(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(54)【発明の名称】レセプタクルを密封するためのシーリング装置
(51)【国際特許分類】
B65D 47/24 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
B65D47/24 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577992
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 EP2020068291
(87)【国際公開番号】W WO2020260709
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568579
【氏名又は名称】スマートシール エーエス
【氏名又は名称原語表記】SMARTSEAL AS
【住所又は居所原語表記】Kvitsoygata 10,4014 Stavanger,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イェルン・ヘリット・アントン・ゲビンク
(72)【発明者】
【氏名】ルネ・クリスティアン・クヌートセン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB17
3E084DC03
3E084EA02
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC01
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB11
3E084GB12
3E084GB30
3E084HA03
3E084HB01
3E084HD03
3E084KB01
3E084LA30
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD02
(57)【要約】
本開示は、レセプタクルを密封するためのシーリング装置(1)に関し、シーリング装置は、排出導管(8)を含むベース(3)と、ベースに取り付けられたバルブ(4)であって、ベースの排出導管内に少なくとも部分的に突出する排出パイプと、排出パイプの上流端に取り付けられた端部とを備えているバルブとを備え、排出パイプの端部は、シーリング装置の少なくとも1つのモードにおいて、排出導管と協働して、それによって、シーリング装置の排出導管を密封するように構成されており、ベースは、レセプタクルに取り付けられるように構成されており、ベース及びバルブは、排出導管から離れたシーリング装置の部分で一体的に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばスパウト又は飲用レセプタクル等のレセプタクルを密封するためのシーリング装置(1)であって、前記シーリング装置(1)は、
前記レセプタクルに取り付けられるように構造化されたベース(3)であって、排出導管(8)を形成するスリーブ(6)を備えているベース(3)と、
-前記ベース(3)上に配置されたバルブ(4)であって、前記ベース(3)が前記レセプタクルに取り付けられているとき、前記レセプタクルは前記バルブ(4)の上流に配置され、前記レセプタクルの排出方向は上流方向とは反対の下流方向を定義する、バルブ(4)と
を備え、
前記バルブ(4)は、前記ベース(3)の前記スリーブ(6)内に少なくとも部分的に突出し、その中で、前記バルブ(4)を開閉するために、上流及び下流方向に軸方向に移動可能な排出パイプ(10)を備え、
前記バルブ(4)は、前記排出導管(8)から離れた前記シーリング装置の部分で前記ベース(3)に取り付けられている、
シーリング装置(1)。
【請求項2】
前記ベース(3)が管状ベース壁(7)を備え、前記バルブ(4)が管状取付壁(37)を備え、前記バルブ(4)の前記管状取付壁(37)は、前記ベース(3)の前記管状ベース壁(7)上に配置されるように構成されており、前記管状取付壁(37)は、前記排出位置から離れた部分で前記管状ベース壁(7)に取り付けられるように構成されており、前記ベース(3)の前記管状ベース壁(7)は、好ましくは、前記バルブ(4)の前記管状取付壁(37)の内側にぴったりとフィットするように構成されている、
請求項1に記載のシーリング装置(1)。
【請求項3】
前記ベース(3)は少なくともパーテーション壁(31)及び管状ベース壁(7)を備える静止ベースハウジング(21)を備え、前記バルブ(4)は前記ベースハウジング(21)に取り付けられる静止バルブハウジング(25)を備え、前記静止バルブハウジング(25)は管状取付壁(37)を備え、前記バルブ(4)は前記管状取付壁(37)の最下部で前記ベース(3)の前記管状ベース壁(7)に取り付けられ、前記バルブ(4)は、好ましくは、前記管状取付壁(37)の最下部で前記ベース(3)の前記管状ベース壁(7)の最下部に取り付けられている、
請求項1又は2に記載のシーリング装置(1)。
【請求項4】
前記ベース(3)はパーテーション壁(31)及び管状ベース壁(7)を備え、前記パーテーション壁(31)は、前記排出パイプ(10)が軸方向に移動するのに十分なスペースを設けるように、前記ベース(3)の前記パーテーション壁(31)の外側と外側管状壁(32)及び可撓性壁(36)の内側との間にギャップを形成する環状軸方向リム(2)を備えている、
請求項1、2又は3に記載のシーリング装置(1)。
【請求項5】
前記ベース(3)は、径方向に突出するベースカラー(15)を備え、
前記バルブ(4)は、径方向に突出するバルブカラー(13)を備え、
前記ベースカラー(15)は、前記バルブカラー(13)に固定的に取り付けられており、
前記ベースカラー及び前記バルブカラーは、前記排出導管(8)から離れた前記シーリング装置(1)の前記部分を定義する、
請求項1から4までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項6】
ベースカラー(15)が、前記ベース(3)の全周に沿って、好ましくは前記ベース(3)の管状ベース壁(7)の円周底部端部に沿って延び、及び/又はバルブカラー(13)が、前記バルブ(3)の全周に沿って、好ましくは前記バルブ(4)の管状取付壁(37)の円周底部端部に沿って延びる、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項7】
前記ベースカラー(15)は、前記バルブカラー(13)に直接的に取り付けられている、
請求項1から6までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項8】
前記ベースカラー(15)は、リング状取付要素、例えばクランピングリングを介して、前記バルブカラー(13)に間接的に取り付けられている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項9】
前記リング状取付要素は、前記突出するベースカラー(15)及び/又は前記径方向に突出するバルブカラー(13)に接触するように、径方向内向きに延びる少なくとも1つの取付部分を備え、両カラー(13,15)は径方向外向きに延びている、
請求項8に記載のシーリング装置(1)。
【請求項10】
前記ベースカラー(15)及びバルブカラー(13)は、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着のいずれかにより、好ましくは超音波溶着により、互に取り付けられている、
請求項5から9までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項11】
前記シーリング装置(1)はクランピングリング(40)を備え、前記クランピングリングは、前記ベースカラー(15)又は前記バルブカラー(13)に固定的に取り付けられているか、又は前記ベースカラー(15)又は前記バルブカラー(13)と一体的に形成されている、
請求項1から10までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項12】
前記クランピングリング(40)は、前記ベースカラー(15)又は前記バルブカラー(13)に枢動可能に取り付けられているか又は枢動可能に形成されている、
請求項11に記載のシーリング装置(1)。
【請求項13】
前記ベースカラーは、超音波溶着を使用して前記リング状取付要素に接続するように構成された1つ又は複数の溶着要素を備える、
請求項1から12までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項14】
前記ベースカラーには1つ又は複数の溶着要素が設けられ、前記溶着要素は、前記シーリング装置の下流方向を指し、前記溶着要素は、前記バルブの側面に溶着されるように構成されている、
請求項1から13までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項15】
前記溶着要素には、前記バルブに面する溶着先端がそれぞれ設けられている、
請求項14に記載のシーリング装置(1)。
【請求項16】
