(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】自動車ドア用ロック
(51)【国際特許分類】
E05B 81/90 20140101AFI20220825BHJP
E05B 79/08 20140101ALI20220825BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
E05B81/90
E05B79/08
B60J5/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577520
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 DE2020100545
(87)【国際公開番号】W WO2021000992
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】102019117677.8
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】イナン, オマー
(72)【発明者】
【氏名】シファー, ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ショーネンベルク, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ベンデル, トルステン
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ48
2E250KK02
2E250LL01
(57)【要約】
本発明は、本質的に回転ラッチ(1)及び爪部(2)からなるロック機構(1,2)を装備した自動用ドア用ロックに関する。さらに、ロック機構(1,2)の為の電気駆動装置(3,4)が設けられている。さらに、電気駆動装置(3,4)とロック機構(1,2)との間に作動レバーチェーン(5,6,7)が実現され、作動レバーチェーン(5,6,7)の結合要素(7)は、手動で作用することができる緊急作動要素(9,10)の助けを借りて少なくとも結合解除することができる。本発明によれば、緊急作動要素(9,10)は、リンク(8)に対して主に直線的に結合要素(7)に作用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本質的に回転ラッチ(1)及び爪部(2)からなるロック機構(1,2)と、前記ロック機構(1,2)の電気駆動装置(3,4)と、前記電気駆動装置(3,4)と前記ロック機構(1,2)との間に実現された作動レバーチェーン(5,6,7)とを備え付ける自動車ドア用ロックにおいて、
前記作動レバーチェーン(5、6、7)の結合要素(7)は、手動で作用させることができる緊急作動要素(9、10)の助けを借りて、少なくとも結合を解除することができる、自動車ドア用ロックであって、
前記緊急作動要素(9,10)は、リンク(8)に対して主に直線的に前記結合要素(7)に作用することを特徴とする、自動車ドア用ロック。
【請求項2】
引くか押すことによって、前記緊急作動要素(9,10)は、結合要素(7)を、その一貫してとられた「結合」位置から「結合解除」状態に移行させることを特徴とする、請求項1に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項3】
前記緊急作動要素(9,10)は、前記リンク(8)に案内された前記結合要素(7)のピンと任意に係合することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項4】
前記リンク(8)は、解除レバー6に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項5】
結合状態では、前記結合要素(7)によって機械的に互いに連結され、結合解除状態では互いに結合解除される2つの解除レバー(5,6)が実現されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項6】
2つの解除レバー(5,6)が同軸に装着され、前記リンク(8)が第2の解除レバー(6)に設けられていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項7】
前記緊急作動要素(9,10)は、前記結合要素(7)と相互作用するために前記ロックハウジング内の分離可能な開口部を通過する外部ツールとして設計されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項8】
前記緊急作動要素(9,10)は、車両の構成部品、たとえばキー、ネジ回し、ロッド等として設計されていることを特徴とする、請求項7に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項9】
前記緊急作動要素(9,10)は、可撓性作動要素(10)がり付けられた前記ロックハウジングの開口部を覆う閉鎖装置(9)として設計されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の自動車ドア用ロック。
【請求項10】
