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特表2022-538189太陽光反射性顆粒及びそれを製造するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(54)【発明の名称】太陽光反射性顆粒及びそれを製造するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C01F 11/12 20060101AFI20220824BHJP
   B01J 2/04 20060101ALI20220824BHJP
   B02C 4/32 20060101ALI20220824BHJP
   F24S 70/00 20180101ALI20220824BHJP
【FI】
C01F11/12
B01J2/04
B02C4/32
F24S70/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577324
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020039516
(87)【国際公開番号】W WO2020264091
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/866,790
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/911,073
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521564777
【氏名又は名称】ユー.エス. シリカ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ロッキー リー スミス
【テーマコード(参考)】
4D063
4G004
4G076
【Fターム(参考)】
4D063CC06
4D063GA07
4D063GC17
4D063GD02
4D063GD12
4D063GD27
4G004EA00
4G076AA02
4G076AA18
4G076AB02
4G076CA02
4G076DA30
(57)【要約】
反射性微粒子材料は、高い全太陽光反射率、かさ密度、見掛け密度、及び靭性、並びに低いダスト指数を有する微粒子基材を含む。反射性微粒子は、80%~87%の全太陽光反射率、微細粒子が1%以下の靭性、2.75 g/cm3以上の見掛け密度、及び1以下のダスト指数を有し得る。反射性微粒子材料を製造する方法は、微粒子基材のスラリーを調製すること、該スラリーを噴霧乾燥させて噴霧乾燥微粒子を形成すること、該噴霧乾燥微粒子を粉砕して粉砕微粒子を形成すること、及び該粉砕微粒子を加熱/焼成することを含む。加熱された粉砕微粒子をさらにコーティングして、コーティングされた屋根用顆粒を形成することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
80%~87%の全太陽光反射率、微細粒子が1%以下のASTM D1865M-09に従って測定される靭性、2.75 g/cm3以上の見掛け密度、及び1以下のダスト指数を有する微粒子基材を含む反射性微粒子材料。
【請求項2】
反射性微粒子材料を製造するための方法であって:
微粒子混合物を含むスラリーを調製すること;
該スラリーを噴霧乾燥させて噴霧乾燥微粒子を形成すること;
該噴霧乾燥微粒子を粉砕して粉砕微粒子を形成すること;及び
該粉砕微粒子を加熱及び焼成することを含む、前記方法。
【請求項3】
前記粉砕微粒子の加熱及び焼成は、前記粉砕微粒子を1,050℃~1,250℃の温度で加熱することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記粉砕微粒子の加熱及び焼成は、前記粉砕微粒子を1,100℃~1,200℃の温度で加熱することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記噴霧乾燥微粒子の破砕は、1.524 mm~1.778 mm(0.06インチ~0.07インチ)のギャップ設定を有する粉砕機で破砕することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記粉砕微粒子の加熱及び焼成は、前記粉砕微粒子を1,050℃~1,250℃の温度で加熱することを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記粉砕微粒子の加熱及び焼成は、前記粉砕微粒子を1,100℃~1,200℃の温度で加熱することを含む、請求項5記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月24日に出願された米国特許出願第16/911,073号の優先権を主張し、且つ2019年6月26日に出願された米国仮特許出願第62/866,790号の優先権を主張し、これらの全内容が引用により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、微粒子材料及びそれを製造するためのプロセスに関し、該微粒子材料は、屋根材の太陽光反射性顆粒又は顆粒層として有用である。
【背景技術】
【0003】
(背景)
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
商業用及び住宅用の屋根は、過酷な又は極端な環境に継続的にさらされる。極端ではない外部条件下でも、屋根は、環境又は気象条件の影響から建物又は住宅の内部を保護する能力に影響を与える環境及び気象条件にさらされる。世界の多くの地域では夏の数カ月間、屋根は、高熱と陽光条件に継続的にさらされ、その下で屋根材は太陽エネルギーを吸収し、高レベルの熱を保持する。屋根が太陽エネルギーを吸収して熱を保持するため、その下の建物内又は住居内の状態が悪化し、しばしば内部が加熱されて不快な状態になる。これらの状態を改善するために、建物又は住居は、多くの場合、内部断熱材の増量又は工学的冷却システム(HVAC機器など)の使用の増加に依存している。しかしながら、断熱材を増量しても、熱伝達を低減する能力は限定され、より高いエネルギーコストにより、望ましくなく、場合によっては法外なコスト増となる工学的冷却システムの使用が増加する。
