(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(54)【発明の名称】聴覚装置用耳垢フィルタ
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20220829BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
H04R25/00 G
H04R1/10 104Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577533
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2020067477
(87)【国際公開番号】W WO2021001211
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリック ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリック ヘッツ クリスティアンセン
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA14
(57)【要約】
聴覚装置用耳垢フィルタ装置は、第1端部と第2端部を有する本体であって、空洞を画定する内表面と、外側断面直径を有する外表面であって、前記外表面は前記第1端部から第1距離に配置された第1支持部材を備えており、前記第1支持部材は第1断面直径を有しており、前記外表面は前記第1端部から第2距離に配置された第2支持部材を備えており、前記第2支持部材は第2断面直径を有する、前記外表面と、を備える前記本体と、前記本体の前記空洞内に配置されたフィルタ構造と、前記本体の前記第2端部に配置されたカラーであって、カラー断面直径を有する前記カラーと、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部と第2端部を有する本体であって、
空洞を画定する内表面と、
外側断面直径を有する外表面であって、前記外表面は前記第1端部から第1距離に配置された第1支持部材を備えており、前記第1支持部材は環状であるとともに第1断面直径を有しており、前記外表面は前記第1端部から第2距離に配置された第2支持部材を備えており、前記第2支持部材は第2断面直径を有する、前記外表面と、を備える前記本体と、
前記本体の前記空洞内に配置されたフィルタ構造と、
前記本体の前記第2端部に配置されたカラーであって、カラー断面直径を有する前記カラーと、を備える、聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項2】
前記第2支持部材は環状であり、前記第1断面直径及び前記第2断面直径は、前記外側断面直径より大きい、請求項1に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項3】
前記第1断面直径及び前記第2断面直径は、前記カラー断面直径より小さい、請求項1又は2に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項4】
前記第1断面直径は、前記第2断面直径より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項5】
前記第1位置は、前記第2位置と異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項6】
前記第1支持部材は、前記第2支持部材から所定の距離に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項7】
前記空洞は、前記第1端部から前記第2端部へ延びる筒状空洞である、請求項1から6のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項8】
前記フィルタ構造は、前記本体の第1端部に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項9】
前記フィルタ構造は、前記本体の前記第1端部から前記空洞の内部への流体連通を提供する複数の矩形開口を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項10】
前記フィルタ構造は、フィルタ構造領域を有し、前記開口は、前記フィルタ構造領域の少なくとも70%を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項11】
前記本体の第1端部は、前記外表面から前記内表面へのテーパ状の移行部を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項12】
前記内表面は内表面長さを有してもよく、前記外表面は外表面長さを有してもよく、前記内表面長さは前記外表面長さより大きい、請求項1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項13】
前記カラーは第1表面を備え、前記第1表面は平らである、請求項1から12のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項14】
前記カラーの外周は、周面領域を備えており、前記周面領域は平らであり、前記面は、前記本体の前記外表面及び/又は前記本体の前記内表面と平行である、請求項1から13のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【請求項15】
