の実装形態では、バイザ内面204は、ポンプハウジング222に溶接される。前述のように、バイザ内面204がポンプハウジング222に接着または融着される構成の少なくとも1つの利点は、バイザ内面204とポンプハウジング222の間に最も強い接着を提供するために両方の接着方法を使用できることである。
【0051】
支持ジャケット208によって画定された空洞210は、シリコーン組成物218(例えば、図4の方法によって作られたシリコーン組成物)によるバイザ外面206の汚染を防止する。加えて、支持ジャケット208によって画定された空洞210の形状は、特定の量のシリコーン組成物218を収容するように構成される。異なる量のシリコーン組成物は、血液ポンプアセンブリの光学センサに対して異なる量の保護を提供する。ポンプの導入および動作中に光学センサアセンブリに及ぼされるせん断力の様々な大きさによって、光学アセンブリに対する異なる量の保護が必要とされる。ポンプの導入および動作中に光学センサアセンブリに及ぼされるせん断力は、患者の解剖学的構造に基づいて大きさが変化し得る。例えば、肥満患者では、血液ポンプアセンブリが挿入されなければならない血管は、同じ血管が健康体重の患者にあるよりも皮膚の表面のさらに下にある。このため、血液ポンプアセンブリが皮膚の表面に挿入された後、血液ポンプアセンブリが血管と整合するように曲げることを必要がある。よって、肥満患者への血液ポンプアセンブリの挿入は、血液ポンプアセンブリに対して、健康体重の患者への同じアセンブリの挿入よりも大きな負担をかけ、挿入角度は、血液ポンプアセンブリをより直接的に血管内に導入することを可能にする。
【0052】
血液ポンプアセンブリに及ぼされ得る様々な力を考慮するために、支持ジャケットおよび空洞のサイズは、適切な量のシリコーン組成物で光学センサを十分に保護するために調整される。光学センサアセンブリに大きな力を加える心臓処置は、センサに追加の保護を与えるためにより多くの量のシリコーン組成物218を収容する、より大きなポリマー管を有する光学センサアセンブリを用いて完了することができる。逆に、より小さな解剖学的構造を有する小児患者における心臓処置は、より小さなポリマー管を有する光学センサアセンブリを用いて完了することができ、これにより、より大きなポンプによって小児患者のより小さな脈管構造に加えられる損傷を最小限に抑えながら、光学センサの表面への追加のシリコーン層を適用することが可能になる。
【0053】
支持ジャケット208の長さまたは半径は、支持ジャケット208によって画定された空洞210の容積に変化するように調整することができる。概して、より大きな長さを有する支持ジャケットは、より大きな空洞容積に対応する。前述のように、いくつかの実装形態では、支持ジャケット208によって画定された空洞210は、約1センチメートル~約5センチメートルの長さを有する。他の実装形態では、空洞210は、約2センチメートル~約4センチメートルの長さを有する。特定の実装形態では、空洞210は約3センチメートルの長さを有する。さらに、より大きい半径を有する空洞210は、より大きい空洞容積に対応する。いくつかの実装形態では、空洞210は、約0.1ミリメートル~約0.25ミリメートルの半径を有する。他の実装形態では、空洞210は、約0.15ミリメートル~約0.20ミリメートルの半径を有する。さらなる実装形態では、空洞210の半径は、約0.175ミリメートルである。所与の長さの空洞210について、特定の容積の空洞210がシリコーン組成物218で充填され得る。より多くの量のシリコーン組成物はより長い硬化時間を必要とするので、光学センサに対する所望の保護を得るためおよびまた所望の製造時間も得るために、シリコーン組成物218で充填される空洞210の容積の部分を選択することができる。特定の実装形態では、空洞の約30パーセント~約90パーセントがシリコーン組成物で充填される。他の実装形態では、空洞の約50パーセント~約70パーセントがシリコーン組成物で充填される。さらなる実装形態では、空洞の約60パーセントがシリコーン組成物で充填される。
【0054】
図3に、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサ用のパッケージングの例示的な製造方法300を示す。方法300の工程302で、光学センサ(例えば、図2の光学センサ212)が、空洞(例えば、図2の空洞210)を画定するように構成された支持ジャケット(例えば、図2のポリマー管ポリマー管208)内に配置される。工程304で、光学センサと支持ジャケットの間の空洞がシリコーン組成物で充填される。続いて、工程306でシリコーン組成物を硬化させる。工程308で、支持ジャケットの一部分がバイザで取り囲まれ、工程310で、バイザの内面が血液ポンプアセンブリのポンプハウジング(例えば、図1の血液ポンプアセンブリ100のポンプハウジング108または図2のポンプハウジング222)に結合される。いくつかの実装形態では、支持ジャケット内に配置された光学センサはシリコーン光学センサである。特定の実装形態では、ポリマー管はポリイミドを含む。さらなる実装形態では、バイザは金属を含む。金属は、バイザが所望の力学的特性を有し、製造中の取り扱いを容易にするようなステンレス鋼または別の金属を含み得る。特定の実装形態では、バイザは、接着剤によってポンプハウジングに結合される。いくつかの実装形態では、接着剤はエポキシである。他の実装形態では、接着剤は2液型エポキシである、さらなる実装形態では、接着剤はUV光接着エポキシである。
