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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】断熱材を備える臨床衣
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/00 20060101AFI20220829BHJP
   A61F 7/08 20060101ALI20220829BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A61F7/00 320B
A61F7/08 313
A41D13/005 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576795
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 IB2020056077
(87)【国際公開番号】W WO2020261211
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/866,688
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】マクグレゴール,アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スターク,ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ツィエレン,ジェイムズ エー.
(72)【発明者】
【氏名】リンズセイ,ジェナ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ドラン,ダニエル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ルエ,アマンダ エム.
(72)【発明者】
【氏名】スタナウェイ,ベンジャミン シー.
【テーマコード(参考)】
3B011
4C099
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB08
3B011AC01
3B011AC08
3B011AC14
3B011AC21
3B011AC22
4C099AA01
4C099CA11
4C099EA02
4C099LA07
4C099LA13
4C099LA23
4C099NA05
4C099PA01
(57)【要約】
本開示の態様は、加温装置、システム、及び使用方法に関し得る。加温装置は、患者の一部分を覆うように適合された本体部分と、患者に面するように構成された内面と、内面とは反対側を向いた外面とを備える、臨床衣を備え得る。本体部分は、患者の腕を受け入れるようにサイズ設定され、かつ配置されたスリーブを備え得る。加えて、臨床衣は、臨床衣上に配置された断熱縁部を備える断熱層を備え得る。断熱縁部は、加温装置を非リンティングであるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加温装置であって、
患者の一部分を覆うように適合された本体部分と、前記患者に面するように構成された内面と、前記内面とは反対側を向いた外面とを備える、臨床衣であって、前記本体部分が、前記患者の腕を受け入れるようにサイズ設定され、かつ配置されたスリーブを備える、臨床衣と、
前記臨床衣上に配置された断熱縁部を備える断熱層であって、前記断熱縁部が、前記加温装置を非リンティングであるように構成されている、断熱層と、
を備える、加温装置。
【請求項2】
前記断熱縁部がカバー要素によって覆われ、前記断熱層が、断熱周辺部を有し、かつ前記カバー要素と前記臨床衣との間に挟まれている、請求項1に記載の加温装置。
【請求項3】
前記カバー要素と前記臨床衣とが、前記臨床衣の外周部に隣接して一緒にシールされて、シール部分を形成し、前記断熱縁部が前記シール部分に接触していない、請求項2に記載の加温装置。
【請求項4】
前記断熱縁部が、ヒートシーリング、コーティング、テーピング、又はこれらの組み合わせによって処理されている、請求項1に記載の加温装置。
【請求項5】
前記断熱層が、0.5R~3R(両端の値を含む)のR値を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項6】
前記臨床衣が、前記本体部分と前記スリーブとを含む第1の衣類表面積を有し、前記断熱層が第2の表面積を有し、前記第2の表面積が前記第1の衣類表面積の少なくとも15%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項7】
前記断熱層が、20g/m~210g/mの坪量及び0.1cm~2.1cmの厚さを有する不織布を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項8】
前記断熱層が、平均直径20ミクロン未満の繊維を含む合成繊維断熱材であり、前記合成繊維断熱材が、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、又はポリイミド繊維を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項9】
前記カバー要素が、前記内面に隣接して配置された第1の空気式対流装置であり、前記臨床衣が、加圧され、加温された空気の流れを前記空気式対流装置内に入れるための、前記臨床衣に形成された開口部を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項10】
前記第1の空気式対流装置が、
空気式装置周辺部を有する空気透過性の材料シートを備える第1の層であって、空洞が、前記第1の層と前記臨床衣の前記内面との間に形成され、前記第1の層が、患者に面する表面と空洞に面する表面とを有し、前記第1の層が、前記臨床衣の前記内面のすべてよりも小さい状態で前記空気式装置周辺部に隣接して膨張可能な周辺シール部を形成して、前記第1の空気式対流装置を形成し、前記断熱層が、前記空洞に面する表面と前記臨床衣の前記内面との間に配置されている、第1の層
を備える、請求項9に記載の加温装置。
【請求項11】
前記断熱層が、断熱周辺部を有し、前記断熱周辺部が、前記膨張可能な周辺シール部を越えて延びておらず、かつ前記膨張可能な周辺シール部と結合していない、請求項10に記載の加温装置。
【請求項12】
前記第1の空気式対流装置が、
空気膜構造を形成するために、前記空気式装置周辺部の周囲に膨張可能な周辺シール部によって前記第1の層を接合する、空洞に面する表面と外面とを有する第2の層であって、前記第2の層が空気不透過性であり、前記第1の層が空気透過性である、第2の層
を更に備える、請求項9に記載の加温装置。
【請求項13】
前記断熱層が、前記第2の層の前記外面に接触し、前記断熱層が、前記第2の層と前記内面との間に配置されている、請求項12に記載の加温装置。
【請求項14】
前記断熱層が、前記臨床衣の前記内面に取り付けられている、請求項13に記載の加温装置。
【請求項15】
前記本体部分が、襟開口部及び裾と、前記襟開口部から前記裾まで延びる後部スリットと、前記後部スリットの対向する側部を着脱可能に取り付けるための、前記後部スリットの近くの締結装置とを更に備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項16】
前記スリーブのうちの一方が、スリットと、前記スリットの対向する側部を着脱可能に取り付けるように構成された締結装置とを有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項17】
前記臨床衣が、前記臨床衣上に配置された反射層を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の加温装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の加温装置と、
加温ユニットと、
前記空気式対流装置の入口と嵌合するように構成されたホース端部と、
患者であって、前記加温装置が、臨床環境において前記患者によって着用されるように構成されている、患者と、
を含むシステム。
【請求項19】
請求項18に記載の加温システムを前記患者に提供することと、
前記患者が、手術前期間中に麻酔前2時間以内かつ第1の場所において、第1の構成で前記加温装置を着用することを可能にすることと、
前記患者が第2の場所において麻酔を受ける少なくとも5分前に、前記加温装置を第2の構成に変更することと、
