IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オラノ・デエス−デマンテレメ・エ・セルヴィスの特許一覧

特表2022-538439捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール
<>
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図1
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図2
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図3
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図4
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図5A
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図5B
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図5C
  • 特表-捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール 図5D
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】捕獲ヘッドおよびカップを含む、固体エレメントを回収するための、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/26 20060101AFI20220826BHJP
   G21F 9/28 20060101ALI20220826BHJP
   G21C 19/02 20060101ALI20220826BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
G21C19/26
G21F9/28 511A
G21C19/02 020
G21C19/02 080
B25J15/08 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577597
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 FR2020051142
(87)【国際公開番号】W WO2021001624
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】1907380
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453320
【氏名又は名称】オラノ・デエス-デマンテレメ・エ・セルヴィス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・エスコフィエ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・カシヴラ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ブザ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS27
3C707DS01
3C707ES11
3C707EV12
(57)【要約】
本発明は、固体エレメント、とりわけ、放射性物質を回収するための回収ツール(7)に関する。回収ツール(7)は、シャーシー(70)と、捕獲ヘッド(30)と、少なくとも1つのカップ(84)とを含む。捕獲ヘッド(30)は、後退位置と展開位置との間でシャーシー(70)に対して移動可能である。後退位置では、捕獲ヘッド(30)が、回収ツール(7)のチャンバー(75)の中に収容されている。展開位置では、捕獲ヘッド(30)は、固体エレメントを捕獲することができる。カップ(84)は、開位置と閉位置との間でシャーシー(70)に対して移動可能である。開位置では、カップ(84)は、捕獲ヘッド(30)が展開されることを可能にする。カップ(84)の閉位置では、カップ(84)は、捕獲ヘッド(30)が後退位置にある状態で、固体エレメントがチャンバー(75)の中に保たれることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための回収ツール(7)であって、前記回収ツール(7)は、
シャーシー(70)と、
捕獲ヘッド(30)であって、前記捕獲ヘッド(30)は、後退位置と伸長位置との間で、前記シャーシー(70)に対して移動可能であり、前記後退位置では、前記捕獲ヘッド(30)は、前記回収ツール(7)のエンクロージャー(75)の内側に収容されており、前記伸長位置は、前記固体エレメント(2)を捕獲するためのものである、捕獲ヘッド(30)と、
少なくとも1つのバケット(84)であって、前記少なくとも1つのバケット(84)は、開放位置と閉鎖位置との間で、前記シャーシー(70)に対して移動可能であり、前記捕獲ヘッド(30)は、前記バケット(84)が前記開放位置にあるときに、伸長位置にあり、前記バケット(84)は、前記捕獲ヘッド(30)が前記伸長位置にあるときに、開放位置にある、少なくとも1つのバケット(84)と
を含み、
前記バケット(84)が前記閉鎖位置にあるときに、前記捕獲ヘッド(30)は、前記後退位置にあり、前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保ち、前記捕獲ヘッド(30)が前記後退位置にあるときに、前記バケット(84)は、前記閉鎖位置にあり、
前記捕獲ヘッド(30)は、流体によって膨張可能なクッション(32)を含み、前記捕獲ヘッド(30)は、流体を抜いて前記クッション(32)を少なくとも部分的に空にすることによる吸引によって少なくとも部分的に、前記シャーシー(70)に対して固体部材(2)を保つように構成されている、回収ツール(7)。
【請求項2】
前記移動可能なバケット(84)は、第1のバケット(84)であり、
前記回収ツール(7)は、第2のバケット(84)を含み、前記第2のバケット(84)は、前記捕獲ヘッド(30)を伸長させるための開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記閉鎖位置では、前記捕獲ヘッド(30)は、後退位置にあり、前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保ち、
前記第2のバケット(84)は、好ましくは、前記第1のバケット(84)と構造が実質的に同一になっており、
前記第2のバケット(84)は、非常に好ましくは、前記バケット(84)を開くおよび/または閉じるときに、前記捕獲ヘッド(30)を通過する対称平面に関して、前記第1のバケット(84)の位置に対称的な位置を有するように構成されている、請求項1に記載の回収ツール(7)。
【請求項3】
前記捕獲ヘッド(30)が前記後退位置にあるときに、前記固体エレメント(2)がこのバケット(84)に衝突するときに、特に、前記捕獲ヘッド(30)による前記固体エレメント(2)のための保持の事故的な喪失に起因して前記固体エレメント(2)が落下する場合に、それぞれのバケット(84)は、前記閉鎖位置に留まるように構成されている、請求項1または2に記載の回収ツール(7)。
【請求項4】
それぞれのバケット(84)は、その開放位置とその閉鎖位置との間で、前記シャーシー(70)に対して回転可能に移動可能であり、
それぞれのバケット(84)は、好ましくは、それがその開放位置からその閉鎖位置へ移動させられるときに、前記シャーシー(70)に対して回転可能に移動可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項5】
それぞれのバケット(84)は、前記回収ツール(7)の可動本体部(80)に移動可能に接続されているアーム(82)とリジッドに一体になっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項6】
前記回収ツール(7)は、弾性的なリターン部材(91)を含み、前記弾性的なリターン部材(91)は、前記捕獲ヘッド(30)を前記後退位置に向けて弾性的に付勢するように構成されており、
前記弾性的なリターン部材(91)は、好ましくは、テンションスプリングを含み、前記テンションスプリングは、非常に好ましくは、コイルスプリングである、請求項1から5のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項7】
前記シャーシー(70)は、好ましくは、ケーシング(71)を含み、前記回収ツール(7)は、可動本体部(80)を含み、前記可動本体部(80)は、前記捕獲ヘッド(30)とは別個になっており、前記可動本体部(80)は、前記シャーシー(70)に対して並進方向に移動可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項8】