前記周面領域は、前記カラーの第2表面に接続されており、前記周面と前記第2表面との間の移行領域は丸みを帯びている、請求項14に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、聴覚装置用耳垢フィルタ装置に関し、特に聴覚装置の外耳道部分の音響開口(レシーバ/マイクロフォン開口)内に配置される聴覚装置用耳垢フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
耳内部型(In-the-ear:ITE)聴覚装置は、ユーザの外耳道の内部に全体的に又は少なくとも部分的に配置される装置である。ユーザの外耳道の内部には、レシーバ/マイクロフォン開口がユーザの鼓膜/外耳道に向くように、耳内部分のレシーバ/マイクロフォン開口が配置される。これらの聴覚装置の使用による一般的な問題は、医学用語では耳垢とも知られる、耳かす、又は他のごみがレシーバ/マイクロフォン開口に進入し、レシーバと鼓膜の間、及び/又は、外耳道の空洞とマイクロフォンの間の音響伝達を妨害しうること、又は耳垢がレシーバ及び/又はマイクロフォンの動作を妨げうることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、聴覚装置のレシーバ及び/又はマイクロフォンへの耳垢の進入又は到達を防止するために、改善された耳垢フィルタリング能力を備えた聴覚装置、装置及び方法へのニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
フィルタ装置とも呼ばれる聴覚装置用耳垢フィルタ装置が開示される。この聴覚装置用耳垢フィルタ装置は、第1端部と第2端部を有する本体であって、空洞を画定する内表面と、外側断面直径を有する外表面であって、第1端部から第1距離に配置された第1断面直径を有する第1支持部材を備え、第1端部から第2距離に配置された第2断面直径を有する第2支持部材を備え得る外表面と、を備える本体と、例えば本体の空洞内に配置されたフィルタ構造と、本体の第2端部に配置され、カラー断面直径を有するカラーと、を備える。第1支持部材は環状であってもよい。
【0005】
聴覚装置用耳垢フィルタ装置がレシーバ開口の内部で十分に支持され、支持部材が、レシーバ開口の内壁と本体の外表面との間、及び、レシーバ開口の内部への耳垢の通過のリスクを低減することが、聴覚装置用耳垢フィルタ装置の重要な利点である。
【0006】
フィルタ装置がレシーバ開口の内部に配置されたとき、第1支持部材及び第2支持部材がそれぞれ第1耳垢バリア及び第2耳垢バリアを提供するため、本開示は、聴覚装置への耳垢の侵入からの改善された保護を提供する。
【0007】
本開示は、さらにフィルタ装置の交換時の聴覚装置への耳垢の侵入からの改善された保護を提供する。
【0008】
さらに、フィルタ装置が音響(レシーバ/マイクロフォン)開口に配置されたとき、例えば音響開口への挿入時及び/又は挿入後に、本体の外表面に配置された第1支持部材及び第2支持部材は、フィルタ装置の高められた安定性をも提供し得る。さらに、第2支持部材を設けることで、フィルタ装置の本体の剛性を向上し得る。それによってフィルタ装置をより丈夫にし、挿入時に本体をより変形しにくくする。レシーバ開口の内表面に接触し得る第1支持部材と、レシーバ開口の内表面に接触し得る第2支持部材を設けることは、フィルタ装置に、レシーバ開口の内表面に接触する少なくとも2つの領域を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の上記及び他の特徴並びに利点は、以下の例示的な実施形態の詳細な説明と添付図面の参照によって当業者にとって即座に明らかになるであろう。
【
図1】例示的なフィルタ装置の第2端部の斜視図を示す。
【
図2】例示的なフィルタ装置の第1端部の斜視図を示す。
【
図3】例示的なフィルタ装置の第2端部の正面図を示す。
【
図4】例示的なフィルタ装置の第1端部の正面図を示す。
【
図7】例示的なフィルタ装置の第2端部の斜視図を示す。
【
図8】例示的なフィルタ装置の第1端部の斜視図を示す。
【
図9】例示的なフィルタ装置の第2端部の上面図を示す。
【
図10】例示的なフィルタ装置の第1端部の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここから様々な例示的な実施形態及び詳細について、関連するときは図面を参照して、説明する。図面は正確な縮尺で描かれている場合と描かれていない場合とがあること、類似の構造又は機能の要素は図面全体を通じて同様の参照符号を付していることに留意すべきである。また、図面は実施形態の説明を助けることのみを意図していることにも留意すべきである。図面は発明の網羅的な説明として、又は発明の範囲における制限としては意図されていない。加えて、図示された実施形態は、示されるすべての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される、ある態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、たとえそのように図示されておらず又は明示的に説明されていなくても、いかなる他の実施形態においても実施することができる。
【0011】
聴覚装置のための聴覚装置用耳垢フィルタ装置が開示される。聴覚装置はヒアラブル、又はプロセッサがユーザの聴覚損失を補うように構成された補聴器であってもよい。聴覚装置は、耳後部型(behind-the-ear:BTE)、耳内部型(in-the-ear:ITE)、外耳道内部型(in-the-canal:ITC)、外耳道内レシーバ型(receiver-in-canal:RIC)、又は耳内レシーバ型(receiver-in-the-ear:RITE)であってもよい。補聴器は、バイノーラル補聴器であってもよい。
