(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】培養プレート上に細菌コロニーを位置特定するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577679
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020068100
(87)【国際公開番号】W WO2020260634
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513165469
【氏名又は名称】ビーディー キエストラ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】マルセルポワル,ラファエル・ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】クリーフストラ,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】フェイエン,フランシスクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォル,ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】オクマ-ヴァン・デル・レイ,マリスカ
(72)【発明者】
【氏名】ムルダー,ヘラルト
(72)【発明者】
【氏名】フェーニンガ,エールケ・ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB01
4B029CC07
4B029FA10
4B029GB06
(57)【要約】
簡単な機械的手法を使用して培養プレートに基準を割り当てることにより、選択されたコロニーに座標を正確に割り当てるための培養プレートを構成する装置。基準は、プレート中心と、装置によって培養プレートの側面に適用されたバーコードラベルの中心に対応する。次に、装置は、基準に関連してユーザによって識別されたコロニーに座標を適用するためのメカニズムを展開する。そのようなメカニズムの1つは、技術者がコンピュータのマウスまたは同等のカーソルを使用してディスプレイ上のコロニーにマーキングすることを可能にする、培養プレートに向けられたウェブカメラである。別のメカニズムは、コロニーに向けられたレーザーポインタを展開し、装置は、レーザーポインタが向けられたコロニーの位置に座標を割り当てる。第3のメカニズムでは、ユーザはビューファインダを介して培養プレートの表面を見て、ビューファインダの十字線が標的コロニー上にあるときに手動で座標を位置合わせする。選択されたコロニーには、2つの基準を参照して正確な座標が割り当てられる。培養プレートの画像のピクセルが基準に対する培養皿の座標に対応するようにソフトウェアが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養プレート上の微生物のコロニーに座標位置を割り当てるための装置であって、前記装置は、
テーブルと、
前記テーブルによって支持された皿クランプであって、前記皿クランプは、培養皿が手動で配置されるプラットホームと、前記プラットホーム上に前記培養皿を固定するためのチャックとを含む、皿クランプと、
ユーザがビューファインダを通してコロニーを見て、少なくとも2つの基準マークに対して前記コロニーに座標を割り当てることを可能にする前記ビューファインダを含むコロニーマーキングデバイスと、
ラベルディスペンサーであって
複数のラベルを担持した基板ストリップのロールを受け取るホイールマウントであって、前記複数のラベルは、前記基板ストリップに貼り付けられていない前記ラベルの外面に接着剤を付着させている、ホイールマウントと
前記ロールから引き出された前記基板ストリップに張力をかける少なくとも1つの張力ローラーと、を含む、ラベルディスペンサーと、
前記ローラーを前記基板ストリップの裏側に係合するように促し、それにより、接着剤を付着させているラベルの前記外面を前記培養皿の側面に接触させるように促す付勢ローラーアセンブリと、
前記培養皿の前記ラベルと前記培養皿の中心に対して、選択されたコロニーの座標を割り当てるプロセッサと、を含む、装置。
【請求項2】
前記ビューファインダが、前記ビューファインダの焦点面内に角度付きミラーおよび十字線を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記付勢ローラーアセンブリに近接するラベルセンサをさらに含み、前記ラベルセンサは、前記基板ストリップによって担持された前記ラベルのエッジを基準マークとして識別する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ラベルセンサおよび前記付勢ローラーアセンブリに通信可能に結合されたコントローラーを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記付勢ローラーアセンブリは、前記培養皿から離れた第1の位置に付勢され、前記ラベルセンサが前記ラベルを検出したときに、前記基板ストリップによって担持された前記ラベルを前記培養皿と接触させるように促す、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
画像化デバイスが前記培養皿の画像を取得し、コロニーが前記培養皿の画像から選択され、前記画像化デバイスがカメラである、画像化デバイスをさらに含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記培養皿の画像がディスプレイ上に提供され、前記ディスプレイがタッチスクリーンディスプレイである、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記培養皿の画像がディスプレイ上に提供され、前記ディスプレイがポイントアンドクリックディスプレイである、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
メモリが、前記培養皿に貼り付けされた前記ラベルに対する選択されたコロニーの座標を記憶する、メモリをさらに含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記メモリが、前記培養皿の座標マップを記憶し、前記座標マップは、前記培養皿の前記ラベルと前記培養皿の前記中心に関連する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