前記可動本体部(80)は、マウント(83)と、前記マウント(83)からそれぞれ突き出ている少なくとも2つの脚部(85)とを含み、
それぞれの脚部(85)は、バケット(84)のアーム(82)に機械的に係合しており、非常に好ましくは、ラック(22)および歯付きホイール(24)を機械的に係合させることによって、前記シャーシー(70)に対してこのバケット(84)を移動させるように構成されている、請求項5に従属する請求項7に記載の回収ツール(7)。
【請求項9】
前記回収ツール(7)は、ガイドデバイス(44)を含み、前記ガイドデバイス(44)は、好ましくは、前記シャーシー(70)に対して前記可動本体部(80)を並進方向にガイドするためのものであり、
前記ガイドデバイス(44)は、好ましくは、溝部(45)を含み、前記溝部(45)は、前記溝部(45)の中に収容されているピン(47)に機械的に係合するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項10】
前記回収ツール(7)は、前記後退位置と前記伸長位置との間で前記シャーシー(70)に対して前記捕獲ヘッド(30)を移動させるためのリニアアクチュエーター(90)を含み、
前記リニアアクチュエーター(90)は、好ましくは、シリンダーを含み、前記リニアアクチュエーター(90)は、好ましくは、空気圧式のアクチュエーターを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項11】
前記回収ツール(7)は、インフレーター(96)を含み、前記インフレーター(96)は、流体によって少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を充填することによって前記捕獲ヘッド(30)を膨張させるために、および/または、流体を抜いて少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を空にすることによって前記捕獲ヘッド(30)を収縮させるために、前記捕獲ヘッド(30)に流体接続されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項12】
前記クッション(32)は、シリコーンまたはラテックスなどのような、エラストマーを含む材料から作製されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項13】
前記捕獲ヘッド(30)は、好ましくは、ねじ込むことによって、前記シャーシー(70)に対して除去可能に接続されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項14】
固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための回収装置(1)であって、前記回収装置(1)は、請求項1から13のいずれか一項に記載の回収ツール(7)を含み、
前記回収装置(1)は、前記回収ツール(7)を制御するための制御システム(4)、および/または、前記回収ツール(7)を保持するための保持部材(40)をさらに含む、回収装置(1)。
【請求項15】
前記回収装置(1)は、前記回収ツール(7)による前記固体エレメント(2)の回収をモニタリングするための回収モニタリングデバイス(10)を含み、
前記回収モニタリングデバイス(10)は、好ましくは、イメージキャプチャーデバイスを含み、前記イメージキャプチャーデバイスは、非常に好ましくは、少なくとも前記バケット(84)が前記閉鎖位置にあるときに、前記エンクロージャー(75)の内側に収容されている、請求項14に記載の回収装置(1)。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の回収ツール(7)、または、請求項14もしくは15に記載の回収装置(1)によって、固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための方法であって、
前記方法は、前記固体エレメント(2)を捕獲するステップ(110)を含み、それは、前記捕獲ヘッド(30)を減圧し(109)、前記捕獲ヘッド(30)に対して前記固体エレメント(2)を保つステップと、前記捕獲ヘッド(30)をその伸長位置からその後退位置へ移動させるステップと、前記少なくとも1つのバケット(84)を閉じ、前記回収ツール(7)の前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保つステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記回収方法は、前記少なくとも1つのバケット(84)を開くステップ(103)と、特に、前記固体エレメント(2)に面するように、前記捕獲ヘッド(30)を伸長させるステップと、好ましくは、前記固体エレメント(2)を捕獲する前記ステップ(110)の前に、流体によって少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を充填することによって前記捕獲ヘッド(30)を膨張させるステップ(104)とを含む、請求項16に記載の回収方法。
【請求項18】
前記捕獲ステップ(110)は、前記固体エレメント(2)の上に前記捕獲ヘッド(30)を押し付けるステップと、好ましくは、流体を抜いて少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を空にすることによって、前記捕獲ヘッド(30)を減圧するステップ(109)とを含む、請求項16または17に記載の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体エレメントを回収するためのツールに関し、固体エレメントは、人にとって直接的にアクセス可能でなく、従来の把持手段によって把持することが困難であり、回収後にその「失われにくさ(unlosability)」が保証され得る。それは、特に、密度の高いおよび/または放射性の固体エレメント、たとえば、コリウムの破片などに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
核環境での動作、解体、または衛生プロジェクトの文脈において、さまざまなサイズ、密度、および質量を有する高い放射性のエレメントまたは物質(たとえば、コリウムの破片など)を捕獲して放射線学的に隔離することが必要であることがある。
【0003】
そのような固体エレメントまたは放射性物質の捕獲は、人間のオペレーターの放射線被爆、回収ツールの質量および全体的なサイズを制限しようとしながら、人間によってアクセス不可能なまたはアクセスすることが困難なゾーンの中で実施される可能性が高い。固体エレメントまたは放射性物質の捕獲および隔離は、これらの制限を所与として実施するには困難である。
【0004】
固体エレメントの幾何学形状または表面条件に起因して、トングまたは吸引バケットなどのような、先行技術ツールを使用して把持することは困難である。そのうえ、捕獲されると、固体エレメントは、後続の動作(たとえば、測定または分析デバイスへの輸送など)の間に落下したりまたは失われたりしてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術の解決策において遭遇する問題を少なくとも部分的に解決することを目的としている。
【0006】
この点において、本発明の1つの目的は、固体エレメント(特に、放射性物質)を回収するためのツールである。回収ツールは、シャーシーと、捕獲ヘッドと、少なくとも1つのバケットとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
捕獲ヘッドは、後退位置と伸長位置との間で、シャーシーに対して移動可能であり、固体エレメントを捕獲する。後退位置では、捕獲ヘッドは、回収ツールのエンクロージャーの内側に収容されている。
【0008】
バケットは、開放位置と閉鎖位置との間で、シャーシーに対して移動可能である。開放位置では、捕獲ヘッドは、伸長させられている。捕獲ヘッドの伸長位置では、バケットは、開放位置にある。
【0009】
閉鎖位置では、捕獲ヘッドは、後退位置にあり、エンクロージャーの内側に固体エレメントを保つ。捕獲ヘッドの後退位置では、バケットは、閉鎖位置にある。
【0010】
捕獲ヘッドは、流体膨張可能なクッションを含む。捕獲ヘッドは、特に、捕獲ヘッドが伸長位置にあるときに、膨張可能なクッションから流体を抜くことによる吸引によって少なくとも部分的に、シャーシーに対して固体エレメントを保つように構成されている。
【0011】
