(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】ステンシルプリンター内における自動化された一つの切り替えの方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B41F 15/12 20060101AFI20220829BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20220829BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20220829BHJP
B23K 3/06 20060101ALN20220829BHJP
【FI】
B41F15/12 A
H05K3/34 505D
B41F15/08 303E
B23K3/06 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573263
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 US2020037155
(87)【国際公開番号】W WO2020252116
(87)【国際公開日】2020-12-17
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロシェビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ リンチ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エフ.シューマチャー
(72)【発明者】
【氏名】ブルース シー.シートン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイトン ワン
【テーマコード(参考)】
2C035
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FB22
2C035FC07
2C035FD01
2C035FD35
2C035FD43
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC01
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD35
5E319GG15
(57)【要約】
ステンシルプリンター内において完全に自動化された単一切り替えプロセスを行う方法は、ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、単一の変更可動カートによってアイテムをステンシルプリンターへ輸送するステップと、交換対象として識別された使用済みのアイテムを取り外し、使用済みのアイテムを可動カートへ供給するステップと、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを可動カートから設置するステップと、を含む。ステンシルプリンター内において完全に自動化された単一切り替えプロセスを行うシステムは、アイテムをステンシルプリンターへ輸送し、交換が予定されている使用済みのアイテムを取り外し、ステンシルプリンター内においてアイテムを設置するように構成された単一の変更可動カートを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンシルプリンター内において自動化された切り替えプロセスを行う方法であって、
前記ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、
可動カートによって新しいアイテムを前記ステンシルプリンターへ輸送するステップと、
交換のために識別された使用済みのアイテムを取り外し、該使用済みのアイテムを前記可動カートへ供給するステップと、
前記ステンシルプリンター内において前記新しいアイテムを前記可動カートから設置するステップと、を含み、
前記可動カートは、前記新しいアイテムを受けるように構成された第1の支持部と、前記使用済みのアイテムを受けるように構成された第2の支持部とを有する、方法。
【請求項2】
前記使用済みのアイテムは使用済みのステンシルであり、前記新しいアイテムは新しい清浄なステンシルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジであり、前記新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードであり、前記新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記使用済みのアイテムは使用済みのツールであり、前記新しいアイテムは新しいツールである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は人の介入を要することなく行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記可動カートは、前記新しいアイテムを前記ステンシルプリンターへ輸送し、前記使用済みのアイテムをステーションへ輸送するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可動カートは、前記ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションと相互作用するように構成されたインターフェースを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアイテムを識別するステップは、前記アイテムの画像を取得することと、所定の識別マークに基づいて前記アイテムが正しいアイテムかどうかを照合することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステンシルプリンター内において自動化された切り替えプロセスを行うシステムであって、
前記ステンシルプリンター内における交換対象となる複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムを有するステンシルプリンターと、
可動カートであって、
新しいアイテムを前記ステンシルプリンターへ輸送し、
交換が予定されている使用済みのアイテムを取り外し、
前記ステンシルプリンター内において前記新しいアイテムを設置するように構成され、
前記可動カートは、前記新しいアイテムを受けるように構成された第1の支持部と、前記使用済みのアイテムを受けるように構成された第2の支持部とを有する、可動カートと、
を備える、システム。
【請求項11】
前記使用済みのアイテムは使用済みのステンシルであり、前記新しいアイテムは新しい清浄なステンシルである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ステーションは前記使用済みのステンシルを洗浄するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジであり、前記新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジである、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
ステーションは、前記消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジを将来の生産運転に使用できるかどうかを判定するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードであり、前記新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードである、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
ステーションは前記使用済みのスクイージーブレードを洗浄するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記使用済みのアイテムは使用済みのツールであり、前記新しいアイテムは新しいツールである、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
ステーションは前記使用済みのツールを検査及び/又は洗浄するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記可動カートは、前記新しいアイテムを前記ステンシルプリンターへ輸送し、前記使用済みのアイテムをステーションへ輸送するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
前記可動カートは、前記ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションと相互作用するように構成されたインターフェースを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項21】
前記可動カートは、アイテムの画像を取得し、所定の識別マークに基づいて前記アイテムが正しいアイテムかどうかを照合することによって前記アイテムを識別する撮像装置を有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項22】
ステンシルプリンター内において一部が自動化された単一切り替えプロセスを行う方法であって、
前記ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、
操作者によって手作業で取り外される位置において使用済みのアイテムを提示するステップであって、前記ステンシルプリンターは前記使用済みのアイテムを動作位置から取り外し位置へ移動させるように構成される、ステップと、
前記使用済みのアイテムを前記ステンシルプリンターから手作業で取り外すステップと、
新しいアイテムを前記ステンシルプリンターへ輸送するステップと、
前記ステンシルプリンター内において新しいアイテムを設置するステップであって、前記ステンシルプリンターは前記新しいアイテムを前記動作位置へ移動させるように構成される、ステップと、を含む、方法。
【請求項23】
前記使用済みのアイテムは、使用済みのステンシル、消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジ、使用済みのスクイージーブレード、及び使用済みのツールのうちの1つであり、前記新しいアイテムは、それぞれ、新しい清浄なステンシル、新しい満杯のペーストカートリッジ、新しい清浄なスクイージーブレード、及び新しいツールである、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「METHOD AND SYSTEM FOR AUTOMATED CHANGEOVER AND REPLACEMENT WITHIN A STENCIL PRINTER」と題する、2020年3月19日に出願された同時係属中の米国特許仮出願第62/991,748号明細書、「METHOD AND SYSTEM FOR AUTOMATED CHANGEOVER AND REPLACEMENT WITHIN A STENCIL PRINTER」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,035号、「AUTOMATED PRINTER ROBOTIC ARM」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,031号明細書、及び「AUTOMATED PRINTER SMART CART」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許出願第62/861,035号明細書の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、これらの米国特許は、あらゆる目的で、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本願は、包括的には、粘性材料、例えばはんだペーストを電子基板、例えばプリント回路基板(PCB)上に印刷するステンシルプリンター及び関連する方法に関し、より具体的には、このようなステンシルプリンター及び方法を完全に及び部分的に自動化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンターを用いて、回路基板上にはんだペーストを印刷することができる。通常、その上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板がステンシルプリンターの中に自動的に送り込まれ、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「フィデューシャル(fiducials:基準部)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンターのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。幾つかのシステムでは、視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。
【0004】
上記プリンターにおいて、回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇されて、はんだペーストがステンシルに吐出される。ワイパーブレード(すなわちスクイージー)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板にはんだペーストを押し出す。スクイージーがステンシルを横切るように移動する際、はんだペーストはブレードの前方において伸び広がる傾向がある。これにより、望ましくははんだペーストの混合及び剪断が生じ、スクリーンすなわちステンシルの孔を満たすのを容易にするのに所望の粘度が得られる。はんだペーストは、通常、標準的なカートリッジからステンシルに吐出される。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。ステンシルの表面上に残される材料は、更なる回路基板が印刷される前に、洗浄プロセスにおいて除去される。
【0005】
回路基板を印刷する際の別のプロセスは、はんだペーストが回路基板の表面上に堆積された後に、回路基板を検査することを伴う。回路基板を検査することは、清浄な電気的接続を形成できると判断するのに重要である。はんだペーストが多すぎると短絡が生じる可能性があり、一方、適切な位置においてはんだペーストが少なすぎると、電気的接触が妨げられる可能性がある。一般に、視覚検査システムを更に利用して、回路基板上のはんだペーストの2次元又は3次元の検査を提供する。
【0006】
現代のステンシルプリンターには、ルーティン動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、切り替え中において、作業者は、ステンシルの変更、はんだペーストカートリッジの交換、スクイージーブレードの交換、及び支持ツールの交換等、多くの手作業によるタスクを行わなければならない。これらのタスクのそれぞれにおいて、作業者は手作業でタスクを行う必要がある。例えば、大多数のステンシルプリンターにおいて、作業者は、ステンシルをロック解除し、ステンシルを取り外し、交換ステンシルを適切に挿入し、交換ステンシルを適所にロックしなければならない。切り替え動作は30分程かかり得て、その間、ステンシルプリンターは動作しておらず、PCB作製ラインが稼働しないという結果となり得る。
【0007】
ステンシルプリンターは、交換動作及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が更に必要となる。例えば、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンターへ供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間又はそれ以下の時間内において交換が必要である。スクイージーブレード及びステンシル等、通常の摩耗及び引裂が起こるアイテムは、破損した場合に定期的な交換が必要となり得る。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの態様は、ステンシルプリンター内において完全に自動化された一つの切り替えプロセスを行う方法に関する。一実施形態において、方法は、ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別することと、一つの変更可動カートによってステンシルプリンターへアイテムを輸送することと、交換対象として識別された使用済みのアイテムを取り外し、使用済みのアイテムを可動カートへ供給することと、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを可動カートから設置することとを含む。
【0009】
方法の実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、新しいアイテムが新しい清浄なステンシルであることを更に含むことができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジとすることができる。使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードとすることができ、新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードとすることができる。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、新しいアイテムは新しいツールとすることができる。方法は、人の介入を要することなく行うことができる。可動カートは、少なくとも1つのアイテムをステンシルプリンターへ輸送し、使用済みのアイテムをステーションへ輸送し、使用済みのアイテムを貯蔵室へ輸送するように構成することができる。少なくとも1つのアイテムは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールのうちの1つを含むことができる。可動カートは、これらのアイテムのうちの1つ以上を支持するように構成することができる。可動カートは、ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションとインタラクトするように構成されたインターフェースを有することができる。少なくとも1つのアイテムを識別することは、アイテムの画像を取得することと、所定の識別マークに基づいてアイテムが正しいアイテムかどうかを照合することとを含むことができる。