前記ベース、前記ベースカラー、前記バルブカラー及び前記バルブの上流側を備えるグループのうちの少なくとも1つには、1つ又は複数の接続要素が設けられており、
前記ベース、前記ベースカラー、前記バルブカラー及び/又は前記バルブの上流側の一部には、1つ又は複数の接続穴が設けられており、
前記接続穴は、前記1つ又は複数の接続要素が配置される位置の反対側の、前記ベース、前記ベースカラー、前記バルブカラー及び/又は前記バルブの上流側の前記部分に設けられており、
前記接続穴は、前記接続要素が前記接続穴を通って突出することを可能にするように構成されており、
前記接続穴及び接続要素は、前記バルブを前記ベースに協調的に固定するように構成されている、
請求項1から15までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項17】
前記ベースカラーは1つ又は複数のクランピング要素を備え、前記クランピング要素は、前記バルブカラーの少なくとも一部をクランプして、それによって前記バルブカラーを前記ベースカラーに固定するように構成されている、
請求項1から16までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項18】
前記ベースカラーは、前記ベースカラーと一体的に形成されたクランピングリングを備え、前記クランピングリングは前記バルブカラーを前記ベースカラーにクリックのような方法で固定する、
請求項1から17までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項19】
前記シーリング装置は、
閉ユーティリティ位置、及び
開ユーティリティ位置
を含む異なる位置間の前記排出パイプの移動を可能にするように構成されており、
前記閉ユーティリティ位置では、前記シーリング装置は、シールを提供するように構成されており、
前記開ユーティリティ位置では、前記シーリング装置は、前記排出導管(8)を通る実質的に自由な液体通路を提供するように構成されている、
請求項1から18までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項20】
前記異なる位置は、前記シーリング装置バルブの前記バルブが、前記閉ユーティリティ位置よりも閉位置でより強固に保持される、前記保管ユーティリティモードを更に備える、
請求項19に記載のシーリング装置(1)。
【請求項21】
前記排出パイプ(10)は、径方向に可撓性の配置のシール体(9)を備え、前記シール体(9)は、前記排出導管(8)の開閉のために前記スリーブ(6)と協働するように構成されており、
前記排出パイプ(10)が下流方向に移動して前記スリーブ(6)の保管シールシート(18,20)に接触して前記排出導管(8)を閉じる保管位置と、前記排出パイプ(10)が上流方向に移動して前記排出導管(8)を開く開ユーティリティ位置と、前記保管位置と前記開ユーティリティ位置と間に配置され、前記排出パイプ(10)が移動して前記スリーブ(6)のユーティリティシール部分に接触して前記排出導管(8)を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、軸方向に移動可能であるように前記排出パイプ(10)が構成されている、
請求項1から20までのいずれか1項に記載のシーリング装置(1)。
【請求項22】
前記ユーティリティシール部分は、前記スリーブ(6)の内部リング状シール部分(30)及びエンドシールシート(22)の少なくとも1つを備え、前記軸方向に移動可能な排出パイプ(10)の前記シール体(9)に接触されて、前記排出導管(8)を密閉する、
請求項21に記載のシーリング装置。
【請求項23】
前記ベースは、前記ベースの内側部分において前記下流方向に平行な方向に延びる複数のベース回転防止溝を備え、
前記ベース回転防止溝は、前記シーリング装置を取り付けることができるスパウトのスパウト回転防止溝と協働するように構成されている、
請求項1から22までのいずれか1項に記載のシーリング装置。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項に記載のシーリング装置とレセプタクルとのアッセンブリであって、前記レセプタクル上に前記シーリング装置が取り付けられている、アッセンブリ。
【請求項25】
前記レセプタクルはスパウトを備え、前記シーリング装置のベースは、前記シーリング装置の下流方向に平行な方向に延びるとともに前記ベースの内側部分に配置されている複数のベース回転防止溝を備え、
前記スパウトは、スパウト回転防止溝を備え、
前記ベース回転防止溝は、前記シーリング装置が取り付けられている前記スパウトの前記スパウト回転防止溝と協働するように構成されている、
請求項24に記載のアッセンブリ。
【請求項26】
シーリング装置(1)を製造する方法であって、
シーリング装置(1)を、好ましくは請求項1から25までのいずれか1項に記載のシーリング装置を、一緒に形成するベース(3)及びバルブ(4)を提供することと、
前記ベース上に前記バルブ(4)を配置することと、
ここで、前記ベースは排出導管(8)を備え、前記バルブは、前記ベースの前記排出導管内に少なくとも部分的に突出する排出パイプと、前記排出パイプの上流端部に取り付けられた端部とを備え、前記排出パイプの前記端部は、前記シーリング装置の少なくとも1つのモードにおいて、前記排出導管と協力して、それにより、前記シーリング装置の前記排出導管を密封するように構成されており、前記ベースはレセプタクルに取り付けられるように構成されており、
前記排出導管(8)から離れた前記シーリング装置の部分で、前記バルブ(4)を前記ベース(3)に固定的に取り付けることと
を備える、
方法。
【請求項27】
前記シーリング装置の製造が製造現場で行われ、レセプタクルへの前記シーリング装置の取り付けが前記製造現場から離れた組立現場で行われる、
請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レセプタクルを密封するためのシーリング装置、シーリング装置及びレセプタクルを備えているアッセンブリ、並びにシーリング装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、スパウト付きポーチ容器のスパウト(注ぎ口)等のレセプタクル、例えばボトル、カートン、カップ若しくは缶等の容器、又は飲用に適する(炭酸又は非炭酸)液体を維持するための同様のホルダーの排出開口部を開閉するためのシーリング装置に関する。多くのタイプのシーリング装置で生じる問題は、シーリング装置の意図しない開きをそれらが許容し、バルブ及び関連する構成要素の殺菌処理に使用される無菌液が望ましくない形で侵害されてしまうことである。
【0003】
既存のシーリング装置の更なる欠点は、使用されるバルブ構造が、飲用レセプタクル内の過圧によりシーリングプラグが下流方向に押圧され、排出開口部内のシーリングシートから外れ、それによってバルブが意図せずに開く可能性があるようになっていることかもしれない。
【0004】
下記の特許文献1には、さまざまなモード又は位置:シーリング装置のバルブが開かれた開ユーティリティ位置と、(シーリング装置が使用されている状態で)シーリング装置のバルブが通常の方法で閉じられた閉ユーティリティ位置と、バルブが閉じたままになる可能性が高められることを確実するために、バルブが通常の方法よりも強固に閉じられた閉保管位置と、に配置され得るように構造化された改善されたシーリング装置が記載されている。既知のシーリング装置は、(閉)保管位置で気密シーリングを提供する(一方、閉ユーティリティ位置では、シーリングは液密のみを必要とする)。閉保管位置は、本開示において、単に保管位置とも呼ばれる。例えば、シーリング装置が保管されているとき又は製造現場と充填現場との間を輸送されるとき、バルブは閉保管位置に配置されてよい。代替的又は追加的に、シーリング装置がレセプタクルに接続されるとともにレセプタクルが内容物で満たされた直後、例えば組立現場から店舗へのその輸送中、及びシーリング装置がエンドユーザーによって初めて開かれる前に、シーリング装置が保管位置に保持されてよい。
【0005】
換言すると、下記の特許文献1は、保管モード/位置において、(飲用)レセプタクルへの飲料の充填、パッキング、輸送及び保管に関連して良好なシーリングとしてシーリング装置が機能するように、シーリング装置が構造化されることを開示している。閉ユーティリティモード/位置では、シーリング装置はまた、飲用レセプタクル内の飲料の消費に関連して良好なシールとして機能するように構造化され、以下、ユーティリティシールと呼ばれる。消費時に、バルブは通常、繰り返し開閉され、従って、シーリング装置は、このタイプのアプリケーションの文脈でも十分に機能できるように構造化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2040991号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/028378号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、既知のシーリング装置の製造中に、3つの別個の構成要素、すなわち、飲用レセプタクルに接続されるベースと、ベースに収容されるバルブと、ベース及びバルブを囲むとともに、ベース及びバルブの両方を飲用レセプタクルに取り付けるために使用される保護カバーとが作成される。3つの別個の構成要素を作成した後、最初に飲用レセプタクル上にベースが配置され、次にベース内にバルブが配置され、最後にベース及びバルブを飲用レセプタクルに取り付けるために保護カバーが使用される。これは、シーリング装置の構成要素の製造及び飲用レセプタクルへのその取り付けの両方が、同一の位置(すなわち製造現場)で行われることを意味する。この方法でシーリング装置を有する飲用レセプタクルを組み立てた後にのみ、レセプタクル及び接続されたシーリング装置の組み合わせを、製造現場から離れた洗浄及び/又は充填現場に輸送することができる。