前記ロック(9)と前記作動要素(10)とは、たとえばプラスチック成形部品として一体に設計されていることを特徴とする、請求項9に記載の自動車ドア用ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ドア用ロックに関するが、この自動車ドア用ロックは、本質的に回転ラッチ及び爪部からなるロック機構と、さらに、ロック機構のための電気または電動駆動装置と、電気駆動装置とロック機構との間に実現される作動レバーチェーンとを備え、作動レバーチェーンの結合要素は、手動で作用することができる緊急作動要素の助けによって、少なくとも結合解除することができる。
【0002】
通常のように、自動車ドア用ロック、またはそのロック機構は、自動車ドア用ロックを収容する関連付けられた自動車のドア、自動車の後部扉などが閉鎖するとすぐに、自動車本体上のロックボルトと相互作用する。この目的のために、自動車ドア用ロックは、通常、当該自動車ドアの中または上に配置される。これに対して、ロックボルトは、たとえばBピラーまたはCピラーなどの本体上に置かれる。
【0003】
ロック機構のための電気駆動装置または電動駆動装置による自動車ドアのロックは、種々の設計において実際に知られている。電気駆動装置は、通常、ロック機構を開放する役割を果たす。それに加えて、ロック機構は、基本的に、冗長性の理由から機械的に開くこともできる。これは、たとえば、内部作動レバーを介して行うことができる。対照的に、外部ドアハンドルによって作用されるセンサは、通常、電気駆動装置が起動されることを確実にする。
【0004】
電気駆動装置、特に、問題の電気駆動装置とロック機構との間に作動レバーチェーンを有するロック機構のための開放駆動装置の場合、実際には、たとえば、電気的開放処理の後に、駆動装置を通常の位置にすることができない、または最早することができないという問題が生じる可能性がある。これは、電気駆動装置の電源の完全または部分的な故障が原因である場合がある。しかしながら、代替的または追加的に、作動レバーチェーンが機械的に誤ってブロックされることも、極めて単純に可能である。
【0005】
両方の場合において、これは、ロック機構の一部としての爪部が、回転ラッチおよび爪部から持ち上げられたままであり、最早ロックまたはラッチの態様で回転ラッチに入ることができないことを意味する。その結果、回転ラッチも開いたままであり、この場合、ロック機構は閉じることができない(最早閉じることができない)。これは、爪部が、その持ち上げられた位置により、閉鎖処理中に回転ラッチ内に落下することができないためである。
【0006】
DE 10 2017 124 531 A1による一般的な技術水準では、この目的のために、緊急作動要素が、たとえば入口マウスのようなアクセス可能領域内のロック側に配置されることが全体的に提供される。その結果、手動作動と同時に構造的に単純な設計を考慮に入れて、緊急ロックを少ない労力で簡単な方法で実現することができる。この手動緊急ロックの過程において、DE 10 2017 124 531 A1による技術水準によると、緊急作動要素は、作動レバーチェーンの一部としての結合レバーが、その「結合解除」位置に移動されることを詳細に確認する。その結果、作動レバーチェーンが機械的に中断されて、爪部が回転ラッチから持ち上げられる位置に最早保持されなくなるが、関連する自動車のドアが閉鎖されたときに、前述の緊急ロックのために回転ラッチに妨げられることなくラッチするようにスナップすることができる。これは原理的に証明されている。
【0007】
しかしながら、DE 10 2017 124 531 A1による一般的な解決策は、この目的のために偏心器を備えた特別な緊急作動要素を使用する。そのような実施形態は、追加の別個の生産および組立を必要とし、これは、潜在的なコスト削減を提供する。
【0008】
米国特許第5445326号に係る更なる技術の状態では、ロック用爪部がケーブル引張りによって直接的または間接的に作用することができる解決策が提示されている。しかしながら、そのような解決策は、電気駆動装置または開放駆動装置による自動車ドア用ロックに移すことはできない。
【0009】
米国特許第2019/0106914 A1号に対応する別の大部分の一般的な教示において、この手順は、追加の緊急作動ハンドルによって開放レバーに作用することができるようなものである。この解決策は構造的にも複雑である。
【0010】
これは、DE 10 2017 123 262 A1から知られるようになった自動車ドア用ロックにも当てはまる。これは、駆動要素の緊急作動のために機械的作動要素がここに設けられており、この目的のために、電気駆動装置の駆動要素に対して径方向に作用して、その回転を行うためである。この目的のために、駆動要素および作動要素は、それぞれギヤを備えている。通常の操作では、2つのギヤは互いに噛み合っておらず、緊急作動の為にのみ互いに係合される。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、構造的に単純で、機能的に信頼性があり、費用効果的な解決策が利用可能となるように、このような自動車ドア用ロックをさらに発展させるという技術的課題に基づいている。
【0012】
この技術的問題を解決するために、本発明の範囲内では、一般的な自動車ドア用ロックは、緊急作動要素が主にリンクに対して直線的に結合要素に作用することを特徴とする。
【0013】
ここでの更なるる有利な手順は、引張りまたは押し付けによって、緊急作動要素が、結合要素を、その一貫してとられた「結合された」位置から「結合解除された」状態に移動させることである。さらに、この設計は、通常、緊急作動要素が、リンク内を案内される結合要素のピンに選択的に係合するようなものである。リンク自体は、通常、解除レバーに設けられている。
