IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナルの特許一覧

特表2022-538620微粒子トラップを含む包装アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】微粒子トラップを含む包装アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20220829BHJP
   A61B 17/072 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
A61B50/33
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577512
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 IB2020055419
(87)【国際公開番号】W WO2020261015
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】16/456,798
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ショール・クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160MM32
(57)【要約】
外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリが開示される。滅菌包装アセンブリは、真空成形トレイと、微粒子トラップと、を備える。真空成形トレイは、外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、トラップ用キャビティと、を含む。微粒子トラップは、トラップ用キャビティ内に位置付けられている。微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状側面を含むハウジングを含む。開口部は、微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリであって、前記滅菌包装アセンブリは、
真空成形トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、真空成形トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた微粒子トラップであって、前記微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状側面を含むハウジングを含み、前記開口部は、前記微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している、微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
【請求項2】
前記微粒子トラップは、前記チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含む、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項3】
前記微粒子トラップは不透明である、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項4】
前記微粒子トラップは、前記真空成形トレイと同色である、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項5】
前記微粒子トラップは、防音材料を更に含む、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記チャンバと連通する別の開口部において終端する別の漏斗形状側面を含む、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項7】
前記外科用器具が前記滅菌包装アセンブリ内に位置付けられると、前記微粒子トラップは見えない、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項8】
前記真空成形トレイは、別のトラップ用キャビティを含み、前記滅菌包装アセンブリは、前記別のトラップ用キャビティ内に位置付けられた別の微粒子トラップを含む、請求項1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項9】
外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリであって、前記滅菌包装アセンブリは、
トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた中空状微粒子トラップであって、前記中空状微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含む、中空状微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
【請求項10】
前記中空状微粒子トラップ内に位置付けられた接着剤を更に含む、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項11】
前記中空状微粒子トラップは不透明である、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項12】
前記中空状微粒子トラップは、前記トレイと同色である、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項13】
前記中空状微粒子トラップは、防音材料を更に含む、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項14】
前記中空状微粒子トラップは、別の開口部において終端する別の漏斗形状面を更に含む、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項15】
前記外科用器具が前記トレイ内に位置付けられると、前記中空状微粒子トラップは見えない、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項16】
前記トレイは、別のトラップ用キャビティを更に含み、前記滅菌包装アセンブリは、前記別のトラップ用キャビティ内に位置付け可能な別の中空状微粒子トラップを更に含む、請求項9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【請求項17】
滅菌包装アセンブリであって、
外科用器具と、
トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた微粒子トラップであって、前記微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含み、前記開口部は、前記微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している、微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
【請求項18】
前記チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含み、前記接着剤は、前記接着剤に微粒子を捕捉するように構成されている、請求項17に記載の微粒子トラップ。
【請求項19】
前記微粒子トラップは不透明である、請求項17に記載の微粒子トラップ。
【請求項20】
前記微粒子トラップは、防音材料を更に含む、請求項17に記載の微粒子トラップ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め器具及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本発明の特徴及び利点、並びにそれらを実現する方法は、本発明の例示の実施形態の以下の説明文を添付の図面と併せて参照することでより明らかとなり、また発明自体のより深い理解が得られるであろう。
図1】動作可能に結合された交換式シャフトアセンブリを有する、外科用器具の斜視図である。
図2図1の交換式シャフトアセンブリ及び外科用器具の分解組立図である。
図3図1及び図2の外科用器具の一部分の分解組立図である。
図4図1図3の交換式シャフトアセンブリ及び外科用器具の一部分を示す別の分解組立図である。
図5】少なくとも1つの実施形態による外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられたステープルカートリッジの斜視図であり、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジのカートリッジ本体から延在する複数の隆起部を備えている。
図6】少なくとも1つの実施形態による電池パックアセンブリの分解図である。
図7図6の電池パックアセンブリ、第2の電池パックアセンブリ、及び外科用器具の電池ドックの斜視図である。
図8】電気接点を備える少なくとも1つの実施形態による電池アセンブリの斜視図である。
図9図8の電池アセンブリを含む電池パックアセンブリの斜視図である。
図10】外科用器具の電池ドック内に位置付けられた図9の電池パックアセンブリの斜視図である。
図11】発射部材ロックアウトを含むエンドエフェクタを備える、少なくとも1つの実施形態による外科用器具を、構成要素を省略して示す部分斜視図である。
図12】発射部材ロックアウトがロック構成にある、図11のエンドエフェクタ及び外科用器具の部分断面図である。
図13】発射部材ロックアウトがロック解除構成にある、図11のエンドエフェクタ及び外科用器具の部分断面図である。
図14】ステープルカートリッジ及びステープルカートリッジに取り付けられたカートリッジパンの部分断面斜視図である。
図15図14のステープルカートリッジのロックアウトキーを含むスレッドの部分断面斜視図である。
図16図14のステープルカートリッジの部分側方断面図であり、ステープルカートリッジは外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられ、外科用器具はロックアウト構成にある発射部材を含む。
図17】ロック解除構成にある発射部材を示す、図16のエンドエフェクタの部分側方断面図である。
図18】少なくとも1つの実施形態による、外科用器具の駆動システムと共に使用するための手動緊急離脱アセンブリの斜視図である。
図19】関節運動アセンブリ及び関節運動ロックアセンブリを備える少なくとも1つの実施形態による外科用器具を、構成要素を省略して示す斜視図である。
図20】ロック構成にある関節運動ロックアセンブリを示す、図19の外科用器具の底面図である。
図21】ロック解除構成にある関節運動ロックアセンブリを示す、図19の外科用器具の底面図である。
図22】少なくとも1つの実施形態による、コンフォーマルコーティングを含む制御回路の斜視図である。
図23図22の制御回路のスイッチ及びシールの部分側方断面図である。
図24】少なくとも1つの実施形態による外科用器具のギアボックス及びモータと共に使用するためのシールの斜視図である。
図25図24のシール、ギアボックス、及びモータの断面図である。
図26】少なくとも1つの実施形態による、包装アセンブリ内に位置付けられた、微粒子トラップを示す外科用器具用の包装アセンブリの分解図である。
図27】微粒子トラップの斜視図である。
図28図27の微粒子トラップの断面図である。
図29】微粒子トラップの斜視図である。
図30図29の微粒子トラップの断面図である。
図31】少なくとも1つの実施形態によるハニカム延在部を含むステープルカートリッジの部分斜視図である。
図32図31の線32-32に沿った、図31のステープルカートリッジの部分断面図である。
図33】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数のポストと、を備えている。
図34図33のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及びポストのうちの1つの拡大図である。
図35図33のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び一対のポストの平面図である。
図36図35の線36-36に沿った、図35のステープルキャビティ及びポストの側方断面図である。
図37】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数の四半球状突出部と、を備えている。
図38図37のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び四半球状突出部のうちの1つの拡大斜視図である。
図39図37のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び四半球状突出部の平面図である。
図40図39の線40-40に沿った、図39のステープルキャビティ及び四半球状突出部の側方断面図である。
図41】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数の直方体と、を備えている。
図42図41のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び直方体のうちの1つの拡大斜視図である。
図43図41のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つの平面図であり、一対の直方体がステープルキャビティの近位端及び遠位端に位置付けられている。
図44図43の線44-44に沿った、図43のステープルキャビティ及び直方体の側方断面図である。
図45】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数のポストと、を備えている。
図46図45のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び一対のポストの拡大斜視図である。
図47図45のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び一対のポストの平面図である。
図48図47の線48-48に沿った、図47のステープルキャビティ及びポストの側方断面図である。
図49】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数のポスト及び直方体と、を備えている。
図50図49のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つの拡大斜視図であり、ポスト及び一対の直方体がステープルキャビティに隣接して位置付けられている。
図51図49のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つの平面図であり、ポスト及び一対の直方体がステープルキャビティの近位端及び遠位端に位置付けられている。
図52図51の線52-52に沿った、図51のステープルキャビティ、ポスト、及び直方体の側方断面図である。
図53】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数の円形ポスト及び方形ポストと、を備えている。
図54図53のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つの平面図であり、ポストがステープルキャビティの近位端に位置付けられ、一対の直方体がステープルキャビティの遠位端に位置付けられている。
図55図54の線55-55に沿った、図54のステープルキャビティ、ポスト、及び直方体の側方断面図である。
図56】少なくとも1つの実施形態によるステープルカートリッジの部分斜視図であり、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体に画定された複数のステープルキャビティと、カートリッジ本体から延在する複数の弧状突出部と、を備えている。
図57図56のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つ及び部分円筒突出部のうちの1つの拡大斜視図である。
図58図56のステープルカートリッジのステープルキャビティのうちの1つの平面図であり、一対の部分円筒突出部がステープルキャビティの近位端及び遠位端に位置付けられている。
図59図58の線59-59に沿った、図58のステープルキャビティ及び部分円筒突出部の側方断面図である。
図60】制御部を含む外科用器具の概略図である。
図61】外科用器具の側面立面図である。
図62】関節運動システムによって関節運動軸線を中心に関節運動させた図61の外科用器具のエンドエフェクタの部分平面図である。
図63】外科用器具の関節運動システム及び閉鎖システムを示すために一部を省略して示す、図61の外科用器具の側面立面図である。
図64】手動回転システム及び回転ロックアウトを含む外科用器具の側方断面図である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-代理人整理番号END9143USNP1/190219、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING A BATTERY UNIT」、
-代理人整理番号END9133USNP1/190220、発明の名称「BATTERY PACK INCLUDING A CIRCUIT INTERRUPTER」、
-代理人整理番号END9134USNP1/190226、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING A FIRING LOCKOUT」、
-代理人整理番号END9139USNP1/190232、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING A LOCKOUT KEY」、
-代理人整理番号EN9136USNP1/190229、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING A FIRING SYSTEM BAILOUT」、
-代理人整理番号END9144USNP1/190227、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT INCLUDING AN ARTICULATION LOCK」、
-代理人整理番号END9137USNP1/190230、発明の名称「CONTROL CIRCUIT COMPRISING A COATING」、
-代理人整理番号END9140USNP1/190233、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING A HONEYCOMB EXTENSION」、
-代理人整理番号END9141USNP1/190234、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING PROJECTIONS」、及び
-代理人整理番号END9138USNP1/190231、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS INCLUDING MANUAL AND POWERED SYSTEM LOCKOUTS」。
【0005】
本明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に説明及び図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。「特許請求の範囲」の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0006】
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの語形のいずれか)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの語形のいずれか)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの語形のいずれか)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの語形のいずれか)は、変更可能な連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、又は「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ以上の要素を有しているが、それら1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」か、「有する」か、「含む」か、又は「含有する」システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0007】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0008】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科処置を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科処置と関連するものを含む、多くの外科処置及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0009】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を備えることができる。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを備える。第1のジョーは、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1のジョー内に挿入可能であり、かつ第1のジョーから取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1のジョーから取り外し可能でない、又は第1のジョーから少なくとも容易に交換可能ではない、他の実施形態が想定されている。第2のジョーは、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されているアンビルを備える。第2のジョーは、閉鎖軸線を中心に第1のジョーに対して枢動可能であるが、第1のジョーが第2のジョーに対して枢動可能である、他の実施形態が想定されている。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成されている関節運動ジョイントを更に備える。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを通って延在する関節運動軸線を中心にして回転可能である。関節運動ジョイントを含まない他の実施形態も想定されている。
【0010】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキと、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキに対して組織を押し付けて及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されているステープルを、組織内に展開することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0011】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。ドライバは、第1の、すなわち非発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成されている、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの非発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成されている複数の傾斜面を備え、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0012】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受容するように構成されている。アンビルは、発射部材を受容するように構成されているスロットも含む。発射部材は、第1のジョーに係合する第1のカムと、第2のジョーに係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキとアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されているナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置付けられることが望ましい。
【0013】
図1図4は、モータ駆動式の外科用切断及び締結器具1001を示している。器具1001は、ハウジング1002を含み、ハウジング1002は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル1004を備えている。ハウジング1002は、エンドエフェクタ1300を含む交換式シャフトアセンブリ1200に取り付けられるように構成されており、エンドエフェクタ1300は、1つ以上の外科的タスク又は処置を実施するように構成されている。しかしながら、シャフトアセンブリ1200が他のシャフトアセンブリと交換できず、代わりに、シャフトアセンブリ1200がハンドル1004に固定される一方で、ハンドル1004に対して回転可能である実施形態が想定されている。エンドエフェクタ1300は、内部に外科用ステープルカートリッジ1304を動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結デバイスを備えているが、任意の好適な構成を用いてよい。例えば、ハウジング1002は、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許出願公開第2012/0298719号に開示されているもののような、ロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に使用するために適合化されてもよい。米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許出願公開第2012/0298719号の開示内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0014】
図3で分かるように、ハンドル1004は、例えば、ねじ、スナップ機構、及び/又は接着剤などで相互接続された、ハンドルハウジングセグメント1006及び1008を備えている。ハンドルハウジングセグメント1006、1008は、臨床医に把持及び操作され得るピストルグリップ部分1019を形成するように協働するが、任意の好適な構成を備えていてよい。以下に更に詳しく記述されるように、ハンドル1004は、内部に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、交換式シャフトアセンブリ1200の対応する部分に対して様々な制御動作を生成して適用するように構成されている。
【0015】
ここで図3を参照すると、ハンドル1004は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム1022を更に含む。フレーム1022は、概ね1003として示す閉鎖駆動システムを動作可能に支持しており、閉鎖駆動システム1003は、交換式シャフトアセンブリ1200に対して閉鎖及び開放運動を適用するために用いられている。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム1003は、フレーム1022によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガー1032の形態のアクチュエータを含む。図3に示されるように、閉鎖トリガー1032は、ピン1033によってハウジング1002に枢動可能に結合されている。かかる構成により、閉鎖トリガー1032を臨床医が操作することが可能になり、それによって、臨床医がハンドル1004のピストルグリップ部分1019を把持すると、閉鎖トリガー1032を、始点位置又は非作動位置から作動位置へと、容易に枢動させることができる。閉鎖トリガー1032は、ばね又は他の付勢装置によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム1003は、閉鎖トリガー1032に枢動可能に結合された閉鎖リンクアセンブリ1034を更に含む。図3で分かるように、閉鎖リンクアセンブリ1034は、ピン1035によって閉鎖トリガー1032に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク1036及び第2の閉鎖リンク1038を含む。第2の閉鎖リンク1038は、本明細書では取り付け部材と呼ばれることもあり、横向き取り付けピン1037を含む。
【0016】
図3を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク1036は、ロック壁又は端部1039を備え、ロック壁又は端部1039は、フレーム1022に枢動可能に結合された閉鎖解除アセンブリ1007と協働するように構成されている。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除アセンブリ1007は、遠位に突き出したロック爪1064がその上に形成された解除ボタンアセンブリ1065を備えている。解除ボタンアセンブリ1065は、解除ばねによって反時計回り方向に枢動する。臨床医が閉鎖トリガー1032をその非作動位置からハンドル1004のピストルグリップ部分1019に向かって押下すると、ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク1036が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガー1032が非作動位置に復帰することが防止される。したがって、閉鎖解除アセンブリ1007は、閉鎖トリガー1032を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガー1032をロック解除したい場合、臨床医は、閉鎖解除ボタンアセンブリ1065を枢動させ、それによってロック爪1064を移動させて、第1の閉鎖リンク1036のロック壁1039との係合から外す。ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036との係合から外れるように移動させられると、閉鎖トリガー1032は枢動して非作動位置に戻り得る。他の閉鎖トリガーロック及び解除機構が用いられてもよい。
