IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レイサイレイエンシー フィナンシィング インコポレッテドの特許一覧 ▶ レイジーミ,パウスカーの特許一覧 ▶ メディーナ,ダニエルの特許一覧 ▶ イーヤンガール,キエランの特許一覧 ▶ ムールティー,シュデーアの特許一覧 ▶ クラーク,ジェームズの特許一覧

特表2022-538412環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム
<>
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図1
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図2
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図3
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図4
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図5
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図6
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図7
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図8
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図9
  • 特表-環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】環境、工学、自然のシステム向けの金融取引に関連したデータの管理、分析を行うビジネスの手法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20220826BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576299
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 US2020039709
(87)【国際公開番号】W WO2020264224
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/866,590
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521556473
【氏名又は名称】レイサイレイエンシー フィナンシィング インコポレッテド
【氏名又は名称原語表記】RESILIENCE FINANCING INC.
【住所又は居所原語表記】651 N Broad St, Suite 205 #776, Middletown, DE 19709 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521556484
【氏名又は名称】レイジーミ,パウスカー
【氏名又は名称原語表記】REGMI, Pusker
【住所又は居所原語表記】14325 Potomac Heights Ln., Rockville, MD 20850 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521556495
【氏名又は名称】メディーナ,ダニエル
【氏名又は名称原語表記】MEDINA, Daniel
【住所又は居所原語表記】1133 E West Hwy, Apt 1019W, Silver Spring, MD 20910 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521556509
【氏名又は名称】イーヤンガール,キエラン
【氏名又は名称原語表記】IYENGAR, Kieran
【住所又は居所原語表記】2602 Denmark Dr, Herndon, VA 20171 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521556510
【氏名又は名称】ムールティー,シュデーア
【氏名又は名称原語表記】MURTHY, Sudhir
【住所又は居所原語表記】2602 Denmark Dr, Herndon, VA 20171 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521556521
【氏名又は名称】クラーク,ジェームズ
【氏名又は名称原語表記】CLARKE, James
【住所又は居所原語表記】4102 Arkansas Ave NW, Washington, DC 20011 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】レイジーミ,パウスカー
(72)【発明者】
【氏名】メディーナ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】イーヤンガール,キエラン
(72)【発明者】
【氏名】ムールティー,シュデーア
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ジェームズ
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】
要約
本発明の対象は、クレームやパフォーマンス保証に関連するパラメトリックリスクを対象
にした保険のクレームや金融取引システムに関するものである。ここでは透明性が高く速
度の速いトランザクションを使用し、センサーや分析によりパフォーマンスや保険が処理
される。本発明はまた、参加者が自由に出入りでき、売買することができ、保険や金融取
引に関する処理を行うことができるマーケットプレースを含む。このシステムでは、リス
クの集合と分散、パフォーマンス保証、投資、保険会社や銀行またはそのシンジケートの
集合や分散、クラウドソーシング、クラウドファンディングができるほか、個人や小さな
グループも参加できる。本発明では、単一の取引が可能なシステム上において、保険のリ
スクのコーディナリティとパフォーマンス保証が想定される。支払いに関するトランザク
ションのリスクおよびリスクの低減も想定している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険、または保証、またはパフォーマンスのクレームの処理、決済システム、または特別
目的会社、もしくは1つ以上のセンサーを含むモジュール化が可能な金融投資、債券、株
式、資金、年金、ハイブリッド年金を含む金融取引システムで、 次の2つ以上含むもの。
1人以上のスポンサー、1社以上の保険会社、1人以上の投資家、1人以上の発行者、1人以
上の建設業者、1社以上の請負業者、農民、住人、排出者、個人、政府および非政府機関
、企業、規制当局、その他 サードパーティ。
環境またはエネルギーに関連する保証、またはパフォーマンス、または保険が処理され、
または金融投資関する債権、株式、年金、ハイブリッド年金などの金融商品が直接処理さ
れ、または信託もしくは特別目的会社またはモジュールアプローチの事業体を通じて処理
されるもの。
および
スポンサーが保険の必要性をもち、またはそれを求めており、発行者が条件付きでこの必
要性または要求を引き受けるか、または引き受けるために競争するもの。またはスポンサ
ーが環境またはエネルギープロジェクトの建設の必要性を有し、またはそれを求めている
もの。
および
保険会社、再保険会社、または複数の保険会社、または複数の再保険会社は、単一または
複数トランザクションで保険に投資または保険を売却することができ、さらに投資家、建
設業者、請負業者、企業、個人が、単一または複数トランザクションで当該プロジェクト
に投資または売却することができるもの。
または
共有のデータベースがすべての関係者にとって透明であるもの。
または
前述のクレームの状態、条件、もしくはパフォーマンスや保証の条件、またはパラメータ
ーやイベントをスマートコントラクトを使用して自動的に処理するもの。
または
支払いのネッティングに使われるエスクロー、ウォレット、担保口座。
または
顧客熟知義務の評価インターフェイスがそのような処理をサポートするもの。
または
すべてのトランザクションと変更が、永続的で不可逆のデータベースに記録されるもの
または
メッセージプロトコルがデータベースに実装され、リアルタイムの処理や表示を行うもの

【請求項2】
次の少なくとも2つ以上の当事者で構成されるブロックチェーンマーケットプレイスまた
は取引所システム:スポンサー、保険会社または保険会社のシンジケート、投資家または
投資家のシンジケート、発行者、建築事業者、請負業社、農家、住人、排出者、個人、政
府または非政府機関、営利企業、規制担当者、またはサードパーティーで、
環境またはエネルギーに関連する保証、またはパフォーマンス、または保険が処理され、
または金融投資関する債権、株式、年金、ハイブリッド年金などの金融商品が直接処理さ
れ、または信託もしくは特別目的会社またはモジュールアプローチの事業体を通じて処理
されるもの。
および
スポンサーが保険の必要性をもち、またはそれを求めており、発行者が条件付きでこの必
要性または要求を引き受けるか、または引き受けるために競争するもの。またはスポンサ
ーが環境またはエネルギープロジェクトの建設の必要性を有し、またはそれを求めている
もの。
および
保険会社、再保険会社、または複数の保険会社、または複数の再保険会社は、単一または
複数トランザクションで保険に投資または保険を売却することができ、さらに投資家、建
設業者、請負業者、企業、個人が、単一または複数トランザクションで当該プロジェクト
に投資または売却することができるもの。
および
受益者が、保険料、クーポンの形で、または特別目的事業体や、信託や、手数料、課徴金
、利子、収入、株式から得られた資金を直接使用して、支払いまたは返済を行うもの。
または
共有のデータベースがすべての関係者にとって透明であるもの。
または
投資家や投資家のシンジケート、または保険会社や保険会社のシンジケート、またはクラ
ウドソーシングなどを通じて建設業者、請負業者、企業、個人に対する上記の取引、投資
、クーポンまたはプレミアムを自動的に処理するためにスマートコントラクトを使用する
もの。
または
すべてのトランザクションと変更が、永続的で不可逆のデータベースに記録されるもの。

または
メッセージプロトコルがデータベースに実装され、リアルタイムの処理や表示を行うもの
【請求項3】
請求項1のシステムで、
a 環境が、水量、水質、または関連するインフラストラクチャを指すもの、また、 大気
の量や質、または関連するインフラストラクチャをさすもの、また 土壌の質、土砂崩れ
、地震、火災、または関連するインフラストラクチャを指すもの。
または
b エネルギーが、太陽光、風力、水力発電、原子力、天然ガス、石炭など、グリッドイン
フラストラクチャやエネルギー生成インフラストラクチャの一部であるもの。
【請求項4】
請求項1のシステムで、前述のトランザクションが以下を含むもの:
a. パフォーマンス保証、突発的または条件付きの商品、
または
b 保証、保証債、災害債、パラメトリック保険、補償保険、モデル化された損害保険、レ
ジリエンス債を含む保証や保険。
または
c. 条件付転換社債、債券、株式、エクイティまたは負債に関する商品、および復興債、
または
d 増税融資、地価上昇課税、不動産ファンドや信託やSPV、旅行または観光料金もしくは
会費、住宅ローン債、復興債、パフォーマンスボンド、ハイブリッド年金または銀行保証
を含む返済。
または
e 汚染者の費用と地方自治体や企業の排出費用、および雨水に関する費用。
【請求項5】
請求項1のシステムで、前述のデータが、テキスト、数字、単一のメディア、マルチメデ
ィア、英数字、写真、ビデオの形式であり、音声、視覚、振動、接触または化学的もしく
は熱検知で感知できるもの:
分水界
水域
土地や土壌
エナジーシェード
【請求項6】
請求項1のシステムで、保証の対象が以下のもの
グレーまたはグリーンインフラアセットタイプのプロジェクト
または
貯水池、地下水、堤防、ダム、堤防壁のパフォーマンス、および堤防、ダム、堤防壁の保
守運用のパフォーマンス
または
汚染管理のインフラで、 処理プラントの建設パフォーマンス、処理プラントの運用パフ
ォーマンス、ダムのパフォーマンス、防火パフォーマンス、地震保護インフラのパフォー
マンスを含むもの。
または
エネルギーグリッドのパフォーマンス、またはエネルギー生成プロジェクトのパフォーマ
ンス。
【請求項7】
請求項1のシステムで、分水界、流域、土壌環境の改善または危険低減のパフォーマンス
目標が達成されるもの。
【請求項8】
請求項1のシステムで、パフォーマンスやリスクがグリッドまたはノードで分散すること
ができるもの。ここではそうしたリスクやパフォーマンスは、重み付けや、集約や、優先
順位付けや、評価、またはトークン化することができる。
【請求項9】
請求項2のシステムで、パフォーマンスやリスクがグリッドまたはノードで分散すること
ができるもの。ここではそうしたリスクやパフォーマンスは、重み付けや、集約や、優先
順位付けや、評価、またはトークン化することができる。
および
追加の保険商品やその組み合わせで、パフォーマンス債または後遺障害保険の払い戻しを
含むもの。ここでは逆保険の価値は、完全な保険の価値の半分もしくは3分の1以下のコ
ストであるもの
【請求項10】
請求項1のシステムで、危険イベントに関連する保険リスクを低減させることができ、債
権のような商品で取引することができ、その結果、以下の組み合わせによりスポンサーの
保護や支払いにつながるもの。
【請求項11】
請求項1のシステムで、一つ以上の前述のセンサーが、衛星や、ドローンや、ブイ、もし
くは水上の車両に取り付けられているもの。
【請求項12】
請求項2のシステムで:
a. 環境が、水量、水質、または関連するインフラストラクチャを指すもの、また、 大気
の量や質、または関連するインフラストラクチャをさすもの、また 土壌の質、土砂崩れ
、地震、火災、または関連するインフラストラクチャを指すもの。

または
a.エネルギーが、太陽光、風力、水力発電、原子力、天然ガス、石炭など、グリッドイン
フラストラクチャやエネルギー生成インフラストラクチャの一部であるもの。
【請求項13】
請求項2のシステムでトランザクションが以下を含むもの:
パフォーマンス保証、突発的または条件付きの商品、
保証、保証債、災害債、パラメトリック保険、補償保険、モデル化された損害保険、レジ
リエンス債を含む保証や保険。
条件付転換社債、債券、株式、エクイティまたは負債に関する商品、および復興債、
増税融資、地価上昇課税、不動産ファンドや信託やSPV、旅行または観光料金もしくは会
費、住宅ローン債、復興債、パフォーマンスボンド、ハイブリッド年金または銀行保証を
含む返済。
または
汚染者の費用と地方自治体や企業の排出費用、および雨水に関する費用。
【請求項14】
請求項2のシステムで、前述のデータが、テキスト、数字、単一のメディア、マルチメデ
ィア、英数字、写真、ビデオの形式であり、音声、視覚、振動、接触または化学的もしく