培養プレート上の微生物のコロニーに座標位置を割り当てるための装置であって、前記装置は、
テーブルと、
前記テーブルによって支持された皿クランプであって、前記皿クランプは、培養皿が手動で配置されるプラットホームと、前記培養皿を前記プラットホームに固定するためのチャックとを含む、皿クランプと、
画像センサを含む画像化デバイスであって、前記画像化デバイスは、前記プラットホームに配置された前記培養皿の画像を捕捉するために配置され、前記画像化デバイスは、前記画像化デバイスによって捕捉された前記培養皿の前記画像を表示するためのディスプレイに結合されている、画像化デバイスと、
ラベルディスペンサーであって、
複数のラベルを担持した基板ストリップのロールを受け取るホイールマウントであって、前記複数のラベルは、前記基板ストリップに貼り付けられていない前記ラベルの外面に接着剤を付着させている、ホイールマウントと、
前記ロールから引き出された前記基板ストリップに張力をかける少なくとも1つの張力ローラーと、を含む、ラベルディスペンサーと、
前記ローラーを前記基板ストリップの裏側に係合するように促し、それにより、接着剤を付着させているラベルの前記外面を前記培養皿の側面に接触させるように促す付勢ローラーアセンブリと、
前記培養皿の前記ラベルと前記培養皿の中心に対して、前記ディスプレイから選択されたコロニーの座標を割り当てるプロセッサと、を含む、装置。
【請求項12】
前記画像化デバイスがウェブカメラである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記テーブルによって支持される調整可能な取り付けアームをさらに含み、前記調整可能な取り付けアームは、前記ウェブカメラを担持するホルダーを含む、請求項11または請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記付勢ローラーアセンブリに近接するラベルセンサをさらに含み、前記ラベルセンサは、前記基板ストリップによって担持された前記ラベルのエッジを基準マークとして識別する、請求項11ないし請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ラベルセンサおよび前記付勢ローラーアセンブリに通信可能に結合されたコントローラーを含む、請求項11ないし請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記付勢ローラーアセンブリは、前記培養皿から離れた第1の位置に付勢され、前記ラベルセンサが前記基板ストリップによって担持された前記ラベルを検出すると、前記ラベルを前記培養皿と接触させるように促す、請求項11ないし請求項15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記画像化デバイスがカメラである、請求項11ないし請求項16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記ディスプレイがタッチスクリーンディスプレイである、請求項11ないし請求項17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記ディスプレイがポイントアンドクリックディスプレイである、請求項11ないし請求項18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
メモリが、前記培養皿に貼り付けされた前記ラベルに対する選択されたコロニーの座標を記憶する、メモリをさらに含む、請求項11ないし請求項18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記メモリが、前記培養皿の座標マップを記憶し、前記座標マップは、前記培養皿の前記ラベルと前記培養皿の前記中心に関連する、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、2019年6月27日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる米国仮出願第62/867,560号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
患者が微生物に感染しているかどうかを判断することから、食品が微生物で汚染されているかどうかを判断することまで、様々な理由で、製品およびサンプルが微生物汚染について日常的に試験される。そのような試験は至る所で行われるので、何百または何千ものそのようなサンプルを試験することができる大規模な実験室が開発された。実験室に高いスループットと低いオーバーヘッドを提供するために、これらの実験室は高度に自動化されており、そのような試験を実行するために必要な技術者の数を減らしている。そのような自動化プラットホームの1つは、「識別および抗生物質感受性試験の両方のための微生物サンプルを取得および調製するための自動化方法およびシステム」と題するWO2016/191646に記載されており、2016年12月1日に公開され、本出願の譲受人に譲渡されている。このようなプラットホームは、自動化プラットホームによって実行される機能のワークセル自動化(WCA)を提供することにより、全体の実験室自動化(TLA)の目標を支持する。その出願は、特定の試験のために微生物のコロニーの採取された一部を調製するための自動化システムを説明している。微生物コロニーは、生物学的サンプル(例えば、血液サンプル、尿サンプル、便サンプル、唾液サンプルなど)が接種された培養プレートから採取される。接種された培養プレートは、生物学的サンプルに存在し得る微生物の1つまたは複数のコロニーの増殖を促進するために培養される。自動化システムは、接種された培養プレートから標的コロニーを位置特定し、次に自動化採取ツールが標的コロニーの位置に移動し、コロニーを採取する。次に、自動化システムは、コロニーを構成する微生物の同一性と抗生物質感受性を決定するための試験のために、採取されたコロニーを調製する。
【0003】