【0012】
第1端部及び第2端部を有する本体であって、空洞を画定する内表面と外側断面直径を有する外表面とを備える本体を備える聴覚装置用耳垢フィルタ装置が開示される。本体の外表面は、第1端部から第1距離に配置された第1支持部材を備え、第1支持部材は第1断面直径を有する。本体の外表面は、第1端部から第2距離に配置された第2支持部材を備えてもよく、第2支持部材は第2断面直径を有する。聴覚装置用耳垢フィルタ、例えば本体は、例えば本体の空洞内に配置されたフィルタ構造と、本体の第2端部に配置され、カラー断面直径を有するカラーを備える。
【0013】
本願の意味において、用語「直径」及び/又は「断面直径」は、例えば断面の中心を通って、一の領域から別の領域を通過する直線を意味し、「直径」は特定の物体又は部分のサイズを定義してもよい。
【0014】
聴覚装置用耳垢フィルタ装置(フィルタ装置ともいう)は、聴覚装置の耳内部分の、レシーバ空洞とも知られる音響開口(レシーバ/マイクロフォン開口)の内部に配置されるように構成され、フィルタ装置はレシーバ/マイクロフォン開口への耳垢の進入のリスクを防止し又は低減するように構成され、これにより補聴器の汚染を低減し、レシーバ及び/又はマイクロフォンなどの聴覚装置の電気部品をダメージから保護する。フィルタ装置にはフィルタ構造が設けられ、フィルタ構造は、本体の空洞内に、例えば本体空洞の内部に配置されるように構成されてもよく、及び/又は、本体空洞の一方の端部を覆うように、及び/又は閉止するように構成されてもよい。フィルタ構造は、本体空洞の中心軸に沿って耳垢が通過することを防止し、それにより聴覚装置のレシーバ/マイクロフォン開口及び耳内部分に耳垢が進入することを防止しながら、同時にフィルタ構造を介して音声が通過することを許容するように構成された複数の開口を有する多孔質装置の形態であってもよい。フィルタ装置はレシーバ/マイクロフォン開口内に差し込まれてもよく、この場合、本体の第1端部はレシーバ開口内に差し込まれ、本体は少なくとも部分的にレシーバ開口内に差し込まれる。
【0015】
本体の外表面に配置される第1支持部材及び/又は第2支持部材は、本体の第1端部及び第2端部(カラー)の間の領域に配置される。第1支持部材は、第1支持部材がレシーバ開口の内部において本体を支持し得るように、聴覚装置のレシーバ/マイクロフォン開口の直径と同じかそれより大きい第1断面直径を有してもよい。第2支持部材は、レシーバ開口の内部において本体を支持し得るように、聴覚装置のレシーバ/マイクロフォン開口の直径と同じかそれより大きい第2断面直径を有してもよい。本体がレシーバ開口の内部に配置されたとき、支持部材がレシーバ開口の内表面に接触し、その接触が支持部材と内表面との間に摩擦嵌合を提供するように構成され、本体がレシーバ開口の内部に摩擦によって固定されるように、支持部材の少なくとも1つの断面直径はレシーバ開口の断面直径より大きくてもよい。第1断面直径は、1.20mmから1.70mmの範囲内であってもよい。第2断面直径は、1.20mmから1.70mmの範囲内であってもよい。第1断面直径は、第2断面直径より大きいか又は第2断面直径と同じであってもよい。第1断面直径は、第2断面直径より小さくてもよい。
【0016】
第1支持部材は環状であってもよい、すなわち、本体の外表面の全周に亘って延びてもよい。第1支持部材は、少なくとも半環状であってもよく、すなわち本体の外表面の全周の少なくとも半分に亘って延びてもよい。第1支持部材は、本体の外表面の全周の少なくとも1/3又は1/4に亘って延びてもよい。第2支持部材は環状であってもよい、すなわち、本体の外表面の全周に亘って延びてもよい。第2支持部材は、少なくとも半環状であってもよく、すなわち本体の外表面の全周の少なくとも半分に亘って延びてもよい。第2支持部材は、本体の外表面の全周の少なくとも1/3又は1/4に亘って延びてもよい。
【0017】
本体の外表面は、第1端部から第1距離に配置された複数の第1支持部材を備えてもよい。本体の外表面は、第1端部から第2距離に配置された複数の第2支持部材を備えてもよい。
【0018】
第1支持部材及び/又は第2支持部材は、聴覚装置とフィルタ装置との間にバリアを提供するように構成されてもよく、支持部材は、本体の外表面とレシーバ開口の内表面との間でレシーバ開口に耳垢が進入することを防止するように配置されてもよい。すなわち、本体空洞の外部でレシーバ開口に耳垢が紛れ込んだ場合であっても、耳垢が第1支持部材及び/又は第2支持部材を通過して紛れ込むことができないよう、第1支持部材及び/又は第2支持部材が配置されてもよい。
【0019】
1以上の例示的なフィルタ装置では、第1断面直径及び第2断面直径は外側断面直径より大きくてもよい。本体は外側直径を有してもよく、本体の第1端部をレシーバ開口内に差し込むことによって本体がレシーバ開口の内部に配置され得るように、本体の外側直径は聴覚装置のレシーバ開口と同じかそれより小さくてもよい。第1支持部材及び/又は第2支持部材は、レシーバ開口(空洞)の内表面に、第1支持部材及び/又は第2支持部材が接触し、支持部材がレシーバ/マイクロフォン開口の内部において本体又は本体の少なくとも一部を支持し得るように、外側断面直径より大きい第1及び/又は第2断面直径を有するように構成されてもよい。
【0020】
1以上の例示的なフィルタ装置では、第1断面直径及び第2断面直径は、カラー断面直径より小さくてもよい。カラーは、レシーバ開口より大きいカラー直径を有してもよく、この場合カラーのカラー直径は、レシーバ開口内に差し込まれ得る本体の長さを制限し得る。すなわち、カラー断面直径が第2端部におけるストッパとして機能するよう、カラー断面直径は、外側断面直径、並びに第1及び/又は第2断面直径の両方より大きくてもよい。さらに、カラー断面直径はまた、フィルタ装置のうち本体のみがレシーバ開口内に差し込まれ、フィルタ装置のカラーがレシーバ開口内に差し込まれないことを確実にしてもよい。カラー直径は、2.00mmから3.00mmの範囲内であってもよく、例えば、約2.50mmであってもよい。
