(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】不均一な断面を持つプロファイルの引抜成形
(51)【国際特許分類】
B29C 70/52 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
B29C70/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575930
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020038371
(87)【国際公開番号】W WO2020257410
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521552475
【氏名又は名称】ギャラクティック コ.,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GALACTIC CO.,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【氏名又は名称】長谷川 洋
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シェーステット、ロブ
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC05
4F205AD16
4F205AG06
4F205HA05
4F205HA27
4F205HA37
4F205HB02
4F205HC02
4F205HK04
4F205HK05
4F205HK22
(57)【要約】
不均一な断面を有するローターブレード、翼型、Iビーム、およびボックスビームなどの複合プロファイル、および複合プロファイルの引抜成形のためのシステム、方法、およびプロセス。複合プロファイルのより重いまたはより厚い断面部分の引抜成形は、複合プロファイルの処理条件、生産性、および一貫性を最適化するために、断面のより厚い部分、または前縁スラグに別のダイを使用して、引抜成形プロファイルのより薄いまたはより軽い部分の引抜成形からインラインおよび上流で行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不均一な断面を有する複合プロファイルの引抜成形方法であって、
複合プロファイルの前縁スラグを引抜成形するための前縁スラグ用ダイを用意し、
複合プロファイルのプロファイル本体を引抜成形するための一次引抜成形ダイを、前記前縁スラグ用ダイの下流に用意し、
第1繊維セットを前記前縁スラグ用ダイに通し、
第2繊維セットを前記一次引抜成形ダイに通し、
前記前縁スラグ用ダイを加熱し、
前記一次引抜成形ダイを加熱し、
第1樹脂を前縁スラグウエットアウトバスに加え、
前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成し、
第2樹脂を主ウェットアウトバスに加え、および
前記第2繊維セットと前記第2樹脂を前記一次引抜成形ダイを通して引っ張ってプロファイル本体を形成しながら前縁スラグを一次引抜成形ダイに通して引っ張ることで前記前縁スラグを前記プロファイル本体と一体化させて複合プロファイルを形成する、方法。
【請求項2】
前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成することが、前縁ウェイトインサートを形成するためのワイヤロープを挿入することをさらに有してなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記前縁スラグを前記前縁スラグ用ダイで部分的に硬化することをさらに有してなる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
一次引抜成形ダイで前縁フラグの硬化を完了させることをさらに有してなる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
複合プロファイルの前縁スラグを引抜成形するための前縁スラグ用ダイを用意するステップ、
複合プロファイルのプロファイル本体を引抜成形するための一次引抜成形ダイを、前記前縁スラグ用ダイの下流に用意するステップ、
第1繊維セットを前記前縁スラグ用ダイに通すステップ、
第2繊維セットを前記一次引抜成形ダイに通すステップ、
前記前縁スラグ用ダイを加熱するステップ、
前記一次引抜成形ダイを加熱するステップ、
第1樹脂を前縁スラグウエットアウトバスに加えるステップ、
前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成するステップ、
第2樹脂を主ウェットアウトバスに加えるステップ、および
前記第2繊維セットと前記第2樹脂を前記一次引抜成形ダイを通して引っ張ってプロファイル本体を形成しながら前縁スラグを一次引抜成形ダイに通して引っ張ることで前記前縁スラグを前記プロファイル本体と一体化させて複合プロファイルを形成するステップにより作られる、不均一な断面を有する複合プロファイル。