【0005】
この懸念に対処し、カリフォルニア州政府の規制を満たすために、屋根材メーカーは、屋根の温度をより低く維持するための高い全太陽光反射率を目指して努力している。しかしながら、最先端の屋根材(アスファルトや改質ビチューメンなど)は黒色であり、相応に低い太陽光反射率を有する。この欠点を補うために、一部の屋根材メーカーは、アスファルト又は改質ビチューメンに明るい色の顆粒を塗布して、太陽光反射率を高めている。残念ながら、今日まで、これらの明るい色の顆粒又は顆粒層の多くは、太陽光反射率をわずかに改善するだけであり、システムの太陽光反射率は、カリフォルニア州のクールルーフの最小全太陽光反射率値をなお下回っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲の包括的な開示でも、その特徴のすべての包括的な開示でもない。
【0007】
本開示は、屋根材の太陽光反射性顆粒又は顆粒層として有用な微粒子材料及びそれを製造するためのプロセスを記載する。微粒子又は顆粒材料には、Surface Optics Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)の反射率計を使用して測定すると、70%以上のバルク全太陽光反射率(bulk total solar reflectance)(本明細書では「全太陽光反射率」又は単に「太陽光反射率」とも呼ばれる)を有する太陽光反射性顆粒又は微粒子が含まれる。
【0008】
一態様では、本開示は、80%~87%の全太陽光反射率、微細粒子が1%以下のASTM D1865M-09に従って測定される靭性、2.75 g/cm3以上の見掛け密度、及び1以下のダスト指数(dust index)を有する微粒子基材を含む反射性微粒子材料を提供する。
【0009】
別の態様では、本開示は、反射性微粒子材料を製造するためのプロセスを提供する。微粒子混合物を含むスラリーが噴霧乾燥されて噴霧乾燥微粒子が形成される。噴霧乾燥微粒子が粉砕されて粉砕微粒子が形成される。粉砕微粒子は、加熱され、焼成される。
【0010】
適用可能なさらなる分野は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要の説明及び特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
(図面)
本明細書に記載の図面は、すべての可能な実施ではなく、選択された実施態様の例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0012】
本開示の実施態様のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面と共に考察すれば、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施態様による、コーティングされていない微粒子を製造するためのシステム及び方法を示す概略図である。
【0014】
図2図2は、本開示の実施態様による、コーティングされていない微粒子の靭性に対する粉砕機のギャップ設定の影響を示すグラフである。
【0015】
図3図3は、本開示の実施態様による、コーティングされていない微粒子の全太陽光反射率(又は反射率)に対する窯の温度の影響を示すグラフである。
【0016】
図4図4は、かさ密度と靭性(即ち、微細粒子率(%))との間の相関関係を示すグラフである。
【0017】
図5図5は、報告されたかさ密度と全太陽光反射率との間の相関関係を示すグラフである。
【0018】
図6図6は、粉砕前に顆粒を押し出し、乾燥させ、そして加熱する従来のプロセスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
対応する参照番号は、図面のいくつかの図全体にわたって対応する部分を示す。
【0020】
(詳細な説明)
次に、例示的な実施態様を、添付の図面を参照してさらに十分に説明する。
【0021】
エネルギーのコストが増加するにつれて、外部環境から建物内部の作業空間又は居住空間への熱伝達の低減がますます重要になってくる。住宅又は建物の内部空間は、一般に、工学的冷却システム(例えば、HVACシステム)によって快適に保つことができるが、エネルギーコストが上昇すると、快適な作業空間又は居住空間を維持するためのコストも上昇する。結果として、外部環境から建物又は住居の内部空間への熱の伝達を低減するための方法が望ましい。実際、このような熱伝達の低減は、快適な内部空間を維持するために必要な人工冷却システムの稼働時間を短縮することになり、それによってそれらの冷却システムによって消費されるエネルギー量を低減する。
【0022】
本発明の実施態様によると、微粒子材料は、屋根材の太陽光反射性顆粒又は顆粒層として有用である。微粒子又は顆粒材料には、Surface Optics Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)の反射率計を使用して測定すると70%以上のバルク全太陽光反射率(本明細書では「全太陽光反射率」又は単に「太陽光反射率」とも呼ばれる)を有する太陽光反射性顆粒又は微粒子が含まれる。例えば、Surface Optics Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)の410-Solar可視/NIRポータブル反射率計を使用でき、この反射率計は、7つの異なる波長帯域にわたって反射率を測定し、次いでアルゴリズムを使用して全太陽光反射率を計算する。いくつかの実施態様では、微粒子又は顆粒材料は、少なくとも60%、例えば、少なくとも70%又は少なくとも80%の太陽光反射率を有する。いくつかの実施態様では、コーティングされた微粒子材料は、少なくとも80%の太陽光反射率を有し得、いくつかの実施態様では、該コーティングされた微粒子材料は、少なくとも85%又は少なくとも90%の全太陽光反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施態様では、微粒子材料は、90%以上の全太陽光反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施態様では、コーティングされた微粒子材料は、60%~95%、70%~95%、80%~95%、70%~90%、80%~90%、85%~95%、又は90%~95%の太陽光反射率を有する。