【0055】
図4に、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリにおいて使用するためのシリコーン組成物の例示的な製造方法400を示す。工程402は、第1のシリコーン混合物を形成するために第1のシリコーン成分と可塑剤とを混合する工程を含む。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは異なる材料である。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤の少なくとも一方は、NuSil MED4088である。さらなる態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤の両方がNuSil MED4088である。いくつかの態様では、可塑剤は、シリコーン油可塑剤である。特定の態様では、可塑剤はNuSil MED360である。第1のシリコーン成分と可塑剤とが混合される時間の長さ、およびそれらが混合される速度は、第1のシリコーン混合物の所望の力学的特性をもたらすように調整される。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、第1のシリコーン混合物を生成するために、約10秒間~約3分間混合され得る。他の態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約70秒間~約110秒間混合される。他の態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約80秒間~約100秒間混合される。さらなる態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約90秒間混合される。特定の態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、1,000rpm~約1,600rpmの速度で混合される。他の態様では、第1のシリコーン成分と可塑剤とは、約1,300rpmの速度で混合される。
【0056】
工程404は、第2のシリコーン混合物を形成するために、第2のシリコーン成分を可塑剤と混合する工程を含む。特定の態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、第2のシリコーン混合物を作製するために、約10秒間~約3分間混合される。いくつかの態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約70秒間~約110秒間混合される。さらなる態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約80秒間~約100秒間混合される。特定の態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約90秒間混合される。いくつかの態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、1,000rpm~約1,600rpmの速度で混合される。特定の態様では、第2のシリコーン成分と可塑剤とは、約1,300rpmの速度で混合される。いくつかの態様では、第1のシリコーン成分と、第2のシリコーン成分と、可塑剤とは互いに異なる。
【0057】