【0010】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンター内において完全に自動化された一つの切り替えプロセスを行うシステムに関する。一実施形態において、システムは、ステンシルプリンター内における交換対象となる複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムを有するステンシルプリンターと、ステンシルプリンターへアイテムを輸送し、交換が予定されている使用済みのアイテムを取り外し、ステンシルプリンター内においてアイテムを設置するように構成された一つの変更可動カートとを備える。
【0011】
システムの実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムが新しい清浄なステンシルであることを更に含むことができる。ステーションは、使用済みのステンシルを洗浄するように構成することができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジとすることができる。ステーションは、消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジを将来の生産運転に使用することができるかどうかを判定するように構成することができる。使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードとすることができ、複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードとすることができる。ステーションは、使用済みのスクイージーブレードを洗浄するように構成することができる。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、複数のアイテムのうちのアイテムは新しいツールとすることができる。ステーションは、使用済みのツールを検査及び/又は洗浄するように構成することができる。可動カートは、複数のアイテムのうちのアイテムをステンシルプリンターへ輸送し、使用済みのアイテムをステーションへ輸送し、使用済みのアイテムを貯蔵室へ輸送するように構成することができる。アイテムは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールのうちの1つを含むことができる。可動カートは、これらのアイテムのうちの1つ以上を支持するように構成することができる。少なくとも1つの供給システムは、ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションとインタラクトするように構成されたインターフェースを有することができる。可動カートは、アイテムの画像を取得し、所定の識別マークに基づいてアイテムが正しいアイテムかどうかを照合することによってアイテムを識別する撮像装置を有することができる。
【0012】
本開示の更に別の態様は、ステンシルプリンター内において一部が自動化された一つの切り替えプロセスを行う方法に関する。一実施形態において、方法は、ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、操作者によって手作業で取り外される位置において使用済みのアイテムを提示するステップであって、ステンシルプリンターは使用済みのアイテムを動作位置から取り外し位置へ移動させるように構成される、ステップと、使用済みのアイテムをステンシルプリンターから手作業で取り外すステップと、新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送するステップと、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを設置するステップであって、ステンシルプリンターは新しいアイテムを動作位置へ移動させるように構成される、ステップと、を含む。
【0013】
方法の実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、新しいアイテムが新しい清浄なステンシルであることを含むことができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジとすることができる。使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードとすることができ、新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードとすることができる。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、新しいアイテムは新しいツールとすることができる。
【0014】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンター内において自動化された切り替えプロセスを行う方法に関する。一実施形態において、方法は、ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、可動カートによって新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送するステップと、交換対象として識別された使用済みのアイテムを取り外し、使用済みのアイテムを可動カートへ供給するステップと、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを可動カートから設置するステップと、を含む。可動カートは、新しいアイテムを受けるように構成された第1の支持部と、使用済みのアイテムを受けるように構成された第2の支持部とを有する。
【0015】
方法の実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、新しいアイテムが新しい清浄なステンシルであることを更に含むことができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジとすることができる。請求項1に記載の方法であって、使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードであり、新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードである。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、新しいアイテムは新しいツールとすることができる。方法は、人の介入を要することなく行うことができる。可動カートは、新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送し、使用済みのアイテムをステーションへ輸送するように構成することができる。可動カートは、ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションとインタラクトするように構成されたインターフェースとすることができる。少なくとも1つのアイテムを識別することは、アイテムの画像を取得することと、所定の識別マークに基づいてアイテムが正しいアイテムであり得るかどうかを照合することとを含むことができる。
【0016】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンター内において自動化された切り替えプロセスを行うシステムに関する。一実施形態において、システムは、ステンシルプリンター内における交換対象となる複数のアイテムのうちの少なくとも1つのアイテムを有するステンシルプリンターと、新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送し、交換が予定されている使用済みのアイテムを取り外し、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを設置するように構成された可動カートとを備える。可動カートは、新しいアイテムを受けるように構成された第1の支持部と、使用済みのアイテムを受けるように構成された第2の支持部とを有する。
【0017】
システムの実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、新しいアイテムが新しい清浄なステンシルであることを更に含むことができる。ステーションは、使用済みのステンシルを洗浄するように構成することができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジである。ステーションは、消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジを将来の生産運転に使用することができるかどうかを判定するように構成することができる。使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードとすることができ、新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードとすることができる。ステーションは、使用済みのスクイージーブレードを洗浄するように構成することができる。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、新しいアイテムは新しいツールとすることができる。ステーションは、使用済みのツールを検査及び/又は洗浄するように構成することができる。可動カートは、新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送し、使用済みのアイテムをステーションへ輸送するように構成することができる。可動カートは、ステンシルプリンターに関連付けられたドッキングステーションとインタラクトするように構成されたインターフェースを有することができる。可動カートは、アイテムの画像を取得し、所定の識別マークに基づいてアイテムが正しいアイテムかどうかを照合することによってアイテムを識別する撮像装置を有することができる。
【0018】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンター内において一部が自動化された一つの切り替えプロセスを行う方法に関する。一実施形態において、方法は、ステンシルプリンター内における交換対象となる少なくとも1つのアイテムを識別するステップと、操作者によって手作業で取り外される位置において使用済みのアイテムを提示するステップであって、ステンシルプリンターは使用済みのアイテムを動作位置から取り外し位置へ移動させるように構成される、ステップと、使用済みのアイテムをステンシルプリンターから手作業で取り外すステップと、新しいアイテムをステンシルプリンターへ輸送するステップと、ステンシルプリンター内において新しいアイテムを設置するステップであって、ステンシルプリンターは新しいアイテムを動作位置へ移動させるように構成される、ステップと、を含む。
【0019】
方法の実施の形態は、使用済みのアイテムが使用済みのステンシルであり、新しいアイテムが新しい清浄なステンシルであることを更に含むことができる。使用済みのアイテムは消費済み又は一部が消費済みのペーストカートリッジとすることができ、新しいアイテムは新しい満杯のペーストカートリッジである。使用済みのアイテムは使用済みのスクイージーブレードとすることができ、新しいアイテムは新しい清浄なスクイージーブレードとすることができる。使用済みのアイテムは使用済みのツールとすることができ、新しいアイテムは新しいツールとすることができる。
【0020】
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1はステンシルプリンターの正面図である。
【
図2】
図2はステンシルプリンターの正面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されているステンシルプリンターの平面図であって、一部を取り除いた状態を示す図である。
【
図4】
図4はステンシルプリンター内においてステンシルを交換する方法を示す図である。
【
図5】
図5はステンシルプリンター内においてペーストカートリッジを交換する方法を示す図である。
【
図6】
図6はステンシルプリンター内においてスクイージーブレードを交換する方法を示す図である。
【
図7】
図7はステンシルプリンター内において基板を支持するために使用されるツールを交換する方法を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態に係る可動カートの概略図であって、可動カートがステンシルプリンターに近接した状態を示す図である。
【
図9】
図9は、ステンシルプリンターへステンシルを供給する、及びステンシルプリンターからステンシルを受け取るように構成された可動カートの概略図である。
【
図10】
図10は、ステンシルプリンターへアイテムを供給する、及びステンシルプリンターからアイテムを受け取るように構成された可動カートの概略図である。
【
図11】
図11は、ステンシルプリンターへアイテムを供給する、及びステンシルプリンターからアイテムを受け取るように構成された可動カートの概略図である。
【
図12】
図12は、それぞれがペーストカートリッジを支持するように構成された複数の開ソケットを有するカルーセルホイールの概略図である。
【
図13】
図13はツールをステンシルプリンターへ供給する及びステンシルプリンターから受け取るように構成された可動カートの概略図である。
【
図14】
図14はステンシルプリンターの近傍にある状態の本開示の実施形態に係る可動カートの斜視図である。
【
図15】
図15はステンシルプリンターの自動化された切り替え時において人がステンシルを積み込んでいる状態を示す斜視図である。
【
図16】
図16はステンシルプリンターとインターフェース接続された本開示の別の実施形態に係る可動カートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本明細書において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する)上に塗布するか、又は検査、再加工又は基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本明細書において、「ステンシルプリンター」、「スクリーンプリンター」、「印刷機」、又は「プリンター」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンターを参照しながら以下に説明される。
【0023】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本明細書において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙される物品と、その均等物及び追加の物品とを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の一つのもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0024】
例示を目的として、以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンターを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンターに限らず、糊及び封止材料等の他の粘着性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダーフィルとして使用されるエポキシを印刷するために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンターは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷するものに限らず、半導体ウエハ等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。また、スクリーン及びステンシルの用語は、本明細書においては、基板に印刷されるパターンを規定するプリンター内のデバイスを説明するために区別なく使用することができる。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンターは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(登録商標)又はEdison(登録商標)シリーズのステンシルプリンタープラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンターは、概して
図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンター5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(登録商標)シリーズのステンシルプリンタープラットフォームである。
【0025】
図2を参照すると、本開示の実施形態に係るステンシルプリンターが概して10で示されている。示されているように、ステンシルプリンター10は、ステンシルプリンターの構成アイテムを支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンターの構成アイテムは、一部として、コントローラー14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。
【0026】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。一実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22上に搭載することができ、プリントヘッドアセンブリガントリー22は、フレーム12上に搭載することができる。プリントヘッドアセンブリガントリー22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラー14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18と係合することでプリントヘッドアセンブリに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に降下してステンシルに接触及び封止係合することができる。
