(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】内視鏡のための処置器具
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20220826BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20220826BHJP
A61B 17/94 20060101ALI20220826BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
A61B1/018 515
A61B1/12 531
A61B17/94
A61B17/29
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500002
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2020068720
(87)【国際公開番号】W WO2021001499
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】102019118043.0
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510285610
【氏名又は名称】オヴェスコ エンドスコピー アーゲー
【住所又は居所原語表記】FRIEDRICH-MIESCHER-STRASSE 9, 72076 TUEBINGEN, GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコ ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】ガボール コンラート
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マイニンク
(72)【発明者】
【氏名】チ-ンギア ホー
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160GG24
4C160GG26
4C160GG29
4C160GG36
4C160MM32
4C161DD03
4C161FF38
4C161FF42
4C161FF43
(57)【要約】
本発明は内視鏡(2)の先端部に係合される処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に関するもので、空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)と把持要素(18)を有する。把持要素(18)は空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)に配置されるアクチュエーション機構を介して操作される。把持要素(18)はキャップ形状に形成されこれにより空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)の先端が覆われる。本発明は更に、内視鏡(2)にも関するもので、この内視鏡は本発明にかかわる処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に係合され、あるいは係合可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(2)の先端および/もしくは先端部に連結されるように配置され構成される処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、当該処置器具は:
周壁が軸方向に延在する空洞を内側で囲み、基端係合部を形成する実質的にスリーブ形状をした空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116);
前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)の先端周壁部に支承されあるいは連結される把持要素(18);および、
前記把持要素(18)を少なくともリリース(解放)位置から把持位置まで操作するために配置されるアクチュエーション機構、該アクチュエーション機構は前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)から基端方向へ延在する基端部と、前記空洞内に受け入れられ、前記把持要素(18)とその内面で前記空洞に対面して係合する先端を含む先端部とを有し;
前記把持位置における把持要素(18)はカップ状、フラップ状、キューポラ状、ドア状あるいはルーフ状を呈し、これにより少なくとも前記把持位置に到ったとき前記空洞は前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)の先端部で閉じられることを特徴とする処置器具。
【請求項2】
請求項1に記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記把持要素(18)は少なくとも部分的に透明になるよう形成されていることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記把持要素(18)は一端に、フラットプレート部、単一曲線シェル部あるいは空洞体の方向に円錐状に半径方向外側に向かって拡大されるシェル部を含み、前記把持要素(18)のクローズ位置において把持要素(18)の先端側に配置されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004)において、
前記把持要素(18)の基端部のエッジの一部が空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016)の先端部のエッジの一部にジョイント(24;26;824;826;924;926)を介してスイベル(回動)軸回りに枢軸運動するように連結されており、当該スイベル軸は接線方向に前記エッジの両方の一部に延在することを特徴とする。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記アクチュエーション機構は、アクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)と前記把持要素(18)の各々に枢着される少なくとも一つの連結ロッド(32,34)を介して、あるいはアクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)と前記把持要素(18)の各々に強く連結されている少なくとも一つの可撓性要素(232;234;1132;1134)を介して把持要素(18)に連結されている前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)内に可動的に支持される少なくとも一つのアクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)を含み、把持要素(18)はアクチュエータの駆動により操作されることを特徴とする。
【請求項6】
請求項4および5に記載の処置器具(4;104;304;404;604;804;904;1004)において、
前記連結ロッド(32,34)はジョイント(28,30)を介して前記把持要素(18)の基端部のエッジの更なる部分に対してスイベル軸回りに枢着結合しており、当該更なる部分はスイベル軸に対して垂直方向であることを特徴とする。
【請求項7】
請求項5もしくは6に記載の処置器具(304;604;704)において、
前記把持要素(18)は二つの把持部(320;322;620;622;720;722)を有し一方(322;622;722)の把持部は空洞体(316;616;716)に固く連結され、他方の把持部(320;620;720)は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(316;616;716)に連結されており、
少なくとも一つの連結ロッド(33)、あるいは少なくともひとつの可撓性要素は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(316;616;716)に連結される把持部(320;620;720)を連結することを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の処置器具(604)において、
処置器具(604)は更なるアクチュエータ(637)を含み;
更なる連結ロッドあるいは更なる可撓性要素が回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(616)に連結される把持部(620)を更なるアクチュエータ(637)に連結し、