【0008】
この操作には幾つかの欠点がある。例えば、同じ位置(現場)でシーリング装置を製造し飲用レセプタクルに取り付けなければならないとき、衛生に関するすべての要件を満たすことは困難である。更に、ベース及びベース内に収容されているバルブを飲用レセプタクルに接続し、ベース及びバルブを一緒に保つことができるようにするために、保護カバーが必要である。保護カバーがないと、ベース及びバルブをレセプタクルに取り付けることができない。
【0009】
上記の特許文献2は、
図1及び2に示される第1の例において、横たわっている(水平)端壁6及び直立した(垂直)円形マントル8からなるキャップ4と、キャップ4に取り付けられたスパウト38を含む操作部材とを備える低圧作動シーリング装置を開示している。水平端壁6の上面上のサークル内に配置されるとともに、スナップカップリング46を使用してそれに取り付けられた外部カラー形状ハウジング48内に操作部材が取り付けられる。水平端壁の上で、保護キャップ60が解放可能に配置されてよい。このようにして既知の操作部材を水平端壁6の上面に取り付けることには、幾つかの欠点がある。第一に、シーリング装置の外面、特にカラー形状ハウジングの位置に、及びカラー形状ハウジングと操作部材との間のスナップカップリングに、汚れが集まるリスクがある。更に、シーリング装置の製造及び/又は組立操作は比較的複雑であり、一方で、時には、操作部材とキャップ4の水平端壁6上のカラー形状ハウジングとの間に適切なシール品質を提供し維持することを困難にする。
【0010】
本開示の目的は、本分野における既知のバルブ技術の不利な点を少なくとも部分的に改善又は回避することである。
【0011】
別の目的は、より多目的に使用でき、及び/又はシーリング装置のより複雑でない製造及び組立操作を依然として可能にしながら、衛生に関してより容易に高い基準に準拠させることができるシーリング装置を提供することである。
【0012】
別の目的は、レセプタクル又はレセプタクルに関連する容器内の過圧の結果としてバルブが意図せずに開くリスクが増加しないか、又は減少さえするシーリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、例えばスパウト又は飲用レセプタクル等のレセプタクルを密封するためのシーリング装置であって、シーリング装置は、
レセプタクルに取り付けられるように構造化されたベースであって、排出導管を形成するスリーブを備えているベースと、
ベース上に配置されたバルブであって、ベースがレセプタクルに取り付けられているとき、レセプタクルはバルブの上流に配置され、レセプタクルの排出方向は上流方向とは反対の下流方向を定義する、バルブと
を備え、
バルブは、ベースのスリーブ内に少なくとも部分的に突出し、その中で、バルブを開閉するために、上流及び下流方向に軸方向に移動可能な排出パイプを備え、
バルブは、排出導管から離れたシーリング装置の部分でベースに取り付けられている、
シーリング装置が提供される。
【0014】
ベース及びバルブが排出導管から離れた部分に取り付けられているので、シーリング装置は、シーリング装置の少なくとも1つのモードで、信頼性の高い密封を提供できる。更に、バルブをベースに取り付けることにより、バルブがベースに適切に収容されたままであることを依然として確保しながら、例えば製造現場から洗浄及び/又は充填現場等に、それらをより簡単に輸送できる。これにより、シーリング装置の構成要素(すなわち、ベース及びバルブ)が製造される製造エリアを、シーリング装置がレセプタクル又は容器に接続される組立エリアから地理的に分離することが可能になり、それが、これらの異なる領域に適用される様々な要件をより容易に満たすことができるようになる。製造エリア及び組立エリアは、互いに数百キロメートル離れた遠隔地である可能性がある。
【0015】
ベースが管状ベース壁を備え、バルブが管状取付壁を備える本開示の一実施形態では、例えばバルブの取付壁の直径が管状ベース壁の直径より僅かにのみ大きいので、管状取付壁は、ベースの管状ベース壁上に配置されるように構成されていてよい。好ましくは、ベースとバルブとの間の密封を改善するために、及び/又は(管状ベース壁を管状取付壁に溶着することを伴う場合がある)製造プロセスを容易にするために、管状ベース壁は、バルブの管状取付壁の内側にぴったりとフィットするように構成されている。管状取付壁が管状ベース壁の上に配置されると、例えば管状ベース壁が管状取付壁に滑り込むか又はその逆のため、管状取付壁が排出位置から離れた部分で管状ベース壁に取り付けられる。
【0016】
更なる実施形態では、バルブは、その管状取付壁の最下部でベースの管状ベース壁に取り付けられる。バルブは、その管状取付壁の最下部でベースの管状ベース壁の最下部に取り付けられることさえできる。
【0017】
一実施形態では、ベースは、径方向に突出するベースカラーを備え、バルブは、径方向に突出するバルブカラーを備え、ベースカラーは、バルブカラーに固定的に取り付けられており、ベースカラー及びバルブカラーは、排出導管から離れたシーリング装置の部分を定義する。ベースカラー及びバルブカラーは、それぞれ、バルブをベースに固定するための適切な固定位置を提供するように構成され得る、ベース及びバルブの一部であり得る。好ましくは、ベースカラー及びバルブカラーは、シーリング装置の上流方向に配置される。これにより、シーリング装置の下流方向が他の物体と接触することが最も多いため、バルブがベースに取り付けられている位置の損傷を防ぐことができる。
【0018】
更に、ベースカラー及びバルブカラーは、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着、及び/又はインパクト溶着、好ましくは超音波溶着、スナップフィッティング等の機械的フィッティングのいずれかを介して接合されてよい。これにより、ベースとバルブとの間の信頼性の高い接続を得ることができる。
【0019】
一実施形態では、ベースカラーが、ベースの全周に沿って、好ましくはベースの管状ベース壁の円周底部端部に沿って延び、及び/又はバルブカラーが、バルブの全周に沿って、好ましくはバルブの管状取付壁の円周底部端部に沿って延びる。これにより、バルブとシーリング装置のベースとの間に、信頼性の高い液密、又はさらに気密シール、及び/又は構造的に強力な取付が作成される場合がある。
【0020】
一実施形態では、ベースカラーは、例えばベースカラーの表面をバルブカラーの対応する表面に接着又は溶着することによって、バルブカラーに直接的に取り付けられている。代替的又は追加的に、ベースカラーは、リング状取付要素、例えばクランピングリングを介して、バルブカラーに間接的に取り付けられている。リング状取付要素は、突出するベースカラー及び/又は径方向に突出するバルブカラーに接触するように、径方向内向きに延びる少なくとも1つの取付部分を備えていてよく、両カラーは径方向外向きに延びるように配置されている。
【0021】
シーリング装置がクランピングリングを含む更なる実施形態では、クランピングリングは、ベースカラー又はバルブカラーに固定的に取り付けられるか、又はベースカラー又はバルブカラーと一体的に形成され得る。クランピングリングは、少なくともベースカラーに取り付けられてよく、バルブカラーの径方向に突出した部分を越えてシーリング装置の径方向内側に突出し、それによってバルブをベースに取り付けてもよい。クランピングリングは、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着、及び/又はインパクト溶着のいずれか、好ましくは超音波溶着、を使用してベースカラーに取り付けられてよい。好ましくは、クランピングリングはまた、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着のいずれか、好ましくは超音波溶着、を使用してバルブカラーに取り付けられてよく、更に好ましくは、クランピングリングは、クランピングリングに取り付けることができるベースカラーと同じ方法及び/又は同じステップでバルブカラーに取り付けられてよく、更に好ましくは、バルブカラー、ベースカラー及びクランピングリングは、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着のいずれか1つ、好ましくは超音波溶着、を使用して1つのステップで一体的に接合されてよい。
【0022】
更なる実施形態では、取付要素(例えば、クランピングリング)は、ベースカラー又はバルブカラーに枢動可能に取り付けられるか又は枢動可能に形成されている。その場合、取付要素は、他のカラーに取り付けられる(接着及び/又は溶着される)だけでよい。