【0023】
いくつかの実施態様では、微粒子材料は、疎水性、染色、及び他の性能特性を改善するためにコーティングすることができる。本発明の実施態様による微粒子材料は、該材料がコーティングされているかどうかにかかわらず、上記の範囲内の全太陽光反射率を有し得る。しかしながら、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子材料は、コーティングされた対応する材料の対応する反射率とは異なる全太陽光反射率を有し得る。例えば、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子材料は、コーティングされた対応する材料の対応する反射率よりも高い全太陽光反射率を有し得る。微粒子材料のコーティングされたタイプとコーティングされていないタイプは、両方とも同じ(上記の)範囲内の全太陽光反射率を有することもあるし、該コーティングされたタイプと該コーティングされていないタイプの材料は、同じ範囲内で異なる全太陽光反射率値を有することもある。実際、いくつかの実施態様では、例えば、コーティングされていない微粒子材料は、80%又は90%以上の全太陽光反射率を有し得るが、コーティングされた微粒子材料は、60%又は70%以上の全太陽光反射率を有し得る。
【0024】
本明細書で使用される「微粒子材料」、「顆粒材料」、「太陽光反射性微粒子」、「太陽光反射性顆粒」、「反射性微粒子」、及び「反射性顆粒」などの用語は、互換的に使用され、本開示に記載されるコーティングされていない材料の粒子又は顆粒を指す。同様に、「コーティングされた微粒子材料」、「コーティングされた顆粒材料」、「コーティングされた太陽光反射性微粒子」、「コーティングされた太陽光反射性顆粒」、「コーティングされた反射性微粒子」、及び「コーティングされた反射性顆粒」などの用語は、互換的に使用され、コーティング後の本開示に記載の材料の粒子又は顆粒を指す。加えて、本明細書に記載の微粒子及び顆粒は、「クールルーフ」用途におけるそれらの有効性について宣伝されているが、記載される微粒子及び顆粒は、他の使用及び用途を有し得、そして記載される実施態様は、「クールルーフ」用途に限定されないことを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、本明細書に記載の微粒子又は顆粒材料は、あらゆる外面、例えば、屋外用塗料の充填剤として、又は同様の用途で有用であり得る。
【0025】
本発明の実施態様によると、(コーティングされていない)反射性微粒子又は顆粒は、高い全太陽光反射率、並びに改善された硬度及びダスト指数特性を有する微粒子(又は顆粒)基材を含む。いくつかの実施態様では、反射性微粒子又は顆粒はまた、微粒子基材上にコーティングを有することができ、該コーティングは、ダスト指数及び靭性のさらなる改善、並びに疎水性及び染色性能の改善をもたらし得る。(コーティングされていない)反射性微粒子又は顆粒は、任意の適切なコーティング材料を使用して、任意の適切な手段によってコーティングすることができる。例えば、いくつかの実施態様では、顆粒は、それぞれ全内容が引用により本明細書中に組み込まれる、2019年3月29日に出願された「コーティングされた太陽光反射性顆粒及びその製造方法(COATED SOLAR REFLECTIVE GRANULES AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME)」という名称の米国特許出願第16/370,303号、2018年2月12日に出願された「太陽光反射性微粒子(SOLAR REFLECTIVE PARTICULATES)」という名称の米国特許第10,501,636号、2016年8月29日に出願された「高い全太陽光反射率を有する粒子(PARTICULATES HAVING HIGH TOTAL SOLAR REFLECTANCE)」という名称の米国特許第10,253,493号、及び2015年12月8日に出願された「太陽光反射性微粒子(SOLAR REFLECTIVE PARTICULATES)」という名称の米国特許第9,890,288号のいずれかに開示された方法及び材料を使用してコーティングすることができる。
【0026】
上記の太陽光反射率値を有する最終的なコーティングされた微粒子を調製するためには、コーティングされていない微粒子基材は、比較的高い全太陽光反射率を有さなければならない(即ち、コーティング前に)。とはいえ、微粒子基材は、特に限定されるものではなく、コーティング前に適切な全太陽光反射率値を有する任意の適切な微粒子基材を含み得る。例えば、基材は、コーティングされていないときに、対応するコーティングされた基材の全太陽光反射率が上記の範囲内に入るように十分に高い太陽光反射率を有するべきである。例えば、いくつかの実施態様では、基材は、(それ自体、即ち、コーティング前に)80%以上の全太陽光反射率を示す任意の材料を含み得る。適切なそのような基材の非限定的な例には、遷移金属酸化物、粘土、ケイ酸カルシウム(例えば、ウォラストナイト)、及びパイロフィライトが含まれる。例えば、いくつかの実施態様では、基材は、遷移金属酸化物、ケイ酸カルシウム(例えば、ウォラストナイト)、パイロフィライト、及び/又はカオリン粘土を含み得る。いくつかの実施態様では、例えば、基材は、二酸化チタン、パイロフィライト、ケイ酸カルシウム(例えば、ウォラストナイト)、含水カオリン粘土、及び/又は焼成カオリン粘土を含み得る。いくつかの実施態様では、例えば、基材は、粘土、例えば、含水カオリン粘土又は焼成カオリン粘土を含み得、その1つの非限定的な例は、焼成カオリンシャモットである。