【0021】
1以上の例示的なフィルタ装置では、第1断面直径は第2断面直径より大きくてもよい。これは、第1支持部材の第1断面直径がレシーバ開口の内表面との間に第1摩擦力を提供し得ることを意味し、ここで第1摩擦力は第2支持部材の第2摩擦力より大きい。第1摩擦力は、使用中にフィルタ装置をレシーバ開口の内部に留めるのに十分な所定の力であってもよい。第2支持部材と内表面との間の第2摩擦力は、比較的低くてもよく、又はフィルタ装置をレシーバ開口内部に保持するには足らない程度であってもよい。第2支持部材は、フィルタ装置が挿入されたときに、フィルタ装置が補聴器の内部に正しく配置され、フィルタ装置の中心軸とレシーバ開口の中心軸とが同軸になることを確実にするように、レシーバ開口内部に第2接触点を提供するように構成されてもよい。
【0022】
1以上の例示的なフィルタ装置では、第1位置は第2位置と異なってもよい。第1位置は、フィルタ装置の中心軸に沿った第1位置であってもよく、例えば、本体の第1端部から第1距離にあってもよく、第2位置はフィルタ装置の中心軸に沿った第2位置であってもよく、例えば、本体の第1端部から第2距離にあってもよく、2つの位置は、異なる位置で中心軸を横切ってもよい。第1距離は、0.3mmから0.7mmの範囲内であってもよい。第2距離は、0.6mmから1.30mmの範囲内であってもよい。第2距離は、第1距離の1.5から2.5倍の長さであってもよい。第1支持部材と第2支持部材を本体の外表面の異なる位置に設けることは、外表面に沿った第1バリアと外表面における第2バリアを有することを確実にしてもよく、耳垢が第2バリアに接触するためには、耳垢がバリアのうちの1つをフィルタ装置の中心軸に同軸の方向に通過しなければならない。そのため、耳垢がレシーバ開口に進入し、又はレシーバ開口を通過して、例えばレシーバに接触するリスクが低減される。すなわち、耳垢が聴覚装置の電気部品にダメージを与えるリスクが低減される。
【0023】
1以上の例示的なフィルタ装置では、第1支持部材は第2支持部材から所定の距離に配置されてもよい。その距離は、フィルタ装置の中心軸に平行な軸に沿ったものであってもよい。このことは、たとえ耳垢が支持部材の1つを通過したとしても、第2支持部材に直接接触しないことを意味し得る。すなわち、支持部材の1つのバリア性能に欠陥があったとしても、他の支持部材が耳垢のさらなる前進を防止するであろう。第1支持部材と第2支持部材の(中心軸に沿って計測したときの)距離は、0.20mmより大きくてもよく、例えば0.30mmから0.50mmの範囲内であってもよい。
【0024】
1以上の例示的なフィルタ装置では、空洞は、第1端部から第2端部へ延びる筒状空洞であってもよい。筒状空洞は本体の内壁によって画定されてもよく、本体の内壁は中心軸に沿う方向へ延びる長さと、中心軸の長さに沿って、円形状、環形状、又は丸みを帯びた形状(断面)を有してもよい。本体は、筒状構造であってもよく、この場合本体は、中空であり、空洞を画定しており、この場合本体は丸みを帯びた円形状であってもよい。筒状空洞は第1端部及び/又は第2端部に開口を有してもよく、第1端部から第2端部への流体連通を許容し、空洞は音響信号が第2端部から第1端部へ通過することを許容するように構成されている。空洞は円形断面を有してもよく、0.70mmから1.50mmの範囲内の直径又は最大外延を有してもよい。
【0025】
1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造は本体の第1端部に配置されてもよい。第1端部は、空洞の第1端部を画定してもよい。この場合フィルタ装置が補聴器の音響開口(レシーバ開口/マイクロフォン開口)に挿入されたとき、第1端部は、ユーザの耳から空洞へ通過しうる耳垢をフィルタ構造が捕捉し、又は止めるように構成されてもよく、この場合フィルタ構造は空洞内部から補聴器内へ耳垢が通過することを防止する。本体の第2端部は開放されていてもよく、この場合第2端部を介して空洞への完全なアクセスがある。フィルタ構造を第1端部に配置することにより、フィルタ構造は機械的なストッパとして機能してもよい。これは、第2端部を介して抜き取り器が空洞内に挿入された場合、抜き取り器はフィルタ構造を通過することができず、それによってフィルタ構造は空洞及び/又は本体の第1端部に対する機械的バリアを提供するであろうことを意味する。
【0026】
1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造は本体の第1端部から空洞への流体連通を提供する複数の開口を備えてもよい。複数の開口は、矩形開口であってもよい。複数の開口は、補聴器内部のレシーバから、及び/又はマイクロフォンへ、音が空洞を介してフィルタ装置を通過することを許容してもよく、この場合フィルタ構造は、音がフィルタ構造に沿った経路を通って空洞及び/又はフィルタ構造を通過するときに音及び/又は音響信号に実質的に影響せず、又は減衰させない。フィルタ構造には、少なくとも8個かそれ以上の開口が設けられてもよい。開口のうちのいくつかは矩形又は正方形であってもよく、開口のうちのいくつかは部分的に矩形であってもよく、開口を画定する少なくとも2つの壁は互いに直角に配置された直線状の壁であってもよい。1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造は少なくとも12個の開口を有してもよい。1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造は16個以上の開口を有してもよい。例えば、少なくとも8個の開口又は少なくとも12個の開口のような第1開口セットは矩形であってもよく、及び/又は、第2開口セット、例えば4個の開口は、部分的に矩形であってもよい。1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造の開口は、円形、環状、多角形、及び又はいかなる他の閉じられた形状であってもよい。フィルタ構造は、異なる複数の形状の開口を備えてもよく、例えば、フィルタ構造は、矩形の開口に加えて、丸みを帯びた形状の開口及び/又は三角形の開口を備えてもよい。