自動化採取は、培養プレート上の標的コロニーの座標を決定し、それらの座標を、培養プレートからコロニーの一部を取得するために使用される採取ツールに伝達することを必要とする。完全に自動化されたシステムでは、これらの座標は、画像内の標的コロニーの位置が識別される培養プレートのデジタル画像から取得できる。これらの座標は、培養プレートに付属の基準を参照して提供される。このような基準は、培養プレート上のマーキング、培地自体のマーキング、および培養プレート上にあるバーコードであり得る。機械視覚装置を使用して、皿の中心などの別の基準点が検出され、そこから皿の座標を決定することができる。皿上のコロニーの位置は、中心からの相対距離と、他の基準マーキングの1つまたは複数からのゼロオフセットへの角度オフセットを参照して決定できる。コロニーの相対的な位置が決まったら、皿を別のシステムに移動することができ、次の2つのステップを実行する。まず、皿は手動または機械的手段によって中心に配置される。基準ゼロオフセットは、例えば、固定センサを有した状態で皿を回転させて、バーコードラベル基準の存在を検出し、バーコードスキャナーでバーコードをスキャンすることによって検出される。この時点で、皿の中心がわかり、バーコードのゼロオフセットがわかる。したがって、皿の中心までの距離とバーコードラベルまでの角度オフセットとして記憶されるため、以前に参照したコロニーの位置を簡単に計算できる。
【0004】
上記の方法は、コロニー採取システム、またはコロニー位置情報が必要とされる任意の他のシステムにおいて、カメラまたはコンピュータビジョンシステムを必要としない。自動化装置は、培養プレート上の参照基準から座標を決定するか、プレート上の座標空間で標的コロニーの座標を識別するためにユーザによって適用される。しかしながら、そのような装置は、培養プレートの画像からコロニー座標を決定することを必要とする。したがって、そのような位置座標を提供するための事前のデジタル画像を必要とせずに、培養皿上にコロニーを位置特定するための装置および方法が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明されるのは、ユーザが手動で標的コロニーをマーキングして座標空間内のコロニーの位置を関連付けるか、または培養プレートに向けられたウェブカメラなどの画像化デバイスを見ることを可能にし、ユーザがウェブカメラを介してプレートの表示された画像のユーザによって直接見られるプレート上のコロニーの座標をマーキングするか、さもなければ位置合わせすることを可能にする単純な機械的配置を使用する装置である。コロニーのマーキングとそれらの座標の位置合わせは、プレート上に直接またはプレートの画像上にレーザーポインタを使用してコロニー座標を位置合わせすることによって、または、コロニーの画像上にカーソルを移動し、マウスをクリックしてカーソルの座標を位置合わせすることによって(したがって、カーソルがオーバーレイされているコロニーに)など、様々なメカニズムによって実現できる。したがって、プレートの実際の座標は、プレートのユーザ視野またはプレートのウェブカメラ映像のいずれかの座標に対応している必要がある。座標は2つの基準に関連しており、各座標はそれぞれの基準に関連して捕捉される。例えば、1つの基準はプレートの側面に貼り付けされたバーコードラベルの中点であり、第2の基準はプレートの中点である。装置は、各培養プレート上の各ラベルの中点が固定されるように、バーコードラベルを繰り返し可能な方法でプレートに適用する。装置は、培養プレートの半径と角度をラジアンで決定する。その角度は2つの線の間にあり、第1の線は2つの基準(例えば、ラベルと皿の中心)の間の架空の線であり、第2の線は基準の1つ(例えば、皿の中心)とコロニーの位置からの線である(つまり、基準の位置に対するコロニーの座標)。コロニー採取ツールの配置の許容誤差は約±1mmである。採取ツールがコロニーを見逃したり、隣接するマークのないコロニーから採取したりするのを防ぐために、小さな許容誤差が必要である。コロニーのサイズは、採取ツールに必要な配置精度を大きく左右する。装置がプレートを中心に配置し、バーコードを皿の固定位置に配置した後、装置は対象のコロニーの座標を決定する。次に、それらの座標は、皿座標空間内の標的コロニーの座標を決定する装置内のシステムに関連付けられているか、または接続されているメモリまたはデータベースに記憶および保存される。本明細書に記載の装置で使用できるプレートの直径は、約85mmから約90mmである。
【0006】
装置が、基準マーキング(すなわち、プレート中心およびラベル)に対して採取される皿上のコロニーの位置を決定すると、プレート座標空間内のコロニーの座標がデータベースに記憶される。プレートは、コロニーが採取される装置(すなわち、以下の採取ツール)にロードされると、プレート上のバーコードがスキャンされ、採取されるコロニーの座標が採取ツールに(または座標を手動で採取するために技術者に伝達する場合、ユーザインターフェースに)移送される。座標が採取ツールまたはユーザインターフェースに提供された後、採取ツールがマーキングされたコロニーと接触し、コロニーが採取される。
【0007】
本明細書に記載されているのは、テーブルによって支持された、培養皿が手動で配置されるプラットホームと、プラットホーム上に培養皿を固定するためのチャックとを含む皿クランプが配置されるテーブルを有する装置である。このテーブルには、ユーザがビューファインダを介してコロニーを見て、少なくとも2つの基準マークに対してコロニーに座標を割り当てることができるビューファインダを含むコロニーマーキングデバイスも含まれている。装置はラベルディスペンサーを有している。ラベルディスペンサーは、複数のラベルを担持した基板のロールを受け取るホイールマウントを含み、複数のラベルは、基板ストリップに貼り付けられていないラベルの外面に接着剤を付着させている。ラベルディスペンサーはまた、ロールから引き出された基板ストリップに張力をかける少なくとも1つの張力ローラーを含む。ラベルディスペンサーはまた、ローラーを基板ストリップの裏側と係合するように促し、それによって接着剤を付着させているラベルの外面を培養皿の側面と接触させるように促す付勢ローラーアセンブリを含む。このテーブルには、培養皿のラベルと培養皿の中心に対して、選択されたコロニーの座標を割り当てるプロセッサも含まれている。
【0008】
ビューファインダは、ビューファインダの焦点面に角度付きミラーおよび十字線を含む。この装置は、付勢ローラーアセンブリに近接するラベルセンサをさらに含み、ラベルセンサは、基板ストリップによって担持されたラベルのエッジを基準マークとして識別する。コントローラーは、ラベルセンサと付勢ローラーアセンブリに通信可能に結合されている。付勢ローラーアセンブリは、培養皿から離れた第1の位置に付勢され、ラベルセンサが基板ストリップによって担持されたラベルを検出すると、ラベルを培養皿と接触させるように促す。メモリが提供され、メモリは培養皿に貼り付けされたラベルに対して選択されたコロニーの座標を記憶する。メモリには、培養皿の座標マップが記憶される。マップ内の座標は、培養皿のラベルと培養皿の中心に関連している。装置はさらに、画像化デバイスを含み、画像化デバイスは培養皿の画像を取得し、コロニーは培養皿の画像から選択される。カメラは画像化デバイスの一例である。一実施形態では、培養皿の画像は、タッチスクリーンディスプレイまたはポイントアンドクリックディスプレイ上に提供される。