【0014】
特に有利な実施形態によれば、2つの解除レバーが一般的に実現されるが、これらの2つの解除レバーは、結合状態では、結合要素によって互いに機械的に連結され、かつ結合解除状態では、互いに結合解除される。2つの解除レバーは、全体を通して同じ軸上に、すなわち、関連付けられたロックハウジングに装着可能であるが、ロック用ハウジングは、基本的にロック機構を装着するためのロック用カバーおよびロック用ケースを有する。
【0015】
緊急作動要素は、その部分に関して、この特別な設計により、特に簡単かつ安価に形成することができる。これは、結合要素が、その「結合された」基本位置をほとんどとるためである。この「結合された」位置において、結合要素は、2つの解除レバーが互いに機械的に連結されることを確実にする。その結果、電気駆動装置によって作動レバーチェーンに作用するときに、このように機械的に閉じられた作動レバーチェーンによって、ロック機構を所望のように開くことができる。この目的のために、問題の作動レバーチェーンは、一般に、爪部に作用し、それを回転ラッチとの係合からリフトアウトさせるので、回転ラッチがバネの助けを借りて開くことができ、前述のロックボルトを解除する。これにより、自動車のドアを直ちに開放することができる。
【0016】
しかしながら、緊急作動または緊急ロックがある場合、これは、通常の作動におけるそのような開放処理の後に電気駆動装置がその通常位置に移動されていないか、または作動レバーチェーンが機械的な閉鎖を有するという事実に対応する。いずれの場合にも、緊急作動要素の助けを借りて、結合要素は、一貫してとられた結合状態から結合解除状態に移行することができる。その結果、2つの解除レバーは互いに分離され、爪部は、最早、持ち上げられた位置に保持されない。その結果、ロックボルトが回転ラッチ内に移動して回転ラッチを旋回させるので、回転ラッチに沿って摺動する爪部を回転ラッチに係合させることによって、自動車ドア用ロックを問題なく閉じることができる。
【0017】
緊急作動要素の助けを借りて結合要素に主に直線的に作用することにより、緊急作動要素を外部ツールとして設計する有利な可能性が開かれる。この目的のために、この外部ツールは、結合要素との相互作用のためにロック用ハウジング内の分離可能な開口部を通過することができ、特に、緊急作動要素の直線動作のために結合要素に作用することができる。この状況では、緊急作動要素が車両の構成部品として設計されている場合に特に有用であることが証明されている。分離可能な開口部は、プラスチック材料で作られたロック用ハウジングと比較して、材料の厚さが薄いプラスチックフィルムとして設計することができる。
【0018】
したがって、そのような場合、および車両の構成部品として設計された緊急作動要素の場合には、経験から示された、緊急時に利用できない、または車両操作者には知られていない追加の外部ツールなどは必要ない。対照的に、自動車の構成部品は、緊急作動要素として直ちに利用可能であり、緊急作動、特に緊急ロックのために操作者が直感的に使用することができる。このような自動車の構成要素は、自動車キー又はそのキービット、車上工具キットの一部としてのネジ回し、車上工具キットの一部としてのロッド等とすることができる。しかしながら、理論的には、緊急作動又は緊急ロックは、この場合にも、例えばピン、例えばボールピン、又は必要に応じて一対のはさみ等を用いて実行することができる。いずれにしても、関連付けられた自動車ドア、ひいては自動車全体をロックできるようにするために、操作者が緊急ロックを有利に実現するための様々な緊急操作の可能性がある。そうしないと、開放された自動車が盗まれる危険性がある。
【0019】
別の有利な実施形態によれば、緊急作動要素は、ロックハウジングの開口部を覆い、連結された可撓性作動要素を有する閉鎖装置として設計することができる。この状況において、閉鎖装置および作動要素が、たとえばプラスチック成形部品として一体に設計される場合に有用であることが証明されている。閉鎖装置は、ロックハウジングの開口部に対する閉鎖プラグであってもよい。 連結された可撓性作動要素は、閉鎖プラグ上に成形されたプラスチックケーブルとして設計することができる。
【0020】
問題の閉鎖プラグは、緊急作動または緊急ロックの場合に操作者がロック用ハウジングから容易に取り外すことができるので、この処理中、可撓性作動要素によって作用される結合要素は、同時に、とられた「結合された」位置から「結合解除された」状態に自動的に移される。しかしながら、これに代わるものとして、たとえば、バネによる緊急操作の場合に、閉鎖装置または閉鎖プラグが開口部から自動的に押し出されるようにすることも可能であり、したがって、この場合、操作者は開口部から閉鎖装置を別個に取り外す必要がない。
【0021】
いずれの場合にも、特に単純で安価な緊急作動要素が利用可能であり、それによって、DE 10,2017124,531 A1による一般的な技術水準とは対照的に、そこに記載されているような偏心器の追加的な生産および設置が不要になる。同時に、所望の機能信頼性が提供されるので、全体的にかなりのコスト上の利点が期待できる。 ここに本質的な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係る自動車ドア用ロックを、本発明に不可欠な構成要素にまで減らして概略的かつ透視的に示す。
【詳細な説明】
【0023】
以下、1つの例示的な実施形態のみを示す図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。