手術期間中に空気式対流装置を介して前記患者に熱を加えることと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記加温装置の前記第1の構成が、前記締結装置が固定された状態で前記患者によって着用されることであり、
前記加温装置の前記第2の構成が、取り外し可能に取り付けられた空気式対流装置が前記加温装置から取り外され、前記患者上に配備されることである、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
熱的に調整された空気と身体との間で熱を伝達する空気式装置が知られている。例えば、加圧及び加温された空気の流れを受け入れ、加圧された空気に応じて膨張し、加温された空気を空気膜構造内に分配し、加温された空気を身体上に放出して、快適性の向上、震えの低減、及び低体温の治療又は予防などの目的を達成する膨張式空気式装置が存在する。これらの膨張式装置は、典型的には、「ブランケット」又は「カバー」として特徴付けられる。3Mは、このような装置をベアーハガー(BAIR HUGGER)の商品名で製造及び販売している。このような装置の1つは、モデル622ブランケットである。
【0002】
膨張式空気式加温ブランケット又はカバー装置は、特に仰臥位の人に使用されるように適合されており、典型的には、ベッド、担架、又は手術台上に横たわる人の上に直接置いて、該人のある部分に掛ける又は該部分を覆うように配備される。これらの装置は、仰臥位の人を覆う、又は仰臥位の人の周囲若しくは上に掛けるように設計されているため、これらの装置は、起立している、座っている、寄りかかっている、又は動いている人上に配備するのが容易又は簡単ではない。特に、膨張式ブランケットは、患者を加温することが望ましく患者が動きまわることができる又は様々な姿勢間で動くことができることが必要である臨床環境において好適でない。加えて、患者の加温が望ましい様々な臨床環境があり、各環境は、患者の構造への固有のアクセスを必要とし、該固有のアクセスは、膨張式ブランケットによって提供されないことがある。例えば、一次麻酔回復室(primary anesthesia care unit、PACU)における患者の検査又は治療は、患者の胸部領域にあるラインへのアクセス、腕におけるIVの設定、背部及び/若しくは側部に聴診器を当てること、又は血圧測定用カフを取り付けることを必要とする。更に、診療所、介護施設、ホスピスケア、又は病院における患者の動きやすさは、非常に望ましいが、膨張式ブランケットの使用により著しく制限される。例えば、患者を車椅子でX線又はMRIの場所に輸送することは、膨張式ブランケットにより問題になり得る。
【0003】
また、空気式対流装置を備えるガウンが知られており、周術期環境において患者の加温を提供する。例えば、対流式ガウンは、手術前の環境において、すなわち、手術前、かつ典型的には、手術室とは異なる部屋で待っている間に、快適性のための加温として使用され得る。このようなガウンは、麻酔に関連する低体温の防止において有用であり得る予加温のために必ずしも設計されていない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、加温装置、システム、及び使用方法に関し得る。加温装置は、患者の一部分を覆うように適合された本体部分と、患者に面するように構成された内面と、内面とは反対側を向いた外面とを備える、臨床衣を備え得る。本体部分は、患者の腕を受け入れるようにサイズ設定され、かつ配置されたスリーブを備え得る。加えて、臨床衣は、臨床衣上に配置された断熱縁部を備える断熱層を備え得る。断熱縁部は、加温装置を非リンティングであるように構成されている。
【0005】
従来のガウン、特に単回使用又は使い捨てガウンは、一般に断熱性ではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
任意の特定の要素又は作用の考察を容易に認識するために、参照番号の最上位桁(単数又は複数)は、その要素が最初に導入されている図番号を指す。
【0007】
図1A】一実施形態による、臨床衣と組み合わされた空気式対流装置を示す。
図1B】一実施形態による、臨床衣と組み合わされた空気式対流装置を示す。
【0008】
図2】一実施形態による、加温装置上の断熱層の上面図を示す。
【0009】
図3】一実施形態による加温装置の断面図を示す。
【0010】
図4】一実施形態による加温装置を示す。
【0011】
図5】一実施形態による加温装置の断面図を示す。
【0012】
図6A】一実施形態による加温装置600を示す。
図6B】一実施形態による加温装置600を示す。
【0013】
図7】一実施形態による、加温システムにおける組み合わせの係合を示す斜視図である。
【0014】
図8】一実施形態による加温装置800を示す。
【0015】
図9】一実施形態による領域900を示す。
【0016】
図10】一実施形態による領域1000を示す。
【0017】
図11】一実施形態によるルーチンを示す。
【0018】
図12】一実施形態による、加温装置上の断熱層の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
「臨床衣」とは、治療を待っている又は受けている間に、臨床環境において、人に一時的に着用させるために典型的に使用される衣類を指す。臨床衣は、病院用のガウン、ローブ、胸当て、及び他の同等物を含む。臨床環境は、医院若しくは診療所、歯科医院若しくは診療所、動物医院若しくは診療所、病院、又は患者に治療を提供する任意の施設若しくは機関であり得る。
【0020】
「裾」とは、衣類の下縁部の高さを指す。
【0021】
「対流」とは、熱伝達のモードを指し、熱は、対流の程ではないが、伝導及び放射によって本発明による装置と身体との間で同時に伝達され得ることを理解されたい。
【0022】
本開示の態様は、臨床衣を備える加温装置に関し、臨床衣上には、断熱層が、断熱層の縁部が露出しないように配置されている。本開示の追加的な態様は、加温装置内に配置された空気式対流装置に関する。
【0023】
空気式対流装置は、ヒト、動物、患者、臨床医、施術者、観察者などと共に使用するために配備され得る。
【0024】
空気式対流装置は、身体のコア上に、又はこれに隣接して、又はこの隣に配置される構造において、加圧され熱的に調整された空気の少なくとも1つの流れを受け入れ分配するための空気式部分を有する。
【0025】
以下に例示及び考察されている本発明の実施形態は、膨張式である。つまり、それらの構造は、使用されていないときゆるみ、加圧された空気の流れを受け入れたときひきしまる。図面は、膨張状態及び非膨張状態の両方でこれらの構造を示すが、これらの実施形態の膨張は本発明の実施に必要でないことが理解されよう。実際に、実施形態を考慮すると明らかになるように、膨張能力自体は本発明の実施に必要でない。
【0026】
いくつかの実施形態では、臨床衣は、空気式対流装置と共に使用するために特別に設計され得る。これらの特別に設計された臨床衣は、従来の臨床衣と同じように機能するが(すなわち、治療を待っている又は受けている間に臨床環境において患者に一時的に着用させる)、空気式対流装置用の取り付けシステム、並びに空気式対流装置へアクセスするためのスリット、及び開口部などを組み込むことを含み得る。他の実施形態では、空気式対流装置は、臨床衣の一体的な部分である。
【0027】
図1A及び図1Bは、断熱層102を有する加温装置100の一実施形態を示す。断熱層102は、断熱層102を配置するように構成され得るカバー要素110で少なくとも部分的に覆われ得る。カバー要素110は、空気透過性又は不透過性材料の単一層であることができるが、カバー要素110はまた、多層構造を有する空気式対流装置110であることができる。空気式対流装置110は、臨床衣112上に取り付けられてもよく、又は臨床衣112上に受け入れられてもよい。少なくとも1つの実施形態では、臨床衣112は病院用のガウンである。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、2つの略矩形の材料シート114及びシート116を備え、シート114及びシート116は、それらの周囲118において連続的に一緒にシールされており、それらの周囲内の複数の位置120において断続的にシールされている。図示のように、シート114及びシート116は、同じ略四辺形の形状を有し、1つの縁部に沿って任意選択のU字形の窪み122を有する。他の実施形態では、空気式対流装置110は、図4に示すように、臨床衣112自体に結合されている単一の材料シートであり得る。