工程406で、シリコーン組成物を得るために、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが続いて一緒に混合される。いくつかの態様では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約10秒間~約3分間混合される。いくつかの態様では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約70秒間~約110秒間混合される。さらなる態様では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約80秒間~約100秒間混合される。他の態様では、第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とは、約90秒間混合される。特定の態様では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約600rpm~約2,000rpmの速度で混合される。他の態様では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約1,000rpm~1,600rpmの速度で混合される。さらなる態様では、第1のシリコーン混合物は第2のシリコーン混合物と約1,300rpmで混合される。
【0058】
次いで、工程408で、組成物がその結果、患者体内での血液ポンプアセンブリの経皮的挿入または動作中に血液によってセンサに及ぼされるせん断力から血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサの測定面を保護するよう構成されるように、シリコーン組成物が真空脱気される。いくつかの態様では、組成物はほぼ室温で脱気される。他の態様では、組成物はセ氏約22度で脱気される。さらなる実装形態では、組成物はセ氏約25度で脱気される。いくつかの態様では、組成物は、約30分間~約50分間真空脱気される。他の態様では、シリコーン組成物は、約40分間真空脱気される。
【0059】
上記の工程は、組成物が血液ポンプ用の光学センサアセンブリにおいて使用するのに適するような上述の力学的特性を有するシリコーン組成物をもたらす。前述のように、シリコーン組成物は、組成物が約160N~約340Nの最大荷重に耐えることができるような接着強度を有するように構成され得る。さらなる態様では、シリコーン組成物は、組成物が約210N~約290Nの最大荷重に耐えることができるような接着強度を有するように構成される。他の態様では、シリコーン組成物は、組成物が約250Nの最大荷重に耐えることができるような接着強度を有するように構成される。概して、シリコーン組成物は、組成物がある閾値より大きい最大荷重に耐えることができる程の接着強度を有するように構成される。いくつかの態様では、組成物の接着強度閾値は約50N~約150Nである。他の態様では、組成物の接着強度閾値は約75N~約125Nである。特定の態様では、組成物の接着強度閾値は約100Nである。
【0060】
さらに、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約20,000cP~約50,000cPの粘度を有するように構成され得る。他の態様では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約25,000cP~約45,000cPの粘度を有するように構成される。特定の態様では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約30,000cP~約40,000cPの粘度を有するように構成される。さらなる態様では、第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分は、約35,000cPの粘度を有するように構成される。可塑剤を第1のシリコーン成分および第2のシリコーン成分に添加することにより、可塑剤が添加されるそれぞれの成分の粘度よりも低い粘度を有するシリコーン混合物が得られる。特定の態様では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約2,000cP~約5,000cPの粘度を有するように構成される。さらなる態様では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約3,000cP~約4,000cPの粘度を有するように構成される。いくつかの態様では、第1のシリコーン混合物および第2のシリコーン混合物は、約3,500cPの粘度を有するように構成される。
【0061】
加えて、前述のように、可塑剤は、その分子量が可塑剤に約100cP~約250cPの粘度を与えるように構成され得る。さらなる態様では、可塑剤は、その分子量が可塑剤に約125cP~約225cPの粘度を与えるように構成され得る。他の態様では、可塑剤は、その分子量が可塑剤に約150cP~約200cPの粘度を与えるように構成され得る。特定の態様では、可塑剤は、その分子量が可塑剤に約175cPの粘度を与えるように構成され得る。可塑剤は、その分子量がシリコーン組成物の閾値未満の粘度を与えるように構成され得る。いくつかの実装形態では、組成物の粘度閾値は、約3,000cP~約4,000cPである。特定の態様では、組成物の粘度閾値は、約3,250cP~約3,750cPである。他の態様では、組成物の粘度閾値は、約3,500cPである。
