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特表2022-538255一次および二次濾過要素を備える濾過システムならびにこのような濾過システムの二次濾過要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】一次および二次濾過要素を備える濾過システムならびにこのような濾過システムの二次濾過要素
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/24 20060101AFI20220825BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20220825BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B01D46/24 B
B01D46/24 Z
F02M35/16 J
F02M35/16 R
F02M35/024 501B
F02M35/024 501A
F02M35/024 501G
F02M35/024 501J
F02M35/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576844
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2020067180
(87)【国際公開番号】W WO2020260159
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】19182956.3
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アラゴウダ、バラテッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニーフ、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】シュルト、ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ブルギナ ラヴィプラカーシュ、ディープティ
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、ムリドゥル
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA03
4D058JA10
4D058KA03
4D058KA13
4D058KA27
4D058KB11
4D058KC32
4D058KC43
4D058LA01
4D058SA07
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(110)と、ハウジング壁(112)に形成された流入口(102)と、ハウジング壁(120)に形成された流出口(108)と、ハウジング(110)に収容された一次濾過要素(50)および二次濾過要素(10)と、を有する濾過システム(100)に関する。二次濾過要素(10)は、スタンドパイプ(150)上に、一次濾過要素(50)より下流側に配置される。スタンドパイプ(150)は、ハウジング壁のうちの1つ(120)に固定して接続され、スタンドパイプ(150)の内部は、流出口(108)と流体接続される。二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)を有する本体(36)を形成する濾材(16)を含む。二次濾過要素(10)およびスタンドパイプ(150)は、接続要素(22、156)によって、それぞれの頂部領域(12、152)のうち一方で、互いに接続される。二次濾過要素(10)およびスタンドパイプ(150)は、スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、二次濾過要素(10)をスタンドパイプ(150)上に配置するように構成された相互自己位置決め要素(30、180)を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(110)と、ハウジング壁(112)に形成された流入口(102)と、ハウジング壁(120)に形成された流出口(108)と、前記ハウジング(110)に収容された一次濾過要素(50)および二次濾過要素(10)と、を有する濾過システム(100)であって、
前記二次濾過要素(10)は、スタンドパイプ(150)上に、前記一次濾過要素(50)より下流側に配置され、前記スタンドパイプ(150)の第1の軸方向端部は、前記ハウジング壁のうちの1つ(120)に固定して接続され、前記スタンドパイプ(150)の内部は、前記流出口(108)と流体接続され、前記スタンドパイプ(150)の頂部領域(152)は、前記第1の軸方向端部の軸方向反対側に配置され、前記二次濾過要素(10)の接続要素(22)に接続するように構成された1つ以上の接続要素(156)を含み、
前記二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)を有する本体(36)を形成する濾材(16)を含み、
前記二次濾過要素(10)は、頂部領域(12)にエンドキャップ(20)を含み、前記エンドキャップ(20)は、前記スタンドパイプの接続要素(156)に接続するように構成された1つ以上の接続要素(22)を含み、
前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)は、前記接続要素(22、156)によって、互いに接続され、
前記二次濾過要素(10)のエンドキャップ(20)および前記スタンドパイプ(150)は、前記スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、前記二次濾過要素(10)を前記スタンドパイプ(150)上に配置するように構成された相互自己位置決め要素(30、180)を有する濾過システム。
【請求項2】