【0027】
ステンシルプリンター10は、プリント回路基板(本明細書においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンター内の印刷位置へ輸送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本明細書においては「トラクターフィード機構」と称する場合がある。トラクターフィード機構は、本明細書において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンターの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に供給するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0028】
加えて
図3を参照すると、ステンシルプリンター10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する支持アセンブリ28を有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟なツール等を更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0029】
一実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサー、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラー14は、Microsoft Cor-porationによって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピュータを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンター10の動作を制御するように構成することができる。コントローラー14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラーとネットワーク接続することができる。
【0030】
1つの構成において、ステンシルプリンター10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンター10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に降下される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。ひとたびプリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように降下させられる。回路基板29は、ステンシルプリンター10から解放及び輸送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンター内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に降下させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0031】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。一実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像ガントリー32に連結される。一実施形態において、撮像ガントリー32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在する梁を有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像ガントリー32は、撮像システム30を収容するキャリッジデバイスを更に有することができ、x軸方向における梁の長さに沿って移動するように構成される。撮像システム30を移動させるために使用される撮像ガントリー32の構造は、はんだペースト印刷の技術において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0032】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余分なはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパーアセンブリがステンシルの下方を移動して余分なはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパーアセンブリの上方を移動してもよい。
【0033】
ステンシルプリンター内における自動化された切り替え及び交換
上述のように、ステンシルプリンターは、或る特定のアイテムの交換及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、典型的なステンシルは、或る特定の期間後、例えば、4時間後に交換が必要となる。また、ステンシルは、別個の生産運転(production run)のために交換が必要となる。加えて、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンターに供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間以内に交換が必要となる。別個の生産運転には、異なるはんだペースト材料が必要となり得る。定期的な交換を必要とする別のアイテムは、使用時に摩耗するスクイージーブレードである。そして最後に、印刷位置において基板を支持するために使用されるツールは、1つの生産品から別の生産品へ変更するときに交換される。
【0034】
図4を参照すると、ステンシルを交換する方法が概して40で指定されている。ステンシルは、はんだペーストをプリント回路基板上に印刷するために使用される。ステンシルは、多くの場合、ステンレス鋼又はニッケルから作製される。示されているように、新しい生産運転のために、又は既設のステンシルの摩耗により、41において新しいステンシルの要求が行われると、42において清浄なステンシルがステンシル貯蔵室から取り出され、43において、「プリンター1」、「プリンター2」、及び「プリンター3」として識別された幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送される。ステンシルプリンターは、プリント回路基板を作製するために使用される一つの生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。ステンシルプリンターの数は様々であり得る。生産ラインにおいて、「清浄でない」又は使用済みのステンシルはステンシルプリンターから取り外され、「清浄な」又は新しいステンシルは、ステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。清浄でないステンシルは、44において、ステンシルを洗浄して再利用の準備をするステンシル洗浄ステーション45へ輸送される。ひとたび洗浄されると、ステンシルは、46において、ステンシルを同じ又は異なる生産運転時に再利用する準備ができている清浄なステンシル貯蔵室42へ戻るように輸送される。
【0035】
図5を参照すると、ペーストカートリッジを交換する方法が概して50で指定されている。示されているように、新しい生産運転のために、又は既設のペーストカートリッジの消尽により、51において新しいペーストカートリッジの要求が行われると、52において新しいペーストカートリッジがペーストカートリッジ貯蔵室から取り出され、53において、「プリンター1」、「プリンター2」、及び「プリンター3」として識別された幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送される。ステンシルプリンターは、プリント回路基板を作製するために使用される一つの生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。ステンシルプリンターの数は様々であり得る。この実施形態において、貯蔵室52内でのペーストカートリッジの貯蔵、及び53でのペーストカートリッジの輸送は、はんだペーストカートリッジ内に収容されたはんだペーストを保存するのに適した、温度及び/又は気候の制御された環境において行われなければならない。生産ラインにおいて、「消費済み」又は使用済みのペーストカートリッジはステンシルプリンターから取り外され、「満杯の」又は新しいペーストカートリッジはステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。消費済みペーストカートリッジは、54において、ペーストカートリッジが確保される(完全に使用済みではないため)又はリサイクルのために確保される、ステーション55へ輸送される。ひとたび確保又はリサイクルされると、ペーストカートリッジは、56において、ペーストカートリッジを同じ又は異なる生産運転時に使用する準備ができているペーストカートリッジ貯蔵室52へ戻るように輸送される。
【0036】
図6を参照すると、スクイージーブレード又は一対のスクイージーブレードを交換する方法が概して60で指定されている。示されているように、新しい生産運転のために、又は既設のスクイージーブレードに欠陥が検知されたことにより、61において新しいスクイージーブレードの要求が行われると、62において新しいスクイージーブレードがスクイージーブレード貯蔵室から取り出され、63において、「プリンター1」、「プリンター2」、及び「プリンター3」として識別された幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送される。ステンシルプリンターは、プリント回路基板を作製するために使用される一つの生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。ステンシルプリンターの数は様々であり得る。生産ラインにおいて、使用済みのスクイージーブレードはステンシルプリンターから取り外され、新しいスクイージーブレードは、ステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。使用済みのスクイージーブレードは、64において、スクイージーブレードが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーション65へ輸送される。欠陥がある場合、スクイージーブレードは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、スクイージーブレードは、66において、スクイージーブレードを同じ又は異なる生産運転時に再利用する準備ができているスクイージーブレード貯蔵室62へ戻るように輸送される。
【0037】
図7を参照すると、基板を印刷位置において支持するために使用されるツールを交換する方法が概して70で指定されている。示されているように、新しい生産運転のために、又は既設のツールに欠陥が検知されたことにより、71において新しいツールの要求が行われると、72において新しいツールがツール貯蔵室から取り出され、73において、「プリンター1」、「プリンター2」、及び「プリンター3」として識別された幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送される。ステンシルプリンターは、プリント回路基板を作製するために使用される一つの生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。ステンシルプリンターの数は様々であり得る。生産ラインにおいて、使用済みのツールはステンシルプリンターから取り外され、新しいツールは、ステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。使用済みのツールは、74において、ツールが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーション75へ輸送される。欠陥がある場合、ツールは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、ツールは、76において、ツールを同じ又は異なる生産運転時に再利用する準備ができているツール貯蔵室72へ戻るように輸送される。
【0038】
複数の切り替え用に構成された可動カート
本開示の実施形態は、ステンシルプリンターの切り替えプロセスを自動化するとともに、
図4~
図7を参照して説明した方法のうちの1つ以上を実施するように構成された供給システムに関する。一実施形態において、供給システムは、ステンシルプリンターに係合し、交換用及び補充用のアイテム及び材料をステンシルプリンターに対して供給する及び受け取って複数切り替えを行うように構成された可動カートを有する。例えば、ステンシルプリンターは、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを有することができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンターと通信できるようにするインターフェースを有することができる。一つの可動カートは、切り替えステンシル、交換ステンシル、交換はんだペーストカートリッジ、補充はんだペーストカートリッジ、交換スクイージーブレード、補充スクイージーブレード、及び交換支持ツールを有するように構成することができる。切り替え時において、例えば、ステンシルプリンターは、異なる物品を生産するように再構成しなければならない。したがって、異なる基板に適応するための新しいステンシル、異なるタイプのはんだペースト、異なる長さを有する新しいブレード、及び新しい支持ツールをステンシルプリンター内に利用し、異なる製品を生産することができる。ステンシルワイパーにおいて使用される紙及び溶媒等、他のアイテムを更に交換及び/又は補充してもよい。
【0039】
本明細書において説明する切り替えプロセスは、各アイテムを交換及び/補充するように構成された一つの可動カートによって実現することができる。他の実施形態において、2つ以上の可動カートを設けることができる。例えば、ステンシルの切り替えのために、可動カートは、所定数のステンシルを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、ステンシルを識別し、ステンシルを貯蔵し、ステンシルをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、ステンシルを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、ステンシル等の使用済みアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0040】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、所定数のペーストカートリッジを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、ペーストカートリッジを識別し、ペーストカートリッジを適した環境において貯蔵し、ペーストカートリッジをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、ペーストカートリッジを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、ペーストカートリッジ等の使用済みのアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。また、可動カートは、長期に渡ってペーストカートリッジを貯蔵するように構成することができる。一実施形態において、はんだペーストの長期の貯蔵は、0℃~10℃(32°F~50°F)で冷蔵することによって実現することができる。ペーストカートリッジは、可動カート内においてこの温度範囲を維持する箇所で貯蔵することができる。別の実施形態において、可動カートは、使用前にペーストカートリッジを予熱し、ステンシルプリンター内における使用のためにカートリッジを準備するように構成することができる。
【0041】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、所定数のスクイージーブレードを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、スクイージーブレードを識別し、スクイージーブレードを貯蔵し、スクイージーブレードをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、スクイージーブレードを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、スクイージーブレード等の使用済みのアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0042】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、プリント回路基板を印刷位置において支持するために使用される所定数のツールを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、ツールを識別し、ツールを貯蔵し、ツールをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、ツールを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、ツール等の使用済みのアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0043】