【請求項6】
前記第1樹脂がビニルエステル樹脂であり、前記第2樹脂がエポキシ樹脂である、請求項5のプロセスにより作られる複合プロファイル。
【請求項7】
前記第1繊維セットが炭素繊維であり、前記第2繊維セットがガラス繊維である、請求項5のプロセスにより作られる複合プロファイル。
【請求項8】
前縁ウェイトインサートを形成するために前記前縁スラグにワイヤロープを挿入することをさらに有してなる、請求項5のプロセスにより作られる複合プロファイル。
【請求項9】
前記前縁スラグダイで前記前縁スラグを部分的に硬化させることをさらに有してなる、請求項5のプロセスにより作られる複合プロファイル。
【請求項10】
前記一次引抜成形ダイで前記前縁スラグの硬化を完了させることをさらに有してなる、
請求項9のプロセスにより作られる複合プロファイル。
【請求項11】
不均一な断面を有する複合プロファイルを引抜成形するための引抜成形ツーリングシステムであって、
第1の断面厚さを有する前記複合プロファイルの第1部分を引抜成形するための前縁スラグ用ダイ、
第2の断面厚さを有する前記複合プロファイルの第2部分を引抜成形するための一次引抜成形ダイであって、前記第2の断面厚さが前記第1の断面厚さよりも小さい、一次引抜成形ダイ、
前記複合プロファイルの前記第1部分に第1樹脂を加えるための前縁ウェットアウトバス、
前記複合プロファイルの前記第2部分を成形するためのマンドレル、
前記マンドレルの周りに繊維を巻き付けるためのオーバーラップインフィードツール、および
前記複合プロファイルの前記第2部分に第2樹脂を加えるための主ウェットアウトバスを有してなる、引抜成形ツーリングシステム。
【請求項12】
前記複合プロファイルの前記第1部分にワイヤロープを挿入するためのワイヤロープスプールをさらに有してなる、請求項11の引抜成形ツーリングシステム。
【請求項13】
前記前縁スラグの長さが前記一次引抜成形ダイの長さよりも大きい、請求項11の引抜成形ツーリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月20日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/864,285号への35USC第119(e)項に基づく優先権を主張するものであり、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概略的には、不均一な断面を有するローターブレード、翼型、Iビーム、およびボックスビームなどの中空および中実の引抜成形プロファイルの引抜成形方法、ならびにこれら引抜成形方法によって作られた中空および中実の引抜成形プロファイルに関する。
【背景技術】
【0003】
引抜成形は、均一および不均一な断面の部品を作ることができる連続的な複合材製造プロセスである。様々な形状のガラス繊維や炭素繊維などの繊維は、樹脂槽、成形ツーリング、および樹脂スクイーズアウトツーリングを介して機械的に引き出される。その後、これらは、原材料を様々な用途に使用される固体プロファイルに硬化する、加熱されたスチールダイを通過する。例えば、ガラス繊維の引抜成形品は、ラダーレール、化学プラントの手すりや格子、ツールハンドル、高速道路の視線誘導標用ストリップなどの製品に一般的に使用される。
【0004】
従来の引抜成形された製品は、断面の厚さが比較的一定であった。定断面単方向カーボン引抜成形材は、一部の風力タービンブレードスパーおよび大型の開発中の航空機の翼桁で使用されている。中空断面部品を引抜成形する機能も登場している。例えば、少量の中空翼型形状の実演がなされている。
【0005】
従来技術の引抜成形作業では、引抜成形プロファイルを硬化させるために単一のダイを使用している。引抜成形の設備が十分に大きい場合、同じ装置上で複数のダイを並走させて同種の引抜成形が複数の流れで行われ、これはマルチストリームと呼ばれる。大規模な従来技術の引抜成形は、ダイ内で均一に硬化が起こるように、断面全体にわたって比較的一定の断面厚さに制限される。
【0006】
不均一な断面の引抜成形は、引抜成形部の断面の最も厚い部分を硬化させる時間によって速度が制限されるため、より低速で処理する必要がある。このため、例えば航空宇宙および航空産業において、不均一な断面を引抜成形のための効率的な方法がないことが制約であった。
【0007】
航空宇宙級の軽量中空翼型プロファイル形状の引抜成形は、単一の引抜成形ダイを使用した限られた研究開発ベースでしか実証されていない。しかし、ミサイルやドローン翼、風力タービンブレード、小型ヘリコプターのロータローブレードあるいは電動垂直離着陸(eVTOL)機のロータブレードなど、断面が不均一な翼型形状が大量に必要な場合は、引抜成形は低コストで大量生産を提供する方法となり得る。
【0008】