本発明による回収ツールによって、放射線からオペレーターを保護しながら、固体エレメント(特に、コリウムの破片などのような放射性物質)を捕獲し、回収ツールの内側に固体エレメントを保つことが可能である。捕獲ヘッドの中に生成される窪みは、固体エレメントがより効果的に捕獲されることを可能にする。回収ツールは、比較的に重くなく、全体的なサイズが小さい。それは、汚染除去性があり、信頼性が高く、使用しやすい。それは、特に、遠隔操作によって、遠隔から制御され得る。
【0012】
捕獲ヘッドは、クッションに起因して、より効果的に固体エレメントを捕獲することができる。クッションは、固体エレメントを損傷することなく、その形状に適合することによって、固体エレメントを捕獲するために変形可能である。膨張可能なクッションは、流体の少なくともいくらかを膨張可能なクッションの中へ吸引することによって、固体エレメントがさらにより効果的に捕獲されることを可能にする。
【0013】
本発明は、随意的に、以下の特質のうちの1つまたは複数を、互いに組み合わせて、または、単独で含むことが可能である。
【0014】
とりわけ、エンクロージャーは、閉鎖位置にあるバケットによって少なくとも部分的に閉じられる。とりわけ、クッションは、捕獲ヘッドが伸長位置にあるときに、シャーシーの外側に位置付けされる。
【0015】
好ましくは、クッションは、シリコーンまたはラテックスなどのような、エラストマーを含む材料から作製されている。
【0016】
好ましくは、捕獲ヘッドは、流体のためのフィルターを含む。
【0017】
好ましくは、流体は、空気である。
【0018】
1つの特徴によれば、捕獲ヘッドは、回収ツールのシャーシーに除去可能に接続されている。
【0019】
好ましくは、捕獲ヘッドは、ねじ込むことによって、回収ツールのシャーシーに除去可能に接続されている。
【0020】
捕獲ヘッドは、容易に交換され得る。とりわけ、回収ツールは、相互交換可能な捕獲ヘッド(たとえば、とりわけ、捕獲されることとなる固体エレメントに適合されている捕獲ヘッド)を装備していることが可能である。
【0021】
1つの特徴によれば、移動可能なバケットは、第1のバケットである。回収ツールは、第2のバケットを含み、第2のバケットは、捕獲ヘッドの伸長のための開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、閉鎖位置では、捕獲ヘッドは、後退位置にあり、エンクロージャーの内側に固体エレメントを保つ。
【0022】
それぞれのバケットの開放位置では、捕獲ヘッドが伸長させられている。捕獲ヘッドの伸長位置では、それぞれのバケットは、開放位置にある。
【0023】
それぞれのバケットの閉鎖位置では、捕獲ヘッドは、後退位置にあり、エンクロージャーの内側に固体エレメントを保つ。捕獲ヘッドの後退位置では、それぞれのバケットは、閉鎖位置にある。
【0024】
好ましくは、第2のバケットは、第1のバケットと構造が実質的に同一になっている。
【0025】
非常に好ましくは、第2のバケットは、バケットを開くおよび/または閉じるときに、捕獲ヘッドを通過する対称平面に関して、第1のバケットの位置に対称的な位置を有するように構成されている。
【0026】
1つの特徴によれば、捕獲ヘッドが後退位置にあるときに、固体エレメントがこのバケットに衝突するときに、特に、捕獲ヘッドによる固体エレメントの保持の事故的な喪失に起因する落下の場合に、それぞれのバケットは、閉鎖位置に留まるように構成されている。
【0027】
1つの特徴によれば、それぞれのバケットは、その開放位置とその閉鎖位置との間で、シャーシーに対して回転可能に移動可能である。
【0028】
好ましくは、それぞれのバケットは、それがその開放位置からその閉鎖位置へ移動させられるときに、シャーシーに対して回転可能に移動可能である。
【0029】
1つの特徴によれば、それぞれのバケットは、回収ツールの可動本体部に移動可能に接続されているアームとリジッドに一体になっている。
【0030】
次いで、それぞれのバケットは、捕獲ヘッドが伸長するときに、捕獲ヘッドからさらに離れるように移動しようとし、それによって、固体エレメントの捕獲を促進させる。
【0031】
1つの特徴によれば、回収ツールは、弾性的なリターン部材を含み、弾性的なリターン部材は、捕獲ヘッドを後退位置に向けて弾性的に付勢するように構成されている。
【0032】
好ましくは、弾性的なリターン部材は、テンションスプリングを含む。
【0033】
非常に好ましくは、テンションスプリングは、コイルスプリングである。
【0034】
弾性的なリターン部材は、回収ツールの外部制御がないときに、特に、回収ツールのための制御システムの故障の場合に、エンクロージャーの内向きに捕獲ヘッドを付勢し、回収ツールの内側に固体エレメントを保つ。弾性的なリターン部材によって、捕獲ヘッドの後退位置、および、少なくとも1つのバケットの閉鎖位置は、回収ツールの安全位置である。
【0035】
好ましくは、シャーシーは、ケーシングを含み、回収ツールは、可動本体部を含み、可動本体部は、捕獲ヘッドとは別個になっており、可動本体部は、シャーシーに対して並進方向に移動可能である。
【0036】
1つの特徴によれば、可動本体部は、マウントと、マウントからそれぞれ突き出ている少なくとも2つの脚部とを含む。それぞれの脚部は、バケットアームに機械的に係合しており、シャーシーに対してそのバケットを移動させるように構成されている。
【0037】
次いで、それぞれのバケットは、捕獲ヘッドが伸長するときに、捕獲ヘッドからさらに離れるように移動しようとし、それによって、固体エレメントの捕獲を促進させる。
【0038】
好ましくは、それぞれの脚部は、バケットアームに機械的に係合し、ラックおよび歯付きホイールを機械的に係合させることによって、シャーシーに対してこのバケットを移動させるように構成されている。
【0039】
1つの特徴によれば、回収ツールは、シャーシーに対して可動本体部をガイドするためのデバイスを含む。
【0040】
好ましくは、回収ツールは、シャーシーに対して可動本体部を並進方向にガイドするためのデバイスを含む。
【0041】
好ましくは、ガイドデバイスは、溝部を含み、溝部は、溝部の中に収容されているピンに機械的に係合するように構成されている。
【0042】
回収ツールは、後退位置と伸長位置との間でシャーシーに対して捕獲ヘッドを移動させるためのリニアアクチュエーターを含む。
【0043】
好ましくは、リニアアクチュエーターは、シリンダーを含む。
【0044】
好ましくは、リニアアクチュエーターは、空気圧式のアクチュエーターを含む。
【0045】
リニアアクチュエーターに起因して、回収ツールの動作は、より容易に自動化され得、回収ツールは、オペレーターによって遠隔から制御され、固体エレメントが放射性物質であるときに、放射線からオペレーターを保護することが可能である。
【0046】
1つの特徴によれば、回収ツールは、インフレーターを含み、インフレーターは、流体によって少なくとも部分的に捕獲ヘッドを充填することによって捕獲ヘッドを膨張させるために、および/または、流体を抜いて少なくとも部分的に捕獲ヘッドを空にすることによって捕獲ヘッドを収縮させるために、捕獲ヘッドに流体接続されている。
【0047】
また、本発明は、上記に定義されているような回収ツールを含む、固体エレメントを回収するための装置に関する。
【0048】
1つの特徴によれば、回収装置は、回収ツールのための制御システム、および/または、回収ツールのための保持部材をさらに含む。
【0049】
1つの特徴によれば、回収装置は、回収ツールによる固体エレメントの回収をモニタリングするための回収モニタリングデバイスを含む。
【0050】
好ましくは、回収モニタリングデバイスは、イメージキャプチャーデバイスを含む。
【0051】
非常に好ましくは、イメージキャプチャーデバイスは、少なくともバケットが閉鎖位置にあるときに、エンクロージャーの内側に収容されている。
【0052】
固体エレメント(特に、放射性物質)の捕獲は、モニタリングデバイスによって促進される。
【0053】
また、本発明は、上記に定義されているような回収ツール、または、上記に定義されているような回収装置によって、固体エレメント、特に、放射性物質を回収するための方法に関する。
【0054】
本発明によれば、回収方法は、固体エレメントを捕獲するステップを含み、それは、捕獲ヘッドを減圧し、捕獲ヘッドに対して固体エレメントを保つステップと、捕獲ヘッドをその伸長位置からその後退位置へ移動させるステップと、少なくとも1つのバケットを閉じ、回収ツールのエンクロージャーの内側に固体エレメントを保つステップとを含む。
【0055】
本発明による回収方法によって、放射線からオペレーターを保護しながら、固体エレメント(特に、コリウムの破片などのような放射性物質)を捕獲し、回収ツールの内側に固体エレメントを保つことが可能である。
【0056】
1つの特徴によれば、回収方法は、少なくとも1つのバケットを開くステップと、前記エレメントを捕獲するステップの前に、特に、固体エレメントに面するように、捕獲ヘッドを伸長させるステップとを含む。
【0057】
