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特表2022-538256一次および二次濾過要素を備える濾過システム、二次濾過要素、ならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】一次および二次濾過要素を備える濾過システム、二次濾過要素、ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/24 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
B01D46/24 B
B01D46/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576851
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2020067185
(87)【国際公開番号】W WO2020260161
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】19182975.3
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アラゴウダ、バラテッシュ
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA02
4D058JA03
4D058JA10
4D058KA03
4D058KA27
4D058KB11
4D058KC32
4D058KC43
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA11
4D058SA07
4D058UA25
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(110)と、ハウジング壁(112)に形成された流入口(102)と、ハウジング壁(120)に形成された流出口(108)と、前記ハウジング(110)に収容された一次濾過要素(50)および二次濾過要素(10)と、を有する濾過システム(100)に関する。前記二次濾過要素(10)は、円錐台状のスタンドパイプ(150)上に、前記一次濾過要素(50)より下流側に配置され、前記スタンドパイプ(150)は、前記ハウジング壁のうちの1つ(120)に固定して接続され、前記スタンドパイプ(150)の内部は、前記流出口(108)と流体接続される。前記二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)を有する本体(36)を形成する濾材(16)を含む。前記二次濾過要素(10)のフィルタ本体(36)は、一方の領域(12)に第1の縁部(13)を有し、前記第1の縁部(13)は、前記濾材(16)が巻かれていない初期状態では曲線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では直線状である。前記フィルタ本体(36)は、反対側の領域(14)に第2の縁部(15)を有し、前記第2の縁部(15)は、前記濾材(16)が巻かれていない初期状態では直線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では曲線状である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(110)と、ハウジング壁(112)に形成された流入口(102)と、ハウジング壁(120)に形成された流出口(108)と、前記ハウジング(110)に収容された一次濾過要素(50)および二次濾過要素(10)と、を有する濾過システム(100)であって、
前記二次濾過要素(10)は、円錐台状のスタンドパイプ(150)上に、前記一次濾過要素(50)より下流側に配置され、前記スタンドパイプ(150)は、前記ハウジング壁のうちの1つ(120)に固定して接続され、前記スタンドパイプ(150)の内部は、前記流出口(108)と流体接続され、
前記二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)および2つの軸方向端部領域(12、14)を有する円錐台状のフィルタ本体(36)を形成する濾材(16)を含み、より小さい直径を有する一方の前記軸方向端部領域は、頂部領域(12)として定義され、反対側の前記軸方向端部領域(14)は、より大きい直径を有し、
前記二次濾過要素(10)の前記フィルタ本体(36)は、前記一方の軸方向端部領域(12)に第1の縁部(13)を有し、前記第1の縁部(13)は、前記濾材(16)が巻かれていない平坦な初期状態では曲線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では、前記長手方向軸(L)に垂直に見た時、直線状であり、
前記フィルタ本体(36)は、前記反対側の軸方向端部領域(14)に第2の縁部(15)を有し、前記第2の縁部(15)は、前記濾材(16)が巻かれていない平坦な初期状態では直線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では、前記長手方向軸(L)に垂直に見た時、曲線状である濾過システム。
【請求項2】
