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特表2022-538539燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガス中に存在する微粒子を浄化するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガス中に存在する微粒子を浄化するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/40 20060101AFI20220829BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20220829BHJP
   B03C 3/49 20060101ALI20220829BHJP
   B03C 3/66 20060101ALI20220829BHJP
   F01N 3/01 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B03C3/40 A
B03C3/41 A
B03C3/49
B03C3/66
F01N3/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575220
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 IB2020056241
(87)【国際公開番号】W WO2021005464
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】19184763.1
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549280
【氏名又は名称】ダイテック エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴァネッラ サルヴァトーレ
【テーマコード(参考)】
3G190
4D054
【Fターム(参考)】
3G190BA01
3G190CA03
3G190CA14
3G190CA21
3G190EA56
4D054AA02
4D054AA09
4D054BA02
4D054BB02
4D054BC06
4D054BC31
4D054CA18
(57)【要約】
燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガスに存在する微粒子を浄化するためのシステムであって、イオン化部(PI)及び収集部(PR)を備え、前記イオン化部(PI)は、孔(42、52)の中に少なくとも1つの電子エミッタを有する穿孔部分(40、50)を備え、前記少なくとも1つの電子エミッタは、電子雲を生成するために負電圧が印加される1つ以上のチップ(P)からなり、前記負電圧の供給は、定電圧発生器によって提供され、前記ヒューム及び排気ガスを前記イオン化部(PI)に通して、前記ヒューム及び排気ガスの流れの中に存在する微粒子の粒子に負電荷を伝達させ、前記収集部(PR)は、予め負に帯電した前記微粒子の粒子を収集するために、正に帯電された複数の金属プレート(20)を備える、システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガスに存在する微粒子を浄化するためのシステムであって、イオン化部(PI)及び収集部(PR)を備え、前記イオン化部(PI)は、孔(42、52)の中に少なくとも1つの電子エミッタを有する穿孔部分(40、50)を備え、前記少なくとも1つの電子エミッタは、電子雲を生成するために負電圧が印加される1つ以上のチップ(P)からなり、前記負電圧の供給は、定電圧発生器によって提供され、前記ヒューム及び排気ガスを前記イオン化部(PI)に通して、前記ヒューム及び排気ガスの流れの中に存在する微粒子の粒子に負電荷を伝達させ、前記収集部(PR)は、予め負に帯電した前記微粒子の粒子を収集するために、正に帯電された複数の金属プレート(20)を備える、システム。
【請求項2】
前記収集部(PR)は、順序付けられた行及び列で整列された複数の金属パイプ(20)を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記イオン化部(PI)の前記穿孔部分が穿孔プレート(40)から作られ、形成された少なくとも1つの電子エミッタが、電子を放出するために負の電圧が印加される1つ以上のチップ(P)によって形成された各孔(42)に存在する、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記孔(42)が円形であり、径方向リブ(44)を有し、前記径方向リブ(44)は、1つ以上のチップ(P)によって形成された前記少なくとも1つの電子エミッタを運ぶ、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記孔(42)が円形であり、互いに直交する2つの径方向リブ(44)を有し、前記径方向リブ(44)のそれぞれが1つ以上のチップ(P)によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運ぶ、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
