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  • 特表-経口カプセルおよびその調製方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】経口カプセルおよびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20220825BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220825BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220825BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220825BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20220825BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P43/00 111
A61P35/02
A61P35/00
A61K9/48
A61K47/36
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/40
A61K47/20
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572442
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2020095353
(87)【国際公開番号】W WO2020249002
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/090543
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519371552
【氏名又は名称】ベイジーン スウィッツァーランド ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、イーピン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ユアンジン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076BB01
4C076DD05
4C076DD28
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD67
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE36
4C076EE38
4C076EE39
4C076EE42
4C076FF04
4C076FF06
4C076FF57
4C076GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA02
4C086NA12
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、経口カプセルおよび粉末を直接混合することによりカプセルを充填する方法に関し、当該経口カプセルは口服カプセル用組成物およびカプセルシェルを含み,前記口服カプセル用組成物は、ザヌブルチニブ、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、潤滑剤及び任意的な粘着剤を含む。カプセル用組成物は、満足できる製品安定性、バイオアベイラビリティ基準を満たす溶出率特性、生産設備と一致する調製プロセス、および合理的な生産コストを得ることができる。さらに、本発明における方法は、造粒プロセスを有せず、プロセス全体を簡潔化し、製品のバイオアベイラビリティに対する製剤プロセスの影響を低減することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ザヌブルチニブを含む経口カプセルであって、前記経口カプセルは、経口カプセル用組成物及びカプセルシェルを含み、前記経口カプセル用組成物は、ザヌブルチニブ、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤および潤滑剤を含むザヌブルチニブを含む経口カプセル。
【請求項2】
ザヌブルチニブを含む経口カプセルであって、前記経口カプセル用組成物がさらに任意的に粘着剤を含む。
【請求項3】
前記ザヌブルチニブは、A結晶形またはアモルファス、またはA結晶形とアモルファスの混合物であり、前記ザヌブルチニブの粒子径≦40μmであり、かつ前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記ザヌブルチニブの質量百分率が20%~70%であり、好ましくは20%~50%である、請求項1または2に記載の経口カプセル。
【請求項4】
前記充填剤は、デンプン、スクロース、微結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、マンニトール、ラクトース、アルファ化デンプン、グルコース、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、ケイ化微結晶セルロース、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記充填剤の質量百分率が20%~90%であり、好ましくは30%~80%である、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項5】
前記充填剤は微結晶セルロースであり、かつ前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記微結晶セルロースの質量百分率が30%~80%である、請求項4に記載の経口カプセル。
【請求項6】
前記崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロース、メチルセルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、好ましくはクロスカルメロースナトリウムであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記崩壊剤の質量百分率が0.5%~5%であり、好ましくは1%~3%である、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項7】
