(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】車両用のセンサ/発信機ブロックを備えるモジュール用の液体を排出するための装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
B60S1/62 120B
B60S1/62 120A
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577461
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 EP2020066651
(87)【国際公開番号】W WO2020260075
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、シャサーニュ
(72)【発明者】
【氏名】マキシム、ボドワン
(72)【発明者】
【氏名】バティスト、ベジア
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD22
(57)【要約】
モジュール(3)用の液体を排出するための装置(6)は、車両(1)用のセンサ/発信機ブロック(21,22,23,24,25)を備える。モジュール(3)は、-上限(21h,24h)を有する下光学表面(21s,24s)を備える第1ブロック(21,24)と、-下光学表面(21s,24s)の上方に配置された少なくとも1つの上光学表面(22s,23s,25s)を備える少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、-下限(22l,23l,25l)を備える少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、を備える。装置は、少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)の下限(22l,23l,25l)及び第1ブロック(21,24)の上限(21h,24h)の少なくとも一部によって規定される範囲(7,51)から延び、少なくとも1つの上光学表面(22,23,25)から下光学表面(21,24)以外の範囲に流れる流体を排出するよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)用のセンサ/発信機ブロック(21,22,23,24,25)を備えるモジュール(3)用の液体を排出するための装置(6)であって、前記モジュール(3)は、
-上限(21h,24h)を有する下光学表面(21s,24s)を有する第1ブロック(21,24)と、
-前記下光学表面(21s,24s)の上方に配置された少なくとも1つの上光学表面(22s,23s,25s)を有する少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、
-下限(22l,23l,25l)を備える前記少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、
を備え、
前記装置(6)は、前記少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)の下限(22l,23l,25l)及び前記第1ブロック(21,24)の前記上限(21h,24h)の少なくとも一部によって定められる範囲(7,51)から延び、前記少なくとも1つの上光学表面(22,23,25)から前記した光学表面(21,24)に向かって流出する液体を排出するよう構成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)は、前記第1ブロック(21,24)に重ねられ、前記少なくとも1つの上光学表面(22s,23s,25s)及び前記下光学表面(21s,24s)の各々は、互いに長手方向に連続している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1の上光学表面(22s,23s,25s)及び前記下光学表面(21s,24s)は、前記モジュール(3)の第1部分に配置されており、前記装置(6)は、前記少なくとも1つの上光学表面(22s,23s,25s)から前記モジュール(3)の第2部分に向かって流出する液体を排出するように構成されており、前記第2部分は、前記第1部分とは異なる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1部分は、前記モジュールの前部分を有し、前記第2部分は、前記モジュールの後部分を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1ブロック(21,24)は、前記少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)から離れている、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