本開示の実施形態は、ステンシルプリンターのための補充プロセスを自動化するように構成された供給システムに更に関する。一実施形態において、供給システムは、ステンシルプリンターに係合し、交換用及び補充用のアイテム及び材料をステンシルプリンターに対して供給する及び受け取るように構成された可動カートを有する。例えば、ステンシルプリンターは、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを有することができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンターと通信できるようにするインターフェースを有することができる。一つの可動カートは、切り替えステンシル、交換ステンシル、交換はんだペーストカートリッジ、補充はんだペーストカートリッジ、交換スクイージーブレード、補充スクイージーブレード、及び交換支持ツールを有するように構成することができる。補充時において、例えば、ステンシルプリンターの決定的な消費可能製品は、定期的に補充されなければならない。1つの例において、はんだペーストカートリッジは、使い果たされたときに交換を必要とする。ステンシルワイパーにおいて使用される紙及び溶媒等、他のアイテムも更に補充してもよい。
【0044】
本明細書において説明する補充プロセスは、全ての補充可能なアイテムを補充するように構成された一つの可動カートによって実現することができる。他の実施形態において、2つ以上の可動カートを設けることができる。例えば、ステンシルの補充のために、可動カートは、幾つかの交換はんだペーストカートリッジを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、交換はんだペーストカートリッジを識別し、カートリッジを貯蔵し、カートリッジをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、カートリッジを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、消費済みカートリッジ等の使用済みアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0045】
可動カートは、幾つかの交換スクイージーブレードを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、交換スクイージーブレードを識別し、スクイージーブレードを貯蔵し、スクイージーブレードをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、スクイージーブレードを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、使用済み又は欠陥のあるスクイージーブレード等の使用済みのアイテムをステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0046】
図8を参照すると、一実施形態において、概して80で示されている可動カートは、交換及び/又は補充アイテムを支持するように構成されたフレーム又はハウジング82を有する。示されているように、フレームは、概して矩形であり、それぞれ84で示されているホイール又はキャスター上で支持される。一実施形態において、可動カート80は、作業者が可動カートのハウジング82を押すことによって手作業で移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート80は、プッシュバー又はハンドルを有して構成することができる。別の実施形態において、可動カート80は、可動カート、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられる遠隔制御又は自動化された制御によって自動的に移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート80は、適したモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイールを含むことができ、可動カート、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられた制御は、可動カートを制御するように構成される。可動カート80は、可動カートを貯蔵室から例えばステンシルプリンターへ案内するために、1つ以上のセンサー及び/又は視覚システム、例えばカメラを更に有することができる。
【0047】
可動カート80は、それぞれが86で示される1つ以上の棚を有し、1つ以上の棚は、ステンシルプリンター10のためのアイテムを貯蔵するように構成される。例えば、棚86は、新しい及び使用済みのステンシル、新しい及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジ、新しい及び使用済みのスクイージーブレード、並びに新しい及び使用済みのツールを支持するように特定的に設計することができる。1つ以上の棚86は、ステンシルプリンター10との動作に適した高さを実現するために、ハウジング82内で鉛直に移動するように構成することができる。幾つかの棚86は、ステンシルプリンター10内における使用の準備ができた清浄な又は新しいアイテムを支持する「清浄な棚」として指定することができる。幾つかの棚86は、ステンシルプリンター10から取り出される使用済みのアイテムを支持する「清浄でない棚」として指定することができる。棚86は、様々なアイテムを受け取るために、互いに特定の距離だけ間隔を空けることができる。例えば、棚86は、ステンシルのフレーム厚さに適応するために、9.525mm(3/8インチ)~38.1mm(1・1/2インチ)だけ間隔を空けることができる。
【0048】
可動カート80は、アイテムを可動カートからステンシルプリンター10へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するために使用される1つ以上のデバイスを有して構成することができる。例えば、デバイスは、ペーストカートリッジ等のアイテムと係合して消費済みのペーストカートリッジをステンシルプリンターから可動カート80のトレイへ移動させるとともに満杯のペーストカートリッジを可動カートからステンシルプリンター10へ移動させる把持部を有することができる。
【0049】
可動カート80は、ステンシルプリンター10上に設けられたドッキングステーション内でドッキングするように設計されたインターフェースを有して構成することができる。
図8に示されている一実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10のドッキングステーション112内で機械インターフェース及び電気通信インターフェースの両方からドッキングするように構成されたインターフェース110を有する。特定の実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10の固有の機械インターフェースに接続する固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴を含むことができる。
図9に示されている別の実施形態において、可動カート80は、それぞれが114で示されるピンを有して構成することができ、ピンは、それぞれが116で示される、ステンシルプリンター10に関連付けられたガイド部内で受けられ、可動カートを完全にドッキングする前に、可動カートがステンシルプリンターに対して位置合わせされる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。可動カート80は、ステンシルプリンター10のドッキングステーション内でドッキングすると、ステンシルプリンターと物理的に係合することができる、又はステンシルプリンターから間隔を空けることができる。
【0050】
図9及び
図10を参照すると、可動カート80は、ステンシルプリンター10内において、それぞれが18で示されるステンシルを交換するのに特に適したものとすることができる。棚86は、ステンシルプリンター10の内外へ往復するステンシル18を支持するように構成される。棚86は、所望の高度を実現するために鉛直方向に移動するように構成することができる。以下でより詳細に説明する、可動カート80と関連付けられたデバイスは、ひとたびステンシルが所望の高度に置かれると、可動カートからステンシル18をステンシルプリンター10の内外へ移動させるように構成することができる。ステンシル18の移動は、可動カート80、ステンシルプリンター10、及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーの制御下において自動的に実現することができる。
図10は、可動カートの棚86上で支持されたステンシル18を示している。
図10は、可動カートの上面にピン等の支持ツール90を有する可動カートも示している。
【0051】
図11及び
図12を参照すると、可動カート80は、ペーストカートリッジ等、ステンシルプリンター10内における他のアイテムを交換するのに特に適している。一実施形態において、可動カート80は、ペーストカートリッジを支持するように構成された、それぞれが94で示される複数の開ソケットを有するカルーセルホイール92を有する。例示的なペーストカートリッジは、
図12において96で示されている。カルーセルホイール92は、回転することでペーストカートリッジをステンシルプリンター10に提示するように構成することができる。可動カート80と関連付けられたデバイスは、可動カートのカルーセルホイール92からペーストカートリッジをステンシルプリンターの内外へ移動させるように構成することができる。ペーストカートリッジの移動は、可動カート80、ステンシルプリンター10、及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーの制御下において自動的に実現することができる。
【0052】
一実施形態において、可動カート80は、ペーストディスペンサーをステンシルプリンター10のプリントヘッドの後ろに位置させるとともに到達させるように構成することができる。ペーストカートリッジを収容したカルーセルホイール92は、カルーセルホイールと関連付けられたインデックス機構が新しいペーストカートリッジを提示する、可動カート80の面上に位置決めされる。ペーストカートリッジを回転させるとともに、ペーストカートリッジ上に設けられた所定の識別マーク120(
図12)を読み取る/照合するために、ピンチローラーを設けることができる。一実施形態において、所定の識別マーク120は、撮像システム30によって又は可動カートに関連付けられた撮像システムによって読み取られるように構成された、バーコードとすることができる。別の実施形態において、所定の識別マークは、読取装置によって読み取られるRFIDタグを具現することができる。使用済みのペーストカートリッジは、カルーセルホイール92内に設けられた開ソケット94内に堆積させることができる。
【0053】
図11に戻り、一実施形態において、可動カート80は、122で示される適切なモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイール84と、可動カートの移動を制御するように構成された遠隔コントローラー124等のコントローラーとを有する。可動カート80は、モーター及びドライブトレイン122を介して可動カートの移動に動力を供給する。
【0054】
図13を参照すると、可動カート80は、ツール98を供給する及びステンシルプリンター10から取り外すように構成される。示されている実施形態において、コンベヤアセンブリ100は、可動カート80とステンシルプリンター10との間に位置決めされる。コンベヤアセンブリ100は、ステンシルプリンター10のための専用のコンベヤ又はコンベヤシステムの一部とすることができる。可動カート80の棚86は、ツール98を支持するとともにツールを所望の高度に位置決めするように構成される。同様に、コンベヤアセンブリ100は、ツール98を可動カート80から所望の高度で受け取るとともに、ツールをステンシルプリンター10へ移送するように構成される。コンベヤアセンブリ100は、ツール98をステンシルプリンター10から所望の高度で受け取るとともに、ツールを可動カート80へ戻すように移送するように更に構成される。例えば、切り替え作業時において、新しいツール98が必要となり得る。可動カート80及びコンベヤアセンブリ100は、ツール98をステンシルプリンター10から取り外すとともに、コンベヤアセンブリを介して使用済みのツールを可動カートへ移送するように構成される。新しいツール98は、可動カート80から取り外され、コンベヤアセンブリ100を介してステンシルプリンター10へ移送される。
【0055】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10内においてステンシルを変更する際に、可動カート80は、可動カート上の新しく正しいステンシルを照合し、可動カートの空の棚86の上に使用済みのステンシルを位置決めし、新しく正しいステンシルをステンシルプリンター内において適切な位置及び向きで位置決めするように構成することができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、スクイージーブレードから使用済みのペーストを洗浄することによって、又は別様に除去することによって、スクイージーブレードを洗浄するように構成することができる。
【0057】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、スクイージーブレードをプリントヘッドアセンブリ20から外し、可動カートの開いた棚86の上に使用済みのスクイージーブレードを位置決めすることによって、使用済みのスクイージーブレードを変更するように構成することができる。新しいスクイージーブレードは、可動カート80から取り出され、ステンシルプリンター10のプリントヘッドアセンブリ20上に搭載される。
【0058】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、コントローラーを有し、コントローラーは、コントローラーによって得られた動作パラメーターに基づいて可動カートの動作を制御するように適合される。コントローラーは、ステンシルプリンター10のコントローラー14及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーと通信するように構成することができる。複数の可動カート80を有する一実施形態において、コントローラーは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は他のタイプのネットワークを介して互いに通信する、各可動カート内に設けられた複数のコントローラーを具現することができる。他の実施形態において、可動カート80のコントローラーの動作を制御するためにマスターコントローラーを設けることができる。各可動カート80には、コントローラーに動作可能に連結されるディスプレイを設けることができる。ディスプレイは、限定はしないが、清浄なステンシル及び使用済みのステンシルの数、満杯のペーストカートリッジ及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジの数、新しいスクイージーブレード及び使用済みのスクイージーブレードの数、及び/又は新しいツール及び使用済みのツールの数等、可動カートの動作パラメーターを表示するように適合される。このような情報を取得するために、適したモニターを設けることができる。代替的に、又は前述の実施形態に加えて、ステンシルプリンター10内に設けられたディスプレイ16及び/又は生産ラインと関連付けられたディスプレイ上に動作パラメーターを表示させてもよい。
【0059】
他の実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10のコントローラー14及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーによって制御することができる。コントローラーは、1つ以上の可動カート80専用のコントローラーとすることができる。
【0060】
幾つかの実施形態において、可動カート80上のアイテムについての材料識別は、アイテムを操作するデバイスと、アイテムをスキャン及び識別するスキャナーとを含むことができる。例えば、ペーストカートリッジ96について、可動カート80は、ペーストカートリッジを回転させ、ペーストカートリッジ上に設けられたコード又は所定の識別マークを可動カート上に設けられたスキャナーに対して位置合わせするピンチホイールを有するように構成することができる。システムは、ペーストカートリッジ96と関連付けられた材料識別をステンシルプリンター10のレシピ及び生産時間等に関連付けるように構成される。一実施形態において、アイテムを識別するバーコードを提供することができる。例えば、バーコードは、UPCコード用の1Dスキャナー、QRCコード用の2Dスキャナー、アイテム上に貼り付けられた印刷ラベル、又はアイテム上にエッチングされたレーザーエッチングラベルを含むことができる。別の実施形態において、アイテムを識別するRFIDシステムを適用することができる。例えば、RFIDシステムは、アイテムに貼り付けられるRFIDタグと、可動カート80と関連付けられたRFID読取装置とを含むことができる。RFIDシステムを用いることにより、読取装置とアイテムとの間の見通し線(line-of-site)が不要となる。また、可動カート80内における全てのアイテムを識別するためのスキャンが不要となる。別の実施形態において、アイテムを識別する撮像又は視覚システムを適用することができる。視覚システムは、ステンシルプリンター10と関連付けられた撮像システム30と同様の撮像システムであり得て、ステンシルプリンター上、ステンシルプリンター外、又は可動カート80上で関連付けることができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、可動カート80上にストックされたアイテムを追跡するためにデータベースが設けられる。一実施形態において、データベースは、オープン・アプリケーション(App)アーキテクチャを含むことができるとともに、データをステンシルプリンター10にプッシュするように構成することができる。可動カート80は、ステンシルプリンター10と通信してステンシルプリンター及び又は生産ラインに対してデータをプッシュ/プルする、又は生産ラインと直接的に通信するように構成することができる。データベースは、ジョブ情報又は材料情報を含むことができる。データベースは、生産ライン、ステンシルプリンター10、又はこれら両方と関連付けられた製造実行システム(MES)と更に通信することができる。MESシステムは、生産運転にどの材料が必要かを知るように構成することができる。可動カート80は、ステンシルプリンター10へのアイテムの供給を調整するためにMESシステムと通信するように構成することができる。