【0009】
装置は、培養プレート上の微生物のコロニーに座標位置を割り当てる方法で使用することができる。この方法の一実施形態では、培養皿は、培養皿をテーブルまたはプラットホームに固定するためのチャックに配置される。画像センサを含む画像化デバイスは、画像化デバイスによって捕捉された培養皿の画像を表示するためのディスプレイに画像化デバイスが結合されているプラットホーム上に配置された培養皿の画像を捕捉するために提供される。この方法は、ラベルディスペンサーを使用して培養皿にラベルを分配することを含む。ラベルディスペンサーは、複数のラベルを担持した基板ストリップのロールを受け取るホイールマウントを有する。複数のラベルは、基板ストリップに貼り付けられていないラベルの外面に接着剤を付着させている。ラベルディスペンサーはまた、ロールから引き出された基板ストリップに張力をかける少なくとも1つの張力ローラーを含む。ラベルディスペンサーはまた、ローラーを基板ストリップの裏側と係合するように促し、それによって接着剤を付着させているラベルの外面を培養皿の側面と接触させるように促す付勢ローラーアセンブリを含む。この方法は、培養皿のラベルおよび培養皿の中心に対して、ディスプレイから選択されたコロニーの座標を割り当てることを含む。ユーザはディスプレイ上で対象のコロニーを選択し、プロセッサはユーザの選択を皿の中心とラベルのエッジに対して培養皿の座標に関連付ける。
【0010】
一例示的な実施形態では、画像化デバイスはウェブカメラである。装置はさらに、テーブルによって支持される調整可能な取り付けアームであって、ウェブカメラを担持したホルダーを含む調整可能な取り付けアームを含む。ラベルディスペンサーは、付勢ローラーアセンブリに近接するラベルセンサをさらに含むことができ、ラベルセンサは、基板ストリップによって担持されたラベルのエッジを検出する。この装置は、ラベルセンサおよび付勢ローラーアセンブリに通信可能に結合されたコントローラーを含む。付勢ローラーアセンブリは、培養皿から離れた第1の位置に付勢され、ラベルセンサが基板ストリップによって担持されたラベルを検出すると、ラベルを培養皿と接触させるように促す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】コロニーがその上にある培養プレート、ならびにラベルおよびプレート中心基準を備えた座標系を示す。
【
図2A】コロニーを選択するため、またはコロニーを採取するために、装置エーテル中の培養プレートを中心に配置するための装置を示す。本明細書に記載の装置の例示的な実施形態。
【
図2B】培養プレートが装置の中心に配置される
図2Aの装置である。
【
図3】本明細書に記載の装置を使用する方法のフローチャートである。
【
図4】コロニー選択のための培養プレートのウェブカメラ画像を表示するモニターである。
【
図5】皿の中心および皿のラベルの中心を基準として使用してコロニー座標を識別するための装置である。
【
図6】本明細書に記載の装置および方法によって決定された座標を有するプレートからコロニーを採取するデバイスを示す。
【
図7】本明細書に記載の装置の一実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態のディスク請求項の上面図である。
【
図9】皿にラベルを貼り付けするために使用されるローラーアセンブリの斜視図である。
【
図10】
図9のローラーアセンブリの側面図であり、ラベル移送のためにローラーアセンブリと皿を一緒に引くために使用されるばねを示す。
【
図11】コロニーおよびコロニー座標が確立される培養プレートの画像を取得するために使用されるアームおよびウェブカメラを示す。
【
図12】ラベルをラベルストリップから皿にいつ移送するかを決定するためにラベルエッジを検出するために使用されるラベルセンサを示す。
【
図13】本明細書に記載の装置の動作のフローチャートである。
【
図14】コロニー座標の視覚的位置の代替の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
【0013】
本明細書に記載されているのは、培養プレート上の微生物コロニーの位置を正確に示す装置である。上で説明したように、生物学的サンプル(例えば、動物の体液(例えば、血液、尿)および組織、環境サンプル(例えば、水、空気)、食品サンプルなど)は、多くの場合、サンプルが汚染されているかどうか、または患者の状況では微生物(例えば、細菌、ウイルス、酵母、真菌、寄生虫)に感染しているかどうかを判断するために評価される。通常、動物の対象から得られた生物学的サンプルは、細菌感染について試験される。
【0014】
生物学的サンプルは、様々な形態(尿、血液、痰、膿、糞便、脳脊髄液などの体液、組織サンプルなど)および形式(サンプルチューブ、綿棒など)で試験室に到着する。サンプルは、プレートに配置された培地に接種される。次に、接種したプレートを培養し、微生物がサンプルに存在する場合は増殖する時間を確保する。培養された培養プレート100が
図1Aに示されている。培養プレートは、培地120上で増殖する微生物コロニー110を有する。
【0015】
BD Kiestra(商標)InoqulA(商標)は、液体および非液体細菌学標本の両方の処理を自動化して、ワークフローを合理化するのに役立ち、標準化されたプロセスを可能にし、固体増殖培地120の接種のための一貫した高品質のストリークを確実にする。培地は、培地上にサンプルを堆積させ、磁気的に制御された金属ボールで培地の表面を横断するなどの任意の従来の手段によってサンプルを接種される。サンプルを培地に接種するための方法は、当業者に周知であり、本明細書では詳細に説明されていない。異なる種類のサンプルには、異なる接種パターンが使用される。
【0016】
コロニー110が、下流試験のために適切な量のコロニーを提供するのに十分なサイズに増殖した後、コロニーは、培養プレートから採取される。これは検査技師にとってはかなり簡単な作業に思えるかもしれないが、正確なコロニーを採取するには精度が必要なため、手動でコロニーを採取することは実際には非常に困難である。その結果、採取はエラーの対象となる可能性があり、確かに時間がかかる。したがって、このようなプロセスを自動化すると、人的労力が少なくて済み、精度と効率が向上するため、有益である。しかしながら、高価な画像化装置およびソフトウェアが必要とされるため、コロニー位置特定プロセスを自動化することは費用がかかる可能性がある。コロニー位置特定情報は、一度取得されると、プレートからコロニーの一部を実際に取得する他の装置と共有される。これには、画像化装置が、採取するコロニーを識別するだけでなく、培養プレートからコロニーを取得する自動化装置に標的コロニーの位置を伝える必要がある。上記のように、一部の実験室には、培養プレートの画像を取得し、画像を評価し、画像内の標的コロニーとプレートの座標空間内のそれらの標的コロニーの位置を識別する画像化装置およびソフトウェアの利点がない。