前記相互自己位置決め要素(30、180)は、ガイド面(182)と、突起要素(32)と、を含み、前記ガイド面(182)は、前記突起要素(32)を初期位置から、前記二次濾過要素(10)が前記スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置にある最終位置に誘導するように構成される請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記相互自己位置決め要素(30、180)は、前記スタンドパイプ(150)および前記二次濾過要素(10)のうち一方の外面に配置された輪郭(184)と、前記スタンドパイプ(150)および前記二次濾過要素(10)のうち他方の内面に配置された対の輪郭と、を含む請求項1または2に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記スタンドパイプ(150)の頂部領域(152)は、前記二次濾過要素(10)のエンドキャップ(20)を収容するための収容部(160)を含み、前記収容部(160)は、前記長手方向軸(L)に沿った底部セグメント(164)および頂部セグメント(162)を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記二次濾過要素(10)のエンドキャップ(20)は、前記スタンドパイプ(150)の内部に延在するように意図された凹部(24)を有し、特に前記凹部(24)は、前記収容部(160)内で前記底部セグメント(164)に向かって延在する請求項1~4のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記底部セグメント(164)は、少なくとも1つの相互自己位置決め要素(180)を提供し、前記頂部セグメント(162)は、前記少なくとも1つの相互自己位置決め要素(180)を有さない請求項4または5に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記収容部(160)の頂部セグメント(162)は、前記収容部(160)内の深さ(168)を有し、前記深さ(168)は、前記突起要素(32)の長手方向最外面の長手方向クリアランス(90)以上である請求項4~6のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)を接続するための前記接続要素(22、156)は、スナップフィット要素、特に1つ以上のスナップビーム(23)および該スナップビーム(23)用の係合要素(157)を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記スナップビーム(23)の長さは、前記突起要素(32)が最終位置に到達した時または後に、前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)の前記接続要素(22、156)が接続するように、前記収容部(160)の長手方向範囲に調整される請求項1~8のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記二次濾過要素(10)が最終位置またはその近傍にある時に、前記突起要素(32)を受ける前記ガイド面(182)に、ポケット(186)が配置される請求項2~9のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項11】
前記二次濾過要素(10)が最終位置にある時に、前記突起要素(32)を受ける前記ガイド面(182)に、ノッチ(188)が配置される請求項2~9のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の濾過システム(100)のための二次濾過要素(10)であって、
前記二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)、特に溶接シーム(18)を有する本体(36)を形成する濾材(16)と、頂部領域(12)に位置するエンドキャップ(20)と、を含み、
前記エンドキャップ(20)は、前記二次濾過要素(10)を前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)に接続するように構成された1つ以上の接続要素(22)を含み、
前記エンドキャップ(20)は、前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、前記二次濾過要素(10)を前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)上に配置するように構成された自己位置決め要素(30)を有する二次濾過要素。
【請求項13】
前記二次濾過要素(10)のエンドキャップ(20)は、ポット形状を有し、前記自己位置決め要素(30)は、前記濾材(16)の内部に延在する請求項12に記載の二次濾過要素。
【請求項14】
前記エンドキャップ(20)は、軸方向(L)に延びる突起要素(32)を含む請求項12または13に記載の二次濾過要素。
【請求項15】
前記突起要素(32)は、前記エンドキャップ(20)の中心軸に対して、前記エンドキャップ(20)上で偏心して配置される請求項13に記載の二次濾過要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内燃機関のエアフィルタシステムのための、一次および二次濾過要素を備える濾過システム、ならびに、このような濾過システムの二次濾過要素に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車、商用車、作業機械、農業用車両、定置式発電機などの内燃機関の燃焼吸気を制御するためにエアフィルタを使用することが知られている。このようなエアフィルタは、一般に、ハウジング、吸気口、および排気口を有し、取り外し可能かつ交換可能なメインまたは一次濾過要素がハウジング内に配置されている。ハウジングには、メンテナンス時にハウジング内の濾過要素にアクセスするため、メンテナンスカバーが設けられている場合が多い。このため、濾過要素を取り外して、新しい濾過要素に交換したり、オーバーテイクして再利用したり、以前使用し、オーバーテイクした濾過要素に交換することができる。
