(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】外科用針セット及び手術器具の位置特定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20220829BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568964
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2020064716
(87)【国際公開番号】W WO2020245002
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】102019003965.3
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512111500
【氏名又は名称】ジョイマックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リーゼ,ウルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】スティーグミュラー,レイナー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF42
(57)【要約】
本発明は、特にジャムシディ針の自動位置決定のために中空針(2)及び閉塞具を備える外科用針セット(1)に関し、この場合、閉塞具はその遠異先端への有限な距離で始まって近位方向に沿って延びる空洞部を有しており、閉塞具のハンドル部(3.1)の内部には、空洞部の少なくとも1つの近位の側面出口が設けられており、空洞部はアダプター(3.6.1)のアダプター部の通路に接続されており、この通路は空洞部の長手方向の延びに対して有限な角度で延びている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空針及び閉塞具を備える外科用針セットであり、前記閉塞具は、その遠異先端への有限な距離で始まって近位方向に沿って延びる空洞部を有しており、前記閉塞具のハンドル部の内部には、前記空洞部の少なくとも1つの近位の側面出口が設けられており、前記空洞部はアダプターのアダプター部の通路に接続され、前記通路は前記空洞部の長手方向の延びに対して有限な角度で延びていることを特徴とする外科用針セット。
【請求項2】
遠位センサーと近位センサーを備えるセンサーユニットが、前記アダプター部の前記通路を通って前記空洞部の遠位端まで延びており、前記近位センサーの向きは、前記アダプター部によって第1のセンサーの向きに対して有限な角度をなすことを特徴とする、請求項1に記載の外科用針セット。
【請求項3】
前記第1のセンサーと前記第2のセンサー間の前記相対角度は10°~90°、好ましくは50°~70°、最も好ましくは55°~65°の範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載の外科用針セット。
【請求項4】
前記閉塞具の前記遠位端はトロカールとして形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項5】
閉塞具管(3.3)は、該閉塞具管に固定されている固定リング(3.5)によって前記閉塞具(3)のハンドル部(3.1)に固定されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項6】
前記閉塞具(3)の前記アダプター部(3.6.1)は、ルアーアダプター部として形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項7】
中空針(2)と閉塞具(3)は、前記閉塞具(3)のハンドル部(3.1)の側面開口部(3.2)に係合する前記中空針(2)の前記ハンドル部(2.2)の剛性の高いタブ(2.4)によって互いに取外し可能に接続できることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項8】
前記中空針(2)は、穿孔器として形成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項9】
前記センサーユニット(4)は、メス型アダプター部(3.6.2)の中に形成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項10】
前記センサーユニット(4)は、分離不能に接続ケーブル(5)に接続されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項11】
前記接続ケーブルは、評価ユニットに接続するための接続端(5.2)を有していることを特徴とする、請求項10に記載の外科用針セット。
【請求項12】
前記センサーユニットの前記センサー(4.3又は4.5)は、コイルとして形成されており、前記コイルの遠位端と近位端にそれぞれ電気的ライン(4.1、4.2又は4.8、4.9)が接続されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の外科用針セット。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の前記外科用針セット(1)の前記閉塞具(3)の1つ以上の特徴を有することを特徴とする閉塞具。
【請求項14】