前記スタンドパイプ(150)にシール構造(127)が設けられ、前記シール構造(127)の輪郭(121)は、前記二次濾過要素(10)の第2の縁部(15)の輪郭と相補的である請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記シール構造(127)は、前記二次濾過要素(10)を収容するポケット(122)を含み、前記ポケット(122)は、前記シール構造(127)の輪郭(121)に沿った底部(124)を有する請求項2に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記シール構造(127)の輪郭(121)は、最大点(123)および最小点(125)を含み、前記最小点(125)の高さ(H125)は、長手方向に関して、前記最大点(123)における前記ポケット(122)の深さ(124)より低く、好ましくは、基線(129)から測定した前記長手方向軸(L)に沿った前記最小点(125)の高さ(H125)の範囲は、前記基線(129)から前記最大点(123)における前記ポケット(122)の底部(124)までの前記長手方向軸(L)に沿った範囲より短い請求項3に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記フィルタ本体(36)の前記第2の縁部(15)を含む前記二次濾過要素(10)の領域(14)は、前記ハウジング壁のうちの1つ(120)と前記スタンドパイプ(150)との間の境界面の近くに配置される請求項1~4のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記二次濾過要素(10)は、頂部領域(12)にエンドキャップ(20)を含み、前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)は、接続要素(22、156)によって、それぞれの頂部領域(12、152)のうち一方で、互いに接続される請求項1~5のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記一次濾過要素、ならびに、前記一次濾過要素(50)の底部(55)および前記スタンドパイプ(150)を収容する前記ハウジング壁のうちの1つ(120)は、前記スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、前記スタンドパイプ(150)を収容する前記ハウジング壁のうちの1つ(120)上に前記一次濾過要素(50)を配置するように構成された相互自己位置決め要素(92、62)を有し、特に前記相互自己位置決め要素(92、62)は、径方向突起(64)と、ガイド面(94)と、を含み、前記径方向突起(64)は、前記一次濾過要素(50)および前記ハウジング壁のうちの1つ(120)の共通の回転軸の周りの相対的な回転運動で前記ガイド面(94)に沿って滑るように構成された請求項1~6のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記径方向突起(64)は、前記一次濾過要素(50)のオープンエンドキャップ(55)の外側に配置され、前記ガイド面(94)は、前記ハウジング壁のうちの1つ(120)の内側に設けられ、前記スタンドパイプ(150)を囲み、および/または、前記ガイド面(94)は、ロック位置で前記径方向突起(64)を収容するノッチ(96)を含む請求項7に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)は、前記スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、前記二次濾過要素(10)を前記スタンドパイプ(150)上に配置するように構成された相互自己位置決め要素(30、180)を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記二次濾過要素(10)および前記スタンドパイプ(150)の前記相互自己位置決め要素(30、180)は、ガイド面(182)と、突起要素(32)と、を含み、前記ガイド面(182)は、前記突起要素(32)を初期位置から、前記二次濾過要素(10)が前記スタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置にある最終位置に誘導するように構成され、および/または、前記相互自己位置決め要素(30、180)は、前記スタンドパイプ(150)および前記二次濾過要素(10)のうち一方の外面に配置された輪郭と、前記スタンドパイプ(150)および前記二次濾過要素(10)のうち他方の内面に配置された対の輪郭と、を含む請求項9に記載の濾過システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の濾過システム(100)の二次濾過要素(10)であって、
前記二次濾過要素(10)は、長手方向軸(L)に沿った少なくとも1つの長手方向シーム(18)、特に溶接シーム(18)および2つの軸方向端部領域(12、14)を有する円錐台状のフィルタ本体(36)を形成する濾材(16)と、頂部領域(12)に位置するエンドキャップ(20)と、を含み、より小さい直径を有する一方の前記軸方向端部領域は、前記頂部領域(12)として定義され、反対側の前記軸方向端部領域(14)は、より大きい直径を有し、
前記フィルタ本体(36)は、前記頂部領域(12)に第1の縁部(13)を有し、前記第1の縁部(13)は、前記濾材(16)が巻かれていない平坦な初期状態では曲線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では、前記長手方向軸(L)に垂直に見た時、直線状であり、
前記フィルタ本体(36)は、前記反対側の軸方向端部領域(14)に第2の縁部(15)を有し、前記第2の縁部(15)は、前記濾材(16)が巻かれていない平坦な初期状態では直線状であり、前記フィルタ本体(36)を形成する前記濾材(16)が巻かれた最終状態では、前記長手方向軸(L)に垂直に見た時、曲線状である二次濾過要素。
【請求項12】
前記エンドキャップ(20)は、前記二次濾過要素(10)を前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)に接続するように構成された1つ以上の接続要素(22)を含み、および/または、
前記エンドキャップ(20)は、前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)の1つ以上のストラット(170)に対して定められた回転位置で、前記二次濾過要素(10)を前記濾過システム(100)のスタンドパイプ(150)上に配置するように構成された自己位置決め要素(30)を有する請求項11に記載の二次濾過要素。
【請求項13】
前記エンドキャップ(20)は、ポット形状を有し、前記自己位置決め要素(30)は、前記濾材(16)の内部に延在する請求項11または12に記載の二次濾過要素。
【請求項14】