【0027】
フィルタ装置は、一体品として射出成型されてもよく、この場合本体、空洞、カラー、フィルタ構造及び/又は支持構造は、射出成型によって提供される。
【0028】
1以上の例示的なフィルタ装置では、フィルタ構造はフィルタ構造領域を有してもよく、開口はフィルタ構造領域の少なくとも40%を備える。フィルタ構造領域は、開口と、開口を画定するフィルタ構造素材を備える領域である。フィルタ構造は、複数の柱が本体の内表面の一部から本体の内表面の別の部分へ延びるメッシュ型構造の形態であってもよい。フィルタ構造は、1以上の第1方向へ延びる第1柱と、第1柱に垂直に設けられた1以上の第2柱を備えてもよい。フィルタ構造の柱は、本体の中心軸に対して略垂直な方向に設けられてもよく、フィルタ構造は全体として中心軸に対して略垂直であり、本体の第1端部において空洞の境界を画定する。
【0029】
1以上の例示的なフィルタ装置では、カラーの外周は円形、多角形、又は丸みを帯びた角を備える多角形であってもよい。カラーは本体の第2端部に配置されてもよく、この場合カラーは、開口と、外周と、第1端部を向く第1表面と、反対方向を向く(フィルタ装置の第2端部を向く)第2表面を有する。カラーの外周の形状は、円形、楕円形、多角形などの適切ないかなる形状をとってもよい。カラーの外周の形状は、例えば丸みを帯びた角を備える三角形であってもよい。カラーは、ハウジングのレシーバ開口より大きく構成されたカラー断面直径又は最小外延を有してもよく、それによりカラーがレシーバ開口内に進入することを防止する。
【0030】
1以上の例示的なフィルタ装置では、カラーの外周の形状は、好ましくは丸みを帯びた角を備える、略三角形であってもよい。このようなフィルタ装置では、三角形の1以上の辺が、凹面及び/又は凸面の曲率で丸みを帯びていてもよい。外周の形状を三角形又は略三角形とすることの利点は、辺が円形状のカラーの円形外周より良好な把持表面を提供するため、カラーがより多くの道具、例えばペンチに対応し得ることである。さらに、辺はユーザが指又は爪を使ってより掴みやすくなるだろう。
【0031】
1以上の例示的なフィルタ装置では、本体の第1端部は外表面から内表面へのテーパ状の移行部を有してもよく、又は備えてもよい。テーパ状の移行部は、本体の中心軸に向かって内部に向かう方向にテーパ状に形成されてもよく、テーパの外側直径はレシーバ開口の断面直径と同じかそれより小さくてもよいため、テーパ形状にすることは第1端部をレシーバ開口に挿入することをより容易にしてもよい。テーパの内側直径は、テーパの外側直径より小さくてもよく、内側直径は開口の断面直径より小さい。すなわち、テーパの内側直径は、レシーバ開口の内側断面直径より実質的に小さい。第1端部(テーパ)は開口より小さいため、テーパはフィルタ装置の挿入を補助し得る。テーパ状の表面と内表面との間の角度は、90度より大きくてもよく、より具体的には125度より大きくてもよく、一方、テーパ状の表面と外表面との間の角度は90度未満、より具体的には55度未満であってもよい。
【0032】
1以上の例示的なフィルタ装置では、テーパの外側直径は、外表面の外側断面直径より大きくてもよい。テーパの外側直径を外表面の外側断面直径より大きくすることの利点は、本体が第1端部の近傍においてより剛性が高くなり、本体に改善された構造的安定性を提供することである。そしてそれは、テーパの増大された外側直径がフィルタにダメージを与えうる圧縮に対する本体の耐久性をより良好にするだろうから、フィルタ構造が第1端部の近くに配置されたときに特に有用である。さらなる利点は、テーパ部分の増大する外側直径が補聴器の開口内でフィルタ装置を中央に位置決めすることを助けるだろうから、テーパ部分のガイド特性が向上することである。
【0033】
1以上の例示的なフィルタ装置では、内表面は内表面長さを有してもよく、外表面は外表面長さを有してもよく、内表面長さは外表面長さより大きくてもよい。すなわち、本体の内表面は本体の外表面の表面長さより大きい長さを有してもよい。すなわち、空洞を画定する本体の内表面はフィルタ装置の第1端部から第2端部へ延びる一方で、外表面はそれより短い距離だけ延び得るか、又は、内表面と外表面の間のカラー及び/又はテーパ表面によって途切れ得る。
【0034】
1以上の例示的なフィルタ装置では、(空洞を形成する)本体の内表面とカラーの第2表面との間の移行部分は、丸みを帯びていてもよい。移行部分は、本体、フィルタ装置及び/又はカラーの第2端部に配置されていてもよく、丸みは空洞の開口の末端にあってもよい。
【0035】
1以上の例示的なフィルタ装置では、カラーは第1表面を備えており、第1表面は平らであってもよい。平らな面は平坦であってもよく、本体の中心軸に対して垂直であってもよく、平らな面は本体の第1端部を向いてもよい。平らな面は聴覚装置の外表面と接するように構成されてもよい。ここで、平らな面は、フィルタ装置が音響開口に挿入されたときに、平らな面の大部分が聴覚装置ハウジングに接触することを意味する。ハウジングと第1表面との間の接触領域は、フィルタ装置がレシーバ開口に挿入されたときに、耳垢がカラーの周面を通過し、補聴器ハウジングとカラーの間を通ってレシーバ開口へ移動するリスクをより小さくすることを確実にし得る。これにより、フィルタ装置の交換時に音響開口に耳垢が進入するリスクがより低減される。