各リブ(44)は、異なる長さの複数のフィラメントから構成されたチップ(P)のタフトによって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップ(P)を規定し、前記タフトが前記リブ(44)に関して両側から延び、その結果、前記チップ(P)が前記プレート(40)の前記孔(42)の上流と下流との両方に存在する、請求項4又は請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各リブ(44)は、同じ長さの複数のフィラメントから構成されたチップ(P)の束によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップ(P)を規定し、前記フィラメントが前記リブ(44)に対して両側に延び、その結果、前記チップ(P)が前記プレート(40)の前記孔(42)の上流と下流との両方に存在する、請求項4又は請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記イオン化部(PI)の前記穿孔部分は、正方形又は長方形の孔(52)を有するグリッド(50)から作られ、形成された少なくとも1つの電子エミッタは、電子を放出するために負の電圧が印加される1つ以上のチップ(P)によって形成された各孔(52)に存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電子エミッタは、前記グリッドを作る枝部の交点に、及び/又は正方形の前記孔の側面に沿って配置されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記グリッド(50)の各枝部又は前記枝部の各交点が、異なる長さの複数のフィラメントから構成されたチップ(P)のタフトによって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップ(P)を規定し、その結果、前記チップ(P)が前記グリッド(50)を囲む前記孔(52)の上流と下流との両方に存在する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記グリッド(50)の各枝部又は前記枝部の各交点が、同じ長さの複数のフィラメントから構成されたチップ(P)の束によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップ(P)を規定し、その結果、前記チップ(P)が前記グリッド(50)を囲む前記孔(52)の上流と下流との両方に存在する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記定電圧発生器は、任意の入力電圧を有し、グランドから持ち上げられ、30kV以下の電圧及び30kV超の電圧が出力端子に印加される、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガス中に存在する微粒子を浄化するためのシステムに関する。特に、本発明によるシステムは、燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガスに関して、特に低減効率の改善を目的としている。本明細書で提案する解決策は、主として、ヒューム温度が高い燃焼プロセスにおける排気ガス又はヒュームの濾過に特化したものである。
【背景技術】
【0002】
ヒュームや排気ガス中に存在する微粒子を浄化するために、当技術分野では多くの解決策が知られている。しかしながら、既知の解決策は、高密度の微粒子が存在する場合には、良好な結果を得ることができない。
【0003】
一方が正電圧と他方が負電圧で帯電した2つのプレートを使用する既知の解決策では、微粒子の低減効率は印加電界の値によって制限される。この値は、2つのプレートの間での放電に至ることなく、印加可能な最大値によって制限される。これは、放電が起こるとオゾンが発生して、非常に悪い状態になるのを避ける必要があるからである。
【0004】
したがって、現在利用可能な解決策の問題点を克服し解決し、現在の解決策に存在する欠点を克服することができる解決策を見出し、提案する必要性が感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に燃焼プロセスにおけるヒューム及び排気ガスに関して、低減効率を改善することを目的とした解決策に関する。
【0006】
したがって、本特許出願において、公知の従前の解決策の前述及び他の限界を解決する実施形態を含むシステムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