前記エンドキャップ(20)は、軸方向(L)に延びる突起要素(32)を含む請求項13に記載の二次濾過要素。
【請求項15】
濾過要素、特にエアフィルタシステムのための二次濾過要素(10)、特に請求項11~14のいずれか一項に記載の二次濾過要素(10)を製造する方法であって、
濾材(16)のカットを提供する工程を含み、
前記濾材(16)のカットは、2つの平行な基部、2つの傾斜脚部または側面、および対称中心線を有する等脚台形から変形された台形形状を有し、前記基部のうち長辺側基部は、直線状の縁部(15)を画定し、短片側基部は、該短片側基部で前記台形から部分を切り取ることで変形され、曲線状の凹縁部を形成する方法。
【請求項16】
前記短片側基部で前記台形から円形状部分が切り取られ、該円形は前記台形の対称中心線上に中心を持ち、前円形の線は、両端で前記短片側基部と交差し、曲線状、特に凹状の、第1の縁部(13)を画定する凹状の切断線を形成する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記カットの脚部または側面を、例えば接着、溶接、縫製などにより、例えばシームを介して、接続することで、円錐台状のフィルタ本体(36)を作成する請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記円錐台状のフィルタ本体(36)の少なくとも1つの軸方向端部領域(12、14)に、少なくとも1つのエンドキャップ(20)が設けられる請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内燃機関のエアフィルタシステムのための、一次および二次濾過要素を備える濾過システム、ならびに、このような濾過システムの二次濾過要素に関する。さらに、本発明は、二次濾過要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車、商用車、作業機械、農業用車両、定置式発電機などの内燃機関の燃焼吸気を制御するためにエアフィルタを使用することが知られている。このようなエアフィルタは、一般に、ハウジング、吸気口、および排気口を有し、取り外し可能かつ交換可能なメインまたは一次濾過要素がハウジング内に配置されている。ハウジングには、メンテナンス時にハウジング内の濾過要素にアクセスするため、メンテナンスカバーが設けられている場合が多い。このため、濾過要素を取り外して、新しい濾過要素に交換したり、オーバーテイクして再利用したり、以前使用し、オーバーテイクした濾過要素に交換することができる。
【0003】
エアフィルタの濾過要素は、通常、一定の動作時間後に交換される。使用時に濾過要素に蓄積した塵埃の負荷に応じて、フィルタの耐用年数は、例えば建設機械で使用する場合は数日、塵埃の少ない環境では最大数か月になる。
【0004】
特に濾過要素を頻繁に交換する場合は、ハウジング内の濾過要素を確実にプロセスプルーフでシールすることが重要である。シールは、耐熱性があり、振動試験を実施したものがよい。強い振動にさらされるシステムやデバイスでも、濾過要素のシールを確保する必要がある。しかしながら、同時に、濾過要素自体は、問題なく熱廃棄するため、金属要素を含まないことが好ましい。一次濾過要素を交換する際、内燃機関のエアクリーナーシステムの清浄側を汚れ粒子の侵入から保護するため、一次濾過要素の交換時もフィルタハウジングに留まる、いわゆる「二次濾過要素」が使用される。二次濾過要素は、通常、濾過要素の清浄側、例えば一次濾過要素の内側に配置され、濾過システムのハウジングに接続される。二次濾過要素自体も濾材を有しており、空気流中の残留汚れ粒子をフィルタ出口から遠ざける。
【0005】
二次濾過要素自体は、汚れ粒子の負荷に応じて、任意に交換することができる。なお、二次濾過要素の寿命は、一次濾過要素の寿命よりもはるかに長い。
【0006】
米国特許第8,480,778号明細書には、エアフィルタシステムが開示されており、一端がクローズドエンドキャップによって閉じられ、他端が開いた中空円筒として構成された濾材からなる二次濾過要素が開示されている。開放端により、濾過要素をフィルタハウジングに接続された支持管上でスライドさせることができ、これにより、濾過システムの出口を汚れ粒子から保護することができる。一次濾過要素は、支持管の自由端に置かれ、したがって二次濾過要素のエンドキャップに置かれる。一次濾過要素は二次濾過要素に取り付けられる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、費用効果の高い二次濾過要素を収容する濾過システムを提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、このような濾過システムのための二次濾過要素を提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、このような濾過システムのためのハウジング壁を提供することである。
【0010】
上述の目的は、本発明の第1の態様による、ハウジングと、ハウジング壁に形成された流入口と、ハウジング壁に形成された流出口と、ハウジングに収容された一次濾過要素および二次濾過要素と、を有する濾過システムによって達成される。二次濾過要素は、好ましくは円錐台状のスタンドパイプ上に、一次濾過要素より下流側に配置され、スタンドパイプは、ハウジング壁のうちの1つに固定して接続され、スタンドパイプの内部は、流出口と流体接続される。二次濾過要素は、長手方向軸に沿った少なくとも1つの長手方向シームを有する、好ましくは円錐台状のフィルタ本体を形成する濾材を含む。二次濾過要素のフィルタ本体は、一方の領域に第1の縁部を有する。第1の縁部は、濾材が巻かれていない、特に平坦な、初期状態では曲線状であり、濾材がフィルタ本体を形成する巻かれた最終状態では、二次濾過要素の長手方向軸に垂直に見た時、直線状である。また、フィルタ本体は、軸方向反対側の領域に第2の縁部を有する。第2の縁部は、濾材が巻かれていない、特に平坦な、初期状態で直線状であり、濾材がフィルタ本体を形成する巻かれた最終状態で、長手方向軸に垂直に見た時、曲線状である。さらに、上述の目的は、本発明の別の態様による、このような濾過システムのための二次濾過要素、ならびに、別の態様による、本発明の濾過システムのためのハウジング壁によって達成される。
