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特表2022-538315位置決め座、位置決めピン、位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】位置決め座、位置決めピン、位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20220825BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220825BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20220825BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220825BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20220825BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220825BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20220825BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60L50/60
B60L53/80
H01M50/244 Z
H01M50/289
H01M50/249
H01M50/244 A
H01M50/291
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577517
(86)(22)【出願日】2020-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2020098603
(87)【国際公開番号】W WO2020259698
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910569887.9
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910568751.6
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910569923.1
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 建平
(72)【発明者】
【氏名】黄 春華
(72)【発明者】
【氏名】蘭 志波
【テーマコード(参考)】
3D235
5H040
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB24
3D235EE67
5H040AA03
5H040AA07
5H040AA36
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC12
5H040CC25
5H040CC26
5H040CC33
5H040CC46
5H040FF02
5H040NN03
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF06
(57)【要約】
位置決め座(1,10)、位置決めピン(2,20)、位置決め機構(3,30)、急速交換ホルダー部品(4、10、40)及び電気自動車である。ただし、位置決め座(1,10)は、電池パック(51,61)を位置決めて固定するためのものであり、位置決め座(1,10)は、電池パック(51,61)を固定する位置決めピン(2,20)を受容するためのものであり、位置決め座(1,10)は、開口(12)及び開口(12)より延出する滑り路(11)が側面に設けられており、開口(12)は、位置決めピン(2,20)が滑り路(11)へ入るためのものであり、滑り路(11)には、第一位置制限部(13)が設けられており、第一位置制限部(13)は、位置決めピン(2,20)が軸方向において位置決め座(1,10)から脱離しないように制限するためのものである。位置決め座(1,10)に第一位置制限部(13)を設置することにより、第一位置制限部(13)を用いて位置決めピン(2,20)の移動方向を制限し、位置決めピン(2,20)がその軸方向において位置決め座(1,10)から脱離できないことになり、ひいては、当該位置決めピン(2,20)を用いた電池パック(51,61)を軸方向に固定することが実現され得る。電池パック(51,61)の動き方向を制限し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パック(51,61)の寿命を延ばすことに役立ち、電池パック(51,61)が破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パック(51,61)に故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを位置決めて固定するための位置決め座であって、
前記位置決め座は、電池パックを固定する位置決めピンを受容するためのものであり、開口及び前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、
前記開口は、前記位置決めピンが前記滑り路に入るためのものであり、
前記滑り路内には、前記位置決めピンが軸方向に沿って前記位置決め座から脱離しないように制限するための第一位置制限部が設けられている、ことを特徴とする位置決め座。
【請求項2】
前記滑り路は、前記位置決めピンを支持するための支持プラットフォームを有しており、
前記第一位置制限部は、前記支持プラットフォームに設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め座。
【請求項3】
前記第一位置制限部は、断面が弧形、V形又は台形のうちの一つである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め座。
【請求項4】
前記第一位置制限部は、凸起部であるか、又は、凹み部であり、
好ましくは、前記凸起部は、第一位置制限面及び第二位置制限面を有しており、前記第一位置制限面と前記第二位置制限面との交差する箇所は、前記凸起部の最高点となり、及び/又は、
前記第一位置制限面と前記第二位置制限面とは、平面又は曲面である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の位置決め座。
【請求項5】
前記位置決め座は、緩衝部をさらに含み、前記緩衝部の少なくとも一部が前記滑り路内に位置しており、当前記位置決め座が位置決め状態にある場合に、前記緩衝部が前記位置決めピンの壁面と当接されており、
好ましくは、前記緩衝部が弾性クッションである、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位置決め座。
【請求項6】
電池パックを位置決めて固定するための位置決め座であって、
前記位置決め座は、開口及び開口より延出する滑り路が側面に設けられている位置決め座本体を含み、
前記開口は、電池パックの位置決めピンが前記滑り路に入るためのものであり、
前記位置決め座は、前記滑り路内に設置されている締め付け装置をさらに含み、
当前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合には、前記締め付け装置が鉛直方向において前記位置決めピンに当接される、ことを特徴とする位置決め座。
【請求項7】
前記締め付け装置は、前記滑り路内における前記位置決めピンの位置決め点に設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の位置決め座。
【請求項8】
前記締め付け装置は、揺動体及び固定軸を含み、前記固定軸は、前記位置決め座本体に接続されており、前記揺動体は、前記固定軸回りに回動可能であり、当前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合には、前記揺動体が前記位置決めピンの外壁に当接されており、
好ましくは、前記揺動体は、前記位置決めピンの外壁に当接される弧面を有しており、及び/又は、
前記位置決めピンが前記滑り路に入らない場合に、前記揺動体が前記滑り路の入口へ揺動しており、及び/又は、
前記締め付け装置は、二つの締め付け部品を含み、各前記締め付け部品は、それぞれ、前記揺動体及び前記固定軸を含み、二つの前記締め付け部品は、前記滑り路における両側に対称に設置されており、
好ましくは、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記位置決めピンの中心線と二つの前記固定軸の中心線とが同じ面になり、
好ましくは、前記締め付け装置は、弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記位置決め座本体と前記揺動体との間に設置されており、前記揺動体に力が受けられない場合に前記揺動体の当接面が前記位置決めピンの滑り込む方向に向かうように前記揺動体に作用しており、
好ましくは、前記弾性部は、一方端が前記揺動体に挿入され、他方端が前記位置決め座本体に当接され、及び/又は、
前記弾性部は、ばねである、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の位置決め座。
【請求項9】
前記位置決め座は、緩衝部をさらに含み、前記緩衝部の少なくとも一部が前記滑り路内に位置しており、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記緩衝部が前記位置決めピンの壁面に当接されており、
好ましくは、前記緩衝部は、弾性クッションである、ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の位置決め座。
【請求項10】
電池パックに接続される位置決めピンであって、
前記位置決めピンは、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の前記位置決め座と嵌合するためのものであり、
前記位置決めピンは、前記第一位置制限部と嵌合して、前記電池パックが前記位置決めピンの軸方向に沿って移動しないように制限するための第二位置制限部が設けられている、ことを特徴とする位置決めピン。
【請求項11】
前記第一位置制限部は、凹み部であり、前記第二位置制限部は、凸起部であるとともに数が複数であり、