【0017】
上記に加えて、閉鎖解除ボタン1065からアーム1061が延在している。例えば、永久磁石などの磁気要素1063がアーム1061に装着されている。閉鎖解除ボタン1065をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気要素1063は、回路基板1101に向かって移動する。回路基板1101は、磁気要素1063の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含む。少なくとも1つの実施形態では、ホール効果センサを回路基板1101の底面に装着することができる。ホール効果センサは、磁気要素1063の移動によって生じる、ホール効果センサを取り巻く磁場における変化を検出するように構成されている。ホール効果センサは、例えば、マイクロコントローラと信号通信しており、マイクロコントローラは、閉鎖解除ボタン1065が、閉鎖トリガー1032の非作動位置とエンドエフェクタ1300の開放構成とに関連付けられた第1の位置にあるか、閉鎖トリガー1032の作動位置とエンドエフェクタ1300の閉鎖構成とに関連付けられた第2の位置にあるか、かつ/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかを判断することができる。
【0018】
少なくとも1つの形態において、ハンドル1004及びフレーム1022は、他の駆動システム、すなわち発射駆動システム1080、を動作可能に支持し、発射駆動システム1080は、交換式シャフトアセンブリ1200に発射動作を適用するように構成されている。発射駆動システム1080は、ハンドル1004のピストルグリップ部分1019内に位置する電動モータ1082を備えている。様々な形態において、モータ1082は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータである。他の形態では、モータ1082は、ブラシレスDCモータである。様々な構成で、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含む。モータ1082は、電源1090によって給電され、電源1090は、一形態においては、取り外し可能なパワーパック1092を備えている。図3で分かるように、パワーパック1092は、遠位ハウジング部分1096に取り付けられた、近位ハウジング部分1094を備えている。近位ハウジング部分1094及び遠位ハウジング部分1096は、内側で複数の電池1098を支持している。電池1098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(Lithium Ion、LI)及び/又は任意の他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分1096は、回路基板アセンブリ1101に結合されるように構成されており、回路基板アセンブリ1101も、モータ1082に動作可能に連結されている。電池1098は、直列かつ/又は並列に接続されていてよく、外科用器具1001の電源を構成している。加えて、電源1090は、交換可能かつ/又は再充電可能であってもよい。
【0019】
電動モータ1082は、歯車減速機アセンブリ1084と動作可能に連係する回転可能なシャフトを含み、歯車減速機アセンブリ1084は、長手方向に移動可能な駆動部材1121上の駆動歯1129の組又はラックと噛合い係合をなして装着されている。使用中、電源1090によって提供される電圧極性は、時計方向に電動モータ1082を動作させ得る。電池によって電動モータに印加される電圧極性は、電動モータ1082を反時計方向に動作させるために反転され得る。電動モータ1082がある方向に回転されると、駆動部材1121は、遠位方向DDに軸方向駆動されることになる。モータ1082が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材1121は、近位方向PDに軸方向駆動されることになる。ハンドル1004は、電源1090によって電動モータ1082に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含む。他の実施形態では、ステープル発射ストロークの後に、外科用器具1001のコントローラは、電動モータ1082に印加される極性を逆転させることができる。ハンドル1004はまた、駆動部材1121の位置及び/又は駆動部材1121が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むこともできる。
【0020】
モータ1082の作動は、ハンドル1004上で枢動可能に支持される発射トリガー1131によって制御される。発射トリガー1131は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガー1131は、ばね1133又は他の付勢装置によって非作動位置へと付勢されてもよく、それにより、臨床医が発射トリガー1131を解放すると、発射トリガー1131がばね1133によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられる。少なくとも1つの形態では、発射トリガー1131は、閉鎖トリガー1032に対して「機外」に位置付けられ得る。発射トリガー安全ボタン1135がピン1035によって閉鎖トリガー1032に枢動可能に装着されている。安全ボタン1135は、発射トリガー1131と閉鎖トリガー1032との間に位置付けられ、安全ボタン1135から突き出す枢動アーム1137を備えている。図3を参照されたい。閉鎖トリガー1032が非作動位置にあるとき、安全ボタン1135は、ハンドル1004に収容される。この場合、臨床医は安全ボタン1135に容易にアクセスすることができず、発射トリガー1131の作動を防止する安全位置と発射トリガー1131が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガー1032を押下すると、安全ボタン1135及び発射トリガー1131が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
【0021】
上に示されるように、長手方向に移動可能な駆動部材1121は、歯車減速機アセンブリ1084の対応する駆動ギア1086と噛合い係合するために、その上に形成されたラック歯1129を有する。外科用器具1001はまた、モータ1082が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材1121を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」アセンブリ1141を含む。緊急離脱アセンブリ1141は、手動で枢動させて、駆動部材1121にやはり設けられた歯1124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドルアセンブリ1143を含む。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドルアセンブリ1143を使用して駆動部材1121を近位方向PDにラチェットで駆動させることによって、駆動部材1121を手動により後退させることができる。米国特許出願公開第2010/0089970号、現在の米国特許第8,608,045号は、本明細書に開示される様々な器具と共に同様に用いられることもできる緊急離脱装置、並びに他の構成要素、装置、及びシステムを開示している。米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在の米国特許第8,608,045号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、現在の米国特許第9,050,083号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。米国特許出願第11/651,807号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH WIRELESS COMMUNICATION BETWEEN CONTROL UNIT AND REMOTE SENSOR」、現在の米国特許第8,459,520号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0022】
上記に加えて、図2及び図4に示すように、エンドエフェクタ1300は、ステープルカートリッジ1304をその中に動作可能に支持するように構成された細長チャネル1302を備えている。エンドエフェクタ1300は、細長チャネル1302に対して枢動可能に支持されるアンビル1306を更に含む。交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフト軸線SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ1300を解放可能に保持するように構成することができる、関節運動ジョイント1270及び関節運動ロックを更に含んでいてもよい(図4)。エンドエフェクタ1300、関節運動ジョイント1270、及び関節運動ロックの構造と動作に関する詳細は、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に説明されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」の開示内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2つ以上の関節運動ジョイントを備えるか、又は関節運動ジョイントを備えていない他の実施形態が想定されている。
【0023】
図4で分かるように、交換式シャフトアセンブリ1200は、ノズル部分1202及び1203から構成される近位ハウジング又はノズル1201を更に含む。交換式シャフトアセンブリ1200は、エンドエフェクタ1300のアンビル1306を閉鎖及び/又は開放するために利用することができる、閉鎖管1260を更に含んでいてもよい。シャフトアセンブリ1200は、スパイン1210を含み、スパイン1210は、(1)内部に発射部材を摺動可能に支持し、(2)スパイン1210の周囲に延在する閉鎖管1260を摺動可能に支持するように構成されている。スパイン1210はまた、近位側関節運動ドライバを摺動可能に支持するように構成することができる。関節運動ドライバは、関節運動ロックと動作可能に係合するように構成された遠位端を有する。関節運動ロックは、エンドエフェクタフレーム上の駆動ピンに動作可能に係合するように適合された、関節運動フレームと連係する。上述したように、関節運動ロック及び関節運動フレームの動作に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。様々な状況において、スパイン1210は、シャーシ1240内で回転可能に支持される近位端1211を備えることができる。スパイン1210の近位端1211には、シャーシ1240内で支持されるように構成されたスパイン軸受1216にねじにより取り付けられるように、ねじ山1214が形成されている。図4を参照されたい。このような構成により、シャーシ1240に対するスパイン1210の回転可能な取り付けが容易になり、スパイン1210を、シャーシ1240に対してシャフト軸線SAを中心に選択的に回転させ得る。
【0024】
主に図4を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャーシ1240に対して軸方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される閉鎖シャトル1250を含む。閉鎖シャトル1250は、一対の近位に突き出たフック1252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク1038に取り付けられる取り付けピン1037(図2及び図3)に取り付けるように構成されている。閉鎖管1260の近位端1261は、閉鎖シャトル1250に結合されている。より具体的には、U字コネクタ1263は、閉鎖管1260の近位端1261にある環状スロット1262に挿入され、閉鎖シャトル1250の垂直スロット1253内で保持される。かかる構成は、閉鎖管1260を閉鎖シャトル1250と共に軸方向移動するように閉鎖シャトル1250に取り付ける役割を果たし、一方で閉鎖管1260がシャフト軸線SAを中心にして閉鎖シャトル1250に対して回転することを可能にする。閉鎖ばね1268は、閉鎖管1260上で軸支され、閉鎖管1260を近位方向PDで付勢する役割を果たし、それによって、シャフトアセンブリ1200がハンドル1004に動作可能に結合されると、閉鎖トリガーを非作動位置へと枢動する役割を果たすことができる。
【0025】
上記に加えて、交換式シャフトアセンブリ1200は、関節運動ジョイント1270を含む。図4で分かるように、関節運動ジョイント1270は二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ1271を含む。二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ1271は、上部遠位突出タング1273及び下部遠位突出タング1274を有する、エンドエフェクタ閉鎖スリーブアセンブリ1272を含む。エンドエフェクタ閉鎖スリーブアセンブリ1272は、参照により本明細書に組み込まれている、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に様々な形式で記載されている、アンビル1306上の開放タブに係合する馬蹄形アパーチャ1275及びタブ1276を含む。馬蹄形アパーチャ1275及びタブ1276は、アンビル1306が開放されると、アンビルのタブと係合する。上側二重枢動リンク1277は、閉鎖管1260上にある上部近位突出タング1273の上部遠位ピンホール、及び上部遠位突出タング1264の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。下側二重枢動リンク1278は、上向きに突出している遠位枢動ピン及び近位枢動ピンを含み、遠位枢動ピンは、下部近位突出タング1274の下部遠位ピンホールに、かつ近位枢動ピンは、下部遠位突出タング1265の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する。図4も参照されたい。
【0026】
閉鎖システムの作動の際、閉鎖管1260は、閉鎖トリガー1032の作動に応答して、アンビル1306を閉鎖するように遠位(方向DD)に並進する。アンビル1306は、閉鎖管1260を、かつしたがって閉鎖スリーブアセンブリ1272を遠位に並進させて、上述した参照文献の米国特許出願第13/803,086号に記載されている方法で、アンビル1360の近位面に衝突させることによって閉鎖される。同参照文献にやはり詳細に記載されているように、閉鎖管1260及び閉鎖スリーブアセンブリ1272を近位に並進させて、タブ1276及び馬蹄形アパーチャ1275をアンビルタブに接触させ、それを押してアンビル1306を持ち上げることによって、アンビル1306が開放される。
【0027】
上述したように、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフトスパイン1210内で軸線方向に移動するように支持される発射部材を更に含む。発射部材は、遠位切断部分又はナイフバーに取り付けられた中間発射シャフト部分1222を含む。中間発射シャフト部分1222は、その遠位端に長手方向スロット1223を含み、長手方向スロット1223は、遠位ナイフバーの近位端にあるタブを受容している。長手方向スロット及び近位端は、それらの間の相対運動を可能にするような大きさ及び構成を有し、スリップジョイントを備えることができる。スリップジョイントは、ナイフバーを移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射駆動部の中間発射シャフト部分1222を移動させて、エンドエフェクタ1300を関節運動させることを可能にすることができる。エンドエフェクタ1300が好適に配向された後は、ナイフバーを進め、チャネル1302内に位置付けられたステープルカートリッジを発射するため、長手方向スロットの近位側の側壁がタブに接触するまで、中間発射シャフト部分1222を遠位に進めることができる。発射部材の動作に関する更なる記載は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。
【0028】
図4で分かるように、シャフトアセンブリ1200は、閉鎖管1260上に回転可能に受容されるスイッチドラム1500を更に含む。スイッチドラム1500は、中空のシャフトセグメント1502を備え、シャフトセグメント1502の内部には、外側に突き出した作動ピンを受容するためのシャフトボスが形成されている。様々な状況下で、作動ピンは、ロックスリーブ内に設けられた長手方向スロットを通って延在することで、ロックスリーブが関節運動ドライバと係合されている場合には、ロックスリーブの軸線方向移動を助ける。回転ねじりばね1420は、スイッチドラム1500上のボス及びノズル1201の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム1500に加えるように構成されている。スイッチドラム1500は、その中に画定された円周方向の開口部又はスロット1506を更に備え、その開口部又はスロット1506は、ノズル半体1202、1203から延在する円周方向のマウントを受容し、スイッチドラム1500と近位ノズル1201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成され得る。マウントはまた、閉鎖管1260の開口部1266を通って延在して、シャフトスパイン1210の凹部に着座する。2014年3月26日に出願された、米国特許出願第13/803,086号及び米国特許出願第14/226,142号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0029】
図4にも示されるように、シャフトアセンブリ1200は、スリップリングアセンブリ1600を備え、スリップリングアセンブリ1600は、例えば、エンドエフェクタ1300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ1300との間で信号を通信するように構成されている。スリップリングアセンブリ1600は、シャーシ1240から延在するシャーシフランジ1242に装着される近位コネクタフランジ1604と、シャフトハウジング内に画定されたスロット内に位置付けられた遠位コネクタフランジとを備えている。近位コネクタフランジ1604は第1の面を備え、遠位コネクタフランジは、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えている。遠位コネクタフランジは、シャフト軸線SAを中心として、近位コネクタフランジ1604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ1604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体を備える。コネクタフランジの近位側に、複数の接点を有するコネクタが装着されており、各接点は、導体のうちの1つに対応し、電気的に接触している。かかる構成により、近位コネクタフランジ1604と遠位コネクタフランジとが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ1604は、電気コネクタ1606を含み、電気コネクタ1606により、導体と、シャフトシャーシ1240に装着されたシャフト回路基板1610との信号通信が確立する。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ1606とシャフト回路基板1610との間に延在している。電気コネクタ1606は、シャーシ装着フランジ1242に画定されたコネクタ開口部1243を通って近位方向に延在している。図4を参照されたい。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。スリップリングアセンブリ1600に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見出すことができる。
【0030】
上述したように、シャフトアセンブリ1200は、ハンドル1004に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸線を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリングアセンブリ1600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ1600の遠位コネクタフランジは、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けられている。また、上記に加えて、スイッチドラム1500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けられている。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ及びスイッチドラム1500を互いに同期させて回転させることができる。加えて、スイッチドラム1500は、第1の位置と第2の位置との間で遠位コネクタフランジに対して回転可能である。スイッチドラム1500がその第1の位置にあるとき、関節駆動システムと発射駆動システム1080の動作可能な係合が解除されるため、発射駆動システム1080の動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300が関節運動することがない。スイッチドラム1500が第2の位置にあるとき、関節駆動システムが発射駆動システム1080と動作可能に係合されるため、発射駆動システム1080の動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300が関節運動する。スイッチドラム1500をその第1の位置とその第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム1500は、遠位コネクタフランジに対して移動させられる。様々な例において、シャフトアセンブリ1200は、スイッチドラム1500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。
【0031】
再び図4を参照すると、シャーシ1240は、2つの先細の取り付け部分1244を含み、取り付け部分1244は、フレーム1022の遠位取り付けフランジ部分1700内に形成された対応するダブテールスロット1702内に受容されるように適合されている。図3を参照されたい。各ダブテールスロット1702は、取り付け部分1244を中に着座させて受容するように先細であり、あるいは言い換えれば、ある程度V字形である。図4で更に分かるように、シャフト取り付けラグ1226が、中間発射シャフト1222の近位端上に形成される。交換式シャフトアセンブリ1200がハンドル1004に結合されると、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1121の遠位端1125に形成された発射シャフト取り付けクレードル1126に受容される。図3を参照されたい。
【0032】
外科用器具1001は、ラッチシステム1710を備え、ラッチシステム1710は、シャフトアセンブリ1200を、ハウジング1002に、より具体的にはフレーム1022に取り外し可能に結合するためのものである。図4に示されるように、ラッチシステム1710は、シャーシ1240に移動可能に結合されているロック部材又はロックヨーク1712を含む。ロックヨーク1712は、2つの離間して下向きに延在する脚部1714を備えたU字形を有する。脚部1714にはそれぞれ枢動ラグ1715が形成され、枢動ラグ1715は、シャーシ1240に形成された対応する穴1245内に受容されるように適合されている。かかる構成により、ロックヨーク1712をシャーシ1240に枢動可能に取り付けやすくなる。ロックヨーク1712は、2つの近位に突き出したロックラグ1716を含み、ロックラグ1716は、フレーム1022の遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704と解除可能に係合するように構成されている。図3を参照されたい。ロックヨーク1712は、ばね又は付勢部材により、近位方向に付勢される。ロックヨーク1712の作動は、シャーシ1240に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ1720上に摺動可能に装着されたラッチボタン1722によって行う。ラッチボタン1722は、ロックヨーク1712に対して近位方向に付勢されている。以下で更に詳しく記載されるように、ロックヨーク1712は、ラッチボタン1722を遠位方向に付勢することによってロック解除位置へと移動させられ、それによってまた、ロックヨーク1712が枢動して、フレーム1022の遠位取り付けフランジ1700との保持係合から外れる。ロックヨーク1712がフレーム1022の遠位取り付けフランジ1700と保持係合しているとき、ロックラグ1716は、遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704内に保持されて着座している。
【0033】
使用中、様々な例において、臨床医が閉鎖トリガー1032を部分的に作動させて、標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ1300内に好適に位置付けられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガー1032を完全に作動させてアンビル1306を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めのために適所にクランプしてもよい。その場合、閉鎖駆動システム1003は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ1300にクランプされた後、シャフトアセンブリ1200がハウジング1002から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム1710は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。図4で分かるように、ロックヨーク1712は、閉鎖シャトル1250上に形成された対応するロックラグ部分1256に接触するように適合された、2つのロックフック1718を含む。閉鎖シャトル1250が非作動位置にある(すなわち、閉鎖システム1003が非作動で、アンビル1306が開放されている)とき、ロックヨーク1712を遠位方向に枢動させて、交換式シャフトアセンブリ1200をハウジング1002からロック解除してもよい。そのような例では、ロックフック1718は、閉鎖シャトル1250のロックラグ部分1256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル1250を作動位置へと移動させる(すなわち、閉鎖駆動システム1003が作動され、アンビル1306が閉位置にある)と、ロックヨーク1712がロック解除位置へと枢動することが防止される。換言すれば、臨床医がロックヨーク1712をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又はロックヨーク1712に対する意図しない突き当たり又は接触が生じ、ロックヨーク1712を遠位に枢動させてしまいかねないような場合にも、ロックヨーク1712上のロックフック1718が閉鎖シャトル1250上のロックラグ1256に接触し、ロックヨーク1712がロック解除位置へと移動することを防ぐ。
【0034】
交換式シャフトアセンブリ1200をハンドル1004に組み付けるために、臨床医は、交換式シャフトアセンブリ1200のシャーシ1240をフレーム1022の遠位取り付けフランジ1700の上方に、又はそれに隣接して位置付けて、シャーシ1240上に形成された先細取り付け部分1244がフレーム1022のダブテールスロット1702と位置合わせされるようにしてもよい。臨床医は次いで、シャフトアセンブリ1200を、シャフト軸線SAに垂直な取り付け軸線に沿って移動させて、取り付け部分1244を、対応するダブテール受容スロット1702と動作可能に係合させて着座させてもよい。その際、中間発射シャフト1222上のシャフト取り付けラグ1226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材1121のクレードル1126に着座し、第2の閉鎖リンク1038上にあるピン1037の一部分が、閉鎖シャトル1250の対応するフック1252に着座する。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における動作可能な係合という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動動作をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は処置を実施し得ることを意味する。
【0035】