【0029】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの開口部128(2つの開口部が図示されている)が、シート116を通って設けられており、入口ポート127を有する四辺形のホースカード126は、開口部128の上でシート116に装着されており、入口ポート127は孔128と整列する。少なくとも1つの開口部128は、シート114とシート116との間の空洞/空間と連通して設けられている。
【0030】
入口ポート127はエアホースの端部を受け入れることができ、加圧され熱的に処理された空気の流れは、エアホースの端部から開口部128を通ってシート114とシート116との間の空間内に流れる。シート114及びシート116のうちの少なくとも一方が空気に対して透過性がある。この例では、シート114のみが空気透過性であるが、これにより本発明の範囲をこのように限定することは意図されていない。シート114の透過性は、シート114が形成されている材料の特性によってもたらされてもよく、代替的に、孔又はアパーチャ132が、シート114及びシート116を接合するプロセス中にシート114に形成されてもよい。又は、シート114の透過性は、シート114を形成する材料の特性及び形成されたアパーチャからもたらされ得る。
【0031】
このように構成されたシート114及びシート116は、加圧された空気を空気膜構造内に受け入れ分配するために、空気膜構造をシート114とシート116との間に形成する。装置の少なくとも1つの透過性部材(例えば、シート114)は、加圧された空気を装置から放出するために、空気膜構造と協働する。この点に関して、エアホースの1つの端部は、入口ポート127を介して受け入れられ得る。加圧され熱的に調整された空気の流れは、エアホースを介して導入され、シート114とシート116との間の空間を充填し、空間全体にわたって分配される。加圧された空気は、空気透過性のシート114を介して空気膜構造から放出され、放出された空気の動きは、空気膜構造に隣接する、又はこれの隣にある、又はこの近くにあり透過性シート114に面する身体との熱伝達をサポートする。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、臨床衣112は、綿などの織布、又はスパンボンドメルトブローンスパンボンド材料(spunbond-meltblown-spunbond、SMS)などの不織布から作られ得、臨床衣112の内面152の一部分とラミネートシートの任意選択の押出成形層との間のシールが、糊付けプロセス、加熱プロセス、又は超音波プロセスによって形成され得る。不織布材料の例としては、ポリエステル、綿、レーヨン、ポリプロピレン、及び木材パルプのうちの任意の1つ以上が挙げられる。押出成形合成材料の例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、及びポリウレタンが挙げられる。少なくとも1つの実施形態では、臨床衣は、臨床衣の一部分を空気不透過性とする材料で処理され得る。少なくとも1つの実施形態では、臨床衣112は、臨床衣112が医療廃棄物として廃棄される前に患者によって単回使用されるように構成された使い捨てガウンである。
【0033】
図1A及び図1Bに示すような空気式対流装置110が臨床衣112に取り付けられ得る取り付け材料及び取り付け機構の例としては、両面接着剤、面ファスナ、縫い付け、スナップ、熱、超音波、リベット、及びこれらの任意の又はすべての同等物が挙げられる。
【0034】
図1Bに示すように、空気式対流装置110は、臨床衣112に装着される、又はこの上に受け入れられる、又はこれによって支持される、又は別の方法でこれと組み合わされるように適合されている。この実施形態では、臨床衣112自体が、フラップ144を有する開口部142を有し、装置110の入口ポート127は開口部142を介してアクセスされる。
【0035】
空気式対流装置110を臨床衣112に取り付けるために、両面接着ストリップ150は、シート116と臨床衣112の内面152との間に配置され得る。表面152とのシート116の接着は、装置110が、臨床衣112に装着される、又はこれによって支持される、又は別の方法でこれと組み合わされることを可能にし、U字形の窪み122は、ユーザの首を受け入れる、臨床衣112の襟開口部154の縁部に隣接し、シート116は内面152に面し、透過性シート114は臨床衣112の着用者に面する。本発明の実施において、U字形の窪み122は任意選択であり、本発明を実施するのに必要とされない。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、臨床衣112に取り外し可能に取り付けられ得る。例えば、空気式対流装置110は、臨床衣に取り付けられる取り外し可能な接着剤(例えば、150)のストリップを有し得る。別の例では、空気式対流装置110は、ユーザがミシン目に沿ってきれいに引き裂いて空気式対流装置110を取り外すことができるように、恒久的接着剤に近接するミシン目を備え得る。別の例では、空気式対流装置110は、面ファスナを備え得る。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、ベアーハガーの商品名でモデル622として市販されている上半身用ブランケットなどの別個の強制空気加温ブランケットであり得る。
【0038】
臨床衣112は、襟開口部154から裾155まで延びるスリット170を有する。少なくとも1つの実施形態では、襟開口部154から裾155までの距離は、少なくとも24インチ、少なくとも30インチ、又は少なくとも36インチであり得る。
【0039】
臨床衣112を患者に取り付けるために、締結装置が設けられており、締結装置は、臨床衣112を患者に固定することを容易にするために、かつ様々な異なるサイズの着用者に適合するように臨床衣のサイズを調節することを容易にするために設けられている。締結装置は、取り外し可能であり得る、又は固定され得る。例えば、取り外し可能な締結装置/締結具では、図1Aは、スナップボタン171a、171b又は面ファスナを使用する1つの方法を示し、スナップボタン171a、171b又は面ファスナは、スリットの対向する側部170a、170bに沿って配置されており、側部170a、170bは、臨床衣を患者に保持するために一緒にされ締結され得る。図示されている別の取り付け方法は、複数の紐172であり、複数の紐172は、スリットの対向する側部170a、170bに沿って配置されており、側部170a、170bは、臨床衣を患者に保持するために一緒に結ばれ得る。他の取り外し可能な締結装置は、スナップ、再配置可能な接着剤、面ファスナ要素、スナップ、及びこれらのすべての同等物を含む。固定された締結装置は、一緒に結合されている下側の材料よりも強力であってもよい。例えば、固定された締結装置は、超音波若しくは熱溶接、両面接着剤、又はリベットを備え得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、臨床衣は、患者の腕を受け入れるようにサイズ設定され、かつ配置されたスリーブを備え得る。好適なスリーブの2つの例が図示されている。図1A及び図1Bでは、スリーブ部分175は、肩部又は頂部177上の長さ全体に延びるスリット176を有する。これは、患者の上半身へのアクセスを可能にし、締結装置を使用して調節可能なスリット176の開閉を可能にする。図1Aに示す設計はまた、一体的な臨床衣112の製造を容易にする。
【0041】
加温装置100は、臨床衣112上に配置された断熱層102を有し得る。断熱層102は、特定の熱(例えば、断熱特性)を有する材料の層であり得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、臨床衣112の内面又は外面のいずれかの上に配置され得る。図1A及び図1Bに示すように、断熱層102は、臨床衣112と空気式対流装置110との間に配置され得る。例えば、断熱層102は、シート116と臨床衣112との間に挟まれ得る。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、開口部144及び/又は入口ポート126を塞がないように寸法設定され得る。例えば、断熱層102は、開口部144が配置されている切り欠きを有し得る。例えば、断熱層102は、矩形形状を有し得、空気式対流装置110よりもわずかに小さく、断熱層102はまた、U字形の窪みを備え得る。例えば、空気式対流装置110の空気式装置周辺部又は領域は、断熱層102の断熱周辺部106(又は断熱周辺部106によって画定される領域)よりも大きくてもよい。
【0043】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、空気式対流装置110によって覆われ得る。空気式対流装置110はまた、断熱層102、特に断熱縁部104を封入し得る。例えば、空気式対流装置110は、断熱層102に対して大きいサイズを有してもよい。