は熱検知で感知できるもの。
【請求項15】
請求項2のシステムで、保証の対象が以下を含むもの:
グレーまたはグリーンインフラアセットタイプのプロジェクト
貯水池、地下水、堤防、ダム、堤防壁のパフォーマンス、および堤防、ダム、堤防壁の保
守運用のパフォーマンス
汚染管理のインフラで、 処理プラントの建設パフォーマンス、処理プラントの運用パフ
ォーマンス、ダムのパフォーマンス、防火パフォーマンス、地震保護インフラのパフォー
マンスを含むもの。
または
エネルギーグリッドのパフォーマンス、またはエネルギー生成プロジェクトのパフォーマ
ンス。
【請求項16】
請求項2のシステムで、分水界、流域、土壌環境の改善または危険低減のパフォーマンス
目標が達成されるもの。
【請求項17】
請求項2の装置で、災害イベントの発生を検知する一つまたはそれ以上のセンサーを備え
ているもの。またその発生を検知すると、データを一つまたはそれ以上のコンピューター
装置に転送するもの。
【請求項18】
請求項17のセンサーが、衛星や、ドローンや、ブイ、もしくは水上の車両に取り付けられ
ているもの。
【請求項19】
請求項1のシステムで、システムのパフォーマンスが、河川流域や、大規模な分水界や流
域、土壌システムと同等の広さであり、それを小さなスケールのパフォーマンスや保証に
分解することができるもの。
【請求項20】
分水界や水域や自然災害を含む環境システムに関連するインフラ構築、またはグリーンイ
ンフラ、グレーインフラを使った財政的な負担の緩和や適応のためのブロックチェーンマ
ーケットプレースの取引所システムで、次のうち一つ以上を含むもの。
軽減や適応の条件を満たすことを条件にしたトークン化されたスマートコントラクトであ
り、相対的、または絶対的な災害の危険や汚染に対応してトークンの価値や量が増減する
もので、その災害や汚染の緩和に対応する支払いがあるもの。またはそうした災害や汚染
の優先順位付けや重みによりトークンの価値や量が増減するもので、災害などへの適用や
軽減を行った当事者にトークンを転送できるもので、受け取った者がそのトークンを取引
できるもの。
前述の災害の危険性や汚染の減少により保険費用が減少することから生まれる受益者への
支払いまたはインセンティブ、手数料、税金、課徴金に関連するもの。もしくは土地や不
動産の値上がり、観光や健康の価値上昇から生まれる利益を法定通貨を直接転送すること
。または、
関連する災害の危険や汚染者の費用。ここには災害や汚染を拡大させることに関する費用
や課徴金が含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/866,590号の関連出願であり
、米国特許法第119条の下でこの仮出願に基づく優先権を主張する。上記特許出願の内容
全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
金融取引をパラメトリックやパフォーマンスに関連するデータと結び付けることにより、
環境やエネルギーシステムに関する分析を日常のコントラクトに活用することができる。
金融取引においては、ある条件や不測の事態は一般的なものであり、リスクの軽減や、パ
フォーマンスの保証や、それ以外にも災害の危険性や汚染といったリスクを軽減すること
によって、将来のキャッシュフローを得る手段として普及しつつある。これらを組み合わ
せたアプローチも可能な場合がある。トランザクションをモニタリングでき、データが安
全に認証される透明性の高いデジタルプラットフォームが求められている。
保険、保険債、金融債、地方債、災害債、レジリアンスボンド、復興債、ハイブリッド年
金などがあるがこれに限らない売買取引が行われるプライベートのマーケットプレースも
存在する。またここでは投資家のシンジケートや保険会社のシンジケートがパフォーマン
スベースのプロジェクトやパラメトリック保険に投資したり、保険をかけたりできる。シ
ンジケートを組み、パラメトリック保険やパフォーマンスに関連したプロジェクトに投資
するための透明性の高いパブリックのマーケットプレースも想定される。さらに、保証や
保険の売買、もしくはバンドルする機能も必要になる。これについては、災害イベントの
発生や、もしくは大気、水、土壌汚染の軽減や災害の緩和などのプロジェクトのパフォー
マンスに関するトランザクションを行う取引所の形態がふさわしい。
本発明の目的は、環境、エネルギー、自然をベースにしたインフラのトランザクションを
管理する手法、装置、システムを開発することにあり、またそのようなトランザクション
のためのマーケットプレースもしくは取引所を開発することにある。
【発明の概要】
【0003】
サマリー
本発明の目的は、ブロックチェーンもしくは不可逆で、透明性が高く、即座(リアルタイ
ム)にまたはそれに近い速度で処理が可能な金融取引システムの開発により、環境、エネ
ルギー、自然のイベント(災害)のパラメーターや保証、もしくはインフラ、保険、保証
管理システムのパフォーマンスに関する固定または変動のプレミアム(保険料)、クーポ
ンなど、クレジットかデット(負債)を問わず、その評価活動を促進し、その結果となる
支払いをも促進することを目指すものである。
【0004】
中央集権型のアプローチも、トランザクションや記録の認証に使用することが可能である
。以下、ブロックチェーンと言及する部分については、その意図(環境、エネルギー、自
然をベースにしたインフラや自然のシステム(例、湿地など)のトランザクションを行う
プロジェクト、信託、特別目的会社(SPV))を実現できる能力を備えている限り、中央集
権型のアプローチを使用できるし、その逆も然りである。場合によっては不可逆性も必須
ではなく、無視することも可能である。ブロックチェーンと中央集権型のアプローチを組
み合わせることをも想定できる。この場合は、プライバシーを保護する必要がある場合、
特定のトランザクションの速度を上げる場合、コンピューターのリソースを減らす必要が
ある場合などにおいて、モジュール式の方法を採用することが考えられる。また不可逆の
アプローチが必要な場合にも同様である。こうしたチャンクもしくはモジュール型も本発
明の想定するところである。
【0005】
このシステムはトランザクションの管理に使われる。ここには単一のトランザクション、
複数のトランザクション、取引所、マーケットプレイス、流域、分水会、エナジーシェド
(炭素などの利用可能なエネルギーを貯蔵する倉庫のこと)、及びこれらの獲得、制御、
クリーンナップ、軽減、緩和が含まれるがこれに限るものではない。ここに関係する当事
者は、個人、富裕層、スポンサー、保険会社、保険会社のシンジケート、投資家、東芝の
シンジケート、発行者、建設業者、請負業者、農家、住民、汚染源や汚染の排出者、政府
、非政府組織、規制当局、官民パートナーシップ、ビジネス担当者、開発者、サードパー
ティーなどであるがこれに限るものではない
【0006】
取引所やマーケットプレイス、またはプラットフォームは、特別目的会社、特別目的事業
体等により実施・運営されることが考えられる。こうした用語は同じ意味で使用する。こ
のような当局や、事業体や、特別目的会社の目的は、長期または短期になる可能性のある
特定の目標を達成することにある。こうした事業体は当事者をプールしたり、いわゆるリ
ングフェンスを設けたり、リスク、エクイティ、債券、それ以外の法定通貨や暗号資産な
どを転換することができるものである。こうした事業体または取引所はスマートロー(様
々な法案に対して自動的に投票ができるもの)、スマートレギュレーション(例えば委員
会や評議会等の投票に基づいて、規制が公表もしくは変更されるもの)、スマートコント
ラクトやスマートアグリーメント内に構成またはプログラムで組み込んだ法的な定款を持
つことがある。こうした法律や、規制や、同意は、それが法律、規制、契約であるかどう
かに関係なく、集合的にスマートコントラクトのカテゴリに分類される。
【0007】
このシステムには、シンプルなイベントやパフォーマンス、または複雑なイベントやパフ
ォーマンスを予測したり、分析したりモニタリングするためのコンピューティングシステ
ムあるいはスーパーコンピューターのシステムが含まれる。それによりトリガーと関連す
る支払いに関して、透明性が高く、早期の予測が可能になる。
このイベントやパフォーマンスに関連したトランザクションは、静的・動的(変化する)
コントラクトやスマートコントラクトにより決定される。コントラクトに関するアルゴリ
ズムがトランザクションをトリガーする。このアルゴリズムはシンプルなものや、階層に
なっているものや、1つまたは複数のパフォーマンスや、複数のイベント等により発生す
る支払いやトランザクションにネストするものが考えられる
【0008】
トリガーは発動することにより条件付きもしくは偶発的な支払を実施する。一回の支払い
の場合も、支払いが続く場合もある。これは時間やイベント(災害)の発生を元に行うこ
とができる他、年金などのようにキャッシュフローとして使用することも可能である。
すべてのデータや分析は格納され、すべての情報はヒストリアンを通じて取り出すことが
できる。さらにデータに加えられたすべての変更についても記録される。 このデータは
自動もしくは手動の分析もしくは検知したものに関する情報であるこのデータは、センサ
ーの品質やデータの品質、イベントやパフォーマンスの優先順位に基づき、信頼性と確率
的な信頼値、署名、階層を有する。
このセンサーは、衛星や、ドローンや、ブイ、もしくは水上の車両に取り付けることが可
能である。
【0009】
支払いは、単一もしくは複数のイベントの発生、もしくは単一もしくは複数のパフォーマ
ンスの達成がトリガーとなって発生する。またはイベント発生の確率的信頼度や、パフォ
ーマンス達成の可能性をベースとすることもできる
トランザクションの例としては保険(例パラメトリック保険)や保証(例パフォーマンス
保証)がある。現金やキャッシュフローは、債券、株式、年金、ファンドなどの金融商品
に関して使用される。これ以外のアプローチも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図の簡単な説明
以下に添付する図面は、本発明の実施形態の例を示すものであり、本明細書の一部を構成
するものである。
図1】コントラクトのトランザクションの開発に利用できるシステム、手法、装置(デジタルプラットフォーム)の例の概要図である。
図2】デジタルプラットフォームなどのコンピューター化したプラットフォームを、モジュールによるアプローチで実装した実施形態の概要図である。もっとも、トークンによる投資の代わりに非トークンの投資の選択肢を使用したバリエーションも存在する。
図3】いくつかの独立した特別目的会社(SPV)のモジュール型のガバナンス構造アプローチの概要例を示したものである。このSPVはプロジェクトファイナンス、運用および保守、デジタルの分水界や流域、さらに汚染に関する支払いの受け取りや、不動産価値の向上などの受益者の貢献などを担当するものである。ここではデジタルプラットフォームを含むコンピューター化されたプラットフォームの実装のためのモジュール型のアプローチを示している。
図4】スマートロー(取締役会や評議会レベルの投票モデルに基づいて優先順位を確立するもの)や、スマートレギュレーション(クラウドソースのトリガーや投票モデルをベースにして規制の変更や追加をするもの)や、スマートコントラクト(自動化されたトリガーに基づいて支払いを行うもの)を用いたSPVのガバナンス例の概要を示したものである。
図5】インフラアセットクラスの保証アプローチの例を示したものである。ここでは標準のプレミアム(保険料)と「保証」のプレミアムを組み合わせ、保証、保証債(パフォーマンス保険や従来の災害保険の逆の支払いである)を組み合わせることができ、補償や、パラメトリックや、モデル化したアプローチとして構築できる。
図6】水質の指標とともに復旧とレジリエンスに関するパラメーターをベースにしたトークン化の例を示した概要図である。
図7】時系列による重み付けアプローチを使用した汚染物質除去の優先順位例を示した概要図である。
図8】トークンの評価についての例示的なアプローチを示した概要図であり、希少化や、受益者または汚染者のコントリビューション、さらに汚染物質を除去するための作業(運用上の労力やそれに対応するコスト)が、評価にどのように影響を与えるかを示している。
図9】ブロックチェーンフレームワークが実装するスマートコントラクトに基づいてトークンを転送するために必要なステップの例を示した概要図である。
図10】フローチャート例であり、装置から、もしくは装置へのデータ送信を含む典型的なデータベースの階層を示したものである。ここでは入力センサーをトリガとする自動化システムや、金融取引を管理する様々な機能を実装したアプリケーションによるアナライザーを含むが、これに限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細
環境やエネルギーシステムはパフォーマンスの変化や災害の影響を受けやすい。例えば、
電力系統の送電能力の信頼性はパフォーマンスベースもしくは 保証ベースであり、森林
火災は電力系統に影響を及ぼすため、災害リスクになりうる。水の量や水質の管理は、深
刻な事態(洪水や汚染物質の流出など)を招く恐れがあるだけでなく、パフォーマンスま
たは安全性の指標(洪水や廃水処理プラントからの流出から保護するための堤防など)で
もある。大気汚染の管理や強風災害も、パフォーマンスとリスクの影響を受ける。 大気
汚染は、分散または一点の地点から発生する場合があり、あるグループ(例、農家や地域
住民)や単一の当事者(産業)が、イベントやパフォーマンスの鍵を握ることがある。
【0012】
本発明の目的は、エネルギーや環境システムに関連する投資や保険を、透明性が高く、不
可逆的で自動化されたブロックチェーン、もしくはブロックチェーンタイプのシステムと
任意に組み合わせることにより、データや分析を収集すると共に多くの投資家やスポンサ
ーや発行者が分散してアクセスできるようにすることを提案するものである。本システム
は取引コストを下げつつ信頼性を高める一方で、金融取引や保険をもっと身近なものにす
るものである。さらに、農業、住宅やビジネスや工場(皮なめし工場や電気めっき装置製
作など)などのオーナー達にパフォーマンスや保証の義務を分散させるものである。パフ
ォーマンスを達成した場合はインセンティブが支払われ、達成できない場合は手数料や、
罰金や、税金が課すことができる。保証義務を達成した場合は一定のパラメーターをクリ
アした場合に何らかの形で支払いを行うことができる。想定される方法、装置、システム
は、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクションを処理もしくは実現すること
が可能である。
本開示の別の実施形態では、次のようなビジネス手法がある。1つ以上の金融商品やそう
した金融商品に関連するパフォーマンスの割り当てを、透明性の高いブロックチェーンプ
ラットフォームを使用して決定するものである。割り当ては、一つもしくはそれ以上の現
実の世界のイベントにトリガーされるように事前に設定される。言い換えると、現実の世
界のイベントは災害がトリガーとなってブロックチェーン上で支払われたり、各関係者に
割り当てられた所定の目標を達成した場合に、多数人が参加するブロックチェーン上で支