【0017】
これらのシステムでは、コロニー座標は、コロニーがその上にあるメッキ培養の画像から提供されないので、コロニーがマーキングされる前に、基準が培養皿上に存在する必要がある。基準の1つがラベルである実施形態では、そのラベルは、本明細書に記載の装置を使用して貼り付けされる。ラベルの中点は、プレートの中心とともに使用され、これらの基準に対するマーキングされたコロニーの半径と角度を決定する。一実施形態では、装置は、プレートの側面にラベルを固定する。さらなる実施形態では、コロニーは培養皿の画像からマーキングされていないので、装置は、コロニーマーキングのために装置に提供される培養プレート上に配置されるラベルのストアを有する。
【0018】
培養皿にラベルを貼る前に、プレートは最初に装置の中心に配置されなければならない。当業者は、その中に円形物品を中心に配置するチャックを有する多くの異なる装置があることを理解するであろう。そのような装置の1つは、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、「円形物体を中心に配置するためのシステムおよび方法」と題する、2018年7月12日に出願された米国特許出願第62/697,197号に記載されている。
【0019】
図2(a)~(b)は、米国特許出願第62/697,197号に記載されている円形物体を中心に配置するためのシステムを示す。示されるように、システム200は、プラットホーム210、ピン220、ピン230、ピン240、カバー250、センサ262、リーダー264、ロボット280、および自動化ピペッタ290を含む。カバー250には、スリット252、254、および256が含まれている。カバー250の下に、システム200は、モーター、プーリー、ベルト、および/または他の構成要素を含み得る。
【0020】
図2(a)~(b)に示されるように、スリット252、254、および256は、スリット252、254、および256の直径がピン210、220、および230の直径に対応するように湾曲し、サイズが決められている。結果として、ピン220、230、および240は、スリット252、254、および256のほぼ全長を横切ることができる。さらに、この実施形態では、スリット252、254、および256は、プラットホーム210から15ミリメートル離れて延びる。しかしながら、他の実施形態では、スリット252、254、および256の長さを増加または減少させることができる。例えば、スリット252、254および256の長さは、ペトリ皿をプラットホーム210上に配置し、ピン220、230および240からの実質的な干渉なしに回転させることができるように選択することができる。別の例として、スリット252、254および256の長さは、ペトリ皿をプラットホーム210上に配置し、220、230および240からの実質的な干渉なしに回転させるのに必要な長さを大幅に超える(例えば、2倍以上)ことができる。
【0021】
中心に配置する操作中、スリット252、254、および256は、プラットホーム210に向かって前進するときに、ピン210、220、および230をガイドする。示されるように、スリット252、254、および256は湾曲しており、ピン210、220、および230の直径に対応する一貫した直径を有する。他の実施形態では、スリット252、254、および256は、異なる形状を有し得る。例えば、スリット252、254、および256は、一般に真っ直ぐであり得、ピン210、220、および230の直径に対応する一貫した直径を有し得る。別の例として、スリット252、254、および256は、可変直径を有する円錐形を有し得る。そのような実施形態では、スリット252、254、および256は、ピン210、220、および230の直径に対応する直径を有するプラットホーム210の近くに狭窄部分を有し得る。
【0022】
図2(b)に示すように、ペトリ皿270は、ロボット280によってプラットホーム210上に配置することができる。プラットホーム210上にあると、ピン220、230、および240を使用して、ペトリ皿270をプラットホーム210上に中心に配置することができる。ペトリ皿270が中心に配置された後、センサ262を使用して、ペトリ皿270を配向することもできる。ペトリ皿270が中心に配置され、配向された後、リーダー264を使用して、ペトリ皿270のラベル280を読み取ることができる。リーダー264が高コントラストを測定するとき、それは高コントラストをラベルエッジとして解釈する。エッジの位置から、装置は、本明細書の他の場所で説明されるように、コロニー位置の基準点として使用されるラベル280の中点を決定することができる。バーコードをスキャンすることにより、モジュールは座標を認識し、プレートを正しく位置決めした後、コロニーを採取できる。リーダー264はまた、ペトリ皿270をさらに配向するために使用され得る。ペトリ皿270が中心に配置および/または配向された後、自動化ピペッタ290を使用して、ペトリ皿270内の細菌の1つまたは複数のコロニーを採取することができる。
【0023】
本発明の装置を使用する手動の方法の一例が
図3に示されている。上記の装置を使用して、ペトリ皿をその上にラベルを配置するために配向させることができる。この方法は、
図1に示されるように、メッキ培養から始まる。メッキ培養は培養され、微生物のコロニーがステップ300でその上で増殖した。ステップ305において、蓋が培養皿から取り外され、実験室のユーザは、本明細書に記載の装置に皿を(蓋をして)配置する(ステップ310)。装置によって受け取られると、皿にはラベルが付けられる(ステップ311)。ラベル付けにより、バーコード番号は、装置を支持するデータベース内の皿と対になった(ステップ312)。バーコード番号はファイルに保存され、コロニーが採取されて試験されると参照される(ステップ313)。プレートにラベルを付けた後、上記のようにプレートを位置決めする(ステップ315)。技術者は、第1の実施形態でプレート、またはステップ320の第2の実施形態でプレートのリアルタイム画像(例えば、ウェブカメラを介して)のいずれかを観察し、採取されるコロニーにマーキングし、その時点で、標的コロニーのx-y座標が測定され(ステップ316)、半径および角度が計算される(ステップ317)。コロニーの位置はバーコード情報と組み合わされ(ステップ313)、その情報を含むファイルは、採取ツールおよび採取されたコロニーの任意の下流試験(すなわち、ステップ335のID AST)をサポートするデータベースに送信される(ステップ318)。ステップ325において、技術者は、培養プレートをマーキング機から取り外す。ステップ330において、技術者は、培養皿の蓋を交換し、その後、プレートは、ステップ335におけるID/AST試験に使用される準備ができている。