【0044】
断熱縁部104を処理することにより、リンティングが低減され得ることが有利に見出された。例えば、断熱縁部104は、断熱層102の縁面であり得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱縁部104は、空気式対流装置110、臨床衣112、又はこれらの部分の境界においてシールされ得る、又は封入され得る。例えば、断熱縁部104は、臨床医又は患者には見えない。断熱縁部104はまた、縁部のリンティングを防止するための様々な技法を使用してシールされ得る。例えば、断熱縁部104には、フレームラミネート加工、コーティング、加熱、焼結、縫い付け、テーピング、又はこれらの組み合わせが行われ得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱縁部104とは、断熱層102の一部分又は更には周辺部全体を指し得る。例えば、断熱縁部104は、断熱層102の片側又は両側でテーピングされ得る。単一のテープ片は、断熱層102の第1の表面上で始まり得、断熱層の側縁部を覆い得、断熱層の第2の表面上で終わり得る。少なくとも1つの実施形態では、処理は、断熱縁部から少なくとも8分の1インチ、少なくとも2分の1インチ延び得る。処理はまた、断熱縁部から2インチ以下であり得る。少なくとも処理され得る
【0045】
少なくとも1つの実施形態では、断熱縁部104は、リンティングを低減するように構成され得る。リンティングとは、断熱層102からの材料の放出を指し得る。リンティングは、空気の1立方フィート当たりの布地から振り落とされた浮遊微粒子を測定するために、ゲルボフレックスリンティング試験を使用して測定され得る。リンティング試験の標準プロトコルは、ASTM 160.1である。粒子は、典型的には、0.5ミクロン以上のサイズから測定される。本明細書での定義では、非リンティングとは、一般に、処理された断熱縁部104を備える加温装置100が、20,000未満、10,000未満、5,000未満、2,500未満、1,000未満、又は500未満のゲルボフレックス粒子計数を有することを指し得る。
【0046】
少なくとも1つの実施形態では、試験の規格は、ISO 9073-10(2003)であり得る。この試験規格下では、非リンティングとはまた、加温装置100についてのリンティングの係数が、4.5以下、又は4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下、4以下、3.9以下、3.8以下、3.7以下、3.6以下、又は3.5以下であることを指し得る。
【0047】
少なくとも1つの実施形態では、固定された締結具などの締結装置は、断熱層102を臨床衣112に取り付けることを容易にし得る。少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、空気式装置周辺部108に沿って臨床衣112に恒久的に締結されて、断熱縁部104が空洞内に完全に包み込まれるように空洞を形成し得る。
【0048】
断熱層102は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリル、アクリル共重合体、ポリスチレン、レーヨン、アセテート、及びポリスルフォンなどのポリマーから作られた発泡体、不織布、及び織布材料を含むが、これらに限定されない、多くの適切な材料又は材料の組み合わせから形成され得る。好ましい実施形態では、断熱層12は、米国特許第4,118,531号(Hauser)に記載されているような、かつ3M(St.Paul,Minn.)から商品名シンサレート(THINSULATE)で市販されている、ポリプロピレン及びポリエステルから作られたマイクロファイバベースのウェブを含む。断熱層102として使用するのに好適な材料のいくつかの例は、20g/m~70g/mのシンサレートCタイプ、60g/m~80g/mのシンサレートGタイプ、65g/mのナイロン織布、又は182g/mの綿ブランケットである。
【0049】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、不織布材料を含むために1つ以上の布地スクリムを含み得る。表面積断熱縁部104は、断熱層102の厚さによって定義され得る。例えば、断熱層102は、ASTM D 5736を使用して0.002psiにおいて測定されたとき、4cm以下、3cm以下、2cm以下、又は1cm以下の厚さを有し得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、患者の熱的快適性と予加温の効果とを両立させるために、30g/m~700g/m、より好ましくは40g/m~100g/mの坪量を有し得る。
【0050】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、少なくとも0.3、より好ましくは0.5、より好ましくは1.0、又は更により好ましくは1.5の耐熱性値(クロー値)を有する。クロー単位は、ASTM F 1868、発汗ホットプレートを使用した衣類材料の耐熱性及び耐蒸発性の標準試験方法、パートC(Standard Test Method for Thermal and Evaporative Resistance of Cloing Materials Using a Sweating Hot Plate,Part C)(2017)において規定されている試験方法を使用して、70°F(21℃)の室温において、休んでいる被験者が快適であるために必要とされる衣類の量として定義される。本明細書で説明されているように、断熱層902は、少なくとも0.5R、少なくとも0.6R、少なくとも0.75R、又は少なくとも1R、又は少なくとも1.5RのR値を有し得る。
【0051】
任意選択的に、臨床衣112は、外面又は内面上に追加のバリア層を備え得る。バリア層は、空気不透過性層を形成する任意の好適な材料から作られ得る。好適な材料は、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレートなど)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えば、テフロン)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、クロロトリフルオロエチレン(ACLAR)、ポリフッ化ビニリデン、及びテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン(Dyneon Company製のTHVフルオロ熱可塑性プラスチック)のコポリマーなどの部分フッ素化モノマーとのペルフルオロモノマーのコポリマーなどのフッ素化層、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC、例えば、SARAN HB)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、及びポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの組み合わせ)を含む。アルミニウム箔、金属化紙、又は金属化ポリエステルなどの金属箔フィルムラミネートバリア層がまた、臨床衣の内面152又は外面上に使用され得る。
【0052】
図12は、断熱層102の別の実施形態を示す。ここで、断熱層102は、除去された一部分を有し得、該除去された一部分から開口部1204を形成して、フラップ144を露出させる。断熱層102の開口部1204は、フラップ144の外形に沿う内側周辺部1208を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、周辺部1208の少なくとも一部分は、臨床衣112に固定され得る。例えば、接着テープ1210は、リンティングを低減し安全性を提供するために、内部周辺部1208において断熱縁部1212に沿って配置され得る。更に、空気式対流装置110の入口(図示せず)は、フラップ144及び断熱層102の開口部1204を介してアクセス可能であり得る。
【0053】