アクチュエータ(636)の先端部と更なるアクチュエータ(637)の先端部が空洞体(616)の二つの対向する側に配置されている、
ことを特徴とする。
【請求項9】
請求項5あるいは6に記載の処置器具(4;104;204;804;904;1004;1104)において、
把持要素(18)は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(16;116;216;1016;1116)に連結される二つの把持部(20,22;1020,1022;1120,1122)を有し、
前記少なくとも一つの連結ロッド(32)あるいは少なくとも一つの可撓性要素(232;1132)はアクチュエータ(36,136)を前記二つの把持部(20;1020;1120)の一方に連結し、
更なる連結ロッド(34)あるいは更なる可撓性要素(234,1134)はアクチュエータ(36,136)を前記二つの把持部(22;1022;1122)の他方に連結する、
ことを特徴とする。
【請求項10】
請求項9における処置器具(104)において、
処置器具(104)は更なるアクチュエータ(136)を有し、更なるアクチュエータ(136)は二つの把持部(20,22)の各々に更なる連結ロッド(32,34)もしくは更なる可撓性要素を介して連結され、
アクチュエータ(36)の先端部と更なるアクチュエータ(136)の先端部は空洞体(116)の二つの対向側に配置されている、ことを特徴とする。
【請求項11】
請求項5もしくは6における処置器具(104)において、
把持要素(18)は、回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(416)に連結される二つの把持部(20,22)を有し、
少なくとも一つの連結ロッド(32)あるいは少なくとも一つの可撓性要素がアクチュエータ(436)を二つの把持部の一つ(20)に連結し、
処置器具(404)は更なるアクチュエータ(437)と更なる連結ロッドあるいは更なる可撓性要素を有し、
前記更なる連結ロッドあるいは前記更なる可撓性要素が前記更なるアクチュエータ(437)を二つの把持部の他方(22)に連結する、
ことを特徴とする。
【請求項12】
請求項9から11のいずれかの処置器具(4;104;204;404;804;904;1004;1104)において、
ふたつの把持部(20;22;1020,1022;1120,1122)は対向するように配置されアクチュエータ(36;436)及び/又は更なるアクチュエータ(136;437)はクローズ状態において、対称的に二つの把持部(20,22;1020,1022;1120,1122)の間の中央に配置する面に向けて、あるいは面上にもしくは面内に延在する、
ことを特徴とする。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかにおける処置器具(1004)において、
把持要素(18)はリセス(1056)を含み、
このリセスの最大開口幅は1.1mm以下である、
ことを特徴とする。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかひとつにおける処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に係合される先端部を有する内視鏡(2)において、
処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)のアクチュエーション機構の基端部が内視鏡(2)の外面に沿ってガイドされることを特徴とする。
【請求項15】
一端面に光学システムのレンズ(8)を有し、処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に係合され得る先端部を有する内視鏡(2)において、
処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)は
空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)と、
把持要素(18)を含み、
把持要素(18)が、空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)内に位置する先端部を含み、空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)から基端部方向に延在し、内視鏡(2)の外面に沿ってガイドされる基端部を有しているアクチュエーション機構を介して操作可能である処置器具において、
把持部(18)がキャップの形状に形成されていて、このキャップは、内視鏡(2)に取り付けられる処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)のある状態において、先端方向で光学システムのレンズ(8)が把持要素(18)により覆われる、クローズ位置となることを特徴とする。
【請求項16】
請求項14もしくは15の内視鏡(2)において、
内視鏡(2)は内視鏡(2)の端面に配置される洗浄チャンネルアウトレット開口まで洗浄液がその内部を通って運ばれる洗浄チャンネルを有し、
内視鏡(2)に取り付けられた処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)の前記状態において、把持要素(18)は洗浄チャンネルアウトレット開口が閉じている位置で、先端方向に少なくとも部分的に覆われていて、
基端方向に面している把持要素(18)の内側面は、把持要素(18)のクローズ位置で光学システムのレンズ(8)から、そして洗浄チャンネルアウトレット表面から離れていて、洗浄液が洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれ、洗浄チャンネルアウトレット開口から排出されたあと基端方向に面している把持要素(18)の内側面に衝突し、そして光学システムのレンズ(8)に撥ね返るように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡の先端/端部/内視鏡頭部に装着可能な(例えば外周側に取り付けられる)処置器具/スマート機能キャリア/レトロフィットキットに関するもので、空洞体(係合部)と把持要素(アクチュエータ部)とを有しており、把持要素(アクチュエータ部)は空洞体(係合部)内に配置されているアクチュエーション機構を通して操作される。更に、本発明は先端に光学システムと、必要な場合には、ワーキングチャンネルとを処置器具への取り付けられる先端/端部/内視鏡頭部同様に有している内視鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な処置器具/スマート機能キャリア/レトロフィットキットはたとえば欧州特許第1543786号明細書にみられるようにすでに知られている。この処置器具はキャップ状、あるいはスリーブ状の基端アタッチメント部(担当医師に面している)と操作ワイヤを用いて操作される先端アクチュエータ部(担当医師から離れた方向にある)とを有している。しかしながら、一般的な処置器具を装着したあるいは追加装着された内視鏡を使用して人体を検査する場合には、内視鏡頭部の、内視鏡の先端光学システムが特に汚れに対して敏感に影響するので担当医(手術医あるいは操作者)の見解に悪影響を及ぼしかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明の出願人はこの汚れの傾向は光学システムの汚れが内視鏡で普通に用いられるクリーニング/洗浄ノズルでは十分に取り去ることができないかあるいは洗浄することができないという事実によるものであることを突き止めた。塵はスリーブ状の係合部の内部に集まるからである。
【0005】
このことを踏まえて、本開示は操作者の見解を制約する内視鏡の(先端)光学システムの汚れを減少させるため、内視鏡への適合的あるいは選択的な装着ができる内視鏡用の上記の種類の処置器具/スマート機能キャリア/レトロフィットキットを提供することを目的とするものである。
【0006】
この目的はクレーム1の特徴を含み、処置器具あるいは処置装置/スマート機能キャリア/レトロフィットキットにより達成され、そしてクレーム14あるいは15の特徴を含む内視鏡(必要な場合には光学システムやワーキングチャンネルを含む)により達成される。そして処置器具の利点を有する開発については複数の従属クレームにより達成される。
【0007】