【0062】
データベースは、識別情報、例えばバーコード番号に基づいてアイテムについての情報を取り出すように更に構成することができる。一実施形態において、可動カートから来る材料を受け入れるようにステンシルプリンター10及び/又は可動カート80がプログラムされる中央管理システムを設けることができる。可動カート80は、可動カート上の材料を識別するためにデータベースを更新し、可動カート及び/又はステンシルプリンター10と関連付けられたデータベースにネットワークから情報をロードするようにプログラムされ、情報は更にMESシステムに関連付けられる。
【0063】
データベースは、使用量及び消費量等の追加の情報を記憶するように更に構成することができる。データベースは、情報をローカル又はリモートに記憶するように構成することができるとともに、1つ以上の生産運転と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。例えば、データベースは、限定はしないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールの追跡可能性、ペースト使用量、サイクル等を含むデータを取得及び記憶するように構成することができる。
【0064】
データベースは、交換/補充が必要な場合に予測データを共有するように構成することができる。例えば、ペーストカートリッジに関する情報の記憶に対し、データベースは、ペーストカートリッジへの補充がいつ必要かについての情報を記憶すること、ペーストカートリッジのペーストが少ない場合に特定の機能を実行すること、ペーストカートリッジが少ないことについての警報及び/又は報告をトリガーすること、ステンシルプリンター10及び/又は生産ラインと関連付けられた在庫管理システムへ信号を送ること、動作パラメーター及び実際の使用並びに上流/下流の機器の活動に基づく消費可能な使用量についての分析を実行すること、交換又は保守(ステンシルプリンターについて及び/又は可動カート80について)を予測すること、並びに複数箇所に対する相関を行ってペーストカートリッジをいつ切り替えるかについて予測することのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。データベースは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツール等、他の変更可能/消費可能なアイテムについて予測データを共有するように構成することができる。
【0065】
データベースは、ロット追跡可能性と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。加えて、これらのアイテムがステンシルプリンター10に挿入される際に位置合わせ、向き、方向、前後、上下が確実に正しくなるように基板のRFID若しくは機械的キーイング又はステンシルのステンシルフレームが設けられる。この情報は、アイテムが倉庫から輸送される前、及び/又はアイテムがステンシルプリンター10に設置される前に、正しい向き及び/又は嵌め合いを照合するために使用することができる。低コストの読取装置によりこの機能を実行することができる。
【0066】
再び
図11を参照すると、一実施形態において、遠隔コントローラー124は、上記の機能を提供するために、クラウド132又はISPを介してデータベース130と通信するように構成することができる。別の実施形態において、データベース130は、ステンシルプリンター10、又は可動カート80、又は生産ライン用のコンピュータコントロールシステムの一部とすることができる。
【0067】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、材料を貯蔵するように構成することができる。可動カート80は、材料がどこから来るのか及び材料がどこへ行くのかについて適応する柔軟性を有するように構成することができる。加えて、可動カート80は、特定の材料が可動カート上のどこに位置するのかを識別するように構成することができる。或る特定の実施形態において、場所は、自動的な供給又は手作業による供給に関わらず、リモート、ローカル、可動カート80上、及び/又はステンシルプリンター10上である。上述のように、可動カート80は、環境パラメーターを制御するように構成することができる。例えば、可動カート80は、貯蔵されたペーストカートリッジを冷やす、使用の準備ができているペーストカートリッジを加熱する、及び使用されたがペーストを保持しているペーストカートリッジを冷やすことにより、ペーストカートリッジ内に収容されたペーストの温度を制御するように構成することができる。一実施形態において、ハウジング82は断熱することができ、ハウジングの内部、及びこれに伴いペーストカートリッジを冷却又は加熱するために、冷却/加熱ユニット134(
図11)を設けることができる。可動カート80は、近々行われる生産に基づいてペーストカートリッジをいつ加熱する/冷やすかを予測する、貯蔵寿命についての時間を追跡する、及び各ペーストカートリッジを適切な温度に正しい時間で個別に制御するように更に構成することができる。他の実施形態において、可動カート80は、ペーストカートリッジを移動させるカートリッジシューターを有することができる。可動カート80は、復水を回避するために湿度を制御するように更に構成することができる。可動カート80は、清浄な環境、例えば、標準メカニカルインターフェース(SMIF)環境で動作するように更に構成することができる。
【0068】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、在庫管理を実行するように構成することができる。具体的には、可動カート80は、材料がどこに位置するのか、材料がどれくらい使用されるのか、材料がどのように使用されるのか、材料がいつ使用されるのかを識別し、材料及び材料についての情報を顧客在庫管理システムと関連付け、基板当たり又は基板のロット当たりに消費される材料のタイプを追跡するように構成することができる。
【0069】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、可動カート上に貯蔵されるアイテムを整理するように構成することができる。上述のように、一実施形態において、限定されないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む複数の資源を貯蔵、輸送、及び供給するために、1つの可動カート80を設けることができる。別の実施形態において、可動カート80は、一つの資源又はアイテムを貯蔵し、ステンシルプリンター10に輸送、及び供給するように構成することができる。例えば、可動カート80は、複数のステンシルを貯蔵するように構成することができる。可動カート80は、複数の生産ラインに供するように構成することができる。別の実施形態において、可動カート80は、1つのステンシルプリンター10に供するように構成することができる。
【0070】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、アイテムを可動カートからステンシルプリンター10へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するように構成することができるとともに、可動カートとステンシルプリンターとの間の高度差を計算に入れることが可能なように構成することができる。輸送は、自動化することができる、又は手作業とすることができる。一実施形態において、可動カート80は、可動カートと関連付けられた無人搬送車(AVG)技術によって移動させることができる、又はリモート制御することができる。別の実施形態において、可動カート80は、自律的に移動するように構成することができる。別の実施形態において、可動カート80は、手作業で移動されるように構成することができる。更に他の実施形態において、可動カート80は、可動カート上に貯蔵されるアイテムを自動的に及び/又は手作業により移動するように構成することができる。例えば、可動カート80は、アイテムを自動で移動させるように構成することができるとともに、アイテムが手作業で移動される事前に計画された活動の中断に備えることができる。
【0071】
幾つかの実施形態において、可動カート80の輸送機能の実行と関連付けられたタイミングは、シフト変更、例えば、作業員のシフト、予定された保守、オンデマンドの活動、例えば、レシピ変更、及び前兆となる事象(ジャストインタイム交換)を計算に入れるようにプログラムすることができる。タイミングは、1つ以上の可動カート80を用いた複数ラインバランス制御要件を満たすとともに、生産ライン上におけるリアルタイムのオンデマンド材料供給の需要を満たすようにプログラムすることができる。
【0072】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、検査を実行するように構成される。例えば、可動カート80は、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む、カート上及びカート外のアイテムに対して検査することができる。一実施形態において、可動カートと関連付けられた視覚システムは、アイテムの画像を得るように構成することができる。コントローラーと連動した視覚システムは、清浄さ、損傷、摩耗、及び識別情報読取可能性、例えば、バーコードラベルが摩耗しているか、清浄でないか、又は破れているかを検査するように構成することができる。視覚システムは、任意のタイプの2D、3D、又はカラーカメラを具現することができる。
【0073】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、機械インターフェース及び電気通信インターフェースの両方からステンシルプリンター10とインターフェース接続するように構成される。例えば、
図14に示されているように、可動カート80は、ステンシルプリンター10の近傍にあってステンシルプリンター10とインターフェース接続している。一実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10の固有の機械インターフェースに接続する固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴とすることができる。別の実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10と関連付けられたガイド部内で受けられるピンを有して構成することができ、可動カートを完全にドッキングする前に、ステンシルプリンターに対して可動カートを位置合わせする。ピン及びガイド部は逆とすることができ、ピンがステンシルプリンター10上に設けられ、ガイド部が可動カート80内に設けられる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、インターフェース及びドッキングステーションは、可動カート80をステンシルプリンター10に対して適所に維持するクランプシステムを有して構成することができる。例えば、磁気クランプシステムを利用することができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10は、複数のドッキングステーション、例えば、5つのドッキングステーションを有して構成することができる。ドッキングステーションは、ステンシルプリンター10の前部、又はステンシルプリンターの後部に設けることができる。
【0076】
可動カート80及び/又はステンシルプリンター10は、可動カートがステンシルプリンターに対してドッキングできる及びインターフェース接続できるかどうかを照合するように構成することができる。一実施形態において、照合は、可動カート80が適切な位置にあってステンシルプリンター10とインターフェース接続する準備ができているかどうかを確認するために提供することができる。この照合プロセスにより、正しい材料が可動カート80上にあるかどうか、及び可動カート材料情報をMESシステムから受け取ることができるか又はローカルで識別できるかどうかを更に判定することができる。正しくない場合、可動カート80は、誤った又は損傷した材料が可動カート上にある場合に警報を起動する及び/又は作業者に警告するように構成することができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、ひとたび可動カートがステンシルプリンター10にドッキングされると可動カート上へ及び可動カート外へアイテムを移動させる作動デバイス又はアクチュエータを有して構成することができる。アクチュエータの実施形態は、可動カート80、ステンシルプリンター10、又はこれら両方に適用することができる。別の実施形態において、アイテムは、可動カート80に対して手作業で積み込む及び積み下ろすことができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、生産ラインとインターフェース接続するように構成することができる。この実施形態によれば、生産ラインの作業者は、ステンシルプリンター10上における可動カート80の正しい場所を確認するとともに受け入れを知らせることができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、オープンプラットフォームを介してステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は生産ライン内における選択されたマシンと通信するように構成することができる。通信システムは、有線システム、無線システム(共通ネットワーク、メッシュ、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Zigbee、WAN、Nodes、Li-Fi等を介して)、有線及び無線システムの組み合わせ、並びに赤外線(IR)システムを含むことができる。
【0080】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、専用の電源を有して構成することができる。一実施形態において、可動カート80は、可動カート内に設けられた自動化された構成アイテム、例えば、可動カートの内外へステンシルを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へペーストカートリッジを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へスクイージーブレードを移動させるために使用される機構、及び可動カートの内外へツールを移動させるために使用される機構に給電するように構成されたバッテリーを有する。他の実施形態において、可動カート80は、無停電電源装置を有して構成することができる。電源は、「ドッキング」されている間に作動を支持するように構成することができる(ドッキングされているときはステンシルプリンターからの高電圧、ドッキング解除されたときは別様に低電圧)。電源は、自律動作のために再充電する、例えば、ステンシルプリンター10によって提供される電力からバッテリーを再充電するように構成することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10とともに機能するように構成することができる。例えば、可動カート80は、アイテムを移送する前に、例えば「ステンシル#1234を私にください」といった、ステンシルプリンター10とのハンドシェーク機能を提供するように構成することができる。可動カート80及びステンシルプリンター10は、通信プロトコル及び/又は何が消費可能かについてのライブラリリファレンスを有して構成することができる。可動カート80は、可動カートが正しいアイテムを有しているかどうかを判定するように構成することができる。ハンドシェーク機能は、例えば、「ここにステンシル#1234があります」といった、アイテムの正しい移送を確実にする、及び/又は例えば「私はステンシル#1234を有しています」といった、アイテムの後続の移送を確実にするように構成することができる。一実施形態において、モバイルデバイスは、可動カート80内のアイテムをスキャン及び識別するとともに、例えば、アイテムが使用の準備ができているかどうか、洗浄が必要であるかどうか等を判定するように構成することができる。
【0082】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、可動カート内のアイテムの扱い及び取り出しと関連付けられたエラーに対処するように構成することができる。例えば、可動カート80は、一当事者による不完全なアクション、アイテムの不完全な移送、例えば、引っかかった又は詰まったアイテム、移送の落下、例えば、「私はステンシル#1234をあなたに渡しました、持っていませんか?」、及び手作業による介入又はマニュアルオーバーライド、例えば、「ここで、助けましょう」を検知するように構成することができる。一実施形態において、可動カート80と関連付けられたコントローラーは、静電放電制御、データ回復及び/又は保護を実行するように構成することができる。
【0083】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、より高い能力を有して構成することができる。全ての機器を正しい高さにインデックス化することに加えて、可動カート80は、取り付けのために全ての機器をマシンガントリーに対して押し入れ/押し出しする必要が生じ得る。
【0084】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10の既設のマシンガントリー、レール、及びプリントヘッドは、アイテムを内外へ往復させるように構成することができる。
【0085】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10のプリントヘッドアセンブリ20は、ツールプレートを持ち上げるとともに往復させるように構成することができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、ペーストカートリッジを積み込む/積み下ろすために可動カートの頂部にペーストカートリッジインデクサーを有して構成することができる。
【0087】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び生産ラインと関連付けられた倉庫と通信するように構成することができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、電気/空気インターフェースを有して構成することができる。