前記湿潤剤はドデシル硫酸ナトリウムであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記ドデシル硫酸ナトリウムの質量百分率が0%~5%であり、好ましくは0.5%~1.0%である、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項8】
前記流動促進剤は、粉末セルロース、三ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、およびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、好ましくはコロイド状二酸化ケイ素であり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記流動促進剤の質量百分率が0.1%~20%であり、好ましくは0.1%~0.5%である、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項9】
前記潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、好ましくはステアリン酸マグネシウムであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記潤滑剤の質量百分率が0.1%~2%であり、好ましくは0.3%~1%である、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項10】
前記カプセルシェルは、ゼラチンカプセルシェルである、請求項1~3のいずれに記載の経口カプセル。
【請求項11】
ザヌブルチニブ、崩壊剤、湿潤剤および一部の充填剤を予備混合して予備混合料を得、そして篩にかけて第1混合物を得るステップ(1)、
流動促進剤および残りの充填剤を篩にかけて、ステップ(1)に得られた第1混合物に加え混合して、第2混合物を得るステップ(2)、
潤滑剤を篩にかけて、ステップ(2)に得られた第2混合物に加え、混合して、最終混合物を得るステップ(3)、および、
ステップ(3)に得られた最終混合物をカプセルシェルに充填して前記の経口カプセルを得るステップ(4)、
を含む、請求項1~10のいずれに記載の経口カプセルを調製する方法。
【請求項12】
ステップ(1)において、予備混合は、10rpm~25rpmの回転数で2分間~10分間混合し、かつ篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は1.0mm~2.5mmである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(1)において、前記第1混合物は、前記予備混合料を10rmp~25rmpの回転数で40分間~15分間混合して得る、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(2)において、前記混合は、10rmp~20rmpの回転数で3分間~5分間行う、請求項11~13のいずれに記載の方法。
【請求項15】
ステップ(2)において、前記篩にかけることは、550rmp~650rmpの回転数で行い、かつ、篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は、1.0mm~2.5mmである、請求項11~14のいずれに記載の方法。
【請求項16】
ステップ(3)において、混合は、10rpm~15rpmの回転数で3分間~6分間を行い、かつ篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は35mm~45mmである、請求項11~15のいずれに記載の方法。
【請求項17】
前記混合ホッパーのロード量が、混合ホッパーの体積の30~70%である、請求項11~16のいずれに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製剤の分野に属する。本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton’s Tyrosine Kinase、BTK)阻害剤、特に(S)-7-[4-(1-アクリロイルピペリジン)]-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドを含む経口カプセルおよびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO2014173289Aには新型のブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton’s Tyrosine Kinase,BTK)、具体的に(S)-7-[4-(1-アクリロイルピペリジン)]-2-(4-フェノキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(一般名:ザヌブルチニブ(Zanubrutinib))が開示され、その化学構造は、下記の通りである。
【0003】
【0004】
ザヌブルチニブは、2代目のBTK阻害剤であり、チロシンキナーゼと共有結合することにより、酵素を不可逆的に不活性化させるものである。ザヌブルチニブは、単剤として、または他の薬剤と組み合わせて、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、濾胞性リンパ腫(FL)、非胚中心サブタイプびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(non-GCB DLBCL)などを含むBリンパ球腫瘍の治療に用いられる。
【0005】
ザヌブルチニブの原薬(API)は、僅かな吸湿性を有する。DSC結果によれば、当該化合物は、溶融するときに明確な吸熱ピークを有し、開始温度とピーク温度はそれぞれ139°Cと144°Cであり、スティッキーパンチ(Sticky punch)現象が発生しやすい。また、ザヌブルチニブの溶解度はpH依存的であり、生物薬剤学分類システムのクラスII薬物に属する。したがって、製剤中の薬物の良好な溶出速度を維持する必要がある。
【0006】