【0011】
本発明の有利な実施形態および利点は、更なる特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される。
【0012】
本発明の第1の態様によると、ハウジングと、ハウジング壁に形成された流入口と、ハウジング壁に形成された流出口と、ハウジングに収容された一次濾過要素および二次濾過要素と、を有する濾過システムが提案される。二次濾過要素は、スタンドパイプ上に、一次濾過要素より下流側に配置される。スタンドパイプは、ハウジング壁のうちの1つに固定して接続され、スタンドパイプの内部は、流出口と流体接続される。二次濾過要素は、長手方向軸に沿った少なくとも1つの長手方向シームを有する本体を形成する濾材を含む。二次濾過要素のフィルタ本体は、一方の領域に第1の縁部を有する。第1の縁部は、濾材が巻かれていない初期状態では曲線状であり、濾材がフィルタ本体を形成する巻かれた最終状態では、長手方向軸に垂直に見た時、直線状である。また、フィルタ本体は、軸方向反対側の領域に第2の縁部を有する。第2の縁部は、濾材が巻かれていない初期状態では直線状であり、濾材がフィルタ本体を形成する巻かれた最終状態では、長手方向軸に垂直に見た時、曲線状である。
【0013】
巻かれた最終状態でフィルタ本体の上側縁部と下側縁部を形成する、直線状の一方側縁部と曲線状の他方側縁部を有する濾材のカットの特定の形状により、材料コストを削減し、特定の非円形状のシール界面を形成することができる。また、費用効果の高い二次濾過要素の製造に加えて、フィルタ本体の特定の形状により、濾過システムにおいて二次濾過要素が取り付けられるスタンドパイプの特定のシール構造を得ることができる。二次濾過要素は、二次濾過要素の長手方向シームがハウジング内で明確に定められた回転位置を有するように、スタンドパイプ上に固有の回転位置で配置することができる。
【0014】
好ましくは、濾材のカットは、一般に台形形状を有すると説明できる。この台形形状は、好ましくは、2つの平行な基部、2つの傾斜脚部または側面、および対称中心線を有する等脚台形に基づく。長辺側基部は、直線状の縁部を画定し、短片側基部は、台形から円形状部分を切り取ることで変形される。円形は上記の台形の対称中心線上に中心を持ち、円形の線は、両端で短片側基部と交差し、曲線状の第1の縁部を画定する凹状の切断線を形成する。カットの脚部または側面を、例えば接着、溶接、縫製などにより、シームを介して接続することで、円錐台状のフィルタ本体が作成される。
【0015】
二次濾過要素の縁部の特定の形状およびスタンドパイプ上のシール構造により、二次濾過要素の濾材の長手方向シームを特定の位置に置くことが可能になる。その結果、流れ特性に対する長手方向シームが流れを乱す影響を低減または排除することができる。さらに、二次濾過要素を交換する際、質量流量センサに対する1つ以上のシームの再現可能な配置が可能となる。
【0016】
有利には、スタンドパイプをハウジングの底壁に固定して接続することで、スタンドパイプの長手方向ストラットの位置が既知となる。スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して明確な回転位置に二次濾過要素を配置することで、二次濾過要素の濾材の1つ以上の長手方向シームによる流れ特性の乱れを低減または排除することができる。
【0017】
スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して、同様の定められた回転位置でスタンドパイプ上に二次濾過要素を配置することが有利である。これにより、例えば、スタンドパイプ上の二次濾過要素の1つ以上のシームの位置が既知となり、二次濾過要素の交換時に再現可能となる。好ましくは、二次濾過要素は、長手方向シームを有する。シームは、1つの特定のストラットの前、または2つの長手方向ストラットの間に放射状に配置することができる。これにより、内燃機関用の好ましいエアフィルタシステムにおいて、流体、すなわち空気の流れ特性が質量流量センサの領域で既知となり、質量流量センサの測定値が正確となるように、スタンドパイプの長手方向ストラットおよび一次濾過要素を質量流量センサに対して配置することができる。
【0018】
また、このような濾過システムの更なる利点は、一次濾過要素と二次濾過要素の安全かつ安定した組み立て、ならびに、メンテナンス時の一次濾過要素、また必要に応じて二次濾過要素、の非常に経済的な交換性にある。
【0019】
好ましい実施形態によると、スタンドパイプにシール構造が設けられ、シール構造の輪郭は、二次濾過要素の第2の縁部の輪郭と相補的である。シール構造と第2の縁部は、相互自己位置決め要素として連携し、これにより、二次濾過要素をハウジング内の定められた回転位置に配置することができる。
【0020】
好ましい実施形態によると、シール構造は、二次濾過要素を収容するポケットを含み、ポケットは、シール構造の輪郭に沿った底部を有する。ポケットは、フィルタ本体の各端部を収容する。シール構造および第2の縁部を含むフィルタ本体の領域の特有の輪郭により、二次濾過要素の確実な位置決めが可能となる。
【0021】
好ましい実施形態によると、シール構造の輪郭は、その外面に最大点および最小点を含み、最小点の高さは、長手方向に関して、最大点におけるポケットの深さより低く、好ましくは、基線から測定した長手方向軸に沿った最小点の高さの範囲は、基線から最大点におけるポケットの底部までの長手方向軸に沿った範囲より短い。これにより、二次濾過要素を適切な位置でシール構造に取り付けることが容易になる。
【0022】
好ましい実施形態によると、フィルタ本体の第2の縁部を含む二次濾過要素の領域は、ハウジング壁のうちの1つとスタンドパイプとの間の境界面の近くに配置される。特に、二次濾過要素は円錐状であり、第2の縁部を円錐状の幅広の基部に配置することができ、これにより二次濾過要素の取り付けが容易になる。