払われたり、関係者に損失をもたらすイベントが発生した場合にも支払われる。これは前
述の金融商品を割り当て、もしくは割り当てられた緩和プロジェクトにより支払われるこ
ともある。
【0013】
世界の人口の増加や世界のGDPの増加、そして気候変動の影響の拡大に伴い、環境汚染
の問題は、今日さらに一般的な問題になっている。環境要因は、大きく分けて「量」と「
質」の問題に分けることができる。嵐、洪水、台風は甚大な被害をもたらす可能性がある
ため、これを管理する手法が求められている。自然災害(洪水、風、地震、火災など)に
対する保険は、保証人や受益者をそのイベントに関連する損失から保護することができる
。こうした保険はパラメータ化することができ、発生した場合や、その重大性に基づいて
支払いトリガーを設定することができる。想定される方法、装置、システムは、こうした
すべての問題、アプローチ、トランザクションを処理もしくは実現することが可能である

災害(洪水など)対策として用いられる沼、堤防、ダムに関連するパフォーマンスや安全
性も、エンジニアリング標準、ボンディングの仕様、パフォーマンス保証、銀行保証の対
象となる。最後に、災害の緩和プロジェクトは、「氾濫源」の家屋の将来の被害への対処
や軽減につながることから、資産価値を高めると共に、固定資産税などの関連税の増収に
もつながる。将来的に増大する富に関しては、一時的なものや、条件があるものや、増税
によるものや、税金の変更や、不動産の特別目的会社によるものが考えられる。税金関係
のアプローチも使用する場合、増加分を特別目的会社内部で管理することにより、仲介者
を排除しつつ、資金の有用な使用に関する信頼を高めることができる。自然災害の緩和は
、耐震設計の建造物や、森林火災を防ぐ防火壁や、強風に耐える建造物などの、安全性や
義務を果たすことができるプロジェクトに関係している。分散化したグリーンインフラス
トラクチャも可能である。 これにはプライベートスペースやパブリックスペースの貯水
ユニット(レインバレル)、レインガーデン、多孔質舗装、屋上緑化などが考えられる。
こうした安全性は単一もしくは複数の担当者により確保されうる。この場合発生したイベ
ントの重大性や、緩和に失敗した深刻度に基づき支払いを行う手法が考えられる。こうし
た安全性の確保は、コミュニティや 協同組合でも実現可能である。こうした保証は、保
証を提供する事業体に関連したプレミアムつける形で、金融機関に渡すことができる。想
定される方法、装置、システムは、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクショ
ンを処理もしくは実現することが可能である。
水、空気、土壌の環境汚染もコンディショナリティの対象となる。堤防の崩壊や、危険な
物質を運ぶパイプの破損による湖や、川や、土壌の汚染は、通常保険がかけられている。
こうした堤防のパフォーマンスは、保険や保証の対象となりうる。汚染物質の処理やその
処理パフォーマンスもコンディショナリティの対象となりうる。(汚染の原因となる)産
業やその浄化に関連する富やの税の増収も、将来のコンディショナリティの対象となりう
る。汚染の原因は、故障した浄化槽の所有者などの個人や、肥料過多や農地を燃やす農業
関係者、そして小さな皮なめし工場や大きな製薬会社などの企業、さらに下水管理を行う
公益事業者が含まれうる。債券や、金融商品や、トークンの発行者が、汚染によって生じ
た損害に対する財政的・保険的アプローチを開発し、損害を軽減するパフォーマンスコー
ディナリティや保証を開発する場合には、汚染の原因となる者がスポンサーや投資家にな
る機会もある 。こうしたコンディショナリティは、汚染のプレミアム(保険料)を下げ
ることにつながり、汚染に対処するためのインセンティブコンディショナリティを作るこ
とになる。こうした好ましいパフォーマンスがコミュニティに経済的利益(健康、資産価
値、観光の促進)を生めば、その利益を「パフォーマンスに対する支払い」にとして回収
することが可能である。これ以外の汚染防止のアプローチも可能である。最初から汚染物
質の生成を抑えて「希少性」を生み出したり、逆に「豊富にある状態」を概念化して気候
変動を徐々に悪化することも可能である。こうした希少性や豊富さ、そしてそれに対する
対処方法は、トークン化することができる。別の例では、初期の汚染物質の除去は、後期
の汚染物質の除去に比べて労力、費用共に容易な場合があり、この場合マイニングにかか
る費用は同じトークンの報酬になるものの、トークンを保持するコストは時間とともに変
化させることができる。例えば初期の除去作業はトークンを取得するための作業と費用を
抑えながら、より多くの汚染物質を除去できることも可能である。ヒストリアンなどのロ
ギングシステムでは、そうしたイベント(加えて、関連するフロー、負荷、汚染)を合算
して、トリガーとその結果の支払いを長期間にわたって分散させることができる。
【0014】
プロジェクトや、流域の回復や管理、イベント(災害や汚染)の緩和(回復力)アプロー
チは、特別目的会社が担当しうる。対応、緩和、回復に関連する特別目的会社(SPV)は
、不動産のSPVなど、他のSPVとの統合や提携、関連性の保持が可能である。 したがって
、SPVに関連した不動産の評価価格の向上はトークンの評価の向上や、環境改善に関連し
たトークン数の増加につながる。
その他の関係性を持つSPVでも可能である。これにより開発(観光促進、資産価値増加、
健康改善、プレミアム(保険料)の削減など)を復旧や、レジリエンスや、環境改善に直
接結びつけることが可能である。想定される方法、装置、システムは、こうしたすべての
問題、アプローチ、トランザクションを処理もしくは実現することが可能である。
欧州連合(EU)では汚染者負担原則があり、河川などの水域に対する窒素、リンなどの汚
染物質や、化学的酸素要求量の管理が求められている。この費用負担は規制機関やその都
市に対して、排水量に対しユーロ/kgの固定料金の形で負担される。このアプローチは汚
染の保険ではないが、汚染原因となるものが排出に対して料金を負担する仕組みにより、
汚染の排出を縮小するインセンティブになっている。この料金は保証アプローチや保険ア
プローチに統合することができる。その価格は固定でも、変動でも可能であり、将来の汚
染防止に関連したパフォーマンスや、流域のパフォーマンスの改善などに基づいた変動料
金性も可能である。実際に生じた損害をベースにした様々な支払いや利益に基づいて取引
が、取引所で可能になる。たとえば、資産価値の向上における将来の富などの利益を、現
在や過去の汚染の緩和のために支払うことが可能なブロックチェーンやブロックチェーン
タイプ(中央集権型やSPVタイプ)のマーケットプレースや、あるいは、現在の汚染原因
のプレミアム(保険料)などの支払いを行うマーケットプレースを開発できる。想定され
る方法、装置、システムは、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクションを処
理もしくは実現することが可能である。パフォーマンス、安全性、保証などの用語は同じ
意味で使用している。またパラメトリック保険や災害債という用語も、実装に関して幾ら
かの違いはあるものの同じ意味で使用している。
リスクやパフォーマンスの優先順位や集合化について: パラメトリックリスクやパフォー
マンスの義務を含むブロックチェーンや中央集権型のアプローチは、多くのマイクロリス
クやマイクロパフォーマンスと結びつけることができ、これらを集合化してマクロリスク
もしくはパフォーマンスアプローチにすることができる。次の2つの段落では3つの例を紹
介する。1つはエネルギーの分野、2つ目と3つ目は水の分野である。これ以外にもパフォ
ーマンスとリスクの集合化や、スマートコントラクト内の優先順位などの例も可能であり
、それらも本発明の範囲に十分含まれるものである。
【0015】
産業用や地方自治体の多くの施設は、パフォーマンスなどに応じてカーボンフットプリン
トやエネルギーフットプリントを削減して気候変動を緩和するための新しいアプローチを
開発している。これは、電力の発電を行なったり、電力を使用する住宅や住宅地区にも同
様にあてはまる。また、発電所の発電にも同様に当てはまる。さらに、パフォーマンスの
期待度に基づいて水頭を確保するするバッテリーステーションや貯水池にも当てはまる(
価格が安い場合はエネルギーを使用して水を確保し、価格が高い場合はタービンを稼働す
る)。エネルギーのパフォーマンスや、カーボン(炭素)またはプロセス内の電子の「純
」使用量や「純」生産量、テクノロジーや施設といったものは、グリッドやマイクログリ
ッド内で管理が可能である。 多くのマイクログリッドパフォーマンスのアプローチは、
各ノードやグリッドに割り当てた保証に関連したパフォーマンスを使い、ブロックチェー
ンや中央集権のスマートコントラクトを通じてリンクさせて評価することが可能である。
こうしたノードやグリッドは、エネルギー生成のパフォーマンスや、アルゴリズムや分
析の開発に関する重要性に基づいて優先順位や重要度を決めることができる。またここで
は、分、時間、日、季節、年、10年などの任意の単位を使用することもできる。上記の場
合、ネット(訳者注 net :純)は精製と消費の差のmodとして定義される。
同様に、節水や漏水のパフォーマンスに関する保証を水のグリッドに割り当てることがで
きる。このパフォーマンスはブロックチェーンの透明性の高い方法で評価できるほか、中
央集権アプローチを使用して、パラメトリックのリスク(例えば、凍結や一時的な圧力上
昇によるパイプの破裂があるが、これに限定するものではない)や、パフォーマンスの保
証(漏水の管理)を含めることもできる。各ノード、グリッド、DMA、仮想DMAのパフォー
マンスは、ブロックチェーンなどのデジタルアプローチを使用して評価することが可能で
ある。
汚染保険やシステムのパフォーマンスは、ガンジス川やミシシッピ川などのような大規模
な河川と同じくらいの大きさになりうる。そうした大きめの流域や土壌システムは分割し
たり小さなスケール(例、湖や貯水池)の汚染に分散させたり、地方自治体や、農業や、
産業排水などの小さなスケールのパフォーマンスや保証に分散させることができる。個々
の部分はブロックチェーン全体、またはパフォーマンスや保険元帳に集約することができ
る。また、汚染物質(炭素、窒素、リン、微量汚染物質、微生物、ゴミ、堆積物など)や
改善指標(濁度、クロロフィル、微生物学的、美的観点など)が複数存在する可能性があ
る。重要度(相対的な重要性や、結果的に生じる利益や、結果として生じる損害に関する
もの)は、それぞれの汚染原因や、改善度や、最終的なコミュニティへの利益(短期また
は長期的なもの)で割り当てることできる。またスマートコントラクトやパフォーマンス
保証の内部で取引したり、集約することも可能である。
環境汚染を回復させるトランザクションのための中央集権かつ非トークン化アプローチの
例:非トークン化のアプローチでは、目標を達成するための最低限の目標がいくつか存在
する。例えば湖や川の健康度を回復するために、毎年除去する必要がある汚染物質の最小
量を設定することが挙げられる。これは科学的に検証可能なモデルによって決定されるも
のである。各目標の重要性は、目標達成に向けた重要度を示す数値で表すことができる。
目標は個別に達成することも、組み合わせて達成することも可能であり、投資家はどのよ
うにして目標達成に貢献できるのかを選ぶことができる。
【0016】
各目標には、通常技術的な選択肢がある。このテクノロジーは、目標を達成するための効
率性やユニットコストなど、さまざまな機能を提供する。所定の技術の適用に影響を与え
る外部の要因もある。外部要因は、通常投資環境を取り巻く状況により課される制約であ
る。例えば上記の例では、特定の汚染物質除去技術を実装するために利用できる土地がな
い場合などである。一部の技術は他の技術に依存しており、順次に実行する必要がある。
たとえば、廃水処理プラントには、廃水をプラントに運ぶ収集システムが必要である。
このタイプの制約は内在的要因である。
重要度と内在・外在要因の組み合わせにより初期投資の展望がきまり、これをプラットフ
ォームが使用して投資収益率を決める。したがって、ハイパフォーマンスかつ高速なパフ
ォーマンステクノロジーにより、大きなリターンを得られる。しかしながら、投資がリタ
ーンを獲得するにしたがって、段階的に改善して目標を達成することはより困難になる。
そのためプラットフォームは返済条件を調整して、より良いリターンのために、当初はあ
まり魅力がなかった投資を奨励することになる。
ほとんどのテクノロジーは、時間の経過とともにパフォーマンスが低下するため、パフォ
ーマンスを維持するために何らかのメンテナンスが必要になる。一部の投資、特に自然に
関するソリューションの分野では、成熟するにつれてパフォーマンスが向上するものもあ
る。たとえば水質改善のための湿地や、ハリケーンから保護するためのマングローブなど
である。いずれの場合も、返済は長期的なパフォーマンスに左右される。
投資家への支払いはスマートコントラクトを通じて処理される。 パフォーマンスのクレ
ームがあると、検証が行われ、自動の支払がトリガーされ、達成された目標の部分を反映
するように投資環境がアップデートされる。このアップデートは、利用できなくなったオ
プションを廃止するとともに、目標の達成によって可能になった他のオプションを有効に
する。クレームの検証は、センサーにより収集したパフォーマンスデータと、プラットフ
ォームにアップロードされるデータを収集して、プラットフォームで自動的に処理される
。パフォーマンスの判定基準はテクノロジーによって異なる。入力と出力を測定できるク
ローズドシステムは、入力と出力を考慮できないオープンシステムよりも信頼性が高くな
る。 前者の例は処理プラントであり、プラントの排水口からの排水をサンプリングする
ことによって、流域に排出する前にパフォーマンスを日常的に測定することができる。後
者の例は、川沿の緩衝帯であり、そこに出入りするすべての水や汚染物質を調査すること
は困難である。オープンシステムの場合、プラットフォームは数学的モデリングを実行し
てパフォーマンスの判定を推定する。この際、モデリングは不確実性があることから、収
集された実際のデータの測定よりもパフォーマンスの測定は信頼性が低くなる。そこで、
プラットフォームは念のためにより高い目標を割り当てることになる。
プラットフォームは、進行状況とパフォーマンスをリアルタイムでダッシュボードに更新
する。マニュアルデータの場合はリアルタイムに近いものになる。投資家は利用できるオ
プションや予想される返済を確認することができる。本プラットフォームは使用されたテ
クノロジーのパフォーマンスに関する過去のデータだけでなくその信頼度も公開し、これ
により競争と革新を促進する。
保険やパフォーマンスの責務は、緩慢で累積的、もしくは急激で一時的なイベントリスク
もしくはパフォーマンスになることがある。保険やパフォーマンスの責務は、汚染濃度(
質)または質量や体積(量)、もしくはそれ以外の測定手法(地震の測定に使用されるリ
ヒタースケールなど)が用いられる
汚染の費用からのキャッシュフロー源は、システムが行う支払いや、ポジティブ・ネガテ
ィブ(阻害要因)なインセンティブとして働き、個人でも事業体でも、全員が環境に対し
て何らかの貢献をすることになる。このマーケットを管理、及び資金やリスクプレミアム