複数の前記凸起部は、前記位置決めピンの軸方向に分布し、又は、前記位置決めピンの径方向に分布する、ことを特徴とする請求項10に記載の位置決めピン。
【請求項12】
前記第二位置制限部と前記位置決めピンとは、一体化して構成されており、又は、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに取り外し可能であるように接続され、
好ましくは、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに周設されており、
好ましくは、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに対して回動可能であり、及び/又は、
前記位置決めピンは、前記位置決めピンの端面に設置される軸邪魔部をさらに含み、前記軸邪魔部は、前記第二位置制限部が前記位置決めピンの軸方向に沿って移動しないように阻むためのものであり、及び/又は、
前記第二位置制限部は、前記滑り路と止まり嵌めるシャフトスリーブである、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の位置決めピン。
【請求項13】
電池パックを位置決めて固定する位置決め機構であって、
前記位置決め機構は、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の位置決め座及び請求項10から12のうちのいずれか一項に記載の位置決めピンを含み、
前記位置決めピンは、電池パックに設置されており、前記位置決め機構は、前記電池パックが前記位置決めピンの軸方向に沿って前記位置決め座から脱離しないように制限するためのものであり、又は、
前記位置決め機構は、位置決めピン及び請求項6から9のうちのいずれか一項に記載の位置決め座を含み、
前記位置決めピンは、電池パックに設置されており、前記位置決めピンは、前記開口より前記滑り路に入る、ことを特徴とする位置決め機構。
【請求項14】
電池パックを取り付けるための急速交換ホルダー部品であって、
前記急速交換ホルダー部品は、急速交換ホルダーを含み、
前記急速交換ホルダー部品は、請求項13に記載の位置決め機構をさらに含み、前記位置決め座は、前記急速交換ホルダーに設けられる、ことを特徴とする急速交換ホルダー部品。
【請求項15】
電池パックを電気自動車に取り付けるための急速交換ホルダー部品であって、
前記急速交換ホルダー部品は、急速交換ホルダー、ロック機構及び位置決め機構を含み、前記ロック機構及び前記位置決め機構は、それぞれ、前記急速交換ホルダーに設置されており、前記ロック機構は、前記電池パックを電気自動車にロックすると共に前記電池パックが電気自動車の走行する方向に沿って移動しないように制限するためのものであり、
前記位置決め機構は、前記電池パックが水平面において前記走行する方向と垂直する方向に沿って移動しないように制限し、及び/又は、前記電池パックが鉛直方向に沿って移動しないように制限するためのものである、ことを特徴とする急速交換ホルダー部品。
【請求項16】
前記位置決め機構は、滑り路位置決め機構を含み、前記滑り路位置決め機構は、前記電池パックが水平面において前記走行する方向と垂直する方向に沿って移動しないように制限するためのものである、ことを特徴とする請求項15に記載の急速交換ホルダー部品。
【請求項17】
前記滑り路位置決め機構は、滑り路座を含み、前記滑り路座は、前記急速交換ホルダーに接続されており、前記電池パックにおける滑り路ピンと嵌合するためのものであり、
前記滑り路座は、開口及び前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、前記滑り路ピンが前記滑り路に入るためのものであり、
前記滑り路座における前記滑り路には、第一位置制限部が設けられており、前記滑り路ピンには、第二位置制限部が設けられており、前記第二位置制限部は、前記第一位置制限部と嵌合して、前記電池パックが前記滑り路ピンの軸方向に沿って移動しないように制限するためのものであり、
好ましくは、前記滑り路座は、前記急速交換ホルダーの左側面又は右側面に設置されており、及び/又は、
前記第一位置制限部は、凸起部であるか、又は、凹み部であり、及び/又は、
前記第一位置制限部は、凹み部であり、前記第二位置制限部は、凸起部であるとともに数が複数であり、
複数の前記凸起部は、前記滑り路ピンの軸方向に分布し、又は、前記滑り路ピンの径方向に分布する、ことを特徴とする請求項16に記載の急速交換ホルダー部品。
【請求項18】
前記位置決め機構は、二重振り子位置決め機構を含み、前記二重振り子位置決め機構は、前記電池パックが鉛直方向に移動しないように制限するためのものであり、
好ましくは、前記二重振り子位置決め機構は、前記急速交換ホルダーの左側面、右側面の一つ又は二つの側面に対称に設置されており、及び/又は、
前記二重振り子位置決め機構は、二重振り子座及び二重振り子ピンを含み、前記二重振り子座が前記急速交換ホルダーに接続され、前記二重振り子ピンは、それぞれ、前記電池パックに接続されており、
前記二重振り子座は、開口及び前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、前記二重振り子ピンが前記滑り路に入るためのものであり、
前記二重振り子座は、締め付け装置をさらに含み、前記締め付け装置は、前記滑り路内に設置され、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、前記締め付け装置が鉛直方向において前記二重振り子ピンに当接して、前記電池パックが鉛直方向に移動しないように制限する、ことを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の急速交換ホルダー部品。
【請求項19】
前記締め付け装置は、前記滑り路内における前記二重振り子ピンの位置決め点に位置しており、前記締め付け装置は、揺動体及び固定軸を含み、前記固定軸が前記二重振り子座の本体に接続され、前記揺動体が、前記固定軸回りに回動可能であり、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合には、前記揺動体が前記二重振り子ピンの外壁に当接されており、
好ましくは、前記締め付け装置は、二つの締め付け部品を含み、各前記締め付け部品は、それぞれ、前記揺動体及び前記固定軸を含み、二つの前記締め付け部品は、前記滑り路の両側に対称に設置されており、
好ましくは、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、前記二重振り子ピンの中心線と二つの前記固定軸の中心線とが同じ面となり、及び/又は、
前記締め付け装置は、弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記二重振り子座本体と前記揺動体との間に設置されており、前記揺動体に力が受けられない場合に前記揺動体の当接面が前記二重振り子ピンの滑り込む方向に向かうように前記揺動体に作用し、
前記弾性部は、一方端が前記揺動体に挿入され、他方端が前記二重振り子座本体に当接される、ことを特徴とする請求項18に記載の急速交換ホルダー部品。
【請求項20】
電池パック及び請求項14から19のうちのいずれか一項に記載の急速交換ホルダー部品を含む、ことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019年6月27日となる、201910569887.9、201910568751.6、及び、201910569923.1という中国特許出願に基づいて、中国特許出願の優先権を主張する。本願は、上記の中国特許出願の全てを援用しているものである。
【0002】
本発明は、電池交換装置の分野に関し、特に、位置決め座、位置決めピン、位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来における電気自動車に電池パックを取り付ける形態は、固定式と交換可能式がある。
【0004】
そのうち、固定式の電池パックは、自動車に固定されており、充電の際に直接的に自動車を充電先とすることが一般的である。固定式の電池パックを車体に接続する場合には、通常は、ピンを介して位置決めを行い、ボルトを用いて固定することが多い。当該位置決め及び固定方法による固定の効果が良く、基本的に、XYZという三つの方向の固定を保証することができる。しかしながら、電池パックを交換する時に、色々な不便が現れてしまい、電池を自由に取り外すことが難しい。また、同時に、ボルトを複数に取り外すことにより、ボルトの効力がなくなる確率も高くなり、一定のリスクが存在している。
【0005】
交換可能式の電池パックについては、可動であるように取り付ける形態が一般的であり、電池パックを随時に取り外して新たなものに交換することが可能である。現在、従来の交換可能式の電池パックを車体に接続する場合に、電池パックと車体との間にロック機構を設けることがあり、ロック機構は、一般的に、ロックシャフト及びロック受けを含み、一般的に、ロックシャフトを電池パックの一方側に設置するが、ロック受けを車体の一方側に設置し、ロック受けに滑り路を設けている。電池パックは、一般的に、車体の底部から取り付けられる。ロックシャフトが電池パックを伴い、下方よりロック受けの滑り路に入ってから、電池パックをX方向に沿って十分に移動することにより、電池パックを取り付ける。電池パックを取り付ける当該の方法は、通常は、電池パックを不安定的に位置決めるということだけであり、しかも、電池パックを不安定的に位置決めると固定をしないため、ロックシャフトが滑り路に対してXYZという三つの方向に動けることになる。そうすると、車両が走行している場合に、通常は、電池パックがXYZという三つの方向に複雑な動きを生じることがあり、故に、電池パックは故障率が高いと共に、故障が発生すると故障の原因を判断することが難しい。また、電池パックによる複雑な動きにより、電池パックに受けられる力を分析する場合に、係る力を分析することがかなり複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上より、現在の電気自動車における固定式の電池パックの接続形態によると、取り外しが不便となり、交換可能式の電池パックの接続形態によると電池をXYZ方向に固定することができず、電池パックに故障が発生し易い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする技術的問題は、従来技術における欠陥を克服すべく、位置決め座、位置決めピン、位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、以下の技術的手段に基づいて、上記した技術的問題を解決する。
