(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】血液採取可能な末梢静脈注射器、カテーテル組立体及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/153 20060101AFI20220826BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
A61B5/153 100
A61M25/00 530
A61B5/153 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577902
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2020068569
(87)【国際公開番号】W WO2021001450
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591002131
【氏名又は名称】ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】テオ,フイ クーン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ファ ルーン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA03
4C038UF05
4C038UF11
4C038UJ06
4C038UJ07
4C267AA04
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
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4C267BB31
4C267BB32
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC08
4C267GG02
4C267GG21
4C267HH08
(57)【要約】
採血とカテーテル治療の両方の機能を有する末梢静脈内(IV)カテーテル組立体は、カテーテルハブ(102)に取り付けた針ハブ(106a)を有する採血ホルダ(106)を有することができる。カテーテル組立体と採血ホルダの組み合わせは、カテーテルホルダ組立体(85)と呼ぶことができる。採血は、カニューレ処置後、針と採血ホルダを介して直接行うことができる。採血後、採血ホルダ(106)及び針(108)を取り外し、カテーテルハブ(102)をIV注入のために患者に残すことができる。カテーテルハブ(102)は、ストレートカテーテルハブであってもよく、一体型IVCとして使用するためのサイド流体ポート(500)を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位開口部(112)を有するカテーテルチューブ(104)が取り付けられたカテーテルハブ(102)と、
尖端遠位針先(110)及び尖端近位針先(200)を含み、前記尖端遠位針先(110)がカテーテルチューブ(104)の遠位開口(112)から突出する針(108)と、
前記針(108)が通過する内腔(632)を有する針ハブ(106a)、及び採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間(620)を含むハウジング(600)を有する採血ホルダ(106)と、
を備え、
前記カテーテルハブ(102)は、前記採血ホルダ(106)と接触し、尖端近位針先(200)は、使用準備位置でハウジング(600)の内部空間(620)に配置される、カテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項2】
前記針(108)は、尖端遠位針先(110)の近位に位置するノッチ、クリンプ、スリーブ、又は肉盛りを備える、請求項1に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項3】
前記採血ホルダ(106)は、内部空間(620)を画定する端壁(604)及び側壁(607)を備え、前記針ハブ(106a)は端壁(604)と一体化されている、請求項1又は2に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項4】
前記カテーテル及びホルダ組立体が使用準備位置にあるとき、前記尖端近位針先(200)は、前記採血ホルダ(106)の内部空間(620)にある、請求項1から3のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項5】
前記採血ホルダ(106)は、使用準備位置でカテーテルハブ(102)に突出する突起(612)を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項6】
前記採血ホルダ(106)の遠位に延びる針(108)の一部は、前記採血ホルダ(106)内に延びる針(108)の一部よりも長い、請求項1から5のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項7】
前記採血ホルダ(106)は、端壁(604)から内部空間(620)に向かって近接方向に突出する内部支持柱(630)を備え、前記内部支持柱(630)は、針が挿入される内腔(632)を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項8】
前記採血ホルダ(106)は、端壁(604)から遠位に延びる嵌合フランジ(620)を備え、遠位突起(612)が嵌合フランジ(620)の遠位に延びる、請求項1から7のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項9】
前記針(108)は、嵌合のために採血ホルダ(106)の湾曲部(633)に対応する湾曲部(109)を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項10】
使用準備位置にある前記針の側方に位置する表面を有する針ガード(132)をさらに備え、前記表面は、保護位置にある前記尖端遠位針先(110)を被覆するために、前記尖端遠位針先(110)の遠位に移動可能である、請求項1から9までのいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項11】
サイドポート(500)、前記サイドポート(500)に取り付けられるチューブ(540)、又はカテーテルハブ(102)内に位置する弁オープナー(134)を有する弁(136)をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載のカテーテル及びホルダ組立体(85)。
【請求項12】
前記カテーテル及びホルダ組立体(85)の組立方法であって、
尖端遠位針先(110)及び尖端近位針先(200)を備える針(108)を採血ホルダ(106)に取り付けるステップと、
前記針(108)がカテーテルハブ(102)及びカテーテルチューブ(104)を通って延び、前記尖端遠位針先(110)がカテーテルチューブ(104)の遠位端開口(112)の遠位に位置するように、採血ホルダ(106)を、カテーテルチューブ(104)を備えるカテーテルハブ(102)に連結するステップと、
を備え、
前記採血ホルダ(106)は、採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間(620)を画定する本体600を有し、前記尖端近位針先(200)は内部空間(620)に配置されている、方法。
【請求項13】
前記採血ホルダ(106)は、内部空間(620)及び近位開口部を画定する端壁(604)及び側壁(607)を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記採血ホルダ(106)の近位端にフランジ(602)をさらに備え、前記フランジ(602)は把持のための表面を備える、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記採血ホルダ(106)の内部空間(620)に可撓性シールド(252)を結合し、前記可撓性シールド(252)は、尖端近位針先(200)を被覆する、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記採血ホルダ(106)は、端壁(604)から遠位に延びる遠位突起(612)を備え、前記遠位突起(612)は前記カテーテルハブ(102)の内部に突出する、請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記採血ホルダ(106)は、前記遠位突起(612)の半径方向外側に配置された遠位リングフランジ(170)を備える、請求項12から16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された装置、システム及び方法は、採血ホルダ、具体的には、末梢静脈(「IV」)カテーテル用の採血ホルダに関するものである。特に、本装置、システム、及び方法は、IVカテーテルのカテーテル化のためのカニューレハブとして機能する採血ホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、カテーテルは様々な輸液療法に使用される。例えば、カテーテルは、正常生理食塩水、様々な医薬品、及び全非経口栄養などの流体を患者に注入するため、患者から血液を抜き取るため、又は患者の血管系の様々なパラメータを監視するために使用される。カテーテルを患者の血管に挿入した後、IV供給源をカテーテルアダプタ又はカテーテルハブに接続し、血液調節弁を開放する。このようして接続されたIV供給源からの流体を、カテーテルを介して患者に流入し始めることができる。
【0003】
病院に入院してカテーテル治療を受ける多くの患者は、採血のための別の処置も受ける。患者は、(a)採血、及び(b)IVカテーテルを用いた輸液療法を含む2つの別々の処置を受ける。また、2つの別々の処置は、病院で使用される装置によっては、患者への複数の穿刺を必要とする場合がある。
【0004】
現在、IVカテーテルには、カニューレハブに別の注射器を取付け可能としたものがある。カニューレハブは、近位端に取外し可能な血液ストッパ部材を有することができる。これにより、注射器をカニューレハブの近位端に取り付けることができる。注射器は、IVカテーテルを介して血液を吸引するために使用することができる。注射器に血液が充填されれば、カニューレハブから取り外すことができる。そして、血液が充填された注射器を皮下注射針に接続し、この針を関連業界で一般に採血管と呼ばれる真空チューブに挿入し、血液を採血管内に採血することができる。
【発明の概要】
【0005】
採血と輸液療法のための2つの別の処置では、処置によって発生する有害な医療廃棄物が2セット存在する。さらに、採血及び注入療法が患者に対して行われる別の処置である場合、患者は少なくとも2回の穿刺を受ける。本発明の態様は、組合せ装置に関する。組合せ装置は、カテーテル及びホルダ組立体と呼ばれることがある。カテーテル及びホルダ組立体は、複数の穿刺を必要とする複数の医療処置を1回の穿刺だけで行うことができる。
【0006】
カテーテル及びホルダ組立体は、採血管を受け入れる大きさ及び形状のハウジングを含む採血ホルダに取り付けたカテーテルチューブを有するカテーテルハブを備え、尖端遠位針先及び尖端近位針先を有する針は、尖端遠位針先がカテーテルチューブ開口の遠位に位置し、尖端近位針先が採血ホルダの内部空間に位置するように、カテーテル及び採血ホルダの両方を貫通することができる。
【0007】
本発明の態様は、カテーテルハブに取り付けた遠位開口部を有するカテーテルチューブと、尖端遠位針先及び尖端近位針先を含み、尖端遠位針先がカテーテルチューブの遠位開口部から突出している針と、針を通過させる内腔を有するハブと、採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間を有するハウジングと、を備え、前記カテーテルハブは、採血ホルダと接触し、尖端近位針先は、ハウジングの内部空間に位置するカテーテル及びホルダ組立体を含む。
【0008】
前記針は、尖端遠位針先の近位に位置するノッチを備えることができる。
【0009】
前記採血ホルダは、内部空間を画定する端壁及び側壁を備えることができ、ハブは端壁と一体化することができる。
【0010】
前記尖端近位針先は、カテーテル組立体が使用準備位置にあるとき、採血ホルダの内部空間に配置することができる。
【0011】
前記尖端近位針先を被覆することができる可撓性シールドを、採血ホルダの内部空間に保持することができる。
【0012】
前記採血ホルダは、使用準備位置にあるカテーテルハブ内に突出する突起を含むことができる。
【0013】
前記採血ホルダの遠位に延び、静脈穿刺のための尖端遠位針先を有する針の一部は、採血ホルダ内に延びる針の一部よりも長くすることができる。
【0014】
前記針は、接着剤によって採血ホルダに固定することができる。
【0015】
前記採血ホルダは、端壁から内部空間へ近接して突出する内部支持柱を含むことができ、前記内部支持柱は、針が挿入される貫通した内腔を含むことができる。
【0016】
前記採血ホルダは、端壁から遠位に延びる遠位突起を備えることができ、前記遠位突起は、カテーテルハブに嵌合するように構成することができる。
【0017】
前記採血ホルダは、遠位突起の半径方向外側に配置された遠位リングフランジを備えることができる。
【0018】
前記針は、嵌合のために採血ホルダの屈曲部又は湾曲部に対応する屈曲部又は湾曲部を含むことができる。
【0019】
前記針の屈曲部又は湾曲部は内腔を含むことができる。
【0020】
前記針は、尖端遠位針先の近位に位置する輪郭変化部を備えることができる。
【0021】
カテーテル及びホルダ組立体と共に針ガードを組み込むことができる。前記針ガードは、使用準備位置にある針の側方に位置する表面を備え、前記表面は、尖端遠位針先を被覆するために保護位置にある尖端遠位針先の遠位に移動可能である。
【0022】
前記カテーテルハブには、サイドポートと、前記サイドポートに取り付けたチューブとを含めることができる。
【0023】
弁と弁オープナーは、カテーテルハブ内に配置することができる。
【0024】