水平に対して傾斜している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの溝(8)を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溝は、各場合において、5~40ml/sの液体排出フローレートを有するように設計された大きさの半開き穴を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
車両(1)用のセンサ/発信機ブロック(21,22,23,24,25)を備えるモジュール(3)用の清掃システム(4)であって、前記モジュール(3)は、
-上限(21h,24h)を有する下光学表面(21s,24s)を有する第1ブロック(21,24)と、
-前記下光学表面(21s,24s)の上方に配置された少なくとも1つの上光学表面(22s,23s,25s)を有する少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、
-下限(22l,23l,25l)を備える前記少なくとも1つの第2ブロック(22,23,25)と、
を有し、
前記清掃システム(4)は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体を排出するための装置(6)を備える、清掃システム。
【請求項10】
請求項9に記載の清掃システム(4)を少なくとも1つ備える、運転補助装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、液体を排出するための装置、より詳しくは車両用のセンサ/発信機ブロックを備えるモジュール用の液体を排出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部門における新技術の世界的な発展とともに、自動車両は、自動化されたシステム、特に自動化された運転補助システムをますます備えるようになっている。運転補助システムは、車両の自立性の低い程度では駐車の操縦を補助または実行することができ、車両の自立性の最高の程度では運転手が車両に存在しなくても車両を運転することができる。
【0003】
車両用のこのような運転補助システムは、特に車両の周囲の環境を検出して車両の外部のパラメータを評価するよう構成されたセンサ/発信機を備える1以上の検出装置を有する。車両は、前記センサ/発信機に連結されて、センサ/発信機によって集められた情報を分析してこの情報に基づいて発生する決定をするよう構成された、少なくとも1つのコントロールユニットを備える。
【0004】
特に、例えば自動車両操縦の国際組織の分類にしたがったレベル4から始まる高いレベルで自立した車両は、車両の周囲の環境を非常に正確に考慮するために、車両の全周に配置された複数の光学センサ/発信機を使用することを含む。
【0005】
この目的のため、光学センサ/発信機は、通常は可能な限り接近して一緒に配置されて、1以上のセンサ/発信機ブロックを形成する。センサ/発信機ブロックは、例えば、波を発信及び受信することによって、特にレーザー画像検出と測距(LIDAR)によって、道路の風景の1以上の画像を再現できる第1光学センサ/発信機と、視野カメラ型の第2光学センサと、を有する。
【0006】
視野カメラによって得られる画像の解像度及びレーザー検出モジュールによって許容される三次元表現は、車両の周囲の道路風景を信頼できる画像にすることが可能である。
【0007】
より幅広い検出視野を有するように、視野カメラ型の第2光学センサは、通常は第1センサ/発信機の上方に配置される。示唆として、第1及び第2センサ/発信機は、屋根、車両の後方または前方のバンパー、車両の後方または前方のナンバープレート、あるいは車両の側部上または車両のサイドミラーに配置され得る。
【0008】
光学センサ/発信機が通常は車両の外側に配置されるので、各センサ/発信機は、その光学表面に堆積し得る有機的または無機的な汚れで汚されることに大いに晒される。汚れの堆積の結果、光学センサ/発信機の有効性が低下し、作動しなくなることすらある。特に、雨天の期間中、雨及び汚れがはねるように観察され、これによりこのようなセンサ/発信機を備える運転補助システムの操作性に重大な負の影響があり得る。それゆえ、センサ/発信機の光学表面は、良好な操作状態を維持することを保証するように、個別に清掃されなければならない。
【0009】
この需要を満たすように、センサ/発信機が同時にまたは個別に清掃されることを許容するいくつかのセンサ/発信機に適した清掃システムが存在する。
【発明の概要】
【0010】