【0023】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素は、頂部領域にエンドキャップを含み、二次濾過要素およびスタンドパイプは、接続要素によって、それぞれの頂部領域のうち一方で、互いに接続される。この特徴により、二次濾過要素の安定した位置決めが保証される。
【0024】
好ましい実施形態によると、一次濾過要素、ならびに、一次濾過要素の底部およびスタンドパイプを収容するハウジング壁のうちの1つは、スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、スタンドパイプを収容するハウジング壁のうちの1つ上に一次濾過要素を配置するように構成された相互自己位置決め要素を有する。特に、相互自己位置決め要素は、径方向突起と、ガイド面と、を含み、径方向突起は、一次濾過要素およびハウジング壁のうちの1つの共通の回転軸の周りの相対的な回転運動でガイド面に沿って滑るように構成される。二次濾過要素に加え、一次濾過要素を、濾過システムの流体流れに有利な回転位置に配置することができる。有利には、径方向突起は、一次濾過要素のオープンエンドキャップの外側に配置され、ガイド面は、ハウジング壁のうちの1つの内側に設けられ、スタンドパイプを囲み、および/または、ガイド面は、ロック位置で径方向突起を収容するノッチを含む。相互自己位置決め要素は、省スペースで配置することができる。例えば、径方向突起は、一次濾過要素のエンドキャップに埋め込まれたリングの外面に配置され得る。
【0025】
好ましい実施形態によると、二次濾過要素およびスタンドパイプは、スタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、二次濾過要素をスタンドパイプ上に配置するように構成された相互自己位置決め要素を有する。相互自己位置決め要素は、ガイド面と、突起要素と、を含み、ガイド面は、突起要素を初期位置から、二次濾過要素がスタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置にある最終位置に誘導するように構成される。相互自己位置決め要素の適切なペアを選択することができる。これに加えてまたはこれに代わって、相互自己位置決め要素は、スタンドパイプおよび二次濾過要素のうち一方の外面に配置された輪郭と、スタンドパイプおよび二次濾過要素のうち他方の内面に配置された対の輪郭と、を含んでもよい。好ましくは、ハウジングの底壁にスタンドパイプを位置決めして取り付けるために、スタンドパイプの多角形状の輪郭を用いることができる。また、二次濾過要素に適切な対の輪郭を設けることで、スタンドパイプ上に二次濾過要素を位置合わせする際にも、このような輪郭を使用することができる。
【0026】
本発明の更なる態様によると、本発明の濾過システムのための二次濾過要素であって、長手方向軸に沿った少なくとも1つの長手方向シーム、特に溶接シームを有する本体を形成する濾材と、頂部領域に位置するエンドキャップと、を含む二次濾過要素が提案される。フィルタ本体は、一方の領域に第1の縁部を有し、第1の縁部は、濾材が巻かれていない初期状態では曲線状であり、フィルタ本体を形成する濾材が巻かれた最終状態では直線状である。フィルタ本体は、反対側の領域に第2の縁部を有し、第2の縁部は、濾材が巻かれていない初期状態では直線状であり、フィルタ本体を形成する濾材が巻かれた最終状態では曲線状である。
【0027】
二次濾過要素の濾材の特定のカットにより、二次濾過要素をハウジングに確実かつ再現性よく取り付けることが可能となる。
【0028】
二次濾過要素の好ましい実施形態によると、エンドキャップは、二次濾過要素を濾過システムのスタンドパイプに接続するように構成された1つ以上の接続要素を含み、および/または、エンドキャップは、濾過システムのスタンドパイプの1つ以上のストラットに対して定められた回転位置で、二次濾過要素を濾過システムのスタンドパイプ上に配置するように構成された自己位置決め要素を有する。前者の場合、二次濾過要素をスタンドパイプ上に安定して確実に配置し、ハウジング内の定められた回転位置に取り付けることができ、二次濾過要素の長手方向シームによって生じる流体流れの乱れを低減または排除することができる。
【0029】
二次濾過要素の好ましい実施形態によると、エンドキャップは、ポット形状を有し、自己位置決め要素は、濾材の内部に延在する。有利には、エンドキャップによって自己位置決め要素を誘導することができ、これにより、二次濾過要素の取り付けが容易になる。
【0030】
二次濾過要素の好ましい実施形態によると、エンドキャップは、軸方向に延びる突起要素を含む。有利には、エンドキャップによって軸方向突起要素を誘導することができ、これにより、二次濾過要素の取り付けが容易になる。
【0031】
本発明の更なる態様によると、濾材のカットを提供する工程を含む、濾過要素を製造する方法が提案される。濾材のカットは、2つの平行な基部、2つの変形されていない傾斜脚部または側面、および対称中心線を有する等脚台形から変形された台形形状を有する。変形されていない長辺側基部は、直線状の縁部を画定し、短片側基部は、台形から円形状部分を切り取ることで変形される。この円形は上記の台形の対称中心線上に中心を持ち、円形の線は、両端で短片側基部と交差し、曲線状の第1の縁部を画定する凹状の切断線を形成する。第2の工程では、例えば接着、溶接、縫製などにより、カットの脚部または側面をシームを介して接続することで、円錐台状のフィルタ本体が作成される。
【0032】
任意に、円錐台状のフィルタ本体の少なくとも一方の軸方向端部に、少なくとも1つのエンドキャップが設けられてもよい。
【0033】
有利には、本発明の濾過システムおよび二次濾過要素は、エアフィルタとして、特に内燃機関のエアフィルタとして使用することができる。内燃機関の安全な運転は、特に質量流量センサでの空気の乱れのない流れ特性を伴う、燃焼用吸気の安全かつ好ましい濾過に基づく。上述の濾過システムは、この目的のため、経済的かつ信頼性の高い可能性を示す。有利には、この濾過システムは、粒子フィルタとして、特に内燃機関の粒子フィルタとしても使用できる。この場合も、上述した濾過要素の安全な組み立てと経済的な交換性が有利である。都合の良いことに、一次濾過要素を変更する際、二次濾過要素はハウジング内に残留し得る。これにより、濾過システムのメンテナンス時に、濾過システムの清浄側を汚れ粒子の侵入から効果的に保護することができる。