交換式シャフトアセンブリ1200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル1004の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に結合することができる。第1のシステムは、シャフトアセンブリ1200のフレーム又はスパインをハンドル1004のフレーム1022と結合及び/又は位置合わせするフレームシステムを備えることができる。別のシステムは、閉鎖駆動システム1003を備え、閉鎖駆動システム1003は、ハンドル1004の閉鎖トリガー1032と、閉鎖管1260と、シャフトアセンブリ1200のアンビル1306とを動作可能に接続する。上で概説したように、シャフトアセンブリ1200の閉鎖シャトル1250は、第2の閉鎖リンク1038のピン1037と係合している。別のシステムは、発射駆動システム1080を備えることができ、発射駆動システム1080は、ハンドル1004の発射トリガー1131をシャフトアセンブリ1200の中間発射シャフト1222と動作可能に接続する。上で概説したように、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1121のクレードル1126と動作可能に接続されている。別のシステムは、電気システムを備えることができ、電気システムは、例えばシャフトアセンブリ1200などのシャフトアセンブリが、ハンドル1004と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル1004内のコントローラに信号伝達することができ、かつ/又は第2に、シャフトアセンブリ1200とハンドル1004との間での電力の伝導、及び/若しくは信号通信を行うことができる。上記に加えて、シャフトアセンブリ1200は、シャフト回路基板1610に動作可能に装着される電気コネクタ1810を含むことができる。電気コネクタ1810は、ハンドル制御基板1101上の対応する電気コネクタ1800と形状一致して係合するように構成されている。回路類及び制御システムを回復する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、及び同第14/226,142号に見出すことができ、それらの各々の開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。第5のシステムは、シャフトアセンブリ1200をハンドル1004に解放可能にロックするラッチングシステムを備えていてもよい。
【0036】
外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタを図5に示す。エンドエフェクタは、例えば、アンビル2001などのアンビルと、ジョー、又はステープルカートリッジチャネル2002と、を含み、ジョー、又はステープルカートリッジチャネル2002は、内側にステープルカートリッジを取り外し可能に支持するように構成されている。ステープルカートリッジ2000は、例えば、カートリッジチャネル2002内に位置付けられる。ステープルカートリッジ2000は、カートリッジ本体2010を備え、カートリッジ本体2010の内部には複数のステープルキャビティ2050が画定されている。ステープルは、各ステープルキャビティ2050内に取り外し可能に格納されている。カートリッジ本体2010は、デッキ表面2011と、デッキ表面2011に画定された長手方向スロット2015と、を含み、長手方向スロット2015は、内側に発射部材、及び/又は切断エッジを受容するように構成されている。カートリッジ本体2010は、遠位端2013、近位端2016、及び遠位端2013と近位端2016との間に延在する対向する長手方向側面2012を更に備えている。米国特許出願第14/319,004号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH FIRING ELEMENT MONITORING ARRANGEMENTS」、現在の米国特許第9,844,369号の全開示内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
図6及び図7は、外科用器具100と共に使用するための電池ユニット110の実施形態を示している。外科用器具100のハンドル102は、少なくとも1つの電池ユニット110を収容している。電池ユニット110は、直列及び/又は並列構成に配置される1つ以上の電池112を備えている。電池112のうちの少なくとも1つは、再充電可能であってもよい。電池は、例えば、CR-123A電池及び/又はCR-2電池及び/又は任意の他の好適な電池であってよい。外科用器具100のハンドル102は、電池ユニット110が取り付けられている電池ドック104を備えている。電池ドック104は、電池ユニット110を器具100に結合するための任意の好適な構造を備えている。例えば、電池ドック104は、図7に示すように、電池ユニット110の少なくとも一部分を受容するように構成された、ハンドル102内のキャビティを備えている。他の実施形態では、電池ドック104は、任意の好適な構造を使用して実装されてよい。一実施形態において、電池ドック104は、電池ユニット110によって受容されるポスト106を含む。一実施形態において、ハンドル102のピストルグリップ部分が電池ドック104を備えている。
【0038】
以下でより詳細に論じられるように、電池ドック104は、電池ユニット110がハンドル102に取り付けられたときに電池ユニット110と相互作用する突き出し部分を備えている。取り付けられると、電池ユニット110は、外科用器具100の回路と電気的に接続され、回路に電力を供給することができる。回路は、外科用器具100のハンドル102内、エンドエフェクタ内、かつ/又は器具100内の位置の任意の組み合わせに、位置していてよい。使用中、回路は、エンドエフェクタの少なくとも1つの手術具の動作に電力を供給し得る。例えば、回路は、電動カッター、把持具及び/又は他の機械的デバイスを動作させるための、電動モータを備えている。例えば、モータに加え、又はモータに代えて、回路は、RF、超音波、及び/又は他の種類の非モータ駆動式手術具を実装するための好適な回路部品を備えていてもよい。
【0039】
再び図6及び図7を参照すると、電池ユニット110は、電池ハウジング114と、電池ハウジング114内に位置付けられた電池112と、電池ハウジング114を受容するように構成された外側ハウジング120と、を備えている。図示の実施形態では、電池ハウジング114は、4つの電池112を格納するように構成されている。しかしながら、電池ハウジング114が任意の好適な数及び/又は種類の電池112を格納する他の実施形態が想定されている。例えば、CR123電池セル及び/又はCR2電池セルを使用してよい。外側ハウジング120は、開位置(図6)と閉位置との間で移動可能な上部カバー又は蓋122を備えている。蓋122は、外側ハウジング120の凹部129に係合する保持部材123によって閉位置に固定される。蓋122を外側ハウジング120に固定するためのラッチ、戻り止めなどの様々な固定方法を備える、他の実施形態が想定されている。外側ハウジング120は、ポスト124を更に含み、ポスト124には電気接点126が位置付けられている。電池ハウジング114は、キャビティ118と電気接点116を備えている。以下でより詳細に論じられるように、電気接点116及び電気接点126により、電池112から外科用器具100への電気経路の一部分が提供される。
【0040】
電池ハウジング114が外側ハウジング120内に位置付けられると、外側ハウジング120のポスト124が電池ハウジング114のキャビティ118内に受容され、電池ハウジング114の電気接点116が外側ハウジング120の電気接点126と接触する。次いで、蓋122を閉じて、外側ハウジング120内に電池ハウジング114を密閉する。少なくとも1つの実施形態では、外側ハウジング120は、例えば、オートクレーブ処理などの滅菌処置を受けた滅菌外側ハウジング120であってよい。しかしながら、電池ハウジング114及び電池ハウジング114の中に受容された電池112は、滅菌済であってもよいが、滅菌済でなければならないわけではない。したがって、滅菌されていない電池アセンブリが滅菌外側ハウジング120内に受容されると、電池ユニット110全体としては滅菌済のアセンブリとなる。言い換えれば、外側ハウジング120は、滅菌されていない電池ハウジング114及び電池112と、周辺環境との間の無菌バリアとして機能する。こうした構成により、電池ハウジング114などの電池アセンブリを、滅菌を必要とすることなく再使用できる。少なくとも1つの実施形態では、電池ハウジング114及び電池112を周辺環境から封止するためのシールが、蓋122と外側ハウジング120との間に位置付けられる。シールは、ゴム、プラスチック、及び/又は任意の好適な材料であり得る。
【0041】
電池112が電池ハウジング114に組み付けられ、電池ハウジング114が外側ハウジング120に組み付けられた後、電池ユニット110は外科用器具100に取り付けられる。電池ユニット110は、外側ハウジング120のポスト124内に画定されたキャビティを備えている。ポスト124内に画定されたこのキャビティは、外科用器具100の電池ドック104のポスト106を受容するように構成されている。電池ユニット110が電池ドック104内に着座しているとき、外側ハウジング120のポスト124に位置付けられた電気接点126は、電池ドック104に位置付けられた電気接点108と位置合わせされ、電気的に接触している。電気接点126は、上記の無菌バリアが損なわれないように封止されている。電池ユニット110が電池ドック104内に組み付けられると、電気接点116、126、及び108は、電池112から外科用器具100への電気経路を形成する。
【0042】
図7を参照すると、電池ユニット110は、電池ユニット130、及び/又は、米国特許第8,632,525号、発明の名称「POWER CONTROL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS AND BATTERIES」(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものと同様の外部寸法を備えている。外科用器具100の電池ドック104は、電池ユニット110又は電池ユニット130のいずれか一方を受容することができる。
【0043】
上記に加えて、電池ハウジング114は、制御回路又は回路基板113及び電池状態インジケータ119を更に備え、電池状態インジケータ119は、電池112が電池ハウジング114内に位置付けられると、回路基板113及び電池112と通信する。電池状態インジケータ119は、光を含むが、様々な種類のインジケータ119を備える他の実施形態が想定されている。少なくとも1つの実施形態では、状態インジケータ119は、例えば、線状LEDディスプレイ及び/又は回転ダイヤルLEDインジケータを含む。外側ハウジング120の蓋122は、透明窓128を備え、透明窓128は、蓋122が閉じられると、電池状態インジケータ119と位置合わせされる。電池ハウジング114が外側ハウジング120内に組み付けられた後は、臨床医は、透明窓128によって状態インジケータ119を見ることができる。代替的な実施形態では、蓋122が状態インジケータ119を備えている。
【0044】
上記に加えて、電池状態インジケータ119は、例えば、電池ユニット110の充電状態を示すように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、電池状態インジケータ119は、電池ユニット110の残りの電気容量を、外科用器具100の残りの作動数として示す。この作動は、例えば、電池ユニット110の交換が必要になるまでに、発射可能と考えられるステープルカートリッジの数であってもよい。残りの電気容量は、電池ユニット110が、例えば、所定の又は最近の、電圧、電流、及び/又は出力レベルで放電される場合に、電池ユニット110が使い果たされるまでの時間量として表示されてもよい。更に、例えば、ステープル発射の完遂のため電池ユニット110の寿命を延ばすために、少なくとも1つの実施形態では、電池ハウジング114の制御回路113は、外科用器具100の電流引き込みを制限するように構成されている。例えば、履歴データに基づいてあと2回半のステープル発射を行うのに十分な電力が電池ユニット110にある場合、電池ユニット110の電荷管理回路は、電流引き込みを制限して、発射3回分にまで寿命を効率化することができる。
【0045】
図8図10に、例えば、外科用器具100などの外科用器具と共に使用するための電池ユニット210を示す。上述の電池ユニット110と同様に、電池ユニット210は、外科用器具100の電池ドック104に受容されるように構成されている。電池ユニット201は、電池アセンブリ214と、電池アセンブリ214を受容するように構成された外側ハウジング220と、を備えている。電池アセンブリ214は、4つの電池112を備えるが、電池アセンブリ214が2つの電池、3つの電池、又は4つより多くの電池を備える他の実施形態が想定されている。電池アセンブリ214は、2つの対となるように電池112を電気的に接続する電気接点216を備えている。電池アセンブリ214は、電池112の第1の対から延在する第1の電気コネクタ218と、電池112の第2の対から延在する第2の電気コネクタ219と、を更に備えている。第1の電気コネクタ218及び第2の電気コネクタ219は、これら2つの電池112の対を電気的に接続するように構成されている。第1の電気コネクタ218と第2の電気コネクタ219の間に絶縁性の遮断部材又はプルタブ230が位置付けられており、プルタブ230が存在するときには、電池112の2つの対が電気的に接続されないようになっている。その結果、プルタブ230が存在する場合、電池回路は開回路となる。
【0046】
電気接点216、第1の電気コネクタ218、及び第2の電気コネクタ219は、例えば、電池112にはんだ付けされている。第1の電気コネクタ218及び第2の電気コネクタ219は、例えば、板ばねなどの付勢部材によって、かつ/又はそれら電気コネクタ自体の対応した構造によって互いに向かって付勢されている。電気接点216、第1の電気コネクタ218、及び第2の電気コネクタ219が、電池112を収容する外側ハウジング又はケースの一部である他の実施形態が想定されている。電池が外側ハウジング又はケース内に位置付けられると、電池は、電気接点216、第1の電気コネクタ218、及び第2の電気コネクタ219と接触するか、又はカム係合する。他の実施形態では、接点216のうちの1つ以上が、電池回路の少なくとも一部分を閉じるために閉位置へとカム係合される。しかしながら、電池回路は、電池ユニット210が電池ドック104内に着座するまでは、完全に閉じられない。少なくとも1つの実施形態では、外側ハウジング220が、例えば、電気接点216と、第1の電気コネクタ218と、第2の電気コネクタ219と、を備えている。
【0047】
上述したように、外側ハウジング220は、電池アセンブリ214を受容するように構成されている。電池アセンブリ214が外側ハウジング220内に受容されれば、カバー又は蓋222を閉じて、外側ハウジング220内に電池アセンブリ214を封入することができる。外側ハウジング220及び蓋222は、図6及び図7の実施形態に関して上述したように、電池アセンブリ214と周辺環境との間の無菌バリアを形成する。外側ハウジング220は、保持部材123と同様の保持部材223を更に備えている。保持部材223は、例えば、蓋222を外側ハウジング220に固定する。
【0048】
上記に加えて、電池アセンブリ214が外側ハウジング220内に位置付けられ、電池ユニット210が外科用器具100に取り付けられたとき、電池ユニット210のユーザは、プルタブ230にアクセス可能である。プルタブ230を変位させることで、電池アセンブリ214内の4つの電池112全てを電気的に接続することができる。プルタブ230は、電池ユニット210を外科用器具100に組み付ける前に変位させてもよいし、組み付けた後に変位させてもよい。少なくとも1つの実施形態では、電池ユニット110は、電池ユニット210を少なくとも部分的に取り囲む包装材料を備えている。包装材料は、電池ユニット210が包装材料から少なくとも部分的に取り出されたときに、プルタブ230が電池ユニット210から引き抜かれて、4つの電池112が電気的に接続され得るように、プルタブ230に取り付けられていてよい。少なくとも1つの実施形態では、第1の電気コネクタ218及び第2の電気コネクタ219を介した電池212の2つの対間の電気接続は、例えば、電池ユニット210が外科用器具100から分離されたときに再び遮断される。より具体的には、電池ユニット210は、再配置可能な(resettable)プルタブを備え、このプルタブは、電池アセンブリ214に向かって付勢されるか、又は、ばねによって荷重付与されており、電池ユニット210が電池ドック104から分離されたときに、再配置可能なタブにより、電池212の2つの対間の電気接続が遮断されるようになっている。
【0049】
外科用器具300などの外科用器具のエンドエフェクタ320を図11図13に示す。外科用器具300は、上述の外科用器具と同様であってもよい。エンドエフェクタ320は、第1のジョー又は細長チャネル330と、第2のジョー又はアンビル340と、を備えている。アンビル340は、細長チャネル330に枢動可能に結合され、開位置と閉位置との間で細長チャネル330に対して移動可能である。しかしながら、細長チャネル330が開位置と閉位置との間でアンビル340に対して移動可能である、他の実施形態が想定されている。いずれにせよ、細長チャネル330は、ステープルカートリッジ350を受容するように構成されている。ステープルカートリッジ350は、他のステープルカートリッジと交換可能であるが、ステープルカートリッジが交換可能ではない他の実施形態が想定されている。ステープルカートリッジ350は、内部に取り外し可能に格納された複数のステープルを備える。ステープルカートリッジ350に取り付けられたカートリッジパン352によって、ステープルがステープルカートリッジ350から脱落しないようになっている。更に、ステープルカートリッジ350は、ステープル発射ストローク中にステープルカートリッジ350からステープルを排出するために、近位非発射位置から遠位発射位置に移動するように構成されたスレッド354を備えている。
【0050】
上記に加えて、細長チャネル330は、細長チャネル330の底部に画定された、長手方向キャビティ332とチャネル開口部334を備えている。外科用器具300は、ステープル発射ストローク中にエンドエフェクタ320を通って移動して、ステープルカートリッジ350からステープルを排出するように構成された発射部材310を更に備えている。より具体的には、発射部材310は、ステープル発射ストローク中に、スレッド354を近位非発射位置から遠位発射位置に向かって移動させて、ステープルカートリッジ350からステープルを排出するように構成されている。発射部材310は、下側横方向フランジ又は第1のカム部材312と、上側横方向フランジ又は第2のカム部材314と、を備えている。ステープル発射ストローク中、第1のカム部材312は、細長チャネル330に画定された長手方向キャビティ332内を摺動するように構成され、第2のカム部材314は、アンビル340内に画定されたアンビルスロット342と摺動可能に係合するように構成され、これにより、アンビル340は、細長チャネル330及びステープルカートリッジ350に対して、所望の間隔で位置付けられる。発射部材310は、遠位部分又は遠位突起部316を更に備え、遠位突起部316は、以下でより詳細に説明されるように、スレッド354と一緒になって、発射部材ロックアウトを克服する。
【0051】
ステープルカートリッジ350が細長チャネル330内に位置付けられていないとき、又はステープルカートリッジ350が細長チャネル330内に位置付けられ、かつスレッド354がステープル発射ストロークの開始時に近位非発射位置にないとき、発射部材310はロックアウトされる(すなわち、ステープル発射ストロークの実行が防がれる)。より具体的には、ステープルカートリッジ350が細長チャネル330内に位置付けられておらず、発射部材310が作動(すなわち、遠位に前進)される場合、発射部材310の第1のカム部材312は、ステープル発射ストロークの開始時に細長チャネル330内のチャネル開口部334内に付勢されることになる。発射部材310は、例えば、外科用器具300のシャフト内のばねなどの付勢部材によってチャネル開口部334に向かって付勢される。第1のカム部材312がチャネル開口部334内に位置付けられているとき、第1のカム部材312は、ステープル発射ストロークの開始時にチャネル開口部334の側壁又はロックショルダ336と係合し、それによって発射部材310の更なる遠位前進を防ぐ。ステープルカートリッジ350が細長チャネル330内に位置付けられ、かつスレッド354が図12に示されるように近位非発射位置にない場合は、ステープルカートリッジ350が全くない場合と同じ結果となる。
【0052】
主に図13を参照すると、上記の発射部材ロックアウトを無効化するためには、スレッド354は、ステープルカートリッジ350が細長チャネル330内に位置付けられたときに、近位非発射位置にある必要がある。スレッド354は、近位カム面356を備え、近位カム面356は、発射部材310が遠位に前進したときに遠位突起部316と上方向にカム係合して発射部材310を、ロックショルダ336を乗り越えるように持ち上げることにより、発射部材310によるステープル発射ストロークの実行を可能とする。更に、遠位突起部316と近位カム面356との間の相互作用により、第1のカム部材312が細長チャネル330の長手方向キャビティ332と位置合わせされ、第2のカム部材314がアンビル340のアンビルスロット342と位置合わせされる。遠位突起部316が近位カム面356に係合して、発射部材310を、ロックショルダ336を乗り越えるように持ち上げると、発射部材310に対する付勢力が克服され、発射部材ロックアウトが無効化される。近位カム面356は、単に発射部材310を支持するだけではなく、発射部材310を、ロックショルダ336から離れるように上方向にカム駆動させる。発射部材310がスレッド354上に支持されると、発射部材310を遠位に前進させて、ステープル発射ストロークを実行することができる。また、特に、発射部材310は、切断エッジ又はナイフ318を更に備え、切断エッジ又はナイフ318は、ステープル発射ストローク中にアンビル340とステープルカートリッジ350との間に捕捉された患者の組織を切断するように構成されている。
【0053】
米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)、米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、米国特許第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び米国特許第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0054】
例えば、ステープルカートリッジ350及びカートリッジパン352が細長チャネル330内に位置付けられたときに、カートリッジパン352と細長チャネル330との間に長手方向キャビティが画定される他の実施形態が想定されている。第1のカム部材312は、ステープル発射ストローク中にカートリッジパン352と細長チャネル330との間に画定された長手方向キャビティ内を摺動するように構成される。
【0055】
図14図17は、外科用器具400のエンドエフェクタ420を示す。外科用器具400は、外科用器具100、外科用器具300、及び/又は、又は本明細書に記載の外科用器具と同様であってよい。エンドエフェクタ420は、第1のジョー又は細長チャネル430と、第2のジョー又はアンビルと、を備えている。少なくとも1つの実施形態では、細長チャネル430は、アンビルに対して開位置と閉位置との間で移動可能である。図示の実施形態では、アンビルは、細長チャネル430に枢動可能に結合され、開位置と閉位置との間で細長チャネル430に対して移動可能である。いずれにせよ、細長チャネル430は、ステープルカートリッジ450を受容するように構成されている。ステープルカートリッジ450は、別のステープルカートリッジと交換可能であるが、他の実施形態では、交換可能でなくてもよい。ステープルカートリッジ450は、内部に取り外し可能に格納された複数のステープルを備える。ステープルカートリッジ450に取り外し可能に取り付けられたカートリッジパン452によって、ステープルがステープルカートリッジ450から脱落しないようになっている。ステープルカートリッジ450は、スレッド454を備え、スレッド454は、近位非発射位置P図16)から中間非発射位置P図17)へと移動し、次いで遠位発射位置へと移動することによって、ステープルカートリッジ450からステープルを排出するように構成されている。
【0056】
細長チャネル430は、細長チャネル430の底部に画定されたチャネル開口部434を備えている。外科用器具400は、発射部材410を更に備え、発射部材410は、ステープルカートリッジ450が細長チャネル430内に位置付けられ、スレッド454が近位非発射位置P又は中間非発射位置Pにあるときに、ステープル発射ストロークの間、エンドエフェクタ420を通って移動し、ステープルカートリッジ450からステープルを排出するように構成されている。発射部材410は、下側横方向フランジ又は第1のカム部材412と、上側横方向フランジ又は第2のカム部材414と、遠位突き出しノーズ部分416と、横方向延在ロック部材419と、を備えている。横方向延在ロック部材419は、第1のカム部材412と第2のカム部材414との間に位置付けられ、両方向に延在している。ステープル発射ストローク中、第1のカム部材412は、細長チャネル430の底部に摺動可能に係合するように構成され、第2のカム部材414は、アンビル内に画定されたアンビルスロットと摺動可能に係合するように構成され、これにより、アンビルは、細長チャネル430及びステープルカートリッジ450に対して、所望の間隔で位置付けられる。更に、横方向延在ロック部材419は、ステープル発射ストローク中にステープルカートリッジ450とカートリッジパン452との間に画定された長手方向キャビティ455内を移動するように構成されている。遠位突き出しノーズ部分416は、以下でより詳細に説明されるように、スレッド454の回転部材と一緒になって、発射部材ロックアウトを克服するように機能する。
【0057】
ステープルカートリッジ450が細長チャネル430内に位置付けられていないとき、発射部材410は、ロックアウトされる(すなわち、ステープル発射ストロークの実行が防がれる)。より具体的には、ステープルカートリッジ450が細長チャネル430内に位置付けられておらず、発射部材410が作動(すなわち、遠位に前進)される場合、発射部材410は、付勢部材によって下方向に付勢され、発射部材410の横方向延在ロック部材419は、細長チャネル430内のチャネル開口部434内へと付勢される。発射部材410は、例えば、シャフト内のばねなどの付勢部材によってチャネル開口部434に向かって付勢される。横方向延在ロック部材419がチャネル開口部434内へと付勢され、発射部材410が遠位に前進されると、横方向延在ロック部材419は、チャネル開口部434の遠位壁又はロックショルダ436に係合し、これにより、発射部材410の更なる遠位前進が防がれる。更に、ステープルカートリッジ450が細長チャネル430内に位置付けられ、かつスレッド454が中間非発射位置Pよりも遠位に位置付けられている場合、発射部材410の遠位方向への前進は、同様の様式で防がれる。上記の発射部材ロックアウトを無効化するためには、以下により詳細に説明されるように、ステープル発射ストロークが開始されるとき、スレッド454が中間非発射位置Pに位置付けられているか、又は中間非発射位置Pよりも近位に位置付けられている必要がある。
【0058】
主に図16及び図17を参照すると、スレッド454は、近位カム面456と、ロックアウトキー又は回転部材458を備えている。回転部材458は、非作動位置(図16)と作動位置(図17)との間でスレッド454に対して回転可能である。ステープルカートリッジ450は、突起部451を備え、突起部451は、スレッド454が近位非発射位置Pから中間非発射位置Pへと移動するときに、回転部材458が非作動位置から作動位置に回転するように、回転部材458を回転させる。使用中、スレッド454が近位非発射位置Pにあり、発射部材410が遠位に前進させられると、遠位突き出しノーズ部分416がスレッド454の近位カム面456と摺動可能に係合し、発射部材410がスレッド454を近位非発射位置Pから近位カム面456と接触する中間非発射位置Pに向かって遠位方向に前進させる。しかしながら、これは、横方向延在ロック部材419がロックショルダ436を乗り越えるように持ち上げられるには不十分である。スレッド454が発射部材410によって遠位に前進させられると、回転部材458がステープルカートリッジ450の突起部451と係合し、回転部材458を非作動位置(図16)から作動位置(図17)に向かって回転させる。回転部材458が非作動位置から作動位置に向かって回転すると、回転部材458は、発射部材410の遠位突き出しノーズ部分416に係合し、発射部材410を細長チャネル430のロックショルダ436を乗り越えるように持ち上げる。言い換えれば、横方向延在ロック部材419は、ロックショルダ436を乗り越えるように持ち上げられ、この回転部材458の持ち上げ動作により、横方向延在ロック部材419がチャネル開口部に入って、ロックショルダ436に係合することが防がれる。したがって、近位非発射位置Pから中間非発射位置Pへ向かうスレッド454の初期的な遠位前進により、発射部材ロックアウトが無効化される。更に、近位非発射位置Pから中間非発射位置Pに向かうスレッド454の初期的な遠位前進により、ステープルを排出するためのステープル発射ストロークの際、横方向延在ロック部材419が長手方向キャビティ455と位置合わせされるとともに、第2のカム部材414がアンビルスロットと位置合わせされる。図示の実施形態では、発射部材410は、切断エッジ又はナイフ418を更に備え、切断エッジ又はナイフ418は、ステープル発射ストローク中にアンビルとステープルカートリッジ450との間に捕捉された患者の組織を切断するように構成されている。
【0059】
図18は、外科用器具100、200、及び/若しくは300、並びに/又は、米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている外科用器具などの外科用器具の、緊急離脱アセンブリ500を示す。緊急離脱アセンブリ500は、例えば、外科用器具の電源のエネルギーレベルが十分な動作レベルを下回り、モータを使用して発射システムを後退させることができない場合に、使用され得る。外科用器具は、ステープル発射ストロークを介して発射部材538を駆動するための駆動システム530を備えている。駆動システム530は、モータ510と、モータ510に動作可能に結合されたギアボックス520と、ギアボックス520から延在する駆動シャフト522と、駆動シャフト522に固定された駆動ギア524と、駆動ギア524と動作可能に係合された従動ギア535と、従動ギア535と動作可能に係合された駆動ラック532と、を備えている。駆動ギア524は、モータ510によって生成された回転運動に応答して回転するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、駆動システム530は、外科用器具のハンドル及び/又はハウジング内に収容されていてよい。
