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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】フック付き弾性ラミネート
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/12 20060101AFI20220829BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20220829BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
B32B27/12
A61F13/62 100
A61F13/56 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576040
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2020068706
(87)【国際公開番号】W WO2021001492
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】1907472
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】ピコ,ライオネル
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BA16
3B200BB09
3B200BB11
3B200CA07
3B200DE01
3B200DE08
3B200DE11
4F100AK01
4F100AK01C
4F100AK03
4F100AK12
4F100AK73
4F100AL09
4F100AR00D
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA31A
4F100BA31B
4F100BA31C
4F100BA31D
4F100CB00
4F100CB00B
4F100DG15
4F100DG15A
4F100EC03
4F100EC03B
4F100GB66
4F100GB72
4F100JB16
4F100JK07
4F100JK07C
(57)【要約】
幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布からなる上層(2)と、特に熱可塑性プラスチック材料からなり、フック・アンド・ループ止め方式によりループに掛かるように意図されたフックが突出し、不織布からなる上層の上面に貼り付けられた、ストリップを含む、フック(10)を有するウェブ(5)と、不織布からなる上層(2)の幅以下の幅にわたってCD方向に延びる弾性フィルム(3;4)とを含む、フックを有する弾性ラミネートであって、弾性フィルム(3;4)の上面が不織布からなる上層の下面に貼り付けられ、フックを有するウェブはそれぞれ左右のそれぞれの側部端点の間に延び、フックを有するウェブ(5)のそれぞれ左右の2つの側部端点(Pg6、Pd6)のうちの一方(Pg6;Pd6)が弾性フィルムの一地点と垂直方向に重なって位置することを特徴とする、フックを有する弾性ラミネート。
要約書の図:図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フックを有する弾性ラミネートであって、
幅がCD方向に、長さがMD方向に延びる不織布からなる1つまたは複数の上層と、
例えば不織布からなる前記上層の幅以下である幅にわたって、前記CD方向に延びる1つまたは複数の弾性フィルムと、
フックを有する1つまたは複数のウェブと
を備え、
前記弾性フィルムまたは弾性フィルムのそれぞれが前記弾性フィルムの上面によって不織布からなる前記上層の下面に、特に接着剤、例えば糊の介在によって、または直接ラミネーションおよび/若しくは熱ラミネーションによって、または超音波溶着などによって貼り付けられており、
前記ウェブまたはウェブのそれぞれは、フックが突出し、不織布からなる前記上層の、または前記弾性フィルムのうちの1つまたは複数の弾性フィルムの上面に、貼り付け、例えば接着、ラミネート、または溶着された、特に熱可塑性プラスチック材料からなるストリップを含み、前記フックは、特に、フック・アンド・ループ方式によりループに掛かるように意図されており、
フックを有する前記ウェブまたはウェブのそれぞれは、それぞれ左右のそれぞれの側部端点の間に延びているものにおいて、
フックを有する前記ウェブまたは少なくとも1つのウェブのそれぞれ左右の前記2つの側部端点のうちの一方が、前記弾性フィルムまたは1つの弾性フィルムの一地点と垂直方向に重なって位置することを特徴とする、フックを有する弾性ラミネート。
【請求項2】
フックが突出する、特に熱可塑性プラスチック材料からなるストリップを含む前記または各ウェブが、不織布からなる前記上層の上面に、貼り付け、例えば接着、または直接ラミネーションおよび/または熱ラミネーション、または溶着などされていることを特徴とする、請求項1に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項3】
前記1つまたは複数の弾性フィルムが、前記ラミネートの前記CD方向の前記幅以下の幅にわたって前記CD方向に延びていることを特徴とする、請求項1または2に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項4】
フックを有する前記または前記少なくとも1つのウェブのそれぞれ左右の他方の側部端点は、前記弾性フィルムの点と垂直方向に一致していない(または前記弾性フィルムの上に張り出すように延びている)ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項5】
幅が前記CD方向、長さが前記MD方向に延び、前記CD方向に互いに離隔され、間に不織布間隙を画定する、不織布からなる少なくとも2つの上層を含み、
フックを有する前記または1つのウェブは、前記間隙の両側で、不織布からなる前記2つの上層の上面に、貼り付け、例えば接着、または直接ラミネーションおよび/または熱ラミネーション、または溶着などされ、前記不織布間隙を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項6】
CD方向および長さがMD方向に延びている少なくとも2つの弾性フィルムであって、前記不織布間隙より狭い幅にわたって前記不織布間隙に延びる弾性フィルム間隙を間に画定するように互いに離隔され、各弾性フィルムが前記弾性フィルムの上面によって不織布からなるそれぞれの上層の下面に、特に接着剤、例えば糊の介在によって、または熱ラミネーションによって、または超音波溶着などによって貼り付けられ、フックを有する前記ウェブは前記弾性フィルム間隙の両側で不織布からなる前記2つの上層の上面に貼り付けられている、少なくとも2つの弾性フィルムを含むことを特徴とする、請求項5に記載の弾性ラミネート。
【請求項7】
幅が前記CD方向に、長さが前記MD方向に延び、前記CD方向に互いに離隔され、不織布間隙を間に画定する、不織布からなる少なくとも2つの上層を含み、
フックを有する前記または1つのウェブは、前記間隙内で、前記フィルムまたは弾性フィルムの上面に、または上記弾性フィルムまたは複数の弾性フィルムの上面に、貼り付け、例えば接着、または直接ラミネーションおよび/または熱ラミネーション、または溶着などされていることを特徴とする、請求項1に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項8】
CD方向および長さがMD方向に延びている少なくとも2つの弾性フィルムであって、前記不織布間隙より狭い幅にわたって前記不織布間隙に延びる弾性フィルム間隙を間に画定するように互いに離隔され、各弾性フィルムが前記弾性フィルムの上面によって不織布からなるそれぞれの上層の下面に、特に接着剤例えば糊の介在によって、または熱ラミネーションによって、または超音波溶着などによって貼り付けられ、フックを有するウェブが前記弾性フィルム間隙の両側で前記2つの弾性フィルムの上面に貼り付けられている、前記少なくとも2つの弾性フィルムを含むことを特徴とする、請求項7に記載の弾性ラミネート。
【請求項9】
フックを有する前記ウェブが、前記不織布間隙の全幅にわたって、またはほぼ全幅にわたって延びていることを特徴とする、請求項7または8に記載のフックを有する弾性ラミネート。
【請求項10】
フックを有する前記1つまたは複数のウェブのストリップは、前記1つまたは複数のストリップが不織布の前記1つまたは複数の層の繊維および/または細糸を含むように、不織布からなる前記1つまたは複数の上層にラミネートされていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項11】
不織布からなる前記または1つの上層は、不織布からなる前記上層の補強された区画を含み、前記補強は、不織布からなる前記上層の内部に不織布の前記層の残りの部分よりも高い剛性を有する領域を形成するために、例えば前記区画に糊を含浸させることによっておよび/または熱処理を行うことによって、不織布の前記層の材料の局部硬化を生じさせて実現されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項12】
同時に、フックを有する前記または1つのウェブと前記補強された区画とは前記または1つの弾性フィルムの端点と重なり、それぞれが前記弾性フィルムの点と垂直方向に整列する端点を有することを特徴とする、請求項11に記載のラミネート。
【請求項13】
フックを有する前記ウェブおよび前記補強された区画の反対側の端点は、前記弾性フィルムと垂直方向に整列していないことを特徴とする、請求項11または12に記載のラミネート。
【請求項14】
フックを有する前記または前記1つのウェブは、フックが突出する中央領域(9)と、フックが突出していない少なくとも1つの耳領域(7g;7d)、特に2つの左右の側の耳領域(7g;7d)とを含み、前記2つの耳領域のうちの一方が、前記弾性フィルムの側縁と垂直方向に整列している少なくとも1つの点を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載のラミネート。
【請求項15】
2つの耳領域が設けられ、他方の耳領域と前記中央領域とが前記弾性フィルムの上方に位置する区画の外部に位置することを特徴とする、請求項14に記載のラミネート。
【請求項16】
フックの前記中央領域は、前記耳領域または前記2つの耳領域の一方の耳領域と前記中央領域の一部とが前記補強された区画の上方に位置するように、前記補強された区画と垂直方向に整列している少なくとも1つの点を含むことを特徴とする、請求項12および14または15に記載のラミネート。
【請求項17】
フックを有する前記ウェブは前記ラミネートの上面上の中央に配置されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項18】
不織布の前記または少なくとも1つの下層が前記1つまたは複数のフィルムの下面に貼り付けられていることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のラミネート。
【請求項19】
不織布の前記または少なくとも1つの下層は、好ましくは前記弾性フィルムの下には配置されずにフックを有する前記または前記1つのウェブの下に配置された、補強された区画を含むことを特徴とする、請求項18に記載のラミネート。
【請求項20】
おむつの一部、特に後部に取り付けられることが意図された、フックを有する弾性タブであって、前記タブは請求項1から19のいずれか一項に記載の弾性ラミネートを含むか、または請求項1から19のいずれか一項に記載の弾性ラミネートから切り出すことによって得られる、フックを有する弾性タブ。
【請求項21】
特に、上部シートと、下部シートと、前記2枚のシートの間に配置された吸水性コアとを含む乳児用おむつまたは成人用失禁パンツであって、特に、前記おむつまたは失禁パンツの閉止を実現するために前記おむつのウエストの前面から出ているループにフックがかかるように、前記おむつまたは失禁パンツの後部ウエストから横方向に出ているフック・タブを形成するために、請求項1から19のいずれか一項に記載の少なくとも1つのラミネートを含む、乳児用おむつまたは成人用失禁パンツ。
【請求項22】
弾性ラミネートと、前記弾性ラミネートの上部に配置された、フックを有する1つまたは複数のウェブとを含む、フックを有する弾性ラミネートを形成するアセンブリであって、
前記ラミネートは、不織布の1つまたは複数の層と、不織布の前記層の下または不織布の少なくとも1つの層の下に貼り付けられた1つまたは複数の弾性フィルムとを含み、
不織布の前記または各層は、一定した剛性を有するか、または不織布の前記層が第1の最低剛性を有する1つの第1の区画と、不織布の前記層が前記第1の剛性より高い剛性を有する少なくとも1つの第2の区画との、少なくとも2つの区画に分割され、
前記ウェブまたは前記ウェブのそれぞれは、フックが突出している、特に熱可塑性プラスチック材料からなるそれぞれのストリップを含み、
不織布の前記層または複数の層は、場合によっては、1つまたは複数の補強ストリップの形態、および/または、不織布の前記層のうちの1つまたは複数の層の1つまたは複数の第2の区画を形成する不織布の1つまたは複数の層の1つまたは複数の補強された区画の形態の、1つまたは複数の補強材を含み、
- フックを有する前記ウェブまたは前記ウェブのそれぞれは、それぞれ左右のそれぞれの側部端点の間に延び、
- 前記補強材または前記補強材のそれぞれは、それぞれ左右のそれぞれの側部端点の間に延びており、
- フックを有する前記ウェブまたは少なくとも1つのウェブ(5)は、一定した剛性を有する不織布の層に、若しくは不織布の層の前記第1の区画に、または前記弾性フィルムに、若しくは少なくとも1つの弾性フィルムに、少なくとも一部が直接貼り付けられ、
- フックを有する前記ウェブの、または前記少なくとも1つのウェブ(5)の、それぞれ左右の2つの側部端点(Pg6、Pd6)のうちの一方(Pg6;Pd6)は、前記弾性フィルムまたは少なくとも1つの弾性フィルムの一地点と垂直方向に重なって位置し、
- 前記補強材または少なくとも1つの補強材のそれぞれ左右の前記2つの側部端点のうちの一方は、前記弾性フィルムまたは少なくとも1つの弾性フィルムの一地点と垂直方向に重なって位置していることを特徴とする、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生の分野、特に、おむつまたは成人用失禁パンツのために使用されることを意図した弾性ラミネートであって、CD方向(直角方向または横断方向)に対応する所与の幅と、MD方向(製造流れ方向)と呼ばれるラミネートの製造時の巻き展開方向に対応する長い長さとに沿って延びる不織布からなる上層と、不織布からなる前記少なくとも1つの層の幅以下の幅にわたって延びる少なくとも1つの弾性フィルムとを含み、弾性フィルムの上面が例えば糊などの接着剤によって、または熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布からなる前記層の下面に貼り付けられ、一方、ラミネートを含む要素の別の部分、または別の要素から出ているループに掛かるように意図されたフックが、不織布からなる前記上層の上面の領域から突出している、ラミネートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のラミネートは、例えば本出願人の名義による国際特許WO2010/109087号により知られている。
【0003】
従来技術によるこの弾性ラミネートは、それ以前に存在していた弾性ラミネートと比較してかなりの利点を有するが、さらに改良すること、特に、例えばおむつの場合には、特に開いて次に閉じるというようにおむつが着用および/または使用されるにつれ、ループに対するフッキングの効力が時間の経過とともに失われる傾向があるフックのフッキング機能の耐久性を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より大規模な大量生産が可能であると同時に、例えば乳児のウエストの周囲でおむつを止めるためのフック・アンド・ループかみ合いにおけるフックの使用期間にわたってフックのフッキング機能のより高い耐久性を示す、上述の種類のフックを有する弾性ラミネートを提案することによって、従来技術の欠点を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、フックを有する弾性ラミネートは、請求項1で定義されている通りである。
【0006】
本発明の別の態様によると、フックを有する弾性ラミネートを形成するアセンブリが、弾性ラミネートと、弾性ラミネートの上部に配置された、フックを有する1つまたは複数のウェブとを含み、