【0034】
本発明の更なる態様によると、本発明の濾過システムのためのハウジング壁が提案される。濾過システムは、ハウジング壁に形成された流入口および流出口を有し、一次濾過要素およびフィルタ本体を有する二次濾過要素を収容するハウジングを含む。二次濾過要素のためのスタンドパイプは、ハウジング壁に固定して接続され、スタンドパイプの内部は、流出口と流体接続される。ハウジング壁は、スタンドパイプに設けられたシール構造を含み、シール構造の輪郭は、二次濾過要素の縁部の輪郭と相補的である。縁部の輪郭は、濾材が巻かれていない初期状態では直線状であり、フィルタ本体を形成する濾材が巻かれた最終状態では曲線状である。
【0035】
有利には、ハウジング壁は、本発明の二次濾過要素のための特定のシール界面を提供し、これにより、定められた位置に濾過要素を取り付けることが可能となる。
【0036】
ハウジング壁の好ましい実施形態によると、シール構造の輪郭は、最大点および最小点を含み、最小点の高さは、長手方向に関して、最大点におけるポケットの深さより低く、好ましくは、基線から測定した長手方向軸に沿った最小点の高さの範囲は、基線から最大点におけるポケットの底部までの長手方向軸に沿った範囲より短い。
【0037】
これにより、二次濾過要素を適切な位置でシール構造に取り付けることが容易になる。
【0038】
ハウジング壁の好ましい実施形態によると、一次濾過要素に配置された対応する自己位置決め要素と連携するように構成された自己位置決め要素がスタンドパイプの周りに配置され、および/または、自己位置決め要素は、スタンドパイプを囲むガイド面として構成される。二次濾過要素の有利な再現性のある位置決めに加えて、一次濾過要素も、定められた回転位置に配置することができる。
【0039】
本発明は、同時日に本特許出願と共に出願人によって提出された「一次および二次濾過要素を備える濾過システムならびにこのような濾過システムの二次濾過要素」という名称の特許出願に開示された特徴の1つまたは複数と組み合わせることができることを理解されたい。
【0040】
更なる利点は、以下の図面の説明から得られる。本発明の実施形態が図面に示される。図面、明細書、および特許請求の範囲には、多数の特徴が組み合わせられて含まれる。当業者であれば、これらの特徴を個別に検討し、組み合わせて、更なる組み合わせを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施形態による濾過システムの縦断面図である。
図2図1の濾過システムの分解図である。
図3】曲線状の第1の縁部および直線状の第2の縁部を有する、巻かれていない初期状態の濾材のカットを示す図であり、濾材の削減領域が示される。
図4】直線状の第1の縁部および曲線状の第2の縁部を有する円錐状のフィルタ本体を形成する、巻かれた最終状態の図3の濾材を示す。
図5】直線状の上側および下側縁部を有する標準的な円錐状のフィルタ本体に巻かれた濾材を示す。
図6】本発明の実施形態による二次濾過要素のためのシール構造を含むスタンドパイプが固定して取り付けられたハウジング壁の詳細断面図である。
図7】ハウジングの底壁にスタンドパイプが取り付けられた濾過システムのハウジングの底壁を示す。
図8】エンドキャップの外周に径方向突起を含む、本発明の実施形態による一次濾過要素を示す。
図9】二次濾過要素およびスタンドパイプが組立時に初期接触している様子を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
これらの図は単なる例示であり、限定的なものではない。図中、類似または同一の要素は、同一の参照番号で示される。
【0043】
図1は、本発明の実施形態による濾過システム100の縦断面図である。図2は、図1の濾過システム100の分解図である。
【0044】
濾過システム100は、ハウジング110と、ハウジング壁112に形成された流入口102と、底部ハウジング壁120に形成された流出口108と、を有する。本実施形態では、ハウジング110は、3つの部分、すなわち底部ハウジング壁120、流入口102を有する環状の中間ハウジング壁112、および蓋部114からなり得る。これらの部分は、例えば、クランプやねじなどによって互いに接続される。ハウジング110には、中空円筒状の一次濾過要素50が収容される。メンテナンスまたは交換のために一次濾過要素50を取り外すため、底部ハウジング壁120からハウジング壁112、114が一体に取り外されてもよく、蓋部114のみが取り外されてもよい。
【0045】
一次濾過要素50の本体は、例えば、ひだ付きの濾材56から構成される。一次濾過要素50は、例えば、従来技術で周知のポリウレタン製の環状の第1および第2のエンドキャップ52、54によって両端が覆われている。第1のエンドキャップ42および第2のエンドキャップ54の外側には、シール構造と支持リブが配置される。一次濾過要素50は、図1の太い矢印で示されるように、流体が一次濾過要素50を径方向に通過しなければならないように、底部ハウジング壁120と蓋部ハウジング壁114との間に密閉して固定される。一次濾過要素50の第2のエンドキャップ54は、スタンドパイプ150のフィードスルーを有するように構成され、溝126を有する底部ハウジング壁120に収容される。一次濾過要素50を径方向に固定するために、環状の突起128が溝126に配置される。
【0046】
蓋部114は、その前面130において、ハウジング110の内部に延びる凹部138を有する。
【0047】
一次濾過要素50の内部には、二次濾過要素10が配置される。一次および二次濾過要素50、10は、長手方向Lに延びる軸に対して同心円状に配置される。二次濾過要素10は、流体が流出口108に向かう途中で二次濾過要素10を通過しなければならないように、一次濾過要素50より下流側に配置される。二次濾過要素10は、底部ハウジング壁120に固定して接続されたスタンドパイプ150上に配置される。スタンドパイプ150の下部は、底部ハウジング壁120の流出口108と合流する。二次濾過要素は、長手方向Lに沿った少なくとも1つの溶接シーム18を有する本体36を形成する濾材16を含む。