【0089】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、場所、温度、及び他のデータを含め、例えばはんだペーストカートリッジ等、可動カート上における新しい及び使用済の消耗品を追跡するように構成することができる。
【0090】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、生産運転の継続期間にわたってステンシルを貯蔵及び供給するように構成することができる。
【0091】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、切り替え中にアイテムの互換性を確保するために、スクイージーブレードがステンシルと関連付けられていることを照合及び確保するように構成することができる。
【0092】
幾つかの実施形態において、スクイージーブレードは、プラスチック成形されたブレードである使い捨てのブレードを含むことができる。
【0093】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、バーコード読取装置又はRFID読取装置等の適したスキャンデバイスを用いて全ての消耗品をスキャンするように構成することができる。
【0094】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、消耗品を適切に位置させるインデックス機構を有して構成することができる。
【0095】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、可動カートに問題がある場合に可動カートをステンシルプリンター10から接続解除するバイパススイッチを有して構成することができる。
【0096】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、手作業又は無人輸送車(AGV)によって移動されるように構成することができる。
【0097】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、ステンシルプリンター10とドッキング及びインターフェース接続するように構成することができる。
【0098】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、複数のステンシルプリンター10に供するように構成することができる。
【0099】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、1つの消耗アイテム、例えば、ステンシル、又は複数の消耗/切り替えアイテム専用となるように構成することができる。
【0100】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、リモートステーションにおいて洗浄される消耗品を輸送して渡すように構成することができる。
【0101】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、倉庫と関連付けられた貯蔵室において補充されるように構成することができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、能動的又は受動的に環境制御されるように構成することができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、可動カート80は、スマートフォン統合可能なアプリケーション(App)によって制御されるように構成することができる。
【0104】
図14は、ステンシルプリンター10の近傍にあってステンシルプリンター10とインターフェース接続している可動カート80を示している。
【0105】
手作業の積み込みによる/自動化された切り替え
切り替えは、交換対象となるアイテムを取り外して操作者に提示するとともに交換用アイテムを受け取ってそれらを動作位置へ移動させるようにステンシルプリンターが構成される態様で行うことができる。
図15を参照すると、ステンシルプリンター、例えばステンシルプリンター150は、ステンシル152をその使用又は動作位置から移動させ、ステンシルを操作者154によって手作業で取り外すことができる位置へステンシルを供給するように構成することができる。上述のように、或る特定の実施形態において、ステンシルプリンター150は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(登録商標)又はEdison(登録商標)シリーズのステンシルプリンタープラットフォームを含むことができる。
【0106】
新しい生産運転のために、又は既設のステンシルが摩耗したために新しいステンシルの要求が行われると、操作者154は、使用済みのステンシル、例えば
図15に示されているステンシル152を取り外し、使用済みのステンシルをステンシル貯蔵室へ戻し、ステンシルプリンター150内において配備される新しいステンシルを取り出すことができる。ステンシルプリンター150は、プリント回路基板を作製するために使用される単一の生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。生産ラインにおいて、ステンシルプリンター150は、「清浄でない」又は使用済みのステンシルを使用又は動作位置から移動させ、使用済みのステンシルを操作者154によってステンシルプリンター150から取り外すことができる図示の位置に使用済みのステンシルを提示するように構成される。ステンシルを上記の使用位置と非使用位置との間で移動させるために、任意の機構をステンシルプリンター150内に設けることができる。例えば、プリントヘッドガントリーアセンブリによって移動されるように構成されたアームは、ステンシルを使用又は動作位置の内外へ移動させるように設計することができる。ひとたび操作者154によって取り外されると、操作者は、使用済みのステンシルをステンシル貯蔵室へ戻し、新しいステンシルをステンシル貯蔵室から取り出し、新しいステンシルをステンシルプリンター150内の図示の位置へ挿入する。ステンシルプリンター150は、将来の生産運転のためにステンシルを使用又は動作位置へ移動させるように構成される。
【0107】
ステンシルプリンター150は、ペーストカートリッジをステンシルプリンターから取り外し、ペーストカートリッジを操作者154によって交換することができる位置へペーストカートリッジを供給するように更に構成することができる。新しい生産運転のために、又は既設のペーストカートリッジが使い果たされたために、新しいペーストカートリッジの要求が行われると、使用済みのペーストカートリッジをステンシルプリンター150から取り外してペーストカートリッジ貯蔵室へ戻すことができ、操作者154によって新しいペーストカートリッジを取り出してステンシルプリンターへ供給することができる。ステンシルプリンター150は、プリント回路基板を作製するために使用される単一の生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。この実施形態において、貯蔵室内でのペーストカートリッジの貯蔵は、はんだペーストカートリッジ内に収容されたはんだペーストを保存するのに適した、温度及び/又は気候の制御された環境において行われるべきである。生産ラインにおいて、ステンシルプリンター150は、「消費済み」又は使用済みのペーストカートリッジをステンシルプリンターから取り外し、使用済みのペーストカートリッジを操作者154に提示するように構成される。使用済みのペーストカートリッジを取り外して使用済みのペーストカートリッジを操作者154に提示するとともに、新しいペーストカートリッジを受け取って新しいペーストカートリッジを使用のためにプリントヘッドアセンブリへ移動させるために、任意の適した機構をステンシルプリンター150内に設けることができる。プリントヘッドアセンブリ内の動作位置へ及び動作位置からペーストカートリッジを移送する機能を実行するために、例えば、プリントヘッドアセンブリに関連付けられたロボットアームを採用することができる。使用済みのペーストカートリッジは、操作者154により、ペーストカートリッジが確保される(完全に使用済みではないため)又はリサイクルのために確保されるステーションへ輸送することができる。ひとたび確保又はリサイクルされると、ペーストカートリッジは、操作者により、ペーストカートリッジを同じ又は異なる生産運転時に使用する準備ができているペーストカートリッジ貯蔵室へ戻るように輸送することができる。操作者は、新しいペーストカートリッジをペーストカートリッジ貯蔵室から取り出し、ステンシルプリンター150内に挿入する。ステンシルプリンター150は、新しいペーストカートリッジを受け取るとともに、使用のために新しいペーストカートリッジをプリントヘッドアセンブリへ移動させるように構成される。
【0108】
ステンシルプリンター150は、操作者154によって交換対象となるスクイージーブレードアセンブリ、例えば一対のスクイージーブレードを取り外すとともに供給するように更に構成することができる。新しい生産運転のために、又は既設のスクイージーブレードアセンブリに欠陥が検知されたために、新しいスクイージーブレードアセンブリの要求が行われると、新しいスクイージーブレードアセンブリが操作者154によってスクイージーブレードアセンブリ貯蔵室から取り出され、ステンシルプリンター150へ輸送される。ステンシルプリンター150は、プリント回路基板を作製するために使用される単一の生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。生産ラインにおいて、ステンシルプリンター150は、使用済みのスクイージーブレードアセンブリをステンシルプリンターから取り外し、使用済みのスクイージーブレードアセンブリを操作者154に提示するように構成される。使用済みのスクイージーブレードアセンブリを取り外し、使用済みのスクイージーブレードアセンブリを操作者154に提示するために、及び新しいスクイージーブレードアセンブリを受け取り、新しいスクイージーブレードアセンブリをプリントヘッドアセンブリへ移動させるために、任意の適した機構をステンシルプリンター150内に設けることができる。スクイージーブレードアセンブリをプリントヘッドアセンブリ内の動作位置へ及び動作位置から移送する機能を実行するために、例えば、プリントヘッドアセンブリに関連付けられたロボットアームを採用することができる。使用済みのスクイージーブレードアセンブリは、操作者154により、スクイージーブレードアセンブリが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーションへ輸送される。欠陥がある場合、スクイージーブレードアセンブリは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、スクイージーブレードアセンブリは、操作者154により、スクイージーブレードアセンブリを同じ又は異なる生産運転時に使用する準備ができているスクイージーブレードアセンブリ貯蔵室へ戻るように輸送される。操作者154は、新しいスクイージーブレードアセンブリをスクイージーブレードアセンブリ貯蔵室から取り出し、ステンシルプリンター150内に挿入する。ステンシルプリンター150は、使用のためにスクイージーブレードアセンブリをプリントヘッドアセンブリへ移動させるように構成される。
【0109】
ステンシルプリンター150は、操作者154によって交換される交換対象となるツールを取り外すとともに供給するように更に構成することができる。新しい生産運転のために、又は既設のツールに欠陥が検知されたために、新しいツールの要求が行われると、新しいツールが操作者154によってツール貯蔵室から取り出され、ステンシルプリンター150へ輸送される。ステンシルプリンター150は、プリント回路基板を作製するために使用される単一の生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。生産ラインにおいて、ステンシルプリンター150は、使用済みのツールをステンシルプリンターの支持アセンブリから取り外すとともに使用済みのツールを操作者154に提示するように構成される。使用済みのツールを取り外すとともに使用済みのツールを操作者154に提示するために、及び新しいツールを受け取るとともに新しいツールをプリントヘッドアセンブリへ移動させるために、任意の適した機構をステンシルプリンター150内に設けることができる。例えば、プリントヘッドガントリーアセンブリによって移動されるように構成されたアームは、ツールを支持アセンブリ上の使用又は動作位置の内外へ移動させるように設計することができる。一実施形態において、ツールは、ツールトレイ内において供給することができる。使用済みのツールは、操作者154により、ツールが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーションへ輸送される。欠陥がある場合、ツールは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、ツールは、操作者154により、ツールを同じ又は異なる生産運転時に使用する準備ができているツール貯蔵室へ戻るように輸送される。操作者154は、新しいツールをツール貯蔵室から取り出し、ステンシルプリンター150内に挿入する。ステンシルプリンター150は、使用のためにツールを支持アセンブリへと移動させるように構成される。
【0110】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター150の既設のガントリー、レール、及びプリントヘッドは、アイテムを内外へ往復させるように構成することができる。
【0111】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター150のプリントヘッドアセンブリは、ツールプレートを持ち上げるとともに往復させるように構成することができる。
【0112】
幾つかの実施形態において、スクイージーブレードは、プラスチック成形されたブレードである使い捨てのブレードを含むことができる。
【0113】
単一切り替え用に構成された可動カート
本開示の実施形態は、ステンシルプリンターの単一切り替えプロセスを自動化するとともに、
図4~
図7を参照して説明した方法に関連付けられた単一切り替えイベントを実施するように構成された供給システムに関する。一実施形態において、供給システムは、ステンシルプリンターに係合し、交換用及び補充用のアイテム及び材料をステンシルプリンターに対して供給する及び受け取って単一切り替えを行うように構成された比較的小さい可動カートを有する。例えば、ステンシルプリンターは、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを有することができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンターと通信できるようにするインターフェースを有することができる。可動カートは、交換ステンシル、交換はんだペーストカートリッジ(複数の場合もある)、交換スクイージーブレード、及び交換支持ツールの単一交換切り替えを含むように構成することができる。切り替え時において、例えば、ステンシルプリンターは、異なる製品を生産するように再構成することができる。したがって、異なる基板に適応するための新しいステンシル、異なるタイプのはんだペースト、異なる長さを有する新しいブレード、及び新しい支持ツールをステンシルプリンター内に利用し、異なる製品を生産することができる。ステンシルワイパーにおいて使用される紙及び溶媒等、他のアイテムを更に交換及び/又は補充してもよい。
【0114】
本開示の実施形態は、各アイテムを交換するように構成された単一の小さい可動カートによって実現することができる本明細書中に記載の切り替えプロセスに関する。
【0115】
図16~
図20を参照すると、一実施形態において、概して160で示されている可動カートは、ステンシルプリンター、例えばステンシルプリンター150内において単一切り替えを行うのに特に適している。可動カート160は、可動カート80と同様であるが、規模がより小さく、ステンシルプリンター150内において単一切り替えを行うように特定的に構成される。可動カート160は、交換用及び/又は補充用アイテムを支持するように構成されたフレーム又はハウジング162を有する。示されているように、フレームは、概して矩形であり、それぞれ164で示されているホイール又はキャスター上で支持される。一実施形態において、可動カート160は、作業者が可動カートのハウジングを押すことによって手作業で移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート160は、プッシュバー又はハンドル166を有して構成することができる。別の実施形態において、可動カート160は、可動カート、ステンシルプリンター150、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられる遠隔制御又は自動化された制御によって自動的に移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート160は、適したモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイールを含むことができ、可動カート、ステンシルプリンター150、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられた制御は、可動カートを制御するように構成される。可動カート160は、可動カートを貯蔵室から例えばステンシルプリンター150へ案内するために、1つ以上のセンサー及び/又は視覚システム、例えばカメラを更に有することができる。
【0116】
可動カート160は、交換ステンシル、交換支持ツール、交換及び/又は補充スクイージーブレード、及び交換及び/又は補充ペーストカートリッジ等の1つ以上のアイテムを支持するように構成することができる、概して170で示されている並進可能キャリッジを有する。並進可能キャリッジ170は、上部、底部、対向した側部、開いた前部、及び開いた若しくは閉じた後部を有する矩形構造を有する。構造の側部は、それぞれ172で示されるスロットを有することができ、各スロットは、ステンシル等であって、示される実施形態においては概して170で示されているツールトレイである、平面アイテムの対向する縁部を受けるとともに支持するように構成されている。或る特定の実施形態において、ツールトレイ174は、限られた数のアイテム、例えば2つ若しくは3つのアイテムを受けるように構成することができる。例えば、ツールトレイ174は、ツール、ペーストカートリッジ、及び/又はスクイージーブレードアセンブリを受けるように構成することができる。スロット172間の空間は、標準的なステンシルフレームを受けるようにサイズ設定することができる。