【0023】
更に、ベースカラーは、超音波溶着を使用してリング状取付要素に接続するように構成された1つ又は複数の溶着要素を備えていてよい。1つ又は複数の溶着要素を備えるベースカラーの利点は、リング状取付要素をベースから正確な距離で溶着することができ、それによってバルブへの制御された圧力を作り出すことができることである。バルブはロックされ、紛失する可能性が低くなる。
【0024】
溶着要素は、シーリング装置の下流方向にベースカラーの表面に沿って形成された線として実施することができる。代替的に、溶着要素は、ベースカラーへのクランピングリングの溶着に対応するために、その上流方向に配置されるように構成されたクランピングリング上に形成され得る溶着線として実施されてよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、ベースカラーには、溶着要素がシーリング装置の下流方向を指すタイプの1つ又は複数の溶着要素が設けられていてよい。溶着要素は、バルブの側面に溶着されるように構成されてよい。
【0026】
更に、溶着要素には、バルブに面する溶着先端がそれぞれ設けられていてよい。溶着先端は、溶着の目的で追加の材料を提供し、それによって信頼性の高い接続を確立するように構成されていてよい。
【0027】
一実施形態では、ベース、ベースカラー、バルブカラー及びバルブの上流側を備えるグループのうちの少なくとも1つには、1つ又は複数の接続要素が設けられており、ベース、ベースカラー、バルブカラー及び/又はバルブの上流側の一部には、1つ又は複数の接続穴が設けられており、接続穴は、1つ又は複数の接続要素が配置される位置の反対側の、ベース、ベースカラー、バルブカラー及び/又はバルブの上流側の部分に設けられており、接続穴は、接続要素が接続穴を通って突出することを可能にするように構成されており、接続穴及び接続要素は、バルブをベースに協調的に固定するように構成されている。好ましくは、接続要素の外端は、矢印状の形状、キノコ状の形状、ダイアモンド状の形状等であってよい。更に好ましくは、接続要素の外端の外径は、例えば、接続要素の中央部分に対して増加した直径を有していてよく、好ましくは接続要素の外端の外径は、接続穴の内径よりも僅かに大きくてよい(例えば、その直径の>101%、>110%、又は>150%)。例えば、接続穴がバルブに配置されている一方で、接続要素が、ベース上に、好ましくはベースカラーの近くに配置されてよい。それにより、1つ又は複数の接続要素が接続穴を通ることを強制されてよい。以下、接続要素を接続穴から押し出すために実質的な力が必要となる場合があり、又は幾つかの実施形態では、接続要素を接続穴から押し出すことが不可能である場合がある。これにより、ベースとバルブとの間の信頼性の高い接続を得ることができる。
【0028】
一実施形態では、ベースカラーは1つ又は複数のクランピング要素を備える。クランピング要素は、バルブカラーの少なくとも一部をクランプして、それによってバルブカラーをベースカラーに固定するように構成されてよい。そのようなクランピング要素は、ベースへのバルブの比較的簡単な接続を可能にし得る。更に、幾つかの実施形態では、1つ又は複数のクランピング要素を外側に強制することによって、必要に応じてベース及びバルブを手動で切り離し、それによってベースからバルブを取り外すことができる場合がある。
【0029】
更に、ベースカラーは、ベースカラーと一体的に形成されたクランピングリングを備えていてよく、クランピングリングは、バルブカラーをベースカラーにクリックのような方法で固定する。そのようなクランピングリングは、バルブカラーがクランピングリングにカチッとはまるまでバルブが上流方向に押されるので、バルブをベースに比較的簡単に接続することを可能にし得る。
【0030】
幾つかのタイプの従来技術のシーリング装置に関連する更なる問題は、汚れ、不純物等の望ましくない物質が、製造後、関連する容器が液体で満たされる前の期間、すなわち後の使用のためのシーリング装置の保管中に、シーリング装置に侵入する可能性があることである。保管中、シーリング装置は、製造現場から組立現場(シーリング装置がレセプタクルに取り付けられる場所)に、及び組立現場から充填現場(レセプタクルに関連付けられた容器が満たされる場所)に輸送される場合がある。保管及び輸送中、既知のシーリング置のバルブは、シーリング装置による完全な密封が提供されない程度まで変位する可能性がある。これは、シーリング装置が完全に洗浄されるべき組立現場及び/又は充填現場に到着するときに、多くの問題を引き起こす可能性がある。例えば、衛生上の理由から、シーリング装置は、殺菌剤の無菌処理を含む加熱された無菌溶液に浸漬され得る。続いて、無菌処理が終了したとき、液体残留物がシーリング装置に行き着く可能性があり、その残留物は視覚的に美しくなく、その消費中に飲料に不快な味を与える可能性がある。
【0031】
シーリング装置は、異なるモード又は位置に配置できるように構成することができる:シーリング装置のバルブが開いている開ユーティリティ位置、シーリング装置のバルブが通常の方法(シーリング装置が使用されている状態で)で閉じている閉ユーティリティ位置、及び保管中(輸送を含む)にバルブが常に閉じたままになるように、バルブが通常の方法よりも強固に閉じられている閉保管位置。既知のシーリング装置は、(閉)保管位置で気密シールを提供することさえできる(一方、閉ユーティリティ位置では、シールは液密である必要があるだけである)。閉保管位置は、本開示では、単に保管位置とも呼ばれる。なぜなら、保管段階において、例えば製造現場と充填現場との間で、バルブは常に閉じられるべきであるからである。
【0032】
言い換えれば、本開示の特定の実施形態では、シーリング装置は、
閉ユーティリティ位置、及び
開ユーティリティ位置
を含む異なる位置間の排出パイプの移動を可能にするように構成されており、
閉ユーティリティ位置では、シーリング装置は、シールを提供するように構成されており、
開ユーティリティ位置では、シーリング装置は、排出導管を通る実質的に自由な液体通路を提供するように構成されている。
【0033】
異なる位置は、シーリング装置バルブのバルブが、閉ユーティリティ位置よりも閉位置でより強固に保持される、保管ユーティリティモードを更に備えていてよい。
【0034】
本出願の実施形態では、排出パイプは、径方向に可撓性の配置のシール体を備え、シール体は、排出導管の開閉のためにスリーブと協働するように構成されており、排出パイプが下流方向に移動してスリーブの保管シールシートに接触して排出導管を閉じる保管位置と、排出パイプが上流方向に移動して排出導管を開く開ユーティリティ位置と、保管位置と開ユーティリティ位置と間に配置され、排出パイプが移動してスリーブのユーティリティシール部分に接触して排出導管を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、軸方向に移動可能であるように排出パイプが構成されている。
【0035】
好ましい実施形態では、ユーティリティシール部分は、スリーブの内部リング状シール部分及びエンドシールシートの少なくとも1つを備え、軸方向に移動可能な排出パイプのシール体に接触されて、排出導管を密閉する。
【0036】
更なる実施形態では、ベースは、ベースの内側部分において下流方向に平行な方向に延びる複数のベース回転防止溝を備え、ベース回転防止溝は、シーリング装置を取り付けることができるスパウトのスパウト回転防止溝と協働するように構成されている。
【0037】
本開示はまた、本明細書に記載のシーリング装置とレセプタクルとのアセンブリに関するものであり、レセプタクル上にシーリング装置が取り付けられている。レセプタクルはスパウトを備えていてよく、シーリング装置のベースは、シーリング装置の下流方向に平行な方向に延びるとともにベースの内側部分に配置されている複数のベース回転防止溝を備え、スパウトは、スパウト回転防止溝を備えていてよく、ベース回転防止溝は、シーリング装置が取り付けられているスパウトのスパウト回転防止溝と協働するように構成されている。スパウト回転防止溝及びベース回転防止溝は、レセプタクルに対するシーリング装置の回転を協調的に防止することができる。幾つかの実施形態では、これは、例えば、レセプタクル及びシーリング装置の少なくとも1つが回転対称形状を有さない場合に好ましい場合がある。
【0038】
別の態様によれば、シーリング装置を製造する方法が提供され、この方法は、
シーリング装置を一緒に形成するベース及びバルブを提供することと、
ベース上にバルブを配置することと、
ここで、ベースは排出導管を備え、バルブは、ベースの排出導管内に少なくとも部分的に突出する排出パイプと、排出パイプの上流端部に取り付けられた端部とを備え、排出パイプの端部は、シーリング装置の少なくとも1つのモードにおいて、排出導管と協力して、それにより、シーリング装置の排出導管を密封するように構成されており、ベースはレセプタクルに取り付けられるように構成されており、
排出導管から離れたシーリング装置の部分で、バルブをベースに固定的に取り付けることと
を備える。
【0039】