しかしながら、不均一な断面を製造することには単一のダイを使用する従来の引抜成形では処理上の課題がある。断面が不均一なプロファイルを高い歩留まりで安定して製造することにはさらに課題がある。例えば、eVTOL機のローターブレードや小型ヘリコプターのローターブレードでは、通常、構造上および飛行力学上の要求を満たすために、不均一な断面の翼型の前縁およびスパー領域に、前縁スラグと呼ばれる重い断面が必要となる。さらに、翼型の後縁までの残りの部分は、適正なバランスに必要な前縁の重量を最小限に抑えるために、できるだけ軽くする必要がある。
【0009】
したがって、前縁スラグで硬化する複合材料の数は多く、引抜成形ダイを通過する際にプロファイル本体の残りの部分で硬化する複合材料の数は非常に少ない。
【0010】
また、場合によっては、複合材の前縁スラグにさらに前縁ウェイト追加する必要がある。これは、金属製のワイヤーロープを処理中の前縁スラグに連続的に挿入することで行うことができ、金属製のインサートはガラス繊維または炭素繊維の複合材よりも密度が高いため、重量が増加する。
【0011】
他の引抜成形の用途でも同じ問題が発生する可能性があり、スパー領域では強度を高めるために大きな断面が必要であるが、他の領域では薄くて軽量である必要がある。また、強度を高めるために、箱形ビームやIビームなどの引抜成形された構造ビームの特定の領域に追加の補強繊維を備えたより厚い断面を設けることが望ましい場合もある。
【0012】
このような不均一な断面を有するプロファイルの実演は、研究開発努力の一環として従来の単一のダイを使用して行われてきたが、単一のダイを使用することは安定した大量生産には問題となる可能性がある。さらに、一般的な単一の引抜成形ダイを使用して製造された従来技術の不均一な断面は、複数の理由で問題があることが分かっている。
【0013】
第1に、樹脂マトリックスの重合は、繊維と樹脂が引抜成形ダイを通過する際に樹脂を加熱することで行われる。断面が厚いと、重合を開始して許容レベルの硬化を達成するためにより多くの熱と滞留時間が必要になる。その結果、前縁スラグのような厚い断面が、生産ラインの速度を決定することになる。単一の引抜成形ダイでは、生産ラインの速度は最も厚い断面の硬化によって制限される。そのため、残りのプロファイル本体の薄い部分は、同時に引抜成形された場合、必要以上の熱と滞留時間を受ける。
【0014】
第2に、翼型の前縁スラグのような断面が厚いプロファイル部分に対しては、ダイの熱プロファイルに加えて、ダイの長さ、樹脂、触媒、および/または硬化剤の選択が異なる可能性がある。さらに、断面が薄いプロファイル部分にはより多くの内部潤滑剤の使用が望ましい場合があり、また断面が厚いプロファイル部分には潤滑剤または離型剤を使用しないか少なくて良い場合がある。このため、薄い部分と厚い部分の両方を有するプロファイルを引抜成形するには、これらの選択に関する折衷を図る必要がある。したがって、翼型やその他のプロファイルの厚肉部と薄肉部の引抜成形は、同じダイで行う場合、最適化するために利用できる選択肢は少ない。
【0015】
第3に、前縁スラグ繊維の大きな塊を一般的な単一のダイ内に引き込むデバルキング動作は、ダイのマンドレルをダイの外側モールドライン部分の後縁の方に変位させる傾向があり、このため引っ張り荷重が増大し、プロファイルを拘束し、非直線的な翼形が形成される可能性がある。
【0016】
第4に、厚い断面と薄い断面が同時に引抜成形されると、厚い断面の抗力または引張力が大きくなり、湾曲した仕上がりプロファイルになる可能性がある。
【0017】
このように、この種の引抜成形品の製造に単一のダイを使用すると、時間がかかり、ダウンタイムが発生しやすくなり、修正作業が必要になるため、製品や歩留まりに一貫性がなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、これらの問題を克服する、不均一な断面を持つ中空および中実のプロファイルを引抜成形するための解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されている。必ずしも全てのそのような利点が本発明の任意の1つの特定の実施形態に従って達成され得るとは限らないことを理解されるべきである。よって、本発明は、本明細書で教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示された1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で具体化または実施され得る。
【0020】
本発明は、プロファイルのより薄いまたは中空断面の部分を引抜成形ために使用される一次引抜成形ダイの上流に配置された中空または中実のプロファイルの厚い断面部分を引抜成形するための1つのダイを使用する引抜成形プロセスおよび方法を提供する。より具体的には、不均一な断面を有する翼型プロファイルなどの複合の中空および中実プロファイルの引抜成形のための方法およびプロセスであり、製造される製品の処理条件、生産性、および一貫性を最適化するために、重い断面の引抜成形はインライン(直列)で引抜成形されるプロファイルの残りの部分から上流側で行われる。