本開示による処置装置/スマート機能キャリア/レトロフィットキットは内視鏡(必要に応じて内視鏡シャフトに配置される光学システムや内部ワーキングチャンネルを含む)の先端/端部/内視鏡頭部に装着可能な(例えば外周側に取り付けられる)処置器具/スマート機能キャリア/レトロフィットキットに関するもので把持要素/アクチュエータ部/アクチュエータ(好ましくは二つのグリッパあるいは鉗子)同様、空洞体/係合部(スリーブ)を含む。把持要素はアクチュエーション機構(操作ワイヤ)により操作される。アクチュエーション機構の先端あるいは先端部は空洞体内に配置される。特にアクチュエーション機構の先端あるいは先端部は空洞体外(周)壁のリセス内に配置される。アクチュエーション機構あるいはアクチュエーション機構の基端は空洞体から基端方向(担当医師に対面する方向)に延在している。
【0008】
つまり、本発明の処置器具は空洞体として、内視鏡の挿入部/シャフトの先端部/端部に処置器具を装着するために、処置器具の基端部/端部に内視鏡の挿入部(シャフト)の先端部/端部/内視鏡頭部に適していて、これを受け入れるための装着/取り付け部を有する装着部材を有している。把持要素は装着部から離れたところから取り出される組織、あるいはたとえば異物、ボーラスのような装着部から離れて存在する物が処置部材もしくは把持要素を調整することにより、処置されたり把持されたりできるように、処置部材として用いられる。把持要素を調整できるように、アクチュエーション機構、特にアクチュエーション機構の先端部/端部が直接もしくは間接的に把持要素、特にその基端部/端部に連結されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
構造的な用語で表すと、本開示による処置器具は以下を含む:
内視鏡のシャフトもしくは頭部に取り付けられ/勘合されるようにその基端部(係合部)に設けられ、配置されるスリーブ(ベース本体);
スリーブの先端部分(アクチュエータ部)に(枢着)支持されている、たとえば二つのグリッパあるいは分岐鉗子である把持要素;および
把持要素(グリッパあるいは分岐鉗子)に装着され(そして好ましくはスリーブを通って延在させる)これを通して少なくとも閉鎖/把持力(そして好ましくは開口力も)が把持要素(グリッパあるいは分岐鉗子)に適切に操作ができるように伝わる/加えられる操作ワイヤ。
【0010】
本開示による処置器具は特に、把持要素が(そのクローズ位置/把持位置)キャップあるいはフラップ、もしくはキャップ状に形成され(つまり、グリッパとか分岐鉗子は好ましくはシェルもしくはフラップタイプに形成され、把持位置で少なくとも先端方向に、好ましくは半球状キャップあるいはフラップ状を形成する)空洞体の先端部(スリーブの開口先端面)を閉じることができるという事実により秀でている。
【0011】
本出願において、「クローズ(閉じる)」という語により、構造体、本出願では把持要素、が少なくとも組織粒子、特に最小外径が1.1mmの組織粒子に対して大半を通さないという状態と理解すべきである。言い換えれば、把持部はクローズ位置で(把持位置で)少なくとも最大開口幅が1.1mmもしくはそれ以上のリセスを有さない、あるいはギャップが最大ギャップ開口幅1.1mmあるいはそれ以上のリセスを含まないギャップとして形成されている。
【0012】
特に、「クローズ」という語により、クローズ位置で(把持位置)内視鏡の先端部/端部に係合する処置器具の把持要素が先端方向に、内視鏡の先端に配置されている光学システムのレンズが覆われる状態と理解すべきである。
【0013】
つまり、処置器具は少なくとも大半が、好ましくは完全に空洞体の先端面が閉じられるように形成されていること、および把持要素のクローズ位置において先端方向に装着部位の先端面が閉じられるように形成されていることが秀でていることである。
【0014】
「把持位置」という語により、構造的な位置は把持要素、あるいはアクチュエーション機構のメカニズムが(構造的に)最大限許容することと理解される。つまり、把持要素として、把持鉗子、あるいは鉗子の場合には、例えば、把持位置はグリッパもしくは分岐鉗子がお互いに接触する、あるいは配備されるストッパ(把持要素内もしくはアクチュエーション機構内)により最小のギャップをもって離れている状態を最大位置(設定位置)と構造的に規定する。このことは同様にリリース(解除)位置についても適用できる。そのリリース位置はたとえばストッパを介して把持要素のメカニズムもしくはアクチュエーション機構により許容される構造的な位置(設定位置)にかかわる位置といえる。そこでこの出願においては特にこのリリース位置は定義していない(つまり自由に設定)。
【0015】
キャップもしくはフラップとしての把持要素のデザインは本発明の処置器具が装着される内視鏡の光学システムが汚れるのを減らすという利点がある。
【0016】
把持要素は透明に形成される、あるいは少なくとも複数の部位で透明に形成される。特に把持要素は人間に可視なスペクトロム光(420から750nmの波長光)に関して透明に形成される、あるいは少なくとも複数の部位で透明に形成される。代替的にはあるいは追加的に、把持要素は赤外線、紫外線に対して半透明、あるいは部分的に半透明に形成してもよい。
【0017】
把持要素は少なくとも部分的に透明であると、本発明の処置器具を備えた内視鏡の光学システムが把持要素によりクローズされても部分的に使用可能であるという利点がある。
【0018】
把持要素(つまり、グリッパ/分岐鉗子)はフラットプレート部分あるいは単一曲線シェル部を一端面に有してもよい。(あるいはフラットプレート部あるいはシェル部として構成されてもよい)。そしてそれらの部分は把持要素のクローズ位置で把持要素の先端部側に配置される。代替案として把持要素は一端面に空洞体に向かって円錐状に拡大されるシェル部を含み、そして把持要素のクローズ位置において、把持要素の先端部において基端方向にシェル部が配置されている。特に、フラットプレート部あるいは(三次元的に曲線を描いた)シェル部は空洞体の長手方向延長軸に対して垂直に延在している。特に把持部はフラットプレート部、単一曲線シェル部あるいは円錐状に基端方向に拡大されるシェル部は少なくとも一部が透明に形成されている。
【0019】
フラットプレート部あるいは単一曲線シェル部を配することにより、たとえば処置器具を備えた内視鏡で検査をしているときに狭窄に遭遇した場合には組織損壊の可能性が減少するという利点がある。円錐状に基端方向に拡大するシェル部を配することにより処置器具が通過するとき狭窄は徐々に広げられる。これは処置器具が通過しているときに開くことにより助勢される。もしフラットプレート部あるいは単一曲線シェル部が少なくとも部分的に透明に形成されていればこの単純な幾何学的な配置により、起こりうるいかなる光学的な歪みに対しても容易に対応可能である。もしシェル部が基端方向に拡大される形状なら通らなければならない狭窄部への接近が容易となるであろう。
【0020】
把持要素の基端部のエッジの一部が空洞体の先端部のエッジの一部を有するジョイントを介して枢軸回りに回転可能に連結されている。その枢軸は両方のエッジの一部分に接線方向に延在する。特に、把持要素のクローズ位置における把持要素の基端部が空洞体の先端部とフラッシュ接合(面一係合)することができるように、把持要素はシェル形状に形成される。特に、空洞体を把持要素に連結するジョイントは空洞体に先端方向に延びる延長部の形で設けられるとよい。
【0021】
別の言い方をすれば、把持要素の対向するグリッパもしくは分岐鉗子は空洞体の先端面エッジ/スリーブにヒンジ結合もしくは隣接して配置され、グリッパあるいは分岐鉗子は把持位置(クローズ位置)にて広い範囲にわたって空洞体/スリーブの周面とフラッシュ接合(大きな突起もなく)している。こうして、キューポラとかドームに似た球状シェルタイプのグリッパあるいは分岐鉗子の把持位置において空洞体/スリーブの先端エッジとその周面が最小限のギャップ幅のみで外周面から飛び出ている部分もなく、また外周面から引っ込んでいる部分もなく隣接して配置される。ここで「隣接して」という語は定義された軸方向の空間で、外周面へ浸透する泥、液体などは特に重要ではないと理解すべきである。
【0022】
空洞体を把持要素に連結するジョイント/ヒンジの接線方向の配置はオープン位置において先端方向に空洞体の前面を完全に、あるいはほぼ完全に解除するように把持要素を形成することができる利点がある。
【0023】
アクチュエーション機構は少なくとも一つのアクチュエータを含み、そのアクチュエータはたとえば、少なくとも一つの連結ロッド、あるいは少なくとも一つのプッシュロッドあるいは少なくとも一つの可撓性要素を介して把持要素に連結される。つまり、アクチュエーション機構は空洞体に対して、移動、もしくは主として移動するように可動可能に支承されるアクチュエータ(スライド)を含み、このアクチュエータの移動運動が把持要素もしくは把持要素の一部もしくは複数の部分に一つあるいは多くの連結ロッドそして/あるいは一つあるいは多くのプッシュロッド、あるいは一つあるいは多くの可撓性要素を介して回転を起こす。連結ロッド及び/又はプッシュロッドは把持要素もしくは把持要素の一部もしくは複数の部分(つまりグリッパ/分岐鉗子の一つあるいは両方)に回転可能にスイベル(自在継ぎ手)/ヒンジを介して連結されている。連結ロッド及び/又はプッシュロッドは、スイベル/ヒンジを介して固くアクチュエータに連結されている。可撓性要素は把持要素とアクチュエータの各々に固く連結されている。