上記ラミネートは不織布の1つまたは複数の層と、上記不織布の層の下または不織布の少なくとも1つの層の下に貼り付けられた1つまたは複数の弾性フィルムとを含み、
不織布の上記または各層が、一定した剛性を有するか、または、不織布の上記層が第1の最低剛性を有する1つの第1の区画と、不織布の上記層が第1の剛性よりも高い剛性を有する少なくとも1つの第2の区画との少なくとも2つの区画に分割され、
上記ウェブまたは上記ウェブのそれぞれが、フックが突出している、特に熱可塑性プラスチック材料からなるそれぞれのストリップを含み、
不織布の上記1つまたは複数の層が、場合によっては、1つまたは複数の補強ストリップの形態の1つまたは複数の補強材、および/または不織布の1つまたは複数の層の1つまたは複数の第2の区画を形成する不織布の1つまたは複数の層の1つまたは複数の補強された区画を含み、
- フックを有する上記または各ウェブは、左右それぞれの側部端点の間に延び、
- 上記または各補強材は、それぞれの左右それぞれの側部端点の間に延びており、
- フックを有する上記ウェブまたは少なくとも1つのウェブ(5)は、一定した剛性を有する不織布の層に、または不織布の層の上記第1の区画に、または上記弾性フィルムに、または少なくとも1つの弾性フィルムに、少なくとも部分的に直接的に貼り付けられ、
- 上記ウェブの、またはフックを有する上記少なくとも1つのウェブ(5)の左右それぞれの上記2つの側部端点(Pg6、Pd6)のうちの一方(Pg6;Pd6)が、上記または少なくとも1つの弾性フィルムの点と垂直方向に整列して位置し、および/または、
- 上記または少なくとも1つの補強材の左右それぞれの上記2つの側部端点のうちの一方が、上記または少なくとも1つの弾性フィルムの点と垂直方向に整列して位置することを特徴とする。
【0007】
このように重なりの形成を行うことにより、弾性フィルムの左右の2つの側縁のうちの一方のフックを有するウェブによって、弾性フィルムに最も近いフックを有するウェブの端縁間の接続の領域における耐性が向上し、したがって、例えばおむつの場合、おむつが長期にわたって使用されるにつれて、例えば開き、次に閉じるなどの、おむつの適切な場所にフックを位置決めするためにかけられる応力に起因する、および/または、対向するループに対するフックの作用に起因する、弾性フィルムの早期の剥離も大幅に抑制し、したがってフックを有する弾性ラミネートのフッキング機能のより長期の耐久性が保証される。
【0008】
好ましくは、弾性フィルムはラミネートのCD方向の幅より狭い幅にわたってCD方向に延びる。
【0009】
場合によっては、1つまたは複数の弾性フィルムが、不織布の上層の幅以下の幅にわたってCD方向に延び、および/または、不織布の上層の幅は、ラミネートのCD方向の幅と等しい。
【0010】
他の場合には、1つまたは複数の弾性フィルムが不織布の上層の幅より広い幅にわたってCD方向に延び、および/または、不織布の上層の幅はラミネートのCD方向の幅より狭い。
【0011】
好ましくは、フックを有する上記または少なくとも1つのウェブの他方の左右それぞれの側部端点は、弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない(または弾性フィルムの上に張り出している)。したがって、フックを有するウェブの領域における弾性の量は、フィルムの良好な固定を可能にするのに必要な程度のみに限定される。
【0012】
本発明の別の好ましい態様によると、幅がCD方向に、長さがMD方向に延びる、フックを有する弾性ラミネートは、
- 幅がCD方向に、長さがMD方向に延び、CD方向に互いに離隔され、間に不織布間隙を画定する、不織布の少なくとも2つの上層と、
- CD方向と長さがMD方向に延び、不織布間隙より狭い幅にわたって不織布間隙に延びる弾性フィルム間隙を間に画定するように互いに離隔され、各弾性フィルムがその上面によって、特に接着剤、例えば糊の介在により、または熱ラミネーションにより、または超音波溶着などにより、不織布のそれぞれの上層の下面に貼り付けられた少なくとも2つの弾性フィルムと、
- フックを有するウェブであって、特に熱可塑性プラスチック材料からなり、フックが突出し、上記弾性フィルム間隙の両側で弾性フィルムの上面に、上記弾性フィルム間隙を覆うことにより、例えば接着剤で接着され、またはラミネートされ、または溶着されるなどして貼り付けられたストリップを含み、フックは特にフック・アンド・ループ止め方式によりループに掛かるように意図されている、フックを有するウェブとを含む。
【0013】
特に、フックを有するウェブは、不織布間隙の全幅にわたって、または実質的に全幅にわたって延びる。
【0014】
本発明のさらに別の好ましい態様によると、幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる、フックを有する弾性ラミネートは、
- 幅がCD方向に、長さがMD方向に延び、CD方向に互いに離隔され、間に不織布間隙を画定する、不織布の少なくとも2つの層と、
- CD方向と長さがMD方向に延び、間に、不織布間隙より狭い幅にわたって不織布間隙に延びる弾性フィルム間隙を画定するように互いに離隔され、各弾性フィルムがその上面によって、特に接着剤、例えば糊の介在により、または熱ラミネーションにより、または超音波溶着などにより、不織布のそれぞれの上層の下面に貼り付けられた少なくとも2つの弾性フィルムと、
- 特に熱可塑性プラスチック材料からなり、フックが突出し、上記不織布間隙の両側で不織布の上記2つの層の上面に、上記不織布間隙を覆うことにより、例えば接着剤で接着され、またはラミネートされ、または溶着されるなどして貼り付けられたストリップを含み、フックは特にフック・アンド・ループ止め方式によりループに掛かるように意図されている、フックを有するウェブとを含む。
【0015】
本発明のさらに別の態様によると、フックを有する弾性ラミネートが、
- 幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の少なくとも1つの上層、特に不織布の1つまたは複数の上層と、不織布の1つの下層とを含む、フックを有する1つまたは複数のウェブとを含む不織布材であって、フックがフックを有する不織布材の上面の領域から、特に不織布の上層の上面の領域から突出している、不織布材と、
- フックを有する不織布材の幅以下、特に不織布の上層の幅以下の幅にわたって、CD方向に延びる1つまたは複数の弾性フィルムであって、上記または各弾性フィルムはその上面によって、特に接着剤、例えば糊の介在により、または熱ラミネーションにより、または超音波溶着などにより、不織布の上層の下面に貼り付けられている、1つまたは複数の弾性フィルムと、を含み、
- フックを有する上記不織布材は、フックを有する不織布材が第1の最低剛性を有する第1の種類の区画と、フックを有する不織布材の局部剛性がすべて第1の剛性よりも高い第2の種類の区画との少なくとも2種類の区画に分割され、第2の種類の上記または各区画、または剛性がより高い区画が、剛性のより高い区画の左右それぞれの、それぞれの側部端点の間にCD方向に延びており、
- 剛性がより高い区画またはそのうちの1つの区画の左右それぞれの2つの側部端点のうちの一方が、上記または1つの弾性フィルムの点と垂直方向に整列して位置することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、弾性フィルムは、フックを有する不織布材のCD方向の幅より狭い幅にわたってCD方向に延びている。
【0017】
好ましい一実施形態によると、上記弾性ラミネートは、例えば不織布の上層と下層の間と、弾性フィルムの不織布の上層と下層の間にそれぞれ接着剤を含み、フックを有する上記不織布材は(もっぱら)、
- 幅がCD方向に、長さがMD方向に延びる不織布の1つまたは複数の上層と、
- フックを有する1つまたは複数のウェブであって、上記または各ウェブが、ストリップ、特に熱可塑性プラスチック材料からなり、フックが突出し、不織布の上記上層の上面に、または上記弾性フィルムの上面に貼り付けられ、例えば接着剤により接着され、またはラミネートされ、または溶着されたストリップを含み、上記フックは特にフック・アンド・ループ止め方式によりループに掛かるように意図されている、フックを有する1つまたは複数のウェブとからなる。
【0018】
別の好ましい実施形態によると、上記弾性ラミネートは、例えば不織布の下層と上層の間と、不織布の上層と下層のそれぞれと上記弾性フィルムとの間に接着剤を含み、フックを有する上記不織布材は、(もっぱら)、
- それぞれ幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の1つまたは複数の上層と、
- それぞれ幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の1つまたは複数の下層と、
- フックを有する1つまたは複数のウェブであって、上記または各ウェブが、ストリップ、特に熱可塑性プラスチック材料からなり、フックが突出し、不織布の上記上層の上面に、または上記弾性フィルムの上面に貼り付けられ、例えば接着剤により接着され、またはラミネートされ、または溶着されたストリップを含み、上記フックは特にフック・アンド・ループ止め方式によりループに掛かるように意図されている、フックを有する1つまたは複数のウェブとからなる。
【0019】
好ましい一実施形態によると、剛性がより高い区画の、または剛性がより高い区画のうちの少なくとも1つの区画の、左右それぞれの他方の側の端点は、上記弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない(または上記弾性フィルムの上に張り出している)。
【0020】
好ましい一実施形態によると、フックを有する上記または上記少なくとも1つのウェブの左右それぞれの2つの側部端点のうちの一方が、より剛性が高い区画の、または剛性がより高い区画のうちの少なくとも1つの区画の点と垂直方向に整列していない(またはより剛性が高い区画または区画のうちの1つの区画の上に張り出している)。
【0021】
やはり好ましい別の一実施形態によると、フックを有する上記または上記少なくとも1つのウェブの左右それぞれの2つの側部端点のうちの一方が、より剛性が高い区画の、またはより剛性が高い区画のうちの少なくとも1つ区画の点と垂直方向に整列している。
【0022】
やはり好ましい別の代替形態によると、フックを有するウェブの、またはフックを有する少なくとも1つのウェブの左右それぞれの側部端点の他方が、上記弾性フィルムの点と垂直方向に整列している。したがって、上記弾性層の端部の最大固定と最大被覆を確実にするために、フックを有するウェブの領域における弾性の量が最大となる。
【0023】
好ましい一実施形態によると、フックを有するウェブのストリップは、ストリップが不織布の層の繊維および/または細糸を含み、および/または、繊維および/または細糸がフックを有するウェブのストリップ内に封入されるように、不織布の上層にラミネートされる。
【0024】
本発明のさらにより好ましい一実施形態によると、不織布の上記または少なくとも1つの上層は、不織布の上記上層の補強された区画を含み、上記補強は、不織布の上記上層内に不織布の上記層の他の部分よりも剛性が高い領域を形成するために、例えば上記区画に糊を含浸させることよって、および/または、熱処理を施すことによって、不織布の上記層の材料の局部硬化を生じさせて実現されている。
【0025】
本発明の特に好ましい一実施形態によると、同時に、フックを有する上記または1つのウェブと、補強された区画とが、上記弾性フィルムの端縁と重なり合い、それぞれが上記弾性フィルムの点と整列する端点を有することが好ましい。
【0026】
好ましくは、フックを有する上記または上記少なくとも1つのウェブと補強された区画の反対側の端点は上記弾性フィルムと整列しておらず(または上記弾性フィルムの上に張り出しており)、すなわち、上記弾性フィルムの上方に位置する区画の外部に位置する。
【0027】
好ましくは、フックを有する上記または少なくとも1つのウェブは、フックが突出している中央領域と、フックが突出していない少なくとも1つの耳領域、特に左右の2つの側部耳領域とを含み、2つの耳領域のうちの一方が上記弾性フィルムの側縁に対して垂直な少なくとも1つの点を含む。
【0028】
好ましくは、2つの耳領域が設けられ、他方の耳領域と中央領域とが上記弾性フィルムの上方に位置する区画の外部に位置する。
【0029】
好ましくは、フックの中央領域は、耳領域または2つの耳領域の一方と、中央領域の一部とが補強された区画の上方に位置するように、上記補強された区画と垂直方向に整列した少なくとも1つの点を含む。
【0030】
好ましくは、2つの耳領域が設けられ、2つの耳領域の他方と、中央領域の残りの部分とが、補強された区画の上方に位置する区画の外部に位置する。
【0031】
好ましい一実施形態によると、フックを有する上記または1つのウェブは、ラミネートの、特に不織布の上層の、上面の中央に配置される。
【0032】
有利な一実施形態によると、弾性フィルムの下面に貼り付けられた不織布の下層が設けられる。
【0033】
有利な一実施形態によると、不織布の上層および/または不織布の下層はそれぞれ、5g/mと100g/mの間、特に25g/mと65g/mの間の秤量を有する。
【0034】
特に、不織布の下層は、好ましくは弾性フィルムの下にはない、フックを有するウェブの下に配置された補強された区画を含む。
【0035】
有利な一実施形態によると、フックを有するウェブのストリップは、10マイクロメートルと700マイクロメートルの間の厚さ、詳細には40マイクロメートルと120マイクロメートルの間の厚さを有する。
【0036】
有利な一実施形態によると、フックを有するウェブは、ロッドおよび/またはフックを含み得る。
【0037】
有利な一実施形態によると、ロッドおよび/またはフックは、5マイクロメートルと5,000マイクロメートルの間、より詳細には5マイクロメートルと2,000マイクロメートルの間、またはさらにより詳細には20マイクロメートルと800マイクロメートルの間、またはさらに詳細には30マイクロメートルと350マイクロメートルの間の高さを有し、高さはフックを有するウェブのストリップの上面に対して垂直な方向に沿って測定される。
【0038】
有利な一実施形態によると、フックとストリップは一体に形成され、押し出し成形で形成される。
【0039】
有利な一実施形態によると、フックとストリップは同じ材料、例えば熱可塑性プラスチック材料からなる。
【0040】
有利な一実施形態によると、フックとストリップは少なくとも2つの異なる熱可塑性プラスチック材料からなる。
【0041】
MD方向は「製造流れ方向」とも呼ばれ、本発明によるラミネートの巻き展開方向を指す。CD方向は「直角方向」とも呼ばれ、MD方向に対して垂直である。
【0042】
好ましい一実施形態によると、フックを有する不織布材は、幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の上層と、不織布の上層の上面の領域から突出するフックを有する少なくとも1つのウェブとからなる。
【0043】
別の好ましい一実施形態によると、フックを有する不織布材は、幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の上層と、幅がCD方向に延び、長さがMD方向に延びる不織布の下層と、不織布の上層の上面の領域から突出するフックを有する少なくとも1つのウェブとからなり、弾性フィルムはフックを有する不織布材の内部の、不織布のこの上下2層の間に受け入れられる。
【0044】
本発明は、おむつの一部、特に後部に貼り付けられることを意図した、フックを有する弾性タブにも関し、タブは本発明による弾性ラミネートを含み、および/または、本発明による弾性ラミネートから切り出すことによって得られる。
【0045】
特に、タブは実質的に矩形の基部と、基部から横方向に突出した舌状の部分とを含む。
【0046】
好ましくは、タブはMD方向に並行な、本発明によるラミネートの側縁の1つに対応する切断線と、互いに離隔され、互いに並行な、CD方向に延びるそ上下それぞれの2本の切断線と、MD方向に並行な2本の中間切断線と、それぞれがそれぞれの中間線から延び、互いに向かって合流するようにCD方向とMD方向の両方を基準にして傾斜した2本の傾斜切断線と、MD方向に並行であって上記2本の傾斜線を互いに接続する末端切断線とによって画定される。
【0047】
基部は、MD方向に並行な切断線と、互いに離隔され、互いに並行な、CD方向に延びる上下それぞれの2つの切断線と、MD方向に平行に、上記2本の上下の切断線の間に延び、上記2本の中間切断線を通る仮想線とによって画定され、一方、舌状部は、上記2本の中間線の間に延びる仮想線の部分と、2本の傾斜線と、末端線とによって画定される。