中空針(2)と該中空針内にある閉塞具からなる手術器具の位置決定方法であり、中空針と閉塞具は相対的に互いに固定された位置で取外し可能に接続され、前記閉塞具は、その遠異先端への有限な距離で始まって近位方向に沿って延びる空洞部を有するように形成されており、前記閉塞具のハンドル部の内部には、前記空洞部の少なくとも1つの近位の側面出口が設けられており、前記空洞部はアダプターのアダプター部の通路に接続され、前記通路は前記空洞部の長手方向の延びに対して有限な角度で延びており、長手方向に一定の間隔をあけて互いに配置されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサーユニット(4)の2つのセンサー(4.3、4.5)の角度方向が特定される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空針と閉塞具を備える外科用針セット及び手術器具の特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション支援による術式を使って行われる低侵襲手術が、今日すでに実施されている。そのために、さまざまなナビゲーションシステムが採用される。使用されるのは、能動的システムと受動的システムである。
【0003】
能動的システムでは、器具又は手術道具など、患者の体内に導入された部品に送信機が取り付けられており、この送信機を介して、器具又は道具の軌道及び位置、特に介入部位に位置する遠位端を外部から特定することができる。
【0004】
受動的システムでは、手術器具を、特にその遠位端から位置決めするための光学システムの他に、電磁システムも知られている。電磁的ナビゲーションでは、不均一な電磁場が磁界発生器によって生成され、その電磁場が1つ以上のセンサーによって検知されることにより、器具又は手術道具の位置及び方向、特にその遠位端の位置及び方向を直接的又は間接的に検知することができる。外科用部品の遠位端の直接的検知には、部品自体の遠位端にセンサーを配置することが含まれ、間接的検知には、外科用部品の規定された箇所、特に軸方向の位置にセンサーを固定して取り付けることが含まれる。測定されたセンサー信号に基づいて、遠位端の位置及び必要に応じて方向について結論を出すことができる。受動的ナビゲーションの場合、手術領域の周辺、例えば患者が寝ている枕の中に電磁場の発生器を取り付けて外部から電磁場を作り出す電磁ナビゲーションが特に有効であることが実証されている。手術器具に取り付けられているコイル型センサーにより、器具の位置を特定することが可能になり、それによってCT画像又はMRT画像での表示を行うことができる。このX線検査は放射線被曝がないため、X線使用の減少によって全体として放射線被曝を軽減する。画像品質が損なわれることはなく、また、光学センサーではないため、センサーが覆われることもない。しかも光学的システムの場合のように、術者の動きは制限されない。
【0005】
本発明は、特に、Khosrow Jamshidiによって1974年に初めて提案された一般にジャムシディ針と呼ばれる中空針セットの実施形態に関するものである(https : //en . wikipedia . org/wiki/Jamshidi_needle;https : // www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/ jamshidi-needle)。これは、穿孔器の形をした中空針及びこの中空針に挿入された閉塞具からなる器具であり、通常、この閉塞具はトロカール形成によって遠位方向に中空針から突き出している。中空針及び閉塞具の両方の部品は、近位のハンドル部を有しており、これによって互いに固定することができる。中空針及びソリッドな閉塞具軸が金属製であるのに対し、ハンドル部はプラスチック製である。このようなジャムシディ針は、一般に生検、特に骨生検に用いられ、骨、特に脊椎の椎骨から骨髄を取り出すために使用される。さらに、このような針セットは、整形外科において、骨、特に脊椎の穿刺に用いられ、アクセス針として椎骨整形術やねじ固定などにも用いられる。
【0006】
このようなジャムシディ針の近位端に、光送信機又は光センサーなどの外部の光学素子を固定するシステムが周知である(特許文献1)。
【0007】
両方のケースにおいて、外部部品(電磁センサー又は光センサー、光送信機の場合)を実際の器具、ここでは特にジャムシディ針に取り付けることは、極めて不利である。なぜなら、近位領域及びひいてはハンドル領域において器具から半径方向に離れているそのような素子は、手術の際、術者にとって極めて邪魔であり、術者をいらだたせるおそれがある。さらにはクランプによる固定のため、素子が落下するおそれや、器具に対する素子の位置がずれるおそれもある。この場合、落下のケースでは、手術中に再度組立てを行う必要があり、位置がずれるケースでは、センサー素子又は送信機素子の場所が規定されている検出システムに基づいて遠位先端の位置を特定するため、この遠異先端に対する割り当てが正しく検知されなくなる。さらに、器具に外部から固定されたそのような近位の送信機素子又はセンサー素子は、器具に固定して配置されている場合、空間における器具の遠位端の位置を特定することに貢献するが、特に患者に器具を挿入して患者に対し実際の手術を開始する前に、器具自体の種類を特定することには役立たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第19639615号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、評価システム又はナビゲーションシステムによって形成される手術器具の種類の自動検出を可能にし、該当する手術器具、ここではジャムシディ針に適合する表示を閉塞具用のナビゲーションシステム又は評価システムのモニター上で行う外科用針セットを提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づき、前述の課題は、閉塞具がその遠位先端への有限な距離で始まって近位方向に沿って延びる空洞部を有しており、閉塞具のハンドル部の内部には、空洞部の少なくとも1つの近位の側面出口が設けられており、空洞部はアダプターのアダプター部の通路に接続され、この通路は空洞部の長手方向の延びに対して有限な角度で延びていることを特徴とする外科用針セットによって解決される。