【0060】
上記に加えて、駆動ラック532は、従動ギア535と動作可能に係合された第1のラック歯534と、緊急離脱アセンブリ500と動作可能に係合された第2のラック歯536と、を備えている。使用中、第1の方向の回転運動がモータ510から駆動ギア524に伝達されるとき、駆動ギア524は反時計回り方向に回転し、従動ギア535は時計回り方向に回転する。従動ギア535が時計回りに回転されると、駆動ラック532及び発射部材538が遠位に並進されて、ステープル発射ストロークを実行する。第1の方向とは逆の第2の方向の回転運動がモータ510から駆動ギア524に伝達されるとき、駆動ギア524は時計回り方向に回転し、従動ギア535は反時計回り方向に回転する。従動ギア535が反時計回り方向に回転すると、駆動ラック532が近位に並進されて、発射部材538を後退させる。
【0061】
上記に加えて、緊急離脱アセンブリ500は、レバー502と、レバー502から延在する爪504と、を備えている。レバー502は、レバー502がハンドル又はハウジングに対して回転可能となるように、外科用器具のハンドル又はハウジングに装着されている。少なくとも1つの実施形態では、レバー502は、一般に、ハンドル又はハウジングの開口部を覆うアクセスドア又はパネルによってユーザから隠されている。ユーザが器具のハンドル又はハウジングの開口部を通じてレバー502にアクセス可能となるように、アクセスドアは、ユーザによって取り外し可能である。以下でより詳細に説明されるように、少なくとも1つの実施形態では、アクセスドアは、電子スイッチ及び制御回路に結合され、臨床医がアクセスドアを取り外したときに、モータ510への電力が遮断されるようになっている。
【0062】
緊急離脱アセンブリ500の爪504は、ユーザが緊急離脱アセンブリ500を作動させると、第2のラック歯536と係合するように構成されている。爪504は、例えば、ばねなどの付勢部材によって第2のラック歯536に向かって付勢される。例えば、レバー502が時計回りに回転すると、爪504が第2のラック歯536と係合し、駆動ラック532及び発射部材538を近位に駆動する。駆動ラック532が緊急離脱アセンブリ500によって近位に駆動されると、モータ510は逆駆動される。より具体的には、駆動ラック532が緊急離脱アセンブリ500によって近位に駆動されると、図18に示されるように、従動ギア535が反時計回りに回転し、駆動ギア524が時計回りに回転して、モータ510が逆駆動される。
【0063】
少なくとも1つの実施形態では、モータ510は、電磁ブラシレスDCモータである。外科用器具は、例えば、電池又は電池パックなどの電源と、マイクロプロセッサを含む制御回路と、を更に備えている。電源は、モータ510に電力を供給するように構成され、制御回路は、電源からモータ510への電力の供給を制御するように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、制御回路は、米国特許第8,695,866号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A POWER CONTROL CIRCUIT」(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような、非常用アクセスドア・緊急離脱スイッチ1218を備える制御回路1200と同様のものであってもよい。非常用アクセスドア・緊急離脱スイッチは、アクセスドアが外科用器具から分離されると、電源からモータ510への電力の流れを遮断することで、緊急離脱アセンブリ500を手動で駆動する際に、モータが意図せずに動作することがないようにする。
【0064】
少なくとも1つの実施形態では、モータ510は、モータ510を制御するように構成された容量性タイミング要素を備えた電磁ブラシレスDCモータである。いずれにせよ、ブラシレスDCモータ及びモータ制御回路を利用することにより、緊急離脱アセンブリ500が作動されて発射部材538を後退させるときに、モータ510を駆動システム530から機械的に分離する必要がなくなる。少なくとも1つの実施形態では、レバー502が作動された際に電源からモータ510への電力の流れを止めて、上述したようにモータ510の逆駆動が可能となるように、緊急離脱アセンブリ500は、器具の制御回路と電気的に通信している。
【0065】
上記に加えて、制御回路は、発射ストローク中にモータ510の速度を調整するように構成されている。より具体的には、制御回路は、例えば、パルス幅変調を利用してモータ510の速度制御、すなわち発射ストローク全体に対する特定の既定位置での(すなわち、ストークの最後、及び/又は発射ストロークのロックアウト部分の際の始めにおいて)発射ストロークの速度制御を行う。少なくとも1つの実施形態では、米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、制御回路は、モータ510の電源として機能する電池パック内に位置していてもよい。
【0066】
図19図21は、ハウジング610と、ハウジング610から延在する細長シャフト620と、細長シャフト620から延在するエンドエフェクタ630と、関節運動ジョイント640と、を備える外科用器具600を示す。エンドエフェクタ630は、関節運動ジョイント640によって細長シャフト620に回転可能に結合され、細長シャフト620及びエンドエフェクタ630は、長手方向シャフト軸線SAを中心に一緒に回転可能である。エンドエフェクタ630は、関節運動アセンブリ650によって、関節運動軸線AAを中心に細長シャフト620に対して回転可能であり、関節運動アセンブリ650は、第1のロッド又は関節運動部材652、第2のロッド又は関節運動部材654、及び手動で回転可能な関節運動ノブ656を備えている。関節運動ノブ656は、外科用器具600のハウジング610から離れる方へ延在し、臨床医が手動で回転させることができるようになっている。関節運動アセンブリ650は、関節運動ノブ656からハウジング610内に延在するシャフト657と、関節運動ノブ656を第1の関節運動部材652及び第2の関節運動部材654に接続するヨーク658を備えている。第1の関節運動部材652は、ヨーク658の第1の側及びエンドエフェクタ630の第1の側に取り付けられている。第2の関節運動部材654は、ヨーク658の第1の側とは反対のヨーク658の第2の側、及びエンドエフェクタ630の第1の側とは反対側のエンドエフェクタ630の第2の側に取り付けられている。第1の関節運動部材652及び第2の関節運動部材654は、ピン659を介してヨーク658に取り付けられている。しかしながら、関節運動部材652、654をヨーク658に取り付けるために、任意の好適な取り付け機構を利用してよい。
【0067】
使用中、関節運動軸線AAを中心にエンドエフェクタ630を関節運動させるよう、関節運動ノブ656は、非関節運動位置(図19に示される)と、複数の関節運動位置との間で回転可能である。非関節運動位置では、関節運動ノブ656と細長シャフト620は一直線になる。関節運動ノブ656を時計回りに回転させると、ヨーク658は時計回りに回転し、第1の関節運動部材652は遠位に移動し、第2の関節運動部材は近位654に移動し、エンドエフェクタ630は関節運動軸線AAを中心に時計回りに回転する。関節運動ノブ656を反時計回りに回転させると、ヨーク658は反時計回りに回転し、第1の関節運動部材652は近位に移動し、第2の関節運動部材は遠位654に移動し、エンドエフェクタ630は関節運動軸線AAを中心に反時計回りに回転する。
【0068】
上記に加えて、外科用器具600は、細長シャフト620に対してエンドエフェクタ630をロックするように構成された関節運動ロックアセンブリ660を更に備えている。関節運動ロックアセンブリ660は、近位ロック部材664と、近位ロック部材664から遠位に延在するシャフト663と、シャフト663から延在する遠位ロック部材662と、を備えている。遠位ロック部材662は、エンドエフェクタ630の近位端に画定された複数の戻り止め又は歯632に選択的に係合するように構成された突起部665を備えている。関節運動ロックアセンブリ660は、細長シャフト620内に位置付けられた付勢部材又はばね670によってエンドエフェクタ630に向かって付勢されている。関節運動ロックアセンブリ660は、遠位ロック部材662の突起部665が、エンドエフェクタ630の歯632のうちの1つと係合する遠位ロック位置(図20)と、遠位ロック部材662の突起部665が、エンドエフェクタ630の歯632のいずれとも係合しない近位ロック解除位置(図21)との間で移動可能である。以下でより詳細に説明されるように、関節運動ノブ656がいずれかの方向に回転させられると、関節運動ロックアセンブリ660は、遠位ロック位置と近位ロック位置との間で移動する。
【0069】
近位ロック部材664は、関節運動アセンブリ650のシャフト657の周りに位置付けられたキャリッジ又はカラー667を備えている。カラー667は、関節運動アセンブリ650のシャフト657に向かって延在する突起部669を備えている。関節運動アセンブリ650は、シャフト657の周りに放射状に位置付けられた複数の戻り止め又は歯655を更に備えている。図示の実施形態では、歯655は、シャフト657から延在するディスクに画定されている。例えば、関節運動ノブ656が反時計回りに回転させられると、歯655のうちの1つが、関節運動ロックアセンブリ660の突起部669とカム係合して、関節運動ロックアセンブリ660を遠位ロック位置(図20)から近位ロック解除位置に(図21)へと近位に駆動する。関節運動ノブ656がこのように回転させられる場合、関節運動ロックアセンブリ660は自動的にロック解除され、第1の関節運動部材652及び第2の関節運動部材654は同時に、関節運動軸線AAを中心に所定量、エンドエフェクタ630を回転させる。この所定量は、とりわけ、関節運動アセンブリ650の歯655のサイズ、形状、及び/又は間隔、並びに、関節運動ロックアセンブリ660の突起部669のサイズ及び/又は形状によって決まる。
【0070】
上述したように、関節運動ロックアセンブリ660は、ばね670によって遠位に付勢されている。関節運動ノブ656が回転させられると、ばね670の付勢力が克服され、関節運動ロックアセンブリ660は近位ロック解除位置へと近位に駆動される。関節運動ノブ656が更に回転させられると、関節運動ロックアセンブリ660の突起部669が、隣接する歯655間に画定された凹部に位置合わせされ、関節運動ロックアセンブリ660が再び、ばね670によって遠位に付勢されることにより、遠位ロック部材662が再びエンドエフェクタ630と係合するようになり、エンドエフェクタ630が定位置にロックされる。この構成により、エンドエフェクタ630を関節運動軸線AAを中心に回転させるとともに、関節運動軸線AAを中心とした複数の回転位置にて、定位置にロックすることが可能となる。
【0071】
少なくとも1つの実施形態では、エンドエフェクタ630の細長いステープルカートリッジチャネルは、苛性溶液を用いた洗浄による損傷及び付着を最小限に抑えるためのプラスチックコーティングを備えている。プラスチックコーティングは、非高親水性の射出成形したポリマーによって細長チャネルに適用されるが、任意の好適な様式で適用されてもよい。成形材料は、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス充填材若しくは鉱物充填材を含むナイロン6/12、ABS、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、細長チャネルは、細長チャネルの外周部の周りに配列された、離散配置された形状、又は切り欠き部を備え、これらの形状、又は切り欠き部は、閉鎖管が遠位に前進されるときに、外科用器具の閉鎖管と接触する。切り欠き部により、細長チャネルと閉鎖管との接触をわずかな接触部分に制限することにより、繰り返し使用による細長チャネル及び閉鎖管の両方への損傷が最小限に抑えられる。少なくとも1つの実施形態では、摩耗を防止するため、エンドエフェクタ630、細長シャフト620、及び細長チャネルの一部分に潤滑剤が適用される。様々な実施形態では、これらの構成要素の内部構造に、これらの構成要素を湿式浸漬してから乾燥させたように、乾燥させたステアリン酸ナトリウムを適用する。特定の実施形態では、細長シャフト620及び/又は外科用器具600の他の要素のうちのいずれかを潤滑剤に浸漬し、ベークして潤滑剤を部品に固着させてもよい。
【0072】
図22は、外科用器具100、300、400、600、及び/又は本明細書に記載の外科用器具などの外科用器具と共に使用するための制御回路700を示す。制御回路700は、例えば、電源からモータ510などのモータへの電力の供給を制御するように構成されている。電源は、例えば、電池、電池パック、再充電可能電池パック、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。制御回路700は、プリント回路基板704と、電気部品706と、スイッチ又はロッカースイッチ710と、電気ハーネス730を受容するように構成された電気ポート720と、を備えている。電気部品706は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、抵抗器、LED、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、及びスイッチなどのプリント回路基板部品の任意の組み合わせを含む。周辺環境から制御回路700を封止するため、制御回路700にはコンフォーマルコーティング702が適用されている。少なくとも1つの実施形態では、コンフォーマルコーティング702は、TECHNOMELT(登録商標)を含む。しかしながら、コンフォーマルコーティングとしては、制御回路700上に流して、制御回路700を周辺環境から保護する任意の好適な封止材が含まれ得る。少なくとも1つの実施形態では、コンフォーマルコーティング702は、1回以上の滅菌オートクレーブサイクル中に損傷しないよう、制御回路700を保護するように構成されている。滅菌オートクレーブサイクルは、例えば、摂氏140度~摂氏170度の範囲の温度を伴い得る。
【0073】
ここで図23を参照すると、ガスケットシール740などのシールが、コンフォーマルコーティング702とロッカースイッチ710との間に位置付けられ、制御回路700を周辺環境から保護している。更に、ロッカースイッチ710は、可撓性のエラストマーダイアフラム712を備え、エラストマーダイアフラム712は、スイッチ710を覆うことにより、スイッチ710の機能性を維持しつつ、制御回路700を周辺環境から保護する。様々な実施形態では、ロッカースイッチ710の電気接点は、回路基板704上の電気接点にはんだ付けされている。回路基板704の電気部品について、表面実装技術及び/又はスルーホール技術を用いてよい。少なくとも1つの実施形態では、周辺環境からのロッカースイッチ710の更なる封止のため、エラストマーダイアフラム712とロッカースイッチ710との間に接着剤を適用する。少なくとも1つの実施形態では、回路基板704は、ロッカースイッチ710と回路基板704との間のスナップ嵌め及び/又はプレス嵌めによる接続を伴う。
【0074】
再び図22を参照すると、ガスケットシール750は、コンフォーマルコーティング702と、電気ポート720に電気的に接続された電気ハーネス730との間に位置付けられている。ガスケットシール750は、制御回路700を周辺環境から保護し、外部の電気入力(電気ハーネス730)が制御回路700に接続されることを可能にする。電気ハーネス730は、例えば、外科用器具の電源及び/又はモータに接続されてもよい。
【0075】
本明細書に開示される外科用器具などの外科用器具のギアボックスとモータとの間で使用するためのシールを示す図24及び図25をここで参照する。少なくとも1つの実施形態では、ギアボックスは、ギアボックス520であり得、モータは、例えば、モータ510であり得る(図18を参照)。二重リップ付きシール760は、ギアボックス520から延在する駆動シャフト522の周りに位置付けられている。二重リップ付きシール760は、ギアボックス520を周辺環境から保護する。更に、二重Oリング770は、ギアボックス520とモータ510との間に位置付けられて、ギアボックス520とモータ510との間の接続を周辺環境から封止する。更に、二重リップ付きシール780は、モータ510の底部から延在する電気接点の周りに位置付けられている。二重リップ付きシール780は、モータ510を周辺環境から保護する。
【0076】
図26は、外科用器具850のための滅菌包装アセンブリ800を示す。外科用器具850は、外科用器具100、300、400、600、及び/又は本明細書に記載の外科用器具と同様であってもよい。滅菌包装アセンブリ800は、トレイ810と、トレイ810に固定されたカバー820と、を備える。トレイ810は、外科用器具850を受容するように構成された、内部に画定された複数のキャビティ812を備える。少なくとも1つの実施形態では、トレイ810は、真空成形トレイであるが、任意の好適な様式で形成することができる。キャビティ812は、外科用器具850の外側プロファイルを実質的に模倣して、外科用器具850とトレイ810との間の相対的な移動が、もし生じ得たとしてもほとんど生じ得ないように、外科用器具850をトレイ810内に適切かつ確実に着座させる。トレイ810は、典型的には外科用器具850と共に包装された補助構成要素を受容するように構成されたトレイ810に画定された、追加のキャビティ816を備える。図示の実施形態では、追加のキャビティ816は、例えば、電池パック852を受容するように構成されている。しかしながら、特定の外科用器具と共に包装された補助構成要素の数に応じて、例示された実施形態とほぼ同じ程度のキャビティ816を備える他の実施形態が想定されている。
【0077】
上記に加えて、トレイ810は、トレイ810に画定された複数のトラップ用キャビティ814を更に備える。トラップ用キャビティ814は、微粒子トラップ830及び微粒子トラップ840を受容するように構成されている。微粒子トラップ830、840は、包装アセンブリ800内の微粒子を収集し、微粒子を微粒子トラップ830、840内で捕獲するように構成されている。トラップ用キャビティ814は、微粒子トラップ830、840のプロファイルを実質的に模倣して、微粒子トラップ830、840とトレイ810との間の相対的な移動が、もし生じ得たとしてもほとんど生じ得ないように、微粒子トラップ830、840をトレイ810内に適切かつ確実に着座させる。微粒子トラップ830、840がトレイ810内のそれぞれ対応するトラップ用キャビティ814に組み付けられた後、外科用器具850は、トレイ810内に着座し、カバー820は、無菌バリアを形成するトレイ810に固定される。少なくとも1つの実施形態では、追加のフィルムラッピング又は封止材を包装アセンブリ800の少なくとも一部に適用して、包装アセンブリ800を周辺環境から更に封止してもよい。
【0078】
ここで図27図30を参照すると、微粒子トラップ830、840のそれぞれは、開口部で終端する少なくとも1つの凹面又は漏斗形状面を備える。図27及び図28を参照すると、微粒子トラップ840は、4つの側壁842、頂壁844、及び底壁846を有する実質的に立方体である外側プロファイルを備える。これにより、微粒子トラップ840は、任意の好適な構成を備えることができる。微粒子トラップ840は、中空である。すなわち、微粒子トラップ840は、チャンバ又は内部キャビティ841を備える。図示の実施形態では、4つの側壁842のそれぞれは、内部キャビティ841と連通する開口部845で終端する内向きテーパ面843を備える。テーパ面843は、微粒子を開口部845に向かって流し込んで、微粒子トラップ840内部での微粒子の収集を補助する。更に、微粒子トラップ840の内部形状は、微粒子が微粒子トラップ840から抜け出すことを抑制するように配置される。とりわけ、テーパ面843は、微粒子トラップ840を有する部分閉鎖されたテーパポケットを作り出す角度の付いた壁上に画定される。別の言い方をすれば、テーパ面843は、キャビティ841内部で開口部845から離れるように角度付けされているため、微粒子がキャビティ841に入ると、微粒子は、微粒子トラップ840から容易に排出されない。微粒子トラップ840は、キャビティ841の内側に位置付けられた接着剤847を更に備える。1つ以上の両面接着剤が、微粒子トラップ840の内壁に取り付けられている。接着剤847は、微粒子が微粒子トラップ840を出ること、及び/又は微粒子トラップ840の内側を動き回ることを防止するのに役立つ。
【0079】
ここで図29及び図30を参照すると、微粒子トラップ830は、4つの側壁832、頂壁834、及び底壁836を有する直方体である外側プロファイルを備える。微粒子トラップ830は、中空である。すなわち、微粒子トラップ830は、チャンバ又は内部キャビティ831を備える。図示の実施形態では、頂壁834は、開口部835で終端する内向きテーパ面833を備える。テーパ面833は、微粒子トラップ830の外側プロファイル上に位置付けられた微粒子を開口部835に向かって流し込んで、微粒子トラップ830内部での微粒子の収集を補助する。更に、テーパ面833は、キャビティ831内部で開口部835から離れるように角度付けされているため、微粒子がキャビティ831に入ると、微粒子が微粒子トラップ830から容易に排出されない。微粒子トラップ830は、キャビティ831の内側に位置付けられた接着剤837を更に含む。接着剤837は、微粒子が微粒子トラップ830を出ること、及び/又は微粒子トラップ830の内側を動き回ることを防止するのに役立つ。
【0080】
上記に加えて、微粒子トラップ830、840は、複数の異なる構成でトレイ810内に位置付け可能である。開口部835、845は、例えば、微粒子を生成する可能性が最も高い領域に向かって面している。例えば、開口部835、845は、キャビティ812、816に向かって面することができる。そのような場合、微粒子トラップ830、840の開口部835、845は、キャビティ812、816と連通している。微粒子トラップ830、840は、全てを包含することを意図するものではなく、むしろ、微粒子トラップの例示的な実施形態を意図するため、異なるサイズ及び形状の微粒子トラップを備える他の実施形態が想定されている。微粒子トラップは、例えば、不透明であってもよいか、又はトレイ810と同じ色であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、微粒子トラップは、微粒子トラップ内側での自由な微粒子の動き回りによって発生するノイズを低減するように構成された防音材料を備える。そのような防音材料は、例えば、発泡体を含むことができる。
【0081】
図31及び図32は、外科用器具と共に使用するための外科用ステープルカートリッジ900を示し、外科用器具は、ステープルカートリッジ900を受容するように構成されたジョーと、アンビルを含むジョーと、を備える。ステープルカートリッジ900及びアンビルジョーは、それらの間に組織を捕捉するように構成され、次いで、組織は、外科用器具によってステープル留めされ、切断される。ステープルカートリッジ900は、カートリッジ本体910と、カートリッジ本体910に画定された長手方向スロット920と、長手方向スロット920の両側に位置付けられたデッキ表面930と、を備える。長手方向スロット920は、外科用器具の切断部材を受容するように構成されている。カートリッジ本体910は、内部に画定された複数のステープルキャビティ932を備える。それぞれのステープルキャビティ932は、デッキ表面930内のステープルキャビティ開口部を画定する。ステープルキャビティ932は、カートリッジ本体910の長さに沿って延在する複数の長手方向の列に位置付けられている。ステープルキャビティ932の長手方向の列は、互いに対して互い違いに配置されている。別の言い方をすれば、デッキ表面930のそれぞれの側は、長手方向スロット920に隣接するステープルキャビティ932の内側列と、ステープルキャビティ932の外側列と、ステープルキャビティ932の外側列とステープルキャビティ932の内側列との間のステープルキャビティ932の中間列と、を備え、中間列のステープルキャビティ932は、内側列及び外側列のステープルキャビティ932に対して長手方向にシフトされている。しかしながら、ステープルキャビティ932の列が互いに対して互い違いに配置されていない他の実施形態が想定される。いずれの場合も、それぞれのステープルキャビティ932は、ステープル発射ストローク中にステープルキャビティ932内に移動可能に位置付けられたステープルドライバによってステープルキャビティ932のステープルキャビティ開口部から排出される、内部に位置付けられたステープルを備える。
【0082】
上記に加えて、ステープルカートリッジ900は、デッキ表面930の上に延在する格子延在部又はハニカム延在部940を更に備える。ハニカム延在部940は、ハニカム延在部940に画定された複数の貫通孔942を備える。それぞれの貫通孔942は、ハニカム延在部940を通って延在し、デッキ表面930で終端する。それぞれの貫通孔942は、デッキ表面930に画定されたステープルキャビティ932のステープルキャビティ開口部のうちの1つと位置合わせされ、それと連通している。更に、ハニカム延在部940内のそれぞれの貫通孔942は、貫通孔942が位置合わせされる対応するステープルキャビティ開口部よりも大きい。それぞれの貫通孔942は、デッキ表面930におけるステープルキャビティ932の対応するステープルキャビティ開口部の外周と少なくとも部分的に位置合わせしている外周を備える。図示の実施形態では、それぞれの貫通孔942の遠位端946は、対応するステープルキャビティ開口部の遠位端と位置合わせされ、それぞれの貫通孔942の近位端947は、対応するステープルキャビティ開口部の近位端937と位置合わせされる。ハニカム延在部940に画定された貫通孔942は、ステープル発射ストローク中にステープルがステープルキャビティ932から排出されるときに、カートリッジ本体910に対する組織の流れを防止するように構成されている。
【0083】
上記に加えて、ハニカム延在部940は、デッキ表面930に画定されたステープルキャビティ932のいずれとも配置合わせされていない、かつ/又は位置合わせされていない切り欠き部944及び切り欠き部948を備える。それぞれの切り欠き部948は、ハニカム延在部940を通って延在し、ラグ952の外側デッキ表面950で終端する。それぞれのラグ952は、カートリッジ本体910から横方向に延在し、図32に示されるように、カートリッジ本体910のデッキ表面930の下に位置付けられている。切り欠き部948及び外側デッキ表面950は、ステープル発射ストローク中に組織を把持して広げるための追加の表面積を提供する。切り欠き部944は、ハニカム延在部940を通って延在し、デッキ表面930上で終端するが、ステープルキャビティ932のステープルキャビティ開口部のいずれとも位置合わせされていない。ハニカム延在部940の一部分は、図31に示されるように、切り欠き部944に隣接してデッキ表面930を越えて長手方向に延在する。
【0084】
再び図31を参照すると、ハニカム延在部940に画定された貫通孔942は、貫通孔942のそれぞれの長手方向列の間でサイズ及び形状が変化する。より具体的には、長手方向スロット920に最も近い位置に位置付けられた貫通孔942は、貫通孔942の中間列の貫通孔942よりも小さい。いずれの場合も、貫通孔942のサイズ及び形状、並びに切り欠き部944及び948のサイズ及び形状は、互いに対して変化してもよい。貫通孔942、切り欠き部944、及び切り欠き部948のサイズ、形状、及びパターンは、ステープルカートリッジ900の特定の領域で望ましい組織圧縮の所望の量に応じて変化させることができる。貫通孔942としての貫通孔942が全てを包含することを意図するものではなく、むしろ、貫通孔のパターンの例示的な実施形態を意図する、異なるサイズ及び形状の貫通孔を有する他の実施形態が想定される。いずれの場合も、貫通孔942は、組織がステープルキャビティ932から離れる代わりに、ステープルキャビティ932に向かって流れることを可能にする。少なくとも1つの実施形態では、ステープルキャビティ932のステープルキャビティ開口部の一部分及び貫通孔942は、ステープルがステープルカートリッジ900から排出されるときにステープルの脚を支持する。
【0085】
ここで図33図59を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1000などのステープルカートリッジは、カートリッジ本体1010と、カートリッジ本体1010に画定された複数のステープルキャビティ1012と、ステープルキャビティ1012のそれぞれの中に位置付けられたステープル1020と、を備える。カートリッジ本体1010は、カートリッジデッキ表面1030を更に備える。複数のステープルキャビティ1012は、カートリッジデッキ表面1030内に複数のステープルキャビティ開口部を画定する。ステープルキャビティ1012のそれぞれは、互いに対向し、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端及び遠位端で収束する一対の横方向側壁1013を備える。より具体的には、それぞれのステープルキャビティ1012は、一対の近位テーパ側壁1014及び一対の遠位テーパ側壁1015を備える。近位テーパ側壁1014は、互いに向かって収束し、近位端壁1016で終端する。遠位テーパ側壁1015は、互いに向かって収束し、遠位端壁1017で終端する。横方向側壁1013、テーパ側壁1014、1015、近位端壁1016、及び遠位端壁1017は、カートリッジデッキ表面1030においてそれぞれのステープルキャビティ開口部の外周部を形成する。カートリッジ本体1010は、カートリッジデッキ表面1030から延在する複数の突出部を更に備える。突出部は、以下でより詳細に説明されるように、カートリッジデッキ表面1030に対する組織の流れを制御するように、カートリッジデッキ表面1030上に異なってサイズ決めされ、異なる形状に成形されてもよく、かつ/又は異なる複数個数、アレイ、若しくはパターンで配置されてもよい。
【0086】