やパフォーマンスプレミアムの支払いを管理するための鍵は、データや、データ分析や、
支払い及び支払いを管理するための透明性の高い不可逆なアプローチを使用することにあ
る。センサー(設置するもの、または携帯できるもの、または衛星)はリスクやパフォー
マンスの測定に使用されるほか、予測、不確実性の分析などのためにモデリングアプロー
チも使用される。
トランザクションを開発するための鍵は、リアルタイムもしくはリアルタイムに近いタイ
ミングで不可逆で即座にシステムに記録できる信頼性の高い測定方法である。透明性を高
めることにより、マーケットプレースや、交換所への参加者が増えるとともに、パフォー
マンスや保証を管理したり、イベントやパフォーマンスやリスクを管理するための分散ア
プローチが生まれる。その一方で、キャッシュフローや投資を確保するとともに、トラン
ザクションに関連した固定または変動プレミアムやクーポンを確保する。「ビッグデータ
」が生活の一部として取り入れられ始めたことで、センサーやデータの検証手法も洗練さ
れている。こうしたデータの分析に対する信頼性は、多くのトランザクションで基本的な
ものになりつつある。予測の精度を決めて確率推定や信頼区間に使用することもできる。
想定される方法、装置、システムは、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクシ
ョンを処理もしくは実現することが可能である。
災害を避けるためのインフラ構築をサポートする保険、保証、パフォーマンス保証、ボン
ディングの売買は、ブロックチェーンまたはブロックチェーンタイプのマーケットプレー
スで売買が可能である。債権のプライマリホルダー(例えば債券価値の1/10)は、このシ
ステム上で別の誰かに保険や金融取引を委託することも可能である。
データの信頼度と確率について。データの信頼性は、分析を使用して推定することができ
る。 データの信頼区間、確率、統計的妥当性、関連する分析などを評価するアプローチ
をスマートコントラクトに含めることにより、トリガーに関連したデータ品質の確率的な
パラメーターを提供できる。支払いは、データ品質やトリガーに関連した確率に基づいて
変化する。こうした支払いは、他の線形または非線形、対数または指数アプローチで比例
配分もしくは定義できる。支払いが実行される前に、データが適格であることを確認する
ための検証モデルを含まれる。 デバイスのID、有効性、クオリティは、一意の方法また
は一意の識別子を使用してタグ付けや確認ができる。クオリティや有効性の変更も記録で
きる。支払いのトリガーは、センサーやデータ品質をベースとして認証することができる
。例えば、データ品質やその結果の支払いには、必要範囲で人間の介入も考慮に入れるこ
とができる。これにより支払いのトリガーやデータ品質に基づくトリガーが可能になる。
例えば、95%の信頼区間で支払いがトリガーされた場合、信頼度がわずか90%の場合は低額
の支払いがトリガーされ、80%の場合はさらに低額の支払いがトリガーされる。そのため
、支払いを受けとる者にとっては、スマートコントラクト内の支払いをより高いものにす
るため、より高い信頼度を獲得することが重要になる。 別のアプローチでは支払いの範
囲を設定してその中で支払いをトリガーするものがある。
ブロックチェーンまたは中央集権型プラットフォーム内での保険や債券、保険料の転売に
ついて。保険または債券の転売は、保険や債券のプライマリの保有者のシンジケーション
が考えられる。 保険や債券のプライマリの保有者は、コントラクトに関する交渉やリス
クの評価を行う。鍵となるのはリスク分析である。 そのためには、トランザクションに
関与した発行者と当事者の一連の検証が必要になる。また、取引に関するトリガーと支払
いの理解も必要となる。プライマリの保有者は、セカンダリの投資家(債券や保険)に対し
て、全体的なトランザクションの管理や、関連のリスク評価や、コントラクトの開発に対
して少額のプレミアムや手数料を請求する。 ブロックチェーンのマーケットプレイスで
は、転売も、多少の手数料を含んだセカンダリーのトランザクションの管理も可能である
。 支払いの際は、投資家のチェーン(シンジケートの一部となり得るセカンダリや3次
のもの)が組み込まれているスマートコントラクトを使って自動的に管理を行う。 スポ
ンサーや発行者の格付けや信用力も継続的にモニタリングされる他、投資に関連するリス
クも継続的にモニタリングされる。こうしたモニタリングに関連する料金が発生した場合
、プラットフォームマネージャー、主要な投資家、システム内で請求することもできる。
モデリングの実行は、サードパーティが管理して予測を提供することができる。手数料は
投資家や発行者に送金できる。想定される方法、装置、システムは、こうしたすべての問
題、アプローチ、トランザクションを処理もしくは実現することが可能である。 このプ
ラットフォームや交換所は、多くの参加者やモジュールによって構成される。このモジュ
ールには、 1)顧客熟知義務 (KYC)機能 (第三者、関係者、カウンターパーティによる評
価を含む)、信用力の調査など。 2) トランザクション、交換、取引機能 。3) SPV (特別
目的会社)機能と関連するトランザクション、交換、取引機能。4)デジタルの流域、水域
の機能(センサーや分析に関するもの)。5)利益に関する機能(不動産のSPVやTIFなど)。
6)汚染物質、処理や運用、アセットマネジメント機能。ここには点源汚染、非点源汚染、
中央集権型、分散型を含む。7) 行動ゲーミフィケーション機能。 これらの機能は特定
のニーズに合わせて構築されたモジュラー内のプラグアンドプレイアプローチに含まれる
。 KYC機能はトランザクション内のすべての関係者(発行者、投資家、保険会社など)向
けに実装できる。ここにはパフォーマンスの説明や、パフォーマンスの速さ(変化)や加
速度(2つの異なる速度)などが含まれる。インテグレーションは時間や空間などの変数
を使用して実施することができる。 当事者に関係する保証人、保険、保障も明示できる
。利益に関する機能は共同ホストでも、個別管理の形でもインテグレートできる。 この
機能は、健康(およびIQ)や、資産や、収入や、雇用の改善を理解し、記録し、表にする
ことができる。さらに、緩和や適応に関するインセンティブや促進を目的にした開発を行
う機能も含みうる。処理、緩和、適応の機能には、中央集権型または分散型の処理プラン
ト、そのパフォーマンスと維持、アセットマネジメント、その経済性と主要な指標を含み
うる。デジタルの流域または水域には、湖、川、湾、河口、海岸、ビーチ、地下水システ
ム、外気、内気などが含まれる。 この流域は監視システムを使用してデジタル化され、
そのパフォーマンスを評価し、内部もしくはオープンソースのアプローチにより予測が行
われる。投資家は、この流域や水域の改善にヘッジまたはその逆を行うことができる。 S
PV機能には、参加者、従業員、取締役会メンバー、デジタル法、規制、コントラクト、流
域全体や水域全体のガバナンスに関して、自動または手動(投票)機能が含まれる。この
規制には、たとえば調達機能、許可機能、仕様、保証、履行義務(運用または保守を含む
)などが含まれる。また、優先順位をベースにしたアプローチにより、ガバナンスの管理
や迅速な判断を行うことも可能である。
クレーム処理について - クレームはスマートコントラクトや一定の条件が満たされた場
合に自動で実行される銀行プロトコルを使用してこのシステム上で処理が可能である。
銀行プロトコルでは任意でエスクローやウォレットが使用できる。想定される方法、装置
、システムは、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクションを処理もしくは実
現することが可能である。
ブロックチェーンもしくは中央集権型のプラットフォームシステムは、パラメトリックリ
スクやパフォーマンス保証が個別にもしくは組み合わせて評価分析されることが前提とな
る。工学的なパフォーマンスアプローチによりリスクが低減され、そうしたリスクの低減
に対する報酬が当事者間で分配される。これによりリスクの軽減やパフォーマンスを達成
することに対するインセンティブが発生する。 例えば、災害保険にはプレミアム(手数料
)が発生する。工学的なアプローチを使ってそうしたリスクを低減することをにより、プ
レミアムを少なく抑えることができる。その一方で工学的アプローチによるパフォーマン
ス保障を導入し、より少ないリスクのものを新しく導入する。リスクに関連するボンディ
ングやプレミアムは、承継のリスクに関するプレミアムに比べて低くなることがある。
既存の保険や金融取引を分析、評価、リスクの軽減を行うシステムでは、様々なアプロー
チをスマートコントラクト内で組み合わせて動作させることが可能である。 洪水に対処
するための堤防は、建設と、エンジニアリングと、その運用とメンテナンスに関するパフ
ォーマンス保証を作ることができる。この堤防は、水が溢れるリスクを小さくしたり、洪
水からの保護や結果としての支払いの保護に関するプレミアムの逆保険が含まれる。 こ
うしたリスクや保険(保証)を、意味ある形で統合して災害発生リスクを軽減したり、全
体の保険料を下げたり、リスクを小さくすることにより余った資金を当事者間で共有する
こともできる。保証や保険のプレミアムをまとめた新しいタイプのものも(単一もしくは
シンジケートにより)作ることができる。この場合保証(洪水を防ぐ壁など)を組み合わ
せたり、様々なタイプの保険や逆保険(壁の保護や、その逆に水が溢れることなど)を組
み合わせて一つの保証保険を作成したり、新しく「保証保険ボンド」や「保証保険プレミ
アム」を作り出すこともできる。壁のコストは「全資産の生命保険」アプローチに含める
ことができる。ここでは一定のイベントをベースにした支払いが行われると、それが当事
者の間に分配される(投資家や発行者、もしくは投資家と保険会社など)。それ以外の例
(洪水が堤防を越える)についても、急激なもの(火災や洪水)や時間のかかるもの(汚
染など)に対して緩和や適応が可能である。政策的なインセンティブもリスク軽減を促進
する規制や法律により実現が可能である。こうしたアプローチはすべてスマートコントラ
クトを使用したブロックチェーンもしくは中央集権型のプラットフォームで実現が可能で
ある。(前述の通り)複数の保険や補償をまとめて、分散したリスクやパフォーマンスの義
務を果たすことにより、システムベースの最終目標を確実に達成することもできる。これ
は特別目的会社もしくはより大きな事業体で開発することができる。当事者や保険会社が
複数存在したり、利害が対立する場合はこうしたリスクを分解することも可能である。
ダイナミックな取引所。 透明性の高いブロックチェーンの取引所により、災害債などの
売買ができる他、コーディナリティやパフォーマンス保証(または失敗に備えたもの)に
関する債権を売買できる。例えば、災害が近づくと売買のトランザクションが増える傾向
がある。例えば堤防が災害を軽減するためのレジリエンス債として売買されるなどである
。同様に、汚染の除去が進み、資産価値が上がり始めたり、リスクが縮小すると、債権の
価値はブロックチェーン上で変化する。このブロックチェーン (または、その他のタイ
プ)の取引所は、投資家、発行者、保険会社がリスクを管理するためのプットオプション
とコールオプションも利用できる。さらに、金融商品、義務、保険、保証、債権、株式、
ファンドなどのショート(空売り)も可能である。ブロックチェーン(それ以外のタイプ
も可能である場合はそれも含む)の取引所の利点は、エネルギーや水などの災害イベント
の発生やその「ピーク」の際に、迅速かつ即時のトランザクションを作成できる点である

取引所またはトランザクションは、河川流域全体や、水域や、河口などのマクロシステム
の一部であり、保険や、パフォーマンスや、投資をまとめたり分散させることにより、透
明性の高い方法で目標を達成させることができる。例えば、流域内のノードやグリッドを
通過する水量や水質の監視して、コントラクトの条件を満たすことができる。洪水や干ば
つなどの不規則なリスクは、この流域内の保険や保証に含めることができる。取引所全体
がエンジアリングのパフォーマンスや多数の参加を保証することになる。
トランザクションの参加者: ブロックチェーンのトランザクションには通常3名の当事者
が存在する。それは、スポンサー、投資家、発行者である。それ以外の当事者としては、
サードパーティーのエージェントや、コントラクトの検証を行う者、プラットフォーム全
体やデータやモデリングや予測や支払いに関連するブロックチェーン構造について、単独
もしくは集団で警備活動を行う者が存在する。
スポンサー: スポンサーは災害や汚染やそれ以外のニーズに対応するプロジェクトを必要
とする保険契約者、または当事者(またはSPV/SPA)である。スポンサーや共同スポンサー
は、災害に対する保険、又は災害を緩和するパフォーマンスや汚染に対する保険のプレミ
アムやクーポンを支払う責務がある。スポンサーは、支払いの直接の受益者でもある。
パフォーマンス債の場合、スポンサーは金融商品、債権、ファンド、年金から資金を受け
たプロジェクトのパフォーマンス達成を条件としたもの、もしくは不達成を条件としたも
のから支払いを受け取る。スポンサーは個人、居住者、農家、または公益事業や、都市や
、業界などの集団、あるいはリスクやパフォーマンスの管理を希望する任意の事業体であ
る。パフォーマンス保証や保険に反した場合にも、スポンサーは支払いを受け取る。
投資家: 投資家は個人投資家から大規模な年金基金に至るまで、さまざまな形と規模があ
る。 通常投資家はポートフォリオの多様化を求めており、投資収益率のリスク(元本を
失うリスクを含む)を進んで引き受ける。グリーンボンドや気候変動債の場合、投資家(
インパクト投資家とも呼ぶ)は、社会に利益をもたらすプロジェクトへの投資を好む事業
体である。プラットフォームまたはブロックチェーンのマーケットプレースでは、より多
くのさまざまなタイプの投資家、特に投資から直接利益を得られる投資家に市場への参加
を促すことができる。たとえば、プラットフォームまたはブロックチェーンにより、危険
性や汚染を軽減プロジェクトに投資する個人投資家や地域の協同組合、銀行や信用組合を
サポートできる。したがって、同種の危険性に関する保険料の削減や、支払いの削減や、
汚染の搬出に関する手数料から利益を得ることができる。また、投資家は将来の支払い、
もしくは災害の軽減の保証を提供もしくは受け取とる保険会社の可能性もある。
【0017】
発行者: 金融商品や債権には様々な種類がある。 地方債は、都道府県や市町村など機関
が資金を集め、上下水道システムなどの資本プロジェクトに資金を提供するために発行す
る債務証券である。地方債および同様の債券は、パフォーマンスボンドとして発行するこ
ともできる。この場合、そのプロジェクトに一定期間投資、建築、運営するエンジニアリ
ングや契約上の事業者や権利の保有者に対して、債権に関して一時的な支払いが発生する
。発行者は、コンディショナリティに基づいて支払いをトリガーするパラメトリック保険
を発行するの保険会社の場合もある。キャットボンドや災害保険はパラメトリック保険の
一例である。それ以外の保険も可能である。
例えばハイブリッドな年金がある。これは権利の所有者が既存の資産を引き継いだり、新
しい資産や能力を構築して、保険の条件に基づきそれを運用および保守するものである。