【0011】
好適な実施形態では、遠位センサーと近位センサーを備えるセンサーユニットがアダプター部の通路を通って空洞部の遠位端まで延びており、近位センサーの向きはアダプター部品によって第1のセンサーの向きに対して有限な角度をなすように設けられており、特に第1のセンサーと第2のセンサー間の相対角度は10°~90°、好ましくは50°~70°、最も好ましくは55°~65°の範囲にある。
【0012】
本発明のさらなる好適な実施形態は、閉塞具の遠位端がトロカールとして形成されており、特に閉塞具管は、それに固定されている固定リングによって閉塞具のハンドル部に固定されており、及び/又は閉塞具のアダプター部はルアーアダプター部として形成されており、さらにセンサーユニットは、閉塞具のアダプター部に接続可能なアダプター部、好ましくは相補的ルアーアダプター部を有していることを特徴とする。
【0013】
本発明に基づく、本発明の対象である別の実施形態では、中空針と閉塞具が、閉塞具のハンドル部の側面開口部に係合する中空針のハンドル部の剛性の高いタブによって互いに取外し可能に接続できる、及び/又は中空針が穿孔器として形成されている。
【0014】
さらに、本発明の好適な実施形態では、センサーユニットが分離不能に接続ケーブルに接続されており、特に接続ケーブルは評価ユニットに接続するための接続端を有している、及び/又はセンサーユニットのセンサーがコイルとして形成されており、コイルの遠位端と近位端にそれぞれ電気的ラインが接続されていることを意図している。ワイヤ式信号ラインの代わりに、センサーユニットから制御ユニットへの無線伝送も可能である。中空針と閉塞具からなる器具セットは、針セットの閉塞具の1つ以上の特徴によって特徴づけられている。
【0015】
さらに、本発明に基づく課題を解決するため、中空針と閉塞具は相対的に互いに固定された位置で取外し可能に接続され、閉塞具はその遠異先端への有限な距離で始まって近位方向に沿って延びる空洞部を有するように形成されており、閉塞具のハンドル部の内部には、空洞部の少なくとも1つの近位の側面出口が設けられており、空洞部はアダプターのアダプター部の通路に接続され、この通路は空洞部の長手方向の延びに対して有限な角度で延びており、長手方向に一定の間隔をあけて互いに配置されているセンサーユニットの2つのセンサーの角度方向が特定されるようになっている。
【0016】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の説明に記載されている請求の範囲から明らかになり、本発明の実施例を以下に図を用いて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に基づく外科用針セットの全体図である。
【
図2】
図1のAD部分の拡大図であり、ルアーアダプター形アダプターの2つのアダプター部が互いに接続されている。
【
図3】
図1、2のアダプターの延長部で、針セットの閉塞具のハンドル部を通る線ZーZに沿った断面図である。
【
図4】
図1及び3の領域IVを拡大した詳細図である。
【
図5】本発明に基づく針セットの閉塞具の側面図である。
【
図6】本発明に基づく針セットの中空針の側面図である。
【
図7】
図6の中空針のハンドル部を上から見た図である。
【
図9】
図5、8の閉塞具の近位端を上から見た図である。
【
図10】中空針を通して挿入された閉塞具を備える針セットの長手方向断面図である。
【
図11】
図1による本発明に基づく外科用針セットの長手方向断面図である。
【
図13】
図11の遠位領域YQの拡大図であり、近位センサーの第1の実施形態によるセンサーユニットが閉塞部の中に挿入されている。
【
図14】近位センサーを備える
図11のX領域の拡大図である。
【
図15】アダプター及びそこに配置されている近位センサーの代替の実施形態の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に基づく外科用針セット1は、主に中空針2、閉塞具3及びセンサーユニット4(
図11)を有している。
【0019】
中空針2(
図6)は、穿孔器として形成されており、好ましくはステンレス鋼からなる中空針管2.1、ならびに近位端でこの中空針管に接続され、好ましくはポリプロピレンなどのプラスチックからなるハンドル部2.2を有している。両方の部品2.1及び2.2は、分離できないように接続されている。すなわち、これらは破壊しなければ分離することができない。中空針管2.1は、その遠位端2.3に、正面が円形の鋭い周縁部を備えている。このために、中空針管の外壁側は、斜め内側に内壁側の半径方向に向かっている。ハンドル部2.2はT字形に形成され、側端部に剛性の高い2つのタブ2.4を有しており、閉塞具3を中空針2の中に挿入し、部品2と3を相対的に回転させることにより、これらのタブが閉塞具3のハンドル部3.1の側面開口部3.2と互いに係合して、両方の部品2及び3を固定することができる。
【0020】
閉塞具3(