【0117】
一実施形態において、並進可能キャリッジ170は、フレームに対する並進可能キャリッジの上下移動を可能にする機構を有するように更に構成することができる。一実施形態において、可動カート80と同様に、可動カート160の並進可能キャリッジ170は、構造の4つの角部に位置する、4つの鉛直に配向されたロッドを有するように構成することができる。構造の上部は2つのバー部材を有することができ、一方のバー部材は、構造の開いた前部に隣接して構造の上部に固定され、他方のバー部材は、開いた後部に隣接して上部に固定される。同様に、構造の底部は、2つのバー部材を有することができ、一方のバー部材は、構造の開いた前部に隣接して構造の底部に固定され、他方のバー部材は、開いた後部に隣接して底部に固定される。各バー部材は、バーの対向する端部に形成された2つの開口を有することができ、開口は、それぞれのロッドを内部に受けるように位置決めされる。当該配置は、構造をロッドに対して上昇及び下降させるために構造が鉛直に移動できるようになっている。コントローラーの制御下において構造を上昇及び下降させるために、適した機構を設けることができる。
【0118】
例えば、並進可能キャリッジ170を移動させてステンシルプリンター150に隣接するスロット172によって画定される「棚」を位置決めするために、ボールねじ駆動アセンブリを設けることができる。「棚」は、ツールトレイ174を支持するように特定的に設計することができる。ツールトレイ174は、限定されるわけではないが、新しい及び使用済みの支持ツール、新しい及び使用済みのスクイージーブレード、並びに新しい及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジを含むアイテムを支持するように構成することができる。幾つかの棚は、ステンシルプリンター150内における使用の準備ができた清浄な又は新しいアイテムを支持する「清浄な棚」として指定されるツールトレイ174を有することができる。幾つかの棚は、ステンシルプリンター150から取り出される使用済みのアイテムを支持する「清浄でない棚」として指定されるツールトレイ174を有することができる。上述のように、スロット172間の空間は、様々なアイテムを受け取るために互いに特定の距離だけ間隔を空けることができる。例えば、棚は、ステンシルフレーム及びツールトレイの厚さに適応するために、9.525mm(3/8インチ)~38.1mm(1・1/2インチ)だけ間隔を空けることができる。
【0119】
可動カート160は、アイテムを可動カートからステンシルプリンター150へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するために使用される1つ以上のデバイスを有して構成することができる。例えば、可動カート80と同様に、可動カート160は、ステンシル、例えばステンシル152及びツールトレイ、例えばツールトレイ174をそれぞれ可動カートへ押す及び可動カートから取り出すように構成された輸送アームを有することができる。例えば、
図16~
図20に示されている可動カート160に対しては、ツールトレイ174を可動カートから離れるように押すために輸送アームを設けることができ、ツールトレイは、ステンシルプリンター150によって受け取られるように位置決めされる。このような輸送アームを移動させるために、ボールねじ駆動アセンブリ等の任意の適した機構を設けることができる。
【0120】
可動カート160は、ステンシルプリンター150上に設けられたドッキングステーション内でドッキングするように設計されたインターフェースを有して構成することができる。一実施形態において、可動カート160のインターフェースは、ステンシルプリンター150のドッキングステーション内で機械インターフェース及び電気通信インターフェースの両方からドッキングするように構成される。特定の実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150の固有の機械インターフェースに接続する固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴を含むことができる。別の実施形態において、可動カート160は、ピンを有して構成することができ、ピンは、ステンシルプリンター150に関連付けられたガイド部内で受けられ、可動カートを完全にドッキングする前に、可動カートがステンシルプリンターに対して位置合わせされる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。可動カート160は、ステンシルプリンター150のドッキングステーション内でドッキングすると、ステンシルプリンターと物理的に係合することができる、又はステンシルプリンターから間隔を空けることができる。
【0121】
可動カート160は、ステンシルプリンター150の単一切り替えを提供するのに特に適したものとすることができる。例えば、並進可能キャリッジ170の第1の棚は、1つ以上の使用済みの交換用アイテムを受けるために空の状態となったツールトレイ、例えばツールトレイ174を有することができる。並進可能キャリッジ170の第2の棚は、単一の交換用アイテム、例えば単一のツール、又は複数の交換用アイテム、例えばツール、1つ以上のペーストカートリッジ、及びスクイージーブレードアセンブリを有するツールトレイ、例えばツールトレイ174を有することができる。第3の棚は、使用済みのステンシルを受けるために空の状態とすることができる。第4の棚は、新しいステンシルを有することができる。可動カートがステンシルプリンターにドッキングされると、並進可能キャリッジ170は、使用済みのアイテムを可動カート160へ移送する、及び交換用アイテムをステンシルプリンター150へ移送するのに適した高さに棚を位置決めできるようにする。例えば、ステンシルを交換するために、第3の棚をステンシルプリンター150に提示することで可動カート160への使用済みのステンシルの移送を可能にすることができる。ひとたび受けられると、第4の棚は、ステンシルプリンター150に提示され、ステンシルプリンターへの新しいステンシルの輸送を可能にすることができる。上述のように、ステンシルプリンター150は、ステンシルを動作位置へ及び動作位置から移送するように構成することができる。
【0122】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター150内においてステンシルを変更する際に、可動カート160は、可動カート上の新しく正しいステンシルを照合し、可動カートの空の棚の上に使用済みのステンシルを位置決めし、新しく正しいステンシルをステンシルプリンター内において適切な位置及び向きで位置決めするように構成することができる。
【0123】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、コントローラーを有し、コントローラーは、コントローラーによって得られた動作パラメーターに基づいて可動カートの動作を制御するように適合される。コントローラーは、ステンシルプリンター150のコントローラー及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーと通信するように構成することができる。複数の可動カート160を有する一実施形態において、コントローラーは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は他のタイプのネットワークを介して互いに通信する、各可動カート内に設けられた複数のコントローラーを具現することができる。他の実施形態において、可動カート160のコントローラーの動作を制御するためにマスターコントローラーを設けることができる。各可動カート160には、コントローラーに動作可能に連結されるディスプレイを設けることができる。ディスプレイは、限定はしないが、清浄なステンシル及び使用済みのステンシルの数、満杯のペーストカートリッジ及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジの数、新しいスクイージーブレード及び使用済みのスクイージーブレードの数、及び/又は新しいツール及び使用済みのツールの数等、可動カート160の動作パラメーターを表示するように適合される。このような情報を取得するために、適したモニターを設けることができる。代替的に、又は前述の実施形態に加えて、ステンシルプリンター150内に設けられたディスプレイ及び/又は生産ラインと関連付けられたディスプレイ上に動作パラメーターを表示させてもよい。
【0124】
他の実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター10のコントローラー14及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーによって制御することができる。コントローラーは、1つ以上の可動カート専用のコントローラーとすることができる。
【0125】
幾つかの実施形態において、可動カート160上のアイテムについての材料識別は、アイテムを操作するデバイスと、アイテムをスキャン及び識別するスキャナーとを含むことができる。例えば、ペーストカートリッジについて、可動カート160は、ペーストカートリッジを回転させ、ペーストカートリッジ上に設けられたコード又は所定の識別マークを可動カート上に設けられたスキャナーに対して位置合わせするピンチホイールを有するように構成することができる。システムは、ペーストカートリッジと関連付けられた材料識別をステンシルプリンター150のレシピ及び生産時間等に関連付けるように構成される。一実施形態において、アイテムを識別するバーコードを適用することができる。例えば、バーコードは、UPCコード用の1Dスキャナー、QRCコード用の2Dスキャナー、アイテム上に貼り付けられた印刷ラベル、又はアイテム上にエッチングされたレーザーエッチングラベルを含むことができる。別の実施形態において、アイテムを識別するRFIDシステムを適用することができる。例えば、RFIDシステムは、アイテムに貼り付けられるRFIDタグと、可動カート160と関連付けられたRFID読取装置とを含むことができる。RFIDシステムを用いることにより、読取装置とアイテムとの間の見通し線が不要となる。また、可動カート内における全てのアイテムを識別するためのスキャンが不要となる。別の実施形態において、アイテムを識別する撮像又は視覚システムを適用することができる。視覚システムは、ステンシルプリンター10と関連付けられた撮像システム30と同様の撮像システムであり得て、ステンシルプリンター150上、ステンシルプリンター外、又は可動カート160上で関連付けることができる。
【0126】
幾つかの実施形態において、可動カート160上にストックされたアイテムを追跡するためにデータベースが設けられる。一実施形態において、データベースは、オープン・アプリケーション(App)アーキテクチャを含むことができるとともに、データをステンシルプリンター150にプッシュするように構成することができる。可動カート160は、ステンシルプリンター150と通信してステンシルプリンター150及び又は生産ラインに対してデータをプッシュ/プルする、又は生産ラインと直接的に通信するように構成することができる。データベースは、ジョブ情報又は材料情報を含むことができる。データベースは、生産ライン、ステンシルプリンター150、又はこれら両方と関連付けられた製造実行システム(MES)と更に通信することができる。MESシステムは、生産運転にどの材料が必要かを知るように構成することができる。可動カート160は、ステンシルプリンター150へのアイテムの供給を調整するためにMESシステムと通信するように構成することができる。
【0127】
データベースは、識別情報、例えばバーコード番号に基づいてアイテムについての情報を取り出すように更に構成することができる。一実施形態において、可動カートから来る材料を受け入れるようにステンシルプリンター150及び/又は可動カート160がプログラムされる中央管理システムを設けることができる。可動カート160は、可動カート上の材料を識別するためにデータベースを更新し、可動カート及び/又はステンシルプリンター150と関連付けられたデータベースにネットワークから情報をロードするようにプログラムされ、情報は更にMESシステムに関連付けられる。
【0128】
データベースは、使用量及び消費量等の追加の情報を記憶するように更に構成することができる。データベースは、情報をローカル又はリモートに記憶するように構成することができるとともに、1つ以上の生産運転と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。例えば、データベースは、限定はしないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールの追跡可能性、ペースト使用量、サイクル等を含むデータを取得及び記憶するように構成することができる。
【0129】
データベースは、交換/補充が必要な場合に予測データを共有するように構成することができる。例えば、ペーストカートリッジに関する情報の記憶に対し、データベースは、ペーストカートリッジへの補充がいつ必要かについての情報を記憶すること、ペーストカートリッジのペーストが少ない場合に特定の機能を実行すること、ペーストカートリッジが少ないことについての警報及び/又は報告をトリガーすること、ステンシルプリンター150及び/又は生産ラインと関連付けられた在庫管理システムへ信号を送ること、動作パラメーター及び実際の使用並びに上流/下流の機器の活動に基づく消費可能な使用量についての分析を実行すること、交換又は保守(ステンシルプリンターについて及び/又は可動カートについて)を予測すること、並びに複数箇所に対する相関を行ってペーストカートリッジをいつ切り替えるかについて予測することのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。データベースは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツール等、他の変更可能/消費可能なアイテムについて予測データを共有するように構成することができる。
【0130】
データベースは、ロット追跡可能性と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。加えて、これらのアイテムがステンシルプリンター150に挿入される際に位置合わせ、向き、方向、前後、上下が確実に正しくなるように基板のRFID若しくは機械的キーイング又はステンシルのステンシルフレームが設けられる。この情報は、アイテムが倉庫から輸送される前、及び/又はアイテムがステンシルプリンター150に設置される前に、正しい向き及び/又は嵌め合いを照合するために使用することができる。低コストの読取装置によりこの機能を実行することができる。
【0131】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、材料を貯蔵するように構成することができる。可動カート160は、材料がどこから来るのか及び材料がどこへ行くのかについて適応する柔軟性を有するように構成することができる。加えて、可動カート160は、特定の材料が可動カート上のどこに位置するのかを識別するように構成することができる。或る特定の実施形態において、場所は、自動的な供給又は手作業による供給に関わらず、リモート、ローカル、可動カート160上、及び/又はステンシルプリンター150上である。上述のように、可動カート160は、環境パラメーターを制御するように構成することができる。例えば、可動カート160は、貯蔵されたペーストカートリッジを冷やす、使用の準備ができているペーストカートリッジを加熱する、及び使用されたがペーストを保持しているペーストカートリッジを冷やすことにより、ペーストカートリッジ内に収容されたペーストの温度を制御するように構成することができる。可動カート160は、近々行われる生産に基づいてペーストカートリッジをいつ加熱する/冷やすかを予測する、貯蔵寿命についての時間を追跡する、及び各ペーストカートリッジを適切な温度に正しい時間で個別に制御するように更に構成することができる。他の実施形態において、可動カート160は、ペーストカートリッジを移動させるカートリッジシューターを有することができる。可動カート160は、復水を回避するために湿度を制御するように更に構成することができる。可動カート160は、清浄な環境、例えば、標準メカニカルインターフェース(SMIF)環境で動作するように更に構成することができる。
【0132】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、在庫管理を実行するように構成することができる。具体的には、可動カート160は、材料がどこに位置するのか、材料がどれくらい使用されるのか、材料がどのように使用されるのか、材料がいつ使用されるのかを識別し、材料及び材料についての情報を顧客在庫管理システムと関連付け、基板当たり又は基板のロット当たりに消費される材料のタイプを追跡するように構成することができる。
【0133】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、アイテムを可動カートからステンシルプリンター150へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するように構成することができるとともに、可動カートとステンシルプリンターとの間の高度差を計算に入れることが可能なように構成することができる。輸送は、自動化することができる、又は手作業とすることができる。一実施形態において、可動カート160は、可動カートと関連付けられた無人搬送車(AVG)技術によって移動させることができる、又はリモート制御することができる。別の実施形態において、可動カート160は、自律的に移動するように構成することができる。別の実施形態において、可動カート160は、手作業で移動されるように構成することができる。更に他の実施形態において、可動カート160は、可動カート上に貯蔵されるアイテムを自動的に及び/又は手作業により移動するように構成することができる。例えば、可動カート160は、アイテムを自動で移動させるように構成することができるとともに、アイテムが手作業で移動される事前に計画された活動の中断に備えることができる。