適切な基材の非限定的な例には、ケイ酸カルシウム(例えば、ウォラストナイト)、Amberger Kaolinwerke Eduard Kick GmbH & Co.(“AKW”)(Quarzwerke GmbHの系列会社)(ドイツのヒルシャウ)から入手可能なAS 45シャモット(例えば、約54.9%のSiO2含有量、約42.4%のAl2O3含有量、約1.4%のK2O含有量を有する)、Edgar Minerals(フロリダ州エドガー)から入手可能なEPKカオリン(例えば、約0.93 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、強熱減量(LOI)を排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Vanderbilt Minerals, LLC(コネチカット州ノーウォーク)から入手可能なMCNAMEE(登録商標)カオリン(例えば、約0.38 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、LOIを排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ジョージア州ロズウェル)から入手可能なKingsleyカオリン(例えば、0.45 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、LOIを排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ジョージア州ロズウェル)から入手可能な6 TILE(登録商標)カオリン(例えば、約0.4 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、LOIを排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Kentucky-Tennessee Clay Company(ジョージア州ロズウェル)から入手可能なoptiKasTカオリン(例えば、約0.58 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、LOIを排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、Ione Minerals, Inc.(カリフォルニア州イオネ)から入手可能なIone Airfloatedカオリン(例えば、約0.7 wt%のFe含有量を有し、報告されるFe含有量は、LOIを排除するために調整され、100%の総酸化物含有量に対して正規化されている)、ASP(登録商標)製品ライン(例えば、ASP G90及びASP G92)、BASF Corporation(ニュージャージー州フローラム・パーク)から入手可能なM17-052、R.T. Vanderbilt Company, Inc.(コネチカット州ノーウォーク)から入手可能なPYRAX(登録商標)製品ライン(例えば、Pyrax HS)、及びThiele Kaolin Company(ジョージア州サンダーズビル)から入手可能なTK製品ライン(例えば、TK1827、TK1828、TK1912、TK1913、TK1914、TK1915、TK1916、TK1917を含み、Fe + Tiの含有量が0.5%~1.8%)が含まれる。
【0027】
基材の粒径及び粒径分布は、特に限定されるものではない。したがって、基材は、任意の適切な平均粒径及び任意の適切な粒径分布を有することができ、これらの値は、顆粒の意図された用途(例えば、商業用屋根又は住宅用屋根のクールルーフ材料として、又は塗料の充填剤として)に応じて変更することができる。実際、基材が鉱物である実施態様、例えば、基材が粘土(例えば、カオリン粘土又は焼成カオリン粘土)を含む実施態様では、平均粒径及び粒径分布は、基材の供給源又は供給業者に応じて異なり得る。
【0028】
本開示の実施態様によると、コーティングされていない微粒子基材もまた、高い靭性、並びに高い全太陽光反射率及びより滑らかな表面を有する。かさ密度と靭性の増加が、典型的には全太陽光反射率を低下させるため、この特徴の組み合わせを、このようなコーティングされていない微粒子で得るのは一般に困難である。
【0029】
コーティングされていない微粒子の靭性は、任意の適切な基準によって決定することができる。いくつかの実施態様では、例えば、靭性は、ASTM D1865M-09に従って決定され、その開示は、引用により本明細書中に組み込まれる。一般に、ASTM D1865M-09は、最初の粒子分布を複数回の1.2メートルの落下後の粒子分布と比較して靭性を決定する方法を示す。より具体的には、複数回の落下の前後で測定された微細粒子のパーセンテージの差が、微粒子が複数回の落下の応力にどれだけよく耐えるかを示し、したがって、複数回の落下後に微粒子が少ないこと(又は落下の前後の微細粒子の差が小さいこと)は、靭性が高い材料であること(即ち、より高い靭性値)を示す。いくつかの実施態様によると、例えば、ASTM D1865M-09によって測定される、微細粒子の落下前と落下後(1.2メートルの高さから100回落下させた後)のパーセンテージの差は、0~3%、0~2%、0~1.5%、又は0~1%である。いくつかの実施態様では、例えば、ASTMD1865M-09によって測定される、微細粒子の落下前と落下後(1.2メートルの高さから100回落下させた後)のパーセンテージの差は、0%、0.1%、0.2%、0.3%、0.5%、0.6%、0.8%、0.9%、又は1.7%であり得る。
【0030】
いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子のかさ密度は、1.00~2.00g/cm3、1.00~1.50g/cm3、1.00~1.40g/cm3、1.00~1.30g/cm3、又は1.00~1.20 g/cm3であり得る。例えば、いくつかの実施態様では、かさ密度は、1.05 g/cm3、1.06 g/cm3、1.07 g/cm3、1.08 g/cm3、1.09 g/cm3、1.11 g/cm3、1.12 g/cm3、1.15 g/cm3、1.16 g/cm3、1.17 g/cm3、1.18 g/cm3、1.19 g/cm3、又は1.20 g/cm3であり得る。加えて、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、2.75 g/cm3以上、例えば、2.76 g/cm3以上、2.77 g/cm3以上、2.78 g/cm3以上、又は2.79 g/cm3以上の見掛け密度を有し得る。いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、2.79g/cm3の見掛け密度を有し得る。実際、本開示の実施態様によるコーティングされていない微粒子は、2.66g/cm3又は2.72g/cm3の見掛け密度を有する現在入手可能な製品よりも高い見掛け密度を有する。
【0031】
いくつかの実施態様によると、コーティングされていない微粒子は、上記のように全太陽光反射率を有し得る。いくつかの実施態様では、例えば、全太陽光反射率(Surface Optics Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)の410-Solar可視/NIRポータブル反射率計を使用して測定される)は、80%以上、例えば、80%~95%、80%~90%、80%~89%、83%~90%、83%~89%、84%~90%、84%~89%、85%~90%、85%~89%、86%~90%、86%~89%、87%~90%、87%~89%、88%~90%、又は88%~89%であり得る。いくつかの実施態様では、例えば、全太陽光反射率(Surface Optics Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)の410-Solar可視/NIRポータブル反射率計を使用して測定される)は、84.8%、85.3%、85.7%、85.9%、86.5%、87.2%、87.3%、88.0%、88.1%、88.2%、88.3%、88.4%、88.5%、又は88.7%であり得る。
【0032】
また、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、より低いダストレベルも有し得る。コーティングされていない基材粒子のサンプル中のダストの量は、該サンプル中のダストの量を測定するダスト指数によって表すことができる。ダスト指数は、DustMonダスト測定装置(ペンシルベニア州モンゴメリービルのMicrotrac Inc.から入手可能)によって測定することができる。ダスト指数は、粒子サンプル中の浮遊ダストの尺度である。ダスト指数を決定する際は、粒子が、一定長さのパイプの上部にあるサンプル容器に落とされ、該粒子が、パイプの他端にあるサンプル収集器に落下する。粒子がサンプル収集器に着地すると、空気の流れ及び衝撃の力により、サンプルダストが上方に移動して、光源と検出器を備える測定領域に戻される。検出器は、光源からの光強度の変化を観察する。サンプルダストは、光源からの光の一部を遮り、検出器が光強度の低下を検知し、光強度の低下に基づいてダスト指数を出力する。ダスト指数は、最大ダスト濃度と30秒後のダスト濃度の合計である。ダスト濃度はパーセンテージ(%)で報告され、100%は、検出器での光源からの光の完全な遮断を意味する。
【0033】
いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、3未満のダスト指数(DustMonによって測定される)を有し、いくつかの実施態様では、2未満又は1未満のダスト指数を有する。例えば、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、0.3~1.5、例えば、0.3~1.0、0.4~0.9、又は0.5~0.8のダスト指数を有し得る。いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、0.5、0.6、0.7、又は0.8のダスト指数を有し得る。
【0034】
比較点として、従来のコーティングされていない微粒子(例えば、以下で論じられる従来のプロセスに従って調製される)は、14を超えるダスト指数を有し得、例えば、いくつかのコーティングされていない粘土粒子は、14.9~27.4のダスト指数を有する。実際、いくつかのコーティングされた微粒子は、本開示の実施態様によるコーティングされていない微粒子よりも高いダスト指数を有し得る。例えば、従来のプロセスによってコーティングされた微粒子は、3を超える、例えば、3~5、3~4、3.4~3.8、又は3.5のダスト指数を有し得る。この比較から分かるように、本開示の実施態様によるコーティングされていない微粒子は、従来のコーティングされていない微粒子及びいくつかの従来のコーティングされた微粒子の両方と比較して、著しく低減されたダスト指数を有する。
【0035】
いくつかの実施態様によると、図1に一般的に示されるように、本明細書に記載のコーティングされていない微粒子を調製するためのシステム100は、スラリーミキサー20、噴霧乾燥装置30、粒子粉砕機40、第1のスクリーン50(又は他の粒子フィルター)、窯60(又は他の加熱装置)、及び第2のスクリーン70(又は他の粒子フィルター)を含む。図1に示されるように、コーティングされていない微粒子を調製するためのシステム100は、調製されたままのコーティングされていない微粒子を、微粒子をコーティングするための別のシステム又は装置200に直接又は間接的に送達することができる。スラリーミキサー20は、特に限定されるものではなく、スラリーの成分(以下でさらに論じられる)を保持及び混合し、該スラリーを乾燥装置30に送達することができる任意の装置又はチャンバーであり得る。
【0036】
本開示の実施態様によると、乾燥装置30は噴霧乾燥機である。スラリーを噴霧することができる(以下でさらに論じられる)又はスラリーを熱噴霧乾燥することができる任意の適切な噴霧乾燥機を使用することができる。適切な噴霧乾燥機の非限定的な例には、GEA Process Engineering A/S Corporation(デンマーク)から入手可能なものが含まれる。例えば、いくつかの実施態様では、噴霧乾燥機は、GEA Process Engineering A/S Corporation(デンマーク)から入手可能な噴霧乾燥機のNIRO(登録商標)ラインの1つであり得る。