図5)は、中空の閉塞具管3.3、すでに言及したハンドル部3.1、ならびにソリッドな遠位先端及び固定リング3.5を有している。
【0021】
部品3.3~3.5は金属製であり、好ましくは同様にステンレス鋼から製造され、好ましくは溶接によって互いに固定されている。先端3.4は、鋭利な尖ったトロカールとして形成されている。固定リング3.5は、閉塞具管3.3が遠位側から閉塞具3のハンドル部3.1を通り抜け、ハンドル部3.1の近位の窪みの中に達するまで延ばされ、その窪みの中に固定リング3.5が挿入されて閉塞具管3.3と接続された後、閉塞具管3.3の近位端で、言及した溶接によって閉塞具管と取外し不能に固定される(
図9、10)。閉塞具管3.3は、追加的に又は代替として、近位領域におけるハンドル部3.1内の挿入部品として注入することもできる。
【0022】
閉塞具3の閉塞具管3.3は、ハンドル部3.1の中に入っている部分の周囲が半分しかない外壁3.3.1を備える半管としてのみ形成され、一方、ハンドル部3.1から突き出している閉塞具管の主な部分は周囲が完全に閉じられた管として形成されている。ハンドル部3.1は、部分管3.3.1の開口部に対向するスロット3.1.1を有し、このスロットは、ハンドル部と一体形成されているルアーアダプターのようなオス型アダプター部3.6.1まで達しており、アダプター部の通路3.6.1.1はスロット3.1.1に通じている。このようにして、アダプター部3.6.1からスロット3.1.1を介して閉塞具間3.3の内部まで連続して空洞部が接続されている(特に
図10)。
【0023】
アダプター3.6の外部ネジ山付きオス型アダプター部3.6.1によって、アダプター3.6の内部ネジ山付きメス型アダプター部3.6.2を接続することができる(
図11、14)。アダプター部3.6.2は、さらにセンサーユニット4のコンタクトケーブルを有している。
【0024】
センサーユニット4は、アダプター3.6の遠位でホース4a内に2つの絶縁されている電気導体4.1、4.2を有し(
図13、
図14)、これらの導体は、その端部が電磁コイル型の遠位センサー4.3に接続されており、導体4.1はセンサー4.3の近位端に接続され、一方、導体4.2は、コイル型センサー4.3の内部を介してその遠位端まで通り、そこでセンサー4.3の遠位端に接続されている。センサーユニット4のこれらの導電部品は絶縁外被によって覆われている。センサーユニット4は、近位に、センサー4.3と同様に形成されている近位センサー4.5を有している(
図14)。オス型アダプター部3.6.1を介してセンサーユニット4が閉塞具に完全に挿入されている場合、遠位センサー4.3は閉塞具管3.3の内部で閉塞具の先端3.4の近くにあり、近位センサー4.5は、アダプター3.6の角度付きオス型アダプター部3.6.1の中にある。
【0025】
センサーユニット4は、さらに
図14に示されている実施形態において、メス型のアダプター部3.6.2及び近位センサー4.5を有しており、このセンサーは、同様にコイルとして形成され、2本のケーブル4.6、4.7に接続されている。
【0026】
図14の実施形態の場合、近位センサー4.5は、アダプター3.6のアダプター部3.6.1、3.6.2の内部において、またこれらのアダプター部が接続された状態において、センサーのホース4a内のアダプター部3.6.2の遠位に配置されている。
【0027】
センサーユニット4は、ケーブル5に接続されており、その導体4.1、4.2、4.6、4.7はケーブル5を介して近位の接続端5.2(
図1)まで通り、この接続端によってケーブル5は電子評価装置と取外し可能に接続することができる。
【0028】
アダプター部3.6.1、3.6.2は、閉塞具3.3の軸に対して(
図10に図示されているように)60°の角度αを有している。この角度αは0であってはならないが、それ以外ではほぼ任意の角度にすることができ、センサー4.3、4.5が決定する他の手術器具の空洞部の該当する方向と異なっていればよく、器具の中に挿入したときにセンサー4.3とセンサー4.5間の角度方向を検出することによって、該当する手術器具、本ケースでは、特にここに挙げたジャムシディ針を検知することができる。この限りにおいて、角度は、55°~65°又は例えば40°~80°の固定値を含むことができる。本発明により、電磁場の発生装置によって電界を発生させ、評価ユニットが両方のセンサーコイル4.3、4.5の異なる位置だけではなく、それらの長手方向の距離も特定することで、使用される手術器具、ここではジャムシディ針を事前に検出することができ、さらには該当する手術器具(ここではジャムシディ針)によって与えられた角度方向も、センサー4.3、4.5によって検知された電界信号を介して特定される。
【0029】
また、本発明は、通常、手術中に患者の中にある手術器具1の遠位端の場所も特定し、さらにはセンサー4.3、4.5の異なる方向に基づいて空間における器具自体の方向も特定する。
【0030】
このために、事前に、すなわち手術を実行する前に、センサーユニット4がアダプター部3.6.1を介して手術器具1の中に挿入され、この場合、詳細には手術器具の閉塞具3の中に挿入され、センサーユニット3及び図示されていない評価ユニットの両方につながるケーブル5がアダプター3.6のメス型アダプター部3.6.2によってオス型アダプター部3.6.1に固定される。これによって手術器具1及び特に閉塞具3内のセンサーユニット3の位置、ひいてはセンサー4.3、4.5の位置が正確に決定され、さらにセンサーユニット上で規定された距離を有するセンサー4.3、4.5の配置によって、それらの相対的方向も決定される。
【国際調査報告】