【0036】
1以上の例示的なフィルタ装置では、カラーの外周は周面領域を備え、周面領域は平らであってもよく、平らな面は本体の外表面及び/又は本体の内表面と平行であってもよい。カラーの周面の平らな面の領域は、中心軸を中心に回転されたものであってもよく、その面はフィルタ装置の中心軸と平行な直線軸を有する。
【0037】
1以上の例示的なフィルタ装置では、周面領域はカラーの第2表面に接続されてもよく、周面と第2表面の間の移行部分は丸みを帯びていてもよい。丸みを帯びた表面は尖った縁部を有さないため、丸みを帯びた領域は、補聴器が耳に挿入されたときの不快感を低減することができる。丸みは、0.15mmから0.4mmの間の丸み半径を有してもよい。カラーの厚み、すなわち第1カラー表面と第2カラー表面の間の距離は、移行表面と中心軸Aの間の領域において略均一であってもよい。移行表面の幅、すなわち(第1カラー表面の直径)-(第2カラー表面の直径)は、(外側直径を2で割ったもの)-(カラー直径を2で割ったもの)より短くてもよく、好ましくは(外側直径を4で割ったもの)-(カラー直径を4で割ったもの)より短くてもよい。
【0038】
1以上の例示的なフィルタ装置では、周縁部は、第2カラー表面と第1カラー表面とを接続する移行表面を備える。移行表面は、外耳道の一部に押し付けられたとしてもユーザを傷つけない丸みを帯びた縁部を提供する丸み部分を備える。移行表面は、中心軸Aと略平行、好ましくは平行に延びて、丸み部分に第1カラー表面を接続する平坦部分をさらに備える。丸み部分を設けることの利点は、周縁部が外耳道を押した場合にユーザを傷つけにくいことである。さらに、平坦部分を設けることによって、周縁部におけるカラーの厚さを大きくすることができ、よって、カラーにより優れた硬さと頑丈さを提供しつつ、フィルタ装置が聴覚装置に詰まって出てこない場合にペンチや同様の道具によって掴むことのできる平坦面をも提供する。
【0039】
1つの例示的な実施例によるフィルタ装置の寸法は、例えば、次のとおりである。本体の長さは1.25mmであってもよく、本体断面直径は1.35mmであってもよく、カラー断面直径は2.50mmであってもよく、第1断面直径は1.47mmであってもよく、第2断面直径は1.42mmであってもよい。空洞の内表面断面直径は1.0mmであってもよい。カラーの長さは0.37mmであってもよく、第1端部におけるテーパの長さは0.14mmであってもよい。第1支持部材及び第2支持部材の間の距離は0.27mmであってもよい。第1支持部材の曲率半径は0.11mmであってもよく、第2支持部材の曲率半径は0.09mmであってもよく、カラーの曲率半径は0.3mmであってもよい。上述の長さの方向は、フィルタ装置の中心軸に平行な方向におけるものであり、直径は中心軸に垂直な方向において見られてもよい。角の丸みは、曲率、例えば丸みの中心において見られてもよい。
【0040】
図1から
図5はフィルタ装置1の複数の概観図を示し、以下の図面の説明は
図1から
図5のいずれかを参照する。フィルタ装置1は、第1端部3及び第2端部4を有する本体2を有する。フィルタ装置1は、カラー5を備え、カラーは、第2表面6、第1表面7、及び周縁部8を有し、周縁部8は平らな面16を有する。フィルタ装置1の第2端部4において、フィルタ装置1は第2開口10を有し、第2開口は本体2の空洞11にアクセス及び/又は流体連通を提供し、空洞11は本体2の内表面12によって画定され、所定の容積を有する。フィルタ装置は、フィルタ装置1の長さに沿って延びる中心軸Aを有してもよい。
【0041】
本体2は、
図5に示されるように、外表面13を有してもよく、外表面は第1支持部材14及び第2支持部材15を画定してもよく、第1支持部材14及び第2支持部材15は本体2の長さに沿って異なる位置に配置される。第1支持部材14は第1直径Bを有してもよく、第2支持部材は第2直径Cを有してもよく、第1直径Bは第2直径Cより大きい。すなわち、本体の外側直径Dと同じかそれより大きいが第1直径Bよりは小さい直径を有する音響開口(図示せず)にフィルタ装置1が挿入されたとき、第1支持部材14は、第2支持部材より音響開口の内表面とのより多くの接触を有し、それにより補聴器のレシーバ開口内部にフィルタ装置1を保持するための摩擦力を提供する。第2支持部材15は聴覚装置の音響開口の内表面との第2接触点を提供してもよく、本体2の中心軸Aがレシーバ開口(図示せず)の中心軸と同軸に位置合わせすることを確実にする。第1直径Bは第2直径Cより大きくてもよく、外側直径Dより大きくてもよい。第2直径Cは第1直径より小さくてもよいが、外側直径Dより大きくてもよい。
【0042】
フィルタ装置1にはカラー5が設けられてもよく、カラーはカラー直径Eを有する。カラー直径Eは、第1直径B、第2直径C、外側直径Dより大きく、カラーが補聴器のレシーバ開口に挿入できないように形成される。カラー5は、第1端部3を向き、本体2の外表面13からカラー5の周縁部8に向かって延びる第1表面7を有する。第1表面7は平面状であってもよく、カラーの面は中心軸Cに対して垂直であってもよく、平面は補聴器の外表面に接して補聴器の外表面とカラーの第1表面7との間に密閉を提供するように構成される。カラー5の周境界8は、平らな周面16を有してもよく、平らな面16は中心軸Aに略平行であり、カラー5のリム/縁部8全体に沿って延びる。カラー5は第2表面6を有してもよく、第2表面6はフィルタ装置1の第2端部4の一部を画定してもよく、中心軸Aに沿ったフィルタ装置の最も外側の部分となってもよい。カラー5は、移行表面17において丸みを帯びていてもよく、移行表面17は、平らな面16と第2表面6を接続する。第2表面6は、フィルタ装置1の外部からの流体連通を提供する空洞11への第2開口16を画定してもよい。開口11の内縁部18は丸みを帯びていてもよい。