好ましくは、少なくとも1つのバケットを開くステップ、および、捕獲ヘッドを伸長させるステップは、流体によって少なくとも部分的に捕獲ヘッドを充填することによって捕獲ヘッドを膨張させるステップを含む。
【0058】
1つの特徴によれば、捕獲ステップは、固体エレメントの上に捕獲ヘッドを押し付け、それを捕獲するステップを含む。
【0059】
固体エレメントの上に捕獲ヘッドを押し付けることによって、その捕獲が促進される。
【0060】
好ましくは、捕獲ステップは、流体を抜いて少なくとも部分的に捕獲ヘッドを空にすることによって捕獲ヘッドを減圧するステップを含む。
【0061】
本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態の説明(それは、単に示す目的として与えられており、決して限定する目的として与えられていない)を読むとより良好に理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するための装置の部分的な斜視概略図である。
図2】固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するためのツールの概略縦断面図である。
図3】バケットが閉鎖位置にある、回収ツールの部分的な斜視概略図である。
図4】バケットが開放位置にある、回収ツールの部分的な斜視概略図である。
図5A】回収ツールを使用して固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するための方法を図示する図である。
図5B】回収ツールを使用して固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するための方法を図示する図である。
図5C】回収ツールを使用して固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するための方法を図示する図である。
図5D】回収ツールを使用して固体エレメント(このケースでは、放射性物質)を回収するための方法を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
さまざまな図の同一の、同様の、または均等のパーツは、同じ参照番号を付けられており、1つの図から別の図への切り替えを促進させるようになっている。
【0064】
図1は、第1の実施形態による固体エレメント2を回収するための装置1を表している。固体エレメント2は、密度が高い可能性があり、可変の寸法および質量を有しており、それは、回収することを一層困難にする。それは、たとえば、放射性物質であり、とりわけ、コリウムの破片である。
【0065】
この放射性物質2は、ベース3の上に位置しており、ベース3は、屋外にあるか、閉じ込められたエンクロージャーの中にあるか、または、水中にある可能性もある。放射性物質2は、アクセスするのが困難な場所、および/または、人間のオペレーターにとってとりわけ危険な場所にある可能性がある。
【0066】
回収装置1は、回収ツール7と、回収ツールのための保持部材40と、回収ツール7のための作動システムと、少なくとも1つの制御システム4と、回収モニタリングデバイス10とを含む。
【0067】
保持部材40は、表されている例では、関節式アームを含む。それは、回収ツール7を支持して移動させ、放射性物質2を捕獲し、(たとえば、コンテナの中での)その放射線学的な隔離の前に、それを輸送するように構成されている
【0068】
装置の制御システム4は、保持部材40のための制御システム42を含む。保持部材のための制御システム42は、たとえば、少なくとも1つのコンピューターを含む。それは、保持部材40を制御し、遠隔から(特に、遠隔操作によって)回収ツール7を移動させるように構成されている。
【0069】
回収ツール7は、捕獲ヘッド30を含む。
【0070】
回収ツール7を作動させるためのシステムは、捕獲ヘッド30のための伸長システム5および膨張システム6を含む。
【0071】
捕獲ヘッドのための伸長システム5は、加圧部材、作動導管53、および伸長制御システム54を含む。それは、回収ツール7のシャーシー70に対する捕獲ヘッド30の伸長が放射性物質2を捕獲することを可能にするように構成されている。
【0072】
加圧部材は、表されている実施形態では、少なくとも1つの圧縮機50を含む。作動導管53は、加圧部材をリニアアクチュエーター90に流体接続しており、リニアアクチュエーター90は、表されている実施形態では、空気圧式のタイプのものである。作動導管53は、たとえば、少なくとも1つの可撓性のパイプを含む。作動導管53は、アクチュエーター90に加圧された流体を供給するために使用される。
【0073】
伸長制御システム54は、加圧部材の動作を制御するために使用される。それは、たとえば、少なくとも1つのコンピューターを含む。
【0074】
表されている実施形態では、流体は、空気である。伸長システム5および膨張システム6は、加圧された空気を回収ツール7の中へ注入するように構成されている。
【0075】
捕獲ヘッドのための膨張システム6は、ポンピング部材、流体供給導管63、圧力モニタリングデバイス62、および、空気圧式の制御システム64を含む。
【0076】
ポンピング部材は、表されている実施形態では、少なくとも1つのポンプ60(たとえば、蠕動タイプポンプ)を含む。供給導管63は、ポンピング部材をインフレーター96に流体接続させており、インフレーター96は、図2に見ることができ、インフレーター96は、表されている実施形態では、空気圧式のタイプのものである。供給導管63は、たとえば、少なくとも1つの可撓性のパイプを含む。それは、インフレーター96に加圧された流体を供給するために使用され、または、インフレーター96を減圧するために使用される。
【0077】
圧力モニタリングデバイス62は、少なくとも1つの圧力ゲージを含み、少なくとも1つの圧力ゲージは、ポンピング部材によって回収ツール7に注入される流体の圧力をモニタリングするように構成されている。
【0078】
空気圧式の制御システム64は、ポンピング部材の動作を制御するために使用され、捕獲ヘッド30に流体を少なくとも部分的に充填し、および/または、流体を抜いて少なくとも部分的に捕獲ヘッド30を空にする。それは、たとえば、少なくとも1つのコンピューターを含む。空気圧式の制御システム64および伸長制御システム54は、表されている実施形態では、単一の流体制御システムを形成している。この流体制御システムは、特に、制御システム4の一部である。
【0079】
表されている実施形態では、回収ツール7は、再使用可能である。換言すれば、それは、いくつかの放射性物質2を連続的に回収するために利用され得る。それは、閉じられたときにオジーブ(ogive)形状を有しており、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの周りに回転する外側表面を示している。
【0080】
図1から図4を一緒に参照すると、回収ツール7は、シャーシー70、可動アッセンブリ8、ガイドデバイス44、リニアアクチュエーター90、弾性的なリターン部材91、インフレーター96、捕獲ヘッド30、および回収モニタリングデバイス10を含む。
【0081】
捕獲ヘッド30は、後退位置と伸長位置との間で、シャーシー70に対して移動可能である。可動アッセンブリ8のそれぞれのバケット84は、開放位置と閉鎖位置との間で、シャーシー70に対して移動可能である。回収ツール7は、閉位置および開位置を有しており、閉位置では、捕獲ヘッド30が、後退位置にあり、それぞれのバケット84が、閉鎖位置にあり、開位置では、捕獲ヘッド30が、伸長位置にあり、それぞれのバケット84が、開放位置にある。
【0082】
回収ツール7のシャーシー70は、ケーシング71および底部72を含む。
【0083】
ケーシング71は、長手方向軸線Z-Zの周りで環状に形状決めされている。それは、長手方向軸線Z-Zに沿って、その下側端部において、および、その上側端部において開いている。それは、ワンピースになっている。
【0084】
底部72は、ケーシング71の上側端部をシールしており、底部72が、たとえば、ねじ込むことによって、ケーシング71に取り付けられている。作動導管53の通過孔である第1のポート73a、および、供給導管63の通過孔である第2のポート73bが、底部72を貫通している。
【0085】
回収ツール7のシャーシー70およびバケット84は、回収ツール7の内側のエンクロージャー75の境界を定めており、捕獲ヘッド30が後退位置にあるときに、捕獲ヘッド30を収容する。
【0086】
回収ツール7の可動アッセンブリ8は、内側可動本体部80、2つのアーム82、2つのバケット84、バケットドライブデバイス20、およびガイドデバイス44を含む。それは、シャーシー70に対して移動可能であり、捕獲ヘッド30の伸長および後退を可能にする。
【0087】