【0003】
エアフィルタの濾過要素は、通常、一定の動作時間後に交換される。使用時に濾過要素に蓄積した塵埃の負荷に応じて、フィルタの耐用年数は、例えば建設機械で使用する場合は数日、塵埃の少ない環境では最大数か月になる。
【0004】
特に濾過要素を頻繁に交換する場合は、ハウジング内の濾過要素を確実にプロセスプルーフでシールすることが重要である。シールは、耐熱性があり、振動試験を実施したものがよい。強い振動にさらされるシステムやデバイスでも、濾過要素のシールを確保する必要がある。しかしながら、同時に、濾過要素自体は、問題なく熱廃棄するため、金属要素を含まないことが好ましい。一次濾過要素を交換する際、内燃機関のエアクリーナーシステムの清浄側を汚れ粒子の侵入から保護するため、一次濾過要素の交換時もフィルタハウジングに留まる、いわゆる「二次濾過要素」が使用される。二次濾過要素は、通常、濾過要素の清浄側、例えば一次濾過要素の内側に配置され、濾過システムのハウジングに接続される。二次濾過要素自体も濾材を有しており、空気流中の残留汚れ粒子をフィルタ出口から遠ざける。
【0005】
二次濾過要素自体は、汚れ粒子の負荷に応じて、任意に交換することができる。なお、二次濾過要素の寿命は、一次濾過要素の寿命よりもはるかに長い。
【0006】
米国特許第8,480,778号明細書には、エアフィルタシステムが開示されており、一端がクローズドエンドキャップによって閉じられ、他端が開いた中空円筒として構成された濾材からなる二次濾過要素が開示されている。開放端により、濾過要素をフィルタハウジングに接続された支持管上でスライドさせることができ、これにより、濾過システムの出口を汚れ粒子から保護することができる。一次濾過要素は、支持管の自由端に置かれ、したがって二次濾過要素のエンドキャップに置かれる。一次濾過要素は二次濾過要素に取り付けられる。他のエアフィルタシステムは、米国特許出願公開第2018/036667号明細書や国際公開第2018/111434号から知られる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、濾過システム内の質量流量センサが信頼性のある動作条件を有するように、定められた流体の流れ特性を保証する二次濾過要素を収容する濾過システムを提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、このような濾過システムのための二次濾過要素を提供することである。
【0009】
上述の目的は、本発明の一態様による、ハウジングと、ハウジング壁にそれぞれ形成された流入口および流出口と、一次濾過要素および二次濾過要素と、を有する濾過システムであって、二次濾過要素は、スタンドパイプ上に、一次濾過要素より下流側に配置され、スタンドパイプは、ハウジング壁のうちの1つに固定して接続され、スタンドパイプの内部は、流出口と流体接続され、二次濾過要素は、長手方向軸に沿った少なくとも1つの長手方向シームを有する本体を形成する濾材を含み、二次濾過要素は、頂部領域にエンドキャップを含み、二次濾過要素およびスタンドパイプは、接続要素によって、それぞれの頂部領域のうちの一方で互いに接続され、二次濾過要素およびスタンドパイプは、スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、二次濾過要素をスタンドパイプ上に配置するように構成された相互自己位置決め要素を有する濾過システム、ならびに、本発明の別の態様による、このような濾過システムの二次濾過要素によって達成される。
【0010】
本発明の有利な実施形態および利点は、更なる特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される。
【0011】
本発明の第1の態様によると、ハウジングと、ハウジング壁に形成された流入口と、ハウジング壁に形成された流出口と、ハウジングに収容された一次濾過要素および二次濾過要素と、を有する濾過システムが提案される。二次濾過要素は、スタンドパイプ上に、一次濾過要素より下流側に配置される。スタンドパイプは、ハウジング壁のうちの1つに固定して接続され、スタンドパイプの内部は、流出口と流体接続される。二次濾過要素は、少なくとも1つの長手方向シームを有する本体を形成する濾材を含む。二次濾過要素は、頂部領域にエンドキャップを含む。二次濾過要素およびスタンドパイプは、接続要素によって、それぞれの頂部領域のうちの一方で互いに接続される。二次濾過要素およびスタンドパイプは、スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、二次濾過要素をスタンドパイプ上に配置するように構成された相互自己位置決め要素を有する。
【0012】
好ましい実施形態によると、スタンドパイプの第1の軸方向端部は、ハウジング壁に接続され、反対側に位置するスタンドパイプの第2の軸方向端部は、スタンドパイプの頂部領域を画定する。好ましくは、スタンドパイプの接続要素は、スタンドパイプの頂部領域に位置する。さらに好ましくは、二次濾過要素の1つ以上の接続要素は、二次濾過要素のエンドキャップに設けられ、エンドキャップおよびスタンドパイプに設けられた接続要素を接続することで、二次濾過要素およびスタンドパイプが相互に接続される。
【0013】
有利には、スタンドパイプをハウジングの底壁に固定して接続することで、長手方向ストラットの位置が既知となる。スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して明確な回転位置に二次濾過要素を配置することで、濾材の1つ以上の長手方向シームによる流れ特性の乱れを低減または排除することができる。シームは、1つの特定のストラットの前、または2つの長手方向ストラットの間に放射状に配置することができる。その結果、スタンドパイプ上の二次濾過要素の1つ以上のシームの位置も既知となる。これにより、内燃機関用の好ましいエアフィルタシステムにおいて、流体、すなわち空気の流れ特性が質量流量センサの領域で既知となり、質量流量センサの測定値が正確となるように、スタンドパイプの長手方向ストラットおよび二次濾過要素のシームを質量流量センサに対して配置することができる。また、二次濾過要素およびスタンドパイプの相互自己位置決め要素により、二次濾過要素の濾材の長手方向シームを特定の位置に置くことが可能になる。その結果、流れ特性に対する長手方向シームが流れを乱す影響を低減または排除することができる。さらに、二次濾過要素を交換する際、質量流量センサに対する1つ以上のシームの再現可能な配置が可能となる。