【0062】
さらに、組成物は、それを上回ると組成物の剛性により製造時の取り扱いが容易になる値である閾値よりも大きい剛性を有するように構成される。いくつかの態様では、組成物の剛性閾値は、約0.5N~約1.5Nである。他の態様では、組成物の剛性閾値は、約0.75N~約1.25Nである。特定の態様では、組成物の剛性閾値は、約1Nである。組成物はまた、それを下回ると組成物の粘着エネルギーによりセンサに対する十分な接着が提供されるとともに、製造時の取り扱いが容易になる値である特定の閾値を下回る粘着エネルギーを有するようにも構成される。いくつかの態様では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約3,500J/cm2~約7,500J/cm2の最小値を有する。他の態様では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約4,500J/cm2~約6,500J/cm2の最小値を有する。さらなる態様では、組成物の単位面積当たりの粘着エネルギーは、約5,400J/cm2の最小値を有する。
【0063】
いくつかの態様では、シリコーン組成物は、組成物のセンサへの適用後に硬化するように構成される。シリコーン組成物は、一定の割合の組成物を完全に硬化させるような期間にわたって硬化させられ、それにより、組成物の残りを残留反応によって硬化させることを可能にする。いくつかの態様では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約85パーセント~約100パーセントが完全に硬化する。そのような態様では、組成物の約15パーセント~約0パーセントを残留反応によって硬化させる。他の態様では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約90パーセント~約95パーセントが完全に硬化する。そのような態様では、組成物の約10パーセント~約5パーセントを残留反応によって硬化させる。特定の態様では、組成物を硬化させる期間により、組成物の約92パーセント~約94パーセントが完全に硬化した。そのような態様では、組成物の約8パーセント~約6パーセントを残留反応によって硬化させる。特定の態様では、組成物を硬化させる期間は、約1時間~約9時間である。他の態様では、組成物を硬化させる期間は、約3時間~約7時間である。特定の態様では、組成物を硬化させる期間は、約5時間である。
【0064】
前述のように、硬化プロセスはまた、所望の貯蔵寿命および所望のポットライフを有するシリコーン組成物を構成する。いくつかの態様では、シリコーン組成物は、約12ヶ月~約14ヶ月の貯蔵寿命を有するように構成される。他の態様では、シリコーン組成物は、約13ヶ月の貯蔵寿命を有するように構成される。いくつかの態様では、シリコーン組成物は、約4時間~約10時間のポットライフを有するようにさらに構成される。他の態様では、シリコーン組成物は、約5時間~約9時間のポットライフを有するように構成される。いくつかの態様では、シリコーン組成物は、約6時間~約8時間のポットライフを有するように構成される。特定の態様では、シリコーン組成物は、約7時間のポットライフを有するように構成される。
【0065】
前述のように、いくつかの態様では、組成物を、セ氏約100度~セ氏約200度の温度で硬化させる。特定の態様では、組成物を、セ氏約125度~セ氏約175度の温度で硬化させる。さらなる態様では、組成物をセ氏約150度で硬化させる。硬化温度および硬化期間は、その硬化温度でその期間にわたって硬化させた後に組成物の所望の割合が完全に硬化するような組み合わせが選択される。組成物の一部分を残留反応による硬化に委ねることの少なくとも1つの利点は、組成物全体が完全に硬化するのを待つ必要がないため、製造プロセスが早まることである。
【0066】
以上は本開示の原理の単なる例示であり、装置は、限定ではなく例示を目的として提示されている記載の局面以外によっても実施することができる。本明細書に開示されている装置は、血液ポンプの経皮的挿入での使用について示されているが、光学センサを必要とする他の用途の装置に適用されてもよいことを理解されたい。
【0067】
本開示を検討した後、当業者には変形および修正が想起されるであろう。開示の特徴は、本明細書に記載されている1つまたは複数の他の特徴とともに、(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)任意の組み合わせおよび部分的組み合わせとして実装され得る。以上および以下で説明または例示される様々な特徴は、それらの任意の構成要素を含めて、他のシステムにおいて結合または統合されてもよい。さらに、特定の特徴が省略され、または実装されなくてもよい。