本発明の態様は、カテーテルチューブを含むカテーテルハブと、採血管を受け入れる大きさと形状を有する近位開口を含む採血ホルダと、尖端遠位針先及び尖端近位針先を含み、採血ホルダに固定された針とを備え、前記針は、カテーテルハブとカテーテルチューブ内を延在し、遠位針先がカテーテルチューブの開口の遠位に延在する、カテーテル及びホルダ組立体をさらに含むことができる。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、カテーテル及びホルダ組立体の組立方法を含むことができる。本方法は、尖端遠位針先及び尖端近位針先を含む針を採血ホルダに取り付けるステップと、前記針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブ内を延在し、尖端遠位針先がカテーテルチューブの端部開口の遠位に位置するように採血ホルダをカテーテルチューブからなるカテーテルハブに結合するステップと、採血ホルダが採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間を画定する本体を備え、尖端近位針先が内部空間に配置するステップとを備えることができる。
【0026】
本発明の別の態様は、単一の針及び単一の穿刺により採血を行うための方法及びIVアクセスのための方法を含む。
【0027】
本発明の別の態様は、カテーテル組立体を使用する方法を含み、前記カテーテル組立体は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを通過する針を含み、前記針は、カテーテルチューブの遠位開口の遠位に位置する尖端遠位針先と、カテーテルハブの近位開口の近位に位置する尖端近位針先とを備える。
【0028】
本発明のさらなる態様に係るカテーテル及びホルダ組立体は、採血ホルダ又はハウジングと、採血ホルダに取り付けられ、カテーテルチューブを有するカテーテルハブとを備えることができ、尖端近位針先及び尖端遠位針先を備える針が、カテーテルチューブの内腔と、採血ホルダの内側の少なくとも一部に配置される。
【0029】
本発明の態様はさらに、カテーテルハブに取り付けた遠位開口を含むカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、尖端遠位針先及び尖端近位針先を有し、尖端遠位針先がカテーテルチューブの遠位開口から突出する針と、針を通過させる内腔、及び採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間を含むハウジングを有するハブを備えた採血ホルダと、を備え、前記カテーテルハブは採血ホルダと接触し、尖端近位針先はハウジングの内部空間に配置されているカテーテル及びホルダ組立体を含むことが理解される。
【0030】
本発明のカテーテル組立体と共に使用可能な針は、尖端遠位針先の近位に位置するノッチを備えることができる。
【0031】
前記採血ホルダは、内部空間を画定する端壁及び側壁を備え、前記ハブは端壁と一体化することができる。
【0032】
本実施形態のカテーテル組立体で使用可能な針は、間隔をあけて配置された2の尖端針先を有することができる。2つの尖端針先は、遠位針先と近位針先とを含むことができる。尖端近位針先は、カテーテル組立体が使用準備位置にあるとき、採血ホルダの内部空間内とすることができる。
【0033】
前記採血ホルダの内部空間には可撓性シールドを保持することができ、前記可撓性シールドは、尖端近位針先を被覆することができる。
【0034】
前記採血ホルダは、使用準備位置にあるカテーテルハブ内に突出する突起を有することができる。
【0035】
前記採血ホルダの突起は、本体の遠位に配置することができ、前記本体は、採血管を受け入れるサイズ及び形状とすることができる。
【0036】
前記採血ホルダの遠位に延びる針の一部は、採血ホルダ内に延びる針の一部よりも長くすることができる。
【0037】
前記針は、接着剤により採血ホルダに固定することができる。
【0038】
前記採血ホルダは、端壁又は遠位壁から近接して本体の内部空間に突出する内部支持柱を備えることができる。前記内部支持柱は、針が挿通される貫通内腔を含むことができる。
【0039】
前記採血ホルダは、端壁から遠位に延び、カテーテルハブの近位開口に嵌合するように構成される遠位突起を備えることができる。前記カテーテルハブの近位開口部は、雌ルアーとすることができ、IOSルアー規格に従ったサイズ及び形状とすることができる。
【0040】
前記採血ホルダは、遠位突起の半径方向外側に配置された遠位リングフランジを備えることができる。
【0041】
前記針は、近位端と遠位端との間に位置する屈曲部を有することができる。前記屈曲部は、採血ホルダに形成された屈曲部に対応させることができる。針及び採血ホルダの2つの屈曲部は、嵌合のために組み込むことができる。針の屈曲部は、遠位端よりも近位端に近い位置に配置することができる。
【0042】
前記針は、尖端遠位針先の近位に位置する輪郭変化部を備えることができる。
【0043】
前記カテーテル及びホルダ組立体は、使用準備位置にある針の側方に位置し、尖端遠位針先を被覆するために保護位置にある尖端遠位針先の遠位に移動可能な表面からなる針ガードをさらに備えることができる。
【0044】
前記カテーテルハブは、サイドポートと、前記サイドポートに取り付けたチューブとを含むことができる。
【0045】
前記カテーテルハブ内には、弁と弁オープナーを配置することができる。弁オープナーは、弁を開放するために、静脈穿刺の成功後に注射器チップ又はIV投与ラインの先端などの弁に押し込むことができる。弁は、偏向可能な複数のフラップを画定する複数のスリットを有することができる。一例では、3つのスリットと3つのフラップを存在させることができる。
【0046】
本発明のさらに別の態様は、カテーテルチューブを含むカテーテルハブと、採血管を受け入れる大きさと形状の近位開口を有する採血ホルダと、尖端遠位針先及び尖端近位針先を含む針とを備え、針は、採血ホルダに固定され、カテーテルハブ及びカテーテルチューブ内を延在し、遠位針先がカテーテルチューブの開口の遠位に延在するカテーテル及びホルダ組立体である。
【0047】
本発明のさらに別の態様は、カテーテル及びホルダ組立体の組立方法であって、尖端遠位針先及び尖端近位針先を含む針を採血ホルダに取り付けるステップと、針がカテーテルハブ及びカテーテルチューブ内を延在し、尖端遠位針先がカテーテルチューブの端部開口の遠位に位置するように採血ホルダをカテーテルチューブからなるカテーテルハブに結合するステップと、を備え、前記採血ホルダは、採血管を受け入れるように寸法を決められた内部空間を画定する本体を有し、前記尖端近位針先は内部空間内に配置される採血ホルダの組立方法である。
【0048】
本方法は、採血ホルダの近位端でフランジを把持するステップをさらに備えることができる。
【0049】
本方法は、採血ホルダをカテーテルハブと略一致させるステップをさらに備えることができる。
【0050】
前記針は、接着剤によって採血ホルダに固定することができる。
【0051】
本方法は、採血ホルダの本体の端壁から遠位に延びる遠位突起をカテーテルハブの内部に突出させるステップをさらに備えることができる。
【0052】
前記採血ホルダは、遠位突起の半径方向外側に配置された遠位リングフランジを備えることができる。
【0053】
さらに、異なる手順で使用される医療装置又は構成要素の数を減らすことにより、医療廃棄物を最小限に抑えることができるという利点がある。また、患者が受けなければならない穿刺の回数を最小限にすることができるという利点もある。
【0054】
本開示の実施形態は、医療専門家が扱うべき針が1つ減り、廃棄する注射器が1つ減るように、1本の針の使用が可能となる。医療専門家が取り扱わなければならない構成要素の数を減らすことにより、偶発的な穿刺に晒されるリスクを低減することが可能となる。
【0055】
より広くは、針組立体又は針装置と呼ばれるIVカテーテル組立体は、カテーテルチューブ、カテーテルハブ、針、ゴムシールド、及び採血ホルダを備えることができる。カテーテルハブは、ルアーフィットで雄ルアーを受け入れるための近位端に雌ルアーを有することができ、任意に外部スレッドを有することができる。
【0056】
前記カテーテルチューブは、金属ブッシュやフェルールなどで、カテーテルハブに固定することができる。
【0057】
遠位針先の近位に輪郭変化部を有する針は、遠位針先が使用可能な位置でカテーテルチューブの遠位開口から突出した状態で、カテーテルハブの近位開口から挿入することができる。また針は、遠位針先とは反対側の端部に近位針先を有することができる。輪郭変化部は、クリンプ、材料の肉盛り、又はスリーブとすることができ、針ガードと係合し、針ガードが針から遠位に変位するのを防止するように構成することができる。いくつかの例では、輪郭変化部は省略することができ、針ガードは、輪郭変化部を使用せずに針先を被覆することができる。
【0058】
意図しない穿刺から針先をガードするための構造的特徴を含むと理解される針ガードは、静脈穿刺の成功後に針と共に除去するように構成することができ、弁及び弁アクチュエータは、雄ルアーとカテーテルチューブの間の流体連通を可能にするなど、流体流れを制御するためにカテーテルハブと共に残留するよう構成することができる。弁アクチュエータは、注射器やIVコネクタなどの医療器具の雄型チップによって遠位側に押圧されて弁に入り、流体の流れのために弁を開放するように構成されている。弁及び弁アクチュエータは、米国特許公開第2018/0214673号明細書に開示されたものと同等とすることができ、その内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0059】
針ガードに関するさらなる情報は、米国特許第8568372号明細書に記載され、その内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。針ガードは、大略、注射のための使用準備位置にある針軸側に位置し、不注意な穿刺から針先をブロックするための保護位置にある針先の遠位に移動可能な表面を有する。
【0060】
代替実施形態では、針ガードは、意図しない穿刺から針先をブロックするために協働する複数の構成要素を具現化することができる。例えば、針ガードは、そこに取り付けた針を有するばね付勢された針キャリアを備えることができる。静脈穿刺が成功した後、リリースタブが押圧されてバネを解放し、針キャリアと針を保護バレル内に移動させて、意図しない穿刺から針先をブロックすることができる。弁付きカテーテル組立体及びその構成要素の様々な態様についてのさらなる情報は、PCT/EP2016/069619号、PCT/EP2016/069643号、及び米国特許第9114231号明細書に記載され、その内容は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0061】
カニューレハブ又は針ハブは、針を受け入れるために採血ホルダの遠位端に組み込むことができる。例えば、針ハブは、採血ホルダの本体の一部とするか、あるいは、本体と一体化することができる。
【0062】
針は、針ハブの遠位にある針先と、採血管の隔壁を穿刺するために針ホルダの内部に位置する第2の針先とを有することができる。言い換えれば、針軸は、一対の尖端針先を有することができる。カテーテルハブに組み付けると、本発明の組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブと、針軸の両端部に2つの尖端針先を有する針とを備える。例えば、本明細書で提供されるカテーテルハブは、カテーテルチューブと、カテーテルチューブを通って突出する針とを備えることができる。針は、カテーテルチューブの遠位開口部から延びる第1の尖端針先を有する。針は、カテーテルハブの近位開口部の近位側に延びる近位部を有することができ、針の近位部は、第2の尖端針先を有する。
【0063】
一実施形態では、針ハブは、採血ホルダの本体と一体的に形成されている。例えば、針ハブは、ホルダの本体と一体成形することができる。採血ホルダ及び関連するゴムスリーブ(マルチサンプルルアーアダプタ又はMSLAとしても公知)ついての追加の詳細は、
図2Aから
図3Cに記載されている。さらに、本実施形態の採血ホルダは、採血管を受け入れるためのサイズ及び形状とすることができる。例えば、以下にさらに説明するように、採血ホルダは、採血管を受け入れるための大きさ及び形状の内部を画定する壁を有する本体を組み込むことができる。
【0064】
ゴムシールド、可撓性シール、又は別称MSLAとして公知の自己密封針シースを、針の第2端又は針の近位端で採血ホルダの内部に取り付けることができる。採血管を採血ホルダに挿入する前の使用準備位置では、ゴムシールドは、針の近位端を軸方向に取り囲み、針の近位針先を被覆することができる。ゴムシールドは、本体、近位端、及び遠位端を有することができる。
【0065】
実施形態において、ゴムシールド又は針シースの本体は略円筒形とすることができる。自己密封針シースは、針の軸方向への変形を可能にするために、ゴム又はポリマー材料から作成することができる。自己密封針シースの開放遠位端は、ホルダ内の基部にスナップフィットし、使用のために組み付けられるようなサイズ及び形状とすることができる。
【0066】
ゴムシールドの本体及び遠位端は、開放内部空間と、開放内部空間内に開口する開放端とを画定することができる。本体は、内部側壁表面と外部側壁表面との間に画定される厚さを有する側壁によって画定することができる。遠位端は、本体から半径方向外側に延びるフランジを有することができる。フランジを有する遠位端は、本体の半径方向の厚さよりも大きい半径方向の厚さを有することができる。
【0067】
本体は、円錐、切頭円錐、ピラミッド、切頭ピラミッド、プリズム、正方形、又は長方形などの異なる幾何学的形状で形成することができるが、これらに限定されるものではない。異なる幾何学的形状の場合、本体が針軸方向に弾性変形することができるような向きとすることができる。
【0068】
ゴムシールドの近位端は、ゴムシールドの内部を被覆する被覆部を含むことができる。近位端は、ゴムシールドの密閉端と見なすことができる。近位端は、ゴムシールドの近位端を密封するためにドーム状の表面を有することができる。平面や円錐面などの代替形状も使用可能である。ゴムシールドが軸方向に弾性変形したときに針が通過するための穴又はスリットを近位端又はドームの表面に予め形成しておいてもよい。
【0069】
穴が予め形成されている場合、針が近位端の表面を通って延びることなくゴムシールドが使用準備位置にあるとき、穴は、患者からの血液の表面張力がゴムシールドを越えて漏出又は流動することを防止するような大きさにすることができる。これに代えて、スリットが表面に2つのフラップを画定するように、1又は複数のスリットを予め表面に形成することもできる。針は、近位端の表面を貫通するとき、スリット内に挿入され、フラップを互いに分離することができる。針が近位端の表面を貫通しないとき、フラップは互いにシールすることができる。
【0070】
さらに説明するように、採血ホルダは、その遠位端でカニューレハブを担持することができる。採血ホルダは、略円筒形の本体を有することができる。採血ホルダは、本体の一端に遠位壁を有することができる。いくつかの実施形態では、遠位壁又は端壁は、半径又は隅肉で本体と接合することができる。嵌合フランジは、遠位壁から遠位軸方向に延在させることができる。
【0071】