【0024】
皿クランプ710(
図7)およびラベルアプリケーター725(
図7)をラベル検出センサ760(
図12)とともに使用することにより、単純な機械的および電気的方法を使用して、コロニーマーキングの座標を提供する基準を生成することが可能になる。皿クランプが中心基準を生成し、ラベル検出センサがラベル(中心)基準を生成する。これらの2つの位置を決定するときは、コロニーの位置のみを決定する必要がある。これらのコロニーの位置は、3つの方法でマーキングできる。
【0025】
第1の実施形態では、コロニーの位置は、培養皿の表面または培養皿の画像のいずれかに向けられたレーザーポインティングデバイスを使用してマーキングすることができる。レーザーポインティングデバイスを使用してコロニーを位置特定し得る方法の一例を、以下で詳細に説明する。
【0026】
第2の実施形態では、十字線(すなわち、焦点面において直角に交差する一対の細いワイヤまたは線)を備えたビューファインダを使用して、基準に対してコロニー座標を割り当てる。この実施形態は、
図14に示されている。この実施形態では、ビューファインダは、角度付きミラー(一実施形態では約45度)とともに使用され、その結果、ユーザは、コロニーが位置特定されている表面にほぼ平行な方向でビューファインダを覗き込むことができる。角度付きミラーは、ユーザの視野を約90度に再配向し、ユーザがビューファインダをほぼ水平方向に覗き込んで、コロニーが位置特定されている表面を垂直方向から見ることができるようにする。以下でさらに詳細に説明するように、ビューファインダを使用して、ユーザがコロニーを手動で見て、プレート中心とラベルの中心の基準を参照してその座標を位置合わせすることができるようにする。そのような座標の位置合わせは、例えば、培養皿の座標空間におけるビームの位置を位置合わせするレーザーポインタを使用することによって達成することができる。ユーザが選択したコロニーにビームを配置すると、ユーザは、ユーザに提供されたボタンまたはスイッチを使用して、基準に対するその位置の座標を位置合わせすることができる。
【0027】
第3の例では、ユーザは、ウェブカメラを使用してコロニー座標を位置特定することができる。この方法でのウェブカメラの使用については、以下で詳しく説明する。コロニー座標を位置特定するためにウェブカメラが展開される実施形態では、プレート中心、バーコード中心、またはコロニーの位置を決定するためのコンピュータビジョンの必要性が排除される。コンピュータビジョンの必要性を排除することで、デバイスのセットアップがより容易で簡単になる。また、コンピュータビジョンが不要な場合、システムは周囲の光の影響を受けない。したがって、コンピュータビジョンを必要としない実施形態では、デバイスは、周囲の光源から遮蔽される必要はない。コンピュータビジョンを使用しない場合、誤った位置をもたらす可能性のあるソフトウェアエラーの可能性が排除される。画像の解釈はすべてユーザが行う。コンピュータビジョンを使用しない場合、皿を遮蔽する必要はなく、ユーザはコロニーが位置特定されている培養皿を引き続き見ることができる。これは、基準マーキングが作成されたときにユーザが皿を見ることができ、次いで、画面上の基準マーキングが十分に明確でない場合にユーザが実際の皿を見ることができるため、有利である。プレート中心とバーコード中心は、上記のように機械的および電子的に決定され、座標はそれらの基準に関連して決定される。ウェブカメラを使用する場合、コロニーの位置は、画像を手動で解釈し、次いで、基準に対して座標が割り当てられた標的コロニーを識別することによって決定される。
【0028】
対象のコロニーをマーキングするために技術者によって使用され得る、コロニーが形成された培養プレートのウェブカメラ画像の一例が
図4に示されている。
図4は、ディスプレイ410を通して見た培養皿の画像405を示す。ディスプレイ410は、バーコード用のフィールド415、ならびに技術者によってマーキングされたコロニーのxおよびy座標420用のフィールドを有する。ウェブカメラの利点の1つは、レーザーや光ビームを対象のコロニーに向けてマーキングする必要がないことである。
【0029】
本明細書に記載のシステムにおけるウェブカメラの代替ソリューションとして、レーザービームおよび光ビームが企図されている。例えば、レーザーポインティングデバイスは、コロニー候補の座標を記録するために使用される。この例示的な実施形態では、培養プレートは、本明細書に記載されるようにマーキング機に配置される。マーキング機は、培養プレートを中心に配置し、培養皿の側面のラベルを回転させて、培養プレート(
図2(b)のペトリ皿270)の側面のラベル(
図2(b)のラベル280)のエッジを検出する。
図14を参照すると、ポインタデバイス901を使用して、レーザーポインタを操作して、標的コロニーの座標を取得する。ポインタデバイスは、自動化されるか、またはユーザ905によって制御される。ポインタデバイスは、45度のミラー915を有するビューファインダ910と連携する。レーザー光またはLED光920は、第1のアパーチャ925を通ってポインタ910に入り、下向きに反射され、アパーチャ930を通ってポインタ910を出て、培養プレート937の表面に伝達される。十字線936を備えた標的935を有するビューファインダ910は、ユーザが培養皿の座標空間にレーザーポインタを配向するためのポインタデバイスを備えている。そのようなビューファインダは当業者によく知られており、本明細書では詳細に説明されていない。ビューファインダには、対象のコロニーを識別するために必要な程度の倍率で培養皿を見るための調整可能な倍率が備わっている。次に、光ビームがコロニーに向けられ、光ビームが培養皿に入射する座標が記録される。より手動の操作では、ユーザ905は、ビューファインダ910を通してコロニーを見ることができる。対象のコロニーを見るとき、ユーザはレーザーをアクティブにして対象のコロニーに衝突させることができる。この方法でレーザーを位置決めすると、レーザー光が対象のコロニーに衝突する座標が位置合わせされる。光ビームと培養皿は、x、y、zで相対移動することができる。本明細書の他の箇所に記載されているように、培養皿は回転可能なプラットホームによって支持されているので、培養皿を回転させて、標的コロニーをその位置をマーキングするためのより良い位置に配置することができる。特定のピクセルの座標は、ラベルの位置と皿の中心に対して固定されていることに留意されたい。培養皿を回転させても、培養皿の座標空間内の特定のピクセルの座標は変更されない。