【0068】
例示的な実装形態
以下の例は、特許請求される発明の特定の例示として与えられている。しかしながら、本発明は、以下のカテゴリの例示的な実装形態に記載される特定の詳細に限定されないことを理解されたい。
【0069】
カテゴリA:
A1. 内面および外面を有するバイザと、
バイザの内面と接触している、空洞を画定する支持ジャケットと、
キャビティ内に配置された、外面および内面を有する光学センサであって、光学センサの内面が支持ジャケットと接触している、光学センサと、
前記光学センサの外面を被覆しかつ空洞を充填する、シリコーンゲルと
を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリ。
A2. 支持ジャケットがポリマー管である、A1の光学センサアセンブリ。
A3. 支持ジャケットがポリイミド管である、A1~A2のいずれかの光学センサアセンブリ。
A4. バイザが金属を含む、A1~A3のいずれかの光学センサアセンブリ。
A5. 金属がステンレス鋼である、A1~A4のいずれかの光学センサアセンブリ。
A6. バイザ内面が、血液ポンプアセンブリのポンプハウジングに取り付けられるように構成されている、A1~A5のいずれかの光学センサアセンブリ。
A7. バイザ内面が、2液型エポキシまたはUV光接着エポキシの一方によってポンプハウジングに取り付けられている、A1~A6のいずれかの光学センサアセンブリ。
A8. シリコーンゲルが、空洞内で硬化するように構成されている、A1~A7のいずれかの光学センサアセンブリ。
A9. 支持ジャケットが、開放端および閉鎖端を有し、開放端が、光学センサが空洞内に配置された後に閉鎖されるように構成されている、A1~A8のいずれかの光学センサアセンブリ。
A10. 支持ジャケットが、約1センチメートル~約5センチメートルの長さを有する、A1~A9のいずれかの光学センサアセンブリ。
A11. 支持ジャケットが、約2センチメートル~約4センチメートルの長さを有する、A1~A10のいずれかの光学センサアセンブリ。
A12. 支持ジャケットが、約3センチメートルの長さを有する、A1~A11のいずれかの光学センサアセンブリ。
A13. 血液ポンプアセンブリが患者への経皮的挿入に使用されたときに光学センサに及ぼされる力による亀裂から光学センサの外面を保護するようにシリコーンゲルが構成されている、A1~A12のいずれかの光学センサアセンブリ。
【0070】
カテゴリB:
B1. 内面および外面を有するバイザと、
内面および外面を有し、空洞を画定する支持ジャケットであって、バイザの内面が支持ジャケットの外面と接触している、支持ジャケットと、
空洞内に配置された光学センサであって、空洞が、シリコーンゲルで充填されており、支持ジャケットが、支持ジャケット内に流れるようにシリコーンゲルを閉じ込め、血液ポンプアセンブリの患者への経皮的挿入中に光学センサに及ぼされる力による損傷から光学センサを保護するために支持ジャケット内に配置されるように、空洞のサイズが構成されかつシリコーンゲルの量が選択される、光学センサと
を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリ。
B2. 支持ジャケットがポリマー管を含む、B1の光学センサアセンブリ。
B3. 光学センサがシリコーン光学センサである、B1~B2のいずれかの光学センサアセンブリ。
B4. ポリマー管がポリイミドを含む、B1~B3のいずれかの光学センサアセンブリ。
B5. バイザが金属を含む、B1~B4のいずれかの光学センサアセンブリ。
B6. 金属がステンレス鋼である、B1~B5のいずれかの光学センサアセンブリ。
B7. 空洞内で硬化させるためにシリコーンゲルが構成されている、B1~B6のいずれかの光学センサアセンブリ。
B8. シリコーンゲルが、バイザの外面の汚染を防止するように、バイザの外面に接触することなく空洞を充填する、B1~B7のいずれかの光学センサアセンブリ。
B9. 支持ジャケットが、シリコーンゲルがバイザの外面を汚染するのを防止する、B1~B8のいずれかの光学センサアセンブリ。
【0071】
カテゴリC:
C1. モータとロータとを含むポンプであって、ロータがブレードを 、ポンプ、
ブレードを取り囲むポンプハウジング、
ポンプハウジングの遠位に延在するカニューレ、
カニューレから遠位に延在する無外傷性延長部、および
バイザによってポンプハウジングに結合された光学センサアセンブリ
を含み、空洞を画定する支持ジャケットをバイザが取り囲み、空洞内に光学センサが配置されており、空洞内の光学センサをシリコーンゲルが被覆している、患者に挿入するための血液ポンプアセンブリ。
C2. 光学センサがシリコーン光学センサである、C1の光学センサアセンブリ。