本開示の更なる利点、特徴及び詳細は、その幾つかの例の説明を参照して解明されるであろう。説明では、添付の図を参照されたい。これらの図は概略図であり、構成要素の相対的な寸法及び位置に関して多少歪んでいるかもしれない。一般に、類似又は対応する図の詳細には、以下で同じ又は類似の参照番号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、シーリング装置の第1実施形態及びレセプタクル(の一部)上の、部分的に切り取られた、分解側面図である。
【
図2A】
図2Aは、シーリング装置の第2実施形態の斜視側面図を示す。
【
図3A】
図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
【
図3B】
図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
【
図3C】
図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
【
図4A】
図4A~4Bは、それぞれ、シーリング装置の更なる実施形態の断面図及び分解図を示す。
【
図4B】
図4A~4Bは、それぞれ、シーリング装置の更なる実施形態の断面図及び分解図を示す。
【
図5】
図5は、シーリング装置の更に別の実施形態の切り取った側面図を示している。
【
図6A】
図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。
図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
【
図6B】
図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。
図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
【
図6C】
図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。
図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面の具体的な説明
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造及び装置は余す所なく詳細には説明されていない。
【0042】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び図示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲からそれることなく他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴事項と容易に分離又は組み合わせることができる別個の構成要素及び特徴事項を有する。詳述された任意の方法は、詳述されたイベントの順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実行することができる。
【0043】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示物を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するために起草される場合があることに更に留意されたい。従って、この声明は、請求要素の列挙に関連して「単独で」、「のみ」等の排他的な用語を使用する、又は「否定的な」制限を使用するための先行する基礎として機能することを目的としている。
【0044】
シーリング装置が保管される際に使用される保管位置、シーリング装置の排出通路を開くための開ユーティリティ位置、及びシーリング装置の排出通路を閉じるための閉ユーティリティ位置を有するシーリング装置の例が国際公開第2008/016307号において説明されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
図1は、容器のレセプタクル50のアセンブリの概略分解図(容器は、示されていないが、液体又は液体様媒体を運ぶことができる任意の容器又はホルダー、例えば可撓性のスパウト付きポーチ容器、ボトル、缶、飲用カートン等であり得る)及び本開示によるシーリング装置1の第1実施形態を示している。
【0046】
シーリング装置1は、レセプタクル50に接続されている(される)ベース3と、ベース3に取り付けられている(られる)バルブ4とを備える。ベース3は、少なくとも壁パーテーション31と管状ベース壁7とを備える静止ベースハウジング21を備える。更なる実施形態、例えば
図2A~2Cの実施形態では、ベースハウジング5はまた、管状接続部分11を備え、一方、ベースハウジング5はまた、後述するように、円筒形フランジ39を備えていてよい。ベース3はまた、ベース通路(すなわちベース3を通る通路)が設けられる排出導管8を備える。このため、ベースハウジング21は、排出導管8の一部として管状本体6(ここではスリーブ6とも呼ばれる)を備えていてよい。
【0047】
同様に、バルブ4は、ベースハウジング21に取り付けられる静止バルブハウジング25を備える。静止バルブハウジング25は、管状取付壁37、例えば、管状ベース壁7が管状取付壁内にぴったりとフィットすることを可能とするように、管状ベース壁7の直径よりも僅かに大きい直径を有する管、を備えていてよい。静止バルブハウジング25は、バルブカラー13を更に備えていてよい。バルブ4はまた、静止バルブハウジング25に対して移動可能なように構成された幾つかの部品を備える。例えば、バルブ4は、バルブ通路が設けられている排出パイプ10を備える。バルブ4がベース3上に配置されたとき、ベース3の排出導管内のベース通路とバルブ4の排出パイプ内のバルブ通路とが共に、シーリング装置1及び外部に接続されたレセプタクル50(の容器)の内部から閉鎖可能又は密封可能な通路を形成し、これによって、以下に説明するように、容器の内容物を分配することが可能となる。
【0048】
図示される実施形態では、壁パーテーション31は、排出導管8に対して少なくとも部分的に径方向に延びる。壁パーテーション31に接続されるか又はそれと一体的に形成されるのは、3つの同心軸方向管状壁:比較的大きな直径を有する管状ベース壁7、小径の円筒形フランジ39、及び中間径(すなわち、円筒形フランジ39の直径より大きく、管状ベース壁7の直径よりも小さい直径)を有するリング状接続部分56である。ベース3は更に、ベース3の管状ベース壁7のほぼリング状の径方向に突出する部分によって形成されたベースカラー15を備える。ベースカラー15は、好ましくは、管状ベース壁7の上流自由端に配置される。
【0049】
バルブ4は、排出パイプ10の内側管状壁34に上壁33を介して接続された外側管状壁32を更に備える。外側管状壁32は、排出パイプ10の内側管状壁34よりも大きな直径を有する管を規定し、内側及び外側管状壁34,32間のギャップ35を規定する。更に、外側壁32は、リング状の可撓性(弾性)壁36で形成され、一方、可撓性壁36は、次に、管状取付壁37で形成されるか又は管状取付壁37に接続される。可撓性壁36は、バルブ4の下流部分が、静止ベース3に対して軸方向上流方向又は軸方向下流方向に移動することを可能にする。管状取付壁37の自由端に、バルブカラー13が形成される。バルブカラー13は、バルブ4の管状取付壁37のほぼリング状の径方向に突出する部分として構成される。
【0050】
図示される実施形態では、レセプタクル50は、例えば可撓性フィルム材料の部分を互いに溶着することによって形成された容器等の可撓性容器の壁に任意の既知の方法で取り付ける(例えば溶着する)ことができる容器取付フランジ部分52を下端に設けた管状スパウト部材54を備えるスパウト51である。管状スパウト部材54にはまた、スパウトの軸方向に対して横方向に延びる横フランジ53が設けられており、フランジは、例えば、ラベル付け機及び/又は充填機におけるスパウト付き容器のより容易なハンドリングのために設けられている。管状スパウト部材54は、円周接続要素49を更に備える。図示の実施形態では、円周接続要素49は、管状スパウト部材54から径方向に突出するフランジ状突起を備える。同様に、ベース3は、リング状接続部分56を備えていてよい。リング状接続部分56は、管状スパウト部材54の円周接続部分49に係合するように構成された可撓性下縁を有していてよい。ベース3のリング状接続部分56は、ベース3を飲用レセプタクル50に強固に固定するために、管状スパウト部材54の円周接続部分49の外径と一致するか又はわずかに小さい内径を有していてよい。より具体的には、管状スパウト部材54の接続部分49の突起のようなフランジを接続部分56がクリックし、それによってシーリング装置1をレセプタクル50に固定するように、ベース3はレセプタクル50の排出端上を滑らされてよく、ベース3の可撓性接続部分56はレセプタクル50の接続部分49上で強制的にスライドされてよい。
【0051】
管状スパウト部材54の外面は、(接続部分49と排出端55との間の軸方向位置で)複数の外部軸方向リブ/溝48を備えていてよい。外部軸方向リブ/溝は、好ましくは、管状スパウト部材外面の円周にわたって均一に分布される。外部軸方向リブ48は、レセプタクル50に対するベース3の回転運動を防止するため、壁パーテーション31(