【0043】
フィルタ装置1は、第1端部3に配置されたフィルタ構造19を有してもよく、フィルタ構造19は柱20と開口21を備え、開口21はフィルタ装置1の外部と空洞11との間に第1端部3を介した流体連通を提供する。開口21は、フィルタ装置1が補聴器に取り付けられたとき、空洞11の内側から第1端部3を介して補聴器に通過する耳垢を柱20が止めるようなサイズである。フィルタ構造は、フィルタ構造19の領域22の約40%を占める開口を有してもよい。換言すれば、フィルタ構造は、空洞11の断面積の約40%を占める開口を有してもよい。フィルタ構造は、第1表面24と第2表面25を有してもよく、第2表面24は空洞11を向いており、第1表面24はフィルタ装置1の外側を向いている。フィルタ構造19は、空洞11の第1端部3に配置されてもよく、この場合第1表面24は本体2の末端である。フィルタ構造19は、代替的には空洞11の外側に配置されてもよく、空洞11を閉止する。
【0044】
第1端部3は、本体2の外表面13と本体の内表面12との間で延びるテーパ表面23を備えてもよい。
【0045】
図6は、例示的なフィルタ装置31の第2端部3の第2端部図を示し、フィルタ装置31は、第1カラー表面7を有するカラー5を備える。カラー5は周縁部26を有し、周縁部26は三角形状、又は3つの頂点を持つ多角形状を有してもよい。すなわち、周縁部26は、第1周壁27、第2周壁28、第3周壁29を有し、隣接する2つの壁は丸みを帯びた角30によって接続されている。周縁部は、
図1から5の実施形態に示されたものと同様に、平らな周面16、第2表面6、移行表面17、及び内縁部18を有してもよい。
図1から
図5のフィルタ装置1に関連するすべての特徴は、
図6に示されるフィルタ装置31の実施形態に適用可能であってもよい。唯一の相違点は、カラー5の周縁部の形状に見られてもよい。フィルタ装置31は
図1から
図5の本体2に示されるような本体を備える。
【0046】
図7から
図11は、
図6に示されたものと同様のフィルタ装置31の複数の概観図を示し、以下の説明は
図6から
図11のいずれか1つを参照する。カラー5の外周形状は、略三角形であり、すなわち、外周形状には、丸みを帯びた第1周壁27、丸みを帯びた第2周壁28、及び丸みを帯びた第3周壁29が設けられ、隣接する2つの壁27、28、29は丸みを帯びた角30を介して接続される。第1端部3におけるテーパ23は、本体2の外表面13の外側断面直径より大きい外側直径232を有する。
【0047】
周縁部8は、第2カラー表面6と第1カラー表面7とを接続する移行表面17を備える。移行表面17は、外耳道の一部に押し付けられたとしてもユーザを傷つけない丸みを帯びた縁部を提供する丸み部分172を備える。移行表面17は、さらに、中心軸Aと略平行、好ましくは平行に延びて、第1カラー表面7と丸み部分172とを接続する平坦部分172を備える。カラー5の厚さ、すなわち、第1カラー表面6及び第2カラー表面7の間の距離は、移行表面17と中心軸Aの間の領域において略均一であってもよい。移行表面17の幅、すなわち(第1カラー表面7の直径)-(第2カラー表面6の直径)は、好ましくは、(第1カラー表面の直径を2で割ったもの)-(第2カラー表面の直径を2で割ったもの)、すなわち、(E-D)/2より短く、好ましくは、(外側直径を4で割ったもの)-(カラー直径を4で割ったもの)、すなわち、(E-D)/4より短い。
【0048】
以下の項目のいずれかによる聴覚装置用耳垢フィルタ装置もまた開示される。
【0049】
(項目1)
第1端部と第2端部を有する本体であって、
空洞を画定する内表面と、
外側断面直径を有する外表面であって、前記外表面は前記第1端部から第1距離に配置された第1支持部材を備えており、前記第1支持部材は第1断面直径を有しており、前記外表面は前記第1端部から第2距離に配置された第2支持部材を備えており、前記第2支持部材は第2断面直径を有する、前記外表面と、を備える前記本体と、
前記本体の前記空洞内に配置されたフィルタ構造と、
前記本体の前記第2端部に配置されたカラーであって、カラー断面直径を有する前記カラーと、を備える、聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0050】
(項目2)
前記第1断面直径及び前記第2断面直径は、前記外側断面直径より大きい、項目1に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0051】
(項目3)
前記第1断面直径及び前記第2断面直径は、前記カラー断面直径より小さい、項目1又は2に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0052】
(項目4)
前記第1断面直径は、前記第2断面直径より大きい、項目1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0053】
(項目5)
前記第1位置は、前記第2位置と異なる、項目1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0054】
(項目6)
前記第1支持部材は、前記第2支持部材から所定の距離に配置されている、項目1から5のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0055】