【0021】
本発明によれば、プロファイルの厚い断面部分と薄い断面部分に対する引抜成形プロセスの各部分は、生産ラインで同時に行われる。しかしながら、プロファイルのより薄い断面部分に一体化する前に、より厚い断面の引抜成形をシーケンスすることで、先行技術の手法に見られる問題を解消し、またプロセスの各ステップを最適化してより高い生産性と一貫性を実現できる。
【0022】
1つの例示的な実施形態において、本発明は、より薄いまたは中空のセクションであるプロファイル本体の一次引抜成形ダイの上流にあるより厚い断面の前縁スラグを引抜成形するための別のダイを用いた引抜成形プロセスおよび方法を提供する。前縁スラグのより厚い断面の引抜成形を、一次引抜成形ダイにより作られたプロファイル本体、翼型本体、または他の部分に一体化する前にシーケンスすることで、本プロセスは、従来技術の手法で見られた問題を解消し、プロセスの2つのステップを最適化して、生産性と一貫性を向上させることができる。
【0023】
この実施形態は、一次引抜成形ダイに入る前縁スラグが完全に形成されて完成している、つまりネット・トゥ・サイズ(正味サイズ)であるため、前縁が厚い断面を有する複合プロファイルや翼型に特に適している。このため、厚い断面のプロファイル部分は、翼型や他の複合プロファイルを成形するマンドレルを、一次ダイの外側モールドライン部分の後縁に向かって押すことがない。これにより、翼型やその他の複合プロファイルの形状が曲がったり湾曲する原因となる、マンドレルのバインディングが防止される。
【0024】
一方、ダイを1つだけ使用する場合、厚い断面のプロファイル部分はネット・トゥ・サイズではないためマンドレルは前縁に向かって押され、これにより引張荷重が増大し、翼型や他のプロファイルが曲がったり湾曲することがある。これは、ダイを1つだけ使用した場合、プロファイルの厚い部分のバルクされていない繊維と湿気のある樹脂の大きな塊が1つのダイに入り、マンドレルを変位させるためである。本発明は、前縁スラグが残りのプロファイル材料と共に一次引抜成形ダイに入る際にネット・トゥ・サイズであるため、この問題が回避される。
【0025】
プロファイルの厚いセクションの前縁スラグまたは他の厚い断面部分が、プロファイル本体の材料インフィードステーションおよびウェットアウトステーションの上流でシーケンスされる場合、翼型または他のプロファイルの材料のインフィードセクションの複雑さや混雑も軽減される。これにより、プロセスの混雑が緩和され、生産性の向上と修正作業のためのダウンタイムの減少に貢献する。
【0026】
したがって、本発明の1つまたは複数の実施形態は、既知の先行技術の1つまたは複数の欠点を克服する。
【0027】
例えば、1つの実施形態として、不均一な断面を有する複合プロファイルの引抜成形のための方法は、複合プロファイルの前縁スラグを引抜成形するための前縁スラグ用ダイを用意し、複合プロファイルのプロファイル本体を引抜成形するための一次引抜成形ダイを、前記前縁スラグ用ダイの下流に用意し、第1繊維セットを前記前縁スラグ用ダイに通し、第2繊維セットを前記一次引抜成形ダイに通し、前記前縁スラグ用ダイを加熱し、前記一次引抜成形ダイを加熱し、第1樹脂を前縁スラグウエットアウトバスに加え、前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成し、第2樹脂を主ウェットアウトバスに加え、および前記第2繊維セットと前記第2樹脂を前記一次引抜成形ダイを通して引っ張ってプロファイル本体を形成しながら前縁スラグを一次引抜成形ダイに通して引っ張ることで前記前縁スラグを前記プロファイル本体と一体化させることからなる。
【0028】
この実施形態において、該方法はさらに、前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成すること、前縁ウェイトインサートを形成するためのワイヤロープを挿入すること、前記前縁スラグを前記前縁スラグ用ダイで部分的に硬化すること、または一次引抜成形ダイで前縁フラグの硬化を完了させることをさらに含む。
【0029】
他の例示的な実施形態において、不均一な断面を有する複合プロファイルは、複合プロファイルの前縁スラグを引抜成形するための前縁スラグ用ダイを用意するステップ、複合プロファイルのプロファイル本体を引抜成形するための一次引抜成形ダイを、前記前縁スラグ用ダイの下流に用意するステップ、第1繊維セットを前記前縁スラグ用ダイに通すステップ、第2繊維セットを前記一次引抜成形ダイに通すステップ、前記前縁スラグ用ダイを加熱するステップ、前記一次引抜成形ダイを加熱するステップ、第1樹脂を前縁スラグウエットアウトバスに加えるステップ、前記第1繊維セットと前記第1樹脂を前縁スラグ用ダイを通して引張って前縁スラグを形成するステップ、第2樹脂を主ウェットアウトバスに加えるステップ、および前記第2繊維セットと前記第2樹脂を前記一次引抜成形ダイを通して引っ張ってプロファイル本体を形成しながら前縁スラグを一次引抜成形ダイに通して引っ張ることで前記前縁スラグを前記プロファイル本体と一体化させて複合プロファイルを形成するステップを有してなるプロセスにより作られる。