【0030】
本装置内のマーキングされたコロニーの座標と、ID/ASTで使用するためのコロニーを採取するために使用される座標との間の対応を確実にするために、装置が較正される場合に有利である。装置が、本明細書に記載の装置の下流で培養プレートを処理することができる任意の他のツールと同じ方法で較正される場合にも有利である。一実施形態では、下流装置は自動化採取ツールである。そのような較正皿500の一例が
図5に示されている。皿には9つの基準点が含まれている。基準点501は、皿の側面のラベル位置505の中点である。基準点510は皿の中心である。残りの基準点511の角度および半径は既知である。位置ソフトウェアは、これらの点を使用して較正される。これにより、培養皿の座標空間のマップが提供され、その座標空間がメモリに保存される。培養皿の画像がウェブカメラまたはディスプレイを介して表示される場合、ユーザは対象のコロニーを選択し、そのコロニーの座標は、培養プレート基準(例えば、基準点501および510)に対してメモリに保存される。コロニーの座標は、ユーザが様々な従来の方法で取得できる。一実施形態では、タッチスクリーンが提供され、ユーザは、タッチスクリーンに触れることによって、対象の座標を保存することができる。別の実施形態では、ユーザインターフェースはポイントアンドクリックモニターであり、ユーザは、対象のコロニーの上にカーソルを置いてそのコロニーを選択することにより、座標を保存することができる。
【0031】
装置は、マーキングされたコロニーの座標を、装置内の培養プレートに貼り付けされたラベルのバーコードとリンクさせるので、皿がID/ASTモジュールに入るときにプレートのバーコードがスキャンされる場合、ID/ASTモジュールは、マーキングされたコロニーがどこにあるかを知っており、それらを「見つける」ことができる。IDは、例えばMALDI-TOF MSを使用して実行される。MALDI-TOF MSは、微生物のID試験を実施するための周知の装置であり、本明細書では詳細に説明されていない。ASTは、特定の微生物に対する抗生物質のMICを決定するための周知の手法である。ASTのシステムおよび方法は、当業者に周知であり、本明細書では詳細に説明されていない。
【0032】
上記のように、バーコードは、コロニーが装置を使用する技術者によってマーキングされる前に、培養プレートの側面に貼り付けされたラベル上にある。上記のように、貼り付けされたラベルの中点は、細菌の半径と角度の1つの基準点として使用され、プレートの中点は、第2のそのような基準点として使用される。ユーザは、事前に印刷されたバーコードが付いたラベルのロールを装置に提供できる。装置は、ラベル(または皿自体)にバーコードを印刷する必要はない。
【0033】
上記のように、装置は、培養皿上の対象のコロニーに座標を割り当てることができ、それらの座標を、試験対象のコロニーを採取する装置に送信することができるメカニズム(例えば、上記のウェブカメラおよびディスプレイ)と組み合わせて使用することができる。自動化採取ツールは当業者に知られており、本明細書では詳細に説明されていない。一例では、自動化採取ツールは、IDおよびAST試験を実行する自動化装置と統合されている。このようなシステムには、ロボットの採取ツールと通信し、ロボットの採取ツールにピペット(またはワイヤループなどの別の適切な採取ツールの消耗品)を取得するように指示し、次に、ピペットまたは他の採取ツールを対象のコロニーの上の位置に運ぶコントローラーが含まれる。コロニー採取の前にプレートの上部を取り外す。次に、ロボット採取ツールがピペットまたは他の消耗品を下げて、消耗品が対象のコロニーと接触するようにする。
【0034】
別の実施形態では、寒天表面または培養皿上の基準マーキングを使用して、標的コロニーを獲得するように採取ツールを配向させることができる。これらの基準マーキングは、製造中にプレートに埋め込まれるか、ユーザによって、もしくは有機増殖によって適用されるか、または任意の適切な手段によって皿もしくは寒天表面に組み込まれ得る。機械視覚装置を使用して、皿の中心などの別の基準点が検出され、そこから皿の座標を決定することができる。上記のように、バーコードは基準の1つの例である。また、上記のように、皿上のコロニーの位置は、中心からの相対距離およびバーコードゼロオフセットに対する角度オフセットを参照して決定される。コロニーの相対的な位置が本明細書に記載の装置によって決定されると、皿は別のシステムに移され、そこで次の2つのステップが実行される。皿は、例えば機械的手段(本明細書に記載の3ピンチャックなど)によって中心に配置される。バーコードのゼロオフセットは、例えば、固定センサを有した状態で皿を回転させてバーコードラベルの存在を検出し、バーコードスキャナーでバーコードをスキャンすることによって検出される。この時点で、皿の中心がわかり、バーコードのゼロオフセットがわかる。したがって、皿の中心までの距離とバーコードラベルまでの角度オフセットとして記憶されるため、以前に参照したコロニーの位置を簡単に計算できる。本明細書に記載の方法および装置は、第2のシステム(この例ではコロニー採取システム)のカメラもしくはコンピュータビジョンシステム、またはコロニー位置情報が必要とされる任意の他のシステムを必要としない。この例で使用されているゼロオフセットはバーコードラベルに対するものであるが、これは皿の任意の独自の基準機能であるか、上記のように皿に適用され得る。
【0035】
上記のように、プレート座標空間内のコロニー座標が装置によって決定されると、それらの座標は保存され、プレートからコロニーを採取するために使用される装置に伝達される。プレートは、コロニーが採取される装置に運ばれる。培地の表面から微生物を採取するための1つの自動化された方法および装置は、Botmaらの、「細胞物質を採取するための方法および前記方法を実行するためのアセンブリ」と題する米国特許第9,677,044号に記載されている。これは一般的に所有されており、参照により本書に組み込まれる。当業者は、本明細書に記載の方法および装置を使用して、本明細書に記載の装置および方法に従って決定された座標を使用できる様々な装置にプレート座標空間内のコロニー座標を提供できることを理解する。