【0037】
同様に、任意の適切な粒子破砕装置を粒子粉砕機として使用することができる。いくつかの実施態様では、例えば、破砕装置は、ロール粉砕機であり得るが、本開示はそれに限定されない。適切な粒子粉砕機の非限定的な例には、J.C. Steele & Sons Inc.(ノースカロライナ州ステーツビル)、Sturtevant Inc.(メリーランド州ハノーバー)、TerraSource Global Corp.(ミズーリ州セントルイス、例えば、Gundlachの粉砕機ライン)、Metso Corp.(フィンランド)、及びMcLanahan Corp.(ペンシルベニア州ホリデーズバーグ)から入手可能なものが含まれる。しかしながら、いくつかの実施態様では、粒子粉砕機のギャップ設定を調整して、本明細書に記載の靭性及びダスト指数特性を有するコーティングされていない微粒子を生産することができる。例えば、任意の適切なギャップ設定を一般的には使用できるが、ギャップがあまりにも狭く設定されると、靭性試験中に追加のダストが生成され得るため、微細粒子の量が増加し、靭性評価が低下する。本開示の実施態様によると、粒子粉砕機のギャップ設定における比較的小さい変化又はごくわずかな変化でも、得られるコーティングされていない微粒子の靭性に大きな影響を与え得る。実際、図2のグラフに示されるように、1.651 mm(0.065インチ)の広いギャップと1.143 mm(0.045インチ)の狭いギャップとの差は、大幅に異なる微細粒子の生産をもたらす。例えば、図2に示されるように、1,250°Cの同じ窯の温度で、狭いギャップ(1.143 mm(0.045インチ))は8.98%の微細粒子を形成したが、広いギャップ(1.651 mm(0.065インチ))は2.87%の微細粒子しか形成しなかった。これからわかるように、粉砕機のギャップ設定のごくわずかな調整は、得られるコーティングされていない微粒子の靭性に対して非常に有益又は極めて有害な結果をもたらし得る。したがって、ギャップ設定は、破砕される粒子によって必要に応じて調整することができるが、いくつかの実施態様では、粒子粉砕機は、1.524 mm~1.778 mm(0.06インチ~0.07インチ)のギャップ設定を有し得る。
【0038】
第1及び第2のスクリーン(又は他の粒子フィルター)は、特に限定されるものではなく、より大きい粒子を保持し、且つより小さい粒子の通過を可能にすることができる任意の適切なスクリーン又はフィルターであり得る。当業者は、利用可能な多くの市販の選択肢の中から適切なスクリーン又はフィルターを選択することができるであろう。しかしながら、いくつかの実施態様では、第1及び第2のスクリーン(又はフィルター)50及び70の両方を、ダブルスクリーン(又はダブルスクリーンシェーカー)とすることができ、該ダブルスクリーンの大きい方は、メッシュ8(即ち、2,380ミクロン)よりも大きい粒子を保持し、該ダブルスクリーンの小さい方は、メッシュ100(150ミクロン)よりも大きい粒子を保持する。第1のスクリーン50の大きい方のスクリーンと小さい方のスクリーンとの間に入る粒子、即ち、メッシュ8よりも小さいがメッシュ100よりも大きい粒子は、ダブルスクリーンシェーカーから窯60に直接送達される。第1のスクリーン50の小さい方のスクリーンを通過する小さい粒子、即ちメッシュ100よりも小さい粒子は、噴霧乾燥機30に戻され、そこで粒径を得ることができ、その後、粉砕機40に再送達される。第1のスクリーン50の大きい方のスクリーンに保持された大きい粒子は、スラリーミキサー20に戻される。
【0039】
窯も特に限定されるものではなく、任意の適切な回転窯又は同様の装置であり得る。適切な窯の非限定的な例には、Feeco International Inc.(ウィスコンシン州グリーン・ベイ)、FLSmidth A/S(デンマーク)、Claudius Peters AG(ドイツ)、IKD Processing Machinery(ケンタッキー州ルイビル)、及びAllis-Chalmers Manufacturing Corp. (ウィスコンシン州ミルウォーキー)によって製造された窯及び/又はこれらから入手可能な窯が含まれる。いくつかの実施態様では、窯は、直接焚かれても、又は間接的に焚かれてもよく、いくつかの実施態様では、窯は直接焚くことができる。加えて、窯は、電気、天然ガス、プロパン、又はその他の燃料源によって焚くことができる。いくつかの実施態様では、例えば、窯は、経済的な燃料選択肢として天然ガスによって焚くことができる。
【0040】
窯の温度は、本明細書に記載の全太陽光反射率を有するコーティングされていない微粒子を生産するように調整することができる。例えば、任意の適切な温度を一般に使用することができるが、温度があまりにも高く設定されると、図3に示されるように、全太陽光反射率が悪影響を受け得る。実際、形態学的観点から、微粒子は、さらなる乾燥、メタカオリン(2.6 g/cm3)形態、スピネル変換(3.58 g/cm3)、及び最終的なプレートレットムライト(3.05 g/cm3)構造を含め、熱下での様々な相を介して変換する。特定の(又は臨界)温度に達すると、微粒子は暗色化し、結果として靭性は向上するが、全太陽光反射率が低下する。したがって、回転窯の温度は、全太陽光反射率と靭性との間の望ましいバランスを得るために、閾値又は臨界温度に調整又は設定するべきである。いくつかの実施態様では、例えば、窯の温度は、1,050℃~1,250℃又は1,100℃~1,200℃であり得る。
【0041】
窯の温度及び粉砕機の設定はまた、本開示の実施態様によるコーティングされていない微粒子の見掛け密度及びかさ密度に影響を与え得る。例えば、得られるコーティングされていない微粒子のかさ密度は、窯の温度が高くなるにつれて増加し、これは、図4に報告されているかさ密度と靭性(即ち、微細粒子率(%))との間の相関、及び図5に報告されているかさ密度と全太陽光反射率との間の相関をもたらす。