(項目7)
前記空洞は、前記第1端部から前記第2端部へ延びる筒状空洞である、項目1から6のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0056】
(項目8)
前記フィルタ構造は、前記本体の第1端部に配置されている、項目1から7のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0057】
(項目9)
前記フィルタ構造は、前記本体の前記第1端部から前記空洞の内部への流体連通を提供する複数の矩形開口を備える、項目1から8のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0058】
(項目10)
前記フィルタ構造は、フィルタ構造領域を有し、前記開口は、前記フィルタ構造領域の少なくとも70%を備える、項目1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0059】
(項目11)
前記本体の第1端部は、前記外表面から前記内表面へのテーパ状の移行部を有する、項目1から10のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0060】
(項目12)
前記内表面は内表面長さを有してもよく、前記外表面は外表面長さを有してもよく、前記内表面長さは前記外表面長さより大きい、項目1から11のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0061】
(項目13)
前記カラーは第1表面を備え、前記第1表面は平らである、項目1から12のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0062】
(項目14)
前記カラーの外周は、周面領域を備えており、前記周面領域は平らであり、前記面は、前記本体の前記外表面及び/又は前記本体の前記内表面と平行である、項目1から13のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0063】
(項目15)
前記周面領域は、前記カラーの第2表面に接続されており、前記周面と前記第2表面との間の移行領域は丸みを帯びている、項目14に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0064】
(項目16)
前記第1支持部材は、環状であるか、又は少なくとも半環状である、項目1から15のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0065】
(項目17)
前記第2支持部材は、環状であるか、又は少なくとも半環状である、項目1から16のいずれか一項に記載の聴覚装置用耳垢フィルタ装置。
【0066】
「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」、「一次」、「二次」、「三次」その他の用語の使用は、いかなる特定の順序も暗示しないが、個別の要素を特定するために含まれる。さらに、「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」、「一次」、「二次」、「三次」その他の用語の使用はいかなる順序も重要性も示さず、むしろ「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」、「一次」、「二次」、「三次」その他の用語は、1つの要素を別の要素から区別するために用いられる。なお、「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」、「一次」、「二次」、「三次」その他の単語は、ここ及び他の場所で目的のラベリングのためだけに用いられ、いかなる特定の空間的又は時間的順序を示すことを意図しない。
【0067】
また、第1要素のラベリングは第2要素の存在を暗示せず、その逆も然りである。
【0068】
要素に先行する「a」又は「an」の単語は、その要素が複数存在することを除外しないことに留意しなければならない。
【0069】
いかなる符号も請求項の範囲を限定するものでないこと、例示的な実施形態は少なくとも一部においてハードウェア及びソフトウェアの手段によって実施可能であること、及び、いくつかの「手段」、「ユニット」又は「装置」はハードウェアの同じ項目によって代表されてもよいこと、はさらに留意すべきである。
【0070】
特徴を示し説明してきたが、それらが特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図したものでないことが理解されるであろう。また、特許請求の範囲に記載された発明の範囲の趣旨を逸脱することなく様々な変更又は修正がなされてもよいことが当業者にとって自明になるであろう。明細書及び図面は、したがって、限定的な意味というよりは例示的な意味において捉えられるべきある。特許請求の範囲に記載された発明は全ての代替物、変更物、及び均等物をカバーすることを意図する。
【符号の説明】
【0071】
1 :フィルタ装置
2 :本体
3 :第1端部
4 :第2端部
5 :カラー
6 :第2カラー表面
7 :第1カラー表面
8 :周縁部
10 :第2開口
11 :空洞
12 :内表面
13 :外表面
14 :第1支持部材
15 :第2支持部材
16 :平らな周面
17 :移行表面
18 :内縁部
19 :フィルタ構造
20 :柱
21 :開口
22 :フィルタ構造領域
23 :テーパ表面
24 :第1フィルタ表面
25 :第2フィルタ表面
A :中心軸
B :第1直径
C :第2直径
D :外側直径
E :カラー直径
【国際調査報告】