【0009】
本発明は、電池パックを位置決めて固定する位置決め座を提供する。前記位置決め座は、電池パックを固定する位置決めピンを受容するためのものであり、前記位置決め座は、開口及び前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、前記位置決めピンが前記滑り路に入るためのものであり、前記滑り路内には、前記位置決めピンが軸方向に沿って前記位置決め座から脱離しないように制限するための第一位置制限部が設けられている。
【0010】
本手段では、以上の構成を採用することにより、第一位置制限部を用いて位置決めピンの移動方向を制限し、位置決めピンがその軸方向に沿って位置決め座から脱離できないことになり、ひいては、当該位置決めピンを用いた電池パックを軸方向に固定することが実現され得る。本手段は、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0011】
好適には、前記滑り路は、前記位置決めピンを支持するための支持プラットフォームを有しており、前記第一位置制限部は、前記支持プラットフォームに設けられている。本手段では、以上の構成を採用することにより、支持プラットフォームを用いて位置決めピンを支持し、位置決めピンを一層堅固にすることができる。
【0012】
好適には、前記第一位置制限部は、断面が弧形、V形又は台形のうちの一つである。本手段では、以上の構成を採用することにより、第一位置制限部の断面を弧形、V形又は台形のうちの一つに設計すると、位置決め座に基づいて置を制限するという機能を実現することに役立つと共に、第一位置制限部を構成する形態を簡単にして、位置決め座の使用期限を延ばすことができる。
【0013】
好適には、前記第一位置制限部が凸起部であるか、又は、凹み部であり、
好ましくは、前記凸起部は、第一位置制限面及び第二位置制限面を有しており、前記第一位置制限面と前記第二位置制限面との交差する箇所は、前記凸起部の最高点となり、及び/又は、前記第一位置制限面と前記第二位置制限面とは、平面又は曲面である。
【0014】
本手段では、以上の構成を採用することにより、第一位置制限部を凸起部又は凹み部に設計すると、位置決め座に基づいて、位置を制限するという機能を実現することに役立つと共に、第一位置制限部を構成する形態を簡単にして、位置決め座の使用期限を延ばすことができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、凸起部を第一位置制限面及び第二位置制限面に設計すると、凸起部を構成する形態を簡単にして、占められる空間を比較的に小さくすることができる。また、凸起部の最高点は、位置決めの確実性を高めることに役立つ。本手段では、以上の構成を採用することにより、平面又は曲面を用いて第一位置制限面及び第二位置制限面を構成し、第一位置制限面及び第二位置制限面を構成する形態を簡単にすることができる。
【0015】
好適には、前記位置決め座は、緩衝部をさらに含み、前記緩衝部の少なくとも一部が前記滑り路内に位置しており、前記位置決め座が位置決め状態に位置する場合に、前記緩衝部が前記位置決めピンの壁面に当接される。好ましくは、前記緩衝部は、弾性クッションである。
【0016】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決めピンを位置決め状態に転換する時の運動エネルギーの一部を緩衝部により吸収すると、位置決め座に対する位置決めピンの衝突を削減し、位置決めピンが位置決める際の騒音を低くして、位置決めピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることに役立つ。本手段では、以上の構成を採用することにより、弾性クッションを緩衝部として用いると、緩衝部のコストを削減して、緩衝部による緩衝の効果を高めることができる。
【0017】
位置決め座は、電池パックを位置決めて固定するためのものである。前記位置決め座は、位置決め座本体を含み、前記位置決め座本体は、開口及び開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、電池パックの位置決めピンが前記滑り路に入るためのものであり、前記位置決め座は、締め付け装置をさらに含み、前記締め付け装置は、前記滑り路内に設置され、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記締め付け装置が鉛直方向に沿って前記位置決めピンに当接される。
【0018】
本手段では、以上の構成を採用することにより、滑り路内に締め付け装置を設置することにより、位置決め点に位置する位置決めピンをしっかりと押さえて、ひいては、位置決めピンが鉛直方向に沿って移動できないようにして、位置決めピンを鉛直方向に固定することができ、また、位置決め座を用いた位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車の電池パックを鉛直方向に位置決めして固定することが実現され得る。本手段では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らして、電池パックの寿命を延ばすことに役立つと共に、電池パックが破壊される確率を低くすることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0019】
好適には、前記締め付け装置を、前記滑り路内における前記位置決めピンの位置決め点に設ける。本手段では、以上の構成を採用することにより、締め付け装置を位置決め点に設置すると、位置決めピンを一層堅固に位置決め点に位置し、位置決めピンが位置決め点に位置する際に予想外に移動する確率を減らすことができる。
【0020】
好適には、前記締め付け装置は、揺動体及び固定軸を含み、前記固定軸が前記位置決め座本体に接続され、前記揺動体が前記固定軸回りに回動可能であり、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記揺動体が前記位置決めピンの外壁に当接され、
好ましくは、前記揺動体は、前記位置決めピンの外壁に当接される弧面を有しており、及び/又は、
前記位置決めピンが前記滑り路へ入らない場合には、前記揺動体が前記滑り路の入口へ揺動しており、及び/又は、
前記締め付け装置は、二つの締め付け部品を含み、各前記締め付け部品は、それぞれ、前記揺動体及び前記固定軸を含み、二つの前記締め付け部品は、前記滑り路における両側に対称に設置されており、
好ましくは、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記位置決めピンの中心線と二つの前記固定軸の中心線とが同じ面になり、
好ましくは、前記締め付け装置は、弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記位置決め座本体と前記揺動体との間に設置されており、前記揺動体に力が受けられない場合に前記揺動体の当接面が前記位置決めピンの滑り込む方向に向かうように前記揺動体に作用しており、
好ましくは、前記弾性部は、一方端が前記揺動体に挿入され、他方端が前記位置決め座本体に当接され、及び/又は、
前記弾性部は、ばねである。
【0021】
本手段では、以上の構成を採用することにより、揺動体及び固定軸を用いて締め付け装置を簡単に構成することができ、揺動体が固定軸回りに回動可能であることにより、揺動体を一層容易に、位置決め状態に切り替えることができると共に、位置決めピンが位置決め点に位置する堅固性を高めることができる。
【0022】
本手段では、以上の構成を採用することにより、揺動体の弧面を位置決めピンに当接することにより、位置決めピンが位置決め点にある堅固性を高めることができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、揺動体を入口に揺動することにより、位置決めピンが揺動体に入ることが一層容易になり、しかも、位置決めピンが揺動体に位置する堅固性を高めることができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、対称に設置される締め付け部品を用いると、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、二つの締め付け部品が同時に位置決めピンを締め付けることができ、位置決め座の堅固性が高まる。
【0023】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決めピンの中心線と二つの固定軸の中心線とが同じ面になるように設計されており、位置決めピンが位置決め点に位置すると、位置決めピンと二つの固定軸との距離が最小となり、そして、二つの揺動体により位置決めピンを一層しっかりと締め付けることができ、この時に、位置決めピンにおける軸方向に受けられる力が最大となり、位置決めピンが位置決め点から離れることが難しく、位置決め座の堅固性が高まる。本手段では、以上の構成を採用することにより、弾性部を用いて揺動が位置決めピンの滑り込む方向を向くようにし、位置決めピンが円滑に揺動体に滑り込むことに役立ち、ひいては、締め付け装置により位置決めピンを締め付けることに役立つ。
【0024】
本手段では、以上の構成を採用することにより、弾性部を揺動体及び位置決め座本体に挿入すると、弾性部の安定性を高め、弾性部により揺動体に弾力が替わりにかかることに役立つ。本手段では、以上の構成を採用することにより、ばねを用いて弾性部を設計する形態を簡単にして、弾性部の寿命を延ばし、位置決め座の使用コストを低くすることができる。
【0025】
好適には、前記位置決め座は、緩衝部をさらに含み、前記緩衝部の少なくとも一部が前記滑り路内に位置しており、前記位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、前記緩衝部が前記位置決めピンの壁面に当接されており、好ましくは、前記緩衝部が弾性クッションである。
【0026】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決めピンを位置決め状態に転換する時の運動エネルギーの一部を緩衝部により吸収すると、位置決め座に対する位置決めピンの衝突を削減し、位置決めピンが位置決める際の騒音を低くして、位置決めピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることに役立つ。本手段では、以上の構成を採用することにより、弾性クッションを緩衝部として用いると、緩衝部のコストを削減して、緩衝部による緩衝効果を高めることができる。