【0014】
また、このような濾過システムの更なる利点は、一次濾過要素と二次濾過要素の両方の安全かつ安定した組み立て、ならびに、メンテナンス時の一次濾過要素、また必要に応じて二次濾過要素、の非常に経済的な交換性にある。
【0015】
二次濾過要素の濾材は、不織布から、または紙またはセルロースから、またはプラスチックとセルロースの混合繊維から形成できる。使用目的に合った材料を選択することができる。有利には、濾材は、少なくとも1つの長手方向シームを伴い、二次濾過要素の周方向に連続して設計される。例えば、濾材の平面は、対応する形状の部材に巻き付けられ、長手方向シームに沿って開放端を溶接して閉じられることで、二次濾過要素の製造に使用できる。これにより、二次濾過要素の気密性が得られる。
【0016】
好ましい実施形態によると、相互自己位置決め要素は、ガイド面と、突起要素と、を含み、ガイド面は、突起要素を初期位置から、二次濾過要素がスタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置にある最終位置に誘導するように構成される。相互自己位置決め要素の適切なペアを選択することができる。
【0017】
好ましい実施形態によると、相互自己位置決め要素は、スタンドパイプおよび二次濾過要素のうち一方の外面に配置された輪郭と、スタンドパイプおよび二次濾過要素のうち他方の内面に配置された対の輪郭と、を含む。好ましくは、ハウジングの底壁にスタンドパイプを位置決めして取り付けるために、スタンドパイプの多角形状の輪郭を用いることができる。また、二次濾過要素に適切な対の輪郭を設けることで、スタンドパイプ上に二次濾過要素を位置合わせする際にも、このような輪郭を使用することができる。
【0018】
好ましい実施形態によると、スタンドパイプの頂部領域は、二次濾過要素のエンドキャップを収容するための収容部を含み、収容部は、長手方向軸に沿った底部セグメントおよび頂部セグメントを有する。収容部は、2つの構成要素を確実に接続するため、二次濾過要素のエンドキャップに沿った形状であってもよい。
【0019】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素のエンドキャップは、スタンドパイプの内部に延在するように意図された凹部を有し、特に凹部は、収容部内で底部セグメントに向かって延在する。これにより、二次濾過要素とスタンドパイプの安全で確実な組み立てが可能になる。特に、底部セグメントは、少なくとも1つの相互自己位置決め要素を提供し、頂部セグメントは、少なくとも1つの相互自己位置決め要素を有さなくてもよい。有利には、エンドキャップは、収容部内の自己位置決め要素と接触せずに、少なくとも部分的に頂部セグメントに挿入され、安全に最終位置に誘導される。
【0020】
好ましい実施形態によると、収容部の頂部セグメントは、収容部内の深さを有し、この深さは、突起要素の長手方向最外面の長手方向クリアランス以上である。好ましくは、エンドキャップは、収容部内に導入され、収容部内で傾くことなく最終位置に移動する。特に、エンドキャップの接続要素は、収容部に引っ掛かることなく挿入される。
【0021】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素およびスタンドパイプを接続するための接続要素は、スナップフィット要素、特に1つ以上のスナップビームおよび該スナップビーム用の係合要素を含む。これにより、確実な接続を確立することができる。構成要素の寸法は、実際の濾過システムのニーズに容易に適合させることができる。
【0022】
好ましい実施形態によると、スナップビームの長さは、突起要素が最終位置に到達した時または後に、二次濾過要素およびスタンドパイプの接続要素が接続するように、収容部の長手方向範囲に調整される。これにより、スタンドパイプ上の二次濾過要素の回転位置と軸方向位置を1回のジョイント取り付け手順で確保できる。
【0023】
好ましい実施形態によると、ガイド面は、少なくとも1つの、好ましくは螺旋状の傾斜面を含む。好ましくは、ガイド面は2つの螺旋状傾斜部を含み、これらは頂部位置から最小軸方向位置まで逆回転方向に延びる。
【0024】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素が最終位置またはその近傍にある時に、突起要素を受けるガイド面に、ポケットが配置される。これにより、突起要素を確実に固定することができる。
【0025】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素が最終位置にある時に、突起要素を受けるガイド面に、ノッチが配置される。これにより、突起要素を確実に固定することができる。また、スタンドパイプからの二次濾過要素の取り外しが容易になる。
【0026】
本発明の更なる態様によると、本発明の濾過システムの二次濾過要素であって、長手方向軸に沿った少なくとも1つの長手方向シーム、特に溶接シームを有する本体を形成する濾材と、頂部領域に位置するエンドキャップと、を含む二次濾過要素が提案される。エンドキャップは、二次濾過要素を濾過システムのスタンドパイプに接続するように構成された1つ以上の接続要素を含む。エンドキャップは、濾過システムのスタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、二次濾過要素を濾過システムのスタンドパイプ上に配置するように構成された自己位置決め要素を有する。
【0027】