図33図36を参照すると、複数の突出部又はポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030から延在する。少なくとも1つの実施形態では、ポスト1040は、円筒形であり、面取りされた端部を備える。それぞれのポスト1040がドーム状の端部を備える他の実施形態が想定される。いずれの場合も、ポスト1040は、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端及び遠位端に位置付けられる。更に、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端壁1016は、その近位端に位置付けられたポスト1040の外径と同一平面であるか又は位置合わせされ、それぞれのステープルキャビティ1012の遠位端壁1017は、ポスト1040の外径と同一平面であるか又は位置合わせされている。図示の実施形態では、ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030の上方で互いに相互接続されていない。言い換えれば、ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030によってのみ相互接続され、ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030から個別に延在する。ポスト1040がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、カートリッジデッキ表面1030に画定されたステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。更に、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端及び遠位端のうちの1つのみに位置付けられたポスト1040を有する他の実施形態が想定される。
【0087】
図37図40を参照すると、複数の突出部又は四半球状隆起部1050が、カートリッジデッキ表面1030から延在する。それぞれの四半球状隆起部1050は、平坦面又は面1052と、弧状球体部分1054と、を備える。隆起部1050は、それぞれのステープルキャビティ1012の遠位端に位置付けられている。更に、それぞれのステープルキャビティ1012の遠位端壁1017は、その遠位端に位置付けられた隆起部1050の平坦面1052と同一平面であるか又は位置合わせされている。図示の実施形態では、隆起部1050は、カートリッジデッキ表面1030の上方で互いに相互接続されていない。言い換えれば、隆起部1050は、カートリッジデッキ表面1030によってのみ相互接続され、隆起部1050は、カートリッジデッキ表面1030から個別に延在する。隆起部1050がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、カートリッジデッキ表面1030に画定されたステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。上記に加えて、又は上記の代わりに、それぞれの隆起部1050の平坦面1052が、それぞれ対応するステープルキャビティ1012の近位端壁1016と同一平面である又は位置合わせされている、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられた隆起部1050を有する、他の実施形態が想定される。
【0088】
図41図44を参照すると、複数の突出部又は直方体1060が、カートリッジデッキ表面1030から延在する。少なくとも1つの実施形態では、直方体1060は、形状が実質的に立方体である。一対の直方体1060は、近位テーパ側壁1014及び遠位テーパ側壁1015に隣接するそれぞれのステープルキャビティ1012の近位端及び遠位端に位置付けられている。それぞれのステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられた直方体1060のそれぞれの面1062は、近位テーパ側壁1014と同一平面であるか又は位置合わせされている。更に、それぞれのステープルキャビティ1012の遠位端に位置付けられた直方体1060のそれぞれの面は、遠位テーパ側壁1015と同一平面であるか又は位置合わせされている。直方体1060は、カートリッジデッキ表面1030の上方で互いに相互接続されていない。言い換えれば、直方体1060は、カートリッジデッキ表面1030によってのみ相互接続され、直方体1060は、カートリッジデッキ表面1030から個別に延在する。直方体1060がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、カートリッジデッキ表面1030に画定されたステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。更に、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端又は遠位端のみに位置付けられた一対の直方体1060を有する、他の実施形態が想定される。
【0089】
図45図48を参照すると、一対のポスト1040は、遠位テーパ側壁1015に隣接するそれぞれのステープルキャビティ1012の遠位端に位置付けられている。遠位端に位置付けられたポスト1040のそれぞれの外径は、ステープルキャビティ1012の遠位テーパ側壁1015と同一平面であるか又は位置合わせされている。上記に加えて、又は上記の代わりに、一対のポスト1040は、近位テーパ側壁1014に隣接するそれぞれのステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられている。そのような場合、ポスト1040のそれぞれの外径は、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられ、ステープルキャビティ1012の近位テーパ側壁1014と同一平面であるか又は位置合わせされている。ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030の上方で互いに相互接続されていない。言い換えれば、ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030によってのみ相互接続され、ポスト1040は、カートリッジデッキ表面1030から個別に延在する。ポスト1040がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、カートリッジデッキ表面1030に画定されたステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。
【0090】
図49図52は、図33及び図41に示された実施形態の組み合わせを示す。より具体的には、ステープルカートリッジ1000は、図41にあるように配置された直方体1060を含み、ポスト1040は、例えば、図33にあるように配置されている。一対の直方体1060と、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端又は遠位端のみに位置付けられたポスト1040と、を有する、他の実施形態が想定される。
【0091】
図53図55は、図33及び図41に示された実施形態の別の組み合わせを示す。より具体的には、ステープルカートリッジ1000は、それぞれのステープルキャビティ1012の遠位端に位置付けられた一対の直方体1060と、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられたポスト1040と、を含む。上述したように、一対の直方体1060のそれぞれの面1062は、ステープルキャビティ1012のそれぞれの側の遠位テーパ側壁1015と同一平面であるか又は位置合わせされている。図41図44を参照されたい。それぞれのポスト1040の外径は、それぞれのステープルキャビティ1012の近位端壁1016と同一平面であるか又は位置合わせされている。図33図36を参照されたい。直方体1060及びポスト1040がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、ステープルキャビティ1012のステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。
【0092】
主に図56図59を参照すると、複数の弧状突出部1070が、カートリッジデッキ表面1030から延在する。一対の弧状突出部1070は、近位テーパ側壁1014及び遠位テーパ側壁1015に隣接するそれぞれのステープルキャビティ1012の近位端及び遠位端に位置付けられている。弧状突出部1070のそれぞれの面1072は、近位テーパ側壁1014と同一平面であるか又は位置合わせされているステープルキャビティ1012の近位端に位置付けられている。更に、ステープルキャビティ1012の遠位端に位置付けられた弧状突出部1070の面1072は、遠位テーパ側壁1015と同一平面であるか又は位置合わせされている。弧状突出部1070は、カートリッジデッキ表面1030の上で互いに相互接続されていない。言い換えれば、弧状突出部1070は、カートリッジデッキ表面1030によってのみ相互接続されており、弧状突出部1070は、カートリッジデッキ表面1030から個別に延在する。弧状突出部1070がステープルキャビティ1012に隣接して位置付けられるが、カートリッジデッキ表面1030に画定されたステープルキャビティ開口部の外周部から離間されている、他の実施形態が想定される。更に、一対の弧状突出部1070がそれぞれのステープルキャビティ1012の近位端又は遠位端のみに位置付けられている、他の実施形態が想定される。
【0093】
様々な外科用器具は、例えば、エンドエフェクタのジョーの間に位置付けられた組織をステープル留めし、切断するために、シャフト回転、エンドエフェクタ関節運動、エンドエフェクタジョー閉鎖、及びエンドエフェクタの発射などの外科機能を実行するための動力付きシステム及び/又は機械的システムを備える。少なくとも1つの実施形態では、機械的システム及び動力付きシステムは、以下でより詳細に説明するように、外科用器具の別のシステム又は複数のシステムの動作に基づいて、1つのシステムを機械的かつ/又は電気的にロックアウトするために互いに相互作用する。
【0094】
図60は、機械式閉鎖システム1110と、動力付き発射システム1120と、動力付き関節運動システム1130と、動力付きシャフト回転システム1140と、制御部1150と、電源1160と、を備える外科用器具1100の概略図を示す。制御部1150は、電源1160から動力付き発射システム1120、動力付き関節運動システム1130、及び動力付きシャフト回転システム1140への電力の供給を制御するように構成されている。
【0095】
機械式閉鎖システム1110は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,845,537号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」に記載された、機械式閉鎖システムに類似してもよい。機械式閉鎖システム1110は、閉鎖トリガー1112が非クランプ位置とクランプ位置との間で移動されるときに、エンドエフェクタ1102のジョーを開位置と閉位置との間で移動させるように構成されている。図61を参照されたい。少なくとも1つの実施形態では、機械式閉鎖システム1110は、クランプ位置に閉鎖トリガー1112をロックするラッチ又はロックを備える。更に、閉鎖トリガー解除部を利用して、クランプ位置から閉鎖トリガー1112をロック解除する。様々な実施形態では、エンドエフェクタ閉鎖システムは、モータ駆動式閉鎖システムを備えることができる。
【0096】
動力付き発射システム1120は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,845,537号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」に記載された、動力付き発射システムに類似してもよい。動力付き発射システム1120は、外科用器具1100の発射モータ1122を備えるため、電力が電源1160から発射モータ1122に供給されると、動力付き発射システム1120は、外科用器具1100のエンドエフェクタ1102内での発射ストローク及び後退ストロークにより外科用器具1100の発射部材を動かして、患者の組織をステープル留めし、切断する。
【0097】
動力付き関節運動システム1130は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,517,239号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A MAGETIC ELEMENT DRIVER」、及び同第9,629,629号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」に記載された、動力付き関節運動システムに類似し得る。動力付き関節運動システム1130は、外科用器具1100の関節運動モータ1132と動作可能に係合されているため、電力が電源1160から関節運動モータ1132に供給されると、エンドエフェクタ1102は、関節運動軸線AAを中心に外科用器具1100の細長シャフト1118に対して関節運動する(図62を参照されたい)。動力付きシャフト回転システム1140は、制御部1150と通信するシャフト回転モータ1142を備える。制御部1150は、電力が電源1160からシャフト回転モータ1142に供給されると、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102が、細長シャフト1118によって画定される長手方向シャフト軸線SAを中心に回転されるように構成されている。様々な代替実施形態では、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102は、長手方向シャフト軸線SAを中心に手動で回転させることができる。
【0098】
外科用器具1100が患者の体腔に挿入されるとき、エンドエフェクタ1102のジョーは、閉位置にあるため、ジョーは、患者に挿入されたトロカール又はカニューレを通り抜ける。患者の体腔に挿入された後、エンドエフェクタ1102のジョーは、機械式閉鎖システム1110によって閉位置から開位置に移動される。次いで、エンドエフェクタ1102を動力付き関節運動システム1130によって関節運動軸線AAを中心に関節運動させて、エンドエフェクタ1102のジョーを患者の組織に対して位置決めすることができる。外科用器具1100の関節運動センサ1134は、動力付き関節運動システム1130及び制御部1150と信号通信している。図示の実施形態では、関節運動センサ1134は、関節運動システム1130の関節運動ロッド1136上に位置付けられ、関節運動ロッド1136の動きを検出する。図62を参照されたい。関節運動センサ1134は、エンドエフェクタ1102が関節運動軸線AAを中心に関節運動されている場合を検出するように構成されている。様々な実施形態では、制御部1150はまた、制御部1150が関節運動システム1130を駆動する関節運動モータ1132を制御する際、エンドエフェクタ1102が関節運動されている場合を検出するように構成されている。
【0099】
エンドエフェクタ1102が関節運動しているとき、制御部1150は、発射モータ1122に電力が供給されるのを防止する。また、制御部1150は、関節運動システム1130が作動されているときに、外科用器具1100のロックソレノイド1170(図63を参照されたい)を作動させる。ロックソレノイド1170は、制御部1150と信号通信し、ロックソレノイド1170が作動されたときに閉鎖システム1110が作動されるのを防止するために機械式閉鎖システム1110の一部分の中に延在する機械的部材又はピン1172を備える。ピン1172は、エンドエフェクタ1102が関節運動していることを関節運動センサ1134がもはや検出しなくなったときに、機械式閉鎖システム1110を作動させることができるように後退される。
【0100】
少なくとも1つの代替実施形態では、制御部1150が電源1160から関節運動モータ1132に電力を供給すると、制御部1150は、発射モータ1122への電力の供給を防止し、ロックソレノイド1170を作動させて機械式閉鎖システム1110のキャリッジ1114に係合し、機械式閉鎖システム1110が作動されるのを防止する。そのような構成では、関節運動センサは、必要でない場合がある。
【0101】
エンドエフェクタ1102が所望の配向に関節運動された後、機械式閉鎖システム1110の閉鎖トリガー1112は、非クランプ位置とクランプ位置との間で作動されて、エンドエフェクタ1102のジョーの間で組織を捕捉することができる。機械式閉鎖システム1110は、制御部1150と信号通信する閉鎖センサ1113を備える。閉鎖センサ1113は、閉鎖トリガー1112の位置を検出するように構成されている。閉鎖トリガー1113が非クランプ位置からクランプ位置に向かって移動されたことを閉鎖センサ1113が検出すると、制御部1150は、発射モータ1122、関節運動モータ1132、及びシャフト回転モータ1142への電力の供給を防止する。制御部1150は、閉鎖トリガー1113がクランプ位置にある(すなわち、エンドエフェクタ1102のジョーが閉位置にある)ことを閉鎖センサ1113が検出した場合を除いて、発射モータ1122への電力の供給を防止する。言い換えれば、制御部1150は、エンドエフェクタ1102のジョーが開位置にあるとき、又はジョーが部分的に閉鎖されたときに、動力付き発射システム1120がエンドエフェクタ1102を発射するのを防止する。エンドエフェクタ1102のジョーが閉位置にある(すなわち、閉鎖トリガー1112がクランプ位置にある)とき、制御部1150は、発射モータ1122への電力の供給を可能にして、動力付き発射システム1120がエンドエフェクタ1102内で発射ストローク及び後退ストロークを実行することを可能にする。
【0102】
上記に加えて、制御部1150は、電力が発射モータ1122に供給されると、電源1160から関節運動モータ1132及びシャフト回転モータ1142に電力が供給されるのを防止する。制御部1150は、発射モータ1122に供給される電流の量及び向きを制御して、発射ストローク中に発射部材を非発射位置から発射位置まで前進させ、発射ストロークが完了した後の後退ストローク中に発射部材を発射位置から非発射位置に後退させる。発射部材は、第1の電圧極性が発射モータ1122に印加されると、発射モータ1122が第1の方向に回転されるときの発射ストローク中、エンドエフェクタ1102を通って前進され、第1の電圧極性とは反対の第2の電圧極性が発射モータ1122に印加されると、発射モータ1122が第1の方向とは反対の第2の方向に回転されるときの後退ストローク中、エンドエフェクタを通って後退される。
【0103】
外科用器具1100は、例えば、発射部材の位置を追跡することができるエンコーダを更に備える。エンコーダは、発射部材がその近位非発射位置にあるかどうかを判定することができる制御部1150と通信している。制御部1150は、発射部材がその近位非発射位置にないときに、関節運動モータ1132及びシャフト回転モータ1142への電力の供給を防止する。更に、制御部1150は、閉鎖トリガーソレノイド1170を動作させて、発射部材がその近位非発射位置に対して遠位であるときに閉鎖システム1110をその閉鎖構成にロックする。
【0104】
少なくとも1つの実施形態では、制御部1150と信号通信し、閉鎖トリガー解除部と選択的に係合可能な別のソレノイドは、閉鎖トリガー解除部が作動されて閉鎖トリガー1112をそのクランプ位置からロック解除することを防止する。より具体的には、制御部1150と信号通信するソレノイドを作動させて、閉鎖トリガー解除部に機械的に係合して、発射部材が非発射位置にないときに閉鎖トリガー解除部が作動されるのを防止することができる。
【0105】
少なくとも1つの代替実施形態では、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102は、手動回転システム1140’によって長手方向シャフト軸線SAを中心に回転可能である。ここで図64を参照すると、エンドエフェクタ1102のジョーが閉鎖されるプロセスにあるとき、又はジョーが閉鎖されたときにシャフトの回転を防止するために、機械式閉鎖システム1110のキャリッジ1114は、外科用器具の手動回転システム1140’に動作可能に係合する。より具体的には、回転ノズル1144は、手動で回転されて、長手方向シャフト軸線SAを中心に細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102を回転させるように構成されている。回転ノズル1144は、細長シャフト1118が回転ノズル1144に対して並進可能であるように、細長シャフト1118上に軸支されている。キャリッジ1114は、回転ノズル1144に係合するように構成された、キャリッジ1114から延在するピン1119を備える。キャリッジ1114は、近位位置から遠位位置に移動されて、細長シャフト1118を前進させ、エンドエフェクタ1102のジョーを開位置と閉位置との間で移動させる。キャリッジ1114が近位位置から遠位位置に向かって移動されると、ピン1119は、回転ノズル1144の回転インデックス部材1146に画定された複数の孔のうちの1つに係合し、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102が長手方向シャフト軸線SAを中心に回転されることを防止する。キャリッジ1114がその遠位位置からその近位位置に向かって後退されると、ピン1119は、回転ノズル1144が回転するときに、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102を回転させることができるように、ノズル1144から係合解除される。
【0106】
上述したように、シャフト回転システムは、手動シャフト回転システム1140’である。図64を参照されたい。そのような構成では、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102は、閉鎖システムが閉鎖されたときに係合されるロックアウトにより、エンドエフェクタ1102のジョーが開位置にある場合を除いて、シャフト軸線SAを中心に回転可能ではない。更に、動力付き発射システム1120は、上述したように、エンドエフェクタ1102のジョーが閉位置にある場合を除いて(すなわち、閉鎖トリガー1112がクランプ位置にある場合を除いて)、発射ストロークを実行することができない。したがって、発射モータ1122が作動されて、発射ストローク及び後退ストロークにより発射部材が移動されると、手動シャフト回転システム1140’は、ロックアウトされて、細長シャフト1118及びエンドエフェクタ1102がシャフト軸線SAを中心に回転されることを防止する。
【0107】
上述のように、外科用器具1100は、動力付きシャフト回転システム1140を備えることができる。動力付きシャフト回転システム1140は、制御部1150と通信するシャフト回転モータ1142を備える。制御部1150は、エンドエフェクタ1102及び細長シャフト1118がシャフト軸線SAを中心に回転されているとき、機械式閉鎖システム1110、動力付き発射システム1120、及び動力付き関節運動システム1130がロックアウトされるように構成されている。より具体的には、制御部1150は、エンドエフェクタ1102及び細長シャフト1118が回転されているときに、ロックソレノイド1170を作動させて、機械式閉鎖システム1110が作動されるのを防止する。更に、制御部1150は、例えば、エンドエフェクタ1102及び細長シャフト1118が回転されているときに、発射モータ1122及び関節運動モータ1132に動力形態が供給されることを防止する。少なくとも1つの代替実施形態では、動力付きシャフト回転システム1140は、例えば、動力付き閉鎖システム、動力付き発射システム1120、及び動力付き関節運動システム1130と併せて使用されてもよい。そのような場合、動力付きシャフト回転システム1140が作動されている(すなわち、エンドエフェクタ1102及び細長シャフト1118がシャフト軸線を中心に回転されている)とき、制御部1150は、電力が動力付き閉鎖システム及び動力付き発射システム1120に供給されるのを防止する。
【0108】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0109】
実施例セット1
実施例1-エンドエフェクタ及びハンドルを備える外科用器具。ハンドルは、エンドエフェクタを作動させるように構成された駆動システムと、第1の電気接点を含む電池ドックと、を備える。外科用器具は、電池ドックに解放可能に取り付け可能な電池ユニットを更に備える。電池ユニットは、再充電可能な電池セル、非滅菌ハウジング、及び滅菌ハウジングを備える。電池セルは、非滅菌ハウジング内に位置付けられる。滅菌ハウジングは、非滅菌ハウジングを受容するように構成されている。滅菌ハウジングは、電池ユニットが電池ドックに取り付けられると、非滅菌ハウジングの電池セルを、電池ドックの第1の電気接点に電気的に結合するように構成された第2の電気接点を備える。滅菌ハウジングは、電池ユニットを電池ドックに固定するように構成された保持部材を更に備える。
【0110】
実施例2-電池セルは、電池セルの全てが同時に電気的に接続されるように、非滅菌ハウジング内に位置付けられている、実施例1に記載の外科用器具。
【0111】
実施例3-電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは、CR123セル及びCR2セルからなる群から選択される、実施例1又は2に記載の外科用器具。
【0112】
実施例4-非滅菌ハウジングは、外科用器具のユーザに電池ユニットの充電状態を示す手段を備える、実施例1、2、又は3に記載の外科用器具。
【0113】
実施例5-非滅菌ハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、駆動システムの残りの作動数として表示される、実施例1、2、3、又は4に記載の外科用器具。
【0114】
実施例6-非滅菌ハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、電池セルが所定の電圧、電流、又は電力レベルで放電される場合に電池セルが使い果たされるまでの時間として表示される、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0115】
実施例7-非滅菌ハウジングは、外科用器具の電流引き込みを所定の閾値に制限する制御回路を備える、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の外科用器具。
【0116】
実施例8-エンドエフェクタ及びハンドルを備える外科用器具。ハンドルは、エンドエフェクタを作動させるように構成された駆動システムと、第1の電気接点を含む電池ドックと、を備える。外科用器具は、電池ドックに解放可能に取り付け可能な電池ユニットを更に備える。電池ユニットは、再充電可能な電池セル、第1のハウジング、及び第2のハウジングを備える。電池セルは、第1のハウジング内に位置付けられる。第2のハウジングは、第1のハウジングを受容するように構成されている。第2のハウジングは、第1のハウジングを封入して、第1のハウジングと第2のハウジングとの間に無菌バリアを生成するように構成されている。第2のハウジングは、第2の電気接点及び保持部材を備える。第2の電気接点は、電池ユニットが電池ドックに取り付けられると、第1のハウジングの電池セルを、電池ドックの第1の電気接点に電気的に結合するように構成されている。保持部材は、電池ユニットを電池ドックに固定するように構成されている。
【0117】
実施例9-電池セルは、電池セルの全てが同時に電気的に接続されるように、第1のハウジング内に位置付けられている、実施例8に記載の外科用器具。
【0118】
実施例10-電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは、CR123セル及びCR2セルからなる群から選択される、実施例8又は9に記載の外科用器具。
【0119】
実施例11-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電池ユニットの充電状態を示す手段を備える、実施例8、9、又は10に記載の外科用器具。
【0120】
実施例12-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、駆動システムの残りの作動数として表示される、実施例8、9、10、又は11に記載の外科用器具。
【0121】
実施例13-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、電池セルが所定の電圧、電流、又は電力レベルで放電される場合に電池セルが使いは果たされるまでの時間量として表示される、実施例8、9、10、11、又は12に記載の外科用器具。
【0122】
実施例14-第1のハウジングは、外科用器具の電流引き込みを所定の閾値に制限する制御回路を備える、実施例8、9、10、11、12、又は13に記載の外科用器具。
【0123】
実施例15-器具ハウジングと、器具ハウジングに解放可能に取り付け可能な電力ユニットと、を備える外科用器具。器具ハウジングは、第1の電気接点を含む電池ドックを備える。電力ユニットは、再充電可能な電池セルと、第1のハウジングと、第2のハウジングと、を備える。電池セルは、第1のハウジング内に位置付けられる。第1のハウジングは、第2のハウジング内に密閉されて、第1のハウジングの周りに無菌バリアを生成する。第2のハウジングは、第2の電気接点と、電力ユニットを器具ハウジングに固定するための保持手段と、を備える。第2の電気接点は、電力ユニットが器具ハウジングに取り付けられたときに、第1のハウジングの電池セルを、電池ドックの第1の電気接点に電気的に結合するように構成されている。
【0124】
実施例16-電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルは、CR123セル及びCR2セルからなる群から選択される、実施例15に記載の外科用器具。
【0125】
実施例17-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電力ユニットの充電状態を示す手段を備える、実施例15又は16に記載の外科用器具。
【0126】
実施例18-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、外科用器具の残りの使用回数として表示される、実施例15、16、又は17に記載の外科用器具。
【0127】
実施例19-第1のハウジングは、外科用器具のユーザに電池セルの残りの電気容量を示すように構成されたディスプレイを備え、残りの電気容量は、電池セルが所定の電圧、電流、又は電力レベルで放電される場合に電池セルが使い果たされるまでの時間量として表示される、実施例15、16、17、又は18に記載の外科用器具。
【0128】
実施例20-第1のハウジングは、外科用器具の電流引き込みを所定の閾値に制限する制御回路を備える、実施例15、16、17、18、又は19に記載の外科用器具。
【0129】
実施例セット2