【0027】
電池パックに接続される位置決めピンは、上記の少なくとも一項に記載の位置決め座と嵌合するためのものであり、前記位置決めピンは、前記第一位置制限部と嵌合して、前記電池パックが前記位置決めピンの軸方向に沿って移動しないように制限するための第二位置制限部が設けられている。
【0028】
本手段では、以上の構成を採用することにより、第二位置制限部を用いて第一位置制限部と嵌合し、位置決めピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることができ、位置決めピンをその軸方向に固定することができ、ひいては、当該位置決めピンを用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0029】
好適には、前記第一位置制限部は凹み部であり、前記第二位置制限部は凸起部であるとともに数が複数であり、複数の前記凸起部は、前記位置決めピンの軸方向に沿って分布し、又は、前記位置決めピンの径方向に分布する。
【0030】
本手段では、以上の構成を採用することにより、凸起部と凹み部とが係合し合うことにより、位置決めピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることができる。同時に、位置決めピンに複数の凸起部を設置することにより、位置決めピンを一層堅固にして、位置決め座からその軸方向に沿って離れることが難しい。また、単一の凸起部に効力が無くなることにより位置決め状態が変わってしまうという問題を解決して、位置決めピンの安全係数を高めることができる。
【0031】
好適には、前記第二位置制限部と前記位置決めピンとは、一体化して構成されており、又は、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに取り外し可能であるように接続され、好ましくは、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに周設されており、
好ましくは、前記第二位置制限部は、前記位置決めピンに対して回動可能であり、及び/又は、
前記位置決めピンは、前記位置決めピンの端面に設置される軸邪魔部をさらに含み、前記軸邪魔部は、前記第二位置制限部が前記位置決めピンの軸方向に沿って移動しないように阻むためのものであり、及び/又は、前記第二位置制限部は、前記滑り路と止まり嵌めるシャフトスリーブである。
【0032】
本手段では、以上の構成を採用することにより、第二位置制限部と位置決めピンとを一体化して構成するように設計し、位置決めピンを製造するプロセスを簡単にし、位置決めピンのコストを削減することができる。第二位置制限部と位置決めピンとを接続する形態を、取り外し可能に設計することにより、第二位置制限部と位置決めピンとについて、単独して設計や製造が可能であり、しかも、両者の性能をそれぞれの使用環境に一層合致することができ、位置決めピンの品質を高めることに役立つ。
【0033】
本手段では、以上の構成を採用することにより、第二位置制限部を位置決めピンの外側に周設して、第二位置制限部が第一位置制限部と一層十分に嵌合できることになり、位置決めピンが位置決め状態に位置する堅固性を高めることができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、第二位置制限部を回動可能に設計し、位置決めピンが滑り路へ入る抵抗力を低下させ、位置決めピンの使用期限を延ばすことに役立つ。
【0034】
本手段では、以上の構成を採用することにより、軸邪魔部を用いて、第二位置制限部が軸方向に移動しないように阻み、位置決めピンの安全係数を高めることができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、滑り路と止まり嵌めるシャフトスリーブを用いて、位置決めピンと位置決め座とを一層堅固にして、位置決めピンにおける予想外の移動を削減することができる。
【0035】
電池パックを位置決めて固定する位置決め機構は、上記の少なくとも一項に記載の位置決め座及び上記の少なくとも一項に記載の位置決めピンを含み、前記位置決めピンは、パックに設置されており、前記位置決め機構は、前記電池パックが前記位置決めピンの軸方向に沿って前記位置決め座から脱離しないように制限するためのものであり、又は、前記位置決め機構は、位置決めピン及び上記の少なくとも一項に記載の位置決め座を含み、前記位置決めピンは電池パックに設置されており、前記位置決めピンは、前記開口より前記滑り路へ入る。
【0036】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決め座の第一位置制限部と位置決めピンの第二位置制限部とが嵌合し合うことにより、位置決めピンの移動方向を制限し、位置決めピンがその軸方向において位置決め座から脱離できないことになり、当該位置決めピンを用いた電池パックを軸方向に固定することが実現され得る。
【0037】
本手段では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。本手段では、以上の構成を採用することにより、締め付け装置を用いて位置決めピンを鉛直方向に固定することができ、当該位置決めピンを用いた電池パックを鉛直方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を制限し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0038】
電池パックを取り付けるための急速交換ホルダー部品は、急速交換ホルダーを含み、前記急速交換ホルダー部品は、上記に記載の位置決め機構をさらに含み、前記位置決め座は、前記急速交換ホルダーに設けられている。
【0039】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決め座を含んだ急速交換ホルダー部品により、急速交換ホルダー部品に位置する電池パックが位置決めピンの軸方向に沿って急速交換ホルダーから脱離できないことになり、当該急速交換ホルダー部品を用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を制限し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0040】
本手段では、以上の構成を採用することにより、位置決め座を含んだ急速交換ホルダーを用いて、急速交換ホルダー部品に位置する電池パックが高さ方向に沿って急速交換ホルダーから脱離できないことになり、ひいては、当該急速交換ホルダー部品を用いた電池パックを高さ方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0041】
電池パックを電気自動車に取り付けるための急速交換ホルダー部品は、急速交換ホルダー、ロック機構及び位置決め機構を含み、前記ロック機構及び前記位置決め機構は、それぞれ、前記急速交換ホルダーに設置されており、前記ロック機構は、前記電池パックを電気自動車にロックすると共に、前記電池パックが電気自動車の走行する方向に沿って移動しないように制限するためのものであり、前記位置決め機構は、前記電池パックが水平面において前記走行方向と垂直する方向に沿って移動ように制限し、及び/又は、前記電池パックが鉛直方向に沿って移動しないように制限するためのものである。
【0042】
本手段では、以上の構成を採用することにより、急速交換ホルダー部品に滑り路位置決め機構及び二重振り子位置決め機構を設置することにより、電池パックを、電気自動車が走行する方向、滑り路ピンの軸方向及び鉛直方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0043】
好適には、前記位置決め機構は、滑り路位置決め機構を含み、前記滑り路位置決め機構は、前記電池パックが水平面において前記走行方向と垂直する方向に移動しないように制限するためのものである。
【0044】
好適には、前記滑り路位置決め機構は、滑り路座を含み、前記滑り路座が前記急速交換ホルダーに接続され、前記電池パックにおける滑り路ピンと嵌合するためのものであり、
前記滑り路座は、開口及び前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、前記滑り路ピンが前記滑り路へ入るためのものであり、
前記滑り路座における前記滑り路には第一位置制限部が設けられており、前記滑り路ピンには第二位置制限部が設けられており、前記第二位置制限部は、前記第一位置制限部と嵌合して、前記電池パックが前記滑り路ピンの軸方向に沿って移動しないように制限するためのものであり、
好ましくは、前記滑り路座は、急速交換ホルダーにおける左側面又は右側面に設置されており、及び/又は、前記第一位置制限部は凸起部であり又は凹み部であり、及び/又は、前記第一位置制限部は凹み部であり、前記第二位置制限部が凸起部であるとともに数が複数であり、複数の前記凸起部は、前記滑り路ピンの軸方向に沿って分布し、又は、前記滑り路ピンの径方向に分布する。
【0045】
本手段では、以上の構成を採用することにより、滑り路位置決め機構において、第一位置制限部を用いて滑り路ピンの移動方向を制限し、滑り路ピンがその軸方向に沿って滑り路座から脱離しないことになり、ひいては、当該滑り路ピンを用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動きを制限し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0046】
本手段では、以上の構成を採用することにより、滑り路位置決め機構を急速交換ホルダーにおける左側面又は右側面に設置し、電池パック沿滑り路ピンを軸方向に固定することができ、滑り路ピンにおける軸方向の両側に同時に位置決めを行うことにより電池パックを取り付けることが複雑になり、位置決めの精度に対する要求が高くなるという問題を解決することができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、第一位置制限部を凸起部又は凹み部に設計することにより、滑り路座を用いて位置を制限する機能を実現できると共に、第一位置制限部を構成する形態を簡単にして、滑り路座の使用寿命を延ばすことができる。
【0047】
本手段では、以上の構成を採用することにより、凸起部と凹み部とが係合し合うことにより、滑り路ピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることができる。それと同時に、滑り路ピンに複数の凸起部を設置することにより、滑り路ピンを一層堅固にして、滑り路座からその軸方向に沿って離れることが難しくなる。また、単一の凸起部に効力が無くなることにより位置決め状態が変わるという問題を解決して、位置決めピンの安全係数を高めることができる。