【0048】
好ましくは、フックを有する中央領域の全体が舌状部内に位置し、弾性フィルムの大部分が基部に位置し、弾性フィルムの一部が舌状部にも侵入するように、末端切断線に対応する切断はそれぞれ剛性がより高い区画のフックを有するウェブの端縁の領域で実質的に行われ、一方、中間線に対応する切断はそれぞれ剛性のより高い区画のフックを有するウェブの端縁Pd6の領域で実質的に行われる。
【0049】
好ましくは、末端切断線は、縁から1mmと10mmの間(フックを有するウェブの内部、より詳細には縁から2mmないし5mm)に形成される。
【0050】
このように(内側の)縁から離れた位置に延びることによって、弾性タブは、弾性突起部またはタブの高さ全体に延びる、フックを有するウェブの一部を含み、これは基部上、特に弾性フィルム上で舌に並行な部分応力の形態で舌にかかる応力を分散させる効果を有する。したがって、弾性フィルム、特に弾性フィルムの端部にかかる応力が、MD方向の全長にわたって分散され、それによって弾性フィルムの剥離を低減しやすくすることができる。
【0051】
本発明は、本発明による、フックを有する1つまたは複数の弾性タブを得るために、本発明によるラミネートを切断する方法にも関する。
【0052】
本発明は、おむつまたは失禁パンツの閉止を実現するために、特にフックがおむつのウエストの前面から出ているループにかかるようにおむつまたは失禁パンツのウエスト付近から横方向に出ているフック・タブを形成するために、特に上部シート(「トップシート」とも呼ぶ)と、下部シート(「バックシート」とも呼ぶ)と、これら2枚のシートの間に配置された吸収性コアと、本発明による少なくとも1つのラミネートとを含む、乳児または成人用失禁パンツにも関する。
【0053】
本発明は、本発明による少なくとも1つのラミネートを含むロール、特に例えば切断後に、おむつまたは失禁パンツの閉止を実現するためにおむつのウエストの前面から出ているループにフックが掛かるように、おむつまたは失禁パンツの背面ウエストから横方向に出ているフック・タブを形成するために、特にそれ自体の上に巻かれたロールにも関する。
【0054】
例示として、以下に、本発明の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1A】本発明の第1の実施形態によるラミネートを示す分解断面CD図である。
【0056】
図1B】例えばおむつにおいて使用されることを意図したフックを有するタブを形成するために、図1Aのラミネートを切断することができる方式を説明するための点線をさらに含む、図1Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0057】
図2】本明細書で定義されているいくつかの距離を示す、わずかにより大きい縮尺の図1Aと同じ図を示す図である。
【0058】
図3A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0059】
図3B】例えばおむつに使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図3Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0060】
図4A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0061】
図4B】例えばおむつなどに使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図4Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0062】
図5A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0063】
図5B図5Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0064】
図6A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0065】
図6B図6Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0066】
図7A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0067】
図7B図7Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0068】
図8A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0069】
図8B図8Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0070】
図9A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0071】
図9B】例えばおむつなどで使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図9Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0072】
図10A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0073】
図10B図10Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0074】
図11A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0075】
図11B図11Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0076】
図12A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0077】
図12B図12Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0078】
図13A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0079】
図13B】例えばおむつなどで使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図13Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0080】
図14A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0081】
図14B】例えばおむつなどで使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図14Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0082】
図15A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0083】
図15B】例えばおむつなどで使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図15Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0084】
図16A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0085】
図16B図16Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0086】
図17A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0087】
図17B図17Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0088】
図18A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0089】
図18B図18Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0090】
図19A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0091】
図19B図19Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0092】
図20A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0093】
図20B】例えばおむつなどで使用されることを意図したフックを有するタブを形成するためにラミネートを切断することができる方式を示す点線をさらに含む、図20Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0094】
図21A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0095】
図21B図21Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0096】
図22A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0097】
図22B図22Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0098】
図23A】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0099】
図23B図23Aのラミネートの一部を示す平面図である。
【0100】
図24】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0101】
図25】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0102】
図26】本発明の一実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0103】
図27】本発明の別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0104】
図28】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0105】
図29】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0106】
図30】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0107】
図31】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【0108】
図32】本発明のさらに別の実施形態によるラミネートの断面CDを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0109】
図1Aおよび図1Bに本発明の第1の実施形態を示す。
【0110】
図1Aの方向CDに沿った断面で示す弾性ラミネートは、きわめて長い長さにわたり(ラミネートは巻き展開されることが意図されている)、ラミネートの所与の幅Lにわたって、図に対して垂直に延びている。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の下層1と、不織布の上層2と、不織布のこの上下2層の間に介在する、それぞれがラミネートの長さLより短い幅Leの左右の2つの弾性フィルム3および4とを含み、この2つの幅の和(この場合、2つのフィルムは同じ幅Leを有するが、異なる幅を有してもよい)もラミネートの長さLより短い、弾性ラミネートを含む。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の上層2の中央に配置され、フック10が突出している基部ストリップ6によって形成された、フックを有するウェブ5も含む。不織布の上層2はラミネートの全幅CDにわたってCD方向に延びる。不織布の層2の剛性は、CD方向の全幅にわたって一定している。不織布の下層1は、ラミネートの全幅CDにわたってCD方向に延びる。不織布の層1の剛性は、CD方向の全幅にわたって一定している。
【0111】
したがって、フックを有する不織布材8が、不織布の下層1と、不織布の上層2と、フックを有するウェブ5と、任意による、不織布の2つの層の間、不織布の上層とフックを有するウェブとの間、および不織布のこれらの層と弾性フィルムとの間の接着剤または糊の層とによって形成される、アセンブリによって形成される。
【0112】
2つの弾性フィルム3および4は、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、特に糊の点または糊の線によって実装されてもよい糊のストリップを用いて、またはホット・ラミネーションによって、それぞれ上部および底部上で、不織布の2つの層1および2に貼り付けられている。また、2つの弾性フィルムの外部の不織布の下層および上層の2つの層1および2の間に、糊および/または任意により追加の補強材(図示せず)も設けることが可能である。
【0113】
弾性フィルム3は、図1Aの断面CDにおいて、弾性フィルム3の左右それぞれの2つの端点Pg3およびPd3を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。同様に、弾性フィルム4は、図1Aの断面CDにおいて、弾性フィルム4の左右それぞれの2つの端点Pg4およびPd4を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。点Pd3とPg4の間に延びる弾性フィルム間隙が、2つの弾性フィルム3および4の間に画定されている。
【0114】
フックを有するウェブ5の基部ストリップ6は、図の断面CDにおいて基部ストリップの左右それぞれの2つの端点Pg6およびPd6を形成し、フックを有するウェブ5の2つの端点Pg5およびPd5も形成する、左右の端縁の間に延びる。
【0115】
基部ストリップ6は、フックが突出していない左右の2つの耳領域7gおよび7dと、フック10が突出している中央領域9とを含む。フックを有する中央領域9は、図1Aの断面CDにおいて中央領域9の左右それぞれの2つの端点Pg10、Pd10を形成する2つの左右の端縁によって画定される。
【0116】
フックを有するウェブ5は、基部ストリップ6の下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって不織布の上層2の上面に貼り付けられる。
【0117】
フックを有する不織布材8のために、間にある接着剤とともに個別に見た不織布の2つの層2剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち、一方では不織布の層2の左端縁から基部ストリップ6の左縁Pg6の位置まで延び、他方では基部ストリップ6の右縁Pd6から不織布層2の右端縁の位置まで延びる、フックを有するウェブ5の左右の側の2つの領域における区画を画定することができる。
【0118】
また、端縁Pg6とPd6の間に延び、フックを有するウェブ5の下に位置する不織布の層2の部分を同時に含む、剛性がより高い区画を画定することもできる。フックを有する中央領域9の領域では、第1の剛性と比較して剛性がより高い区画の剛性がフックのない耳7gおよび7dの領域の剛性よりも高い。しかし、剛性の異なるこれらの2つの領域では、それぞれの剛性は、不織布材8の区画のために定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性より高い。
【0119】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5は弾性ラミネートの上部および2つの弾性フィルム3および4の上方に位置し、ウェブ5の端縁または端点Pg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置しており、一方、フックを有するウェブの端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出しており)、特に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5は弾性フィルム3の右端点Pd3と重なっている。