本発明に用いられる原薬であるザヌブルチニブは、粉砕後粉末の粒子径が小さいため流動性が悪い。また、本発明に用いられる原薬であるザヌブルチニブは、さらに物理的および化学的特性の不足(高粘度、低流動性)を有する。本発明におけるカプセルの配合は、上記問題を解決することができ、製造コストが適当である。
【発明の概要】
【0007】
前述した原薬であるザヌブルチニブの問題を克服するために、本発明は、カプセル配合および粉末を直接混合した後にカプセルを充填する方法を提供する。
【0008】
具体的に、本発明の技術案は、以下の通りである。
一態様において、本発明は、経口カプセル用組成物及びカプセルシェルを含む経口カプセルであって、前記経口カプセル用組成物がザヌブルチニブ、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤および潤滑剤を含む経口カプセルを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記経口カプセル用組成物は、さらに任意的に粘着剤を含む。
【0010】
好ましくは、前記ザヌブルチニブが結晶形(例えば、WO2018033853Aに開示されている結晶形A)、アモルファス、または、結晶形とアモルファスの混合物などの任意の固体形態であってもよく、好ましくは、前記ザヌブルチニブは結晶形A、アモルファス、または、結晶形Aとアモルファスの混合物である。前記ザヌブルチニブの粒子径≦40μmであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記ザヌブルチニブの質量百分率は20%~70%であり、好ましくは20%~50%である。
【0011】
いくつかの実施形態において、結晶形AのX線粉末回折パターンは、約14.8±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°および21.4±0.2°といった2θ角度値から独立して選択される回折ピークを含む。いくつかの実施形態において、結晶形AのX線粉末回折パターンは、約12.2±0.2°、12.9±0.2°、14.8±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°および21.4±0.2°といった2θ角度値から独立して選択される回折ピークを含む。いくつかの実施形態において、結晶形AのX線粉末回折パターンは、約12.2±0.2°、12.9±0.2°、14.8±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°、17.7±0.2°、18.5±0.2°、20.7±0.2°および21.4±0.2°といった2θ角度値から独立して選択される回折ピークを含む。いくつかの実施形態において、結晶形AのX線粉末回折パターンは、基本的に図1と一致する。
【0012】
好ましくは、前記充填剤は、デンプン、スクロース、微結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、マンニトール、ラクトース、アルファ化デンプン、グルコース、マルトデキストリン、シクロデキストリン、セルロース、ケイ化微結晶セルロース、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記充填剤の質量百分率が20%~90%であり、好ましくは30%~80%である。好ましくは、前記充填剤の平均粒子径が100μm~200μmである。より好ましくは、前記充填剤の平均粒子径が原薬の平均粒子径と一致し、これにより、製品の混合均一性を確保してプロセスの拡大に有利である。
【0013】
より好ましくは、前記充填剤は、微結晶セルロース、または、微結晶セルロースとコロイド状二酸化ケイ素の混合物であり、あるいは、さらに無水リン酸水素カルシウムを添加する。さらに好ましくは、前記充填剤は、微結晶セルロースであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記微結晶セルロースの質量百分率が30%~80%である。
【0014】
好ましくは、前記崩壊剤は、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロース、メチルセルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記崩壊剤の質量百分率が0.5%~5%であり、好ましくは1%~3%である。より好ましくは、前記崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
【0015】
好ましくは、前記湿潤剤はドデシル硫酸ナトリウムであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記ドデシル硫酸ナトリウムの質量百分率が0%~5%であり、好ましくは0.5%~1.0%である。
【0016】
好ましくは、前記流動促進剤が粉末セルロース、三ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、およびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記流動促進剤の質量百分率が0.1%~20%であり、好ましくは0.1%~0.5%である。より好ましくは、前記流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素である。
【0017】
好ましくは、前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記潤滑剤の質量百分率が0.1%~2%であり、好ましくは0.3%~1%である。より好ましくは、前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである。
【0018】
好ましくは、前記粘着剤は、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、スクロースおよびそれらの任意の組み合わせから選ばれるものであり、かつ、前記経口カプセル用組成物の総質量に対する前記粘着剤の質量百分率が0~10%であり、好ましくは0~5%である。より好ましくは、前記粘着剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0019】
好ましくは、前記カプセルシェルは、ゼラチンカプセルシェルである。
【0020】