図1を参照)に接続されるか又は壁パーテーション31(
図1を参照)と一体的に形成された円筒形フランジ39の内面上のベース3の内側に設けられた対応するリブ/溝47と係合するように構成される。これは、レセプタクル50に対するベース3の回転による意図しない摩耗を低減する可能性があり、さもなければ、レセプタクル50へのシーリング装置1の接続の信頼性を低下させる虞がある。
【0052】
図2A~2C及び3A~3Bは、本開示によるシーリング装置1の第2実施形態を示している。
図2A~2Cは、シーリング装置1の第2実施形態(の詳細)の様々な側面図を示す(
図2B及び2Cは部分的に切り取られている)。第2実施形態は、リング状接続部分56及び円筒形フランジ39がないことを除いて第1実施形態に対応する。
図3A~3Cは、更なる実施形態の概略断面図であり、
図1及び2A~2Cのシーリング装置と共通であるシーリング装置の一部を示している。
【0053】
図1に示される第1実施形態では、スパウト付き容器の一部を形成するスパウト51であるようにレセプタクル50が示されるとともに、ベースの内側(より具体的には管状ベース壁7によって規定される容量の内側)に配置されたリング状接続部分56を使用してベース3がスパウト51に取り付けられていたが、レセプタクルはまた、ボトルのような、例えばガラス又はプラスチックボトル等の別のタイプの容器の一部であるか又はその容器を形成してよい。また、この場合、シーリング装置のベース3は、リング状接続部分によってレセプタクルに取り付けられてよい。しかしながら、ベース3は別の方法でレセプタクルに取り付けることもできる。例えば、
図2A~2Cに示される第2実施形態を参照すると、シーリング装置1は、例えばボトルの排出端等の飲用レセプタクルに異なる方法で取り付けることができる。このため、シーリング装置1は、シーリング装置1がレセプタクルの排出端内にフィットされ得るように、飲用レセプタクルの排出端の内径と一致する外径を有する(例えば、ベース3の前述の管状ベース壁7の自由円筒形端によって形成される)管状接続部分11を備えていてよい。代替的に、後述するように、管状接続部分11は、シーリング装置1が飲用レセプタクルの排出端外にフィットされ得るように、飲用レセプタクルの排出端の外径と一致する内径を有していてよい。
【0054】
シーリング装置1の上部に、例えば輸送及び/又は保管中に、シーリング装置1の無菌特性を確保するために、オーバーキャップ60(本明細書では、カバー蓋、ダストキャップ又はエンドキャップとも呼ばれる、
図5を参照)を配置することができる。更に、オーバーキャップ60は、例えばシーリング装置の製造業者から容器が充填される充填現場へのシーリング装置の輸送段階等における、バルブの望ましくない開放を防止し得る。
【0055】
通常、シーリング装置は、第1地理的位置で製造され、保管の準備ができてから、遠隔の第2地理的位置に輸送される。シーリング装置が第2位置に到着したときのみ、容器のレセプタクルにシーリング装置が取り付けられる。同じ位置又は更なる地理的位置で、容器は内容物で満たされ、使用できるようになる。上記の保管モード又はシーリング装置の位置は、バルブ4の製造直後のバルブ4の位置に対応している。次に、シーリング装置1は、製造現場から組み立て及び/又は充填現場に輸送されるように保管する準備ができており、そこでは、シーリング装置がレセプタクルに接続されるとともに、(任意選択で)関連する容器が充填される。容器が満たされると、バルブは保管位置に保持され、エンドユーザーによる最初の開放の備えでき得る。
【0056】
図2A~2Cを参照すると、第2実施形態によるシーリング装置1のバルブ4は、内側管状壁34を備える軸方向に移動可能な排出パイプ10を備える。排出パイプ10の内側管状壁34は、ベース3の短い移動不可能な管状体又はスリーブ6の内側に着座されており、スリーブ6は排出導管8の一部である。移動不可能な管状体/スリーブ6は、本明細書では、静止スリーブ6とも呼ばれる。
図2Bは、壁パーテーション31の形で周囲支持構造に接続されているか又は周囲支持構造と一体的に形成された静止スリーブ6を示している。前述のように、壁パーテーション31は、ベース3がレセプタクル50に強固に接続されることを可能にするように構成された管状接続部分11に接続されるか、又はその管状接続部分11に一体形成されてよい。
【0057】
図3A~3Cに示されるように、排出パイプ10は、スリーブ6内で同軸に配置され、(少なくとも)3つの異なる軸方向位置間で静止スリーブ6に対して軸方向(図では上向き及び下向き)に移動可能である。排出パイプ10は、軸方向に移動可能であり、バルブ作動用に構成されている。より具体的には、排出パイプ10は、シーリング装置1を通る液体の通過を開閉することができるバルブステムの形態の操縦体を構成する。排出パイプ10は、その上流端に上流シール部材12を備える。上流シール部材は、端壁12によって形成されてよい。排出パイプ10のこの端壁は閉じているが、排出パイプ10の側面には、バルブが
図3Bの開ユーティリティ位置にあるとき、液体が容器からベース通路及びバルブ通路を通して外部に流れることを可能とする1つ又は複数の径方向開口部16が存在する。
【0058】
図2Bに示されるように、排出パイプ10の内側管状壁34は、上壁33を介して外側管状壁32に接続されている。外側管状壁32は、内側及び外側管状壁34,32間にギャップ35を規定するために、排出パイプ10の内側管状壁34よりも大きな直径を有する管を規定する。更に、外側壁32は、軸方向に対して斜め又は横方向に延びる可撓性(弾性)壁36(
図1,2A,2Bを参照)で形成され、一方で、可撓性壁36は、次に、管状取付壁37で形成されるか、又は管状取付壁37に接続される。一方、バルブ4の管状取付壁37は、後で説明するように、静止ベース3に強固に取り付けることができる。可撓性壁36は、バルブ4の移動不可能な(静止)管状取付壁37に対して(そしてもちろん、バルブ4が接続されている移動不可能な(静止)ベース3に対しても)、外側管状壁32(従って排出パイプ10も)が、保管位置、開ユーティリティ位置及び閉ユーティリティ位置の間で上向き又は下向きに移動可能であることを可能にする。
【0059】
排出通路を開閉するために、バルブ4は、シール体9、好ましくはスリーブ6に向けて外向きに延びる弾性リング状シールカラー14によって形成されたシール体9を備える。シール体9は、排出パイプ10の上流シール部材(上流端壁12)に位置される。シールカラー14は、本質的に弾性を有する適切なプラスチック材料から形成されてよい。上記のように、排出パイプ10には、幾つかの管壁径方向開口部16も設けられている。これらの径方向開口部16は、シールカラー14のすぐ下流に位置する。それによって、バルブが開ユーティリティモードにあるとき、管壁開口部16及び排出パイプ10を通して液体の排出が行われる。その内周に沿って、スリーブ6には、スリーブ6内に延びるリング状シールバルブ18(
図2B、及びより詳細には
図3A~3Cを参照)が設けられている。シールバルブ18は、
図3Aに示されるように、バルブ4が保管モードにあるときに、前記シールカラー14のレセプションを密封するように構造化された、上流に向けられた保管シールシート20を含む。これが可能なのは、シールカラー14がシールバルブ18の上流領域に位置しているためである。
【0060】
更に、スリーブ6には、同様にシールバルブ18の上流に配置されるとともに、スリーブ6内の幾つかのユーティリティシールシートの1つである、上流に向けられたリング状エンドシート22が設けられている。この例示的な実施形態では、エンドシート22は、スリーブ6の上流端24に形成された上流に向けられた斜角エッジからなる。エンドシート22は、
図3Cに示すように、バルブ4が閉ユーティリティモードにあるときに、シールカラー14のレセプションを密封するように構造化されている。従って、バルブ4は、
図3Bに示すように、バルブ4が開ユーティリティモードにある場合に、バルブの排出方向に対するシールカラー14の上流に向けられた移動し、エンドシート22から離れるという効力により、排出導管8を開くように構造化されている。
図3Bでは、排出方向は下流に向けられた矢印で示され、バルブ開放中のシールカラー14の移動方向は上流に向けられた矢印で示されている。
【0061】
シールバルブ18はまた、下流に向けられたリング状ストップシート26を含む。このストップシート26は、前記管壁開口部16の下流及びシールバルブ18の下流に位置する領域において排出パイプ10の周りに形成された外部ストップカラー28との動きを制限する接触のために構造化されている。
図3Bは、上流に向けられるとともにバルブを開口する排出パイプ10の軸方向の移動に続いて、ストップシート26と接触しているストップカラー28を示している。
【0062】
スリーブ6はまた、前記エンドシート22とシールバルブ18との間の縦方向部分に位置された内部及び円筒形シール部分30を含む。この実施形態の例では、シール部分30全体が、シールカラー14に対してスライドシールするように構造化されている。その径方向に拡張された位置にあるとき、このシールカラー14は、