【0120】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の端縁または端点Pd6は弾性フィルム4と垂直方向に整列し、一方、フックを有するウェブ5の端縁または端点Pg6は弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出しており)、特に弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5は弾性フィルム4の左端点Pg4と重なっている。
【0121】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pg6は、弾性フィルム3と垂直方向に整列しており、一方、弾性がより高い区画の端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出しており)、特に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は、弾性フィルム3の右端点Pd3に重なっている。
【0122】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pd6は、弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置しており、一方、剛性が最も高い区画の端縁または端点Pg6は弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記膜の上に張り出しており)、特に、弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は弾性フィルム4の左端点Pg4に重なっている。
【0123】
それに対して、この図の実施形態で、フックを有する中央領域9は2つの弾性フィルム3および4のいずれの点または縁とも重ならず、2つの左右の弾性フィルム3と4の間に延びる区画と全体が整列したままである。
【0124】
図1Bは、ラミネートの長さの一部にわたるラミネートの平面である。点線は、ラミネートを左右それぞれの、フックを有する一連のタブ11gおよび11dに切断するための切断性を示す。
【0125】
フックを有する上記タブは、突起部とも呼び、おむつなどのフック・アンド・ループ止め方式により閉止を確実にするために、おむつ(特に成人用失禁パンツ)などの前部に形成された要素、特にループに掛けるために、フックが横方向に突出するように、特におむつなどの後部の左右それぞれの縁に貼り付けられることを意図している。
【0126】
各タブ11g、11dは、実質的に矩形の基部12g、12dと、基部12g、12dから横方向に突出した舌状部13g、13dとを含む。
【0127】
各タブは、MD方向と並行で、図1Aのラミネートの側縁の1つに対応する切断線14g、14dと、互いに離隔され、互いに並行で、CD方向に延びるそれぞれ上下の2本の切断線15g、15dおよび16g、16dと、MD方向に並行な2本の中間切断線17g、17dおよび18g、18dと、それぞれが中間線17g、17dおよび18g、18dから延び、互いに向かって合流するようにCD方向とMD方向の両方を基準にして傾斜している2本の傾斜切断線19g、19dおよび20g、20dと、MD方向に並行で、2本の傾斜線19g、19dおよび20g、20dを互いに接続する末端切断線21g、21dとによって画定されている。
【0128】
2本の中間切断線17g、17dおよび18g、18dは(MD方向に沿った)異なる長さを有するが、同じ長さを有してもよい。同様に、2本の中間線の傾斜の角度は、絶対値で等しい(互いに異符号である)が、異なる値であってもよい。
【0129】
実質的に矩形の基部12g、12dは、MD方向に平行な切断線14g、14dと、互いに離隔し、互いに並行で、CD方向に延びるそれぞれ上下の2本の切断線15g、15dおよび16g、16dと、2本の上下の切断線15g、15dおよび16g、16dの間に、MD方向に並行に延び、2本の中間切断線17g、17dおよび18g、18dを通る仮想線とによって画定される。
【0130】
舌状部13g、13dは、2本の中間線17g、17dおよび18g、18dの間に延びる仮想線の部分と、2本の傾斜線19g、19dおよび20g、20dと、末端線21g、21dとによって画定される。
【0131】
フックを有する中央領域の全体が舌状部内に位置し、弾性フィルムの大部分が基部に位置し、また弾性フィルムの一部が舌状部上にも侵入するように、線21g、21dに沿った切断は、フックを有するウェブの端縁の領域で実質的に行われ、一方、中間線に対応する切断は、フックを有するウェブの端縁Pd6の領域で実質的に行われる。
好ましくは、末端切断線21g、21dは、フックを有するウェブ内部に、縁から1mmと10mmの間、より詳細には2mmと5mmの間だけ延びる。このように縁から一定の距離だけ内側に延びることによって、弾性タブは、弾性突起部またはタブの高さ全体にわたって延びる、フックを有するウェブ5の一部を含む。
【0132】
末端切断線20g、20dに対応する切断は、剛性がより高い区画の端縁Pg6の領域(ここで説明している実施形態では、フックを有するウェブ5の左端縁またはその基部ストリップ6にも対応する)で実質的に行われ、一方、中間線17g、17dおよび18g、18dに対応する切断は、最も剛性が高い区画の端縁Pd6の領域(ここで説明している実施形態では、フックを有するウェブ5の右端縁またはその基部ストリップ6にも対応する)で実質的に行われる。
【0133】
したがって、フックを有する中央領域9の全体が舌状部13g、13d内に位置し、弾性フィルム3および4の大部分がそれぞれの基部12d、12g内に位置する。しかし、上述の重なりにより、弾性フィルム3および4の一部が舌状部13g、13d内に侵入する。
【0134】
図2でいくつかの寸法を定義する。Hで示されている垂直距離は、ラミネートの上面に対して垂直(すなわちCD方向およびMD方向に対して垂直)に測定され、Lで示されている幅距離はCD方向に沿って測定される。(フック/ロッドを有する)基部ストリップ6の上面と各弾性フィルム3および4の上面との間の距離(H2)は、基部ストリップ6の下面と各弾性フィルム3および4の下面との間の距離(H3-Hb)より小さく(すなわち、H2<H3-Hb)、および/または(フック/ロッドを有する)基部ストリップ6の下面と各弾性フィルム3および4の上面との間の距離(H2-Hb)は、基部ストリップ6の下面と各弾性フィルム3および4の下面との間の距離(H3-Hb)より小さい(すなわち、H2-Hb<H3-Hb)。この種の比率の場合、基部ストリップ6は、(基部の上面と下面によって形成される)2つの平行な面によって画定される第1の空間内に配置され、各弾性フィルム3および4は、(各断線フィルム3および4の上面と下面によって形成される)2つの他の平行な面によって画定される第2の空間内に配置され、第1の空間と第2の空間は分離している。
【0135】
重なりLoの幅は0.5mmと15mmの間、詳細には1mmと7mmの間、より詳細には1mmと5mmの間である。
【0136】
【表1】
【0137】
フックを有するウェブは、ロッドおよび/またはフックを含み得る。ロッドおよび/またはフックは、5マイクロメートルと5,000マイクロメートルの間の高さ、より詳細には5マイクロメートルと2,000マイクロメートルの間、さらに詳細には20マイクロメートルと800マイクロメートルの間の高さを有し、この高さはフックを有するウェブのストリップの上面に対して垂直な方向に沿って測定される。
【0138】
不織布とは、固結させた繊維および/または細糸のウェブの形成後に得られる生産物を意味することを意図している。固結は、機械的、化学的または熱的であり、その結果として繊維および/または細糸間に結合が存在する。この固結は、直接的であってもよく、すなわち、溶着を用いて繊維および/または細糸間で直接行われてもよく、または間接的、すなわち、繊維および/または細糸間に介在層、例えば、接着剤の層または結合材の層を用いてもよい。「不織布」という用語は、不均一または不規則に、または無作為に絡み合わせた繊維および/または細糸のテープまたはウェブの形態の構造に関連する。不織布は、単一層構造または複数の層を含む構造を有してもよい。また、不織布は、ラミネートを形成するために他の材料に結合可能である。不織布は、異なる合成および/または天然材料からなってもよい。天然材料は、例えば、コットン、ジュート、リンネルなどのセルロース繊維であってもよく、レーヨンまたはビスコースなどの再生セルロース繊維を含んでもよい。不織布材料用の天然繊維は、カーディングなどの様々なプロセスを使用して調製可能である。合成材料は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど、ポリイミド、例えばポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド10、ポリアミド12など、ポリエステル、例えばポリエチレン・テレフタレート、ポリブチレン・テレフタレート、ポリ乳酸など、ポリカーボネート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、ビニール・ポリマー、ポリウレタン、およびこれらの混合物およびコポリマーなどを含むがこれには限定されない、繊維を形成することが知られている合成熱可塑性ポリマー含むが、これらには限定されない。例えば、不織布はスパンボンド、スパンメルト、カーデッド・サーモボンド、スパンレース(水流交絡により固結されたカーデッド不織布)、SMS、SMMS、SS、SSS、SSMMS、SSMMMS、エア・スルーなどの不織布であってもよい。
【0139】
エラストマー材料の非限定的例として、以下のものを挙げることができる。すなわち、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)コポリマー、またはSIBSである。弾性以外の一部の特性を変更する、これらのエラストマー相互またはこれらのエラストマーと非エラストマーとの混合物も考えられる。例えば、ポリスチレンまたはポリa-メチル-スチレン、エポキシ・ポリスチレン、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、または一部のエチレン/ビニール・アセテート、好ましくはモル質量がより高いものなど、基剤の一部の特性(例えば、弾性、耐熱性、加工容易性、紫外線抵抗性、色合いなど)を変更するために最大50質量%まで、好ましくは30質量%未満のポリマーが添加されてもよい。
【0140】
エラストマー材料は、具体的には、例えばクレイトン・ポリマーズ社からKRATON D(登録商標)という名称で、またはDEXCO POLYMERS LP社のVECTOR SBC4211(登録商標)という名称で入手可能な、スチレン-イソプレン-スチレンであってもよい。また、TPE(熱可塑性エラストマー)材料、特にポリウレタンの熱可塑性エラストマー、具体的には、ダウ・ケミカル社のPELLETHANE(登録商標)2102-75Aを使用することも可能である。また、スチレン-ブタジエン-スチレン、具体的には、クレイトン・ポリマーズ社のKRATON D-2122(登録商標)、またはDexco Polymers LP社のVECTOR SBC4461(登録商標)を使用することも可能である。また、スチレン-エチレン/ブチレン、具体的にはクレイトン・ポリマーズ社のKRATON G-2832(登録商標)、またはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBaS)コポリマー配列、具体的にはKRATON(登録商標)G2703を使用することも可能である。
【0141】
網羅的ではないが、上記のリストには、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン-エチレン-エチレン-ポリプレン(SEPSEP)などの全水添ポリイソプレン・ポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン-エチレン-エチレン-ブチレン-エチレン-ブチレン-ブチレン(SEBSEB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)などの水添ポリブタジエン・ポリマー、スチレン-エチレン-エチレン-エチレン-エチレン-エプロピレン-スチレン(SEEPS)などの水添ポリイソプレン/ブタジエン・ポリマー、市販の(米国テキサス州ヒューストンのクラレ・アメリカ社)HYBRAR7311などの水添ビニール-ポリイソプレン/水添ポリイソプレン/ポリイソプレン/ポリスチレン・トリブロック・ポリマー、およびこれらの組み合わせの使用を追加することができる。
【0142】
ジブロック、トリブロック、マルチブロック、マルチブロック、スター、およびラジアルなどのブロック・ポリマー構成も本開示で企図される。場合によっては、より高いモル質量の配列コポリマーが望ましいことがある。配列コポリマーは、米国テキサス州ヒューストンのクレイトン・ポリマーズUS LLCから例えばKraton MD6716、Kraton D1102、Kraton SIBS D1102、Kraton D1184、Kraton FG1901およびクレイトンFG1924という名称で、および、米国テキサス州パサデナのセプトン・カンパニー・オブ・アメリカからSepton8007、Septon V9827およびSepton 9618という名称で入手可能である。ダイナソル・スペインもこれらのポリマーの別の考えられる提供業者である。特に、トリブロック・ポリマーであるクレイトンMD6716 SEBSが本開示に特に適している。
【0143】
また、架橋剤のない状態で物理架橋を有する熱可塑性プラスチックであるモノマー比90/10によるイソオクチル・アクリレートおよびアクリル酸コポリマーも使用可能である。アルケマ社のポリアミド・ポリエステル・コポリマー配列PEBAX(登録商標)2533を使用することも可能である。
【0144】
考えられる他の材料は、弾性特性、特に、メタロセン触媒作用に由来するエラストマー特性を有する、エクソンモービル・ケミカル社から入手可能なVISTAMAXX VM-1120(登録商標)などの、ポリオレフィン・ポリマー、主としてエチレンおよび/またはプロピレン・コポリマーであり、または実際にはEPDM配合サントプレーンなどのゴム配合ポリマーである。
【0145】
エラストマー・フィルム層で使用可能な、ポリオレフィン・ベースの熱可塑性エラストマーの例には、特に、結晶性ポリオレフィン、例えば、炭素原子数1から20を有し、炭素原子数1から12を含む、α-オレフィンのホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。
【0146】
以下に記載するホモポリマーおよびコポリマーは、結晶性ポリオレフィンの例である。
(1)エチレン・ホモポリマー。エチレン・ホモポリマーは、低圧プロセスおよび高圧プロセスのうちのいずれかによって調製可能である。
(2)エチレン・コポリマー、およびエチレン以外の10モル%を超えないα-オレフィン、または、ビニール・アセテートおよびアクリル酸エチルなどのビニール・モノポリマー、例えば、Engage8407またはEngage8842(米国テキサス州ヒューストンのダウ・ケミカル)という商標で入手可能なエチレン・オクテン・コポリマー。
(3)プロピレン・ホモポリマー。例としては、ポリプロピレン・インパクト・コポリマーPP7035E4およびポリプロピレン・ランダム・コポリマーPP9574E6(米国テキサス州ヒューストンのエクソンモービル)がある。
(4)任意のプロピレン・コポリマー、およびプロピレン以外の10モル%を超えないα-オレフィン-オレフィン。
(5)配列プロピレン・コポリマー、およびプロピレン以外の30モル%を超えないα-オレフィン。
(6)ブテン-1-ブテン・ホモポリマー。
(7)任意の1-ブテン・コポリマー、および1-ブテン以外の10モル%を超えないα-オレフィン-オレフィン。
(8)4-メチル-1-ペンテン・ホモポリマー、および4-メチル-1-ペンテン・ホモポリマー。
(9)任意の4-メチル-1-ペンテン・コポリマー、および4-メチル-1-ペンテン以外の20モル%を超えないα-オレフィン。
【0147】
α-オレフィンには、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン-1、4-メチル-1ペンテン、1-ヘキセン、および1-オクテンが含まれる。
【0148】