本発明におけるカプセルは、中間体の流動性がよく、造粒せずに直接混合した後の充填に適するため、プロセス全体が簡潔化され、製品のバイオアベイラビリティに対する製剤プロセスの影響が軽減される。かつ、前記カプセル用組成物は、満足の製品安定性、バイオアベイラビリティ基準を満たす溶出率特性、製造装置と一致する調製技術と合理的な製造コストが得られる。
【0021】
もう一つの態様において、本発明は、
ザヌブルチニブ、崩壊剤、湿潤剤および一部の充填剤を予備混合して予備混合料を得、そして篩にかけて第1混合物を得るステップ(1)、
流動促進剤および残りの充填剤を篩にかけて、ステップ(1)に得られた第1混合物に加え混合して第2混合物を得るステップ(2)、
潤滑剤を篩にかけて、ステップ(2)に得られた第2混合物に加え、混合して、最終混合物を得るステップ(3)、および、
ステップ(3)に得られた最終混合物をカプセルシェルに充填して前記の経口カプセルを得るステップ(4)、
を含む、ザヌブルチニブ経口カプセルを調製する方法を提供する。
【0022】
好ましくは、コニカル造粒機を使用して前記篩にかけることを行う。
【0023】
好ましくは、ステップ(1)における予備混合は10rpm~25rpmの回転数で2分間~10分間を行い、かつ篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は1.0mm~2.5mmである。
【0024】
好ましくは、ステップ(1)における前記第1混合物は、前記予備混合料を10rmp~25rmpの回転数で40分間~15分間混合して得る。
【0025】
好ましくは、ステップ(2)における前記混合は、10rmp~20rmpの回転数で3分間~5分間行う。
【0026】
好ましくは、ステップ(2)における前記篩にかけることは、550rmp~650rmpの回転数で行い、かつ篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は1.0mm~2.5mmである。
【0027】
好ましくは、ステップ(3)における混合は、10rpm~15rpmの回転数で3分間~6分間を行い、かつ篩にかけることに使用されるスクリーンの孔径は35mm~45mmである。
【0028】
経口カプセルの調製方法において、ステップ(1)~(3)における混合が不十分である場合、原薬が混合粉末に偏在分布になり、ステップ(1)~(3)における混合が過剰になると、原薬と補助料の層状化や偏析が起こり、製品の品質に影響を及ぼす。
【0029】
好ましくは、ザヌブルチニブ経口カプセルを調製する方法は、下記のステップを含む。
【0030】
ザヌブルチニブ、崩壊剤、湿潤剤および一部の充填剤を20rpmの回転数で3分間混合して予備混合物を得、篩にかけて、使用されるスクリーンの孔径は1.5mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、20rpmの回転数で20分間混合し、または12rmpの速度で35分間混合して、第1混合物を得るステップ(1)、
流動促進剤および残りの充填剤を篩にかけ、使用されるスクリーンの孔径は1.5mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、篩にかけた物料をステップ(1)に得られた第1混合物に加え、20rpmの回転数で5分間混合して、第2混合物を得るステップ(2)、
硬質潤滑剤を40メッシュの篩にかけ、ステップ(2)に得られた第2混合物に加え、そして20rpmの回転数で5分間混合して、最終混合物を得るステップ(3)、および、
ステップ(3)に得られた最終混合物をカプセルシェルに充填して前記経口カプセル(4)を得るステップ(4)。
【0031】
好ましくは、ザヌブルチニブ経口カプセルを調製する方法は、下記のステップを含む。
【0032】
ザヌブルチニブ、崩壊剤、湿潤剤および一部の充填剤を12rpmの回転数で5分間混合して予備混合物を得、篩にかけて、使用されるスクリーンの孔径は1.9mmまたは2.0mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、20rpmの回転数で20分間混合し、または12rmpの速度で35分間混合して、第1混合物を得るステップ(1)、
流動促進剤および残りの充填剤を篩にかけ、使用されるスクリーンの孔径は1.9mmまたは2.0mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、篩にかけた物料をステップ(1)に得られた第1混合物に加え、12rpmの速度で5分間混合して、第2混合物を得るステップ(2)、
硬質潤滑剤を40メッシュの篩にかけ、ステップ(2)に得られた第2混合物に加え、そして12rpmの速度で5分間混合して、最終混合物を得るステップ(3)、および、
ステップ(3)に得られた最終混合物をカプセルシェルに充填して前記経口カプセルを得るステップ(4)。
【0033】
好ましくは、前記混合ホッパーのロード量が、混合ホッパーの体積の30~70%である。
【0034】
本発明の前述した方法は、粉末を直接混合してカプセルを充填するため、この方法には造粒工程を有せず、プロセス全体のステップが簡潔化され、製品のバイオアベイラビリティに対する製剤プロセスの影響が軽減され、かつ、原薬の結晶形は、プロセス中に変更しない。
【0035】
本発明の前述した方法は、まず、原薬を補助料と予備混合することにより、原薬の流動性が悪く、保管中に凝集しやすく、原薬を単独的に篩にかけるのが難しいという問題を効果的に解決できる。また、予備混合後の篩にかけることは、原薬の凝集塊を粉砕し、最終的には薬剤含有量の均一性を確保することができる。さらに、原薬と補助料をバッチで均一に混合することで、製品の含有量と含有量の均一性を向上させることができる。また、過度でない潤滑剤の混合条件などの合理的な製剤プロセスパラメータでなければ、製品の溶出率を保証できることができない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】ザヌブルチニブ原薬のXRPD図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
技術的用語
特に明記しない限り、本発明で使用される技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0038】
本発明で使用される「含む」、「含有」という用語またはそれらの文法的変形は、組成物および方法がリストされた要素を含み、かつ他の要素を除外しないことを示す。