【0024】
アクチュエータが空洞体に向けて動いた時把持要素が開き、反対にアクチュエータが空洞体の基端部側に動いた時把持要素が閉じる。
【0025】
可撓性要素は、アクチュエータがアクチュエータから把持要素へと力の伝達、あるいは運動の伝達が許容されるようにアクチュエータが変位するとき可逆的に変形されるかぎり可撓性を有する。
【0026】
連結ロッドはジョイントを介して枢軸まわりに回転可能に、特にシェルタイプの把持要素、あるいは把持部の基端部のエッジの更なる(延長)部分(把持要素もしくは把持部を空洞体に連結するジョイントに設けられた部分に関して)に連結される。その枢軸は更なる部分に関して垂直に配置されている。特に空洞体を把持要素、あるいは把持部を連結するジョイントの枢軸は把持要素、あるいは把持部を連結ロッドに連結するジョイントと平行に延在している。特に、空洞体を把持要素あるいは把持部を連結するジョイントあるいは把持要素、あるいは把持部を連結ロッドに連結するジョイントは把持要素、あるいは把持部の二つの異なった、特に対向する二つの側に配置されている。
【0027】
把持要素、あるいは把持部を連結ロッドに連結する配置は空洞体とクローズした把持要素とを収容する内部空間を増加できうるという利点がある。
【0028】
把持要素は二つの把持部を有する(つまりグリッパ/分岐鉗子)。ふたつの把持部のひとつは空洞体に固く連結されていてもよい。ふたつの把持部の他方は空洞体に回転可能にそして摺動可能に連結されていてもよい。つまり、可動の把持部はスイベルジョイントかスライドジョイントを介して空洞体に連結されている。
【0029】
少なくとも一つの連結ロッド及び/又は少なくとも一つの可撓性要素は空洞体に可動的に連結される把持部をアクチュエータに連結する。特に更なるアクチュエータと更なる連結ロッド及び/又は更なるプッシュロッド、あるいは更なる可撓性要素が設けられ、これら更なる連結ロッド及び/又は更なるプッシュロッド、あるいは更なる可撓性要素が,空洞体に可動的に連結される把持部を更なるアクチュエータに連結している。
【0030】
アクチュエータの先端と更なるアクチュエータの先端は特に空洞体のふたつの対向する側に配置されている。
【0031】
代替的に、把持要素は二つの把持部を有し、ふたつとも枢着もしくは摺動的に空洞体に連結されてもよい。言い換えれば、可動の二つの把持部はそれぞれスイベルジョイント(自在継ぎ手)あるいはスライダージョイントを介して空洞体に連結される。
【0032】
連結ロッド及び/又はプッシュロッド、あるいは可撓性要素がアクチュエータを二つの把持部のひとつに連結する。そして別の連結ロッド及び/又は別のプッシュロッド、あるいは別の可撓性要素がアクチュエータを二つの把持部の他方に連結するよう設けられている。特に、処置器具はさらなるアクチュエータを含み、その更なるアクチュエータは別の連結ロッド及び/又は別のプッシュロッド、あるいは別の可撓性要素を介して二つの可動な把持部の各々に連結される。一つの把持部が可動的に空洞体に連結される構成と同様に、またふたつの把持部がふたつとも空洞体に可動的に連結される構成においても,アクチュエータの先端部と更なるアクチュエータの先端部とが空洞体のふたつの対向側に配置される。
【0033】
アクチュエータ及び/又は更なるアクチュエータおよびアクチュエータ及び/又は更なるアクチュエータの先端は二つの把持要素の間の中心に延びる面に対して該面の上に、あるいは該面内に対称的に延在する。つまり、把持要素はエキスカベータ(掘削機)で用いられるクラムシェルグラブ(二枚貝殻型のバケット)のように形成される。
【0034】
特に可動的に空洞体に連結されるふたつの把持部はお互いが対向する位置に配置され、アクチュエータおよび/もしくは更なるアクチュエータおよびアクチュエータおよび/もしくは更なるアクチュエータの先端は二つの把持部の間の中心に延在している。
【0035】
もし二つのうち一つの把持部だけが空洞体に枢着される構成であれば処置器具の製造は比較的シンプルにできる。二つとも把持部が空洞体に枢着されていれば処置器具により把持されようとする組織は把持する前に、より一層見やすくなるという利点がある。
【0036】
本発明の一態様によれば、処置器具あるいは把持要素は二つより多くの把持部をもたせることもできる。すべての把持部は枢着もしくは摺動的に空洞体に連結されている。つまり、すべての把持部は少なくとも一つのスイベルジョイントあるいは少なくとも一つのスライダージョイントを介して空洞体に連結されている。代替案としてまた処置器具の把持部の少なくとも一つは空洞体に固く連結されるように、二つより多くの把持部で構成される。
【0037】
二つより多くの把持部を有する処置器具は空洞体に枢着もしくは摺動的に連結された把持部のそれぞれは別に設けられたアクチュエータにより駆動される。言い換えれば、処置器具は空洞体に枢着あるいは摺動的に連結される把持部と同じだけの多くのアクチュエータを含む。したがって、各アクチュエータは(別に設けられた)連結ロッド、(別に設けられた)プッシュロッド、(別に設けられた)可撓性要素を介して対応する把持部に連結されている。代替案として、空洞体に枢着もしくは摺動的に連結される複数の把持部はジョイントアクチュエータを用いて駆動される。つまり、ジョイントアクチュエータは複数の連結ロッドおよびプッシュロッドあるいは複数の可撓性要素により複数の把持部に連結され、複数の把持部の調整はジョイントアクチュエータの変位により行われる。また処置器具は複数のジョイントアクチュエータを持った二つより多くの把持部で構成されてもよい。つまり複数のアクチュエータで複数の把持部を駆動する構成である。
【0038】
アクチュエータの先端は空洞体の両側において把持部の数、配置状況に従って配置される。特に、アクチュエータの先端の配置においては、連結ロッド、プッシュロッド、あるいは可撓性要素は、空洞体に可動的に連結される把持部の各々をアクチュエータにそれぞれの把持部に関して中心的に連結するように構成される。こうした配置はジョイント内でツイスト(ねじれ)を生じさせる一つの把持部あるいは複数の把持部を動かすのに必要な力に加えていかなる力も、あるいはほんの少々の力を生じるのに過ぎないという結果をもたらし、好ましい配置である。
【0039】
把持要素、あるいは少なくとも一つの把持部は最大開口幅の1.1mm以下のりセスを有する。りセスは特に把持要素上に配置され、把持要素のクローズ位置にて中心領域の把持要素の先端側あるいは端面に配置されている。特にリセスは把持要素を形成する把持部に等しく設けられ、あるいは異なった把持部に設けられ、延在する。リセスは特に二つの把持部を有する好ましい実施例において部分的に二つの把持部の一つに、そして同様に部分的に二つの把持部の他方に延在している。特にリセスは丸形状あるいは円形の筒状開口形状として設けられる。
【0040】
クローズ位置に配置された把持要素を通して、スライドさせる最大開口幅が1.1mm以下のリセスを配設することは利点がある。リセス範囲を制限することにより、把持要素は煩わしい組織の貫通を阻止できる点で更に利点を有する。
【0041】
本発明の内視鏡は本発明の処置器具に係合する先端を含む。処置器具のアクチュエーション機構の基端部は内視鏡の外面に沿ってガイドされる。
【0042】
本発明の代替、あるいは追加の態様において、光学システムのレンズを端面に有し、処置器具に取り付けられる先端を持つ内視鏡に関わるものがある。処置器具は空洞体と把持要素を含む。把持要素は空洞体内に存在する先端を有するアクチュエーション機構を介して操作される。アクチュエーション機構は空洞体から基端方向に延在し内視鏡の外面に沿ってガイドされる基端部を含む。
【0043】
把持要素はクローズ位置に移動するキャップ状に形成される。把持要素は把持要素もしくは把持要素の一部が、処置器具が内視鏡の先端に取り付けられたとき、把持要素のクローズ位置にて先端方向に内視鏡の光学システムのレンズをカバーするように形成されている。
【0044】
こうして、把持要素は把持機能ばかりではなくレンズを保護するという機能を有し、その機能が拡大されるという利点がある。
【0045】