【0048】
好適には、前記位置決め機構は、二重振り子位置決め機構を含み、前記二重振り子位置決め機構は、前記電池パックが鉛直方向に沿って移動しないように制限するためのものであり、
好ましくは、前記二重振り子位置決め機構は、前記急速交換ホルダーにおける左側面、右側面のうちの一つ側面又は二つの側面に対称に設置されており、及び/又は、
前記二重振り子位置決め機構は、二重振り子座及び二重振り子ピンを含み、前記二重振り子座が前記急速交換ホルダーに接続され、前記二重振り子ピンは、それぞれ、前記電池パックに接続されており、
前記二重振り子座は、開口及び自前記開口より延出する滑り路が側面に設けられており、前記開口は、前記二重振り子ピンが前記滑り路へ入るためのものであり、
前記二重振り子座は、締め付け装置をさらに含み、前記締め付け装置は、前記滑り路内に設置されており、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、前記締め付け装置が鉛直方向に沿って前記二重振り子ピンに当接され、前記電池パックが鉛直方向に沿って移動しないように制限するためのものである。
【0049】
本手段では、以上の構成を採用することにより、二重振り子位置決め機構を用いて電池パックを鉛直方向に移動しないように制限することができ、急速交換ホルダー部品を構成する形態を簡単にして、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。
【0050】
本手段では、以上の構成を採用することにより、二重振り子位置決め機構を急速交換ホルダーにおける一つの側面に設置することにより、電池パックを鉛直方向に移動しないように制限することができ、二重振り子位置決め機構を急速交換ホルダーにおける二つの側面に設置することにより、電池パックの堅固性を高めることができる。
【0051】
本手段では、以上の構成を採用することにより、滑り路内に締め付け装置を設置することにより、位置決め点に位置する二重振り子ピンをしっかりと押さえて、ひいては、二重振り子ピンが鉛直方向に移動できないようにし、二重振り子ピンを鉛直方向に固定することができ、また、二重振り子座を用いた位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車の電池パックを鉛直方向に位置決めて固定することができる。本手段では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らして、電池パックの寿命を延ばすことに役立つと共に、電池パックが破壊される確率を低くすることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0052】
好適には、前記締め付け装置は、前記滑り路内における前記二重振り子ピンの位置決め点に設けられており、前記締め付け装置が揺動体及び固定軸を含み、前記固定軸が前記二重振り子座の本体に接続され、前記揺動体が前記固定軸回りに回動可能であり、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、前記揺動体が前記二重振り子ピンの外壁に当接されており、
好ましくは、前記締め付け装置は、二つの締め付け部品を含み、各前記締め付け部品は、それぞれ、前記揺動体及び前記固定軸を含み、二つの前記締め付け部品は、前記滑り路における両側に対称に設置されており、
好ましくは、前記二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、前記二重振り子ピンの中心線と二つの前記固定軸の中心線とが同じ面になり、及び/又は、
前記締め付け装置は、弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記二重振り子座本体と前記揺動体との間に設置されており、前記揺動体に力が受けられない場合に前記揺動体の当接面が前記二重振り子ピンの滑り込む方向に向かうように前記揺動体に作用し、前記弾性部は、一方端が前記揺動体に挿入され、他方端が前記二重振り子座本体に当接される。
【0053】
本手段では、以上の構成を採用することにより、締め付け装置を位置決め点に設置することにより、二重振り子ピンを位置決め点に一層堅固に位置し、二重振り子ピンが位置決め点に位置する際に予想外に移動する確率を減らすことができる。揺動体及び固定軸を用いて締め付け装置の構成を簡単にして、揺動体が固定軸回りに回動可能であることにより、揺動体を一層易く、位置決め状態に切り替えることができると共に、二重振り子ピンが位置決め点に位置する堅固性を高めることができる。本手段では、以上の構成を採用することにより、対称に設置される締め付け部品により、二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、二つの締め付け部品により同時に二重振り子ピンを締め付け、二重振り子ピンの堅固性を高めることができる。
【0054】
本手段では、以上の構成を採用することにより、二重振り子ピンの中心線と二つの固定軸の中心線とが同じ面になるように設計され、二重振り子ピンが位置決め点に位置する場合に、二重振り子ピンと二つの固定軸との距離が最小となり、二つの揺動体により二重振り子ピンを一層しっかりと締め付け、この時、二重振り子ピンにおける軸方向に受けられる力が最大となり、二重振り子ピンが位置決め点から離れることが難しくなり、二重振り子ピンの堅固性が高まる。
【0055】
本手段では、以上の構成を採用することにより、弾性部を用いて揺動が二重振り子ピンの滑り込む方向を向くようにし、二重振り子ピンが円滑に揺動体に滑り込むことに役立ち、ひいては、締め付け装置により二重振り子ピンを締め付けることに役立つ。弾性部を揺動体及び二重振り子座の本体に挿入すると、弾性部の安定性を高め、弾性部により揺動体に弾力が替わりにかかることに役立つ。
【0056】
電気自動車は、電池パック及び上記の少なくとも一項に記載の急速交換ホルダー部品を含む。
【0057】
本手段では、以上の構成を採用することにより、急速交換ホルダー部品を用いて、当該電気自動車の電池パックを位置決めピンの軸方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0058】
本手段では、以上の構成を採用することにより、急速交換ホルダー部品を用いて、当該電気自動車の電池パックを高さ方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0059】
本手段では、以上の構成を採用することにより、急速交換ホルダー部品を用いて、当該電気自動車の電池パックを、鉛直方向及び滑り路ピンの軸方向に固定することができる。本手段では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【発明の効果】
【0060】
本分野の常識を満たすことを基に、上記した各好ましい条件を任意に組み合わせても、本発明における各好適な実施例を取得することができる。
本発明では、位置決め座に第一位置制限部を設置し、第一位置制限部を用いて位置決めピンの移動方向を制限し、位置決めピンがその軸方向に沿って位置決め座から脱離できないことになり、当該位置決めピンを用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本発明では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明の実施例1に係る位置決め座の構成の模式図である。
図2】本発明の実施例1に係る位置決め座の他の構成の模式図である。
図3】本発明の実施例1に係る位置決め座のA-A断面の構成の模式図である。
図4】本発明の実施例1に係る位置決め座に弾性クッションを含んだ構成の模式図である。
図5】本発明の実施例2に係る位置決めピンの構成の模式図である。
図6】本発明の実施例2に係る位置決めピンの断面の構成の模式図である。
図7】本発明の実施例3に係る位置決め機構の構成の模式図である。
図8】本発明の実施例3に係る位置決め機構の断面の構成の模式図である。
図9】本発明の実施例4に係る急速交換ホルダー部品の構成の模式図である。
図10】本発明の実施例5に係る電気自動車の電池パック部品の構成の模式図である。
図11】本発明の実施例6に係る位置決め座の構成の模式図である。
図12】本発明の実施例6に係る位置決め座の他の構成の模式図である。
図13】本発明の実施例7に係る位置決め機構の構成の模式図である。
図14】本発明の実施例7に係る位置決め機構の断面の構成の模式図である。
図15】本発明の実施例7に係る位置決め機構の他の断面の構成の模式図である。
図16】本発明の実施例7に係る位置決め機構の位置決めピン構成の模式図である。
図17】本発明の実施例8に係る急速交換ホルダー部品の構成の模式図である。
図18】本発明の実施例9に係る電気自動車の電池パック部品の構成の模式図である。
図19】本発明の実施例10に係る急速交換ホルダー部品の構成の模式図である。
図20】本発明の実施例10に係る急速交換ホルダー部品における滑り路と位置決め機構の構成の模式図である。
図21】本発明の実施例10に係る急速交換ホルダー部品における二重振り子位置決め機構の構成の模式図である。
図22】本発明の実施例11の電気自動車の電池パック部品の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下に、実施例の形態に基づいて、本発明を詳しく説明するが、本発明を前記の実施例による範囲に限定するわけではない。
【0063】
<実施例1>
図1乃至図4に示すように、本実施例に係る位置決め座1は、電池パックを位置決めて固定するためのものである。位置決め座1は、電池パックを固定する位置決めピンを受容するためのものである。位置決め座1は、開口12及び開口12より延出する滑り路11が側面に設けられており、開口12は、位置決めピンが滑り路11へ入るためのものであり、滑り路11には、位置決めピンが軸方向に沿って位置決め座1から脱離しないように制限するための第一位置制限部が設けられている。
【0064】
本実施例では、第一位置制限部を用いて位置決めピンの移動方向を制限することができ、位置決めピン2がその軸方向に位置決め座1から脱離できないことになり、当該位置決めピンを用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0065】