【0024】
単一の図は、基本構造において、本質的に回転ラッチ1及び爪部2からなるロック機構1、2を有する自動車ドア用ロックを示す。ロック機構1、2は、図にのみ示されている。ロック機構1,2の電動駆動装置3,4も同様であり、カム4を有する出力側ギア3のみが図示されている。カム4を有するギア3は、図示しない電動モータによって駆動される。
【0025】
電動駆動装置3,4は、2つの解除レバー5,6上のロック機構1,2を開放するように動作するが、これらの解除レバー5,6は、図示しないプラスチック材料から作られるロック用ハウジングG内に、互いに同軸で装着されている。さらに、結合要素7が実現されているが、この結合要素7は、第2の解除レバー6のリンク8に係合するピンを実質的に見ることができる2つの解除レバー5,6を機械的に連結して分離する。
【0026】
結合要素7が「結合された」位置にある場合、2つの解除レバー5,6、すなわち第1の解除レバー5および第2の解除レバー6は、互いに機械的に連結される。通常の操作は、これに相当する。この場合、駆動装置3,4に作用することにより、第1の解除レバー5は、典型的には、
図1に示される反時計廻り方向に旋回され、この場合には、結合要素7を介して機械的に連結された第2の結合レバー6も同様に同伴される。互いに結合された2つの解除レバー5,6の反時計廻りの運動は、ロック機構1,2の閉鎖状態においてでラッチ方式で回転ラッチ1に係合する爪部2を、そのラッチ係合から持ち上げるという結果をもたらす。この結果、回転ラッチ1は、バネの助けを借りて開放することができ、(詳細には示されておらず、説明の最初に説明されている)通常はバネの助けを借りて、ロックボルトを解除することができる。これの更なる詳細は、同様のロック構造を有する一般的なDE 10 2017 124 531 A1に開示されている。
【0027】
電気駆動装置3,4が、上述の開放処理に従って移動しないか、または
図1に示される基本位置または通常位置に完全に移動しない場合、これは、2つの解除レバー5,6および結合レバー7から形成された作動レバーチェーン5,6,7を閉鎖されたままにする。このような場合、通常の動作が中断されると、電気駆動装置3,4とロック機構1,2との間の閉作された作動レバーチェーン5,6,7は、爪部2が回転ラッチ1に対して少なくとも部分的に保持されるか、または、その持ち上げられた位置に保持されたままであることを確実にする。その結果、その後の閉鎖処理において、ロックボルトは実際に回転ラッチ1の入口マウス内に移動することができるが、この場合、爪部2は回転ラッチ1とラッチ方式で相互作用することができない。この場合、ロック機構1、2は開放されたままであり、関連付けられた自動車ドアを(手動で)ロックすることはできない。
【0028】
それにもかかわらず、ロック機構1、2または作動レバーチェーン5、6、7の一種の緊急ロックまたは緊急作動を提供するために、例示的実施形態によれば、手動で作用可能な緊急作動要素9、10が実現される。 本発明によれば、緊急作動要素9,10の助けを借りて、結合要素7は、リンク8に対して主に直線的に作用することができる。これに対して、たとえば、DE 10 2017 124 531 A1による一般的な教示において、緊急作動要素は回転の作用を受け、回転の作用は、偏心器を介して、そこで結合要素に作用する。
【0029】
詳細には、本発明によると、緊急作動要素9、10は、結合要素7が引っ張られるように作用されることを確実にする。この場合、結合要素7は、一貫してとられた「結合」位置から「結合解除」状態に移行する。さらに、この設計は、緊急作動要素9,10が、結合要素7の本質的な部分として、リンク8内で案内された前述のピンに任意に係合するようなものである。リンク8は、解除レバー5,6、具体的には第2の解除レバー6に設けられている。
【0030】
緊急作動要素9,10を外部ツールとして設計する可能性は示されていない。この外部ツールの助けを借りて、操作者は、結合要素7と相互作用するためのロックハウジング内の分離可能な開口部を穿孔することができる。例示的な実施形態において、緊急作動要素9,10は、閉鎖装置9として設計されている変形例が示されているが、閉鎖装置9は、ロックハウジングGの開口部を覆い、付けられた可撓性作動要素10を有する。実際、例示的な実施形態によれば、閉鎖装置9および作動要素10は、プラスチック成形部品として一体に設計されている。すなわち、閉鎖装置9と作動要素10とは、プラスチック射出成形処理において、共同で、特に安価に生産し、実現することができる。可撓性作動要素10は、閉鎖装置9上に成形されたケーブルであってもよい。
【0031】
緊急作動の場合に、開口部を覆う閉鎖装置9が操作者によって開口部から取り外されるとすぐに、当該操作者は、閉鎖装置9に連結された可撓性作動要素10を介して、(引っ張ることによって)結合要素7またはそのピンに作用することができる。この目的のために、可撓性作動要素10は、ロックハウジングG内の撓み11を介して更に誘導することができるが、これはもちろん必須ではない。
【0032】
【符合の説明】
【0033】
1,2…ロック機構、1…回転ラッチ、2…ロック機構、3,4…電動駆動装置、3…ギア、4…カム、5,6,7…作動レバーチェーン、5,6…解除レバー、5…第1解除レバー、7…結合要素、8…リンク、9,10…緊急作動要素、9…閉鎖装置、10…作動要素、11…偏向器、G…ロックハウジング。
【国際調査報告】