図3Cに示されるように、内部円筒形シール部分30の直径よりわずかに大きい直径を有するように配置される。従って、円筒形シール部分30は、連続的な保管シールシート及びユーティリティシールシートの両方として機能することができ、シールカラー14は、シール部分30に配置されるときに径方向にいくらか圧縮される。従って、保管シールシート20,30及びユーティリティシールシート22,30のすべては、下流方向へのシールカラー14の移動中にシールカラー14に対して密封するように構造化されている。
【0063】
図2Bの上部は
図2Aのシーリング装置1の部分的に切り取られた側面図を示し、
図2Bの下部はシーリング装置1のベース3の下端の詳細な断面を示している。ベース3は、バルブ4を支持し、開ユーティリティモード、閉ユーティリティモード及び/又は保管モードにバルブ4が配置されることを可能にするように構成されている。このために、ベース1は、レセプタクル50に取り付けられるように構成された管状接続部分11を備える。管状接続部分11は、管状ベース壁7に接続されるか、又は管状ベース壁7と一体的に形成されている。管状ベース壁7は、壁パーテーション31に接続されるか、又は壁パーテーション31と一体的に形成されている。また、壁パーテーション31の上部は管状の形状を取り、スリーブ6を構成する。排出パイプ10は、そのスリーブ6に対して変位され得る。パーテーション壁31にはまた、排出パイプ10が軸方向に移動するのに十分なスペースを設けるように、ベース3のパーテーション壁31の外側と外側管状壁32及び可撓性(弾性)壁36の内側との間にギャップを形成する環状軸方向リム2が設けられている。例えばユーザがユーザの唇をバルブに押し付けること等によって、軸方向の力が上流端壁12の方向にバルブ4に加えられる場合、バルブ4の排出パイプ10が、保管モード又は閉ユーティリティモードから閉ユーティリティモード及び/又は開ユーティリティモードに動かされる。パーテーション31に面するバルブ4の壁部分36の弾性特性のために、前記力の作用が解放された後、バルブ4のスリーブ6が、開ユーティリティモードから閉ユーティリティモードにベース3に対して動かされることができる。
【0064】
例えば、
図2B及び3Bでは、シーリング装置1が保管モードにあるように示され、前記力の作用は、上流方向の上流端壁12を閉ユーティリティモードに移動させることができ(
図3Cを参照)、前記方向に力を更に加えることで、上流端壁12を前記方向に更に移動させることができ、それにより、シーリング装置1を開ユーティリティモード(
図3Cを参照)とすることができ、それにより、シーリング装置1の上流に配置された飲用レセプタクルから流体が流れることが可能になる。
【0065】
原則として、第1又は第2実施形態のバルブ4は、固定されていない方法でベース3上に配置されることができる。例えば、バルブ4及びベース3は、キャップ、キャップ状カバー等に一緒に取り付けることができ、キャップは、クリックのような方法でベース3及びバルブ4をキャップ、キャップ状カバー等に取り付けるために、バルブカラー13及び/又はベースカラー15のシートとして機能する径方向に狭くなった部分を備える。しかしながら、そのような取り付け方法は信頼に欠ける場合があり、ベース3及びバルブ4が緩むか、又はそれらのシール特性が損なわれる虞がある。従って、バルブカラー13及びベースカラー15の少なくとも一部及び/又はその近くで、バルブ4及びベース3を固定的に接続する必要がある。
【0066】
シーリング装置1全体のより信頼性の高い密封を達成するために、本開示では、バルブ4及びベース3を互いに固定することが検討される。固定接続は、リング状取付要素を両方のカラー13、15上に配置するとともに、それをベース3のベースカラー15とバルブ4のバルブカラー13との両方に取り付けることによって、本開示の実施形態に従って達成することができる。他の実施形態では、リング状取付要素は、ベースカラー15又はバルブカラー13のいずれかの一体部分であってよい。これらの実施形態では、リング状取付要素は、他のカラー13、15に取り付けられるだけでよい。
【0067】
図1及び2A~2cを参照すると、バルブ4及びベース3は、クランピングリング40を使用して互いに接続されてよい。ベース壁7はベース3の径方向に突出する円周ベースカラー15を備え、一方でバルブ4の管状取付壁37は、同様の径方向に延びる円周方向バルブカラー13を備える。バルブカラー13をベースカラー15上に配置した後、バルブカラー13及びベースカラー15の両方に接触するように、ベースの周りにクランピングリング40を配置することができる。接着及び/又は溶着(例えば、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着又はスナップ)等の任意の取り付け技術によって、バルブカラー13及びベースカラー15の両方にクランピングリング40を接続してよい。好ましくは、クランピングリング40は、超音波溶着によってバルブカラー及び/又はベースカラー15に固定的に接続されている。クランピングリング40は、好ましくは、バルブ4のバルブカラー13の径方向に延びる部分を覆う少なくとも部分と、バルブカラー15に固定的に接続された少なくとも部分とを備える。それにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動(軸方向移動と回転移動との両方)が防止される。
【0068】
クランピングリングは、それらが互いの上に配置されると、カラー13,15の周りに配置される別個のリングであってよい。他の実施形態では、クランピングリング40は、ベースカラー15又はバルブカラー13のいずれかの一体的に形成された部分である。
図2B及び2Cの実施形態では、クランピング40は、ベースカラー15と一体的に形成されている。クランピングリング40は、やはり接着及び/又は溶着によって、他のカラーに取り付ける(接着される及び/又は溶着される)だけでよい。
【0069】
再び
図2B及び2Cに示される実施形態を参照すると、バルブ4及びベース3は、それらの接合前には別個の要素である。クランピングリング40はベースカラー15と一体的に形成され、それによりベースカラーギャップ17(
図2Cを参照)がクランピングリング40の一部とベースカラー15の一部との間に形成され、ギャップ17の形状は、ギャップ17にフィットされるバルブカラー13の部分の形状に実質的に対応するようにされているとともに、バルブカラー13が前記ギャップ17にフィットされるとき、ベースカラー15に対するバルブカラー13の軸方向の移動が防止されるようにされている。このため、バルブカラー13がギャップ17に適用されるとき、クランピングリング40は、クランピングリング40の一部がバルブカラー13上にスナップするように構成されていてよく、それにより、ベースカラー15に対するカラー13の軸方向の移動が防止される。更に、クランピングリング40は、ベースカラー15及び/又はバルブカラー13に更に固定されていてよい。前述のように、クランピングリング40をバルブカラー13に固定することは、接着、熱シーリング、超音波シーリング、RFシーリング、圧力シーリング及び/又はインパクトシーリングによって行うことができる。好ましくは、クランピングリング40は、超音波シーリングによってバルブカラー13に固定的に接続されている。
【0070】
図2Bに戻ると、代替的又は追加的に、ベース3は、ベース壁7の内周で、より具体的にはベース3の管状接続部分11の内周で、(
図1のスパウトシート51に対応する)スパウトシート5に取り付けられてよい。スパウトシート5は、管状接続部分11の内径を局所的に減少させる。管状接続部分11は、スパウトによって形成されるレセプタクル上に配置されるように構成されていてよく、スパウトは、管状接続部分11の内部形状に対応する外部形状を有する。例えば、管状接続部分11の内径は、接続部分が取り付けられるスパウトの外径に対応していてよい。スパウトは、例えば、実質的に円筒形の接続部分を有していてよい(図には示されていない)。このような接続部分は、好ましくは、フランジ状の突起を形成する径方向に突出する部分を備え、前記スパウトシート5は、前記フランジと協働してシーリング装置1をスパウトに取り付けるように構成される。例えば、シーリング装置1がスパウトに取り付けられているとき、スパウトシート5は、シーリング装置1がスパウトに対して移動することを防ぐためにフランジ上にスナップされていてよい。
【0071】
代替的又は追加的に、管状接続部分11は、飲用レセプタクルの外ねじ切りにねじ込まれるように構成された内ねじ切りを備えていてよい。更に代替的又は追加的に、上記のように、管状接続部分11の外面は、レセプタクルの接続部分の内周にフィットされるように構成されていてよい。
【0072】
図4A~4Bは、シーリング装置の別の実施形態の部分的に切り取られた斜視図を示している。同様の要素には同様の参照番号が付けられており、その個別の詳細な説明は省略されている。
図4A及び4Bの実施形態と
図1,2A~2Cの実施形態との違いは、主に、管状ベース壁7及び/又は接続部分11(
図2A~2Cを参照)及び接続部分56(
図4A~4Bを参照、
図1に示されている接続部分と同様),11’及び対応するスパウトシート5’に関連する特徴事項にある。
図1の実施形態と同様に、
図4A~4Bの実施形態は、スパウト型レセプタクル50の管状スパウト部材54上の接続部分49にスナップフィットするための接続部分56を有する。