燃焼プロセスにおいてヒューム及び排気ガスに存在する微粒子を浄化するために、イオン化部及び収集部を備えるシステムについて、説明する。イオン化部(PI)は、孔の中に少なくとも1つの電子エミッタを有する穿孔部分を備え、少なくとも1つの電子エミッタは、電子雲を生成するために高い負電圧が印加される1つ以上のチップ(tip)からなる。負電源は、定電圧発生器によって提供される。ヒューム及び排気ガスをイオン化部に通して、ヒューム及び排気ガスの流れの中に存在する微粒子の粒子に負電荷を伝達させる。収集部は、予め負に帯電した微粒子の粒子を収集するために、正に帯電した複数の金属パイプを備える。
【0008】
特に、図示の実施形態では、収集部は、順序付けられた行及び列に整列された複数の金属パイプを提供する。
【0009】
様々な実施形態において、イオン化部の穿孔部分が穿孔プレートから作られており、形成された少なくとも1つの電子エミッタが、電子の放出のために負電圧が印加される1つ以上のチップによって形成された各孔の中に存在する。
【0010】
いくつかの実施形態において、孔は、円形であり、径方向リブを有し、径方向リブは、1つ以上のチップによって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運ぶ。
【0011】
代替の実施形態において、円形の孔は、互いに直交する2つの径方向リブを有し、径方向リブのそれぞれは、1つ以上のチップによって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運ぶ。
【0012】
様々な実施形態において、各リブは、異なる長さの複数のフィラメントから構成されたチップのタフト(tuft)によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップを規定し、タフトがリブに対して両側から延び、その結果、チップがプレートの孔の上流と下流との両方に存在する。
【0013】
代替の実施形態において、各リブは、同じ長さの複数のフィラメントから構成されたチップの束(bundle)によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端が前記チップを規定し、フィラメントがリブに対して両側に延び、その結果、チップがプレートの孔の上流と下流との両方に存在する。
【0014】
代替の実施形態において、イオン化部の穿孔部分は、正方形又は長方形の孔を有するグリッドから作られ、形成された少なくとも1つの電子エミッタは、電子を放出するために負電圧が印加される1つ以上のチップによって形成された各孔に存在する。
【0015】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの電子エミッタは、グリッドを作る枝部の交点に、及び/又は、正方形の孔の側面に沿って配置されている。
【0016】
様々な実施形態において、グリッドの各枝部又は枝部の各交点が、異なる長さの複数のフィラメントから構成されたチップのタフトによって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端がチップを規定し、その結果、チップがグリッドを囲む孔の上流と下流との両方に存在する。
【0017】
代替の実施形態において、グリッドの各枝部又は枝部の各交点が、同じ長さの複数のフィラメントから構成されたチップの束によって形成された少なくとも1つの電子エミッタを運び、その自由端がチップを規定し、その結果、チップがグリッドを囲む孔の上流と下流との両方に存在する。
【0018】
定電圧発生器は、任意の入力電圧を有し、出力端子の電圧は4kV~30kVである。
【0019】
イオン化部のチップと収集部の金属パイプとの間の距離は、印加電圧により異なる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に示される図とともに、非限定的な例として提供される以下の説明を読むことで明らかになる。
【0021】
図1図1は、本発明によるシステムの実施形態の一例を示す。
図2図2A、2B、2C、及び2Dは、穿孔プレートを有するシステムのイオン化部の実施形態のいくつかの例を示す。
図3図3A、3B、3C、及び3Dは、グリッド又はグレーティングを有するシステムのイオン化部の実施形態のいくつかの例を示す。
図4図4は、本発明によるシステムの実施形態の一例である。
図5図5は、本発明によるシステムの実施形態の一例である。
【0022】
本明細書によるパーツは、適宜、従来の記号で、図面に表され、本明細書に与えられた説明を参照することで、本発明の実施形態の理解に関連する特定の詳細のみを示し、当業者に直ちに明らかになるような詳細を強調しないようにしている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、微粒子及び超微粒子の密度が高いすべての場合に適用することができる。