図2に示すように、本実施例では、滑り路11が、位置決めピンを支持するための支持プラットフォーム111を有しており、第一位置制限部は、支持プラットフォーム111に設けられている。本実施例では、支持プラットフォーム111を用いて位置決めピンを支持することができ、位置決めピンが一層堅固になる。勿論、他の実施例において、支持プラットフォーム111が他の形態に設計されてもよい。
【0066】
本実施例では、第一位置制限部を凹み部13として設計し、凹み部13が第一位置制限面131及び第二位置制限面132を有しており、第一位置制限面131と第二位置制限面132との交差する箇所が凹み部の最低点となる。本実施例では、凹み部13を第一位置制限面131及び第二位置制限面132として設計し、凹み部13を構成する形態を簡単にして、凹み部13による位置制限の機能が高まることに役立つ。本実施例では、第一位置制限面131及び第二位置制限面132は、近似すると平面であり、両者の交差する箇所に、円弧遷移が用いられる。そうすると、鋭いものを避けて第一位置制限部の使用期限を延ばすことに役立つ。他の実施例では、第一位置制限面131及び第二位置制限面132が他の形態、例えば曲面として設計されてもよい。勿論、第一位置制限部は、凹み部13と類似するように、凸起部として設計されてもよい。
【0067】
他の一実施形態としては、第一位置制限部は、断面が弧形、V形又は台形のうちの一つであってもよい。本実施例では、第一位置制限部における断面を弧形、V形又は台形のうちの一つに設計することにより、位置決め座1により位置を制限する機能を実現することに役立つと共に、第一位置制限部を構成する形態を簡単にして、位置決め座1の使用期限を延ばすことに役立つ。
【0068】
図4に示すように、位置決め座1は、緩衝部をさらに含み、緩衝部の少なくとも一部が、滑り路11内に位置しており、位置決め座1が位置決め状態にある場合に、緩衝部が位置決めピンの壁面に当接される。本実施例では、緩衝部により、位置決めピンを位置決め状態に転換する際の運動エネルギーを吸収して、位置決め座1に対する位置決めピンの衝突を削減することに役立ち、位置決めピンが位置決める際の騒音を減らし、位置決めピンが位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることに役立つ。具体的に、本実施例では、緩衝部が弾性クッション14である。本実施例では、以上の構成を採用することにより、弾性クッション14を緩衝部として用いることにより、緩衝部のコストを削減して、緩衝部によるバッファ・緩衝の効果を高めることができる。弾性クッション14は、シリカゲルをその材質として選んでもよいが、勿論、弾性クッション14について、他の材料を選んでもよい。緩衝部は、他の形態を選んでもよい。
【0069】
<実施例2>
図5及び図6に示すように、本実施例に係る位置決めピン2は、電池パックに接続されており、上記の位置決め座1と嵌合するためのものである。位置決めピン2には、第二位置制限部が設けられており、第二位置制限部は、第一位置制限部と嵌合して、電池パックが位置決めピン2の軸方向に沿って移動しないように制限するためのものである。本実施例では、第二位置制限部と第一位置制限部とが嵌合し合うことにより、位置決めピン2が位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることができ、位置決めピン2をその軸方向に固定することができ、ひいては、当該位置決めピン2を用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0070】
本実施例では、位置決めピン2は、ピン座21、ピン軸22、シャフトスリーブ23及び軸邪魔部24を含む。第二位置制限部は、シャフトスリーブ23である。シャフトスリーブ23と滑り路11とは、止まり嵌めるように設計されてもよい。滑り路11と止まり嵌めるシャフトスリーブ23を用いて、位置決めピン2を位置決め座1に対して一層堅固にし、位置決めピン2における予想外の移動を抑えることができる。
【0071】
図6では、シャフトスリーブ23がピン軸22に周設されている。シャフトスリーブ23を位置決めピン2の外側に周設することにより、シャフトスリーブ23が位置決め座1における第一位置制限部と一層十分に嵌合できることになり、位置決めピン2が位置決め状態に位置する堅固性を高めることに役立つ。
【0072】
本実施例では、シャフトスリーブ23がピン軸22に対して回動可能である。シャフトスリーブ23を、回動可能に設計することにより、位置決めピン2が滑り路11に入る際の抵抗力を減らすことができ、位置決めピン2の使用期限を延ばすことに役立つ。また、シャフトスリーブ23とピン軸22とを、取り外し可能に接続するように設計することにより、シャフトスリーブ23とピン軸22とについて、それぞれ、単独して設計や製造が可能であり、しかも、二者の性能をそれぞれの使用環境に一層合致することができ、位置決めピン2の品質を高めることに役立つ。
【0073】
図6では、位置決めピン2は、軸邪魔部24をさらに含み、軸邪魔部24は、位置決めピン2の端面に設置され、軸邪魔部24は、第二位置制限部が位置決めピン2の軸方向に沿って移動しないように阻むためのものである。軸邪魔部24を用いて第二位置制限部が軸方向に移動しないように阻むことにより、位置決めピン2の安全係数を高めることができる。
【0074】
他の実施例では、第二位置制限部と位置決めピン2とを一体化して構成するようにしてもよい。第二位置制限部と位置決めピン2とを一体化して構成するように設計することにより、位置決めピン2を製造するプロセスを減らして、位置決めピン2のコストを削減することができる。
【0075】
本実施例では、第二位置制限部を、外へ凸起となるシャフトスリーブ23に設計するが、他の実施例では、第二位置制限部を例えば、内へ凹む形態、波状の形態などの他の形態に設計してもよい。
【0076】
位置決めピン2の安全係数を一層高めるためには、第二位置制限部を他の形態の凸起部とすると共に、第二位置制限部の数を複数にして、複数の凸起部を位置決めピン2の軸方向に分布し、又は、複数の凸起部を位置決めピン2の径方向に分布してもよい。本実施例では、凸起部と位置決め座1の凹み部13とが係合しあうことにより、位置決めピン2が位置決め状態に位置する堅固性を高めることができる。それと同時に、位置決めピン2に複数の凸起部を設置して、位置決めピン2を一層堅固にし、位置決め座1においてその軸方向から離れないようにすることができる。また、単一の凸起部はその効力が無くなることにより位置決め状態が変わってしまうという問題を解決して、位置決めピン2の安全係数を高めることができる。
【0077】
<実施例3>
図7及び図8に示すように、本実施例に係る位置決め機構3は、電池パックを位置決めて固定するためのものである。位置決め機構3は、実施例1に係る位置決め座1及び実施例2に係る位置決めピン2を含み、位置決めピン2は、電池パックに設置されており、位置決め機構3は、電池パック沿位置決めピン2の軸方向に沿って位置決め座1から脱離しないように制限するためのものである。本実施例では、位置決め座1における第一位置制限部と位置決めピン2における第二位置制限部とが嵌合し合うことにより、位置決めピン2の移動方向を制限することができ、位置決めピン2がその軸方向に沿って位置決め座1から脱離できないことになり、ひいては、当該位置決めピン2を用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らして、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0078】
<実施例4>
図9に示すように、本実施例に係る急速交換ホルダー部品4は、電池パックを取り付けるためのものであり、急速交換ホルダー部品4は、急速交換ホルダー41を含み、位置決め機構3の位置決め座1をさらに含み、位置決め座1が急速交換ホルダー41に設けられている。位置決め座1は、急速交換ホルダー41における一つの側面に設けられている。本実施例では、位置決め座1を含んだ急速交換ホルダー部品4を用いて、急速交換ホルダー部品4に位置する電池パックが位置決めピン2の軸方向に沿って急速交換ホルダー41から脱離できないことになり、ひいては、当該急速交換ホルダー部品4を用いた電池パックを軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らして、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0079】
<実施例5>
本実施例は、電気自動車であり、図10に示されるのが電気自動車の電池パック部品5である。本実施例に係る電気自動車は、電池パック部品5と実施例4に係る急速交換ホルダー部品4を含む。
【0080】
本実施例では、以上の構成を採用することにより、急速交換ホルダー部品4を用いて、当該電気自動車の電池パック51を位置決めピン2の軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パック51の動き方向を抑制し、電池パック51が動ける状態の複雑性を減らし、電池パック51の寿命を延ばすことに役立ち、電池パック51が破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パック51に故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0081】
<実施例6>
図11及び図12に示すように、本実施例に係る位置決め座10は、電池パックを位置決めて固定するためのものである。位置決め座10は、位置決め座本体101を含み、位置決め座本体101は、開口12及び開口12より延出する滑り路11が側面に設けられており、開口12は、電池パックの位置決めピンが滑り路11へ入るためのものであり、位置決め座10は、滑り路11内に設置される締め付け装置13をさらに含み、当位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、締め付け装置13が鉛直方向に沿って位置決めピンに当接される。本実施例では、滑り路11内に締め付け装置13を設置することにより、位置決め点に位置する位置決めピンをしっかりと押さえて、位置決めピンが鉛直方向に沿って移動できないことになり、ひいては、位置決めピンを鉛直方向に固定することができ、位置決め座10を用いた位置決め機構、急速交換ホルダー部品及び電気自動車の電池パックを鉛直方向に位置決めて固定することができる。本実施例では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0082】