可動本体部80は、スライド部分81、マウント83、および、少なくとも2つの脚部85を含み、少なくとも2つの脚部85は、マウント83から捕獲ヘッド30に向けてそれぞれ突き出ている。それは、特に、ワンピースになっている。
【0088】
表されている実施形態では、可動本体部80は、アップ位置(それは、図3に表されている)とダウン位置(それは、図4に表されている)との間で、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zに沿って、シャーシー70に対して並進方向に移動可能であり、回収ツール7がその閉位置からその開位置へ移行するようになっている(および、その逆もまた同様である)。可動本体部80のアップ位置は、回収ツール7の閉位置に対応している。可動本体部80のダウン位置は、回収ツール7の開位置に対応している。
【0089】
より一般的には、可動本体部80は、作動の方向Z-Zに沿って並進成分を伴って、シャーシー70に対して移動可能であるように構成されており、回収ツール7をその閉位置からその開位置へ移行させる(および、その逆もまた同様である)。
【0090】
回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの方向に対して平行の方向は、以下の開示において別段の特定がない限り、作動の方向とも称される。円周方向は、作動の方向の周りの方向である。横断方向は、作動の方向Z-Zに直交する方向である。
【0091】
スライド部分81は、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの方向に沿って、マウント83から脚部85の反対側に延在している。スライド部分81は、長手方向軸線Z-Zの周りに環状の形状を有する壁部を含む。それは、バケット84および捕獲ヘッド30が閉鎖位置にあるときに、底部72を圧迫している。それは、作動の方向Z-Zに沿って、それを取り囲むケーシング71に対してスライドするように構成されている。
【0092】
マウント83は、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの周りに対称的なプレート形状を有している。それは、一方では、リニアアクチュエーター90に機械的に接続されており、他方では、弾性的なリターン部材91に機械的に接続されており、それらは、長手方向軸線Z-Zに対して平行の方向に、それを反対方向に付勢するように設計されている。
【0093】
それぞれの脚部85は、長手方向軸線Z-Zの方向に沿って、マウントから捕獲ヘッド30に向けて突き出ている。脚部85は、回収ツール7の横断方向に沿って、互いに横方向に間隔を置いて配置されている。それぞれの脚部85は、第1の歯部23を含む。表されている実施形態では、それぞれの脚部85は、作動の方向Z-Zに沿ってその下側端部の近くにラック22を含み、それは、第1の歯部23を担持している。
【0094】
より具体的に図3および図4を参照すると、ガイドデバイス44は、溝部45およびピン47を含み、ピン47は、溝部45の中に収容されている。それは、シャーシー70に対する可動本体部80の移動をガイドするように構成されている。表されている実施形態では、ガイドデバイス44は、シャーシー70に対して可動本体部80を並進方向にガイドするように構成されている。
【0095】
ピン47は、ケーシング71とリジッドに一体になっており、ピン47は、ケーシング71からシャーシー70の内向きに(特に、長手方向軸線Z-Zに対して半径方向に)突き出ている。ピン47は、溝部45に機械的に係合するように構成されており、回収ツール7がその閉位置からその開位置へ移行するときに(および、その逆もまた同様である)、溝部45の中を移動するように構成されている。
【0096】
溝部45は、スライド部分81の中に作製されている。それは、スライド部分81を貫通している。それは、長手方向軸線Z-Zの方向に沿って細長い形状を有している。
【0097】
可動アッセンブリ8は、バケット84ごとに少なくとも1つのアーム82を含む。表されている実施形態では、それぞれのバケット84は、単一のアーム82とリジッドに一体になっている。それぞれのアーム82は、近位端部から遠位端部へ延在しており、近位端部において、それは、可動本体部80に接続されており、遠位端部において、それは、バケット84のうちの1つに接続されている。
【0098】
それぞれのアーム82は、歯付きホイール24によって、可動本体部80の対応する脚部85のラック22に接続されている。それぞれのアーム82は、シャーシー70に対して、回転軸線X1-X1、X2-X2それぞれの周りに回転可能に移動可能であり、回転軸線は、歯付きホイール24の中心を通過している。また、回収ツール7が開位置から閉位置へ移行するときに(および、その逆もまた同様である)、アーム82は、可動本体部80に対して、作動の方向Z-Zに沿って並進成分を伴って移動可能である。
【0099】
それぞれの歯付きホイール24は、第2の歯部25を含み、第2の歯部25は、対応するラック22の第1の歯部23に機械的に係合するように構成されており、可動本体部80に対しておよびシャーシー70に対して、対応するアーム82を移動させる。
【0100】
歯付きホイール24、ラック22、およびアーム82は、それらの開放位置と閉鎖位置との間での(および、その逆もまた同様である)、シャーシー70に対するバケット84のそれぞれのためのドライブデバイス20を一緒に形成している。
【0101】
可動アッセンブリ8は、第1のバケット84および第2のバケット84を含み、第2のバケット84は、第1のバケット84と構造が実質的に同一である。第2のバケット84は、バケット84を開閉するときに、捕獲ヘッド30を通過する対称平面に関して、第1のバケット84の位置と対称的な位置を有するように構成されている。バケット84は、閉鎖位置において、エンクロージャー75をシールするように設計されており、随意的に、閉鎖位置において、エンクロージャー75の中に放射性物質2を保つように設計されている。
【0102】
表されている実施形態では、それぞれのバケット84は、アーム82のうちの1つとリジッドに一体になっており、対応するアーム82とともに単一のピースとして形成されている。それぞれのバケット84は、概して4分の1の球体の形状を有するトラフである。
【0103】
それぞれのバケット84は、その開放位置からその閉鎖位置へ移動させられるときに(および、その逆もまた同様である)、シャーシー70に対して、回転軸線X1-X1、X2-X2それぞれの周りに回転可能に移動可能であり、回転軸線は、歯付きホイール24のうちの1つの中心を通過している。より一般的には、シャーシー70に対するそれぞれのバケット84のストロークは、回転成分を含む。
【0104】
開放位置において、それぞれのバケット84は、捕獲ヘッド30の伸長を可能にするように構成されている。それぞれのバケット84は、閉鎖位置に対して、捕獲ヘッド30およびバケット84のうちのもう一方から横方向に離れている。
【0105】
閉鎖位置において、それぞれのバケット84は、エンクロージャー75をシールしており、捕獲ヘッド30は、後退位置にあり、エンクロージャー75の内側に放射性物質2を保つ。次いで、バケット84同士は、接合ラインJ-Jに沿って接合され、接合ラインJ-Jは、回収ツール7の中心において実質的に横断方向になっている。
【0106】
とりわけ、それぞれのバケット84は、放射性物質2が捕獲ヘッド30からそのバケット84の上に落下するときに、閉鎖位置に留まるように構成されている。
【0107】
リニアアクチュエーター90は、空気圧式のアクチュエーターである。リニアアクチュエーター90は、ハウジング92およびロッド94を含み、ロッド94は、ハウジング92に対して、作動の方向Z-Zに沿って並進方向に移動可能である。それによって、リニアアクチュエーター90は、シリンダーを形成している。表されている実施形態では、リニアアクチュエーター90は、圧縮機50から加圧された空気を供給され、空気圧式のシリンダーを形成している。
【0108】
リニアアクチュエーター90は、可動本体部80およびドライブデバイス20を介して、後退位置と伸長位置との間で、シャーシー70に対して捕獲ヘッド30を移動させるように構成されている。
【0109】
ハウジング92は、シャーシー70とリジッドに一体になっており、たとえば、底部72に取り付けられている。表されている例では、ハウジング92は、環状の形状を有しており、典型的に、円筒状になっており、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの周りに円形断面を有している。
【0110】
ロッド94は、作動の方向Z-Zに沿って長手方向に延在している。それは、その下側端部において、可動本体部80のマウント83に機械的に接続されており、それは、作動の方向Z-Zに沿って、可動本体部80を下向きに並進方向に付勢し、捕獲ヘッド30を伸長させる。それは、ピストンを形成している。
【0111】