内視鏡は洗浄チャンネルを有しており、このチャンネルを通って洗浄液が内視鏡の端面に配置されている洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれる。把持要素は処置器具が内視鏡の先端に装着されると、把持要素もしくは把持要素の一部が把持要素のクローズ位置にて洗浄チャンネルアウトレット開口を少なくとも一部、先端方向に覆うように構成される。更に、把持要素は基端部方向に面している把持要素の内表面が把持要素のクローズ位置にて、処置器具が内視鏡の先端に係合していて、把持要素は閉じており、洗浄液は洗浄チャンネルアウトレット開口、つまり、少なくとも洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれた洗浄液が,把持要素が閉じていて、洗浄液が洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれている状態で、光学システムのレンズから、そして洗浄チャンネルアウトレット表面からも離れて介在している。その洗浄液は、つまり、少なくとも、洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれた一部の洗浄液であり、洗浄チャンネルアウトレット開口から排出された後に、基端部方向に面した把持要素の内表面上に衝突し光学システムのレンズに撥ね返る。
【0046】
こうして洗浄液が内視鏡から離れて取り出される組織を洗浄するために用いられるだけではなく、内視鏡の光学システムのレンズを洗浄することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下において、本発明は添付図面を参照にして好ましい実施例に基づいて詳細に説明をする。その添付図面は;
【
図1】オープン位置で内視鏡に取り付けられた状態を示す本発明の処置器具の第1実施例の斜視図である。
【
図2】クローズ位置の第1実施例の
図1に示される処置器具の先端の斜視図である。
【
図3】
図2の部分面IIIにおけるクローズ位置の第1実施例の
図2における処置器具の先端の縦断面図である。
【
図4】
図1に示される部分面IVのオープン位置の
図1の第1実施例の先端の縦断面図である。
【
図5】
図2における矢印Vのクローズ位置における第1実施例の
図2における処置器具の前面図である。
【
図6】
図1の矢印VIのオープン位置の第1実施例の
図1の処置器具の前面図である。
【
図7】クローズ位置の第1実施例の処置器具の先端の背面図である。
【
図8】オープン位置の第1実施例の処置器具の先端の背面図である。
【
図9】オープン位置で内視鏡に取り付けられた状態を示す本発明の処置器具の第2実施例の斜視図である。
【
図10】第3実施例の発明の処置器具の
図4に対応する縦断面図である。
【
図11】クローズ位置の第四実施例の発明による処置器具の斜視図である。
【
図12】オープン位置の第四実施例の発明による処置器具の斜視図である。
【
図14】
図14Aと
図14Bは第1及び第2実施例におけるアクチュエーション機構の様々な形状を描いた概略横断面図である。
図14Cはアクチュエーション機構の代替形状を有する第5実施例による処置器具の
図14A,14Bに対応する概略横断面図である。
【
図15】アクチュエーション機構の更なる代替形状を有する第6実施例による処置器具の
図13に対応する概略横断面図である。
【
図16】第6実施例による
図14A,14Bおよび14Cに対応する処置器具の概略横断面図である。
【
図17】発明の処置器具の
図13に対応する概略縦断面図である。
【
図18A】第4実施例による
図14A,14Bおよび14Cに対応する処置具の概略横断面図である。
【
図20】第8実施例による
図18Aおよび18Bに対応する処置器具の横断面図である。
【
図21】クローズ位置における第9実施例に沿った発明の
図3に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図22】オープン位置における第9実施例に沿った発明の
図4に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図23】クローズ位置における第10実施例に沿った発明の
図3に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図24】オープン位置における第10実施例に沿った発明の
図4に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図25】クローズ位置における第11実施例に沿った発明の
図3に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図26】オープン位置における第11実施例に沿った発明の
図4に対応する処理器具の縦断面図である。
【
図27】クローズ位置における第11実施例に沿った発明の
図5に対応する処理器具の前面断面図である。
【
図28】クローズ位置における第11実施例に沿った発明の
図7に対応する処理器具の背面断面図である。
【
図29】クローズ位置の第12実施例の
図3に対応する処置器具の縦断面図である。
【
図30】オープン位置における第12実施例の
図4に対応する縦断面図である。個々の図において同じもしくは機能的に類似の特徴には同じ参照番号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
基本的には本発明は(市販されている)可撓性シャフト形状の内視鏡2に追加装着可能な、第1図に示される処置器具4に関するものである。このタイプの内視鏡2は従来の技術で十分に知られており表面的のみ説明する。通常、内視鏡2は内視鏡頭部6(例えば第3図にみられる)を有し、この中の各種機能ユニット8は簡単に説明する。例えばこの中にはプライマリーもしくは内視鏡内部ワーキングチャンネルのアウトレット、画像処理の光学システム、ランプそして/あるいは洗浄用チャンネルに洗浄用チャンネル開口が装着されている。(第6図)
【0049】
更には内視鏡2は普通、受動的な固定部と好ましくは能動的に曲げ可能な部分(屈折部)とを有する可撓性シャフト10を有し、さらにハンドル12を有し、ハンドル12は各種の操作要素とターミナルとを含み、各種機能ユニット8を基本部分あるいは類似な部分へ連結する。特にプライマリーワーキングチャンネルのインレット14はハンドル12上に配置されている。
【0050】
処置器具4は空洞体16を先端に有し、そこには2つの対向する把持部20,22を含む把持要素18が配置されている。その二つの把持部20,22はそれぞれ空洞体16の先端で対応する部分にジョイント24及び/又は26を介して回転可能に軸支されている。
【0051】
第1図において開口もしくは開口された位置から第2図の閉口する(クローズ)位置までが調節可能なように、二つの把持部20,22はそれぞれ対応する連結ロッド32,34にそれぞれジョイント28,30を介して連結されている。
【0052】
その二つの連結ロッド32,34は順次アクチュエータ36の先端に連結されている。好ましくは、アクチュエータ36は固定要素がアクチュエータ36の先端を形成するように形成され、そしてこの固定要素が固定要素から基端方向に延びているプッシュプルワイヤに連結されている。こう形成し、固定要素とプッシュプルワイヤとでアクチュエータ36を形成するとよい。
【0053】
チューブ38が基端方向に空洞体16の先端から延びている。このチューブ38の代わりとしてコーティングを含む可撓性スパイラルワイヤが配置されてもよい。
【0054】
セカンダリー内視鏡外部ワーキングチャンネル40が空洞体16の基端からチューブ38を通ってチューブ38の基端に延びており、また空洞体16の先端から空洞体16の外部壁を通って空洞体16の基端にも延びている。このセカンダリーワーキングチャンネル40の中に、アクチュエータ36とそれぞれアクチュエータ36の固定部とプッシュプルワイヤが可動的に支承されている。
【0055】
アクチュエータ36を容易にシフトすることができるように、アクチュエータ36の基端及び/又はプッシュプルワイヤの基端にスライド42が配置され、そのスライドは二つのガイドレール44に可動的に連結されている。この二つのガイドレールはお互いに平行になっておりチューブ38の基端から基端方向に延びている。ガイドレール44の基端にはリング46が配置されており、ガイドレール44の両端が連結されスライド42はこうしてガイドレール44内に収まっている。アクチュエータ36をシフトするためには処置器具4を操作する人が両手のうちのいずれかの手の親指をリング46内に入れて人差し指と中指との間でつかみスライド42を親指に対して人差し指と中指とを動かせて調節する。
【0056】
内視鏡頭部6に連結できるようにするため、空洞体16は基端に実質的に円形のシリンダー状リセス48を有しており、そのリセスに内視鏡頭部が圧接挿入されるよう形成されている(