しかしながら、第1センサ/発信機及び第1センサ/発信機の上方に配置された第2センサ/発信機を同時に清掃している間あるいは前記第2センサ/発信機を個別に清掃している間、前記第2センサ/発信機を同時に清掃している間あるいは前記第2センサ/発信機を個別に清掃している間に使用される汚れた洗浄液によって第1センサ/発信機が汚されるであろうことは大いにあり得る。
【0011】
これらの汚れた洗浄液は、例えば、第2センサ/発信機から第1センサ/発信機の光学表面に向かって直接的にまたは間接的に流出し、それによって前記同時に清掃することの性能や汚れた第1センサ/発信機の機能的な性能が低下する。
【0012】
したがって、センサ/発信機の上方に配置された少なくとも1つの他のセンサ/発信機に由来する汚れた液体による前記センサ/発信機の光学表面のいかなる汚染をも避けることを可能にする低い複雑性及び低コストでの技術的な解決を提案する需要がある。
【0013】
一面によれば、車両用のセンサ/発信機ブロックを備えるモジュール用の液体を排出するための装置が提案される。
【0014】
前記モジュールは、
-上限を有する下光学表面を有する第1ブロックと、
-前記下光学表面の上方に配置された少なくとも1つの上光学表面を有する少なくとも1つの第2ブロックと、
-下限を備える前記少なくとも1つの第2ブロックと、
を備える。
【0015】
前記装置は、前記少なくとも1つの第2ブロックの前記下限及び前記第1ブロックの前記上限の少なくとも一部によって範囲を定められる区域から延び、前記少なくとも1つの上光学表面から前記下光学表面以外の区域に向かって流出する液体を排出するよう構成されている。
【0016】
液体を排出するためのこのような装置の使用により、有利には、前記少なくとも1つの第2ブロックの清掃中に使用される汚れた液体が前記第1ブロックの前記下光学表面上へと落ちる状況を避けて、下光学表面を清潔に保つことが可能になる。
【0017】
同時に、前記モジュールのブロックの組を同時に清掃している間、前記第1ブロック及びモジュール全体の清掃性能も向上する。
【0018】
前記装置の位置は、前記少なくとも1つの第2ブロックの下限や前記第1ブロックの上限に制限されないことは留意されるべきである。例えば、前記上限と前記下限との間に液体を排出するための装置を配置することも可能である。
【0019】
さらに、前記モジュールがいくつかのセンサ/発信機ブロックを備える場合、前記第1ブロックは、組織的には前記モジュールの最低位置に位置するブロックではなく、少なくとも1つの第2ブロックが載っている中間のブロックであってもよい。
【0020】
一実施の形態によれば、前記少なくとも1つの第2ブロックは、前記第1ブロックに重ねられ、前記少なくとも1つの上光学表面及び下光学表面のそれぞれは、互いの長手方向に連続している。
【0021】
実際、前記モジュールの前記第1及び前記少なくとも1つの第2ブロックは、他方の頂部上に載っている。
【0022】
前記少なくとも1つの上光学表面及び下光学表面は、水平面に関して同一の態様で傾斜してもよく、ここでは例えば水平面に垂直である。
【0023】
他の実施の形態によれば、前記少なくとも1つの上光学表面及び下光学表面は、前記モジュールの第1部分に配置され、前記装置は、前記少なくとも1つの上光学表面から前記モジュールの第2部分に向かって流出する液体を排出するように構成される。前記第2部分は、前記第1部分とは異なる。
【0024】
非制限的な例として、前記第1部分は、前記モジュールの前方部分を備えてもよいし、前記第2部分は、前記モジュールの後方部分を備えてもよい。
【0025】
その結果、前記少なくとも1つの上光学表面に由来する汚れた液体は、有利には、前記第1部分を汚すことなく前記第2部分に向かって排出される。
【0026】
前記第1ブロックは、例えば前記少なくとも1つの第2ブロックから離れていてもよい。
【0027】
言い換えると、前記第1ブロックと前記少なくとも1つの第2ブロックとの間にスペースがあってもよい。上記に示唆されるように、この場合では、このスペースに装置を配置することが可能である。
【0028】
いくつかの第2ブロックがある場合、前記少なくとも1つの第2ブロックに由来する汚れた流体が前記下光学表面上に流出することを妨げるように、前記装置が前記第1ブロックの上限近くまたは各第2ブロックの下限近くに配置されることを可能にする。
【0029】
非制限的な例として、前記装置は、例えば、水平に対して傾斜してもよい。
【0030】
有利には、このような装置は、前記汚れた液体を排出することをより容易にするように、傾斜した角度を形成してもよい。
【0031】
他の実施の形態によれば、前記装置は、少なくとも1つの溝を有する。
【0032】
いくつかの第2ブロックがある場合、各第2ブロックが溝を有することが可能である。
【0033】
前記少なくとも1つの溝は、例えば、半開き穴を有する。半開き穴の大きさは、5~40ml/sの液体排出フローレートを有するように設計される。
【0034】
ここでは、各溝の大きさが関連した第1または第2ブロックの形状及び大きさに潜在的に依存することが理解されるであろう。