C3. 支持ジャケットがポリマー管を含む、C1~C2のいずれかの光学センサアセンブリ。
C4. ポリマー管がポリイミド管である、C1~C3のいずれかの光学センサアセンブリ。
C5. バイザが金属を含む、C1~C4のいずれかの光学センサアセンブリ。
C6. 金属がステンレス鋼である、C1~C5のいずれかの光学センサアセンブリ。
C7. シリコーンゲルが、硬化するように構成されている、C1~C6のいずれかの光学センサアセンブリ。
C8. バイザが、接着剤によってポンプハウジングに結合されている、C1~C7のいずれかの光学センサアセンブリ。
C9. 接着剤がエポキシである、C1~C8のいずれかの光学センサアセンブリ。
C10. バイザが、ポンプハウジングに融着されている、C1~C9のいずれかの光学センサアセンブリ。
C11. 支持ジャケットが、ポンプハウジングに沿ってバイザ内に配置されている、C1~C10のいずれかの光学センサアセンブリ。
C12. 支持ジャケットが、ポンプハウジングの外面と接触している外面をさらに含む、C1~C11のいずれかの光学センサアセンブリ。
C13. 支持ジャケットの外面がバイザの内面と接触している、C1~C12のいずれかの光学センサアセンブリ。
【0072】
カテゴリD:
D1. 以下の工程を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサアセンブリの製造方法:
光学センサを、空洞を画定する支持ジャケット内に配置する工程;
光学センサと支持ジャケットの間の空洞の一部分をシリコーンゲルで充填する工程;
シリコーンゲルを硬化させる工程;
支持ジャケットの一部分をバイザで取り囲む工程;および
バイザの内面を血液ポンプのポンプハウジングに結合する工程。
D2. 光学センサがシリコーン光学センサである、D1の方法。
D3. 支持ジャケットがポリマー管を含む、D1~D2のいずれかの方法。
D4. ポリマー管がポリイミドを含む、D1~D3のいずれかの方法。
D5. バイザが金属を含む、D1~D4のいずれかの方法。
D6. 金属がステンレス鋼である、D1~D5のいずれかの方法。
D7. バイザが、エポキシによってポンプハウジングに結合される、D1~D6のいずれかの方法。
D8. エポキシが、2液型エポキシまたはUV光硬化エポキシの一方である、D1~D7のいずれかの方法。
D9. バイザが、ポンプハウジングに融着される、D1~D8のいずれかの方法。
【0073】
カテゴリE:
E1. 以下の工程を含む、血液ポンプアセンブリにおいて使用するためのシリコーン組成物の製造方法:
第1のシリコーン混合物を形成するために第1のシリコーン成分と可塑剤とを混合する工程;
第2のシリコーン混合物を形成するために第2のシリコーン成分と可塑剤とを混合する工程;
第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とを組み合わせてシリコーン組成物にする工程;および
シリコーン組成物を真空脱気する工程であって、血液ポンプアセンブリにおいて使用するための光学センサの測定面を、血液ポンプアセンブリの患者への経皮的挿入中に血液によってセンサに及ぼされるせん断力から保護するように、組成物が構成される、工程。
E2. 第1のシリコーン成分が活性化剤である、E1の方法。
E3. 第2のシリコーン成分が白金系触媒を含む、E1~E2のいずれかの方法。
E4. 可塑剤がシリコーン油可塑剤である、E1~E3のいずれかの方法。
E5. 組成物が第1の成分対第2の成分対可塑剤の比1:1:2を有するように、第1の成分および第2の成分と可塑剤との比が1:1である、E1~E4のいずれかの方法。
E6. シリコーン組成物の接着強度が、組成物が約160N~約340Nの最大荷重に耐えることができるように構成される、E1~E5のいずれかの方法。
E7. シリコーン組成物の接着強度が、組成物が約210N~約290Nの最大荷重に耐えることができるように構成される、E1~E6のいずれかの方法。
E8. シリコーン組成物の接着強度が、組成物が約250Nの最大荷重に耐えることができるように構成される、E1~E7のいずれかの方法。
E9. シリコーン組成物の接着強度が、組成物が約50Nより大きい最大荷重に耐えることができるように構成される、E1~E8のいずれかの方法。
E10. 第1および第2のシリコーン成分が、約30,000cP~約40,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E9のいずれかの方法。
E11. 第1および第2のシリコーン成分が、約35,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E10のいずれかの方法。
E12. 第1および第2のシリコーン混合物が、約3,000cP~約4,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E11のいずれかの方法。