嵌合フランジは、標準的なカテーテル組立体の針ハブのノーズ端と同様に、使用準備位置に組み立てられたとき、カテーテルハブの内部に突出する大きさ及び形状とすることができる。嵌合フランジは、円筒形突起で具現化することができる。ある例では、嵌合フランジと内部支持柱は、端壁から着脱可能な独立した部品として成形することができる。例えば、嵌合フランジと内部支持柱を組み合わせるには、端部壁からねじ止めしたり、押圧したりすることなどが可能である。適宜、使用前又は使用後に、組み合せた嵌合フランジ及び内装支持柱を本体から分離することができる。
【0072】
嵌合フランジは、円筒形突起の内面によって画定される嵌合フランジ開口を有することができる。いくつかの実施形態では、嵌合フランジは、カテーテルハブに対する採血ホルダの回転を防止するために、カテーテルハブの対応する内部形状にキー設定された異なる幾何学的形状とすることができる。幾つかの実施形態では、嵌合フランジの円筒形突起は、嵌合フランジから遠位方向に延びる嵌合突起をさらに含むことができる。嵌合突起は、嵌合フランジの側壁の厚みと同じ厚みとすることができる。
【0073】
実施形態では、嵌合突起は、採血ホルダがカテーテルハブに嵌合されたとき、針ガードを押し込んで、カテーテルハブに形成された内部の係合突起と係合するように構成された表面を有することができる。これにより、針ガードは、使用準備位置で、静脈穿刺成功後の針の引き込み中に、所定位置に保持され、早期に作動するのを防止することができる。
【0074】
反対側の端部、例えば本体の近位端部には、採血管を採血ホルダの内部空間に受け入れるための開口を設けることができる。本体近位端の近傍又は本体近位端に、ハンドル又は把持パッドを本体から半径方向外側に突出させることができる。ハンドルは略長方形とすることができる。いくつかの実施形態では、採血ホルダは、本体から半径方向外側に延びる1つのハンドルを有することができる。
【0075】
他の実施形態では、採血ホルダは、本体から半径方向外側に延びる2以上のハンドルを有することができる。2以上のハンドルを有する場合、ハンドルは、本体の周りに等距離で配置するか、あるいは、採血ホルダを片手で把持するために人間工学的に快適となるように間隔を空けることができる。
【0076】
金属ブッシュは、カテーテルチューブの近位端部をカテーテルハブの内壁面に対してくさびで固定し、カテーテルチューブをカテーテルハブに保持するように構成することができる。カテーテルハブの内部には、隔壁又は弁、アクチュエータ又は弁オープナー、及び安全シールド又はチッププロテクターなどの針ガードなどが設けられている。カテーテルハブは、図示のような単一のハブ本体、又は2以上のハブ本体が組み合わされたものから製造することができる。
【0077】
隔壁又は弁は、弁の弾性変形可能なフラップを画定する少なくとも1つのスリットを含むことができる。一例では、弁は、3つのスリット及び3つの弁フラップなど、1より多いスリット及び1より多いフラップを有する。弾性フラップが中空の針によって拡張され、針が取り除かれたときに閉鎖されるように、針は少なくとも1つのスリットを介して挿入することができる。弁は、流体の流れのために1以上のスリットを開放するように弁オープナーと協働し、かつ、弁オープナーを遠位方向に押圧してカテーテルハブ内に配置した雄ルアーチップの除去時に閉鎖することにより、複数回使用するためにサイズ及び形状を決定することができる。いくつかの例では、フラップは、1回動作する構成で、開放したまま弁オープナーと係合することができる。フラップの数を画定するスリットの数は、1から4以上のスリットまで様々である。
【0078】
カテーテルハブは、開口部のある近位端部を有することができる。また近位端には、雌ねじルアーを形成する外ねじ付きの雌ルアーフィッティングを設けることができる。いくつかの例では、ねじ山は省略することができ、近位開口部は雌ルアーねじとして機能させることができる。
【0079】
本明細書で提供されるカテーテルハブは、一対のウィングを含むことができる。カテーテルハブの実施形態には、ウィングのない実施形態も含むことができる。
【0080】
採血ホルダの内部空間において、内部支持柱は、遠位壁から内部空間の近位に延在させることができる。内部支持柱は、採血ホルダの軸中心から延びる略円筒形又は円錐形とすることができる。内部支持柱は、遠位部及び近位部を含むことができる。遠位壁又は端壁に近い遠位部は、近位部の第2外径よりも大きな第1外径を有することができる。
【0081】
遠位部から近位部への外径の変化は、階段状又はテーパ状とすることができる。遠位部の第1外径は、ゴムシールドを遠位部に固定するために、ゴムシールドの内径に対応した大きさにすることができる。ゴムシールドは弾性変形及び伸縮可能であるので、第1外径は、ゴムシールドが弛緩状態にあるとき、ゴムシールドの内径より大きくすることができる。したがって、ゴムシールドを遠位部に嵌め込んで固定することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、近位部は、ゴムシールドの内径よりも小さい第2外径を有することができる。近位部の第2外径は、ゴムシールドが遠位壁に向かって軸方向に圧縮するとき、弾性変形したゴムシールドを収容するための空間を形成可能である。
【0083】
穴は、内部支持柱を貫通し、嵌合フランジ開口部まで延在させることができる。穴は、針を収容するようなサイズ及び形状にすることができる。穴は、針の干渉圧入のための大きさにすることができ、及び/又は、針を穴に固定するための接着剤に十分な隙間、又は接着剤ウェル(glue well)を含むことができる。
【0084】
採血ホルダは、針及びゴムシールドと嵌合させることができる。ゴムシールドは、遠位壁又は端壁から内部空間内に近位に延在させ、内部支持柱と嵌合させることができる。内部支持柱は、遠位部及び近位部を含むことができる。遠位壁に近い内部支持柱の遠位部は、近位部の第2外径よりも大きい第1外径とすることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、ゴムシールドは、弛緩状態にあるとき、遠位部の第1外径がゴムシールドの内径よりも大きくなるように、弾性変形及び伸縮可能である。したがって、ゴムシールドを遠位部に固定するために、ゴムシールドを遠位部に嵌合することができる。他の実施形態では、ゴムシールドは、遠位端の近傍に剛性構造を有し、遠位部の第1外径に締まり嵌めを形成することができる。
【0086】
ゴムシールドは、フランジが遠位壁に当接するように嵌合することができる。さらに、ゴムシールドは、クリップのような機械的手段又は接着剤によって遠位部に固定することができる。いくつかの実施形態では、ゴムシールドは、遠位部にゆるく嵌合させ、クリップ又は接着剤によって固定することができる。これにより、組立てが容易となる。
【0087】
遠位部から近位部への外径の変化は、階段状又はテーパ状とすることができる。遠位部に近接する内部支持柱の近位部は、遠位部の第1外径よりも小さい第2外径とすることができる。近位部のより小さな第2外径は、採血ホルダへの採血管の挿入により、ゴムシールドが遠位壁に向かって軸方向に圧縮されるとき、弾性変形したゴムシールドを収容するための空間を形成可能である。
【0088】
近位針先は、ゴムシールドの内部に配置することができる。近位針先は、内部支持柱とゴムシールドの近位端との中間に位置する。このようにして、ゴムシールドは近位針先を取り囲み、近位針先を採血ホルダの内部空間の残部から分離させる。
【0089】
このように使用準備位置では、ゴムシールドは、近位針先の汚染を防止し、採血管を新しい又は異なる採血管に交換する間に血液の逆流から針を封止するための衛生シールドとして機能させることができる。採血管を採血ホルダの内部空間に挿入すると、採血管はゴムシールドの近位端部を遠位壁に向かって軸方向に圧縮し、ゴムシールドを弾性変形させることができる。ゴムシールドの近位端は、近位針先がゴムシールドの近位端の近位側で、採血管内に延在するように、近位針先を越えて弾性変形させることができる。
【0090】
穴の遠位端では、嵌合フランジは、採血ホルダの遠位壁の遠位に延在させることができる。嵌合フランジの円筒形突起は、嵌合フランジから遠位方向に延在する嵌合突起をさらに含むことができる。嵌合突起は、一次近位部と、嵌合フランジである円筒形突起から遠位方向に遠くに延びる弧状部と、を含むことができる。
【0091】
嵌合突起は、一次近位部から遠位方向に延びる遠位キー部を有することができる。遠位キー部は、一次近位部及び嵌合フランジと同様な外側円弧形状を有することができる。遠位キー部は、カテーテルハブ内に針ガードをセットするための半径方向内側の平坦部分を有することができる。
【0092】
採血可能な末梢静脈カテーテル組立体又はカテーテル、及びホルダ組立体の取付状態での使用準備位置では、カテーテルハブは採血ホルダの遠位壁の遠位に対向する表面に当接している。針は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを介して延在し、針先はカテーテルチューブ開口部の遠位側に延在している。
【0093】
使用準備位置では、カテーテルハブは、採血ホルダの嵌合突起及び嵌合フランジがカテーテルハブの内部に突出した状態で、採血ホルダの遠位壁の遠位に対向する面に隣接する。
【0094】
針は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを介して延在することにより、カテーテルハブの内部に配置される弁及び弁オープナーを介して延在する。針は遠位針先から近位針先に貫通接続するので、針は遠位針先から採血ホルダの内部空間での近位針先とゴムシールドの間の空間に貫通接続する。
【0095】
使用準備位置では、針ガードは針に沿って配置される。例えば、針は、針ガードの近位壁の開口部を介して突出可能である。針の引込み時、針と共に形成されたクリンプ又は輪郭変化部は、針ガードの2つのアームの端部にある2つの遠位壁の近位側に移動させることができる。針がさらに近位に移動すると、クリンプ又は輪郭変化部は、針ガードを針に保持し、針先の遠位に落下しないように、近位壁の開口部に係合させることができる。
【0096】
意図しない穿刺から針先をガードするための構造的特徴を含むと理解される針ガードは、静脈穿刺の成功後に針と共に取り外されるように構成されている。弁及び弁アクチュエータは、通過する流体の流れを制御するために、カテーテルハブの内部などに、カテーテルハブと共に残留するように構成されている。
【0097】
例示的な実施形態では、米国特許第8568372号明細書の組み込まれた文献にさらに記載されるように、針の輪郭変化部は、針ガードが針と共にカテーテルハブから取り外せるように、針ガードの後壁又は近位壁の近位開口を画定する外周と係合するように構成することができる。針ガードの近位壁は、輪郭変化部の位置と針の近位端との間に摺動可能に配置することができる。それにより、針ガードの近位壁は、輪郭変化部を通過して針から分離するのを防止することができる。
【0098】
カテーテルハブでの針ガードの嵌合は、針ガードの回転を防止する役割を果たすこともできる。針ガードは、カテーテルハブに対する針ガードの回転を防止又は最小化できるように、カテーテルハブに嵌合することが可能である。
【0099】
採血ホルダの遠位キー部の半径方向内側の平坦部は、針ガードの一部と接触させることができる。例示的な実施形態では、針ガードは、遠位キー部の平坦部と接触するための対応する近位平坦面又は縁を有することができる。
【0100】
カテーテルハブは、針から間隔を空けることができ、針先を被覆する針ガードは、静脈穿刺の成功後に作動及び分離する構成に類似させることができる。採血のために、まず、カテーテルを静脈に配置し、IVアクセスのために前進させた後の作動位置では、採血ホルダはカテーテルハブから分離される。IVアクセス後、針はカテーテルチューブ及びカテーテルハブから近位側に引き抜かれる。
【0101】
針がカテーテルハブから引き抜かれるとき、針ガードは針に結合されたまま、針と共にカテーテルハブから引き抜かれる。針ガードは、針がカテーテルハブから引き抜かれたとき、偶発的な穿刺を防止するために遠位針先を被覆することができ、遠位針先近傍の針のクリンプ又は材料の肉盛りにより、針ガードが針から遠位にずれることが防止される。
【0102】
本発明のカテーテル及びホルダ組立体の少なくとも2つの工程又は使用方法が想定される。
図6Aから
図6Dは、採血ホルダがカテーテルハブに嵌合されている間に採血が行われる使用方法の第1工程を図示する。
図7Aから
図7Cは、採血を行う前に、カテーテルチューブを患者の静脈内に進めることにより、採血ホルダをカテーテルハブから分離する使用方法の第2工程を図示する。
【0103】
カテーテル及びホルダ組立体の使用のための第1工程では、採血は、採血中に針の遠位針先がカテーテルチューブの遠位開口の遠位に延在するように、採血ホルダをカテーテルハブに嵌合した状態で実施することができる。
【0104】
本明細書の他の箇所に記載されるように、カテーテルハブに嵌合された採血管を受け入れるサイズ及び形状の近位開口のあるハウジングを有するカテーテル及びホルダセンブリの使用準備位置では、遠位針先は、従来の採血処置と同様に、静脈にアクセスできるようにカテーテルチューブの遠位開口の遠位に延在する。静脈へのアクセスが成功すると、遠位針先及びカテーテルチューブの遠位端は、静脈の内部に位置することにより、針は、静脈と採血ホルダの内部空間との間、特に、ホルダの内部空間への血液逆流を制限又は防止するために、ゴムシース又はシールドによって被覆された第2尖端針先を有する近位針先に連通させることができる。
【0105】
続いて、医療専門家は、採血を可能にし、静脈に対するカテーテル組立体の移動を阻止するために、片手でカテーテル組立体を安定した方法で保持することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブは、静脈穿刺に続く患者へのカテーテルハブの固定を容易にするために、一対のウィングを備えることができる。一対のウィングは、カテーテルハブから半径方向外側に延びるフランジであり、患者の皮膚に接触させるために可撓性とすることができる。
【0106】
採血管は、ホルダの遠位端などの採血ホルダがまだカテーテルハブに接触している間に挿入することができる。採血管の挿入により、ゴムシールドが採血管の隔壁によって近位針先を越えて遠位に変形されるように、採血ホルダの内部空間でゴムシールドを軸方向に変形可能となる。採血管が完全に挿入されると、近位針先は、採血管の隔壁を貫通し、採血管が針の内腔と流体連通できるように、採血管に挿入することができる。
【0107】
採血ホルダをカテーテルハブに嵌合したまま、採血針を介して流体連通させることにより、採血管による採血を行うことができる。
【0108】
採血に成功した後、採血管を取り外すと、ゴムシールドが使用可能な位置に戻ることにより、2つの尖端針の近位針先を被覆し、近位針先からの血液漏れを防止することができる。また、ゴムシールドの弾性変形により、ホルダの内部空間に追加の採血管を順次挿入することで繰り返し採血を行うことができると共に、各採血管を採血ホルダから取り外す際の血液漏れを防止することができる。