好ましくは、二次濾過要素は円錐状であり、その直径は開放端から閉鎖端に向かって小さくなる。これにより、二次濾過要素のスタンドパイプへの組み立てが容易になる。有利には、接続要素は、スナップフィット接続の一部を構成する。したがって、接続要素は、スナップビームと、スナップビームフックを引っ掛けることができるスタンドパイプ側の対向部材とを含んでいてもよい。同様に、逆の構成も可能である。
【0028】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素のエンドキャップは、ポット形状を有し、自己位置決め要素は、濾材の内部に延在する。これにより、濾過システムのスタンドパイプへの確実な接続と位置決めが可能となる。
【0029】
好ましい実施形態によると、エンドキャップは、特に溶接、接着、スプレー、発泡成形などにより、濾材に固定して接続される。目的の用途に適した接続のタイプを選択することができる。
【0030】
好ましい実施形態によると、エンドキャップは、軸方向に延びる突起要素を含む。突起要素は、濾過システムのスタンドパイプに二次濾過要素を取り付ける際に、自己位置決め要素として使用することができる。特に、突起要素は、エンドキャップの中心軸に対して、エンドキャップ上で偏心して配置される。中心軸は、二次濾過要素の長手方向軸であり得る。突起要素は、エンドキャップの動きを誘導する手段として使用でき、したがって、スタンドパイプ上への組み立て時に二次濾過要素を誘導する手段として使用でき、スタンドパイプには、収容部内に放射状に延びるガイド面を設けることが好ましい。
【0031】
有利には、本発明の濾過システムおよび二次濾過要素は、エアフィルタとして、特に内燃機関のエアフィルタとして使用することができる。内燃機関の安全な運転は、特に質量流量センサでの空気の乱れのない流れ特性を伴う、燃焼用吸気の安全かつ好ましい濾過に基づく。上述の濾過システムは、この目的のため、経済的かつ信頼性の高い可能性を示す。有利には、この濾過システムは、粒子フィルタとして、特に内燃機関の粒子フィルタとしても使用できる。この場合も、上述した濾過要素の安全な組み立てと経済的な交換性が有利である。都合の良いことに、一次濾過要素を変更する際、二次濾過要素はハウジング内に残留し得る。これにより、濾過システムのメンテナンス時に、濾過システムの清浄側を汚れ粒子の侵入から効果的に保護することができる。
【0032】
本発明は、同時日に本特許出願と共に出願人によって提出された「一次および二次濾過要素を備える濾過システムならびにこのような濾過システムの二次濾過要素」および「一次および二次濾過要素を備える濾過システムならびにこのような濾過システムの一次濾過要素」という名称の特許出願に開示された特徴の1つまたは複数と組み合わせることができることを理解されたい。
【0033】
更なる利点は、以下の図面の説明から得られる。本発明の実施形態が図面に示される。図面、明細書、および特許請求の範囲には、多数の特徴が組み合わせられて含まれる。当業者であれば、これらの特徴を個別に検討し、組み合わせて、更なる組み合わせを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態による濾過システムの縦断面図である。
図2図1の濾過システムの分解図である。
図3】外側面に凹部を有するエンドキャップを備えた二次濾過要素の第1の実施形態を示す。
図4】外側面にノブを有するエンドキャップを備えた二次濾過要素の第2の実施形態を示す。
図5】ハウジングの底壁にスタンドパイプが取り付けられた濾過システムのハウジングの底壁を示す。
図6図3の二次濾過要素の頂部領域の縦断面図である。
図7図3の二次濾過要素の頂部領域の別の縦断面図である。
図8図3の二次濾過要素の上面図である。
図9図3の二次濾過要素のエンドキャップの内側の等角図である。
図10図3の二次濾過要素のエンドキャップの外側の等角図である。
図11図5のスタンドパイプの縦断面図であり、頂部領域の収容部内のガイド面を示す。
図12図11のスタンドパイプの長手方向軸を中心に90°回転した縦断面図であり、ガイド面のポケットを示す。
図13図11のスタンドパイプの長手方向軸を中心に180°回転した縦断面図であり、ガイド面のポケットを示す。
図14図11のスタンドパイプの頂部領域の等角上面図である。
図15図3の二次濾過要素および図5のスタンドパイプが組立時に初期接触している様子を示す詳細図である。
図16】エンドキャップの突起要素がスタンドパイプの収容部のポケットに固定された、二次濾過要素が最終位置にある組み立て後の図3の二次濾過要素および図5のスタンドパイプの詳細図である。
図17図4の二次濾過要素の頂部領域の縦断面図である。
図18図4の二次濾過要素の頂部領域の別の縦断面図である。
図19図4の二次濾過要素の上面図である。
図20図4の二次濾過要素のエンドキャップの内側の等角図である。
図21図4の二次濾過要素のエンドキャップの外側の等角図である。
図22図5に類似したスタンドパイプの縦断面図であり、頂部領域の収容部内のガイド面を示す。
図23図22のスタンドパイプの長手方向軸を中心に90°回転した縦断面図であり、ガイド面のノッチを示す。
図24図22のスタンドパイプの長手方向軸を中心に180°回転した縦断面図であり、ガイド面のノッチを示す。
図25図22のスタンドパイプの頂部領域の等角上面図である。
図26図4の二次濾過要素および図22のスタンドパイプが組立時に初期接触している様子を示す詳細図である。
図27】エンドキャップの突起要素がスタンドパイプの収容部のノッチに固定された、二次濾過要素が最終位置にある組み立て後の図4の二次濾過要素および図22のスタンドパイプの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
これらの図は単なる例示であり、限定的なものではない。図中、類似または同一の要素は、同一の参照番号で示される。
【0036】
図1は、本発明の実施形態による濾過システム100の縦断面図である。図2は、図1の濾過システム100の分解図である。
【0037】