E13. 第1および第2のシリコーン混合物が、約3,500cPの粘度を有するように構成される、E1~E12のいずれかの方法。
E14. シリコーン油可塑剤が、シリコーン組成物の粘度が200cP未満であるような低分子量を有するように構成される、E1~E13のいずれかの方法。
E15. 第1および第3の成分に可塑剤を別々に添加することにより、300cP未満の粘度を有する組成物を構成する、E1~E14のいずれかの方法。
E16. シリコーン組成物が、約2,400cP~約7,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E15のいずれかの方法。
E17. シリコーン組成物が、約3,000cP~約6,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E16のいずれかの方法。
E18. シリコーン組成物が、約4,000cP~約6,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E17のいずれかの方法。
E19. シリコーン組成物が、約5,000cPの粘度を有するように構成される、E1~E18のいずれかの方法。
E20. 組成物が、約1.5Nよりも大きい剛性を有するように構成される、E1~E19のいずれかの方法。
E21. 組成物が、約1.2Nよりも大きい剛性を有するように構成される、E1~E20のいずれかの方法。
E22. 組成物が、約0.9Nよりも大きい剛性を有するように構成される、E1~E21のいずれかの方法。
E23. 組成物が、センサへの適用の後に硬化するように構成される、E1~E22のいずれかの方法。
E24. 組成物を、組成物の約90~約95パーセントが硬化するような期間にわたって硬化させる、E1~E23のいずれかの方法。
E25. 期間が、約1~約9時間である、E1~E24のいずれかの方法。
E26. 期間が、約3~約7時間である、E1~E25のいずれかの方法。
E27. 期間が、約5時間である、E1~E26のいずれかの方法。
E28. 組成物を、セ氏約100度~セ氏約200度の温度で硬化させる、E1~E27のいずれかの方法。
E29. 組成物を、セ氏約125度~セ氏約175度の温度で硬化させる、E1~E28のいずれかの方法。
E30. 組成物を、セ氏約150度の温度で硬化させる、E1~E29のいずれかの方法。
E31. 使用されるシリコーンの量が、組成物の粘着性を粘着性閾値未満に制限しながらセンサを保護することを可能にするように、組成物が構成される、E1~E30のいずれかの方法。
E32. 組成物が、組成物によってプローブに及ぼされる最小荷重が約-2.1N~約0Nであるような粘着性を有する、E1~E31のいずれかの方法。
E33. 組成物が、組成物によってプローブに及ぼされる最小荷重が約-1.0N~約0Nであるような粘着性を有する、E1~E32のいずれかの方法。
E34. 組成物が、組成物によってプローブに及ぼされる最大荷重が約-0.1Nであるような粘着性を有する、E1~E33のいずれかの方法。
E35. 血液ポンプアセンブリにおいて使用するためにセンサがバイザに接着できるような低さであるように粘着性閾値が構成される、E1~E34のいずれかの方法。
E36. 第1および第2のシリコーン成分および可塑剤が生体適合性を有する、E1~E35のいずれかの方法。
E37. シリコーン対シリコーン油可塑剤の比が、容易な取り扱いを可能にする粘度も有しつつ組成物のバイザへの接着を可能にするように構成される、E1~E36のいずれかの方法。
E38. 第1のシリコーン成分と可塑剤とが、約10秒間~約3分間混合される、E1~E37のいずれかの方法。
E39. 第1のシリコーン成分と可塑剤とが、約90秒間混合される、E1~E38のいずれかの方法。
E40. 第1のシリコーン成分と可塑剤とが、約600rpm~約2000rpmで混合される、E1~E39のいずれかの方法。
E41. 第1のシリコーン成分と可塑剤とが、約1000rpm~約1600rpmで混合される、E1~E40のいずれかの方法。
E42. 第1のシリコーン成分と可塑剤とが、約1300rpmで混合される、E1~E41のいずれかの方法。
E43. 第2のシリコーン成分と可塑剤とが、約10秒間~約3分間混合される、E1~E42のいずれかの方法。
E44. 第2のシリコーン成分と可塑剤とが、約90秒間混合される、E1~E43のいずれかの方法。
E45. 第2のシリコーン成分と可塑剤とが、約600rpm~約2000rpmで混合される、E1~E44のいずれかの方法。
E46. 第2のシリコーン成分と可塑剤とが、約1000rpm~約1600rpmで混合される、E1~E45のいずれかの方法。