一実施形態としては、締め付け装置13を滑り路11内における位置決めピンの位置決め点に設ける。本実施例では、締め付け装置を位置決め点に設置することにより、位置決めピンを位置決め点に一層堅固にすることができ、位置決めピンが位置決め点に予想外に移動する確率を低下させることができる。
【0083】
具体的に、締め付け装置13は揺動体131及び固定軸132を含み、固定軸132が位置決め座本体101に接続され、揺動体131が固定軸132回りに回動可能であり、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、揺動体131が位置決めピンの外壁に当接される。本実施例では、揺動体131及び固定軸132により締め付け装置13の構成を簡単にすることができ、揺動体131が固定軸132回りに回動可能であることにより、揺動体131を一層容易に、位置決め状態に切り替えると共に、位置決めピンにおける位置決め点の堅固性を高めることができる。他の実施例では、締め付け装置13が他の形態として設計されてもよい。
【0084】
一実施形態としては、揺動体131は、位置決めピンの外壁に当接される弧面をさらに有している。本実施例では、揺動体131の弧面が位置決めピンに当接されることにより、位置決めピンにおける位置決め点の堅固性を高めることができる。他の実施例では、揺動体131が他の形態として設計されてもよい。
【0085】
位置決めピンが簡便に揺動体131へ滑り込むためには、位置決めピンが滑り路11へ入らない場合に、揺動体131を滑り路11の入口へ揺動させてもよい。本実施例では、揺動体131を入口に揺動することにより、位置決めピンが一層容易に、揺動体131へ入ると共に、揺動体131内における位置決めピンの堅固性を高めることができる。
【0086】
一実施形態としては、締め付け装置13が弾性部をさらに含み、弾性部は、位置決め座本体101と揺動体131との間に設置されており、揺動体131に力が受けられない場合に揺動体131の当接面が位置決めピンの滑り込む方向に向かうように揺動体131に作用する。本実施例では、弾性部を用いて揺動が位置決めピンの滑り込む方向を向くようにして、位置決めピンが円滑に揺動体131に滑り込むことができ、ひいては、締め付け装置13により位置決めピンを締め付けることに役立つ。
【0087】
弾性部の安定性を高めるためには、さらに、弾性部について一方端を揺動体131に挿入するが、他方端を位置決め座本体101に当接してもよい。本実施例では、弾性部を揺動体131及び位置決め座本体101に挿入することにより、弾性部の安定性を高めることができ、弾性部により、揺動体131に弾力が替わりにかかることに役立つ。
【0088】
本実施例では、弾性部をばね15に設計する。本実施例では、ばね15を用いて弾性部を設計する形態を簡単にして、弾性部の寿命を延ばすことができ、位置決め座10の使用コストを削減することができる。他の実施例では、弾性部を他の形態として設計してもよく、勿論、他の取り付け位置を選んでもよい。
【0089】
一実施形態としては、締め付け装置13が二つの締め付け部品130を含み、各締め付け部品130は、それぞれ、揺動体131及び固定軸132を含み、二つの締め付け部品130は、滑り路11の両側に対称に設置される。本実施例では、対称に設置される締め付け部品130を用いることから、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、二つの締め付け部品130により同時に位置決めピンを締め付けることができ、位置決め座10の堅固性を高めることができる。他の実施例では、一つの締め付け部品130しか設計しなくてもよく、同様に、対応する技術的問題を解決することができる。
【0090】
本実施例では、図14及び図15に示すように、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、位置決めピンの中心線と二つの固定軸132の中心線とが同じ面になる。本実施例では、位置決めピンの中心線と二つの固定軸132の中心線とが同じ面になるように設計されることにより、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、位置決めピンと二つの固定軸132との距離が最小となり、ひいては、二つの揺動体131により位置決めピンを一層しっかりと締め付けることができ、このとき、位置決めピンにおける軸方向に受けられる力が最大となり、位置決めピンが位置決め点から離れることが難しくなり、位置決め座10の堅固性が高まる。位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、位置決めピンと二つの揺動体131とを止まり嵌めるように設計してもよい、本実施例では、二つの揺動体131により位置決めピンを一層しっかりと締め付けることができ、ひいては、このとき、位置決めピンにおける軸方向に受けられる力が一層大きくなり、位置決めピンが位置決め点から離れることが一層難しくなり、それが位置決め点に一層堅固に固定されることになる。
【0091】
一実施形態としては、位置決め座10が緩衝部をさらに含み、緩衝部の少なくとも一部が滑り路11に位置しており、位置決めピンが位置決め点に位置する場合に、緩衝部が位置決めピンの壁面に当接される。本実施例では、緩衝部を用いて、位置決めピンを位置決め状態に転換する際の運動エネルギーの一部を吸収して、位置決め座10に対する位置決めピンの衝突を避けることができ、位置決めピンが位置決める際の騒音を減らして、位置決めピンが位置決め状態に位置する堅固性を高めることができる。
【0092】
具体的に、本実施例では、緩衝部が弾性クッション14である。本実施例では、弾性クッション14を緩衝部として用いて、緩衝部のコストを削減することができ、緩衝部による緩衝効果が高まる。他の実施例では、緩衝部が、他の形態として設計されてもよい。
【0093】
本実施例では、図11及び図12に示すように、滑り路11の両側に締め付け部品130の受容室を設置して、両側の受容室内にそれぞれ締め付け部品130を設置する。受容室は、締め付け部品130に受容空間を提供するためのものである。それと同時に、位置決め座本体101に固定軸132の取り付け孔を設置し、揺動体131が受容室内において固定軸132回りに揺動できるようにする。揺動体131が左方又は右方へ限界まで回動すると、揺動体131の外壁が位置決め座本体101と接触することにより、揺動体131がそれ以上回動しないように制限する。このとき、揺動体131の弧面と滑り路11の辺縁とが揃って突き合せるため、突き合せる位置決めピンが揺動体131の弧面に安定に入出できる。一般的に、位置決めピンが揺動体131の弧面へ入らない場合に、揺動体131がばね15からの作用により位置決めピンの滑り込む方向へ転回する。このとき、揺動体131の弧面と滑り路11の辺縁とが揃う。
【0094】
位置決めピンは開口12より滑り路11へ入ってから、滑り路11に沿って継続的に前進する。位置決めピンが滑り路11と揺動体131の弧面との突き合せまで到着すると、滑り路11と弧面とが揃って突き合せることから、位置決めピンが揺動体131の弧面に安定に入ることができる。
【0095】
位置決めピンが弧面に沿って継続的に前進して、弧面の辺縁から次第に弧面の中間に到着する場合には、位置決めピンの軸線と上下両側の固定軸132の軸線との距離が次第に小さくなり、弧面に対する位置決めピンの圧力が次第に大きくなり、該圧力により揺動体131が固定軸132回りに回動する。
【0096】
位置決めピンが弧面の中間位置に到着すると、つまり、位置決めピンの軸線と上下両側の固定軸132の軸線とが同じ面になる場合には、それと同時に、位置決めピンの軸線と上下両側の固定軸132の軸線との距離が最小となり、位置決めピンと揺動体131の弧面とが止まり嵌める状態にあり、揺動体131の弧面に対する位置決めピンの圧力が最大となる。このときの位置が位置決めピンの位置決め点となる。位置決めピンが当該位置決め点に受けられる固定圧力も最大となる。そして、上下二つの締め付け部品130により、位置決めピンを締め付けて固定することができ、位置決めピンが鉛直方向に移動できないことになる。また、固定軸132と揺動体131の弧面とが相対的に移動しないことから、当該位置決め点において、位置決めピンと揺動体131との間に摩擦力が生じることはない。そして、位置決め点にある場合に、締め付け部品130が摩擦力により熱量を生じることがないため、本発明の安定性及び寿命を高めることができる。この時、弾性クッション14も位置決めピンに当接される。
【0097】
位置決めピンが継続的に、弧面の中央位置から摺動して離れると、位置決めピンの軸線と上下両側の固定軸132の軸線との距離が次第に大きくなり、弧面に対する位置決めピンの圧力が次第に小さくなり、それと同時に、当該圧力により揺動体131が固定軸132回りに回動する。
【0098】
位置決めピンが弧面から離れると、揺動体131がばね15からの作用により位置決めピンの滑り込む方向へ転回する。このとき、揺動体131の弧面が滑り路11の辺縁と揃うことになる。
【0099】
<実施例7>
図13乃至図16に示すように、本実施例に係る位置決め機構30は、位置決めピン20及び実施例6に係る位置決め座10を含み、位置決めピン20が電池パックに設置されており、位置決めピン20が開口12より滑り路11へ入る。本実施例では、締め付け装置13を用いて位置決めピン20を鉛直方向に固定することができ、ひいては、当該位置決めピン20を用いた電池パックを鉛直方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0100】
一実施形態としては、位置決めピン20を一体化して構成するように設計してもよい。一体化の構成は、加工によりなされるものであり、本実施例に係る位置決めピン20は、構成が簡単であり、強度と剛性が優れるという利点を有している。位置決めピン20と締め付け装置13とが嵌合する位置については、熱処理を施して、耐磨耗性を増やすようにしてもよい。本実施例では、位置決めピン20の使用寿命を一層延ばして、位置決め機構30の使用コストを削減することができる。
【0101】