濾過システム100は、ハウジング110と、ハウジング壁112に形成された流入口102と、底部ハウジング壁120に形成された流出口108と、を有する。本実施形態では、ハウジング110は、3つの部分、すなわち底部ハウジング壁120、流入口102を有する環状の中間ハウジング壁112、および蓋部114からなり得る。これらの部分は、例えば、クランプなどによって互いに接続される。ハウジング110には、中空円筒状の一次濾過要素50が収容される。メンテナンスまたは交換のために一次濾過要素50を取り外すため、底部ハウジング壁120からハウジング壁112、114が一体に取り外されてもよく、蓋部114のみが取り外されてもよい。
【0038】
一次濾過要素50の本体は、例えば、ひだ付きの濾材56から構成される。一次濾過要素50は、例えば、従来技術で周知のポリウレタン製の環状のエンドプレート52、54によって両端が覆われている。エンドプレート52、54の外側には、シール構造と支持リブが配置される。一次濾過要素50は、図1の太い矢印で示されるように、流体が一次濾過要素50を径方向に通過しなければならないように、底壁120と蓋部114との間に密閉して固定される。一次濾過要素50のエンドプレート54は、溝126を有する底部ハウジング壁120に収容される。一次濾過要素50を径方向に固定するために、環状の突起128が溝126に配置される。
【0039】
蓋部114は、その前面130において、ハウジング110の内部に延びる凹部138を有する。
【0040】
一次濾過要素50の内部には、二次濾過要素10が配置される。一次および二次濾過要素50、10は、長手方向軸L周りに同心円状に配置される。二次濾過要素10は、流体が流出口108に向かう途中で二次濾過要素10を通過しなければならないように、一次濾過要素50より下流側に配置される。二次濾過要素10は、底部ハウジング壁120に固定して接続されたスタンドパイプ150上に配置される。スタンドパイプ150の下部は、底部ハウジング壁120の流出口108と合流する。二次濾過要素は、長手方向Lに沿った少なくとも1つの溶接シーム18を有する本体36を形成する濾材16を含む。
【0041】
二次濾過要素10は、頂部領域12に閉じたエンドキャップ20を含み、二次濾過要素10およびスタンドパイプ150は、接続要素によってそれらの頂部領域12、152で相互に接続される。二次濾過要素10の開放端側は、底壁120の円形溝122に収容される。
【0042】
図3は、外側面に凹部24を有するエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10の第1の実施形態を示す。二次濾過要素10は、濾材16からなる本体36を有する。濾材16は、不織布材料、紙、セルロース、またはプラスチックとセルロースの混合繊維であり得る。濾材16は、少なくとも1つの長手方向シーム18を伴い、二次濾過要素10の周方向に連続して設計される。その形成されたフィルタ本体36は、底面14の直径が大きく、エンドキャップ20が取り付けられた本体36の頂部領域12の直径が小さい円錐形状を有する。好ましくは、濾材16は、周方向の溶接シーム28を介してエンドキャップ20に接続される。エンドキャップ20の凹部24は、本体36の内部に延在する。
【0043】
図4は、外側面にノブ40を有するエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10の第2の実施形態を示す。二次濾過要素10は、濾材16からなる本体36を有する。濾材16は、不織布材料、紙、セルロース、またはプラスチックとセルロースの混合繊維であり得る。濾材16は、長手方向に少なくとも1つの溶接シーム18を伴い、二次濾過要素10の周方向に連続して設計される。その形成されたフィルタ本体36は、底面14の直径が大きく、エンドキャップ20が取り付けられた本体36の頂部領域12の直径が小さい円錐形状を有する。好ましくは、濾材16は、周方向の溶接シーム28を介してエンドキャップ20に接続される。エンドキャップ20の凹部24は、本体36の内部に延在する。凹部24は、凹部24にかかる橋状のノブ40を収容している。ノブ40は、二次濾過要素10をスタンドパイプ150に取り付けるため、また、二次濾過要素10をスタンドパイプ150から取り外すために使用することができる。二次濾過要素10をその長手方向軸を中心に回すことで、二次濾過要素10を取り付けることができ、ノブ40を反対の回転方向に回すことで、二次濾過要素10をスタンドパイプ150から取り外すことができる。
【0044】
図5は、ハウジング110の底壁120にスタンドパイプ150が取り付けられた濾過システム100の底壁120を示す。スタンドパイプ150の格子状の本体は円錐状であり、長手方向ストラット170および周方向ストラット172から構成される。明確化のため、それぞれ2つのみが参照番号で示されている。
【0045】
スタンドパイプ150は、図3および図4に示されるように、二次濾過要素10のキャリアとして提供される。二次濾過要素10およびスタンドパイプ150はそれぞれ、図3図5の上部に示されるように、それらの端面の一方で互いに接続することができる相補的な接続手段を備える。これにより、一次濾過要素50(図1図2)および二次濾過要素10の安全かつ安定的な組み立て、ならびに、メンテナンス時の一次濾過要素50、また必要に応じて二次濾過要素10、の非常に経済的な交換が可能となる。二次濾過要素10は、スタンドパイプ150上に固定して配置される。二次濾過要素10の閉じたエンドキャップ20により、一次濾過要素50が取り外されている場合でも、流体が二次濾過要素10を通して吸引されても、濾過システム100の清浄側を粒子状物質から保護することができる。
【0046】
図6図10は、図3の閉じたエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10の第1の実施形態をより詳細に示す。
【0047】
図6図8は、エンドキャップ20を備えた二次濾過要素10の頂部領域12を別々の視点から示している。図6は、縦断面図であり、図7は、長手方向周りに90°回転した頂部領域12の縦断面図であり、図8は、二次濾過要素10の上面図である。図9は、二次濾過要素10のエンドキャップ20の内側の等角図であり、図10は、エンドキャップ20の外側の等角図である。