弾性的なリターン部材91は、テンションスプリング、特に、コイルスプリングを含む。それは、作動の方向Z-Zに沿って、可動本体部80のマウント83から、捕獲ヘッド30へ長手方向に延在している。弾性的なリターン部材91は、捕獲ヘッド30を後退位置に向けて弾性的に付勢するように、および、可動本体部80をアップ位置に向けて弾性的に付勢するように構成されている。
【0112】
弾性的なリターン部材91は、回収ツール7からの外部制御がないときに、すなわち、特に、圧縮機50を介した伸長制御システム54からの空気圧式の制御がないときに、捕獲ヘッド30を後退位置に向けて自動的に付勢するように構成されている。
【0113】
とりわけ、それは、捕獲ヘッド30が放射性物質2を捕獲するとすぐに、エンクロージャー75の内向きに捕獲ヘッド30を自動的に付勢するように構成されており、エンクロージャー75の内側に放射性物質2を隔離する。
【0114】
また、それは、放射性物質2が捕獲された後、制御システム4の故障の場合に、エンクロージャー75の内向きに捕獲ヘッド30を自動的に付勢し、エンクロージャー75の内側に放射性物質2を保つように構成されている。
【0115】
インフレーター96は、先端部98と、内側加圧および減圧導管99とを含む。インフレーター96は、捕獲ヘッド30とリジッドに一体になっており、特に、捕獲ヘッドのベースプレート36に固定されている。それは、捕獲ヘッド30に流体接続されており、空気によってそれを少なくとも部分的に充填することによって、それを膨張させ、および/または、空気を抜いてそれを少なくとも部分的に空にすることによって、それを収縮させる。
【0116】
インフレーター96の先端部98は、供給導管63に流体接続されており、インフレーター96の内側に位置付けされている内側導管99の中へ開口しており、インフレーター96は、作動の方向Z-Zの周りに実質的に環状になっている。内側導管99は、捕獲ヘッド30の空気供給チャネル37に流体接続されている。
【0117】
図2から図4を一緒に参照すると、捕獲ヘッド30は、クッション32と、ベースプレート36と、捕獲ヘッドのための接続デバイスと、濾過デバイス38とを含む。捕獲ヘッド30は、シャーシー70に対して、弾性的なリターン部材91の下側端部によって担持されている。
【0118】
捕獲ヘッド30は、アップ位置(アップ位置では、それは後退位置にある)とダウン位置(ダウン位置では、それは伸長位置にある)との間で、シャーシー70に対して、作動の方向Z-Zに沿って並進方向に移動可能である。それは、放射性物質2を捕獲するように構成されており、また、それが回収ツール7から(たとえば、コンテナの中へ)輸送されるまで、それをエンクロージャー75の中に保つように構成されている。
【0119】
後退位置において、捕獲ヘッド30は、回収ツール7のエンクロージャー75の内側に収容されている。それは、作動の方向Z-Zにおいて、シャーシー70に対してアップ位置にある。クッション32は、部分的に収縮させられている。
【0120】
伸長位置において、少なくとも捕獲ヘッド30のクッション32は、ケーシング71の外側に位置付けされている。捕獲ヘッド30は、作動の方向Z-Zに沿って、シャーシー70に対してダウン位置にある。クッション32は、少なくとも部分的に膨張させられている。捕獲ヘッド30は、放射性物質2を捕獲することができる。
【0121】
クッション32は、シリコーンまたはラテックスなどのような、エラストマーを含む材料から作製されている。クッション32の材料は、捕獲されることとなる放射性物質2に適合される寸法および変形可能性を有している。それは、必要な場合には放射性物質2を損傷することなくそれに押し付けるのに十分に変形可能であるが、捕獲ヘッド30が移動させられるときに、放射性物質2を保つのに十分にリジッドである。
【0122】
表されている実施形態では、クッション32は、インフレーター96によって膨張および/または収縮させられることができる。捕獲ヘッド30は、捕獲ヘッド30を部分的に空にすることによって、シャーシー70に対して、吸引によって放射性物質2を少なくとも部分的に保つように構成されている。
【0123】
表されている例では、ベースプレート36は、回収ツール7の長手方向軸線Z-Zの方向の周りに回転する形状を有している。それは、特に、一般的には、円形断面を有する円筒状の形状を有している。供給チャネル37が、それを通過している。それは、弾性的なリターン部材91に機械的に接続されており、ベースプレート36に取り付けられているインフレーター96に流体接続されている。
【0124】
供給チャネル37は、インフレーターの内側導管99からクッション32の内側キャビティーの間に延在している。供給チャネル37は、クッション32の内側キャビティーの中へ開口しており、流体によって少なくとも部分的にそれを充填することによって、および/または、流体を抜いて少なくとも部分的にそれを空にすることによって、それを膨張および/または収縮させる。
【0125】
捕獲ヘッド30は、濾過デバイス38を含み、濾過デバイス38は、インフレーターの内側導管99と捕獲ヘッドの供給チャネル37との間に流体的に位置付けされている。濾過デバイス38は、フィルターを含み、フィルターは、供給チャネル37の入口部に位置付けされている。濾過デバイス38は、クッション32に進入および/またはクッション32から退出する流体を濾過するために使用される。
【0126】
捕獲ヘッド30は、少なくとも1つの締結具によって、シャーシー70に除去可能に接続されている。表されている実施形態では、ベースプレート36は、スクリュー34によって弾性的なリターン部材91の下側端部に接続されている。スクリュー34は、捕獲ヘッド30を接続するためのデバイスを形成している。
【0127】
回収モニタリングデバイス10は、カメラなどのようなイメージキャプチャーデバイス(表されていない)を含む。回収モニタリングデバイス10は、回収ツール7による放射性物質2の回収をモニタリングするように構成されており、それによって、放射性物質2の捕獲を促進させる。
【0128】
イメージキャプチャーデバイスは、少なくともバケット84が閉鎖位置にあるときに、エンクロージャー75の内側に収容されている。表されている実施形態では、イメージキャプチャーデバイスは、たとえば、捕獲ヘッドのベースプレート36に取り付けられている。
【0129】
図3では、回収ツール7は、閉位置にある。捕獲ヘッド30は、後退位置にあり、エンクロージャー75の内側にある。バケット84のそれぞれは、閉鎖位置にあり、エンクロージャー75の下側端部をシールしている。リニアアクチュエーター90のロッド94は、後退位置にある。可動本体部80は、シャーシー70に対してアップ位置にある。ピン47は、作動の方向Z-Zにおいて、溝部45の下側部分の中にある。それぞれの歯付きホイール24は、ラック22の下側部分において、対応するラック22に係合している。
【0130】
図4では、回収ツール7は、開位置にある。捕獲ヘッド30は、伸長位置にあり、エンクロージャー75の外側にある。バケット84のそれぞれは、開放位置にあり、捕獲ヘッド30の伸長(すなわち、捕獲ヘッド30の出口)を可能にする。リニアアクチュエーター90のロッド94は、伸長位置にある。可動本体部80は、シャーシー70に対してダウン位置にある。ピン47は、作動の方向Z-Zに沿って、溝部45の上側部分の中にある。それぞれの歯付きホイール24は、ラック22の上側部分において、対応するラック22に係合している。
【0131】
放射性物質を回収するための方法100が、図5Aから図5Dを一緒に参照して図示されている。回収方法100は、回収装置1によって実施される。
【0132】
図5Aを参照すると、回収方法100は、回収ツール7を放射性物質により近付けるために、保持部材40の関節式アームおよび制御システム42を介して、回収ツールを移動させるステップ101から始まり、次いで、回収ツール7を放射性物質2に面するようにさせるステップ102の間に、作動の方向Z-Zに沿って、捕獲ヘッド30を放射性物質2と整合させる。
【0133】
図5Bを参照すると、回収方法100は、リニアアクチュエーター90が作動の方向Z-Zに沿って可動本体部80の移動を付勢するときに、バケット84を開き、放射性物質2に面して捕獲ヘッド30を伸長させるステップ103に続く。バケット84を開くこと、作動の方向Z-Zに捕獲ヘッド30を伸長させること、および、溝部45に沿ってピン47を移動させることは、漸進的である(progressive)。その理由は、可動本体部80がシャーシー70に対して作動の方向Z-Zに沿って移動し、アーム82がシャーシー70に対して枢動し、バケット84を離すように移動させるからである。
【0134】
作動の方向Z-Zに沿って捕獲ヘッドを伸長させることは、捕獲ヘッド30を膨張させるステップ104を伴う。インフレーター96は、捕獲ヘッドのクッション32を空気によって充填し、クッション32の内側の圧力を増加させる。
【0135】