図3および4参照)。この代替として、あるいは追加的にクリップファスナーを内視鏡頭部との連結用に空洞体16上に配置してもよい。
【0057】
リセス48の先端には三個のストッパ50が設けられこの三個のストッパは空洞体16の内周上に均等に分離配置され、これらにより内視鏡頭部6の最大挿入深さを制限している。あるいはストッパは空洞体16の内周上に不均等に配置されていてもよい。
【0058】
空洞体16はストッパ50の先端方向に、実質的に円形のシリンダー状リセス52を有し、そのリセスは空洞体16の先端方向に延びている。その内径は空洞体16の基端におけるリセス48の内径より大きい。代替案として、両リセス48,52を等しくしてもよくまたリセス48の内径のほうをリセス52の内径より大きくしてもよい。
【0059】
二つの把持部20,22はシェル状もしくはブレード状に形成され、
図3,5,7にみられるクローズ位置において先端方向に完全に空洞体16を閉じた状態のフード形状構造が形成される。こうして本発明の処置器具4が内視鏡6に取り付けられるとき、クローズ位置にて把持部20,22により内視鏡頭部6及び/又は内視鏡6の光学システムのレンズへの不純物が侵入するのを遮断することが可能となっている。
【0060】
ふたつの把持部20,22の各々は把持片54を有している。それぞれの把持片54は複数の突起とリセスとを有しており、相互補完的に構成されている。そして把持部20,22のクローズ位置にて把持部20の把持片54の突起がもう一方の把持部22の把持片54のリセスに挿入され、把持部22の把持片54の突起が把持部20の把持片54のリセスに挿入されクローズ位置となる。代替案として、把持片54は平坦な形状でもよく、把持部20,22のクローズ位置で両把持片54がフラッシュ接触(平坦係合)する構成でもよい。
【0061】
把持部20、22を空洞体16へ連結するジョイント24,26はそのスイベル軸が空洞体16の外周に対して接線方向に延びている。こうして把持部20,22は外方向に畳まれ、
図4,6,8のオープン位置で完全にリセス52の先端を解放する。
【0062】
図1から
図8に開示の本発明の処置器具4の第1実施例はアクチュエータ36がひとつしかなく、したがって、一つの内視鏡外部ワーキングチャンネル40しか開示されていない。
【0063】
第1実施例の処置器具4に比べてもっと強い把握力をもつようにするため、本発明の処置器具104は
図9に示される第2実施例によれば、さらに第2アクチュエータ136、第2チューブ138および第2内視鏡外部ワーキングチャンネル140を追加的に配備している。第2アクチュエータ136は連結ロッド32,34を介して(第1)アクチュエータ36により把持部20,22に連結されている。第2アクチュエータ136の連結ロッド32,34はジョイント28,30を介して枢軸的に把持部20,22に連結されている。第2アクチュエータ136およびそれぞれの先端に第2アクチュエータ136の連結ロッド32,34、ジョイント28,30、そして第2ワーキングチャンネル140は空洞体116の片側に配置されている。その対向側には第1アクチュエータ36、連結ロッド32,34,第1アクチュエータ36のジョイント28,30、そしてワーキングチャンネル40が配備されている。第2のアクチュエータ136とその先端、連結ロッド32,34、同様に第2アクチュエータ136のジョイント28,30、第2ワーキングチャンネル140,そしてその先端は空洞体116の一端側に配置されている。つまりこれは(第1の)アクチュエータ36、その先端、そして(第1の)ワーキングチャンネル40、その端部、が配置される側に対向して配置されている。
【0064】
第1チューブ38と第2チューブ138とはお互いにその基端にて連結されている。第1のアクチュエータと第2のアクチュエータ136はその基端にて連結されていて第1実施例のようにスライド142にて操作される。
【0065】
最初の二つの実施例によれば把持部20,22は固定連結ロッド32,34を介してそれぞれのアクチュエータ36及び/又は136に連結されている。第3実施例による代替案では
図10にみられるようにアクチュエータ36及び/又は136と把持部20,22との連結は可撓性要素232及び/又は234を用いている。この可撓性要素232及び/又は234はジョイント28,30を用いなくて済むように強く、あるいは柔軟性を持って強く、アクチュエータ36及び/又は136に連結される。あるいは同様に強く、あるいは柔軟性を持って強く対応する把持部20及び/又は22に連結される。
【0066】
第1、第2,第3実施例における発明による各処置器具4、104、204は二つの把持部20、22を有し、それらは相互に空洞体16,116及び/又は216に枢軸的に連結されている。第4の実施例によれば発明の処置器具304も同様に二つの把持部320,322を有しそのうちのひとつが(把持部320)空洞体316に枢着されており、他方は(把持部322)は強く、もしくは柔軟に空洞体316に連結されている。第1、第2、第3実施例の処置器具4、104,204の場合のように二つの把持部320,322はクローズ位置にあるとき(
図11参照)、ふたつが一体となって空洞体316の先端を閉じるフード形状の構造を形成する。ふたつとも同一形状の把持部20、22とは対照的に把持部320、322はお互いが異なった形状となっている。空洞体に固定されている把持部322は実質的に、先端方向に突出する突起、もしくは先端方向に突出する溝形状の舌部を形成する。空洞体320に枢着される把持部320だけがシェル状もしくはブレード状をしている。把持部320を調整するアクチュエーション機構が把持部20,22を調整するアクチュエーション機構に相当する。
【0067】
実施例の比較において本発明の処置器具は一つもしくは二つのアクチュエータを含む。
図14A,14Bは第1及び第2の実施例において、
図13のXIV-XIV線断面図で二つの代替案の概略横断面図を示しており、アクチュエータ36,136の配置を示している。第1実施例によれば、単一のアクチュエータ36が空洞体16内で可動的に支承されており、アクチュエータの先端は把持片20,22がクローズ位置にあるとき、把持片54と共に結合面方向に延びている。第2実施例によればふたつのアクチュエータ36,136は空洞体116内で可動的に支承されており、二つのアクチュエータ36,136の先端は把持片20,22がクローズ位置にあるとき、把持片54と共に結合面方向に延びている。これを可能にすべく、第2実施例における二つのアクチュエータ36,136、あるいはその先端部は空洞体116の対向側に配置されている。
【0068】
しかしながら、第5および第6実施例において、この発明の処置器具404及び/又は504に、それぞれ二つのアクチュエータ436,437及び/又は536,537を備えることも可能である。その場合には把持部20,22がクローズ位置にあるとき、二つのアクチュエータもしくはそれらの先端は把持片54と共には結合面方向に延びない構成となる。
【0069】
図14Cに示されるように、第5実施例の処置器具404は把持部20にのみ連結されるアクチュエータ436と把持部22にのみ連結されるアクチュエータ437とを有している。ふたつのアクチュエータ436,437、あるいはそれらの先端は空洞体416の連結側に配置されることにより、把持部20,22のクローズ位置において把持片54によって橋渡しされる平面に直接隣接している。
【0070】
図15,16(
図15のXVI-XVI線断面図)に示されるように、第6実施例の処置器具504は把持部20にのみ連結されるアクチュエータ536と把持部22にのみ連結されるアクチュエータ537とを有している。ふたつのアクチュエータ536,537、あるいはそれらの先端は空洞体516に対向して配置されることにより、ジョイント24,26の枢軸に対して垂直な方向である結合面に延びている。
【0071】
把持部20及び/又は22の駆動は各々が把持部20,あるいは22のひとつに連結されているふたつのアクチュエータ436,437及び/又は536,537を配備することにより、より細かく行われる。
【0072】
第6実施例におけるアクチュエータ536,537はいかなる仲介物(たとえば連結ロッド、プッシュロッド、可撓性要素など)を介在することなく対応する把持部に連結することができる。
【0073】
図17、18A,18B,19、20は単一の把持部が空洞体に枢着されている本発明の処置器具におけるひとつのアクチュエータもしくは複数のアクチュエータ、あるいは一つのアクチュエータの先端、もしくは複数のアクチュエータの先端の配置の変更例を示すものである。
【0074】
図18Aは
図17のXVIII-XVIII線における概略横断面図であり、
図11,12における第4実施例の処置器具304のアクチュエータ36の配置を示す。
図18Bは.