【0048】
任意に、二次濾過要素10は、頂部領域12に閉じたエンドキャップ20を含み、二次濾過要素10およびスタンドパイプ150は、接続要素によってそれらの頂部領域12、152で相互に接続される。二次濾過要素10の底部領域14の開放端側は、底壁120の円形溝122に収容される。
【0049】
一次濾過要素50の頂部領域にある第1のエンドキャップ52には、二次濾過要素10の頂部領域12に向かって軸方向に延びる突起要素58が設けられている。
【0050】
一次濾過要素50の底部領域55およびスタンドパイプ150を収容するハウジング壁120は、スタンドパイプ150の1つ以上のストラット170に対して定められた回転位置で、一次濾過要素50をハウジング壁120上に配置するように構成された相互自己位置決め要素62、92を有する。ストラット170は、長手方向軸L周りに配置され、スタンドパイプ150の内部を向く。
【0051】
特に、自己位置決め要素62として、一次濾過要素50の底部55に径方向突起64が配置される。自己位置決め要素92として、スタンドパイプ150の周りにガイド面94が配置される。ガイド面94は、長手方向軸Lに関して最大の高さを有する最大領域と、スタンドパイプ150の反対側に、長手方向軸Lに関して最小の高さを有する最小領域とを有する傾斜として形成される。径方向突起64は、一次濾過要素50および/または底部ハウジング壁120が長手方向軸Lの周りを回転するときに、ガイド面94上を最大領域から最小領域まで滑ることができる。最小領域にはノッチ96が配置され、一次濾過要素50の径方向突起64を所定の位置にスナップすることができる。
【0052】
図3および図4は、本発明の例示的な実施形態による、濾材16および濾材16からなる円錐状の二次濾過要素10を示す。図3は、曲線状の第1の縁部13および直線状の第2の縁部15を有する、巻かれていない初期状態の二次濾過要素10の濾材16のカットの第1の実施形態を示す。
【0053】
直線状の縁部15の下の破線曲線は、円錐状のフィルタ本体を形成する濾材16の典型的なカットの輪郭を表している。巻かれていない状態の濾材16の直線状の縁部15と破線で囲まれた領域は、直線状の縁部15で濾材16をカットしたことで削減された濾材16の材料の面積を示している。
【0054】
図3の濾材16の有利なカットは、一般に、台形形状を有すると説明できる。この台形形状は、好ましくは、2つの基部13、15と、2つの傾斜脚部または側面と、対称中心線(不図示)を有する等脚台形に基づく。長辺側基部は、直線状の縁部15を画定し、短片側基部は、台形から円形状部分を切り取ることで変形される。円形は上記の台形の対称中心線上に中心を持ち、円形の線は、両端で短片側基部と交差し、凹状の切断線は、第1の縁部13を画定する。カットの側面を、例えば接着、溶接、縫製などにより、シーム18を介して接続することで、円錐台状のフィルタ本体36が作成される。
【0055】
図4は、図3に示されるカットが巻かれた最終状態の濾材16を示しており、頂部領域12の第1の縁部13が直線状であり、底部領域14の第2の縁部15が曲線状である濾過要素10の円錐状のフィルタ本体36が形成される。カットの側面は、例えば、溶接シーム18によって閉じられる。図に示されるように、濾材を巻いて3次元のフィルタ本体36、この例では円錐状のフィルタ本体36を形成すると、濾過要素10のフィルタ本体36の領域14の縁部15は湾曲状となる。このカットにより、優先配向を有する二次濾過要素10が得られ、濾過システムのハウジング内での二次濾過要素10の特定の回転配向に使用することができる。
【0056】
図5は、直線状の上側および下側縁部を有する標準的な円錐状のフィルタ本体36に巻かれた従来の濾材を示す。このカットは、巻かれていない状態では濾材16の両側の縁部が曲線状である。
【0057】
図6は、本発明の実施形態による二次濾過要素10を収容するための、シール構造127を含むスタンドパイプ150が固定して取り付けられたハウジング壁120、例えばハウジング110の底壁120の詳細断面図である。
【0058】
スタンドパイプ150の格子状の本体は円錐状であり、長手方向ストラット170および周方向ストラット172から構成される。ハウジング壁120には、二次濾過要素10(図4)の底部領域14の開放端側を収容するため、円形の溝122が設けられる。図4に示されるように、二次濾過要素10の底部領域14の開放端側は、曲線状の輪郭を有する縁部15を含み、二次濾過要素10の反対側は、頂部領域12に直線状の縁部13を含む。
【0059】
一次濾過要素50は、流体が一次濾過要素50を径方向に通過しなければならないように、底部ハウジング壁120と蓋部ハウジング壁114(図1)との間に固定されるように構成される。一次濾過要素50の第2のエンドキャップ54は、スタンドパイプ150のフィードスルーを有するように構成され、底部ハウジング壁120の溝126に収容される。一次濾過要素50を径方向に固定するために、環状の突起128が溝126に配置される。
【0060】
二次濾過要素10をシールするためのシール構造127は、スタンドパイプ150とハウジング壁120との間の境界の近くに、スタンドパイプ150の周りに配置される。シール構造は、二次濾過要素10を収容するポケット122を備える。ポケット121は、シール構造127の輪郭121に沿った底部124を含む。シール構造127の輪郭121は、スタンドパイプ150の一方側の最大点123からスタンドパイプ150の反対側の最小点125まで連続的に傾斜する。
【0061】
最小点125の高さH125は、長手方向に関して、最大点123におけるポケット122の底部124より低い。すなわち、基線129から測定した長手方向軸Lに沿った最小点125の高さH125の範囲は、基線129から最大点123におけるポケット122の底部124までの長手方向軸Lに沿った範囲より短い。基線129は、特に、長手方向軸Lに対して垂直に配置される。
【0062】
このシール構造127の輪郭の傾斜により、最大点123と最小点125との間に十分な高低差が生じ、その結果、二次濾過要素10の縁部15を適切な方向かつ非互換的にポケット122に挿入することができる。