【0035】
他の面によれば、車両用のセンサ/発信機ブロックを備えるモジュール用の清掃システムが提案される。
【0036】
前記モジュールは、
-上限を有する下光学表面を有する第1ブロックと、
-前記下光学表面の上方に配置された少なくとも1つの上光学表面を有する少なくとも1つの第2ブロックと、
-下限を備える前記少なくとも1つの第2ブロックと、
を有する。
【0037】
清掃システムは、上記で規定されたような、液体を排出するための装置を備える。
【0038】
さらに他の面によれば、上記で規定されたような少なくとも1つの清掃システムを備える運転補助システムが提案される。
【0039】
本発明のさらなる利点や特徴は、全体として非制限的な実施の形態の詳細な説明及び添付の図面を考慮することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、運転補助装置を有する自動車両の例示的な実施の形態を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明による液体を排出するための装置を備える運転補助装置の例示的な実施の形態を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明による液体を排出するための装置の例示的な実施の形態を概略的に示す。
【
図4】
図4は、運転補助装置及び本発明による液体を排出するための対応する装置の例示的な実施の形態を概略的に示す。
【
図5】
図5は、運転補助装置及び本発明による液体を排出するための対応する装置の他の例示的な実施の形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1での参照1は、運転補助装置2を備える車両、この場合では例えば自動車両を示す。
【0042】
運転補助装置2は、1以上のモジュール、この場合では例えば車両1の周囲の環境に関する異なる情報を集めるよう構成された1以上の検出モジュール3を有する。
【0043】
検出モジュール3は、車両1の1以上の位置、例えば車両1の屋根、フロントガラス、後方及び/又は前方のバンパーの部分に配置され得る。
【0044】
非制限的な例として、検出モジュール3は、例えば、
-環境を検出するよう構成されたLIDAR(レーザー画像検出と測距)の長距離レーザーセンサ/発信機と、
-範囲の異なるレベルを有する視野カメラと、
-車両1とその前方の車両との間のよりを測定するよう構成された前方センサ/発信機と、
-車両の周りの動きを監視するよう構成された角度センサ/発信機と、
-車両の周辺の障害物を検出するよう構成された超音波センサ/発信機と、
-車両1の運転手や乗員が車両の周囲の環境を検視することを許容するように構成された180度パノラマカメラと、
を含む。
【0045】
上述のいくつかのセンサ/発信機は、例えば、検出モジュール3の必要スペースを減らすために、車両1の全く同じ位置に配置され得る。
【0046】
簡易化のために、運転補助装置2の1つのみの検出モジュール3が
図1に示されており、例えばこの場合では車両1の屋根の部分に配置されている。
【0047】
ここでは、検出モジュール3の例示的な実施の形態が概略的に示されている
図2への参照がなされているであろう。
【0048】
この例では、検出モジュール3は、
第1センサ/発信機21、この場合では例えばLIDAR型のレーザーセンサと、
第1センサ/発信機21の上方に配置された第2センサ/発信機22、この場合では例えば長距離視野カメラと、
同様に第1センサ/発信機21の上方に配置され第2センサ/発信機22の隣の第3センサ/発信機23、この場合では例えば中距離視野カメラと、
を有する。
【0049】
第1センサ/発信機21は、上限21hを有する第1光学表面21sを有する。第2及び第3センサ/発信機22,23は、それぞれ第2光学表面22s及び第3光学表面23sを有する。第2及び第3光学表面22s,23sは、それぞれ第2下限22l及び第3下限23lを有する。第3下限23lは、この場合では例えば第2下限22lより高いレベルに配置されている。
【0050】
図2に示された例では、第1、第2及び第3光学表面21s,22s,23sは、平坦な表面であり、全く同じ略垂直面にある。
【0051】
第2及び第3下限22l,23lの各々は、第1光学表面21sの第1上限21hの少なくとも一部を覆う。この場合、第2及び第3下限22l,23lの組み合わせは、第1光学表面21sの上限21hのほぼ全体を覆う。
【0052】
また、運転補助装置2は、各検出モジュール3に対して、少なくとも1つの清掃システム、この場合は例えば検出モジュール3用の清掃システム4を備える。
【0053】
清掃システム4は、検出モジュール3の第1、第2及び第3光学表面21s,22s,23sを清掃するように構成されるワイパー等の1以上の清掃装置5と、液体を排出するための装置6と、を備える。