市販の、エラストマー・フィルム層での使用が意図されるポリオレフィン・ベースの熱可塑性エラストマーには、VISTAMAXX(TM)(米国テキサス州ヒューストンのエクソンモービル・ケミカルから入手可能なポリプロピレン・ベースのエラストマー)、INFUSE(TM)(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社から入手可能な配列オレフィン・コポリマー)、VERSIFY(TM)4200およびVERSIFY(TM)4300(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社)などのVERSIFY(TM)(プロピレン-エチレン・コポリマー)、ENGAGE(TM)(米国テキサス州ヒューストンのダウ・ケミカルから入手可能なエチレン・オクタン・コポリマー)、およびNOTIO0040およびNOTIO3560(米国ニューヨーク州ニューヨークのミツイ・ケミカルズ(USA)から入手可能)、Adflex X100G(リヨンデルベーセルから入手可能)が含まれる。
【0149】
特に適切な一実施形態では、ポリオレフィン・ベースの熱可塑性エラストマーは、VISTAMAXX(TM)6102FLまたはVISTAMAXX7050FLX(米国テキサス州ヒューストンのエクソンモービル・ケミカルから入手可能)である。登録商標の略である「(TM)」という記載は「登録商標」に対応する。
【0150】
別の事例では、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エステル/エーテル・エラストマーまたは熱可塑性ポリウレタンであってもよい。
【0151】
エラストマー材料とは、ある方向に沿って加えられた張力の作用下で破壊なしに伸長可能であって、この張力が緩められた後で実質的に元の形状および寸法に戻ることができる材料を意味する。これは例えば、伸長と緩和の後で、大気温度(摂氏23℃)での初期寸法の100%の伸長についてその(伸長前の)初期寸法の30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下の残留変形または残留歪みを維持するフィルムである(残留変形は「永久歪み」または「セット」とも呼ばれる)。エラストマー材料は、熱可塑性エラストマー材料、特に、本開示で記載されているものなどの物理架橋熱可塑性エラストマー材料、または化学架橋熱可塑性エラストマー材料であってもよい。
【0152】
例えば、プラスチック材料のリストは、LLDPE(鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、m-PE(メタロセン・ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、EVA(エチレン-ビニール-アセテート)、およびPP(ポリプロピレン)、モル質量の単峰性または多峰性(例えば双峰性)分布を有するアドフレックス(Adflex)およびビスタマックス(Vistamaxx)型のTPE、特にLLDPEおよびプラストマーを含む組成、特にポリエチレン・ベースのプラストマーである。ポリアミド(PA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチラート(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ・コハク酸エステル(例えばポリ(エチレンコハク酸エステル)(PESu)、ポリ(プロピレン・コハク酸エステル)(PPSu)、ポリ(ブチレン・コハク酸エステル)(PBSu))、ポリブチレン・アジピン酸塩テレフタレート(PBAT)、PVOH、PBSを使用することも可能であろう。これらのプラスチック材料は、混合物を形成するために組み合わされてもよい。基剤の一部の特性(均質性、弾性、耐熱性、UV抵抗性、色合い、加工容易性など)を変更するために、例えば最大50質量%まで、好ましくは30質量%未満の、粉末および/または繊維の形態の材料および/または有機負荷を、プラスチック材料に混合してもよい。
【0153】
本開示に適合する様々なシステムおよび方法については、フランス国特許出願第1653866号、第1653870号、第1653872号、第1653873号、第1653888号、第1653894号、および第1653897号に記載されている。
【0154】
図3Aから図23Aおよび図3Bから図23Bに、本発明の他の実施形態を示す。これらの図中の要素が図1Aおよび図1Bの実施形態のものと同じ場合には、同じ参照番号で示し、その説明は繰り返さない。
【0155】
図3Aおよび図3Bに、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックが、フックを有するウェブの全幅にわたって延び、したがってウェブが耳を含まない点を除き、この実施形態の配置は図1Aおよび図1Bに示す実施形態と同じである。この実施形態では、フックを有する領域が2つの弾性フィルム3および4の点または縁のそれぞれと重なる。
【0156】
図3Bでは、フックを有するタブを形成するための切断線が図3Aの切断線と同じである。
【0157】
図4Aおよび図4Bに,本発明のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1Aおよび図1Bの実施形態との唯一の相違は、フックが区画に沿って不連続な島の形態で分散されており、図1Aおよび図1Bの場合のようにMD方向の連続したストリップに沿っていないことである。
【0158】
したがって、MD方向において、フックの中央領域が、フックのない分離領域によって互いに分離された不連続な島のMD方向に延びる列によって形成されている。
【0159】
また、図4Bに示すタブの切断線は図1Bのものと同じである。しかし、島が毎回、それぞれの舌状部13g、13dの中央に位置するように、傾斜線19g、19dおよび20g、20dが分離領域と耳領域にのみ延びており、フックを有する島を通らない。
【0160】
図5Aおよび図5Bに本発明の別の実施形態を示す。CD方向に沿った断面において、フックを有する弾性ラミネートが図5Aに対して垂直に、きわめて長い長さにわたって(ラミネートは巻き展開されることが意図されている)、ラミネートの所定の幅Lにわたり延びている。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の下層1と、不織布の上層2と、不織布のこの上下2層の間に介在して、中央に配置され、ラミネートの幅Lより狭い幅Leを有する弾性フィルム3とを含む弾性ラミネートを含む。不織布の各層1および2の剛性は、CD方向の幅全体にわたって一定している。ラミネートは、中央を基準にして(図の事例では左側に)ずれるように配置され、フック7が突出している基部ストリップ6によって形成された、フックを有するウェブ5も含む。
【0161】
したがって、フックを有する不織布材が、不織布の下層1と、不織布の上層2と、フックを有するウェブ5と、さらに、不織布の2つの層の間、不織布の上層とフックを有するウェブとの間、および不織布の層と弾性フィルムの間の接着剤または糊の任意による層とによって形成されたアセンブリによって形成される。
【0162】
弾性フィルム3は、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、特に糊の点または糊の線の形態で実装されてもよい、糊のストリップを用いて、それぞれ上部および底部上で不織布の2つの層1と2とに貼り付けられている。また、弾性フィルムの外部で、不織布の上層1と下層2の2つの層の間に糊および/または任意による追加の補強材(図示せず)を設けることも可能である。
【0163】
弾性フィルム3は、図の断面CDにおいて、弾性フィルム3の左右それぞれの2つの端点Pg3およびPd3を形成する左右の2つの端点の間に延びる。
【0164】
フックを有するウェブ5の基部ストリップ6が、図の断面CDにおいて基部ストリップの左右それぞれの2つの端点Pg6およびPd6を形成する左右の2つの端縁の間に延びる。
【0165】
基部ストリップ6は、フックが突出していない左右の2つの耳領域7gおよび7dと、フック10が突出している中央領域9とを含む。フックを有する中央領域9は、図の断面CDにおいて中央領域9の左右それぞれの2つの端点Pg10、Pd10を形成する2つの左右の端縁によって画定される。
【0166】
フックを有するウェブ5は、基部ストリップ6の下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布の上層2の上面に貼り付けられる。
【0167】
フックを有する不織布材8のために、間にある接着剤とともに個別に見た不織布の2つの層1および2の剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち、一方では不織布の2つの層1および2の左端縁から基部ストリップ6の左縁Pg6の位置まで延び、他方では基部ストリップ6の右縁Pd6から2つの不織布層1および2の右端縁の位置まで延びる、フックを有するウェブ5の左右の側の2つの領域における区画を画定することができる。
【0168】
また、端縁Pg6およびPd6の間に延び、これら2つの縁とフックを有するウェブ5の下に位置する不織布の層1および2の部分を同時に含む、剛性がより高い区画を画定することができる。フックを有する中央領域9の領域では、第1の剛性と比較して剛性がより高い区画の剛性がフックのない耳7gおよび7dの領域の剛性よりも高い。しかし、剛性の異なるこれらの2つの領域では、それぞれの剛性は、不織布材8の区画のために定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性より高い。
【0169】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5は、弾性ラミネートの上部および弾性フィルム3の上方に位置し、フックを有する不織布材8のフックを有するウェブの端縁または端点Pg6が弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブの端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、弾性フィルムから離れる方向に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材のフックを有するウェブは弾性フィルム3の右端点Pd3と重なっている。
【0170】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pg6が弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性が最大の区画の端縁または端点Pd6は、弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(またはこの上に張り出し)、特に、弾性フィルムから離れる方向に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材の剛性がより高い区画は弾性フィルム3の右端点Pd3に重なっている。
【0171】
それに対して、この図の実施形態で、フックを有する中央領域9は2つの弾性フィルム3および4のいずれの点または縁にも重ならず、弾性フィルム3の外部に延びる区画と全体が整列している。
【0172】
図6Aおよび図6Bに本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックを有するウェブが弾性フィルム3とは反対側に1つの耳区画のみを含み、フックを有する領域が反対側のその単一の耳領域から弾性フィルム3の側のフックを有するウェブの縁の位置まで延びていることを除いて、この実施形態の配置は図5Aおよび図5Bに示す配置と同じである。したがって、この実施形態では、フックを有する領域も、フックを有するウェブが重なる弾性フィルム3の縁に重なっている。
【0173】
図7Aおよび図7Bに本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックがフックを有するウェブの全幅にわたって延び、したがって耳を含まないことを除いて、この実施形態の配置は図5Aおよび図5Bに示す配置と同じである。したがって、この実施形態では、フックを有する領域は、フックを有するウェブと同様に、弾性フィルム3の縁に重なっている。
【0174】
図8Aおよび図8Bに、本発明のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図5Aおよび図5Bとの唯一の相違は、フックが不連続な島の形態で区画に沿って分散され、図5Aおよび図5Bの場合のようにMD方向に連続したストリップに沿っていないことである。したがって、MD方向に、フックの中央領域がフックのない分離領域によって互いに分離された不連続な島の、MD方向に延びる列によって形成される。
【0175】
図9Aおよび図9Bに本発明の別の実施形態を示す。CD方向に沿った断面に示す弾性ラミネートは、きわめて長い長さにわたり(ラミネートは巻き展開されることが意図されている)、ラミネートの所与の幅Lにわたって、図9Aに対して垂直に延びている。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の下層1と、不織布の上層2と、不織布のこの上下2層の間に介在する、ラミネートの幅Lより短い幅Leを有する中央弾性フィルム3とを含む、弾性ラミネートを含む。不織布の各層1および2の剛性は、CD方向の全幅にわたって一定している。フックを有する弾性ラミネートは、それぞれが左右それぞれの基部ストリップ6g、6dからなる2つの左右のフックを有するウェブ5g、5dも含み、ウェブ5g、5dのそれぞれからフック10が突出している。したがって、不織布の上層2とフックを有するウェブ5g、5dとからなるアセンブリによって、フックを有する不織布材が形成される。弾性フィルム3が、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、具体的には糊の点または糊の線の形態で実装されてもよい、糊のストリップによって、上部と底部上で不織布の2つの層1および2にそれぞれ貼り付けられる。また、弾性フィルムの外部で、上下2つの不織布1および2の間に糊および/または任意により追加の補強材(図示せず)を設けることも可能である。
【0176】
弾性フィルム3は、図の断面CDにおいて、弾性フィルム3の左右それぞれの2つの端点Pg3およびPd3を形成する左右2つの端縁の間に延びている。
【0177】
フックを有するウェブ5gの基部ストリップ6gが、図9Aの断面CDにおいて、基部ストリップ6gの左右それぞれの2つの端点Pgg6およびPgd6を形成する左右の2つの端縁の間に延びている。
【0178】
基部ストリップ6gは、フックが突出していない左右の2つの耳領域と、フック10が突出している中央領域9gとを含む。フックを有する中央領域9gは、図の断面CDにおいて、中央領域9gの左右それぞれの2つの端点Pgg10およびPdg10を形成する、左右2つの端縁によって画定されている。
【0179】
フックを有するウェブ5dの基部ストリップ6dが、図9Aの断面CDにおいて、基部ストリップ6dの左右それぞれの2つの端点Pdg6およびPdd6を形成する左右の2つの端縁の間に延びている。
【0180】
基部ストリップ6dは、フックが突出していない左右の2つの耳領域と、フック10が突出している中央領域9dとを含む。フックを有する中央領域9dは、図の断面CDにおいて中央領域9dの左右それぞれの2つの端点Pgd10およびPdd10を形成する、左右2つの端縁によって画定されている。
【0181】
フックを有するウェブ5g、5dは、それぞれ、基部ストリップ6g、6dの下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布の上層2の上面に貼り付けられている。
【0182】
(2つの不織布層1および2と、フックを有する2つのウェブ5gおよび5dと、さらに、その間に介在する任意による接着剤とによって構成される)フックを有する不織布材のために、個別に見た不織布の2つの層1および2の剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち、フックを有するウェブ5gの左側とフックを有するウェブ5dの右側の2つの領域と、一方では不織布の2つの層1および2の左端縁から基部ストリップ6gの左縁Pgg6の位置まで延び、他方では基部ストリップ6dの右縁Pdd6から2つの不織布層1および2の右端縁の位置まで延び、さらに基部ストリップ6g、6dのそれぞれ2つの縁Pgd6およびPdg6の間に延びる、2つのウェブ5gと5dとの間の領域における区画を画定することが可能である。
【0183】
端縁Pgg6とPdg6との間に延び、これらの2つの縁およびフックを有するウェブ5gと整列するかまたはその下に位置する不織布の2つの層1および2の部分を同時に含む第1の区画と、端縁Pgd6とPdd6との間に延び、これら2つの縁およびフックを有するウェブ5dと整列するかまたはその下に位置する不織布の2つの層1および2の部分を同時に含む第2の区画の、より剛性の高い2つの区画を画定することも可能である。フックを有する中央領域9gおよび9dの領域では、第1の剛性と比較して剛性がより高い2つの第1および第2の区画の剛性はフックのない耳の領域の剛性よりも高い。しかし、剛性の異なるこれら2つの区画では、それぞれの剛性が、不織布材の区画について定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性よりも高い。