図2は、臨床衣112上に配置された加温装置100及び空気式対流装置110の上面図を示す。臨床衣は、空気式装置周辺部108に近接する対向する締結装置202及び対向する締結装置204を備え得る。締結装置は、空気式対流装置110を臨床衣112に(取り外し可能に又は固定的に)取り付けることができ、断熱層102を固定することができる。少なくとも1つの実施形態では、締結装置は、隣接する締結装置間に(例えば、締結装置204と締結装置202との間に間隙が存在するように配置され得る。他の実施形態では、締結装置202及び締結装置204は、互いに接続され得、空気式装置周辺部108に沿って連続し得る。少なくとも1つの実施形態では、締結装置は、空気式装置周辺部108から2インチ以下の間隔で配置され得る。少なくとも1つの実施形態では、締結装置202及び締結装置204は、断熱周辺部106と空気式装置周辺部108との間に配置され得る。少なくとも1つの実施形態では、複数の締結装置が、空気式対流装置110及び臨床衣112全体にわたって分配され得る。例えば、締結装置は、臨床衣、断熱層102、及び空気式対流装置110を結合し得る。
【0054】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、臨床衣112(例えば、スリーブを除く)の本体部分の表面積の少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、又は少なくとも80パーセントである表面積を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層102は、スリーブを含む臨床衣112の表面積の少なくとも15パーセント、又は少なくとも30パーセントである表面積を有し得る。
【0055】
少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、臨床衣の表面積の少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、又は少なくとも60パーセントである表面積を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置110は、断熱層102の表面積よりも大きい表面積を有し得る。
【0056】
図3は加温装置100の側面図を示す。シート114及びシート116は、押出成形合成材料の層(114a、116a)が不織布材料の層(114b、116b)で裏打ちされている同一のラミネート構造を有し得る。ラミネート構造が選択される場合、孔又はアパーチャ132は、シート114の両方の層114a、114bを通って形成されている。図示のように、シート114及びシート116は、押出成形層(114a及び116a)が面するように向けられており、シール部118、120は、接着プロセスによって、又は不織布材料の層のうちの1つを介して作用する加熱若しくは超音波プロセスによって形成されている。
【0057】
図4は、加温装置400の一実施形態を示す。加温装置400では、空気式対流装置402はシート404のみを備える。この変形形態では、内面152の一部分が、空気式対流装置402の構造内に組み込まれており、図1図3のようにシート116の役割を果たす。その他の点では、空気式対流装置402の構造及び動作は、既に説明されているとおりである。例えば、シート404は、U字形の窪み408がシート404内に形成されていることを除いて、略矩形であり得る。シート404は、空気式装置周辺部414を有することができ、空気式装置周辺部414に隣接して内面152に固定的に取り付けられ得、気密シールを形成する。本明細書で使用される場合、隣接するとは、2インチ以内、又は4インチ以内を意味し得る。追加のシール部410及び孔又はアパーチャ412が存在し得る。シール部410は、シート404及び内面152などの2つのポリマー層の間の超音波溶接又はヒートシールなどの固定された締結具であり得る。シール部410は、空洞が加温された空気で膨張したときの風船のような膨張(ballooning)を防止するために、シート404の部分を固定することができる。シール部410は、断熱層406を貫通し、断熱層406の移動を防止し得る。
【0058】
少なくとも1つの実施形態では、締結装置は、空気式装置周辺部414の2インチ以内にあり得、内面152と気密シール部分を形成し得る。少なくとも1つの実施形態では、臨床衣112は、空気が内面152を通り抜けるのを防止するために、シート404と整列する部分上で空気不透過性とされ得る。
【0059】
少なくとも1つの実施形態では、加温装置400は、上述した断熱層102と同様である断熱層406を備え得る。断熱層406は、シート404と内面152との間に配置され得、図1図3の断熱層102と同様の寸法を有するように構成され得る。断熱層406は、シール部分によって形成された境界内に収容され得る。追加的に、シール部410は、シート404の移動を防止し得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層406の縁部は、シール部410内に収容され得る。
【0060】
少なくとも1つの実施形態では、入口126又は開口部128の上への断熱層406の配置はホース端部の挿入を妨げないため、断熱層406は入口126及び開口部128の上に整列し得る。
【0061】
少なくとも1つの実施形態では、断熱層406は任意選択である。例えば、シート404は、本明細書で説明されている熱的特性を有する断熱層から一体的に形成され得る。この構成では、シート404は空気透過性であり得、及び/又は孔若しくはアパーチャ412を備え得、内面152に固定的に取り付けられ得る。入口126からの空気は、シート404と内面152との間に形成された空洞内に流れ得る。加温された空気は、シート404を介して患者に拡散され得る。この手法は、材料の量を最小化することができ、患者による熱損失を低減することができる。
【0062】
シート404は空気透過性として示されているが、図4に示す装置は、臨床衣112の外側で不透過性のシートで構成されてもよく、ガウン内面152を備える臨床衣112の一部分は透過性シートとして機能する。
【0063】
図5では、空気式対流装置402の一部分の断面図が示されている。説明されているように、シート404は、図3に示すラミネート構造であり得る。図示のように、シール部410は、断熱層102が存在する場合、断熱層102を貫通し得る。膨張したとき、内面152とシート404との間に形成された空洞502が、加温された空気で充填され得る。次いで、加温された空気は、空気式対流装置402の孔又はアパーチャ412から出ることができ、次いで患者に提供され得る。少なくとも1つの実施形態では、アパーチャ412とは、シート(例えば、404a)内の開口部を指し得、開口部は3mm未満である。
【0064】
図6A及び図6Bは、図1図3の実施形態又は図4及び図5の実施形態のいずれかを指し得る臨床衣112の前側を示す。入口ポート127は、臨床衣112の前側からアクセス可能である。開口部128を介するアクセスを提供する1つ以上の入口ポート127が存在してもよい。これらの場合、入口ポート127をプラグで塞ぐことが望ましい場合がある。入口ポートプラグ131は、エアホースと共に使用されていない入口ポート127を閉じるために使用されてもよい。米国特許第5,997,572号に記載されているプラグなどの多くの種類のプラグが、入口ポート127を閉じるために使用されてもよい。
【0065】
少なくとも1つの実施形態では、臨床衣112は、長手方向軸604に沿って長手方向に向けられている。臨床衣112は、本体部分602とスリーブ部分604とに分割され得る。スリーブ部分604は、スリーブの境界によって確立され得る。本体部分602は、患者の胴体と脚の一部分とを覆うように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、本体部分602は、1つ以上の領域に更に分割され得る。例えば、本体部分602は、本体部分602を胴体部分612と脚部部分614とに分割し得る線608と交差し得る。線608は、患者の横断面又は軸面と整列し得る。例えば、胴体部分612は患者の上部部分に対応し得、脚部部分614は患者の下部部分に対応し得る。
【0066】
少なくとも1つの実施形態では、スリーブ部分604のアームホールの付け根(患者の腋窩に対応する)から線608までの距離610は、20インチ以下、18インチ以下、又は16インチ以下であることができる。
【0067】
図7は、上述のような空気式対流装置110又は空気式対流装置402を使用する実施形態を含む臨床衣112を着用する患者702(立位で示されている)を含む加温システム700を示す。患者702は、外来患者用施設の医師の診察室、又は任意の他の好適な場所にいることができる。臨床衣112は、臨床衣112が患者702にどのように取り付けられるかを示す接続線で示されている。空気式対流装置110に接続されたエアホース160の端部158は、入口ポート127を介して装置110内に向けられる加圧され熱的に処理された空気の流れを提供するために、ホースカード130で受け入れられ得る。