【0024】
本明細書に記載される解決策は、主として、燃焼プロセスにおけるヒューム及び排気ガスの濾過に特化したものである。
【0025】
当然、このシステムは、都市分野でも、空気浄化を必要とするあらゆる部屋でも採用することができる。
【0026】
本明細書で説明する解決策は、これまでに提案された解決策と比較して、かなりの革新的な特徴を示す。
【0027】
図1に示すように、本明細書で説明するこの浄化システムは、2つのパーツから構成されている。
【0028】
第一のパーツは、イオン化部PIと呼ばれ、電源から供給される負電源を起点に電子雲を発生させる。
【0029】
イオン化部PIを、微粒子を含むヒューム又は排気ガスが横切り、ヒューム又は排気ガスは、浄化されねばならない。
【0030】
イオン化部PIは、そこを通過するヒューム又は排気ガスの流れの中に存在する微粒子の粒子に、負の電荷を伝達するタスクを有する。
【0031】
特に、微粒子の汚染粒子は、それらが横切る電子雲によって負にイオン化される。したがって、ヒューム及び排気ガスの流れの通過中に、イオン化部PIによって放出された電子は、微粒子汚染粒子に結合され、それらを負にイオン化する。
【0032】
浄化システムを形成する第二のパーツは、収集部PRと呼ばれ、負に帯電した微粒子の粒子を含むヒューム及び排気ガスの流れによって横切られ、微粒子の粒子の収集に特化したものである。
【0033】
特に、収集部PRは、イオン化された微粒子を収集し、捕捉することを目的とし、微粒子から空気を浄化することを狙いとしている。
【0034】
収集部PRには正極性が供給され、イオン化部PIで予め負に帯電した微粒子がその上に堆積される。
【0035】
したがって、濾過システムは、イオン化部PIと収集部PRとで構成される。
【0036】
イオン化部PIは電子放出源で構成され、これらの電子放出源は異なる形状を有していてもよい。特に、電子放出源は、そこを通過するヒュームに存在する微粒子の粒子に負の電荷を伝達する。
【0037】
収集部PRは、代わりに、イオン化部PIを通過する負に帯電した微粒子の粒子を含むヒュームが横切る構造を有している。
【0038】
収集部に印加される正電圧は、イオン化部PIに供給する同じ電源によって生成され、収集部PR上の負にイオン化された微粒子を引き寄せるような電界を決定する。
【0039】
より具体的には、第一のパーツ、すなわち、イオン化部PIは、穿孔プレート、若しくはグリッド、又は穿孔メッシュで構成される。孔の中心には、負電圧が印加された1つ以上のチップPからなる電子エミッタが存在する。
【0040】
電子を放出する1つ又は複数のチップPを保持する支持部は、正方形の孔又は他の形状を有するワイヤメッシュなどの異なる材料及び形状で作ることができ、正方形の孔又は他の形状では、1つ又は複数のチップが正方形のコーナー又は枝部の十字に当てられる。
【0041】
第二のパーツ、すなわち、収集部PRは、適切な距離をおいて配置された一連の平行なプレートから構成された構造によって形成され、これらのプレートには、電源によって発生する正電圧が印加される。
【0042】
したがって、収集部PRは金属パイプによって形成され、その中に予め負に帯電した微粒子を含むヒューム及び排気ガスが運ばれる。
【0043】
パイプに印加される正の電圧は、そこを通過するヒューム又は排気ガスに含まれる負にイオン化された微粒子を引き付けるように、電界を決定する。
【0044】
イオン化部PIから来るヒューム又は排気ガスの流れは、負に帯電した微粒子の粒子とともに、パイプ内の通路ダクトを通過する。
【0045】
特に、図1に示す実施形態では、収集部PRの構造は、ボックス状の構造を形成するように整列された行及び列に配置された複数の金属パイプ20を提供する。
【0046】
金属プレート20は、電源によって生成される正電圧に接続される。
【0047】
当然、この濾過システムのパーツを構成する材料は、そこを通過するヒューム及び排気ガスに耐えられるものでなければならない。特に、イオン化部PIと収集部PRは、システムがヒュームや排気ガスの流れを横切る際に、システムが到達する高温に耐える必要がある。
【0048】
さらに、結果を最適化するために、直前に上述したような複数の濾過システムを並列に配置して、浄化すべき大量のヒュームを処理することも(大流量m/h)、あるいは直列に配置して、含まれている微粒子のより低減値をより高くすることも可能である。
【0049】
公知の解決策では、浄化システムは一方が正電圧で他方が負電圧で充電された2つのプレートで構成され、微粒子の低減効率は電界の最大値で制限されていた。特に、電界の最大値は、相対的なオゾン生成を伴う2つのプレート間の放電に到達することなく、印加可能な最大値によって制限されていた。この状況は、確実に避けなければならない。
【0050】