【0184】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5dは弾性ラミネートの上部および弾性フィルム3の上方に位置し、フックを有するウェブ5dの端縁または端点Pdg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5dの端縁または端点Pgg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5dは弾性フィルム3の左端点Pg3と重なっている。
【0185】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5gは弾性ラミネートの上部および弾性フィルム3の上方に位置し、フックを有するウェブ5gの端縁または端点Pgd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5gの端縁または端点Pdd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5gは弾性フィルム3の右端点Pd3と重なっている。
【0186】
断面CDで見ると、不織布材の剛性がより高い第1の区画の端縁または端点Pdg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性がより高い第1の区画の端縁または端点Pgg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、横方向に弾性フィルム3から離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材の剛性がより高い第1の区画は、弾性フィルム3の左端点Pg3と重なっている。
【0187】
断面CDで見ると、不織布材の剛性がより高い第2の区画の端縁または端点Pgd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性がより高い第2の区画の端縁または端点Pdd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、横方向に弾性フィルム3から離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材の剛性がより高い第2の区画は、弾性フィルム3の右端点Pd3と重なっている。
【0188】
それに対して、図示されているこの実施形態で、フックを有する中央領域9g、9dは弾性フィルム3のどの点または縁とも重なっておらず、弾性フィルム3の外部に延びる区画と全体が整列したままである。
【0189】
図9Aおよび図9Bのラミネートは、全幅切断と言われる技術に従って切断される。切断線は、それぞれ大きい左側と大きい右側とを有する連続したタブ110g、110dまたは突起部を形成するように、ラミネートの両側に延びる。
【0190】
大きい左側を有する各タブ110gは、MD方向とCD方向の両方を基準にして傾斜している上部切断線120sと、MD方向とCD方向とを基準にして傾斜している下部切断線120iとによって画定されており、各タブ110gがラミネートの左縁と右縁とに沿って延びる2本の線によってさらに画定されるようにCD方向に対する2本の切断線120sおよび120iの傾斜の角度は同じ値を有するが互いに異符号であり、さらに、2本の切断線120sおよび120iの傾斜によりラミネートの右縁に沿って延びる線130dよりも長い距離にわたって延びる大きい左側を有するタブ110gの左縁に沿って延びる線130gによって画定されている。
【0191】
大きい右側を有する各タブ110dは、MD方向とCD方向の両方を基準にして傾斜している上部切断線140sと、MD方向とCD方向とを基準にして傾斜している下部切断線140iとによって画定されており、各タブ110dがラミネートの左縁と右縁とに沿って延びる2本の線によってさらに画定されるようにCD方向に対する2本の切断線140sおよび140iの傾斜の角度は同じ値を有するが互いに異符号であり、さらに、2本の切断線140sおよび140iの傾斜によりラミネートの右縁に沿って延びる線150gよりも長い距離にわたって延びる大きい右側を有するタブ110dの右縁に沿って延びる線150sによって画定されている。各切断線120sは切断線140iでもあり、その逆も同様である。各切断線120iは切断線140sでもあり、その逆も同様である。
【0192】
この切断は、本出願人の名義による文献WO2015150709_A1の教示に従って層のフレームワークに貼り付けることができるラミネートを形成するために特有のものであり、フックを有する区画がフレームワークに貼り付けられ、次に変形され、他方の側の他の区画がフック・アンド・ループ方式による貼り付けのために使用される。
【0193】
図10Aおよび図10Bに、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックを有する2つのウェブがそれぞれ、弾性フィルム3とは反対側に1つのみの耳区画を含み、フックを有する各ウェブのフックを有する領域が、反対側の単一の耳区画から、弾性フィルム3の側のフックを有するウェブの縁の位置まで延びていることを除き、この実施形態の配置は図9Aおよび図9Bに示す配置と同じである。したがって、この実施形態では、フックを有する領域も、フックを有するそれぞれのウェブが重なる弾性フィルム3のそれぞれの縁に重なる。
【0194】
図11Aおよび図11Bに、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックがフックを有する各ウェブの全幅にわたって延び、したがって耳を含まないことを除いて、配置は図9Aおよび図9Bに示す配置と同じである。したがって、この実施形態でも、フックを有する領域も、フックを有するそれぞれのウェブが重なる弾性フィルム3のそれぞれの縁に重なる。
【0195】
図には示されていない一実施形態によると、図9Aおよび図9Bの実施形態との唯一の相違が、フックが不連続な島の形態の区画に沿って分散されており、図9Aおよび図9Bの場合のようにMD方向の連続したストリップに沿っていないことである、本発明のさらに別の実施形態を提供することも可能である。したがって、MD方向において、フックの中央領域が、フックのない分離領域によって互いに分離された不連続な島の、MD方向に延びる列によって形成される。
【0196】
図12Aおよび図12Bに、本発明の別の実施形態を示す。CD方向に沿った断面に示されている弾性ラミネートは、図12Aに対して垂直に、きわめて長い長さにわたり(ラミネートは巻き展開されることが意図されている)、ラミネートの所与の幅Lにわたって延びている。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の下層1と、不織布の上層2と、不織布のこの上下2層の間に介在して中央に配置され、それぞれがラミネートの幅Lより狭い幅Leを有する2つの弾性フィルムとを含み、2つの幅の和(この場合、2つのフィルムは同じ幅Leを有するが、異なる幅を有してもよい)もラミネートの幅Lより狭い、弾性ラミネートを含む。不織布の各層1および2の剛性は、CD方向の全幅にわたって一定している。フックを有する弾性ラミネートは、それぞれが左右それぞれの基部ストリップ6g、6’g、6d、6’dからなり、それぞれからフック10が突出している、フックを有する4つの左右のウェブ5g、5d、5’g、5’dも含む。したがって、フックを有する不織布材が、不織布の上層2とフックを有するウェブ5g、5d、5’g、5’dとからなるアセンブリによって形成される。各弾性フィルムは、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、糊の点または糊の線の形態で実装されてもよい、糊のストリップによって、それぞれ上部および底部上で不織布の2つの層1および2に貼り付けられている。また、弾性フィルムの外部で、上下2つの不織布1および2の間に糊および/または任意による追加の補強材(図示せず)を設けることも可能である。
【0197】
各弾性フィルムは、図12Aの断面CDにおいて各弾性フィルムの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。
【0198】
フックを有するウェブ5gの基部ストリップ6gが、図12Aの断面CDにおいて基部ストリップ6gの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。
【0199】
基部ストリップ6gは、フックが突出していない左右の2つの耳領域と、フック10が突出している中央領域9gとを含む。フックを有する中央領域9gは、図の断面CDにおいて中央領域9gの左右それぞれの2つの端点を形成する、左右の2つの端縁によって画定されている。
【0200】
フックを有するウェブ5dの基部ストリップ6dが、図の断面CDにおいて、基部ストリップ6dの左右それぞれの2つの端点Pgd6およびPdd6を形成する左右2つの端縁の間に延びている。
【0201】
基部ストリップ6dは、フックが突出していない左右の2つの耳領域と、フックが突出している中央領域9dとを含む。フックを有する中央領域9dは、図12Aの断面CDにおいて中央領域9dの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁によって画定されている。
【0202】
フックを有するウェブ5g、5dはそれぞれ、基部ストリップ6g、6dの下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布の上層2の上面に貼り付けられている。
【0203】
フックを有するウェブ5’gの基部ストリップ6’gが、図の断面CDにおいて基部ストリップ6’gの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。
【0204】
基部ストリップ6’gは、フックが突出していない左右の2つの耳領域7’gおよび8’gと、フックが突出している中央領域9’gとを含む。フックを有する中央領域9’gは、図の断面CDにおいて中央領域9’gの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁によって画定されている。
【0205】
フックを有するウェブ5’dの基部ストリップ6’dが、図の断面CDにおいて基部ストリップ6’dの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁の間に延びている。
【0206】
基部ストリップ6’dは、フックが突出していない左右の2つの耳領域と、フックが突出している中央領域9’dとを含む。フックを有する中央領域9’dは、図の断面CDにおいて中央領域9’dの左右それぞれの2つの端点を形成する2つの左右の端縁によって画定されている。
【0207】
フックを有するウェブ5’g、5’dはそれぞれ、基部ストリップ6’g、6’dの下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布の上層2の上面に貼り付けられている。
【0208】
(2つの不織布層1および2と、フックを有する4つのウェブ5g、5’g、5dおよび5’dと、任意によりその間に介在する接着層とからなる)フックを有する不織布材のために、個別に見た不織布の2つの層1および2の剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわちフックを有するウェブ5gの左側とフックを有するウェブ5’dの右側の2つの領域、および、ウェブ5gと5dの間、ウェブ5dと5’gの間、およびウェブ5’gと5’dの間の領域における区画を画定することが可能である。
【0209】
ウェブ5gと、フックを有するウェブ5gの下に位置する不織布の層1および2の部分とを同時に含む第1の区画と、ウェブ5dと、フックを有するウェブ5dの下に位置する不織布の2つの層1および2の部分とを同時に含む第2の区画と、ウェブ5’gと、フックを有するウェブ5’gの下に位置する不織布の2つの層1および2の部分を同時に含む第3の区画と、ウェブ5’dと、フックを有するウェブ5’dの下の不織布の2つの層1および2の部分とを同時に含む第4の区画の、剛性がより高い4つの区画を画定することも可能である。フックを有する中央領域9gおよび9dの領域において、第1の剛性と比較して剛性がより高い第1、第2、第3および第4の4つの区画の剛性は、フックを有しない耳の領域の剛性よりも高い。しかし、剛性が異なるこれらの区画において、それぞれの剛性は、不織布材の区画について定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性よりも高い。
【0210】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5gは、弾性ラミネートの上部および弾性フィルム3の上方に位置し、フックを有するウェブ5gの、またはフックを有する不織布材の剛性がより高い第1の区画のそれぞれの右端縁または端点は、弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5gの、または剛性がより高い第1の区画のそれぞれの、他方の左端縁または端点は、弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、横方向に弾性フィルム3から遠い位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5g、またはそれぞれ、フックを有する不織布材の剛性がより高い第1の区画は、弾性フィルム3の左端点に重なる。
【0211】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5dは、弾性ラミネートの上部および弾性フィルム3の上方に位置し、フックを有するウェブ5dの、またはフックを有する不織布材の剛性がより高い第2の区画のそれぞれの左端縁または端点は、弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5dの、または剛性がより高い第2の区画のそれぞれの右端縁または端点は、弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に横方向に弾性フィルム3から遠い位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5d、またはそれぞれ、フックを有する不織布材の剛性がより高い第2の区画は、弾性フィルム3の右端点に重なる。
【0212】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5’gは、弾性ラミネートの上部および弾性フィルム4の上方に位置し、フックを有するウェブ5’gの、またはフックを有する不織布材の剛性がより高い第3の区画のそれぞれの右端縁または端点は、弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5’gの、または剛性がより高い第1の区画のそれぞれの他方の左端縁または端点は、弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に横方向に弾性フィルム4から遠い位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5’g、またはそれぞれ、フックを有する不織布材の剛性がより高い第3の区画は、弾性フィルム4の左端点に重なる。
【0213】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5’dは、弾性ラミネートの上部および弾性フィルム4の上方に位置し、フックを有するウェブ5’dの、またはフックを有する不織布材の剛性がより高い第4の区画のそれぞれの左端縁または端点は、弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5’dの、または剛性がより高い第4の区画のそれぞれの右端縁または端点は、弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、横方向に弾性フィルム4から遠い位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5’d、またはそれぞれ、フックを有する不織布材の剛性がより高い第4の区画は、弾性フィルム4の右端点に重なる。
【0214】