実施例1-外科用器具と共に使用するための電池パック。電池パックは、外側ハウジングと、電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、電池パックを外科用器具に電気的に結合するように構成された電気接点と、第1の電池対と、第2の電池対と、第1の電池対と第2の電池対とを電気的に接続するように構成された電気コネクタと、遮断部材であって、遮断部材は、遮断部材が変位されるまで、電気コネクタによる第1の電池対と第2の電池対との電気的接続を防止する、遮断部材と、を備える。電気コネクタは、遮断部材が変位されたとき、第1の電池対と第2の電池対とを電気的に接続する。第1の電池対及び第2の電池対は、遮断部材が変位され、かつ電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、外科用器具に電気的に接続される。
【0130】
実施例2-電池パックは、包装材料に包装され、遮断部材は、電池パックが少なくとも部分的に包装材料から取り出されたときに変位される、実施例1に記載の電池パック。
【0131】
実施例3-遮断部材は、電池パックから延在している把持可能なタブを備える、実施例1又は2に記載の電池パック。
【0132】
実施例4-第1の電池対及び第2の電池対は、CR123a電池を含む、実施例1、2、又は3に記載の電池パック。
【0133】
実施例5-電池のうちの少なくとも1つは、再充電可能である、実施例1、2、3、又は4に記載の電池パック。
【0134】
実施例6-第1の電池対及び第2の電池対は、電池パックが外科用器具から分離されると、電気的に遮断される、実施例1、2、3、4、又は5に記載の電池パック。
【0135】
実施例7-外科用器具と共に使用するための電池パック。電池パックは、電池ハウジングと、電池ハウジング内に位置付けられた電池と、遮断部材と、を備える。電池ハウジングは、電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、電池パックを外科用器具に電気的に結合するように構成された電気接点を含む。遮断部材は、遮断部材が少なくとも1つの電池を他の電池から電気的に切り離す第1の位置、及び第2の位置から移動可能である。電池は、遮断部材が第1の位置から第2の位置に移動され、かつ電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、外科用器具に電気的に接続される。
【0136】
実施例8-電池パックは、包装材料に包装され、遮断部材は、電池パックが少なくとも部分的に包装材料から取り出されたときに第1の位置から第2の位置に移動する、実施例7に記載の電池パック。
【0137】
実施例9-遮断部材は、電池パックから延在している把持可能なタブを備える、実施例7又は8に記載の電池パック。
【0138】
実施例10-電池は、CR123a電池を含む、実施例7、8、又は9に記載の電池パック。
【0139】
実施例11-電池のうちの少なくとも1つは、再充電可能である、実施例7、8、9、又は10に記載の電池パック。
【0140】
実施例12-電池は、電池パックが外科用器具から分離されると、電気的に遮断される、実施例7、8、9、10、又は11に記載の電池パック。
【0141】
実施例13-外科用器具と共に使用するための電池パック。電池パックは、電池ハウジングと、電池ハウジング内の電池位置と、電気回路と、回路遮断部と、を備える。電池ハウジングは、電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、電池パックを外科用器具に電気的に結合するように構成された電気接点を含む。回路遮断部は、回路遮断部が少なくとも1つの電池を電気回路から電気的に切り離す第1の位置、及び電池の全てが電気回路に電気的に接続される第2の位置から移動可能である。電池は、回路遮断部が第1の位置から第2の位置に移動し、電池パックが外科用器具に取り付けられたときに、外科用器具に電気的に接続される。
【0142】
実施例14-電池パックは包装材料に包装され、回路遮断部は、電池パックが少なくとも部分的に包装材料から取り出されたときに第1の位置から第2の位置に移動する、実施例13に記載の電池パック。
【0143】
実施例15-回路遮断部は、電池パックから延在している把持可能なタブを備える、実施例13又は14に記載の電池パック。
【0144】
実施例16-電池は、CR123a電池を含む、実施例13、14、又は15に記載の電池パック。
【0145】
実施例17-電池のうちの少なくとも1つは、再充電可能である、実施例13、14、15、又は16に記載の電池パック。
【0146】
実施例18-電池は、電池パックが外科用器具から分離されると、電気的に遮断される、実施例13、14、15、16、又は17に記載の電池パック。
【0147】
実施例セット3
実施例1-ステープルカートリッジと、アンビルと、発射部材と、細長チャネルと、発射ロックアウトと、を備える、外科用器具。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、ステープルと、ステープルカートリッジに解放可能に取り付けられたカートリッジパンと、ステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されたスレッドと、を備える。スレッドは、近位位置から遠位位置に移動可能である。アンビル及びステープルカートリッジのうちの一方は、アンビル及びステープルカートリッジのうちの他方に対して移動可能である。アンビルは、アンビルスロットを備える。発射部材は、スレッドを近位位置から遠位位置に移動させて、発射ストローク中にステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されている。発射部材は、切断エッジと、第1のカム部材と、発射ストローク中にアンビルスロットに係合するように構成された第2のカム部材と、遠位突起部と、を備える。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。長手方向キャビティは、ステープルカートリッジが細長チャネル内に受容されたときに、カートリッジパンと細長チャネルとの間に画定される。長手方向キャビティは、発射ストローク中に第1のカム部材を受容するように構成されている。細長チャネルは、チャネル開口部を備える。ステープルカートリッジが細長チャネル内に位置付けられていない場合、又はステープルカートリッジが細長チャネル内に位置付けられ、かつスレッドが近位位置にない場合、ロックアウトは有効化される。ロックアウトが有効化された場合、発射部材は、チャネル開口部の遠位端に係合して、発射部材が発射ストロークを行うことを防ぐ。スレッドが近位位置にあり、かつ発射部材の遠位突起部がスレッドに係合し、発射部材がチャネル開口部に係合することを防ぐ場合、ロックアウトは無効化される。
【0148】
実施例2-スレッドは、ロックアウトが無効化された場合、第1のカム部材を長手方向キャビティと位置合わせし、第2のカム部材をアンビルスロットと位置合わせするように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0149】
実施例3-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例1又は2に記載の外科用器具。
【0150】
実施例4-発射部材は、ロックアウトが有効化された場合、付勢部材によってチャネル開口部内に付勢される、実施例1、2、又は3に記載の外科用器具。
【0151】
実施例5-スレッドは、発射部材の遠位突起部にカム係合して、付勢部材の力を克服し、ロックアウトを無効化するように構成された近位カム部分を備える、実施例4に記載の外科用器具。
【0152】
実施例6-ロックアウトが無効化された場合、発射部材は、スレッドによってチャネル開口部から持ち上げられる、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0153】
実施例7-ステープルカートリッジと、アンビルと、発射部材と、細長チャネルと、付勢部材と、を備える、外科用器具。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、ステープルと、ステープルカートリッジに解放可能に取り付けられたカートリッジパンと、ステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されたスレッドと、を備える。スレッドは、近位位置から遠位位置に移動可能である。アンビル及びステープルカートリッジのうちの一方は、アンビル及びステープルカートリッジのうちの他方に対して移動可能である。アンビルは、アンビルスロットを備える。発射部材は、スレッドを近位位置から遠位位置に移動させて、発射ストローク中にステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されている。発射部材は、切断エッジと、第1のカム部材と、発射ストローク中にアンビルスロットに係合するように構成された第2のカム部材と、遠位突起部と、を備える。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。長手方向キャビティは、ステープルカートリッジが細長チャネル内に受容されたときに、カートリッジパンと細長チャネルとの間に画定される。長手方向キャビティは、発射ストローク中に第1のカム部材を受容するように構成されている。細長チャネルは、チャネル開口部を備える。付勢部材は、スレッドが近位位置にない場合、発射部材に付勢力を加え、発射部材をチャネル開口部内へと移動させるように構成されている。発射部材は、発射部材がチャネル開口部内に位置付けられた場合、発射ストロークを行うことを防がれる。スレッドが近位位置にあり、発射部材の遠位突起部に係合する場合、付勢部材の付勢力は克服される。スレッドが遠位突起部に係合する場合、発射部材は、チャネル開口部から取り外される。
【0154】
実施例8-スレッドは、スレッドが近位位置にある場合、第1のカム部材を長手方向キャビティと位置合わせし、第2のカム部材をアンビルスロットと位置合わせするように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
【0155】
実施例9-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例7又は8に記載の外科用器具。
【0156】
実施例10-スレッドは、発射部材の遠位突起部にカム係合して、付勢部材の付勢力を克服するように構成された近位カム部分を備える、実施例7、8、又は9に記載の外科用器具。
【0157】
実施例11-スレッドが近位位置にある場合、発射部材は、スレッドによってチャネル開口部から持ち上げられる、実施例7、8、9、又は10に記載の外科用器具。
【0158】
実施例12-ステープルカートリッジと、アンビルと、発射部材と、細長チャネルと、ロックアウトと、を備える、外科用器具。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、ステープルと、ステープルカートリッジに解放可能に取り付けられたカートリッジパンと、ステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されたスレッドと、を備える。スレッドは、近位位置から遠位位置に移動可能である。スレッドは、近位カム部分を備える。アンビル及びステープルカートリッジのうちの一方は、アンビル及びステープルカートリッジのうちの他方に対して移動可能である。アンビルは、アンビルスロットを備える。発射部材は、スレッドを近位位置から遠位位置に移動させて、発射ストローク中にステープルカートリッジからステープルを排出するように構成されている。発射部材は、切断エッジと、第1のカム部材と、発射ストローク中にアンビルスロットに係合するように構成された第2のカム部材と、遠位突起部と、を備える。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。長手方向キャビティは、ステープルカートリッジが細長チャネル内に受容されたときに、カートリッジパンと細長チャネルとの間に画定される。長手方向キャビティは、発射ストローク中に第1のカム部材を受容するように構成されている。細長チャネルは、チャネル開口部を備える。ロックアウトは、スレッドが近位位置にない場合、発射部材が発射ストロークを行うことを防ぐように構成されている。発射部材は、スレッドが近位位置にない場合、チャネル開口部に係合するように構成されている。ロックアウトは、ステープルカートリッジが細長チャネル内に位置付けられ、スレッドが近位位置にあり、スレッドの近位カム部分が発射部材の遠位突起部に係合し、発射部材を移動させてチャネル開口部との係合から外したときに、発射部材が発射ストロークを行うことを可能にするように更に構成されている。
【0159】
実施例13-スレッドは、近位カム部分が発射部材の遠位突起部に係合すると、第1のカム部材を長手方向キャビティと位置合わせし、第2のカム部材をアンビルスロットと位置合わせするように構成されている、実施例12に記載の外科用器具。
【0160】
実施例14-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例12又は13に記載の外科用器具。
【0161】
実施例15-発射部材は、スレッドが近位位置にない場合、付勢部材によってチャネル開口部内に付勢されている、実施例12、13、又は14に記載の外科用器具。
【0162】
実施例16-スレッドの近位カム部分は、発射部材の遠位突起部にカム係合して、付勢部材の力を克服して、発射部材が発射ストロークを行うことを可能にするように構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
【0163】
実施例17-近位カム部分が発射部材の遠位突起部に係合する場合、発射部材は、アンビルに向かって持ち上げられる、実施例12、13、14、15、又は16に記載の外科用器具。
【0164】
実施例セット4
実施例1-細長チャネルと、アンビルと、ステープルカートリッジと、発射部材と、ロックアウトキーと、を備える、外科用器具。細長チャネルは、ロックショルダを備える。ステープルカートリッジは、ステープルと、ステープル発射ストローク中に近位端位置から中間位置に、次いで、遠位位置に移動可能なスレッドと、を備える。発射部材は、ステープル発射ストローク中にスレッドをステープルカートリッジを通って前進させて、ステープルカートリッジからステープルを排出するように遠位に移動可能である。発射部材は、切断エッジと、ステープル発射ストローク中に細長チャネルに係合するように構成された第1のカム部材と、ステープル発射ストローク中にアンビルに係合するように構成された第2のカム部材と、スレッドに移動可能に取り付けられたロックアウトキーと、を備える。ロックアウトキーは、ステープル発射ストローク中に非作動位置と作動位置との間で移動可能である。キーは、ロックアウトキーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、ロックショルダを乗り越えるように発射部材を持ち上げる。
【0165】
実施例2-ロックアウトキーは、スレッドに対して回転するように構成された回転部材を備え、回転部材は、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、開始位置と回転位置との間で移動可能である、実施例1に記載の外科用器具。
【0166】
実施例3-回転部材は、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、ロックショルダを乗り越えるように発射部材を持ち上げる、実施例2に記載の外科用器具。
【0167】
実施例4-ステープルカートリッジは、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、回転部材に係合して、回転部材を開始位置から回転位置に移動させるように構成された突起部を更に備える、実施例2又は3に記載の外科用器具。
【0168】
実施例5-発射部材は、第1のカム部材と第2のカム部材との中間に横方向に延在する部材を備え、ロックアウトキーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、ロックアウトキーは、ロックショルダを乗り越えるように横方向に延在する部材を持ち上げる、実施例1、2、3、又は4に記載の外科用器具。
【0169】
実施例6-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0170】
実施例7-細長チャネルと、アンビルと、ステープルカートリッジと、発射部材と、ロックアウトキーと、を備える、外科用器具。細長チャネルは、ブロッキング部材を備える。ステープルカートリッジは、ステープルと、ステープル発射ストローク中に近位端位置から中間位置に、次いで、遠位位置に移動可能なスレッドと、を備える。発射部材は、ステープル発射ストローク中にスレッドをステープルカートリッジを通って前進させて、ステープルカートリッジからステープルを排出するように遠位に移動可能である。発射部材は、切断エッジを備える。ロックアウトキーは、スレッドに移動可能に装着されている。ロックアウトキーは、ステープル発射ストローク中に非作動位置と作動位置との間で移動可能である。ロックアウトキーは、ロックアウトキーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、ブロッキング部材を乗り越えるように発射部材を持ち上げる。
【0171】
実施例8-ロックアウトキーは、スレッドに対して回転するように構成された回転部材を備え、回転部材は、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、開始位置から回転位置へ移動可能である、実施例7に記載の外科用器具。
【0172】
実施例9-回転部材は、スレッドが近位端位置から中間位置に向かって移動されると、ブロッキング部材を乗り越えるように発射部材を持ち上げる、実施例8に記載の外科用器具。
【0173】
実施例10-ステープルカートリッジは、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、回転部材と係合し、回転部材を開始位置から回転位置に移動させるように構成された突起部を更に備える、実施例8又は9に記載の外科用器具。
【0174】
実施例11-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例7、8、9、又は10に記載の外科用器具。
【0175】
実施例12-アンビルと、ステープルカートリッジと、細長チャネルと、発射部材と、を備える、外科用器具。ステープルカートリッジは、ステープルと、ステープル発射ストローク中に近位端位置から中間位置に、次いで、遠位端位置に移動可能なスレッドと、を備える。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。細長チャネルは、ロックショルダを備える。発射部材は、ステープル発射ストローク中にステープルカートリッジを通ってスレッドを前進させて、ステープルカートリッジからステープルを排出するように遠位に移動可能である。スレッドは、発射部材がロックショルダによって遠位に前進することが防止されるロック構成と、発射部材が遠位に前進することができるロック解除構成と、から発射部材を移行させるように構成されている。発射部材は、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、ロック構成からロック解除構成に移行される。
【0176】
実施例13-ステープルカートリッジが細長チャネル内に存在しない場合、発射部材は、ロック構成である、実施例12に記載の外科用器具。
【0177】
実施例14-ロックショルダは、細長チャネル内の開口部の遠位端を備える、実施例12又は13に記載の外科用器具。
【0178】
実施例15-発射部材は、切断エッジと、ステープル発射ストローク中にアンビルに係合するように構成された第1のカム部材と、ステープル発射ストローク中に細長チャネルに係合するように構成された第2のカム部材と、を更に備える、実施例12、13、又は14に記載の外科用器具。
【0179】
実施例16-発射部材は、付勢部材によってロック構成へと付勢され、付勢部材は、発射部材に付勢力を付与する、実施例12に記載の外科用器具。
【0180】
実施例17-スレッドが近位端位置から中間位置に移動すると、スレッドは、ロックショルダを乗り越えるように発射部材を持ち上げ、付勢部材の付勢力を克服するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
【0181】
実施例18-スレッドは、スレッドが近位端位置から中間位置に移動されると、非作動位置から作動位置に移動可能なロックアウトキーを備え、ロックアウトキーが作動位置に向かって移動されると、ロックアウトキーは、ロックショルダを乗り越えるように発射部材を持ち上げる、実施例12、13、14、15、16、又は17に記載の外科用器具。
【0182】
実施例19-ロックアウトキーは、ステープルカートリッジにおける突起部に係合して、ロックアウトキーを非作動位置から作動位置に移動させるように構成されている、実施例18に記載の外科用器具。
【0183】
実施例20-ステープルカートリッジは交換可能である、実施例12、13、14、15、16、17、18、又は19に記載の外科用器具。
【0184】
実施例セット5
実施例1-組織を締結及びステープル留めするための外科用器具。外科用器具は、エンドエフェクタと、発射部材と、ハウジングと、を備える。発射部材は、発射ストローク中にエンドエフェクタに対して移動するように構成されている。ハウジングは、発射部材と動作可能に係合された駆動ラックと、駆動ラックと動作可能に係合された駆動ギアと、駆動ギアと動作可能に係合されたブラシレスモータと、を備える。ブラシレスモータは、駆動ギアに回転運動を伝達するように構成されている。ハウジングは、ブラシレスモータに電力を供給するように構成された電源と、アクセス開口部と、アクセス開口部を覆うアクセスドアと、電源からブラシレスモータへの電力の供給を制御するように構成された制御回路と、アクセス開口部を通って外科用器具のユーザがアクセス可能である緊急離脱レバーと、を更に備える。緊急離脱レバーは、外科用器具のユーザによって、非作動位置と作動位置との間で手動で作動されて、駆動ラック及び発射部材を後退させるように構成されている。ブラシレスモータは、緊急離脱レバーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、逆駆動される。
【0185】
実施例2-制御回路は、緊急離脱スイッチを備え、緊急離脱スイッチは、アクセスドアが閉じられると閉状態であり、緊急離脱スイッチは、アクセスドアが開かれると開状態である、実施例1に記載の外科用器具。
【0186】
実施例3-制御回路は、緊急離脱スイッチが閉状態であるときに、電源からブラシレスモータに電力が流れることを可能にするように構成され、制御回路は、緊急離脱スイッチが開状態であるときに、電源からブラシレスモータに電力が流れるのを防ぐように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
【0187】
実施例4-制御回路は、発射ストローク中にブラシレスモータの速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、実施例1、2、又は3に記載の外科用器具。
【0188】
実施例5-電源は、交換可能な電池パックを含む、実施例1、2、3、又は4に記載の外科用器具。
【0189】
実施例6-ブラスレスモータは、ブラシレスDCモータを含む、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0190】
実施例7-発射部材は、複数の発射ストロークを行うように構成されている、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の外科用器具。
【0191】
実施例8-組織を締結及び切断するための外科用器具。外科用器具は、発射部材と、駆動アセンブリと、制御回路と、緊急離脱レバーと、を備える。発射部材は、発射ストローク中に遠位に移動可能である。駆動アセンブリは、発射部材と動作可能に係合された駆動ラックと、駆動ラックと動作可能に係合された駆動ギアと、駆動ギアと動作可能に係合されたブラシレスモータと、を備える。ブラシレスモータは、駆動ギアに回転運動を伝達するように構成されている。制御回路は、電源からブラシレスモータへの電力の供給を制御するように構成されている。緊急離脱レバーは、外科用器具のユーザによって、非作動位置と作動位置との間で手動で作動されて、発射部材を後退させるように構成されている。ブラシレスモータは、緊急離脱レバーが非作動位置から作動位置へ移動されると、逆駆動される。
【0192】
実施例9-駆動アセンブリを受容するように構成されたハウジングを更に備える、実施例8に記載の外科用器具。ハウジングは、アクセス開口部と、アクセス開口部を覆うアクセスドアと、を備える。
【0193】
実施例10-緊急離脱レバーは、アクセスドアが除去されると、アクセス開口部を通って外科用器具のユーザによってアクセス可能である、実施例9に記載の外科用器具。
【0194】
実施例11-制御回路は、緊急離脱スイッチを備え、緊急離脱スイッチは、アクセスドアがアクセス開口部を覆っているときに閉状態であり、緊急離脱スイッチは、アクセスドアが除去されると、開状態である、実施例10に記載の外科用器具。
【0195】
実施例12-制御回路は、緊急離脱スイッチが閉状態であるときに、電源からブラシレスモータに電力が流れることを可能にするように構成され、制御回路は、緊急離脱スイッチが開状態であるときに、電源からブラシレスモータに電力が流れるのを防止するように更に構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
【0196】
実施例13-制御回路は、発射ストローク中の様々な時にブラシレスモータの速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、実施例8、9、10、11、又は12に記載の外科用器具。
【0197】
実施例14-電源は、交換可能な電池パックを含む、実施例8、9、10、11、12、又は13に記載の外科用器具。
【0198】
実施例15-電源は、電池を備える、実施例8、9、10、11、12、13、又は14に記載の外科用器具。
【0199】
実施例16-発射ストローク中にステープルカートリッジから排出されるように構成された複数のステープルを含むステープルカートリッジを含むエンドエフェクタを更に備える、実施例8、9、10、11、12、13、14、又は15に記載の外科用器具。
【0200】
実施例17-組織を締結及び切断するための外科用器具。外科用器具は、発射部材と、ハウジングと、緊急離脱レバーと、制御回路と、を備える。発射部材は、発射ストロークにわたって移動可能である。ハウジングは、発射部材と動作可能に係合された駆動ラックと、駆動ラックと動作可能に係合された駆動ギアと、駆動ギアと動作可能に係合されたブラシレスモータと、を備える。ブラシレスモータは、駆動ギアに回転運動を伝達するように構成されている。ハウジングは、アクセス開口部と、アクセス開口部を覆うようにハウジングに解放可能に取り付けられたカバーと、を更に備える。緊急離脱レバーは、カバーがハウジングから取り外されると、アクセス開口部を通って外科用器具のユーザによってアクセス可能である。緊急離脱レバーは、外科用器具のユーザによって、非作動位置と作動位置との間で手動で作動されて、発射部材を後退させるように構成されている。ブラシレスモータは、緊急離脱レバーが非作動位置から作動位置へ移動されると、逆駆動される。電源からブラシレスモータへの電力の供給を制御するように構成された制御回路。制御回路は、カバーがハウジングから取り外されると、電源が電力をブラシレスモータに供給することを防ぐように構成されている。
【0201】
実施例18-制御回路は、発射ストローク中の様々な時にブラシレスモータの速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、実施例17に記載の外科用器具。
【0202】
実施例19-電源は、交換可能な電池パックを含む、実施例17又は18に記載の外科用器具。
【0203】
実施例20-電源は電池を含む、実施例17、18、又は19に記載の外科用器具。
【0204】
実施例セット6
実施例1-ハンドルと、細長シャフトと、エンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、関節運動ノブと、第1の関節運動部材と、第2の関節運動部材と、関節運動ロックと、を備える、外科用器具。細長シャフトは、ハンドルから延在し、シャフト軸線を画定する。複数の戻り止めを備えるエンドエフェクタ。エンドエフェクタは、関節運動軸線を中心に関節運動ジョイントによって細長シャフトに回転可能に結合されている。関節運動ノブは、非関節運動位置と関節運動位置との間で回転可能である。第1の関節運動部材は、エンドエフェクタの第1の側にかつ関節運動ノブに取り付けられている。第2の関節運動部材は、エンドエフェクタの第2の側にかつ関節運動ノブに取り付けられている。関節運動ロックは、ロック部材がエンドエフェクタの戻り止めと係合しているロック位置と、ロック部材がエンドエフェクタから係合解除されているロック解除位置との間で移動するように構成されたロック部材を備える。ロック部材は、関節運動ノブによってロック位置とロック解除位置との間で移動可能である。第1の関節運動部材及び第2の関節運動部材は、関節運動ノブが非関節運動位置から関節運動位置に向かって移動されると、関節運動軸線を中心にエンドエフェクタを関節運動させるようにそれぞれ反対の方向に移動される。
【0205】
実施例2-ロック部材がロック位置からロック解除位置に移動する場合、ロック部材は近位に移動される、実施例1に記載の外科用器具。
【0206】
実施例3-ロック部材は、付勢部材によってロック位置へ付勢される、実施例1又は2に記載の外科用器具。
【0207】
実施例4-ロック部材は、関節運動ノブに係合するように構成された突起部を含むキャリッジを備え、キャリッジは、関節運動ノブの一部分を取り囲んでいる、実施例1、2、又は3に記載の外科用器具。
【0208】
実施例5-関節運動ノブは、複数のノブ戻り止めを備え、関節運動ノブが非関節運動位置から関節運動位置に向かって移動されると、ノブ戻り止めは、突起部に係合し、キャリッジ及びロック部材を近位に移動させる、実施例4に記載の外科用器具。
【0209】
実施例6-エンドエフェクタはステープルカートリッジを備える、実施例1、2、3、4、又は5に記載の外科用器具。
【0210】