【0134】
幾つかの実施形態において、可動カート160の輸送機能の実行と関連付けられたタイミングは、シフト変更、例えば、作業員のシフト、予定された保守、オンデマンドの活動、例えば、レシピ変更、及び前兆となる事象(ジャストインタイム交換)を計算に入れるようにプログラムすることができる。タイミングは、1つ以上の可動カートを用いた複数ラインバランス制御要件を満たすとともに、生産ライン上におけるリアルタイムのオンデマンド材料供給の需要を満たすようにプログラムすることができる。
【0135】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、検査を実行するように構成される。例えば、可動カート160は、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む、カート上及びカート外のアイテムに対して検査することができる。一実施形態において、可動カート160と関連付けられた視覚システムは、アイテムの画像を得るように構成することができる。コントローラーと連動した視覚システムは、清浄さ、損傷、摩耗、及び識別情報読取可能性、例えば、バーコードラベルが摩耗しているか、清浄でないか、又は破れているかを検査するように構成することができる。視覚システムは、任意のタイプの2D、3D、又はカラーカメラを具現することができる。
【0136】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、機械インターフェース及び電気通信インターフェースの両方からステンシルプリンター150とインターフェース接続するように構成される。一実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150の固有の機械インターフェースに接続する固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴とすることができる。別の実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150と関連付けられたガイド部内で受けられるピンを有して構成することができ、可動カートを完全にドッキングする前に、ステンシルプリンターに対して可動カートを位置合わせする。ピン及びガイド部は逆とすることができ、ピンがステンシルプリンター150上に設けられ、ガイド部が可動カート160内に設けられる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。
【0137】
幾つかの実施形態において、インターフェース及びドッキングステーションは、可動カート160をステンシルプリンター150に対して適所に維持するクランプシステムを有して構成することができる。例えば、磁気クランプシステムを利用することができる。
【0138】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター150は、複数のドッキングステーション、例えば、5つのドッキングステーションを有して構成することができる。ドッキングステーションは、ステンシルプリンター150の前部、又はステンシルプリンターの後部に設けることができる。
【0139】
可動カート160及び/又はステンシルプリンター150は、可動カートがステンシルプリンターに対してドッキングできる及びインターフェース接続できるかどうかを照合するように構成することができる。一実施形態において、照合は、可動カートが適切な位置にあってステンシルプリンター150とインターフェース接続する準備ができているかどうかを確認するために提供することができる。この照合プロセスにより、正しい材料が可動カート160上にあるかどうか、及び可動カート材料情報をMESシステムから受け取ることができるか又はローカルで識別できるかどうかを更に判定することができる。正しくない場合、可動カート160は、誤った又は損傷した材料が可動カート上にある場合に警報を起動する及び/又は作業者に警告するように構成することができる。
【0140】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、ひとたび可動カートがステンシルプリンター150にドッキングされると可動カート上へ及び可動カート外へアイテムを移動させる作動デバイス又はアクチュエータを有して構成することができる。アクチュエータの実施形態は、可動カート160、ステンシルプリンター150、又はこれら両方に適用することができる。別の実施形態において、アイテムは、可動カートに対して手作業で積み込む及び積み下ろすことができる。
【0141】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、生産ラインとインターフェース接続するように構成することができる。この実施形態によれば、生産ラインの作業者は、ステンシルプリンター150上における可動カート160の正しい場所を確認するとともに受け入れを知らせることができる。
【0142】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、オープンプラットフォームを介してステンシルプリンター150、生産ライン、及び/又は生産ライン内における選択されたマシンと通信するように構成することができる。通信システムは、有線システム、無線システム(共通ネットワーク、メッシュ、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、Zigbee、WAN、Nodes、Li-Fi等を介して)、有線及び無線システムの組み合わせ、並びに赤外線(IR)システムを含むことができる。
【0143】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、専用の電源を有して構成することができる。一実施形態において、可動カート160は、可動カート内に設けられた自動化された構成アイテム、例えば、可動カートの内外へステンシルを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へペーストカートリッジを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へスクイージーブレードを移動させるために使用される機構、及び可動カートの内外へツールを移動させるために使用される機構に給電するように構成されたバッテリーを有する。他の実施形態において、可動カート160は、無停電電源装置を有して構成することができる。電源は、「ドッキング」されている間に作動を支持するように構成することができる(ドッキングされているときはステンシルプリンターからの高電圧、ドッキング解除されたときは別様に低電圧)。電源は、自律動作のために再充電する、例えば、ステンシルプリンター150によって提供される電力からバッテリーを再充電するように構成することができる。
【0144】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150とともに機能するように構成することができる。例えば、可動カート160は、アイテムを移送する前に、例えば「ステンシル#1234を私にください」といった、ステンシルプリンター150とのハンドシェーク機能を提供するように構成することができる。可動カート160及びステンシルプリンター150は、通信プロトコル及び/又は何が消費可能かについてのライブラリリファレンスを有して構成することができる。可動カート160は、可動カートが正しいアイテムを有しているかどうかを判定するように構成することができる。ハンドシェーク機能は、例えば、「ここにステンシル#1234があります」といった、アイテムの正しい移送を確実にする、及び/又は例えば「私はステンシル#1234を有しています」といった、アイテムの後続の移送を確実にするように構成することができる。一実施形態において、モバイルデバイスは、可動カート160内のアイテムをスキャン及び識別するとともに、例えば、アイテムが使用の準備ができているかどうか、洗浄が必要であるかどうか等を判定するように構成することができる。
【0145】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、可動カート内のアイテムの扱い及び取り出しと関連付けられたエラーに対処するように構成することができる。例えば、可動カート160は、一当事者による不完全なアクション、アイテムの不完全な移送、例えば、引っかかった又は詰まったアイテム、移送の落下、例えば、「私はステンシル#1234をあなたに渡しました、持っていませんか?」、及び手作業による介入又はマニュアルオーバーライド、例えば、「ここで、助けましょう」を検知するように構成することができる。一実施形態において、可動カート160と関連付けられたコントローラーは、静電放電制御、データ回復及び/又は保護を実行するように構成することができる。
【0146】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、より高い能力を有して構成することができる。全ての機器を正しい高さにインデックス化することに加えて、可動カート160は、取り付けのために全ての機器をマシンガントリーに対して押し入れ/押し出しする必要が生じ得る。
【0147】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150、生産ライン、及び生産ラインと関連付けられた倉庫と通信するように構成することができる。
【0148】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、電気/空気インターフェースを有して構成することができる。
【0149】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、場所、温度、及び他のデータを含め、例えばはんだペーストカートリッジ等、可動カート上における新しい及び使用済の消耗品を追跡するように構成することができる。
【0150】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、切り替え中にアイテムの互換性を確保するために、スクイージーブレードがステンシルと関連付けられていることを照合及び確保するように構成することができる。
【0151】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、バーコード読取装置又はRFID読取装置等の適したスキャンデバイスを用いて全ての消耗品をスキャンするように構成することができる。
【0152】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、消耗品を適切に位置させるインデックス機構を有して構成することができる。
【0153】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、可動カートに問題がある場合に可動カートをステンシルプリンター150から接続解除するバイパススイッチを有して構成することができる。
【0154】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、手作業又は無人輸送車(AGV)によって移動されるように構成することができる。
【0155】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、ステンシルプリンター150とドッキング及びインターフェース接続するように構成することができる。
【0156】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、複数のステンシルプリンター10に供するように構成することができる。
【0157】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、1つの消耗アイテム、例えば、ステンシル、又は複数の消耗/切り替えアイテム専用となるように構成することができる。
【0158】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、リモートステーションにおいて洗浄される消耗品を輸送して渡すように構成することができる。
【0159】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、倉庫と関連付けられた貯蔵室において補充されるように構成することができる。
【0160】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、能動的又は受動的に環境制御されるように構成することができる。
【0161】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、スマートフォン統合可能なアプリケーション(App)によって制御されるように構成することができる。
【0162】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、スクイージーブレードから使用済みのペーストを洗浄することによって、又は別様に除去することによって、スクイージーブレードを洗浄するように構成することができる。
【0163】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、スクイージーブレードをプリントヘッドから外し、可動カートの開いた棚の上に使用済みのスクイージーブレードを位置決めすることによって、使用済みのスクイージーブレードを変更するように構成することができる。新しいスクイージーブレードは、可動カート160から取り出され、ステンシルプリンター150のプリントヘッド上に搭載される。
【0164】
幾つかの実施形態において、新しい交換用アイテム、例えば新しいステンシル、新しいペーストカートリッジ、新しいスクイージーブレード、及び新しいツールをステンシルプリンター150へ輸送するために、第1の可動カート160を設けることができる。使用済みのアイテムをステンシルプリンター150から輸送するために、第2の可動カート160を設けることができる。
【0165】
幾つかの実施形態において、ツールトレイ174は、ステンシルプリンター150への移送の際にツールトレイを位置合わせするために1つ以上のフィデューシャルを有するように構成することができる。フィデューシャルは、例えばステンシルプリンター150に関連付けられた視覚システムによって読み取ることができる。
【0166】
幾つかの実施形態において、可動カート160は、モノのインターネット(Internet of Things)を介してステンシルプリンター150又は生産ラインへデータを移送するように構成される。
【0167】
幾つかの実施形態において、アイテムは、ツールトレイ174と同様の1つ以上のツールトレイを有して構成されるオーバーヘッドコンベヤによってステンシルプリンター150へ及びステンシルプリンター150から移送することができる。
【0168】
マシンの作業者により管理される機能
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンターの作業者には、切り替え材料及び消費必需品を貯蔵室内に貯蔵する責任がある。言及したように、作業者には、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレードアセンブリ、及びツールの貯蔵室にストックする責任がある。また、作業者は、ステンシルを洗浄するために使用されるワイパー紙及び溶媒等の他の消耗アイテムを貯蔵する必要があり得る。
【0169】
幾つかの実施形態において、作業者には、ストックされたアイテムの一部又は全てをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送する責任がある。一実施形態において、人、無人輸送車(AGV)、又は他のロボット装置が可動カートをストックする。
【0170】
幾つかの実施形態において、作業者には、可動カートをステンシルプリンターにドッキングさせる責任がある。
【0171】
上述のように、可動カート80、160は、ステンシルプリンター10内において他のアイテムを交換するために利用することができる。例えば、ステンシルワイパーアセンブリ34は、可動カート80、160によって自動的に交換することができる紙及び溶媒等の消耗品を含む。
【0172】
本明細書において使用される場合、「自動化された」又は「完全に自動化された」切り替えは、人間の介入なしにアイテムを交換又は補充することを説明している。
【0173】
本明細書において使用される場合、「部分的に自動化された」切り替えは、幾分かの又は限定された人間の介入によりアイテムを交換又は補充することを説明している。
【0174】
本明細書において使用される場合、「輸送(transport)」又は「輸送する(transporting)」は、手作業又はマシンを用いてアイテムを1つの位置から別の位置へ移動させることを説明している。
【0175】
本明細書において使用される場合、「設置(install)」又は「設置する(installing)」は、使用の準備ができた位置にアイテムを載置するプロセスを説明している。
【0176】
本明細書において開示されているコンセプトは、ディスペンサー、ピックアンドプレイスマシン、リフロー炉、ウェーブはんだ付け機、選択的はんだ付け機、検査ステーション、及び洗浄ステーションを含む、電子基板を作製するために使用される他のタイプの機器に利用してもよい。例えば、ペーストカートリッジの交換に向けられたコンセプトは、粘性材料を吐出するために使用されるディスペンサーに利用することができる。別の例において、ツールの交換に向けられたコンセプトは、ディスペンサー、及び電子アイテムを電子基板に搭載するために使用されるピックアンドプレイスマシンに利用することができる。別の例において、アイテムの交換に向けられたコンセプトは、ウェーブはんだ付け機及び選択的はんだ付け機内におけるはんだの交換、及び洗浄ステーション内における製品の洗浄に利用することができる。
【0177】
このように、少なくとも一実施形態の幾つかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。
【国際調査報告】