それに対して、図示されているこの実施形態で、フックを有する中央領域は弾性フィルム3および4のいずれの点または縁とも重ならず、弾性フィルム3および4の外部に延びる区画と全体が整列したままである。
【0215】
図13Aおよび図13Bに、本発明のさらに別の実施形態を示す。CD方向に沿った断面に示す弾性ラミネートは、図13Aに対して直角に、きわめて長い長さにわたり(ラミネートは巻き展開されることが意図されている)、ラミネートの所定の幅Lにわたって延びている。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の下層1と、不織布の上層2と、不織布のこの上下2層の間に介在する、ラミネートの幅Lと同じ幅Leを有する弾性フィルムとを含む弾性ラミネートを含む。不織布の各層1および2の剛性は、CD方向の全幅にわたって一定している。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の上層上の中央に配置され、フック10が突出している基部ストリップ6によって形成された、フックを有するウェブも含む。
【0216】
したがって、不織布の上層2とフックを有するウェブ5とからなるアセンブリによって、フックを有する不織布材が形成される。
【0217】
弾性フィルムは、それぞれ上部と底部上で、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、特に、糊の点または糊の線の形態で実装されてもよい、糊のストリップを用いて、不織布の2つの層1および2に貼り付けられる。
【0218】
フックを有するウェブ5の基部ストリップ6は、断面CDにおいて基部ストリップのそれぞれ左右の2つの端点を形成する、左右の2つの端縁の間に延びている。基部ストリップ6は、フックが突出していない左右2つの耳領域7gおよび7dと、フック10が突出している中央領域9とを含む。フックを有する中央領域9は、断面CDにおいて中央領域9のそれぞれ左右の2つの端点を形成する左右の2つの端縁によって画定されている。
【0219】
フックを有するウェブ5は、基部ストリップ6の下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって、不織布の上層2の上面に貼り付けられている。
【0220】
(2つの不織布層1および2と、フックを有するウェブ5と、その間に介在する任意による接着剤の層とによって構成される)フックを有する不織布材のために、個別に見た不織布の2つの層1および2の剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち、一方では不織布の2つの層1および2の左端縁から基部ストリップ6の左縁の位置まで延び、他方では基部ストリップ6の右縁から2つの不織布層1および2の右端縁の位置まで延びる、フックを有するウェブ5の左側と右側の2つの領域における区画を画定することが可能である。
【0221】
また、フックを有するウェブ5の下に位置する不織布の2つの層1および2の部分とウェブ5自体とを同時に含む、剛性がより高い区画を画定することも可能である。フックを有する中央領域9の領域において、第1の剛性と比較して剛性がより高い区画の剛性は、フックのない耳7gおよび7dの領域の剛性よりも高い。しかし、剛性の異なるこれら2つの区画において、それぞれの剛性は、不織布材の区画について定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性よりも高い。
【0222】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5は弾性ラミネートの上部および弾性フィルムの上方に位置し、フックを有するウェブ5の端縁または端点は弾性フィルムと垂直方向に整列して位置している。
【0223】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の他方の端縁または端点は、弾性フィルムと垂直方向に整列して位置している。
【0224】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画の端縁または端点は、弾性フィルムと垂直方向に整列して位置している。
【0225】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材の剛性がより高い区間の他方の端縁または端点は、弾性フィルムと垂直方向に整列して位置している。
【0226】
この図の例では、フックを有する中央領域9も弾性フィルムに重なる。
【0227】
図13Bは、その長さの一部にわたるラミネートを示す平面図である。点線は、ラミネートを、左右それぞれのフックを有する一連のタブに切断するための切断線を示す。
【0228】
各タブは、実質的に矩形である基部と、基部から横方向に突出する舌状部とを含む。
【0229】
各タブは、図1Aおよび図1Bの実施形態について定義したものと同じ切断線によって画定される。
【0230】
したがって、フックを有する中央領域9の全体が、舌状部13g、13d内に位置し、弾性フィルムが基部全体にわたって延びる。しかし、上述の重なりのために、弾性フィルムは一方では基部の全体にわたって延び、他方では弾性フィルムの一部が各舌状部内にも侵入している。
【0231】
図14Aおよび図14Bに本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、フックがフックを有するウェブの全幅にわたって延び、したがって耳を含まない点を除いて、この実施形態における配置は図13Aおよび図13Bの配置と同じである。
【0232】
図15Aおよび図15Bに、本発明のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図13Aおよび図13Bの実施形態との唯一の相違は、フックが不連続な島の形態で区画に沿って分散され、図13Aおよび図13Bの場合のようにMD方向に連続したストリップに沿っていないことである。したがって、MD方向において、フックの中央領域が、フックのない分離領域によって互いに分離されたMD方向に延びる不連続な島の列で形成される。
【0233】
図示されていない本発明の別の実施形態によると、フックを有するウェブがこの実施形態では耳区画を1つだけ含み、フックを有する領域が反対側のこの単一の耳区画からフックを有するウェブの縁の位置まで延びている点を除き、図13Aおよび図13Bに示す配置と同じ配置を設けることが可能である。
【0234】
図16Aおよび図16Bに、フックを有するウェブが、ラミネートの中央を基準にしてCD方向(図の左側に向かう方向)にずれるように配置されている点を除き、図13Aおよび図13Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0235】
図17Aおよび図17Bに、フックを有するウェブがウェブに最も近いラミネートの縁の側に耳を1つだけ含む点を除き、図16Aおよび図16Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0236】
図18Aおよび図18Bに、フックを有するウェブが耳を含まず、フックを有する領域がフックを有するウェブの全幅範囲にわたって延びる点を除き、図16Aおよび図16Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0237】
図19Aおよび図19Bに、フックが不連続な島の形態で区画に沿って分散し、図16Aおよび図16Bの場合のようにMD方向に連続したストリップに沿っていない点を除き、図16Aおよび図16Bのラミネートと同じラミネートを記載する。したがって、MD方向において、フックの中央領域は、フックのない分離領域によって互いに分離された、MD方向に延びる不連続な島の列によって形成される。
【0238】
図20Aおよび図20Bに、弾性フィルムがラミネートの全幅にわたって延びている点を除き、図9Aおよび図9Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0239】
図21Aおよび図21Bに、フックを有する各ウェブが、それぞれウェブに最も近いラミネートの側縁の側に耳を1つだけ含み、したがって2つのウェブの2つの耳が互いに反対側にある点を除き、図20Aおよび図20Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0240】
図22Aおよび図22Bに、フックを有するウェブが耳を含まず、フックを有するそれぞれの領域がフックを有するそれぞれのウェブの全幅範囲にわたって延びる点を除き、図20Aおよび図20Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0241】
図23Aおよび図23Bに、弾性フィルムがラミネートの全幅にわたって延びている点を除き、図12Aおよび図12Bのラミネートと同じラミネートを記載する。
【0242】
図24に、不織布の下層1’が補強された領域30を含む点を除き、図5Aおよび図5Bの実施形態と同じである実施形態を示す。したがって、不織布の上層2は全幅CDにわたって一定した剛性を有し、一方、不織布の下層1’は、一方ではそれぞれ、ラミネートの左縁または右縁から、補強された領域30のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する2つの第1の左領域および右領域を含み、他方では、補強された領域に対応し、より高い剛性を有する第2の区画を含む。例えばカレンダ加工、特にホットカレンダ加工によって補強された、補強された領域30は、フックを有するウェブの下に全体が延び、ウェブに対して中央に配置される。補強された領域30は、基部ストリップ6が重なっている弾性フィルムの縁には重ならない。弾性フィルム側の補強された領域の縁は、基部ストリップおよびフックを有するウェブが重なっている弾性フィルムの縁からCD方向に測定したゼロの距離に実質的にあるように位置づけられる。
【0243】
図25に、不織布の上層2’が補強された領域31を含む以外は、図5Aおよび図5Bの実施形態と同じ実施形態を示す。したがって、不織布の下層1’は全幅CDにわたって一定した剛性を有し、一方、不織布の上層2’は、一方ではラミネートのそれぞれ左縁または右縁から補強された領域31のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する2つの第1の左領域および右領域を含み、他方では、補強された領域31に対応し、より高い剛性を有する第2の区画を含む。例えばカレンダ加工、特にホットカレンダ加工によって補強された、補強された領域31は、一部がフックを有するウェブ5の下と、一部がフックを有する中央領域9の下に延びる。補強された領域31は、基部ストリップ6が重なる弾性フィルム3の縁に重なる。この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画が、不織布の上層2’の補強された領域31と、フックを有するウェブで覆われた不織布の上層2’の部分と、フックを有するウェブと、領域31とストリップ5の下に延びる下層1’の部分と、接着剤または糊の介在層とによって形成される。
【0244】
剛性がより高いこの区画と、不織布の上層の剛性がより高い第2の区画が、弾性フィルム3の側部端点に重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には不織布の上層の剛性がより高い区画または剛性がより高い第2の区画が重ならない。
【0245】
図26に、フックを有するウェブ5が、一方では耳を含まず、他方では、弾性フィルム3の上方に配置されているが、弾性フィルム3の縁に重ならない点を除き、図25の実施形態と同じ実施形態を示す。この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画が不織布の上層2’の補強された領域31と、フックを有するウェブによって覆われた不織布の上層2’の部分と、フックを有するウェブと、領域31とストリップ5との下に延びる下層1’の部分と、接着剤または糊の介在層とによって形成される。剛性がより高いこの区画と、不織布の上層の剛性がより高い第2の区画は、弾性フィルム3の側部端点に重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画が、または不織布の上層の剛性がより高い第2の区画が重ならない。
【0246】
図27に、フックを有するウェブ5が、一方では耳を含まず、他方では弾性フィルム3の上方に配置されているが弾性フィルム3の縁とは重ならない点を除き、図24の実施形態と同じ実施形態を示す。この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画は、不織布の下層1’の補強された領域30と、フックを有するウェブ5に覆われた不織布の上層2の部分と、フックを有するウェブと、ストリップ5の下に延びる下層1’の残りの部分と、補強された領域30の下に延びる上層2の残りの部分と、接着剤または糊の介在層とによって形成される。剛性がより高いこの区画と、不織布の下層の剛性がより高い第2の区画は、弾性フィルム3の側部端点に重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画が、または不織布の上層の剛性がより高い第2の区画が重ならない。
【0247】
図28に本発明による弾性ラミネートの一実施形態を示す。フックを有する弾性ラミネートは、不織布の左右の2つの上層201gおよび201dと不織布の下層1’とを含む弾性ラミネートと、それぞれが、ラミネートの幅よりも狭い幅にわたってCD方向に延びる2つの弾性フィルム3および4とを含む。フックを有する弾性ラミネートは、フックを有するウェブ5をさらに含む。不織布の下層1’はラミネートのCD方向の全幅にわたって延び、一定した剛性を有する。2つの層201gおよび201dはそれぞれ、ラミネートの総幅よりも狭いCD方向の幅にわたって延び、その2つの幅の和は、ラミネートの上部上で間に不織布間隙と呼ぶ間隙が形成されるように、ラミネートの幅より小さい。不織布の2つの層はそれぞれ、それぞれの一定した剛性を有し、特に同じ一定した剛性を有する。
【0248】
2つの弾性フィルム3および4は、例えば糊、特に、必ずしも連続しておらず、具体的には、糊の点または糊の線の形態で実装されてもよい糊のストリップを用いて、または熱ラミネーションおよび/または直接(ホット)ラミネーションによって、不織布のそれぞれの層1’および201g、201dに、上部と底部とがそれぞれ貼り付けられる。弾性フィルム3は、図では弾性フィルム3の左右それぞれの2つの端点Pg3およびPd3を形成する左右の2つの端縁の間に延びている。同様に、弾性フィルム4は、図の断面CDにおいて弾性フィルム4の左右それぞれの2つの端点Pg4およびPd4を形成する、左右の2つの端縁の間に延びている。したがって、点Pd3とPg4との間に延びる弾性フィルム間隙と呼ぶ間隙が、2つの弾性フィルムの間に画定される。
【0249】
フックを有するウェブ5の基部ストリップ6は、図の断面CDにおいて基部ストリップの、したがって補強材の、左右それぞれの2つの端点Pg6およびPd6を形成する左右2つの端縁の間に延びている。基部ストリップ6は、フックが突出していない(またはフックがない)左右2つの耳領域と、フックが突出している中央領域とを含む。フックを有する中央領域は、図の断面CDにおいて、中央領域の左右それぞれの2つの端点Pg10およびPd10を形成する左右の2つの端縁によって画定される。フックを有するウェブ5が、基部ストリップ6の下面の接着、熱ラミネーション、超音波溶着などによって不織布の上層201gおよび201dの上面に貼り付けられている。
【0250】
フックを有する不織布材8のために、間にある接着剤とともに個別に見た不織布の3つの層1’、201d、201gの剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち一方では不織布の層201gの左端縁から基部ストリップ6の左縁Pg6の位置まで延び、他方では基部ストリップ6の右縁Pd6から不織布層201dの右端縁の位置まで延びる、フックを有するウェブ5の左側と右側の2つの領域における区画を画定することが可能である。また、端縁Pg6とPd6との間に延び、フックを有するウェブ5の下に位置する不織布の層201gおよび201dの部分を同時に含む、剛性がより高い区画を画定することも可能である。フックを有する中央領域9の領域では、第1の剛性と比較して剛性がより高い区画の剛性は、フックのない耳7gおよび7dの領域の剛性より高い。しかし、剛性が異なるこれら2つの区画では、各剛性は、不織布材8の区画のために定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性より高い。