【0039】
明確な反対指示がない限り、本明細書で引用されているすべての範囲は、「含む」という特性を有する。すなわち、前記範囲には、前記範囲の上限と下限の値、およびその間のすべての値が含まれる。例えば、本明細書に記載の温度範囲、パーセンテージ、当量範囲などは、前記範囲の上限および下限、ならびにそれらの間の連続間隔内の任意の値を含む。
【0040】
本発明における組成物は、活性成分と他の化学成分との混合物を含む。
【0041】
本発明に記載の“任意的(に)”は、選択すること、もしくは、選択しないことを示し、たとえば、任意的な粘着剤は、粘着剤を含有するか、もしくは、粘着剤を含有しないことを示す。
【実施例
【0042】
以下の実施例は、当業者が本発明をより全面的に理解するのを助けることができるが、決して本発明を限定するものではない。下記の補助料はすべて市販品として入手できる。
【0043】
実施例1
ザヌブルチニブ経口カプセルの調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りである。
調製方法:
(1)ザヌブルチニブ、ドデシル硫酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび60.28%の微結晶セルロースを混合ホッパーに入れ、20rpmの回転数で3分間混合し、予備混合した物料に対してコニカルふるい機によって篩にかけ、使用されたスクリーンの孔径は1.5mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、篩にかけた後の物料を、混合ホッパーに移し、そして20rpmの回転数で20分間混合した。
(2)残りの微結晶セルロースをコロイド状二酸化ケイ素と共に篩をかけ、使用されたスクリーンの孔径は1.5mmであり、造粒機の回転数は600rpmであり、篩にかけた物料を混合ホッパーに移し、そして20rpmの回転数で5分間混合した。
(3)ステアリン酸マグネシウムを40メッシュの篩にかけて混合ホッパーに加え、そして20rpmの回転数で5分間混合した。
(4)得られた混合粉末をゼラチン中空カプセルシェルに充填し、充填量360mgの経口カプセルを得た。
【0044】
実施例1の最終混合粉末は、流動性が良く,分散性が均一で、カプセルの充填に満たすことができる。
また、混合プロセスの研究において、混合粉末のXRPD測定を行った結果、ザヌブルチニブの結晶形は、プロセスにおいて変更しなかった。
累積薬物溶出率(インビトロ溶出)測定:インビトロ溶出試験は、自動サンプリング溶出装置で測定し、中国薬局方(Chinese Pharmacopoeia)0931「溶出率」を選択してバスケット法を使用し、自動サンプリング溶出装置は、水バス温度37±0.5℃,回転数100rpmを設定し、0.5%ドデシル硫酸ナトリウムを含有する0.1N塩酸を溶出媒体として選択し用い、体積は900mLであった。それぞれ10min、15min、30min、45min、60minでサンプルを採取し、すべてのサンプルを0.45μm膜ろ過し、サンプル溶出率測定方法に従って測定かつ分析を行った。実施例1のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記の溶媒媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超え、速やかな放出という要求に満たす。
【0045】
実施例2
ザヌブルチニブ経口カプセルの調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りであった。
実施例1を照らして類似する方法で目的経口カプセルを調製した。実施例1の方法を照らして累積薬物溶出率(インビトロ溶出)を測定した。実施例2のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記溶出媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超えた。
【0046】
実施例3
ザヌブルチニブ経口カプセルの調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りであった。
実施例1を照らして類似する方法で目的経口カプセルを調製した。実施例1の方法を照らして累積薬物溶出率(インビトロ溶出)を測定した。実施例3のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記溶出媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超えた。
【0047】
実施例4
ザヌブルチニブ経口カプセルの調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りであった。
実施例1を照らして類似する方法で目的経口カプセルを調製した。実施例1の方法を照らして累積薬物溶出率(インビトロ溶出)を測定した。実施例4のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記溶出媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超えた。
【0048】
実施例5
ザヌブルチニブ経口カプセルの調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りであった。
実施例1を照らして類似する方法で目的経口カプセルを調製した。実施例1の方法を照らして累積薬物溶出率(インビトロ溶出)を測定した。実施例5のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記溶出媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超えた。
【0049】
実施例6
ザヌブルチニブ経口カプセル的調製
1粒のカプセルの配合は、以下の通りであった。
実施例1を照らして類似する方法で目的経口カプセルを調製した。実施例1の方法を照らして累積薬物溶出率(インビトロ溶出)を測定した。実施例6のザヌブルチニブ経口カプセルは、前記溶出媒体において、30minの溶出率(%)が85%を超えた。
前述のように、本発明を一般的な説明、具体的な実施形態および試験を通じて詳細に説明した。本発明の要旨から逸脱することなく行われた修正または改善は、いずれも、本発明の請求の範囲内に属する。
図1
【国際調査報告】