図17のXVIII-XVIII線における概略横断面図であり、第7実施例の処置器具604を示す。この器具604はアクチュエータ636と第2アクチュエータ637とを含む。ふたつのアクチュエータ636,637あるいはふたつのアクチュエータ636,637の先端は空洞体616のふたつの対向側に配置されている。ふたつのアクチュエータ636,637あるいはふたつのアクチュエータ636,637の先端は空洞体616の長手方向中心軸Mを横切って延びる結合面に配置されている。
【0075】
図19と
図20(
図19のXX-XX線断面図)は第8実施例を示し、アクチュエータ736は一個だけの把持部720を備える処置器具704に配置されている。その把持部720は枢軸的に空洞体716に装着され、アクチュエータ736と把持部720との間のジョイント28が把持部720と空洞体716との間のジョイント24に直接隣接配置される。第6実施例の処置器具504と同様に、このアクチュエータ736の構成はアクチュエータ736と把持部720とは他の介在物なく(たとえば連結ロッド、プッシュロッド可撓性要素)直接連結を可能とするものである。
【0076】
【0077】
第9実施例の処置器具804は第1実施例の処置器具4とは把持部20,22がスイベルジョイント(自在継ぎ手)24,26を介さずに固体ジョイント824,826を介して空洞体16に連結されている点のみが相違する。
【0078】
第10実施例の処置器具904は第1実施例の処置器具4とは単に把持部20,22がスイベルジョイント24,26を介さずにフィルム状ヒンジ924,926を介して空洞体16に連結されている点が違うだけである。
【0079】
図25,26,27,28は第11実施例に関する処置器具1004を示す。この第11実施例の処置器具1004は以下の二つの点で第1実施例の処置器具4と違っている。
【0080】
ひとつは、処置器具1004の把持部1020,1022は二つでクローズ位置にて(
図25参照)フード状構造をしている。この構造によれば空洞体1016は、クローズ位置で閉ざされるばかりではなく、テーパー面を構成する。言い換えれば、把持部1020,1022はクローズ位置にて基端方向に円錐状に拡大される形状を有するもしくは形成される。さらにはこの構成は不純物の除去に加えて、この幾何学的形状では、必要に応じ拡大し狭窄を開放することも可能である。円錐形状による受動的な拡大とは別に、把持部1020,1022は開放することにより積極的に狭窄部に圧力を加えて開放プロセスをアシストすることができる。先端部においても空洞体1016は基端部方向に円錐状に拡大する部分を含む。
【0081】
もうひとつは、第12実施例における把持部1020,1022はりセス1056に関して第1実施例の把持部20,2Oとは違っている。りセス1056は一部が把持部1020内にそして他の一部が把持部1022内に形成されている。もう少し詳細に説明すれば各把持部1020,1022の把持片1054が溝状の部分により中央部で妨げられている。把持部1020,1022がクローズ位置にあるとき、把持部1020,1022のそれぞれの溝状の部分がお互いに隣接し共にリセス1056を形成している。りセスは円形状の外形を含む。リセス1056の開口部の幅、直径.は1.1mmである。このリセス1056により、内視鏡の光学システムのレンズを傷めないよう保護しながら、ガイドワイヤを閉じた把持要素内に通すことができる。特に、クローズ位置の把持要素18は先端方向にガイドワイヤをカバーから外し、すべての残りの機能ユニット8、たとえばプライマリー内視鏡内部ワーキングチャンネル、撮像のための光学システム、ランプ、及び/又は先端方向の洗浄チャンネルアウトレット開口、を完全カバーすることができる。
【0082】
図29,30は第12実施例の処置器具1104を示す。この第12実施例の処置器具1104は、把持部1120、1122がスイベルジョイントを通してではなくスライダージョイントを介して空洞体1116に連結されている点において第1実施例の処置器具4とは相違する。スライダージョイント1124,1126は把持部1124,1126が強く把持部1124,1126に連結されている可撓性要素1132,1134を介して、オープン位置になったとき(
図30)、把持部1120,1122の両方が先端方向および半径方向外側に動き、把持部1124,1126が可撓性要素1132,1134を介してクローズ位置になったとき(
図29)、把持部1120,1122の両方が基端方向および半径方向内側に動く。
【0083】
言い換えれば、第12実施例において処置器具1104の把持要素18は平行なグリッパの形状を呈している。
【符号の説明】
【0084】
2 内視鏡
4 第1実施例の処置器具
6 内視鏡頭部
8 内視鏡頭部にある機能ユニット
10 内視鏡のシャフト
12 内視鏡のハンドル
14 内視鏡内部ワーキングチャンネルのインレット
16 空洞体
18 把持要素/把持ユニット
20,22 把持部/把持ブランチ
24,26 空洞体把持部の間のジョイント
28,30 把持部と連結ロッドとの間のジョイント
32,34 連結ロッド
36 アクチュエータ
38 チューブ
40 内視鏡外部ワーキングチャンネル
42 スライド
44 ガイドレール
46 ガイドレールのリング
48 空洞体の基端におけるリセス
50 ストッパ
52 空洞体の先端におけるリセス
54 把持片/ブランチ
104 第2実施例の処置器具
116 第2実施例の空洞体
136 第2アクチュエータ
138 第2チューブ
140 第2内視鏡外部ワーキングチャンネル
142 第2実施例のスライド
204 第3実施例の処置器具
216 第3実施例の空洞体
232,234 可撓性要素
304 第4実施例の処置器具
316 第4実施例の空洞体
320 枢着把持部/把持ブランチ
322 固定把持部
404 第5実施例の処置器具
416 第5実施例の空洞体
436,437 第5実施例のアクチュエータ
504 第6実施例の処置器具
516 第6実施例の空洞体
536,537 第6実施例のアクチュエータ
604 第7実施例の処置器具
616 第7実施例の空洞体
620 第7実施例の枢着把持部/ブランチ
622 第7実施例の固定把持部
636,637 第7実施例のアクチュエータ
704 第8実施例の処置器具
716 第8実施例の空洞体
720 第8実施例の枢着把持部
722 第8実施例の固定把持部
736 第8実施例のアクチュエータ
804 第9実施例の処置器具
824,826 固体ジョイント
904 第10実施例の処置器具
924,926 フィルムヒンジ
1004 第11実施例の処置器具
1016 第11実施例の空洞体
1020,1022 第11実施例の把持部
1054 第11実施例の把持片
1056 把持部のリセス
1104 第12実施例の処置器具
1116 第12実施例の空洞体
1120,1122 第12実施例の把持部
1124,1126 スライダージョイント
1132,1134 第12実施例の可撓性要素
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(2)の先端および/もしくは先端部に連結されるように配置され構成される処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、当該処置器具は:
周壁が軸方向に延在する空洞を内側で囲み、基端係合部を形成する実質的にスリーブ形状をし
ており、内視鏡シャフト又は内視鏡の先端に取り付け/装着されるように設けられ構成された空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116);
前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)の先端周壁部に支承されあるいは連結される把持要素(18);および、
前記把持要素(18)を少なくともリリース(解放)位置から把持位置まで操作するために配置されるアクチュエーション機構、該アクチュエーション機構は前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)から基端方向へ延在する基端部と、前記空洞内に受け入れられ、前記把持要素(18)とその内面で前記空洞に対面して係合する先端を含む先端部とを有し;
前記把持位置における把持要素(18)はカップ状、フラップ状、キューポラ状、ドア状あるいはルーフ状を呈し、これにより少なくとも前記把持位置に到ったとき前記空洞は前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)の先端部で閉じられることを特徴とする処置器具。
【請求項2】
請求項1に記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記把持要素(18)は少なくとも部分的に透明になるよう形成されていることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記把持要素(18)は一端に、フラットプレート部、単一曲線シェル部あるいは空洞体の方向に円錐状に半径方向外側に向かって拡大されるシェル部を含み、前記把持要素(18)のクローズ位置において把持要素(18)の先端側に配置されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004)において、