【0030】
この実施形態において、開示されたプロセスにより製造される不均一な断面を有する複合プロファイルは、前記第1樹脂がビニルエステル樹脂であり前記第2樹脂がエポキシ樹脂であり、前記第1繊維セットが炭素繊維であり前記第2繊維セットがガラス繊維であり、前縁ウェイトインサートを形成するために前記前縁スラグにワイヤロープを供給することをさらに有してなり、前記前縁スラグダイで前記前縁スラグを部分的に硬化させることをさらに有してなり、または前記一次引抜成形ダイで前記前縁スラグの硬化を完了させることをさらに含む。
【0031】
他の例示的な実施形態において、不均一な断面を有する複合プロファイルを引抜成形するための引抜成形ツーリングシステムは、第1の断面厚さを有する前記複合プロファイルの第1部分を引抜成形するための前縁スラグ用ダイ、第2の断面厚さを有する前記複合プロファイルの第2部分を引抜成形するための一次引抜成形ダイであって、前記第2の断面厚さが前記第1の断面厚さよりも小さい、一次引抜成形ダイ、前記複合プロファイルの前記第1部分に第1樹脂を加えるための前縁ウェットアウトバス、前記複合プロファイルの前記第2部分を成形するためのマンドレル、前記マンドレルの周りに繊維を巻き付けるためのオーバーラップインフィードツール、および前記複合プロファイルの前記第2部分に第2樹脂を加えるための主ウェットアウトバスからなる。
【0032】
この実施形態において、該引抜成形ツーリングシステムは、前記複合プロファイルの前記第1部分にワイヤロープを挿入するためのワイヤロープスプールをさらに含み、または前記前縁スラグが前記一次引抜成形ダイの長さよりも大きい長さを有することができる。
【0033】
本発明はまた、その断面全体にわたって不均一な質量を有する任意の引抜成形されたプロファイルに適している。これに限定されないが、他の可能な製品および用途の例には、重い上部および下部スパーキャップを有する構造用ボックスビーム、中空ではないが、例えば、ウェブよりも重いキャップを備えたモノリシックIビーム、あるいは不均一な断面を有するその他の引抜成形された複合構造形状のものが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作られた前縁スラグおよびプロファイル本体を有する例示的な複合プロファイルの断面図を示したものである。
【
図2】複合プロファイルの引抜成形のための引抜成形ツーリングおよびセットアップの上面図を示したもので、前縁スラグを引抜成形するための別のの前縁スラグダイは、プロファイル本体を引抜成形するための一次引抜成形ダイの上流に位置する。
【
図3】本発明の引抜成形プロセスの例示的なフローダイアグラムを示したものである。
【
図4】本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作られた厚いキャップセクションと薄いウェブセクションを有する例示的なIビームの断面図を示したものである。
【
図5】本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作られた厚いキャップセクションと薄いウェブセクションを有する例示的なボックスビームの断面図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下は、本発明の原理を説明するための実施形態の詳細な説明である。各実施形態は本発明の態様を説明するために提供されるが、本発明は任意の実施形態に限定されない。本発明の範囲は、多数の代替、修正、および同等物を包含する。本発明の範囲は、特許請求の範囲のみにより限定される。
【0036】
本発明の完全な理解を提供するために以下の説明には多くの特定の詳細が記載されているが、本発明はこれらの特定の詳細の一部または全部がなくても特許請求の範囲に従って実施することができる。
【0037】
添付の図面を参照して、様々な実施形態を詳細に説明する。可能な限り、同じまたは同様の部品を参照するために、図面全体で同じ参照番号が使用される。特定の例や実施例への言及は、説明を目的としたものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0038】
複合プロファイル100
【0039】
図1は、本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作られた、前縁ウェイトインサート122を備えた前縁スラグ120と、プロファイル本体105とを含む、複合プロファイル100の実施形態を示している。前縁スラグ120は、引抜成形された繊維と樹脂との混合物を使用して作られる。プロファイル本体105は、引抜成形された繊維と樹脂との混合物を使用して作られ、
図2に示したようにマンドレル140によって成形される。
【0040】
引抜成形ツーリング115
【0041】