【0068】
図1図3に示す実施形態では、フラップ144は持ち上げられており、入口ポート127及びホースカード130をガウン開口部142を介して露出させる。図4及び図5に示す実施形態では、ホースカード130へのアクセスは、臨床衣112の前側上にある(ガウン開口部がない)。エアホース160の他方の端部は、加圧され熱的に制御された空気の流れを装置に供給し得る加温ユニット162に接続されている。加温ユニット及び構成要素は、ベアーハガーの商品名でモデル675、モデル775、又はモデル875として市販されている。
【0069】
空気が空気式対流装置110に入る前のホース端部158における温度は、周囲温度から最大46℃までの範囲であり得る。患者702に送達される平均空気温度は、ガウンの設計に応じて、これよりも低くてもよい。空気が空気式対流装置110に入る前のホース端部158における空気流は、5CFM~15CFM又は更には30CFM~50CFMであり得る。少なくとも1つの実施形態では、空気流は、少なくとも20CFM、少なくとも30CFM、又は少なくとも40CFMであり得る。空気式対流装置110内部の圧力は、0.05水柱インチ~1.2水柱インチの範囲であり得る。加温ユニット162は、図示のように、IVポール164上に装着され得る。
【0070】
加圧され熱的に処理された空気の流れが空気式対流装置110に提供されたとき、空気式対流装置110はひきしまり、空気がシート114を介して放出されて、熱的に制御された空気で患者702を治療する。図7を参照すると分かるように、患者702によって着用された臨床衣112では、空気式対流装置110は、透過性シート114が主に患者の首と大腿との間の領域において患者702に面するように配置されている。よって、加圧され熱的に処理された空気が空気式対流装置110に提供されたとき、該空気は装置内に分配され、シート114を介して放出され、放出された空気を主に患者702の上部胸郭に集中又は集結させる。次いで、対流は、放出され熱的に処理された空気と患者の身体のコアとの間の熱伝達を引き起こす、又は患者の身体から環境への熱損失を減少させる。
【0071】
上記及び後述の実施形態で説明されている臨床衣は、標準的なガウン、修正されたガウン、又は特殊用途のガウンであることができる。ガウンは、後側開口部、前側開口部、又はポンチョタイプのガウンの頭部開口部などの他の好適な開口部を有してもよい。図示の1つのタイプのガウンは、後側開口部を有する。
【0072】
図8は、加温装置800を示す。加温装置800は、臨床衣802の少なくとも一部分上に配置された又はこれから形成された断熱層を有する臨床衣802を備える。加温装置800は、加温装置800が空気式対流装置を含むことができるが、必ずしも含まないという点で、加温装置100及び加温装置400と異なり得る。断熱性の臨床衣802は、空気式対流装置及び関連する加温ユニットが実用的でない状況において特に有利であり得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層は、臨床衣802の総表面積(例えば、内面又は外面、本体、及びスリーブ)の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%である表面積を有し得る。
【0073】
少なくとも1つの実施形態では、臨床衣802は、開口部を有さないことを除いて、本明細書で説明されている臨床衣112と同様の構造を有し得る。臨床衣802は、本体部分830とスリーブ808とを有し得る。本体部分830は、外面824を有し得る。
【0074】
臨床衣802は、襟開口部804と裾810とを有し得る。臨床衣802は、臨床衣802内への少なくとも1つの開口部を有し得る。例えば、臨床衣802を通るスリット812(好ましくは後側)は、患者が臨床衣802を容易に脱ぐための開口部を形成し得る。締結装置816は、臨床衣802が患者から脱落しないように、スリットの対向する端部を取り外し可能に一緒に締結し得る。
【0075】
少なくとも1つの実施形態では、本体部分830は、患者の胴体と整列する胴体部分814に分離され得る。胴体部分814は、患者の横断面と整列し得る線828によって確立され得る。襟開口部804から線828までの寸法818は、32インチ以下、30インチ以下、又は28インチ以下であり得る。襟開口部804から裾810までの(襟開口部の最下部からの長手方向軸838に沿う)寸法820は、30インチ~56インチであり得る。好ましくは、寸法820は、40インチ~46インチであり得る。
【0076】
スリーブは、寸法822(例えば、直径)を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、寸法822は、患者の手の近くの袖口端に対して、胴体部分814の近くのアームホール端部から変化し得る。少なくとも1つの実施形態では、寸法822は、袖口端部の近くで6インチ~15インチ、8インチ~15インチ、10インチ~15インチ、又は10インチ~14インチであり得る。
【0077】
少なくとも1つの実施形態では、臨床衣802は、空気式対流装置832を受け入れるように寸法設定されたポケット836を備え得る。空気式対流装置832は、ベアーハガーモデル622として3Mから市販されている上半身用ブランケットであり得る。少なくとも1つの実施形態では、空気式対流装置832は折り畳まれており、好ましくはシールパッケージにシールされている。
【0078】
少なくとも1つの実施形態では、ポケット836は、ポケットシート834及び外面824から形成され得る。ポケットシート834は、臨床衣802のものと同じである材料シートから形成されている。ポケットシート834は、臨床衣802において、本体部分830上のどこにでも取り付けられ得るが、好ましくは胴体部分814上、最も好ましくは前側部分(患者の胸部によって画定される)上、及び外面824上に取り付けられ得る。少なくとも1つの実施形態では、ポケットシート834は、襟開口部804のいずれの部分の10インチ以内であり得る。少なくとも1つの実施形態では、ポケット836は、臨床衣802の内面上に配置され得る。例えば、ポケットシート834は、内面上に配置され得る。
【0079】
ポケットシート834は、ポケットシート周辺部846のいずれの部分に沿って、例えば、ポケットシート周辺部846全体に沿って接着剤又は縫製を介して取り付けられ得る。少なくとも1つの実施形態では、ポケットシート834は、側部及びポケット端部844において臨床衣802に取り付けられている。
【0080】
ポケットシート834は、ポケット軸840に沿って向けられている対向するポケット端部842及びポケット端部844を有することができる。少なくとも1つの実施形態では、ポケット軸840と長手方向軸838との間に形成されている角度は、90度未満である(すなわち、垂直を超えない)。
【0081】
ポケット端部842からポケット端部844までの距離は、ポケットシート834の幅の距離よりも大きくてもよい。少なくとも1つの実施形態では、ポケットシート834は、力が加えられると破断するように構成されたミシン目などの脆弱線を有し得る。例えば、ポケットシート834は、臨床衣802の外面824上で空気式対流装置832を取り囲むことができる。ユーザは、ポケットシート834の脆弱線を破断して、ポケット836から空気式対流装置832を取り出すことができる。
【0082】
図9は、加温装置800の領域900の側面断面図を示す。臨床衣802は、使い捨て又は使い捨てでないガウンを製造するために典型的に使用される、本明細書で説明されている材料から形成され得る。
【0083】
臨床衣802は、臨床衣802上に配置された断熱層902を有する少なくとも1つの部分を備える。断熱層902は厚さ908を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、厚さ908は5cm以下である。好ましくは、厚さ908は1.5cm以下である。断熱層902は、本明細書で説明されている実施形態と同様の特性を有し得る。
【0084】
カバー要素904は、断熱層902を収容するように構成された織布又は不織布であり得る。カバー要素904は、好ましくは耐水性であり、体液の吸収に耐え得る。少なくとも1つの実施形態では、カバー要素904はまた、金属化層を有する又は有さない、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートを含む)などのポリマーフィルムであり得る。カバー要素904は、断熱縁部(厚さ908によって部分的に画定される)が露出しないように、断熱層902を覆うように構成され得る。少なくとも1つの実施形態では、カバー要素904は、断熱層902の組み合わせウェブを収容又は強化するように構成された織布又は不織布であり得るスクリムであり得る)。カバー要素904は、空気式対流装置の1つ以上の層であり得、又はカバー要素904とは、概して空気式対流装置自体を指し得る。