【0251】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の形態の補強材の端縁または端点Pg6は、弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブの端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に、横方向に弾性フィルム3から離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5は弾性フィルム3の右端点Pd3に重なる。
【0252】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の端縁または端点Pd6は弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5の端縁または端点Pg6は弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5は弾性フィルム4の左端点Pg4に重なる。
【0253】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性が最大の区画の端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は弾性フィルム3の右端点Pd3に重なる。
【0254】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pd6は弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性が最大の区画の端縁または端点Pg6は弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は弾性フィルム4の左端点Pg4と重なる。それに対して、この図の実施形態で、フックを有する中央領域9は2つの弾性フィルム3および4のいずれの点または縁にも重ならず、左右2つの弾性フィルム3および4の間に延びる区画と全体が整列したままである。フックを有するウェブ5は、ウェブ5、特にウェブ5のストリップが、ラミネートの上部の2つの不織布201gおよび201dの間に橋を形成するように、その下面の2つの端部によって、2つの不織布層の上面のそれぞれの端部に貼り付けられる。
【0255】
2つの弾性フィルムはそれぞれ、そのそれぞれの上面の大部分によって不織布の2つの層のうちの一方の下面に貼り付けられ、左の弾性フィルム3が不織布の左の層201gの下面に貼り付けられ、右側の弾性フィルム4が不織布の左の層201gの下面に貼り付けられる。各弾性フィルム3、4の内側端部が、フックを有するウェブ5の直下の不織布の2つの層の間の間隙に位置づけられるように、その弾性フィルム3、4が貼り付けられている不織布のそれぞれの上層を超えて突出する。
【0256】
図29に、本発明によるフックを有する弾性ラミネートの一実施形態を示す。このフックを有する弾性ラミネートは、フックを有するウェブ5が、不織布間隙の両側の不織布の左右の2つの上層201gおよび201dに貼り付けられる代わりに、ラミネートの上部に位置づけられ、不織布間隙内に突出する弾性フィルム3および4の2つの端部上でそこに直接貼り付けられ(糊、接着剤または溶融材料などの層は除く)、フックを有するウェブが2つの弾性フィルムの間に形成された弾性フィルム間隙を覆う点を除き、図28の弾性ラミネートとほぼ同じである。
【0257】
好ましくは、図のように、フックを有するウェブ5の基部ストリップ6が、不織布の2つの上層の間の間隙のほぼ全体、または全体にわたって、(図の断面CDにおいて基部ストリップの左右それぞれの2つの端点Pg6およびPd6を形成する)左右の2つの端縁の間に延びる。
【0258】
フックを有する不織布材8のために、間にある接着剤とともに個別に見た不織布の3つの層1’、201d、201gの剛性に対応する第1の剛性の区画、すなわち一方では不織布の層201gの左端縁から基部ストリップ6の左縁Pg6の位置まで延び、他方では基部ストリップ6の右縁Pd6から不織布層201dの右端縁の位置まで延びる、フックを有するウェブ5の左側と右側の2つの領域における区画を画定することが可能である。
【0259】
また、フックを有するウェブ5の端縁Pg6とPd6の間に延びる剛性がより高い区画を画定することも可能である。フックを有する中央領域9の領域において、第1の剛性と比較して剛性がより高い区画の剛性は、フックのない耳の領域の剛性よりも高い。しかし、剛性の異なるこれら2つの区画において、それぞれの剛性は、不織布材8の区画について定義可能な最低剛性に対応する第1の剛性よりも高い。
【0260】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の形態の補強材の端縁または端点Pg6は、弾性フィルム3と直接整列して(糊などを除く)位置しており、一方、フックを有するウェブの形態の補強材の端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5の形態の補強材は、弾性フィルム3の右端点Pd3に重なり、(糊などを除いて)直接接触している。
【0261】
断面CDで見ると、フックを有するウェブ5の形態の補強材の端縁または端点Pd6は弾性フィルム4に直接(糊などを除いて)整列して位置し、一方、フックを有するウェブ5の形態の補強材の縁端または端点Pd6は、弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、フックを有するウェブ5の形態の補強材は、弾性フィルム4の左端点Pg4に重なり、(糊などを除いて)直接接触している。
【0262】
断面CDで見ると、フックを有する不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pg6は弾性フィルム3と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性が最大の区画の端縁または端点Pd6は弾性フィルム3と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出しており)、特に、弾性フィルム3から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は弾性フィルム3の右端点Pd3に重なる。
【0263】
断面CDで見ると、不織布材8の剛性がより高い区画の端縁または端点Pd6は弾性フィルム4と垂直方向に整列して位置し、一方、剛性が最大の区画の端縁または端点Pg6は弾性フィルム4と垂直方向に整列しておらず(または上記フィルムの上に張り出し)、特に弾性フィルム4から横方向に離れた位置にある点と垂直方向に整列している。したがって、不織布材8の剛性がより高い区画は弾性フィルム4の左端点Pg4と重なる。
【0264】
それに対して、この図の実施形態で、フックを有する中央領域9は2つの弾性フィルム3および4のいずれの点または縁にも重ならず、左右の2つの弾性フィルム3と4の間に延びる区画と全体が整列したままである。しかし、これより広範囲に延びる、具体的にはストリップ5全体にわたって延びるフックを設けることも可能である。
【0265】
図30に、不織布の下層のために、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの非弾性熱可塑性プラスチック材料からなる剛性を増す補強ストリップ32の形態の補強材が、補強された区画30の代わりに設けられ、上記補強ストリップが例えば糊の層を用いて、または溶着により、具体的には超音波溶着、熱溶着などによって、下層1’’の上面に貼り付けられている点を除き、図27の実施形態とほぼ同じ実施形態を示す。したがって、不織布の上層2は全幅CDにわたって一定した剛性を有し、一方、不織布の層1’’は、一方でラミネートのそれぞれ左縁または右縁から補強ストリップ32のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する左右の2つの第1の区画を含み、他方では補強ストリップに対応し、剛性がより高い第2の区画を含む。
【0266】
この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画は、補強ストリップ32と、補強ストリップ32がその領域に貼り付けられている不織布の下層1’’の領域と、フックを有するウェブ5によって覆われた不織布の上層2の部分と、フックを有するウェブと、ストリップ5の下に延びる下層1’’の残りの部分と、補強ストリップ32の上方に延びる上層2の残りの部分と、接着剤または糊の介在層とによって形成される。剛性がより高いこの区画は弾性フィルム3の側部端点に重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には、剛性がより高い区画は重ならない。
【0267】
図の断面CDにおいて、フックを有するウェブ5はそれぞれ左Pg5と右Pd5の2つの側部端点の間に延び、補強ストリップ32は、補強材が図の断面CDにおいてそれぞれ左Pg32と右Pd32の2つの側部端点の間に延びるように、それぞれ左Pg32と右Pd5の2つの側部端点の間に延びている。補強材の2つの側部端点(Pg32、Pd5)の一方(Pg32)は、弾性フィルム3の点と垂直方向に整列して位置する。補強材の他方の側部端点Pd5は、弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない(または弾性フィルムの上に張り出している)。また、ウェブ5の2つの側部端点Pg5、Pd5のうちの一方(Pg5)は、補強ストリップ32の点と垂直方向に整列して位置し、一方、他方の点Pd5は補強ストリップ32の点と垂直方向に整列していない。図30のこの実施形態では、フックを有するウェブ5は弾性フィルムの上方に位置するが、フックを有するウェブ5のいずれの点も弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない。
【0268】
図31に、不織布の下層のために、図30の補強ストリップ32と同じである補強ストリップ33の形態の補強材が、補強された区間30の代わりに設けられ、この補強ストリップが例えば糊の層によって、または溶着、特に超音波溶着、熱溶着などによって、不織布の上層2’’の下面に貼り付けられている点を除き、図26の実施形態と同じ一実施形態を示す。したがって、不織布の下層1は全幅CDにわたって一定した剛性を有し、一方、不織布の上層2’’は、一方ではそれぞれラミネートの左縁または右縁から補強ストリップ33のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する2つの第1の左右の区画を含み、他方では補強ストリップ33に対応し、剛性がより高い第2の区画を含む。
【0269】
この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画は、フックを有するウェブ5と、補強ストリップ33と、補強ストリップ33とフックを有するウェブ5とによって補強された不織布の上層2’’の部分と、補強ストリップ33とストリップ5との下に延びる下層1の部分と、接着剤または糊の介在層とによって形成される。剛性がより高いこの区画は弾性フィルム3の側部端点と重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には剛性がより高い区画が重ならない。
【0270】
図の断面CDにおいて、フックを有するウェブ5はそれぞれ左Pg5と右Pd5の2つの側部端点の間に延び、補強ストリップ33は、補強材が図の断面CDにおいてそれぞれ左Pg33と右Pd5の2つの側部端点の間に延びるように、それぞれ左Pg33と右Pd33の2つの側部端点の間に延びている。補強材の2つの側部端点(Pg33、Pd5)のうちの一方(Pg33)は、弾性フィルム3の点と垂直方向に整列して位置する。補強材の他方の側部端点Pd5は、弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない(または弾性フィルムの上に張り出している)。
【0271】
図31のこの実施形態では、フックを有するウェブ5は弾性フィルムの上方に位置するが、フックを有するウェブ5のいずれの点も弾性フィルムの点と垂直方向に整列していない。
【0272】
図32に、唯一の相違が、例えば糊の層による、または溶着、具体的には超音波溶着、熱溶着などによる、貼り付けを用いた下層1’’’の剛性を増すための図30および図31の補強ストリップ32および33と同じ補強ストリップ34の形態の補強材の追加である、図26の実施形態とほぼ同じ実施形態を示す。したがって、不織布の上層2’は、一方では、ラミネートのそれぞれ左縁または右縁から補強された領域31のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する2つの第1の左右の区画を含み、他方では、補強された領域31に対応し、剛性がより高い第2の区画を含み、一方、不織布の下層1’’’が、一方では、ラミネートのそれぞれ左縁または右縁から補強ストリップ34のそれぞれ左縁または右縁の位置まで延びる第1の最低剛性を有する2つの第1の左右の区画を含み、他方では補強帯34に対応し、剛性がより高い第2の区画を含む。
【0273】
この実施形態では、フックを有する不織布材の剛性がより高い区画は、フックを有するウェブ5と、上層2’の補強された区画31と、補強ストリップ34と、その領域に補強ストリップ34が貼り付けられた不織布の下層1’’’の領域と、フックを有するウェブ5によって覆われた不織布の上層2’の部分と、ストリップ5の下と補強された区画31の下とに延びる下層1’’’の残りの部分と、補強ストリップ34の上方に延びる上層2’の残りの部分と、さらに接着剤または糊の介在層とによって形成される。剛性がより高いこの区画は、弾性フィルム3の側部端点に重なり、一方、弾性フィルムの他方の側部端点には剛性がより高い区画が重ならない。この実施形態では、2つの補強材、すなわち補強された区画31と補強ストリップ34とが設けられる。
【0274】
本出願の断面CDで見たすべての図面に共通する方式で、重なり区画を画定する垂直区分がこれらのすべての図面に示されている。
【0275】
本出願では、ウェブ、ラミネート、不織布の層などの要素の区画または領域の剛性は、例えば以下で説明するプロセスを用いて測定可能である。
【0276】
剛性は、コンピュータ・インターフェースを含み、10N充電池を備えた引張試験機の一定した伸長率を使用して伸長下で測定することができる(適切な計器は、米国ミネソタ州エデンプレイリーのMTS Systems Corp社から入手可能なTestWorks4ソフトウェアを備えたMTSアライアンスである)。試験は、23°C+/-2°Cと約50%から+/-2%の相対湿度で行われる。
【0277】
試験機は、間に間隙を画定する例えばステンレス鋼製の2つの側方締め付けジョーと、間隙の上方のジョーの間の中央に配置されたアルミニウムなどの「軽量」金属製のプランジ・ブレードとを含む。サンプルは、剛性を測定したいサンプルの1点がプランジ・ブレードの厳密に下に位置するようにして、中央の1点の剛性を調べたい領域の2つの端部がそれぞれジョーの一方において締め付けられるように配置される。
【0278】
幅が13mmで長さが25.4mmのサンプルが切り出される。要素がこのサイズのサンプルに十分な材料を有していない場合、利用可能な寸法を使用して同じ寸法のサンプルの剛性を比較する。プランジ・ブレードを25mmの垂直距離にわたって500mm/分の一定した速度で下げ、取得周波数を200Hzに調整される。
【0279】
ソフトウェアは、最大ピーク曲げ力と、力(N)を伸長(m)の関数として与える合成曲線の剛性(N/m)とを計算するようにプログラムされる。剛性は、勾配を計算するために総ピーク曲げ力の少なくとも25%の最小線分を使用して、曲線の線形領域の曲げ/伸長による曲線の勾配として計算される。要素の幅が13mmでない場合、実際の幅を13mmに標準化し、対応する剛性とピーク曲げ力とが三数法により計算される。
【0280】
それぞれが実施形態を他の実施形態から区別する特徴を含むいくつかの実施形態について図面で説明した。当然ながら、本発明の他の実施形態を実装するために、これらの特徴は互いに組み合わせることも可能である。特に、本発明の新たな実施形態を実現するために、耳を1つだけ設けるかまたはまったく設けないこと、2つの弾性フィルムを設けること、フックを有するウェブをフックを有する島の形態で設けること、全幅にわたって延びる弾性フィルムを設けることなどの特徴を、これらの特徴を記載していない他の実施形態と組み合わせてもよい。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【国際調査報告】