【0054】
液体を排出するための装置6は、特に検出モジュール3の少なくとも1つの上光学表面、この場合は第2及び第3光学表面22s,23sから、前記少なくとも1つの上光学表面の下に配置された光学表面、この場合は第1光学表面21sに向かって、汚れた液体が流出する状況を避けるように構成されている。
【0055】
言い換えると、液体を排出するための装置6は、第2及び第3光学表面22s,23sから第1光学表面21s以外に向かって流出する液体を排出するように構成されている。
【0056】
前記液体は、例えば第2及び第3光学表面22s,23sを洗浄するために用いられた使用されて汚れた洗浄液または第2及び第3光学表面22s,23sでの雨粒であり得る。
【0057】
例として、第1、第2及び第3光学表面21s,22s,23sが検出モジュール3の前面に配置されている場合、液体を排出するための装置6は、検出モジュール3の側面または背面に向かって前記液体を排出するよう構成され得る。
【0058】
また、第3下限23lが第2下限22lより高い水平レベルに配置されているので、液体を排出するための装置6は、第3光学表面23sから第2光学表面22s以外の区域に向かって流出する液体を排出するよう構成されている。
【0059】
液体を排出するための装置6は、少なくとも1つの第2又は第3光学表面22s,23sの第2又は第3下限22l,23lの少なくとも一方及び第1光学表面21sの前記第1上限21hによって定められる範囲7から延びる。
【0060】
言い換えると、液体を排出するための装置6は、第2及び/又は第3光学表面22s,23sから流出する液体が第1光学表面21s以外の範囲に向かって排出される限り、第2又は第3下限22l,23lの一部や第1上限21hの一部から、または第2又は第3光学表面22s,23sの第2又は第3下限22l,23lと第1上限21hとの間の位置から、延びていてもよい。
【0061】
また、非制限的な例として、第1、第2及び第3光学表面21s,22s,23sは、全く同一の垂直な平面に配置されていなくてもよい。その場合、液体を排出するための装置6の形状は、第1及び第2光学表面21s,22s以外の区域に向かって前記液体を排出するよう設計されている。
【0062】
ここで、液体を排出するための装置6の例示的な実施の形態を示す
図3を参照するであろう。
【0063】
異なる実施の形態において、液体を排出するための装置6が例えば当業者に知られた独自の溝または排水パイプと組み合わせる溝を形成されてもよいことは、留意されるべきである。
【0064】
示唆として、装置6は、光学表面の下限、この場合は例えば上向きに開口する半開き穴の形状の第3光学表面23sの第3下限23lから延びている溝8を有する。
【0065】
溝8は、
一方の側部9aが第3下限23lに固定された基部9と、
基部9のもう一方の側部9bに固定された側壁10と、
を備える。
【0066】
それゆえ、中央排出ダクト11は、基部9、側壁10及び第3下限23lによって形成される。
【0067】
溝8が当業者にとって知られたいかなる手段によっても、例えば接着剤によって、溶接によって、あるいは機械的な保持によって、第3下限23lの少なくとも一部に固定されてもよいことは留意されるべきである。
【0068】
また、溝8は、第1及び第2光学表面21s,22s以外の区域に向かって使用されて汚れた液体を排出するように中央排出ダクト11の長手方向の端部に接続された排水パイプ(図示せず)を有してもよい。
【0069】
また、液体を排出することをより容易にするために、溝8は、水平Hに関して傾斜してもよく、この場合は例えば中央排出ダクト11の2つの長手方向の端部に向かって溝8の中間点Mから傾斜してもよい。
【0070】
溝8は、例えば一体的なプラスチックから形成されてもよいし、溶接や当業者に知られた他の留め手段によって取り付けられてもよい。
【0071】
中央排出ダクト11の寸法及びいかなる排水パイプの寸法も、意図された液体排出フローレートを達成するように適応性のある態様で設計されてもよい。
【0072】
ここで、運転補助装置2及び対応する液体を排出するための装置6の他の実施の形態を示す
図4を参照するであろう。
【0073】
運転補助装置2は、車両の屋根に固定されており車両の屋根の中心に配置されている。運転補助装置2は、少なくとも2つのセンサ/発信機、この場合は例えば一方を他方の頂部に回転軸12に沿って重ねられた第4センサ/発信機24及び第5センサ/発信機25を備える検出モジュール3を備える。
【0074】
センサ/発信機の位置及び数が本発明の範囲に負の影響を有することなく、
図4に存在するものと異なることができることは留意されるべきである。
【0075】
例として、第4センサ/発信機24は、視野カメラであり、第5センサ/発信機25は、LIDARセンサである。
【0076】
第4センサ/発信機24は、第4上限24hを有する第4光学表面24sを有し、第5センサ/発信機25は、第5下限25lを有する第5光学表面25sを有する。