それ以外の例としては、支払いにつながるパフォーマンスが官民パートナーシップモデル
からもたらされるものも本発明から想定できる。 構築のパフォーマンスと運用のパフォ
ーマンスは、透明性の高いプラットフォームやブロックチェーンによりモニタリングされ
る。たとえば、埋め込んだセンサーを使用して、注入するコンクリートの品質や、建造物
やインフラストラクチャの劣化や寿命をモニタリングする。それ以外にも、衛星画像、カ
メラ、ドローン(空中、海上、潜水)を使用して、建造物の品質をチェックする方法も可
能である。同様に、資産の運用と保守も、カメラ、振動モニター、水と空気の品質モニタ
ーを使用うことで、センサー化(センサーを装備すること)することが可能である。 セ
ンサーからのデータは直接送信され、透明性が高く、不可逆なプラットフォームまたはブ
ロックチェーン により管理される。これにより必要な説明責任を果たすとともに、コン
プライアンスを改善することができる。また、権利の保有者による初期資本の投入により
、プロジェクトを迅速に始めることが可能になる。繰り返しになるが、ハイブリッドの年
金の例では、プロジェクトの完成に対して資本コストの40%の払い戻しを保証することは
、プロジェクトを納期に完成させるインセンティブになる(データに紐づいたパフォーマ
ンスはブロックチェーン内で収集される)。一方、残った運用や管理のコストを、たとえ
ば10年から30年間年金に紐づけることで、権利の保有者は継続的なパフォーマンスへのイ
ンセンティブを受けることになる。それ以外のアプローチには、様々アセット(建造物、
機械、計装)の退行率に基づいて、様々な寿命を提供することができる。保証はアセット
の推定寿命で分割することができるため、各寿命に基づいて運用管理を行う新たなアプロ
ーチを促進することができる。
ESCOまたは省エネルギー契約は、マーケットプレースまたはパフォーマンス保証アプロー
チでの一手法にすることができる。このESCOは、短期・長期の運用コスト削減を求める産
業、工業、農業、個人が利用できる。またブロックチェーン または中央集権構造のプラ
ットフォームの一部にすることもできる。
ユーティリティの評価や、スコアリングシステムや、管理ツールとアプローチ は、透明
性の高いブロックチェーンや中央集権構造のプラットフォームで使用することが考えられ
る。ここではセンサー、分析、人間の投票モデルを使用して、アセットマネジメントや、
エンジニアリングや、運用や、財務状況や、カスタマーサービスや、サステナビリティな
どの基準に基づき、ユーティリティののパフォーマンスを測定できる。透明性については
官民のユーティリティ(またはその顧客)から求められることが多く、これについてはパ
ブリックまたはプライベートのいずれかのブロックチェーン を使用することができる。
透明性確保のための別のプラットフォームのアプローチとしては、監査と認証を使用する
アプローチが考えられる。この場合プライバシーと透明性が混在することになる。ペイフ
ォーパフォーマンスモデルも可能である。 格付け企業は、こうしたアプローチを使用し
て、公益事業、業界、企業をリアルタイムでスコアリングすることもできる。また自動監
査も可能であり、リアルタイムもしくはほぼリアルタイムの監査も可能である。
キャットボンド(CAT)は、保険のリスク移転をサポートする商品であり、従来の保険や
再保険に代わるものである。キャットボンドは保険のリスクを資本市場に移転するハイブ
リッド商品である。特別目的会社は、保険会社と再保険会社がキャットボンドを発行する
ために使用する。 自然災害の発生は不規則であり、他の経済的リスクとは相関関係がな
いため、キャットボンドは高金利を用意することになり、投資家のポートフォリオを多様
化することができる。キャットボンドの構造にもよるが、損失が一定の閾値に達した場合
、投資家は元本・利息の一部または全てを失うことがある。2018年のキャットボンドの発
行額は91億ドルであり、上昇トレンド後に安定している。2017年は過去最高の103億ドル
だった。2018年のキャットボンドリスク資本は287億ドルだった。リスクキャピタルのほ
とんどは米国からである。この債権の発行者はスポンサーであり、保険会社が典型である
。 この企業は保証が必要な大きな災害のリスクを特定している。このスポンサーは、リ
スクと潜在的な損失を分析するためのリスクモデリングも有している。リスクのモデラー
は通常、大きな災害のモデリングと確率論的なリスク分析を使用して、潜在的な災害の範
囲や推定損失を推定する。スポンサーには、自然災害リスクの補償範囲が1ドル単位で提
供される。これがキャットボンドに必要な投資額になる。リスクモデリングが終わると、
キャットボンドのトリガーのタイプが設定される。トリガータイプとは、スポンサーがキ
ャットボンドがに対して支払うために必要な条件である。 通常、キャットボンドのトリ
ガーは補償(39%)、産業上の損失(24%)、モデル化(5%)、パラメトリックインデ
ックス(16%)である。価格とトリガーの種類を決めたら、スポンサーは特別目的会社(
SPV)と契約を結び、特定のリスク補償に対して保険料を支払う。その後SPVは債券(代替
的リスク移転、ART)をパッケージ化して、投資家に販売する。債券が購入により得られ
た資金は、該当のイベントが発生した場合のスポンサーのリスクをカバーする担保となる
。投資家は担保を提供する見返りに、(リスク補償のためにスポンサーから)保険料の一
部と担保口座から利息を受け取る。対象のイベントが発生した場合、キャットボンド契約
に基づき、この担保口座は清算されてスポンサーへの払い戻され、投資家は元本を失う。
パラメトリック保険。 パラメトリック保険は、パラメーターに基づいてトリガーされる
支払いである。一度、または複数の支払いのトリガーとなるものは、1つ、2つ、あるいは
3つ以上になることもある。 したがって、パラメトリック保険は、純粋に損失を補償する
のではなく、イベントがトリガーされた発生時に事前に(予測により)支払いを行うタイ
プの保険である。トリガーとなるものは、通常、損失もしくは損失をもたらす可能性のあ
る大きな災害である。 支払いよりも損失がはるかに大きい場合もあれば、支払いよりも
損失がはるかに少ない場合もある。 パラメトリック保険契約は、被害を受けた場合に損
害に基づいて支払いを行う代わりに、米国国立ハリケーンセンターなどの専門機関などに
よる災害発生やその強度を基に支払いを決める。この方法により、保険金の支払いに関連
するコストと不確実性が軽減される。 損害の認証や、損害を見積もる必要はなく、支払
いに関して意見の一致しない場合や訴訟もない。さらに、国や保険契約者は、災害が発生
時に即座に資金などのリソースを利用できる。パラメトリック保険を作成する最初のステ
ップは、インデックスと顧客の収益の減少、またはコストの増加との相関関係を判断する
ことである。保険は段階的に設定することができ、事前にいくつかの考慮すべき事項があ
る(Clarke et al.2016)。 支払いが迅速であることから、昨年世界銀行がチリ、コロン
ビア、メキシコ、ペルーの地震リスクをカバーすることを目的にして、13億6000万ドルの
キャットボンドを発行した(Singer, 2019)。2017年までのパラメトリックトリガーを使用
したキャットボンドの市場は96.7億ドルであり、キャットボンド市場全体の16%であった
(Hazime, 2017)。
災害債。キャットボンド(災害債など)は、保険会社や主要な投資銀行が設立した特別目
的会社により発行される。これら機関は金融取引の条件を構築し、実施のための法的枠組
みを作成し、債券を市場に出し、担保口座の資金を管理する責任を負う。こうした債権は
ブロックチェーンまたはブロックチェーンタイプのアプローチが利用できる。
保証債。 保証債は請負業者や企業が業務を無事に完了させ、そのパフォーマンス要件を
満たすことを顧客に保証することにより契約を勝ち取ることが必要になる。 多くの公的
契約や私的契約は、保証会社が提供する保証債を必要とする。収益については、2018年の
保証債市場は153億3000万ドルであった。この保証の需要の増加は、世界中の先進国で老
朽化したインフラの復旧に対する需要の高まっている結果である。パフォーマンスボンド
は保証債の一種であり、その価値は通常プロジェクトの規模に比して100%である。保証
債は、米国財務省が承認した保証会社と保険会社によって発行される。保証債は、プロジ
ェクトの失敗を回避するように設計されているものであり、失敗した場合に予想される損
失をカバーすることを期待するものではない。保証債は、プロジェクトのリスク(固有の
リスクや補償範囲の種類など)や請負業者のリスク(有形資産や過去の実績など)を管理
し、リスク調整した保険料が発生する。保険料率は通常、減少したプロジェクトの価値の
割合から算出される。プロジェクトが失敗した場合、保証会社はプロジェクトを終了する
か、プロジェクトを放棄して保証金を支払うことを保証する。米国の保険料は、おおよそ
プロジェクトの価値の0.5~3%の間である。
保証、保証保険、保証保険商品。我々はここで新たな提案をしたい。それは「保証債」ま
たは SPV または従来の金融リスク管理商品であり、以下の組み合わせである。1)保証も
しくは保証債、2)リスク軽減保険(これはペイフォーパフォーマンスの逆の保険であり、
例えば洪水を防ぐための堤防の適切な性能のための保険や結果として生じるプレミアムで
ある)、3)リスク保険(洪水のリスクなど)。ここには、既定のリスクに関連した災害ト
リガーを基にしたコーディナリティを有する複数のリスクを、単一もしくは複数のプレミ
アムにパッケージ化する単一の保険会社またはシンジケートから得られる複数のプレミア
ムが考えれる。保険債のプレミアム(保険料)は類似の規模の洪水などの災害リスクに関
するプレミアムの3分の1から3分の2の間である。本発明の進歩性は、汚染の軽減や気候変
動に対応するインフラ構築を促進することにある。 この債権のアプローチはプレミアム
が定額であり、かつ建築の一部又は全てにおいて、プレミアムの節約を促進することでき
る。 保険債やこのタイプの商品の支払いのトリガーは、パラメトリック保険(パフォー
マンス保証の支払いの場合)の支払いと同様に考えられる。このトリガーは、パラメトリ
ックや、モデル化や、補償を組み合わせることも(それらのすべてを)統合することも可
能である。スマートコントラクトに関する支払いのトリガーは、迅速で自動化したものが
望ましい。そのためトリガーはパラメトリックやモデル化したアプローチを採用するべき
であろう。 逆保険の場合は、損失モデルのトリガーの代わりに、損失軽減または適用モ
デルのトリガーを採用するべきである(たとえば、堤防やグリーンインフラストラクチャ
を使用した損失防止のモデル化)。 したがって、保証や損失保険は損失モデルのトリガ
ーを持ち、損失軽減プロジェクトは損失軽減または適用モデルのトリガーを利用できる。
同じモデルをパラメーター化して、損失の発生や損失の軽減をシミュレートし、さまざ
まなシナリオの支払いを導き出すことができる。こうしたシナリオは単一のプロジェクト
(例えば中央集権型の堤防工事)や複数の分散型のプロジェクト(例えば個別の家屋の屋
根の緑化や貯水)から、様々な損失モデルや損失軽減または適用モデルのシナリオを作り
出すことができ、大きな規模でまとめたプレミアムの削減につなげることができる。こう
した債券では、保証額はハザード保険(訳者注:火事などの特定の危険に対する保険)の3
分の1以下になり、リバース保険もハザード保険の全額の3分の1以下になる。いずれに場
合でも保険のアプローチの場合は包括的な災害保険よりも安く抑えなければならない。
増税融資(TIF)は、米国をはじめとした多くの国における、インフラ開発やコミュニテ
ィ改善プログラムの初期補助金として使われる公的資金調達である。プロジェクトから生
み出される価値は、当該地域もしくは地区において通常将来増加するであろう固定資産税
や、経済的なプロジェクト、もしくはコミュニティの改善プロジェクトとして把握される
ものである。TIFは直接市の予算から捻出されるものではないが、将来の税収を見込んで
損失を被ることになる。 ブロックチェーンやブロックチェーンのタイプのアプローチで
は、TIFの一部として水やエネルギープロジェクトに税金が使われる住民が、ブロックチ
ェーンの透明性を通じてプロジェクトのパフォーマンスを評価することが可能になる。パ
フォーマンスに対する支払いは自動的に行われ、社会全体がプロジェクトの成功に対して
直接関与するようになる。
TIFは、地方自治体のインフラの改善や経済開発に資金を提供するために、収入を割り当
てる方法である。自治体は、TIF地区をどこに配置するかを選択する責任がある。TIFは、
TIFの地区のプロパティから生まれた税収を基本収入と増分収入に分割する。基本収入はT
IF地区(ゼロ年)の設定前に利用できる資金である。これは、固定資産税を査定する権限
を持つ地方自治体(学校、市、郡、特別地区)で分配される。増分収入は、開発プロジェ
クトによって生み出される新しい収入である。資金は、TIFプロジェクトのスポンサーと
なる政府に割り当てられる。ほとんどのTIF地区では、ベースラインはゼロ年の金額で凍
結される。ただし、事前に定義された方法を使用してインフレ率で増加する地区もある。
例えばニューヨーク市では、TIFを使用して地下鉄の駅を建設した。 TIFは住宅地域や商
業地域の開発に使用される際に批判を浴びてきた。その理由は、税のベースを拡大するの
ではなく、一つの場所から別の場所に移すだけだから、というものである。そのためTIF
は、ロジスティクスが複雑な場合や、民間部門では不採算な場合にのみ推奨されている。
例えばブラウンフィールドの改善や、道路、交通機関、ユーティリティなどの基本インフ
ラの開発である。TIFのようなアプローチは、SPVまたはSPVで利用でき、「増分」はSPVが
集めて、受益者の貢献としてプロジェクトに直接回されることから、信頼性が向上し、仲
介や管理コストを削減することができる。
不動産投資信託、不動産ファンド、不動産信託、SPV。不動産投資信託(REIT)は、通常
個人投資家では難しい大規模な不動産投資を可能にするものである。REITは、収入を生む
不動産を所有、運営する企業であることが通常であり、SPVとして構成することができる
。こうした資産には、オフィスビル、アパート、ショッピングモール、ホテル、リゾート
、倉庫が含まれる。 REITは、個人投資家が実際に購入することなく、商業用不動産をか
ら得られる収入を得るためのアプローチである。 REITには上場投資信託と非上場投資信
託がある。
エクイティREITは、不動産を所有・管理している。住宅ローンREITは、住宅ローンや住宅
ローン担保証券を保有・取引する。REITの構造上、収入の90%以上を投資家に還元するこ
とが求められることが多く、資本が増加するものではない。課税所得の10%のみが再投資
され、新しいアセットの購入に利用される。 もっとも、地域のコミュニティによるクラ
ウドファンディングが可能であり、いくつかの例では関係者が地域住民である場合、環境
的な変化をもたらすのに役立つ場合もある。
不動産ファンドは、投資家が投資信託に投資するのと同じ利益の実現を可能にすると同時
に、専門家やポートフォリオ管理のサポートを提供するものである。不動産ファンドは、
商業用不動産、土地、集合住宅、農業用の土地などに直接投資することができる。不動産