図5Cを参照すると、回収方法100は、ステップ108において捕獲ヘッド30が放射性物質2に押し付けられるまで、作動の方向Z-Zに沿って捕獲ヘッド30を放射性物質2により近付けるステップを含み、それによって、捕獲を促進させる。
【0136】
捕獲ヘッド30を放射性物質2の上に押し付けることは、捕獲ヘッド30を減圧するステップ109を伴う。インフレーター96は、空気を抜いて捕獲ヘッドのクッション32を空にし、クッション32の内側の圧力を減少させ、放射性物質2を少なくとも部分的に吸い込み、放射性物質2をより容易に捕獲して保つ。
【0137】
図5Dを参照すると、回収方法100は、それぞれのバケット84を閉じ、捕獲ヘッド30をエンクロージャー75に向けて後退させるステップ110を含む。ステップ110は、捕獲ヘッド30に締結されたままになっている放射性物質2を捕獲することを含むステップである。回収方法100は、放射性物質2が捕獲ヘッド30からバケット84のうちの少なくとも1つの上に落下する可能性があるときを含めて、次いでバケット84によって閉じられるエンクロージャー75の内側に放射性物質2を保つステップ112を含む。
【0138】
必要な場合には、回収方法100は、検証ステップ113を含み、検証ステップ113では、たとえば、モニタリングデバイス10を介して、または、回収ツール7を振ることによって、および、バケット84が閉じられたままになっていることをチェックすることによって、放射性物質2がエンクロージャー75の内側に適切に保たれているということが検証される。検証ステップ113は、放射性物質2が事故的に放出されること(それは、人間のオペレーターにリスクをもたらす可能性がある)を防止するためのものである。
【0139】
回収方法100は、回収ツール7を移動させ、放射性物質2をコンテナ(図示せず)に輸送するステップ114によって終了し、放射性物質2が、コンテナの中に放射線学的に隔離される。
【0140】
回収ツール7によって、放射線からオペレーターを保護しながら、放射性物質2を捕獲し、回収ツール7の内側に放射性物質2を保つことが可能である。回収ツール7は、比較的に重くなく、全体的なサイズが小さい。それは、汚染除去性があり、信頼性が高く、使用しやすい。それは、たとえば、遠隔操作によって、リニアアクチュエーター90およびインフレーター96を介して、遠隔から制御され得る。
【0141】
膨張可能な捕獲ヘッド30、および、捕獲ヘッド30の中に生成される窪みは、放射性物質2がより効果的に捕獲されることを可能にする。後退位置は、捕獲ヘッド30の安全位置であり、それは、回収ツール7の制御がないときに安全位置に向かうようになっており、それによって、事故の場合に、エンクロージャー75の内側に放射性物質2をより良好に保つ。
【0142】
シャーシー70から除去可能であることによって、捕獲ヘッド30は、容易に交換され得る。回収ツール7は、相互交換可能な捕獲ヘッド30(とりわけ、捕獲されることとなるそれぞれの放射性物質2にとりわけ適合されている捕獲ヘッド30)を装備していることが可能である。
【0143】
当然のことながら、本発明の本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって、ここに説明された本発明に対するさまざまな修正が行われ得る。
【0144】
代替的に、流体は、液体(たとえば、水)である。また、流体は、空気以外のガス(たとえば、不活性ガス)であることが可能である。
【0145】
代替的に、回収ツール7の保持部材は、関節式アーム40の代わりに、たとえば、ポールを含む。
【0146】
代替的に、回収ツール7は、使い捨てのものであり、多くても1つの放射性物質2を捕獲するためのものである。
【0147】
回収ツール7の構造、とりわけ、シャーシー70および可動アッセンブリ8の構造は、変更することが可能である。一般的に、可動本体部80の形状は、シャーシー70に対して移動可能となるように、シャーシー70の形状に適合されている。
【0148】
代替的に、可動本体部80は、作動の方向Z-Zに沿った並進成分に加えて、回転成分を伴ってシャーシー70に対して移動可能であり得る。
【0149】
ドライブデバイス20の構造は、変更することが可能である。ドライブデバイス20は、可動本体部80の脚部85が存在するのと同じ数の歯付きホイール24およびラック22を含むことが可能である。さらに代替的には、アーム82のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのラック22を含み、歯付きホイールのうちの少なくとも1つは、可動本体部80の脚部85のうちの1つとリジッドに一体になっている。
【0150】
代替的に、回収ツール7は、可動本体部80のガイドデバイス44がない。
【0151】
ガイドデバイス44の構造は、変更することが可能である。たとえば、ガイドデバイス44の溝部45およびピン47の数は、可変である。ガイドデバイス44は、バケット84が存在するのと同じ数の溝部45を含むことが可能である。一般的に、ガイドデバイス44は、溝部45と同じ数のピン47を含む。さらに代替的には、ケーシング71は、少なくとも1つの溝部45を含み、それぞれのピン47は、可動本体部80とリジッドに一体になっている。
【0152】
代替的に、アーム82は、可動本体部80ではなく、シャーシーに機械的に接続されている。次いで、アーム82のそれぞれは、それぞれのバケット84の開放位置と閉鎖位置との間で、シャーシー70の機械的な係合によって枢動するように構成されている。
【0153】
バケット84の構造は、変更することが可能である。とりわけ、それらは、互いに異なる形状のものであることが可能であり、特に、閉鎖位置にあるときに、エンクロージャー75を閉じるための相補的な形状のものであることが可能である。
【0154】
回収ツール7のバケット84の数は、可変であり、たとえば、回収ツール7は、単一のバケット84または少なくとも3つのバケット84を含むことが可能である。
【0155】
代替的に、バケット84のうちの少なくとも1つは、シャーシー70に対する回転成分に加えて、並進成分を伴ってシャーシー70に対して移動可能であり得る。
【0156】
リニアアクチュエーター90の構造は、変更することが可能である。たとえば、リニアアクチュエーター90は、スプリング、液圧式アクチュエーター、および/または電気アクチュエーターを含むことが可能である。
【0157】
弾性的なリターン部材91の構造は、変更することが可能である。代替的に、弾性的なリターン部材91は、リーフスプリング、または、エラストマーなどのような弾性的に変形可能な材料のブロックを含む。
【0158】
代替的に、エンクロージャー75は、シャーシー70によって、特に、ケーシング71によって境界を定められている。このケースでは、捕獲ヘッド30は、それが後退位置にあるときに、シャーシー70の中に完全に収容されている。
【0159】
代替的に、回収ツール7は、特に、捕獲ヘッド30が流体を供給されていないときに、インフレーター96がない。
【0160】
捕獲ヘッド30の構造は、変更することが可能である。たとえば、捕獲ヘッド30は、クッション32の代わりに、吸引ノズルを含む。
【0161】
代替的に、捕獲ヘッド30は、ドウェル(dowel)などのような他のタイプの締結具によって、シャーシー70に除去可能に接続されている。さらに代替的には、捕獲ヘッド30は、たとえば、圧着によって、シャーシー70に除去不可能に接続されている。
【0162】
代替的に、回収モニタリングデバイス10は、イメージキャプチャーデバイスを含み、イメージキャプチャーデバイスは、回収ツール7の外向きに位置付けされており、たとえば、シャーシー70の外向きに取り付けられている。
【0163】
回収方法100のステップの順序は、変更することが可能である。とりわけ、バケットを開くステップ103は、回収ツール7が放射性物質2に面する前に行われ得る。捕獲ヘッド30は、バケットを開くステップ103の前に、少なくとも部分的に膨張させられ得る。
【0164】
特に、減圧ステップ109において捕獲ヘッド30の中に生成される窪みが、放射性物質2を捕獲するのに十分であるときには、回収方法100は、捕獲ヘッド30を押し付けるステップ108がなくてもよい。
【0165】
特に、回収ツール7が同様の放射性物質2をすでに回収したときには、放射性物質の保持を検証するステップ113は省略され得る。
【符号の説明】
【0166】
1 回収装置
2 固体エレメント、放射性物質
3 ベース
4 制御システム
5 伸長システム
6 膨張システム
7 回収ツール
8 可動アッセンブリ
10 回収モニタリングデバイス
20 ドライブデバイス
22 ラック
23 第1の歯部
24 歯付きホイール
25 第2の歯部
30 捕獲ヘッド
32 クッション
34 スクリュー
36 ベースプレート
37 供給チャネル
38 濾過デバイス
40 保持部材
42 制御システム
44 ガイドデバイス
45 溝部
47 ピン