本実施例では、位置決めピン20が、滑り路11の開口12より位置決め座本体101へ入る。位置決めピン20が締め付け部品130へ入らない場合に、揺動体131は、ばね15からの作用により、位置決めピン20の滑り込む方向へ揺動する。位置決めピン20が次第に滑り路11から揺動体131の円弧面へ滑り込む時に、位置決めピン20からの圧力とばね15からの弾力との両者の作用により、揺動体131が固定軸132周りに転がり始まり、位置決めピン20が位置決め点に到着すると、つまり、位置決めピン20が揺動体131の円弧面の中間に到着すると、上下に位置する二つの固定軸132の軸線と位置決めピン20の軸線とが同じ面になり、この時、位置決めピン20と二つの固定軸132との距離が最小となる。故に、位置決めピン20に対する二つの揺動体131の圧力が最大となり、つまり、位置決めピン20に上下に位置する二つの締め付け部品130から受けられる圧力が最大となる。そして、位置決めピン20を鉛直方向に固定することができる。一実施形態としては、位置決めピン20と二つの揺動体131を止まり嵌めるように設計することにより、二つの揺動体131により位置決めピン20を一層しっかりと締め付けることができ、つまり、この時、位置決めピン20における軸方向に受けられる力が一層大きくなり、ひいては、位置決めピン20が位置決め点から離れることがより難しくなり、それが一層堅固に位置決め点に固定されることになる。
【0102】
本実施例では、滑り路11の末端に弾性クッション14をさらに設ける。弾性クッション14は、その一部が滑り路11に設置されるが、他の部分が位置決め座本体101に挿入される。弾性クッション14は、位置決め座10に対する位置決めピン20の衝突を抑制し、位置決めピン20が位置決める際の騒音を減らして、位置決めピン20が位置決め状態に位置する際の堅固性を高めることに役立つ。
【0103】
<実施例8>
図17に示すように、本実施例に係る急速交換ホルダー部品40は、電池パックを取り付けるためのものである。急速交換ホルダー部品40は、急速交換ホルダー41を含み、実施例7に係る位置決め機構30をさらに含み、急速交換ホルダー41が位置決め座10に接続される。本実施例では、位置決め座10を含んだ急速交換ホルダー41を用いて、急速交換ホルダー部品40に位置する電池パックが高さ方向に沿って急速交換ホルダー41から脱離できないことになり、ひいては、当該急速交換ホルダー部品40を用いた電池パックを高さ方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動き方向を抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0104】
<実施例9>
図18に示すように、本実施例に係る電気自動車は、同図に示されているのが電気自動車の電池パック部品50である。電気自動車は、電池パック部品50及び実施例8に係る急速交換ホルダー部品40を含む。急速交換ホルダー部品40には、実施例6に係る位置決め座10が含まれており、電池パック51には、位置決めピン20及び電池パック51が含まれており、位置決めピンは、パック51の側面に設置されている。位置決めピン20と位置決め座10とが嵌合しあうことにより、当該電気自動車の電池パック51を高さ方向に固定することができる。本実施例では、電池パック51の動き方向を抑制し、電池パック51が動ける状態の複雑性を減らし、電池パック51の寿命を延ばすことに役立ち、電池パック51が破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パック51に故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0105】
<実施例10>
図19乃至図22に示すように、本実施例に係る急速交換ホルダー部品10は、電池パックを電気自動車に取り付けるためのものである。急速交換ホルダー部品10は、急速交換ホルダー11、ロック機構20及び位置決め機構を含み、ロック機構20及び位置決め機構は、それぞれ、急速交換ホルダー11に設置されており、ロック機構20は、電池パックを電気自動車にロックし、電池パックが電気自動車の走行する方向に沿って移動しないように制限するためのものである。位置決め機構は、電池パックが水平面において走行方向と垂直する方向に移動しないように制限し、及び/又は、電池パックが鉛直方向に移動しないように制限するためのものである。本実施例では、急速交換ホルダー部品10に滑り路位置決め機構30及び二重振り子位置決め機構40を設置することにより、電池パックを滑り路ピン32における軸方向及び鉛直方向に固定することができる。本実施例では、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らし、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パックに故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0106】
一実施形態としては、位置決め機構は、滑り路位置決め機構30をさらに含み、滑り路位置決め機構30は、電池パックが水平面内において走行方向と垂直する方向に沿って移動しないように制限するためのものである。
【0107】
具体的に、滑り路位置決め機構30は、実施例1乃至5における位置決め機構3と、滑り路座31は、実施例1乃至5における位置決め座1と、滑り路ピン32は、実施例1乃至5における位置決めピン2と、それぞれ同様である。第一位置制限部は、実施例1乃至5における第一位置制限面131と、第二位置制限部は、実施例1乃至5における第二位置制限面132と、それぞれ同様である。
【0108】
滑り路座31における滑り路11に第一位置制限部を設け、滑り路ピン32に第二位置制限部321を設ける。第二位置制限部は、第一位置制限部と嵌合して、電池パックが滑り路ピン32の軸方向に沿って移動しないように制限するためのものである。
【0109】
本実施例では、滑り路位置決め機構30を急速交換ホルダー11における左側面又は右側面に設置することにより、電池パックを滑り路ピン32の軸方向に固定することができ、電池パックが水平面において走行方向と垂直する方向に移動しないように制限することができ、滑り路ピン32における軸方向の両側に同時に位置決めを行うことにより電池パックを取り付けることが複雑となり、位置決めの精度に対する要求が高くなるという問題を解決することができる。
【0110】
第一位置制限部を構成する形態を簡単にするためには、第一位置制限部を凸起部又は凹み部として設計してもよい。本実施例では、第一位置制限部を凸起部又は凹み部として設計することにより、滑り路座31により位置を制限する機能を実現することに役立つと共に、第一位置制限部を構成する形態を簡単にして、滑り路座31の使用寿命を延ばすことができる。
【0111】
一実施形態としては、第二位置制限部が滑り路ピン32に周設され、第二位置制限部が滑り路ピン32に対して回動可能である。本実施例では、第二位置制限部を滑り路ピン32の外側に周設することにより、第二位置制限部が第一位置制限部と一層十分に嵌合できることになり、滑り路ピン32が位置決め状態に位置する堅固性を高めることができる。それと同時に、第二位置制限部を回動可能に設計することにより、滑り路ピン32が滑り路へ入る際の抵抗力を削減して、滑り路ピン32の使用期限を延ばすことに役立つ。
【0112】
一実施形態としては、位置決め機構は、二重振り子位置決め機構40をさらに含み、二重振り子位置決め機構40は、電池パックが鉛直方向に沿って移動しないように制限するためのものである。本実施例では、二重振り子位置決め機構40を用いて電池パックにおける鉛直方向の移動を制限することができ、急速交換ホルダー部品10を構成する形態を簡単にして、電池パックの動きを抑制し、電池パックが動ける状態の複雑性を減らして、電池パックの寿命を延ばすことに役立ち、電池パックが破壊される確率を減らすことができる。
【0113】
具体的に、二重振り子位置決め機構40は、実施例6乃至9における位置決め機構30と、二重振り子座41は、実施例6乃至9における位置決め座10と、二重振り子ピン42は、実施例6乃至9における位置決めピン20と、それぞれ同様である。
【0114】
一実施形態としては、二重振り子位置決め機構40は、急速交換ホルダー11における左側面、右側面のうちの一つ側面又は二つの側面に対称に設置される。本実施例では、二重振り子位置決め機構40を急速交換ホルダー11における一つの側面に設置することにより、電池パックにおける鉛直方向の移動を制限することができ、二重振り子位置決め機構40を急速交換ホルダー11における二つの側面に設置することにより、電池パックの堅固性を高めることができる。
【0115】
<実施例11>
本実施例に係る電気自動車は、電池パック部品60及び実施例10に係る急速交換ホルダー部品10を含む。図22は、本実施例に係る電池パック部品60を示す。本実施例では、急速交換ホルダー部品10を用いて、当該電気自動車の電池パック61を電気自動車が走行する方向、鉛直方向及び滑り路ピン32の軸方向に固定することができる。本実施例では、電池パック61の動き方向を制限し、電池パック61が動ける状態の複雑性を減らし、電池パック61の寿命を延ばすことに役立ち、電池パック61が破壊される確率を低下させることができる。それと同時に、電池パック61に故障が現れる原因を分析することに役立つ。
【0116】
以上に本発明における具体的な実施形態を詳しく説明したが、これらが例示的なものに過ぎず、本発明の原理と趣旨を逸脱しない限り、これらの実施形態について様々な変更や補正も可能であるということは、当業者にとって理解するべきである。故に、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により限定されるものである。
【符号の説明】
【0117】
実施例1乃至実施例5
1 位置決め座
11 滑り路
111 支持プラットフォーム
12 開口
13 凹み部
131 第一位置制限面
132 第二位置制限面
14 弾性クッション
2 位置決めピン
21 ピン座
22 ピン軸
23 シャフトスリーブ
24 軸邪魔部
3 位置決め機構
4 急速交換ホルダー部品
41 急速交換ホルダー
5 電池パック部品
51 電池パック
実施例6乃至実施例9
10 位置決め座
101 位置決め座本体
11 滑り路
12 開口
13 締め付け装置
130 締め付け部品
131 揺動体
132 固定軸
14 弾性クッション
15 ばね
20 位置決めピン
30 位置決め機構
40 急速交換ホルダー部品
41 急速交換ホルダー
50 電池パック部品
51 電池パック
実施例10乃至実施例11
10 急速交換ホルダー部品
11 急速交換ホルダー
20 ロック機構
30 滑り路位置決め機構
31 滑り路座
11 滑り路
32 滑り路ピン
23 シャフトスリーブ
40 二重振り子位置決め機構
41 二重振り子座
42 二重振り子ピン
60 電池パック部品
61 電池パック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】