【0109】
採血管の最終物をホルダから取り外した後、針とホルダは、カテーテルハブから近位に離間するように引き込むことができる。採血の完了後、医療専門家は、IVカテーテル(PIVC)処置で通常行われるように、カテーテルハブ及びカテーテルチューブを前進させて静脈内に配置することができる。このようにして、医療専門家は、採血ホルダ、ひいては針の静脈に対する位置を維持し、カテーテルハブを遠位方向に移動させることにより、カテーテルチューブを静脈内に前進させることができる。
【0110】
カテーテルハブ及びカテーテルチューブを前進させた後、医療専門家は、カテーテルハブに対して採血ホルダを近位方向に後退させることにより、採血ホルダ及びホルダに取り付けた針をカテーテルハブから完全に取り外すことができる。
【0111】
適宜、採血ホルダをカテーテルハブから離間するように引き込む間、採血ホルダ本体と共に使用する採血管の最後物は、採血ホルダと共に残留させることができる。そして、ホルダのカテーテルハブからの分離前後に、採血管の最終物を採血ホルダから取り外すことができる。
【0112】
静脈穿刺の成功後、カテーテルハブから中空針を引き抜く際、遠位針先の近傍に設けられ、圧着などによる中空針の放射状突起の形態を有する輪郭変化部は、針と共にカテーテルハブから取り外すことができるように安全シールドと係合する。そして、安全シールドは、針をカテーテルハブから引き抜くとき、針の遠位針先をシールド又は被覆するように機能することができる。
【0113】
例示的な実施形態では、安全シールドは、遠位針先を被覆するように動作可能な2つのアームを有することができる。遠位針先が2つのアームの遠位壁の近位に移動すると、2つのアームは、針により付勢されることなく、カテーテルハブの内部から離脱するために、半径方向への弾性変形又は偏向などによって移動することができる。安全シールドのアームが半径方向に移動すると、アーム、又はアームの遠位壁が針先を被覆し、意図しない穿刺を防止することができる。すなわち、遠位壁は、針先の側方の位置から針先の遠位の位置まで移動して、意図しない穿刺を防止することができる。
【0114】
いくつかの例では、針シールドは、1つのアームと、1つのアームの端部にある1つの遠位壁のみを有することができる。他の例では、輪郭変化部は、スリーブ、ノッチ、又は針軸の材料肉盛りを含むことができる。遠位針先の近傍でノッチ付き針を使用すると、針とカテーテルチューブとの間の環状空間で血液の逆流を見ることができる。安全シールドに関するさらなる情報は、米国特許第7736339号明細書に記載され、その内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0115】
カテーテル治療に成功してから針を取り外した後、カテーテルハブの内部に位置する弁の1以上のフラップは、弾性特性により、弁ディスク又はディスクの深さを介して1以上のスリットを閉鎖し、血液がカテーテルチューブからカテーテルハブの近位室内に流れず、カテーテルハブの近位開口を介して流出する。このようにして、弁は、血液がさらに流出するのを防止する。
【0116】
したがって、本明細書に記載の工程は、本発明のカテーテル及びホルダセンブリを使用して、たった1回の穿刺で、採血及び静脈注入のためのカテーテルの両方を提供することができる。比較すると、先行技術の処置は、血液を採取するために採血針を用いた第1穿刺を伴い、採血及び採血針が除去された後、IV注入でPIVCアクセスのための第2穿刺を伴う可能性がある。本実施形態では、採血ホルダは、遠位針先と近位針先という2つの鋭利な針先を有する針を固定するための一体型針ハブを有する。採血ホルダは、針ハブに取り付けられたハウジング又は本体をさらに備え、異なる言い方をすれば、針ハブは採血ホルダの本体に取り付けられる。ハウジングは、一般に円筒形であり、採血管を受け入れるサイズ及び形状を有する内部を有する。 近位針先は、針がゴムシース又はシールドによって遮蔽されていないときに、遠位針先、針内腔、近位針先、及び採血管の間を流体連通させるように採血管の隔壁を穿刺するためにハウジングの内部に配置することができる。
【0117】
本発明のカテーテル及びホルダ組立体の使用に関する第2工程は、医療専門家が通常のPIVCアクセスと同様にカテーテルチューブを患者に進めた後、カテーテルチューブ腔から針を完全に取り外す前に採血を行うことを含む。したがって、採血ホルダに取り付けられている針がカテーテルチューブから完全に取り外される前に、採血ホルダがカテーテルハブから分離した後に、採血を行うことができる。
【0118】
採血ホルダがカテーテルハブに嵌合した使用準備位置では、遠位針先は、静脈にアクセスできるように、カテーテルチューブの遠位開口の遠位に延在する。その後、カテーテルチューブをさらに静脈内に進めると、遠位針先はカテーテルチューブの遠位開口部の近位側に引っ込む。このとき、一次逆流と二次逆流を確認することができる。カテーテルチューブがさらに静脈内に位置し、針が近位方向に後退しているが、カテーテルチューブの内腔から完全に出ていない間は、針は近位針先まで貫通するなど、静脈と採血ホルダの内部空間との間で流体連通を維持する。
【0119】
続いて、医療専門家は、採血の前に、カテーテルチューブを患者の静脈に部分的に又は完全に進めることができる。任意選択で、止血帯は、従来から行われているように、本発明のカテーテル及びホルダ組立体と共に使用することができる。特定のローカルルールによる制限の下など、許可されない場所では、止血帯を使用しなくてもよく、許可されない場所で使用する場合、最初のボトル又は採血管を廃棄する必要がある場合がある。
【0120】
医療専門家は、静脈に対するカテーテル組立体の移動を防止するために、片手でカテーテル組立体を十分に安定させて保持することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブは、静脈穿刺に続く患者へのカテーテルハブの固定を容易にするために、一対のウィングを備えることが可能である。 一対のウィングは、カテーテルハブから半径方向外側に延びるフランジであり、患者の皮膚に接触するように可撓性を有することができる。
【0121】
カテーテルハブを前進させてカテーテルチューブを静脈内に進入させ、カテーテルチューブの前進中に針を近位側に後退させると、採血ホルダとカテーテルハブは、針とカテーテルチューブの内腔によって結合したまま、針の軸方向に沿って分離、すなわち物理的に間隔を置くことができる。使用準備位置では、採血ホルダに固定されている針は、依然として患者の静脈内とすることができ、又は、カテーテルチューブの遠位開口部から凹んで、カテーテルチューブの内腔と流体連通している針が、静脈と近位針先との間に流体接続を与えるように、カテーテルチューブの内腔に配置することができる。
【0122】
実際には、遠位針先がカテーテルチューブの遠位開口部から近位方向に凹んだり引っ込んだりした状態でカテーテルハブを前進させることは、患者の中で針が誤って前進することに対する安全装置として機能させることができる。
【0123】
採血ホルダがカテーテルハブから引き込んだ後、針がまだカテーテルチューブと流体連通している状態で、真空容器を採血ホルダに挿入することができる。採血管の挿入により、採血ホルダの内部空間のゴムシールド又はMSLAを軸方向に変形させ、ゴムシールドが近位針先を越えて遠位に変形して針先を露出させることができる。採血管が完全に挿入されると、近位針先は隔壁を貫通し、採血管が近位針先と流体接続されるように採血管内に挿入することができる。
【0124】
このように、採血管と針が流体連通された状態では、採血ホルダが針を介してカテーテルハブに嵌合したまま、採血を行うことができる。
【0125】
採血に成功した後、採血管を取り外すと、ゴムシールドは使用可能な位置に戻り、近位針先を覆い、針を介してカテーテルハブの近位開口部から血液が漏れるのを防止することができる。また、ゴムシールドの弾性変形により、複数の採血管を用いて繰り返し採血を行うことができる上、各採血管を採血ホルダから取り外す際の血液漏れを防止することができる。
【0126】
採血が成功した後、医療専門家は、次に、採血ホルダ及び付属の針をカテーテルハブから取り外すことができる。医療専門家は、採血ホルダをカテーテルハブに対して近位方向に向かって軸方向に後退させることにより、採血ホルダ及び針をカテーテルハブから完全に取り外すこともできる。
【0127】
静脈穿刺が成功した後、カテーテルハブから中空針を引き出す際、遠位針先の近くに設けられ、圧着などによる中空針の放射状突起の形態を有する輪郭変化部が安全シールドと係合するので、安全シールドを針と共にカテーテルハブから取り外すことができ、本明細書の他の場所で既に説明したように、安全シールドは針と共にカテーテルハブから取り外すことができる。その後、安全シールドは、カテーテルハブから引き出されるとき、針の遠位針先をシールドとして機能させるか、又は被覆することができる。
【0128】
カテーテル治療の成功後の針の取り外しに続いて、弁の1以上のフラップは、弾性特性により、弁ディスク又はディスクの深部を通る1以上のスリットを閉鎖して、血液がカテーテルハブの近位開口を介して流出、又はほぼ流出しないようにする。 このようにして、カテーテルハブは、さらなる血液の損失又は流出を防止することができる。
【0129】
したがって、本発明のカテーテル及びホルダセンブリを使用すると、記載された工程は、1回の穿刺だけで採血及びカテーテル化を提供することができる。対照的に、先行技術の装置は、採血管を介して採血するために、まず採血装置で穿刺を必要とする。そして、採血装置は、チューブなどの所望の数の採血後に患者から取り外される。次に、IVアクセスを得るために、カテーテル組立体を用いた第2穿刺が行われる。
【0130】
静脈穿刺に成功した後、カテーテルハブは次に点滴ラインに接続することができる。しかしながら、本発明の態様に係るカテーテル及びホルダは、採血機能及び末梢IVアクセスの両方を、単一の穿刺だけで行うことができる。したがって、本発明の組立体は、より少ない構成要素及び少なくとも1本の少ない針を利用することにより、廃棄物を減らし、穿刺の数を1本に減らし、穿刺傷害及び複数の穿刺を受ける可能性からの患者に対する潜在的ストレスを最小化することができる。
【0131】
代替の実施形態では、嵌合フランジの周りに突起カバーがあり、両者の間に隙間又は空間があるものを含むことができる。前述のように、嵌合フランジは、カテーテルハブ内に突出するように構成されている。突起カバーの内面には、ストッパ突起を設けることができる。突起カバーは、カテーテルハブの近位端で、カテーテルハブの外周に突出する大きさ及び形状とすることができ、嵌合フランジは、カテーテルハブの近位開口に突出するよう構成される。突起カバーは、カニューレ及び採血中に、カテーテルハブが採血ホルダから偶発的又は早期に分離することを防止することができる。カテーテルハブと採血ホルダとの偶発的な分離は、医療専門家を不安にさせ、医療専門家がカテーテルハブの相対移動に適応する間に不用意に針を動作させる危険がある。
【0132】
偶発的な動きを防止するために、採血ホルダは、遠位壁から遠位に延在する円筒形突起である突起カバーを有することができる。円筒形突起は、突起カバーと嵌合フランジとが互いに同心であるように、嵌合フランジから半径方向外側に間隔を置いた壁構造を有することができ、突起カバーは遠位壁から遠位に延在し、採血ホルダと嵌合したときにカテーテルハブの近位部を被覆することができる。
【0133】
一例では、突起カバーの外面も、カテーテル組立体及び採血ホルダが単一の組立体として包装された場合、包装及び出荷中にカテーテル組立体に裁置された保護シースを係止するように、止め具、係合特徴部、干渉面を含むように形成することができる。
【0134】
突起カバーの内面では、ストッパ突起が内面から半径方向内側に延びることができる。ストッパ突起は、突起カバーの内周に形成される単一の隆起したリップ、バンプ又は環状突起とすることができる。任意選択で、ストッパ突起は、非連続的であり、間隔を空けて配置された複数のバンプを設けることにより内周に形成することができる。ストッパ突起は、外ねじなどのカテーテルハブの後方の外側特徴部又は表面と接触して、相対移動を制限するように構成されている。
【0135】
採血ホルダのさらに別の代替実施形態では、嵌合フランジの周囲に形成され、間に空間又は隙間を有する2つのストッパ突起を内面に備えた突起カバーが設けられている。本実施形態のカバー突起は、採血ホルダの遠位壁から軸方向に離れ、又は遠位壁から遠位に間隔をあけて配置され、第1ストッパ突起から間隔を空けた第2ストッパ突起を含むことができる。第1ストッパ突起と同様に、第2ストッパ突起は、単一の隆起したリップ、バンプ又は突起カバーの内周に形成される環状の突起とすることができる。任意選択で、第2ストッパ突起は、非連続的で、複数の離間したバンプを設けることにより内周に形成することができる。第2ストッパ突起は、第1ストッパ突起と径方向に整列させることができる。また、第2ストッパ突起は、カバー突起の内周に沿って半径方向にオフセットさせることができる。
【0136】
第2ストッパ突起によれば、カテーテルハブが誤って第1ストッパ突起を越えて移動しても、第2ストッパ突起によってカテーテルハブを保持することができる。第2ストッパ突起は、第1ストッパ突起のバックアップと見なすことができる。本実施形態は、2つの分離ストッパを有する採血ホルダ、又は1つのストッパに1つのバックアップストッパを有する採血ホルダと見なすことができる。
【0137】
第1ストッパ突起と第2ストッパ突起は、同じ大きさ、同じ形状とすることができる。また、第1ストッパ突起及び第2ストッパ突起は、2つのストッパ突起を乗り越えるのに異なるレベルの力を必要となるように、カテーテルハブに適用可能な異なるサイズとすることができる。例えば、第2ストッパ突起は、第1ストッパ突起よりも突起カバーの内面からより内側に表面構造部又はリップを組み込むことにより、第1ストッパ突起よりも高い分離力を必要とすることができる。
【0138】
2列以上のストッパ突起など、追加のストッパ突起を設け、採血ホルダから分離するカテーテルハブからさらに分離するブロックを設けることができる。さらに、ストッパ突起の代替形態を使用することができる。例示的な実施形態では、ドーム状、環状リップ、突起、又はバンプストッパ突起を使用しているが、ストッパ突起は、代替的に、長方形、異なる形状、ディテント、バーブ等の比較的鋭い把持構造等の別の幾何学的形状であってもよいし、カバー突起の内部における円弧状フランジであってもよい。ストッパ突起は、互いに異なる形状であってもよい。
【0139】
さらに別の代替実施形態では、カテーテルハブの本体は、一体型カテーテルハブとしても公知のサイド流体ポート及びチューブを備える。一体型カテーテルハブは、カテーテルハブの略円筒形の本体から斜めに延在するサイド流体ポートを含むことができる。