図2は、複合プロファイルの引抜成形、特に、不均一な断面を有する複合プロファイル100などの翼型プロファイルの引抜成形のための引抜成形ツーリング115およびセットアップを示す。
図2に示されるように、前縁スラグ120を引抜成形するための別の前縁スラグダイ110は引抜成形ツーリング115を使用してプロファイル本体105を引抜成形するために主引抜ダイ130の上流で使用される。
【0042】
引抜成形ツーリング115と組合わせて使用するのに適した引抜成形機は、当技術分野で公知であり、詳細な説明は行わない。ただし、引抜成形される複合プロファイルに必要なサイズを処理する引抜能力と性能を備えた引抜成形機を使用する必要がある。引抜成形機の例としては、Pultrex、Martin Pultrusion Group、およびStrongwellによって製造されたものがある。
図2に示した引抜成形ツーリング115は、引抜成形機の上流端部に配置される。引抜成形機は、プロセスを通して材料を引張り、および複合プロファイル100を所望の長さに切断する機能を提供する。
【0043】
引抜成形機と組み合わせて複合プロファイル100を作るための引抜成形ツーリング115は、前縁スラグダイ110、一次引抜成形ダイ130、マンドレル140、主ウェットアウトバス150、オーバーラップインフィードツール168、ワイヤロープスプール165、前縁ウェットアウトバス170、マンドレルインフィードフォールドツール180、およびマンドレルアンカー190から構成される。
【0044】
引抜成形中にプロファイル本体105を成形するために必要なマンドレル140は、マンドレルインフィードフォールドツール180で引抜成形ツーリング115内に挿入されると共に、マンドレルアンカー190によって固定される。オーバーラップインフィードツール168は、引抜成形の間に主ウェットアウトバス150および一次引抜成形ダイ130に供給されるように、マンドレル140の周りに繊維を巻き付ける。
【0045】
繊維層はロールから外れ、繊維を皴なしでマンドレル140の周りに連続的に巻き付けるオーバーラップインフィードツール168に入る。巻き付けられた繊維は次いで、メインウェットアウトバス150を通り、主ダイ130の上流で引抜成形された前縁スラグ120と共に一次引抜成形ダイ130内に移動する。
【0046】
繊維は、引抜成形プロセスの開始前、樹脂が添加される前、および前縁スラグダイ110および一次引抜成形ダイ130が加熱される前に、「ストリングアップ」で前縁スラグダイ110および一次引抜成形ダイ130の両方に通される。引抜成形プロセス中に樹脂がメインウェットアウトバス150および前縁ウェットアウトバス170により添加され、また余分な樹脂はスクイーズアウトプレート155で除去される。
【0047】
一実施形態では、ワイヤロープが、前縁スラグ120の前縁ウェイトインサート122を形成するために、ワイヤロープスプール165を介して引抜成形ツーリング115内に供給される。この実施形態では、ワイヤロープが前縁スラグ120の重量を増大させるが、ワイヤロープの使用は必須的なことではない。
【0048】
前縁スラグダイ110を加熱して、前縁ウェットアウトバス170からの繊維および樹脂を、引抜成形された前縁スラグ120に部分的に硬化させる。前縁スラグ120は、前縁スラグダイ110を出て、引抜成形中にプロファイル本体105に挿入されてその一部となり、複合プロファイル100を形成する。引抜成形中、プロファイル本体105は、メインウェットアウトバス150、スクイーズアウトプレート155、および一次引抜成形ダイ130を通過する。
【0049】
一次引抜成形ダイ130を加熱して、繊維および樹脂をプロファイル本体105に硬化させ、また前縁スラグダイ110により完全に硬化されていない場合は前縁スラグ120の硬化を完了させる。
【0050】
引抜成形のスタートアップが完了し引抜成形プロセスが定常状態の生産で実行されると、図示はしないが当該技術分野でよく知られたグリッパプラーが、前縁スラグダイ110と一次引抜成形ダイ130の両方を通して繊維および樹脂を同時に引っ張る。但し、前縁120の引抜成形を最初に開始する必要がある。
【0051】
引抜成形された前縁スラグ120は前縁スラグダイ110を出て、それに沿って引っ張られると、一次引抜成形ダイ130に入る。その後、前縁スラグ120が上流の前縁スラグダイ110を出てプロファイル本体105を通過する際に2つの引抜成形動作が同時に進行し、両者は一次引抜成形ダイ130によって引抜成形されて最終的に複合プロファイル100になる。
【0052】
一実施形態では、前縁スラグ120とプロファイル本体105の繊維は、翼型ブレードの長手方向の剛性を高めるために、高弾性率の炭素繊維を含むことができ、これは、前縁スラグ120にとって特に望ましい場合がある。代替の実施形態では、繊維はガラス繊維を含むこともできる。あるいは、プリプレグ材または部分的に硬化した材料を、プロファイル本体105と一体化して複合プロファイル100などの複合プロファイルを形成する前の前縁スラグ120の材料として使用できる。
【0053】