実施例7-ハンドルと、細長シャフトと、エンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、関節運動ノブと、第1の関節運動部材と、第2の関節運動部材と、関節運動ロックと、を備える、外科用器具。細長シャフトは、ハンドルから延在し、シャフト軸線を画定する。複数の戻り止めを備えるエンドエフェクタ。エンドエフェクタは、関節運動軸線を中心に関節運動ジョイントにより細長シャフトに回転可能に結合されている。関節運動ノブは、非関節運動位置と関節運動位置との間で回転可能である。第1の関節運動部材は、エンドエフェクタの第1の側にかつ関節運動ノブに取り付けられている。第2の関節運動部材は、エンドエフェクタの第2の側にかつ関節運動ノブに取り付けられている。関節運動ノブの回転は、第1の関節運動部材及び第2の関節運動部材をそれぞれ反対の方向に移動させて、関節運動軸線を中心にエンドエフェクタを関節運動させる。関節運動ロックは、遠位ロック部材及び近位ロック部材を備える。遠位ロック部材は、エンドエフェクタと選択的に係合可能である。エンドエフェクタは、遠位ロック部材がエンドエフェクタと係合した場合、回転することが防止される。近位ロック部材は、関節運動ノブと動作可能に係合される。関節運動ロックは、遠位ロック部材がエンドエフェクタと係合されているロック状態と、遠位ロック部材がエンドエフェクタから係合解除されているロック解除状態との間で移行されるように構成されている。非関節運動位置と関節運動位置との間の関節運動ノブの回転は、関節運動ロックをロック状態からロック解除状態に、次いで再びロック状態に移行させる。
【0211】
実施例8-関節運動ロックがロック状態からロック解除状態に移行する場合、近位ロック部材は近位に移動される、実施例7に記載の外科用器具。
【0212】
実施例9-関節運動ロックは、付勢部材によってロック状態に付勢される、実施例7又は8に記載の外科用器具。
【0213】
実施例10-近位ロック部材は、関節運動ノブに係合するように構成された突起部を含むキャリッジを備え、キャリッジは、関節運動ノブの一部分を取り囲んでいる、実施例7、8、又は9に記載の外科用器具。
【0214】
実施例11-関節運動ノブは、複数のノブ戻り止めを備え、関節運動ノブが非関節運動位置から関節運動位置に向かって移動されるときに、ノブ戻り止めは、突起部に係合し、キャリッジ及び近位ロック部材を近位に移動させる、実施例10に記載の外科用器具。
【0215】
実施例12-エンドエフェクタは、ステープルカートリッジを備える、実施例7、8、9、10、又は11に記載の外科用器具。
【0216】
実施例13-ハンドルと、細長シャフトと、エンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、関節運動ノブと、関節運動部材と、関節運動ロックと、を備える、外科用器具。細長シャフトは、ハンドルから延在し、シャフト軸線を画定する。エンドエフェクタは、複数の戻り止めを備える。エンドエフェクタは、関節運動軸線を中心に関節運動ジョイントにより細長シャフトに回転可能に結合されている。関節運動ノブは、非回転位置と回転位置との間で回転可能である。関節運動部材は、エンドエフェクタにかつ関節運動ノブに取り付けられている。関節運動部材は、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。関節運動ロックは、ロック部材がエンドエフェクタの戻り止めと係合しているロック位置と、ロック部材がエンドエフェクタから係合解除されているロック解除位置との間で移動するように構成されたロック部材を備える。ロック部材は、関節運動ノブによってロック位置とロック解除位置との間で移動可能である。関節運動部材は、関節運動ノブが非回転位置から回転位置に向かって移動されると、近位位置と遠位位置との間で移動されて、関節運動軸線を中心にエンドエフェクタを関節運動させる。
【0217】
実施例14-ロック部材は、関節運動ノブに係合するように構成された突起部を含むキャリッジを備え、キャリッジは、関節運動ノブの一部分を取り囲んでいる、実施例13に記載の外科用器具。
【0218】
実施例15-関節運動ノブは、複数のノブ戻り止めを備え、関節運動ノブが非回転位置から回転位置に向かって移動されると、ノブ戻り止めは、突起部に係合し、キャリッジ及びロック部材を近位に移動させる、実施例14に記載の外科用器具。
【0219】
実施例16-エンドエフェクタは、ステープルカートリッジを備える、実施例13、14、又は15に記載の外科用器具。
【0220】
実施例17-ハンドルと、細長シャフトと、エンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、関節運動ノブと、関節運動部材と、関節運動ロックと、を備える、外科用器具。細長シャフトは、ハンドルから延在し、シャフト軸線を画定する。エンドエフェクタは、複数の戻り止めを備える。エンドエフェクタは、関節運動軸線を中心に関節運動ジョイントにより細長シャフトに回転可能に結合されている。関節運動ノブは、非回転位置と回転位置との間で回転可能である。関節運動部材は、エンドエフェクタにかつ関節運動ノブに取り付けられている。関節運動部材は、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。関節運動ロックは、遠位ロック部材及び近位ロック部材を備える。遠位ロック部材は、エンドエフェクタと選択的に係合可能である。エンドエフェクタは、遠位ロック部材がエンドエフェクタと係合した場合、回転することが防止される。近位ロック部材は、関節運動ノブと動作可能に係合される。関節運動ロックは、遠位ロック部材がエンドエフェクタと係合されているロック状態と、遠位ロック部材がエンドエフェクタから係合解除されているロック解除状態との間で移行されるように構成されている。非回転位置と回転位置との間の関節運動ノブの回転は、関節運動ロックをロック状態からロック解除状態に、次いで再びロック状態に移行させる。
【0221】
実施例18-近位ロック部材は、関節運動ノブに係合するように構成された突起部を含むキャリッジを備え、キャリッジは、関節運動ノブの一部分を取り囲んでいる、実施例17に記載の外科用器具。
【0222】
実施例19-関節運動ノブは、複数のノブ戻り止めを備え、関節運動ノブが非回転位置から回転位置に向かって移動されると、ノブ戻り止めは、突起部に係合し、キャリッジ及び近位ロック部材を近位に移動させる、実施例18に記載の外科用器具。
【0223】
実施例20-エンドエフェクタは、ステープルカートリッジを備える、実施例17、18、又は19に記載の外科用器具。
【0224】
実施例セット7
実施例1-ハンドルと、ハンドルから延在する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、発射部材と、関節運動ジョイントと、を備える、組織をステープル留め及び切断するための動力付き外科用ステープラ。ハンドルは、回転運動を生成するように構成されたモータと、モータに電力を供給するように構成された電池パックと、電池パックからモータへの電力の供給を制御するように構成された制御回路と、を含む。制御回路は、制御回路を環境から封止するコンフォーマルコーティンを含む。ハンドルは、発射トリガー及び閉鎖トリガーを更に含む。発射トリガーは、非作動位置と作動位置との間で移動可能である。閉鎖トリガーは、非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能である。エンドエフェクタは、細長チャネルと、アンビルと、を含む。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジに取り外し可能に格納された複数のステープルを含む。アンビルは、開位置と閉位置の間で細長チャネルに対して移動可能である。エンドエフェクタは、アンビルが閉位置に向かって移動されると、アンビルとステープルカートリッジとの間の患者の組織を捕捉するように構成されている。閉鎖トリガーが非クランプ位置からクランプ位置に向かって移動されると、アンビルは開位置から閉位置に向かって移動される。発射部材は、発射ストローク中に、ステープルカートリッジからステープルを排出し、患者の組織を切断するように非発射位置から発射位置へ移動可能である。発射部材は、発射トリガーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、発射ストロークを行うように構成されている。発射部材は、閉鎖トリガーがクランプ位置にあるときだけ、発射ストロークを行うことができる。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを中心に細長シャフトに対して回転するように構成されている。
【0225】
実施例2-コンフォーマルコーティングは、滅菌オートクレーブサイクルに耐えるように構成されている、実施例1に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0226】
実施例3-滅菌オートクレーブサイクルは、摂氏140度~摂氏170度の温度範囲を含む、実施例2に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0227】
実施例4-コンフォーマルコーティングは、制御回路上に流された封止材を含む、実施例1、2、又は3に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0228】
実施例5-制御回路は、スイッチと、スイッチを覆うエラストマーダイアフラムと、を含み、エラストマーダイアフラムは、スイッチを環境から封止するように構成されている、実施例1、2、3、又は4に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0229】
実施例6-スイッチは、手動で作動可能なロッカースイッチを含む、実施例5に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0230】
実施例7-スイッチとコンフォーマルコーティングとの間に位置付けられたガスケットシールを更に備え、ガスケットシールは、制御回路を環境から封止するように構成されている、実施例5又は6に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0231】
実施例8-制御回路は、電気ポートを含み、動力付き外科用ステープラは、電気ポートに電気的に接続された電気ハーネスと、電気ポートと電気ハーネスとの間に位置付けられたガスケットシールであって、ガスケットシールは、制御回路を環境から封止するように構成されている、ガスケットシールと、を更に備える、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0232】
実施例9-組織をステープル留め及び切断するための動力付き外科用ステープラ。動力付き外科用ステープラは、ハンドルを含む。ハンドルは、モータと、制御回路と、発射トリガーと、閉鎖トリガーと、を含む。モータは、回転運動を生成するように構成されている。制御回路は、電源からモータへの電力の供給を制御するように構成されている。制御回路は、プリント回路基板と、プリント回路基板に取り付けられた電気部品と、制御回路を環境から封止する、プリント回路基板及び電気部品の上を覆うコーティングと、を含む。発射トリガーは、非作動位置と作動位置との間で移動可能である。閉鎖トリガーは、非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能である。
【0233】
実施例10-コーティングは、滅菌オートクレーブサイクルに耐えるように構成されている、実施例9に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0234】
実施例11-滅菌オートクレーブサイクルは、摂氏140度~摂氏170度の温度範囲を含む、実施例10に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0235】
実施例12-コーティングは、制御回路上に流れることが可能な封止材を含む、実施例9、10、又は11に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0236】
実施例13-制御回路は、スイッチと、スイッチを覆うエラストマーダイアフラムと、を含み、エラストマーダイアフラムは、スイッチを環境から封止するように構成されている、実施例9、10、11、又は12に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0237】
実施例14-スイッチは、手動で作動可能なロッカースイッチを含む、実施例13に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0238】
実施例15-スイッチとコーティングとの間に位置付けられたガスケットシールを更に含み、ガスケットシールは、制御回路を環境から封止するように構成されている、実施例13又は14に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0239】
実施例16-制御回路は、電気ポートを含み、動力付き外科用ステープラは、電気ポートに電気的に接続された電気ハーネスと、電気ポートと電気ハーネスとの間に位置付けられたガスケットシールであって、ガスケットシールは、制御回路を環境から封止するように構成されている、ガスケットシールと、を更に備える、実施例9、10、11、12、13、14、又は15に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0240】
実施例17-組織をステープル留め及び切断するための動力付き外科用ステープラ。動力付き外科用ステープルは、ハンドルと、ハンドルから延在する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、発射部材と、を備える。ハンドルは、モータと、パワーパックと、制御回路と、発射トリガーと、閉鎖トリガーと、を含む。モータは、回転運動を生成するように構成されている。パワーパックは、モータに電力を供給するように構成されている。パワーパックは、ハンドルに解放可能に取り付け可能である。制御回路は、パワーパックからモータへの電力の供給を制御するように構成されている。制御回路は、制御回路が周辺環境に露出されることを防止するコンフォーマルコーティングを含む。発射トリガーは、非作動位置と作動位置との間で移動可能である。閉鎖トリガーは、非クランプ位置とクランプ位置との間で移動可能である。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、細長チャネルと、を含む。第2のジョーは、第1のジョーと第2のジョーとの間で患者の組織をクランプするように、第1のジョーに対して開位置と閉位置との間で移動可能である。閉鎖トリガーが非クランプ位置からクランプ位置に向かって移動されると、第2のジョーは、開位置から閉位置に向かって移動される。細長チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている。ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジに取り外し可能に格納された複数のステープルを含む。発射部材は、発射ストローク中に、ステープルカートリッジからステープルを排出し、患者の組織を切断するように非発射位置から発射位置へ移動可能である。発射部材は、発射トリガーが非作動位置から作動位置に向かって移動されると、発射ストロークを行うように構成されている。発射部材は、閉鎖トリガーがクランプ位置にあるときにだけ、発射ストロークを行うことができる。
【0241】
実施例18-コンフォーマルコーティングは、滅菌オートクレーブサイクルに耐えるように構成されている、実施例17に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0242】
実施例19-滅菌オートクレーブサイクルは、摂氏140度~摂氏170度の温度範囲を含む、実施例18に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0243】
実施例20-コンフォーマルコーティングは、制御回路上に流された封止材を含む、実施例17、18、又は19に記載の動力付き外科用ステープラ。
【0244】
実施例セット8
実施例1-外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリ。滅菌包装アセンブリは、真空成形トレイ及び微粒子トラップを備える。真空成形トレイは、外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティ、及びトラップ用キャビティを含む。微粒子トラップは、トラップ用キャビティ内に位置付けられる。微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状側面を含むハウジングを含む。開口部は、微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している。
【0245】
実施例2-微粒子トラップは、チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含む、実施例1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0246】
実施例3-微粒子トラップは不透明である、実施例1又は2に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0247】
実施例4-粒子トラップは、真空成形トレイと同色である、実施例1、2、又は3に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0248】
実施例5-微粒子トラップは、防音材料を更に含む、実施例1、2、3又は4に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0249】
実施例6-ハウジングは、チャンバと連通する別の開口部において終端する別の漏斗形状側面を含む、実施例1、2、3、4、又は5に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0250】
実施例7-外科用器具が滅菌包装アセンブリ内に位置付けられると、微粒子トラップは見えない、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0251】
実施例8-真空成形トレイは、別のトラップ用キャビティを含み、滅菌包装アセンブリは、別のトラップ用キャビティ内に位置付けられた別の微粒子トラップを含む、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0252】
実施例9-外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリ。滅菌包装アセンブリは、トレイ及び中空状微粒子トラップを備える。トレイは、外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティ、及びトラップ用キャビティを含む。中空状微粒子トラップは、トラップ用キャビティ内に位置付けられている。中空状微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含む。
【0253】
実施例10-中空状微粒子トラップ内に位置付けられた接着剤を更に含む、実施例9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0254】
実施例11-中空状微粒子トラップは不透明である、実施例9又は10に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0255】
実施例12-中空状微粒子トラップはトレイと同色である、実施例9、10、又は11に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0256】
実施例13-中空状微粒子トラップは防音材料を更に含む、実施例9、10、11又は12に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0257】
実施例14-中空状微粒子トラップは、別の開口部において終端する別の漏斗形状面を更に含む、実施例9、10、11、12、又は13に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0258】
実施例15-外科用器具がトレイ内に位置付けられると、中空状微粒子トラップは見えない、実施例9、10、11、12、13、又は14に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0259】
実施例16-トレイは、別のトラップ用キャビティを更に含み、滅菌包装アセンブリは、別のトラップ用キャビティ内に位置付け可能な別の中空状微粒子トラップを更に含む、実施例9、10、11、12、13、14、又は15に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0260】
実施例17-外科用器具と、トレイと、微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。トレイは、外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティ及びトラップ用キャビティを含む。微粒子トラップは、トラップ用キャビティ内に位置付けられる。微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含む。開口部は、微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している。
【0261】
実施例18-チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含み、接着剤は、接着剤に微粒子を捕捉するように構成されている、実施例17に記載の微粒子トラップ。
【0262】
実施例19-微粒子トラップは不透明である、実施例17又は18に記載の微粒子トラップ。
【0263】
実施例20-微粒子トラップは、防音材料を更に含む、実施例17、18、又は19に記載の微粒子トラップ。
【0264】
実施例セット9
実施例1-カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットと、長手方向スロットの第1の側に位置付けられたデッキ表面と、を備える、ステープルカートリッジ。デッキ表面は、複数のステープルキャビティ開口部を含む。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティ開口部において取り外し可能に格納されたステープルと、デッキ表面の上に延在するハニカム延在部と、ハニカム延在部において画定された複数の貫通孔と、を更に含む。それぞれの貫通孔は、対応するステープルキャビティ開口部と位置合わせされている。それぞれの貫通孔は、対応するステープルキャビティ開口部より大きい。貫通孔は、ステープルがステープル発射ストローク中にステープルキャビティ開口部から排出されるときの組織の流れを防止するように構成されている。
【0265】
実施例2-それぞれのステープルキャビティ開口部は、第1の外周部を画定し、それぞれの貫通孔は、第2の外周部を画定し、第2の外周部は、第1の外周部と部分的に位置合わせされている、実施例1に記載のステープルカートリッジ。
【0266】
実施例3-デッキ表面は、第1のデッキ表面を含み、ステープルカートリッジは、第1のデッキ表面の下方に位置付けられた第2のデッキ表面を更に含む、実施例1又は2に記載のステープルカートリッジ。
【0267】
実施例4-第2のデッキ表面は、第1のデッキ表面の第1の全表面積よりも小さい第2の全表面積を含む、実施例3に記載のステープルカートリッジ。
【0268】
実施例5-第2のデッキ表面は、ステープルキャビティ開口部のいずれも取り囲まない、実施例3又は4に記載のステープルカートリッジ。
【0269】
実施例6-カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットと、長手方向スロットの第1の側に位置付けられたデッキ表面と、を備える、ステープルカートリッジ。デッキ表面は、複数のステープルキャビティ開口部を含む。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティ開口部において取り外し可能に格納されたステープルを更に備える。ステープルカートリッジは、デッキ表面の上に延在する格子延在部を更に備える。格子延在部は、格子延在部において画定された複数の貫通孔を含む。それぞれの貫通孔は、対応するステープルキャビティ開口部と位置合わせされている。それぞれの貫通孔は、対応するステープルキャビティ開口部より大きい。貫通孔は、ステープルが発射されるときの組織の流れを防止するように構成されている。
【0270】
実施例7-それぞれのステープルキャビティ開口部は、第1の外周部を画定し、それぞれの貫通孔は、第2の外周部を画定し、第2の外周部は、第1の外周部と部分的に位置合わせされている、実施例6に記載のステープルカートリッジ。
【0271】
実施例8-デッキ表面は、第1のデッキ表面を含み、ステープルカートリッジは、第1のデッキ表面の下方に位置付けられた第2のデッキ表面を更に含む、実施例6又は7に記載のステープルカートリッジ。
【0272】
実施例9-第2のデッキ表面は、第1のデッキ表面の第1の全表面積よりも小さい第2の全表面積を含む、実施例8に記載のステープルカートリッジ。
【0273】
実施例10-第2のデッキ表面は、ステープルキャビティ開口部のいずれも取り囲まない、実施例8又は9に記載のステープルカートリッジ。
【0274】
実施例11-アンビルを含む外科用器具と共に使用するためのステープルカートリッジ。ステープルカートリッジ及びアンビルのうちの一方は、開位置と閉位置との間でステープルカートリッジ及びアンビルのうちの他方に対して移動可能である。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットと、カートリッジ本体内に画定されたステープルカートリッジデッキと、を備える。ステープルカートリッジデッキは、第1のデッキ表面及び第2のデッキ表面を含む。第1のデッキ表面は、複数の開口部を含む。ステープルカートリッジ及びアンビルが閉位置にあるとき、第1の表面は、アンビルから第1の距離に位置付けられている。第2のデッキ表面は、複数のステープルキャビティ開口部を含む。第2の表面は、ステープルカートリッジ及びアンビルが閉位置にあるときに、アンビルから第2の距離に位置付けられている。第2の距離は、第1の距離よりも長い。第1の表面のそれぞれの開口部は、第2の表面の対応するステープルキャビティ開口部と位置合わせされている。第1の表面の開口部は、第2の表面のステープルキャビティ開口部よりも大きい。第1の表面の開口部は、ステープルカートリッジが発射されるときの組織の流れを防止するように構成されている。
【0275】
実施例12-第1の表面の開口部は、ハニカムパターンに配置されている、実施例11に記載のステープルカートリッジ。
【0276】
実施例13-第1の表面の開口部は、第2の表面のステープルキャビティ開口部と異なる形状である、実施例11又は12に記載のステープルカートリッジ。
【0277】
実施例14-第2の表面のステープルキャビティ開口部は同じ形状であり、第1の表面の開口部は、同じ形状とは異なる形状である、実施例11、12、又は13に記載のステープルカートリッジ。
【0278】
実施例15-第1の表面の開口部は、第1の表面の他の開口部と異なるサイズである、実施例11、12、13、又は14に記載のステープルカートリッジ。
【0279】
実施例16-第1の表面の1つの開口部は、第1の形状を画定し、第1の表面の他の開口部は第2の形状を画定し、第1の形状及び第2の形状は異なる、実施例11、12、13、14、又は15に記載のステープルカートリッジ。
【0280】
実施例17-第1のデッキ表面及び第2のデッキ表面の下方に位置付けられた第3のデッキ表面を更に含む、実施例11、12、13、14、15、又は16に記載のステープルカートリッジ。
【0281】
実施例18-第3のデッキ表面は、第2のデッキ表面の全表面積よりも小さい第2の全表面積を含む、実施例17に記載のステープルカートリッジ。
【0282】
実施例19-第3のデッキ表面は、第1のデッキ表面の開口部又は第2のデッキ表面のステープルキャビティ開口部のいずれも取り囲まない、実施例17又は18に記載のステープルカートリッジ。
【0283】
実施例20-第1のデッキ表面、第2のデッキ表面、及び第3のデッキ表面は、長手方向スロットの片側に位置付けられている、実施例17、18、又は19に記載のステープルカートリッジ。
【0284】
実施例セット10
実施例1-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の円筒形突出部を更に含む。それぞれの円筒形突出部の外径は、それぞれのステープルキャビティの近位端壁及び遠位端壁のうちの一方と同一平面である。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて取り外し可能に格納されたステープルを更に備える。
【0285】
実施例2-円筒形突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例1に記載のステープルカートリッジ。
【0286】
実施例3-それぞれの円筒形突出部は、端部面取りを含む、実施例1又は2に記載のステープルカートリッジ。
【0287】
実施例4-それぞれの円筒形突出部は、ドーム形端部を含む、実施例1、2又は3に記載のステープルカートリッジ。
【0288】
実施例5-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端及び遠位端を含む。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の四半球状突出部を更に含む。それぞれの四半球状突出部の面は、それぞれのステープルキャビティの近位端壁及び遠位端壁のうちの一方と同一平面である。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて格納された複数のステープルを更に備える。
【0289】
実施例6-複数の四半球状突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例5に記載のステープルカートリッジ。
【0290】
実施例7-複数の四半球状突出部は、ステープルキャビティを越えて横方向に延在している、実施例5又は6に記載のステープルカートリッジ。