【0085】
カバー要素904は、締結装置906を介して臨床衣802に取り付けられ得る。締結装置906は、断熱層902を貫通すること、又は断熱層902の完全性を破壊することを回避することのいずれかができる。締結装置906は、好ましくは固定された締結具であり、溶接シール又は接着剤を含み得るが、リベットなどの機械的締結具又は縫製も含み得る。少なくとも1つの実施形態では、締結装置906が断熱層902を貫通することを回避する場合、締結装置906は、カバー要素904を臨床衣802に直接取り付けることができ、断熱層902を挟むことができる。
【0086】
臨床衣802の内面上に断熱層902が図示されているが、断熱層902及びカバー要素904はまた、臨床衣802の外面上に配置され得る。
【0087】
図10は、加温装置800の領域1000の異なる層の斜視図を示す。領域1000は、図9と構造が同様であり得る。少なくとも1つの実施形態では、断熱層902は、各断熱層構成要素について断熱周辺部1008を有し得る。断熱周辺部1008は、臨床衣802の外周部826よりも小さくてもよい。
【0088】
カバー要素904は、熱又は超音波シールを介して臨床衣802にシールされ得、シール部分1004及びシール部分1006を形成する。図示のように、断熱縁部1002は、シール部分1004又はシール部分1006を越えて延びない。少なくとも1つの実施形態では、断熱縁部1002は、シール部分1004を越えて延び、リンティングが低減されるように処理され得る。
【0089】
図11は、治療用の加温を患者に適用する方法1100のフローチャートを示す。
【0090】
方法1100はブロック1102において開始し得る。ブロック1102において、本明細書で説明されている加温システムが患者に提供され得る。製造業者は、加温システムの構成要素のうちの1つ以上を臨床医に提供することができ、臨床医は、製造業者の説明に従って患者にこれを更に提供することができる。ブロック1104において、臨床医は、患者が少なくとも第1の空気式対流装置を備え得る加温装置を着用することを可能にし得る。患者は、周術期の手術前期間中に加温装置を着用し得る。例えば、患者は、好ましくは、麻酔前の2時間以内、1時間以内、又は30分以内に加温装置を着用し得る。
【0091】
加温装置は、麻酔前に患者を麻酔中に正常体温を維持するのに十分なように予加温するのに役立ち得る。任意選択的に、ブロック1104はまた、加温装置に固定的に取り付けられた第1の空気式対流装置を介して患者に熱を加えることを含み得る。臨床医は、加温装置のアクティブ対流熱様式(active convective heat modality)を作動させ得る。ブロック1104中に熱を加えることは、麻酔前の予加温をもたらすことができる。少なくとも1つの実施形態では、加温装置は、患者を予加温し熱損失を低減するためのパッシブ様式(passive modality)を含み得る。例えば、加温装置はまた、患者による熱損失を低減し得る断熱材料を有し得る。
【0092】
少なくとも1つの実施形態では、臨床医は、第1の場所において加温装置を患者上に配置し得る。例えば、第1の場所は病院構成に依存し得るが、第1の場所は、別個の手術待機場所、患者回復室、又は手術前区画であり得る。好ましくは、第1の場所は、電源出力を有し得る。
【0093】
ブロック1106において、臨床医は、第2の場所において、麻酔前に、第1の構成から第2の構成に加温装置を変更し得る。少なくとも1つの実施形態では、第2の場所は、手術が行われる手術室(operating theatre又はoperating room)である。少なくとも1つの実施形態では、第1の場所及び第2の場所は同じである。例えば、第2の構成の予加温は、加温装置の特徴に関連し得る。例えば、第2の構成は、開放ポケット、取り外し可能な空気式対流装置、又は空気式対流装置の配備であり得る。
【0094】
例えば、現在の構成では、第1の構成は、患者が臨床衣を着用した際に着用構成であることができる。これは、臨床衣の締結装置を締結することを含み得る。第2の構成では、臨床医は、臨床衣の表面に取り外し可能に取り付けられている空気式対流装置、又は臨床衣の表面上に一体化された空気式対流装置を取り外すことができる。空気式対流装置は、再配置可能な接着剤で締結され得、該接着剤は、ヒトの肉眼で視認可能な残留物である感圧性接着剤の可視残留物を第1の塗布表面上に残すことなく、第1の塗布表面から第2の塗布表面への接着剤物品の再配置を可能にするのに有用である。
【0095】
第2の構成への変更はまた、周術期の手術期間に起こり得る。少なくとも1つの実施形態では、手術期間は、麻酔が送達される前10分以内、又は5分以内に開始し得、患者が麻酔されている間続き得る。少なくとも1つの実施形態では、加温装置構成の変更は、麻酔の開始の少なくとも5分前、少なくとも10分前に起こり得る。別の実施形態では、該変更は患者の麻酔中に起こり得る。
【0096】
ブロック1108において、臨床医は、手術期間中に患者に熱を加え得る。熱の総量は、臨床医の選択に依存するが、対流式加温ユニットは、ホース端部において少なくとも300ワット、少なくとも350ワット、又は少なくとも400ワットを出力可能であり得る。少なくとも1つの実施形態では、対流式加温ユニットの電力消費は、少なくとも1400ワットであり得る。加えられる熱は、患者の正常体温を維持するのに十分であり得る。少なくとも1つの実施形態では、熱は、加温装置により、又は加温装置上に取り付けられた別個の空気式対流装置から加えられ得る。
【0097】
ブロック1110~ブロック1114は任意選択であり得る。ブロック1110において、臨床医は、手術期間中に、患者から加温装置を取り外すことができる。例えば、外科処置中に、加温装置は、いくつかの外科処置(腹部切開など)を妨げ得る。よって、加温を提供するために、加温装置は、外科治療領域を露出させるために取り外され得、任意選択で、加温システムの一部である別個の空気式対流装置を介して熱を加えることができる。加温装置は、後の使用のために取り置かれ得る。
【0098】
ブロック1112において、臨床医は、加温装置を回収し、加温装置で患者を覆うことができる。例えば、外科処置が終了した後、かつ患者に麻酔がかけられている間、臨床医は、第2の場所において適度に患者を覆うことができる。患者が覆われた後、患者は第3の場所に輸送され得る。第3の場所は、手術後回復区画(すなわち、PACU)又は患者の病室であり得る。少なくとも1つの実施形態では、別個の空気式対流装置は廃棄され得る。
【0099】
ブロック1114において、臨床医は、加温装置に取り付けられた第1の空気式対流装置を介して患者に熱を加え得る。熱は、患者が、周術期の手術後期間中に快適に加温されるようなものであり得る。手術後期間は、概して、第3の場所におけるものであり得る。少なくとも1つの実施形態では、熱は、ブロック1114中の快適な加温のためのものであり得る。例えば、熱は、500ワット以下、400ワット以下、又は200ワット以下であり得る。
例示的実施形態の一覧:
実施形態1.加温装置であって、
患者の一部分を覆うように適合された本体部分と、患者に面するように構成された内面と、内面とは反対側を向いた外面とを備える、臨床衣であって、本体部分が、患者の腕を受け入れるようにサイズ決定され、かつ配置されたスリーブを備える、臨床衣と、
臨床衣上に配置された断熱層であって、断熱層が、加温装置を非リンティングであるように構成されている、断熱層と、
を備える、加温装置。
実施形態2.断熱縁部が、外面の一部分に取り付けられたカバー要素によって覆われる、実施形態1に記載の加温装置。
実施形態3.断熱縁部が、内面の一部分に取り付けられたカバー要素によって覆われる、実施形態1又は2に記載の加温装置。
実施形態4.断熱層が、20g/m~210g/mの坪量及び0.1cm~2.1cmの厚さを有する不織布を備える、実施形態1から3のいずれかに記載の加温装置。
実施形態5.断熱層が、不織布を挟むスクリムを備える、実施形態4に記載の加温装置。
実施形態6.断熱層が、断熱周辺部を有し、かつカバー要素と臨床衣との間に挟まれている、実施形態2に記載の加温装置。
実施形態7.カバー要素と臨床衣とが、外周部に近接して一緒にシールされて、シール部分を形成し、断熱縁部がシール部分に接触していない、実施形態6に記載の加温装置。
実施形態7a.断熱縁部が、断熱周辺部の少なくとも一部に沿ってテープを介して臨床衣に取り付けられている、実施形態7に記載の加温装置。
実施形態8.