【0073】
更に、
図4A~4Bの実施形態は、1つ又は複数のベース回転防止リブ及び/又は溝47を備え、これも
図1に関連して説明される。リブ/溝47はまた、本明細書に記載される他の実施形態のそれぞれに適用されてよい。
【0074】
図4A~4Bの接続部分56は、その中にスパウトの接続部分を受け入れるように構成される。接続部分56は、管状ベース壁7に対して減少した内径を有する。このため、接続部分56は、パーテーション壁31の底面から始まり、下向きに延びる軸方向管状フランジによってベース3に接続される。この軸方向管状フランジの外端は、接続部分56によって形成される。接続部分56は、シーリング装置1が取り付けられるレセプタクル(例えば、限定はされないが、
図1のレセプタクル)の接続部分の外径と一致する内径を有するように構成される。接続部分56の上流部分は、
図1に示されるスパウトシート5と同様の目的を有するスパウトシート5’を備えていてよい。レセプタクル50のフランジ状突起49上でのスパウトシート5’のスナップロック動作を受け入れるために、接続部分56が一時的に変形するために、スパウトシート5’は、接続部分56の上流部分に沿って不連続であってよい。
【0075】
図4Bには、バルブ4をベース3に取り付けるための別の構造が示されている。ベース3は、バルブカラー13の外径に対して増加した外径を有する径方向に突出するベースカラー15を備えていてよい。ベースカラー15は、1つ又は複数の溶着リッジ46、すなわち、ベースカラー15の局所的に増加した厚さを備えていてよく、溶着リッジ46は、溶着操作を支援するように構成されている。
図4Bの例示的な実施形態では、1つの連続溶着リッジ46が示されている。しかしながら、当業者は、複数の溶着線も適用できることを認識するであろう。溶着ライン46は、連続又は不連続の溶着線であってよく、バルブカラー13の径方向に最も外側の部分よりも径方向に更に延びるベースカラー15の部分に配置されていてよい。別個の要素として示されているクランピングリング40は、バルブ4及びベース3に設けられてよい。クランピングリング40は、溶着ライン46の位置でベースカラー15を介してベース3と接触するであろう。クランピングリング40は、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着によって、好ましくは超音波溶着によって、ベースカラー15に接続される。クランピングリング40は、シーリング装置1の軸方向にバルブカラー13の少なくとも一部を覆っている部分を備える。これにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の軸方向及び回転移動が防止される。
【0076】
図4Bでは、複数の選択的なキャップコネクタ23がクランピングリング40上に示されている。キャップコネクタ23は、クランピングリング40と一体的に形成され得るか、又はキャップをバルブ4及び/又はベースに接続できるように構成された別個の要素であり得る。代替的又は追加的に、キャップコネクタ23は、キャップ及びクランピングリング40が1つの相互接続されたユニットを形成するように、キャップ及びクランピングリング40の両方と一体的に形成されている。例えば、キャップコネクタ23は、
図5に示されるようなダストキャップ60と接続するように構成されることができる。この図は、
図4A及び4Bのシーリング装置1の斜視図である。
図5において、シーリング装置1には、ほこり、固形物、流体、バクテリア又は他の望ましくない物質がシーリング装置1のバルブ4と接触することを防ぐことができるキャップ60が設けられている。更に、キャップ60は、シーリング装置1のバルブ4が意図せずに開ユーティリティモードに押し込まれないようにするか、又はシーリング装置1が保管モードにあるときに、シーリング装置1が意図せずに閉ユーティリティモードに押し込まれるのを防止することができる。キャップ60は、例えば、キャップコネクタ23を介して、取り外し可能な方法でクランピングリング40に取り付けられてよい。このために、キャップ60に対する引張動作がキャップ60へのキャップコネクタ23の接続を断つことができる方法で、キャップコネクタ23をキャップ60に接続することができる。代替的又は追加的に、ダストキャップは、クランピングリング40に反転可能な方法で取り付けられてもよいし、ダストキャップは、永久的又は取り外し可能にクランピングリングに接続された第1部分と、第1キャップ部分にヒンジで接続され、第2部分が閉位置と開位置との間で移動できるようにした第2部分との2つのダストキャップ部品を備えていてよい。
【0077】
図6A~6CCは、シーリング装置の更なる実施形態を示しており、そこではバルブをベースに取り付けるための異なる方法が説明されている。
【0078】
図6Aには、複数の溶着要素41が示されている。溶着要素41は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成されてる。ベース3及びバルブ4の接続中に、溶着要素41は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらの溶着要素41は、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着によって、好ましくは超音波溶着によって、バルブ19の上流側に接続されてよい。そのような接続のために、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。
【0079】
更に、幾つかの実施形態では、バルブ19の上流側は、溶着要素41の位置に対応する位置に複数の穴(図示せず)を備えていてよく、溶着先端45に面するベース3の部分でベース3にも溶着要素41が接続され得るように、溶着要素41の少なくとも溶着先端45をその穴を通して突出させることができる。
【0080】
当業者は、溶着要素41が代替的にバルブ4上に配置され得ること、例えば、バルブカラーの代わりにバルブ19の上流側に溶着要素が配置され得ることを認識するであろう。
【0081】
図6Bには、複数の接続要素42が示されている。接続要素42は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成される。ベース3及びバルブ4の接続中に、接続要素42は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらの接続要素42は、接続要素42の矢印形状のような端部を、バルブ19の上流側における対応する接続穴43に通すことによって、バルブ19の上流側に接続されてよい。好ましくは、接続要素42が接続穴43を通された後に、その反転を達成することが困難なように、接続要素42の矢印形状のような頭部は、同程度、しかしながら穴の直径よりも僅かに好ましく大きな最大直径を有する。そのような接続のために、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。更に、幾つかの実施形態では、接続要素42は、バルブ4に溶着されてよい。
【0082】
当業者は、接続要素42が、代替的に、バルブカラー13及び/又はバルブ4に面するベースカラー15に、例えばベースカラー15に面するバルブカラー13に配置され得ることを認識するであろう。そのような実施形態では、接続穴は、バルブカラー13及び/又はベースカラー15の対応する位置に配置されるであろう。
【0083】
図6Cには、複数のクランピング要素44が示されている。クランピング要素44は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成される。ベース3及びバルブ4の接続中に、クランピング要素44は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらのクランピング要素44は、バルブカラー13がクランピング要素44の内向きに尖った突出部を通過するようすることによって、バルブ19の上流側に接続されてよい。その結果として、バルブカラー13は、クランピング要素44を介してベース3にクランプされる。これにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。更に、幾つかの実施形態では、クランピング要素44はバルブ4に溶着されてよい。当業者は、クランピング要素44が、代替的に、ベースカラー15に面するバルブカラー13上に配置されてよいことを認識するであろう。
【0084】
好ましくは、シーリング装置及びバルブは、例えば適切なエンクロージャを介して、飲用レセプタクルへの解放可能な接続のために構造化されている。バルブの開閉は手動で行うことができるが、それ自体が知られているバルブ作動補助機構がこの目的に使用されてよい。
【0085】
この発明は、記載された特定の態様に限定されるものではなく、そのため、変動する可能性があることを理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうことから、本明細書で使用される用語は特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【国際調査報告】