【0291】
実施例8-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端壁と、遠位端壁と、近位端壁と遠位端壁との間に延在する第1の側面と、近位端壁と遠位端壁との間に延在する第2の側面と、を備える。第2の側面は、第1の側面に対向する。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する円筒形突出部を更に含む。円筒形突出部の外径は、近位端壁及び遠位端壁のうちの一方と同一平面である。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の略立方体突出部を更に含む。複数の立方体突出部は、第1の側面及び第2の側面に沿って位置付けられている。それぞれの立方体突出部は、第1の側面又は第2の側面と同一平面である側面を含む。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて取り外し可能に格納された複数のステープルを更に含む。
【0292】
実施例9-円筒形突出部と立方体突出部との間に間隙を更に含む、実施例8に記載のステープルカートリッジ。
【0293】
実施例10-円筒形突出部及び立方体突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例8又は9に記載のステープルカートリッジ。
【0294】
実施例11-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端と、遠位端と、近位端壁と遠位端壁との間に延在する第1の側面と、近位端壁と遠位端壁との間に延在する第2の側面と、を含む。第2の側面は、第1の側面に対向する。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の円筒形突出部を更に含む。複数の円筒形突出部は、それぞれのステープルキャビティの近位端及び遠位端のうちの一方においてそれぞれのステープルキャビティの両側に位置付けられている。それぞれの円筒形突出部の外径は、それぞれのステープルキャビティの第1の側面又は第2の側面のいずれか一方と同一平面である。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて取り外し可能に格納されたステープルを更に備える。
【0295】
実施例12-円筒形突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例11に記載のステープルカートリッジ。
【0296】
実施例13-円筒形突出部間に間隙を更に含む、実施例11又は12に記載のステープルカートリッジ。
【0297】
実施例14-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する第1の側面と、近位端と遠位端との間に延在する第2の側面と、を含む。第2の側面は、第1の側面に対向する。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の略立方体突出部を更に含む。複数の立方体突出部は、それぞれのステープルキャビティの近位端及び遠位端のうちの一方においてそれぞれのステープルキャビティの両側に位置付けられている。それぞれの立方体突出部の面は、それぞれのステープルキャビティの第1の側面又は第2の側面のいずれか一方と同一平面である。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて取り外し可能に格納されたステープルを更に備える。
【0298】
実施例15-立方体突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例14に記載のステープルカートリッジ。
【0299】
実施例16-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端壁を含む近位端と、遠位端壁を含む遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する第1の側面と、近位端と遠位端との間に延在する第2の側面と、を含む。第2の側面は、第1の側面に対向する。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の略立方体突出部を更に含む。複数の立方体突出部は、それぞれのステープルキャビティの近位端及び遠位端のうちの一方においてそれぞれのステープルキャビティの両側に位置付けられている。それぞれの立方体突出部の面は、それぞれのステープルキャビティの第1の側面又は第2の側面のいずれか一方と同一平面である。立方体突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の円筒形突出部を更に含む。それぞれの円筒形突出部は、それぞれのステープルキャビティの近位端及び遠位端のうちの他方において位置付けられている。それぞれの円筒形突出部の外径は、複数のステープルキャビティのそれぞれのステープルキャビティの近位端壁及び遠位端壁のうちの一方と同一平面である。円筒形突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない。ステープルカートリッジは、複数のステープルキャビティにおいて取り外し可能に格納されたステープルを更に含む。
【0300】
実施例17-立方体突出部及び円筒形突出部が、デッキ表面の上で相互接続されていない、実施例16に記載のステープルカートリッジ。
【0301】
実施例18-カートリッジ本体を含むステープルカートリッジ。カートリッジ本体は、長手方向スロットと、デッキ表面と、カートリッジ本体において画定された複数のステープルキャビティと、を含む。それぞれのステープルキャビティは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する第1の側面と、近位端と遠位端との間に延在する第2の側面と、を含む。第2の側面は、第1の側面に対向する。カートリッジ本体は、デッキ表面から延在する複数の放射状フィレット突出部を更に含む。複数の放射状フィレット突出部は、第1の側面及び第2の側面に沿って位置付けられている。放射状フィレット突出部は、デッキ表面の上で相互接続されていない。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティにおいて格納された複数のステープルを更に備える。
【0302】
実施例19-それぞれの放射状フィレット突出部の一部は、それぞれのステープルキャビティの第1の側面及び第2の側面のうちの一方と同一平面である、実施例18に記載のステープルカートリッジ。
【0303】
実施例20-放射状フィレット突出部は、それぞれのステープルキャビティの近位端及び遠位端のうちの一方において位置付けられている、実施例18又は19に記載のステープルカートリッジ。
【0304】
実施例セット11
実施例1-ハンドルと、ハンドルから延在する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、を備える、外科用器具。細長シャフトは、長手方向シャフト軸線を画定する。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第1のジョーに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である第2のジョーと、を含む。外科用器具は、関節運動ジョイントと、モータ駆動式関節運動システムと、モータ駆動式発射システムと、閉鎖システムと、ロックソレノイドと、電源と、制御部と、を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを中心に細長シャフトに回転可能に結合されている。エンドエフェクタは、長手方向シャフト軸線を横切る関節運動軸線を中心に回転可能である。モータ駆動式関節運動システムは、エンドエフェクタを関節運動軸線を中心に回転させるように構成されている。関節運動システムは、複数の状態で動作する。複数の状態は、エンドエフェクタが関節運動されているアクティブ状態と、エンドエフェクタが関節運動されていない非アクティブ状態と、を含む。モータ駆動式発射システムは、発射ストローク中に非発射位置から発射位置まで移動可能な発射部材を含む。閉鎖システムは、エンドエフェクタと動作可能に係合された閉鎖トリガーを含む。閉鎖トリガーは、第2のジョーが開位置にある非クランプ位置と、第2のジョーが閉位置にあるクランプ位置との間でハンドルに対して作動可能である。ロックソレノイドは、ロックソレノイドが閉鎖システムの一部分と係合する作動位置と、ロックソレノイドが閉鎖システムと係合していない非作動位置との間で移動可能である。ロックソレノイドが作動位置にある場合、閉鎖システムは作動されることが防止される。電源は、関節運動システム、発射システム、及びロックソレノイドに電力を供給するように構成されている。制御部は、電源から関節運動システム、発射システム、及びロックソレノイドへの電力の供給を制御するように構成されている。関節運動システムがアクティブ状態にある場合、制御部は、ロックソレノイドを作動位置に移動させ、電源から発射システムへの電力の供給を防止する。
【0305】
実施例2-制御部と信号通信する閉鎖センサを更に備え、閉鎖センサは、閉鎖トリガーがクランプ位置にある場合を検出するように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0306】
実施例3-制御部は、閉鎖トリガーがクランプ位置にない場合、電源から発射システムへの電力の供給を防止するように構成されている、実施例1又は2に記載の外科用器具。
【0307】
実施例4-第1のジョー及び第2のジョーのうちの一方は、ステープルカートリッジを受容するように構成され、第1のジョー及び第2のジョーのうちの他方はアンビルを含む、実施例1、2、又は3に記載の外科用器具。
【0308】
実施例5-ステープルカートリッジを更に備える、実施例4に記載の外科用器具。
【0309】
実施例6-ハンドルと、ハンドルから延在し、長手方向シャフト軸線を画定する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、動力付き関節運動システムと、動力付き発射システムと、閉鎖システムと、ロックシステムと、電源と、制御部と、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、開位置と閉位置との間で移動可能な一対のジョーを含む。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを中心に細長シャフトに回転可能に結合されている。エンドエフェクタは、長手方向シャフト軸線を横切る関節運動軸線を中心に回転可能である。動力付き関節運動システムは、エンドエフェクタを関節運動軸線を中心に回転させるように構成されている。関節運動システムは、複数の状態で動作可能である。複数の状態は、エンドエフェクタが関節運動されているアクティブ状態と、エンドエフェクタが関節運動されていない非アクティブ状態と、を含む。動力付き発射システムは、発射ストローク中に非発射位置から発射位置へ移動可能な発射部材を含む。閉鎖システムは、エンドエフェクタと動作可能に係合された閉鎖トリガーを含む。閉鎖トリガーは、エンドエフェクタが開位置にある非クランプ位置と、エンドエフェクタが閉位置にあるクランプ位置との間でハンドルに対して作動可能である。ロックシステムは、複数の状態で動作可能である。複数の状態は、ロックシステムが閉鎖システムをロックするロック状態と、ロックシステムが閉鎖システムをロック解除するロック解除状態と、を含む。ロックシステムがロック状態にある場合、閉鎖システムは作動されることが防止される。電源は、関節運動システム、発射システム、及びロックシステムに電力を供給するように構成されている。制御部は、電源から関節運動システム、発射システム、及びロックシステムへの電力の供給を制御するように構成されている。関節運動システムがアクティブ状態にある場合、制御部は、ロックシステムをロック状態に移行させ、電源から発射システムへの電力の供給を防止する。
【0310】
実施例7-制御部と信号通信する閉鎖センサを更に備え、閉鎖センサは、閉鎖トリガーがクランプ位置にある場合を検出するように構成されている、実施例6に記載の外科用器具。
【0311】
実施例8-制御部は、閉鎖トリガーがクランプ位置にない場合、電源から発射システムへの電力の供給を防止するように構成されている、実施例6又は7に記載の外科用器具。
【0312】
実施例9-エンドエフェクタは、ステープルカートリッジを受容するように構成されている、実施例6、7、又は8に記載の外科用器具。
【0313】
実施例10-ステープルカートリッジを更に備える、実施例9に記載の外科用器具。
【0314】
実施例11-ハンドルと、ハンドルから延在し、長手方向シャフト軸線を画定する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、電源と、動力付き関節運動システムと、閉鎖システムと、制御部と、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第1のジョーに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である第2のジョーと、を含む。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを中心に細長シャフトに回転可能に結合されている。エンドエフェクタは、長手方向シャフト軸線を横切る関節運動軸線を中心に回転可能である。動力付き関節運動システムは、電力が電源から供給されると、エンドエフェクタを関節運動軸線を中心に回転させるように構成されている。閉鎖システムは、閉鎖トリガー及び閉鎖センサを含む。閉鎖トリガーは、エンドエフェクタと動作可能に係合されている。閉鎖トリガーは、第2のジョーが開位置にある非クランプ位置と、第2のジョーが閉位置にあるクランプ位置との間でハンドルに対して作動可能である。閉鎖センサは、閉鎖トリガーの位置を検出するように構成されている。制御部は、電源から関節運動システムへの電力の供給を制御するように構成されている。閉鎖センサは、制御部と信号通信する。制御部は、閉鎖センサが閉鎖トリガーが非クランプ位置にないことを検出した場合、電源から関節運動システムへの電力の供給を防止する。
【0315】
実施例12-発射ストローク中に非発射位置から発射位置まで移動可能な発射部材を含む動力付き発射システムを更に備え、電源は、発射システムに電力を供給するように構成され、制御部は、発射システムへの電力の供給を制御するように構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
【0316】
実施例13-制御部は、閉鎖トリガーがクランプ位置にない場合、電源が発射システムへ電力を供給することを防止するように構成されている、実施例12に記載の外科用器具。
【0317】
実施例14-第1のジョー及び第2のジョーのうちの一方は、ステープルカートリッジを受容するように構成され、第1のジョー及び第2のジョーのうちの他方はアンビルを含む、実施例11、12、又は13に記載の外科用器具。
【0318】
実施例15-ステープルカートリッジを更に備える、実施例14に記載の外科用器具。
【0319】
実施例16-ハンドルと、ハンドルから延在し、長手方向シャフト軸線を画定する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、関節運動ジョイントと、電源と、動力付き関節運動システムと、モータ駆動式閉鎖システムと、制御部と、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第1のジョーに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である第2のジョーと、を含む。エンドエフェクタは、関節運動ジョイントを中心に細長シャフトに回転可能に結合されている。エンドエフェクタは、長手方向シャフト軸線を横切る関節運動軸線を中心に回転可能である。動力付き関節運動システムは、電力が電源から供給されると、エンドエフェクタを関節運動軸線を中心に回転させるように構成されている。モータ駆動式閉鎖システムは、エンドエフェクタと動作可能に係合されている。閉鎖システムは、第2のジョーが開位置にある非作動状態と、第2のジョーが閉位置にある作動状態との間で移行可能である。閉鎖センサは、閉鎖システムが作動されている場合を検出するように構成されている。制御部は、電源から関節運動システムへの電力の供給を制御するように構成されている。閉鎖センサは、制御部と信号通信する。制御部は、閉鎖センサが閉鎖システムが作動されていることを検出した場合、電源から関節運動システムへの電力の供給を防止する。
【0320】
実施例17-発射ストローク中に非発射位置から発射位置まで移動可能な発射部材を含む動力付き発射システムを更に備え、電源は、発射システムに電力を供給するように構成され、制御部は、発射システムへの電力の供給を制御するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
【0321】
実施例18-制御部は、閉鎖システムが作動されている場合、電源が発射システムへ電力を供給することを防止するように構成されている、実施例17に記載の外科用器具。
【0322】
実施例19-第1のジョー及び第2のジョーのうちの一方は、ステープルカートリッジを受容するように構成され、第1のジョー及び第2のジョーのうちの他方はアンビルを含む、実施例16、17、又は18に記載の外科用器具。
【0323】
実施例20-ステープルカートリッジを更に備える、実施例19に記載の外科用器具。
【0324】
実施例21-ハンドルと、ハンドルから延在し、長手方向シャフト軸線を画定する細長シャフトと、細長シャフトから延在するエンドエフェクタと、シャフト回転システムと、閉鎖システムと、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第1のジョーに対して、開位置と閉位置との間で移動可能である第2のジョーと、を含む。シャフト回転システムは、エンドエフェクタ及び細長シャフトと動作可能に係合されている。シャフト回転システムは、エンドエフェクタ及び細長シャフトがシャフト軸線を中心に回転することが防止されるロック状態と、エンドエフェクタ及び細長シャフトがシャフト軸線を中心に回転可能であるロック解除状態との間で移行可能である。閉鎖システムは、エンドエフェクタと動作可能に係合し、第2のジョーが開位置にある非作動状態と、第2のジョーが閉位置にある作動状態との間で移行可能である。閉鎖システムが作動されると、閉鎖システムは、シャフト回転システムをロック解除状態からロック状態に移行する。
【0325】
実施例22-シャフト回転システムは、モータ駆動式シャフト回転システムを含み、モータ駆動式シャフト回転システムは、電源からモータ駆動式シャフト回転システムに電力が供給されると、シャフト軸線を中心にエンドエフェクタ及び細長シャフトを回転させるように構成されている、実施例21に記載の外科用器具。
【0326】
実施例23-制御部と、制御部と信号通信する閉鎖センサと、を更に備え、閉鎖センサは、閉鎖システムが作動されている場合を検出するように構成され、閉鎖センサが作動されていることを検出した場合、制御部は、電源からモータ駆動式シャフト回転システムへの電力の供給を防止する、実施例22に記載の外科用器具。
【0327】
本明細書で説明する外科用器具システムの多くは、電動モータによって駆動されている。しかしながら、本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様式で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガーにより動作することができる。特定の例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット外科用器具システムと共に利用することができる。例えば、現在、米国特許第9,072,535号である発明の名称が「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」である米国特許出願第13/118,241号は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0328】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきたが、しかしながら、本明細書に記載される実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成されている電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0329】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、
-2006年2月21日発行の米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、
-2008年9月9日発行の米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、
-2008年12月16日発行の米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、
-2010年3月2日発行の米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、
-2010年7月13日発行の米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、
-2013年3月12日発行の米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」(現在は、米国特許第7,845,537号)、
-2008年2月14日出願の、米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、
-2008年2月15日出願の米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第7,980,443号)、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」(現在は、米国特許第8,210,411号)、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」(現在は、米国特許第9,050,083号)。
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(現在は、米国特許第8,608,045号)、
-2009年12月24日出願の米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」(現在は、米国特許第8,220,688号)、
-2012年9月29日出願の米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、(現在は、米国特許第8,733,613号)、
-2011年2月28日出願の米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、(現在は、米国特許第8,561,870号)、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,072,535号)、
-2012年6月15日出願の米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」(現在は、米国特許第9,101,358号)、
-2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は、米国特許第9,345,481号)、
2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は、米国特許出願公開第2014/0263552号)、
-2006年1月31日出願の米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、及び
-2010年4月22日出願の米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」(現在は、米国特許第8,308,040号)。
【0330】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0331】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0332】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、x線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開封されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0333】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0334】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリであって、前記滅菌包装アセンブリは、
真空成形トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、真空成形トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた微粒子トラップであって、前記微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状側面を含むハウジングを含み、前記開口部は、前記微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している、微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
(2) 前記微粒子トラップは、前記チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含む、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(3) 前記微粒子トラップは不透明である、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(4) 前記微粒子トラップは、前記真空成形トレイと同色である、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(5) 前記微粒子トラップは、防音材料を更に含む、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0335】
(6) 前記ハウジングは、前記チャンバと連通する別の開口部において終端する別の漏斗形状側面を含む、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(7) 前記外科用器具が前記滅菌包装アセンブリ内に位置付けられると、前記微粒子トラップは見えない、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(8) 前記真空成形トレイは、別のトラップ用キャビティを含み、前記滅菌包装アセンブリは、前記別のトラップ用キャビティ内に位置付けられた別の微粒子トラップを含む、実施態様1に記載の滅菌包装アセンブリ。
(9) 外科用器具を受容するように構成された滅菌包装アセンブリであって、前記滅菌包装アセンブリは、
トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた中空状微粒子トラップであって、前記中空状微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含む、中空状微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
(10) 前記中空状微粒子トラップ内に位置付けられた接着剤を更に含む、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0336】
(11) 前記中空状微粒子トラップは不透明である、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
(12) 前記中空状微粒子トラップは、前記トレイと同色である、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
(13) 前記中空状微粒子トラップは、防音材料を更に含む、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
(14) 前記中空状微粒子トラップは、別の開口部において終端する別の漏斗形状面を更に含む、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
(15) 前記外科用器具が前記トレイ内に位置付けられると、前記中空状微粒子トラップは見えない、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
【0337】
(16) 前記トレイは、別のトラップ用キャビティを更に含み、前記滅菌包装アセンブリは、前記別のトラップ用キャビティ内に位置付け可能な別の中空状微粒子トラップを更に含む、実施態様9に記載の滅菌包装アセンブリ。
(17) 滅菌包装アセンブリであって、
外科用器具と、
トレイであって、
前記外科用器具を受容するように構成された器具用キャビティと、
トラップ用キャビティと、を含む、トレイと、
前記トラップ用キャビティ内に位置付けられた微粒子トラップであって、前記微粒子トラップは、開口部において終端する漏斗形状面を含み、前記開口部は、前記微粒子トラップにおいて画定されたチャンバと連通している、微粒子トラップと、を備える、滅菌包装アセンブリ。
(18) 前記チャンバ内に位置付けられた接着剤を更に含み、前記接着剤は、前記接着剤に微粒子を捕捉するように構成されている、実施態様17に記載の微粒子トラップ。
(19) 前記微粒子トラップは不透明である、実施態様17に記載の微粒子トラップ。
(20) 前記微粒子トラップは、防音材料を更に含む、実施態様17に記載の微粒子トラップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16-17】
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
【国際調査報告】