【0140】
チューブは、第1端でサイド流体ポートに接続することができ、チューブの反対端は、針のない注射器を取り付けて薬などの流体を注入できる雄型又は雌型の針レス弁などの流体アダプタに接続することができる。チューブは、流体流のための内腔を有し、サイド流体ポートを介したカテーテルハブ102と外部アダプタとの間の流体接続を提供することができる。
【0141】
外部アダプタは、ルアーコネクタ、針レスコネクタ、又は従来のベントプラグなど、従来から知られている任意のタイプのアダプタとすることができる。血液の流れは、サイド流体ポートを通る流体の流れを妨げないように、サイド流体ポートがカテーテルハブの中に開口する場所の近位にあるシール又は隔壁によって停止させることができる。IV液や他の医薬品は、外部流体アダプタからチューブを介してサイド流体ポートに接続し、カテーテルハブ内に流入させることができる。
さらに、本実施形態のカテーテルハブは、絆創膏固定法などの患者への固定を補助するために、カテーテルハブの本体から突出した一対のウィングを有することができる。
【0142】
代替的な採血ホルダは、一体型カテーテルハブと共に使用するためのカバー突起又はストッパ突起を含むことができる。サイド流体ポート及びチューブは、採血ホルダと一体型カテーテルハブを嵌合する際、突起カバーの嵌合に干渉しないように配置することができる。
【0143】
一体型カテーテルハブを使用するカテーテル組立体の操作工程は、本明細書の他の箇所に記載されているものと同じにすることができる。
【0144】
さらに別の代替的な針において、針軸は、採血ホルダの対応する形状の溝と嵌合するための湾曲特徴又は湾曲部分を有することができる。針は、遠位針先と近位針先との間の中間位置で湾曲特徴部又は湾曲部を有することができる。湾曲特徴部は、遠位針先及び針軸の遠位部が近位針先及び針軸の近位部と軸方向に整列するような単純なC字形曲げとすることができる。また、湾曲部は、S字形状などの異なる形状、又は複雑な形状であってもよい。
【0145】
採血ホルダの穴も同様に、針の湾曲部又は屈曲部を受容又は収容するための対応するスロット又は形状とすることができる。針は、採血ホルダの対応するスロット、又は対応する湾曲特徴部に嵌め込むことができる。いくつかの実施形態では、針は、軸方向の挿入により対応するスロットに強制的に挿入することができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、採血ホルダは、少なくともホルダの針ハブ部で、採血ホルダの組立前に針を対応するスロットに留めることができるように、穴に沿って分割される2部構造とすることができる。対応するスロットは、針をスロットに押し込むために僅かな力が必要となるように、針の屈曲部と対応する輪郭部と、僅かなアンダーカット特徴部とを有することができる。
【0147】
対応するスロットと屈曲特徴部の組み合わせは、追加の接着剤を必要とせずに、カニューレを機械的にしっかりと固定することができる。代替的に、接着剤を使用することができ、又は屈曲特徴部及び対応する形状のスロットを使用し、超音波溶接のような他の結合技術を用いて針を採血ホルダに結合させることができる。
【0148】
針装置及び組立体の製造方法及び使用方法並びにそれらの構成要素は、本発明の範囲内であると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0149】
本装置、システム、及び方法のこれら及び他の特徴及び利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付図面を参照してよりよく理解されるであろう。
【0150】
【
図1A】採血ホルダを有する弁付きカテーテル組立体の分解斜視図である。
【
図1B】他の構成要素のうち、カテーテルチューブ及びブッシングを有するカテーテルハブの縦断面図である。
【
図3A】針及び採血ホルダの取付構造又は組立構造を示す斜視図である。
【
図4A】取付構造又は組立構造のカテーテルハブ、針、及び採血ホルダを示す断面図である。
【
図5】カテーテル組立体及び採血管の例示的な実施形態の分解断面図である。
【
図6A】採血及びカテーテル挿入に使用されるカテーテル組立体の実施形態の異なる段階を示す。
【
図6B】採血及びカテーテル挿入に使用されるカテーテル組立体の実施形態の異なる段階を示す。
【
図6C】採血及びカテーテル挿入に使用されるカテーテル組立体の実施形態の異なる段階を示す。
【
図6D】採血及びカテーテル挿入に使用されるカテーテル組立体の実施形態の異なる段階を示す。
【
図7A】医療専門家がカテーテルチューブを患者の体内に進めた後に採血を行う使用方法の第2工程を示す。
【
図7B】医療専門家がカテーテルチューブを患者の体内に進めた後に採血を行う使用方法の第2工程を示す。
【
図7C】医療専門家がカテーテルチューブを患者の体内に進めた後に採血を行う使用方法の第2工程を示す。
【
図7D】医療専門家がカテーテルチューブを患者の体内に進めた後に採血を行う使用方法の第2工程を示す。
【
図8A】カバー突起及びストッパ突起を有する採血ホルダの代替実施形態を示す。
【
図8B】カバー突起及びストッパ突起を有する採血ホルダの代替実施形態を示す。
【
図9A】カバー突起及び2つのストッパ突起を有する採血ホルダの別の代替的な実施形態を示す。
【
図9B】カバー突起及び2つのストッパ突起を有する採血ホルダの別の代替的な実施形態を示す。
【
図10A】カテーテルハブが一体型カテーテルハブである、カテーテルハブの代替的な実施形態を示す。
【
図10B】カテーテルハブが一体型カテーテルハブである、カテーテルハブの代替的な実施形態を示す。
【
図11A】採血ホルダに固定するための湾曲した針の一実施形態を示す。
【
図11B】採血ホルダに固定するための湾曲した針の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0151】
添付図面に関して以下に示す詳細な説明は、本発明の装置、システム及び方法の態様に従って提供される採血ホルダ及びIVカテーテルの本発明の好ましい実施形態の説明であることを意図しており、本発明の装置、システム及び方法が構築又は利用される唯一の形態を示すことは意図していない。本説明には、例示された実施形態に関して、本発明の装置、システム、及び方法の実施形態を構築及び利用するための機能及びステップが記載されている。しかしながら、同一又は同等の機能及び構造が、本開示の精神及び範囲内に包含されることも意図される異なる実施形態によって達成されることが理解される。本明細書の他の箇所で示すように、同様な参照符号は、同等又は類似の要素又は機能を示すことを意図する。
【0152】
採血と輸液療法のための2つの別の処置では、この処置によって生成される危険な医療廃棄物が2組ある。さらに、採血及び注入療法が患者に行う別の処置では、患者は少なくとも2回穿刺される。
【0153】
PIVCのカニューレハブに取り付けた注射器を使用する場合であっても、オペレータが部品を着脱する必要がある。採血管を充填するために注射器に皮下注射針を追加する必要から、皮下注射針を血液充填済みの注射器に接続して、針先が尖った注射器を取り扱う際、誤って穿刺する可能性がさらに高まる。医療専門家の偶発的な穿刺リスクを最小化することが重要である。例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)や肝炎など、致命的な感染症の流行が原因で、使用済み針の取り扱いでの偶発的な穿刺により生じる不注意な傷から体液が交換されて感染する可能性がある。
【0154】
さらに、異なる処置で使用される医療装置又は構成部品の数を減らすことにより、医療廃棄物を最小限に抑えることが有効である。また、患者が受けなければならない穿刺の数を最小限にすることも有効である。
【0155】
本開示の実施形態は、医療専門家が扱う針が1本少なくなり、廃棄する注射器が1本少なくなるように、単一の針の使用を可能にする。医療専門家が取り扱わなければならない構成要素の数を減らすことにより、医療専門家が、偶発的な穿刺に関係するリスクに晒されることもさらに少なくなる。
【0156】
図1A及び
図1Bを参照すると、採血ホルダ106を有する弁付きカテーテル組立体100の構成要素が図示されている。広義には針組立体又は針装置と言及してもよいIVカテーテル組立体100は、カテーテルチューブ104、カテーテルハブ102、針108、ゴムシールド252、及び採血ホルダ106を備えることが示されている。カテーテルハブ102は、ルアーフィットの雄ルアーを受け入れるための近位端に、任意の外ねじのある雌ルアーを有することができる。
【0157】
カテーテルチューブ104は、ブッシュ又はフェルールなどによりカテーテルハブ102に固定することができる。カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104に関する追加の説明は、
図1Bを参照して以下でさらに説明する。
【0158】
遠位針先110の近位に輪郭変化部144を有する針108は、カテーテルハブ102の近位開口から挿入して、遠位針先110が使用準備位置にあるカテーテルチューブ104の遠位開口112から突出した状態とすることができる。また針108は、遠位針先110の反対側端部に近位針先200を有することができる。輪郭変化部144は、クリンプ、材料の肉盛り、又はスリーブとすることができ、針ガードと係合し、針ガードが針から遠位に変位するのを防ぐように構成される。いくつかの例では、輪郭変化部は省略することができる。針ガードは、輪郭変化部を使用することなく針先をカバーすることができる。
【0159】
意図しない穿刺から針先をガードするための構造的特徴を含むと理解される針ガード132(
図1B)は、静脈穿刺の成功後に針108と共に取り外せるように構成される一方、弁136及び弁アクチュエータ134は、流体の流れを制御するためにカテーテルハブ102と共に残るように構成される。アクチュエータ134は、注射器又はIVコネクタのような医療器具の雄型チップによって遠位に押圧されて弁136に入り、流体の流動のために弁を開放するように構成される。針ガード132に関するさらなる情報は、米国特許第8568372号明細書に記載されており、その内容は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。代替の実施形態では、針ガード132は、意図しない穿刺から針先をブロックするために協働する複数の構成要素を具体化することができる。例えば、針ガードは、針を取り付けられてバネ付勢された針キャリアを備えることができる。静脈穿刺が成功した後、リリースタブが押圧されてばねを解放した後、針キャリア及び針を保護バレル内に移動させて、意図しない穿刺から針先をブロックすることができる。弁付きカテーテル組立体及びその構成要素の様々な側面に関するさらなる情報は、PCT/EP2016/069619号、PCT/EP2016/069643号及び米国特許第9114231号明細書に記載されており、その内容は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0160】
カニューレハブすなわち針ハブ106aは、針108を受け止めるために、採血ホルダ106の遠位端に組み込むことができる。針108は、針ハブの遠位の針先と、採血管の隔壁を穿刺するための針ホルダの内部に位置する第2の針先とを有することができる。したがって、カテーテルハブ102を組み付けると、本発明の組立体は、カテーテルチューブと、針軸の2つの反対側端部に2つの鋭利な針先のある針とを有するカテーテルハブを備える。例えば、カテーテルハブには、カテーテルチューブを設けることができる。針には、カテーテルチューブを介して突出し、カテーテルチューブの遠位開口から延在する第1尖端針先を設けることができる。針は、カテーテルハブの近位開口部の近位側に延び、第2尖端針先がある近位部を有することができる。
【0161】
本実施形態では、針ハブ106aは、採血ホルダ106の本体と一体的に形成されている。例えば、針ハブは、ホルダ本体と一体成形することができる。採血ホルダ106及び関連するゴムスリーブ252(マルチサンプルルアーアダプタ又はMSLAとしても公知)に関する追加の詳細は、
図2Aから
図3Cを参照して後述する。組み込まれた文献に記載されるように、針を針ハブのノーズ部に固定するための構造を具体化することに加えて、本実施形態の採血ホルダ106は、内部に採血管を受け入れるためのサイズ及び形状にすることができる。例えば、以下でさらに論じるように、採血ホルダ106には、採血管を受け入れるための大きさ及び形状の内部を有する本体部を組み込むことができる。
【0162】
ゴムシールド、変形可能なシール又は自己密封針シース252、別称MSLAは、針の第2の端部で採血ホルダ106の内部に取り付けることができる(
図3B)。採血ホルダ106に採血管を挿入する前の使用準備位置では、ゴムシールド252は、針108の近位端を軸方向に囲み、針108の近位針先200を被覆することができる。ゴムシールド252(
図1A)は、主本体254、近位端256及び遠位端258を有することができる。実施形態では、主本体254は、ほぼ円筒形にすることができる。自己密封針シース252は、針108の軸方向への変形を可能にするために、ゴム又はポリマー材料から作成することができる。自己密封針シース252の開放遠位端258は、ホルダの内部の基部にスナップフィットし、使用のためにそれに組み付けられるようなサイズ及び形状とすることができる。
【0163】
ゴムシールド252の本体254及び遠位端258は、開放内部空間260と、開放内部空間内に開口する開放端とを画定することができる。本体254は、内部側壁表面と外部側壁表面の間に形成される厚さを有する側壁によって画定することができる。遠位端258は、本体から半径方向外側に延びるフランジ262を有することができる。フランジ262を有する遠位端258は、本体254の半径方向の厚さよりも大きい半径方向の厚さを有することができる。
【0164】
これに代えて、本体254は、円錐、切頭円錐、ピラミッド、切頭ピラミッド、プリズム、正方形、又は長方形など、異なる幾何学的形状で形成することができるが、これらに限定されるものではない。異なる幾何学的形状の場合、幾何学的形状の方向は、本体が針108の軸方向に弾性変形することができるものとすることができる。
【0165】