前記把持要素(18)の基端部のエッジの一部が空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016)の先端部のエッジの一部にジョイント(24;26;824;826;924;926)を介してスイベル(回動)軸回りに枢軸運動するように連結されており、当該スイベル軸は接線方向に前記エッジの両方の一部に延在することを特徴とする。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)において、
前記アクチュエーション機構は、アクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)と前記把持要素(18)の各々に枢着される少なくとも一つの連結ロッド(32,34)を介して、あるいはアクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)と前記把持要素(18)の各々に強く連結されている少なくとも一つの可撓性要素(232;234;1132;1134)を介して把持要素(18)に連結されている前記空洞体(16;116;216;316;416;516;716;1016;1116)内に可動的に支持される少なくとも一つのアクチュエータ(36;136;436;437;536;537;636;637)を含み、把持要素(18)はアクチュエータの駆動により操作されることを特徴とする。
【請求項6】
請求項4
又は5に記載の処置器具(4;104;304;404;604;804;904;1004)において、
前記連結ロッド(32,34)はジョイント(28,30)を介して前記把持要素(18)の基端部のエッジの更なる部分に対してスイベル軸回りに枢着結合しており、当該更なる部分はスイベル軸に対して垂直方向であることを特徴とする。
【請求項7】
請求項5もしくは6に記載の処置器具(304;604;704)において、
前記把持要素(18)は二つの把持部(320;322;620;622;720;722)を有し一方(322;622;722)の把持部は空洞体(316;616;716)に固く連結され、他方の把持部(320;620;720)は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(316;616;716)に連結されており、
少なくとも一つの連結ロッド(33)、あるいは少なくともひとつの可撓性要素は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(316;616;716)に連結される把持部(320;620;720)を連結することを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の処置器具(604)において、
処置器具(604)は更なるアクチュエータ(637)を含み;
更なる連結ロッドあるいは更なる可撓性要素が回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(616)に連結される把持部(620)を更なるアクチュエータ(637)に連結し、
アクチュエータ(636)の先端部と更なるアクチュエータ(637)の先端部が空洞体(616)の二つの対向する側に配置されている、
ことを特徴とする。
【請求項9】
請求項5あるいは6に記載の処置器具(4;104;204;804;904;1004;1104)において、
把持要素(18)は回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(16;116;216;1016;1116)に連結される二つの把持部(20,22;1020,1022;1120,1122)を有し、
前記少なくとも一つの連結ロッド(32)あるいは少なくとも一つの可撓性要素(232;1132)はアクチュエータ(36,136)を前記二つの把持部(20;1020;1120)の一方に連結し、
更なる連結ロッド(34)あるいは更なる可撓性要素(234,1134)はアクチュエータ(36,136)を前記二つの把持部(22;1022;1122)の他方に連結する、
ことを特徴とする。
【請求項10】
請求項9における処置器具(104)において、
処置器具(104)は更なるアクチュエータ(136)を有し、更なるアクチュエータ(136)は二つの把持部(20,22)の各々に更なる連結ロッド(32,34)もしくは更なる可撓性要素を介して連結され、
アクチュエータ(36)の先端部と更なるアクチュエータ(136)の先端部は空洞体(116)の二つの対向側に配置されている、ことを特徴とする。
【請求項11】
請求項5もしくは6における処置器具(104)において、
把持要素(18)は、回転可能にもしくは摺動可能に空洞体(416)に連結される二つの把持部(20,22)を有し、
少なくとも一つの連結ロッド(32)あるいは少なくとも一つの可撓性要素がアクチュエータ(436)を二つの把持部の一つ(20)に連結し、
処置器具(404)は更なるアクチュエータ(437)と更なる連結ロッドあるいは更なる可撓性要素を有し、
前記更なる連結ロッドあるいは前記更なる可撓性要素が前記更なるアクチュエータ(437)を二つの把持部の他方(22)に連結する、
ことを特徴とする。
【請求項12】
請求項9から11のいずれかの処置器具(4;104;204;404;804;904;1004;1104)において、
ふたつの把持部(20;22;1020,1022;1120,1122)は対向するように配置されアクチュエータ(36;436)及び/又は更なるアクチュエータ(136;437)はクローズ状態において、対称的に二つの把持部(20,22;1020,1022;1120,1122)の間の中央に配置する面に向けて、あるいは面上にもしくは面内に延在する、
ことを特徴とする。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかにおける処置器具(1004)において、
把持要素(18)はリセス(1056)を含み、
このリセスの最大開口幅は1.1mm以下である、
ことを特徴とする。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかひとつにおける処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に係合される先端部を有する内視鏡(2)において、
処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)のアクチュエーション機構の基端部が内視鏡(2)の外面に沿ってガイドされることを特徴とする。
【請求項15】
一端面に光学システムのレンズ(8)を有し、処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)に係合さ
れる先端部を有する内視鏡(2)において、
処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)は
空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)と、
把持要素(18)を含み、
把持要素(18)が、空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)内に位置する先端部を含み、空洞体(16;116;216;316;416;516;616;716;1016;1116)から基端部方向に延在し、内視鏡(2)の外面に沿ってガイドされる基端部を有しているアクチュエーション機構を介して操作可能である処置器具において、
把持部(18)がキャップの形状に形成されていて、このキャップは、内視鏡(2)に取り付けられる処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)のある状態において、先端方向で光学システムのレンズ(8)が把持要素(18)により覆われる、クローズ位置となることを特徴とする。
【請求項16】
請求項14もしくは15の内視鏡(2)において、
内視鏡(2)は内視鏡(2)の端面に配置される洗浄チャンネルアウトレット開口まで洗浄液がその内部を通って運ばれる洗浄チャンネルを有し、
内視鏡(2)に取り付けられた処置器具(4;104;204;304;404;504;604;704;804;904;1004;1104)の前記状態において、把持要素(18)は洗浄チャンネルアウトレット開口が閉じている位置で、先端方向に少なくとも部分的に覆われていて、
基端方向に面している把持要素(18)の内側面は、把持要素(18)のクローズ位置で光学システムのレンズ(8)から、そして洗浄チャンネルアウトレット表面から離れていて、洗浄液が洗浄チャンネルアウトレット開口に運ばれ、洗浄チャンネルアウトレット開口から排出されたあと基端方向に面している把持要素(18)の内側面に衝突し、そして光学システムのレンズ(8)に撥ね返るように構成されていることを特徴とする。
【国際調査報告】