【0042】
回転窯の後、コーティングされていない微粒子は、冷却され、次いで第2のスクリーン70(上記)に通されて再び選別される。第1のスクリーン50と同様に、第2のスクリーン70によって分離された粒子は、スラリーミキサー20又は噴霧乾燥機30に戻してリサイクルすることができる。特に、第2のスクリーン70の大きい方のスクリーンと小さい方のスクリーンとの間に入る粒子、即ち、メッシュ8よりも小さいがメッシュ100よりも大きい粒子は、ダブルスクリーンシェーカー70からコーティング作業/システム200に直接送達される。第2のスクリーン70の小さい方のスクリーンを通過する小さい粒子、即ち、メッシュ100よりも小さい粒子は、噴霧乾燥機30に戻すことができ、そこで粒径を得ることができ、その後、粉砕機40、第1のスクリーン50、及び窯60を介して戻される。第2のスクリーン70の大きい方のスクリーンに保持されるより大きい粒子は、スラリーミキサー20に戻すことができる。窯を出る粒子は、このようにリサイクルすることができるが、窯60及び第2のスクリーン70を出る粒子は、必ずしもリサイクルする必要はないことを理解されたい。実際、選別された微粒子を、複数のサイクルにわたって戻りストリームを介してスラリーミキサー又は噴霧乾燥機に再導入すると、生成物が暗色化し得る。しかしながら、このリスクによってもたらされる損失はわずかである。
【0043】
本開示の実施態様によると、高い全太陽光反射率、高いかさ密度及び見掛け密度、高い靭性、及び低いダスト指数を有するコーティングされていない微粒子を調製するための方法は、微粒子スラリーを調製すること、該微粒子スラリーを噴霧乾燥させて乾燥したコーティングされていない微粒子を得ること、該乾燥したコーティングされていない微粒子を粉砕して粉砕されたコーティングされていない微粒子を得ること、及び該粉砕されたコーティングされていない微粒子を加熱(又は焼成)することを含む。粉砕されたコーティングされていない微粒子を加熱(又は焼成)した後、微粒子を冷却し、次いでコーティングしてコーティングされた太陽光反射性顆粒を形成することができる。上記のように、任意の適切なコーティングプロセス及びコーティング材料、例えば、2019年3月29日に出願された「コーティングされた太陽光反射性顆粒及びその製造方法(COATED SOLAR REFLECTIVE GRANULES AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME)」という名称の米国特許出願第16/370,303号;2018年2月12日に出願された「太陽光反射性微粒子(SOLAR REFLECTIVE PARTICULATES)」という名称の米国特許第10,501,636号;2016年8月29日に出願された「高い全太陽光反射率を有する微粒子(PARTICULATES HAVING HIGH TOTAL SOLAR REFLECTANCE)」という名称の米国特許第10,253,493号;及び2015年12月8日に出願された「太陽光反射性微粒子(SOLAR REFLECTIVE PARTICULATES)」という名称の米国特許第9,890,288号のいずれかに開示される方法及び材料を使用することができる。前述の開示の全内容は、引用により本明細書中に明示的に組み込まれる。例えば、いくつかの実施態様では、コーティングされていない微粒子は、2019年3月29日に出願された「コーティングされた太陽光反射性顆粒及びその製造方法(COATED SOLAR REFLECTIVE GRANULES AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME)」という名称の米国特許出願第16/370,303号に記載されたプロセス及び方法を使用してコーティングすることができる。
【0044】
いくつかの実施態様では、スラリーは、本明細書に記載の微粒子基材を適切な分散剤及び/又は結合剤と混合することによって調製することができる。任意の適切な分散剤及び/又は結合剤を、限定されることなく使用することができる。いくつかの実施態様では、例えば、分散剤及び/又は結合剤は、アニオン性ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロースなどを含み得る。当業者によって理解されるように、分散剤及び結合剤は類似の化学構造を有し得るが、それらは、スラリー組成物内での機能、及び分子サイズ又は分子量が異なり得る。例えば、いくつかの実施態様では、結合剤は、スラリー組成物の増粘及び/又は凝固のための長鎖ポリアクリレート、ポリアルケンカーボネート、又はポリアクリルアミドを含み得る一方、分散剤は、スラリー中の粒子を取り囲んで電荷の反発による凝集を防止することができる比較的短い電荷を帯びた種であり得る。分散剤及び/又は結合剤の量は、特に限定されないが、いくつかの実施態様では、乾燥重量で0.7~1.7%の量で含まれ得る。水を使用して、35%~65%又は40%~50%であり得るスラリーの固形分が調整される。
【0045】
微粒子基材は、スラリーミキサー20において分散剤及び/又は結合剤と混合され、次いで噴霧乾燥機30に送達される。噴霧乾燥機30において、スラリーを加熱することができる。スラリーは、任意の適切な程度及び/又は任意の適切な温度に加熱することができる。例えば、いくつかの実施態様では、スラリーは、噴霧乾燥機30内で適切な温度で加熱することができる。いくつかの実施態様では、エネルギーコストを低減すると共に環境処理の前に煙道ガスを冷却するために、リサイクルされた煙道ガス熱を使用してスラリーを少なくとも部分的に加熱することができる。次いで、噴霧乾燥機30は、基材微粒子の「種」粒子にスラリーを熱噴霧することができる。このプロセスでは、噴霧乾燥機30は、スラリーの層を種粒子に噴霧し、各層で、コーティングされていない微粒子の直径又は粒径を増加させる。
【0046】