ゴムシールド252の近位端256は、ゴムシールド252の内部260を覆う被覆を含むことができる。近位端256は、ゴムシールド252の密閉端と考えることができる。近位端256は、ゴムシールド252の近位端を密閉するためのドーム型表面264を有することができる。平坦面や円錐面などの代替形状も使用することができる。ゴムシールド252が軸方向に弾性変形するときに針108が通過するために、近位端256の表面364に穴又はスリットを予め形成しておいてもよい。予め穴が形成されている場合、穴は、針108が近位端256の表面264を通って延びることなくゴムシールドが使用準備位置にあるときに、患者からの血液の表面張力がゴムシールド252を越える漏れ又は流出を防止するような大きさであればよい。これに代えて、スリットが表面264に2つのフラップを画定するように予め1又は複数のスリットを表面264に形成することもできる。針108が近位端256の表面264を通って挿入されるとき、針は、スリット内に挿入され、フラップを互いに分離させることができる。そして、針108が近位端256の表面264を通って延びていないとき、フラップは、互いにシールすることができる。
【0166】
以下の
図2から
図4Bでさらに説明するように、採血ホルダ106は、その遠位端でカニューレハブ106aを担持することができる。採血ホルダ106は、略円筒形の本体600を有することができる。採血ホルダ106は、本体600の一端にある遠位壁604と、内部空間620を画定する側壁607とを有することができる。いくつかの実施形態では、遠位壁又は遠位壁604は、半径又はフィレット606で本体600と接合することができる。遠位壁604から、嵌合フランジ610が軸方向遠位に延在することができる。嵌合フランジ610は、標準的なカテーテル組立体の針ハブのノーズ端と同様に、使用準備位置に組み立てられたときにカテーテルハブ102の内部に突出するようなサイズ及び形状とすることができる。嵌合フランジ610は、円筒形の突起に具体化することができる。ある例では、嵌合フランジ610及び内部支持柱630は、端壁から着脱可能な独立した構成要素として成形することができる。例えば、嵌合フランジ610と内部支持柱630の組み合わせは、端壁604からねじ止めしたり、押し切りしたりすることができる。任意に、使用前又は使用後、組合せ嵌合フランジ610及び内部支持柱630を本体600から分離することができる。
【0167】
嵌合フランジ610は、円筒形突起の内面によって画定された嵌合フランジ開口部614を有することができる。いくつかの実施形態では、嵌合フランジ610は、カテーテルハブ102に対する採血ホルダ106の回転を防止するために、カテーテルハブ102の対応する内部形状にキー設定された異なる幾何学的形状にすることができる。いくつかの実施形態では、嵌合フランジ610の円筒形突起は、嵌合フランジ610から遠位方向に延びる嵌合突起すなわち遠位突起612をさらに含むことができる。嵌合突起612は、嵌合フランジ610の側壁と同一厚みとすることができる。実施形態では、嵌合突起612は、採血ホルダ106がカテーテルハブ102と嵌合したときに、針ガード132をカテーテルハブに形成された内部係合突起との係合に押し込むように構成された面を有することができる。これにより、針ガードを使用準備位置に保持し、静脈穿刺が成功した後の針の引込み中での早期の活性化を防止することができる。
【0168】
反対側の端部、例えば本体600の近位端部には、採血ホルダ106の内部空間620に採血管を受け入れるための開口を設けることができる。本体近位端の近傍又は本体近位端に、ハンドル、フランジ、又は把持パッド602(
図1A)は、本体600から半径方向外側に突出させることができる。ハンドル又はフランジ602は、略長方形状とすることができる。いくつかの実施形態では、採血ホルダ106は、本体600から半径方向外側に延びる1つのハンドル602を有することができる。他の実施形態では、採血ホルダ106は、本体600から半径方向外側に延びる2以上のハンドル602を有することができる。1以上のハンドル602を有する場合、ハンドルは、本体600の周りに等距離に配置することができ、採血ホルダ106を片手で把持するために人間工学的に快適となるように間隔を空けることができる。
【0169】
図1Bは、カテーテルチューブ104及びブッシュ138を有するカテーテルハブ102の縦断面図である。ブッシュ138は、カテーテルチューブ104の近位端部をカテーテルハブ102の内壁面にくさび留めし、カテーテルチューブ104をカテーテルハブ102に保持するように構成することができる。カテーテルハブ102の内部には、隔壁又は弁136、アクチュエータ又は弁オープナー134、及び安全シールド又はチッププロテクター等の針ガード132が設けられている。カテーテルハブ102は、図示のような単一のハブ本体、又は2以上のハブ本体が組み合わされたものから製造することができる。
【0170】
隔壁又は弁136は、弾性変形可能なフラップを画定する少なくとも1つのスリットを含むことができる。針108は、弾性フラップが中空の針によって拡張され、針が取り除かれたときに閉鎖されるように、少なくとも1つのスリットを介して挿入することができる。弁は、弁オープナーと協働して、流体の流れのために1以上のスリットを開放し、弁オープナーを遠位方向に押圧するためにカテーテルハブ内に配置された雄ルアーチップの除去時に閉鎖することにより、複数回の使用に適したサイズ及び形状とすることができる。いくつかの例では、フラップは、1回限り活性化する構成で、弁オープナー134と開放したまま係合することができる。フラップの数を画定するスリットの数は、1つのスリットから、2以上のフラップ、例えば3以上のフラップを画定する4以上のスリットまで変更することができる。
【0171】
カテーテルハブ102は、開口部を有する近位端部を有することができる。また近位端には、外ねじ103を有する雌型ルアーフィッティングを設けて、雌型ねじ付きルアーを形成することができる。いくつかの例では、スレッドは省略することができ、近位開口部は雌型ルアースリップとして機能させることができる。
【0172】
図1Aは、一対のウィングを有するカテーテルハブ102を示す。カテーテルハブの実施形態は、ウィングのない実施形態も含むことができる。
【0173】
図2は、採血ホルダの実施形態の
図1AのA-A線断面図である。採血ホルダ106の内部空間620では、内部支持柱630が遠位壁604から内部空間620の近傍に延びている。内部支持柱630は、採血ホルダ106の軸方向中心から延びる略円筒形又は円錐形とすることができる。内部支持柱630は、遠位部630a及び近位部630bを含むことができる。遠位壁又は端壁604に近い遠位部630aは、近位部630bの第2外径よりも大きな直径である第1外径を有することができる。遠位部630aから近位部630bへの外径の移行は、階段状又はテーパ状とすることができる。遠位部630aの第1外径は、ゴムシールド252を遠位部630aに固定するために、ゴムシールド252の内径に対応する大きさとすることができる。ゴムシールド252は弾性変形可能で伸縮可能であり得るので、ゴムシールドが弛緩状態にあるとき、第1外径はゴムシールド252の内径より大きくすることができる。したがって、ゴムシールド252を遠位部630aに固定するために、ゴムシールド252を遠位部630aに嵌合することができる。いくつかの実施形態では、近位部630bは、ゴムシールド252の内径よりも小さい第2外径を有することができる。近位部630bのより小さい第2外径は、ゴムシールド252が遠位壁604に向かって軸方向に圧縮されるときに、弾性変形するゴムシールド252を収容するためのスペースを確保することを可能とする。
【0174】
内腔632は、内部支持柱630を貫通して、嵌合フランジ開口部614まで延ばすことができる。内腔632は、針108を収容するようなサイズ及び形状にすることができる。内腔632は、針108に締まり嵌めする大きさにすることができ、及び/又は、針108を内腔632に固定するための接着剤に十分なギャップ、すなわち接着剤ウェルを含むことができる。内腔632は、針ハブ106a及び内部支持柱630を貫通して延びる。
【0175】
図3A及び
図3Bは、装着した状態での針108及び採血ホルダ106を図示する。
図3Aは、装着した状態での針108及び採血ホルダ106の斜視図である。
図3Bは、
図3Aの実施形態の針組立体の縦断面図である。採血ホルダ106は、針108及びゴムシールド252と嵌合することができる。ゴムシールド252は、遠位壁又は端壁604から内部空間620内に近位に延在する内部支持柱630と嵌合することができる。内部支持柱630は、遠位部630a及び近位部630bを含むことができる。遠位壁604により近い内部支持柱630の遠位部630aは、近位部630bの第2外径よりも大きい直径である第1外径を有することができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、ゴムシールド252は、弛緩状態で、遠位部630aの第1外径がゴムシールド252の内径よりも大きくなり得るように、弾性変形して伸縮することが可能である。したがって、ゴムシールド252を遠位部630aに固定するために、ゴムシールド252を遠位部630aに嵌合することができる。他の実施形態では、ゴムシールド252は、その遠位端258の近くに剛性構造を有し、第1外径の遠位部630aと干渉して嵌合することができる。
【0177】
ゴムシールド252は、フランジ262が遠位壁604に当接するように嵌合させることができる。さらに、ゴムシールド252は、クリップ、バーブ、回り止めなどの機械的手段、又は接着剤により遠位部630aに固定することができる。いくつかの実施形態において、ゴムシールド252は、遠位部630aに緩やかな嵌合させて、クリップ、バーブ、回り止め、又は接着剤によって固定することができる。これにより、より容易な組み立てが可能となる。
【0178】
遠位部630aから近位部630bへの外径の変化は、階段状又はテーパ状とすることができる。遠位部630aに近接する内部支持柱の近位部630bは、遠位部630aの第1外径よりも小さい第2外径とすることができる。近位部630bのより小さな第2外径は、採血ホルダ106への採血管の挿入によりゴムシールド252が遠位壁604に向かって軸方向に圧縮される際に弾性変形したゴムシールド252を収容するための空間を確保することを可能とする。
【0179】
近位針先200は、ゴムシールド252の内部に配置することができる。近位針先200は、内部支持柱630とゴムシールド252の近位端256の中間位置に配置される。このように、ゴムシールド252は、近位針先200を取り囲み、近位針先200を採血ホルダ106の内部空間620の残部から分離する。
【0180】
このようにして、使用準備位置において、ゴムシールド252は、近位針先200の汚染を防止するための衛生シールドとして機能し、採血管を新しい又は異なる採血管に交換する間に血液逆流から針をシールすることができる。採血管を採血ホルダの内部空間620に挿入すると、隔壁などの採血管は、ゴムシールド252の近位端256を遠位壁604に向かって軸方向に圧縮して弾性変形させることができる。ゴムシールド252の近位端256は、近位針先200がゴムシールド252の近位端256の近位側に延び、採血管の隔壁などを介して採血管内に侵入するように、近位針先200を越えて弾性変形させることが可能である。
【0181】
内腔632の遠位端では、嵌合フランジ610が採血ホルダの遠位壁604の遠位に延びている。嵌合フランジ610の円筒形突起は、嵌合フランジ610から遠位方向に延びる嵌合突起又は遠位突起612をさらに含むことができる。嵌合突起612は、嵌合フランジ610である円筒形突起から遠位方向に延びる円弧状部分である一次近位部分612aを含むことができる。嵌合突起612は、一次近位部分612aから遠位方向に延びる遠位キー部612bを有することができる。遠位キー部612bは、一次近位部612a及び嵌合フランジ610と同様の外側円弧状形状を有することができる。遠位キー部612bは、
図4Bに関して以下に説明するように、針ガード132をカテーテルハブ内にセットするための半径方向内側の平坦部分を有することができる。
【0182】
図4A及び
図4Bは、取り付け又は組み立てられた構成のカテーテルハブ102、針108、及び採血ホルダ106を図示し、それは血液採取可能な末梢静脈内カテーテル組立体85、又はカテーテル及びホルダ組立体85として言及することができる。
図4Aは、取り付けられた又は組み立てられた構成のカテーテルハブ102、針108、及び採血ホルダ106の斜視図である。組み立てられ、使用準備位置にある取り付けられた構成のカテーテルハブ102は、採血ホルダ106の遠位壁604の遠位面に当接する。針108は、カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104を通り、針先110がカテーテルチューブ開口部の遠位に延びている。
【0183】
図4Bは、
図4Aの実施形態の針組立体の長手方向に延びる平面に沿う断面図を示す。
図4Bは、組み立てられ、使用準備位置にある針組立体の断面図を示す。使用準備位置では、カテーテルハブ102は、採血ホルダ106の嵌合突起612及び嵌合フランジ610がカテーテルハブ102の内部に突出した状態で、採血ホルダ106の遠位壁604の遠位面に当接している。
【0184】
針108は、カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104を介して延在することにより、カテーテルハブ102の内部に配置された弁136及び弁オープナー134を介して延在する。針108が遠位針先110から近位針先200への貫通接続、流動内腔を提供するように、針108は遠位針先110から採血ホルダの内部空間620の近位針先200とゴムシールド252の間の空間に貫通接続する。
【0185】
使用準備位置では、針ガード132は針108に沿って配置される。例えば、針は、針ガードの近位壁の開口部を介して突出することができる。針の引き込み時、針108と共に形成されたクリンプ又は輪郭変化部144は、針ガードの2つのアームの端部にある2つの遠位壁の近位側に移動することができる。針がさらに近位に移動すると、クリンプ又は輪郭の変化部は、針ガード132を針上に保持し、針先の遠位に落ちないように近位壁の開口部と係合することができる。
【0186】
針ガード132は、意図しない穿刺から針先をガードするための構造的特徴を含むと理解され、静脈穿刺の成功後に針108と共に取り外されるように構成される。弁136及び弁アクチュエータ134は、流体の流れを制御するために、カテーテルハブの内部など、カテーテルハブ102と共に残るように構成される。
【0187】
例示的な実施形態では、米国特許第8568372号明細書の組み込まれた文献にさらに記載されるように、針108の輪郭144の変化部は、針ガード132が針108と共にカテーテルハブ102から取り外せるように、針ガード132の後壁又は近位壁の近位開口を画定する外周と係合するように構成することができる。針ガード132の近位壁は、輪郭144の変化部と針108の近位端の位置の間に摺動可能に配置されている。これにより、針ガード132の近位壁は、輪郭144の変化部を通過して、針108から分離することを防止することができる。
【0188】