本明細書に記載の解決策によって、行に整列され、列に順序付けられて、正電圧が印加さる複数の金属パイプで作られた収集部を使用することで、ヒューム及び排気ガスの中に存在する負に帯電した微粒子を除去することが可能になる。
【0051】
この浄化システムは、高い低減率を達成するために考案され、最適化されている。
【0052】
正極(+)は、パイプ20のセットによって形成された収集部PRに印加され、負極(-)は、イオン化部PIに印加された。
【0053】
この実施形態によって、高電界を作り出す高電圧を印加できるようになり、高い低減効率に到達することが可能になる。
【0054】
図2A、2B、2C及び2Dを参照して、イオン化部PIのいくつかの可能な実施形態を以下で説明する。
【0055】
特に、イオン化部PIは、穿孔プレート40から作られてもよく、各孔42に、1つ以上のチップPがあり、1つ以上のチップは、電子の放出のために多少高い負電圧(図1を参照)が印加される。これらの実施形態では、孔42は円形であるが、異なる幾何学的形状が提供されてもよい。より詳細には、図2A及び図2Bでは、円形の孔42は、互いに直交する2つの径方向リブ44を有し、図2C及び図2Dでは、円形の孔42は、単一の径方向リブ44を有している。
【0056】
図2において、上部は、プレート40上の孔42の正面図であり、下部は、水平リブ44に沿った側方断面図である。
【0057】
図2Aでは、各リブ44に対して、互いに等距離に配置されたチップPの3つのタフトが存在する。特に、中央のタフトは、2つのリブの間で共有されている。さらに、タフトは、異なる長さの複数のフィラメントから構成され、その自由端がチップPを規定する。図示の実施形態では、タフトはリブ44に対して両側に延び、すなわち、リブ44に存在する孔内に運ばれる異なる長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、プレート40の孔42の上流と下流との両方に存在する。チップPが孔42の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0058】
当然、説明で使用される「上流」及び「下流」という用語は、ヒューム又はガスの流れの方向において、「前」又は「後」に見られる部分を指す。
【0059】
図2Bに示す実施形態では、各リブ44に対して、互いに等距離に配置されたチップPの3つの束が存在する。特に、中央の束は、2つのリブの間で共有されている。束は、同じ長さの複数のフィラメントで構成され、その自由端がチップPを規定する。図示の実施形態では、束は、リブ44に存在する孔を起点として一方向に延びる同じ長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、プレート40の孔42の下流のみに存在する。チップPが孔42の上流のみに、又は上流と下流との両方に存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0060】
図2Cでは、単一のリブ44上に単一のチップPのタフトが存在する。特に、このタフトは、リブ44の中心、したがって、孔42の中心に位置している。タフトは、異なる長さの複数のフィラメントで構成され、その自由端がチップPを規定する。図示の実施形態では、タフトは、リブ44に対して両側に延び、すなわち、リブ44に存在する孔内に運ばれる異なる長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、プレート40の孔42の上流と下流との両方に存在する。チップPが孔42の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0061】
図2Dに示す実施形態では、チップPの単一の束がリブ44上に存在し、特に、束はリブ44の中心に、したがって孔42の中心に位置している。この束は、同じ長さの複数のフィラメントで構成され、その自由端がチップPを規定する。図示の実施形態では、束は、リブ44に存在する中央孔を起点として一方向に延びる同じ長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、プレート40の孔42の下流のみに存在する。チップPが孔42の上流のみに、又は上流と下流との両方に存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0062】
孔42を細分化するいくつかのリブが設けられるさらなる実施形態を提供することも可能であり、又は代替として、チップPのタフト又は束が図に示される例に関して異なる方法で配置されてもよく、あるいはタフトと束とが交互に配置される混合された解決策が想定され得る。さらに、孔の異なる形状(例えば、楕円形)を考慮することも可能である。
【0063】
代替の実施形態は、プレート40の代わりにグリッド50を提供し、円形孔42の代わりに正方形又は長方形の孔52を提供する。
【0064】