別の実施形態では、前縁スラグ120にはプロファイル本体105とは異なる繊維を使用しても良い。例えば、複合プロファイル100のコストを削減しつつ強度要件を満たすために、前縁スラグ120に炭素繊維を使用し、プロファイル本体105にガラス繊維を使用してもよい。さらに、前縁スラグ120が完全に硬化し、炭素繊維を含む繊維と共に一次引抜成形ダイ130に入るときに、異なる繊維の熱膨張係数をより適切に管理できる。
【0054】
一実施形態では、前縁スラグ120およびプロファイル本体105のための樹脂は、市販の引抜成形製品で通常使用されるポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂を含むことができる。しかし、これらの樹脂は非常に反応性が高いので、前縁スラグダイ110や一次引抜成形ダイ130によって加熱されると、完全に硬化することができる。別の実施形態では、樹脂は、航空宇宙用途に典型的に使用されるエポキシを含むことができる。エポキシは、市販の引抜成形製品で典型的に使用される樹脂よりも硬化が遅い。しかし、エポキシの場合は、より速い重合または硬化時間を有し、使用することができる、当該技術分野で知られた硬化剤システムがある。
【0055】
一実施形態では、前縁スラグ120が前縁スラグダイ110を出るとき、前縁スラグ120は、固形または触ると固いが、完全には硬化していない。前縁スラグ120が完全に硬化していなくても触ると半硬質の状態の場合、プロファイル本体105の樹脂は、両者が一次引抜成形ダイ130を通過する際に前縁スラグ120と十分に結合する。したがって、樹脂の硬化特性を使用して、プロファイル本体105が一次引抜成形ダイを通過するときに、前縁スラグ120のプロファイル本体105への接着性を高めることができる。
【0056】
さらに、前縁スラグ120の重断面用のメインウェットアウトバス150および前縁ウェットアウトバス170内の樹脂は、全体の生産を最適化するように調整できる。一実施形態では、硬化時間を早めるために使用する各樹脂や触媒の配合を調整することができ、またエポキシの場合はより速い重合または硬化時間を有する当技術分野で知られている硬化剤システムが存在し、これを使用できる。
【0057】
別の実施形態では、前縁スラグ120とプロファイル本体105の各プロセスを別々に調整する能力は、プロファイル本体105に使用するものとは異なる樹脂混合物が前縁スラグ120に使用される場合に適切なことである。例えば、用途要件にもよるが、前縁スラグ120にはビニルエステル樹脂が適しているが、プロファイル本体105にはエポキシ樹脂がより適している場合がある。
【0058】
引抜成形プロセス 300
【0059】
図3には、目的サイズの複合プロファイル100を処理するための引抜能力と機能を有する業界で利用可能な引抜成形機上の引抜成形ツーリング115を利用した引抜成形プロセス300が示されている。この引抜成形プロセス300を使用し前縁スラグ120とプロファイル本体105を別々のダイを用いて引抜成形することで、従来技術の方法のプロセス上の問題が解消され、引抜成形プロセスのこれらの2つのセグメントを最適化して生産性および一貫性を高めることができる。
【0060】
まず、ステップ310において、乾燥した(樹脂なし)繊維が、前縁スラグダイ110と一次引抜成形ダイ130の両方に通され、引抜成形ツーリング115に取付けられる。乾燥した繊維はまた、グリッパプラーおよび一次引抜成形ダイ130のすぐ下流の引抜成形機起動ウインチ(図示せず)に取付けられる。
【0061】
次に、ステップ320において、前縁スラグウェットアウトバス170に樹脂を加え、全ての材料を引っ張ることで、前縁スラグ120のより大きな断面の引抜成形が開始される。樹脂がプロセスに適用されると、起動ウインチは、グリッパプラーが複合プロファイル100上で閉じることができるまで、複合プロファイル100を下流に引張る。この時点で、起動ウインチが切り離され、グリッパプラーが材料を連続的に引張る作業を実行する。
【0062】
次に、ステップ320において、前縁スラグウェットアウトバス170に樹脂を加え、全ての材料を引っ張ることで、前縁スラグ120のより大きな断面の引抜成形が開始される。樹脂がプロセスに適用されると、起動ウインチは、グリッパプラーが複合プロファイル100上で閉じることができるまで、複合プロファイル100を下流に引張る。この時点で、起動ウインチが切り離され、グリッパプラーが材料を連続的に引張る作業を実行する。
【0063】
次に、ステップ350において、2つの引抜成形動作は同時に進行し、前縁スラグ120が上流の前縁スラグダイ110を出て主引抜ダイ130によって引抜成形される際にプロファイル本体105に入ってプロファイル本体105の一部になる。そして、前縁スラグ120とプロファイル本体105の両方からなる完全な複合プロファイル100が完全に硬化した状態で一次引抜成形ダイ130を出て、引抜成形機のグリッパープーラと係合するのに十分なだけ下流に進んだ後に、起動ウインチから引抜機のグリッパプラーへの移動が完了する。
【0064】