カテーテルハブ102での針ガード132の嵌合は、針ガード132の回転を防止する役割も果たすことができる。針ガード132は、カテーテルハブ102に対する針ガード132の回転を防止又は最小化することができるように、カテーテルハブ102に嵌合することが可能である。
【0189】
採血ホルダ106の遠位キー部612bの半径方向内側の平坦部は、針ガード132の一部と接触させることができる。例示的な実施形態では、針ガード132は、遠位キー部612bの平坦部と接触するための対応する近位平坦面又は縁を有することができる。
【0190】
図5は、カテーテル組立体100と、隔壁902を有する採血管900との例示的な実施形態の分解断面図である。カテーテルハブが針から間隔をあけて配置され、針ガードが針の先端を被覆することは、静脈穿刺の成功に続いて活性化及び分離が起こる構成に類似する。カテーテル組立体100の動作及び針108がカテーテルハブ102から引き出されたときの作動位置に関するさらなる説明は、
図6D及び
図7Cに関して以下に見出すことができる。
【0191】
採血のためにカテーテルを静脈内に最初に配置し、IVアクセスのために前進させた後の作動位置では、採血ホルダ106はカテーテルハブ102から分離される。針は、IVアクセス、採血に続いて、カテーテルチューブ104及びカテーテルハブ102から近位に引き出される。針108がカテーテルハブ102から引き出されるとき、針ガード132は針108に結合されたままであり、針と共にカテーテルハブ102から引き出される。針ガード132は、針108がカテーテルハブ102から引き出されたときに、遠位針先110を被覆して偶発的な穿刺を防止することができると共に、遠位針先付近の針のクリンプ又は材料の肉盛りにより、針ガードが針から遠位にずれることを防止することができる。
【0192】
カテーテル及びホルダ組立体85の少なくとも2つのプロセス又は使用方法を想定することができる。
図6Aから
図6Dは、採血ホルダ106がカテーテルハブ102に嵌合されて、接触している間に採血を行う使用方法の第1工程を示す。
図7Aから
図7Cは、カテーテルチューブ104が患者の静脈内に挿入されることにより、採血を行う前に、カテーテルハブ102から採血ホルダ106を、間隔を空けて分離する使用方法のための第2工程を図示する。
【0193】
最初に
図6Aから
図6Dにおいて、カテーテル及びホルダ組立体85の使用方法に関する第1工程が示され、採血及びカテーテルのために構成された組立体の異なる段階を図示する。図示された構成では、採血は、採血中に針の遠位針先110がカテーテルチューブ104の遠位開口の遠位に延びるように、採血ホルダ106をカテーテルハブ102に嵌合させて実行することができる。
【0194】
図6Aは、採血管を受け止める大きさ及び形状の近位開口を有するハウジングを備えた採血ホルダ106をカテーテルハブ102に嵌合した使用準備位置にあるカテーテル及びホルダ組立体85を図示する。使用準備位置では、
図1から
図5に関して説明したように、遠位針先110は、従来の採血手順のように静脈にアクセスするために使用できるように、カテーテルチューブ104の遠位開口の遠位に延在する。静脈へのアクセスが成功すると、遠位針先110及びカテーテルチューブ104の遠位端は静脈の内部に位置することにより、針108は、静脈と採血ホルダ106の内部空間620との間の流体連通、特にホルダ106の内部空間への血液逆流(
図4B)を制限又は防止すべくゴムシース又はシールド252によって覆われている第2の鋭利な針先200を有する針の近位針部分への連通を提供できるようになる。
【0195】
次に、医療専門家は、血液採取を可能にするために、静脈に対するカテーテル組立体100の移動を避けるために、片手でカテーテル組立体100を安定した方法で保持することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ102は、静脈穿刺に続く患者へのカテーテルハブ102の固定を容易にするために一対のウィング120を備えることができる。一対のウィングは、カテーテルハブ102から半径方向外側に延びるフランジであり、患者の皮膚に接触するように可撓性とすることができる。
【0196】
図6Bは、採血ホルダ106の内部空間620に採血管900を挿入することによる採血を図示する。採血管900は、採血ホルダ106、例えばホルダの遠位端がまだカテーテルハブ102に接触している間に挿入される。
図3Bに関して説明したように、採血管900の挿入は、ゴムシールド252が採血管900上の隔壁902によって近位針先200を越えて遠位に変形するように、採血ホルダ106の内部空間620(
図4B)内のゴムシールド252を軸方向に変形させることができる。採血管900が完全に挿入されると、近位針先200は、採血管の隔壁902を貫通し、採血管900の内部が針内腔と流体連通することができるように、採血管900に挿入することができる。
【0197】
針108を介した流体連通により、採血ホルダ106がカテーテルハブ102に嵌合し、接触したまま、採血管900による採血を行うことができる。
【0198】
採血が成功した後に採血管900を取り外すと、ゴムシールド252は使用準備位置に戻ることにより、2つの尖端近位針先200を覆って近位針先200を通る血液漏れを防止することができる。ゴムシールド252の弾性変形により、追加の採血管900をホルダ106の内部空間630に連続的に挿入して繰り返し採血することができると共に、各採血管を採血ホルダ106から取り外す際の血液漏れを防止することができる。
【0199】
採血管900の最終物がホルダ106から取り出された後、針108及びホルダ106は、カテーテルハブ102から離れるように近位側に引き込むことができる。
図6Cは、医療専門家がカテーテルチューブをカテーテル治療のために静脈に進めたときの採血後の位置を図示する。成功した採血が完了した後、医療専門家は、末梢静脈カテーテル(PIVC)処置について通常行われるように、カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104を前進させてカテーテルチューブを静脈内に配置することができる。このようにして、医療専門家は、採血ホルダ106、ひいては針108の静脈に対する位置を維持し、カテーテルハブを遠位方向に動かしてカテーテルチューブを静脈内で前進させることができる。
【0200】
カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104を前進させると、医療専門家は、採血ホルダ106をカテーテルハブ102に対して近位方向に後退させることにより、採血ホルダ106及びホルダに取り付けた針108をカテーテルハブ102から完全に取り外すことができる。
【0201】
図6Dは、カテーテルの挿入と、カテーテルハブ102からの採血ホルダ106の取り外しとが成功した後のカテーテル組立体100を示す。先の採血手順からさらに充填された採血管900は示されていない。任意選択で、採血ホルダ106がカテーテルハブ102から離れて引き込まれる間、採血管900は最後まで採血ホルダ106と共に留めることができる。その後、採血管を最後に採血ホルダ106から取り外すことができる。言い換えれば、針108及びホルダ106は、ホルダ内に位置する採血管900の有無にかかわらず、カテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外すことができる。
【0202】
静脈穿刺の成功に続くカテーテルハブ102からの中空針108の引き抜き時、遠位針先110の近傍に設けられ、圧着などによる中空針の放射状突起の形態を有する輪郭の変化部144が安全シールド132と係合するので、安全シールド132は針108と共にカテーテルハブ102から取り外すことができる。その後、安全シールド132は、針108がカテーテルハブ102から引き出されるとき、針108の遠位針先110のシールドとして機能させるか、又は被覆することができる。
【0203】
例示的な実施形態では、安全シールド132は、遠位針先110を覆うように移動することができる2つのアームを有することができる。遠位針先110が2つのアームの遠位壁の近傍に移動すると、2つのアームは、針によっては付勢されず、カテーテルハブ102の内部から離脱するために半径方向に付勢又は偏向するなどにより移動可能である。安全シールド132のアームが半径方向に移動すると、アーム又はアームの遠位壁が針先110を被覆して意図しない穿刺を防止することができる。すなわち、遠位壁は、針先の側方の位置から針先の遠位の位置まで移動し、意図しない穿刺を防止することができる。ある例では、針シールド132は、1つのアームと、1つのアームの端部にある1つの遠位壁のみを有することができる。他の例では、輪郭の変化部は、スリーブ、ノッチ、又は針軸への材料の肉盛りを含むことができる。遠位針先付近でノッチ付き針を使用すると、針とカテーテルチューブとの間の環状空間内で血液の逆流を見ることができる。安全シールド132に関するさらなる情報は、米国特許第7736339号明細書に記載されており、その内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0204】
カテーテル治療に成功した後の針108の除去に続き、カテーテルハブ102の内部に位置する弁136の1以上のフラップは、その弾性特性により、弁ディスク又はディスクの深部によって1以上のスリットを閉鎖し、血液又は実質的な血液がカテーテルチューブ104からカテーテルハブ102の近位室へと流動せず、カテーテルハブ102の近位開口を介して排出できないようにする。このようにして、弁136は、さらなる血液の流出又は流動を防止する。
【0205】
したがって、
図6Aから
図6Dに記載された工程は、本発明のカテーテル及びホルダ組立体85を使用し、1回だけの穿刺により、採血と静脈内注入のためのカテーテル挿入の両方を行うことが可能である。比較すると、先行技術の手順は、血液を採取するために採血針を用いた第1の穿刺を行い、血液採取及び採血針を除去した後、IV注入のためのPIVCアクセスのための第2の穿刺を伴うことが可能である。本実施形態では、前述のように、採血ホルダ106は、遠位針先110と近位針先200の2つの鋭利な針先を有する針108を固定するための統合針ハブ106a(
図1A)を備える。採血ホルダ106は、針ハブ106aに取り付けたハウジング又は本体600をさらに備える。異なる言い方をすれば、針ハブ106aは、採血ホルダ106の本体に取り付けられている。ハウジングは略円筒形で、採血管を受け入れるサイズ及び形状の内部を有する。近位針先200は、針がゴムシース又はシールドによって遮蔽されていないとき、遠位針先110、針ルーメン、近位針先200、及び採血管900の内部を流体連通するように採血管の隔壁902を穿刺するためにハウジング600の内部に配置することができる。
【0206】
図7Aから
図7Dは、医療専門家が通常のPIVCアクセスと同様にカテーテルチューブ108を患者の体内に挿入した後、カテーテルチューブの内腔から針を完全に取り外す前に採血を行う、カテーテル及びホルダ組立体85の使用に関する第2工程を示す図である。このように、採血ホルダ106に取り付けられる針108をカテーテルチューブから完全に取り外す前に、採血ホルダ106をカテーテルハブ102から分離させた後、採血を行うことができる。
【0207】
図7Aは、採血ホルダ106がカテーテルハブ102に嵌合した使用準備位置にあるカテーテル及びホルダ組立体85を示す。使用準備位置では、
図1から
図5について説明したように、カテーテル及びホルダ組立体85は、カテーテルハブ102に嵌合されている。遠位針先110は、静脈にアクセスできるように、カテーテルチューブ104の遠位開口112の遠位に延在する。そして、カテーテルチューブがさらに静脈内を前進させると、遠位針先110は、カテーテルチューブ104の遠位開口部112の近位側に引き込まれる。このとき、一次逆流及び二次逆流を確認することができる。さらに、カテーテルチューブが静脈内に位置し、針が近位方向に後退しているものの、カテーテルチューブ104の内腔から完全に出ていない間は、針108は、近位針先200に至るように、静脈と採血ホルダ106の内部空間620との間の流体連通を維持する。
【0208】
続いて、医療専門家は、採血の前に、カテーテルチューブ104の一部又は全部を患者の静脈内へと挿入することができる。適宜、
図6Aから
図6D又は
図7Aから
図7Dの手順のため、従来から行われているように、止血帯を本発明のカテーテル及びホルダ組立体85と共に使用してもよい。特定のローカルルールによる制限下など、許可されない場所では、止血帯を使用しなくてもよいが、許可されない場所で使用する場合、最初のボトル又は採血管を廃棄する必要のある可能性がある。
【0209】
その後、医療専門家は、静脈に対するカテーテル組立体100の移動を防止するために、片手でカテーテル組立体100を十分に安定させて保持することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ102は、静脈穿刺に続く患者へのカテーテルハブ102の固定を容易にするために一対のウィング120を備えることができる。一対のウィングは、カテーテルハブ102から半径方向外側に延びるフランジであり、患者の皮膚に接触するように可撓性とすることができる。
【0210】
図7Bは、静脈内へのカテーテルチューブ104の一部又は通常全部を前進させた後のカテーテル及びホルダ組立体のサンプリング準備完了位置を図示する。カテーテルチューブ104を前進させるためのカテーテルハブ102の前進と、カテーテルチューブの前進中の針の近位側後退とにより、採血ホルダ106とカテーテルハブ102は、針108とカテーテルチューブの内腔によって結合されてはいるが、針の軸方向に沿って分離すなわち物理的に間隔を空けることができる。使用準備位置では、採血ホルダ106に固定される針108を患者の静脈内に位置させることができ、カテーテルチューブの遠位開口部から凹んで、カテーテルチューブの内腔と流体連通する針を、静脈と近位針先200とが流体接続するようにカテーテルチューブの内腔に配置することができる。
【0211】
実際には、遠位針先110がカテーテルチューブの遠位開口部から近位方向に凹んだり引っ込んだりした状態でカテーテルハブ102を前進させることにより、患者の体内で針108が誤って前進することに対する安全装置として機能させることができる。
【0212】
図7Cは、近位針先200が採血管の隔壁を穿刺して採血管の内部と流体連通するようにして、採血ホルダ106の内部空間620に採血管900を挿入した採血を図示する。採血管900は、採血ホルダ106がカテーテルハブ102から後退した後、採血ホルダ106に挿入されるが、針はカテーテルチューブと流体連通している。
図3Bについて説明したように、採血管900の挿入は、ゴムシールド252が近位針先200を越えて遠位に変形して針先200を露出させるように、採血ホルダ106の内部空間620内で軸方向に変形させることができる。採血管900が完全に挿入されると、近位針先200は隔壁を貫通して採血管900に挿入され、採血管900を近位針先200と流体接続された状態にすることができる。