内面に隣接して配置された第1の空気式対流装置と、
加圧され、加温された空気の流れを空気式対流装置内に入れるための、臨床衣に形成された開口部と、
を更に備える、実施形態1から7のいずれかに記載の加温装置。
実施形態9.断熱層が、0.5R~3R(両端の値を含む)のR値を有する、実施形態1から8のいずれかに記載の加温装置。
実施形態10.断熱層が、本体部分の少なくとも一部分上に配置されている、実施形態1から9のいずれかに記載の加温装置。
実施形態11.断熱層が、スリーブの少なくとも一部分上に配置されている、実施形態10に記載の加温装置。
実施形態12.臨床衣が、第1の側面と第2の側面とを有し、第1の側面が、本体部分とスリーブとを含む第1の衣類表面積を有し、断熱層が第2の表面積を有し、第2の表面積が第1の衣類表面積の少なくとも15%である、実施形態1から11のいずれかに記載の加温装置。
実施形態13.断熱層が、臨床衣の外面上に配置されている、実施形態1から12のいずれかに記載の加温装置。
実施形態14.断熱層が、臨床衣の内面上に配置されている、実施形態1から13のいずれかに記載の加温装置。
実施形態15.本体部分が、襟開口部及び裾と、襟開口部から裾まで延びる後部スリットと、後部スリットの対向する側部を着脱可能に取り付けるための、後部スリットの近くの締結装置とを更に備える、実施形態1から14のいずれかに記載の加温装置。
実施形態16.スリーブのうちの一方が、スリットと、スリットの対向する側部を着脱可能に取り付けるように構成された締結装置とを有する、実施形態1から15のいずれかに記載の加温装置。
実施形態17.締結装置が、ボタン、紐、スナップ、再配置可能な接着剤、かぎホック要素、両面接着剤、面ファスナ要素、及びリベットからなる群から選択される、実施形態16に記載の加温装置。
実施形態18.臨床衣が不織布材料を含む、実施形態1から17のいずれかに記載の加温装置。
実施形態19.臨床衣が断熱層から一体的に形成されている、実施形態1から18のいずれかに記載の加温装置。
実施形態20.臨床衣が、持ち上げ可能なフラップを備える開口部を備える、実施形態1から19のいずれかに記載の加温装置。
実施形態21.開口部が、外面に取り付けられたホースカードを備え、入口ポートが、第1の空気式対流装置に装着されている、実施形態1から20のいずれかに記載の加温装置。
実施形態22a.ホースカードが、持ち上げ可能なフラップを介してアクセス可能である、実施形態1から21のいずれかに記載の加温装置。
実施形態22b.断熱層が、断熱層内に形成された開口部を有し、開口部が内側周辺部を有し、内側周辺部の少なくとも一部分が断熱縁部を含む、実施形態1から22aのいずれかに記載の加温装置。
実施形態22.断熱層が合成繊維断熱材である、実施形態1から22bのいずれかに記載の加温装置。
実施形態23.合成繊維断熱材が、平均直径20ミクロン未満の繊維を含む、実施形態22に記載の加温装置。
実施形態24.合成繊維断熱材が、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、又はポリイミド繊維を含む、実施形態23に記載の加温装置。
実施形態25.ポリオレフィン繊維が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態24に記載の加温装置。
実施形態26.第1の空気式対流装置が、
空気式装置周辺部を有する空気透過性の材料シートを備える第1の層
を備える、実施形態1から25のいずれかに記載の加温装置。
実施形態27.空洞が、第1の層と臨床衣の内面との間に形成され、第1の層が、患者に面する表面と空洞に面する表面とを有する、実施形態26に記載の加温装置。
実施形態28.第1の層が、臨床衣の内面のすべてよりも小さい状態で空気式装置周辺部において、又は空気式装置周辺部に隣接して膨張可能な周辺シール部を形成して、第1の空気式対流装置を形成する、実施形態27に記載の加温装置。
実施形態29.断熱層が、空洞に面する表面と内面との間に配置されている、実施形態28に記載の加温装置。
実施形態30.断熱層が断熱周辺部を有し、断熱周辺部が、膨張可能な周辺シール部を越えて延びない、実施形態29に記載の加温装置。
実施形態31.断熱周辺部が、膨張可能な周辺シール部と結合していない、実施形態30に記載の加温装置。
実施形態32.臨床衣が、第1の層と整列する一部分において空気不透過性である、実施形態30に記載の加温装置。
実施形態33.第1の空気式対流装置が、
空気膜構造を形成するために、空気式装置周辺部の周囲に膨張可能な周辺シール部によって第1の層を接合する、空洞に面する表面と外面とを有する第2の層であって、第2の層が空気不透過性である、第2の層
を更に備える、実施形態26に記載の加温装置。
実施形態34.断熱層が、第2の層の外面に取り付けられている、実施形態33に記載の加温装置。
実施形態35.断熱層が、第2の層と内面との間に配置されている、実施形態33に記載の加温装置。
実施形態36.断熱層が、臨床衣の内面に取り付けられている、実施形態35に記載の加温装置。
実施形態37.臨床衣が、長手方向に向けられた長手方向軸を有する、実施形態1から36のいずれかに記載の加温装置。
実施形態38.ポケット軸に沿って向けられた第1のポケット端部及び第2のポケット端部を有するポケットを更に備え、ポケット軸と長手方向軸との間に形成されている角度が、90度未満である、実施形態37に記載の加温装置。
実施形態39.臨床衣が、側部及び第1のポケット端部を有するポケットシートを備え、ポケットシートが、ポケットを形成するように、側部及び第1のポケット端部において臨床衣に取り付けられており、第2のポケット端部においては臨床衣に取り付けられていない、又は取り外し可能に取り付けられている、実施形態37に記載の加温装置。
実施形態40.ポケットの一部分が長手方向軸と交差する、実施形態37に記載の加温装置。
実施形態41.ポケットが、襟開口部の一部分の10インチ以内に位置する、実施形態37に記載の加温装置。
実施形態42.ポケットが、シールパッケージ内の第2の空気式対流装置を受け入れるように寸法設定されている、実施形態37に記載の加温装置。
実施形態43.シールパッケージが、第2の空気式対流装置が折り畳まれたとき40立方インチ以下の体積を有する、実施形態42に記載の加温装置。
実施形態44.シールパッケージの一部分が、長手方向軸に沿って臨床衣に取り外し可能に取り付けられている、実施形態42に記載の加温装置。
実施形態45.スリーブ長さが40インチ以下である、実施形態1から44のいずれかに記載の加温装置。
実施形態46.スリーブ幅が、臨床衣のアームホールにおいて少なくとも9インチである、実施形態1から45のいずれかに記載の加温装置。
実施形態47.スリーブ幅が、袖口において少なくとも5インチである、実施形態46に記載の加温装置。
実施形態48.実施形態1から37のいずれかに記載の加温装置を備えるシステム。
実施形態49.
加温ユニットと、
空気式対流装置の入口と嵌合するように構成されたホース端部と、
を更に備える、実施形態1から48のいずれかに記載のシステム。
実施形態50.第2の空気式対流装置を更に備える、実施形態1から49のいずれかに記載のシステム。
実施形態51.第2の空気式対流装置がシールパッケージに包まれている、実施形態1から50のいずれかに記載のシステム。
実施形態52.患者を更に含む、実施形態1から51のいずれかに記載のシステム。
実施形態53.
実施形態48から52の加温システムを患者に提供することと、
患者が、手術前期間中の麻酔前2時間以内かつ第1の場所において、第1の構成で加温装置を着用することを可能にすることと、
第2の場所において、麻酔の開始の少なくとも10分前、少なくとも5分前、又は患者の麻酔中に、加温装置を第2の構成に変更することと、
手術期間中に空気式対流装置を介して患者に熱を加えることと、
を含む、方法。
実施形態54.加温装置の第1の構成が、臨床衣に固定的に取り付けられた第1の空気式対流装置と、第2の空気式対流装置が収容されているポケットとを備え、
該方法が、対流加温ユニットを介して少なくとも10分間、第1の空気式対流装置により熱を患者に加えることを更に含む、実施形態53に記載の方法。
実施形態55.加温装置を変更することが、第2の空気式対流装置を加温装置のポケットから取り外すことを含み、加温装置の第2の構成が、第2の空気式対流装置をポケット内に備えず、
空気式対流装置が、第2の空気式対流装置である、実施形態54に記載の方法。
実施形態56.加温装置の第1の構成が、締結装置が固定された状態で患者によって着用されることである、実施形態53に記載の方法。
実施形態57.加温装置の第2の構成が、締結装置が締結されていないことである、実施形態56に記載の方法。
実施形態58.加温装置の第2の構成が、取り外し可能に取り付けられた空気式対流装置が加温装置から取り外され、患者上に配備されることである、実施形態56に記載の方法。
実施形態59.
手術期間中に患者から加温装置を取り外すこと
を更に含む、実施形態56に記載の方法。
実施形態60.
第2の場所において加温装置で患者を覆うことと、
第3の場所において加温装置の第1の空気式対流装置により対流熱を加えることと、
を更に含む、実施形態58に記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】