この引抜成形プロセス300において、一実施形態では、上流側の前縁スラグ120はステップ330で前縁スラグダイ110を出て固形であるがまだ完全には硬化していない。その硬化はステップ340で完了し、一次引抜成形ダイ130を通してプロファイル本体105と共に引き抜かれるときにプロファイル本体105と共硬化される。これは、前縁スラグ120が主引抜型ダイ130の上流のプロファイル本体105の繊維層によってカプセル化されるためであり、プロファイル本体105と共硬化されて複合プロファイル100になる。プロファイル本体105内で完全にカプセル化されている間、前縁スラグ120の硬化をそれが上流の前縁スラグダイ110を出るときに硬化完了のパーセントが低いように最適化することが可能であり、プロファイル本体105への接着を強化できる。
【0065】
さらに、起動中は、メインウェットアウトバス150はまだ樹脂を含まず、プロファイル本体105の繊維は乾燥している。しかしながら、一次引抜成形ダイ130は高温である。このため、ステップ330において前縁スラグ120が一次引抜成形ダイ130に入り始める直前になって、樹脂がメインウェットアウトバス150に加えられる。プロファイル本体105の繊維は次いで、ステップ340において前縁スラグ120およびプロファイル本体105の繊維と樹脂が一次引抜成形ダイ130に入る際に樹脂で「ウェットアウト(湿潤)」される。この結果、プロファイル本体105は前縁スラグ120と共硬化され、次いで複合プロファイル100はステップ350において2つの引抜成形操作が同時進行する際に引抜成形ツーリング115によって連続的に引抜成形される。
【0066】
一実施形態では、ステップ350において前縁スラグ120とプロファイル本体105の引張速度は前縁スラグダイ110と一次引抜成形ダイ130の両方について同じままであるが、処理条件はそれぞれについて最適化できる。一実施形態では、前縁スラグダイ110の引抜成形の時間を一次引抜成形ダイ130の時間よりも長くすることで、所定の引張速度、異なる熱プロファイルにおいて前縁スラグ120により多くの硬化滞留時間を提供でき、また一次引抜成形ダイ130とは独立して前縁スラグ120のより大きな質量および断面に対するプロセス全体を最適化できる。
【0067】
別の実施形態として、複雑な複合プロファイル100の引抜成形起動は、最初に前縁スラグ120の引抜成形を開始し、ステップ330でプロファイル本体105の引抜成形プロセスを開始する前に引抜成形プロセスのこの部分を安定化させることで、より容易になる。安定化された引抜成形プロセスとは、繊維と樹脂が束になることなく制御された方法でダイに入り、十分に硬化され、寸法的に正しいプロセスである。例えば、起動時にダイの温度が低すぎると、ダイを出る材料が硬化しない場合がある。この場合、プロセスは機能しておらず、まだ安定していない。
【0068】
代替の複合プロファイル400および500
【0069】
本明細書に開示される引抜成形プロセスおよび方法によって作られた複合プロファイル100は、一次引抜成形ダイ130に入る前縁スラグ120がネットネット・トゥ・サイズであり、このためマンドレル140を一次引抜成形ダイ130の外側モールドライン部分の後縁に向かって横に押し出さないため、前縁スラグ120が厚い断面を有するローターブレード翼型に特に適している。これは、引張り荷重を増加させ、曲がったまたは湾曲した翼型または他の複合プロファイルをもたらすマンドレル140のバインディングを防ぐ。しかしながら、本発明はまた、その断面全体にわたって不均一な厚さを有する任意の中空または中実の引抜成形プロファイルにも適している。
【0070】
例えば、
図4に示したように、本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作られた1つの代替の実施形態では、複合プロファイル400は、Iビームから構成される。複合プロファイル400は、厚いキャップセクション410と薄いウェブセクション420を有する。厚いキャップセクション410は、前縁スラグダイ110内で引抜成形され、次いで薄いウェブセクション420と一体化され、一次引抜成形ダイ130を通過して複合プロファイル400を形成する。
【0071】
別の例としては、
図5に示したものがあり、本発明の引抜成形プロセスおよび方法によって作製された別の代替の実施形態では、複合プロファイル500はボックスビームから構成される。複合プロファイル500は、厚いキャップセクション510と薄いウェブセクション520を有する。この場合も、厚いキャップセクション510は、前縁スラグダイ110内で引抜成形され、次いで薄いウェブセクション520と一体化され、一次引抜成形ダイ130を通過して複合プロファイル500を形成する。
【0072】
本発明をその特定の特別な実施形態に関連して具体的に説明したが、これは例示のためのものであり、限定ではないことを理解されたい。本発明の技術思想を逸脱することなく、上述した開示内容および図面の範囲内で合理的な変更や修正が可能である。
【国際調査報告】