噴霧乾燥機30によって出力される粒子/微粒子は典型的には球状である。しかしながら、球状粒子は、屋根の用途には理想的とは言えないであろう。例えば、球状粒子は、(より板状の粒子と比較して)表面を完全に覆うために粒子により重い重量を加える必要がある。また、球状粒子は、不十分なパッキングにより太陽光反射率が低下する可能性があり、望ましくない訴訟につながり得る安全上の問題(例えば、スリップ)を引き起こし得る。したがって、本開示の実施態様によると、噴霧乾燥粒子は、噴霧乾燥機30から粉砕機40に送達され、そこで該噴霧乾燥微粒子が粉砕されて、より板状の非常に角張った粒子/顆粒に平坦化され、球状粒子が破壊されて、より良い表面被覆率を促進するより板状の粒子の分布になる。破砕装置及び粉砕機の設定については、上でより詳細に論じられ、例えば、粉砕機のギャップ設定は1.524 mm~1.778 mm(6/100インチ(0.06インチ)~7/100インチ(0.07インチ))である。
【0047】
いくつかの実施態様によると、粉砕後、粒子を、窯に送られる前に、第1のスクリーン50に通してろ過又は選別して粒径を調整することができる。第1及び第2のスクリーン50及び70の構造に関連して上で一般的に論じられたように、該第1のスクリーン50は、粒子を3つの画分、即ち、メッシュ8(即ち、2,380ミクロン)より大きい粒子を含む第1の画分、メッシュ100(150ミクロン)よりも小さい粒子を含む第2の画分、及びメッシュ100よりも大きくてメッシュ8よりも小さい粒子を含む第3の画分に分けることができる。本開示の実施態様によると、第3の画分(即ち、メッシュ8よりも小さいがメッシュ100よりも大きい粒子)は、窯60に直接送達され、第2の画分(即ち、メッシュ100よりも小さい粒子)は、噴霧乾燥機30に戻され、そこで粒径を得ることができ、その後、粉砕機40を介して戻され、第1の画分(即ち、メッシュ8よりも大きい粒子)は、スラリーミキサー20に戻される。
【0048】
ろ過/選別後、ろ過された粒子は、窯に送達され、そこで適切な温度で加熱/焼成される。上で一般的に論じられたように、窯の温度は、所望の全太陽光反射率、かさ密度、見掛け密度、靭性、及びダスト特性に従って選択することができる。例えば、いくつかの実施態様では、同様に上記のように、粒子は、1,050℃~1,250℃又は1,100℃~1,200℃の温度で、窯で加熱することができる。
【0049】
窯で加熱後、微粒子は、冷却することができ、次いで再びろ過/選別されてから、コーティングシステム/作業に送達される。第1の選別に関連して上で一般的に論じられたように、第2の選別もまた、(窯の)粒子を3つの画分、即ち、メッシュ8(即ち、2,380ミクロン)よりも大きい粒子を含む第1の画分、メッシュ100(150ミクロン)よりも小さい粒子を含む第2の画分、及びメッシュ100よりも大きくてメッシュ8よりも小さい粒子を含む第3の画分に分ける。本開示の実施態様によると、第3の画分(即ち、メッシュ8よりも小さいがメッシュ100よりも大きい粒子)は、コーティングシステム/作業200に直接送達され、第2の画分(即ち、メッシュ100よりも小さい粒子)は、噴霧乾燥機30に戻され、そこで粒径を得ることができ、その後、粉砕機40及び窯60を介して戻され、第1の画分(即ち、メッシュ8よりも大きい粒子)は、スラリーミキサー20に戻される。
【0050】
図1に示されるように、本発明の実施態様による方法は、粒子を窯に送達する前に、スラリーを噴霧乾燥すること、及び噴霧乾燥微粒子を粉砕することを含む。対照的に、図6に示されるように、従来の方法は、代わりに、粉砕する前に顆粒を押し出し、乾燥させ、次いで窯で焼成する。上で一般的に論じられたように、本開示による方法に従って調製された(即ち、窯の前に粉砕などされた)粒子は、改善された全太陽光反射率、かさ密度、見掛け密度、靭性、及びダストレベルを含む大幅に改善された特性及び特徴を示す。
【0051】
本開示の様々な実施態様を説明してきたが、当業者には追加の変更及び変形が明らかであろう。例えば、組成物及び微粒子は、様々な適切な量で存在し得る追加の成分、例えば、強度を改善し、臭気を低減し、且つ/又はその他の点で製造される組成物及び微粒子の特性を変更するのに適した他の添加剤を有し得る。同様に、実施態様の例によって本明細書に記載される組成物及び微粒子を調製する方法は、様々な実施態様が関係する分野の知識に従って変更することができる。例えば、組成物及び微粒子を調製する方法は、追加のステップを含み得、様々な温度で行うことができ、且つ/又は(例えば、組成物及び微粒子に関して記載されるように)他の方法で適切に変更することができる。したがって、本開示は、具体的に開示された実施態様に限定されものではなく、組成物、微粒子、並びに該組成物及び該微粒子を調製する方法は、本開示から逸脱することなく変更することができ、添付の特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定される。
【0052】
本文及び特許請求の範囲全体を通して、「約」という単語のあらゆる使用は、この開示が関係する分野の一般的な技術者によってすべて理解されるように、測定、有効数字、及び互換性に関連する変動の曖昧な部分を反映する。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、程度の用語としてではなく、近似の用語として使用され、組成物、微粒子、並びに該組成物及び該微粒子を調製する方法に関連する(例えば、様々な成分又は組成物の物理的又は化学的特性の説明、及び様々な成分の量の説明での)測定又は評価における正常な変動及び偏差を説明することが意図される。実施態様の前述の説明は、例示及び説明目的で提供されている。網羅的であることも、開示を限定することも意図するものではない。特定の実施態様の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施態様を限定しないが、適用可能な場合は互換的であり、たとえ具体的に示されも説明もされていなくても、選択された実施態様で使用することができる。これらはまた、様々に変更することもできる。そのような変形は、開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのようなすべての変更は、開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】