ファンドは主に評価により価値を得るため、REITのように投資家に短期的な収入を提供し
ないのが一般的である。REITや不動産ファンドへの投資は、直接信託を通じて行う方法、
または特別目的事業体(SPV)を介して行う方法がある。SPVは企業、または有限責任事業
組合(LLP)、または官民パートナーシップである。この時REITはエクイティを保有もし
くは保有することを提案、または少なくとも50%の利息を得る。 SPVは資産の保有および
開発、またそれに付随する活動以外の活動は許されない。同じことが不動産ファンドにも
当てはまる。この場合、収入がやや少なくなり、より長期的なエクイティ(株式)投資に
なる。また、REITと不動産ファンドを組み合わせて、収益と株式を分配するアプローチも
可能である。こうした利益や増分(収益や投資に関するもの)は、たとえば税金の代わり
に、(キャッシュフローまたはエクイティの形で)還元して、清掃や回復に使用すること
もできる。受益者がエクイティの形で拠出している場合、投資は完全に民間もしくは協同
組合、または官民もしくは完全に公共投資アプローチになる。受益者の支払いまたは拠出
は、トークン化することも、現在、過去、未来の流域の改善を目的として取引所に現金を
送金することもできる。上記のすべて(TIF、REIT、不動産ファンド、地価上昇課税など
)は、本発明が提案するエネルギーおよび環境インフラストラクチャシステムに対する受
益者の拠出を促進させるためのものである。
転換社債(CoCos)は、欧州の金融機関が開発した債権であり、債権をエクイティ(株式
)に転換することにより、金融機関がキャピタルロスを吸収することをサポートするもの
である。条件付転換社債は、従来の転換社債に似ている。条件付転換社債はトリガーと転
換率がある点に違いがある。(イベントトリガーによる)エクイティから債券または債券
からエクイティへの変換は、レジリエンスや復興のための資金調達が想定される。特に慢
性的なもしくは突発的な災害からの復興に関する不確実性とリスクなどが想定される。た
とえば、不確実性の増加やリスクの増加は、債券から株式への転換の契機になる。 変換
のトリガーは、事前に設定したイベント(SPV(または交換資産)のエクイティとリスク
アセットの比率が所定の割合を下回るなど)であり、変換率は、エクイティとスワップす
る時の実際のレートになる。トリガーは、スマートコントラクト内において、さまざまな
イベントしきい値を自動かつ不可逆に変換することを保証する方法により定義する必要が
ある。トリガーの設計と変換率は、非常に重要なものである。
インパクトボンド: インパクトボンドは地方債の特別な種類のものである。この債券は、
成功報酬モデルを使用したプロジェクトの成果に関する突発的な支払いに対応した構造に
なっている。このアプローチでは、投資家と発行者がプロジェクトのリスクを共有するこ
とになる。 他の地方債と同様に、地方自治体などの発行者、投資家、固定期間で構成さ
れる。さらに、成功報酬スキームの管理のための当事者が加わる。それは、利害関係者を
集めて取引を作り上げる金融仲介業者、プロジェクトの成果と返済レベルを評価する評価
者、さらにプロジェクトにサービスを提供したり、規制の要件満たすためのサービスプロ
バイダーやプロジェクト運営パートナーである。構築したプロジェクトが成果を上げると
、投資家に支払いが行われる。 プロジェクトの成果が上がらない場合は、発行者が支払
いを負担する。 支払いは固定の金額であり、プロジェクトのが構築され、パフォーマン
スの成果が確認された時に決定する。それ以外の債権は、プロジェクトのパフォーマンス
よりもはるかに先に進むことになり、トリガーに基づいて生態系の回復を評価するか、ト
リガーからの収益の生成をベースにして評価される。これ以外にも、災害の軽減(レジリ
エンスの向上)やそうした利点が、債権の支払いのためのキャッシュフローに転換される
。これらはスマートコントラクト内のトリガーとなり、それがキャッシュフローなって、
エスクローや、ウォレットや、担保口座へ流れることになる。
トランザクションの速度: ブロックチェーンまたはハイブリッドを使用してリアルタイム
、もしくはほぼリアルタイムで情報を表示できるため、資金の送金も瞬時、またはほぼ瞬
時に行うことが可能である。ただし、銀行のポリシーにより、送金の金額や資金の即時送
金が制限される場合がある。またエスクローやウォレットを設定して、プラットフォーム
やブロックチェーンを使った資金の可用性を保証できる。透明性の高いブロックチェーン
を使用したデータ、分析、モデリング、支払いのトランザクションの速度は、数分以内か
、場合によっては数秒以内、もしくはそれ以下になる。ブロックチェーンタイプのアプロ
ーチは、実装や稼働までに数年かかる可能性がある慢性のイベントよりも、トランザクシ
ョンの速度を必要とする突発的な(急激な)イベントに適している。
ブロックチェーンエンジンとして使用するものとして、Ethereum、Hyperledger Fabric、
R3cordaが考えられる。この3つはいずれもシステム構築に利用できる。これ以外の他のも
のも、トークンや非トークンアプローチで適切なものがあれば使用できる。トークンや通
貨(仮想通貨、デジタル、法定通貨)は、同様の意味で使用する。
透明性: エコシステムには複数の当事者が含まれる(プレーヤー、参加者、利害関係者)
ここには直接の当事者や第三者が含まれることがある。ブロックチェーンシステムでは
、すべての当事者、および当事者の履歴に関する情報が透明である。 各当事者の重みや
特徴は異なる(第三者に必要な監査の数、処理するクレーム数、保険会社や保険契約者の
数など)。 各当事者の抱える問題も評価スコア内で透明性を実現できる。サードパーテ
ィーはプラットフォームやブロックチェーンシステムより諸経費を節約できる。各当事者
は、システムの一部としてスマートコントラクトを有することができる。当事者間のスマ
ートコントラクトの各条項は、事前に確認が可能である。プラットフォームやブロックチ
ェーンシステムの堅牢性と透明性を確保するために、こうしたコントラクトの階層は事前
にモデル化されて、ストレステストが行われる。コントラクトの変更は必要に応じて行わ
れ、その他者への影響も透明性を有する。サードパーティの信頼性は継続的に監視され、
評価(履歴や品質)をプラットフォームやブロックチェーン上に実装することが可能であ
る。信頼性に対する評価が低下すると、新しいサードパーティがプラットフォームやブロ
ックチェーンシステムに自動的に参加したり、サードパーティに関連付けられたデータの
優先順位を自動的に低下させることができる。
不正対策- 単一のイベントに対する複数のクレームを回避できる。災害イベントの発生を
正当化することも可能である。 パフォーマンスに対する虚偽の情報は、モデリング、セ
ンサーのカスケード、センサーの健康度を図るプロトコルを使用して検証することができ
る。 監査はブロックチェーン上にある関連する保証とともに自動的に追跡される。
真正性、監査可能性、トレーサビリティ: 例として、気象や汚染物質に関するデータと情
報を提供するサードパーティなどである。こうした情報は認証されたサードパーティから
直接取得して、ブロックチェーンシステムに直接インポートできるため、情報の信頼性、
監査可能性、トレーサビリティの保証に関して人間が介入することはない。例えば、洪水
を引き起こす恐れのあるハリケーン種類に関する情報である。こうしたイベントは、トリ
ガーになりうる特定の特性がある。イベントの発生によってトリガーされると自動的に支
払われるため、投資家とスポンサー/受益者の間のプロセス全体に対する信頼が高まる。
例としてあげた洪水イベントの真正性では、人間が介入することなく情報をブロックチェ
ーンプラットフォームに送信することができるセンサーを設定することができる。 これ
は他の災害についても適用できる。ブロックチェーンのセキュリティとテクノロジーの特
性により、個人がデータを変更することはできなくなる。オリジナルのデータだけでなく
、入力ミスも記録される。 例えば、データが変更された回数に基づいてトリガーを発動
もしくは発動させないことができる。 一定時間内で編集できる最大の回数を設定するこ
とも可能である。支払いにつながるような編集がある場合、自動もしくは手作業により複
数のソースから裏付けを行うこともできる。自動もしくは手動による確認の決定は、スマ
ートコントラクト内に記録できる。こうした全てのアプローチにより、虚偽情報を排除で
きる。
複数の情報ソースをベースにすると矛盾が生じる場合は、そのソースの検証のための人に
よる投票モデルを導入できる。投票できる時間をスマートコントラクトに設定することに
より信頼性を最大化すると同時に、投票を許可しやすくなる。アルゴリズムと人工知能(
AI)を使用・設定することにより、ID、時間、場所、投票および投票者の典型的なバイア
ス特性などのパラメーターに基づいて、投票の信頼性を(時間と空間で)向上させること
ができる。
自動化: 自動化とスマートコントラクトを活用することによりトランザクションコスト
を大幅に削減できるため、全体的にプレーヤー数が増加し、プレミアム(保険料)の価格
を下げることができる。トリガーには複数の特性がありうる(a、b、c、dなど)。そのう
ちの1つまたは複数がトリガーされた場合に支払いを発生させることができる。パフォー
マンスボンドにも同様に使用できる。 たとえば、洪水から守るための堤防の品質を堤防
に配置されたセンサーを使用して自動的かつ継続的に確認することが可能である。堤防の
品質が下がると、トリガーに自動的に通知される。こうした通知により、保険のプレミア
ムやパフォーマンスの支払いを変更できる。損失を補償する必要がある場合は、ペナルテ
ィを自動的にトリガーさせることも可能である。スマートコントラクトでは、誰が支払い
を行うかを様々なトリガーを元に判断することも可能である。たとえば、トリガーaとト
リガーbは、FEMAからの支払いになり、トリガーcとトリガーdは、民間の保険会社からの
支払いが発生する、などである。その他のアプローチや、トリガーや支払いの担当(例え
ば保険会社や金融機関)の重複、または受取人(公的機関、民間の企業、個人など)を重
複させることも可能である。
分析及び予測モデリング。分析ではデータの分析であり、また様々な教育型・非教育型の
アルゴリズムを使用した傾向を開発している。ここではディープラーニングの数学的なプ
ロトコルなどを使用している。こうした分析は効率性を向上させ、ブロックチェーン の
トランザクションのリスクを低下させる鍵となる。ひとつのアプローチは例えば洪水対策
としてプレミアム(保険料)を減らすための堤防の建設をトリガーにすることが考えられ
る。別のアプローチとしては、パフォーマンスが低下した場合や、イベントの発生の可能
性が増えた場合にプレミアム(保険料)を増額することである。 したがって、分析の基
礎となるイベントやパフォーマンスに基づいて、固定、変動、もしくは連動型で、プレミ
アムやクーポン(利息)などの支払いを行うことができる。こうした分析により、透明性
が高まり、トランザクション全体のリスクを大幅に減らすとともに、プレミアム(保険料
)やクーポン(利息)の支払いを下げることが可能になる。分析の効率性が向上すると、
信頼性も高まる。ブロックチェーンの評価が最大化すれば、全体的な基準も向上する。予
測モデリングは、リスクを軽減し、効率を向上させ、ブロックチェーンシステムへの信頼
を高めるための模擬ストレステストとして設計できるなど、意思決定プロセスに役立てる
ことができる。分析には、システムの主なプレーヤーの評価の管理や、データの並べ替え
も含まれる。こうした分析は、農家や家屋のオーナーなどの分散トランザクションの当事
者にとって重要なツールとなる。
支払いのネッティングの促進。 資金はエスクローや担保口座に集められ、トリガーされ
たパラメーターに基づいて支払われる。 複数の会社が保険に加入している場合は、ネッ
ティング方式で料金を徴収することができる。 このネッティングアプローチは、ブロッ
クチェーン内のスマートコントラクトを使用したり、ブロックチェーンにつながっている
エスクローや担保アプローチを必要に応じて使用して、自動化することも可能である。エ
スクロー、担保口座、ウォレットなどの用語は、コンテキスト(保険、保証、保証や財務
、投資、債務)と多少異なっているとしても、同じ意味で用いる。
PoW(プルーフオブワーク)とPoS(プルーフオブステーク)。PoW(プルーフオブワーク)
とPoS(プルーフオブステーク)はどちらもトークン化、デジタル通貨、あるいはプラッ
トフォームや取引所内で取引で考慮すべき事項となる。PoW(プルーフオブワーク)は、例
えば様々な適用を並行して行うか、軽減アプローチを使うかを検討したい場合に使用でき
る。PoS(プルーフオブステーク)は、例えば多額の投資が必要であり、その結果として
ステークが生じる場合に使用できる。
ブロックチェーンは、1つまたは複数のデジタルストレージデータベースがあり、1つま
たは複数のコンピュータモデルもしくは金融商品取引を格納することができる。このデジ
タルストレージデータベースはサーバー上に保持することができる。またクラウドコンピ
ューティングデータベース上に配置することもできる。ブロックチェーンは、非営利団体
、水域管理協会、独立政府科学機関、非政府機関などの機関が管理でき、スーパーコンピ
ューターやロボットによるセンサーやコンピューティングデバイスや、アウトプットの管
理が可能である。また開発銀行などによりバックストップや支払いの保証が可能である。
【0018】
本開示に関して様々な実施形態を説明し、また様々な機能を紹介してきた。本開示が様々
な方法で、また様々な機能を組み合わせて使用できることをご理解いただけるだろう。上
記の実施形態の様々な方法を組み合わせるだけでなく、その修正形も本発明の範囲に含ま
れると考えるべきである。本開示は、上記の実施形態に限定することを意図するものでは
なく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図するものである。 従っ
て、本開示は下の特許請求の範囲に含まれる同様の実施形態も含む。
本開示の好ましい実施形態は、図面に示している。図1は、パブリックまたはプライベー
トのマーケットプレースの概要を示したものである。ここでは保険、保証債、保証などの
形の金融商品を売買することができ、リターンやプレミアムを得ることができる。またこ
こでは投資家のシンジケートや保険会社のシンジケートがパフォーマンスベースのプロジ
ェクトやパラメトリック保険に投資したり、保険をかけたりできる。スマートコントラク
トには、インフラの保証、プロジェクトの実施やコーディナリティの保証、偶発的な支払
いや債権のリターンのために必須の入札を含めることができる。図1の矢印は、ブロック
チェーン全体またはコンピューター化された元帳に含まれるスマートコントラクトに関す
るトランザクション例を表したものである。 このコントラクトは、手作業または自動イ
ンプットによりトリガーされ、トランザクションやスコアリングアプローチを実行する。
これはあくまでも例示的なものであり、他の実施形態も可能である。このプロジェクトは
例示的なものであり、他の環境やエネルギープロジェクトも可能である。 機材も例示で
あり、他の実施形態も可能である。事業体はリストされている以外のグループにすること