【0077】
第4光学表面24s及び第5光学表面25sは、いずれか一方が他方の光学表面に関して放射状に突出しないように、互いに長手方向に連続している。
【0078】
また、運転補助装置2は、回転軸12に対して回転可能なように取り付けられた清掃装置5を有する清掃システム4を備えている。回転動作は、矢印13によって示されている。
【0079】
清掃装置5は、第1清掃アセンブリ41と、第2清掃アセンブリ42と、これら2つの清掃アセンブリを同時に回転駆動するための装置43と、を備えている。装置43は、クランク44と、電気モータ45と、を有している。
【0080】
第1清掃アセンブリ41は、拭き取ることによって第5センサ/発信機25の第5光学表面25sを清掃するように意図されており、第2清掃アセンブリ42は、第4センサ/発信機24の第4光学表面24sを清掃するように意図されている。
【0081】
電気モータ45は、回転軸12について清掃装置5を回転駆動することが可能である。言い換えると、電気モータ45は、第1清掃アセンブリ41と第2清掃アセンブリ42とを同時に回転駆動する。
【0082】
クランク44は、第1清掃アセンブリ41及び第2清掃アセンブリ42を電気モータ45に接続する。クランク44は、少なくとも1つの主アーム、この場合は例えば回転軸12に関して放射状に延びる主アーム48を備えている。
【0083】
図4に示されているように、主アーム48は、この例示的な実施の形態において、第5センサ/発信機25の上方に配置されている。
【0084】
第5光学表面25s及び第4光学表面24sは、規則的に曲がって半円筒形状を有する。両方が同軸であり回転軸12を中心としている。
【0085】
第4及び第5光学表面24s,25sは、第4及び第5光学表面24s,25sのそれぞれの最大視野に対応して、おおよそ180°の角度の間、すなわち半円筒形に延びている。
【0086】
第4光学センサ/発信機24は、頂壁49を有しており、第5センサ/発信機25は、底壁50を有している。頂壁49は、第4及び第5センサ/発信機24,25の間のクリアランスゾーン51を形成するように、底壁50から離れて間隔を空けている。
【0087】
クリアランスゾーン51は、回転軸12から放射状に延びる体積を表す。クリアランスゾーン51は、第4光学表面24s及び第5光学表面25sに一致して止まる。
【0088】
また、清掃システム4は、第5下限25l及び第4上限24hの少なくとも一部によって定められる範囲、この場合は例えば第5下限25l、第4上限24h及びクリアランスゾーン51を組み合わせる範囲から飛び出て配置される液体を排出するための装置6を有している。
【0089】
例として、液体を排出するための装置6は、クリアランスゾーン51から飛び出て配置される溝8を有し、第4上限24hに適応するように規則的に曲がって半円筒形状を有する。
【0090】
溝8は、例えば第5光学表面25sから第4光学表面24s以外の区域に向かって流出する液体を排出するように、第4上限24h全体を覆っている。
【0091】
溝8の輪郭は、第1及び第2清掃アセンブリ41,42を妨げないように設計されてもよく、例えば
図3に示された溝8と同一、すなわち半開き穴の形状であってもよい。
【0092】
溝8の寸法は、意図された液体排出フローレート、この場合は例えば5~40ml/sを達成するように適応した態様で決定されてもよい。
【0093】
図5は、
図4にしたがった運転補助装置2の変形例を示す。
【0094】
この例示的な実施の形態では、清掃装置5の主伸長アーム48は、クリアランスゾーン51に配置されており、第1清掃アセンブリ41と第2清掃アセンブリ42との間に接続されている。
【0095】
クリアランスゾーン51は、クランク43が第1終端位置と第2終端位置との間で回転軸12について回転駆動できるように構成されている。この場合、クランク43は、第1終端位置及び第1終端位置から180°回って配置された第2終端位置に示される。
【0096】
主アーム48の動きを妨げないように、液体を排出するための装置6は、第4上限24hから出て配置されてもよいし、第4上限24hの全体を覆ってもよい。
【0097】
液体を排出するための装置6の構造は、
図3及び
図4に示されたものと同一であってもよいし、異なっていてもよい。液体を排出するための装置6の寸法は、意図された排出フローレートに適応した態様で決定されてもよい。
【0098】
本発明が上記に記載され示された手段及び構造に制限されず、均等な手段及び構造の全て及びこのような手段のいかなる技術的な機能の組み合わせにも拡張することは、留意されるべきである。特に、液体を排出するための装置6の形状は、本発明に負の影響を有することなく修正され得て、液体を排出するための装置6がこの文書に記載されたものと同一の機能を最終的には果たすように提供される。
【国際調査報告】