【0063】
図7および図8は、本発明の実施形態による、自己位置決め要素92、62を介して係合し、本発明の二次濾過要素10と容易に組み合わせることができる底部ハウジング壁120および一次濾過要素50を示す。図7は、スタンドパイプ150が強固に取り付けられたハウジング壁120を示し、図8は、一次濾過要素50の側面図を示す。
【0064】
スタンドパイプ150の内部は、流出口108と流体接続される。スタンドパイプ150は、螺旋形状を有するガイド面94として構成される自己位置決め要素92によって囲まれる。ガイド面94は、スタンドパイプ150の反対側において、長手方向軸Lに関して最大の高さを有する最大領域と、長手方向軸Lに関して最小の高さを有する最小領域とを有する傾斜として形成される。径方向突起64として構成される自己位置決め要素62は、一次濾過要素50および/または底部ハウジング壁120が長手方向軸Lの周りを回転するときに、ガイド面94上を最大領域から最小領域まで滑ることができる。最小領域にはノッチ96が配置され、一次濾過要素50の径方向突起64を所定の位置にスナップすることができる。
【0065】
図8の一次濾過要素50は、第2のエンドキャップ54の外周に径方向突起64を含む。径方向突起64は、第2のエンドキャップ54の外周に径方向突起64を含む一次濾過要素10の濾材56を収容するリング60上に配置することができる。一次濾過要素50は、第1のエンドキャップ52と、スタンドパイプ150のフィードスルーを有する第2のエンドキャップ54との間に延びる濾材56からなるフィルタ本体を有する(図5および図6)。濾材56は、一次濾過要素50の内部に配置された支持構造70の外面に取り付けられる。第2のエンドキャップ54には、径方向突起64として構成される自己位置決め要素62が配置される。径方向突起64は、第2のエンドキャップ54の材料に埋め込まれたリング60の一部である。図8には、リング60が示される。リング60は、その内部に濾材56からなるフィルタ本体を収容する。リング60は、軸方向にフィルタ本体の底部と重なる外縁を有する。
【0066】
図9には、二次濾過要素10が最終位置に置かれる前の、スタンドパイプ150に取り付けられた二次濾過要素10の実施形態の詳細が示されている。二次濾過要素10をスタンドパイプ150に取り付けるため、二次濾過要素10の本体36がスタンドパイプ150上に置かれ、エンドキャップ20がスタンドパイプ150の収容部160に近接するまでスタンドパイプ150に沿って移動される。
【0067】
二次濾過要素20は、その頂部領域12にエンドキャップ20を有する。エンドキャップ20は、その外面に凹部24を有する。本実施形態では、スタンドパイプ150は、その頂部領域152に収容部160を備える。収容部160の輪郭は、二次濾過要素10のエンドキャップ20の外輪郭に対応する。収容部160は、二次濾過要素10の接続要素22のための接続要素156を端部に含む開口底部を有する。例えば、係合要素として、スナップビーム23を収容部160の底部に引っ掛けることができ、スタンドパイプ150と二次濾過要素10の間にスナップフィットが形成される。収容部160は、スナップビームの導入が容易になるように、その底部領域が漏斗状になっている。
【0068】
エンドキャップ20は、最初にスナップビーム23により、収容部160の漏斗状の底部領域に向かって収容部160に挿入される。エンドキャップ20は、突起要素32がガイド面182に当接するまで、収容部160に導入することができる。突起要素32の長手方向範囲90は、収容部160の頂部セグメント162の深さ168よりも小さい。したがって、段差25が収容部160内に確実に位置するように、エンドキャップの上部セグメント21を頂部セグメント162に部分的に挿入することができる。その結果、エンドキャップ20を傾けることなく、安全に収容部160内にさらに誘導することができる。
【0069】
ガイド面182は、収容部160の底部セグメント164に1つの最大点190を有し、最大点190の両側で傾斜している。ガイド面182の最大点190は、収容部160の頂部セグメント162と底部セグメント164との境界面にある。エンドキャップ20を長手方向軸Lを中心にいずれかの方向に回すことにより、突起要素32がガイド面182のポケット186に到達するまで突起要素32がガイド面182上で誘導されるため、エンドキャップ20が収容部160内でさらに移動する。
【0070】
ここで、突起要素32がポケット186に収容されるまでエンドキャップ20が軸方向に動かされる。スナップビーム23も軸方向下向きに移動するため、漏斗状の底部セグメント164の縁部をスナップすることができる。この縁部は、スタンドパイプ150の係合要素157である。スナップビーム23は、エンドキャップ20をスタンドパイプ150に安全に固定する。エンドキャップ20は、エンドキャップ20を引っ張って回すことで、反対の移動順序でスタンドパイプ150から取り外すことができる。
【0071】
エンドキャップ20を回すために、ハンドルなどの工具をエンドキャップ20の凹部24に付けてもよい。
【0072】
突起要素32がポケット186に収容された状態で、二次濾過要素10は、スタンドパイプ150に対して明確に定められた回転位置に正確に配置される。したがって、長手方向の溶接シーム(不図示)は、スタンドパイプ150の長手方向ストラット170に対して、ひいては濾過要素に近い特定位置に配置された質量流量センサに対して、明確な位置に置かれる。好ましくは、スナップビーム23のフックは、エンドキャップ20にある程度の力が加えられた時に緩むことができるように、傾斜面を有する。
【0073】
スナップビーム23を備えたエンドキャップ20の長さは、収容部160の深さに一致し、このため、スナップビーム23は、突起要素32の端部がポケット186内に到達した状態で、収容部160の漏斗状の端部、すなわち、係合要素157と接触する。エンドキャップ20の段差25は、収容部160内のガイド面182の最大点190上に置かれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】