可能である。これらのトランザクションやスコアは、必要に応じてトークン化することも
、PoW(プルーフオブワーク)やPoS(プルーフオブステーク)を使用してデジタル通貨に
変換することもできる(水や廃水処理、緩和や適応プロジェクトに関連するもの場合)。
従って、暗号資産のパズルを特代わりに、汚染物質の除去、水質の改善(つまり回復)、
削減などの作業の完了、もしくは洪水などの自然災害のリスクの軽減(レジリエンス)が
PoW(プルーフオブワーク)となる。デジタル上の台帳では、これらの削除、改善、リスク
削減(中央集権型および分散型、またはその組み合わせ)を表にして、収益を集計するこ
とができる。 別のアプローチとしては、そうした削除、改善、リスク削減のインセンテ
ィブを提供するものもある。ここでは、「早期に」達成すると、より多くのトークンやデ
ジタル通貨を受け取ることができる。 そうしたトークンの価値は、時間とともに上昇さ
せることもできる(株式や、債権や、投資信託と同様に)。このアプローチを使用すると
、スケジュールよりも早く回復やレジリエンスを達成するように、クリエイティブな手法
や、より速い手法を採用するようになる。
逆に損害が出た場合は、支払いの必要が生じるか、評価が落ちることになる。事業体や個
人間で、こうしたトークンを使って取引することも考えられる。その場合事業体や個人が
改善もしくはパフォーマンスを別の誰かと取引することができる。
環境、エネルギー、エンジニアリングインフラストラクチャ、自然システムの取引所プラ
ットフォーム(スタンドアロン、トラスト、SPVなど)は、少なくとも4つのコンポーネン
トで構成される。それは、取引エンジン、情報にアクセスするためのユーザーインターフ
ェース、トークン、資金または約束手形を管理するためのウォレットやエスクロー、そし
て顧客に情報を提供するためのバックエンドの管理パネルである。
取引エンジンは、注文を受けたり、売買注文の照合を行ったり、残高などの計算をしたり
、イベントの発生や確認に基づいてトランザクションを実行する。取引エンジンなしでは
トレードできないため、これは取引の核となるものである。理想的には、取引エンジンと
そのユーザーインターフェイスによって、ユーザーがアカウントの登録、アクセス、トー
クン、暗号資産や法定通貨の入金、維持、引き出し、現在の注文、過去の取引、残高、統
計、チャートおよびその他のモデルの表示ができるものである。 また注文や、投資や、
保険や、プレミアムの売買、サポートも本発明に含まれるとみなされる。
ユーザーインターフェースおよびコンピューターやスマートフォンからトレーダーが取引
所を見る方法(環境、またはエネルギー取引プラットフォームおよびデザイン)も、本発
明の鍵となる部分である
仮想資産アプローチでトークンまたは通貨を安全に保管される場所として担保口座、エス
クロー、ウォレットがある。エスクローおよびウォレットには、リスクを分散・管理する
ためのホットウォレットとコールドウォレット(アンチパイラシーコントロール付属)シ
ステムなどの複数のシステムが含まれる。 ホットウォレットを使用した場合、取引所の
運用者の承認(自動化されているもの)を必要とせずに、トリガーや外部ウォレットの必
要性に基づいてコインを即座に引き出すことができる。一方、コールドウォレットの場合
は、残ったコインやトークンを安全に保管する場所である。ホットウォレットがハッキン
グされた場合でも、コールドウォレットは完全にオフラインである。
管理パネルには、ソフトウェアの管理の他、ビジネスインテリジェンス、分析、モデル、
予測、その他のアドバイザリー・情報サービスが含まれる。また取引所の運用者が取引所
の管理する際にも使用される。このパネルの機能には、流動性の変更、取引所のソフトウ
ェアの管理、スプレッド、プット、コール、取引手数料の管理、ユーザーアカウントの管
理、KYC(顧客熟知義務)などのコンプライアンス要件の確認後、法定通貨のデポジット
や引き出した場合の管理が含まれる。さらに、法的な帰省や、企業もしくはSPA(訳者注:
株式譲渡契約書)に関する規制も実装することが重要である。また優れたセキュリティ
も必要になる。
図 1は、パブリックまたはプライベートのマーケットプレースの概要を示したものである
。ここでは保険、保証債、保証などの形の金融商品を売買することができ、リターンやプ
レミアムを得ることができる。またここでは投資家のシンジケートや保険会社のシンジケ
ートがパフォーマンスベースのプロジェクトやパラメトリック保険に投資したり、保険を
かけたりできる。スマートコントラクトには、インフラの保証、プロジェクトの実施やコ
ーディナリティの保証、偶発的な支払いや債権のリターンのために必須の入札を含めるこ
とができる。図1の矢印は、ブロックチェーン全体またはコンピューター化された元帳に
含まれるスマートコントラクトに関するトランザクション例を表したものである。 この
コントラクトは、手作業または自動インプットによりトリガーされ、トランザクションや
スコアリングアプローチを実行する。これはあくまでも例示的なものであり、他の実施形
態も可能である。このプロジェクトは例示的なものであり、他の環境やエネルギープロジ
ェクトも可能である。
図 2 は、トリガーと支払いを含んだスマートコントラクトを実装したトークン化または
非トークン化プラットフォームの実装例である。このプラットフォームでは、混合発行20
5、モニタリング(センサーや分析を使用) 235、条件付きの返済 265などが含まれる。
こうしたトランザクションまたはスコアには、トークン化または非トークン化投資オプシ
ョン 230(プラットフォーム内で処理される投資メニュー)や、ブロックチェーンまたは
中央集権化のシステムの使用や、デジタル通貨への転換が含まれる。混合発行アプローチ
205では、銀行210は投資オプション230のリクエストにより債権を発行する。また単一ま
たは複数の投資家220は、様々なクーポンレート、満期、トリガーオプション215のある復
旧債、レジリエンスボンドなどを含むトークン化または非トークン化投資オプション(こ
れに限定しない)などの債権から選択する。モニタリングアプローチ 235 では、銀行と
単一または複数の投資家はローンの支払い(証書など) 240 を発行する。これはスマー
トコントラクトで管理され、そのスマートコントラクトは条件 255 を満たした場合のみ
、銀行や規制当局へのアラートのトリガー 260 を作動させて、ひとつまたはそれ以上の
オプション 245 をベースにしてタスクの完了を承認する。これらのトランザクションや
スコアは、必要に応じてトークン化することも、PoW(プルーフオブワーク)やPoS(プル
ーフオブステーク)を使用してデジタル通貨に変換することもできる(水や廃水処理、緩
和や適応プロジェクトに関連するもの場合)。従って、暗号資産のパズルを解く代わりに
、汚染物質の除去、水質の改善(つまり回復)、削減などの作業の完了、もしくは洪水な
どの自然災害のリスクの軽減(レジリエンス)がPoW(プルーフオブワーク)となる。デジ
タル上の台帳では、これらの削除、改善、リスク削減(中央集権型および分散型、または
その組み合わせ)を表にして、収益を集計することができる。 別のアプローチとしては
、そうした削除、改善、リスク削減のインセンティブを提供するものもある。ここでは、
「早期に」達成すると、より多くのトークンやデジタル通貨を受け取ることができる。
そうしたトークンの価値は、時間とともに上昇させることもできる(株式や、債権や、投
資信託と同様に)。このアプローチを使用すると、スケジュールよりも早く回復やレジリ
エンスを達成するように、クリエイティブな手法や、より速い手法を採用するようになる
。逆に損害が出た場合は、支払いの必要が生じるか、評価が落ちることになる。事業体や
個人間で、こうしたトークンを使って取引することも考えられる。その場合事業体や個人
が改善もしくはパフォーマンスを別の誰かと取引することができる。この図における返済
の発生は、トークンを法定通貨に変換することが含まれる。非トークン化アプローチでは
トランザクションは法定通貨で行われ、汚染原因の復旧、緩和、適応への支払い、手数料
の支払いも行われる。どちらの例でも、スマートコントラクト、センサー、分析を使用す
ることは、モニタリングやトランザクションの実施において非常に重要な点である。スマ
ートコントラクトがトリガーされる前に、エスクロー、ウォレット、担保口座を使ってそ
うした支払いを集めることができる。
図 3は、プロジェクトや、水域の回復、管理、災害イベントの緩和(レジリエンス)アプ
ローチが特別目的会社の一部となりうることを示したものである。対応、緩和、回復に関
連する特別目的会社(SPV)は、不動産のSPVなど、他のSPVとの統合や提携、関連性の保
持が可能である。 したがって、SPVに関連した不動産の評価価格の向上はトークンの評価
の向上や、環境改善に関連したトークン数の増加につながる。その他の関連のSPVでも可
能である。これにより開発(観光促進、資産価値増加、健康改善、プレミアム(保険料)
の削減など)を復旧や、レジリエンスや、環境改善に直接結びつけることが可能である。
想定される方法、装置、システムは、こうしたすべての問題、アプローチ、トランザクシ
ョンを処理もしくは実現することが可能である。この規制には、たとえば調達機能、許可
機能、仕様、保証、履行義務(運用または保守を含む)などが含まれる。また、優先順位
をベースにしたアプローチにより、ガバナンスの管理や迅速な判断を行うことも可能であ
る。モジュール型のプラットフォームも使用できる。ここにはKYC(顧客熟知義務)機能、
投資家や保険の取引所、インフラ管理に関する復旧およびレジリエンス、デジタル水域、
土地、エネルギー流域、土壌、さらに受益者や汚染者が返済に使用しうるTIF、観光、地
価上昇課税、REIT、不動産ファンド、医療費や保険料の節約などが含まれる。
図 4 は、SPVのガバナンスを示したものである。ここではSPVの参加者、従業員、取締役
、デジタルに関する法、規制、コントラクト、水域や流域全般のガバナンスに関わる自動
または手動の(投票)システムが含まれる。
図 5 は、保証や保険のプレミアムをまとめた新しいタイプのものを(単一もしくはシン
ジケートにより)作成したものを示したものである。この場合保証(洪水を防ぐ壁など)
を組み合わせたり、様々なタイプの保険や逆保険(壁の保護や、その逆に水が溢れること
など)を組み合わせて一つの保証保険を作成したり、新しく「保証保険ボンド」や「保証
保険プレミアム」を作り出すこともできる。壁のコストは「全資産の生命保険」アプロー
チに含めることができる。ここでは一定のイベントをベースにした支払いが行われると、
それが当事者の間に分配される(投資家や発行者、もしくは投資家と保険会社など)。そ
れ以外の例(洪水が堤防を越える)についても、急激なもの(火災や洪水)や時間のかか
るもの(汚染など)に対して緩和や適応が可能である。政策的なインセンティブもリスク
軽減を促進する規制や法律により実現が可能である。こうしたアプローチはすべてスマー
トコントラクトを使用したブロックチェーンもしくは中央集権型のプラットフォームで実
現が可能である。(前述の通り)複数の保険や補償をまとめて、分散したリスクやパフォー
マンスの義務を果たすことにより、システムベースの最終目標を確実に達成することもで
きる。これは特別目的会社もしくはより大きな事業体で開発することができる。当事者や
保険会社が複数存在したり、利害が対立する場合はこうしたリスクを分解することも可能
である。
図 6 は、水質の指標とともに復旧とレジリエンシーパラメーターをベースにしたトーク
ン化の例を示した概要図である。この例では、汚染物質や水質のパラメータに重みを付け
ることにより、汚染物質やパラメータの相対的な重要性を増減させることができる。こう
した汚染物質やパラメータは、トークン化(生成した量)またはその評価(品質の向上ま
たは利益(収益や観光なら))になる。
図 7 は、汚染物質の優先順位付の例を示したものである。汚染物質の処理や、その処理
のパフォーマンスはコーディナリティの対象になる。(汚染の原因となる)産業やその浄
化に関連する富やの税の増収も、将来のコンディショナリティの対象となりうる。汚染の
原因は、故障した浄化槽の所有者などの個人や、肥料過多や農地を燃やす農業関係者、そ
して小さな皮なめし工場や大きな製薬会社などの企業、さらに下水管理を行う公益事業者
が含まれうる。債券や、金融商品や、トークンの発行者が、汚染によって生じた損害に対
する財政的・保険的アプローチを開発し、損害を軽減するパフォーマンスコーディナリテ
ィや保証を開発する場合には、汚染の原因となる者がスポンサーや投資家になる機会もあ
る 。こうしたコンディショナリティは、汚染のプレミアム(保険料)を下げることにつ
ながり、汚染に対処するためのインセンティブコンディショナリティを作ることになる。
こうした好ましいパフォーマンスがコミュニティに経済的利益(健康、資産価値、観光の
促進)を生めば、その利益を「パフォーマンスに対する支払い」にとして回収することが
可能である。これ以外の汚染防止のアプローチも可能である。最初から汚染物質の生成を
抑えて「希少性」を生み出したり、逆に「豊富にある状態」を概念化して気候変動を徐々
に悪化することも可能である。こうした希少性や豊富さ、そしてそれに対する対処方法は
、トークン化することができる。別の例では、初期の汚染物質の除去は、後期の汚染物質
の除去に比べて労力、費用共に容易な場合があり、この場合マイニングにかかる費用は同
じトークンの報酬になるものの、トークンを保持するコストは時間とともに変化させるこ
とができる。例えば初期の除去作業はトークンを取得するための作業と費用を抑えながら
、より多くの汚染物質を除去できることも可能である。ヒストリアンなどのロギングシス
テムでは、そうしたイベント(加えて、関連するフロー、負荷、汚染)を合算して、トリ
ガーとその結果の支払いを長期間にわたって分散させることができる。
図 8 は、概要を示したものである。トークンの評価(バリュエーション)がトークンの
希少性や、時間の経過や汚染の除去により増減する受益者の収益により、どのように影響
を受けるのかを示している。
図 9 は、ブロックチェーンのスマートコントラクトに基づき、トークンを送るために必
要なステップをしめしている。トークンはブロックチェーンネットワークに公開され、
次にトークンにコントラクトのアドレスが割り当てられる。仮にそのトークンのアドレス
が承認されると、コントラクトが受取人にトークンを送る。これがトークントランザクシ
ョンの基本である。トークン化の実施例は、汚染物質の負荷(図6など)または災害(洪
水、干魃、火事、地震など)、もしくはそのような汚染への対応(防止策や処理や管理な
ど)や災害の緩和や対応(洪水、干魃、火事、地震などに対する適切なインフラの構築な
ど)に対してトークンが生成される場合である。この時、PoW(プルーフオブワーク)やPo
S(プルーフオブステーク)により(突発的または慢性の災害や汚染への対処が)承認さ
れ、またはモニタリングや分析により承認される結果、トークンが受取人(災害対処の当
事者または代理人)に送信される。こうしたトークンのバリュエーション(評価)は、そ
うした軽減や対処に基づいて行われる。ここには、例えば、土地などの不動産の価値、観
光、健康促進などが含まれる。さらにトークンのバリュエーション(評価)は、災害に関