【0213】
採血管900と針108の流体接続により、採血ホルダ106が針108を介してカテーテルハブ102に嵌合したまま採血することができる。
【0214】
採血成功後の採血管900の取外し時、ゴムシールド252は、使用準備位置に復帰することにより近位針先200を被覆し、
図3Bを参照して上述したように、針を介してカテーテルハブの近位開口部から血液が漏出するのを防止することができる。ゴムシールド252の弾性変形により、複数の採血管を用いて繰り返し採血を行いながら、各採血管を採血ホルダ106から取り外す際の血液の漏出を防止することができる。
【0215】
医療専門家は、採血が成功した後、採血ホルダ106及び付属針108をカテーテルハブ102から取り外すことができる。また、医療専門家は、採血ホルダ106をカテーテルハブ102に対して近位方向に向かって軸方向に後退させることにより、採血ホルダ106及び針108をカテーテルハブ102から完全に取り外すことができる。針108及びホルダ106は、ホルダ内に位置する採血管900の有無にかかわらず、カテーテルチューブ及びカテーテルハブから取り外すことができる。
【0216】
図7Dは、カテーテルチューブ及びカテーテルハブからの針の完全な除去を含む、カテーテル化及びカテーテルハブ102からの採血ホルダ106の分離が成功した後のカテーテル組立体100を示す。図示されていない追加の充填済み採血管が存在する可能性がある。
【0217】
静脈穿刺成功後のカテーテルハブ102からの中空針108の引出し時、遠位針先110付近に設けられ、圧着などによる中空針上の放射状突起の形態を有する輪郭変化部144は、安全シールド132と係合し、本明細書の他の箇所で既に述べたように、針108と共にカテーテルハブ102から取り外すことができるようにする。その後、安全シールド132は、針108がカテーテルハブ102から引き出される際、針108の遠位針先110をシールドとして機能させるか、又は被覆することができる。
【0218】
カテーテル治療成功後の針108の取り外しに続いて、弁136(
図1B及び
図4B)の1以上のフラップは、弾性特性により、弁ディスク又はディスクの深部を通る1以上のスリットを閉鎖し、血液又は実質的な血液がカテーテルハブ102の近位開口を介して流出しないようにする。このようにして、カテーテルハブ102は、さらなる血液の損失又は流出を防止する。
【0219】
したがって、本発明のカテーテル及びホルダ組立体85を使用すると、
図7Aから
図7Dに記載された工程では、1回の穿刺のみで採血とカテーテル挿入を行うことができる。対照的に、先行技術の装置は、採血管を介して採血するために、採血装置で最初の穿刺が必要である。そして、チューブなどで所望の数のサンプルを採取した後、採血装置を患者から取り外す。続いて、IVアクセスを得るために、カテーテル組立体による2回目の穿刺が行われる。静脈穿刺が成功した後、カテーテルハブは、次に、点滴ラインと接続することができる。しかしながら、本発明の態様に係るカテーテル及びホルダ85は、採血機能及びIVアクセスの両方を1回の穿刺だけで行うことができる。したがって、本発明の組立体は、より少ない構成要素及び少なくとも1本のより少ない針を利用することにより、廃棄物を減らし、穿刺の数を1回に減らし、穿刺傷害及び複数の穿刺を受ける可能性から患者への潜在的ストレスを最小化することができる。
【0220】
図8A及び
図8Bは、採血ホルダ106の代替の実施形態を図示する。代替の実施形態では、嵌合フランジ610の周囲に突出カバー170を設け、両者の間に隙間又は空間を設けている。前述のように、嵌合フランジ610は、カテーテルハブ内に突出するように構成されている。遠位リングフランジとも呼ばれる突起カバー170の内面にストッパ突起172を設けることができる。突起カバー170は、カテーテルハブの近位端で、カテーテルハブの外周に突出する大きさ及び形状である。嵌合フランジ610は、カテーテルハブの近位開口部に突出するように構成されている。突起カバーは、カニュレーション及び採血中に、カテーテルハブ102が採血ホルダ106から偶発的又は早期に分離するのを防止することができる。カテーテルハブ102と採血ホルダ106の偶発的な分離は、医療専門家にとって不安なものであり、医療専門家がカテーテルハブ102の相対移動に適応する間に不注意な針の移動の危険性を生じさせる。
【0221】
偶発的な動作を防止するため、採血ホルダ106は突起カバー170を有することができる。突起カバー170は、遠位壁604から遠位に延びる円筒形突起とすることができる。円筒形突起は、突起カバー170と嵌合フランジ610とが互いに同心となるように、嵌合フランジ610から半径方向外側に間隔を置いた壁構造とすることができる。突起カバーは、遠位壁604から遠位に延びて採血ホルダ106と嵌合したとき、カテーテルハブ102の近位部分を被覆する。一例では、突起カバー170の外面は、カテーテル組立体及び採血ホルダが単一の組立体として包装された場合、包装及び出荷中にカテーテル組立体に被覆される保護シースと係合するように、止め具、係合特徴、干渉面などを含むように構成することもできる。
【0222】
突起カバー170の内面171では、ストッパ突起172を半径方向内側に延在させることができる。ストッパ突起172は、突起カバー170の内周に形成される単一の隆起したリップ又はバンプ又は環状突出部とすることができる。任意選択的に、ストッパ突起172は、非連続的であり、複数の離間した個々のバンプを設けることにより内周に形成することができる。ストッパ突起172は、カテーテルハブの外部スレッドなどのカテーテルハブの後方外部の特徴又は表面に接触し、相対的移動を制限するように構成されている。
【0223】
図9A及び
図9Bは、採血ホルダ106の別の代替実施形態を図示する。この代替実施形態では、嵌合フランジ610の周囲に形成され、間に空間又は隙間を有する2つのストッパ突起172、174を内面に備えた突起カバー170が設けられている。
図8A及び
図8Bに記載されたカバー突出部170及びストッパ突起172について、本実施形態のカバー突出部170は、採血ホルダ106の遠位壁604から軸方向に離れ、又は遠位壁から遠位に間隔を置いて配置され、第1ストッパ突起172から間隔を置いた第2ストッパ突起174を含むことができる。第1ストッパ突起172と同様に、第2ストッパ突起174は、突起カバー170の内周に形成される単一の隆起したリップ又はバンプ又は環状突起とすることができる。必要に応じて、第2ストッパ突起174は、複数の離間したバンプを設けることにより、非連続で、内周の周りに形成することができる。第2ストッパ突起174は、第1ストッパ突起172と径方向に整列させることができる。また、第2ストッパ突起174は、カバー突起の内周に沿って半径方向にオフセットさせることができる。図示のように、第2ストッパ突起174は第1ストッパ突起172の遠位に位置する。
【0224】
第2ストッパ突起174により、カテーテルハブが誤って第1ストッパ突起172を越えて移動しても、第2ストッパ突起174によってカテーテルハブ102を保持することができる。第2ストッパ突起174は、第1ストッパ突起172の代替物と見なすことができる。本実施形態は、2つの分離ストッパを有する採血ホルダ106として見ることもできるし、1つのストッパに1つのバックアップストッパを有する採血ホルダとして見ることもできる。
【0225】
第1ストッパ突起172と第2ストッパ突起174は、同じ大きさ、同じ形状とすることができる。これに代えて、第1ストッパ突起172及び第2ストッパ突起174は、2つのストッパ突起を克服するために異なるレベルの力をカテーテルハブに適用することが必要となるように、異なるサイズとすることができる。例えば、第2ストッパ突起174は、第1ストッパ突起よりも突起カバー170の内面171よりも内側に表面構造又はリップを組み込むことにより、第1ストッパ突起172よりも高い分離力を必要とすることができる。
【0226】
図8Aから
図9Bの実施形態から理解されるように、2列以上のストッパ突起などの追加のストッパ突起を設け、採血ホルダ106からカテーテルハブ102を分離させた追加のブロックを設けることができる。さらに、ストッパ突起の代替的な形態を使用することができる。例示的な実施形態では、ドーム状の環状リップ、突起、又はバンプストッパ突起を使用しているが、ストッパ突起は、代替的に、長方形、異なる形状、戻り止め、トゲなどの比較的鋭い把持構造などの別の幾何学的形状であってもよいし、カバー突起の内側にある円弧状フランジであってもよい。ストッパ突起は、互いに異なる形状であってもよい。
【0227】
図10A及び
図10Bは、カテーテルハブの本体がサイド流体ポート及びチューブを備える統合カテーテルハブとして公知のカテーテルハブ102の代替実施形態を図示する。
図10Aは、カテーテルハブ102が一体型カテーテルハブであるカテーテルハブ102の代替実施形態の斜視図を示す。
図10Bは、
図10Aのカテーテルハブ及び本明細書の他の場所で論じたホルダの1つとなり得る採血ホルダ106を有するカテーテル及びホルダセンブリ85の斜視図を図示する。
【0228】
一体型カテーテルハブ102は、カテーテルハブ102の略円筒形の本体から斜めに延びるサイド流体ポート500を含むことができる。チューブ540を第1端でサイド流体ポート500に接続し、チューブの反対端に、針のない注射器を取り付けて薬などの流体を注入できる雄型又は雌型の針なし弁などの流体アダプタに接続することができる。チューブ540は、流体の流動のための内腔を有し、サイド流体ポート500を介してカテーテルハブ102と外部アダプタとの間を流体接続することができる。外部アダプタは、ルアーコネクタ又はベントプラグのような従来公知の任意のタイプのアダプタとすることができる。血液の流れは、サイド流体ポート500を通る流体の流れを妨げないように、サイド流体ポート500がカテーテルハブ内に開口する場所の近位にあるカテーテルハブ102の近位端にあるシール又は隔壁によって停止させることができる。IV流体又は他の薬物は、外部流体アダプタからチューブ540、サイド流体ポート500を通る接続を介してカテーテルハブ102に流入させることができる。
【0229】
さらに、本実施形態のカテーテルハブ102は、粘着性ドレッシングのような患者への固定を補助するために、カテーテルハブの本体から突出した一対のウィングを有することができる。
【0230】
図10Bは、採血ホルダ106と嵌合した一体型カテーテルハブ102の斜視図である。このホルダは、上述したホルダ106のうちの1つとすることができる。
【0231】
さらに、
図10Bは、カバー突出部又はストッパ突起のない採血ホルダ106との嵌合を示しているが、代替の採血ホルダは、統合カテーテルハブ102と共に使用するためにカバー突出部又はストッパ突起を含むことが可能である。サイド流体ポート500及びチューブ540は、採血ホルダ106と一体型カテーテルハブ102とを嵌合させる際、突起カバーの嵌合を妨げないように配置することができる。
【0232】
一体型カテーテルハブ102を使用するカテーテル組立体102の操作工程は、
図6Aから
図7Dについて例示的なストレートカテーテルを使用したものと同じにすることができる。
【0233】
図11A及び
図11Bは、針の軸が、採血ホルダ106内の対応する形状の溝と嵌合するための湾曲特徴部又は湾曲部109を有する代替的な針108を図示する。針108は、遠位針先110と近位針先200の間の中間位置に湾曲特徴部109を有することができる。湾曲特徴部は、遠位針先110及び針軸の遠位部111が近位針先200及び針軸の近位部201と軸方向に整列するような、単純なC字状の湾曲とすることができる。これに代えて、湾曲部109は、S字形状などの異なる形状、又は複雑な形状であってもよい。
【0234】
同様に、採血ホルダ106の内腔632は、
図11Aの針108の湾曲部109を受け入れ又は収容するための対応するスロット又は形状633とすることができる。針108は、採血ホルダ106の対応するスロット、又は対応する湾曲特徴部633に嵌め込んで係止することができる。いくつかの実施形態では、針108は、軸方向への挿入によって対応するスロット633に強制的に挿入することができる。いくつかの実施形態では、採血ホルダは、少なくともホルダの針ハブ部において、採血ホルダ106の組立前に針108を対応するスロット633に係止することができるように、内腔に沿って分割された2部構造とすることができる。対応するスロット633は、針108の湾曲部109に対応する輪郭部と、針をスロット内に押し込むためにわずかな力が必要とされるように、わずかなアンダーカット特徴部とを有することができる。
【0235】
対応するスロット633と屈曲特徴部633の組み合わせは、追加の接着剤を必要とすることなく、カニューレを機械的に十分固定することができる。これに代えて、接着剤を使用することができる。また、湾曲特徴部109及び対応する形状のスロット633を使用する場合であっても、超音波溶接のような他の接合技術を使用して針108を採血ホルダ106に接合することができる。
【0236】
上述のように、組み込まれた文献からの構成要素の実施形態は、本発明のカテーテル組立体の様々な構成要素に対して実施することができ、本明細書で論じられている。例えば、カテーテルハブに関して、ハブの本体は、ウィング無しカテーテルハブ、ウィング付きカテーテルハブ、ポート付きカテーテルハブ、又は、弁又は永久隔壁を有する内腔を含むカテーテルアダプタとすることができる。
【0237】
本明細書に記載されるようなカテーテル、ホルダ組立体、構成要素の製造方法及び使用方法は、本発明の範囲内である。この方法は、カテーテルハブの本体から延びるサイド流体ポートと、そこに取り付けられるチューブとを有し、チューブの端部に流体アダプタを有する、ストレートIVカテーテル組立体及び統合IVカテーテルの両方のIVカテーテルを有するカニューレハブとしての採血ホルダの使用を含むと理解される。
【0238】
本明細書では、カテーテル及びホルダ組立体、それらの構成要素、並びに採血及びIVアクセスに対するそれらの用途の限定的な実施形態を具体的に説明及び図解したが、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。例えば、ダブルチップ針、ゴムシールド、及び採血ホルダの様々な特徴は、代替材料などを組み込んでもよい。さらに、1つの採血ホルダの実施形態について特に説明した機能は、機能に互換性がある場合、別の採血ホルダの実施形態に含めるために採用してもよいことが理解され、企図される。したがって、開示された装置、システム、及び方法の原理に従って構築されたカテーテル組立体での採血ホルダ及びその用途は、本明細書に具体的に記載されたもの以外で具体化されてもよいことが理解される。また、本開示は、以下の特許請求の範囲によって定義される。
【国際調査報告】