【0036】
図6を参照すると、皿3が採取ステーション1020で受け取られると、コロニー採取が実行される。ステーション1020は、使い捨てピペットチップなどの採取ツールを解放可能に保持するための採取ツールホルダー9を含む位置決めデバイス8を含む。位置決めデバイスは、コロニー位置特定装置から座標情報を受け取る。位置決めデバイスは、最初にコロニー座標の基準フレームである基準を位置特定することによって、コロニーの位置を確認する。次に、位置決めデバイスは、コロニー位置特定装置によって識別された座標に皿の上で採取ツールを動かす。示されるように、採取ツールホルダー9は、第1の採取ツール6を保持する。第1の採取ツール6は、それが微生物4に接触し、微生物4のサンプル19を採取する位置(破線で示される)に位置決めされ得るように、位置決めデバイス8は、第1の採取ツール6を培養皿3の上の開始位置(
図2に実線で示されている)に位置決めするように配置され、第1の採取ツール6を培養皿3に向かって、および培養皿3から離れるように自動的に上下させるように配置されている。第1の採取ツール6がサンプル19(
図2に6’として示される保持されたサンプル19を有する第1の採取ツール)を採取した後、位置決めデバイス8は、第1の採取ツール6’を上昇させ、サスペンションチューブ11の上にある移送位置「A」に位置決めする。位置決めデバイス8は、好ましくは、移送トラック18に沿って移送位置Aに水平に移動する前に、採取ツール6’を開始位置まで垂直に上昇させる。これは、サンプルの採取中に形成される可能性のあるムコイドストリングによる汚染を防ぐのに役立ち得る。しかしながら、他の実施形態では、位置決めデバイス8は、移送位置Aに向かって(
図2の矢印によって示されるように)垂直方向および水平方向の両方に同時に移動することができる。
【0037】
上記のように、装置は、採取を行う座標空間に対応する参照座標空間内の半径および角度を反映する、マーキングされたコロニーの座標を生成する。装置は、xおよびy方向に移動できるテーブルを展開する。
図7を参照すると、装置700は、xおよびy方向の両方で調整することができるテーブル705を有する。装置700は、3つのピン715を使用する皿クランプ710を有し、各ピン715は、ロッキングチャネル720で対向している。この装置は、ラベルストリップ740から皿722にラベルを取り付けるためのローラーアセンブリ725をさらに含む。ラベルが一連の垂直ローラー737を通過して前進するとき、ラベルストリップ740のロールは、垂直軸738の周りを回転する。ラベルストリップ740は、ラベル739を担持した接着面を有する。ラベルがアペックスローラー738でローラー725の近くに前進されると、外側に接着剤を有するラベル739がローラー725によって培養皿722と接触するように動かされる。装置700はまた、ウェブカメラ735が取り付けられたウェブカメラホルダー730を含む。
【0038】
皿クランプ710およびローラー725の上から見下ろす図が
図8に示されている。図示の位置では、皿722がローラー725から離間するようにクランプが回転される。ピン715が図示の位置にあるとき、皿722のロックが解除される。ピン715がロック位置にあるとき、ローラー725がラベルストリップ740から皿722にラベルを貼り付けるときに、プレート722は所定の位置に保持される。ピン715は、ピン723によってそれらの第1の位置からそれらの第2の位置に移動する。3つのピン715のうちの1つは、プレート722がクランプディスク710上で回転するのを防ぐために固定されている。プレート722は、他の2つのピン715のために、常にクランプディスク710の中心に固定されている。
【0039】
図9は、ローラーアセンブリ725の側面図である。ローラーアセンブリ725は、ベアリング750の周りに配置されたゴムローラーホイール745を有する。皿722はクランプ710に固定されている。
図10に示されるように、ローラーアセンブリは、ばね755によって皿722の近くに付勢される。これにより、ローラーアセンブリは、ラベルのストリップから皿722にラベルを移送する。皿722は通常円錐形(皿の壁が下方向に内側に先細になるように、皿の底部が皿の上部よりわずかに小さい直径を有する)を有するので、ローラー725は、皿の側壁のテーパーと角度が釣り合ってわずかに外側に傾斜している。
【0040】
図11は、プレート722上にメッキ培養のリアルタイム画像を送信するウェブカメラ735用の取り付けアーム730を示す。技術者はウェブカメラの画像を使用して、採取するコロニーを選択する。皿722にラベルが付けられているからである。適用されたラベルの中点および皿722の中心を参照して、選択されたコロニーに座標が割り当てられる。
【0041】
図12は、ラベルのストリップ740上のラベルを検出するために使用されるセンサ760を示す。センサは、ラベルとその背景の間のコントラストを検出する。ラベルのエッジが検出されると、ローラーアセンブリ725および皿クランプ710が前進して接触し、ラベルをラベルストリップ740から皿722に移送する。
【0042】
図13は、本明細書に記載の装置の動作のフローチャートである。ステップ800において、蓋がプレートから取り外される。ステップ805において、ロードボタンが押されて、皿を受け取るためにクランプを開位置に配置する。ステップ810において、皿はクランプに配置される。ステップ815において、開始スイッチがオンにされ、クランプが皿上で閉じられ、ラベルが貼り付けされる。ステップ820で、プレートの画像が捕捉され、技術者は、ステップ821で、コロニーを見て、選択し、ラベルの中心および皿の中心に対する選択されたコロニーの座標が、ステップ822で記録される。ステップ825において、装置はオフにされ、クランプが開かれ、技術者が装置からプレートを取り外すことを可能にする。ステップ830において、蓋は皿の上に戻して配置される。
【0043】
本明細書の本発明は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示であることが理解されるべきである。したがって、例示的な実施形態に多数の修正を加えることができ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成を考案することができることを理解されたい。
【国際調査報告】