50 圧縮機
53 作動導管
54 伸長制御システム
60 ポンプ
62 圧力モニタリングデバイス
63 供給導管
64 空気圧式の制御システム
70 シャーシー
71 ケーシング
72 底部
73a 第1のポート
73b 第2のポート
75 エンクロージャー、チャンバー
80 可動本体部
81 スライド部分
82 アーム
83 マウント
84 バケット、カップ
85 脚部
90 リニアアクチュエーター
91 弾性的なリターン部材
92 ハウジング
94 ロッド
96 インフレーター
98 先端部
99 内側導管
J-J 接合ライン
X1-X1 回転軸線
X2-X2 回転軸線
Z-Z 長手方向軸線、作動の方向
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
【手続補正書】
【提出日】2022-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための回収ツール(7)であって、前記回収ツール(7)は、
シャーシー(70)と、
捕獲ヘッド(30)であって、前記捕獲ヘッド(30)は、後退位置と伸長位置との間で、前記シャーシー(70)に対して移動可能であり、前記後退位置では、前記捕獲ヘッド(30)は、前記回収ツール(7)のエンクロージャー(75)の内側に収容されており、前記伸長位置では、前記捕獲ヘッド(30)は、前記固体エレメント(2)を捕獲するためのものである、捕獲ヘッド(30)と、
少なくとも1つのバケット(84)であって、前記少なくとも1つのバケット(84)は、開放位置と閉鎖位置との間で、前記シャーシー(70)に対して移動可能であり、前記捕獲ヘッド(30)は、前記バケット(84)が前記開放位置にあるときに、伸長位置にあり、前記バケット(84)は、前記捕獲ヘッド(30)が前記伸長位置にあるときに、開放位置にある、少なくとも1つのバケット(84)と
を含み、
前記バケット(84)が前記閉鎖位置にあるときに、前記捕獲ヘッド(30)は、前記後退位置にあり、前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保ち、前記捕獲ヘッド(30)が前記後退位置にあるときに、前記バケット(84)は、前記閉鎖位置にあり、
前記捕獲ヘッド(30)は、流体によって膨張可能なクッション(32)を含み、前記捕獲ヘッド(30)は、流体を抜いて前記クッション(32)を少なくとも部分的に空にすることによる吸引によって少なくとも部分的に、前記シャーシー(70)に対して固体部材(2)を保つように構成されている、回収ツール(7)。
【請求項2】
前記移動可能なバケット(84)は、第1のバケット(84)であり、
前記回収ツール(7)は、第2のバケット(84)を含み、前記第2のバケット(84)は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記開放位置は、前記捕獲ヘッド(30)を伸長させるためのものであり、前記捕獲ヘッド(30)は、前記第2のバケット(84)が前記閉鎖位置にあるときに、後退位置にあり、前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保つ、請求項1に記載の回収ツール(7)。
【請求項3】
前記捕獲ヘッド(30)が前記後退位置にあるときに、前記固体エレメント(2)がこのバケット(84)に衝突するときに、それぞれのバケット(84)は、前記閉鎖位置に留まるように構成されており、
それぞれのバケット(84)は、その開放位置とその閉鎖位置との間で、前記シャーシー(70)に対して回転可能に移動可能である、請求項1または2に記載の回収ツール(7)。
【請求項4】
それぞれのバケット(84)は、前記回収ツール(7)の可動本体部(80)に移動可能に接続されているアーム(82)とリジッドに一体になっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項5】
前記回収ツール(7)は、弾性的なリターン部材(91)を含み、前記弾性的なリターン部材(91)は、前記捕獲ヘッド(30)を前記後退位置に向けて弾性的に付勢するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項6】
前記シャーシー(70)は、ケーシング(71)を含み、前記回収ツール(7)は、可動本体部(80)を含み、前記可動本体部(80)は、前記捕獲ヘッド(30)とは別個になっており、前記可動本体部(80)は、前記シャーシー(70)に対して並進方向に移動可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項7】
前記可動本体部(80)は、マウント(83)と、前記マウント(83)からそれぞれ突き出ている少なくとも2つの脚部(85)とを含み、
それぞれの脚部(85)は、バケット(84)のアーム(82)に機械的に係合しており、前記シャーシー(70)に対してこのバケット(84)を移動させるように構成されており、
前記回収ツール(7)は、ガイドデバイス(44)を含み、前記ガイドデバイス(44)は、前記シャーシー(70)に対して前記可動本体部(80)をガイドするためのものであり、
前記回収ツール(7)は、前記後退位置と前記伸長位置との間で前記シャーシー(70)に対して前記捕獲ヘッド(30)をリニアに移動させるためのリニアアクチュエーター(90)を含む、請求項5に従属する請求項7に記載の回収ツール(7)。
【請求項8】
前記回収ツール(7)は、インフレーター(96)を含み、前記インフレーター(96)は、流体によって少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を充填することによって前記捕獲ヘッド(30)を膨張させるために、および/または、流体を抜いて少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を空にすることによって前記捕獲ヘッド(30)を収縮させるために、前記捕獲ヘッド(30)に流体接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項9】
前記クッション(32)は、エラストマーを含む材料から作製されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項10】
前記捕獲ヘッド(30)は、前記シャーシー(70)に対して除去可能に接続されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の回収ツール(7)。
【請求項11】
固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための回収装置(1)であって、前記回収装置(1)は、請求項1から10のいずれか一項に記載の回収ツール(7)を含み、
前記回収装置(1)は、前記回収ツール(7)を制御するための制御システム(4)、および/または、前記回収ツール(7)を保持するための保持部材(40)をさらに含み、
前記回収装置(1)は、前記回収ツール(7)による前記固体エレメント(2)の回収をモニタリングするための回収モニタリングデバイス(10)を含み、前記回収モニタリングデバイス(10)は、イメージキャプチャーデバイスを含む、回収装置(1)。
【請求項12】
請求項1から13のいずれか一項に記載の回収ツール(7)、または、請求項14もしくは15に記載の回収装置(1)によって、固体エレメント、特に、放射性物質(2)を回収するための方法であって、
前記方法は、前記固体エレメント(2)を捕獲するステップ(110)を含み、それは、前記捕獲ヘッド(30)を減圧し(109)、前記捕獲ヘッド(30)に対して前記固体エレメント(2)を保つステップと、前記捕獲ヘッド(30)をその伸長位置からその後退位置へ移動させるステップと、前記少なくとも1つのバケット(84)を閉じ、前記回収ツール(7)の前記エンクロージャー(75)の内側に前記固体エレメント(2)を保つステップとを含む、方法。
【請求項13】
前記回収方法は、前記少なくとも1つのバケット(84)を開くステップ(103)と、前記捕獲ヘッド(30)が前記固体エレメント(2)に面する場合に、前記捕獲ヘッド(30)を伸長させるステップと、前記固体エレメント(2)を捕獲する前記ステップ(110)の前に、流体によって少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を充填することによって前記捕獲ヘッド(30)を膨張させるステップ(104)とを含む、請求項12に記載の回収方法。
【請求項14】
前記捕獲ステップ(110)は、前記固体エレメント(2)の上に前記捕獲ヘッド(30)を押し付けるステップと、流体を抜いて少なくとも部分的に前記捕獲ヘッド(30)を空にすることによって、前記捕獲ヘッド(30)を減圧するステップ(109)とを含む、請求項16または17に記載の回収方法。
【国際調査報告】