【0048】
二次濾過要素10のエンドキャップ20は、二次濾過要素10の本体36の内部に延在する閉じた下部領域26を有する凹部24を含む。本体36は、例えば溶接、接着などにより、周方向シーム28でエンドキャップ20のフランジに取り付けられた濾材からなる。
【0049】
エンドキャップ20は、2つの部分、すなわち大きな直径を有するフランジ付きの上部セグメント21と、小さな直径を有する下部セグメント26と、を含むポット形状を有する。上部セグメント21と下部セグメント26の境界には、セグメント21、26の異なる直径により、段差25が形成される。下部セグメント26は、境界面に円錐部を有し、閉じた底部27に向かってテーパー部を有する。底部27の外側には、例えば、スナップビーム23として構成された接続要素22が長手方向にさらに延びる。接続要素22は、スタンドパイプ150の対応する1つ以上の接続要素と連携するように構成される。
【0050】
凹部24内には、例えば、突起要素32として構成された自己位置決め要素30が配置される。突起要素32は、上部セグメント21と下部セグメント26の間の境界面の段差25から、下部セグメント26のテーパー部の始点に向かって延びる。エンドキャップ20の上面から見た時、突起要素32は、上部セグメント21と下部セグメント26の間の段差25で窪みを形成し、下部セグメント26に向かって開口していてもよい。
【0051】
エンドキャップ20は、スタンドパイプ150(図5)の内部に延びるように構成される。特に、エンドキャップ20の凹部24は、スタンドパイプ150の収容部160の内部に延びる。スタンドパイプ150上の二次濾過要素10の取り付け位置では、軸方向接続のため、接続要素22は、対となる要素156と連携し、自己位置決め要素30(突起要素32)は、スタンドパイプ150の対となる自己位置決め要素180と連携する。
【0052】
図11図14は、図6図10に記載されたエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10と連携するスタンドパイプ150の第1の実施形態を示す。図11は、スタンドパイプ150の縦断面図であり、図12は、長手方向軸を中心に90°回転した縦断面図であり、図13は、長手方向軸を中心に180°回転した縦断面図であり、図14は、スタンドパイプ150の頂部領域164の等角上面図である。
【0053】
スタンドパイプ150は、スタンドパイプ150の頂部領域152の収容部160内に自己位置決め要素180としてガイド面182を提供する。ガイド面182は、収容部160の外殻上に設けられ、頂部軸方向位置から最小軸方向位置まで両側で傾斜する。したがって、ガイド面182は、少なくとも1つの、好ましくは螺旋状の傾斜面を含むと説明することができる。好ましくは、ガイド面は2つの傾斜部を含み、これらは頂部位置から最小軸方向位置まで逆回転方向に延びる。ガイド面182が径方向内側に延びることで、突起要素32はガイド面182上を移動することができる。好ましくは、最小軸方向位置には、二次濾過要素10の突起要素32(図6図10)を収容するように構成されたポケット186が配置される。好ましくは、ポケット186は、ガイド面182の最大点190の真向いに配置される。これは、好ましくは2つの傾斜部がそれぞれ対向端からポケットの位置で終わることを意味する。
【0054】
収容部160の輪郭は、二次濾過要素10のエンドキャップ20の外輪郭に対応する。収容部160は、二次濾過要素10の接続要素22のための接続要素156を端部に含む開口底部を有する。すなわち、係合要素157として、スナップビーム23を収容部160の底部に引っ掛けることができ、スタンドパイプ150と二次濾過要素10の間のスナップフィットが形成される。収容部160は、スナップビーム23の導入が容易になるように、その底部領域が漏斗状になっている。
【0055】
スタンドパイプ150の頂部領域152の表面には、多角形状の径方向外面を有するリングが配置される。多角形状の輪郭184により、スタンドパイプ150を、特定の位置で、ハウジング110(図1図2)の底壁120に取り付けることができる。特に、ハウジングの底壁に対して明確に定められた回転位置に、長手方向ストラット170を配置することができる。これにより、内燃機関用のエアフィルタシステムにおいて、流体、すなわち空気の流れ特性が質量流量センサの領域で既知となり、質量流量センサの測定値が正確となるように、スタンドパイプ150の長手方向ストラット170を質量流量センサに対して配置することができる。また、二次濾過要素およびスタンドパイプ150の相互自己位置決め要素30、180により、二次濾過要素の濾材の長手方向シームを特定の位置に置くことが可能になる。その結果、流れ特性に対する溶接シームが流れを乱す影響を低減または排除することができる。
【0056】
図示されない実施形態では、輪郭184は、スタンドパイプ150上の二次濾過要素10の特定の位置決めのための自己位置決め要素として使用され得る(不図示)。六角形の輪郭により、スタンドパイプ150上の6つの特定の回転位置で二次濾過要素10を配置することができる。この場合、二次濾過要素10のエンドキャップ20は、対応する輪郭に沿った形状を有する。
【0057】
図15および図16には、図3の第1の実施形態による二次濾過要素10が、自己位置決め方式でスタンドパイプ150にどのように取り付けられるかが示されている。図15は、図3の二次濾過要素10および図5のスタンドパイプ150が組立時に初期接触している様子を示す詳細図である。図16は、エンドキャップ20の突起要素32がスタンドパイプ150の収容部160のポケット186に固定された、二次濾過要素10が最終位置にある組み立て後の二次濾過要素10およびスタンドパイプ150の詳細図である。
【0058】
二次濾過要素10をスタンドパイプ150に取り付けるため、二次濾過要素10の本体36がスタンドパイプ150上に置かれ、エンドキャップ20がスタンドパイプ150の収容部160に近接するまでスタンドパイプ150に沿って移動される。