E47. 第2のシリコーン成分と可塑剤とが、約1300rpmで混合される、E1~E46のいずれかの方法。
E48. 第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが、約10秒間~約3分間混合される、E1~E47のいずれかの方法。
E49. 第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが、約90秒間混合される、E1~E48のいずれかの方法。
E50. 第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが、約600rpm~約2000rpmで混合される、E1~E49のいずれかの方法。
E51. 第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが、約1000rpm~約1600rpmで混合される、E1~E50のいずれかの方法。
E52. 第1のシリコーン混合物と第2のシリコーン混合物とが、約1300rpmで混合される、E1~E51のいずれかの方法。
E53. シリコーン組成物が、室温で真空脱気される、E1~E52のいずれかの方法。
E54. シリコーン組成物が、約30分間~約50分間真空脱気される、E1~E53のいずれかの方法。
E55. シリコーン組成物が、約40分間真空脱気される、E1~E54のいずれかの方法。
E56. 測定面がダイアフラムである、E1~E55のいずれかの方法。
E57. シリコーン組成物が、約12ヶ月~約14ヶ月の貯蔵寿命を有するように構成される、E1~E56のいずれかの方法。
E58. シリコーン組成物が、約5時間~約9時間のポットライフを有するように構成される、E1~E57のいずれかの方法。
【0074】
カテゴリF:
F1. モータと、少なくとも1つのブレードを有するロータとを含む、ポンプ、
ロータの少なくとも1つのブレードを取り囲むポンプハウジング、
カニューレ、
カニューレから遠位に延在する無外傷性延長部、および
ポンプハウジングに接着されたシリコーン光学センサアセンブリであって、センサアセンブリが、測定面を有する光学センサを含み、測定面が、シリコーンの被覆を有し、シリコーンの被覆が、第1のシリコーン成分と可塑剤と第2のシリコーン成分との混合物を含む、光学センサアセンブリ
を含む、血液ポンプアセンブリ。
F2. シリコーンの被覆が、A1~A54のいずれかの組成物を含む、F1の血液ポンプアセンブリ。
F3. 光学センサアセンブリが、バイザと支持ジャケットとをさらに含む、F1~F2のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
F4. 支持ジャケットが、光学センサおよびシリコーンの被覆が配置される空洞を画定する、F1~F3のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
F5. バイザが、支持ジャケットを半径方向に取り囲む、F1~F4のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0075】
カテゴリG:
G1. モータと、少なくとも1つのブレードを有するロータとを含む、ポンプ、
ロータの少なくとも1つのブレードを取り囲むポンプハウジング、
カニューレ、
ハウジングから遠位に延在する無外傷性延長部、および
測定面を含むシリコーン光学センサ
を含み、測定面が、第1のシリコーン成分と可塑剤と第2のシリコーン成分との混合物を含むシリコーンの被覆を受けるように構成されており、シリコーンが、所望の粘度、剛性、重ねせん断、および粘着性のうちの少なくとも1つで構成されている、
血液ポンプアセンブリ。
G2. シリコーンの被覆が、E1~E54のいずれかの組成物を含む、G1の血液ポンプアセンブリ。
【0076】
以上から様々な図面を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して特定の修正を行うこともできることを理解するであろう。図面には本開示のいくつかの態様が示されているが、本開示をこれに限定することは意図されておらず、本開示は、当技術分野で許容されるのと同程度の広さの範囲を有し、明細書も同様に読み取られるべきであることが意図されている。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に特定の態様の例示として解釈されるべきである。当業者には、添付の特許請求の範囲および趣旨の範囲内で他の修正形態が想定されるであろう。本明細書において引用されたすべての参考文献は、参照によりその全体が組み入れられ、本出願の一部をなす。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】