する費用(嵐や洪水などで被害を受けた地域の広さや、干魃による水の消費や、火事や地
震のリスクの増加に関わる費用)や、汚染の排出による費用(雨水や排水の費用)を元に
して行われる。
図 10は、典型的なデーターベース構造の例示的なフローチャートである。ここでは標準
的なインターネットアーキテクチャーがあり、自動のトリガーインプットシステム1024、
インターネット 1022、モデム 1026, 1020、その他の通信チャネルにつながっているサー
バー1000がある。サーバー1000は、自動のトリガーインプットシステム1024や、インター
ネットやイントラネットのブラウザ 1030 、またはRAMメモリ 1028 に搭載されているソ
フトウェアを通じてアクセスできる。このRAMメモリのソフトウェアはサーバー1000から
情報をダウンロードして表示することができる。サーバーシステム 1000 は、サーバーソ
フトウェア1014を実行する。ここには自動トリガー入力センサーシステム 1024 、資金調
達データベース 1002 と関連して実行される本開示の条件付き支払いシステム 1016が含
まれる。データーベース 1002は、ユーザーにより実施された支払い情報が含まれる。条
件付き支払いソフトウェア 1016 は、場合により、データベース 1002に対する更新につ
いて、任意のユーザーに通知することができる。サーバー 1000 と自動トリガー入力セン
サシステム 1024 は、それぞれハードディスク 1006、1034 などの記憶装置、オペレーテ
ィングシステム 1018, 1032、
RAM 1012, 1028、そしてそれらを動かすCPU1004、 1040が搭載されている。サーバースト
レージデバイス 1006 は、プログラムファイル 1008 や、オペレーティングシステム1010
を格納する。同様に、ユーザストレージデバイス 1034 は、インターネットやイントラネ
ットのブラウザソフトウェア 1036 やオペレーティングシステム1038を格納する。 金融
処理システムインターフェース 1042 は、ユーザーが自動トリガー入力センサーシステム
1024を使用したコンピューターからアクセスできる。ここでデータの送受信はトリガー検
知センサーや、災害(イベント)検知センサーなどを含むがこれに限らない。例えば、一
つ以上の既定のトリガーで、復旧が閾値に達したこと検知するものもあれば、災害(イベ
ント)のレベルを満たしたことを検知して、データをデータベースや装置に送信してトリ
ガーを発動するものもある。この送受信する装置に集められた情報を元に、支払いの可否
、支払いの調整などの決定が行われる。
ここでは受益者の負担について繰り返し説明を行った。これらの負担に対する新規性と創
造性は、きれいな空気ときれいな水、そして低コストのエネルギーへのアクセスという環
境分野の持続可能な開発目標を達成するために重要である。汚染の発生者や災害イベント
に対する支払いは、ほとんどの場合プロジェクトを運営するのに十分ではない。我々の目
標は、エネルギー、環境、自然災害の解決に向けたプロジェクトにおいて、受益者の負担
を全体20%以上、できれば半分以上にすることである。
本開示は、こうした問題をどのようにして乗り越えるのかを同分野の技術者に伝えること
により、技術の促進を図ることにある。本開示の例示的な実施形態は、「エコブロックチ
ェーン」システムと呼ばれる水またはエネルギーに対する融資のブロックチェーンシステ
ムに関するものである。ここには、保険のクレームの処理、決済システム、債権、株式、
ファンド、年金、ハイブリット年金、その他の金融処理システムが含まれる。ある実施形
態では、エコブロックチェーン システムには以下のものを含むものがある。スポンサー
、発行者、保険会社、利害関係者。この時利害関係者には、農家、住人、(汚染の)排出
者、個人や政府、または非政府組織、ビジネスや規制当事者、サードパーティーが含まれ
る。本開示が想定する実施形態には以下を含むが、これに限るものではない。
【0019】
保険、または保証、またはパフォーマンスのクレームの処理、決済システム、または特別
目的会社、もしくは1つ以上のセンサーを含むモジュール化が可能な金融投資、債券、株
式、資金、年金、ハイブリッド年金を含む金融取引システムで、 次の2つ以上含むもの。
1人以上のスポンサー、1社以上の保険会社、1人以上の投資家、1人以上の発行者、1人以
上の建設業者、1社以上の請負業者、農民、住人、排出者、個人、政府および非政府機関
、企業、規制当局、その他 サードパーティ。
環境、エネルギー、インフラ、自然システムに関連する保険、パフォーマンス保証、もし
くは保障が、条件付きもしくは一時的な支払いが行われるもの。
および
プレミアム(保険料)、保障、パフォーマンス保証、クーポン、トークンまたは支払いが
、2つかそれ以上のスポンサー間、保険会社間、投資家間、建築事業者間、請負業社間、
一人もしくは複数の農家、住人、排出者、個人、政府または非政府機関、営利企業、規制
担当者の間で、ひとつまたは複数のパフォーマンスまたは保証の状態、もしくは規定の条
件の階層、もしくはパラメーターの使用、もしくはイベントに基づくもの
および
上記のクレーム状態や条件やパフォーマンス、または保障の条件またはパラメーターもし
くはイベントが、データまたは分析によってトリガーされ、汚染者または受益者からの資
金、手数料、課徴金、利子、株式またはトークンにより支払いが生まれるもの。
または
共有のデータベースがすべての関係者にとって透明であるもの。
または
前述のクレームの状態、条件、もしくはパフォーマンスや保証の条件、またはパラメータ
ーやイベントをスマートコントラクトを使用して自動的に処理するもの。
または
支払いのネッティングに使われるエスクロー、ウォレット、担保口座。
または
顧客熟知義務の評価インターフェイスがそのような処理をサポートするもの。
【0020】
または
すべてのトランザクションと変更が、永続的で不可逆のデータベースに記録されるもの
または
メッセージプロトコルがデータベースに実装され、リアルタイムの処理や表示を行うもの
次の少なくとも2つ以上の当事者で構成されるブロックチェーンマーケットプレイスまた
は取引所システム:スポンサー、保険会社または保険会社のシンジケート、投資家または
投資家のシンジケート、発行者、建築事業者、請負業社、農家、住人、排出者、個人、政
府または非政府機関、営利企業、規制担当者、またはサードパーティーで、
環境またはエネルギーに関連する保証、またはパフォーマンス、または保険が処理され、
または金融投資関する債権、株式、年金、ハイブリッド年金などの金融商品が直接処理さ
れ、または信託もしくは特別目的会社またはモジュールアプローチの事業体を通じて処理
されるもの。
および
スポンサーが保険の必要性をもち、またはそれを求めており、発行者が条件付きでこの必
要性または要求を引き受けるか、または引き受けるために競争するもの。またはスポンサ
ーが環境またはエネルギープロジェクトの建設の必要性を有し、またはそれを求めている
もの。
および
保険会社、再保険会社、または複数の保険会社、または複数の再保険会社は、単一または
複数トランザクションで保険に投資または保険を売却することができ、さらに投資家、建
設業者、請負業者、企業、個人が、単一または複数トランザクションで当該プロジェクト
に投資または売却することができるもの。
および
受益者が、保険料、クーポンの形で、または特別目的事業体や、信託や、手数料、課徴金
、利子、収入、株式から得られた資金を直接使用して、支払いまたは返済を行うもの。
または
共有のデータベースがすべての関係者にとって透明であるもの。
または
投資家や投資家のシンジケート、または保険会社や保険会社のシンジケート、またはクラ
ウドソーシングなどを通じて建設業者、請負業者、企業、個人に対する上記の取引、投資
、クーポンまたはプレミアムを自動的に処理するためにスマートコントラクトを使用する
もの。
または
すべてのトランザクションと変更が、永続的で不可逆のデータベースに記録されるもの。
【0021】
または
メッセージプロトコルがデータベースに実装され、リアルタイムの処理や表示を行うもの
1のシステムで、
環境が、水量、水質、または関連するインフラストラクチャを指すもの、また、 大気の
量や質、または関連するインフラストラクチャをさすもの、また 土壌の質、土砂崩れ、
地震、火災、または関連するインフラストラクチャを指すもの。
または
エネルギーが、太陽光、風力、水力発電、原子力、天然ガス、石炭など、グリッドインフ
ラストラクチャやエネルギー生成インフラストラクチャの一部であるもの。
1のシステムで、前述のトランザクションが以下を含むもの:
パフォーマンス保証、突発的または条件付きの商品、
または
保証、保証債、災害債、パラメトリック保険、補償保険、モデル化された損害保険、レジ
リエンス債を含む保証や保険。
または
条件付転換社債、債券、株式、エクイティまたは負債に関する商品、および復興債、
または
増税融資、地価上昇課税、不動産ファンドや信託やSPV、旅行または観光料金もしくは会
費、住宅ローン債、復興債、パフォーマンスボンド、ハイブリッド年金または銀行保証を
含む返済。
または
汚染者の費用と地方自治体や企業の排出費用、および雨水に関する費用。
1のシステムで、前述のデータが、テキスト、数字、単一のメディア、マルチメディア、
英数字、写真、ビデオの形式であり、音声、視覚、振動、接触または化学的もしくは熱検
知で感知できるもの:
分水界
水域
土地や土壌
または
エナジーシェード
1のシステムで、保証の対象が以下のもの
グレーまたはグリーンインフラアセットタイプのプロジェクト
または
貯水池、地下水、堤防、ダム、堤防壁のパフォーマンス、および堤防、ダム、堤防壁の保
守運用のパフォーマンス
または
汚染管理のインフラで、 処理プラントの建設パフォーマンス、処理プラントの運用パフ
ォーマンス、ダムのパフォーマンス、防火パフォーマンス、地震保護インフラのパフォー
マンスを含むもの。
または
エネルギーグリッドのパフォーマンス、またはエネルギー生成プロジェクトのパフォーマ
ンス。
1のシステムで、分水界、流域、土壌環境の改善または危険低減のパフォーマンス目標が
達成されるもの。
2のシステムで、パフォーマンスやリスクがグリッドまたはノードで分散することができ
るもの。ここではそうしたリスクやパフォーマンスは、重み付けや、集約や、優先順位付
けや、評価、またはトークン化することができる。
1のシステムで、危険イベントに関連する保険リスクを低減させることができ、債権のよ
うな商品で取引することができ、その結果、以下の組み合わせによりスポンサーの保護や
支払いにつながるもの。
災害の緩和や適応に関するインフラの保証や保険で、完全な災害コストの半分もしくは3
分の1以下のコストであるもの。
および
追加の保険商品やその組み合わせで、パフォーマンス債または後遺障害保険の払い戻しを
含むもの。ここでは逆保険の価値は、完全な保険の価値の半分もしくは3分の1以下のコ
ストであるもの
1のシステムで、保険のリスクが保険商品を使うことにより調整もしくは取引することが
でき、その結果、費用を節約できたり、評価により支払いが増加するもの。
1のシステムで、一つ以上の前述のセンサーが、衛星や、ドローンや、ブイ、もしくは水
上の車両に取り付けられているもの。
2 のシステムで、以下から構成されるもの:
環境が、水量、水質、または関連するインフラストラクチャを指すもの、また、 大気の
量や質、または関連するインフラストラクチャをさすもの、また 土壌の質、土砂崩れ、
地震、火災、または関連するインフラストラクチャを指すもの。
または
エネルギーが、太陽光、風力、水力発電、原子力、天然ガス、石炭など、グリッドインフ
ラストラクチャやエネルギー生成インフラストラクチャの一部であるもの。
【0022】
2のシステムで、トランザクションが以下を含むもの
パフォーマンス保証、突発的または条件付きの商品、
保証、保証債、災害債、パラメトリック保険、補償保険、モデル化された損害保険、レジ
リエンス債を含む保証や保険。
条件付転換社債、債券、株式、エクイティまたは負債に関する商品、および復興債、
増税融資、地価上昇課税、不動産ファンドや信託やSPV、旅行または観光料金もしくは会
費、住宅ローン債、復興債、パフォーマンスボンド、ハイブリッド年金または銀行保証を
含む返済。
または
汚染者の費用と地方自治体や企業の排出費用、および雨水に関する費用。
2のシステムで、前述のデータが、テキスト、数字、単一のメディア、マルチメディア、
英数字、写真、ビデオの形式であり、音声、視覚、振動、接触または化学的もしくは熱検
知で感知できるもの:
2のシステムで、保証の対象が以下を含むもの:
グレーまたはグリーンインフラアセットタイプのプロジェクト
貯水池、地下水、堤防、ダム、堤防壁のパフォーマンス、および堤防、ダム、堤防壁の保
守運用のパフォーマンス
汚染管理のインフラで、 処理プラントの建設パフォーマンス、処理プラントの運用パフ
ォーマンス、ダムのパフォーマンス、防火パフォーマンス、地震保護インフラのパフォー
マンスを含むもの。
または
エネルギーグリッドのパフォーマンス、またはエネルギー生成プロジェクトのパフォーマ
ンス。
2のシステムで、 分水界、流域、土壌環境の改善または危険低減のパフォーマンス目標が
達成されるもの。
2の装置で、災害イベントの発生を検知する一つまたはそれ以上のセンサーを備えている
もの。またその発生を検知すると、データを一つまたはそれ以上のコンピューター装置に
転送するもの。
17のセンサーが、衛星や、ドローンや、ブイ、もしくは水上の車両に取り付けられている
もの。
1のシステムで、システムのパフォーマンスが、河川流域や、大規模な分水界や流域、土
壌システムと同等の広さであり、それを小さなスケールのパフォーマンスや保証に分解す
ることができるもの。
分水界や水域や自然災害を含む環境システムに関連するインフラ構築、またはグリーンイ
ンフラ、グレーインフラを使った財政的な負担の緩和や適応のためのブロックチェーンマ
ーケットプレースの取引所システムで、次のうち一つ以上を含むもの。
軽減や適応の条件を満たすことを条件にしたトークン化されたスマートコントラクトであ
り、相対的、または絶対的な災害の危険や汚染に対応してトークンの価値や量が増減する
もので、その災害や汚染の緩和に対応する支払いがあるもの。またはそうした災害や汚染
の優先順位付けや重みによりトークンの価値や量が増減するもので、災害などへの適用や
軽減を行った当事者にトークンを転送できるもので、受け取った者がそのトークンを取引
できるもの。
【0023】
前述の災害の危険性や汚染の減少により保険費用が減少することから生まれる受益者への
支払いまたはインセンティブ、手数料、税金、課徴金に関連するもの。もしくは土地や不
動産の値上がり、観光や健康の価値上昇から生まれる利益を法定通貨を直接転送すること
。または、
関連する災害の危険や汚染者の費用。ここには災害や汚染を拡大させることに関する費用
や課徴金が含まれる。
本発明は、上記で説明し、図面に示した構造、方法、手段に限定されるものではない。本
発明は、以下に記載される特許請求の範囲によって定義されるものである。以下の事項に
ついて、米国特許によって保護されると主張し、かつそのように望むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】