図3A、3B、3C及び3Dを参照すると、イオン化部PIは、正方形の孔又は他の形状を有するワイヤメッシュなどの異なる材料及び形状で作ることができ、1つ又は複数のチップPは、メッシュ又はグリッドを構成する枝部の交点(図3C及び図3D)に、及び/又は正方形の側面に沿って、枝部の交点(図3A及び図3B)に印加される。いずれにしても、電圧基準(負又はゼロ)がメッシュ又はグリッド50に印加されるが、その正確な目的は、その中に存在するチップPからの電子の放出を発生させることである。
【0065】
図3において、上部は、相対する正方形の孔52を有するメッシュ部分又はグリッド50の正面図であり、下部は、グリッド50の枝部に沿った側方断面図である。
【0066】
図3Aでは、チップPの複数のタフトが、グリッド50の各枝部に対して、設けられている。特に、正方形の孔52を規定するグリッド50の枝部の各セグメントに対して、又は孔52の各側に対して、3つのタフトが互いから等距離に配置される。特に、交点に配置されたタフトは、互いに直交する2つの枝部の間で共有される。タフトは、異なる長さの複数のフィラメントから構成され、その自由端がチップPを規定する。図3Aに示す実施形態では、タフトは枝部44に対して両側に延び、すなわち、グリッド50の枝部に存在する孔内に運ばれる異なる長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、グリッド50を囲む4つの孔52の上流と下流との両方に存在する。チップPが孔52の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0067】
図3Bに示す実施形態では、グリッド50の各枝部に対して、チップPの複数の束が存在する。チップPの束は、互いから等距離に配置されている。特に、2つの枝部の交点にある束は、交差する直交する2つの枝部の間で共有される。束は、同じ長さの複数のフィラメントで構成され、その自由端がチップPを規定する。図3Bに示す実施形態では、束は、枝部に存在する孔を起点として両方向に延びる同じ長さの複数のフィラメントからなり、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、グリッド50の2つの枝部の交点で4つの隣接する孔52の上流と下流との両方に存在する。チップPが孔52の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0068】
図3Cでは、交差するグリッド50の2つの直交する岐部の交点に配置されたチップPのタフトが存在する。特に、各タフトは、グリッド50を構成する2つの枝部の間の交点に配置される。さらに、各タフトは、自由端がチップPを規定する異なる長さの複数のフィラメントから構成される。図3Cに示す実施形態では、各タフトは、枝部の交点に対して両側に延びている。さらに、各タフトは、グリッド50を形成する2つの枝部の交点に存在する孔内に運ばれる異なる長さのフィラメントから作られ、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、タフトを囲むグリッド50の4つの孔52の上流と下流との両方に存在する。チップPが孔52の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0069】
図3Dに示す実施形態では、束は、直交するグリッド50の2つの枝部が交差する交点に配置されている。特に、各束は、グリッド50を構成する2つの枝部の間の交点に配置される。各束は、同じ長さの複数のフィラメントで構成され、その自由端がチップPを規定する。図3Dに示す実施形態では、束は、グリッド50を形成する2つの枝部の交点に存在する中央の孔を起点として両方向に延びる同じ長さのフィラメントからなり、その自由端がチップPを規定する。このようにして、チップPは、グリッド50の隣接する4つの孔52の上流と下流との両方に存在する。チップPが、束に隣接する4つの孔52の上流のみに、又は下流のみに存在する他の実施形態を提供することも可能である。
【0070】
チップPのタフト又は束が、図3に示された例と異なって分布しているさらなる実施形態を提供することも可能である。さらに、孔52に対して異なる幾何学的形状(例えば、長方形、三角形、円形、楕円形)を企図することも可能である。
【0071】
上述のように、これらの濾過システムを構成する材料は、そこを通過するヒューム及び排気ガスに耐えるのに適したものでなければならない。
【0072】
収集部は、適切な直径及び適切な長さで、すべて互いに電気的に接続された一連の金属パイプ20から構成され、一連の金属パイプ20に多少高い正電圧が印加される。
【0073】
当然、本発明の原理を損なうことなく、構造の詳細及び実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、純粋に例として、説明して、図解したものに関して、幅広い変更が可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
【国際調査報告】