【0059】
エンドキャップ20は、最初にスナップビーム23により、収容部160の漏斗状の底部領域に向かって収容部160に挿入される。エンドキャップ20は、突起要素32がガイド面182に当接するまで、収容部160に導入することができる。突起要素32の長手方向範囲90は、収容部160の頂部セグメント162の深さ168よりも小さい。したがって、段差25が収容部160内に確実に位置するように、エンドキャップの上部セグメント21を頂部セグメント162に部分的に挿入することができる。その結果、エンドキャップ20を傾けることなく、安全に収容部160内にさらに誘導することができる。
【0060】
ガイド面182は、収容部160の底部セグメント164に1つの最大点190を有し、最大点190の両側で傾斜している。ガイド面182の最大点190は、収容部160の頂部セグメント162と底部セグメント164との境界面にある。エンドキャップ20を長手方向軸Lを中心にいずれかの方向に回すことにより、突起要素32がガイド面182のポケット186に到達するまで突起要素32がガイド面182上で誘導されるため、エンドキャップ20が収容部160内でさらに移動する。
【0061】
ここで、突起要素32がポケット186に収容されるまでエンドキャップ20が軸方向に動かされる。スナップビーム23も軸方向下向きに移動するため、漏斗状の底部セグメント164の縁部をスナップすることができる。この縁部は、スタンドパイプ150の係合要素157である。スナップビーム23は、エンドキャップ20をスタンドパイプ150に安全に固定する。エンドキャップ20は、エンドキャップ20を引っ張って回すことで、反対の移動順序でスタンドパイプ150から取り外すことができる。
【0062】
エンドキャップ20を回すために、ハンドルなどの工具をエンドキャップ20の凹部24に付けてもよい。
【0063】
突起要素32がポケット186に収容された状態で、二次濾過要素10は、スタンドパイプ150に対して明確に定められた回転位置に正確に配置される。したがって、長手方向の溶接シーム(不図示)は、スタンドパイプ150の長手方向ストラット170に対して、ひいては濾過要素に近い特定位置に配置された質量流量センサに対して、明確な位置に置かれる。好ましくは、スナップビーム23のフックは、エンドキャップ20にある程度の力が加えられた時に緩むことができるように、傾斜面を有する。
【0064】
スナップビーム23を備えたエンドキャップ20の長さは、収容部160の深さに一致し、このため、スナップビーム23は、突起要素32の端部がポケット186内に到達した状態で、収容部160の漏斗状の端部、すなわち、係合要素157と接触する。エンドキャップ20の段差25は、収容部160内のガイド面182の最大点190上に置かれる。
【0065】
図17図21は、図4の閉じたエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10の第2の実施形態をより詳細に示す。
【0066】
図17図19は、エンドキャップ20を備えた二次濾過要素の頂部領域12を別々の視点から示している。図17は、縦断面図であり、図18は、長手方向周りに90°回転した頂部領域12の縦断面図であり、図19は、二次濾過要素10の上面図である。図20は、二次濾過要素10のエンドキャップ20の内側の等角図であり、図21は、エンドキャップ20の外側の等角図である。
【0067】
その特徴は、第1の実施形態の二次濾過要素10と実質的に同じである。これに関して、第1の実施形態の説明が参照される。
【0068】
第1の実施形態と異なり、エンドキャップ20は、凹部24内に橋状のノブ40を有している。ノブ40により、スタンドパイプ150への取り付けおよびスタンドパイプ150からの取り外し時に、二次濾過要素10を回転および操作することが容易になる。二次濾過要素10を操作するための追加のツールは不要である。
【0069】
凹部24内のノブ40をより安定化するため、凹部24の下部セグメント26のテーパー領域は、二次濾過要素10の第1の実施形態におけるテーパー領域と比べ、より大きな長手方向範囲を有する。
【0070】
図22図25は、図17図19に記載されたエンドキャップ20を備えた二次濾過要素10と連携する図5のスタンドパイプと類似したスタンドパイプ150の第2の実施形態を示す。
【0071】
図22は、スタンドパイプ150の頂部領域152の収容部160内のガイド面182を示す、スタンドパイプ150の縦断面図である。図23は、スタンドパイプ150の長手方向軸Lを中心に90°回転した縦断面図であり、図24は、長手方向軸Lを中心に180°回転した縦断面図であり、図25は、スタンドパイプ150の頂部領域152の等角上面図である。
【0072】
その特徴は、第1の実施形態のスタンドパイプ150と実質的に同じである。これに関して、第1の実施形態の説明が参照される。
【0073】
第1の実施形態と異なり、スタンドパイプ150の収容部160は、ポケット186の代わりにノッチ188を有するガイド面を備える。この場合、ノッチ188は、ガイド面182の最大点190から下向きに傾斜する2つの分岐部の境界に作成されたガイド面182の広い構造である。好ましくは、ノッチ188は、ガイド面182の最大点190の真向いに配置される。
【0074】
図26および図27は、二次濾過要素10がスタンドパイプ150上にどのように配置されるかを示している。図26および図27に示されるように、橋状のノブ40により、スタンドパイプ150から二次濾過要素10を取り外すことが容易となる。エンドキャップ20、ひいては二次濾過要素を軸L周りに回転させることで、突起要素32は、ガイド面182に沿ってスライドし、収容部160を降下する。スナップビーム23は、ノッチ188に到達すると、スナップビーム23の係合要素157である収容部160の漏斗状の底部セグメント164の縁部に引っ掛かる。エンドキャップ20の段差25は、収容部160内のガイド面182の最大点190上に置かれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】